JP2004339021A - 微弱紫外光下で高度な光触媒活性を示す酸化チタン薄膜 - Google Patents

微弱紫外光下で高度な光触媒活性を示す酸化チタン薄膜 Download PDF

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Abstract

【課題】酸化チタン薄膜単独で光量1.0μw/cmという微弱な紫外光の照射下で水の接触角が5°以下(特に実質的に0°)となる高度な光触媒活性を達成する。
【解決手段】例えば、成膜条件や結晶粒子径を制御することによって、酸化チタン薄膜単独(酸化チタン薄膜層2単独)で、光量1.0μw/cm以下の紫外光の照射下で、水の接触角が5°以下(特に実質的に0°)となる高度な光触媒活性を示すことを特徴とする酸化チタン薄膜を得る。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光量1.0μw/cm以下の微弱紫外光の照射下で、水の接触角が実質的に0°となる高度な光触媒活性を示す酸化チタン薄膜、及びその形成方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸化チタン光触媒材料は、防染性、抗菌性、脱臭性等を有することから、その応用技術が期待されている材料である。また、酸化チタン薄膜は、透明度が高く、紫外光を照射した際に高い光触媒活性を示すとともに、水の接触角が実質的に0°となる高度な親水性特性を示す。
【0003】
しかしながら、このような水の接触角が実質的に0°となる高度な親水性特性を発現するためには少なくとも光量10μw/cm以上の紫外線強度が必要となるが、このような比較的強い紫外光を照射可能な環境は限定されており、可視線や例えば蛍光灯の光に含まれる微弱な紫外光でも光触媒機能を発揮できる酸化チタン光触媒材料の開発に対する要望がある。
【0004】
非特許文献1には、c−WOとTiOとの複合膜で光量1.0μw/cmという微弱な紫外光の照射下で、水の接触角が実質的に0°となる高度な親水性状態を達成できることが報告されている。
【0005】
【非特許文献1】
橋本和仁等、Adv.Matter.2000,12,No.24,p1923.
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、複合膜を用いると光触媒層の形成が複雑となり、また材料が高価となるという課題を有している。また、光量1.0μw/cmという微弱な紫外光の照射下で水の接触角が実質的に0°となる高度な親水性を達成できることはc−WOとTiOとの複合膜では報告されているが、酸化チタン薄膜単独では報告されていない。
従って、本発明の課題は、酸化チタン薄膜単独で光量1.0μw/cmという微弱な紫外光の照射下で水の接触角が実質的に0°となる高度な親水性状態を達成することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、酸化チタン薄膜単独で光量1.0μw/cmという微弱な紫外光の照射下で水の接触角が実質的に(測定上)0°となる高度な光触媒活性状態を達成することに初めて成功した(請求項1)。
このような特徴を有する酸化チタン単独膜は、成膜時の条件を制御することによって作製でき、例えば、RF出力:250〜350W、成膜時基板温度:室温〜600℃、成膜速度:0.37nm/min〜1.47nm/min(成膜時間:1〜9時間)、及び成膜圧力:1〜3Paの成膜条件で成膜条件を制御してRF−マグネットスパッタリングにより作製できることを見い出した(請求項2)。 このように、本発明では、成膜条件等を制御することによって、酸化チタン薄膜単独で光量1.0μw/cmという微弱な紫外光の照射下で水の接触角が実質的に0°となる高度な親水性状態を達成することができるのであるが、当然、成膜条件等を制御することによって、酸化チタン薄膜単独で光量1.0μw/cm以下の紫外光の照射下で、水の接触角が5°以下(略0°〜5°)となる高度な光触媒活性を示す状態を達成することもできる(請求項1)。水の接触角は、4°以下(略0°〜4°)が好ましく、3°以下(略0°〜3°)が更に好ましく、2°以下(略0°〜2°)が更に好ましく、1°以下(略0°〜1°)が更に好ましく、実質的に0°(測定上0°)とすることが更に好ましい。
また、上記のような特徴を有する酸化チタン単独膜は、結晶粒子径が13〜17nmであるという従来にない特徴を有していることを見い出した(請求項3)。
【0008】
本発明者らは、さらに鋭意研究を重ねた結果、仕事関数の小さい金属または合金上に酸化チタン薄膜を形成することによって、酸化チタン薄膜の光触媒活性光を高度に向上できること(金属の仕事関数と親水化速度定数とは相関関係があること)を見い出した(請求項4)。
