【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤ空気抜け時(パンク時など)にも、なおタイヤ形状を空気充満時に近い形状に維持して所定距離の車両の走行を可能とするホイール(以下、「ランフラットホイール」という)に関する。
【0002】
【従来の技術】
タイヤ空気圧減少による車両横転事故への対応、路上故障時のドライバーの安全性確保などのために、昨今、ランフラットタイヤ(パンクしても一定距離走れるタイヤ)の開発が盛んである。
ランフラットタイヤとしては、現在、図3のサイドウォール補強式(特開2002−178725号公報)と図4の中子式(特開2002−178727号公報、特開平6−344732号公報)が開発されており、また、発明者らにより図5、図6のランフラット中子式ホイール(特開2003−26955号、出願中、公開前)も提案されている。
サイドウォール補強式は、図3に示すように、タイヤ1のサイドウォールを補強したものである(補強部を符号2で示す)。中子式は、図4に示すように、タイヤ内に中子3を挿入したものである。ランフラット中子式ホイールは、図5、図6に示すように、ホイールを一端のフランジが着脱可能なサイドリング4にしておき、サイドリング4を外した状態で中子3を入れたタイヤを横から装填しホイール5に締付けたものである。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−178725号公報
【特許文献2】
特開平6−344732号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記ランフラットシステムにはつぎの問題がある。
・ サイドウォール補強式ランフラットタイヤ
(a)サイドウォールによる振動吸収が阻害されるため、車の振動騒音が悪化する。
(b)サイドウォール質量が大きくなるため、タイヤ質量が増える。
(c)サイドウォールの構造が複雑で、タイヤのコストが高い。
(d)サイドウォールの剛性が必要なため、高偏平率タイヤ(65%以上)は作れない。
【0005】
・ 中子式ランフラットタイヤ
(e)中子のタイヤへの着脱が困難である。結果として、従来のタイヤが使用できない場合が多い。
(f)中子の部品点数が多く、コストが高く、質量も大きい。
(g)中子式固有の欠点として、パンクしていない通常走行時に悪路での底つき(タイヤトレッド裏面が中子天井面につく)が避けられない。
(h)中子とタイヤ裏面の周速が異なるため、パンク走行時に摺動による摩擦熱が発生し、タイヤ、中子が溶損・破壊する。
(i)その防止に潤滑が必要である。
(j)中子挿入性の観点からタイヤ偏平率を大きくできない。結果として、乗り心地に難点がある。
【0006】
・ ランフラット中子式ホイール
(k)部品点数が多く、コストが高く、質量も大きくなる。
(l)パンクしていない通常走行時に悪路での底つきがある。
(m)中子とタイヤ裏面の周速が異なるため、パンク走行時に摺動による摩擦熱が発生し、タイヤ、中子の溶損・破壊の対策が必要である。
(n)その防止に潤滑が必要である。
【0007】
・ ランフラット性能の要件
問題点ではないが、ランフラットホイールであるための条件として、下記の条件を満たすことが臨まれる。
(o)パンクした状態で、通常の運転操作(急制動、急操舵を含む)に対して、車両の走行性能が維持できること。
(p)パンクした状態で、必要車速(通常、80km/h)で必要距離(通常、80km以上、望ましくは160km以上)を走行可能なこと。
【0008】
本発明の目的は、上記(a)〜(e)、(g)、(l)の問題点をほぼ解決できるランフラットホイールを提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、上記(a)〜(n)の問題点をほぼ解決でき、上記(o)、(p)の要件をほぼ満足できるランフラットホイールを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、つぎの通りである。
(1) ホイールにエアバッグシステムを設けたエアバッグ式ランフラットホイール。
(2) ホイールのリム底に凹部を設け、該凹部にエアバッグシステムを収納した(1)記載のエアバッグ式ランフラットホイール。
(3) 前記エアバッグシステムをカバーで覆って該カバーとリムビードシート部がほぼストレートに延びる平底リムとした(1)または(2)記載のエアバッグ式ランフラットホイール。
