JP2004340713A - 歯質表層構造変化の評価方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】歯質表層構造変化の評価方法の提供。
【解決手段】歯の薄切切片を組織染色用染色液処理、又はイオンエッチング処理し、得られる切片を観察することを特徴とする歯質の構造変化の評価方法。
【選択図】 図1
【解決手段】歯の薄切切片を組織染色用染色液処理、又はイオンエッチング処理し、得られる切片を観察することを特徴とする歯質の構造変化の評価方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯質表層構造変化の評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
齲蝕は、ストレプトコッカス・ミュータンス(S. mutans)等の細菌が乳酸を産生することで歯質が脱灰して生じる硬組織疾患である。脱灰とは、歯の周囲の唾液又はプラーク中のpHが下がり酸性となって、エナメル質中のカルシウムイオン又はリン酸イオンが歯の表層から溶け出すことを意味する。一方、歯の表層では、酸を中和する重炭酸イオンなどによって中性環境になると、溶出したカルシウムイオン又はリン酸イオンが歯質に沈着して結晶化することも行われている(これを再石灰化という)。したがって、歯質の耐酸性を向上させて歯質強化を図ること、あるいは再石灰化を促進することは齲蝕予防の観点から重要なことである。
【0003】
従来から歯質耐酸性の向上を目的としてフッ化物が応用されている。そして、歯質の表層構造の変化を観察するには、従来、コンタクトマイクロラジオグラム(CMR)を作成して顕微鏡により行われていた。その耐酸性獲得については、牛歯エナメル質にフッ化物を作用させた後、耐酸性試験を行い、コンタクトマイクロラジオグラムを作成して顕微鏡観察を行っていた。
【0004】
例えば、脱灰部の深さの測定は、従来はCMRで得られたフィルムからデンシトメーターで濃度差を計測し、コンピュータ画像解析などで行われており、その深さは参考程度の域を出ることはなかった。その他、試料表面のエックス線分析も行われていた。
【0005】
しかし、従来のCMRでは、試料作製が煩雑であること、高価な軟エックス線照射装置が必要であること、CMR用のフィルムが必要であること、シャープな映像が得られないことなどの問題点を有していた。すなわち、従来法では、薄切研磨切片の上面と下面が限りなく平行となるようにして軟エックス線照射しなければならない。しかも、上面と下面が重影しないように可能な限り薄い切片(100μm以下)とすることが必要である。このため、従来方法は、試料作製が煩雑で観察までに長時間を要していた。さらに、軟エックス線照射では、放射状にエックス線が照射されるため、エッジ部分が不明瞭となり、正確な評価をすることが困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、歯質表層構造変化の評価方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、特定の染色液を使用して、あるいはアルゴンイオンエッチングを一定時間行って歯の縦断切片で観察することにより、歯質表層の構造変化をシャープな像として映し出すことが可能となり、より正確な評価をすることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1) 歯の切片(例えば薄切研磨切片)を組織染色用染色液に浸漬することを特徴とする光学顕微鏡観察用切片の作製方法。
【0009】
上記方法において、組織染色用染色液としては、例えばヘマトキシリン、エオジンや齲蝕検知液が挙げられる。齲蝕検知液で良好な結果を得た。
(2) 歯の切片の表面をイオンエッチング処理することを特徴とする電子顕微鏡観察用切片の作製方法。
【0010】
本発明において、上記イオンエッチングとしては例えばアルゴンイオンエッチングが挙げられ、その処理時間は、例えば0.5〜5時間であることが好ましい。
(3) 歯の切片(例えば薄切研磨切片)を組織染色用染色液に浸漬させ、得られる染色切片を観察することを特徴とする歯質の構造変化の評価方法。組織染色用染色液は、前記と同様である。
【0011】
上記(3)の方法において、観察は光学顕微鏡により行うことができ、観察の対象となる歯質の構造変化としては、脱灰又は再石灰化が挙げられる。
(4) 歯の切片の表面をイオンエッチング処理し、得られる切断面を観察することを特徴とする歯質の構造変化の評価方法。
