JP2004328397A - 基地局装置及びこの装置における信号処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高速パケット通信においてチャンネル数が増えても、部品ユニット間のデータ通信量の肥大化を抑制できる基地局装置及びこの基地局装置における信号処理方法を提供すること。
【解決手段】スケジューリング部131は、入力タイミング制御部133から出力されてくるACK信号又はNACK信号に基づいて、パケットデータを再送信するか選択する。入力タイミング制御部133は、スケジューリング部131からパケットデータの送信タイミング情報を入力され、この送信タイミング情報に基づいてパケットデータに対する送達確認信号がACK判定部123から出力されてくるタイミングを予測し、この予測されるタイミングを基準にした一定期間内に限り、前記送達確認信号をスケジューリング部131へと通過させる。
【選択図】 図1
【解決手段】スケジューリング部131は、入力タイミング制御部133から出力されてくるACK信号又はNACK信号に基づいて、パケットデータを再送信するか選択する。入力タイミング制御部133は、スケジューリング部131からパケットデータの送信タイミング情報を入力され、この送信タイミング情報に基づいてパケットデータに対する送達確認信号がACK判定部123から出力されてくるタイミングを予測し、この予測されるタイミングを基準にした一定期間内に限り、前記送達確認信号をスケジューリング部131へと通過させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速大容量な下りチャンネルを複数の通信端末装置が共有し、下り回線で高速パケット伝送を行うHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)サービスに適した基地局装置及びこの装置における信号処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、HSDPAサービスに関して、通信端末装置から送信されてくるパケットデータの送達確認信号に基づいて、再送信されるパケットデータを自動的に設定する基地局装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
HSDPAサービスでは、各通信端末装置がCQI(Channel Quality Indicator)信号を周期的に送信する。基地局装置は、各通信端末装置からのCQI信号に基づき、下り無線回線の品質を推定し、この推定結果に適応した変調方式と符号化率の組合せでパケットデータを送信する。続いて、このパケットデータを受信した通信端末装置からパケットデータの送達確認信号(ACK信号、NACK信号及び複数のACK若しくは複数のNACKで構成されるHARQ−ACK信号)が基地局装置に送信される。この送達確認信号を受信した基地局装置は、NACK信号を受信したときに、このNACK信号に対応するパケットデータを通信端末装置に自動的に再送信する。ここで、ACK信号とは、基地局装置から送信されたパケットデータが通信端末装置において正しく受信できたことを示す信号であり、NACK信号とは、基地局装置から送信されたパケットデータが通信端末装置において正しく受信できなかったことを示す信号である。
【0004】
HSDPAサービスでは、基地局装置において通信端末装置から送達確認信号が送信されてくる時期を予測できるため、この予測される時期に限り送達確認信号を判定することによって、雑音や干渉等に由来するACK信号またはNACK信号の誤判定に伴うパケットデータの不適切な再送制御を排除することができる。
【0005】
そこで、HSDPAサービスで使用される基地局装置には、ACK信号またはNACK信号の誤判定を排除して下り回線の情報伝送効率を高めるため、通信端末装置から送信されてくるACK信号及びNACK信号について、応答が必要なACK信号及びNACK信号のみを選択的に抽出するフィルタ機器が取り付けられる。
【0006】
図5に、このフィルタ機器を具備する基地局装置の一般的な構成を示す。
【0007】
この基地局装置50は、アンテナ素子11、45、無線受信部12、複数の受信信号加工ユニット20、パケット加工ユニット30、HS−SCCH(High Speed − Shared Control Channel)送信部41、HS−PDSCH(High Speed − Physical Downlink Shared Channel)送信部42及び無線送信部43で構成される。
【0008】
受信信号加工ユニット20は、HS−DPCCH(High Speed − Dedicated Physical Control Channel)受信部21、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)−ACKシンボル加算部22、ACK判定部23、誤り訂正部24、CQI処理部25及びACK判定タイミング制御部26で構成される。また、受信信号加工ユニット20は、通信端末装置との間に形成されるチャンネル毎に必要となるため、HSDPAサービスを使用中のパケットユーザ数分即ち使用中の総チャンネル数分設けられる。
【0009】
パケット加工ユニット30は、スケジューリング部31及びパケットデータバッファ32で構成される。
【0010】
基地局装置から通信端末装置に送信されるパケットデータについて、通信端末装置では、パケットデータに対する複数のACK又は複数のNACKで構成されるHARQ−ACK信号が生成される。この通信端末装置から送信されてくるHARQ−ACK信号は、アンテナ素子11で受信された後に受信信号加工ユニット20に出力される。受信信号加工ユニット20に入力されたHARQ−ACK信号は、HS−DPCCH受信部21によって、各受信信号加工ユニット20に割り当てられたチャンネルの信号のみが選択され抽出される。続いて、HARQ−ACK信号は、HARQ−ACKシンボル加算部22においてHARQ−ACK信号に含まれる全てのシンボルが加算され、この加算値がACK判定部23に出力される。続いて、シンボル加算後のHARQ−ACK信号は、ACK判定部23において、ACK判定タイミング制御部26から指示されたタイミングでACK信号であるのかNACK信号であるのかが判定される。また、HARQ−ACKシンボル加算部22における加算値がACK信号ともNACK信号とも判定できない場合は、ACK判定部23は、DTX信号(ACK信号もNACK信号も送信されてこなかったことを示す信号)を出力する。ここで、ACK判定タイミング制御部26は、スケジューリング部31から送信されてくる信号即ちスケジューリング部31がパケットデータを出力したタイミングについての情報に基づいて前記判定を行うべきタイミングを決定し、ACK判定部23にこのタイミングを通知する。