(4) 着脱可能なサイドリングを用いて、タイヤ横装填式ホイールとした(1)または(2)記載のエアバッグ式ランフラットホイール。
(5) タイヤ空気抜け時には前記エアバッグシステムのエアバッグを膨張させる(1)または(2)記載のエアバッグ式ランフラットホイール。
(6) 前記エアバッグシステムのインフレーターは固形火薬である(1)または(2)記載のエアバッグ式ランフラットホイール。
(7) 膨張時のエアバッグをタイヤビード部及びサイドリングに押し付ける (5)記載のエアバッグ式ランフラットホイール。
(8) 膨張時のエアバッグをタイヤトレッド裏面に押し付ける(5)記載のエアバッグ式ランフラットホイール。
(9) 膨張時の前記エアバッグの内部ガス圧はタイヤ使用時の空気圧と同等圧である(5)記載のエアバッグ式ランフラットホイール。
(10) 膨張時に前記エアバッグが前記内部ガス圧を3時間以上維持する(5)記載のエアバッグ式ランフラットホイール。
【0010】
上記(1)、(2)、(3)、(4)により、従来タイヤが装着できるため、(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(j)の問題が解消する。
また、パンクしていない時のタイヤ内部には何も無くなるため、中子システムに固有な底つきの問題(g)、(l)は解消する。
上記(5)、(6)、(8)により、膨張時のエアバッグ(従来の中子に相当)はタイヤ裏面に密着するため、タイヤトレッド部との周速差はなく、(h)、(i)、(m)、(n)の問題は解消する。
上記(5)、(6)、(7)、(8)、(9)により、パンク時にもタイヤは空気充満時とほぼ同じ形状に保たれ、(o)の条件を満足する。
上記(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)により、パンク時に3時間以上の走行が可能になり、結果、(p)の条件を満足する。
上記(6)により、固体をガス化して必要容積を得るシステムのため、固体でパンク時のタイヤを支持する従来の中子式、サイドウォール補強式より、軽量であり、(b)、(f)、(k)の問題が解消する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のエアバッグ式ランフラットホイールを、図1、図2を参照して説明する。
本発明のエアバッグ式ランフラットホイール10は、図1、図2に示すように、ホイール11にエアバッグシステム20を設けたものである。
エアバッグ21を膨張させない状態でホイール11外周のタイヤ30内に設けておき、タイヤ空気圧減少時(たとえば、パンク時)にエアバッグ21を膨張させて、タイヤ30に内側から圧力をかけ、タイヤ30にほぼ空気充満時の形状を維持させ、所定距離の走行を可能とさせる。
ホイール11は、スチール製、アルミ製の何れでもよいが、図1、図2の例では、アルミ製のタイヤ横装填式ホイールの場合を示して有る。また、図1、図2の例ではホイールのうちリム部だけを示してあるが、リム部の内周にはディスク部(図示略)が一体に接続している。
【0012】
図1、図2の例では、ホイール11のリム底に凹部12を設け、この凹部12に膨張前のエアバッグシステム20を収納する。
エアバッグシステム20を金属またはプラスチック(たとえば、強化プラスチック)などのカバー22で覆って、カバー22とリムビードシート部13がほぼストレートに延びる平底リムとなるようにする。
【0013】
図1、図2の例では、ホイール11は、着脱可能なサイドリング14を用いた、タイヤ横装填式ホイールとしてある。すなわち、ホイール11の軸方向端部 (一端でもよいし、あるいは両端でもよい)をその他のリム部分(リム本体部15)から別体に構成しておき、リム本体部15に着脱可能に装着する。この係合構造は、サイドリング14に半径方向突起16を形成し、リム本体部15に半径方向突起17を形成し、サイドリングの半径方向突起16とリム本体部の半径方向突起17とに周方向に非連続な切欠き18、19を設けておき、切欠き18、19を利用してサイドリングの半径方向突起16とリム本体部の半径方向突起17を互いに通過させ、通過後サイドリング14をリム本体部15に対して相対的に回転させてサイドリングの半径方向突起16とリム本体部の半径方向突起17とをホイール軸方向に係合させた構造からなる。
【0014】
