JP2004334056A - プロジェクタのフォーカス調整方法およびフォーカス調整装置 - Google Patents

プロジェクタのフォーカス調整方法およびフォーカス調整装置 Download PDF

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忠道 白石
Shoichiro Hara
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Abstract

【課題】人間の視覚特性に対応したフォーカス調整ができるプロジェクタのフォーカス調整方法及びフォーカス調整装置を提供する。
【解決手段】投射レンズにより投射管からスクリーン上に投射された測定用パターンを撮像する少なくとも1台の撮像手段1と、この撮像手段によって撮像された情報から上記投写管単独の色成分に対応する上記投射レンズのフォーカス最適点を算出すると共に、予め求められた投射レンズの色収差を加味したフォーカス最良点から真のフォーカス最適値を算出する演算手段2と、この演算手段の算出結果を出力する出力手段4とを備えたものである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は例えばリアプロジェクタ、プロジェクションテレビ等の大型画像表示装置などに好ましく用いられるプロジェクタに関するものであり、特にそのフォーカス調整方法およびフォーカス調整装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プロジェクタは、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色の投写管(CRT)の映像を、各投写管の前方にそれぞれ取り付けられた投射レンズによりスクリーンに拡大表示するようにした大型画像表示装置である。また、ミラーを用いることにより光路長を確保してスクリーンの背面から映像を投射して、その透過光により映像表示を行うリア(背面投射型)プロジェクタでは、投写管の電子銃のフォーカス調整と投射レンズのフォーカス調整が必要となる。
【0003】
上記投写管の電子銃のフォーカス調整は、電子銃のフォーカス電圧をボリューム操作で調整する構成をとることが一般的である。また、投射レンズのフォーカス調整では、レンズの焦点合わせ機構を操作し、レンズと像面との距離を微調整することによりフォーカスを変化させ、スクリーンに投影された評価パターンのフォーカス特性を最適にする。投射レンズの焦点合わせ機構は、回転構造を用いて鏡筒を光軸方向に移動する構造をとることが一般的である。
【0004】
従来上記のようなフォーカス調整は、規定の文字や同心円などの評価パターンをスクリーン上の測定位置毎に表示し、その形状を目視で判断して実施されている。また、コンバーゼンスずれの影響を回避し、より正確にフォーカスを調整するため、R、G、Bの各色の投写管(CRT)を単独で投射し、各色毎に調整を実施するのが一般的である。現在でもこのような目視作業で実施されることが多いが、調整品位の確保にはフォーカス特性の定量的な測定が必要である。
【0005】
フォーカス測定の方法としては、主にCRT上に表示した映像を直視する直視管を対象としたものがいくつか提案されており、その代表例に下記のものなどが挙げられる。
(1)CRT画面上に線を表示して、その線幅(正確にはビームプロファイルの規定輝度における線幅)でフォーカス特性を定義し、線幅を最小とする場合をフォーカス最良点するもの(例えば、特許文献1参照。)。
(2)CRT画面上に表示された画像のコントラスト(CRT蛍光面上でビームが発光した部分と、発光していない部分の輝度の差)比を測定し、コントラストを最大とする場合をフォーカス最良点とするもの。
(3)CRT画面上に周期性のあるパターンを表示して、その空間周波数を測定し、高周波成分が多い場合をフォーカス最良点とするもの(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特許第3116969号公報(第3頁、図1)
【特許文献2】
特開2000−4459号公報(第4〜5頁、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
プロジェクタに用いるレンズフォーカスの調整においても、これらの測定方法を適用することが考えられるが、これら従来手法の単純な応用では、人間の視覚特性に適した最良のフォーカス特性が得られない場合、すなわち、目視によるフォーカス最適点と従来手法により測定した最適点が一致しない場合があるという問題があった。以下、その理由について説明する。
【0008】