【0011】
続いて、ACK判定部23における判定後の送達確認信号(DTX信号を含む)が各受信信号加工ユニット20からパケット加工ユニット30に出力される。複数の受信信号加工ユニット20から出力される送達確認信号は全て、スケジューリング部31に入力される。そして、スケジューリング部31は、この判定後の送達確認信号がACK信号であるときには、パケットデータバッファ32に保持される対応パケットデータを廃棄して、この対応パケットデータのために使用されていたHARQのリソースを解放する。また、スケジューリング部31は、判定後の送達確認信号がNACK信号であるときには、対応するパケットデータをパケットデータバッファ32から入手して、HS−SCCH送信部41、HS−PDSCH送信部42及び無線送信部43を介して、アンテナ素子45から通信端末装置に前記パケットデータを再送信する。また、スケジューリング部31は、判定後の送達確認信号がDTX信号であるときには、特に作動せず、次の送達確認信号が出力されてくるまで待機する。
【0012】
【特許文献1】
特開2002−9741号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の基地局装置50では、スケジューリング部31がパケットデータを出力する度に、スケジューリング部31からACK判定タイミング制御部26にパケットデータを出力したタイミングを通知する必要があるため、パケット加工ユニット30と受信信号加工ユニット20との間のデータ通信量が肥大化する問題がある。
【0014】
また、このデータ通信量の肥大化に伴って、ACK判定部23からスケジューリング部31に前記判定結果を出力するタイミングを調整しなければならなくなったり、受信信号加工ユニット20の設置数を制限しなければならなくなったりする問題もある。特に近年では、基地局装置の製造コストを引き下げるため、基地局装置の使用部品を共用化及びユニット化して、使用部品の汎用性を高める改良が積極的に進められている。そのため、基地局装置の実際の設計においては、使用部品間特に部品ユニット間の物理的な距離が長くなる傾向にある。従って、前記データ通信量の肥大化に起因する問題は、今後一層顕在化していくものと考えられる。
【0015】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、高速パケット通信においてチャンネル数が増えても、部品ユニット間のデータ通信量の肥大化を抑制できる基地局装置及びこの基地局装置における信号処理方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る基地局装置は、通信端末装置から送信されてくるパケットデータの送達確認信号を受信する受信手段と、前記通信端末装置に前記パケットデータを送信するタイミングに関する情報に基づいて設定された期間に限り、前記受信手段から出力されてくる前記送達確認信号を通過させる入力タイミング制御手段と、前記入力タイミング制御手段から出力されてくる前記送達確認信号に基づいて前記パケットデータを再送信するか新規パケットデータを送信するかを選択すると伴に、前記入力タイミング制御手段に前記パケットデータ又は前記新規パケットデータを送信するタイミングに関する情報を出力するスケジューリング手段と、前記スケジューリング手段にて選択された前記パケットデータ又は前記新規パケットデータを送信する送信手段と、を具備する構成を採る。
【0017】
この構成によれば、スケジューリング手段から提供されるパケットデータの送信タイミング情報に基づいて作動し、かつ、スケジューリング手段への送達確認信号の入力を制御する入力タイミング制御手段を、受信手段からスケジューリング手段への送達確認信号の経路上に配置するため、入力タイミング制御手段をスケジューリング手段の近傍に配置することができる。その結果、この構成によれば、入力タイミング制御手段とスケジューリング手段との物理的な距離を縮めることができ、基地局装置内部における部品ユニット間のデータ通信量の肥大化を抑制することができる。
【0018】
本発明に係る基地局装置は、前記発明において、前記受信手段と前記入力タイミング制御手段との間に、前記送達確認信号の内容を判定する判定手段を具備し、前記入力タイミング制御手段は、判定後の前記送達確認信号をスケジューリング手段に出力する構成を採る。
【0019】
この構成によれば、前記発明の効果に加えて、判定手段により送達確認信号がACK信号、NACK信号又はDTX信号に明確に類別されるため、入力タイミング制御手段において信号処理の負担が軽減されると伴に、設定された期間に送達確認信号を確実に通過させることができる。
【0020】
本発明に係る基地局装置は、前記発明において、前記入力タイミング制御手段と前記スケジューリング手段との間に、前記入力タイミング制御手段から繰り返し出力されてくる前記送達確認信号を複数回分保持して加算するデータ加算手段と、前記データ加算手段にて加算された前記送達確認信号の内容を判定する判定手段と、を具備する構成を採る。
【0021】
この構成によれば、送達確認信号が通信端末装置から連続して複数回にわたり繰り返し送信される場合でも、前記発明と同等の効果を奏することができる。また、この構成によれば、送達確認信号がACK信号又はNACK信号とDTX信号とに明確に類別されるため、この送達確認信号を送信した通信端末装置に対する次回パケットデータの送信時において、パケットデータを再送信するか新規パケットデータを送信するかについての判定が容易になる。
【0022】
本発明に係る基地局装置は、前記発明において、前記入力タイミング制御手段における設定された期間は、前記パケットデータの送信タイミング情報に基づいて入力タイミング制御手段に前記送達確認信号が最初に入力されると予測される時点を基準としてその前後それぞれ200μsから500μsまでの期間である構成を採る。
【0023】
この構成によれば、入力タイミング制御手段に送達確認信号が入力されるタイミングについて、目的外の他の送達確認信号が混入してくることを防止しつつ、目的とする送達確認信号の入力タイミングに余裕を持たせることができるため、基地局装置の設計の自由度を高めることができる。
【0024】
