JP2004328434A - パケット通信方式および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】パケット同期の高信頼度化と、誤りによるパケットロスや誤受信を改善する。また、端末とアクセスポイントとの間の通信に通信制御機構を導入し、高速で信頼度の高いパケット通信の実現を可能とする。
【解決手段】ビット単位で高速に復号動作が可能な、高性能なランダムおよびバースト誤り訂正機能を持つ高次元トーラス結び目符号を物理層に採用し、パケットの同期を確実に確保するとともに伝送路における誤りを訂正し、パケット情報の誤認によるパケットロスの低減を計ることにより、高信頼度かつ高効率な通信系を実現する。また、高次元トーラス結び目符号の特性を利用して、認証機能や制御機能などを付加することが可能になり通信機能の向上を実現する。また、高次元トーラス結び目符号の特性を利用して透かしなどの認識情報をデータと合成して伝送し、盗聴や改ざん等に対する通信の安全性を実現する。
【選択図】図2

Description

【発明の属する技術分野】
本発明はパケットデータを用いたデジタル通信系の高速化と高信頼度化に利用する。本発明は各種の要因によって発生する誤りに対してパケット同期を高信頼度に獲得し、かつ誤りの訂正を可能とすることによりパケットデータの受信性能を格段に向上したることを特徴とするパケット通信方式に関する。さらに、パケットデータ通信のプロトコルにおける物理層を高機能化することにより、各種制御が可能な通信を実現する通信装置・通信システムに関する。高速無線LAN方式や高性能携帯電話方式、光通信方式などに適用でき、通信機器や多くの産業電子機器の高性能化に利用することができる。
【従来の技術】
従来、ローカルエリアネットワーク(LAN)をはじめ携帯電話方式など、有線と無線を問わずパケット状のデジタルデータを交換する通信が広く行われている。しかし、その高速化と高機能化が求められるようになり、従来技術では達成できない課題が明らかになってきた。
特に最近、無線による高速のデジタル情報の伝送と利用が進められているが、高速になるとともに電波の伝搬経路で複雑に変化する特性によって、受信レベルが著しく低下し、バースト的に誤りの発生する状態が出現するなど劣悪な通信環境でのハンドシェイクの確立やパケットデータの受信ロス、さらにデータ伝送品質の改善が極めて重要な課題となってきた。
また、無線伝送路は開放状態であり、データの盗聴や改ざんの危険性が多い。これらに対して、従来の無線伝送路において対策を施している例は極めて少ない。高品質で多様な利用が進むにつれて、情報の信頼度を高めることが、無線伝送路において必須の条件となってきた。
また、応用上の高機能化とともに通信制御上の高機能化が求められており、従来のパケット通信機能の充実が必要となってきた。
パケットの同期獲得はデータ通信の最も基本的な課題であり、送受信の最初の段階において確実に達成されるべき機能である。このような同期機能はパケット通信プロトコルにおける物理層の機能である。
従来、ビットごとの同期を確保するクロック同期のために、プリアンブルといわれる付加ビットが用いられている。このプリアンブルは、たとえば10101010・・・、といった繰り返しからなっており、パルスごとのクロック同期の確立に寄与する。その一定の繰り返しの後に、情報データが続いて送られるようにフレーム構成がなされている。したがって、プリアンブルの後に次の情報データが始まることを示すスタートデリミタ(SD)である11なる2ビットが付加される。これによって、パケット同期がとられる場合があるが、誤りのある回線ではパケットに確実に同期できる機能が弱く、パケット同期の検出ミスが起きる可能性が高い。
パケットデータの位置が正確に認知されないとデータ情報の検出はできない。このため、プリアンブルに続いてデータ情報の先頭位置を示す特殊なパターンの同期データ、すなわち同期パターンを付加する場合がある。しかし、誤りの強い伝送路においては、これらのパターンデータにも誤りが混入して受信されるため、正確なパケットの先頭位置が検出できなくなることがある。このような状態をパケットロス状態という。パケット同期を確実にするため、同期パターンに多くのビットを割り付ける方法があるが、伝送効率が低下する。