図示例のタイヤ横装填ホイールは、サイドリング14が装着される側のリムビードシート部が軸方向外側にいくにつれて径大となっているが(Aタイプ)、これに限るものではなく、サイドリング14が装着される側のリムビードシート部が軸方向外側にいくにつれて一定径かまたは径小となっていてもよい(Bタイプ)。Aタイプはタイヤビード部とリムビードシート部との接触部でシールが得られるが(ただし、Oリング等の別のシールと併用してもよい)、Bタイプではタイヤビード部とリム間にOリング等の別のシールが必要である。
【0015】
タイヤ横装填式ホイールでは、サイドリング14をリム本体部15から外した状態でタイヤ30を横方向からホイール11に装着する。横装填式のため、ホイール11がドロップ部をもたなくてもタイヤ30の装填が可能である。
ホイール11が凹部12をもっており、その凹部12に、折り畳んだ(膨張していない状態の)エアバッグシステム20を収納し、エアバッグシステム20をカバー22で覆ったので、タイヤ30をホイール軸方向に横から装填する時にタイヤ30がエアバッグ21と干渉することはない。
【0016】
通常走行時には、エアバッグ21は膨張していないので、悪路走行時にタイヤ30が変形してもタイヤ30がエアバッグシステム20に底付きすることはなく、従来のタイヤの中子への底付きのような乗り心地の悪化はない。
また、ホイールをタイヤ横装填式とした場合、サイドウォール補強式や、従来の中子式におけるような特殊構造のタイヤを用いる必要がなく、通常のタイヤ30を使用することができるため、タイヤのコスト増がない。また、エアバッグ30は従来の中子に比べて軽量である。また、タイヤ偏平率に対する制限もなくなる。
【0017】
タイヤの空気抜け(パンク)時には、エアバッグシステム20のインフレーターにより、エアバッグ21を膨張させる。
エアバッグシステムのインフレーターは、たとえば、固形火薬23でその爆発ガスをエアバッグ21の内部ガスとする。
【0018】
このエアバッグの火薬の爆発方式は、ステアリングハンドルに設けられた衝突時のドライバー保護のためのエアバッグの火薬爆発手段等の公知の方式をとってもよい。
その場合に、空気圧センサー等でタイヤの空気抜け時(パンク)を検知し、その信号を電気的または機械的に火薬爆発手段に送って火薬を爆発させてもよい。あるいは、タイヤ空気抜け時の場合は、衝突時の場合のエアバッグの膨張のような瞬時の膨張を要求されないので、空気抜けによっていったんタイヤを変形させ、この変形するタイヤで機械的に火薬爆発手段を押し火薬の爆発を起こすようにしてもよい。
【0019】
図2はエアバッグ21が膨張した状態を示す。図2に示すように、膨張時のエアバッグ21は平らなカバー22を介して、タイヤビード部31をリムのビードシート部及びサイドリング14側に押し付ける。これによって、タイヤからの押し付け力が小さい場合に生じる、操舵時にタイヤビード部がサイドリングから離れて内側に倒れ込む事や、ブレーキを掛けたときにタイヤビード部が滑ってしまう事を防止できるので走行安定性を確保できる。
尚、平らなカバー22は、図2ではカバー22の中心線側が広がる構造とし、リム凹部とビートシート部との境を蝶番とする観音開きとしている。しかし、これ以外でも、例えばカバー22が全体が広がる構造としてタイヤトレッド部32の裏面に押しつけられるようにしても良い。
また、図2に示すように、膨張時のエアバッグ21はタイヤトレッド部32の裏面にも押し付けられる。これによって、パンク時にも、タイヤ30は空気充満時とほぼ同じ断面形状に保たれる。エアバッグ21は、チューブ具備タイヤのチューブに準じた役割を果たす。
【0020】
エアバッグ21はタイヤトレッド裏面に密着していて、タイヤと相対回転しないので、従来の中子におけるような、中子とタイヤとの相対回転とそれによる熱発生および中子、タイヤの溶損、破損は生じない。従来のように、中子とタイヤとに相対回転がある場合は、その溶損を防止するために、タイヤパンク時に破損して潤滑剤が流出するような、特別な潤滑剤供給装置が必要となり、コストアップとなるが、中子とタイヤとの相対回転とそれによる熱発生がない本発明では、特別な潤滑剤供給装置は不要である。
【0021】
エアバッグ21膨張時(高温)のエアバッグ21の内部ガス圧は、爆発の条件にも依るが最大600KPa程度とする。そして、エアバッグ21が膨張後、常温に戻ったときのエアバッグ21の内部ガス圧は通常走行時のタイヤ使用時の空気圧と同等圧(たとえば、200KPa)程度とする。これは、火薬の種類や量などを選定することにより、容易に達成できる。これはパンク走行時のタイヤ走行条件を、通常走行時とほぼ同じにして、タイヤに無理な条件をかけることなく、所定距離(たとえば、80km)走行することを可能にするためである。即ち、横装填式ホイールにおいてはビードシート部をサイドリングに充分に押しつけ慣らすために、まず600KPa程度の圧を掛けて、その後圧を抜いて200KPa程度にしているのと同じ操作である。
