JP2004329215A - 複合病害抵抗性を有する植物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複合病害抵抗性を示す植物、植物に複合病害抵抗性を付与する方法及び複合病害抵抗性植物の作出方法の提供。
【解決手段】 コマツナ由来の特定のアミノ酸配列からなるタンパク質、又は該アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されており、かつ抗菌活性を有するタンパク質。
【選択図】 なし

Description

本発明は、遺伝子工学的手法を用いて得られる病害抵抗性を示す形質転換植物、及び該形質転換植物の作出方法、並びに植物への病害抵抗性の付与方法に関する。
農作物生産においては一般に、高品質植物の安定生産及び農薬依存度の軽減が要望されている。そのため、組換えDNA 技術などの有用な植物バイオテクノロジー技術を利用して、病虫害に対して抵抗性を示す植物の品種改良が盛んに行われている。既に除草剤耐性を示す形質転換植物(特許文献1)、ウイルス抵抗性を示す形質転換植物(特許文献2)及び害虫抵抗性を示す形質転換植物(特許文献3)が、組換えDNA 技術を利用して作出されている。さらに、病原糸状菌の産生する毒素を不活化する酵素の遺伝子を導入して得られる病原糸状菌に対して抵抗性を示す形質転換植物(非特許文献1)や、昆虫由来の抗菌性タンパク質の遺伝子を導入して得られる少なくとも一つの病原菌に抵抗性を示す形質転換植物(特許文献4)のように、植物病原菌に対して抵抗性を示す形質転換植物も数種作出されている。
しかしながら、植物病害は1種の病原菌に起因するものだけではなく、例えばイネの主要病害として糸状菌由来のいもち病、細菌由来の白葉枯病が挙げられるように、糸状菌や細菌由来の複数の病原菌が植物の主要病害を引き起こしている場合が多い。従って、このような複合病害に対し強い抵抗性を示す植物の作出が望まれていた。
特開平2−186925号公報 特開平4−330233号公報 特開平3−247220号公報 特開平7−250685号公報 Plant Physiology, 104: 109-118,1994年
本発明は、複合病害抵抗性を示す植物、植物に複合病害抵抗性を付与する方法及び複合病害抵抗性植物の作出方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、キャベツ及びコマツナの種子からディフェンシンタンパク質をコードする遺伝子を単離することに成功し、この遺伝子を含む組換えベクターを用いてイネを形質転換したところ、得られた形質転換体がイネいもち病及びイネ白葉枯病の両方に対し抵抗性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の(1)〜(6)である。
(1)以下の(a)又は(b)のタンパク質。
(a) 配列番号2若しくは4に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質
(b) 配列番号2若しくは4に示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されており、かつ抗菌活性を有するタンパク質
(2)以下の(a)又は(b)のタンパク質をコードする遺伝子。
(a) 配列番号2若しくは4に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質
(b) 配列番号2若しくは4に示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されており、かつ抗菌活性を有するタンパク質
ここで、上記配列番号2若しくは4に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子としては、以下の(c)又は(d)のDNAを含むものが挙げられる。
(c) 配列番号1若しくは3に示す塩基配列からなるDNA
(d) 配列番号1若しくは3に示す塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ抗菌活性を有するタンパク質をコードするDNA
(3)上記(2)の遺伝子を含む形質転換植物。
植物としては、植物体、植物器官、植物組織又は植物培養細胞を用いることができる。上記植物の種類としては、単子葉綱又は双子葉綱の植物が挙げられる。特に、単子葉綱の植物はイネ科に属するものでありうる。イネ科に属する植物としては、イネ(Oryza sativa)が好ましい。
上記形質転換植物は複合病害抵抗性を示すことが好ましく、該複合病害としては、少なくとも1種の植物病原菌由来の病害が含まれる。植物病原菌由来の病害としては、植物病原細菌由来又は植物病原糸状菌由来のものが挙げられる。植物病原細菌由来の病害としては、イネ白葉枯病、褐条病、もみ枯細菌病、苗立枯病等が挙げられる。植物病原糸状菌由来の病害としては、イネいもち病、紋枯病、ごま葉枯病等が挙げられる。
(4)上記形質転換植物から得られる種子。
(5)上記(2)の遺伝子を植物に導入することにより、植物に複合病害抵抗性を付与する方法。