図7、図8、及び図9は従来のフォーカス制御方法の例を説明するもので、図7は一般的な投写管の発光スペクトルを示す特性図、図8は一般的な投射レンズの色収差を説明する図、図9はフォーカス測定用パターンの一例とそのプロファイルを示す説明図である。投写管としてのCRTのR、G、B各色蛍光体の発光スペクトルは図7の破線で囲って示すD部のように、発光輝度を確保するため、互いに他の色のスペクトルと一部重なる特性をもっている。
【0009】
一方、投射レンズには一般に軸上色収差があり、光の波長によって光軸方向のフォーカス位置が異なるという特性がある。このため、例えばB(青)の投写管の場合、B(青)の他にG(緑)のスペクトル成分を含むので、図8に示すように横軸を焦点合わせ位置、縦軸をスクリーン上のフォーカス特性とすると、B成分の最適焦点合わせ位置P(b)と、G成分の最適焦点合わせ位置P(g)が異なることになる。
【0010】
これをスクリーン上に表示したフォーカス調整用の線パターンP(図9(a))について測定された輝度プロファイルで示すと図9(b)のようになり、従来手法が対象としているB成分単独のフォーカス最良点ではG成分のフォーカスが合っておらず、そのプロファイルの裾野がB成分の外側にはみ出す形となる。このとき、G成分の輝度はB成分に比べ非常に低く、通常CCDカメラなどのダイナミックレンジでは捉えられないレベルである。
【0011】
しかしながら、人間の視覚はより波長の長い色に対して感度が高いため、目視ではB(青)の線の外側にはみ出したG(緑)の部分が非常に目立って知覚され、結果として文字や線が滲んだように見える。B(青)投射レンズのフォーカス特性の場合、人間にとって最良なフォーカスが得られるのは、図9(c)に示すように、B(青)成分単独のフォーカス最良点からG(緑)成分のフォーカス最良点方向に若干ずらした状態、すなわち、B成分により輝度の低いG成分がマスクされた状態となる。
【0012】
G(緑)の投写管に対しても同様に、長波長側のR(赤)成分の色収差を考慮しなければならない場合がある。ダイナミックレンジの極めて広い撮像機器を用いれば、調整対象となる投写管の他色成分を撮像できる可能性がないわけではないが、暗部における撮像ノイズなどの性能面、周辺光の遮光などの運用面、そしてコストの面で優位な手段ではない。
【0013】
上記のように、従来方法では各投写管に対する主たる色成分単独のフォーカス最良点を検出することはできるが、上述の投射レンズの色収差に起因する特性劣化を考慮した調整はできない。すなわち、人間の視覚特性に適した最良のフォーカス特性が得られない。なお、このような色収差の問題を低減するため、投写管と投射レンズとの間に他色スペクトル成分を吸収するフィルタを設ける方法も提案されているが、投射輝度の低下を伴ってしまうため、輝度確保が困難なB(青)投写管については一般的に適用が難しいという問題があった。
【0014】
この発明は上記のような従来技術の課題を解消するためになされたものであり、人間の視覚特性に対応したフォーカス調整ができるプロジェクタのフォーカス調整方法及びフォーカス調整装置を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明になるプロジェクタのフォーカス調整方法は、投写管から出射された測定用パターンを含む光を投射レンズによりスクリーンに投射し該投射レンズのフォーカス調整を行うに際し、上記投写管単独の色成分に対応する上記投射レンズのフォーカス最適点と、上記投射レンズの色収差を加味したフォーカス最良点とから上記投射レンズの最適フォーカス補正値を得るようにしたものである。
【0016】
また、この発明になるプロジェクタのフォーカス調整装置は、投射レンズにより投写管から出射されスクリーン上に投写された測定用パターンを撮像する少なくとも1台の撮像手段と、この撮像手段によって撮像された情報から上記投写管単独の色成分に対応する上記投射レンズのフォーカス最適点を算出すると共に、予め求められた投射レンズの色収差を加味したフォーカス最良点から真のフォーカス最適値を算出する演算手段と、この演算手段の算出結果を出力する出力手段とを備えたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1ないし図4は、この発明の実施の形態1に係わるリアプロジェクタのフォーカス調整方法及びフォーカス調整装置を説明する図であり、図1はリアプロジェクタとそのフォーカス調整装置の概要構成を示す構成図、図2は実施の形態1に用いる最適フォーカス補正値を、主たる色成分単独のフォーカス測定値との関係で示す特性図、図3は線幅によるフォーカス調整方法の例を説明する図であり、図3(a)はスクリーン上に表示されたフォーカス測定用のパターンを示す図、図3(b)は、そのパターンを撮像して得られたプロファイルにおける線幅を説明する図、図3(c)はフォーカスの悪い状態を説明する図、図3(d)はフォーカスが良い状態を説明する図である。図4はフォーカス調整対象である図1のリアプロジェクタを模式的に示す構成図である。なお、以下各図を通じて同一符合は同一もしくは相当部分を示すものとする。
