JP2004331715A

JP2004331715A - Styrenic resin film

Info

Publication number: JP2004331715A
Application number: JP2003125625A
Authority: JP
Inventors: Otoyuki Itou; 己行伊東; Yoshiyuki Tatsuki; 芳幸田附
Original assignee: Asahi Kasei Life and Living Corp
Current assignee: Asahi Kasei Corp
Priority date: 2003-04-30
Filing date: 2003-04-30
Publication date: 2004-11-25

Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a biaxially oriented styrenic resin film which has good frictional antistaticity, good scratch resistance, good slipperiness, and excellent adhesiveness without applying antistatic coating, and is suitable as an envelope window material, a laminating material for food-packing containers, or the like. <P>SOLUTION: This biaxially oriented styrenic resin film comprising a styrenic resin is characterized by containing particles in the resin, having surface protrusions having the maximum height of 1.5 to 10 μm on one surface of the film, and having 1.5 to 10 μm high protrusions in a rate of 1 to 500 protrusions/mm<SP>2</SP>. <P>COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明性、低帯電性、接着性、耐傷付き性に優れ、封筒窓材や、食品包装容器用ラミネート材等に使用される二軸延伸スチレン系樹脂フイルムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
二軸延伸スチレン系樹脂フイルムは、透明性、剛性、加工性等に優れていることから封筒用窓材をはじめとし、食品容器用ラミネート材などに利用されている。
上記用途では、加工適性を向上させる目的で、帯電防止剤等のコーティングがなされているのが一般的である（例えば、特開２００１−２１９９３９号公報等）。しかし、これらの公知技術を利用したスチレン系樹脂フイルムでは、コーティング剤移行による機械汚染とその再転写によるフイルム汚れが問題になることがあった。
【０００３】
こうした問題点を解決する目的で、ポリスチレン系樹脂にはタルクやポリテトラフルオロエチレンを混合したフイルム（例えば、特開平２−７２０５１号公報）が提案され、またポリスチレン系樹脂に二酸化珪素や架橋ポリスチレンを混合したフイルム（例えば、特公平６−８５６号公報、特開平１０−３２３８９３号公報）が提案されている。
しかし、これらの帯電防止コーティングを施さない公知技術のスチレン系樹脂フイルムでは、機械加工適性に劣ることから様々な問題がある。具体的には封筒加工工程を例に説明する。
【０００４】
封筒窓貼り加工で用いられるフイルムは、複数の硬質ロールを通過し、封筒窓貼り加工機械において封筒と貼り合わされる。帯電防止を施さない前記公知技術を利用したフイルムの場合、複数の硬質ロールを通過した時に摩擦帯電又は剥離帯電が発生し、その静電引力の作用により、封筒との貼り合わせ位置が微妙に狂ってしまう現象（位置ズレ）が発生しやすい。
また、フイルムのカット工程では、フイルム先端が吸引ドラムに接触した際、吸引された状態で高速摩擦が起るために、フイルム表面に無数の傷が発生しやすく、それと同時にフイルムの磨耗によって生じたポリマー粉が機械汚染を招くと言った問題点がある。
【０００５】
更には、スチレン系樹脂フイルムの表面は疎水性であるために水性エマルジョンよりなる接着剤に対しては十分な接着強度が得られない場合がある。この問題に対しては、フイルム表面をコロナ放電処理などで親水化することで、接着性は改善される（特開平１０−１１９９７８号公報）が、その一方で、フイルム表面には夥しい静電気が発生し、イオンブロー等の従来技術では完全除去が難しく、封筒加工工程での「位置ズレ」問題が発生する。このため、コロナ放電処理等の親水化技術を取り入れることは困難である。
【０００６】
上記の接着性問題に対しては、改質剤を配合することにより、フイルム表面の接着性を改良する技術（特開平０６−１９２５１５号公報）が提案されている。これは、オレフィン系熱可塑性エラストマーを特定の割合でスチレン系樹脂に配合したものであるが、封筒窓貼り用途において主として使用されている接着剤（エチレン酢酸ビニル共重合体の水性エマルジョン）に対しては、十分な接着強度を得ることが困難であった。
【０００７】
【特許文献１】
特開２００１−２１９９３９号公報
【特許文献２】
特開平２−７２５０１号公報
【特許文献３】
特開平６−８５６号公報
【特許文献４】
特開平１０−３２３８９３号公報
【特許文献５】
特開平１０−１１９９７８号公報
【特許文献６】
特開平６−１９２５１５号公報
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、二軸延伸スチレン系樹脂フイルムが使用される封筒窓材、各種包装材料、食品容器用ラミネート材などの用途において、帯電性、擦傷性、接着性等を向上させた二軸延伸スチレン系樹脂フイルムを提供することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、スチレン系樹脂フイルムに特定の突起を形成することにより、硬質ロールとの摩擦・剥離帯電、傷付き性、接着性が改良されることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、下記の通りである。
（１）スチレン系樹脂（Ａ）よりなるフイルムであって、粒子（Ｂ）を含み、少なくとも一表面に、最大高さ（Ｓｐ）が、１．５〜１０μｍの範囲の突起が形成され、且つ、１．５μｍ〜１０μｍの高さの突起数が、１〜５００個／ｍｍ^２存在することを特徴とする二軸延伸スチレン系樹脂フイルム。
【００１０】
（２）粒子（Ｂ）が、重量平均粒子径が１〜１０μｍ、アスペクト比が１．０〜２．０の範囲の球状又はキュービック状の定型粒子であることを特徴とする（１）に記載の二軸延伸スチレン系樹脂フイルム。
（３）粒子（Ｂ）が、非晶質アルミノ珪酸塩、アルミナ（不活性）より選ばれる無機粒子であり、スチレン系樹脂（Ａ）に対する量が、０．１〜１体積％であることを特徴とする（１）または（２）記載の二軸延伸スチレン系樹脂フイルム。
【００１１】
（４）さらに、スチレン系樹脂（Ａ）１００質量部に対し、金属石鹸（Ｃ）が０．０１〜０．５質量部配合されていることを特徴とする（１）から（３）のいずれかに記載の二軸延伸スチレン系樹脂フイルム。