(6)上記(2)の遺伝子を含む発現ベクターを構築する工程、該発現ベクターで植物細胞を形質転換する工程、及び得られる形質転換体から植物を再生する工程を含むことを特徴とする、複合病害抵抗性植物の作出方法。
植物の種類、及び複合病害の種類は上記と同様である。
本発明によれば、抗菌活性を有するディフェンシンをコードする遺伝子を植物に導入することによって、細菌又は糸状菌にかかわらず複数種の病害に対して抵抗性を示す形質転換植物が作出される。このような植物の作出方法もまた、本発明によって提供される。病害に弱い多くの高品質植物品種は、本発明の実施によって複合病害抵抗性を獲得し、安定して生産される。さらに複合病害抵抗性を示すことから、病原菌による発病を防止する農薬の依存度を飛躍的に軽減することも可能となり、本発明は農作物生産に大きく貢献する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、アブラナ科に属する植物、特にキャベツ(Brassica oleracea var. capitata)又はコマツナ(Brassica campestris var. perviridis)に由来するディフェンシンをコードする遺伝子(以下、ディフェンシン遺伝子と呼ぶ。)を植物に導入することによって、複合病害抵抗性が付与された形質転換植物であり、さらにディフェンシン遺伝子を含む発現ベクターを構築し、該発現ベクターで植物細胞を形質転換し、そして得られる形質転換体から植物を再生することを含むことを特徴とする複合病害抵抗性植物の作出方法である。
本発明の形質転換植物は、配列番号2又は4に示したアミノ酸配列をコードする遺伝子が導入されたものである。但し、植物間でも品種等によって多少のアミノ酸配列の相違はあり得る。また、同一植物品種であっても突然変異等によってアミノ酸が変化する場合がある。よって、本発明では、配列番号2又は4に示すアミノ酸配列のうち複数個(1若しくは数個、例えば1〜10個)のアミノ酸が置換、欠失又は付加されたアミノ酸配列を有し、かつ抗菌活性を有するタンパク質コードする遺伝子を含有する形質転換植物も、本発明に含まれる。
本発明の形質転換植物は、例えば配列番号1又は3に示したディフェンシン遺伝子を有する。但し、当該遺伝子に限定されず、配列番号2又は4に示すアミノ酸配列をコードするすべての遺伝子を含む。
1.遺伝子のクローニング
(1)ディフェンシン
ディフェンシンとは、システインに富む約50個のアミノ酸からなるタンパク質であって、抗菌活性を示すという特徴を有するタンパク質の総称である。ここで、本発明において抗菌活性とは、糸状菌や細菌等の病原菌に対して増殖抑制効果を示す性質を意味する。このようなタンパク質をコードする遺伝子(ディフェンシン遺伝子)は、植物に限らず、カブトムシやカイコなどの多様な生物種に存在する。現在までに報告されているディフェンシン遺伝子としては、以下のものが挙げられる。
・ダイコン由来のディフェンシン(Plant Cell. 7:573-88)
・カブトムシ由来のディフェンシン(Biochem. J. 338: 29-33)
・カイコ由来のディフェンシン(FEBS Letters. 484: 7-11)
本発明者らは、このような知見を基に、キャベツ及びコマツナの種子からディフェンシンタンパク質をコードする遺伝子を単離することに成功した。
(2)cDNAライブラリーの作製及びスクリーニング
本発明において、植物に導入するための遺伝子は、植物組織から抽出したRNAから精製したmRNAを用いて、RT-PCR若しくはcDNAライブラリーからのスクリーニングをすることによりキャベツ又はコマツナの種子から得ることができる。但し、本発明の遺伝子の供給源となる植物は、キャベツ又はコマツナの種子に限定されるものではなく、例えば成長した植物体、植物器官(例えば葉、花弁、茎等)、植物組織(例えば表皮、師部、柔組織、木部、維管束、柵状組織、海綿状組織等)、又は植物培養細胞(例えばカルス)などであってもよい。さらに本発明の遺伝子の供給源とする植物は、キャベツ又はコマツナ以外の植物、例えば、限定するものではないが、アブラナ科に属する他の植物等であってもよい。上記植物としては、キャベツ及びコマツナが好ましい。
キャベツ又はコマツナからのmRNAの抽出及びcDNAライブラリーの作製は常法に従って行うことができる。
mRNAの調製は、通常行われる手法により行うことができる。例えば、上記供給源から、グアニジウムチオシアネート-トリフルオロ酢酸セシウム法などにより全RNAを抽出した後、オリゴdT-セルロースやポリU-セファロース等を用いたアフィニティーカラム法により、あるいはバッチ法によりポリ(A)+RNA(mRNA)を得ることができる。さらに、ショ糖密度勾配遠心法等によりポリ(A)+RNAをさらに分画してもよい。