【0012】
本発明において、上記イオンエッチングとしては例えばアルゴンイオンエッチングが挙げられ、その処理時間は、例えば0.5〜5時間であることが好ましい。また、観察は電子顕微鏡により行われる。歯質の構造変化は、脱灰又は再石灰化である。
【0013】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明は、歯質の切片(切断面)を通常のエオジン染色液又は齲蝕検知液で染色するか、あるいは切片の表面をイオンエッチング処理することにより、側面から歯の表層の構造を観察し、その構造変化を評価することを特徴とするものであり、従来のコンタクトマイクロラジオグラフィーの代用として利用可能なものである。
【0015】
本発明は、歯の研磨切片を齲蝕検知液などの染色液に浸すことで、容易に歯質表層の脱灰深さの測定ができる。すなわち、フッ化物などを作用した歯を乳酸に浸漬し、人工的に齲蝕を形成させ、どの程度耐酸性を獲得しているかを側面から観察し、その脱灰深さを色彩的に測定することで、塗布した薬剤の評価をすることができる。イオンエッチングでは、作用した酸が影響を与えたと考えられるエナメル質の構造変化、あるいはフッ化物による再石灰化の状態を観察することが可能となった。
1.切片の作製
本発明の観察の対象となる歯の切片は以下のとおり作製することができる。
【0016】
材料は歯であれば特に限定されるものではないが、一般には抜歯したものを使用することができる。実験的には、ヒトの歯質で行われることもあるが、ヒトの歯質は嗜好食品等で個人個人の石灰化状態が異なるため、従来から歯質の耐酸性獲得の実験にはウシの歯が使用されている。その理由としては、得られるウシの歯が年齢的にもヒトの歯と近似しており、下顎前歯1歯から4つ程度の試験ブロックを取ることが可能であるために比較実験に適している。
【0017】
研磨切片の作製は、従来法に準じて行うことができる。
【0018】
まず、歯のブロック(歯質ブロックともいう)を作製する。ブロックの大きさは特に限定されるものではないが、エナメル質が含まれるように4x3x3mm程度のブロックとする。1ブロックから最低2つの切片試料を得ることができる。
【0019】
なお、健全エナメル質の基準面を残すため、ブロックの一部にネイルバーニッシュを塗布するとよい。ネイルバーニッシュは酸によって変化しないことから、エナメル質の耐酸性試験には従来から用いられている。ネイルバーニッシュを塗布する領域は、ブロック表面の20〜30%である。例えば上記4x3x3mm程度のブロックにしたときは、両サイド0.5mm程度の領域を塗布するとよい。
【0020】
次に、ネイルバーニッシュ塗布後の歯質ブロックにフッ化物(例えばフッ化ナトリウム、フッ化アンモニウム、フッ化第一錫等)を塗布する。この塗布時間は臨床的観点から3分又は4分と規定して行う。
【0021】
フッ化物によって獲得したエナメル質表層の耐酸性を調べる場合は、フッ化物で処理した後に適当な酸で処理する。酸処理により、人工的初期齲蝕を形成させることができ、歯質表層のエナメル質がどの程度侵食されたかを知ることができる。酸としては特に限定されるものではないが、齲蝕の原因菌が産生する酸が乳酸であることから、乳酸を用いることが好ましい。酸の濃度及び処理時間も限定されるものではないが、例えば乳酸の場合は0.01〜0.1Mで16〜24時間、好ましくは0.01Mで16時間処理する。
【0022】
その後ブロックを水洗及び乾燥し、アセトン等を用いて脱水する。そして、レジン包埋した後、研磨切片を作製する。
【0023】
研磨切片は300μm以下の厚さの薄切切片が好ましいが、300μm程度の厚さでも観察可能である。なお、イオンエッチングで電子顕微鏡観察する場合は、厚さは特に限定されるものでは無く、前記歯質ブロックの大きさの範囲内で適宜設定することができる。また、染色後に観察した同一試料を用いて行うこともできる。2.染色又はエッチング
(1) 染色
本発明においては、染色液として生体組織を染色するためのものを使用することができる。染色液の種類は特に限定されるものではなく、一般的組織染色法に使用される染色液のほか、結合組織染色、多糖類染色などの各種染色法に用いられる染色液を使用することができる。以下、それぞれの染色法(染色液)の具体例を挙げる。
【0024】
▲1▼ 一般的組織染色
ヘマトキシリン・エオジン(HE)、ヘマトキシリン、エオジン
▲2▼ 結合組織染色
アザン染色、マッソン・トリクローム染色、エラスチカ・ワンギーソン染色等▲3▼ 多糖類染色
