JP2004329050A - 乳温管理装置の作動監視装置及びその監視方法 - Google Patents

乳温管理装置の作動監視装置及びその監視方法 Download PDF

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Abstract

【課題】酪農家が乳温管理装置の傍にいなくとも、装置の異常時にその異常を速やかに知ることのできる乳温管理装置の作動監視装置及びその監視方法を提供する。
【解決手段】バルククーラー2内に設けられた温度測定手段4がA/D変換器5に接続され、パーソナルコンピュータ6はインターネット接続網10に接続されているモデム9に接続され、携帯電話機等の通信端末11と工場及び検査機関13とに電子メールを送受信することができる。測定直後の温度データ、監視時間及び監視温度、監視情報を含む作動監視データがROMあるいはRAMに格納されている。複数の監視処理工程の独立した監視時間、監視温度を設定し、該監視温度から外れた場合、それぞれの処理毎に複数の監視情報を作成し、バルククーラー2の作動異常を携帯電話機等の通信端末11に電子メールで通報する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乳温管理装置の作動監視装置及びその監視方法に関し、特に監視結果を通信端末に送信することにより、乳温管理装置の異常を速やかに知ることができることを特徴とするものである。
【0002】
【従来の技術】
乳牛から搾乳された生乳は、バルククーラーと呼ばれる貯蔵タンクに入れられて、保存される。該バルククーラーは、貯蔵タンクと冷凍機を組み合わせたもので、搾乳された生乳を予め定められた温度に保ち、生乳の集乳までの間の細菌の繁殖や、腐敗を防止するものである。前記バルククーラーを用いた生乳の集乳工程は図12に示すようになされる。即ち、細菌の繁殖を防止するために、バルククーラー内部の洗浄PS1が行なわれ、その後、初回の搾乳PS21によってバルククーラー内に受け入れられた生乳は保冷PS3され、次回の搾乳PS22まで予め定められた温度に保たれる。次回の搾乳PS22が終了すると前記と同様に生乳は保冷PS3され、以後複数回(2乃至4回)の搾乳が行なわれる。その後、生乳が集乳Gされ、バルククーラーが空になると前記同様にしてバルククーラー内部の洗浄PS1が行なわれる。
【0003】
前記洗浄は、一般的には、集乳後にぬるま湯洗浄、アルカリ洗浄及び酸洗浄、すすぎ、殺菌剤循環がなされ、各洗浄時には洗浄時間、洗浄温度が定められている。また、搾乳時及び保冷時には、周知のHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Points)システムに準拠した所定の時間における生乳の温度の推奨値が提示されている。このような従来のバルククーラーは、貯蔵タンク内の生乳の温度変化をデータロガーなどで収集し、そのデータを参照して、生乳の安全性を確認しているに留まっている。そのために、前記データから貯蔵タンク内の生乳の温度変化が異常であった場合、保存されている生乳の品質が問題であることを知ることができるが、その生乳を廃棄せねばならず、酪農家は多大な損失を被る。このような被害を防止し、細菌の繁殖を防止するために、生乳が集乳された後にバルククーラー内を洗浄、殺菌する技術が公知である(例えば特許文献1参照。)。
【0004】
また、冷凍機等の故障あるいは/及び停電によりクーラーの温度が上昇することもある。このようなクーラーの温度上昇に対する警報装置として「冷却貯蔵庫の温度警報装置」に関する技術も公知である(例えば特許文献2参照。)。この警報装置は、庫内温度を検出するセンサと、このセンサの出力に基づいて警報装置(ブザー、ランプ)を制御する制御装置(マイクロコンピュータ)とから成り、この制御装置(マイクロコンピュータ)は庫内温度が設定温度より高い第1の高温警報温度に達し、且つ、その状態が所定の警報除外時間の経過まで継続された場合に警報装置(ブザー、ランプ)を駆動すると共に、第1の高温警報温度より高い第2の高温警報温度に達した場合は、警報除外時間の経過を待つこと無く、警報装置(ブザー、ランプ)を駆動するものである。
【0005】
【特許文献1】
特開2003−18930号公報
【特許文献2】
特開平07−190601号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、バルククーラー内を洗浄、殺菌する洗浄方法として例えば、アルカリ洗浄が知られているが、該アルカリ洗浄では、操作ミスまたは洗浄機の故障により洗浄時にクーラー内の温度が所定の温度に達せず、充分な殺菌ができないという問題が生じることがあった。また、搾乳は、生乳が集乳されるまでの間に複数回なされるのが一般的である。そのため、生乳の受け入れ時には、先に搾乳された生乳は、バルククーラー内で冷却されているが、新たに搾乳された生乳は温度が高く、冷却されている生乳に新たに搾乳された生乳が混入されると、バルククーラー内の生乳の温度は一時的に上昇する。その後バルククーラーにより冷却されて所定の温度に低下する。新たな生乳の混入によってバルククーラー内の生乳の温度は変化するが、停電の場合、クーラーが故障している場合、冷凍機のスイッチの入れ忘れなどの操作ミス等により、生乳の保冷時にバルククーラー内の生乳の温度が上昇したままになると、生乳が腐敗する場合がある。あるいは、洗浄後にクーラーが故障している場合や、あるいは操作ミスによりバルククーラー内の温度が低下しないような場合もある。また、過冷却によってバルククーラー内の生乳が凍結する場合もある。このように、バルククーラーは生乳の品質を保持するために、バルククーラーの洗浄、生乳の受け入れ、その保冷など、多岐に及ぶ動作態様がある。特に、生乳の追加などによりバルククーラー内の生乳の温度は一時的に上昇することがあり、単純にバルククーラー内の生乳の温度上昇を測定するのでは生乳の品質を保持することができない。即ち、その作動情況を監視して異常な状態になった時のみ、速やかに酪農家に通知すると同時に、場合によっては集乳業者や検査機関にも連絡することが重要である。
【0007】
冷却貯蔵庫が異常な状態になった時に通知する技術として前記、特許文献2に開示されている冷却貯蔵庫の温度警報装置では、庫内温度が設定温度より高くなった場合に、ブザー、ランプにより警報を発することができる。しかし、酪農家は、クーラーの洗浄時や生乳の搾乳時、保冷時にクーラーの傍にいて、その動作状態を常時監視することが困難である。特に農作業時や夜間の就眠中にその問題がある。したがって、バルククーラー内の生乳の温度が上昇した時、あるいは過冷却になった時に、これを速やかに知ることができる乳温管理装置の作動監視装置及びその監視方法の開発が望まれていた。
【0008】
本発明は、かかる問題を解決して、酪農家が乳温管理装置の傍にいなくとも乳温管理装置の作動監視ができ、装置の異常時にその異常を速やかに知ることのできる乳温管理装置の作動監視装置及びその監視方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために請求項1記載の乳温管理装置の作動監視装置は、乳温管理装置内の生乳等の液体の温度を測定する温度測定手段を備えると共に、通信端末とのデータの送受信手段、データ格納手段及び比較手段を有する作動監視制御手段を備え、前記データ格納手段は、前記温度測定手段から得た温度データと、監視時間、監視温度及び監視情報を含む作動監視データが格納されており、前記比較手段は、前記データ格納手段に格納されている前記温度測定手段から得たデータと前記作動監視データを比較する機能を有し、前記作動監視制御手段は、前記乳温管理装置の洗浄時の作動を監視する洗浄監視処理と、前記乳温管理装置の生乳受け入れ時の作動を監視する受け入れ監視処理と、前記乳温管理装置の生乳受け入れ後の保冷時の作動を監視する保冷監視処理とを行い、前記それぞれの監視処理に応じて前記温度測定手段から得た温度データが、前記監視時間において前記監視温度以外あるいは以内の時に、前記乳温管理装置の作動状態を表す第1の監視情報あるいは/及び前記第1の監視情報より緊急度の高い第2の監視情報を作成し、前記通信端末に監視情報を送信することを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の乳温管理装置の作動監視装置は、請求項1記載の乳温管理装置の作動監視装置において、前記作動監視制御手段は、前記第1の監視情報又は第2の監視情報を通信端末に送信後、該通信端末からの応答に応じて前記第1の監視情報又は第2の監視情報を消去することを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の乳温管理装置の作動監視装置は、請求項1又は2記載の乳温管理装置の作動監視装置において、前記作動監視制御手段は、前記第1の監視情報又は第2の監視情報を通信端末に送信後、所定の時間経過しても前記第1の監視情報又は第2の監視情報が消去されない時に、再度、前記第1の監視情報又は第2の監視情報を通信端末に送信する再送信手段を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の乳温管理装置の作動監視装置は、請求項1又は3に記載の乳温管理装置の作動監視装置において、前記通信端末に送信される監視情報は、送信時の時刻が含まれていることを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の乳温管理装置の作動監視装置は、請求項1又は3、4に記載の乳温管理装置の作動監視装置において、前記通信端末に送信される監視情報は、送信回数が含まれていることを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の乳温管理装置の作動監視装置は、請求項1乃至5記載の乳温管理装置の作動監視装置において、前記通信端末に送信する監視情報は、電子メールで送信されることを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の乳温管理装置の作動監視装置は、請求項1記載の乳温管理装置の作動監視装置において、前記洗浄監視処理における第1の監視情報は、洗浄開始後から洗浄終了時までの間に乳温管理装置内の液体の温度が作動監視データに予め定められた上限温度以下であって下限温度を超える場合、洗浄終了時に作動監視制御手段から出力される監視情報であり、第2の監視情報は、洗浄開始後から洗浄終了時までの間に乳温管理装置内の液体の温度が前記下限温度以下の場合、洗浄終了時に作動監視制御手段から出力される監視情報であることを特徴とする。
【0016】
請求項8記載の乳温管理装置の作動監視装置は、請求項1記載の乳温管理装置の作動監視装置において、前記受け入れ監視処理における第1の監視情報は、乳温管理装置に生乳を投入開始後、所定時間(例えば2時間)経過時の乳温管理装置内の生乳の温度が、前記所定時間内で作動監視データに予め定められた上限温度(例えば20℃)以上、あるいは下限温度(例えば2℃)以下である場合に前記所定時間経過時に作動監視制御手段から出力される監視情報であり、第2の監視情報は、前記乳温管理に生乳を投入開始後の前記所定時間より長い時間(例えば3時間)経過時の生乳の温度が、前記所定時間より長い時間内で予め定められた上限温度(例えば7℃)以上、あるいは下限温度(例えば2℃)以下である場合に前記所定時間より長い時間経過時に作動監視制御手段から出力される第1の監視情報より緊急度の高い監視情報であることを特徴とする。
【0017】
請求項9記載の乳温管理装置は、請求項1記載の乳温管理装置の作動監視装置において、前記保冷監視処理における監視情報は、乳温管理装置内の生乳の温度が、乳温管理装置に生乳を投入完了後、当該保冷監視処理内で作動監視データに予め定められた下限温度(例えば2℃)以下、あるいは上限温度(例えば7℃)以上になった後の所定時間(例えば30分)経過時に、前記下限温度以下、あるいは上限温度以上の時に作動監視制御手段から出力される監視情報であることを特徴とする。
【0018】
請求項10記載の乳温管理装置の作動監視装置は、請求項1記載の乳温管理装置の作動監視装置において、前記洗浄監視処理における第1の監視情報は、乳温管理装置内の液体の温度が当該洗浄監視処理内で作動監視データに予め定められた上限温度以下であって下限温度を超えている場合に作動監視制御手段から直ちに出力される監視情報であり、第2の監視情報は、乳温管理装置内の液体の温度が前記下限温度以下の場合に作動監視制御手段から直ちに出力される監視情報であることを特徴とする。
【0019】
請求項11記載の乳温管理装置の作動監視装置は、請求項10記載の乳温管理装置の作動監視装置において、前記乳温管理装置内の液体の温度は、洗浄液と排液の温度であって、該洗浄液と排液には上限温度と下限温度とがそれぞれ定められており、前記洗浄液と排液とは、前記それぞれの上限温度と下限温度とにより、それぞれ独立した第1の監視情報と第2の監視情報が出力されることを特徴とする。例えば、前記洗浄液の上限温度と下限温度は、それぞれ70℃、65℃、排液の上限温度と下限温度は、それぞれ40℃、35℃である。
【0020】
請求項12記載の乳温管理装置の作動監視装置は、請求項1記載の乳温管理装置の作動監視装置において、前記受け入れ監視処理における第1の監視情報は、乳温管理装置内の生乳の温度が、該乳温管理装置に生乳を投入開始後の所定時間が経過するまでの間に、当該受け入れ監視処理時間内で作動監視データに予め定められた上限温度未満であって該上限温度より低い第1の温度以上、あるいは下限温度を超え、かつ該下限温度より高いか又は等しい第2の温度以下である場合に作動監視制御手段から直ちに出力される監視情報であり、第2の監視情報は、乳温管理装置内の生乳の温度が、該乳温管理装置に生乳を投入開始後の所定時間が経過するまでの間に、当該受け入れ監視処理時間内で予め定められた上限温度以上、または下限温度以下である場合に作動監視制御手段から直ちに出力される第1の監視情報より緊急度の高い第2の監視情報であることを特徴とする。
【0021】