このようにして得られたmRNAを鋳型として、オリゴdTプライマー及び逆転写酵素を用いて一本鎖cDNAを合成した後、該一本鎖cDNAから二本鎖cDNAを合成する。次に、得られた二本鎖cDNAを適当なクローニングベクターに組み込んで組換えベクターを作製する。そしてこの組換えベクターを用いて大腸菌等を形質転換し、テトラサイクリン耐性、アンピシリン耐性等を指標として形質転換体を選択することにより、cDNAのライブラリーを得ることができる。 ここで、大腸菌の形質転換は、Hanahanの方法(J. Mol. Biol. 166:557-580, 1983)、すなわち塩化カルシウム、塩化マグネシウム又は塩化ルビジウムを共存させて調製したコンピテント細胞に、組換えベクターを加える方法等により行うことができる。なお、ベクターとしてプラスミドを用いる場合はテトラサイクリン、アンピシリン等の薬剤耐性遺伝子を含有することが必要である。また、プラスミド以外のクローニングベクター、例えばλファージ(λgt11等)を用いることもできる。
上記のようにして得られる形質転換体から目的のDNAを有する株を選択するには、例えば、他の植物に由来するディフェンシンファミリーのアミノ酸配列に対応する縮重センスプライマー及び縮重アンチセンスプライマーを合成し、これを用いてPCRを行い、得られた断片をプローブとして、cDNAライブラリーからスクリーニングする方法、あるいはλファージ(λgt11等)を用いた場合は、λgt11インサート増幅用のプライマーを用いてPCRを行う方法を採用することができる。但し、本発明においてはこれらのプライマーに限定されるものではない。なお、プライマーは化学合成により調製することができる。
このようにして得られたDNA増幅断片を、32P、35S又はビオチン等で標識してプローブとし、これを形質転換体のDNAを変性固定したニトロセルロースフィルターとハイブリダイズさせ、得られたポジティブ株を検索することによりスクリーニングすることができる。
好ましくは、クローニングした部分配列のうち配列番号5に示す配列を有するオリゴヌクレオチドと、ライブラリー作製時にcDNAをλファージDNAにライゲーションしたcDNA集団のλファージDNAの配列を有するオリゴヌクレオチドとの間でPCR法を行い、より長い部分配列を取得する。
その取得した配列を参考としPCR法によりプローブを作製し、cDNAライブラリーから該遺伝子をスクリーニングすることが望ましい。
次に、得られたクローンから全長のcDNAをクローニングする。cDNAのクローニングには、例えばRACE(Rapid Amplification of cDNA ends)法が用いられる。RACE法とは、cDNAの5'又は3'欠失部位をPCRにより迅速に回収する方法である。なお、RACE法は、市販のキット(MarathonTMcDNA Amplification Kit(Clonetech社))を用いて行うこともできる。
(3)塩基配列の決定
本発明においては、上記スクリーニングにおいて得られたcDNAの単離クローンについて、PCR産物をテンプレートにしてcDNAの塩基配列を決定する。塩基配列の決定はマキサム-ギルバートの化学修飾法、又はM13ファージを用いるジデオキシヌクレオチド鎖終結法等の公知手法により行うことができるが、通常は自動塩基配列決定装置(例えばApplied Biosystems社製ABI373シークエンサー等)を用いて配列決定が行われる。
配列番号1及び3に、本発明の形質転換植物に含まれるディフェンシンをコードする遺伝子の塩基配列(それぞれキャベツ及びコマツナに由来する)を、配列番号2及び4に本発明の形質転換植物に含まれるディフェンシンのアミノ酸配列(それぞれキャベツ及びコマツナに由来する)を例示するが、このアミノ酸配列を含むタンパク質が抗菌活性を有する限り、当該アミノ酸配列において複数個、好ましくは1若しくは数個のアミノ酸に欠失、置換、付加等の変異が生じてもよい。
例えば、配列番号2又は4で表されるアミノ酸配列の1〜10個、好ましくは1〜5個のアミノ酸が欠失してもよく、配列番号2又は4で表わされるアミノ酸配列に1〜10個、好ましくは1〜5個のアミノ酸が付加してもよく、あるいは、配列番号2で表されるアミノ酸配列の1〜10個、好ましくは1〜5個のアミノ酸が他のアミノ酸に置換してもよい。
また、上記ディフェンシン遺伝子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができるDNAであって、抗菌活性を有するタンパク質をコードするDNAを含む形質転換植物も本発明に含まれる。ストリンジェントな条件とは、いわゆる特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいう。例えば、相同性が高い核酸、すなわち60%以上、好ましくは80%以上の相同性を有するDNAの相補鎖がハイブリダイズし、それより相同性が低い核酸の相補鎖がハイブリダイズしない条件が挙げられる。より具体的には、ナトリウム濃度が150〜900mM、好ましくは600〜900mMであり、温度が60〜68℃、好ましくは65℃での条件をいう。
抗菌活性の有無を確認するには、ディフェンシンタンパク質を精製し、各種病原菌の生育培地に添加して、その増殖抑制効果を確認すればよい。
なお、ディフェンシン遺伝子に変異を導入するには、Kunkel法、Gapped duplex法等の公知の手法又はこれに準ずる方法を採用することができる。例えば部位特異的突然変異誘発法を利用した変異導入用キット(例えばMutan-K(TAKARA社製)やMutan-G(TAKARA社製))などを用いて、あるいは、TAKARA社のLA PCR in vitro Mutagenesis シリーズキットを用いて変異の導入が行われる。