（５）金属石鹸（Ｃ）が、高級脂肪酸塩類であることを特徴とする（４）に記載の二軸延伸スチレン系樹脂フイルム。
（６）さらに、スチレン系樹脂（Ａ）１００質量部に対し、極性官能基を有するスチレン系熱可塑性エラストマー（Ｄ）を０．３〜２０質量部含有することを特徴とする（１）から（５）のいずれかに記載の二軸延伸スチレン系樹脂フイルム。
【００１２】
（７）極性官能基を有するスチレン系熱可塑性エラストマー（Ｄ）が、スチレン系単量体を主体とする重合体を少なくとも２個と共役ジエン単量体を主体とする重合体を少なくとも１個を含有するブロック共重合体及び／又は該ブロック共重合体中の共役ジエンを水素添加してなるブロック共重合体であって、且つ、カルボニル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、又はそれらの誘導体を少なくとも１官能基又は１誘導体を含有することを特徴とする（６）に記載の二軸延伸スチレン系樹脂フイルム。
【００１３】
（８）二軸延伸スチレン系樹脂フイルムの１３０℃で測定される各延伸方向の配向緩和応力のピーク値が０．６ＭＰａ〜５．４ＭＰａであることを特徴とする（１）から（７）のいずれかに記載の二軸延伸スチレン系樹脂フイルム。
（９）二軸延伸スチレン系樹脂フイルムとステンレス製鏡面との動摩擦係数が０．３未満であることを特徴とする（１）から（８）のいずれかに記載の二軸延伸スチレン系樹脂フイルム。
（１０）（１）から（９）のいずれかに記載の二軸延伸スチレン系樹脂フイルムの封筒窓材、または食品包装容器用ラミネート材への使用。
【００１４】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、その好ましい実施態様を中心に、詳細に説明する。
本発明は、ポリスチレン系樹脂、特に好ましくは、汎用ポリスチレン又は汎用ポリスチレンと耐衝撃性ポリスチレンとの混合物よりなるポリスチレン系樹脂（Ａ）に特定の粒子（Ｂ）を添加し、フィルム成形することにより、フイルム表面には特定の高さと数の突起が形成され、これによって該フイルムは摩擦・剥離帯電、傷付き性、滑り性、接着性が改良されることに大きな特徴がある。すなわち一般公知の帯電防止剤の塗布、添加無しに摩擦・剥離帯電や傷付き性を低減したフイルムである。更には、特定の極性官能基を有するスチレン系エラストマー（Ｄ）を特定量添加することにより、より高度な接着性を付与することができる。
【００１５】
まず、本発明の特徴であるフイルムの表面形態について説明する。
本発明のフイルムは、ポリスチレン系樹脂（Ａ）に粒子（Ｂ）を添加することにより、フイルムに形成された突起の最大高さが１．５〜１０μｍであり、且つ、高さ１．５μｍ〜１０μｍの突起が１〜５００個／ｍｍ^２の範囲であることに特徴がある。突起の最大高さ、及び高さ１．５μｍ〜１０μｍの突起の個数を前記範囲にすることで、フイルムと被接触物との接触面積が小さくなり、フイルム自体の摩擦・剥離帯電、傷付きが低減し、更には滑り性、接着性等が改良される。
【００１６】
すなわち、突起最大高さを１．５μｍ以上、及び１．５μｍ以上の突起数を１個／ｍｍ^２以上にすることで、摩擦・剥離帯電、傷付きが低減され、滑り性、接着性が向上する。そして、最大突起高さを１０μｍ以下、及び１．５μｍ以上の突起を５００個／ｍｍ^２以下にすることで、例えば封筒窓貼り加工工程における硬質ロールや吸引ドラムとの摩擦による粒子脱落を最小限に抑制し、実用上好ましく使用できるフイルムが得られる。より高度にこれらの特性をバランスさせるのは、突起最大高さが１．５μｍ〜８μｍの範囲であり、且つ、高さ１．５μｍ〜８μｍの突起数が３〜４００個／ｍｍ^２である。更に好ましくは突起最大高さが１．５〜６μｍの範囲であり、且つ、高さ１．５μｍ〜６μｍの突起の数が５〜３００個／ｍｍ^２の範囲である。
【００１７】
尚、フイルムの表面突起の測定には、接触式表面粗度計（ミツトヨ社製）を用い、触針には円錐角６０°、先端半径２μｍの形状を有するダイヤモンド製触針により、０．７５ｍＮの荷重で測定を行う。また、測定面積はＸ方向が２ｍｍ、Ｙ方向が０．５ｍｍである。測定条件は、Ｘ方向のサンプリングピッチが０．５μｍ、Ｙ方向のプロファイルピッチが１μｍの条件で行う。データ処理条件は、カットオフ値を８０μｍとしてプロファイルを処理し、三次元画像処理では平面補正を加えて、突起の最大高さ（Ｓｐ値）及び１．５μｍ以上の突起数を求める。突起の最大高さ（Ｓｐ）並びに１．５μｍ以上の突起数は、測定位置を変更し、３回行い、その平均値を求める。
【００１８】
次に本発明に使用可能な粒子（Ｂ）について説明する。
本発明に使用される粒子（Ｂ）は、上述したフイルムの表面形態を与えるものであれば特に制限はないが、本発明のフイルムの特徴である表面形態を効率良く、且つ、効果的に形成させるのに好ましい粒子径、粒子形状、粒子の種類は以下の通りである。
【００１９】
粒子（Ｂ）の重量平均粒子径は、粒子径分布や粒子形状により一概に定められるものではないが、通常１〜１０μｍの範囲が好ましい。重量平均粒子径が１μｍ以上を選択した場合では、後述の配向緩和応力ピーク値の範囲において１．５μｍ以上の最大高さの突起をフイルム表面に形成させることが多く、摩擦・剥離帯電性、傷付き性、接着性等に改良効果が得られる。また、重量平均粒子径が１０μｍ以下を選択した場合では、フイルム表面の過度な粗面化による外観低下を防ぐことや硬質ロール等との摩擦による粒子脱落を防ぐことが可能である。より好ましくは２〜８μｍ、更に好ましくは３〜６μｍである。尚、ここで言う重量平均粒子径は、コールターカウンター法により求められる値である。
【００２０】
また、粒子の形状は球状又はキュービック状等の定型粒子であることが好ましく、アスペクト比（長径又は長辺と短径又は短辺の比）が１〜２である球状又はキュービック状粒子がより好ましい。更に好ましくは、アスペクト比が１〜１．５の定型粒子である。球状又はキュービック状の定型粒子を使用することでフイルム表面の不定形な粗れが防止され、フイルムの外観低下を抑え、効果的に目的とする高さと数の突起を形成することが可能であり、本発明の特徴である摩擦・剥離帯電性、傷付き性、接着性が改良され、好ましい。
【００２１】
ポリスチレン系樹脂に添加される粒子（Ｂ）には、例えばアルミノ珪酸塩、アルミナ、シルカ、酸化亜鉛、微粉末フィラー等の無機系粒子やシリコーンパウダー、スチレン系架橋粒子、フッ素系粒子、架橋メチルメタクリレート系粒子、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体（ＭＢＳ）、熱硬化性樹脂球状粒子等の有機系粒子より選ばれる少なくとも１種が挙げられる。これらの内、特にアルミノ珪酸塩、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛等は、フイルムの押出し、延伸加工時の形状変形がほとんどないため、摩擦・剥離帯電性、傷付き性、接着性等に対し、高い改良効果が得られる。
【００２２】
更に好ましくは、吸湿性が小さいことでフイルム押出時の圧力変動による厚み変動やフイルムの発泡不良等が抑えられる非晶質アルミノ珪酸塩、アルミナ（不活性）であって、特に好ましくは経済的に球状の定型粒子が得られやすい非晶質アルミノ珪酸カルシウム、非晶質珪酸ナトリウム、非晶質珪酸ナトリウム・カルシウム等の焼成された非晶質アルミノ珪酸塩である。
上述の粒子（Ｂ）はスチレン系樹脂（Ａ）に対し、０．１〜１体積％の範囲で添加されることが望ましく、０．１体積％以上では低帯電性、耐傷付き性、滑り性、接着性に効果が得られ、１体積％以下では透明性、粒子の脱落等に対して良好な性能が得られる範囲である。より好ましくは０．２〜０．８体積％、更に好ましくは０．３〜０．８体積％の範囲である。