請求項13記載の乳温管理装置の作動監視装置は、請求項12記載の乳温管理装置の作動監視装置において、前記乳温管理装置に生乳を投入開始後の所定時間は、生乳の初回受け入れ時は、生乳の搾乳開始から終了までの第1の時間と、該第1の時間経過後から30分を経過した第2の時間と、該第2の時間経過後から30分経過後の第3の時間と、該第3の時間経過後から60分経過後の第4の時間であり、生乳の次回以降受け入れ時は、生乳の搾乳開始から終了までの第1の時間と、該第1の時間経過後から60分を経過した第2の時間と、該第2の時間経過後から60分経過後の第3の時間であることを特徴とする。
【0022】
例えば、前記初回受け入れ時の第1の時間における上限温度、下限温度、第1の温度、第2の温度は、それぞれ、37℃、2℃、30℃、3℃である。また、第2の時間における上限温度、下限温度、第1の温度、第2の温度は、それぞれ、30℃、2℃、20℃、3℃である。また、第3の時間における上限温度、下限温度、第1の温度、第2の温度は、それぞれ、20℃、2℃、15℃、3℃である。更に又、第4の時間における上限温度、下限温度、第1の温度、第2の温度は、それぞれ、7℃、2℃、6℃、3℃である。前記次回以降受け入れ時の第1の時間における上限温度、下限温度、第1の温度、第2の温度は、それぞれ、20℃、2℃、15℃、3℃である。また、第2の時間における上限温度、下限温度、第1の温度、第2の温度は、それぞれ、15℃、2℃、10℃、3℃である。また、第3の時間における上限温度、下限温度、第1の温度、第2の温度は、それぞれ、7℃、2℃、6℃、3℃である。
【0023】
請求項14記載の乳温管理装置の作動監視装置は、請求項1記載の乳温管理装置の作動監視装置において、前記保冷監視処理における監視情報は、乳温管理装置内の生乳の温度が、乳温管理装置に生乳を投入完了後の所定時間(例えば2時間)経過後から次回搾乳開始あるいは集乳開始までの間に、当該保冷監視処理時間内で作動監視データに定められた上限温度(例えば7℃)未満であって該上限温度より低い第1の温度(例えば6℃)以上、あるいは下限温度(例えば2℃)を超え、かつ該下限温度より高いか又は等しい第2の温度(例えば3℃)以下である場合に作動監視制御手段から直ちに出力される監視情報であり、第2の監視情報は、乳温管理装置内の生乳の温度が、乳温管理装置に生乳を投入完了後の前記所定時間(例えば2時間)経過後から次回搾乳開始あるいは集乳開始までの間に、作動監視データに予め定められた前記上限温度以上または下限温度以下である場合に作動監視制御手段から直ちに出力される第1の監視情報より緊急度の高い第2の監視情報であることを特徴とする。
【0024】
請求項15記載の乳温管理装置の作動監視方法は、乳温管理装置内の生乳等の液体の温度を測定する温度測定手段を備えると共に、データ格納手段、比較手段、通信端末とのデータの送受信手段を有する作動監視制御手段を備え、該作動監視制御手段は、乳温管理装置の洗浄時の作動を洗浄監視工程により監視し、該洗浄監視工程では洗浄開始から終了までの間、乳温管理装置内の温度データを前記温度測定手段により得てデータ格納手段に格納し、洗浄終了時にデータ格納手段内に予め格納されている監視温度と前記乳温管理装置内の温度データとを比較し、前記乳温管理装置内の温度データが、監視温度である上限温度(例えば50℃)以下であって、下限温度(例えば45℃)を超える場合には第1の監視情報を、前記下限温度以下の場合には前記第1の監視情報より緊急度の高い第2の監視情報を前記通信端末に送信して前記乳温管理装置の洗浄時の工程における作動を監視することを特徴とする。
【0025】
請求項16記載の乳温管理装置の作動監視方法は、乳温管理装置内の生乳等の液体の温度を測定する温度測定手段を備えると共に、データ格納手段、比較手段、通信端末とのデータの送受信手段を有する作動監視制御手段を備え、該作動監視制御手段は、前記乳温管理装置の生乳受け入れ時の作動を受け入れ監視工程で監視し、該受け入れ監視工程では乳温管理装置に生乳を投入開始後、乳温管理装置内の生乳の温度を前記温度測定手段により得て、データ格納手段内に予め格納されている監視温度と所定時間(例えば2時間)経過時における乳温管理装置内の生乳の温度とを比較手段で比較し、乳温管理装置内の生乳の温度が、前記所定時間内で予め定められた監視温度である上限温度(例えば20℃)以上、あるいは下限温度(例えば2℃)以下である場合に前記所定時間経過時に第1の監視情報を通信端末に送信し、前記乳温管理装置に生乳を投入開始後、乳温管理装置内の生乳の温度を前記温度測定手段により得て、データ格納手段内に予め格納されている監視温度と前記所定の時間より長い時間(例えば3時間)経過時における乳温管理装置内の生乳の温度とを比較手段で比較し、乳温管理装置内の生乳の温度が、前記所定の時間より長い時間経過時において前記所定の時間より長い時間内で予め定められた監視温度である上限温度(例えば7℃)以上、あるいは下限温度(例えば2℃)以下の時に前記第1の監視情報より緊急度の高い第2の監視情報を前記所定の時間より長い時間経過時に通信端末に送信して前記乳温管理装置の受け入れ監視工程における作動を監視することを特徴とする。
【0026】
請求項17記載の乳温管理装置の作動監視方法は、乳温管理装置内の生乳等の液体の温度を測定する温度測定手段を備えると共に、データ格納手段、比較手段、通信端末とのデータの送受信手段を有する作動監視制御手段を備え、該作動監視制御手段は、前記乳温管理装置の生乳保冷時の作動を保冷監視工程で監視し、該保冷監視工程では、乳温管理装置に生乳を投入完了後の乳温管理装置内の生乳の温度を前記温度測定手段により得て、データ格納手段内に予め格納されている監視温度と時間経過時における乳温管理装置内の生乳の温度とを比較手段で比較し、乳温管理装置内の生乳の温度が、当該保冷監視処理内で予め定められた上限温度(例えば7℃)以上、あるいは下限温度(例えば2℃)以下の場合に、その後、所定時間(例えば30分)の経過を監視し、該所定時間の経過時においても前記上限温度(例えば7℃)以上、あるいは下限温度(例えば2℃)以下の場合に緊急度の高い監視情報を前記所定時間の経過時に通信端末に送信して前記乳温管理装置の保冷監視工程における作動を監視することを特徴とする。
【0027】
請求項18記載の乳温管理装置の作動監視方法は、乳温管理装置内の生乳等の液体の温度を測定する温度測定手段を備えると共に、データ格納手段、比較手段、通信端末とのデータの送受信手段を有する作動監視制御手段を備え、該作動監視制御手段は、乳温管理装置の洗浄時の作動を洗浄監視工程により監視し、該洗浄監視工程では洗浄開始から終了までの間、前記乳温管理装置内の洗浄液と排液の温度データを前記温度測定手段により得ると共に、データ格納手段内に予め格納されている監視温度と前記乳温管理装置内の洗浄液及び排液の温度データとを、それぞれ比較し、前記洗浄液と排液の温度が、それぞれ当該洗浄処理時間内で定められた監視温度である上限温度以下であって下限温度を超えた場合には第1の監視情報を、前記下限温度以下の場合には前記第1の監視情報より緊急度の高い第2の監視情報を直ちに前記通信端末に送信して前記乳温管理装置の洗浄時の工程における作動を監視することを特徴とする。例えば、前記洗浄液の上限温度と下限温度は、それぞれ70℃、65℃、排液の上限温度と下限温度は、それぞれ40℃、35℃である。
【0028】
請求項19記載の乳温管理装置の作動監視方法は、乳温管理装置内の生乳等の液体の温度を測定する温度測定手段を備えると共に、データ格納手段、比較手段、通信端末とのデータの送受信手段を有する作動監視制御手段を備え、該作動監視制御手段は、前記乳温管理装置の生乳受け入れ時の作動を受け入れ監視工程で監視し、該受け入れ監視工程では乳温管理装置に生乳を初回投入及び次回以降投入開始後において、乳温管理装置内の生乳の温度を前記温度測定手段により得ると共に、データ格納手段に格納されている監視温度と前記生乳の温度とを比較手段で比較し、該生乳の温度が当該受け入れ監視処理において初回投入及び次回以降投入開始後の所定時間内でそれぞれ予め定められた上限温度未満であって該上限温度より低い第1の温度以上、あるいは下限温度を超え、かつ該下限温度より高い第2の温度以下である場合に第1の監視情報を、当該受け入れ監視処理において初回投入及び次回以降投入開始後の所定時間内でそれぞれ予め定められた監視温度である上限温度以上、あるいは下限温度以下である場合に第1の監視情報より緊急度の高い第2の監視情報を直ちに通信端末に送信して前記乳温管理装置の受け入れ監視工程における作動を監視することを特徴とする。
【0029】
例えば、前記初回受け入れ時(初回投入開始後)の所定時間は、第1乃至第4の時間があり、第1の時間における上限温度、下限温度、第1の温度、第2の温度は、それぞれ、37℃、2℃、30℃、3℃である。また、第2の時間における上限温度、下限温度、第1の温度、第2の温度は、それぞれ、30℃、2℃、20℃、3℃である。また、第3の時間における上限温度、下限温度、第1の温度、第2の温度は、それぞれ、20℃、2℃、15℃、3℃である。更に又、第4の時間における上限温度、下限温度、第1の温度、第2の温度は、それぞれ、7℃、2℃、6℃、3℃である。前記次回以降受け入れ時(次回以降投入開始後)の所定時間は、第1乃至第3の時間があり、第1の時間における上限温度、下限温度、第1の温度、第2の温度は、それぞれ、20℃、2℃、15℃、3℃である。また、第2の時間における上限温度、下限温度、第1の温度、第2の温度は、それぞれ、15℃、2℃、10℃、3℃である。また、第3の時間における上限温度、下限温度、第1の温度、第2の温度は、それぞれ、7℃、2℃、6℃、3℃である。
【0030】
請求項20記載の乳温管理装置の作動監視方法は、乳温管理装置内の生乳等の液体の温度を測定する温度測定手段を備えると共に、データ格納手段、比較手段、通信端末とのデータの送受信手段を有する作動監視制御手段を備え、該作動監視制御手段は、前記乳温管理装置の生乳保冷時の作動を保冷監視工程で監視し、該保冷監視工程では、乳温管理装置に生乳を投入完了後の所定時間(例えば2時間)経過後から次回搾乳開始あるいは集乳開始までの間、乳温管理装置内の生乳の温度を前記温度測定手段により得ると共に、データ格納手段に予め格納されている監視温度と乳温管理装置内の生乳の温度とを比較手段で比較し、該生乳の温度が、当該保冷監視処理時間内で予め定められた監視温度である上限温度(例えば7℃)未満であって該上限温度より低い第1の温度(例えば6℃)以上、あるいは下限温度(例えば2℃)を超え、かつ該下限温度より高いか又は等しい第2の温度(例えば3℃)以下である場合に第1の監視情報を、前記上限温度以上、あるいは下限温度以下である場合に第1の監視情報より緊急度の高い第2の監視情報を直ちに通信端末に送信して前記乳温管理装置の保冷監視工程における作動を監視することを特徴とする。
【0031】
【発明の実施の形態】
まず、発明の理解を容易にするために、本発明の概略について説明する。本発明は、乳温管理装置の作動監視装置及びその監視方法に関し、所定の監視時間内に、予め定められた温度範囲から外れた時に、警報を発するものである。処理を、洗浄監視処理と、受け入れ監視処理と、保冷監視処理とに分けて、各処理毎に第1の監視情報あるいは/及び前記第1の監視情報より緊急度の高い第2の監視情報を通信端末に送信するものである。
【0032】
図1により本発明の実施形態の構成について説明する。バルククーラー2を用いた乳温管理装置は、バルククーラー制御手段1により、生乳3の温度を制御すると共に、洗浄、殺菌の制御を行なう周知の乳温管理装置である。バルククーラー2内の液体(生乳または洗浄液または排液)の温度及びバルククーラー2が設置されている室内の温度を測定する温度測定手段4がA/D変換器5に接続されている。なお、図1では図示を省略してあるが、洗浄液が注入/排水される注入口及び排水口の近く、及びバルククーラー2の底部近くに生乳の温度を測定する前記温度測定手段4が、それぞれ設置される場合もある。パーソナルコンピュータ(以下作動監視制御手段と称する)6は、その内部にRAM、ROM、複数のタイマーを備え、前記A/D変換器5及びバルククーラー制御手段1のほかに、表示手段7、キーボード8、モデム9、プリンタ12が接続されている。更にモデム9は、周知のインターネット接続網10に接続され、周知のインターネット接続サービスを利用してパーソナルコンピュータ6から通信端末(携帯電話機、パーソナルコンピュータ、携帯通信端末など)11及び工場あるいは/及び検査機関13に電子メールを送信することができる。又、前記作動監視制御手段6は、前記通信端末からのデータを、モデム9を介して受信する受信手段を備えている。前記A/D変換器5、パーソナルコンピュータ6、表示手段7、キーボード8、モデム9、プリンタ12は、停電時に備えて図示していない無停電電源が接続されているようにしてもよい。
【0033】
作動監視制御手段6には、温度測定手段4から得たデータがデータ格納手段の一つであるRAMに、また、図2又は図7に示す監視時間、監視温度及び監視情報を含む作動監視データがデータ格納手段の一つであるROMに、それぞれ格納されている。前記温度測定手段4から得た測定直後のデータは、A/D変換器5によりディジタルデータに変換され、データ格納手段の一つであるRAMに格納される。なお、A/D変換器5は、後述するデータの比較処理が可能なように、測定直後のデータが読み出せる機能を備えているものであれば、データの蓄積機能を備えた周知のデータロガーなどであってもよい。
【0034】
また、作動監視制御手段6の図示していない前記ROMには、以下の処理プログラムが格納されていて、図示していないCPU(中央処理装置)により実行される。前記処理プログラムとは、前記RAMに格納された温度測定手段4から得た測定データと前記監視温度を比較する比較処理プログラム(比較処理手段)、前記乳温管理装置の洗浄時の作動を監視する洗浄監視処理プログラム、前記乳温管理装置の生乳受け入れ時の作動を監視する受け入れ監視処理プログラム、前記乳温管理装置の生乳受け入れ後の保冷時の作動を監視する保冷監視処理プログラムである。以下、前記洗浄監視処理プログラム、受け入れ監視処理プログラム、保冷監視処理プログラムを作動監視制御プログラムと称する。なお、前記以外に、インターネットに接続し、通信端末11や工場あるいは検査機関13との間で電子メールを送受信する処理プログラム及び入出力機器の制御処理プログラムは、周知のプログラムであり、作動監視制御手段6の前記ROMに格納されていて、前記CPU(中央処理装置)により実行される。