一旦ディフェンシン遺伝子の塩基配列が確定されると、その後は化学合成によって、又はクローニングされたcDNAを鋳型としたPCRによって、あるいは該塩基配列を有するDNA断片をプローブとしてハイブリダイズさせることによって、ディフェンシン遺伝子を得ることができる。さらに、部位特定変異誘発等によってディフェンシンをコードする修飾されたDNAを合成することもできる。
2.組換えベクター及び形質転換体の作製
(1)組換えベクターの作製
ディフェンシン遺伝子を含む組換えベクターは、適当なベクターにディフェンシン遺伝子を連結(挿入)することにより得ることができる。ディフェンシン遺伝子を挿入するためのベクターは、宿主中で複製可能なものであれば特に限定されず、例えば、プラスミド DNA、ファージ DNA等が挙げられる。
プラスミド DNAとしては、大腸菌由来のプラスミド(例えばpBR322, pBR325, pUC118, pUC119, pUC18, pUC19等)、枯草菌由来のプラスミド(例えばpUB110, pTP5,等)、酵母由来のプラスミド(例えばYEp13, YEp24, YCp50等)などが挙げられ、ファージDNAとしてはλファージ(Charon4A、Charon21A、EMBL3、EMBL4、λgt10、λgt11、λZAP等)が挙げられる。さらに、レトロウイルス又はワクシニアウイルスなどの動物ウイルス、バキュロウイルスなどの昆虫ウイルスベクターを用いることもできる。また、アグロバクテリウム法(後述参照)を用いて形質転換を行う場合には、バイナリーベクター(pBI121等)を使用することができる。
ベクターにディフェンシン遺伝子を挿入するには、まず、精製されたDNAを適当な制限酵素で切断し、適当なベクター DNAの制限酵素部位又はマルチクローニングサイトに挿入してベクターに連結する方法などが採用される。
ディフェンシン遺伝子は、その遺伝子の機能が発揮されるようにベクターに組み込まれることが必要である。そこでベクターには、発現カセットとして、プロモーター、ディフェンシン遺伝子、ターミネーターのほか、所望によりエンハンサーなどのシスエレメント、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、選択マーカー、リボソーム結合配列(SD配列)などを連結することができる。なお、選択マーカーとしては、例えばジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子等が挙げられる。
(2)形質転換体の作製
ディフェンシン遺伝子を含む形質転換体は、ディフェンシン遺伝子を含む組換えベクターを、当該遺伝子が発現し得るように植物中に導入することにより得ることができる。
本発明において形質転換の対象となる植物は、植物体全体、植物器官(例えば葉、花弁、茎、根、種子等)、植物組織(例えば表皮、師部、柔組織、木部、維管束、柵状組織、海綿状組織等)又は植物培養細胞のいずれをも意味するものである。形質転換に用いられる植物としては、特に限定されず、単子葉植物綱又は双子葉植物綱に属する植物のいずれでもよい。単子葉植物綱及び双子葉植物綱に属する植物の例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
(単子葉植物綱)
イネ科:イネ(Oryza sativa)、コムギ(Triticum aestivum)、オオムギ(Hordeum vulgare)、トウモロコシ(Zea mays)等
サトイモ科:サトイモ(Colocasia esculenta)、コンニャク(Amorphophallus rivieri)等
パイナップル科:パイナップル(Ananas comosus)等
ヤシ科:ココヤシ(Cocos nucifera)等
ユリ科:ネギ(Allium fistulosum)、タマネギ(Allium cepa)、ニンニク(Allium sativum)、アスパラガス(Asparagus officinalis)、カタクリ(Erythronium Japonicum)等
(双子葉植物)
アカザ科:ホウレンソウ(Spinacia oleracea)、テンサイ(Beta vulgaris)等
アブラナ科:キャベツ、コマツナ、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)、アブラナ(Brassica campestris L.)、ハクサイ(Brassica pekinensis Rupr.)、ダイコン(Raphanus sativus L.)、ナタネ(Brassica campestris L., B. napus L.)等
ウリ科:キュウリ(Cucumis sativus)、メロン(Cucumis melo)、スイカ(Citrullus lanatus)等
キク科:レタス(Lactuca sativa)、ゴボウ(Arctium lappa)、ベニバナ(Carthamus tinctorius)等
