JP2004340639A - パッシブソーナー模擬信号発生方法及び装置 - Google Patents

パッシブソーナー模擬信号発生方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】単一の確率密度分布の乱数から生成される従来のパッシブソーナー模擬では、実データに見られる信号毎のレベル分散およびライン幅のばらつきを個別に設定、模擬することができず、模擬精度としては不充分であった。
【解決手段】個々の信号毎に異なった確率密度分布を有する乱数を用いて模擬信号および背景雑音を生成し、その後加算することで模擬データを生成する。この結果、フーリェ変換後の周波数領域におけるレベル分散が信号毎に異なるため、実データに見られる信号毎のレベル分散およびライン幅のばらつきを、乱数の確率密度分布によって設定、模擬することが可能である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パッシブソーナーの性能評価、操作訓練等に用いられる模擬データを生成するソーナー模擬信号発生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この分野の技術としては、所要のスペクトルレベル特性を有するフィルタを用意し、白色雑音をこれに通すことで信号を模擬する方法が知られている。一般にソーナー模擬対象としては、狭帯域のナローバンド信号、広帯域のブロードバンド信号および海中の背景雑音が挙げられるが、この方法はいずれの模擬にも適用可能である(特許文献1、2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平02−278177号公報
【特許文献2】
特開平01−305386号公報
【0004】
例えば特許文献1ではブロードバンド信号模擬として、模擬対象のブロードバンド信号のスペクトル分布を用意して、これと同等の通過特性について特性可変フィルタを用いて実現し、これに白色雑音を通すことで模擬信号を生成している。
【0005】
この方法はブロードバンド信号のみならず、ナローバンド信号および背景雑音の模擬にも適用可能であり、それぞれの信号または雑音のスペクトルレベル特性を有するフィルタを実現すれば、これに白色雑音を通すことで所要の模擬データを得ることが出来る。
【0006】
また、個別に信号および雑音の模擬データを生成する場合は、例えば特許文献2のように、それぞれの模擬データを線形加算することで複数信号を重畳した模擬データを得ることが出来る。
【0007】
図8は、従来のパッシブソーナー模擬信号発生装置の構成を示す図である。スペクトルレベル特性の情報を出力するスペクトルレベル特性部1aと、白色雑音生成部2aと、スペクトル形状フィルタ部3aと、パッシブソーナーの模擬データ部4aと、パッシブソーナー信号処理部5aと、ローファグラム6aとから構成され、前記パッシブソーナー信号処理器5aはFFT(高速フーリェ変換)部51a、正規化処理部52a及び階調変換部53aとから構成される。
【0008】
模擬対象となる艦艇固有のスペクトルレベル特性をS(f)とする。ここでスペクトルレベル特性S(f)は、ナローバンド信号、ブロードバンド信号および背景雑音をまとめて一つのスペクトルレベル特性として表したものである。スペクトルレベル特性部1aの出力S(f)により、S(f)と同じ通過特性を持つスペクトル形状フィルタF(f)を構成し、これに白色雑音部2aで発生した白色雑音n(t)を通過させ、その出力d(t)を模擬データ部4aに模擬データr(t)として蓄積する。
【0009】
模擬データr(t)は、パッシブソーナー信号処理部5aで信号処理を行うことで時間周波数分析データ(ローファグラム)が得られる。パッシブソーナー信号処理部5aは、FFT部51aで模擬データr(t)を高速フーリェ変換し、変換後のデータを正規化処理部52aで正規化を行い、正規化信号を階調変換部53aで階調変換して、スペクトルレベル特性S(f)に応じたローファグラム6aが生成される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来のパッシブソーナー模擬信号発生装置では、白色雑音として一つの正規分布乱数及びフィルタから模擬信号を発生させるように構成しており、周波数領域における信号、雑音のばらつきは、単一の乱数を使用することにより何れの周波数帯域でも同一の分散を持つことになり、同一データに含まれる複数信号毎にレベル分散、ライン幅のばらつきを設定することができず、模擬精度が不充分であるという問題がある。