本発明に係る基地局装置における信号処理方法によれば、パケットデータを送信するタイミングについての情報を装置内部に保持する保持ステップと、前記パケットデータを受信する通信端末装置から送信されてくる前記パケットデータの送達確認信号を受信する受信ステップと、前記受信ステップにおける前記送達確認信号の内容を判定する判定ステップと、保持された前記パケットデータの前記送信タイミング情報を基準として設定された期間に限り、前記送達確認信号を通過させる入力タイミング制御ステップと、前記入力タイミング制御ステップにおいて通過させられた前記送達確認信号に基づいて前記パケットデータを再送信するか新規パケットデータを送信するかを選択すると伴に、前記保持ステップにおける前記送信タイミング情報を生成するスケジューリングステップと、前記スケジューリングステップにおいて選択されたパケットデータを送信する送信ステップと、を具備するようにした。
【0025】
この方法によれば、スケジューリングステップにおけるパケットデータの送信タイミング情報に基づいて、入力タイミング制御ステップにおける送達確認信号の流れが直接的に制御されるため、入力タイミング制御ステップとスケジューリングステップとの間以外でのデータ通信量を減らすことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の骨子は、高速パケット通信において、通信端末装置から送信されてくるパケットデータの送達確認信号に基づいてパケットデータを再送信するか新規パケットデータを送信するかを選択するスケジューリング手段の近傍に、前記パケットデータの送信タイミング情報に基づいて前記送達確認信号を通過させるタイミングを調整する入力タイミング制御手段を配置することである。
【0027】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る基地局装置100の構成を示すブロック図である。
【0029】
基地局装置100は、アンテナ素子111、145、無線受信部112、受信信号加工ユニット120、パケット加工ユニット130、HS−SCCH送信部141、HS−PDSCH送信部142及び無線送信部143を具備する。
【0030】
また、受信信号加工ユニット120は、HS−DPCCH受信部121、HARQ−ACKシンボル加算部122、ACK判定部123、誤り訂正部124及びCQI処理部125を具備する。
【0031】
また、パケット加工ユニット130は、スケジューリング部131、パケットデータバッファ132及び入力タイミング制御部133を具備する。
【0032】
アンテナ素子111は、パケットデータを受信した複数の通信端末装置から送信されてくる前記パケットデータの送達確認信号及び回線品質情報(CQI信号)を受信し、これらの信号を無線受信部112に出力する。
【0033】
無線受信部112は、アンテナ素子111から出力されてくる送達確認信号及び回線品質情報に周波数変換を施した後に、これらの信号を複数の受信信号加工ユニット120に出力する。
【0034】
HS−DPCCH受信部121は、無線受信部112から出力されてくる前記信号の中から、具備される受信信号加工ユニット120に割り当てられたチャンネル(通信端末装置)に該当する前記信号のみを選択して抽出する。そして、HS−DPCCH受信部121は、抽出された前記信号にA/D変換、逆拡散及び復調処理を施した後、この処理された信号をHARQ−ACKシンボル加算部122及び誤り訂正部124に出力する。
【0035】
HARQ−ACKシンボル加算部122は、HS−DPCCH受信部121から出力されてくる送達確認信号について、HS−DPCCHのHARQ−ACK部分で繰り返される全てのシンボルデータ(HARQ−ACK信号)を加算する。そして、HARQ−ACKシンボル加算部122は、HARQ−ACK信号に含まれる全てのシンボルデータ(ACK又はNACKを示すシンボルの繰り返し)の加算値(軟判定データ)をACK判定部123に周期的に順次出力する。
【0036】
ACK判定部123は、HARQ−ACKシンボル加算部122から出力されてくる前記加算値に基づいて、その送達確認信号がACK信号を示すか又はNACK信号を示すかを判定する。また、ACK判定部123は、前記加算値がACK信号ともNACK信号とも判定できない場合には、DTX信号を出力する。即ち、ACK判定部123は、本発明に係る判定手段としての役割を担う。また、ACK判定部123は、判定後の送達確認信号を順次入力タイミング制御部133に出力する。
【0037】
誤り訂正部124は、HS−DPCCH受信部121から出力されてくる回線品質情報(CQI信号)の誤り訂正を行う。そして、誤り訂正部124は、誤り訂正されたCQI信号をCQI処理部125に出力する。
【0038】
CQI処理部125は、誤り訂正部124で誤り訂正されたCQI信号に基づいて、具備される受信信号加工ユニット120に割り当てられたチャンネルについての回線品質状況を判定する。また、CQI処理部125は、回線品質状態についての判定結果をスケジューリング部131に出力する。
【0039】
スケジューリング部131は、入力タイミング制御部133から出力されてくるACK信号又はNACK信号に基づいて、一度送信されたパケットデータを再送信するか新規パケットデータを送信するかを選択する。また、スケジューリング部131は、CQI処理部125での回線品質の判定結果に基づいて、選択されたパケットデータの変調方式を選定する。また、スケジューリング部131は、前記パケットデータを再送信するときには、パケットデータバッファ132からパケットデータの提供を受ける。また、スケジューリング部131は、送信されるパケットデータのリソース割り当て等に関する情報を生成してHS−SCCH送信部141に出力する。また、スケジューリング部131は、送信されるパケットデータをHS−PDSCH送信部142に出力する。なお、スケジューリング部131は、送信されるパケットデータの優先度や回線品質状況等を勘案して、次のTTIでパケットデータを送信する宛先となる通信端末装置を決定する。さらに、スケジューリング部131は、HS−SCCH送信部141への前記出力に伴って、パケットデータの関連情報を出力したタイミング(送信タイミング情報)を入力タイミング制御部133に出力する。
【0040】
パケットデータバッファ132は、無線ネットワーク制御装置(RNC:Radio Network Controller)からパケットデータを取得し、これをスケジューリング部131に出力すると伴に一定期間保持する。そして、パケットデータバッファ132は、スケジューリング部131から要求されたときに、その保持するパケットデータをスケジューリング部131に提供する。
【0041】