コショウ科:コショウ(Piper nigrum)等
シソ科:セージ(Salvia officinalis)、バジル(Ocimum basilicum)等
ナス科:ナス(Solanum melongena)、ジャガイモ(Solanum tuberosum)、トマト(Lycopersicum esculentum)、ピーマン(Capsicum annuum)、タバコ(Nicotiana tabacum)等
バラ科:ウメ(Prunus mume)、モモ(Prunus persica)、リンゴ(Maluspumila var.domestica)、イチゴ(Fragaria x ananassa)等
ヒルガオ科:サツマイモ(Ipomonea batatas)等
ブドウ科:ブドウ(Vitis vinifera, Vitis labrusca)等
マメ科:エンドウ(Pisum sativum)、ソラマメ(Vicia faba)、ラッカセイ(Arachis hypogaea)、ダイズ(Glycine max)、アズキ(Vigna angularis)等
ミカン科:ウンシュウミカン(Citrus unshiu)、グレープフルーツ(Citrus paradisi)、レモン(Citrus limon)等。
上記組換えベクターは、通常の形質転換方法、例えばアグロバクテリウム法、パーティクルガン法、PEG法、エレクトロポレーション法等によって植物中に導入することができる。例えばアグロバクテリウム法を用いる場合は、構築した植物用発現ベクターを適当なアグロバクテリウム、例えばアグロバクテリウム・チュメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)に導入し、この株をリーフディスク法(内宮博文著,植物遺伝子操作マニュアル,1990,27-31pp,講談社サイエンティフィック,東京)等に従って無菌培養葉片に感染させ、形質転換植物を得ることができる。
また、パーティクルガン法を用いる場合は、植物体、植物器官、植物組織自体をそのまま使用してもよく、切片を調製した後に使用してもよく、プロトプラストを調製して使用してもよい。このように調製した試料を遺伝子導入装置(例えばPDS-1000(BIO-RAD社)等)を用いて処理することができる。処理条件は植物又は試料により異なるが、通常は450〜2000psi程度の圧力、4〜12cm程度の距離で行う。
植物培養細胞を宿主として用いる場合は、形質転換は、組換えベクターをパーティクルガン法、エレクトロポレーション法等で培養細胞に導入する。
形質転換の結果得られるカルスやシュート、毛状根などは、そのまま細胞培養、組織培養又は器官培養に用いることが可能であり、また従来知られている植物組織培養法を用い、適当な濃度の植物ホルモン(オーキシン、サイトカイニン、ジベレリン、アブシジン酸、エチレン、ブラシノライド等)の投与などにより植物体に再生させることができる。
遺伝子が植物に導入されたか否かの確認は、PCR法、サザンハイブリダイゼーション法、ノーザンハイブリダイゼーション法等により行うことができる。例えば、形質転換植物からDNAを調製し、DNA特異的プライマーを設計してPCRを行う。PCRは、前記プラスミドを調製するために使用した条件と同様の条件で行うことができる。その後は、増幅産物についてアガロースゲル電気泳動、ポリアクリルアミドゲル電気泳動又はキャピラリー電気泳動等を行い、臭化エチジウム、SYBR Green液等により染色し、そして増幅産物を1本のバンドとして検出することにより、形質転換されたことを確認することができる。また、予め蛍光色素等により標識したプライマーを用いてPCRを行い、増幅産物を検出することもできる。さらに、マイクロプレート等の固相に増幅産物を結合させ、蛍光又は酵素反応等により増幅産物を確認する方法も採用することができる。
3.複合病害抵抗性植物
前記ディフェンシン遺伝子、又は該遺伝子が組み込まれた組換えベクターを植物に導入すると、得られる形質転換植物は、複合病害に対する抵抗性を獲得する。従って、当該形質転換植物は、複合病害抵抗性植物として使用することができる。ここで、「複合病害」とは、複数の種類の病原菌による病害であって、例えば糸状菌に由来する病原菌による病害と細菌に由来する病原菌による病害を意味する。具体的な植物病原細菌由来の病害としては、イネ白葉枯病、褐条病、もみ枯細菌病、苗立枯病等、植物病原糸状菌由来の病害としては、イネいもち病、紋枯病、ごま葉枯病等がある。「複合病害抵抗性」とは、上記複合病害に対し抵抗性を示す、すなわち、複合病害による影響を低減させるか、又は全く影響を受けないことによって、植物が生存、栄養生長、生殖生長などを継続することができることを意味する。
