JP2004339182A - パーマネント・ウェーブ組成物 - Google Patents

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JP2004339182A
JP2004339182A JP2003140906A JP2003140906A JP2004339182A JP 2004339182 A JP2004339182 A JP 2004339182A JP 2003140906 A JP2003140906 A JP 2003140906A JP 2003140906 A JP2003140906 A JP 2003140906A JP 2004339182 A JP2004339182 A JP 2004339182A
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Atsushi Takashima
淳 高嶋
Masato Matsumura
正人 松村
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Goo Chemical Industries Co Ltd
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Goo Chemical Industries Co Ltd
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Abstract

【課題】パーマネントウェーブ処理又は縮毛強制処理の過程において発生する、システアミンに起因する不快臭を低減することができるパーマネント用組成物を提供する。
【解決手段】還元剤を含有する第一剤と酸化剤を含有する第二剤とからなるパーマネント・ウェーブ組成物に関する。第一剤が還元剤としてシステアミン、システアミン誘導体、及びこれらの塩のうちの少なくとも一種を含有する。第一剤と第二剤の少なくとも一方に、下記構造式(A)で示される重合単位を含む重合体を含有する。この重合体の含有量は、0.01〜20重量%の範囲であることが好ましい。
【化1】
Figure 2004339182

はH又はCH
、RはCH〜Cのアルキレン基
はO又はNH
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にシステアミン、システアミン誘導体、これらの塩を含有するパーマネント・ウェーブ組成物において、このシステアミン等に起因する不快臭の発生を抑制することができるパーマネント・ウェーブ組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、毛髪のパーマネントウェーブ処理や縮毛処理を行うにあたって、還元剤等を含有する第一剤と、酸化剤等を含有する第二剤とからなるパーマネントウェーブ用組成物が用いられている。第一剤に含有される還元剤は毛髪のタンパク質であるケラチン(シスチン)のジスルフィド結合を開裂する機能を有し、また第二剤に含有される酸化剤はジスルフィド結合を再構成して毛髪の形状を安定化させる機能を有する。
【0003】
上記の酸化剤としては、チオグリコール酸アンモニウム、チオグリコール酸モノエタノールアミン等が用いられるが、近年、システアミン、システアミン誘導体、あるいはこれらの塩が用いられるようになってきている(特許文献1参照)。このシステアミン等は、以前から知られていたが、規制により化粧品用途に用いることはできなかったものであり、平成13年4月1日からの化粧品の規格制度の改正により、パーマネント・ウェーブ用途に使用可能となったものである。
【0004】
これらシステアミン等は第一剤の還元剤として用いると、パーマネントウェーブ処理時において毛髪にウェーブがかかりやすくなり、しかもそのウェーブ保持力が強いという特色を有している。またこのシステアミン等を用いた場合には、中性から酸性領域においてもパーマネントウェーブ処理を行うことができ、アルカリ性の薬剤の使用を抑制してアルカリによる毛髪の損傷を防止できるという利点もある。
【0005】
しかし、このようなシステアミン等を含有するパーマネント用組成物を用いて、毛髪に対してパーマネントウェーブ処理の施術を行う場合、施術時(特に第二剤の使用時)や施術後の毛髪に、不快臭が付着するという問題があった。
【0006】
このようなパーマネントウェーブ処理時における不快臭を防止する方法として、香料によるマスキングや、ペプチド誘導体の添加(特許文献2,3参照)、あるいは特定のシステアミン誘導体の使用等が試みられているが、いずれもシステアミンに起因する不快臭を十分に抑制することはできないものであった。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−34711号公報
【特許文献2】
特開平2−13813号公報
【特許文献3】
特開2001−137322号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、パーマネントウェーブ処理又は縮毛強制処理の過程において発生する、システアミンに起因する不快臭を低減することができるパーマネント用組成物を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るパーマネント用組成物は、還元剤を含有する第一剤と酸化剤を含有する第二剤とからなるパーマネント・ウェーブ組成物において、第一剤が還元剤としてシステアミン、システアミン誘導体、及びこれらの塩のうちの少なくとも一種を含有し、第一剤と第二剤の少なくとも一方に、下記構造式(A)で示される重合単位を含む重合体を含有することを特徴とするものである。
【0010】
この重合体の含有量は、0.01〜10%の範囲であることが好ましい。
【0011】
【化2】
Figure 2004339182
【0012】
はH又はCH
、RはCH〜Cのアルキレン基
はO又はNH
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
本発明に係るパーマネント用組成物は、第一剤と第二剤とから構成される。
【0015】
第一剤は還元剤としてシステアミン、システアミン誘導体、及びこれらの塩のうちの少なくとも一種(以下、総称して「システアミン類」という)を、必須成分として含有する。システアミン誘導体としては、N−アシルシステアミン等を挙げることができる。またシステアミンやシステアミン誘導体の塩としては、例えば塩酸塩等を挙げることができる。このような還元剤は、第一剤中で1〜20重量%の割合で含有させることが好ましい。