入力タイミング制御部133は、スケジューリング部131からパケットデータの送信タイミング情報を入力される。そして、入力タイミング制御部133は、この送信タイミング情報に基づいて前記パケットデータに対する送達確認信号がACK判定部123から出力されてくるタイミングを予測し、この予測されるタイミングを基準にした一定期間内に限り、前記送達確認信号をスケジューリング部131へと通過させる。なお、入力タイミング制御部133は、前記一定の期間内であってもACK判定部123からDTX信号が送信されてくるときには、スケジューリング部131に信号を何も出力しない。また、入力タイミング制御部133は、前記設定された一定期間以外の期間にACK判定部123から出力されてくるACK信号、NACK信号及びDTX信号については、これらを通過させることなく遮断する。
【0042】
HS−SCCH送信部141は、スケジューリング部131で生成されたパケットデータについてのリソース割り当てに関する情報(TFRI:Transport−format and Resource related Information)及びHARQ制御に関する情報等をスケジューリング部131から取得して、これらの情報を無線送信部143に出力する。
【0043】
HS−PDSCH送信部142は、スケジューリング部131からパケットデータを取得して、このパケットデータに変調、拡散及びD/A変換等の処理を施す。そして、HS−PDSCH送信部142は、処理後のパケットデータを無線送信部143に出力する。
【0044】
無線送信部143は、HS−SCCH送信部141から出力されてくるパケットデータの関連情報と、HS−PDSCH送信部142から出力されてくるパケットデータと、にそれぞれ別個に周波数変換等を施した後に、これらをアンテナ素子145に順次出力する。
【0045】
アンテナ素子145は、無線送信部143から順次出力されてくるパケットデータ及びその関連情報を通信端末装置に出力する。
【0046】
次いで、基地局装置100の機能及び動作について、図面を適宜参照しながら詳細に説明する。
【0047】
先ず、通信端末装置に送信されるパケットデータが、無線ネットワーク制御装置(RNC)からパケットデータバッファ132を介してスケジューリング部131に入力される。スケジューリング部131では、このパケットデータについてのリソースや変調方式等の関連情報が作成され、このパケットデータの送信に先立って、HS−SCCH送信部141、無線送信部143及びアンテナ素子145を介してこの関連情報が通信端末装置に送信される。このスケジューリング部131からHS−SCCH送信部141への関連情報の出力と平行して、前記関連情報の出力されたタイミング(送信タイミング情報)がスケジューリング部131から入力タイミング制御部133に通知される。そして間を置かずに、前記パケットデータがスケジューリング部131からHS−PDSCH送信部142に出力される。このパケットデータは、HS−PDSCH送信部142において変調、拡散及びD/A変換等の処理を施された後、無線送信部143及びアンテナ素子145を介して通信端末装置に送信される。
【0048】
続いて、通信端末装置では、基地局装置から送信されてくる前記関連情報が受信されることにより、パケットデータの受信準備が整えられる。また、通信端末装置では、受信されたパケットデータに周波数変換、A/D変換、逆拡散及び復調等の処理が施される。ここで、通信端末装置においてパケットデータを正しく受信できた場合(CRC判定結果がOKの場合)には、通信端末装置から基地局装置100に複数のACKで構成されるHARQ−ACK信号が送信され、一方パケットデータを正しく受信できなかった場合(CRC判定結果がNGの場合)には、基地局装置100に複数のNACKで構成されるHARQ−ACK信号が送信される。
【0049】
続いて、各通信端末装置から送信されてくる送達確認信号(HARQ−ACK信号)及び回線品質情報は、アンテナ素子111で受信された後に無線受信部112に出力される。
【0050】
続いて、無線受信部112に出力された前記送達確認信号及び回線品質情報は、周波数変換された後に、これらの信号が送信されてきたチャンネル(通信端末装置)毎に割り当てられた受信信号加工ユニット120にそれぞれ出力される。
【0051】
続いて、各受信信号加工ユニット120に出力された送達確認信号及び回線品質情報は、HS−DPCCH受信部121においてA/D変換、逆拡散及び復調等の各処理を施された後に、HARQ−ACKシンボル加算部122と誤り訂正部124とに分岐される。
【0052】
続いて、HARQ−ACKシンボル加算部122において、HS−DPCCH121から出力されてくる送達確認信号は、HARQ−ACK信号に含まれるACK又はNACKからなるシンボルが全て加算される。そして、その加算値がACK判定部123に出力される。
【0053】
続いて、HARQ−ACKシンボル加算部122から出力されてくる前記加算値は、ACK判定部123において、送信された一つのパケットデータについて最終的にACK信号であるかNACK信号であるか判定される。なお、HARQ−ACKシンボル加算部122から出力されてくる前記加算値をACK信号ともNACK信号とも判定できない場合は、ACK判定部123はDTX信号を出力する。そして、この判定後の送達確認信号は、ACK判定部123から一定周期で入力タイミング制御部133に出力される。
【0054】
一方で、HS−DPCCH受信部121から誤り訂正部124に出力された回線品質情報は、誤り訂正部124においてその誤りが訂正される。誤り訂正された回線品質情報は、CQI処理部125に出力される。
【0055】
続いて、CQI処理部125において、回線品質情報に基づいて各チャンネルにおける回線品質(通信端末装置における下り回線品質状態の程度)が判定される。そして、この判定結果が、スケジューリング部131に出力される。
【0056】
続いて、入力タイミング制御部133には、ACK判定部123における判定後の送達確認信号(ACK信号、NACK信号又はDTX信号)が周期的に出力されてくる。このとき、入力タイミング制御部133には、スケジューリング部131から出力されてくる前記送信タイミング情報が保持されている。そのため、入力タイミング制御部133では、ACK判定部123から出力されてくる送達確認信号が以下のように処理される。
【0057】
図2に、基地局装置100から通信端末装置a(MS#a)、通信端末装置b(MS#b)及び通信端末装置c(MS#c)にそれぞれパケットデータが送信され、それぞれの通信端末装置から送達確認信号及び回線品質情報が返信されてくる場合におけるタイムチャートを示す。
【0058】