【発明が解決しようとする課題】
物理層における機能を強化して同期、誤りの訂正、さらには制御情報の交換、通信処理などの機能を充実するのが本発明の課題である。これらの機能の向上によって、パケット通信の高速化や高機能化を達成できる。
物理層は上位層の動作を支えているため、物理層での動作は高速であり、処理遅延は小さくなければならない。物理層において、高速であり処理遅延が少ない高信頼度なパケット同期機能や誤り訂正機能の実現が必要である。
この目的のため、(1)高速動作が可能な誤り訂正符号を物理層に導入する。(2)訂正符号に含まれるパリティビットのパリティ正誤の割合からパケットの同期状態を検出する方式を採用し、付加的な同期ビットを必要とせず高信頼度な同期確立を可能とする。(3)伝送路の誤りの状態を訂正符号の復号過程から自動抽出することにより高速かつ正確に通信路誤り率を計測し、伝送速度の可変や送信電力制御、その他の通信制御を行う方式、および制御情報ビットをデータと同じ誤り訂正符号化して伝送出来る物理層を可能とした。(4)物理層で高速な暗号方式の採用を可能とし、開放系である無線伝送路における盗聴や改ざんの危険性を改善する。(5)通信プロトコルの改良によって、接続すべき最適なアクセスポイントの選別や隠れ端末の認識を可能とし、通信品質の向上と消費電力、放射スペクトラムの低減を可能とする。
【課題を解決するための手段】
物理層は高速動作が求められ、処理遅延も制限される。このため、1クロックごとに復号動作が可能な誤り訂正符号を採用した。本発明の実施例においては、先に発明者が開発した高い訂正能力と1クロックごとに復号が可能な高次元トーラス結び目符号(以下TKC; Torus Knot Codeと略記する)を採用した場合について示す。また、同符号を用いて高信頼度なパケット同期の確立も本発明の基本としている。パケット同期については、先に発明者らが出願した考案(特願2002−378770)を本発明の物理層に応用している。この他、高次元トーラス結び目符号のパリティ検査線の正誤状態によって受信データの誤り率を高速かつ正確に計測することができる。次いで受信誤り状態を送信側に返送して伝送速度の制御や送信電力の制御を正確に行うことができる。なお、高次元トーラス結び目符号のほか同様の機能と性能を持つ誤り訂正符号を用いて本発明に関わる同様の機能を実現することも可能である。
以上述べた物理層のハードウエア構造をベースとして、さらに新たなハンドシェイク通信機能を本発明の物理層に適用する。端末側に近接して存在する全てのアクセスポイントよりの通報と通信状態を受信できる全無線チャンネルの受信機能を付与することにより、準最近接なアクセスポイントを選別して通信でき、また端末からは見えない隠れ端末を認識して通信できるので、品質の良好な且つ干渉妨害を受けない広帯域無線LANや高機能な携帯電話方式の実現が可能となる。
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の一実施形態を図1から図17までを参照して説明する。最初に本発明に係る物理層について説明し、その後各部動作を説明する。
図1は7階層からなるOSI基本プロトコルにおける本発明に係る物理層まわり付加機能を主として示す。以下無線系について主として説明するがケーブル伝送においても同様に適用が可能である。
従来の物理層1−1では、無線伝送に関わるコネクタや電気規格、および受信系統ではプリアンブルによるクロック同期が主な機能として規定されている。それに加えて、本発明では、機能拡張した新しい物理層1−2において、パケット同期、誤り訂正機能、誤り率の評価、さらに暗号化機能を付加することを特徴とする。これらの新しい機能は布線論理によって実現される高次元トーラス結び目符号回路によって実装するのが本発明の考案点であり、クロック単位毎に高速に動作できるのが特長である。