【００２３】
また、粒子（Ｂ）は樹脂中に凝集を伴わず、フイルム押出し時において均一分散させることが望ましいが、粒子径が小さくなるほど、それが難しくなる傾向にある。このため、分散性を向上させるために金属石鹸を添加しても良く、特にＣ_１２以上の高級脂肪酸塩類が好ましく用いられる。具体的にはラウリン酸亜鉛、ラウリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸リチウム等が挙げられ、それらの内、少なくとも一成分を含有したものである。より好ましくは、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛がよい。
上記の金属石鹸（Ｃ）は、スチレン系樹脂（Ａ）１００質量部に対し、０．０１〜０．５質量部の範囲で添加することが好ましく、分散剤を０．０１質量部以上の添加量にすることで定型粒子の均一分散に効果が得られ、０．５質量部以下の添加量にすることで良好な透明性を維持することができる。より好ましくは０．０２〜０．３質量部。更に好ましくは０．０３〜０．１質量部である。
【００２４】
次に、本発明においてスチレン系樹脂（Ａ）とは、スチレン系単量体の単独重合体又は共重合体及びこれらの混合組成物であり、スチレン系単量体とは、スチレン（ＧＰＰＳ）、α−メチルスチレン等のアルキルスチレンである。また、共重合体とは、スチレン−（メタ）アクリル酸エステル共重合体類、スチレン−酸無水物共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、耐衝撃性ポリスチレン（ＨＩＰＳ）等であり、これらに含まれるスチレン単量体が５０質量％以上含まれる重合体を言う。尚、シンジオタグチックポリスチレンに代表される結晶性ポリスチレンは、エンジニアリング樹脂であるため好ましくない。
スチレン系樹脂（Ａ）に所定の粒子（Ｂ）、更には所定の金属石鹸（Ｃ）を添加することにより、フイルム表面には特定の高さと数の突起が形成され、例えば封筒窓貼り加工工程において高速でも位置ズレ、傷付き、接着不良、ロール汚れ等がなく、好適に使用することが可能である。
【００２５】
次に、接着性をより高度にするための改質剤とその処方について詳述する。
接着性をより高度にするために用いられる改質剤には、スチレン系樹脂（Ａ）に極性官能基を有するスチレン系熱可塑性エラストマー（Ｄ）を添加するのが好ましい。
極性官能基を有するスチレン系熱可塑性エラストマー（Ｄ）とは、スチレン系単量体を主体とする少なくとも２個を含有する重合体と共役ジエン単量体を主体とする少なくとも１個を含有する重合体よりなるブロック共重合体及び／又はこれらに含まれる共役ジエンを水素添加して得られるブロック共重合体であって、且つ、カルボニル基、エポキシ基、ヒドロキシ基又はそれらの誘導体の内、少なくとも１官能基又は１誘導体を含有するブロック共重合体である。
【００２６】
更に詳しくは、スチレン系熱可塑性エラストマー（Ｄ）を構成するスチレン系単量体とは、スチレン（ＧＰＰＳ）、α−メチルスチレン等のアルキル置換体である。また、共役ジエン単量体とは、ブタジエン、イソプレン、１，３−ペンタジエン、２，３−ジメチル−１，３−ブタジエン等である。中でもスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体（ＳＢＳ）、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体（ＳＩＳ）、又はこれらの共役ジエンに由来する二重結合を水素添加したブロック共重合体（ＳＥＢＳ、ＳＥＰＳ）は、熱安定性、接着性改良効果に優れており、好適である。更に好ましくは、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体及び／又はスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を水素添加したものである。
【００２７】
また、スチレン単量体と共役ジエン単量体のブロック構造については特に制限がなく、例えばＡ−Ｂ−Ａ、Ｂ−Ａ−Ｂ−Ａ、Ａ−Ｂ−Ａ−Ｂ等の構造を有するブロック共重合体やテーパーブロックタイプ、カップリング剤により星型構造を有したタイプ等、一般に市販されているスチレン系熱可塑性エラストマーで良い。
極性官能基を有するスチレン系熱可塑性エラストマー（Ｄ）を製造する方法としては、例えば、特開２００２−２３４９８５に開示された方法等により、特定の官能基又はその誘導体を有機過酸化物の存在下でラジカル重合し、製造する方法等が提案されている。中でもカルボニル基又はその誘導体で変性されたスチレン系熱可塑性エラストマーは、接着性に対する効果が大きく、特に好ましく使用できる。
【００２８】
スチレン系樹脂（Ａ）への極性官能基を有するスチレン系熱可塑性エラストマー（Ｄ）の配合割合は、フイルムに加工された時の透明性、接着性等を考慮し、０．３〜２０質量部を添加することが好ましく、より好ましくは０．５〜１５質量部、更に好ましくは１〜１０質量部である。
このようにスチレン系樹脂（Ａ）に極性官能基を有するスチレン系熱可塑性エラストマーを所定の割合で添加することにより、比較的接着力の劣る接着剤にも対応可能であり、例えば封筒窓材用途では、加工工程、自動封入・封緘工程でのフイルム剥がれが防止可能であり、更には高度に接着力が求められる用途にも対応可能である。
【００２９】
本発明のニ軸延伸フイルムを製造する方法の代表的な例として、スチレン系樹脂（Ａ）と粒子（Ｂ）、金属石鹸（Ｃ）、極性官能基を有するスチレン系熱可塑性エラストマー（Ｄ）を所定の割合で配合した樹脂を、スクリュ押出機等により溶融混錬し、Ｔダイ法によりシート状にした後、ロール延伸、テンター延伸する方法やインフレーション法により二軸延伸フイルムを製造する方法が挙げられる。
【００３０】
ニ軸延伸フイルムの各延伸方向の配向緩和応力ピーク値は、０．６〜５．４ＭＰａであることが好ましい。この配向緩和応力ピーク値は、主に延伸倍率、延伸温度により、決まる特性値であり、突起の形成や封筒加工時のカット性に影響を及ぼす。すなわち、０．６ＭＰａ以上で、粒子（Ｂ）が、効率的に突起を形成し、その結果、摩擦や剥離帯電を小さくする効果、そしてフイルムの引裂き強度が小さくなることで、封筒加工機械でのカット性が向上すると言った効果が得られる。一方、５．４ＭＰａ以下で、粒子（Ｂ）の脱落を抑制することができる。より好ましくは０．６５〜５．０ＭＰａであり、更に好ましくは０．７〜４．０ＭＰａである。
【００３１】
配向緩和応力ピーク値は、フイルム押出し後の延伸倍率と温度によって定まる特性値であるが、一般的には、延伸温度一定の条件下において延伸倍率を高く（低く）した場合では、配向緩和応力ピーク値は増加（低下）傾向を示し、また、延伸温度一定の条件下において延伸温度を上げた（下げた）場合では、配向緩和応力ピーク値は低下（増加）傾向を示す。この様な特性を踏まえ、フイルムの配向緩和応力ピーク値を好ましい範囲にする。
【００３２】
また、本発明のニ軸延伸フイルムは、ＡＳＴＭＤ−１８９７に準拠したフイルムと金属（ステンレス）鏡面との動摩擦係数が０．３５未満であることが好ましく、より好ましくは０．３未満、更に好ましくは０．２７未満である。この動摩擦係数は、粒子（Ｂ）が形成する突起が大きな影響を与えるが、動摩擦係数を前記の所定の範囲にすることで、例えば封筒加工機械に供給する過程の傷付き防止、破断防止の効果が得られる。尚、動摩擦係数の下限値については、特に規定はしないが、本発明の実施例の範囲（動摩擦係数＝０．１６）までは封筒加工機でのトラブルは発生しなかった。