【0035】
作動監視制御手段6には、バルククーラー制御手段1が接続され、信号線1aを介してバルククーラー制御手段1からバルククーラー2の状態、即ち、バルククーラー2の洗浄工程、生乳の受け入れ工程、あるいは生乳の保冷工程の何れかの状態信号が送信される。これ以外に、作動監視制御手段6とバルククーラー制御手段1を接続せず、バルククーラー制御手段1の制御状態に応じて操作者がキーボード8からコマンドを入力し、あるいはファンクションキーを押下して前記作動監視制御プログラムを起動するようにしてもよい。また、酪農家により異なる搾乳回数や洗浄回数などは、予め定めておいて、ファンクションキーを押下して選択するようにしてもよく、あるいは前記キーボード8から入力するようにしてもよい。
【0036】
次に、前記実施形態の構成により実施される第1の実施形態について説明する。第1の実施形態は、処理の途中の一定時間経過後に第1の監視情報又は第2の監視情報を発するものである。そして、洗浄監視処理では、洗浄開始後から洗浄終了時までの間の乳温管理装置内の温度を監視し、終了時に第1の監視情報か、第2の監視情報を通信端末に送信する。受け入れ監視処理では、生乳を投入後の生乳の温度を監視し、第1の時間経過時に第1の監視情報を、生乳を投入後の第2の時間経過時に第2の監視情報を通信端末に送信する。保冷監視処理では、生乳を投入完了後の生乳の温度を監視し、所定の温度範囲を超えた時、所定の時間経過後に第2の監視情報を携帯あるいは固定通信端末(以下、携帯電話機として説明する。)に送信する。
【0037】
第1の実施形態における作動監視制御手段6で使用するデータ構造を図2により説明する。前記作動監視制御手段6のROMに格納されている監視時間欄、監視温度欄及び監視情報欄の(t1乃至t4)、(TU、TL、TU1乃至TU3、TL1乃至TL3)及び監視情報からなる作動監視データ(第1の情報、第2の情報)は、処理欄に示す洗浄監視処理、受け入れ監視処理、保冷監視処理で使用される。監視情報欄のTOは、測定対象温度である。また、監視時間(t1乃至t4)、監視温度(TU、TL、TU1乃至TU3、TL1乃至TL3)及び監視情報に括弧内に付加されて記述されている値、あるいは監視情報の表し方は、一例であって、これ以外の値あるいは表し方であってもよい。また、監視情報は、第1の監視情報と第2の監視情報とがあり、第2の監視情報は、第1の監視情報より緊急度の高い情報である。即ち、酪農家が重大な損害を被る可能性のある障害が発生したことを示し、携帯電話機11に電子メールを送信する時に、第1の監視情報と第2の監視情報とを、例えば「注意」、「警告」などの具体的な情報で表す。なお、第1の監視情報L1が出力されたのち、該第1の監視情報L1が消去されていなくとも、第2の監視情報L2が出力される条件が成立した場合には、第1の監視情報L1を消去して第2の監視情報L2が出力される。
【0038】
第1の実施形態における発明の理解を容易にするために図3乃至図5を用いて前記洗浄監視処理、受け入れ監視処理、保冷監視処理の各処理における監視情報を得る方法について説明する。図3乃至図5において、横軸は時間を、縦軸は乳温管理装置内の生乳等の液体の温度を表し、第1の監視情報と第2の監視情報を、それぞれL1、L2で表す。また、洗浄監視処理の処理開始時におけるバルククーラー2内の液体の温度をTb、受け入れ監視処理及び保冷監視処理の処理開始時における生乳の温度をTS0で表す。
【0039】
まず、洗浄監視処理について図3により説明する。符号イ、ロ、ハは、洗浄監視処理の例を示すものである。洗浄の開始tsから終了teまでの時間をt4とする。洗浄開始tsから洗浄終了teまでの時間t4の間に乳温管理装置内の液体の温度(最高値)が温度T7(上限温度TU)以下であって、該温度T7より低い温度T8(下限温度TL)を超える場合には、第1の監視情報L1が洗浄終了te時に作動監視制御手段6から出力される。又、洗浄開始後から洗浄終了時までの間に乳温管理装置内の液体の温度(最高値)が温度T8以下の場合には、第2の監視情報L2が洗浄終了te時に作動監視制御手段6から出力される。
【0040】
例えば、符号イで示す洗浄例では、洗浄開始tsから洗浄終了teまでの時間t4の間に乳温管理装置内の液体の温度(最高値)が温度T7を超えている。かかる場合には第1の監視情報L1及び第2の監視情報L2何れも出力されない。
即ち、洗浄が正常に終了している。又、符号ロで示す洗浄例では、洗浄開始tsから洗浄終了teまでの時間t4の間に乳温管理装置内の液体の温度(最高値)が温度T8を超えているが、温度T7以下である。かかる場合には洗浄終了te時に第1の監視情報L1が出力される。即ち、洗浄が不完全で、「注意」を要する監視情報が出力される。又、符号ハで示す洗浄例では、洗浄開始tsから洗浄終了teまでの時間t4の間に乳温管理装置内の液体の温度温度(最高値)が温度T8以下となっている。かかる場合には洗浄終了te時に前記第1の監視情報より緊急度の高い第2の監視情報L2が出力される。即ち、洗浄が不完全で、「警告」を要する監視情報が出力される。
【0041】
次に受け入れ監視処理について図4により説明する。符号イ、ロ、ハ、ニは、受け入れ監視処理の例を示すものである。バルククーラー2に生乳を投入(搾乳開始)後、時間t1経過時(例えば搾乳開始から2時間後)において、生乳の温度が温度T1(図2に示す上限温度TU1)以上、あるいは前記温度T1より低い温度T2(図2に示す下限温度TL1)以下である場合(第1の受け入れ温度範囲TS1外)には、第1の監視情報L1が、前記時間t1経過時に作動監視制御手段6から後述するように出力される。又、バルククーラー2に生乳を投入(搾乳開始)後、時間t1より長い時間t2経過時(例えば搾乳開始から3時間後)において、生乳の温度が前記温度T1より低い温度T3(図2に示す上限温度TU2)以上、あるいは前記温度T3より低い温度T4(図2に示す下限温度TL2)以下である場合(第2の受け入れ温度範囲TS2外)には、第1の監視情報L1より緊急度の高い第2の監視情報L2が、前記時間t2経過時に作動監視制御手段6から出力される。なお、前記下限温度TL1と下限温度TL2とは、等しくてもよい。
【0042】
例えば、符号イで示す受け入れ監視処理では、バルククーラー2に生乳を投入開始後、時間t1経過時において、生乳の温度が前記温度T1以上となっていて、第1の受け入れ温度範囲TS1外である。かかる場合には時間t1経過時に第1の監視情報L1が出力される。即ち、生乳の温度が「注意」を要する温度になっていて、「注意」を要する監視情報L1が出力される。又、バルククーラー2に生乳を投入開始後、時間t2経過時において、生乳の温度が前記温度T3以上となっていて第2の受け入れ温度範囲TS2外である。かかる場合には時間t2経過時に第2の監視情報L2が出力される。即ち、生乳の温度が「警告」を要する温度になっていて、「警告」を要する監視情報L2が出力される。
【0043】
符号ロで示す受け入れ監視処理では、バルククーラー2に生乳を投入開始後、時間t1経過時において、生乳の温度が前記温度T1未満であって、温度T2を超えていて、第1の受け入れ温度範囲TS1内である。かかる場合には時間t1経過時に監視情報は出力されない。しかし、バルククーラー2に生乳を投入開始後、時間t2経過時において、生乳の温度が前記温度T3以上となっていて第2の受け入れ温度範囲TS2外である。かかる場合には時間t2経過時に第2の監視情報L2が出力される。即ち、生乳の温度が「警告」を要する温度になっていて、「警告」を要する監視情報L2が出力される。
【0044】
符号ハで示す受け入れ監視処理では、バルククーラー2に生乳を投入開始後、時間t1経過時において、生乳の温度が前記温度T1未満であって、温度T2を超えていて、第1の受け入れ温度範囲TS1内である。かかる場合には時間t1経過時に監視情報は出力されない。また、バルククーラー2に生乳を投入開始後、時間t2経過時においても、生乳の温度が前記温度T3未満であって、温度T4を超えていて、第2の受け入れ温度範囲TS2内である。かかる場合にも時間t2経過時に監視情報は出力されない。即ち、符号ハで示す受け入れ監視処理におけるバルククーラー2の作動は正常である。
【0045】
符号ニで示す受け入れ監視処理では、バルククーラー2に生乳を投入開始後、時間t1経過時において、生乳の温度が前記温度T2以下となっていて、第1の受け入れ温度範囲TS1外である。かかる場合には時間t1経過時に第1の監視情報L1が出力される。即ち、生乳の温度が「注意」を要する温度になっていて、「注意」を要する監視情報L1が出力される。又、バルククーラー2に生乳を投入開始後、時間t2経過時において、生乳の温度が前記温度T4以下となっていて第2の受け入れ温度範囲TS2外である。かかる場合には時間t2経過時に第2の監視情報L2が出力される。即ち、生乳の温度が「警告」を要する温度になっていて、「警告」を要する監視情報L2が出力される。
【0046】
次に保冷監視処理について図5により説明する。符号イ、ロ、ハ、ニ、ホ、へは、保冷監視処理の例を示すものである。バルククーラー2に生乳を投入完了後、生乳の温度が温度T5(図2に示す上限温度TU3)以上、あるいは前記温度T5より低い温度T6(図2に示す下限温度TL3)以下(保冷温度範囲TS3外)になった後、時間t3(例えば30分)経過時に前記該保冷温度範囲TS3外の時に、監視情報L2が、時間t3経過時に作動監視制御手段6から後述するように出力される。なお、前記下限温度TL1と下限温度TL2と下限温度TL3とは、等しくてもよい。
【0047】
例えば、符号イで示す保冷監視処理では、バルククーラー2に生乳を投入完了後、生乳の温度が、時刻ta1において、温度T5以上になり保冷温度範囲TS3外になった後、時間t3経過時の時刻tb1においても前記温度T5を超える保冷温度範囲TS3外である。かかる場合には監視情報L2が時間t3経過時に作動監視制御手段6から出力される。
【0048】
符号ロで示す保冷監視処理では、バルククーラー2に生乳を投入完了後、生乳の温度が、時刻ta1において温度T5以上になり保冷温度範囲TS3外になった後、時間t3経過後の時刻tb1において前記温度T5未満であり、温度T6を超える保冷温度範囲TS3内になった場合である。かかる場合には監視情報L2は作動監視制御手段6から出力されない。
【0049】
符号ハで示す保冷監視処理では、バルククーラー2に生乳を投入完了後、生乳の温度が、時刻ta2において温度T6以下になり保冷温度範囲TS3外になった後、時間t3経過後の時刻tb2において前記温度T5未満であり温度T6を超える保冷温度範囲TS3内である。かかる場合には監視情報L2は作動監視制御手段6から出力されない。
【0050】
符号ニで示す保冷監視処理では、バルククーラー2に生乳を投入完了後、生乳の温度が、時刻ta2において温度T6以下になり保冷温度範囲TS3外になった後、時間t3経過後の時刻tb2において温度T6以下のまま保冷温度範囲TS3外である。かかる場合には監視情報L2が時間t3経過時作動監視制御手段6から出力される。
【0051】
符号ホで示す保冷監視処理では、バルククーラー2に生乳を投入完了後、生乳の温度が、時刻ta1において温度T5以上になり保冷温度範囲TS3外になった後、時間t3経過後の時刻tb1において温度T6以下となり保冷温度範囲TS3外である。かかる場合には監視情報L2が作動監視制御手段6から出力される。
【0052】
符号ヘで示す保冷監視処理では、バルククーラー2に生乳を投入完了後、生乳の温度が、時刻ta2において温度T6以下になり保冷温度範囲TS3外になった後、時間t3経過後の時刻tb2において温度T5以上となり保冷温度範囲TS3外である。かかる場合には監視情報L2が作動監視制御手段6から出力される。
【0053】
以下、作動監視制御手段6の動作について図6を用いて説明する。なお、バルククーラー2の洗浄、受け入れ、保冷の動作は、バルククーラー制御手段1により周知の方法でなされるものであり、その説明を省略する。前記各監視処理に先立ち、温度測定手段4によりバルククーラー2内及びバルククーラー2が設置されている室内の温度がA/D変換器5によりディジタル信号に変換されている。なお、バルククーラー2内の温度測定手段4は、受け入れ監視処理、保冷監視処理においては、少なくとも1個は生乳の温度を測定するものである。測定された温度データは、作動監視制御手段6内部のデータ格納手段であるRAMに格納される(ステップS1)。なお、温度測定手段4は、バルククーラー2内の温度以外に、バルククーラー2が設置されている室内の温度を測定するようにして生乳の管理データとして使用してもよい。また測定された温度データと共に測定された時刻も格納するようにしてもよい。時刻データを得ることにより、障害が発生した時の管理情報として使用できるほか、周知のHACCPシステムに使用することができる。
【0054】
前記温度データが格納される速度は、監視処理に支障のない速度、例えば、1ポイント/1乃至5分であればよい。かかる場合、搾乳された生乳を2日に1回集乳するものとすると、48時間分のデータを蓄積できればよく、1つの温度測定手段4について最大2880ポイントのデータ格納容量があればよい。この容量は、通常の低価格のデータロガーでも実現できる容量であり、RAM容量の少ないパソコンを用いて低価格な乳温管理装置の作動監視装置を実現することができる。
【0055】
バルククーラー制御手段1が接続されている信号線1aを介してバルククーラー制御手段1からバルククーラー2の状態、即ち、バルククーラー2の洗浄工程、生乳の受け入れ工程、あるいは生乳の保冷工程の何れかの状態信号が作動監視制御手段6に送信されるものとして説明するが、これ以外に、作動監視制御手段6とバルククーラー制御手段1を接続せず、バルククーラー制御手段1の制御状態に応じて操作者がキーボード8からコマンドを入力し、あるいはファンクションキーを押下して前記作動監視制御プログラムを起動するようにしてもよい。
【0056】