これらの機能を実現した後、データリンク層1−3の上位副層LLC(論理リンク制御)1−4にパケットデータを与える。このように従来の物理層とデータリンク層の中間に位置する新しい物理層がサンドウッチされた構造となっている。
図2はデータ送信系、データ受信系における回路レベルで示した本発明の構成を示す。本発明による機能拡充は、おもに物理層における機能の追加によって実現されるが、データリンク層の下位副層であるMAC層(媒体アクセス制御層)2−1は、無線方式において発呼の衝突の検出や衝突回避に関する特有の接続制御を行う機能であるため、物理層側に近接して実装される必要がある。このため、図2では送信装置2−2の直前に置かれる。また、物理層と一体化して回路的にまとめられる場合がある。
一方、暗号符号化の機能2−3やTKC符号化2−4は物理層のLLC側に設けられる。また、パケット同期の機能は受信系統のTKC復号器2−5のパリティ検査機能を用いてパケット同期回路2−6により実現される。
なお、従来の方式では、誤りのある場合の再送などの処理はデータリンク層の上位副層である論理リンク制御層LLCで行われるほか、誤り訂正や暗号化機能は最上位層のアプリケーション層でも実施されるのが普通である。しかし、これらの機能は物理層とデータリンク層LLCが正常に機能する場合に可能であって、無線伝送路等の誤りによって、同期ミスによるパケット検出不能や、誤りによる誤読があった場合にはプロトコル各階層は機能できない。
高次元立体構造の符号を伝送路に送出するに際して、ランダムな順序で送出する場合通りは符号長の階乗に比例して多く存在するので、送受信間で伝送順序を共通暗号鍵とすることで暗号化を付加することができる。また、データにスクランブルデータを付加する暗号機能も付加できる。これらの暗号化によって、開放的な無線伝送路で情報の盗聴や改ざんの危険性を回避できる。なお、暗号化の鍵を高い頻度で改変することで暗号の強度を改善できる。このため、暗号化鍵生成の種情報を制御データを経由して端末とアクセスポイント間で交換し、復号器2−5からの種情報で暗号鍵生成回路2−11を駆動して暗号化鍵や暗号復号か鍵を頻度高く改変することができる。なお、鍵改変の主導権は端末、アクセスポイントいずれでもよく、制御データ回線を経由して自由に設定が可能である。
無線通信においてはアクセスポイントと端末でアンテナの設置高度が異なるため上りと下りの伝播路で受ける減衰やフエージングの値はまったく異なる。このため、受信信号の品質を適応的に改善するためには、受信側の状態を送信側に伝えて送信機の電力制御や伝送速度制御を行う必要がある。
物理層の付加機能としてTKC復号化過程で得られるパリティ検査線の正誤状態から受信データの誤り状態を正確かつ高速に検出する回路2−7を付加し、かつその情報を相手送信側に返送する回路2−8をへて制御情報として相手送信機の伝送速度の制御や、送信電力の制御を可能とする。このことによって受信側の信号品質の改善が可能となる。誤り訂正の機能は10のマイナス1乗といった極めて品質の悪い場合には充分機能できないので、送信機の伝送速度や送信電力を制御して改善することは効果的である。
このように相手局送信機側から伝えられる制御情報は受信系では制御情報検出回路2−9から得られる。この情報は送信TKC符号回路2−4に伝えられ伝送符号速度の制御や、送信機2−2に伝えられ送信電力の制御に用いられる。
新しく付加される各種機能は相手局との間の送信機と受信機に関わる制御を行う場合でも、物理層だけで自己完結してしおり、他の階層との関連をもたない。このため、従来より用いられている通信プロトコルはそのまま用いることができ、コンパチブルなプロトコル機能の拡張が可能である。
図3は本発明に関するパケットデータの構成であるフォーマットを示す。図3においてパケットの送出方向は左にとっている。最初に受信側のクロック同期を検出するためのプリアンブル3−1があり、ついでパケットフレームを識別するスタートデリミタ(SD)3−2からなる。SDは本発明の実施例においては用いる必要がないが、一般化のため示されている。