更に、仕事関数の小さい金属または合金上に所定の酸化チタン薄膜(高活性の酸化チタン薄膜)を形成することによって、光量1.0μw/cmという微弱な紫外光の照射下で水の接触角が実質的に0°となる高度な親水性状態を達成可能であることを見い出した(請求項5)。
更に、仕事関数の小さい金属または合金上に所定の高活性の酸化チタン薄膜、即ち、上記請求項1〜3の特徴を有する酸化チタン薄膜、を形成することによって、光量1.0μw/cmという微弱な紫外光の照射下で水の接触角が実質的に0°となる高度な親水性状態を安定的且つ確実に達成できることを見い出した(請求項6〜8)。
そして、前記仕事関数の小さい金属または合金としては、酸化チタン薄膜の光触媒性を高める観点から、例えばアルミニウム(4.2ev)またはアルミニウム合金が好ましく、アルミニウムと同等またはそれ以下の仕事関数を有する金属であって、光の存在下で電子を放出する金属を使用することが好ましいことを見い出した(請求項9)。
上述したように、本発明では、仕事関数の小さい金属または合金上に所定の酸化チタン薄膜(高活性の酸化チタン薄膜)を形成すること等によって、光量1.0μw/cmという微弱な紫外光の照射下で水の接触角が実質的に0°となる高度な親水性状態を達成することができるのであるが、当然、仕事関数の小さい金属等の選択や酸化チタン薄膜の成膜条件等を制御することによって、光量1.0μw/cm以下の紫外光の照射下で、水の接触角が5°以下(略0°〜5°)となる高度な光触媒活性を示す状態を達成することもできる(請求項5、6)。水の接触角は、4°以下(略0°〜4°)が好ましく、3°以下(略0°〜3°)が更に好ましく、2°以下(略0°〜2°)が更に好ましく、1°以下(略0°〜1°)が更に好ましく、実質的に0°(測定上0°)とすることが更に好ましい。
【0009】
本発明における酸化チタン薄膜は、アナターゼ型酸化チタンの含有量が70%以上であることが好ましい。これにより高い光触媒活性を得ることが可能となる。 本発明における酸化チタン薄膜は、酸化チタンの結晶粒子径が13〜17nmであることが好ましい。酸化チタンの結晶粒子径が13〜17nmの範囲とすることによって高い光触媒活性を得ることが可能となると考えられる。ここで言う「酸化チタンの結晶粒子径が13〜17nmの範囲」とは、後述する本発明の酸化チタン薄膜のSEM写真から判るように、酸化チタンの結晶粒子の80%以上(好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上)がこの範囲内の粒径である場合を意図する趣旨であって、この範囲外の粒径の結晶粒子を含む場合を除く趣旨ではない。本発明の酸化チタン薄膜では、酸化チタンの平均結晶粒子径が13〜17nmであることが好ましく、この範囲内の粒径の結晶粒子を前記割合で含むことが好ましい。
本発明における酸化チタン薄膜は、酸化チタン膜の結晶粒子間に均一な隙間が形成されており、結晶粒子同士が接触せずに独立していること、結晶粒子同士が成長に伴い接合しさらに成長したと見られる粒子が少ないこと、表面積(比表面積)が大きいこと、結晶粒子の形状が角張った岩石状であること、結晶粒子形状の均一性が高いこと、が好ましい。これらの特性によって高い光触媒活性を得ることが可能となると考えられる。
本発明における酸化チタン薄膜は、成膜する基材の材料及び/又は基材成膜面の表面粗さを選択、制御することが好ましい。これらによって高い光触媒活性を得ることが可能となると考えられる。
また、酸化チタン層の膜厚は、特に限定されるものではなく、親水化速度、暗所維持性(接触角の回復)等の条件によって適宜選択されるが、一般には200〜700nmである。
【0010】
本発明では、光量1.0μw/cm以下という微弱な紫外光の照射下でも光触媒作用を発現させることが可能となる。従って、比較的高い光量の紫外光でしか光触媒作用が発現できない従来の複合材料と比較して、蛍光灯、可視光でも光触媒作用を発現可能な試料を提供することが可能となった。
このように本発明では、光量1.0μw/cm以下の紫外光の照射下で光触媒作用を有することが可能である。従って、本発明では、光触媒層である酸化チタン層の表面に光を照射することによって、特に光量1.0μw/cm以下の微弱な光の照射下でも光触媒が励起して防染性、抗菌性、脱臭性等の光触媒作用を示すことが可能となる。
従って、従来の用途はもとより、微弱な光の照射下での各種用途、例えば車両用アウターミラーやインナーミラー、浴室用の鏡等に有効に適用可能である。
【0011】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0012】