バルククーラー制御手段1から送信されたバルククーラー2の状態、即ち、バルククーラー2の洗浄工程、生乳の受け入れ工程、あるいは生乳の保冷工程の何れかの状態信号が受信されると、洗浄監視処理、受け入れ監視処理、保冷監視処理の各処理プログラムが作動監視制御手段6により実行される。なお、前記ステップS1のデータ格納処理は、洗浄監視処理、受け入れ監視処理、保冷監視処理の各処理プログラムが実行されると同時に開始するようにしてもよい。また、前記洗浄監視処理、受け入れ監視処理、保冷監視処理の各処理プログラムは、それぞれ単独に実行できるようにしてもよく、あるいは、洗浄監視処理と、複数回の受け入れ監視処理及び保冷監視処理を連続して実行するようにしてもよい。
【0057】
まず、洗浄監視処理について説明する。なお、上記のようなバルククーラー2を用いた乳温管理装置は、洗浄工程においては、通常水洗工程、アルカリ洗浄工程、酸洗浄工程、殺菌工程があり、各工程において、所定の処理がなされる。通常、通常水洗、アルカリ洗浄、殺菌は毎回行われ、酸洗浄は、アルカリ洗浄2乃至3回程度に1回の頻度でアルカリ洗浄後に行なわれる。以下、洗浄時の工程における作動を監視する洗浄監視処理及び監視方法の説明では、前記アルカリ洗浄について説明するが、酸洗浄工程についても投入される液体が酸性液である点を除き、アルカリ洗浄同様の監視処理であるので、酸洗浄については説明を省略する。また、通常水洗工程、殺菌工程での処理については、監視処理はなされない。洗浄監視処理では、まずステップS5において、洗浄の終了を判定する。かかる判定は、状態信号を判別して洗浄が終了するまで待つようにしてもよく、あるいは、予め洗浄時間が予め分っている場合には、作動監視制御手段6内のタイマーで洗浄時間t4を監視してもよい。
【0058】
洗浄が終了するとステップS6に進み、それまでRAMに格納した洗浄時のバルククーラー2内の液体の温度を判別する。該判別処理は、作動監視制御手段6内の比較処理プログラム(比較手段)で以下のようになされる。即ち、ROM内に格納されている、図2に示したような判別条件(監視時間欄、監視温度欄及び監視情報欄の(t4)、(TU、TL)の作動監視データと、それまでRAMに格納した洗浄時のバルククーラー2内の温度データとが逐次比較される。あるいは、洗浄時のバルククーラー2内の温度をRAMに格納する時に、既に格納されている温度データと比較して、常に最高温度のみをRAM内に保持するようにしてもよい。かかる場合には、RAM容量が低減できる。作動監視制御手段6の処理負担が少ない洗浄時には常に最高温度のみを検出するプログラムを実行しても処理速度の低減にはならない。あるいは、前記比較処理プログラムの実行は、RAMにデータが格納される毎に逐次実行するようにしてもよい。かかる場合には洗浄の終了と同時に結果が得られ、障害の発生の感知が迅速にできる。
【0059】
前記比較処理プログラムにより、洗浄開始から、終了までの間のバルククーラー2内の液体の温度データが、予め定められた温度T7(上限温度)を超えているか、温度T7以下であって温度T8(下限温度)を超えているか、あるいは温度T8以下であるかを判定する。そしてステップS7に進み、温度T7を超えている場合には洗浄が正常である情報がRAMに格納され、受け入れ監視処理に戻る。温度T7以下であって温度T8を超えている場合には第1の監視情報「注意」が作成され、温度T8以下の場合には第2の監視情報「警告」が作成されて、それぞれRAMに格納されて、ステップS25に進む。
【0060】
また、ステップS25以下の処理は、当該洗浄監視処理以外の、受け入れ監視処理、保冷処理にも共通に使用される。ステップS25において、前記監視情報を携帯電話機11に送信するにあたり、送信回数をゼロにして、ステップS26で待機タイマーをセットする。該待機タイマーは、前記第1の監視情報又は第2の監視情報を携帯電話機11に送信後、所定の時間経過しても前記第1の監視情報又は第2の監視情報が消去されない時に、再度、前記第1の監視情報又は第2の監視情報を携帯電話機11に送信するためのタイマーであって、例えば5分間の待機時間を設定する。該再送信は、作動監視制御手段6内の再送信プログラム(再送信手段)で以下のようになされる。
【0061】
即ち、ステップS26からステップS27に進み、該ステップS27において、前記作成された第1の監視情報又は第2の監視情報と共に、送信時の時刻、送信回数、監視処理の種別が含まれている情報を携帯電話機11に周知の電子メールで送信し、前記待機タイマーをスタートする。ステップS28では前記待機タイマーがタイムアップしたかを監視し、所定の待機時間が経過した場合ステップS29に進む。ステップS29では、第1の監視情報又は第2の監視情報を送信後の携帯電話機11からの応答を監視する。そして携帯電話機11から応答があった場合には前記第1の監視情報又は第2の監視情報が消去される。ここで、携帯電話機11からの応答とは、前記ステップ27にて送信された電子メールを酪農家が見たことを作動監視制御手段6に通知するものである。かかる通知は、携帯電話機11から送信された電子メールを解読するプログラムを作動監視制御手段6に格納し、このプログラムの実行により電子メールで送信された第1の監視情報又は第2の監視情報と共に、送信時の時刻、送信回数、監視処理の種別が含まれている情報の内容を解読し、酪農家からの通知であると判断するようにしてもよい。あるいは、携帯電話機11から応答せずに、作動監視制御手段6のキーボードあるいは、ファンクションキーを押下して電子メールを見たことを作動監視制御手段6に入力するようにしてもよい。
【0062】
ステップ29において前記第1の監視情報又は第2の監視情報が消去されていない場合には、ステップS30に進み、消去されている場合には受け入れ監視処理に戻る。ステップS30では、前記携帯電話機11に送信した回数を+1し、ステップS26に戻る。なお、前記ステップS30において、予め定められた送信回数に達した場合、あるいは、送信回数に関係なくステップ27において監視情報を送信するときに、作動監視制御手段6によって図示していないサイレン、ブザー等の音により、あるいはランプなどで異常であることを報知するようにしてもよい。また、送信回数は、同一として管理してもよく、あるいは第1の監視情報と第2の監視情報それぞれ別に管理してもよい。
【0063】
次に、受け入れ監視処理について説明する。該受け入れ監視処理において、作動監視制御手段6により、ステップS8でタイマー1及びタイマー2を予め定められた値、例えば図2で示した監視時間t1(2時間)、t2(3時間)がROMから読み出され、それぞれタイマーに設定される。バルククーラー2に生乳を投入開始後にステップS9で前記タイマー1及びタイマー2がスタートされる。
ステップS10において作動監視制御手段6は、タイマー1のタイムアップを監視し、所定の監視時間t1に達するとステップS11に進み、その時におけるバルククーラー2内の生乳の温度が、作動監視制御手段6内の比較処理プログラム(比較手段)で以下のように比較される。
【0064】
即ち、ステップS11では、生乳を投入開始後の第1の時間(監視時間t1)経過時に、作動監視制御手段6により、図2で示した温度TU1と温度TL1がROMから、また監視時間t1経過時の生乳の温度データがRAMから、それぞれ読み出される。比較処理プログラムにより、監視時間t1経過時の生乳の温度が、前記温度TU1未満であって前記温度TU1より低い温度TL1超える第1の受け入れ温度範囲TS1内であるか範囲外であるかが判定される。生乳の温度が前記第1の受け入れ温度範囲TS1外の時には、ステップS12に進み第1の監視情報が作成され、生乳の温度が前記第1の受け入れ温度範囲TS1内の時には監視情報は作成されず正常である情報が、それぞれの結果をRAMに格納され、それぞれステップS13に進む。
【0065】
ステップS13では、前記監視情報の有無を判断し、第1の監視情報が作成されている場合には、ステップS15で該第1の監視情報、送信時刻、監視処理の種別が携帯電話機11に周知の電子メールで送信されステップS14に進む。また、第1の監視情報が作成されていない場合には、ステップS14に進む。
【0066】
作動監視制御手段6は、ステップS14でタイマー2のタイムアップを監視し、所定の監視時間t2に達するとステップS16に進み、その時におけるバルククーラー2内の生乳の温度が、作動監視制御手段6内の比較処理プログラム(比較手段)で以下のように比較される。即ち、ステップS16では、生乳を投入開始後の第2の時間(監視時間t2)経過時に、作動監視制御手段6により、図2で示した温度TU2と温度TL2がROMから、また監視時間t2経過時の生乳の温度データがRAMから、それぞれ読み出される。比較処理プログラムにより監視時間t2経過時の生乳の温度が前記温度TU2未満であって前記温度TU2より低い温度TL2を超える第2の受け入れ温度範囲TS2内であるか範囲外であるかが判定される。生乳の温度が前記第2の受け入れ温度範囲TS2内の時には監視情報は作成されず正常である情報がRAMに格納され、受け入れ監視処理を終了する。生乳の温度が前記第2の受け入れ温度範囲TS2外の時にはステップS17に進み、第2の監視情報が作成されてRAMに格納される。そして前記洗浄監視処理で述べたと同様にして、ステップS25以降の処理がなされる。但し、ステップS27では第1の監視情報は送信されない。
【0067】
次に、保冷監視処理について説明する。該保冷監視処理は、前記受け入れ監視処理が終了すると同時に開始される。該保冷監視処理において、作動監視制御手段6により、ステップS18でタイマー3を予め定められた値、例えば図2で示した監視時間t3(30分)がROMから読み出され、タイマー3に設定されると共に、図2で示した温度TU3と温度TL3がROMから読み出される。ステップS19では、バルククーラー2に生乳を投入完了後の生乳の温度データがRAMから逐次読み出され、作動監視制御手段6内の比較処理プログラム(比較手段)で以下のように比較される。即ち、生乳を投入完了後、比較処理プログラムにより生乳の温度が前記温度TU3未満であって前記温度TU3より低い温度TL3を超える第3の受け入れ温度範囲TS3内であるか範囲外であるかが判定される。生乳の温度が前記第3の受け入れ温度範囲TS3外の時には、ステップS20に進み、生乳の温度が前記第3の受け入れ温度範囲TS3内の時にはステップS19に戻り生乳の温度が監視される。
【0068】
ステップS20では、前記タイマー3がスタートされる。ステップS21において作動監視制御手段6は、タイマー3のタイムアップを監視し、前記所定の監視時間t3に達するとステップS22に進み、その時におけるバルククーラー2内の生乳の温度が、作動監視制御手段6内の比較処理プログラム(比較手段)で以下のように比較される。即ち、生乳を投入完了後、前記監視時間t3経過時の生乳の温度が前記温度TU3未満であって前記温度TU3より低い温度TL3を超える第3の受け入れ温度範囲TS3内であるか範囲外であるかが判定される。
生乳の温度が前記第3の受け入れ温度範囲TS3外の時には、ステップS23に進み、第2の監視情報が作成された後に、ステップS25に進む。生乳の温度が前記第3の受け入れ温度範囲TS3内の時には監視情報は作成されず正常である情報が作成され、それぞれRAMに格納され、ステップS24において前記タイマ3はクリアされ、ステップS18に戻る。第2の監視情報が作成され、ステップS25に進んだ場合には前記洗浄監視処理で述べたと同様にして、ステップS25以降の処理がなされる。なお、タイマー3のタイムアップ以前に生乳の温度が前記第3の受け入れ温度範囲TS3内となった場合に、前記タイマー3をクリアするようにしてもよい。かかる場合には、タイマー3のスタート開始以降、生乳の温度を監視する処理を付加する。
【0069】
以下、第1の実施形態におけるバルククーラー2の洗浄工程における作動を監視する、作動監視方法について以下に説明する。作動監視制御手段6によりバルククーラー2の洗浄工程において、その作動が以下のようにして監視される。該洗浄監視工程では、洗浄開始から終了までの間、温度測定手段4により得られたバルククーラー2内の液体の温度データが作動監視制御手段6のRAMに格納される。そして該作動監視制御手段6により、洗浄終了時においてROMに予め格納されている監視温度データと前記温度測定手段4により得た、RAMに格納されている洗浄中のバルククーラー2内の液体の温度データ(あるいは最高温度)とが比較手段により比較される。該比較結果が、温度TU以下であって、温度TUより低い温度TLを超えている場合には第1の監視情報が、前記温度TL以下の場合には前記第1の監視情報より緊急度の高い第2の監視情報が作成される。
そして第1の監視情報又は第2の監視情報と共に、送信時の時刻、送信回数、監視処理の種別が含まれている情報が携帯電話機11に電子メールで送信されてバルククーラー2の洗浄工程における作動が監視される。
【0070】
次に、第1の実施形態におけるバルククーラー2の受け入れ監視工程における作動を監視する、作動監視方法について以下に説明する。作動監視制御手段6により受け入れ監視工程において、その作動は以下のようにして監視される。該受け入れ監視工程では、バルククーラー2に生乳を投入開始後、バルククーラー2内の生乳の温度データが作動監視制御手段6のRAMに格納される。また、バルククーラー2に生乳を投入開始後、タイマー監視が開始され、該タイマーが第1の時間t1を経過した時バルククーラー2内の生乳の温度が測定される。該タイマーが第1の時間t1を経過した時における生乳の温度データと前記ROM内の監視温度データとが比較手段で比較される。該比較結果が、前記温度TU1未満であって前記温度TU1より低い温度TL1を超える第1の受け入れ温度範囲TS1内であるか範囲外であるかを検出する。その結果、前記第1の受け入れ温度範囲外となった時に第1の監視情報が作成されRAMに格納される。
【0071】