ついで、新しい物理層の機能拡張のために対抗する相手局間の送信機と受信機間で制御データの交換が必要になる。この物理層に関わる制御データ3−3を配置する。
この制御データ3−3以降の上位層のデータ3−4および上位層の誤り検出に用いられるフレームチェックシーケンスFCSデータ3−5はともにTKCによって誤り訂正符号化が加えられる。誤りの多い無線伝送路の誤りから、伝送パケットデータを訂正によって保護するためである。
高次元結び目符号TKCのブロック長は一般に送るべきパケットデータの符号長より小さい。このため、繰り返しTKCで符号化するが、最後に符号長が不足する場合には付加ビットでパディングして調整される。なおまた、TKC符号化のブロック毎に数ビットの付加ビットをはさみパケット同期特性の改善を行う場合がある。
図4は高次元トーラス結び目符号の説明図である。図4は3次元符号の場合を示す。n次元トーラス符号は、n次元立体構造の符号点配列からなる。各辺はm個の符号点からなり、それらが一本のパリティ検査線を構成する。m個の符号点のうち1個はパリティビットであり、他のm−1個は情報ビットである。パリティビットは偶数パリティを満たすように送信側で決定される。この過程を符号化という。立体全体ではnのm乗個の符号点からなり、このうち(m−1)のm乗個が情報ビットであり、残るビットがパリティ検査ビットである。
ところで、検査線の総数はn次元で符号のサイズ(1検査線に含まれる符号の数)がmの場合、n×(mのn−1乗) によって与えられる。
表1は、n次元サイズmの符号(以下nDmmと表記)について、情報データビット数、符号のブロック長、符号の伝送速度、検査線総数を示す。
n次元立体状に符号化された符号は伝送に際して、各検査線に対して斜め方向に順次伝送される。図5はこの場合の伝送順を符号点に番号をつけて示す。この伝送順は高次元トーラス結び目を構成するので符号の名称ともなっている。検査線に斜めに伝送順を取ることによって、伝送途中で連続的に加わるバースト的な誤りを、復号時に各検査線に分散し、検査線の検出能力高めるよう機能する。なお、ランダムに伝送順を取ることも可能であり、送出符号に符号化の特徴が出ないようにして、できる限りランダムな符号に近付けることが訂正不能な誤りを減少させて復号性能の向上及び、擬似同期パターンの出現確率を低減させる上で望ましい。
受信側においては送信側で行った伝送順操作と逆な操作が加えられ、n次元立体構造が再現される。その後各符号点を貫く独立なn本のパリティ検査線の正誤によって符号点の誤りを推定し訂正をおこなうことができる。
なお、受信側においては、復号に先立ち送信パケットを識別検出しかつその位置の確認することが必要になる。パケット通信においては、パケットの送信は不定期であり、パケットの長さもその都度変化する。したがって、同期通信に較べてパケットの検出、その先頭位置の確認、さらにパケット終了の確認が困難である。その機能を本発明について以下説明する。
受信側でパケット同期が正確に取れていない場合、たとえ1ビットでも同期位置がずれていると、各検査線には送信側で評価したパリティのビット配列と異なるビット配列状態となる為、ほぼランダムな符号系列を仮定すると各検査線のパリティ判定結果は正誤が相半ばする。同期状態であれば、全ての検査線のビット配列が送信側と同じになり、各検査線のパリティ判定結果は正しくなる。なお、伝送路に誤りがある場合は誤り率に応じた検査線数だけ誤った検査線状態となるが、その数は検査線総数の一部である。このため1ビットでもパケット同期位置が異なると、検査線の誤りが急上昇するので同期位置の判定が正確に行える。
図6は検査線の判定が誤りとなる総数を縦軸に、横軸をブロック位置として評価した様子を示す。非同期位置では検査線総数の約半分が誤りとなるのに対して、同期位置において誤る検査線数がほぼゼロに近い値となる。このことから正確なパケット位置ないし符号ブロックの同期検出が信頼度よく出来る。