以下の実施例においては、図1に示す通り、基材1と酸化チタン層2とから構成される試料を作製した。
以下の実施例において、光源として図2(縦軸:強度、横軸:波長(nm))に示す特性を有する蛍光灯(18W)を使用した。図2から明らかな通り、この光源における紫外光は微量なものであり、強度も極めて小さい。
また、光量の測定は、TOPCOM社製UVR−2にUD−36を装着して行なった。UD−36は図3(縦軸:相対感度、横軸:波長(nm))に示すように波長310〜400nmの範囲の光を測定できる。なお、光量は基板と光源との距離を調節して行った。
以下の実施例においては、酸化チタン焼結体をターゲットとして用いた。
【0013】
[実施例1]
(RF出力依存性試験)
RFマグネットスパッタリングにおけるRF出力依存性を調べるために(a)1Pa、600℃、100W、9時間、(b)1Pa、600℃、200W、4.5時間、(c)1Pa、600℃、300W、3.0時間、(d)1Pa、600℃、400W、2.25時間の各成膜条件でRFマグネットスパッタリングにより石英基板上に酸化チタン膜を成膜して各試料を作製した。これらの試料のRF出力依存性試験結果を図4(a)、(b)に示す。図4(a)の縦軸は水の接触角(°)、横軸は1.0μw/cmの紫外光の照射時間(単位:時間)を示す(後述する図5(a)、図7(a)、図10(a)、図12(a)においても同様である)。図4(b)には親水化速度定数を示した(後述する図5(b)、図7(b)、図10(b)、図12(b)、図14(b)においても同様である)。図4(a)、(b)に示す通り、300WのRF出力で成膜した試料が非常に良好な光触媒作用を示した。また、成膜条件等を制御することによって、水の接触角が5°以下となる高度な光触媒活性を発現する酸化チタン膜を形成できることが判る。なお、RF出力を高くすると(例えば400Wとすると)、形成される酸化チタンがルチル型となる可能性があるので単純には比較できない点に注意が必要である。
次に、図5(a)、(b)に示す通り、RF出力を250W(1Pa、600℃、4.5時間)、300W(1Pa、600℃、3.0時間),350W(1Pa、600℃、2.75時間)の各RF出力条件で酸化チタン層を石英基板上に成膜したところ、特にRF出力300Wにおいて低い水の接触角及び高い親水化速度定数が得られた。従って、本発明においてはRF出力を約300W付近とすることが好ましいことが判る。また、成膜条件等を制御することによって、水の接触角が5°以下となる高度な光触媒活性を発現する酸化チタン膜を形成できることが判る。
【0014】
1Pa、3時間、600℃の同じ条件下で、RF出力を(a)100W、(b)200W、(c)300W、と変化させてRFマグネットスパッタリングにより石英基板上に酸化チタン膜を成膜した各試料の電子顕微鏡(SEM)写真(×100K、5.0K)を図6(a)〜(c)に示す。図6(a)〜(c)から、RF出力を変化させても平均結晶粒径にあまり違いは見られないが、RF出力300Wの酸化チタン膜は結晶粒子間に均一な隙間が形成されており、結晶粒子同士が接触せずに独立していること、表面積(比表面積)が大きいこと、結晶粒子の形状が角張った岩石状であること、が判る。
【0015】
尚、実施例1おいては、成膜速度は0.37nm/min〜1.47nm/minとした。
【0016】
[実施例2]
(成膜温度依存性試験)
図7(a)、(b)に示す通り、室温(RT)(3時間、1.0Pa、300W)、200℃(3時間、1.0Pa、300W)、400℃(3時間、1.0Pa、300W)、600℃(3時間、1.0Pa、300W)の各成膜時基板温度条件で酸化チタン層を石英基板上に成膜したところ、成膜温度が高い程、親水性が高くなる傾向となることが判る。また、成膜条件等を制御することによって、水の接触角が5°以下となる高度な光触媒活性を発現する酸化チタン膜を形成できることが判る。
【0017】
上記と同様に、1Pa、3時間、300Wの同じ条件下で、成膜時基板温度を(a)室温(RT)、(b)200℃、(c)400℃、(d)600℃と、変化させてRFマグネットスパッタリングにより石英基板上に酸化チタン膜を成膜した各試料の電子顕微鏡(SEM)写真(×100K、5.0K)を図8(a)〜(d)に示す。図8(a)〜(d)から、200〜600℃の酸化チタン膜は結晶粒子間に均一な隙間が形成されており、結晶粒子同士が接触せずに独立していること、表面積(比表面積)が大きいこと、から好ましいこと、特に600℃の酸化チタン膜は結晶粒子の形状が角張った岩石状であること、から好ましいこと、が判る。
【0018】