【００３３】
また、本発明のフイルムは、食品包装容器用のラミネート用途としても好適に用いることができる。食品包装容器はオレフィン系や塩化ビニル系のラップフイルムで包装されるが、ラップフイルムと容器表面との滑り性が悪い場合は、ラップフイルムのシワや容器の変形が起り易くなる。本発明のフイルムをラミネートした容器の場合、前述の問題が起り難くなり、ラップフイルムでの包装適性が向上する。
本発明のニ軸延伸フイルムの厚みについては、特に制限はないが、好ましくは５〜１００μｍ、より好ましくは１０〜８０μｍ、さらに好ましくは２０〜５０μｍである。この範囲は作業者が取り扱う上での作業性や封筒加工機械の様な機械適正等により決められる範囲である。
【００３４】
【実施例】
以下、比較例及び実施例について詳述する。尚、本発明は、ここに記載された実施例に限定されるものではない。また、本発明の評価に用いた粒子、分散剤、熱可塑性エラストマーは、予め旭化成ポリスチレン＃６８５（商品名、旭化成社製）に予備混錬したマスターバッチを用い、所定の割合でドライブレンドした後、φ１５０ｍｍ押出機（Ｌ／Ｄ＝２８）にて混練し、インフレーション法により二軸延伸フイルムを得た。この時の延伸倍率は高配向タイプでは、縦方向延伸倍率１０倍、横方向延伸倍率は１０倍であり、低配向タイプでは、縦方向延伸倍率８倍、横方向延伸倍率は８倍で二軸延伸フイルムを製作した。
また、フイルムの各評価項目の判定基準については、「○」及び「◎」が実用上求められる性能であり、「△」及び「×」は実用上不適とされる性能である。
以下、評価方法について説明する。
【００３５】
（１）表面形態（突起高さ、数）：フイルムの表面形態（突起高さ、数）の測定は、表面粗さ測定機サーフテストＳＶ３０００Ｓ４・３Ｄ（商品名、ミツトヨ社製）を使用し、触針（ダイヤモンド製）先端半径＝２μｍ、圧力＝０．７５ｍＮ、カットオフ値＝８０μｍ、サンプリングピッチ（Ｘ方向）＝０．５μｍ、プロファイルピッチ（Ｙ方向）＝１．０μｍにおいて、測定面積（Ｘ方向×Ｙ方向）＝２．０ｍｍ×０．１ｍｍとして、場所を変えて３回繰り返し測定を行い、三次元画像処理（平面補正有り）により、突起最大高さ（Ｓｐ）及び１．５μｍ以上の突起数の平均値を求めた。
【００３６】
（２）配向緩和応力（ＯＲＳ）：ＡＳＴＭＤ−１５０４に準拠し、１３０℃のオイルバスにて配向緩和応力（ピーク）値を測定した。測定方向は、縦方向（ＭＤ方向）と横方向（ＴＤ方向）について測定した。
（３）滑り性：フイルムの動摩擦係数をＡＳＴＭＤ−１８９７に準拠し、測定を行った。尚、ライダーはＳＵＳ製の鏡面仕上げされた質量２００ｇのものを使用し、速度１０００ｍｍ／ｍｉｎにおいて測定した。このときの判定基準は以下の通りである。
×：０．３５以上
△：０．３０〜０．３４
○：０．２５〜０．２９
◎：０．２４未満
【００３７】
（４）摩擦帯電性：図１に示す摩擦試験装置により、フイルム表面の帯電圧を測定した。測定雰囲気は２０℃×２０％ＲＨである。予め、イオンブロー除電気により完全除電したフイルム（１００ｍｍ巾×１２００ｍｍ長さ）を使用した。測定条件は、フイルム走行スピード５０ｍ／ｍｉｎ、摩擦ロールスピード２５ｍ／ｍｉｎ、エアシリンダー圧力（＝フイルムテンション）をそれぞれ０．０５ＭＰａとし、１分後の帯電圧を測定した。判定基準は、無添加のスチレン系樹脂フイルム（比較例１）の帯電圧を１００％とし、以下の判定基準に従った。
×：９０％以上
△：８０〜８９％
○：７０〜７９％
◎：６９％以下
【００３８】
（５）傷付き性：図２に示す摩擦試験装置により、フイルムの傷付き性を評価した。測定雰囲気は２０℃×２０％ＲＨである。また、フイルムは１００ｍｍ巾×１２００ｍｍ長さのものを使用した。測定条件は、摩擦ロールが回転しない様に完全固定し、エアシリンダー圧力（＝フイルムテンション）をそれぞれ０．０５ＭＰａ、フイルム走行スピード５０ｍ／ｍｉｎの条件で１分間摩擦試験を実施した。フイルムの傷付き性は、摩擦試験前後のフイルムの質量変化を以下の判定基準に従って評価した。
×：１０ｍｇ以上
△：５〜９ｍｇ
○：２〜４ｍｇ
◎：１ｍｇ以下
【００３９】
（６）分散性：偏光顕微鏡（倍率３２０倍）により観察を行い、以下の判定基準に従った。
×：２個以上の凝集粒子が全体の３１％以上存在する
△：２個以上の凝集粒子が全体の３０％以下存在する
○：２個以上の凝集粒子が全体の１０％以下存在する
◎：２個以上の凝集粒子が全体の５％以下存在する
【００４０】
（７）接着性：縦１５ｃｍ×横１０ｃｍのフイルム上にメイヤーバーを用い、接着剤（サイビノールＰＳ７０６Ｇ／商品名、サイデン化学社製）を１２ｇ／ｍ^２塗布し、縦１２ｃｍ×横８ｃｍのＮＴＴ封筒の印刷面を内面になるように貼り合わせた後、その上をゴムロールで３回軽くなぞり、７０℃乾燥機に１分間乾燥した。この一連の操作を速やかに実施し、接着性は２４時間経過後で評価した。評価には縦１５ｃｍ×横１ｃｍに切り出し、フイルムの１８０°剥離テストを３回繰り返した。判定基準は以下の通りである。
×：フイルムを剥がしたときほとんど抵抗感がなく、容易に剥離する。
△：フイルムを剥がしたときにやや抵抗感がある。
○：フイルムを剥がしたときに強い抵抗感がある。
◎：フイルムを剥離した時に強い抵抗感があり、紙の材料破壊が起る。
【００４１】
（８）透明性：ＡＳＴＭＤ−１００３に準拠し、測定したヘイズ値を基に下記判定基準に従い、評価した。
×：４１％以上
△：３１〜４０％以下
○：２１〜３０％以下
◎：２０％以下
【００４２】
【比較例１、２】
ポリスチレン（ＧＰＰＳ）は、旭化成ポリスチレン＃６８５（商品名）を使用し、耐衝撃性ポリスチレンは同社＃４９２（商品名）を使用した。比較例１及び２は粒子を添加しなかった場合である。
【００４３】
【比較例３、４、５】
比較例３、４、５は、比較例１又は比較例２の樹脂組成に平均粒径３μｍのポリテトラフロロエチレン、平均粒径０．７μｍのアルミナを添加した場合である。比較例１、２に比し、いずれの場合も傷付き性、滑り性は改良効果されるが、突起高さが不十分なために摩擦帯電性に対しする十分な効果は得られなかった。
【００４４】
【実施例１〜９】
実施例１〜９は、比較例１又は比較例２の樹脂組成に平均粒径３〜５．５μｍの非晶性アルミノ珪酸ナトリウム・カルシウム塩（球状又はキュービック状）を０．１３〜０．９体積％添加した場合である。いずれも摩擦帯電性、傷付き性、滑り性、透明性は改良効果が得られた。また、実施例１と２の違いは金属石鹸（ステアリン酸マグネシウム／堺化学社製）有無であるが、金属石鹸を添加した実施例２では分散性が更に向上し、透明性も改善された。
【００４５】
【実施例１０】
実施例１０は、比較例２の樹脂組成に平均粒径７μｍのアルミナを添加した場合である。摩擦帯電性、傷付き性、滑り性、透明性は全て良好であった。
【００４６】
【比較例６】
比較例６は接着性の改良効果を調べるため、極性官能基を有するオレフィン系熱可塑性エラストマーＴＰＯ（モディパーＡ６１００／商品名、日本油脂社製）を添加した場合であるが、比較例１との比較において接着性に対する効果は得られなかった。
【００４７】
【実施例１１〜１３】
実施例１１〜１３には、極性官能基を有するスチレン系熱可塑性エラストマーＴＰＳ１（アクティマーＬＱＡ８２８４Ｎ／商品名リケンテクノス社製）を０．３〜１０質量部添加した場合である。実施例５との比較において、いずれも接着性に対する効果が認められ、透明性も良好であった。
【００４８】
【実施例１４】
スチレン系熱可塑性エラストマーＴＰＳ２（タフテックＭ１９１３／商品名、旭化成社製）を１０質量部添加した場合でも接着性、透明性は良好であった。
【００４９】
【表１】