【0011】
また、正規分布乱数に基づく模擬信号発生を用いた場合、周波数領域における信号、雑音のばらつきを正規分布乱数のフーリェ変換で表現するため、そのばらつき度合いは統計的に一定となって信号に応じて個別に設定することができないことになり、実際の信号で観測される様々なレベル分散、ライン幅のばらつきに対応できず、模擬精度が不充分であるという問題がある。
【0012】
このように従来のパッシブソーナー模擬信号発生装置では、白色雑音として実際の背景雑音に近いとされる正規分布乱数が用いられているが、実際のデータでは信号および雑音は多様なばらつきを持ち、正規分布乱数から生成されるローファグラムとは様相が異なる場合が多い。つまり、ナローバンド信号のレベルおよびライン幅のばらつきは、信号毎にその様相が異なる場合が多く、また観測者に与える見た目の影響が大きいため、より忠実な模擬が求められる。
【0013】
(目的)
本発明の目的は、模擬精度の性能を向上させ、より実データに近いパッシブソーナー模擬信号を生成できるパッシブソーナー模擬信号発生方法及び装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、パッシブソーナー模擬信号の模擬精度を向上させ、より実データに近い模擬ソーナー映像の提供を可能とすることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明のソーナー模擬信号発生方法は、ソーナーの模擬データを生成するソーナー模擬信号発生方法であって、模擬対象となる信号及び雑音毎に、異なる確率密度分布の時系列乱数を用いて模擬データを生成し、これらを加算することで模擬データを得ることを特徴とし、又は、周波数領域におけるレベル分散およびライン幅のばらつきを、時間領域での確率密度分布により設定、模擬することを特徴とする。
【0015】
本発明のソーナー模擬信号発生装置は、ソーナーの模擬データを生成するソーナー模擬信号発生装置であって、模擬対象となる信号及び雑音毎に異なる確率密度分布の時系列乱数を生成し、信号及び雑音毎の模擬データを生成する模擬データ生成部(例えば図1の101〜401、102〜402、103〜403、104〜404)と、前記模擬データ生成部の出力を加算して模擬データを出力する信号合成部(例えば図1の50)とを備えることを特徴とし、又は、模擬対象となる信号又は雑音毎に異なる確率密度分布の時系列乱数を生成し、信号又は雑音毎の模擬データを生成する模擬データ生成部(例えば図1の101〜401、102〜402、103〜403、104〜404)を備え、模擬データの周波数領域におけるレベル分散およびライン幅のばらつきを、時間領域での確率密度分布により設定、模擬することを特徴とする。
【0016】
より具体的には、ソーナーの模擬データを生成するソーナー模擬信号発生装置であって、模擬対象となる信号及び雑音毎に、それぞれの異なる確率密度分布の時系列乱数を生成する複数の乱数生成部(例えば図7の21〜41)と、前記複数の乱数生成部の出力を入力とし、それぞれの平均スペクトル形状の通過特性を有する複数のフィルタ(例えば図7の26〜46、27〜47)と、前記複数のフィルタの出力を合成して模擬データを合成する信号合成部(例えば図7の5)と、を有することを特徴とし、更に、前記時系列乱数のレベル分散、信号の中心周波数とライン幅及びSN比の設定情報を保持するパラメータテーブル(例えば図7の1)を有し、前記パラメータテーブルに設定されたレベル分散により前記乱数生成部の時系列乱数のレベル分散を設定し、前記パラメータテーブルに設定された中心周波数とライン幅とSN比により前記フィルタの通過特性を設定することを特徴とする。
【0017】
また、ソーナーの模擬データを生成するソーナー模擬信号発生装置であって、模擬対象となる信号及び雑音毎に、それぞれの異なる確率密度分布の時系列乱数を生成する複数の乱数生成部(例えば図2の21〜41)と、前記複数の乱数生成部の出力を入力とし、それぞれの平均スペクトル形状の通過特性を有する複数のフィルタ(例えば図2の22〜42、24〜44)と、前記複数のフィルタの出力を入力とし、それぞれの合成ゲインを乗算して出力する合成ゲイン乗算部(例えば図2の23〜43、25〜45)と、前記合成ゲイン乗算部の出力を合成して模擬データを合成する信号合成部(例えば図2の5)と、を有することを特徴とし、更に、前記時系列乱数のレベル分散、信号の中心周波数とライン幅及びSN比の設定情報を保持するパラメータテーブル(例えば図2の1)を有し、前記パラメータテーブルに設定されたレベル分散により前記乱数生成部の時系列乱数のレベル分散を設定し、前記パラメータテーブルに設定された中心周波数とライン幅により前記フィルタの通過特性を設定し、前記パラメータテーブルに設定されたSN比により前記合成ゲインを設定することを特徴とする。