本発明の形質転換植物の病害抵抗性は、以下の方法によって検定することができる。例えば、得られた形質転換植物の葉に針等で傷を付け(Mock処理)、病原菌を含む菌液を接種し、感染によって傷害を受けた部分の面積を、同様に処理した非形質転換植物のものと比較することにより、形質転換植物の抵抗性を検定することができる。当業者であれば、検定条件が検定される植物種及び病原菌種により変更しうることは明らかである。検定の際に、組織又は細胞を固定した後又は生きた状態のまま、アニリンブルー(Eschrich W.及びCurrier H.B., (1964) Stain Technology 39, 303-307)等の色素で染色することによってさらに容易に比較することができる。あるいは、形質転換植物から得られる種子を、病原菌液に浸漬した後に土壌に蒔き、発芽及び生育させて、正常に生育する個体数と、同様に処理した非形質転換植物の種子から生育する個体数とを比較することによって調べることもできる。その他、形質転換した植物細胞及び非形質転換植物の細胞を病原菌を加えた培地で所定の期間(例えば、12時間〜10日)培養し、その生存数を比較することによって検定してもよい。本発明の形質転換植物の病害抵抗性の検定方法は、上記に限定されない。
本発明の複合病害抵抗性植物は、ディフェンシン遺伝子が導入された形質転換植物(トランスジェニック植物)を、上記複合病害抵抗性植物として使用し得る程度に育種することにより作出することができる。この場合、植物にとって上記各種病害が生じる条件において枯死等をせずに抵抗性を示す植物を選抜すればよい。複合病害抵抗性植物としての使用開始時期は、形質転換直後であっても、形質転換後に1日〜約90日間培養又は栽培した後であってもよい。
また、本発明の複合病害抵抗性植物は、交配(例えば、自家受粉、形質転換植物間での受粉、又は形質転換植物と非形質転換植物との間の受粉)により繁殖のための種子を形成させることができる。
さらに、上記の感染細胞からの植物体の分化/誘導の手順を用いて、形質転換された植物体の組織(例えば、根、茎、葉)又は器官(例えば、生長点、花粉)の組織培養によって、生殖過程(種子)を介することなく、さらなる形質転換植物を得ることができる。このような技術及び手順は当業者には公知であり、組織培養の一般的な方法は、種々の実験マニュアルに記載されている。
このようにして得られた本発明の複合病害抵抗性植物は、形質転換により導入されたディフェンシン遺伝子により阻害されることなく正常に生育し、かつディフェンシン遺伝子の発現によって複合病害に対して高い抵抗性を示す。さらに、形質転換植物から得られる種子もまた正常に発芽及び成長し、そして複合病害に対して高い抵抗性を示す。これは導入されたディフェンシン遺伝子が次世代においても保存されることを示し、それゆえ上記複合病害抵抗性が安定して後代に受け継がれることを示す。従って、本発明により、高い複合病害抵抗性を示す実用的で有用な植物が得られる。
以下、実施例により、本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲がこれらの実施例により限定されるべきものではない。
<実施例1> ディフェンシン遺伝子の単離
キャベツ及びコマツナの種子からtotal RNAを抽出し、mRNAを精製した後、RT-PCRで増幅してディフェンシン遺伝子を単離した。さらにこれをプローブとしてcDNAライブラリーのスクリーニングを行い、ディフェンシン遺伝子のcDNA全長を単離した。
<実施例2> 形質転換イネ(どんとこい)の作出
(1)ディフェンシン遺伝子の調製
ディフェンシン遺伝子の塩基配列(配列番号1及び配列番号3)の保存された遺伝子5’領域及びpoly A領域に基づいて合成された1組のプライマーを用いて、PCRによりキャベツ及びコマツナのディフェンシン遺伝子cDNAを増幅し、XbaI及びSacI の制限酵素部位を付加したディフェンシン遺伝子を得た。使用したプライマーの塩基配列を以下に示す:
プライマー1:GGGTCTAGAA TGGCYAAGTT TGTGTC(配列番号6)
プライマー2:CCCGAGCTCT TTTTTTTTTT TTTT(配列番号7)
(2)改変遺伝子の調製
キャベツ及びコマツナに由来するディフェンシン遺伝子cDNAのPCR増幅産物をベクターに連結し、得られたクローンの塩基配列の解析を行い、その中から抗菌活性領域(配列番号1のヌクレオチド88-243又は配列番号3のヌクレオチド88-243に相当する)にアミノ酸置換を引き起こす変異が導入された遺伝子を選抜した。該遺伝子にXbaI及びSacI の制限酵素部位を付加し、ディフェンシン改変遺伝子を得た。
(3)ディフェンシン発現カセットを含むバイナリーベクターの構築
形質転換用バイナリーベクターは、ハイグロマイシン耐性遺伝子(HPT)を導入したpPZP202を用いた。pPZP202を制限酵素XbaI/SacI で消化し、上記(1)及び(2)で得られたディフェンシン遺伝子及び改変遺伝子を挿入して、ディフェンシン発現ベクターpPZP202-Defensin を得た。ディフェンシン発現カセットとは、pPZP202-Defensin中のディフェンシンを制御するCaMV35SプロモーターからHPT遺伝子の3’側に位置するnos ターミネーターまでの部分である。
(4)ディフェンシン発現カセットを含むバイナリーベクターのアグロバクテリウム EHA101 株への導入