先ず、HS−SCCH送信部141から通信端末装置aに対してパケットデータの関連情報が3スロット連続して送信される。なお、3スロットは時間に換算して約2msであり、3スロットで一つのパケットデータが送信される。これに続いて、HS−SCCH送信部141から通信端末装置bに対して前記同様に3スロットの同関連情報が送信され、続いて3スロット間を置いて、HS−SCCH送信部141から通信端末装置cに対して3スロットの同関連情報が送信される。
【0059】
続いて、前記通信端末装置aに対する前記関連情報の送信が開始されてから2スロット遅れて、HS−PDSCH送信部142から通信端末装置aに対してパケットデータが3スロット送信される。また、前記HS−SCCH送信部141からの前記関連情報の送信のときと同じ間隔で、HS−PDSCH送信部142から通信端末装置b,cに対してパケットデータが送信される。
【0060】
続いて、HS−SCCH送信部141から通信端末装置aへの関連情報の送信が終了した時点を基準として7.5スロット経過した後に、HS−DPCCH受信部121に通信端末装置aからの送達確認信号が入力される。なお、前記7.5スロットは、HSDPAの規格で定められた間隔である。また、通信端末装置b,cについても同様に、HS−SCCH送信部141から通信端末装置b,cへの前記関連情報の送信が終了した時点を基準として7.5スロット経過した後に、通信端末装置b,cにそれぞれ割り当てられた受信信号加工ユニット120のHS−DPCCH受信部121に通信端末装置b,cからの送達確認信号がそれぞれ入力される(図示しない)。
【0061】
ここで、HS−DPCCH受信部121に入力される送達確認信号及び回線品質情報は、3スロットの構成であり、ACK又はNACKからなる複数のシンボルで構成されるHARQ−ACK信号で1スロットを占用し、CQI信号で2スロットを占用する。
【0062】
続いて、HS−DPCCH受信部121に入力された送達確認信号は、A/D変換、逆拡散及び復調等の処理が施された後に、順次HARQ−ACKシンボル加算部122に出力される。HARQ−ACKシンボル加算部122は、HS−DPCCH受信部121から出力されてくるHARQ−ACK信号の末尾を起点として、HARQ−ACK信号のシンボルを全て加算する。そして、HARQ−ACKシンボル加算部122は、HARQ−ACK信号におけるACK又はNACKからなるシンボルの加算値を、3スロット毎にACK判定部123に出力する。
【0063】
続いて、前記加算値は、ACK判定部123において所定の基準値と比較されて、ACK信号であるかNACK信号であるかを判定される。そして、この判定の結果即ちACK信号又はNACK信号が、ACK判定部123から入力タイミング制御部133に3スロット毎に出力される。しかし、前記加算値がACK信号ともNACK信号とも判定できない場合には、ACK判定部123から入力タイミング制御部133にDTX信号が出力される。なお、前記判定には、殆ど時間を要しないため、入力タイミング制御部133にACK信号、NACK信号又はDTX信号が入力されるタイミングは、ACK判定部123に前記加算値が入力されるタイミングとほぼ同一視できる。
【0064】
ここで、入力タイミング制御部133においては、スケジューリング部131から送信されてくる前記送信タイミング情報に基づいて、ACK判定部123から送達確認信号が入力されてくるタイミングを予測することができる。具体的には、通信端末装置aから送信されてくる送達確認信号が入力タイミング制御部133に入力されるタイミングは、HSDPAの規格によれば▲3▼の時点となる。そこで、この▲3▼の時点を基準として、その前後に一定の猶予期間α、βを設けることが好ましい。この猶予期間α(前記基準時より前)、β(前記基準時より後)としては、それぞれ500μs以下特に200μsから500μsまでが好適である。この猶予期間が長くなるほど、通信端末装置と基地局装置と間での送受信で生じる伝搬遅延等を吸収しやすくなるが、一方で送達確認信号の入力タイミング制御部133に入力される周期が約2msであるので、今回の入力データと次回の入力データを分離する必要があることから、猶予期間α及びβは共に500μs以下特に200μsから500μsまでとすることが好適である。なお、通信端末装置bから送信されてくる送達確認信号が入力タイミング制御部133に入力されるタイミングは、HSDPAの規格によれば▲4▼の時点となり、同様に通信端末装置cについては▲6▼の時点となる。
【0065】
続いて、入力タイミング制御部133は、ACK判定部123から出力されてくる判定後の送達確認信号を猶予期間α及びβ内に限り、スケジューリング部131へと通過させる。なお、入力タイミング制御部133は、ACK判定部123からDTX信号が出力されてくるときには、スケジューリング部131に信号を何も出力しない。そして、入力タイミング制御部133は、前記猶予期間以外に出力されてくるACK信号又はNACK信号についても、スケジューリング部131に信号を何も出力しない。このように有効な送達確認信号が送信されてくると予測される期間に限り、入力タイミング制御部133がACK信号又はNACK信号をスケジューリング部131へと通過させることにより、DTX信号と判定されるべき送達確認信号がACK信号又はNACK信号と誤って判定されることを防止できる。
【0066】
続いて、スケジューリング部131においては、入力タイミング制御部133から出力されてくるACK信号又はNACK信号に基づいて、その送達確認信号を送信してくる通信端末装置に対して次回送信されるパケットデータが選択される。即ち、スケジューリング部131は、入力タイミング制御部133からACK信号が出力されてくるときには、当該通信端末装置に対して次回割り当てられるTTIで送信するパケットデータとして新規パケットデータを選択し、一方NACK信号が出力されてくるときには、既に送信されたパケットデータを再送信するために選択する。そして、スケジューリング部131は、CQI処理部125から出力されてくる回線品質情報に基づいて、送信されるパケットデータの宛先である通信端末装置毎に変調方式と符号化率を適宜選定する。例えば、スケジューリング部131は、回線品質がよい通信端末装置に対しては16QAMと冗長度の低い符号化率を選択し、回線品質があまりよくない通信端末装置に対してはQPSKと冗長度の高い符号化率を選択することができる。そして、この選択された変調方式は、HS−SCCH送信部141、無線送信部143及びアンテナ素子145を介して該当する通信端末装置に通知される。また、この選択された変調方式はHS−PDSCH送信部142にも通知され、HS−PDSCH送信部142においてこの変調方式によってパケットデータが変調される。そして、この変調方式で変調されたパケットデータが無線送信部143及びアンテナ素子145を介して通信端末装置に送信される。