また、膨張したエアバッグ21は内部ガス圧を保持して、国際基準である80km以上走行できる要件を満たす必要がある。このためには3時間以上(信号待ち等が頻繁な場合でも、充分80kmは到達可能。また、80km/hの車速ならば3時間で240km走行となり、240km走行できればどんな国においても最寄りのサービスステーション、ガソリンスタンドに到達可能)維持するようにする。また、パンクはタイヤのサイドウォールの破裂に加えて、トレッド部の釘踏みなどが原因となるので、エアバッグ21はパンク原因物が刺さったままの場合にもこれによって穴が開くことのない柔軟な複合フィルム構造であることが必要である。このため、エアバッグ21は布製よりもこれにゴムや樹脂を被覆させた複合材料製が望ましい。なお、小穴明きに対してはパンク充填材をバルブより充填させることも有効である。ただし、布製でも3時間以上のガス圧維持がテスト等により確認されれば、布製でもよい。
【0022】
【発明の効果】
請求項1、2、3、4の何れかによれば、従来タイヤが装着できるため、(a)振動騒音悪化、(b)タイヤ質量増加、(c)タイヤのコストアップ、(d)高偏平率タイヤを製作できない、(e)従来タイヤを使用できない、(j)タイヤ偏平率に制限がある、の問題を解消できる。
また、パンクしていない時のタイヤ内部には中子が無いため、中子システムに固有な(g)、(l)タイヤの中子への底つきによる乗り心地の悪化の問題を解消できる。
請求項5、6、8の何れかによれば、膨張時のエアバッグはタイヤ裏面に密着するため、タイヤトレッド部との周速差はなく、(h)周速差による熱の発生とタイヤの溶損、(i)、(m)、(n)タイヤ溶損防止のために潤滑が必要となる、等の問題を解消できる。
請求項5、6、7、8、9の何れかによれば、パンク時にもタイヤは空気充満時とほぼ同じ形状に保たれ、(o)車両の走行性能の確保という条件を満足できる。
請求項5、6、7、8、9、10の何れかによれば、(p)パンク時に3時間以上の走行が可能という条件が満足される。
請求項6によれば、固体をガス化して必要容積を得るシステムのため、固体でパンク時のタイヤを支持する従来の中子式、サイドウォール補強式より、軽量であり、(b)タイヤの質量が増える、(f)中子式で、部品点数が多く、質量が増える、(k)ランフラット中子式ホイール式で、部品点数が多く、質量が増える、等の問題を解消できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエアバッグ式ランフラットホイールの、エアバッグ膨張前の、断面図である。
【図2】本発明のエアバッグ式ランフラットホイールの、エアバッグ膨張後の、断面図である。
【図3】従来のサイドウォール補強式のタイヤ、ホイール構造の断面図である。
【図4】従来の中子式のタイヤ、ホイール構造の断面図である。
【図5】本出願人による先願のランフラット中子式ホイールのタイヤ、中子構造の断面図である。
【図6】図5のランフラット中子式ホイールのタイヤ、中子構造の、図5と直交する方向の断面図である。
【符号の説明】
10 エアバッグ式ランフラットホイール
11 ホイール
12 リム底の凹部
13 リムビードシート部
14 サイドリング
15 リム本体部
16 サイドリングの半径方向突起
17 リム本体部の半径方向突起
18 半径方向突起16の切欠き
19 半径方向突起17の切欠き
20 エアバッグシステム
21 エアバッグ
22 カバー
23 固形火薬
30 タイヤ
31 タイヤビード部
32 タイヤトレッド部[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention provides a wheel (hereinafter, referred to as a "run flat wheel") that allows a vehicle to travel a predetermined distance while maintaining the shape of the tire close to that at the time of air deflation even during tire deflation (puncture, etc.). About.