パケットの終了を明確にするため従来の方式においては終了データを挿入する必要があったが、この方式ではその必要がない。パケットが終了すれば、パケット同期の検出情報も自動的に検出できなくなるので、パケットの終了が認識される。
図7は3Dm5についてランダムな伝送誤りの場合の誤り率p=0.01と0.05について、識別閾値I に対する同期確率と擬似同期確率の比を示す。すなわち同期の性能を示す。検査線総数75に対し、同期判定識別値を72とした場合、擬似同期に対する同期確率は約10の18乗となり、同期の信頼度がきわめて高いことがわかる。また、誤り率p=0.01と0.05においては、同期確率に与える影響は小さいことがわかる。同様に、図8、図9には、3Dm4と2Dm4について同様の評価を示す。パリティ検査線の数が多くなるに従い同期の信頼度は向上することがわかる。
以上、図7,8,9は理論的な評価であったが、一般に符号特有のビット間の拘束状態があるので、符号化されたビット系列はランダムな符号状態ではない。このため、実際のTKC符号についてシミュレーションによって同期特性を評価した。また、従来のパケット伝送方式との性能を評価するため、代表的なハイレベルデータリンク制御HDLC方式の特性と比較した。対象としたHDLC方式は符号長125ビットで同期用ビット数8がパケットの前後に存在し、データ長としては109ビットとなる。評価した3次元サイズ5のTKC 3Dm5 符号も同じく符号長は125ビットで同期用のビットは用いず訂正用のパリティビット75の正誤判定数によっている。
図10は、誤り率10のマイナス4乗から10のマイナス2乗の範囲において、擬似同期確率は2〜3×10のマイナス10乗と非常に小さく、識別値72〜66に対して殆ど影響されない。一方、擬似同期確率は図10に示すように、識別値と誤り率に依存するが、これらの結果は多くの応用において充分である。しかし、識別値69、誤り率10のマイナス2乗に対して擬似同期確率は約10のマイナス9乗となる。この値は良好であるが、図7に示したランダム符号の理論値10のマイナス14乗に較べると劣っている。この理由として、トーラス結び目符号が擬巡回的な性質をもっており、異なる符号位置で符号パターンが出現する可能性が少ないながら存在するためである。
図11は本発明に関わる3Dm5による擬似同期確率を通常のHDLC (8ビット同期ワードと8ビットパケット終了ワード、109ビットのデータサイズ)のそれと比較したものである。誤り率10のマイナス4乗において両者2〜3×10のマイナス10乗とほぼ同じであるが、誤り率が10のマイナス2乗と大きくなるに従いHDLC方式の特性は劣化するが、提案方式では変化せずその特性は約1.5桁良好である。
図12は同期見逃し確率を誤り率について比較したものである。提案符号が誤り率10のマイナス4乗において約5桁よく、10のマイナス2乗において約1桁良好である。
同期特性は次元数と符号サイズによって大きく変化するが、主にパリティ検査線総数に依存している。検査線総数が大きくなるに従い同期特性は大きく改善される。
以下、本発明に関わる無線端末とLAN側のアクセスポイント(AP)の間の本発明による物理層を用いた通信プロトコルについて説明する。
上に述べたTKC符号化によるパケット同期と誤り訂正機能を新しく通信プロトコルの物理層に付加する。高速無線LANや携帯電話方式に適用する場合を例として、以下通信プロトコルの立場から本発明の適用を説明する。
図13は本発明に関わる移動無線端末とLANアクセスポントとの間の通信手順の説明図である。
本発明においては、高速度の情報交換を無線端末とアクセスポイント(以下APと略記)間で行うために、従来よりも高い無線周波数が必然的に用いられることを想定している。たとえば、現状1.5GHzや2.4GHzが用いられているが、屋外において数10Mbpsから100Mbpsの通信を行うためには将来的に4〜5GHzの無線が使用されることになると考えられる。この場合、波長が短いため電波の減衰は大きくなり、フエージングの深さも大きくなる。このため伝播距離は必然的に短縮される。