【0067】
本実施の形態に係る基地局装置によれば、パケットデータの送信タイミング情報を出力するスケジューリング部131と送信タイミング情報を受信する入力タイミング制御部133とが共にパケット加工ユニット130内に配置されるため、基地局装置における部品ユニット間のデータ通信量を削減することができる。
【0068】
また、本実施の形態に係る基地局装置によれば、スケジューリング部131から出力されてくる送信タイミング情報に基づいて入力タイミング制御部133がACK判定部123から判定後の送達確認信号が出力されてくる時期を予測できるため、入力タイミング制御部133によって有用なACK信号又はNACK信号のみが選別されてスケジューリング部131に出力されることから、雑音や干渉に起因する基地局装置から通信端末装置への不適切な再送信を抑制し、その情報伝送効率を高めることができる。
【0069】
また、本実施の形態に係る基地局装置によれば、通信端末装置から送信されてくる回線品質情報に基づいて基地局装置から通信端末装置に送信されるパケットデータの変調方式が適宜選定されるため、通信端末装置との間で形成されたチャンネルの通信状態に応じて、通信端末装置でNACK信号が生成されることを抑制しつつ、基地局装置から通信端末装置への情報伝送効率を効果的に高めることができる。
【0070】
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2に係る基地局装置の構成を示すブロック図である。
【0071】
以下、本実施の形態に係る基地局装置について、適宜図を参照しつつ説明するが、実施の形態1において示した構成要素と同様の機能を発揮する構成要素については、同一の参照符号を附してその説明を省略する。
【0072】
本実施の形態に係る基地局装置300は、実施の形態1に係る基地局装置100において、受信信号加工ユニット120に具備されるACK判定部123をパケット加工ユニット130における入力タイミング制御部133とスケジューリング部131との間に配置移動したものである。また、ACK判定部123の配置移動に伴い、入力タイミング制御部133とACK判定部332との間に、HARQ−ACKデータ加算部331が新たに設けられる。即ち、本実施の形態に係る基地局装置300におけるパケット加工ユニット330は、入力タイミング制御部133、HARQ−ACKデータ加算部331、ACK判定部332、スケジューリング部131及びパケットデータバッファ132を具備する。
【0073】
基地局装置300は、3GPP規格で定められたHARQ−ACK信号が繰り返し送信される場合(Repetition Factor > 1)に使用されるものである。
【0074】
基地局装置300では、HARQ−ACKシンボル加算部122において一つのパケットデータに対応するHARQ−ACK信号即ち複数のACK又は複数のNACKからなるシンボルデータが加算され、この加算値(軟判定データ)が、パケット加工ユニット330の入力タイミング制御部133に入力される。なお、本実施の形態では、複数のACK又は複数のNACKで構成されるHARQ−ACK信号が通信端末装置から基地局装置に繰り返し送信される。
【0075】
続いて、入力タイミング制御部133では、スケジューリング部131から送信されてくる送信タイミング情報に基づいて設定された期間に限り、軟判定データがHARQ−ACKデータ加算部331へと通過できる。この入力タイミング制御部133における軟判定データの通過タイミングについて、以下に説明する。
【0076】
以下、3GPP規格で定められたRepetition Factor=3により通信端末装置から基地局装置に送達確認信号(HARQ−ACK信号)を送信する場合について説明する。
【0077】
図4に、基地局装置300から通信端末装置a(MS#a)に1つのパケットデータ(3スロット)が送信され、通信端末装置aから送達確認信号が3回繰り返し送信されてくる場合におけるタイムチャートを示す。
【0078】
本実施の形態においても、パケットデータの送信が終了してから7.5スロット経過後に、HS−DPCCH受信部121に通信端末装置aからの送達確認信号(HARQ−ACK信号)が到達する。HS−DPCCH受信部121は、HARQ−ACK信号の末尾を検知すると同時に、HARQ−ACKシンボル加算部122に1回分のHARQ−ACK信号を出力する。HARQ−ACKシンボル加算部122は、1回分のHARQ−ACK信号に含まれるACK又はNACKからなるシンボルを全て加算して軟判定データを作成し、この軟判定データを周期的に3回入力タイミング制御部133に出力する。
【0079】
続いて、入力タイミング制御部133では、スケジューリング部131から出力されてくる送信タイミング情報に基づいて、目的とする軟判定データが出力されてくるタイミングを予測できる。そして、入力タイミング制御部133は、この予測されるタイミングでのみ軟判定データを通過させる。具体的には、基地局装置から送信された1つのパケットデータに対するHARQ−ACK信号の軟判定データが出力されてくると予測される時点は、▲3▼、▲4▼及び▲5▼の時点であるため、▲3▼から▲5▼までの期間と、その前に猶予期間α(500μs以下特に200μsから500μsまでが好適)及びその後に猶予期間β(500μs以下特に200μsから500μsまでが好適)を付加した期間と、に限り、入力タイミング制御部133は前記軟判定データを通過させる。また、入力タイミング制御部133は、▲3▼から▲5▼までの期間に猶予期間α及びβを付加した期間以外に軟判定データを入力されたときには、これらの軟判定データを遮断する。
【0080】
続いて、入力タイミング制御部133を通過してくる軟判定データは、HARQ−ACKデータ加算部331において、前記3回分が加算されて、この加算値がACK判定部332に出力される。
【0081】
続いて、ACK判定部332では、HARQ−ACKデータ加算部331における加算値がACK信号であるか又はNACK信号であるかを判定される。また、ACK判定部332では、前記加算値についてACK信号であるかNACK信号であるかを判定できない場合には、DTX信号が出力される。そして、この判定後の送達確認信号(DTX信号を含む)がスケジューリング部131に出力される。
【0082】