【0018】
図に示すように、リアプロジェクタ6の入力端子(図示省略)は信号発生手段3に接続される。リアプロジェクタ6のスクリーン7の前方部には、フォーカスを計測したい箇所が視野内に収められるように少なくとも1台の撮像手段1が設置される。撮像手段1には演算手段2が接続される。また、演算手段2には算出結果を出力する例えばモニタなどの出力手段4が接続される。また、演算手段2には投射レンズ8の焦点合わせ位置を検出する検出手段5が接続される。
【0019】
上記のように構成されたこの実施の形態1の動作について、まず最適フォーカス補正値の取得について説明する。上記最適フォーカス補正値の決定因子は、投写管8(CRT)の発光スペクトル、及び投射レンズ9の色収差特性である。一般にレンズの色収差は、焦点合わせ位置に大きな差があると変化する可能性があるが、リアプロジェクタの場合には投射レンズ9及びスクリーン7は筐体に取り付けられており、これら各要素の相対距離はほぼ一定であり、大きくは変わらないことから、焦点合わせ位置の可変範囲は狭く、色収差特性は略一定となる。従って、通常は同一機種に対する最適補正量は実質的に一定であり、機種毎に補正量を取得すればよい。
【0020】
そこでまず、予め目視などの手段により各投写レンズのフォーカスを最良状態に調整したリアプロジェクタを用意し、図1に示す本発明のフォーカス調整装置により、この最良状態での焦点合わせ位置(P2)、あるいは、フォーカス測定値(F2)を得る。これらの値は対象とする投写レンズの色収差が加味されたフォーカス最良値である。次に、同じく本発明のフォーカス調整装置により、投射レンズ9を主たる色成分単独のフォーカス最適点に調整して、そのときの焦点合わせ位置(P3)、フォーカス測定値(F3)を得る。従って、投射レンズの最適フォーカス補正値ΔP、あるいはΔFは、
ΔP=P3−P2、
ΔF=F3−F2、
として算出することができる。なお、同様にして対象とする投写レンズ毎に適宜最適フォーカス補正値を得る。
【0021】
なお、予め目視によって投射レンズを最良状態にフォーカス補正したプロジェクタを得るには、具体的には例えば次に示す手順により行われる。
(1)スクリーン7の所定の測定位置に1本以上の横線あるいは縦線からなる例えば青(B)のパターンを表示する(図3(a))。
(2)目視にて上記単色パターンPの線幅が最小となるように投射レンズ9を調整し、このときの焦点合わせ位置を焦点合わせ位置検出手段5により記録する。
(3)個人差の影響を低減するため、複数人で上記(2)の調整を繰り返し、焦点合わせ位置検出値の平均値を投射レンズの最適フォーカス補正値を得るための最適な焦点合わせ位置とする。
【0022】
なお、青(B)投影レンズのフォーカス調整においては青(B)成分のみではなく、緑(G)成分が影響する。したがって、上記の測定パターンの線幅は青(B)成分と緑(G)成分あわせた輝度プロファイルで判断する。同様にして、他の発光色の投射レンズについてもそれぞれ最適な焦点合わせ位置を取得する。
【0023】
次に被調整対象のプロジェクタのフォーカス調整方法を説明する。信号発生手段3は、例えば白色のフォーカス測定用のパターンをスクリーン7のフォーカスを計測したい箇所に描画するよう、映像信号をリアプロジェクタ6に出力する。1台以上の撮像手段1はスクリーン7上の投射された映像を撮像する。ここで撮像手段1が1台の場合は、R、G、B各色の選択機能をもち、フォーカス調整対象の投写管8に応じた色成分の撮像画像を選択的に得る。演算手段2は撮像手段1による撮像画像に対して所定の演算処理を施すことにより、フォーカス特性を算出する。
【0024】
フォーカス特性算出方法は、主たる色成分単独のフォーカス最適点を検出可能なものであればどのようなものであってもよいが、フォーカス特性の優劣と測定値の増減関係が一致していることが望ましい。この実施の形態1では、図3に示すように線幅により検出している。即ち、図3(a)に例示するように横線(あるいは縦線でも良い)の測定パターンPをスクリーン7上の所定の測定位置10に表示させる。次に、撮像手段1により測定パターンPに対して直交する破線で示す垂直線11上(A−A’)のプロファイルを取得する。このプロファイルを図3(b)に示す、予め定めた輝度レベルY1における線幅Wを測定する。
【0025】