【0016】
また第二剤は酸化剤を必須成分として含有する。この酸化剤としては、パーマネント用組成物に通常用いられるものを適宜選択して用いることができるが、例えば臭素酸ナトリウムや臭素酸カリウム等の臭素酸塩、過ホウ素酸ナトリウム、過酸化水素等を挙げることができる。このような酸化剤は、第二剤中で1〜20重量%の割合で含有させることが好ましい。
【0017】
また、パーマネント用組成物には、構造式(A)で示される重合単位を含む重合体が含有される。この重合体としては、構造式(A)で示される重合体単位のみからなるホモポリマーを用いることができるが、構造式(A)のもの以外の他の重合単位を含む共重合体であっても良い。共重合体の場合には、構造式(A)のもの以外の重合単位に相当する重合性単量体として、例えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等のカチオン系単量体、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、t−ブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、スチレン、ビニルピロリドン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールと(メタ)アクリル酸とのエステル等が、挙げられる。
【0018】
上記のように、構造式(A)で示される重合単位を含む重合体は、ホモポリマーであっても、他の重合単位を含む共重合体であっても良いが、十分な消臭効果を得るためには、重合体の全量に対する構造式(A)で示される重合単位の割合は、好ましくは1〜100重量%、特に好ましくは10〜100重量%、更に好ましくは20〜100重量%となるようにする。重合体中の構造式(A)で示される重合単位の含有量が少なすぎると、十分な消臭効果が得られなくなるおそれがある。
【0019】
またこの構造式(A)で示される重合単位を含む重合体は、高い消臭効果とパーマネントウェーブ処理後の毛髪が良好な感触が得られるようにするためには、重量平均分子量1000〜500000の範囲のものを用いることが好ましく、この重量平均分子量が1000に満たないと十分な消臭効果が得られにくくなると共に、毛髪がべた付いたり、毛髪へのコーティングが不充分となって上記重合体が毛髪から脱落しやすくなるものであり、また500000を超えると高分子量化に起因して取扱性が低下すると共に毛髪がごわついたりパーマネントウェーブ処理によるウェーブ効果が低下したりするおそれがある。
【0020】
このような重合体としては、例えばポリメタクリロイルエチルジメチルベタイン、メタクリロイルエチルジメチルベタイン・塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム・メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体、N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体等を挙げることができる。これらの重合体としては、アルコール溶液として提供されているものを用いることができ、例えばポリメタクリロイルエチルジメチルベタイン液(ポリメタクリロイルエチルジメチルベタインのアルコール溶液)としては互応化学工業株式会社製の「プラスサイズL−401」を、メタクリロイルエチルジメチルベタイン・塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム・メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体液(メタクリロイルエチルジメチルベタイン・塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム・メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体のアルコール溶液)としては互応化学工業株式会社製の「プラスサイズL−450」を用いることができる。
【0021】
これらのうちでも、特に構造式(A)で示される重合単位のみからなるホモポリマーであるポリメタクリロイルエチルジメチルベタインを用いることが好ましい。
【0022】
上記のような重合体は、パーマネント用組成物の第一剤と第二剤のうちの、少なくとも一方に含有させることが好ましいが、還元剤であるシステアミン類に起因する不快臭を効果的に抑制するためには、少なくとも第二剤に含有させることが好ましい。
【0023】
またパーマネント用組成物中における上記重合体の含有量は、システアミン類に起因する不快臭を十分に抑制することができるように適宜設定すれば良いが、上記共重合体の含有量が多い場合には毛髪への付着量が過剰となって毛髪がごわついたりパーマネントウェーブ処理によるウェーブ効果が低下したりするおそれがあり、またこの含有量が少ない場合には十分な脱臭効果を得ることが困難となるため、含有量は0.01〜20重量%の範囲、特に0.1〜6重量%の範囲であることが好ましい。この含有量は、上記重合体を第一剤のみ、又は第二剤のみに含有させる場合には、第一剤中又は第二剤中における含有量であり、また上記重合体を第一剤及び第二剤に共に含有させる場合には、第一剤及び第二剤の総量に対する、第一剤及び第二剤中の上記重合体の総量の含有量である。
【0024】
また、パーマネント用組成物の第一剤及び第二剤には、上記のような成分の他に、パーマネント用組成物に通常用いられる適宜の成分を配合することができ、例えばアルカリ剤、界面活性剤、油剤、溶解剤、緩衝剤、安定化剤、香料、色素、防腐剤、pH調整剤、粘度調整剤、毛髪保護材、各種ポリマー等を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。例えはアルカリ剤は、ケラチン質で構成されている毛髪を膨潤させる機能を有するものであり、炭酸水素アンモニウム等を用いることができる。
【0025】