上記と同様に、1Pa、3時間、300Wの同じ条件下で、成膜時基板温度を(a)室温(RT)、(b)200℃、(c)400℃、(d)600℃と、変化させてRFマグネットスパッタリングにより石英基板上に酸化チタン膜を成膜した各試料について、500μw/cmの紫外光を照射(光源:SHL−100UV)し、水の接触角が5°以下となるまでの時間を調べた結果を図9に示す。図9の縦軸は水の接触角(°)、横軸は500μw/cmの紫外光の照射時間(単位:分)を示す。図9から、成膜温度が高い程、水の接触角が5°以下となるまでの時間が短くなる傾向があることが判る。
【0019】
尚、実施例2おいては、成膜速度は0.37nm/min〜1.47nm/minとした。
【0020】
[実施例3]
(膜厚依存性試験)
図10(a)、(b)に示す通り、膜厚200nm(1.0Pa、3時間、600℃、300W)、400nm(1.0Pa、6時間、600℃、300W)、700nm(1.0Pa、9時間、600℃、300W)の各膜厚条件(成膜時間条件)で酸化チタン層を石英基板上に成膜したところ、膜厚が厚い程、高い親水性を示すことが判る。
また、700nm(1.0Pa、9時間、600℃、300W)の条件で成膜した酸化チタンは、光量1.0μw/cm以下の紫外光の照射下で、72時間経過後に、水の接触角が実質的に0°となる高度な親水性特性を示すことが初めて確認された。また、成膜条件等を制御することによって、水の接触角が5°以下となる高度な光触媒活性を発現する酸化チタン膜を形成できることが判る。
【0021】
上記と同様に、1Pa、3時間、600℃の同じ条件下で、成膜時間を(a)3時間、(b)6時間、(c)9時間と、変化させてRFマグネットスパッタリングにより石英基板上にそれぞれ膜厚(a)200nm、(b)400nm、(c)700nmの酸化チタン膜を成膜した各試料の電子顕微鏡(SEM)写真(×100K、5.0K)を図11(a)〜(c)に示す。図11(a)〜(c)から、400〜700nmの酸化チタン膜は結晶粒径が大きく、しかも結晶粒子間に均一な隙間が形成されており、結晶粒子同士が接触せずに独立していること、表面積(比表面積)が大きいこと、結晶粒子の形状が角張った岩石状であること、から好ましいこと、が判る。
【0022】
尚、実施例3おいては、成膜速度は0.37nm/min〜1.47nm/minとした。
【0023】
[実施例4]
(成膜圧力依存性試験)
図12(a)、(b)に示す通り、成膜圧力1Pa(300w、600℃、3時間)、2Pa(300w、600℃、3時間)、3Pa(300w、600℃、3時間)の各成膜圧力条件で酸化チタン層を石英基板上に成膜したところ、これらの条件で各々水の接触角が5°以下となる高度な光触媒活性を発現する酸化チタン膜を形成できることが判る。
【0024】
成膜圧力及び成膜時間を(a)1Pa、3時間(300w、600℃)、(b)2Pa、6時間(300w、600℃)、(c)3Pa、9時間(300w、600℃)と、変化させてRFマグネットスパッタリングにより石英基板上にそれぞれ膜厚(a)200nm、(b)400nm、(c)700nmの酸化チタン膜を成膜した各試料の電子顕微鏡(SEM)写真(×100K、5.0K)を図13(a)〜(c)に示す。図13(a)〜(c)から、1〜2Paの酸化チタン膜は結晶粒径が大きく、しかも図11(a)〜(c)と比べ、結晶粒子間に均一な隙間が形成されており、結晶粒子形状の均一性が高く、結晶粒子同士が成長に伴い接合しさらに成長したと見られる粒子が少ないこと、から好ましいこと、が判る。
【0025】
尚、実施例4おいては、成膜速度は0.37nm/min〜1.47nm/minとした。
【0026】
[実施例5]
(光量依存性)
実施例3で作製した試料について、光量依存性を調べるために光量(a)1.0μw/cm、(b)2.0μw/cm、(c)10.0μw/cmで石英基板上に酸化チタン層が形成された試料の光量依存性を調べた。結果を図14(a)、(b)に示す。図14(a)、(b)に示す通り、1.0μw/cmの微弱な光量でも水の接触角が5°以下となる高度な光触媒活性を発現できることが判る。
尚、図14(a)の縦軸は水の接触角(°)、横軸は各光量の紫外光の照射時間(単位:時間)を示す。
【0027】
1.0Pa、600℃、300W、3時間の同じ条件下で、RFマグネットスパッタリングにより石英基板上に酸化チタン膜を成膜した各試料について、光量(a)1.0μw/cm、(b)10.0μw/cm、(c)20.0μw/cm、(d)500μw/cmの紫外光を照射して、光量依存性を調べた。結果を図15に示す。図15から、500μw/cmの紫外光照射では照射後直ちに水の接触角が実質的に0°になり、20μw/cmの紫外光照射では照射後 時間で水の接触角が実質的に0°になり、10μw/cmの紫外光照射では照射後24時間で水の接触角が実質的に0°になる、ことが判る。