上記のようにして線幅Wを測定しつつ、図示を省略している焦点合わせ機構により投射レンズ9を光軸方向に移動させ、線幅Wの測定値が最小となる位置をフォーカス最適点(ただし、単色成分について)とする。例えば図3(d)に例示するW2の状態が最小値である場合は、図3(c)に例示するW1の状態から図3(d)となったときを最適点とする。焦点合わせ位置検出手段5は、投射レンズ9の焦点合わせ機構(図示省略)の稼動位置(例えば回転位置、回転方向など)を検出して、上記W2に対応する検出結果を演算手段2に出力する。この検出手段は、焦点合わせ機構が回転構造をとっている場合には、例えば一般的なロータリーエンコーダなどを利用することにより容易に実現できる。
【0026】
演算手段2はフォーカス特性値と焦点合わせ位置を出力手段4に出力する。例えば、出力手段4の一つであるディスプレイモニタに表示する。撮像手段1における色選択機能は、例えば撮像手段1に一般的なカラーカメラあるいはモノクロカメラとR、G、B色透過フィルタ切替器(図示省略)を用いることにより容易に実現できる。色選択特性は、R、G、B各色の波長成分に対するスペクトルがなるべく重ならないような構成とすることが望ましいが、通常B(青)の投写管に対するG(緑)など他色成分の輝度は非常に低く、CCDカメラのダイナミックレンジでは捉えることができないレベルであるため、それほど問題ではない。
【0027】
次に上記のようにして得られた主たる色成分単独のフォーカス最適点に調整された被調整対象プロジェクタを、先に求めた色収差を加味した投写レンズの最適フォーカス補正値ΔPを用いて最適値に調整する方法を説明する。なお、ここではB(青)用投射レンズを調整する場合を一例として説明するが、他の色の投射レンズについても同様に焦点調整が行われる。
【0028】
上記までのフォーカス調整過程においては、図2に示す例えばB成分に対するフォーカス最適点P0に調整され、該P0の値は焦点合わせ位置検出手段5により検出されている。なお、上記説明のようにこの段階で得られるフォーカス最適点は、B成分単色での最適点であり、色収差によるG成分のはみ出しがある場合には実際のフォーカス最適点ではない。
【0029】
次に、演算手段2は上記P0と、先に求められた投写レンズの最適フォーカス補正値(ΔP)から真のフォーカスの最良点P1(=P0−ΔP)を算出する。演算手段2はこのP1を調整目標として、出力手段4であるディスプレイモニタに表示する。この表示に従い、図示を省略している焦点合わせ機構を調整し、その位置を上記取得された目標値に合わせこむことにより調整が完了する。なお、上記の一連の動作は、予め目視によって投射レンズを最良状態にフォーカス補正したプロジェクタを得る部分を除いて公知の一般的な技術により自動化することも容易である。
【0030】
上記のようにこの実施の形態1によれば、主たる色成分単独のフォーカス最適点と、人間の視覚によるフォーカス最良点のずれを補正し、定量的に視覚特性に適したフォーカス調整方法、及びフォーカス調整装置を提供できる。また、投射レンズに対応した色の主成分のフォーカス最適点を基準とし、これに規定の補正値を適用して、真のフォーカス最良点を検出するようにしたので、これにより、極めて輝度が低い他色成分を直接の処理対象とせずに、真のフォーカス最良点を算出できる。
【0031】
実施の形態2.
図5は実施の形態2によるリアプロジェクタのフォーカス調整方法の要部を示す図である。上記実施の形態1では、主たる色成分単独のフォーカス最良点を求めるために測定用パターンの線幅を用いるようにしたが、この実施の形態2の方法はコントラストによりフォーカス最良点を求めるようにしたものである。その他の構成は実施の形態1とほぼ同様であるので説明を省略する。なお、発明の理解を容易にするために便宜上、上記図1の符号を適宜援用して説明する。
【0032】
測定パターンとして、図5(a)に示すように所定の間隔で配置した複数本(この実施の形態では2本)の横線(あるいは縦線でも良い)をスクリーン上に表示する。そして、図示を省略している図1に示す撮像手段1により、その複数本の横線に直交するA−A’方向のプロファイルを取得し、演算手段2によりこの輝度プロファイルの最大値Ymaxと最小値Yminの差Ymax−Yminを測定値とする(図5(b)参照)。
【0033】
上記測定値が大きいほどフォーカスが良好な状態であり、最大となる場合がフォーカス最適点(ただし、単色成分について)となる。このようにして得られたフォーカス最適点をもとに、上記実施の形態1と同様にして予め求められた投射レンズ9の色収差に基づく補正値を適用し、投射レンズ9を最適なフォーカスに調整することができる。なお、上記測定パターンの線間隔はフォーカスが最良な状態でYminが無表示の状態と同じ輝度レベルとなるよう設定することが望ましい。
【0034】
実施の形態3.