続いて、スケジューリング部131においては、ACK判定部332から出力されてくるACK信号又はNACK信号に基づいて、その送達確認信号を送信してくる通信端末装置に対して次回送信されるパケットデータが選択される。即ち、スケジューリング部131は、ACK判定部332からACK信号が出力されてくるときには、当該通信端末装置に対して次回割り当てられるTTIで送信するパケットデータとして新規パケットデータを選択すると伴に、パケットデータバッファ132に保持される対応パケットデータを廃棄し、この対応パケットデータのために使用していたHARQのリソースを解放する。また、スケジューリング部131は、ACK判定部332からNACK信号が出力されてくるときには、対応するパケットデータをパケットデータバッファ132から入手して、HS−SCCH送信部141、HS−PDSCH送信部142及び無線送信部143を介して、アンテナ素子145から通信端末装置に前記パケットデータを再送信する。また、スケジューリング部131は、ACK判定部332からNACK信号が出力されてくるときには、特に作動せず、次の送達確認信号が出力されてくるまで待機する。
【0083】
本実施の形態に係る基地局装置によれば、通信端末装置から基地局装置にHARQ−ACK信号が繰り返し送信される場合においても、実施の形態1に係る基地局装置によって奏される効果と同等の効果を得ることができる。
【0084】
なお、本実施の形態に係る通信システムを以下のように変形したり、応用したりしてもよい。
【0085】
本実施の形態では、HARQ−ACKシンボル加算部122から3回出力されてくる軟判定データがHARQ−ACKデータ加算部331によって加算され、この加算値がACK判定部332に出力される場合について説明したが、本発明はこの場合に限定されるものではなく、例えばHARQ−ACKデータ加算部331を設けることなく前記軟判定データがそのままACK判定部332に入力されるようにしてもよい。
【0086】
また、本実施の形態では、通信端末装置が基地局装置にHARQ−ACK信号を3回繰り返し送信する場合について説明したが、本発明はこの場合に限定されるものではなく、例えばHARQ−ACK信号の繰り返し送信回数を任意の回数としてもよい。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、パケットデータの送信を制御するスケジューリング手段の近傍にパケットデータの再送信の要否判定に不可欠な信号の流れを制御する入力タイミング制御手段を配置することができるため、高速パケット通信においてチャンネル数が増えても、部品ユニット間のデータ通信量の肥大化を抑制できる基地局装置及びこの基地局装置における信号処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る基地局装置の構成を示すブロック図
【図2】実施の形態1に係る基地局装置の信号処理のタイムチャートを示す図
【図3】本発明の実施の形態2に係る基地局装置の構成を示すブロック図
【図4】実施の形態2に係る基地局装置の信号処理のタイムチャートを示す図
【図5】従来の基地局装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
100、300 基地局装置
111、145 アンテナ素子
112 無線受信部
120、320 受信信号加工ユニット
121 HS−DPCCH受信部
122 HARQ−ACKシンボル加算部
123、332 ACK判定部
124 誤り訂正部
125 CQI処理部
130、330 パケット加工ユニット
131 スケジューリング部
132 パケットデータバッファ
133 入力タイミング制御部
141 HS−SCCH送信部
142 HS−PDSCH送信部
143 無線送信部
331 HARQ−ACKデータ加算部
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速大容量な下りチャンネルを複数の通信端末装置が共有し、下り回線で高速パケット伝送を行うHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)サービスに適した基地局装置及びこの装置における信号処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、HSDPAサービスに関して、通信端末装置から送信されてくるパケットデータの送達確認信号に基づいて、再送信されるパケットデータを自動的に設定する基地局装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
HSDPAサービスでは、各通信端末装置がCQI(Channel Quality Indicator)信号を周期的に送信する。基地局装置は、各通信端末装置からのCQI信号に基づき、下り無線回線の品質を推定し、この推定結果に適応した変調方式と符号化率の組合せでパケットデータを送信する。続いて、このパケットデータを受信した通信端末装置からパケットデータの送達確認信号(ACK信号、NACK信号及び複数のACK若しくは複数のNACKで構成されるHARQ−ACK信号)が基地局装置に送信される。この送達確認信号を受信した基地局装置は、NACK信号を受信したときに、このNACK信号に対応するパケットデータを通信端末装置に自動的に再送信する。ここで、ACK信号とは、基地局装置から送信されたパケットデータが通信端末装置において正しく受信できたことを示す信号であり、NACK信号とは、基地局装置から送信されたパケットデータが通信端末装置において正しく受信できなかったことを示す信号である。
【0004】
HSDPAサービスでは、基地局装置において通信端末装置から送達確認信号が送信されてくる時期を予測できるため、この予測される時期に限り送達確認信号を判定することによって、雑音や干渉等に由来するACK信号またはNACK信号の誤判定に伴うパケットデータの不適切な再送制御を排除することができる。
【0005】
そこで、HSDPAサービスで使用される基地局装置には、ACK信号またはNACK信号の誤判定を排除して下り回線の情報伝送効率を高めるため、通信端末装置から送信されてくるACK信号及びNACK信号について、応答が必要なACK信号及びNACK信号のみを選択的に抽出するフィルタ機器が取り付けられる。
【0006】
図5に、このフィルタ機器を具備する基地局装置の一般的な構成を示す。
【0007】
この基地局装置50は、アンテナ素子11、45、無線受信部12、複数の受信信号加工ユニット20、パケット加工ユニット30、HS−SCCH(High Speed − Shared Control Channel)送信部41、HS−PDSCH(High Speed − Physical Downlink Shared Channel)送信部42及び無線送信部43で構成される。