過ヨウ素酸シッフ(PAS)染色、アルシアン青染色、アルシアン青(pH2.5)−PAS重染色、HID−アルシアン青(pH2.5)重染色、ムチカルミン染色、ベストカルミン染色、トルイジン青染色等
▲4▼その他: 齲蝕検知液(成分:アシッドレッド・プロピレングリコール溶液)
本発明においては、例えば齲蝕検知液、ヘマトキシリン、エオジンなどが好ましい。なお、齲蝕検知液は齲蝕罹患歯質を染色するために歯科で使用されるものである。
【0025】
染色液の濃度、温度、染色時間等は染色液に応じて適宜設定することができる。例えばエオジンの場合は、濃度は0.1〜1%であり、温度は室温にて、好ましくは染色時間は数分間、好ましくは3分程度である。齲蝕検知液の場合も同様である。
【0026】
(2)イオンエッチング
エッチングとは、一般には金属表面を溶解浸食させて凹凸模様や結晶模様など目的に応じた浸食模様を形成することを意味する。本発明において採用されるエッチング技術としては、イオンエッチングである。
【0027】
イオンとしては、アルゴンイオンが好ましい。また、Si や SiO2 のエッチングでは、メインエッチャントとして F ラジカルが必要となるため、原料としてCF 系のガスが用いられる。
【0028】
例えば、切片表面のアルゴンイオンエッチングの処理時間は、被照射体や観察したい内容で異なるが、本発明では0.5〜5時間である。研磨が十分に行われている試料であれば30分程度である。
3.観察
染色液に浸漬した切片は、光学顕微鏡で観察することができる。観察像は、エナメル質における浸食(脱灰)領域とそうでない領域との境界が明瞭に現れ、脱灰の深さ(表面からの深度)を容易に測定することができる。従って、表面からの染色深度を測定することにより、脱灰又は再石灰化されたか、あるいはその程度を観察することが可能である。
【0029】
一方、アルゴンイオンエッチング等のエッチング処理を行ったサンプルは、走査電子顕微鏡などの電子顕微鏡で観察することができる。このときの観察像は、脱灰した領域はアパタイト結晶が正常領域よりも疎となり、両者の境界を明確に区別することができる。その結果、歯の表面からの脱灰の深さを測定することができる。
【0030】
ところで、本発明においては、一度の染色に限定されるものではなく、染色した切片を研磨して再度染色してもよい。一度の染色で得た切片よりも明瞭な境界を得ようとする場合には、前記染色液による染色工程の後、さらに切片を再度染色液に浸漬することもできる。染色液に再度浸漬したときの歯質表層の像は、1回の染色液処理よりもさらに明確に境界を区別できる。
【0031】
ここで、最初に使用する染色液を第一の染色液、2回目に使用する染色液を第二の染色液とすると、第一及び第二の染色液は同じでもよく、別々のものを組み合わせてもよい。例えば、第一及び第二の染色液をともに齲蝕検知液とすることもでき、第一の染色液をエオジンとし、第二の染色液を齲蝕検知液とすることもできる。なお、染色液の例は前記と同様である。
4.評価
本発明の方法により、脱灰部の深さを正確に測定することができるため、歯質耐酸性の正確な評価が可能である。すなわち、歯ミガキやフッ化物で処理した歯の切片を酸で処理した後、本発明の方法で脱灰部の深度を測定することにより、その深度を指標として当該歯ミガキ又はフッ化物等の有効性を評価することができる。
【0032】
さらに、本発明の方法は、特別な装置、材料を必要とせず、実験時間が短縮されるため低コストで済むことが特徴である。
【0033】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0034】
〔実施例1〕 歯の薄切切片をエオジン液で染色したときの表層構造観察
(1) 薄切切片の作製
牛歯エナメル質の4x3x3mmのブロックを作製した後、ブロックの両サイド0.5mm程度をネイルバーニシュを塗布した。このブロックにフッ化ナトリウムを4分間塗布し、ブロックの一部を0.1M乳酸中に16時間浸漬した後、ブロックを水洗乾燥した。ブロックをアセトンにて昇順脱水し(2日〜3日)、得られたブロックをレジン(RigolacTM)で包埋し、3日〜4日静置して硬化させた。このブロックを、ダイヤモンドディスクを用いて歯の軸に対して垂直方向にスライス及び研磨し、厚さ約90μmの薄切研磨切片を作製した。
(2) 染色
上記研磨切片をエオジン又は齲蝕検知液に3分浸漬して染色を行い、その後水洗を行った。対照として、染色液による処理をしなかったもの、及び染色の代わりに軟エックス線照射(ソフテックスTM)で行ったCMRも作製した。なお、軟エックス線照射は、試料の下面にマイクロ用のX線フィルムを用いて行った。