【0018】
図1は、本発明の一具体例の原理を示す図である。本具体例の模擬対象データは、合計n−1本のナローバンド及びブロードバンド信号S〜Sn−1と背景雑音模擬データSとで構成される。
信号Sのスペクトル形状を有するフィルタ(スペクトル形状フィルタ)102を用意し、これに乱数生成部101が生成する信号Sの模擬用の時系列乱数1を通すことで、信号1模擬データを生成する。同様に信号Sのスペクトル形状を有するフィルタ202に、乱数生成部201が生成する信号Sの模擬用の時系列乱数2を通すことで、信号2模擬データを生成する。同様に合計n−1本の信号について、フィルタ302、乱数生成部301を用いて合計n−1本の模擬データを生成する。また背景雑音Sについても信号と同様に、フィルタ402、乱数生成部401を用いて背景雑音模擬データを生成する。
【0019】
生成した模擬データのうち信号S〜Sn−1の模擬データについては、それぞれの信号の平均SN比に応じた合成ゲインG〜Gn−1を合成ゲイン算出部103、203、303で算出して乗算部104〜304で乗算した上で、信号合成部50で線形加算する。また背景雑音模擬データSについては、各信号のSN比のベースとなる合成ゲインGを合成ゲイン算出部403で算出して乗算部404で乗算し、同様に信号合成部50で加算する。各信号模擬用の乱数生成部101〜401は、周波数領域における当該信号のレベル分散およびライン幅のばらつきを最も精度よく再現できる分散特性を持った時系列乱数を選択し、生成する。
【0020】
(作用)
一般にレベル分散やライン幅のばらつきといったローファグラム上の信号の様相は、時系列乱数をフーリェ変換した結果の分散により定まる。時系列乱数に正規分布を用いた場合、ローファグラム上のレベル分散はレイリー分布に従うため、信号の平均パワーPが与えられると周波数領域でのレベル分散Σは、
Σ={(4/π)−1}P
と一意に決まる。またライン幅のばらつきは、スペクトル形状フィルタを通した雑音のレベル分散として表されるので、同じくΣに比例する。従って複数の信号の模擬において正規分布乱数を用いた場合、SN比、ライン幅の同じ信号についての模擬結果は、統計的に全く同じレベル分散およびライン幅のばらつきとなる。
これに対し本発明では信号毎に異なる時系列乱数を用いて模擬信号の生成を行う。このことにより、レベル分散Σ を有する信号Siに対応する時系列乱数として、それぞれ個別の確率密度分布を持つ乱数を用いて模擬データを生成するので、スペクトル形状フィルタの特性自体は一定であっても、周波数領域でのレベル分散およびライン幅のばらつきは信号毎に異なった結果が得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】
(構成の説明)
次に、本発明のパッシブソーナー模擬信号発生方法及び装置の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
図2は本実施の形態を示すブロック図である。図2を参照すると、本発明の実施の形態は、模擬対象のパラメータを設定して格納するパラメータテーブル1の模擬パラメータ2、3、4と、信号および雑音の元となる時系列乱数を生成する乱数生成部21、31、41と、スペクトル形状フィルタを生成
(構成)するフィルタ生成部22、32、42と、合成ゲインを算出する合成ゲイン算出部23、33、43と、乗算部24、34、44及び25、35、45と、模擬データを合成する信号合成部5と、模擬データを格納する模擬データ格納部6とから構成される。
【0023】
本実施の形態の信号はS〜Sn−1のn−1本からなり、これに背景雑音パラメータを加えた合計n個の模擬パラメータとする。パラメータテーブル1には、信号の模擬パラメータとして、信号強度に相当するSN比、ラインの中心に相当する中心周波数と太さに相当するライン幅、及び両者のばらつきに相当するレベル分散の情報がそれぞれ設定される。また背景雑音の模擬パラメータとしては、模擬する全帯域にわたるレベルの周波数特性、およびレベルのばらつきに相当するレベル分散の各情報が設定される。