[0002]
[Prior art]
Recently, run-flat tires (tires that can run a certain distance even when punctured) have been actively developed in order to respond to a vehicle rollover accident due to a decrease in tire pressure and to ensure the safety of drivers in the event of a road failure.
Currently, as run-flat tires, a sidewall reinforced type shown in FIG. 3 (JP-A-2002-178725) and a core type shown in FIG. 4 (JP-A-2002-178727, JP-A-6-344732) are developed. In addition, the inventors have proposed a run-flat core wheel shown in FIGS. 5 and 6 (Japanese Patent Application Laid-Open No. 2003-26955, pending, before publication).
As shown in FIG. 3, the sidewall reinforcement type reinforces the sidewall of the tire 1 (reinforcement portions are indicated by reference numeral 2). In the core type, as shown in FIG. 4, a core 3 is inserted into a tire. As shown in FIGS. 5 and 6, the run-flat core type wheel has a tire in which the wheel is formed into a side ring 4 with a flange at one end thereof detachable, and the core 3 is inserted with the side ring 4 removed. It is loaded from the side and fastened to the wheel 5.
[0003]
[Patent Document 1]
JP 2002-178725 A [Patent Document 2]
JP-A-6-344732
[Problems to be solved by the invention]
However, the run flat system has the following problems.
-Sidewall reinforced run-flat tire (a) Vibration noise of the vehicle is deteriorated because the absorption of vibration by the sidewall is hindered.
(B) Since the mass of the sidewall increases, the mass of the tire increases.
(C) The structure of the sidewall is complicated, and the cost of the tire is high.
(D) A high-flat tire (65% or more) cannot be made because the rigidity of the sidewall is required.
[0005]
-Core type run flat tire (e) It is difficult to attach / detach the core to / from the tire. As a result, conventional tires often cannot be used.
(F) The number of core components is large, the cost is high, and the mass is large.
(G) As a drawback inherent in the core type, it is inevitable that bottoming on a rough road (the rear surface of the tire tread adheres to the ceiling surface of the core) during normal running without puncturing.
(H) Since the peripheral speeds of the core and the rear surface of the tire are different, frictional heat is generated by sliding during puncture, and the tire and the core are melted and broken.
(I) Lubrication is required for its prevention.
(J) The tire flatness cannot be increased from the viewpoint of core insertability. As a result, there are difficulties in riding comfort.
[0006]
-Run-flat core wheel (k) The number of parts is large, the cost is high, and the mass is large.
(L) There is bottoming on a rough road during normal running without puncturing.
(M) Since the peripheral speeds of the core and the rear surface of the tire are different, frictional heat is generated by sliding during puncture, and it is necessary to take measures against melting and breaking of the tire and the core.
(N) Lubrication is required for its prevention.
[0007]
-Requirement of run flat performance Although it is not a problem, it is expected that the following conditions are satisfied as conditions for a run flat wheel.
(O) The running performance of the vehicle can be maintained for normal driving operations (including sudden braking and sudden steering) in a punctured state.
(P) The vehicle can travel a required distance (usually 80 km or more, preferably 160 km or more) at a required vehicle speed (usually 80 km / h) in a punctured state.
[0008]
An object of the present invention is to provide a run flat wheel that can substantially solve the above problems (a) to (e), (g), and (l).
Another object of the present invention is to provide a run-flat wheel that can substantially solve the above-mentioned problems (a) to (n) and substantially satisfy the above-mentioned requirements (o) and (p).
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The present invention that achieves the above object is as follows.
(1) An airbag-type run flat wheel with an airbag system on the wheel.
(2) The airbag-type run flat wheel according to (1), wherein a concave portion is provided in a rim bottom of the wheel, and the airbag system is housed in the concave portion.