ディフェンシン発現カセットを含むバイナリーベクターのアグロバクテリウム EHA101 株への導入は、エレクトロポレーション法で行った。カナマイシン(50μg/ml)及びハイグロマイシン(50μg/ml)を含むYEB培地上に塗布し、30℃にて約36時間培養することにより、バイナリーベクターが導入されたアグロバクテリウム EHA101 株の形質転換株を得た。このアグロバクテリウム EHA101 株中のディフェンシン発現カセットをPCRにより増幅し、アガロース電気泳動によってその存在を確認した。
(5)イネの形質転換
滅菌したイネ種子からのカルス誘導は、2 mg/l の2.4-ジクロロフェノキシ酢酸(以下2.4-Dと呼ぶ。)を含むMS固形培地(Murashigeら、Physiol. Plant., 15, 473 (1962))上で28℃にて4週間培養した。誘導したカルスの感染前培養は、カルスを2 mg/l 2.4-D及び1 g/l カザミノ酸を含むMS培地(共存培地)に移植して3日間行った。アグロバクテリウムの感染操作は、感染前培養4日目にディフェンシン発現カセットを含むプラスミドが導入されたアグロバクテリウムEHA101菌液にカルスを浸漬した。回収したカルスは共存培地上に置床して共存培養を3日間行った。その後カルスをカルベニシリン及びハイグロマイシンを含む選抜培地に置床し、28℃で2週間培養を行った。選抜培地上で増殖したカルスは、カルベニシリン及びハイグロマイシンを含む再分化培地に置床した。約2〜3週間後に再分化した形質転換イネを得た。
<実施例3> イネいもち病に対する形質転換イネの抵抗性検定
イネいもち病に対する抵抗性検定には、4〜5葉期の形質転換イネ及び非形質転換イネの幼苗を用いた。いもち病菌の接種条件は、菌懸濁液(レース007,胞子数5X108/ml)を葉面に噴霧した後25℃で24時間温室に静置した。その後隔離温室に移動し、イネいもち病菌による発病の程度は肉眼で評価した。イネいもち病に対する抵抗性の指標はイネいもち病発病指数(東ら、1995年、農研センター研究資料第30号)を用い、その指数は無発病を(0)とし、軽症(1)から重症(10)で表した。
形質転換イネは、イネいもち病に対して強い病害抵抗性を示した。図1は、上記抵抗性検定の結果の一例を示す写真である。左から、(a)イネいもち病菌を接種した非形質転換体(どんとこい)、(b)イネいもち病菌を接種した形質転換イネ当代、及び(c)非接種の非形質転換体(どんとこい)を示す。
<実施例4> イネ白葉枯病に対する形質転換イネの抵抗性検定
イネ白葉枯病に対する抵抗性検定は、形質転換イネの成葉及び非形質転換イネの成葉を用いて行った。白葉枯病の接種は、イネ成葉の先端を白葉枯病菌の懸濁液に浸したハサミで切除して行った。白葉枯病に対する抵抗性の検定は、接種後14,21及び28日後の合計3回、イネ白葉枯病菌の感染によって障害が進行した距離を測定することによって評価した。
形質転換イネは、イネ白葉枯病に対して強い病害抵抗性を示した。図2は、上記抵抗性検定の結果の一例を示す写真である。上から、(a)イネ白葉枯病菌の接種にきわめて強い抵抗性を示す形質転換イネ当代の葉、(b)イネ白葉枯病菌の接種にやや強い抵抗性を示す形質転換イネ当代の葉、及び(c)イネ白葉枯病菌を接種した非形質転換体(どんとこい)の葉を示す。
上述の通り、いもち病及び白葉枯病のいずれにも抵抗性を示す形質転換イネが得られた。図3に、いもち病及び白葉枯病に対する複合病害抵抗性を示す形質転換イネ系統の抵抗性評価を示した。
図3で示す形質転換体系統とは以下のものである:
・E又はFではじまる系統は、キャベツ由来のディフェンシン遺伝子を導入した形質転換体
・Bではじまる系統は、キャベツ由来の改変遺伝子を導入した形質転換体
・Cではじまる系統は、コマツナ由来のディフェンシン遺伝子を導入した形質転換体
・Dではじまる系統は、コマツナ由来の改変遺伝子を導入した形質転換体。
図3より、上述のディフェンシン遺伝子及び改変遺伝子を導入した形質転換体から、いもち病及び白葉枯病のいずれにも抵抗性を示す系統を得ることができることがわかった。
<実施例5> 自殖第1世代(T1)の形質転換イネの選抜及び耐病性検定
採種したT1種子と原品種の「どんとこい」種子を100 mg/l ハイグロマイシンを含むMS培地で発芽させ、1週間培養した。「どんとこい」種子はハイグロマイシンの影響で全粒、発芽後黒変し枯死した。一方、T1種子は正常に生育した個体と枯死した個体に分離し、ハイグロマイシン耐性遺伝子を含むディフェンシン発現カセットが導入され、かつ発現しているT1世代の形質転換イネを選抜した。
イネいもち病に対する強い病害抵抗性は、T1世代の形質転換イネに遺伝した。いもち病接種検定は、上述のT0世代の場合と同様の条件で行った。結果を図4に示した。T0世代で強いいもち病抵抗性を示した個体の後代が、非形質転換体と比較して安定的に強いいもち病抵抗性を示す結果を図5に示した。
イネ白葉枯病に対する強い病害抵抗性は、T1世代の形質転換イネに遺伝した。白葉枯病接種検定は、上述のT0世代の場合と同様の条件で行った。結果を図6に示すように、T0世代で白葉枯病抵抗性を示した個体の後代は、安定的に強い白葉枯病抵抗性を示した。