【0024】
乱数生成部21、31、41、フィルタ生成部22、32、42、合成ゲイン生成部23、33、43は、パラメータテーブル1の設定情報の模擬パラメータ2、3、4のそれぞれのレベル分散、中心周波数と太さに相当するライン幅のばらつき、SN比により設定される。また、乱数生成部21、31、41の各出力は、乗算部24、34、44においてフィルタ生成部22、32、42の各スペクトル形状フィルタ(特性)を乗算される。乗算部24、34、44でフィルタが適用された出力は乗算部25、35、45で合成ゲインが乗算される。乗算部25、35、45の各出力は信号合成部5において所定SN比を実現する合成ゲインで合成され、最終的な模擬データとして模擬データ部6に蓄積される。
【0025】
以下、各信号及び背景雑音の模擬データの生成に関する乱数生成部21、31、41及びフィルタ生成部22、32、42の機能について説明する。
信号Sの模擬データ生成は、模擬パラメータ2、乱数1生成部21、フィルタ1生成部22、G算出部23、乗算部24、25で実施される。乱数1生成部21は、模擬パラメータ2のレベル分散の設定に応じた確率密度分布の乱数を生成する。レベル分散の設定の実施形態としては、設定値d=1,2,…,NのN段階として、乱数生成部は次の離散時系列r(t,d)を生成する。
【0026】
(t,d)=sign(p(t))*|p(t)|ad
p(t)=N(0,σ),a>0
p(t):平均が0、分散σの正規分布、sign:符号、a:定数
フィルタ1生成部22は、模擬パラメータ2の中心周波数およびライン幅の設定に応じた信号Sのスペクトル形状SPLS1(f)を算出して、これと同等の通過特性を持つFIRフィルタを生成
(構成)し、r(t,d)に適用(乗算)する。スペクトル形状の算出の実施形態としては、フィルタ形状を図3のような正規分布形状と近似して次のように与える。
SPLS1(f)=exp[−(f−fc1/2h
c1:信号Sの中心周波数、h:信号Sのライン幅
信号S〜Sn−1の模擬データ生成も同様である。
【0027】
次に、背景雑音の模擬データ生成は、模擬パラメータ4、乱数n生成部41、背景雑音フィルタ生成部42、G生成部43、乗算部44、45で実施される。
乱数n生成部41は、模擬パラメータ4のレベル分散の設定に応じた確率密度分布の乱数を生成する。レベル分散の設定および乱数生成部は、信号Sの模擬データ生成と同じ構成とし、背景雑音用の離散時系列r(t,d)を生成する。
【0028】
模擬パラメータ4の周波数特性は、設定したい背景雑音のスペクトルレベル特性をM点の代表値SPLAN(f)(i=1,2…M)で離散的に表す。背景雑音フィルタ生成部は、SPLAN(f)と同等の通過特性を有するFIRフィルタを生成
(構成)し、r(t,d)に適用(乗算)する。
以上により生成した模擬データS〜Sn−1およびSは、合成ゲイン生成部23、33、43によりそれぞれ合成ゲインを与えられ、信号合成部50において集約され加算される。
【0029】
(動作の説明)
本実施の形態のパッシブソーナー模擬信号発生方法及び装置の動作を以下説明する。
信号Sの模擬データ生成は、次のように実施される。模擬パラメータ2のレベル分散の設定に基づいて、乱数1生成部21が所定の確率密度分布を有する離散時系列乱数を生成する。
次に中心周波数、ライン幅の設定に基づいて、フィルタ1生成部22が設定された中心周波数、ライン幅を実現するスペクトル形状を求め、これと同等の帯域通過特性を有するFIRフィルタのタップ係数(TAP係数)を算出し、FIRフィルタを構成して前記離散時系列乱数に適用することで、図3のような平均スペクトル形状を有するSの模擬信号を得る。
【0030】
次にSN比の設定に基づいて、G算出部23が合成ゲインGを算出してフィルタ出力に乗算する。SN比は背景雑音と信号のレベル比であるので、背景雑音の加算ゲインGが決まっている場合は、所与のGに基づいてGを計算する。またGが決まっていない場合はG、Gを合わせて算出する。
信号S〜Sn−1についても同様にして模擬データ生成を実施する。
【0031】
背景雑音Sの模擬データ生成は、次のように実施される。模擬パラメータ4のレベル分散の設定に基づいて、乱数n生成部41が所定の確率密度分布を有する離散時系列乱数を生成する。