第1の監視情報が作成されている場合には、第1の監視情報と共に、送信回数、送信時の時刻、監視処理の種別が含まれている情報が携帯電話機11に送信される。その後、前記バルククーラー2に生乳を投入開始後に開始されたタイマーが、第1の時間t1より長い第2の時間t2を経過した時、バルククーラー2内の生乳の温度が測定される。該第2の時間t2を経過した時における生乳の温度データと前記ROM内の監視温度データとが比較手段で比較される。該比較結果が、前記温度TU2未満であって前記温度TU2より低い温度TL2を超える第2の受け入れ温度範囲TS2内であるか範囲外であるかを検出する。その結果、前記第2の受け入れ温度範囲外となった時に前記第1の監視情報より緊急度の高い第2の監視情報が作成されてRAMに格納される。そして第2の監視情報と共に、送信時刻、送信回数、監視処理の種別が携帯電話機11に送信されてバルククーラー2の受け入れ監視工程における作動が監視される。
【0072】
次に、第1の実施形態におけるバルククーラー2の保冷監視工程における作動を監視する、作動監視方法について以下に説明する。作動監視制御手段6により保冷監視工程において、その作動は以下のようにして監視される。該保冷監視工程では、バルククーラー2に生乳を投入完了後、バルククーラー2内の生乳の温度データがRAMに格納されると共にROM内の監視温度データとバルククーラー2内の生乳の温度データとが比較手段で比較される。該比較結果が、温度TU3未満であって、前記温度TU3より低い温度TL3を超える保冷温度範囲TS3内であるか範囲外であるかを検出する。その結果、前記保冷温度範囲TS3外になった時にタイマー監視を開始する。該タイマーが第3の時間t3を経過した時、バルククーラー2内の生乳の温度が測定され、前記保冷温度範囲TS3外の時に、監視情報が作成されRAMに格納される。そして監視情報と共に、送信時刻、送信回数、監視処理の種別が携帯電話機11に送信されてバルククーラー2の保冷監視工程における作動が監視される。前記監視情報が作成されない場合にはタイマーはクリアされ、ROM内の監視温度データとバルククーラー2内の生乳の温度とが比較手段で比較される処理が続行される。
【0073】
なお、工場及び/または検査機関13には、RAMに格納された各種監視処理時の室温、乳温、洗浄時のバルククーラー2内の液体の温度、携帯電話機11への送信履歴等を送信し、生乳の管理情報として用いるようにしてもよい。その結果、本発明の乳温管理装置の作動監視装置及びその監視方法は、周知のHACCPシステムに適用することができる。
【0074】
次に、前記実施形態の構成により実施される第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、洗浄監視処理、受け入れ監視処理、保冷監視処理、環境監視処理の各処理の間中、いつでも第1の監視情報又は第2の監視情報を発するものである。即ち、洗浄監視処理では、洗浄開始後から洗浄終了時までの間、液温(洗浄液及び排液の温度)を監視し、液温が所定の温度範囲外となる異常が発生した場合に、直ちに第1の監視情報か、第2の監視情報を通信端末に送信する。
また、受け入れ監視処理では、初回受け入れと、次回以降の受け入れとで異なる監視処理を行い、生乳を投入開始後、生乳の温度が所定の温度範囲外となった場合に、直ちに第1の監視情報か、第2の監視情報を通信端末に送信する。更に、保冷監視処理及びバルククーラーが設置されている室内温度を監視する環境監視処理では、生乳の温度および室内温度が所定の温度範囲外となった場合に、直ちに第1の監視情報か、第2の監視情報をいつでも通信端末に送信する。何れの場合の処理でも作動監視制御手段6には、温度測定手段4から得たデータが、データ格納手段の一つであるRAMに格納されているようにするのが望ましい。
【0075】
第2の実施形態における作動監視制御手段6で使用するデータ構造を図7により説明する。前記作動監視制御手段6のROMに格納されている監視時間欄、監視温度欄及び監視情報欄の(t1乃至t4)、(TU、TL、TF、TS、TO)及び監視情報からなる作動監視データ(第1の情報、第2の情報)は、処理欄に示す洗浄監視処理、受け入れ監視処理、保冷監視処理、環境監視処理で使用される。監視情報欄のTOは、測定対象温度である。また、監視時間(t1乃至t4)、監視温度(TU、TL、TF、TS)及び監視情報に括弧内に付加されて記述されている値、あるいは監視情報の表し方は、一例であって、これ以外の値あるいは表し方であってもよい。また、監視情報は、第1の監視情報と第2の監視情報とがあり、第2の監視情報は、第1の監視情報より緊急度の高い情報である。即ち、酪農家が重大な損害を被る可能性のある障害が発生したことを示し、通信端末11(以下、携帯電話機として説明する。)に電子メールを送信する時に、第1の監視情報と第2の監視情報とを、例えば「注意」、「警告」などの具体的な情報で表す。なお、次回受け入れ処理において、搾乳回数が多い場合には、第3の時間t3以降に、第4の時間t4を設けてもよく、係る場合には、例えば前記第3の時間t3と同様な時間を設定してもよく、あるいは、それ以外の時間を設定してもよい。また、図8乃至図10の第1の監視情報L1が出力されたのち、該第1の監視情報L1が消去されていなくとも、第2の監視情報L2が出力される条件が成立した場合には、第1の監視情報L1を消去して第2の監視情報L2が出力される。
【0076】
第2の実施形態における発明の理解を容易にするために図8乃至図10を用いて前記洗浄監視処理、受け入れ監視処理、保冷監視処理、環境監視処理の各処理における監視情報を得る方法について以下に説明する。図8乃至図10において、横軸は時間を、縦軸は乳温管理装置内の生乳あるいは液体の温度を表し、第1の監視情報と第2の監視情報を、それぞれL1、L2で表す。また、洗浄監視処理の処理開始時におけるバルククーラー2内の液体の温度をTb、受け入れ監視処理及び保冷監視処理の処理開始時における生乳の温度をTS0で表す。
【0077】
まず、洗浄監視処理について図8により説明する。符号イ、ロ、ハ、ニは、洗浄監視処理PS1(図12参照)の例を示すものである。洗浄開始tsから洗浄終了teまでの間にバルククーラー2内の液温が上限温度TU以下であって、該上限温度TUより低い下限温度TLを超える場合には、第1の監視情報L1が直ちに作動監視制御手段6から出力される。又、洗浄開始tsから洗浄終了teまでの間に液温が下限温度TL以下である場合には、第2の監視情報L2が直ちに作動監視制御手段6から出力される。ここで、液温は、洗浄液と排液とがそれぞれ独立に監視され、該洗浄液と排液には上限温度と下限温度がそれぞれ定められており、前記洗浄液と排液とは、前記それぞれの上限温度と下限温度とにより、それぞれ独立した第1の監視情報と第2の監視情報が出力される。図8においては、洗浄液の監視処理として説明し、排液の監視処理は、監視温度が異なるのみで、その他は同一であり、その説明を省略する。前記洗浄液と排液は、洗浄開始時には両液の温度が低い場合がある。かかる場合には図8で示すように、洗浄開始tsから一定時間thだけ洗浄監視処理の開始を遅らせるようにプログラムしてもよい。
【0078】
図8において、符号イで示す洗浄例では、洗浄開始tsから点P0で示す時刻まで洗浄液の温度が上限温度TU以下であって、該上限温度TUより低い下限温度TLを超えている。一定時間th迄は、前記のように洗浄監視処理はなされず、監視情報は出力されない。一定時間thから点P0で示す時刻までの間は前記条件が成立しており、一定時間thにおいて第1の監視情報L1が直ちに出力される。即ち、洗浄が不完全で、「注意」を要する監視情報が出力される。一度監視情報が出力されると、所定時間が経過するまで同一の監視情報は出力されない。そして点P0で示す時刻から洗浄終了teまでの間は上限温度TUを超えているので第1の監視情報L1及び第2の監視情報L2何れも出力されない。
【0079】
符号ロで示す洗浄例では、洗浄開始tsから洗浄終了teまでの間、洗浄液の温度が上限温度TU以下であって、該上限温度TUより低い下限温度TLを超えている。かかる場合、一定時間thにおいて第1の監視情報L1が直ちに出力される。即ち、洗浄が不完全で、「注意」を要する監視情報が出力される。一度監視情報が出力されると、前記同様に所定時間が経過するまで同一の監視情報は出力されない。前記所定時間が経過するまでに送信された前記監視情報が消去されていない場合には再度同一の監視情報が送信される。
【0080】
符号ハで示す洗浄例では、洗浄開始tsから点P2で示す時刻まで洗浄液の温度が上限温度TU以下であって、該上限温度TUより低い下限温度TLを超えている。一定時間th迄は、前記のように洗浄監視処理はなされず、監視情報は出力されない。一定時間thから点P2で示す時刻までの間は前記条件が成立しており、一定時間thにおいて第1の監視情報L1が直ちに出力される。即ち、洗浄が不完全で、「注意」を要する監視情報が出力される。一度監視情報が出力されると、所定時間が経過するまで同一の監視情報は出力されない。また、点P2で示す時刻から点P3で示す時刻までの間は、洗浄液の温度が下限温度TL以下となっている。かかる場合、点P2で示す時刻において第2の監視情報L2が直ちに出力される。即ち、洗浄が不完全で、「警告」を要する監視情報が出力される。一度監視情報が出力されると、所定時間が経過するまで同一の監視情報は出力されない。更に、点P3で示す時刻から洗浄終了teまでの間は、洗浄液の温度が上限温度TU以下であって、該上限温度TUより低い下限温度TLを超えている。かかる場合、点P3で示す時刻において第1の監視情報L1が直ちに出力される。
【0081】
符号ニで示す洗浄例では、洗浄開始tsから点P1で示す時刻まで洗浄液の温度が上限温度TU以下であって、該上限温度TUより低い下限温度TLを超えている。一定時間th迄は、前記のように洗浄監視処理はなされず、監視情報は出力されない。点P1で示す時刻は、一定時間th以前であり、一定時間thから洗浄終了teまでの間は上限温度TUを超えているので第1の監視情報L1及び第2の監視情報L2何れも出力されない。
【0082】
次に受け入れ監視処理について図9により説明する。符号イは受け入れ監視処理PS2(図12参照)の例を示すものである。初回の搾乳PS21での受け入れ監視処理と次回の搾乳PS22での受け入れ監視処理とは、監視時間、監視温度、監視回数が図7に示すように異なるのみで、その処理は同一であり、初回の搾乳PS21の受け入れ監視処理を符号PS2として説明し、次回の搾乳PS22についての受け入れ監視処理については、その説明を省略する。
【0083】
バルククーラー2に生乳を投入開始後(搾乳開始時刻ts)から搾乳が終了する時刻t1迄の第1の時間が経過するまで(乳牛の数によって異なる)に、生乳の温度が上限温度TU1未満であって該上限温度TU1より低い第1の温度TF1以上、あるいは下限温度TL1を超え、かつ該下限温度TL1より高い第2の温度TS1以下の時には、第1の監視情報L1が直ちに作動監視制御手段6から出力される。また、生乳の温度が上限温度TU1以上、あるいは下限温度TL1以下の時には、前記第1の監視情報L1より緊急度の高い第2の監視情報L2が直ちに作動監視制御手段6から出力される。一度監視情報が出力されると、所定時間が経過するまで同一の監視情報は出力されない。なお、前記下限温度TL1と第2の温度TS1とは、等しくてもよい。また、搾乳終了時には、キーボード8等から搾乳終了を入力するようにしてもよく、または予め酪農家の規模に応じて設定するようにしておいてもよい。
【0084】
同様にして、搾乳終了時刻t1から時刻t2迄の第2の時間(例えば30分)が経過するまでに、生乳の温度が上限温度TU2未満であって該上限温度TU2より低い第1の温度TF2以上、あるいは下限温度TL2を超え、かつ該下限温度TL2より高い第2の温度TS2以下の時には、第1の監視情報L1が直ちに作動監視制御手段6から出力される。また、生乳の温度が上限温度TU2以上あるいは下限温度TL2以下の時には、前記第1の監視情報L1より緊急度の高い第2の監視情報L2が直ちに作動監視制御手段6から出力される。なお、前記下限温度TL2と第2の温度TS2とは、等しくてもよい。一度監視情報が出力されると、所定時間が経過するまで同一の監視情報は出力されない。
【0085】
同様にして、時刻t2から時刻t3迄の第3の時間(例えば30分)が経過するまでに、生乳の温度が上限温度TU3未満であって該上限温度TU3より低い第1の温度TF3以上、あるいは下限温度TL3を超え、かつ該下限温度TL3より高い第2の温度TS3以下の時には、第1の監視情報L1が直ちに作動監視制御手段6から出力される。また、生乳の温度が上限温度TU3以上、あるいは下限温度TL3以下の時には、前記第1の監視情報L1より緊急度の高い第2の監視情報L2が直ちに作動監視制御手段6から出力される。なお、前記下限温度TL3と第2の温度TS3とは、等しくてもよい。一度監視情報が出力されると、所定時間が経過するまで同一の監視情報は出力されない。
【0086】
同様にして、時刻t3から時刻t4迄の第4の時間(例えば60分)が経過するまでに、生乳の温度が上限温度TU4未満であって該上限温度TU4より低い第1の温度TF4以上、あるいは下限温度TL4を超え、かつ該下限温度TL4より高い第2の温度TS4以下の時には、第1の監視情報L1が直ちに作動監視制御手段6から出力される。また、生乳の温度が上限温度TU4以上、あるいは下限温度TL4以下の時には、前記第1の監視情報L1より緊急度の高い第2の監視情報L2が直ちに作動監視制御手段6から出力される。なお、前記下限温度TL4と第2の温度TS4とは、等しくてもよい。一度監視情報が出力されると、所定時間が経過するまで同一の監視情報は出力されない。時刻t4以降は、保冷処理PS3(図12参照)が開始される。
【0087】
例えば、符号イで示す受け入れ監視処理では、(搾乳開始時刻ts)から時刻t4の第4の時間が経過するまで以下のような処理がなされる。即ち、第1の時間経過内で予め定められた上限温度TU1、下限温度TL1、第1の温度TF1、第2の温度TS1を参照して、生乳の温度が前記温度のどこにあるか比較される。図9においては、生乳の温度は、搾乳開始時刻tsから点P0で示す時刻まで上限温度TU1以上である。かかる場合には搾乳開始時刻tsに第2の監視情報L2が直ちに出力される。また、搾乳開始時刻tsには酪農家がバルククーラー2の傍にいて監視している場合が多く、かかる場合には、搾乳開始直後の前記第2の監視情報L2は出力しないようにしてもよい。かかる処理は、前記洗浄処理同様に、受け入れ監視処理の開始を遅らせるようにプログラムしてもよい。