本発明によれば、抗菌活性を有するディフェンシンをコードする遺伝子を植物に導入することによって、細菌又は糸状菌にかかわらず複数種の病害に対して抵抗性を示す形質転換植物が作出される。このような植物の作出方法もまた、本発明によって提供される。病害に弱い多くの高品質植物品種は、本発明の実施によって複合病害抵抗性を獲得し、安定して生産される。さらに複合病害抵抗性を示すことから、病原菌による発病を防止する農薬の依存度を飛躍的に軽減することも可能となり、本発明は農作物生産に大きく貢献する。
ディフェンシン遺伝子を導入した形質転換イネのイネいもち病に対する抵抗性検定の結果を示す写真である。 ディフェンシン遺伝子を導入した形質転換イネのイネ白葉枯病に対する抵抗性検定の結果を示す写真である。 ディフェンシン遺伝子及び改変遺伝子を導入した形質転換イネのイネいもち病及びイネ白葉枯病に対する複合病害抵抗性を示したグラフである。 ディフェンシン改変遺伝子を導入した形質転換イネのイネいもち病に対する抵抗性の経時的な推移を抵抗性評価指数により示したグラフである。 ディフェンシン改変遺伝子を導入した形質転換イネのイネいもち病に対する抵抗性を非形質転換体と比較して示したグラフである。 ディフェンシン改変遺伝子を導入した形質転換イネのイネ白葉枯病に対する抵抗性の経時的な推移を病斑長で示したグラフである。
配列番号5:合成DNA
配列番号6:合成DNA
配列番号7:合成DNA

Claims (23)

  1. 以下の(a)又は(b)のタンパク質。
    (a) 配列番号4に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質
    (b) 配列番号4に示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されており、かつ抗菌活性を有するタンパク質
  2. 以下の(a)又は(b)のタンパク質をコードする遺伝子。
    (a) 配列番号4に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質
    (b) 配列番号4に示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されており、かつ抗菌活性を有するタンパク質
  3. 配列番号4に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子が以下の(c)又は(d)のDNAを含むものである、請求項2記載の遺伝子。
    (c) 配列番号3に示す塩基配列からなるDNA
    (d) 配列番号3に示す塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ抗菌活性を有するタンパク質をコードするDNA
  4. 請求項2又は3記載の遺伝子を含む形質転換植物。
  5. 植物が、植物体、植物器官、植物組織又は植物培養細胞である、請求項4記載の形質転換植物。
  6. 植物が単子葉綱又は双子葉綱の植物である、請求項4又は5記載の形質転換植物。
  7. 単子葉綱の植物がイネ科に属するものである、請求項6記載の形質転換植物。
  8. イネ科に属する植物がイネである、請求項7記載の形質転換植物。
  9. 複合病害抵抗性を示す請求項4〜8のいずれか1項に記載の形質転換植物。
  10. 複合病害が少なくとも1種の植物病原菌由来の病害である、請求項9記載の形質転換植物。
  11. 植物病原菌由来の病害が植物病原細菌由来又は植物病原糸状菌由来のものである、請求項10記載の形質転換植物。
  12. 植物病原細菌由来の病害がイネ白葉枯病、褐条病、もみ枯細菌病及び/又は苗立枯病である、請求項11記載の形質転換植物。
  13. 植物病原糸状菌由来の病害がイネいもち病、紋枯病及び/又はごま葉枯病である、請求項11記載の形質転換植物。
  14. 請求項4〜13のいずれか1項に記載の形質転換植物から得られる種子。
  15. 請求項2又は3記載の遺伝子を植物に導入することにより、植物に複合病害抵抗性を付与する方法。
  16. 請求項2又は3記載の遺伝子を含む発現ベクターを構築する工程、該発現ベクターで植物を形質転換する工程、及び得られる形質転換体から植物体を再生する工程を含むことを特徴とする、複合病害抵抗性植物の作出方法。
  17. 植物が単子葉綱又は双子葉綱のものである、請求項16記載の方法。
  18. 単子葉綱の植物がイネ科に属するものである、請求項17記載の方法。
  19. イネ科に属する植物がイネである、請求項18記載の方法。
  20. 複合病害が少なくとも1種の植物病原菌由来の病害である、請求項16〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 植物病原菌由来の病害が植物病原細菌由来又は植物病原糸状菌由来のものである、請求項20記載の方法。
  22. 植物病原細菌由来の病害がイネ白葉枯病、褐条病、もみ枯細菌病及び/又は苗立枯病である、請求項21記載の方法。
  23. 植物病原糸状菌由来の病害がイネいもち病、紋枯病及び/又はごま葉枯病である、請求項21記載の方法。
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