(3) The airbag-type run flat wheel according to (1) or (2), wherein the airbag system is covered with a cover, and the cover and the rim bead seat portion are formed as a flat bottom rim extending substantially straight.
(4) An airbag-type run flat wheel according to (1) or (2), wherein the detachable side ring is used to form a laterally loaded tire wheel.
(5) The airbag-type run flat wheel according to (1) or (2), wherein the airbag of the airbag system is inflated when the tire deflates.
(6) The airbag-type run flat wheel according to (1) or (2), wherein the inflator of the airbag system is a solid powder.
(7) The airbag-type run flat wheel according to (5), wherein the inflated airbag is pressed against the tire bead portion and the side ring.
(8) The airbag-type run flat wheel according to (5), wherein the inflated airbag is pressed against the rear surface of the tire tread.
(9) The airbag-type run flat wheel according to (5), wherein the internal gas pressure of the airbag when inflated is equal to the air pressure when the tire is used.
(10) The airbag-type run flat wheel according to (5), wherein the airbag maintains the internal gas pressure for 3 hours or more when inflated.
[0010]
According to the above (1), (2), (3), and (4), the conventional tire can be mounted, so that the problems (a), (b), (c), (d), (e), and (j) occur. Is eliminated.
Further, since nothing is left inside the tire when the tire is not punctured, the bottoming problems (g) and (l) inherent to the core system are eliminated.
According to the above (5), (6) and (8), the airbag (corresponding to a conventional core) when inflated adheres to the back surface of the tire, so that there is no difference in peripheral speed from the tire tread portion. The problems (i), (m) and (n) are solved.
According to the above (5), (6), (7), (8), and (9), the tire is maintained in substantially the same shape as when the tire is filled with air, and satisfies the condition (o).
By the above (5), (6), (7), (8), (9), and (10), it is possible to run for 3 hours or more at the time of puncturing, and as a result, the condition (p) is satisfied.
According to the above (6), a system for obtaining a required volume by gasifying a solid is lighter than the conventional core type and sidewall reinforced type which support a punctured tire with a solid, and (b), (f) ) And (k) are solved.
[0011]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
An airbag type run flat wheel of the present invention will be described with reference to FIGS.
As shown in FIGS. 1 and 2, an airbag type run flat wheel 10 of the present invention has an airbag system 20 provided on a wheel 11.
The airbag 21 is provided in the tire 30 on the outer periphery of the wheel 11 without being inflated, and when the tire air pressure decreases (for example, at the time of puncturing), the airbag 21 is inflated, and pressure is applied to the tire 30 from the inside. In this case, the shape of the air-filled state is substantially maintained, and the vehicle can travel a predetermined distance.
The wheel 11 may be made of steel or aluminum, but the examples of FIGS. 1 and 2 show the case of an aluminum tire laterally loaded wheel. 1 and 2, only the rim portion of the wheel is shown, but a disc portion (not shown) is integrally connected to the inner periphery of the rim portion.
[0012]
In the example of FIGS. 1 and 2, a concave portion 12 is provided in the rim bottom of the wheel 11, and the airbag system 20 before inflation is stored in the concave portion 12.
The airbag system 20 is covered by a cover 22 such as metal or plastic (eg, reinforced plastic) such that the cover 22 and the rim bead seat portion 13 are substantially straight, flat bottom rims.
[0013]
In the example of FIGS. 1 and 2, the wheel 11 is a laterally mounted tire wheel using a detachable side ring 14. That is, the axial end portion (one end or both ends) of the wheel 11 is formed separately from the other rim portion (the rim main body portion 15), and is detachably attached to the rim main body portion 15. . This engagement structure forms a radial projection 16 on the side ring 14, a radial projection 17 on the rim body 15, and a circumferential projection on the side ring radial projection 16 and the radial projection 17 on the rim body. Notches 18 and 19 that are discontinuous in the direction are provided, and the radial projections 16 of the side ring and the radial projections 17 of the rim main body portion are made to pass through each other by using the notches 18 and 19, and the side ring 14 Is rotated relative to the rim main body 15, and the radial projection 16 of the side ring and the radial projection 17 of the rim main body are engaged in the wheel axial direction.