(3) 光学顕微鏡観察
島津社製光学顕微鏡を用いて、歯質表層を観察した。
【0035】
結果を図1及び図2に示す。図1において、パネルAは齲蝕検知液に浸漬したもの、パネルBは未染色のもの、パネルCは軟エックス線撮影したものである。倍率はいずれも対物レンズ40倍である。パネルB(未染色)は境界領域を判別することができなかった。これに対し、パネルAは、パネルBと比較して脱灰した領域と正常領域とを明確に判別でき、酸浸食された領域の深さ(259μm)を正確に測定することができた。一方、軟エックス線撮影したものは、境界がぼやけて領域を明確に区別することが困難であり、深度を正確に測定することが困難であった。
【0036】
また、図2において、パネルAは齲蝕検知液で染色したときの写真、パネルBはその後、再度齲蝕検知液に浸漬したときの写真である。倍率はいずれも40倍である。パネルCはエオジン浸漬した後、齲蝕検知液に浸漬したときの写真である。いずれの場合(パネルB、D)においても、染色液を2回処理することによって、明確に領域を区別することができた。
【0037】
〔実施例2〕 アルゴンイオンエッチング処理を行ったときの歯質の表層構造観察
(1) ブロック切断切片の作製
研磨切片の作製は、実施例1と同様に行った。但し、研磨切片の厚さは300μmとし、研磨切片はImperial Lapping FilmTM (3M社)を用いて研磨した。
(2) アルゴンイオンエッチング
(1)で作製した薄片をエタノールで脱水し、t−ブチルアルコールを用いて凍結乾燥した。サンプルの表面をArイオンエッチング装置にて5時間のエッチングを行った。
(3) 日立社製走査電子顕微鏡(FE−SEM S−4500)を用いて、歯質表層を観察した。
【0038】
結果を図3及び図4に示す。図3において、パネルAは1.5時間のエッチング処理を行ったものであり(500倍)、パネルBはパネルAの強拡大写真(2000倍)である。パネルCは1.5時間のエッチング処理を行ったものである(500倍)。パネルDはエッチング処理を行なわずに軟エックス線処理を行ったとき(対照)の写真である。また、図4は30分のエッチング処理を行ったときの結果を示す写真(1000倍)である。
【0039】
図3のパネルA〜Cから明らかな通り、アルゴンイオンエッチングを行ったものでは、正常領域は灰白色で現れ、脱灰した領域は結晶間に間隙が存在し、白色が濃く現れていた。また、パネルBから分かる通り、正常領域はエナメル小柱(魚の鱗状の形状をしたもの)が観察できるのに対し、強く脱灰された領域では不明瞭であった。さらに、図4においても、正常領域(灰白色)と脱灰した領域(白色)とを明確に区別することができた。
【0040】
【発明の効果】
本発明により、歯質の構造変化の評価方法が提供される。本発明によれば、▲1▼フッ化物の種類、適正濃度や塗布時間などの評価が適切に行える点、▲2▼試料中の脱灰部と正常部との境界部分を明確に把握できる点、▲3▼試料作製が容易である点で、極めて有用である。そして、CMR法よりも正確な再石灰化の情報を得ることができるため、歯面強化法の確立や齲蝕治療剤、歯磨材などの開発に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】歯の薄切切片を染色液で染色したときのエナメル質表層を示す光学顕微鏡写真である。
【図2】歯の薄切切片を染色液で2回染色操作したときのエナメル質表層を示す光学顕微鏡写真である。
【図3】歯の薄切切片をアルゴンイオンエッチング処理したときのエナメル質表層を示す走査電子顕微鏡写真である。
【図4】歯の薄切切片をアルゴンイオンエッチング処理したときのエナメル質表層を示す走査電子顕微鏡写真である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯質表層構造変化の評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
齲蝕は、ストレプトコッカス・ミュータンス(S. mutans)等の細菌が乳酸を産生することで歯質が脱灰して生じる硬組織疾患である。脱灰とは、歯の周囲の唾液又はプラーク中のpHが下がり酸性となって、エナメル質中のカルシウムイオン又はリン酸イオンが歯の表層から溶け出すことを意味する。一方、歯の表層では、酸を中和する重炭酸イオンなどによって中性環境になると、溶出したカルシウムイオン又はリン酸イオンが歯質に沈着して結晶化することも行われている(これを再石灰化という)。したがって、歯質の耐酸性を向上させて歯質強化を図ること、あるいは再石灰化を促進することは齲蝕予防の観点から重要なことである。