図6は実施の形態3によるリアプロジェクタのフォーカス調整方法を説明する図である。この実施の形態3では、主たる色成分単独のフォーカス最良点を求める方法として演算装置2において空間周波数を測定することによりフォーカス最良点を求めるようにしたものである。その他の構成は実施の形態1とほぼ同様であるので説明を省略する。なお、発明の理解を容易にするために便宜上、図1の符号を適宜援用して説明する。
【0035】
この実施の形態3においては、測定パターンとして、図3(a)、あるいは図5(a)と同様の1本以上の横線あるいは縦線をスクリーン7上の所定位置に表示させる。そして、表示された線パターンに対して直交するA−A’方向のプロファイルを撮像手段1によって取得する。演算装置2では、このプロファイルを波形として捉え、離散フーリエ変換を適用し空間周波数特性を算出する。
【0036】
空間周波数tと空間周波数t成分のパワーP(t)との関係は、一般に図6に例示するようになっている。また、空間周波数の高い成分が多いほどフォーカス特性が良好である。ただし、単純に特定周波数成分のパワーのみで評価するとフォーカス特性が上手く扱えない場合(測定値の感度がフォーカスの状態に著しく依存)があるため、次の数式1を用いて測定値を算出する。
【0037】
【数1】
Figure 2004334056
【0038】
但し、
t:空間周波数。
f(t):高周波成分を強調する関数。例えばα×t (αは定数)。
P(t):空間周波数t成分のパワー。
上記のようにして空間周波数により得られた主たる色成分単独のフォーカス最適点をもとに、上記実施の形態1と同様にして予め求められた投射レンズ9の色収差に基づく補正値を適用し、投射レンズ9を最適なフォーカスに調整することができる。
【0039】
実施の形態4.
この実施の形態4では、まず、測定パターンとして、実施の形態3と同様に図3(a)、あるいは図5(a)と同様の1本以上の横線あるいは縦線をスクリーン7上の所定位置に表示させる。そして、表示された測定パターンに対して直交するA−A’方向のプロファイルを撮像手段1によって取得する。演算手段2を除くその他の構成は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。なお、発明の理解を容易にするために、同様に図1の符号を適宜援用して説明する。
【0040】
一般にプロファイルは横軸および縦軸とも離散データであり、横軸の単位は撮像手段の画素に相当する。ここで隣接画素間の輝度差分の絶対値をd、dの度数をS(d)とすると、フォーカス値は次の数式2で算出できる。
【0041】
【数2】
Figure 2004334056
【0042】
但し、
d:プロファイルの隣接画素間の差分値。
f(d):より大きな差分値dの度数を強調する関数。例えばα×d (αは定数)
S(d):差分値dの度数。
演算手段2において、上記の関係に基づいて差分値により得られたフォーカス最適点をもとに、上記実施の形態1と同様にして予め求められた投射レンズ9の色収差に基づく補正値を適用し、投射レンズ9を最適なフォーカスに調整することができる。
【0043】
実施の形態5.