尚、図15の縦軸は水の接触角(°)、横軸は各光量の紫外光の照射時間(単位:時間)を示す。
【0028】
[実施例6]
(暗所維持性)
1Pa、600℃、300W、の同じ条件下で、成膜時間を(a)3時間、(b)6時間、(c)9時間と、変化させてRFマグネットスパッタリングにより石英基板上にそれぞれ膜厚(a)200nm、(b)400nm、(c)700nmの酸化チタン膜を成膜し、光量1.0μw/cm以下の紫外光の照射下で72時間経過させた後に、暗所にて保存して水の接触角と時間との関係を調べた。結果を図16に示す。図16[縦軸は水の接触角(°)、横軸は紫外光の照射終了からの経過時間(単位:日)]から、膜厚が厚くなるのに従って接触角の回復が遅く、暗所維持性が高いことが判る。
【0029】
[実施例7]
(紫外光−可視光吸収測定)
(a)1.0Pa、3時間、600℃、300W、(b)1.0Pa、6時間、600℃、300W、(c)1.0Pa、9時間、600℃、300Wの各成膜条件でRFマグネットスパッタリングにより石英基板上に酸化チタン膜を成膜して試料を作製した。各々膜厚は、(a)200nm、(b)400nm、(c)700nmであった。これらの試料の紫外光−可視光吸収測定結果を図17に示す。図17(縦軸:透過率(a.u.)、横軸:波長(nm))より、これらの試料の膜厚が異なるので干渉縞の出現の仕方や吸収端の位置も若干異なっていたが、これらの酸化チタン層は全て紫外光応答型(紫外光反応型)であることが判る。
【0030】
[実施例8]
(X線回折)
(a)1Pa、600℃、300W、3時間、(b)1Pa、600℃、400W、2.25時間の各成膜条件でRFマグネットスパッタリングにより石英基板上に酸化チタン膜を成膜して試料を作製した。これらの試料のX線回折(XRD測定)を行なった。結果を図18に示す。
図18(縦軸:強度(cps)、横軸:2θ(°))より下記の式に従って、アナターゼ含有量(%)及び粒径を求めた。
アナターゼ含有量(%)=100/[1+1.265(Ir/Ia)]
D[粒径(Å)]=Kλ/βcosθ
(K=0.9、λ=1.54056、β(半値幅)(red))
その結果、各試料のアナタース含有量は70%以上で粒径は13nm〜17nmとなった。また、各試料の結晶性、配向性は極めて良好であった。
【0031】
以下の実施例では、基材をAl板(市販のアルミニウム板;株式会社ニコラ製:013461アルミニウム板)とした以外は上記実施例と同様の方法で試料を製造して、光触媒特性との関係を調べた。
【0032】
[実施例9]
(RF出力依存性試験)
RFマグネットスパッタリングにおけるRF出力依存性を調べるために(a)1Pa、600℃、100W、9時間、(b)1Pa、600℃、200W、6時間、(c)1Pa、600℃、300W、3時間、(d)1Pa、600℃、400W、2.25時間の成膜条件でRFマグネットスパッタリングによりアルミニウム基板上に酸化チタン膜を成膜して試料を作製した。これらの試料のRF出力依存性試験結果を図19(a)、(b)に示す。図19(a)の縦軸は水の接触角(°)、横軸は1.0μw/cmの紫外光の照射時間(単位:時間)を示す(後述する図20(a)〜図23(a)においても同様である)。図19(b)には親水化速度定数を示した(後述する図20(b)〜図23(b)においても同様である)。図19(a)、(b)に示す通り、300WのRF出力で成膜した試料が非常に良好な光触媒作用を示した。また、石英基板上に形成する場合に比べ、酸化チタン薄膜の光触媒活性光を高度に向上でき、光量1.0μw/cmという微弱な紫外光の照射下で水の接触角が実質的に0°となる高度な親水性状態を達成できることを見い出した。
次に、図20(a)、(b)に示す通り、RF出力を250W(1Pa、600℃、4.5時間)、300W(1Pa、600℃、3.0時間),350W(1Pa、600℃、2.75時間)のRF出力条件で酸化チタン層をアルミニウム基板上に成膜したところ、特にRF出力300Wにおいて低い水の接触角及び高い親水化速度定数が得られた。従って、本発明においてはRF出力を約300Wとすることが好ましい。また、石英基板上に形成する場合に比べ、酸化チタン薄膜の光触媒活性光を高度に向上でき、光量1.0μw/cmという微弱な紫外光の照射下で水の接触角が5°以下、特に実質的に0°となる高度な親水性状態を安定的且つ確実に達成できることを見い出した。
尚、実施例9おいては、成膜速度は0.37nm/min〜1.47nm/minとした。
【0033】
[実施例10]
(成膜温度依存性試験)