【0003】
従来から歯質耐酸性の向上を目的としてフッ化物が応用されている。そして、歯質の表層構造の変化を観察するには、従来、コンタクトマイクロラジオグラム(CMR)を作成して顕微鏡により行われていた。その耐酸性獲得については、牛歯エナメル質にフッ化物を作用させた後、耐酸性試験を行い、コンタクトマイクロラジオグラムを作成して顕微鏡観察を行っていた。
【0004】
例えば、脱灰部の深さの測定は、従来はCMRで得られたフィルムからデンシトメーターで濃度差を計測し、コンピュータ画像解析などで行われており、その深さは参考程度の域を出ることはなかった。その他、試料表面のエックス線分析も行われていた。
【0005】
しかし、従来のCMRでは、試料作製が煩雑であること、高価な軟エックス線照射装置が必要であること、CMR用のフィルムが必要であること、シャープな映像が得られないことなどの問題点を有していた。すなわち、従来法では、薄切研磨切片の上面と下面が限りなく平行となるようにして軟エックス線照射しなければならない。しかも、上面と下面が重影しないように可能な限り薄い切片(100μm以下)とすることが必要である。このため、従来方法は、試料作製が煩雑で観察までに長時間を要していた。さらに、軟エックス線照射では、放射状にエックス線が照射されるため、エッジ部分が不明瞭となり、正確な評価をすることが困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、歯質表層構造変化の評価方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、特定の染色液を使用して、あるいはアルゴンイオンエッチングを一定時間行って歯の縦断切片で観察することにより、歯質表層の構造変化をシャープな像として映し出すことが可能となり、より正確な評価をすることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1) 歯の切片(例えば薄切研磨切片)を組織染色用染色液に浸漬することを特徴とする光学顕微鏡観察用切片の作製方法。
【0009】
上記方法において、組織染色用染色液としては、例えばヘマトキシリン、エオジンや齲蝕検知液が挙げられる。齲蝕検知液で良好な結果を得た。
(2) 歯の切片の表面をイオンエッチング処理することを特徴とする電子顕微鏡観察用切片の作製方法。
【0010】
本発明において、上記イオンエッチングとしては例えばアルゴンイオンエッチングが挙げられ、その処理時間は、例えば0.5〜5時間であることが好ましい。
(3) 歯の切片(例えば薄切研磨切片)を組織染色用染色液に浸漬させ、得られる染色切片を観察することを特徴とする歯質の構造変化の評価方法。組織染色用染色液は、前記と同様である。
【0011】
上記(3)の方法において、観察は光学顕微鏡により行うことができ、観察の対象となる歯質の構造変化としては、脱灰又は再石灰化が挙げられる。
(4) 歯の切片の表面をイオンエッチング処理し、得られる切断面を観察することを特徴とする歯質の構造変化の評価方法。
【0012】
本発明において、上記イオンエッチングとしては例えばアルゴンイオンエッチングが挙げられ、その処理時間は、例えば0.5〜5時間であることが好ましい。また、観察は電子顕微鏡により行われる。歯質の構造変化は、脱灰又は再石灰化である。
【0013】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明は、歯質の切片(切断面)を通常のエオジン染色液又は齲蝕検知液で染色するか、あるいは切片の表面をイオンエッチング処理することにより、側面から歯の表層の構造を観察し、その構造変化を評価することを特徴とするものであり、従来のコンタクトマイクロラジオグラフィーの代用として利用可能なものである。
【0015】
本発明は、歯の研磨切片を齲蝕検知液などの染色液に浸すことで、容易に歯質表層の脱灰深さの測定ができる。すなわち、フッ化物などを作用した歯を乳酸に浸漬し、人工的に齲蝕を形成させ、どの程度耐酸性を獲得しているかを側面から観察し、その脱灰深さを色彩的に測定することで、塗布した薬剤の評価をすることができる。イオンエッチングでは、作用した酸が影響を与えたと考えられるエナメル質の構造変化、あるいはフッ化物による再石灰化の状態を観察することが可能となった。
1.切片の作製
本発明の観察の対象となる歯の切片は以下のとおり作製することができる。
【0016】