なお、上記の各実施の形態では、人が焦点合わせ機構を操作することを想定して説明しているが、投射レンズ9の焦点合わせ機構に駆動装置を追加あるいは調整手段を装着し、このような制御装置を出力手段として用いることにより、補正値を加味した演算結果に基づいて投射レンズ9の焦点を最適値に自動調整させるように構成することも容易である。また、以上の各実施の形態では撮像手段1に色選択機能を搭載して、フォーカス測定対象である各投写管8に対応する投射画像を選択したが、リアプロジェクタ6側で調整対象色の投写管による投射像のみをスクリーンに表示するようにしてもよい。
【0044】
実現方法としては、リアプロジェクタ6に出力選択機能を設ける、あるいは、調整対象以外の投射レンズの前に遮光カバーを取り付ければよい。また、別の方法として、信号発生手段3が単色の映像信号を表示してもよい。この場合、前述のように通常B(青)の投写管に対するG(緑)など他色成分の輝度は非常に低く、CCDカメラのダイナミックレンジでは捉えることができないレベルであるため、撮像手段としてモノクロカメラを用いることができる。
【0045】
また、投写管8の輝度およびフォーカス特性の状態に依存せず、投射レンズ9のフォーカス特性を検出可能なフォーカス特性算出方法を用いるように構成すれば、補正量をフォーカス測定値で規定することができる。この場合、主たる色成分単独のフォーカス最適点におけるフォーカス測定値F0(図8参照)に対して、フォーカス測定値に基づく補正量(ΔF)を適用することにより、真のフォーカス最適点におけるフォーカス測定値F1(=F0−ΔF)を目標値として得ることができる。焦点合わせ位置P0に対する補正方向は決まっているため、焦点合わせ位置の検出手段を省略した構成とすることもできる。
【0046】
ところで、上記実施の形態の説明では、この発明をリアプロジェクタのフォーカス調整に用いる場合を例に説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。また、例えばフォーカス測定用のパターンを変更すること、測定位置をスクリーン上の複数の位置にすること、投写管自体のフォーカス特性のばらつきを正規化すること、調整対象のプロジェクタのフォーカス調整を自動化することなど、実施の形態の説明で例示した方法・装置以外に、種々の変形や変更が可能であることは言うまでもない。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したとおり、この発明によれば、投写管単独の色成分に対応する投射レンズのフォーカス最適点と、上記投射レンズの色収差を加味したフォーカス最良点とから上記投射レンズの最適フォーカス補正値を得るようにしたことにより、人間の視覚特性に対応したフォーカス調整ができるプロジェクタのフォーカス調整方法を提供することができる。
【0048】
また、撮像手段によって撮像された測定用パターン情報から投写管単独の色成分に対応する投射レンズのフォーカス最適点を算出すると共に、予め求められた投射レンズの色収差を加味したフォーカス最良点から真のフォーカス最適値を算出する演算手段と、この演算手段の算出結果を出力する出力手段とを備えるように構成したことにより人間の視覚特性に対応したフォーカス調整ができるプロジェクタのフォーカス調整装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1によるリアプロジェクタとそのフォーカス調整装置の概要構成を示す構成図である。
【図2】実施の形態1に用いる最適フォーカス補正値を、主たる色成分単独のフォーカス測定値と焦点合わせ位置の関係で示す特性図である。
【図3】実施の形態1に用いた線幅によるフォーカス調整方法の例を説明する図。
【図4】図1のリアプロジェクタの概要構成を模式的に示す構成図である。
【図5】実施の形態2によるリアプロジェクタのフォーカス調整方法の要部を示す図である。
【図6】実施の形態3によるリアプロジェクタのフォーカス調整方法を説明する図である。
【図7】一般的な投写管の発光スペクトルを示す特性図である。
【図8】一般的な投射レンズの色収差を説明する図である。
【図9】フォーカス測定用パターンの一例とそのプロファイルを示す説明図である。
【符号の説明】
1 撮像手段、 2 演算手段、 3 信号発生手段、 4 出力手段、 5焦点合わせ位置検出手段、 6 リアプロジェクタ、 7 スクリーン、 8
投写管、 9 投射レンズ、 10 測定位置、 P 測定パターン。

Claims (4)

  1. 投写管から出射された測定用パターンを含む光を投射レンズによりスクリーンに投射し該投射レンズのフォーカス調整を行うに際し、上記投写管単独の色成分に対応する上記投射レンズのフォーカス最適点と、上記投射レンズの色収差を加味したフォーカス最良点とから上記投射レンズの最適フォーカス補正値を得ることを特徴とするプロジェクタのフォーカス調整方法。
  2. 上記投射レンズのフォーカス最適点と、上記投射レンズの色収差を加味したフォーカス最良点との差を上記投射レンズの最適フォーカス補正値とするようにしたことを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタのフォーカス調整方法。
  3. 投射レンズにより投写管から出射されスクリーン上に投写された測定用パターンを撮像する少なくとも1台の撮像手段と、この撮像手段によって撮像された情報から上記投写管単独の色成分に対応する上記投射レンズのフォーカス最適点を算出すると共に、予め求められた投射レンズの色収差を加味したフォーカス最良点から真のフォーカス最適値を算出する演算手段と、この演算手段の算出結果を出力する出力手段とを備えたことを特徴とするプロジェクタのフォーカス調整装置。
  4. 上記投射レンズの焦点合わせ位置検出装置を備え、上記演算手段の算出結果に応じて上記投射レンズのフォーカスを調整するようにしてなることを特徴とする請求項3に記載のフォーカス調整装置。
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