図21(a)、(b)に示す通り、室温(RT)(3時間、1.0Pa、300W)、200℃(3時間、1.0Pa、300W)、400℃(3時間、1.0Pa、300W)、600℃(3時間、1.0Pa、300W)の温度条件で酸化チタン層をアルミニウム基板上に成膜したところ、成膜温度が高い程、親水性が高くなる傾向となることが判る。また、石英基板上に形成する場合に比べ、酸化チタン薄膜の光触媒活性光を高度に向上でき、光量1.0μw/cmという微弱な紫外光の照射下で水の接触角が5°以下、特に実質的に0°となる高度な親水性状態を安定的且つ確実に達成できることを見い出した。同時に、酸化チタン薄膜の成膜条件等を制御することによって、光量1.0μw/cm以下の紫外光の照射下で、水の接触角が5°以下(略0°〜5°)、4°以下(略0°〜4°)、3°以下(略0°〜3°)、2°以下(略0°〜2°)、1°以下(略0°〜1°)、実質的に0°(測定上0°)となる高度な光触媒活性を示す状態をそれぞれ達成することができることを見い出した。
尚、実施例10おいては、成膜速度は0.37nm/min〜1.47nm/minとした。
【0034】
[実施例11]
(膜厚依存性試験)
図22(a)、(b)に示す通り、膜厚200nm(1.0Pa、3時間、600℃、300W)、400nm(1.0Pa、6時間、600℃、300W)、700nm(1.0Pa、9時間、600℃、300W)の温度条件(処理時間条件)で酸化チタン層をアルミニウム基板上に成膜したところ、膜厚が厚い程、高い親水性を示すことが判る。
また、石英基板上に形成する場合に比べ、酸化チタン薄膜の光触媒活性光を高度に向上でき、光量1.0μw/cmという微弱な紫外光の照射下で水の接触角が実質的に0°となる高度な親水性状態を安定的且つ確実に達成できることを見い出した。同時に、酸化チタン薄膜の成膜条件等を制御することによって、光量1.0μw/cm以下の紫外光の照射下で、水の接触角が5°以下(略0°〜5°)、4°以下(略0°〜4°)、3°以下(略0°〜3°)、2°以下(略0°〜2°)、1°以下(略0°〜1°)、実質的に0°(測定上0°)となる高度な光触媒活性を示す状態をそれぞれ達成することができることを見い出した。
尚、実施例11おいては、成膜速度は0.37nm/min〜1.47nm/minとした。
【0035】
[実施例12]
(成膜圧力依存性試験)
図23(a)、(b)に示す通り、成膜圧力1Pa(300W、600℃、3時間)、2Pa(300W、600℃、3時間)、3Pa(300W、600℃、3時間)の圧力条件で酸化チタン層をアルミニウム基板上に成膜したところ、石英基板上に形成する場合に比べ、酸化チタン薄膜の光触媒活性光を高度に向上でき、光量1.0μw/cmという微弱な紫外光の照射下で水の接触角が実質的に0°となる高度な親水性状態を安定的且つ確実に達成できることを見い出した。同時に、酸化チタン薄膜の成膜条件等を制御することによって、光量1.0μw/cm以下の紫外光の照射下で、水の接触角が5°以下(略0°〜5°)、4°以下(略0°〜4°)、3°以下(略0°〜3°)、2°以下(略0°〜2°)、1°以下(略0°〜1°)、実質的に0°(測定上0°)となる高度な光触媒活性を示す状態をそれぞれ達成することができることを見い出した。
尚、実施例12おいては、成膜速度は0.37nm/min〜1.47nm/minとした。
【0036】
[実施例13]
(光量依存性)
実施例11で作製した試料について、光量依存性を調べるために光量(a)1.0μw/cm、(b)2.0μw/cm、(c)10.0μw/cmでアルミニウム基板上に酸化チタン層が形成された試料の光量依存性を調べた。結果を図24に示す。図24(縦軸は水の接触角(°)、横軸は各光量の紫外光の照射時間(単位:時間))に示す通り、1.0μw/cmの微弱な光量でも本発明の試料は水の接触角が5°以下、特に実質的に0°となるとなる高度な光触媒活性を発現できることが判る。
【0037】
1.0Pa、600℃、300W、3時間の同じ条件下で、RFマグネットスパッタリングによりアルミニウム基板上に酸化チタン膜を成膜した各試料について、光量(a)1.0μw/cm、(b)10.0μw/cm、(c)20.0μw/cm、(d)500μw/cmの紫外光を照射して、光量依存性を調べた。結果を図25に示す。図25から、500μw/cmの紫外光照射では照射後直ちに水の接触角が実質的に0°になり、20μw/cmの紫外光照射では照射後18時間で水の接触角が実質的に0°になり、10μw/cmの紫外光照射では照射後24時間で水の接触角が実質的に0°になり、1.0μw/cmの紫外光照射では照射後48時間で水の接触角が実質的に0°になる、ことが判る。
尚、図25の縦軸は水の接触角(°)、横軸は各光量の紫外光の照射時間(単位:時間)を示す。