[0014]
In the illustrated example, the rim bead seat portion on the side on which the side ring 14 is mounted has a larger diameter as it goes axially outward (A type). However, the present invention is not limited to this. The diameter of the rim bead seat portion on the side to which the rim 14 is attached may be constant or smaller as going outward in the axial direction (B type). In the type A, a seal can be obtained at the contact portion between the tire bead portion and the rim bead seat portion (however, it may be used together with another seal such as an O-ring). Another seal, such as a ring, is required.
[0015]
In the tire laterally mounted wheel, the tire 30 is mounted on the wheel 11 from the lateral direction with the side ring 14 removed from the rim main body 15. Because of the horizontal loading type, the tire 30 can be loaded without the wheel 11 having a drop portion.
The wheel 11 has a recess 12 in which the folded (non-inflated) airbag system 20 is housed, and the airbag system 20 is covered with a cover 22. The tire 30 does not interfere with the airbag 21 when loaded from the side.
[0016]
During normal running, the airbag 21 is not inflated, so even if the tire 30 is deformed on a rough road, the tire 30 does not bottom on the airbag system 20, and the bottom of the conventional tire is set on the core. There is no such deterioration in ride quality.
In addition, when the wheel is of a tire lateral loading type, there is no need to use a tire having a special structure such as a sidewall reinforcing type or a conventional core type, and a normal tire 30 can be used. There is no cost increase. Further, the airbag 30 is lighter in weight than a conventional core. Also, there is no limit on the tire flatness.
[0017]
At the time of air deflation (puncture) of the tire, the airbag 21 is inflated by the inflator of the airbag system 20.
The inflator of the airbag system uses the explosive gas of the solid explosive 23 as the internal gas of the airbag 21, for example.
[0018]
The explosive explosion method for the airbag may be a known method such as explosive explosive means for the airbag provided on the steering handle for protecting the driver in the event of a collision.
In such a case, the time of deflation of the tire (puncture) may be detected by an air pressure sensor or the like, and the signal may be electrically or mechanically sent to explosive explosion means to explode the explosive. Alternatively, in the case of a tire deflation, instantaneous inflation such as inflation of an airbag in the event of a collision is not required, so that the tire is temporarily deformed by the deflation and the deformed tire mechanically explosives explosive means. The explosion of the explosive may be caused by pressing.
[0019]
FIG. 2 shows a state where the airbag 21 is inflated. As shown in FIG. 2, the airbag 21 when inflated presses the tire bead portion 31 via the flat cover 22 against the bead seat portion of the rim and the side ring 14 side. As a result, it is possible to prevent the tire bead from falling away from the side ring during steering and falling inside when steering, and the tire bead from slipping when the brake is applied, which occurs when the pressing force from the tire is small. Stability can be ensured.
In FIG. 2, the flat cover 22 has a structure in which the center line side of the cover 22 is widened, and has a double door opening with a hinge between the rim recess and the beat seat portion. However, other than this, for example, the cover 22 may be pressed against the rear surface of the tire tread portion 32 as a structure in which the entirety expands.
Further, as shown in FIG. 2, the inflated airbag 21 is pressed against the back surface of the tire tread portion 32. Thus, even at the time of puncturing, the tire 30 is maintained in substantially the same cross-sectional shape as at the time of filling with air. The airbag 21 plays a role according to the tube of the tube-equipped tire.
[0020]
Since the airbag 21 is in close contact with the rear surface of the tire tread and does not rotate relative to the tire, the relative rotation between the core and the tire and the heat generation and heat loss due to the relative rotation between the core and the tire, as in a conventional core, No damage occurs. If there is a relative rotation between the core and the tire, as in the past, a special lubricant supply device is required to prevent the melting of the core and the tire, so that the lubricant will break out during tire puncture and the lubricant will flow out. Although the cost is increased, a special lubricant supply device is not required in the present invention, in which the relative rotation between the core and the tire and the heat generation due to the relative rotation do not occur.