【0088】
点P0で示す時刻から点P1で示す時刻までは、生乳の温度は、上限温度TU1未満であるが第1の温度TF1以上である。かかる場合には点P0で示す時刻に第1の監視情報L1が直ちに出力される。さらに点P1で示す時刻から点P2で示す時刻までは、生乳の温度は、第1の温度TF1未満であって、第2の温度TS1を超えている。かかる場合には監視情報は出力されない。しかし、点P2で示す時刻から点P3で示す時刻までは、生乳の温度は、第2の温度TS1以下であるが下限温度TL1を超えている。かかる場合には点P2で示す時刻に第1の監視情報L1が直ちに出力される。そして点P3で示す時刻から時刻t1までは、生乳の温度は、下限温度TL1以下である。かかる場合には点P3で示す時刻に第2の監視情報L2が直ちに出力される。前記何れの場合においても一度監視情報が出力されると、所定時間(例えば5分)が経過するまで同一の監視情報は出力されない。以下同様にして、第2の時間、第3の時間、第4の時間が経過するまで、それぞれの時間内において定められた上限温度TUn、下限温度TLn、第1の温度TFn、第2の温度TSnを参照して、生乳の温度が前記温度のどこにあるか比較される。但し、n=2、3、4である。
【0089】
次に保冷監視処理PS3(図12参照)について図10により説明する。符号イ、ロ、ハは、保冷監視処理の例を示すものである。初回または次回以降の受け入れ処理後の時刻tsから、次回受け入れ処理または集乳が開始される時刻teまでの間に、生乳の温度が上限温度TU未満であって該上限温度TUより低い第1の温度TF以上、あるいは下限温度TLを超え、かつ該下限温度TLより高い第2の温度TS以下の時には、第1の監視情報L1が直ちに作動監視制御手段6から出力される。また、生乳の温度が上限温度TU以上、あるいは下限温度TL以下の時には、前記第1の監視情報L1より緊急度の高い第2の監視情報L2が直ちに作動監視制御手段6から出力される。一度監視情報が出力されると、所定時間が経過するまで同一の監視情報は出力されない。なお、前記下限温度TLと第2の温度TSとは、等しくてもよい。
【0090】
例えば、符号イで示す保冷監視処理では、前記初回または次回以降の受け入れ処理後の時刻ts後、生乳の温度が、点P0で示す時刻に、前記上限温度TU未満であって該上限温度TUより低い第1の温度TF以上となり、その後、点P1で示す時刻に上限温度TU以上になり、時刻teで次回受け入れ処理または集乳が開始されるものである。かかる場合、点P0で示す時刻に第1の監視情報得L1が直ちに作動監視制御手段6から出力される。また、点P1で示す時刻に第2の監視情報得L2が直ちに作動監視制御手段6から出力される。前記何れの場合においても一度監視情報が出力されると、所定時間(例えば5分)が経過するまで同一の監視情報は出力されない。
【0091】
符号ロで示す保冷監視処理では、前記初回または次回以降の受け入れ処理後の時刻ts後、次回受け入れ処理または集乳が開始されるまで、生乳の温度は、前記第1の温度TF未満であって、第2の温度TSを超えているので監視情報は作動監視制御手段6から出力されない。
【0092】
符号ハで示す保冷監視処理では、前記初回または次回以降の受け入れ処理後の時刻ts後、生乳の温度は点P2で示す時刻に前記第2の温度TS以下であって前記下限温度TLを超えており、その後、点P3で示す時刻に下限温度TL以下になり、時刻teで次回受け入れ処理または集乳が開始されるものである。かかる場合、点P2で示す時刻に第1の監視情報L1が直ちに作動監視制御手段6から出力される。また、点P3で示す時刻に第2の監視情報L2が直ちに作動監視制御手段6から出力される。前記何れの場合においても一度監視情報が出力されると、所定時間(例えば5分)が経過するまで同一の監視情報は出力されない。
【0093】
環境監視処理は、前記保冷処理のように、初回または次回以降の受け入れ処理後から次回受け入れ処理または集乳が開始される時刻teまでの間の処理が監視されるものではなく、常時監視されるものである。前記保冷処理とは、監視時間と監視温度が図7に示すように異なるのみで、判定処理は同様であり、その説明を省略する。
【0094】
以下、作動監視制御手段6の動作について図11を用いて説明する。なお、バルククーラー2の洗浄、受け入れ、保冷の動作は、バルククーラー制御手段1により周知の方法でなされるものであり、その説明を省略する。前記各監視処理に先立ち、温度測定手段4により、バルククーラー2内の洗浄液、排液、生乳の温度、及びバルククーラー2が設置されている室内の温度がA/D変換器5によりディジタル信号に変換されている。なお、温度測定手段4は、洗浄処理において洗浄液、排液の温度をそれぞれ測定し、受け入れ監視処理、保冷監視処理において生乳の温度を測定し、また環境監視処理においてバルククーラー2が設置されている室内の温度を測定する。
【0095】
測定された前記温度データは、作動監視制御手段6内部のデータ格納手段であるRAMに格納される(ステップS1)。測定された温度データと共に測定された時刻も格納するようにしてもよい。時刻データを得ることにより、障害が発生した時の管理情報として使用できるほか、周知のHACCPシステムに使用することができる。前記温度データが格納される速度は、監視処理に支障のない速度、例えば、1ポイント/1乃至5分であればよい。かかる場合、集乳された生乳を2日に1回収集するものとすると、48時間分のデータを蓄積できればよく、1つの温度測定手段4について最大2880ポイントのデータ格納容量があればよい。この容量は、通常の低価格のデータロガーでも実現できる容量であり、RAM容量の少ないパソコンを用いて低価格な乳温管理装置の作動監視装置を実現することができる。
【0096】
バルククーラー制御手段1が接続されている信号線1aを介してバルククーラー制御手段1からバルククーラー2の状態、即ち、バルククーラー2の洗浄工程、生乳の受け入れ工程、あるいは生乳の保冷工程の何れかの状態信号が作動監視制御手段6に送信されるものとして説明するが、これ以外に、作動監視制御手段6とバルククーラー制御手段1を接続せず、バルククーラー制御手段1の制御状態に応じて操作者がキーボード8からコマンドを入力し、あるいはファンクションキーを押下して前記作動監視制御プログラムを起動するようにしてもよい。
【0097】
バルククーラー制御手段1から送信されたバルククーラー2の状態、即ち、バルククーラー2の洗浄工程、生乳の受け入れ工程、あるいは生乳の保冷工程の何れかの状態信号が受信されると、洗浄監視処理、受け入れ監視処理、保冷監視処理、環境監視処理の各処理プログラムが作動監視制御手段6により実行される。
なお、前記ステップS1のデータ格納処理は、洗浄監視処理、受け入れ監視処理、保冷監視処理の各処理プログラムが実行されると同時に開始するようにしてもよい。また、前記洗浄監視処理、受け入れ監視処理、保冷監視処理の各処理プログラムは、それぞれ単独に実行できるようにしてもよく、あるいは、洗浄監視処理と、複数回の受け入れ監視処理及び保冷監視処理を連続して実行するようにしてもよい。さらに、環境監視処理は、前記各処理と平行してなされるようにマルチタスク処理されることが望ましく、又、バルククーラー制御手段1から送信されたバルククーラー2の状態に応じて開始される洗浄監視処理、受け入れ監視処理、保冷監視処理の各処理プログラムとは独立して、常時作動しているようにしてもよい。
【0098】
まず、洗浄監視処理について説明する。なお、上記のようなバルククーラー2を用いた乳温管理装置は、洗浄工程においては、通常、集乳後にぬるま湯洗浄(水洗工程)、アルカリ洗浄(アルカリ洗浄工程)及び酸洗浄(酸洗浄工程)、すすぎ、殺菌剤循環(殺菌工程)がなされ、前記各工程において、所定の処理がなされる。通常、通常水洗、アルカリ洗浄は毎回行われ、酸洗浄はアルカリ洗浄2乃至3回毎に1回の頻度でアルカリ洗浄後に行なわれることが多い。以下洗浄監視処理及び、洗浄工程における作動を監視する、作動監視方法の説明では、前記アルカリ洗浄について説明するが、酸洗浄工程についても投入される液が酸性液である点を除き、アルカリ洗浄同様の監視処理であるので、酸洗浄については説明を省略する。また、通常水洗工程、殺菌工程での処理については、監視処理はなされない。洗浄監視処理では、まずステップS5において、洗浄の終了を判定する。かかる判定は、状態信号を判別して洗浄が終了するまで待つようにしてもよく、あるいは、洗浄時間が予め分っている場合には、作動監視制御手段6内のタイマーで洗浄時間t4を監視してもよい。
【0099】
洗浄が終了していない場合にはステップS6に進み、乳温管理装置内の洗浄液と排液の温度を測定し、該温度をそれぞれ定められた上限温度と下限温度とにより判定し、それぞれ独立した第1の監視情報と第2の監視情報が後述するように出力される。該データの判別処理は、作動監視制御手段6内の比較処理プログラム(比較手段)で以下のようになされる。即ち、ROM内に格納されている、図7に示したような判別条件(監視時間欄、監視温度欄及び監視情報欄の(t4)、(TU、TL))の作動監視データと、前記乳温管理装置内の洗浄液と排液の温度データとが逐次比較される。温度データが逐次比較される結果、該温度データをRAMに格納しなくてもよく、かかる場合にはRAM容量が低減できる。なお、後日の管理データとして該温度データをRAMに格納してもよい。また、温度データが逐次比較されることによって、洗浄液と排液の温度がすぐに得られ、洗浄時の障害の発生が迅速に感知できる。
【0100】
前記比較処理プログラムにより、洗浄開始から、終了までの間、洗浄液と排液の温度が、予め定められた上限温度TUを超えている(正常)か、該上限温度TU以下であって下限温度TLを超えている、あるいは下限温度TL以下(異常)にあるかを判定する。そして異常の場合にはステップS7に進み、正常の場合には前記ステップS6の判定を繰り返す。ステップS7では、上限温度TU以下であって下限温度TLを超える場合には第1の監視情報「注意」が作成され、下限温度TL以下の場合には第2の監視情報「警告」が作成されて、それぞれRAMに格納されて、ステップS25に進む。
【0101】
以下のステップS25以下の処理は、当該洗浄監視処理以外の、受け入れ監視処理、保冷処理、環境監視処理にも共通に使用される。ステップS25において、前記監視情報を携帯電話機11に送信するにあたり、送信回数をゼロにして、ステップS26で待機タイマーをセットする。該待機タイマーは、前記第1の監視情報又は第2の監視情報を携帯電話機11に送信後、所定の時間経過しても前記第1の監視情報又は第2の監視情報が消去されない時に、再度、前記第1の監視情報又は第2の監視情報を携帯電話機11に送信するためのタイマーであって、例えば5分間の待機時間を設定する。該再送信は、作動監視制御手段6内の再送信プログラム(再送信手段)で以下のようになされる。
【0102】
即ち、ステップS26からステップS27に進み、該ステップS27において、前記作成された第1の監視情報又は第2の監視情報と共に、送信時の時刻、送信回数、監視処理の種別が含まれている情報を携帯電話機11に周知の電子メールで送信し、前記待機タイマーをスタートする。ステップS28では前記待機タイマーがタイムアップしたかを監視し、所定の待機時間が経過した場合ステップS29に進む。ステップS29では、第1の監視情報又は第2の監視情報を送信後の携帯電話機11からの応答を監視する。そして携帯電話機11から応答があった場合には前記第1の監視情報又は第2の監視情報が消去される。ここで、携帯電話機11からの応答とは、前記ステップS27にて送信された電子メールを酪農家が見たことを作動監視制御手段6に通知するものである。かかる通知は、携帯電話機11から送信された電子メールを解読するプログラムを作動監視制御手段6に格納し、このプログラムの実行により電子メールで送信された第1の監視情報又は第2の監視情報と共に、送信時の時刻、送信回数、監視処理の種別が含まれている情報の内容を解読し、酪農家からの通知であると判断するようにしてもよい。あるいは、携帯電話機11から応答せずに、作動監視制御手段6のキーボードあるいは、ファンクションキーを押下して電子メールを見たことを作動監視制御手段6に入力するようにしてもよい。
【0103】
ステップS29において前記第1の監視情報又は第2の監視情報が消去されていない場合には、ステップS30に進み、前記携帯電話機11に送信した回数を+1し、ステップS26に戻る。なお、前記ステップS30において、予め定められた送信回数に達した場合、あるいは、送信回数に関係なくステップS27において監視情報を送信するときに、作動監視制御手段6によって図示していないサイレンあるいは、ランプなどで異常であることを報知するようにしてもよい。
また、送信回数は、第1の監視情報と第2の監視情報とで同一として管理してもよく、あるいは第1の監視情報と第2の監視情報それぞれ別に管理してもよい。
【0104】
ステップS29において前記第1の監視情報又は第2の監視情報が消去されている場合には、ステップS31に進む。ステップS31更にステップS24は、後述する受け入れ監視処理で使用され、当該洗浄監視処理ではスキップされ、ステップS5に戻り洗浄の終了を判定する。ステップS5において洗浄が終了している場合には洗浄監視処理を終了し、その後、生乳が投入される場合には受け入れ監視処理が行なわれる。
【0105】
次に、受け入れ監視処理について説明する。該受け入れ監視処理において、作動監視制御手段6により、ステップS8で初回受け入れ処理かが判定され、初回受け入れ処理の場合にはステップS10に進み、次回受け入れ処理の場合にはステップS9に進む。ステップS10では、初回受け入れ処理か次回受け入れ処理かによって、それぞれ異なる監視タイマーがセットされる。例えば、初回受け入れ処理の場合には、図7で示した監視時間t2(30分)、監視時間t3(30分)、監視時間t4(60分)、がROMから読み出され、それぞれ別々のタイマーに設定される。なお、監視時間t1は、酪農家の規模により異なり、監視タイマーを設けて予め酪農家の規模に応じて監視時間t1を設定するようにしてもよく、あるいは、搾乳終了時にキーボード8等から搾乳終了コマンドを入力するようにしてもよい。また、次回受け入れ処理の場合には、図7で示した監視時間t2(60分)、監視時間t3(60分)がROMから読み出され、それぞれ別々のタイマーに設定される。初回受け入れ処理同様に、監視時間t1は、酪農家の規模により異なり、監視タイマーを設けて予め酪農家の規模に応じて監視時間t1を設定するようにしてもよく、あるいは、搾乳終了時にキーボード8等から搾乳終了コマンドを入力するようにしてもよい。