【００５０】
【表２】

【００５１】
【表３】

【００５２】
【表４】

【００５３】
【表５】

【００５４】
【発明の効果】
本発明は、スチレン系樹脂に粒子を添加することにより、フイルム表面には特定の大きさと数の突起を形成させることに特徴がある。これにより、摩擦や剥離帯電が起こり難く、傷付き性、滑り性、接着性にも効果が得られる。また、極性官能基を有するスチレン系熱可塑性エラストマーを添加することで更に接着性が改良される。これらの効果により、各種包装材料、封筒窓材用途、食品包装用ラミネート材用途において好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】摩擦帯電性を評価するために用いた摩擦試験装置を示す概略図。
【図２】傷付き性を評価するために用いた摩擦試験装置を示す概略図。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a biaxially stretched styrene-based resin film having excellent transparency, low chargeability, adhesiveness, and scratch resistance and used for an envelope window material, a laminate material for a food packaging container, and the like.
[0002]
[Prior art]
BACKGROUND ART Biaxially stretched styrene-based resin films have been used for window materials for envelopes and laminate materials for food containers, etc. because of their excellent transparency, rigidity, workability, and the like.
In the above applications, coating with an antistatic agent or the like is generally performed for the purpose of improving workability (for example, JP-A-2001-219939). However, in the case of a styrene resin film using these known techniques, mechanical contamination due to transfer of the coating agent and film contamination due to retransfer of the styrene resin film may become a problem.
[0003]
For the purpose of solving these problems, a film in which talc or polytetrafluoroethylene is mixed is proposed as a polystyrene resin (for example, JP-A-2-72051), and silicon dioxide or cross-linked polystyrene is used as the polystyrene resin. A mixed film (for example, Japanese Patent Publication No. 6-856 and Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-323893) has been proposed.
However, these known styrene resin films without an antistatic coating have various problems due to their poor machinability. Specifically, an envelope processing step will be described as an example.
[0004]
The film used in the envelope window pasting process passes through a plurality of hard rolls and is adhered to the envelope in the envelope window pasting machine. In the case of a film using the above-described known technology that does not provide antistatic, frictional charging or peeling charging occurs when passing through a plurality of hard rolls, and due to the action of electrostatic attraction, the position of attachment to the envelope is slightly deviated. Phenomenon (position shift) is likely to occur.
Also, in the film cutting process, when the leading end of the film comes into contact with the suction drum, high-speed friction occurs in a sucked state, so that countless scratches are easily generated on the film surface, and at the same time, the film is worn. There is a problem that the polymer powder causes mechanical contamination.
[0005]
Further, since the surface of the styrene resin film is hydrophobic, sufficient adhesive strength may not be obtained for an adhesive composed of an aqueous emulsion. To solve this problem, the film surface is made hydrophilic by corona discharge treatment or the like to improve the adhesiveness (Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-11978), but on the other hand, a large amount of static electricity is generated on the film surface. However, it is difficult to completely remove the conventional technology such as ion blow and the like, and a problem of "positional misalignment" occurs in the envelope processing step. For this reason, it is difficult to incorporate a hydrophilic technology such as corona discharge treatment.
[0006]
To solve the above-mentioned problem of adhesiveness, a technique for improving the adhesiveness of the film surface by adding a modifier (Japanese Patent Application Laid-Open No. 06-192515) has been proposed. This is a olefin-based thermoplastic elastomer blended in a specific ratio with a styrene-based resin. However, it is not suitable for adhesives (water-based emulsions of ethylene-vinyl acetate copolymer) mainly used in envelope window applications. It was difficult to obtain sufficient adhesive strength.
[0007]
[Patent Document 1]
JP 2001-219939 A
[Patent Document 2]
JP-A-2-72501
[Patent Document 3]
JP-A-6-856
[Patent Document 4]
JP-A-10-323893
[Patent Document 5]
JP-A-10-11978
[Patent Document 6]
JP-A-6-192515
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
INDUSTRIAL APPLICABILITY The present invention relates to a biaxially oriented styrene having improved chargeability, abrasion, adhesion, etc. in applications such as an envelope window material, various packaging materials, and a laminate material for a food container in which a biaxially oriented styrene resin film is used. An object of the present invention is to provide a base resin film.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies to achieve the above object, and as a result, by forming specific projections on a styrene-based resin film, friction / peeling electrification with a hard roll, scratching properties, and adhesion are improved. This led to the present invention.
That is, the present invention is as follows.
(1) A film made of a styrene-based resin (A), including particles (B), and having at least one surface on which projections having a maximum height (Sp) of 1.5 to 10 μm are formed, and , The number of protrusions having a height of 1.5 μm to 10 μm is 1 to 500 / mm ² A biaxially stretched styrene-based resin film characterized by being present.
[0010]
(2) The particles (B) are defined as spherical or cubic shaped particles having a weight average particle diameter of 1 to 10 μm and an aspect ratio of 1.0 to 2.0. Biaxially stretched styrene resin film.
(3) The particles (B) are inorganic particles selected from amorphous aluminosilicate and alumina (inactive), and the amount based on the styrene resin (A) is 0.1 to 1% by volume. The biaxially stretched styrene resin film according to (1) or (2), which is characterized in that:
[0011]
(4) Any of (1) to (3), wherein the metal soap (C) is compounded in an amount of 0.01 to 0.5 part by mass with respect to 100 parts by mass of the styrene resin (A). The biaxially stretched styrene-based resin film described in the above item.
(5) The biaxially stretched styrene resin film according to (4), wherein the metal soap (C) is a higher fatty acid salt.
(6) The composition according to (1), wherein the styrene-based thermoplastic elastomer (D) having a polar functional group is contained in an amount of 0.3 to 20 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the styrene-based resin (A). 5) The biaxially stretched styrene resin film according to any one of the above items.
[0012]
(7) The styrene-based thermoplastic elastomer (D) having a polar functional group comprises at least two polymers mainly composed of styrene monomers and at least one polymer mainly composed of conjugated diene monomers. A block copolymer obtained by hydrogenating a contained block copolymer and / or a conjugated diene in the block copolymer, and having at least one carbonyl group, hydroxyl group, epoxy group, or derivative thereof. The biaxially stretched styrene-based resin film according to (6), which contains a functional group or one derivative.
[0013]
(8) The biaxially stretched styrene-based resin film has a peak value of the orientation relaxation stress in each stretching direction measured at 130 ° C. of 0.6 MPa to 5.4 MPa, which is characterized by the following (1) to (7). The biaxially stretched styrene resin film according to any one of the above.
(9) The biaxially stretched styrene resin film according to any one of (1) to (8), wherein the dynamic friction coefficient between the biaxially stretched styrene resin film and the stainless steel mirror surface is less than 0.3. .
(10) Use of the biaxially stretched styrene resin film according to any one of (1) to (9) for an envelope window material or a laminate material for a food packaging container.
[0014]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail focusing on its preferred embodiments.
The present invention provides a polystyrene-based resin, particularly preferably a general-purpose polystyrene or a polystyrene-based resin (A) comprising a mixture of general-purpose polystyrene and impact-resistant polystyrene, by adding specific particles (B) to form a film, The film is formed with a specific height and number of protrusions on the film surface, and the film is greatly characterized in that the film has improved friction / peeling charge, scratch resistance, slipperiness, and adhesion. That is, it is a film having reduced friction / peeling charge and scratch resistance without applying or adding a generally known antistatic agent. Further, by adding a specific amount of the styrene-based elastomer (D) having a specific polar functional group, higher adhesiveness can be provided.
[0015]
First, the surface morphology of the film, which is a feature of the present invention, will be described.
According to the film of the present invention, the maximum height of the projections formed on the film is 1.5 to 10 μm and the height is 1.5 μm to 5 μm by adding the particles (B) to the polystyrene resin (A). 1-500 protrusions / mm of 10 μm ² It is characterized by being within the range. By setting the maximum height of the projections and the number of the projections having a height of 1.5 μm to 10 μm in the above range, the contact area between the film and the object to be contacted becomes small, and the friction / peeling electrification of the film itself and scratches are reduced. It is reduced, and furthermore, the slipperiness, adhesiveness and the like are improved.
[0016]
That is, the maximum height of the protrusions is 1.5 μm or more, and the number of protrusions of 1.5 μm or more is 1 / mm. ² By doing so, friction / peeling electrification and scratching are reduced, and slipperiness and adhesion are improved. The maximum height of the protrusions is 10 μm or less, and 500 protrusions / mm of 1.5 μm or more are 500 / mm. ² By doing so, for example, particles falling due to friction with a hard roll or a suction drum in the envelope window sticking step are suppressed to a minimum, and a film that can be preferably used in practice is obtained. To balance these properties to a higher degree, the maximum protrusion height is in the range of 1.5 μm to 8 μm, and the number of protrusions having a height of 1.5 μm to 8 μm is 3 to 400 / mm. ² It is. More preferably, the maximum height of the projections is in the range of 1.5 to 6 μm, and the number of projections having a height of 1.5 to 6 μm is 5 to 300 / mm. ² Range.
[0017]