材料は歯であれば特に限定されるものではないが、一般には抜歯したものを使用することができる。実験的には、ヒトの歯質で行われることもあるが、ヒトの歯質は嗜好食品等で個人個人の石灰化状態が異なるため、従来から歯質の耐酸性獲得の実験にはウシの歯が使用されている。その理由としては、得られるウシの歯が年齢的にもヒトの歯と近似しており、下顎前歯1歯から4つ程度の試験ブロックを取ることが可能であるために比較実験に適している。
【0017】
研磨切片の作製は、従来法に準じて行うことができる。
【0018】
まず、歯のブロック(歯質ブロックともいう)を作製する。ブロックの大きさは特に限定されるものではないが、エナメル質が含まれるように4x3x3mm程度のブロックとする。1ブロックから最低2つの切片試料を得ることができる。
【0019】
なお、健全エナメル質の基準面を残すため、ブロックの一部にネイルバーニッシュを塗布するとよい。ネイルバーニッシュは酸によって変化しないことから、エナメル質の耐酸性試験には従来から用いられている。ネイルバーニッシュを塗布する領域は、ブロック表面の20〜30%である。例えば上記4x3x3mm程度のブロックにしたときは、両サイド0.5mm程度の領域を塗布するとよい。
【0020】
次に、ネイルバーニッシュ塗布後の歯質ブロックにフッ化物(例えばフッ化ナトリウム、フッ化アンモニウム、フッ化第一錫等)を塗布する。この塗布時間は臨床的観点から3分又は4分と規定して行う。
【0021】
フッ化物によって獲得したエナメル質表層の耐酸性を調べる場合は、フッ化物で処理した後に適当な酸で処理する。酸処理により、人工的初期齲蝕を形成させることができ、歯質表層のエナメル質がどの程度侵食されたかを知ることができる。酸としては特に限定されるものではないが、齲蝕の原因菌が産生する酸が乳酸であることから、乳酸を用いることが好ましい。酸の濃度及び処理時間も限定されるものではないが、例えば乳酸の場合は0.01〜0.1Mで16〜24時間、好ましくは0.01Mで16時間処理する。
【0022】
その後ブロックを水洗及び乾燥し、アセトン等を用いて脱水する。そして、レジン包埋した後、研磨切片を作製する。
【0023】
研磨切片は300μm以下の厚さの薄切切片が好ましいが、300μm程度の厚さでも観察可能である。なお、イオンエッチングで電子顕微鏡観察する場合は、厚さは特に限定されるものでは無く、前記歯質ブロックの大きさの範囲内で適宜設定することができる。また、染色後に観察した同一試料を用いて行うこともできる。2.染色又はエッチング
(1) 染色
本発明においては、染色液として生体組織を染色するためのものを使用することができる。染色液の種類は特に限定されるものではなく、一般的組織染色法に使用される染色液のほか、結合組織染色、多糖類染色などの各種染色法に用いられる染色液を使用することができる。以下、それぞれの染色法(染色液)の具体例を挙げる。
【0024】
▲1▼ 一般的組織染色
ヘマトキシリン・エオジン(HE)、ヘマトキシリン、エオジン
▲2▼ 結合組織染色
アザン染色、マッソン・トリクローム染色、エラスチカ・ワンギーソン染色等▲3▼ 多糖類染色
過ヨウ素酸シッフ(PAS)染色、アルシアン青染色、アルシアン青(pH2.5)−PAS重染色、HID−アルシアン青(pH2.5)重染色、ムチカルミン染色、ベストカルミン染色、トルイジン青染色等
▲4▼その他: 齲蝕検知液(成分:アシッドレッド・プロピレングリコール溶液)
本発明においては、例えば齲蝕検知液、ヘマトキシリン、エオジンなどが好ましい。なお、齲蝕検知液は齲蝕罹患歯質を染色するために歯科で使用されるものである。
【0025】
染色液の濃度、温度、染色時間等は染色液に応じて適宜設定することができる。例えばエオジンの場合は、濃度は0.1〜1%であり、温度は室温にて、好ましくは染色時間は数分間、好ましくは3分程度である。齲蝕検知液の場合も同様である。
【0026】
(2)イオンエッチング
エッチングとは、一般には金属表面を溶解浸食させて凹凸模様や結晶模様など目的に応じた浸食模様を形成することを意味する。本発明において採用されるエッチング技術としては、イオンエッチングである。
【0027】
イオンとしては、アルゴンイオンが好ましい。また、Si や SiO2 のエッチングでは、メインエッチャントとして F ラジカルが必要となるため、原料としてCF 系のガスが用いられる。
【0028】
例えば、切片表面のアルゴンイオンエッチングの処理時間は、被照射体や観察したい内容で異なるが、本発明では0.5〜5時間である。研磨が十分に行われている試料であれば30分程度である。
3.観察