【0106】
そして、ステップS11で前記監視時間t1の監視タイマーがスタートされ、ステップS12に進み、バルククーラー2内の生乳の温度が監視される。ステップS12では、所定時間が終了するまでの間、生乳の温度を判定し、異常の場合にはステップS13に進み、正常の場合にはステップS12に戻り、引き続いて生乳の温度が作動監視制御手段6内の比較処理プログラム(比較手段)で判定される。
【0107】
即ち、前記ステップS10で設定されたタイマーが作動している間の前記監視時間t1内において、予め定められた上限温度TU未満であって該上限温度TUより低い第1の温度TF以上、あるいは下限温度TLを超え、かつ該下限温度TLより高いか等しい第2の温度TS以下(以下第1基準と称する)であるかが判定され、この第1基準になった時にステップS13に進む。また、予め定められた上限温度TU以上あるいは下限温度TL以下(以下第2基準と称する)であるかが判定され、この第2基準になった時にもステップS13に進む。なお、ステップS12で生乳の温度を監視している間にステップS10で設定されたタイマーがタイムアップした場合には、ステップS10に戻り、それぞれの監視時間内において予め定められた監視温度(TU、TL、TF、TS)に応じてバルククーラー2内の生乳の温度が監視される。
【0108】
ステップS13では、前記第1基準の時に第1の監視情報が、第2基準の時に第2の監視情報が作成され、作動監視制御手段6のRAMに格納されるとともに、ステップS25に進む。ステップS25以降は、ステップS31を除いて前記洗浄監視処理で説明したのと同様な処理がなされる。即ち、監視時間t1においては、生乳の搾乳開始から、終了までの時間t1の間に、前記第1基準または、第2基準になったかが判定される。ステップS13で監視情報が作成されると、前記洗浄監視処理で述べたステップS25以降の処理がなされ、ステップS27では、前記ステップS13で作成された監視情報が作動監視制御手段6から直ちに出力される。当該受け入れ監視処理では、ステップS31の処理が以下のようにしてなされる。即ち、ステップS31では、前記ステップS10でセットされ、ステップS11でスタートされた監視タイマーの終了判定がなされ、該タイマーが終了している場合にはステップS24に進み、それ以外にはステップS12に戻りバルククーラー2内の生乳の温度が監視され、データの判定が続けられる。
【0109】
ステップS24では、監視タイマーをクリアして受け入れ監視処理に戻る。そして、ステップS8に進み、前記同様にして、初回受け入れ処理の場合にはステップS10に進む。前記監視時間t1の監視タイマーに続いて監視時間t2の監視タイマーが選択され、設定される。その後、生乳の搾乳が終了してから、時間t2までの間、前記第1基準または、第2基準になったかが判定される。以下、時間t2が経過してから時間t3まで、時間t3が経過してから時間t4まで、前記同様にステップS11以降の処理が繰り返されて全ての監視タイマーが使用されて初回受け入れ処理が終了する。初回受け入れ処理が終了した場合には、後述する保冷監視処理に進む。また、次回受け入れ処理が開始されると、次回受け入れ処理用の監視タイマーが前記と同様にしてステップS9で順次選択され、設定され、初回受け入れ処理と同様な処理がなされる。
【0110】
次に、保冷監視処理について説明する。該保冷監視処理は、前記受け入れ監視処理が終了すると開始される。該保冷監視処理においては、ステップS18で当該処理の終了が判定される。該終了判定は、次回受け入れ処理が開始された時、あるいは、集乳が開始された時に保冷監視処理が終了したと判定される。かかる次回受け入れ処理が開始された時、あるいは、集乳が開始された時の信号は、バルククーラー制御手段1から送信されたバルククーラー2の状態信号を検知してもよく、あるいは、バルククーラー制御手段1の制御状態に応じて操作者がキーボード8からコマンドを入力し、あるいはファンクションキーを押下して前記終了判定をするようにしてもよい。保冷監視処理が終了した場合には当該処理を終了し、それ以外はステップS19に進み、生乳の温度を判定し、異常の場合にはステップS20に進み、正常の場合にはステップS19に戻り、引き続いて生乳の温度が作動監視制御手段6内の比較処理プログラム(比較手段)で判定される。
【0111】
即ち、前記ステップS19で、予め定められた上限温度TU未満であって該上限温度TUより低い第1の温度TF以上、あるいは下限温度TLを超え、かつ該下限温度TLより高いか等しい第2の温度TS以下(以下第1基準と称する)であるかが判定され、この第1基準になった時にステップS20に進む。また、予め定められた上限温度TU以上、あるいは下限温度TL以下(以下第2基準と称する)であるかが判定され、この第2基準になった時にもステップS20に進む。
【0112】
ステップS20では、前記第1基準の時に第1の監視情報が、第2基準の時に第2の監視情報が作成され、作動監視制御手段6のRAMに格納されるとともに、ステップS25に進み、前記洗浄監視処理で述べたステップS25以降の処理がなされ、ステップS27では、前記ステップS20で作成された監視情報が作動監視制御手段6から直ちに出力される。当該保冷監視処理では、ステップS31、ステップS24の処理は、スキップされる。
【0113】
以下、第2の実施形態におけるバルククーラー2の洗浄工程における作動を監視する、作動監視方法について以下に説明する。作動監視制御手段6によりバルククーラー2の洗浄工程において、その作動が以下のようにして監視される。該洗浄監視工程では、洗浄開始から終了までの間、洗浄液と排液の温度データを温度測定手段4により得る。前記温度データは、作動監視制御手段6のデータ格納手段の一つであるRAMに格納される。データ格納手段の一つであるROMに予め格納されている図7に示した監視温度と前記バルククーラー2内の洗浄液及び排液の前記温度データとが、作動監視制御手段6の比較処理プログラム(比較手段)で比較される。前記洗浄液と排液の温度が、それぞれ定められた上限温度TU(例えば洗浄液は70℃、排液は40℃)以下であって下限温度TL(例えば洗浄液は65℃、排液は35℃)を超えている場合には第1の監視情報を、前記下限温度TL以下となっている場合には前記第1の監視情報より緊急度の高い第2の監視情報が作成され、第1の監視情報又は第2の監視情報と共に、送信時の時刻、送信回数、監視処理の種別が含まれている情報が携帯電話機11に電子メールで送信されてバルククーラー2の洗浄工程における作動が監視される。
【0114】
次に、第2の実施形態におけるバルククーラー2の受け入れ監視工程における作動を監視する、作動監視方法について以下に説明する。作動監視制御手段6により受け入れ監視工程において、その作動は以下のようにして監視される。該受け入れ監視工程では、バルククーラー2に生乳を投入開始後、バルククーラー2内の生乳の温度データが作動監視制御手段6のRAMに格納される。バルククーラー2に生乳を初回投入及び次回以降投入開始後において、前述したようなタイマー監視が開始される。バルククーラー2内の生乳の温度を前記温度測定手段4により得て、データ格納手段の一つであるROMに予め格納されている図7に示した監視温度と前記バルククーラー2内の生乳の温度データとが、作動監視制御手段6の比較処理プログラム(比較手段)で比較される。
【0115】
前記タイマー監視されている時間内において予め定められた上限温度TU未満であって該上限温度より低い第1の温度TF以上、あるいは下限温度TLを超え、かつ該下限温度TLより高いか等しい第2の温度TS以下である場合に第1の監視情報が作成される。また、前記タイマー監視されている時間内において予め定められた上限温度TU以上または下限温度TL以下である場合に第1の監視情報より緊急度の高い第2の監視情報が作成される。前記作成された情報は、送信時の時刻、送信回数、監視処理の種別が含まれている情報と共に携帯電話機11に電子メールで送信されてバルククーラー2の受け入れ工程における作動が監視される。
【0116】
次に、第2の実施形態におけるバルククーラー2の保冷監視工程における作動を監視する、作動監視方法について以下に説明する。作動監視制御手段6により保冷監視工程において、その作動は以下のようにして監視される。該保冷監視工程では、バルククーラー2に生乳を投入完了後の所定時間(例えば2時間)経過後から次回搾乳開始あるいは集乳までの間、バルククーラー2内の生乳の温度を前記温度測定手段4により得て、データ格納手段の一つであるROMに予め格納されている図7に示した監視温度と前記バルククーラー2内の生乳の温度データとが、作動監視制御手段6の比較処理プログラム(比較手段)で比較される。
【0117】
予め定められた上限温度TU(例えば7℃)未満であって該上限温度より低い第1の温度(例えば6℃)以上、あるいは下限温度(例えば2℃)を超え、かつ該下限温度より高いか等しい第2の温度(例えば3℃)以下である場合に第1の監視情報が、予め定められた前記上限温度以上、または下限温度以下である場合に第1の監視情報より緊急度の高い第2の監視情報が作成される。前記作成された情報は、送信時の時刻、送信回数、監視処理の種別が含まれている情報と共に携帯電話機11に電子メールで送信されてバルククーラー2の保冷監視工程における作動が監視される。
【0118】
前記第1の実施形態、第2の実施形態において、作動監視制御手段の近くに操作者がいる場合には前記第1の監視情報の送信をせず、前記第2の監視情報のみを送信するようにしてもよい。あるいは、前記第1の監視情報又は第2の監視情報は、何れか一方、あるいは両方を送信するようにしてもよい。かかる場合には操作者が、処理が開始される前に予めキーボード8からコマンドを入力し、あるいは送信する前記第1の監視情報又は第2の監視情報を決定するファンクションキーを押下して決定してもよい。更に、搾乳終了時間は、酪農家の乳牛の数により異なるので、処理が開始される前に予めキーボード8から搾乳終了時間を入力し、あるいは搾乳終了時間を決定するファンクションキーを選択して押下してもよい。また、夏期などの温度が高温の時には監視温度範囲を狭めてもよく、かかる変更を周囲温度の変化により行うようにしてもよい。
【0119】
【発明の効果】
本発明の乳温管理装置の作動監視装置によれば、作動監視制御手段には周知のパーソナルコンピュータを使用し携帯電話機等の携帯通信端末に電子メールを送信することにより、既に設置されている乳温管理装置を改造する必要がないか、あるいはその改造を少なくすることができる。また、その通知形態が、周知の電子メールであることから、周知のプログラムを使用でき、作動監視装置のプログラム開発が容易になる。更に、近年の携帯電話機及びパーソナルコンピュータは低価格であり、乳温管理装置の作動監視装置が低価格に実現できる。そして常に携帯されている携帯電話機に乳温管理装置の異常を通知することで事故を未然に防止でき、本装置により生乳が腐敗するなどして酪農家等に多大な損害を被ることが防止される。
【0120】
また、本発明の乳温管理装置の作動監視方法によれば、動作態様に応じて監視処理を、乳温管理装置の洗浄時の作動を監視する洗浄監視処理、前記乳温管理装置の生乳受け入れ時の作動を監視する受け入れ監視処理、前記乳温管理装置の生乳受け入れ後の保冷時の作動を監視する保冷監視処理、乳温管理装置が設置されている周囲温度を監視する環境監視処理とに分けた。そして、各監視処理に応じて独立した監視時間と監視温度を設定し、それぞれの処理毎に監視情報を作成する。そして、乳温管理装置の作動が異常になった時には、携帯電話機に直ちに、あるいは所定時間経過時に通報することにより、酪農家が乳温管理装置から離れた場所にいても乳温管理装置の作動状態に対応した異常を知ることができる。その結果、バルククーラーに収納されている生乳が腐敗するなどして酪農家等に多大な損害を被ることが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における作動監視制御手段で使用するデータ構造を説明する図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における洗浄監視処理の説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における受け入れ監視処理の説明図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における保冷監視処理の説明図である。
【図6】本発明の第1の実施形態における動作を説明するフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施形態における作動監視制御手段で使用するデータ構造を説明する図である。
【図8】本発明の第2の実施形態における洗浄監視処理の説明図である。
【図9】本発明の第2の実施形態における受け入れ監視処理の説明図である。
【図10】本発明の第2の実施形態における保冷監視処理の説明図である。
【図11】本発明の第2の実施形態における動作を説明するフローチャートである。
【図12】従来のバルククーラーを用いた生乳の乳温管理工程を説明する図である。
【符号の説明】
1 バルククーラー制御手段
2 バルククーラー
3 生乳
4 温度測定手段
5 A/D変換器
6 パーソナルコンピュータ
7 表示手段
8 キーボード
9 モデム
10 インターネット接続網
11 通信端末
12 プリンタ
13 工場、検査機関

Claims (20)