The surface protrusion of the film was measured using a contact type surface roughness meter (manufactured by Mitutoyo Corporation), and the stylus was 0.75 mN with a diamond stylus having a cone angle of 60 ° and a tip radius of 2 μm. Measure with a load of. The measurement area is 2 mm in the X direction and 0.5 mm in the Y direction. The measurement conditions are such that the sampling pitch in the X direction is 0.5 μm and the profile pitch in the Y direction is 1 μm. As the data processing conditions, the profile is processed with a cutoff value of 80 μm, and in the three-dimensional image processing, the maximum height (Sp value) of the projection and the number of projections of 1.5 μm or more are obtained by performing plane correction. The maximum height (Sp) of the projections and the number of projections of 1.5 μm or more are changed three times by changing the measurement position, and the average value is obtained.
[0018]
Next, the particles (B) that can be used in the present invention will be described.
The particles (B) used in the present invention are not particularly limited as long as they give the surface morphology of the film described above, but the surface morphology characteristic of the film of the present invention is efficiently and effectively formed. Preferred particle diameters, particle shapes, and types of particles to be used are as follows.
[0019]
The weight-average particle diameter of the particles (B) is not generally defined by the particle diameter distribution or the particle shape, but is usually preferably in the range of 1 to 10 μm. When the weight average particle diameter is selected to be 1 μm or more, projections having a maximum height of 1.5 μm or more are often formed on the film surface in the range of the peak value of the orientation relaxation stress described below, and the friction / peeling chargeability and the scratch An effect of improving adhesion, adhesion, and the like is obtained. Further, when the weight average particle diameter is selected to be 10 μm or less, it is possible to prevent the appearance from being deteriorated due to excessive roughening of the film surface and to prevent the particles from falling off due to friction with a hard roll or the like. It is more preferably 2 to 8 μm, and still more preferably 3 to 6 μm. In addition, the weight average particle diameter mentioned here is a value obtained by the Coulter counter method.
[0020]
Further, the shape of the particles is preferably a regular particle such as a spherical or cubic shape, and a spherical or cubic particle having an aspect ratio (ratio of a major axis or a major side to a minor axis or a minor side) of 1 to 2 is more preferred. . More preferably, it is a regular particle having an aspect ratio of 1 to 1.5. By using spherical or cubic-shaped regular particles, irregular surface roughness of the film is prevented, the appearance of the film is prevented from deteriorating, and it is possible to effectively form projections of the desired height and number. The characteristics of the present invention, that is, the friction / peeling chargeability, the scratching property, and the adhesion, are improved, which is preferable.
[0021]
The particles (B) added to the polystyrene resin include, for example, inorganic particles such as aluminosilicate, alumina, silica, zinc oxide, fine powder filler, silicone powder, styrene crosslinked particles, fluorine particles, crosslinked methyl methacrylate. At least one selected from organic particles, such as organic particles, such as system particles, methyl methacrylate-butadiene-styrene copolymer (MBS), and thermosetting resin spherical particles. Of these, aluminosilicates, silica, alumina, zinc oxide, etc., are hardly deformed at the time of film extrusion and stretching, and therefore have high friction / peeling chargeability, scratch resistance, adhesiveness, etc. An improvement effect can be obtained.
[0022]
More preferably, it is an amorphous aluminosilicate or alumina (inactive) which has a small hygroscopicity and suppresses a thickness variation due to a pressure variation at the time of film extrusion or a film foaming defect, and particularly preferably economically. It is a calcined amorphous aluminosilicate such as amorphous calcium aluminosilicate, amorphous sodium silicate, and amorphous sodium calcium silicate from which spherical shaped particles are easily obtained.
The above-mentioned particles (B) are desirably added in a range of 0.1 to 1% by volume based on the styrene resin (A). When the amount is 0.1% by volume or more, low chargeability, scratch resistance, and slipperiness are provided. In addition, when the content is 1% by volume or less, it is within a range in which good performance can be obtained with respect to transparency, falling off of particles, and the like. It is more preferably in the range of 0.2 to 0.8% by volume, and still more preferably in the range of 0.3 to 0.8% by volume.
[0023]
It is desirable that the particles (B) are not uniformly agglomerated in the resin and are uniformly dispersed at the time of film extrusion, but the smaller the particle diameter, the more difficult it becomes. Therefore, a metal soap may be added to improve dispersibility. ₁₂ The above higher fatty acid salts are preferably used. Specific examples include zinc laurate, barium laurate, magnesium stearate, zinc stearate, calcium stearate, barium stearate, aluminum stearate, lithium stearate and the like, and those containing at least one component among them. It is. More preferably, magnesium stearate and zinc stearate are preferred.
The above metal soap (C) is preferably added in an amount of 0.01 to 0.5 part by mass with respect to 100 parts by mass of the styrene resin (A), and 0.01% by mass or more of a dispersant is added. By controlling the amount, uniform dispersion of the standard particles can be obtained, and by controlling the amount to be 0.5 part by mass or less, good transparency can be maintained. More preferably, 0.02 to 0.3 parts by mass. More preferably, it is 0.03 to 0.1 part by mass.
[0024]
Next, in the present invention, the styrene-based resin (A) is a homopolymer or a copolymer of a styrene-based monomer and a mixed composition thereof, and the styrene-based monomer is styrene (GPPS), It is an alkyl styrene such as α-methyl styrene. The copolymer includes styrene- (meth) acrylate copolymers, styrene-anhydride copolymer, styrene-butadiene copolymer, impact-resistant polystyrene (HIPS), and the like. A polymer containing 50% by mass or more of the contained styrene monomer. Incidentally, crystalline polystyrene represented by syndiotagtic polystyrene is not preferred because it is an engineering resin.
By adding predetermined particles (B) and further predetermined metal soap (C) to the styrenic resin (A), projections of a specific height and number are formed on the film surface. In this case, even at high speeds, there is no displacement, scratches, poor adhesion, roll contamination, etc., and it can be suitably used.
[0025]
Next, a modifier for enhancing the adhesiveness and its formulation will be described in detail.
It is preferable to add a styrene-based thermoplastic elastomer (D) having a polar functional group to the styrene-based resin (A) as the modifier used to enhance the adhesiveness.
The styrene-based thermoplastic elastomer (D) having a polar functional group is a polymer containing at least two styrene-based monomers and a polymer containing at least one conjugated diene monomer. A block copolymer obtained by hydrogenating a block copolymer comprising a union and / or a conjugated diene contained therein, and at least one of a carbonyl group, an epoxy group, a hydroxy group or a derivative thereof. It is a block copolymer containing a functional group or one derivative.
[0026]
More specifically, the styrene-based monomer constituting the styrene-based thermoplastic elastomer (D) is an alkyl-substituted product such as styrene (GPPS) and α-methylstyrene. The conjugated diene monomer includes butadiene, isoprene, 1,3-pentadiene, 2,3-dimethyl-1,3-butadiene and the like. Above all, styrene-butadiene-styrene block copolymer (SBS), styrene-isoprene-styrene block copolymer (SIS), or block copolymers (SEBS, SEPS) obtained by hydrogenating a double bond derived from these conjugated dienes ) Is excellent in the effects of improving thermal stability and adhesiveness, and is suitable. More preferably, it is obtained by hydrogenating a styrene-butadiene-styrene block copolymer and / or a styrene-isoprene-styrene block copolymer.
[0027]
The block structure of the styrene monomer and the conjugated diene monomer is not particularly limited. For example, a block having a structure such as ABA, BABA, or ABAB A commercially available styrene-based thermoplastic elastomer such as a copolymer, a taper block type, or a type having a star structure by a coupling agent may be used.
As a method for producing the styrene-based thermoplastic elastomer (D) having a polar functional group, for example, a specific functional group or a derivative thereof is added in the presence of an organic peroxide by a method disclosed in JP-A-2002-234985. And the like, a method of producing by radical polymerization with the use of a polymer has been proposed. Among them, a styrene-based thermoplastic elastomer modified with a carbonyl group or a derivative thereof has a large effect on adhesiveness and can be particularly preferably used.
[0028]
The mixing ratio of the styrene-based thermoplastic elastomer (D) having a polar functional group to the styrene-based resin (A) is from 0.3 to 20 parts by mass in consideration of transparency and adhesiveness when processed into a film. Is preferably added, more preferably 0.5 to 15 parts by mass, still more preferably 1 to 10 parts by mass.
By adding a styrene-based thermoplastic elastomer having a polar functional group to the styrene-based resin (A) at a predetermined ratio, it is possible to cope with an adhesive having a relatively low adhesive strength. Thus, it is possible to prevent the film from being peeled off in the processing step and the automatic enclosing / sealing step, and it is also possible to cope with applications requiring a high adhesive strength.
[0029]
Typical examples of the method for producing the biaxially stretched film of the present invention include a styrene resin (A) and particles (B), a metal soap (C), and a styrene thermoplastic elastomer (D) having a polar functional group. A method in which a resin blended in a predetermined ratio is melt-kneaded by a screw extruder or the like, formed into a sheet by a T-die method, and then roll-rolled, tenter-stretched, or a biaxially stretched film manufactured by an inflation method. Can be
[0030]
The peak value of the orientation relaxation stress in each stretching direction of the biaxially stretched film is preferably from 0.6 to 5.4 MPa. The peak value of the orientation relaxation stress is a characteristic value determined mainly by the stretching ratio and the stretching temperature, and affects the formation of projections and the cutability during envelope processing. That is, at 0.6 MPa or more, the particles (B) efficiently form protrusions, and as a result, the effect of reducing friction and peeling electrification and the tear strength of the film are reduced. The effect that the cut property is improved can be obtained. On the other hand, at 5.4 MPa or less, falling off of the particles (B) can be suppressed. It is more preferably 0.65 to 5.0 MPa, and still more preferably 0.7 to 4.0 MPa.