一方、APは小型経済的な装置で実現できるため、数多く設置が可能である。多くのAPの中から移動端末にとって、最も近接したAPを選定して通信することが極めて効果的である。何故なら、都市内における無線の伝播特性は伝播距離の3.5〜4.5乗に逆比例して減衰することが一般的に知られているからである。
APは高い個所に設置されるので、無線端末との間にほぼ常時無線回線を設定することができるが、無線端末同士は建物等が遮蔽して一般的に通信ができない場合が多い。このため、端末側で回線が空いているものとして通信を開始すると、他の端末がすでに通信中であり、干渉や混信妨害が発生することがある。このような問題を隠れ端末問題という。以上の2つの課題を通信プロトコルの立場から解決することが極めて重要になる。
このような問題を解決するため、以下の通信プロトコルを開発した。各APには特定の送信用周波数が1つ決められており、ある一定の数毎に無線周波数は繰り返し使用されるものとする。同じ周波数を用いるAP間は距離が離れており、端末に対して障害となる干渉を与えない様に配置されている。
なお、APは近接して存在する全ての端末からの送信周波数(チヤンネル)を受信できるものとする。
各APは自己に割り当てられた無線周波数、RF、チヤンネルAPi、で10秒から30秒毎にカバー範囲にいる端末に対し自己APの名前、MACアドレス、GPS位置データと自局のRFチヤンネル番号、通信状態情報、などを全方位に送信する。各端末側は全てのRFチヤンネルを受信できる受信機を持っており、これら各APから異なるRFチヤンネルで送信されるAP情報を受信し、その受信時刻とともに自分のAPメモリー14−1に保存する。
端末が時速60kmで移動しているものとすると、10−30秒の一通期間に約170−500m移動することになる。一方、AP間隔はおよそ数100mから500m程度を想定している。
端末と各AP間の距離は、端末の現時点のGPSデータとAPメモリー 14−1に保存された各APのGPSデータを比較することにより算出できる。最小となるAPを算出して端末はそのRFチヤンネルで当該APに通信要求を送信する。このため最短距離にあるAPとの通信が保証される。このことにより、送信電力の低減、バッテリー消費電力の低減、さらにはアクセス上の混乱が解消される。また、一定距離以上離れたAPの情報はAPメモリテーブルから消去され、通信対象から除外される。
図14は物理層で機能される通信接続プロトコルのうち上に述べたAPよりのブロードキヤスト(放送)モードの概要を示す。APi は必要な情報を全ての端末に向けて、マルチキャストである旨指定して14−2のようにパケットを構成しTKCで符号化14−3し、誤りに対する耐性を持たせた上でクロック同期用プリアンブルを付加し14−4として送信する。送信されたデータは近接の端末全てに受信され、そのAPメモリー 14−1に保存される。他のAPjについても同様にその情報が受信され、14−1に保存される。なお、AP間で送信の同期関係は必要でない。
ついでハンドシェイクモードという通信確立プロトコルを図15について説明する。
端末が通信要求を持つ場合、APメモリーのGPSデータを現在の自己のGPSデータと比較して最近接のAPを計算し、そのAPのRFチャンネル、MACアドレスを指定して接続要求15−1(RTS:request to send)を符号化して送信する。このとき、端末はその対象APが通信中であるかないかは、APメモリーに記録された制御コードから知ることができる。端末はAPの空きを確認して自己情報と共にRTSを送信する。このとき、他局の同時発呼による衝突を避けるため、ランダム時間をおいて送信する。これらの情報は他の端末にも通報(マルチキャスト)される。なお、端末からの送信においても、TKCで符号化されかつプリアンブルを先頭に付加したパケット15−2として送信されることは同様である。これら、端末側の情報は、APの端末データメモリー 15−3に記録される。