【0038】
[実施例14]
(暗所維持性)
1Pa、600℃、300W、の同じ条件下で、成膜時間を(a)3時間、(b)6時間、(c)9時間と、変化させてRFマグネットスパッタリングによりアルミニウム基板上にそれぞれ膜厚(a)200nm、(b)400nm、(c)700nmの酸化チタン膜を成膜し、光量1.0μw/cm以下の紫外光の照射下で72時間経過させた後に、暗所にて保存して水の接触角と時間との関係を調べた。結果を図26に示す。図26[縦軸は水の接触角(°)、横軸は紫外光の照射終了からの経過時間(単位:日)]から、膜厚が厚くなるのに従って接触角の回復が遅く、暗所維持性が高いことが判る。
【0039】
[実施例15]
(Al基板とQZ基板との比較)
1Pa、600℃、300W、3時間の同じ条件下で、(a)QZ基板、(b)Al基板、上にRFマグネットスパッタリングにより酸化チタン膜を成膜した試料を作成した。
光量1.0μw/cmの紫外光の照射下で、水の接触角の変化を調べた。結果を図27に示す。図27[縦軸は水の接触角(°)、横軸は紫外光の照射時間(単位:時間)]から、Al基板上に酸化チタン膜を成膜した試料は、実質的に0°となるとなる高度な光触媒活性を発現でき、また水の接触角が5°以下となるまでの時間が短い(即ち親水化定数が大きい)ことが判る。これらの試料の親水化定数を図28に示す。
これらの各試料の電子顕微鏡(SEM)写真(×100K、5.0K)を図29(a)、(b)に示す。図29(a)、(b)から、Al基板上に酸化チタン膜を成膜した試料は、酸化チタン膜の結晶粒子間に均一な隙間が形成されており、結晶粒子同士が接触せずに独立していること、表面積(比表面積)が大きいこと、結晶粒子の形状が角張った岩石状であること、から好ましいこと、が判る。
【0040】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明は次の優れた効果を奏する。
(1)酸化チタン薄膜単独で光量1.0μw/cmという微弱な紫外光の照射下で水の接触角が実質的に0°となる高度な光触媒活性状態を達成することに初めて成功した(請求項1)。本発明では、酸化チタン薄膜単独で光量1.0μw/cm以下の紫外光の照射下で、水の接触角が5°以下(略0°〜5°)となる高度な光触媒活性を示す状態を達成することができる(請求項1)。
このような特徴を有する酸化チタン単独膜は、成膜時の条件を制御することによって作製でき(請求項2)、結晶粒子径が13〜17nmであるという従来にない特徴を有している(請求項3)。
(2)仕事関数の小さい金属または合金上に酸化チタン薄膜を形成することによって、酸化チタン薄膜の光触媒活性光を高度に向上できる(請求項4)。
更に、仕事関数の小さい金属または合金上に所定の酸化チタン薄膜(高活性の酸化チタン薄膜)を形成することによって、光量1.0μw/cmという微弱な紫外光の照射下で水の接触角が5°以下〜実質的に0°となる高度な光触媒活性状態を達成可能である(請求項5)。
更に、仕事関数の小さい金属または合金上に所定の高活性の酸化チタン薄膜、即ち、上記請求項1〜3の特徴を有する酸化チタン薄膜、を形成することによって、光量1.0μw/cmという微弱な紫外光の照射下で水の接触角が5°以下〜実質的に0°となる高度な光触媒活性状態を安定的且つ確実に達成できる(請求項6〜8)。
(3)本発明では、光量1.0μw/cm以下という微弱な紫外光の照射下でも光触媒作用を発現させることが可能となる。従って、比較的高い光量の紫外光でしか光触媒作用が発現できない従来の複合材料と比較して、蛍光灯、可視光でも光触媒作用を発現可能な試料を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で作製した試料を示す断面図である。
【図2】実施例で使用した光源としての蛍光灯(18W)の特性を示す図である。
【図3】実施例で使用した光量測定装置の特性を示す図である。
【図4】基材として石英基材を用いた試料のRF出力依存性試験測定結果を示す図である。
【図5】基材として石英基材を用いた試料のRF出力依存性試験測定結果を示す図である。
【図6】RF出力を変化させて石英基板上に酸化チタン膜を成膜した各試料の電子顕微鏡(SEM)写真を示す図である。
【図7】基材として石英基材を用いた試料の成膜温度依存性試験測定結果を示す図である。
【図8】成膜時基板温度を変化させて石英基板上に酸化チタン膜を成膜した各試料の電子顕微鏡(SEM)写真を示す図である。
【図9】成膜時基板温度を変化させて石英基板上に酸化チタン膜を成膜した各試料について、500μw/cmの紫外光照射時間と、水の接触角との関係を示す図である。