次に周波数特性の設定に基づいて、フィルタ1生成部22が設定された周波数特性と同等の帯域通過特性を有するFIRフィルタのTAP係数を算出し、FIRフィルタを構成して離散時系列乱数に適用する。例えば図4のような周波数特性が模擬パラメータとして与えられている場合、ほぼ同等の平均スペクトル形状を有する広帯域雑音が生成される。
合成ゲインは、信号模擬データの合成ゲイン算出で求められたGを用い、フィルタ出力に乗算する。
【0032】
以上で生成された信号毎の模擬データS〜Sn−1および背景雑音の模擬データSを、信号合成部50で全て線形加算することで、最終的に図5のような平均スペクトルを有する模擬データ60が得られる。
(他の実施の形態)
次に本発明の他の実施の形態を説明する。図2に示す実施の形態では、信号の模擬パラメータとしてSN比、中心周波数、1つのライン幅およびレベル分散を用いているが、これ以外のパラメータを用いることが考えられる。
例えば信号のスペクトル形状を表すパラメータのうちライン幅としては、複数のライン幅の設定情報を用意するとともに、スペクトル形状については正規分布形状以外の近似方法を用いることも可能である。
【0033】
図6はこの場合のスペクトル形状を生成する実施の形態を示す図である。本実施の形態では、同図に示すように、k個のスペクトルレベルh(i=1,2,…k)毎のk個のライン幅LW(hi)として、
LW(h)>LW(h)> … >LW(h
の関係にある複数のライン幅の設定値を用意し、これらを使用してスプライン補間等を用いて滑らかに補間することにより連続的なスペクトル形状を得るようにしたものである。
この場合、パラメータテーブルには複数のライン幅の設定値を格納し、フィルタ生成部22はこの設定値およびスペクトル形状近似方式に応じてFIRフィルタのTAP係数を算出するように構成する。
【0034】
また他の実施の形態としては、信号のSN比をあらかじめスペクトル形状に取り込み、合成ゲイン算出部を不要とする構成が考えられる。
図7は本実施の形態の構成例を示すブロック図である。本実施の形態では、図2に示す合成ゲイン算出部23〜43及び各乗算部を省略し、模擬パラメータのSN比をフィルタ生成部22に取り込むように構成し、合成ゲインG〜Gがそれぞれ乗算されたフィルタのスペクトル形状を生成する。この場合、例えば信号Sのスペクトル形状SPL(f)は、
SPL(f)=Gexp[−(f−fc1/2h
c1:信号の中心周波数、h:信号Sのライン幅
となり、これによりフィルタが生成
(構成)される。他の信号S〜Sn−1、背景雑音Sのフィルタのスペクトル形状も同様にして生成される。
【0035】
更に他の実施の形態として、時系列乱数をレベル分散の設定に応じてその都度生成するのではなく、予め複数種類の乱数値データを用意しておき、レベル分散の設定値に応じて用意しておいた乱数値を選択的に用いる方法が考えられる。この場合、所定の確率密度分布を有する乱数データを複数登録したパラメータテーブルを用意しておき、乱数生成部21は設定されたレベル分散に対応する乱数データを取得し、フィルタ生成部に出力することで実現される。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、各信号毎に異なる確率密度分布の時系列乱数を用いて模擬信号を生成する方式であるため、当該信号のレベル分散を最もよく模擬できる乱数を独立に選択、生成することができるから、複数の信号が含まれる模擬データの各信号毎のレベルのばらつきを独立に模擬することが可能である。
【0037】
また、同様に各信号毎に異なる確率密度分布の時系列乱数を用いることにより、当該信号のライン幅のばらつきを最もよく模擬できる乱数を独立に選択、生成することができるから、複数の信号が含まれる模擬データの各信号毎のライン幅のばらつきを独立に模擬することが可能である。
【0038】
更に、信号模擬用とは異なる確率密度分布の時系列乱数を用いて模擬背景雑音を生成する方式であるため、背景雑音のレベル分散を最もよく模擬できる乱数を信号とは独立に選択、生成することができるから、信号と背景雑音のレベル分散を独立に模擬することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一具体例の原理を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態を示すブロック図である。