本発明に係るパーマネント用組成物は、上記のような各成分を用い、常用されるパーマネント・ウェーブ組成物の製法に従って製造することができる。このときパーマネント用組成物は、パーマネントウェーブ用、ストレートパーマ用、縮毛矯正用等に調製することができる。このパーマネント用組成物は、毛髪に対して第一剤を塗布した後、第二剤を塗布することにより使用される。
【0026】
このようにして得られるパーマネント用組成物は、第一剤が還元剤としてシステアミン類を含有することで、パーマネントウェーブ処理時において毛髪にウェーブがかかりやすくなり、しかもそのウェーブ保持力が強く、更に中性から酸性領域においてもパーマネントウェーブ処理を行うことができて、アルカリ性の薬剤の使用を抑制することができ、アルカリによる毛髪の損傷を防止できるという利点がある。
【0027】
更に、第一剤と第二剤のうちの少なくと一方が、上記のような構造式(A)で示される重合単位を含む重合体を含有することで、パーマネントウェーブ処理時における上記のシステアミン類に起因する不快臭の発生を抑制することができ、またこの重合体によって、パーマネント処理後の毛髪の毛束の感触を向上することもできるものである。
【0028】
上記のような不快臭の発生抑制の機構は正確には明らかにされていないが、不快臭の原因は、毛髪に対してパーマ加工を行っている時にシステアミン類が変性して不快臭を有するシスタミンやメルカプタンが生成し、これによりパーマネントウェーブ処理時に不快臭が発生し、またこれが毛髪中に吸着残存して洗髪や入浴に際して揮散して不快臭として感じるものと考えられているものであり、本発明では臭いの元となるこれらの分子に上記重合体中のCOO(カルボキシル基のアニオン)とN(4級窒素のカチオン)が化学反応や包接的機能などにより作用してその揮発性を低下させているものと推察される。また、上記重合体はシステアミン類の本来の機能は損なわずに、不快臭の発生のみを抑制するという効果がある。
【0029】
【実施例】
次に、実施例によって本発明の詳細を説明するが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、本明細書に記載の主旨を逸脱しない範囲で変更実施することは、全て本発明の技術的範囲に包含される。
【0030】
(実施例1乃至4及び比較例1)
各実施例及び比較例について、下記の表1に記載の各成分を用い、常法により第一剤と第二剤とからなるパーマネント・ウェーブ組成物を調製した。
【0031】
一方、長さ20cm人間の毛髪を重さ2gに束ねた毛束を、コンディショニング成分を含まないシャンプーにて洗った後、室温で重量50gの第一剤中に15分間浸漬し、次いで軽く水洗した後、室温で重量50gの第二剤中に15分間浸漬し、更に流水ですすいだ後、乾燥させた。
【0032】
このような毛束の処理において、第一剤及び第二剤へ毛束を浸漬する際に発生する臭い(施術時の臭い)、乾燥後の毛束を更に40℃の温水により洗髪・乾燥を行った際の洗髪時及び乾燥後に毛束から発生する臭い(施術後の毛束の臭い)、乾燥後の毛束の感触について官能評価を行った。
【0033】
このとき、臭いの評価は、非常に良いものを◎、良いものを○、同等のものを△、劣るものを×とした。
【0034】
また毛束の感触の評価は、上記の処理を行う前の毛束の感触を基準として、これと較べて非常に良いものを◎、良いものを○、同等のものを△、劣るものを×とした。
【0035】
以上の結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
Figure 2004339182
【0037】
*1:ポリメタクリロイルエチルジメチルベタイン液(ポリメタクリロイルエチルジメチルベタインの30重量%溶液、互応化学工業株式会社製、品番「プラスサイズL−401」、重量平均分子量150000)
*2:メタクリロイルエチルジメチルベタイン・塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム・メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体液(メタクリロイルエチルジメチルベタイン・塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム・メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体の40重量%溶液、互応化学工業株式会社製、品番「プラスサイズL−450」、重量平均分子量120000)
【0038】
【発明の効果】
上記のように本発明に係るパーマネント・ウェーブ組成物は、第一剤が還元剤としてシステアミン類を含有することで、パーマネントウェーブ処理時において毛髪にウェーブがかかりやすくなり、しかもそのウェーブ保持力が強く、更に中性から酸性領域においてもパーマネントウェーブ処理を行うことができて、アルカリ性の薬剤の使用を抑制することができ、アルカリによる毛髪の損傷を防止できるものである。
【0039】
更に、第一剤と第二剤のうちの少なくと一方が、上記のような構造式(A)で示される重合単位を含む重合体を含有することで、パーマネントウェーブ処理時における上記のシステアミン類に起因する不快臭の発生を抑制することができ、またこの重合体によって、パーマネント処理後の毛髪の毛束の感触を向上することもできるものである。

Claims (2)

  1. 還元剤を含有する第一剤と酸化剤を含有する第二剤とからなるパーマネント・ウェーブ組成物において、第一剤が還元剤としてシステアミン、システアミン誘導体、及びこれらの塩のうちの少なくとも一種を含有し、第一剤と第二剤の少なくとも一方に、下記構造式(A)で示される重合単位を含む重合体を含有することを特徴とするパーマネント・ウェーブ組成物。
    Figure 2004339182
    はH又はCH
    、RはCH〜Cのアルキレン基
    はO又はNH
  2. 上記重合体の含有量が、0.01〜20重量%の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のパーマネント・ウェーブ組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012012375A (ja) * 2010-06-30 2012-01-19 Sanei Kagaku Kk 高分子消臭成分が配合された、毛髪処理剤及び毛髪用消臭剤

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