[0021]
When the airbag 21 is inflated (high temperature), the internal gas pressure of the airbag 21 is set to about 600 KPa at the maximum depending on the condition of the explosion. Then, the internal gas pressure of the airbag 21 when the temperature returns to the normal temperature after the inflation of the airbag 21 is approximately equal to the air pressure when the tire is used during normal running (for example, 200 KPa). This can be easily achieved by selecting the type and amount of the explosive. This is because the tire running conditions during puncture running are almost the same as during normal running, and it is possible to run a predetermined distance (for example, 80 km) without imposing excessive conditions on the tires. That is, in the case of a horizontally mounted wheel, the operation is the same as applying a pressure of about 600 KPa and then releasing the pressure to about 200 KPa in order to sufficiently press the bead seat portion against the side ring and get used to it.
In addition, the inflated airbag 21 needs to maintain the internal gas pressure and satisfy the requirement of traveling over 80 km, which is an international standard. For this purpose, 3 hours or more (Even if you frequently wait for traffic lights, etc., you can reach 80 km sufficiently. If the vehicle speed is 80 km / h, you can travel 240 km in 3 hours, and if you can travel 240 km, the nearest service station in any country To be able to reach the gas station). In addition, since puncture is caused not only by rupture of the sidewall of the tire but also by stepping on the tread portion with a nail, the airbag 21 is flexible without puncturing even when the puncture-causing substance is stuck. It is necessary to have a complex composite film structure. For this reason, the airbag 21 is preferably made of a composite material in which the airbag 21 is covered with rubber or resin, rather than made of cloth. It is also effective to fill a puncture filler with a valve for perforated holes. However, it may be made of cloth if it is confirmed by a test or the like that the gas pressure is maintained for 3 hours or more.
[0022]
【The invention's effect】
According to any one of claims 1, 2, 3, and 4, since a conventional tire can be mounted, (a) deterioration of vibration noise, (b) increase in tire mass, (c) increase in tire cost, and (d) high flatness It is possible to solve the problems that the tire cannot be manufactured, (e) the conventional tire cannot be used, and (j) the tire flatness ratio is limited.
In addition, since there is no core inside the tire when the tire is not punctured, the problem of (g) and (l) deterioration of the riding comfort due to the bottom contact with the core of the tire, which is unique to the core system, can be solved.
According to any one of claims 5, 6, and 8, the airbag at the time of inflation is in close contact with the rear surface of the tire, so that there is no difference in peripheral speed with the tire tread portion. And (i), (m), and (n) that lubrication is required to prevent tire erosion.
According to any one of the fifth, sixth, seventh, eighth, and ninth aspects, the tire is maintained in substantially the same shape as in the case of puncturing during the puncturing, and the condition of (o) ensuring the running performance of the vehicle can be satisfied.
According to any one of the fifth, sixth, seventh, eighth, ninth, and tenth aspects, the condition that (p) running for three hours or more is possible at the time of puncture is satisfied.
According to claim 6, for a system for obtaining a required volume by gasifying a solid, it is lighter than a conventional core type and a side wall reinforced type which support a punctured tire in a solid state, and Problems such as an increase in mass, (f) a core type, a large number of parts and an increase in mass, and (k) a run-flat core type wheel type with a large number of parts and an increase in mass can be solved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of an airbag-type run flat wheel of the present invention before inflation of an airbag.
FIG. 2 is a cross-sectional view of the airbag type run flat wheel of the present invention after the airbag is inflated.
FIG. 3 is a cross-sectional view of a conventional sidewall-reinforced tire / wheel structure.
FIG. 4 is a sectional view of a conventional core type tire and wheel structure.
FIG. 5 is a cross-sectional view of a tire and a core structure of a run-flat core wheel of the prior application by the present applicant.
6 is a cross-sectional view of a tire and a core structure of the run-flat core wheel of FIG. 5 in a direction orthogonal to FIG.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 10 Airbag type run flat wheel 11 Wheel 12 Recess 13 of rim bottom 13 Rim bead seat part 14 Side ring 15 Rim body part 16 Radial projection of side ring 17 Radial projection of rim body part 18 Notch 19 of radial projection 16 Notch 20 of radial projection 17 Airbag system 21 Airbag 22 Cover 23 Solid powder 30 Tire 31 Tire bead part 32 Tire tread part