【図10】基材として石英基材を用いた試料の膜厚依存性試験測定結果を示す図である。
【図11】成膜時間・膜厚を変化させて石英基板上に酸化チタン膜を成膜した各試料の電子顕微鏡(SEM)写真を示す図である。
【図12】基材として石英基材を用いた試料の成膜圧力依存性試験測定結果を示す図である。
【図13】成膜圧力及び成膜時間を変化させて石英基板上に酸化チタン膜を成膜した各試料の電子顕微鏡(SEM)写真を示す図である。
【図14】基材として石英基材を用いた試料の光量依存性試験測定結果を示す図である。
【図15】基材として石英基材を用いた試料の光量依存性試験測定結果を示す図である。
【図16】基材として石英基材を用いた試料の暗所維持性試験測定結果を示す図である。
【図17】基材として石英基材を用いた試料の紫外光−可視光吸収測定結果を示す図である。
【図18】基材として石英基材を用いた試料のX線回折収測定結果を示す図である。
【図19】基材としてAl板を用いた試料のRF出力依存性試験測定結果を示す図である。
【図20】基材としてAl板を用いた試料のRF出力依存性試験測定結果を示す図である。
【図21】基材としてAl板を用いた試料の成膜温度依存性試験測定結果を示す図である。
【図22】基材としてAl板を用いた試料の膜厚依存性試験測定結果を示す図である。
【図23】基材としてAl板を用いた試料の成膜圧力依存性試験測定結果を示す図である。
【図24】基材としてAl板を用いた試料の光量依存性試験測定結果を示す図である。
【図25】基材としてAl板を用いた試料の光量依存性試験測定結果を示す図である。
【図26】基材としてAl板を用いた試料の暗所維持性試験測定結果を示す図である。
【図27】Al基板とQZ基板上に同じ条件下で酸化チタン膜を成膜した試料について、光量1.0μw/cmの紫外光の照射下で、水の接触角の変化を調べた結果を示す図である。
【図28】Al基板とQZ基板上に同じ条件下で酸化チタン膜を成膜した各試料の親水化定数光量を示す図である。
【図29】Al基板とQZ基板上に同じ条件下で酸化チタン膜を成膜した各試料の電子顕微鏡(SEM)写真を示す図である。
【符号の説明】
1 基材
2 酸化チタン層

Claims (9)

  1. 酸化チタン薄膜単独で、光量1.0μw/cm以下の紫外光の照射下で、水の接触角が5°以下となる高度な光触媒活性を示すことを特徴とする酸化チタン薄膜。
  2. 前記酸化チタン薄膜が、RF出力:250〜350W、成膜時基板温度:室温〜600℃、成膜速度:0.37nm/min〜1.47nm/min、及び成膜圧力:1〜3Paの成膜条件で成膜条件を制御してRF−マグネットスパッタリングにより形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の酸化チタン薄膜。
  3. 前記酸化チタン薄膜の結晶粒子径が13〜17nmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化チタン薄膜。
  4. 仕事関数の小さい金属または合金上に酸化チタン薄膜を形成することによって、前記酸化チタン薄膜の光触媒活性を高度に向上させたことを特徴とする酸化チタン薄膜。
  5. 仕事関数の小さい金属または合金上に所定の高活性酸化チタン薄膜を形成することによって、光量1.0μw/cmという微弱な紫外光の照射下で水の接触角が5°以下となる高度な光触媒活性を示すことを特徴とする酸化チタン薄膜。
  6. 前記所定の高活性酸化チタン薄膜が、請求項1に記載した、酸化チタン薄膜単独で、光量1.0μw/cm以下の紫外光の照射下で、水の接触角が5°以下となる高度な光触媒活性を示すものであり、これにより、安定的且つ確実に光量1.0μw/cmという微弱な紫外光の照射下で水の接触角が5°以下となる高度な光触媒活性状態を示すことを特徴とする請求項5に記載の酸化チタン薄膜。
  7. 前記酸化チタン薄膜が、RF出力:250〜350W、成膜時基板温度:室温〜600℃、成膜速度:0.37nm/min〜1.47nm/min、及び成膜圧力:1〜3Paの成膜条件で成膜条件を制御してRF−マグネットスパッタリングにより形成されたものであることを特徴とする請求項6に記載の酸化チタン薄膜。
  8. 前記酸化チタン薄膜の結晶粒子径が13〜17nmであることを特徴とする請求項6又は7に記載の酸化チタン薄膜。
  9. 前記仕事関数の小さい金属または合金がアルミニウムまたはその合金であることを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の酸化チタン薄膜。
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