【図3】フィルタ1通過特性および信号Sの平均スペクトル形状を示す図である。
【図4】フィルタn通過特性および背景雑音Sの平均スペクトル形状を示す図である。
【図5】模擬データの平均スペクトル形状を示す図である。
【図6】他の実施の形態を示す図である。
【図7】更に他の実施の形態を示す図である。
【図8】従来の技術を示す図である。
【符号の説明】
1 パラメータテーブル
2、3、4 模擬テーブル
5、50 信号合成部
6、60 模擬データ部
22〜42、26〜46 フィルタ生成部
21〜41、101〜401 乱数生成部
23〜43、103〜403 合成ゲイン算出部
102〜402 フィルタ

Claims (8)

  1. ソーナーの模擬データを生成するソーナー模擬信号発生方法であって、模擬対象となる信号及び雑音毎に、異なる確率密度分布の時系列乱数を用いて模擬データを生成し、これらを加算することで模擬データを得ることを特徴とするソーナー模擬信号発生方法。
  2. ソーナーの模擬データを生成するソーナー模擬信号発生方法であって、周波数領域におけるレベル分散およびライン幅のばらつきを、時間領域での確率密度分布により設定、模擬することを特徴とするソーナー模擬信号発生方法。
  3. ソーナーの模擬データを生成するソーナー模擬信号発生装置であって、模擬対象となる信号及び雑音毎に異なる確率密度分布の時系列乱数を生成し、信号及び雑音毎の模擬データを生成する模擬データ生成部と、前記模擬データ生成部の出力を加算して模擬データを出力する信号合成部と、を備えることを特徴とするソーナー模擬信号発生装置。
  4. ソーナーの模擬データを生成するソーナー模擬信号発生装置であって、模擬対象となる信号又は雑音毎に異なる確率密度分布の時系列乱数を生成し、信号又は雑音毎の模擬データを生成する模擬データ生成部を備え、模擬データの周波数領域におけるレベル分散およびライン幅のばらつきを、時間領域での確率密度分布により設定、模擬することを特徴とするソーナー模擬信号発生装置。
  5. ソーナーの模擬データを生成するソーナー模擬信号発生装置であって、模擬対象となる信号及び雑音毎に、それぞれの異なる確率密度分布の時系列乱数を生成する複数の乱数生成部と、前記複数の乱数生成部の出力を入力とし、それぞれの平均スペクトル形状の通過特性を有する複数のフィルタと、前記複数のフィルタの出力を合成して模擬データを合成する信号合成部と、を有することを特徴とするソーナー模擬信号発生装置。
  6. 前記時系列乱数のレベル分散、信号の中心周波数とライン幅及びSN比の設定情報を保持するパラメータテーブルを有し、前記パラメータテーブルに設定されたレベル分散により前記乱数生成部の時系列乱数のレベル分散を設定し、前記パラメータテーブルに設定された中心周波数とライン幅とSN比により前記フィルタの通過特性を設定することを特徴とする請求項5記載のソーナー模擬信号発生装置。
  7. ソーナーの模擬データを生成するソーナー模擬信号発生装置であって、模擬対象となる信号及び雑音毎に、それぞれの異なる確率密度分布の時系列乱数を生成する複数の乱数生成部と、前記複数の乱数生成部の出力を入力とし、それぞれの平均スペクトル形状の通過特性を有する複数のフィルタと、前記複数のフィルタの出力を入力とし、それぞれの合成ゲインを乗算して出力する合成ゲイン乗算部と、前記合成ゲイン乗算部の出力を合成して模擬データを合成する信号合成部と、を有することを特徴とするソーナー模擬信号発生装置。
  8. 前記時系列乱数のレベル分散、信号の中心周波数とライン幅及びSN比の設定情報を保持するパラメータテーブルを有し、前記パラメータテーブルに設定されたレベル分散により前記乱数生成部の時系列乱数のレベル分散を設定し、前記パラメータテーブルに設定された中心周波数とライン幅により前記フィルタの通過特性を設定し、前記パラメータテーブルに設定されたSN比により前記合成ゲインを設定することを特徴とする請求項7記載のソーナー模擬信号発生装置。
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KR101136751B1 (ko) 2010-12-16 2012-04-19 국방과학연구소 수동소나 시스템의 표적 식별용 모의신호 발생장치 및 방법
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