最短のAPが対応応答できるときは、送信可CTS(clear to send)データパケット15−4が端末に宛てマルチキャストコードで送信される。なお、送信には先の場合と同様にTKC符号化とプリアンブルを付加してAPのRFチャンネルで送信される。受信についても同様であり、対象APの情報15−5が受信され端末のAPデータメモリーに記録される。
呼ばれたAPが応答できないときは、ナックNCKの応答を返す。このとき当該端末は、第2の距離のAPを対象に通信要求を送信する。この様にして、通信回線品質を保証した準最適な通信回線が確保できる。APでは、端末からの要求は受信時刻と端末の情報と共に端末データメモリーに記録される。
あるAPと通信する傘下にはいる端末は移動しているので、時間とともに変化するが、傘下の端末は最短距離による条件によって自動的にダイナミックに決定される。
図16はコミュニケーションモードを示す。LLCより与えられたペイロードはプリアンブルと制御コードおよびペイロードの誤りを検出するFCSとともにパケットを形成する。このパケットはTKCにより誤り訂正符号化された後無線機により送信される。相手受信機で復号化されたペイロードはLLCに受け渡される。
図17はターミネーションモードを示す。通信終了のパケットが当該APよりマルチキャストで全ステーションに向けて送信される。端末は当該APが通信終了により開放されたことを認識できる。よって次のRTSを受けられる状態にあることを認識する。
以上の4つのモードにより、効率的な端末とAP間のパケット通信を確保出来る。
【発明の効果】
近年携帯電話に代表される無線通信の普及は目覚しく、音声に限らず、メール等の電子データも日常的に通信される状況となってきている。本発明は、現代の電子データ送受信の基本プロトコルであるOSIモデルの物理層に、誤り訂正機能、パケット同期機能、暗号化機能等の機能を追加することにより、物理層レベルの通信のロバスト性、セキュリティの向上を実現するものである。
また、端末とアクセスポイントとの間の通信にGPS位置データを利用した通信制御機構を導入することにより、通信距離が最短となる通信路を確立し、高速で信頼度の高いパケット通信の実現を可能とする。本発明により、従来方式より効率的なアクセスポイントと端末間通信が可能となり、通信可能エリアの拡大が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】OSI基本プロトコルにおける本発明に係る物理層まわり付加機能
【図2】データ送信系、データ受信系における回路レベルの本発明の構成
【図3】本発明に関するパケットデータの構成
【図4】高次元トーラス結び目符号の説明図
【図5】高次元トーラス結び目符号の伝送順序の説明図
【図6】パリティ検査線を利用した同期方式
【図7】3Dm5についてランダムな伝送誤りの場合の誤り率p=0.01と0.05について、識別閾値Iに対する同期確率と擬似同期確率の比
【図8】3Dm4についてランダムな伝送誤りの場合の誤り率p=0.01と0.05について、識別閾値Iに対する同期確率と擬似同期確率の比
【図9】2Dm4についてランダムな伝送誤りの場合の誤り率p=0.01と0.05について、識別閾値Iに対する同期確率と擬似同期確率の比
【図10】本同期方式(3Dm5:符号長125ビット)の識別閾値による擬似同期確率特性
【表1】n次元サイズmの符号における、情報データビット数、符号のブロック長、符号の伝送速度、検査線総数
【図11】本同期方式(3Dm5:符号長125ビット)と従来同期方式HDLC(同期用ビット数8、符号長125ビット)の擬似同期確率の比較
【図12】本同期方式(3Dm5:符号長125ビット)と従来同期方式HDLC(同期用ビット数8、符号長125ビット)の同期見逃し確率の比較
【図13】本発明に関わる移動無線端末とLANアクセスポントとの間の通信手順の説明図
【図14】ブロードキヤストモードの概要
【図15】ハンドシェイクモードの概要
【図16】コミュニケーションモードの概要
【図17】ターミネーションモードの概要

Claims (11)