[0031]
The peak value of the orientation relaxation stress is a characteristic value determined by the stretching ratio and the temperature after the film is extruded. In general, when the stretching ratio is increased (lowered) under the condition where the stretching temperature is constant, the orientation relaxation stress peak value is determined. The value shows a tendency to increase (decrease), and when the stretching temperature is increased (decreased) under the condition of a constant stretching temperature, the peak value of the orientation relaxation stress tends to decrease (increase). Based on these characteristics, the peak value of the orientation relaxation stress of the film is set in a preferable range.
[0032]
In the biaxially stretched film of the present invention, the coefficient of kinetic friction between the film and the metal (stainless steel) mirror surface conforming to ASTM D-1897 is preferably less than 0.35, more preferably less than 0.3, and still more preferably. Is less than 0.27. The coefficient of kinetic friction is greatly affected by the projections formed by the particles (B). By setting the coefficient of kinetic friction within the above-mentioned predetermined range, for example, the effect of preventing scratching and breakage in the process of supplying the material to an envelope processing machine can be obtained. Is obtained. The lower limit of the dynamic friction coefficient is not particularly defined, but no trouble occurred in the envelope processing machine up to the range of the embodiment of the present invention (dynamic friction coefficient = 0.16).
[0033]
Further, the film of the present invention can be suitably used as a laminate for food packaging containers. The food packaging container is packaged with an olefin or vinyl chloride wrap film. If the wrap film and the surface of the container have poor slipperiness, wrinkles of the wrap film and deformation of the container are likely to occur. In the case of the container laminated with the film of the present invention, the above-mentioned problem hardly occurs, and the suitability for packaging with the wrap film is improved.
The thickness of the biaxially stretched film of the present invention is not particularly limited, but is preferably 5 to 100 μm, more preferably 10 to 80 μm, and still more preferably 20 to 50 μm. This range is determined by the workability of the operator in handling and the suitability of a machine such as an envelope processing machine.
[0034]
【Example】
Hereinafter, Comparative Examples and Examples will be described in detail. Note that the present invention is not limited to the embodiments described herein. The particles, dispersant, and thermoplastic elastomer used in the evaluation of the present invention were prepared by using a masterbatch preliminarily kneaded with Asahi Kasei polystyrene # 685 (trade name, manufactured by Asahi Kasei Corporation) and dry-blended at a predetermined ratio. And a 150 mm extruder (L / D = 28) to obtain a biaxially stretched film by an inflation method. The stretching ratio at this time is 10 times in the longitudinal direction and 10 times in the transverse direction in the high orientation type, and 8 times in the longitudinal direction and 8 times in the transverse direction in the low orientation type. A stretched film was manufactured.
Regarding the evaluation criteria for each evaluation item of the film, “○” and “◎” are performances required for practical use, and “△” and “×” are performances that are not suitable for practical use.
Hereinafter, the evaluation method will be described.
[0035]
(1) Surface morphology (projection height, number): The surface morphology (projection height, number) of the film was measured using a surface roughness measuring device Surf Test SV3000S4.3D (trade name, manufactured by Mitutoyo Corporation). At the tip radius of a stylus (made of diamond) = 2 µm, pressure = 0.75 mN, cutoff value = 80 µm, sampling pitch (X direction) = 0.5 µm, profile pitch (Y direction) = 1.0 µm, and the measurement area (X (Direction × Y direction) = 2.0 mm × 0.1 mm, repeated measurement is performed three times at different locations, and the maximum projection height (Sp) and 1.5 μm or more are obtained by three-dimensional image processing (with plane correction). The average value of the number of protrusions was determined.
[0036]
(2) Orientation relaxation stress (ORS): The orientation relaxation stress (peak) value was measured in a 130 ° C. oil bath according to ASTM D-1504. The measurement direction was measured in the vertical direction (MD direction) and the horizontal direction (TD direction).
(3) Slip property: The dynamic friction coefficient of the film was measured according to ASTM D-1897. The rider used was a mirror-finished SUS 200 g mass and measured at a speed of 1000 mm / min. The judgment criteria at this time are as follows.
×: 0.35 or more
Δ: 0.30 to 0.34
：: 0.25 to 0.29
◎: less than 0.24
[0037]
(4) Triboelectricity: The charged voltage on the film surface was measured by the friction tester shown in FIG. The measurement atmosphere is 20 ° C. × 20% RH. A film (100 mm wide × 1200 mm length) that had been completely neutralized by ion blow neutralization in advance was used. The measurement conditions were as follows: the film running speed was 50 m / min, the friction roll speed was 25 m / min, the air cylinder pressure (= film tension) was 0.05 MPa, and the charged voltage after 1 minute was measured. The criterion was as follows, with the charging voltage of the styrene resin film without addition (Comparative Example 1) being 100%.
×: 90% or more
Δ: 80 to 89%
：: 70 to 79%
◎: 69% or less
[0038]
(5) Scratch property: The scratch property of the film was evaluated using a friction test apparatus shown in FIG. The measurement atmosphere is 20 ° C. × 20% RH. The film used was 100 mm wide × 1200 mm long. The measurement conditions were such that the friction roll was completely fixed so as not to rotate, and a friction test was performed for 1 minute under the conditions of an air cylinder pressure (= film tension) of 0.05 MPa and a film running speed of 50 m / min. The scratch resistance of the film was evaluated by evaluating the change in mass of the film before and after the friction test according to the following criteria.
×: 10 mg or more
Δ: 5 to 9 mg
：: 2 to 4 mg
A: 1 mg or less
[0039]
(6) Dispersibility: Observation was performed using a polarizing microscope (magnification: 320), and the following criteria were used.
×: Two or more aggregated particles are present in 31% or more of the whole.
Δ: Two or more aggregated particles are present in 30% or less of the whole.
：: Two or more aggregated particles are present in 10% or less of the whole.
A: Two or more aggregated particles are present in 5% or less of the whole.
[0040]
(7) Adhesiveness: An adhesive (Sibinol PS706G / trade name, manufactured by Seiden Chemical Co., Ltd.) was applied to a film having a length of 15 cm and a width of 10 cm using a Meyer bar at 12 g / m. ² It was applied, and the printed surface of an NTT envelope having a length of 12 cm and a width of 8 cm was stuck so as to be an inner surface. Then, the surface was lightly traced three times with a rubber roll and dried in a 70 ° C. drier for 1 minute. This series of operations was immediately performed, and the adhesiveness was evaluated after 24 hours. For the evaluation, a film was cut out to a length of 15 cm and a width of 1 cm, and a 180 ° peel test of the film was repeated three times. The criteria are as follows.
X: There is almost no resistance when the film is peeled, and the film is easily peeled.
Δ: Some resistance was observed when the film was peeled off.
：: There is a strong resistance when the film is peeled off.
：: There is a strong sense of resistance when the film is peeled, and the paper material is destroyed.
[0041]
(8) Transparency: Evaluated according to the following criteria based on the measured haze value in accordance with ASTM D-1003.
×: 41% or more
Δ: 31 to 40% or less
：: 21 to 30% or less
◎: 20% or less
[0042]
[Comparative Examples 1 and 2]
Asahi Kasei polystyrene # 685 (trade name) was used for polystyrene (GPPS), and the company # 492 (trade name) was used for impact-resistant polystyrene. Comparative Examples 1 and 2 are cases where no particles were added.
[0043]
[Comparative Examples 3, 4, 5]
Comparative Examples 3, 4, and 5 are cases where polytetrafluoroethylene having an average particle diameter of 3 μm and alumina having an average particle diameter of 0.7 μm were added to the resin composition of Comparative Example 1 or Comparative Example 2. As compared with Comparative Examples 1 and 2, in each case, the scratching property and the slipperiness were improved, but a sufficient effect on the triboelectrification was not obtained because the projection height was insufficient.
[0044]
[Examples 1 to 9]
In Examples 1 to 9, the resin composition of Comparative Example 1 or Comparative Example 2 was mixed with amorphous sodium calcium aluminosilicate having an average particle size of 3 to 5.5 μm (spherical or cubic) in an amount of 0.13 to 0.9. This is the case where volume% is added. In each case, the effects of improving triboelectric charging, scratching, slipping, and transparency were obtained. The difference between Examples 1 and 2 is the presence or absence of metal soap (magnesium stearate / manufactured by Sakai Chemical Co., Ltd.). In Example 2 in which metal soap was added, the dispersibility was further improved, and the transparency was also improved.
[0045]
Embodiment 10
Example 10 is a case where alumina having an average particle size of 7 μm was added to the resin composition of Comparative Example 2. The triboelectrification, scratching, slipperiness, and transparency were all good.
[0046]
[Comparative Example 6]
Comparative Example 6 is a case in which an olefin-based thermoplastic elastomer TPO (Modiper A6100 / trade name, manufactured by NOF Corporation) having a polar functional group was added in order to examine the effect of improving adhesiveness. No effect on the adhesiveness was obtained.
[0047]
Examples 11 to 13
Examples 11 to 13 are cases in which 0.3 to 10 parts by mass of a styrene-based thermoplastic elastomer TPS1 having a polar functional group (Actimer LQA8284N / trade name manufactured by Riken Technos) is added. In comparison with Example 5, the effect on the adhesiveness was observed and the transparency was good.
[0048]
Embodiment 14
Even when 10 parts by mass of the styrene-based thermoplastic elastomer TPS2 (Tufftec M1913 / trade name, manufactured by Asahi Kasei Corporation) was added, the adhesiveness and transparency were good.
[0049]
[Table 1]