染色液に浸漬した切片は、光学顕微鏡で観察することができる。観察像は、エナメル質における浸食(脱灰)領域とそうでない領域との境界が明瞭に現れ、脱灰の深さ(表面からの深度)を容易に測定することができる。従って、表面からの染色深度を測定することにより、脱灰又は再石灰化されたか、あるいはその程度を観察することが可能である。
【0029】
一方、アルゴンイオンエッチング等のエッチング処理を行ったサンプルは、走査電子顕微鏡などの電子顕微鏡で観察することができる。このときの観察像は、脱灰した領域はアパタイト結晶が正常領域よりも疎となり、両者の境界を明確に区別することができる。その結果、歯の表面からの脱灰の深さを測定することができる。
【0030】
ところで、本発明においては、一度の染色に限定されるものではなく、染色した切片を研磨して再度染色してもよい。一度の染色で得た切片よりも明瞭な境界を得ようとする場合には、前記染色液による染色工程の後、さらに切片を再度染色液に浸漬することもできる。染色液に再度浸漬したときの歯質表層の像は、1回の染色液処理よりもさらに明確に境界を区別できる。
【0031】
ここで、最初に使用する染色液を第一の染色液、2回目に使用する染色液を第二の染色液とすると、第一及び第二の染色液は同じでもよく、別々のものを組み合わせてもよい。例えば、第一及び第二の染色液をともに齲蝕検知液とすることもでき、第一の染色液をエオジンとし、第二の染色液を齲蝕検知液とすることもできる。なお、染色液の例は前記と同様である。
4.評価
本発明の方法により、脱灰部の深さを正確に測定することができるため、歯質耐酸性の正確な評価が可能である。すなわち、歯ミガキやフッ化物で処理した歯の切片を酸で処理した後、本発明の方法で脱灰部の深度を測定することにより、その深度を指標として当該歯ミガキ又はフッ化物等の有効性を評価することができる。
【0032】
さらに、本発明の方法は、特別な装置、材料を必要とせず、実験時間が短縮されるため低コストで済むことが特徴である。
【0033】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0034】
〔実施例1〕 歯の薄切切片をエオジン液で染色したときの表層構造観察
(1) 薄切切片の作製
牛歯エナメル質の4x3x3mmのブロックを作製した後、ブロックの両サイド0.5mm程度をネイルバーニシュを塗布した。このブロックにフッ化ナトリウムを4分間塗布し、ブロックの一部を0.1M乳酸中に16時間浸漬した後、ブロックを水洗乾燥した。ブロックをアセトンにて昇順脱水し(2日〜3日)、得られたブロックをレジン(RigolacTM)で包埋し、3日〜4日静置して硬化させた。このブロックを、ダイヤモンドディスクを用いて歯の軸に対して垂直方向にスライス及び研磨し、厚さ約90μmの薄切研磨切片を作製した。
(2) 染色
上記研磨切片をエオジン又は齲蝕検知液に3分浸漬して染色を行い、その後水洗を行った。対照として、染色液による処理をしなかったもの、及び染色の代わりに軟エックス線照射(ソフテックスTM)で行ったCMRも作製した。なお、軟エックス線照射は、試料の下面にマイクロ用のX線フィルムを用いて行った。
(3) 光学顕微鏡観察
島津社製光学顕微鏡を用いて、歯質表層を観察した。
【0035】
結果を図1及び図2に示す。図1において、パネルAは齲蝕検知液に浸漬したもの、パネルBは未染色のもの、パネルCは軟エックス線撮影したものである。倍率はいずれも対物レンズ40倍である。パネルB(未染色)は境界領域を判別することができなかった。これに対し、パネルAは、パネルBと比較して脱灰した領域と正常領域とを明確に判別でき、酸浸食された領域の深さ(259μm)を正確に測定することができた。一方、軟エックス線撮影したものは、境界がぼやけて領域を明確に区別することが困難であり、深度を正確に測定することが困難であった。
【0036】
また、図2において、パネルAは齲蝕検知液で染色したときの写真、パネルBはその後、再度齲蝕検知液に浸漬したときの写真である。倍率はいずれも40倍である。パネルCはエオジン浸漬した後、齲蝕検知液に浸漬したときの写真である。いずれの場合(パネルB、D)においても、染色液を2回処理することによって、明確に領域を区別することができた。
【0037】
〔実施例2〕 アルゴンイオンエッチング処理を行ったときの歯質の表層構造観察
(1) ブロック切断切片の作製
研磨切片の作製は、実施例1と同様に行った。但し、研磨切片の厚さは300μmとし、研磨切片はImperial Lapping FilmTM (3M社)を用いて研磨した。