  1. パケット通信の物理層に高速の誤り訂正符号化と復号化回路を採用し、物理層において受信パケットのパリティ検査の正誤を確認し、その正誤の状態からパケットの同期状態を判断しパケット同期を確立することを特徴とするパケット通信の物理層。
  2. 物理層において誤り訂正符号化機能を付加して伝送路で受けた誤りを訂正し、宛先などの情報誤認によるパケットの受け取り拒否あるいは誤受信を改善したることを特徴とするパケット通信における物理層。
  3. 請求項1および2において、物理層に付与する誤り訂正符号化復号化回路として、高次元トーラス結び目符号を採用したることを特徴として、ビットクロックごとに復号結果を獲得し、同期機能の獲得と高速の誤り訂正復号を可能としたることを特徴とするパケット通信における物理層。
  4. 高次元立体構造の符号を伝送路に送出するに際して、各検査線に斜めに順次取リ出して伝送する方法のほか、送出される符号系列ができる限りランダムとなる順序に従って送出し、受信復号側で受信系列のシフトや誤りによって符号化と同じパターンが出現しないようにして、擬似同期や、誤りの検出不能確率を改善したることを特徴とする本発明の符号化、復号化回路。
  5. 高次元立体構造の符号を伝送路に送出するに際して、ランダムな順序で送出する場合通りは符号長の階乗に比例して多く存在するので、送受信間で伝送順序を共通暗号鍵とすることで暗号化を付加したることを特徴とするパケット通信における物理層。
  6. 高次元トーラス結び目符号に入力するデータに擬似ランダム系列を付加して送信データを秘匿することを特徴としたパケット通信における物理層。
  7. 物理層の送受信機間でパケットデータの制御データに共通暗号鍵の種となる情報を伝送して交換する手段を用いて、暗号鍵を頻繁に改変し暗号化強度を高めることを特徴とするパケット通信の物理層における暗号化方式および暗号鍵伝送方式。
  8. 誤り訂正符号の復号回路から得られるパリティの正誤判定の割合を受信信号の誤り率を示す情報として、送信側に符号器制御データ伝送回路を経て返送し、相手局受信復号器から検出される当該情報で送信機の符号伝送速度や送信電力制御することにより受信信号品質を改善したることを特徴とするデータ通信装置。
  9. 物理層において誤りの訂正や暗号化さらに、送信機の各種制御を行う場合、相手側の送信機と受信機を経由して循環する制御に際して、それらが物理層の内部に閉じた処理のみを行うよう制限することによって、従来の通信プロトコルが物理層を除いて利用できることを保証した物理層の構成方法。
  10. アクセスポイントは送信可能な周波数群の1つの周波数を指定され端末との通信が可能であり、一方端末側は周波数群全ての無線周波数チャンネルを常時受信する構成を採用することを特徴として以下の機能を実現する。端末は移動とともに変化する通信環境の変化を、各アクセスポイントが送信する個別情報や通信情報から把握することが出来るよう通信プロトコルをブロードキャストモード、ハンドシェイクモード、コミュニケーションモード、ターミネーションモードに階層化することにより、接続すべきアクセスポイントの特定や、端末側からでは存在が確認できない隠れ端末を認識し通信品質の向上や発呼の衝突による干渉を排除して良好な品質のパケット通信を実現するパケット通信方式および構成。
  11. 固定局、時として移動局、災害暫定局からなるアクセスポイントは、一定時間間隔で自己の位置情報としてGPSデータを全ての局に向けて割り当てられた無線チャンネルを経由して放送する。端末はこれら情報を受信時刻とともに記録し、自己のGPSデータと比較して、一定範囲内のアクセスポイントを近接距離ごとにソーチングする。端末に発呼要求があるとき、その順序に従って送信要求を行うことにより、電波減衰の少ない通信が出来るので品質の良い情報伝達が可能となり、送信放射スペクトラムの低減、バッテリー消費電力の低減を可能としたパケット通信方式。
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