[0050]
[Table 2]

[0051]
[Table 3]

[0052]
[Table 4]

[0053]
[Table 5]

[0054]
【The invention's effect】
The present invention is characterized in that projections of a specific size and number are formed on a film surface by adding particles to a styrene resin. As a result, friction and peeling electrification hardly occur, and effects are also obtained on the scratching property, slipping property and adhesiveness. Further, by adding a styrene-based thermoplastic elastomer having a polar functional group, the adhesiveness is further improved. Due to these effects, it can be suitably used in various packaging materials, envelope window materials, and food packaging laminate materials.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view showing a friction test apparatus used for evaluating triboelectric charging.
FIG. 2 is a schematic view showing a friction test apparatus used for evaluating the scratch resistance.

Claims

A film made of a styrene-based resin (A), including particles (B), and having at least one surface formed with protrusions having a maximum height (Sp) in the range of 1.5 to 10 μm; A biaxially stretched styrene resin film, wherein the number of protrusions having a height of 5 μm to 10 μm is 1 to 500 / mm ² .

The biaxial particles according to claim 1, wherein the particles (B) are spherical or cubic shaped particles having a weight average particle diameter of 1 to 10 µm and an aspect ratio of 1.0 to 2.0. Stretched styrene resin film.

The particles (B) are inorganic particles selected from amorphous aluminosilicate and alumina (inactive), and the amount based on the styrene resin (A) is 0.1 to 1% by volume. The biaxially stretched styrene resin film according to claim 1.

The metal soap (C) is further added in an amount of 0.01 to 0.5 part by mass with respect to 100 parts by mass of the styrene resin (A). An axially stretched styrene resin film.

The biaxially stretched styrene resin film according to claim 4, wherein the metal soap (C) is a higher fatty acid salt.

The styrene-based thermoplastic elastomer (D) having a polar functional group is contained in an amount of 0.3 to 20 parts by mass based on 100 parts by mass of the styrene-based resin (A). 2. The biaxially stretched styrene resin film according to 1.

A block in which a styrene-based thermoplastic elastomer (D) having a polar functional group contains at least two polymers mainly composed of styrene monomers and at least one polymer mainly composed of conjugated diene monomers. A block copolymer obtained by hydrogenating a copolymer and / or a conjugated diene in the block copolymer, wherein a carbonyl group, a hydroxyl group, an epoxy group, or a derivative thereof has at least one functional group or The biaxially stretched styrene-based resin film according to claim 6, comprising one derivative.

The peak value of the orientation relaxation stress in each stretching direction of the biaxially stretched styrene-based resin film measured at 130 ° C is from 0.6 MPa to 5.4 MPa. Biaxially stretched styrene resin film.

9. The biaxially stretched styrene-based resin film according to claim 1, wherein a dynamic friction coefficient between the biaxially stretched styrene-based resin film and a stainless steel mirror surface is less than 0.3.

Use of the biaxially stretched styrene resin film according to any one of claims 1 to 9 for an envelope window material or a laminate material for a food packaging container.