(2) アルゴンイオンエッチング
(1)で作製した薄片をエタノールで脱水し、t−ブチルアルコールを用いて凍結乾燥した。サンプルの表面をArイオンエッチング装置にて5時間のエッチングを行った。
(3) 日立社製走査電子顕微鏡(FE−SEM S−4500)を用いて、歯質表層を観察した。
【0038】
結果を図3及び図4に示す。図3において、パネルAは1.5時間のエッチング処理を行ったものであり(500倍)、パネルBはパネルAの強拡大写真(2000倍)である。パネルCは1.5時間のエッチング処理を行ったものである(500倍)。パネルDはエッチング処理を行なわずに軟エックス線処理を行ったとき(対照)の写真である。また、図4は30分のエッチング処理を行ったときの結果を示す写真(1000倍)である。
【0039】
図3のパネルA〜Cから明らかな通り、アルゴンイオンエッチングを行ったものでは、正常領域は灰白色で現れ、脱灰した領域は結晶間に間隙が存在し、白色が濃く現れていた。また、パネルBから分かる通り、正常領域はエナメル小柱(魚の鱗状の形状をしたもの)が観察できるのに対し、強く脱灰された領域では不明瞭であった。さらに、図4においても、正常領域(灰白色)と脱灰した領域(白色)とを明確に区別することができた。
【0040】
【発明の効果】
本発明により、歯質の構造変化の評価方法が提供される。本発明によれば、▲1▼フッ化物の種類、適正濃度や塗布時間などの評価が適切に行える点、▲2▼試料中の脱灰部と正常部との境界部分を明確に把握できる点、▲3▼試料作製が容易である点で、極めて有用である。そして、CMR法よりも正確な再石灰化の情報を得ることができるため、歯面強化法の確立や齲蝕治療剤、歯磨材などの開発に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】歯の薄切切片を染色液で染色したときのエナメル質表層を示す光学顕微鏡写真である。
【図2】歯の薄切切片を染色液で2回染色操作したときのエナメル質表層を示す光学顕微鏡写真である。
【図3】歯の薄切切片をアルゴンイオンエッチング処理したときのエナメル質表層を示す走査電子顕微鏡写真である。
【図4】歯の薄切切片をアルゴンイオンエッチング処理したときのエナメル質表層を示す走査電子顕微鏡写真である。
Claims (16)
- 歯の切片を組織染色用染色液に浸漬することを特徴とする顕微鏡観察用切片の作製方法。
- 切片が薄切研磨切片である請求項1記載の方法。
- 組織染色用染色液が齲蝕検知液である請求項1又は2記載の方法。
- 歯の切片の表面をイオンエッチング処理することを特徴とする電子顕微鏡観察用切片の作製方法。
- イオンエッチングがアルゴンイオンエッチングである請求項4記載の方法。
- アルゴンイオンエッチングの処理時間が0.5〜5時間である請求項5記載の方法。
- 歯の切片を組織染色用染色液に浸漬させ、得られる染色切片を観察することを特徴とする歯質の構造変化の評価方法。
- 切片が薄切研磨切片である請求項7記載の方法。
- 組織染色用染色液が齲蝕検知液である請求項7又は8記載の方法。
- 観察が光学顕微鏡による観察である請求項7〜9のいずれか1項に記載の方法。
- 歯質の構造変化が、脱灰又は再石灰化である請求項7〜10のいずれか1項に記載の方法。
- 歯の切片の表面をイオンエッチング処理し、得られる切片を観察することを特徴とする歯質の構造変化の評価方法。
- イオンエッチングがアルゴンイオンエッチングである請求項12記載の方法。
- アルゴンイオンエッチングの処理時間が0.5〜5時間である請求項13記載の方法。
- 観察が電子顕微鏡による観察である請求項12〜14のいずれか1項に記載の方法。
- 歯質の構造変化が、脱灰又は再石灰化である請求項12〜15のいずれか1項に記載の方法。
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---|---|---|---|---|
JP2006219441A (ja) * | 2005-02-14 | 2006-08-24 | Kuraray Family Seihin Kk | 齲蝕または歯周病予防剤 |
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2003
- 2003-05-15 JP JP2003136927A patent/JP2004340713A/ja active Pending
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