  1. 乳温管理装置内の生乳等の液体の温度を測定する温度測定手段を備えると共に、通信端末とのデータの送受信手段、データ格納手段及び比較手段を有する作動監視制御手段を備え、前記データ格納手段は、前記温度測定手段から得た温度データと、監視時間、監視温度及び監視情報を含む作動監視データが格納されており、前記比較手段は、前記データ格納手段に格納されている前記温度測定手段から得たデータと前記作動監視データを比較する機能を有し、前記作動監視制御手段は、前記乳温管理装置の洗浄時の作動を監視する洗浄監視処理と、前記乳温管理装置の生乳受け入れ時の作動を監視する受け入れ監視処理と、前記乳温管理装置の生乳受け入れ後の保冷時の作動を監視する保冷監視処理とを行い、前記それぞれの監視処理に応じて前記温度測定手段から得た温度データが、前記監視時間において前記監視温度以外あるいは以内の時に、前記乳温管理装置の作動状態を表す第1の監視情報あるいは/及び前記第1の監視情報より緊急度の高い第2の監視情報を作成し、前記通信端末に監視情報を送信することを特徴とする乳温管理装置の作動監視装置。
  2. 前記作動監視制御手段は、前記第1の監視情報又は第2の監視情報を通信端末に送信後、該通信端末からの応答に応じて前記第1の監視情報又は第2の監視情報を消去することを特徴とする請求項1に記載の乳温管理装置の作動監視装置。
  3. 前記作動監視制御手段は、前記第1の監視情報又は第2の監視情報を通信端末に送信後、所定の時間経過しても前記第1の監視情報又は第2の監視情報が消去されない時に、再度、前記第1の監視情報又は第2の監視情報を通信端末に送信する再送信手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の乳温管理装置の作動監視装置。
  4. 前記通信端末に送信される監視情報は、送信時の時刻が含まれていることを特徴とする請求項1又は3に記載の乳温管理装置の作動監視装置。
  5. 前記通信端末に送信される監視情報は、送信回数が含まれていることを特徴とする請求項1又は3、4に記載の乳温管理装置の作動監視装置。
  6. 前記通信端末に送信される監視情報は、電子メールで送信されることを特徴とする請求項1乃至5に記載の乳温管理装置の作動監視装置。
  7. 前記洗浄監視処理における第1の監視情報は、洗浄開始後から洗浄終了時までの間に乳温管理装置内の液体の温度が作動監視データに予め定められた上限温度以下であって下限温度を超える場合、洗浄終了時に作動監視制御手段から出力される監視情報であり、第2の監視情報は、洗浄開始後から洗浄終了時までの間に乳温管理装置内の液体の温度が前記下限温度以下の場合、洗浄終了時に作動監視制御手段から出力される監視情報であることを特徴とする請求項1に記載の乳温管理装置の作動監視装置。
  8. 前記受け入れ監視処理における第1の監視情報は、乳温管理装置に生乳を投入開始後、所定時間経過時の乳温管理装置内の生乳の温度が、前記所定時間内で作動監視データに予め定められた上限温度以上、あるいは下限温度以下である場合に前記所定時間経過時に作動監視制御手段から出力される監視情報であり、第2の監視情報は、前記乳温管理に生乳を投入開始後の前記所定時間より長い時間経過時の生乳の温度が、前記所定時間より長い時間内で予め定められた上限温度以上、あるいは下限温度以下である場合に前記所定時間より長い時間経過時に作動監視制御手段から出力される第1の監視情報より緊急度の高い監視情報であることを特徴とする請求項1に記載の乳温管理装置の作動監視装置。
  9. 前記保冷監視処理における監視情報は、乳温管理装置内の生乳の温度が、乳温管理装置に生乳を投入完了後、当該保冷監視処理内で作動監視データに予め定められた下限温度以下または上限温度以上になった後の所定時間経過時に、前記下限温度以下、あるいは上限温度以上の時に作動監視制御手段から出力される監視情報であることを特徴とする請求項1に記載の乳温管理装置の作動監視装置。
  10. 前記洗浄監視処理における第1の監視情報は、乳温管理装置内の液体の温度が当該洗浄監視処理内で作動監視データに予め定められた上限温度以下であって下限温度を超える場合に作動監視制御手段から直ちに出力される監視情報であり、第2の監視情報は、乳温管理装置内の液体の温度が前記下限温度以下の場合に作動監視制御手段から直ちに出力される監視情報であることを特徴とする請求項1に記載の乳温管理装置の作動監視装置。
  11. 前記乳温管理装置内の液体の温度は、洗浄液と排液の温度であって、該洗浄液と排液には上限温度と下限温度とがそれぞれ定められており、前記洗浄液と排液とは、前記それぞれの上限温度と下限温度とにより、それぞれ独立した第1の監視情報と第2の監視情報が出力されることを特徴とする請求項10に記載の乳温管理装置の作動監視装置。
  12. 前記受け入れ監視処理における第1の監視情報は、乳温管理装置内の生乳の温度が、該乳温管理装置に生乳を投入開始後の所定時間が経過するまでの間に、当該受け入れ監視処理時間内で作動監視データに予め定められた上限温度未満であって該上限温度より低い第1の温度以上、あるいは下限温度を超え、かつ該下限温度より高いか又は等しい第2の温度以下である場合に作動監視制御手段から直ちに出力される監視情報であり、第2の監視情報は、乳温管理装置内の生乳の温度が、該乳温管理装置に生乳を投入開始後の所定時間が経過するまでの間に、当該受け入れ監視処理時間内で作動監視データに予め定められた上限温度以上、または下限温度以下である場合に作動監視制御手段から直ちに出力される第1の監視情報より緊急度の高い第2の監視情報であることを特徴とする請求項1に記載の乳温管理装置の作動監視装置。
  13. 前記乳温管理装置に生乳を投入開始後の所定時間は、生乳の初回受け入れ時は、生乳の搾乳開始から終了までの第1の時間と、該第1の時間経過後から30分を経過した第2の時間と、該第2の時間経過後から30分経過後の第3の時間と、該第3の時間経過後から60分経過後の第4の時間であり、生乳の次回以降受け入れ時は、生乳の搾乳開始から終了までの第1の時間と、該第1の時間経過後から60分を経過した第2の時間と、該第2の時間経過後から60分経過後の第3の時間であることを特徴とする請求項12に記載の乳温管理装置の作動監視装置。
  14. 前記保冷監視処理における第1の監視情報は、乳温管理装置内の生乳の温度が、乳温管理装置に生乳を投入完了後の所定時間経過後から次回搾乳開始あるいは集乳開始までの間に、当該保冷監視処理時間内で作動監視データに予め定められた上限温度未満であって該上限温度より低い第1の温度以上、あるいは下限温度を超え、かつ該下限温度より高いか又は等しい第2の温度以下である場合に作動監視制御手段から直ちに出力される監視情報であり、第2の監視情報は、乳温管理装置内の生乳の温度が、乳温管理装置に生乳を投入完了後の所定時間経過後から次回搾乳開始あるいは集乳開始までの間に、当該保冷監視処理時間内で作動監視データに予め定められた上限温度以上、または下限温度以下である場合に作動監視制御手段から直ちに出力される第1の監視情報より緊急度の高い第2の監視情報であることを特徴とする請求項1に記載の乳温管理装置の作動監視装置。
  15. 乳温管理装置内の生乳等の液体の温度を測定する温度測定手段を備えると共に、データ格納手段、比較手段、通信端末とのデータの送受信手段を有する作動監視制御手段を備え、該作動監視制御手段は、乳温管理装置の洗浄時の作動を洗浄監視工程により監視し、該洗浄監視工程では洗浄開始から終了までの間、乳温管理装置内の温度データを前記温度測定手段により得てデータ格納手段に格納し、洗浄終了時にデータ格納手段内に予め格納されている監視温度と前記乳温管理装置内の温度データとを比較し、前記乳温管理装置内の温度データが監視温度である上限温度以下であって、下限温度を超える場合には第1の監視情報を、前記下限温度以下である場合には前記第1の監視情報より緊急度の高い第2の監視情報を前記通信端末に送信して前記乳温管理装置の洗浄時の工程における作動を監視することを特徴とする乳温管理装置の作動監視方法。
  16. 乳温管理装置内の生乳等の液体の温度を測定する温度測定手段を備えると共に、データ格納手段、比較手段、通信端末とのデータの送受信手段を有する作動監視制御手段を備え、該作動監視制御手段は、前記乳温管理装置の生乳受け入れ時の作動を受け入れ監視工程で監視し、該受け入れ監視工程では乳温管理装置に生乳を投入開始後、乳温管理装置内の生乳の温度を前記温度測定手段により得て、データ格納手段内に予め格納されている監視温度と所定時間経過時における乳温管理装置内の生乳の温度とを比較手段で比較し、前記乳温管理装置内の生乳の温度が、所定時間内で予め定められた監視温度である上限温度以上、あるいは下限温度以下である場合に前記所定時間経過時に第1の監視情報を通信端末に送信し、
    前記乳温管理装置に生乳を投入開始後、乳温管理装置内の生乳の温度を前記温度測定手段により得て、データ格納手段内に予め格納されている監視温度と前記所定時間より長い時間経過時における乳温管理装置内の生乳の温度とを比較手段で比較し、前記生乳の温度が前記所定時間より長い時間経過時において前記所定時間より長い時間内で予め定められた監視温度である上限温度以上、あるいは下限温度以下の時に前記第1の監視情報より緊急度の高い第2の監視情報を前記所定時間より長い時間経過時に通信端末に送信して前記乳温管理装置の受け入れ監視工程における作動を監視することを特徴とする乳温管理装置の作動監視方法。
  17. 乳温管理装置内の生乳等の液体の温度を測定する温度測定手段を備えると共に、データ格納手段、比較手段、通信端末とのデータの送受信手段を有する作動監視制御手段を備え、該作動監視制御手段は、前記乳温管理装置の生乳保冷時の作動を保冷監視工程で監視し、該保冷監視工程では、乳温管理装置に生乳を投入完了後の乳温管理装置内の生乳の温度を前記温度測定手段により得て、データ格納手段内に予め格納されている監視温度と所定時間経過時における乳温管理装置内の生乳の温度とを比較手段で比較し、前記乳温管理装置内の生乳の温度が当該保冷監視処理内で予め定められた監視温度である上限温度以上、あるいは下限温度以下の場合に、その後、所定時間の経過を監視し、該所定時間の経過時においても前記上限温度以上、あるいは下限温度以下の場合に緊急度の高い監視情報を前記所定時間の経過時に通信端末に送信して前記乳温管理装置の保冷監視工程における作動を監視することを特徴とする乳温管理装置の作動監視方法。
  18. 乳温管理装置内の生乳等の液体の温度を測定する温度測定手段を備えると共に、データ格納手段、比較手段、通信端末とのデータの送受信手段を有する作動監視制御手段を備え、該作動監視制御手段は、乳温管理装置の洗浄時の作動を洗浄監視工程により監視し、該洗浄監視工程では洗浄開始から終了までの間、前記乳温管理装置内の洗浄液と排液の温度データを前記温度測定手段により得ると共に、データ格納手段内に予め格納されている監視温度と洗浄液及び排液の温度データとを、それぞれ比較し、前記洗浄液と排液の温度が、それぞれ当該洗浄処理時間内で予め定められた監視温度である上限温度以下であって下限温度を超えた場合には第1の監視情報を、前記下限温度以下の場合には前記第1の監視情報より緊急度の高い第2の監視情報を直ちに通信端末に送信して前記乳温管理装置の洗浄時の工程における作動を監視することを特徴とする乳温管理装置の作動監視方法。
  19. 乳温管理装置内の生乳等の液体の温度を測定する温度測定手段を備えると共に、データ格納手段、比較手段、通信端末とのデータの送受信手段を有する作動監視制御手段を備え、該作動監視制御手段は、前記乳温管理装置の生乳受け入れ時の作動を受け入れ監視工程で監視し、該受け入れ監視工程では乳温管理装置に生乳を初回投入及び次回以降投入開始後において、乳温管理装置内の生乳の温度を前記温度測定手段により得ると共にデータ格納手段内に予め格納されている監視温度と前記生乳の温度とを比較手段で比較し該生乳の温度が、当該受け入れ監視処理において初回投入及び次回以降投入開始後の所定時間内でそれぞれ予め定められた監視温度である上限温度未満であって該上限温度より低い第1の温度以上、あるいは下限温度を超え、かつ該下限温度より高い第2の温度以下である場合に第1の監視情報を、当該受け入れ監視処理において初回投入及び次回以降投入開始後の所定時間内でそれぞれ予め定められた監視温度である上限温度以上、あるいは下限温度以下である場合に第1の監視情報より緊急度の高い第2の監視情報を直ちに通信端末に送信して前記乳温管理装置の受け入れ監視工程における作動を監視することを特徴とする乳温管理装置の作動監視方法。
  20. 乳温管理装置内の生乳等の液体の温度を測定する温度測定手段を備えると共に、データ格納手段、比較手段、通信端末とのデータの送受信手段を有する作動監視制御手段を備え、該作動監視制御手段は、前記乳温管理装置の生乳保冷時の作動を保冷監視工程で監視し、該保冷監視工程では、乳温管理装置に生乳を投入完了後の所定時間経過後から次回搾乳開始あるいは集乳開始までの間、乳温管理装置内の生乳の温度を前記温度測定手段により得ると共にデータ格納手段内に予め格納されている監視温度と乳温管理装置内の生乳の温度とを比較手段で比較し、当該生乳の温度が当該保冷監視処理時間内でそれぞれ予め定められた監視温度である上限温度未満であって該上限温度より低い第1の温度以上、あるいは下限温度を超え、かつ該下限温度より高い第2の温度以下である場合に第1の監視情報を、当該保冷監視処理時間内でそれぞれ予め定められた監視温度である上限温度以上、あるいは下限温度以下である場合に第1の監視情報より緊急度の高い第2の監視情報を直ちに通信端末に送信して前記乳温管理装置の保冷監視工程における作動を監視することを特徴とする乳温管理装置の作動監視方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010142767A (ja) * 2008-12-22 2010-07-01 Orion Mach Co Ltd 流体作業監視装置
JP2011041482A (ja) * 2009-08-19 2011-03-03 Orion Machinery Co Ltd 乳量計
JP2011041473A (ja) * 2009-08-19 2011-03-03 Orion Machinery Co Ltd 流体作業監視装置、パイプラインミルカー、バルククーラー

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