【0008】
受信信号加工ユニット20は、HS−DPCCH(High Speed − Dedicated Physical Control Channel)受信部21、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)−ACKシンボル加算部22、ACK判定部23、誤り訂正部24、CQI処理部25及びACK判定タイミング制御部26で構成される。また、受信信号加工ユニット20は、通信端末装置との間に形成されるチャンネル毎に必要となるため、HSDPAサービスを使用中のパケットユーザ数分即ち使用中の総チャンネル数分設けられる。
【0009】
パケット加工ユニット30は、スケジューリング部31及びパケットデータバッファ32で構成される。
【0010】
基地局装置から通信端末装置に送信されるパケットデータについて、通信端末装置では、パケットデータに対する複数のACK又は複数のNACKで構成されるHARQ−ACK信号が生成される。この通信端末装置から送信されてくるHARQ−ACK信号は、アンテナ素子11で受信された後に受信信号加工ユニット20に出力される。受信信号加工ユニット20に入力されたHARQ−ACK信号は、HS−DPCCH受信部21によって、各受信信号加工ユニット20に割り当てられたチャンネルの信号のみが選択され抽出される。続いて、HARQ−ACK信号は、HARQ−ACKシンボル加算部22においてHARQ−ACK信号に含まれる全てのシンボルが加算され、この加算値がACK判定部23に出力される。続いて、シンボル加算後のHARQ−ACK信号は、ACK判定部23において、ACK判定タイミング制御部26から指示されたタイミングでACK信号であるのかNACK信号であるのかが判定される。また、HARQ−ACKシンボル加算部22における加算値がACK信号ともNACK信号とも判定できない場合は、ACK判定部23は、DTX信号(ACK信号もNACK信号も送信されてこなかったことを示す信号)を出力する。ここで、ACK判定タイミング制御部26は、スケジューリング部31から送信されてくる信号即ちスケジューリング部31がパケットデータを出力したタイミングについての情報に基づいて前記判定を行うべきタイミングを決定し、ACK判定部23にこのタイミングを通知する。
【0011】
続いて、ACK判定部23における判定後の送達確認信号(DTX信号を含む)が各受信信号加工ユニット20からパケット加工ユニット30に出力される。複数の受信信号加工ユニット20から出力される送達確認信号は全て、スケジューリング部31に入力される。そして、スケジューリング部31は、この判定後の送達確認信号がACK信号であるときには、パケットデータバッファ32に保持される対応パケットデータを廃棄して、この対応パケットデータのために使用されていたHARQのリソースを解放する。また、スケジューリング部31は、判定後の送達確認信号がNACK信号であるときには、対応するパケットデータをパケットデータバッファ32から入手して、HS−SCCH送信部41、HS−PDSCH送信部42及び無線送信部43を介して、アンテナ素子45から通信端末装置に前記パケットデータを再送信する。また、スケジューリング部31は、判定後の送達確認信号がDTX信号であるときには、特に作動せず、次の送達確認信号が出力されてくるまで待機する。
【0012】
【特許文献1】
特開2002−9741号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の基地局装置50では、スケジューリング部31がパケットデータを出力する度に、スケジューリング部31からACK判定タイミング制御部26にパケットデータを出力したタイミングを通知する必要があるため、パケット加工ユニット30と受信信号加工ユニット20との間のデータ通信量が肥大化する問題がある。
【0014】
また、このデータ通信量の肥大化に伴って、ACK判定部23からスケジューリング部31に前記判定結果を出力するタイミングを調整しなければならなくなったり、受信信号加工ユニット20の設置数を制限しなければならなくなったりする問題もある。特に近年では、基地局装置の製造コストを引き下げるため、基地局装置の使用部品を共用化及びユニット化して、使用部品の汎用性を高める改良が積極的に進められている。そのため、基地局装置の実際の設計においては、使用部品間特に部品ユニット間の物理的な距離が長くなる傾向にある。従って、前記データ通信量の肥大化に起因する問題は、今後一層顕在化していくものと考えられる。
【0015】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、高速パケット通信においてチャンネル数が増えても、部品ユニット間のデータ通信量の肥大化を抑制できる基地局装置及びこの基地局装置における信号処理方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る基地局装置は、通信端末装置から送信されてくるパケットデータの送達確認信号を受信する受信手段と、前記通信端末装置に前記パケットデータを送信するタイミングに関する情報に基づいて設定された期間に限り、前記受信手段から出力されてくる前記送達確認信号を通過させる入力タイミング制御手段と、前記入力タイミング制御手段から出力されてくる前記送達確認信号に基づいて前記パケットデータを再送信するか新規パケットデータを送信するかを選択すると伴に、前記入力タイミング制御手段に前記パケットデータ又は前記新規パケットデータを送信するタイミングに関する情報を出力するスケジューリング手段と、前記スケジューリング手段にて選択された前記パケットデータ又は前記新規パケットデータを送信する送信手段と、を具備する構成を採る。
【0017】
この構成によれば、スケジューリング手段から提供されるパケットデータの送信タイミング情報に基づいて作動し、かつ、スケジューリング手段への送達確認信号の入力を制御する入力タイミング制御手段を、受信手段からスケジューリング手段への送達確認信号の経路上に配置するため、入力タイミング制御手段をスケジューリング手段の近傍に配置することができる。その結果、この構成によれば、入力タイミング制御手段とスケジューリング手段との物理的な距離を縮めることができ、基地局装置内部における部品ユニット間のデータ通信量の肥大化を抑制することができる。
【0018】
本発明に係る基地局装置は、前記発明において、前記受信手段と前記入力タイミング制御手段との間に、前記送達確認信号の内容を判定する判定手段を具備し、前記入力タイミング制御手段は、判定後の前記送達確認信号をスケジューリング手段に出力する構成を採る。
【0019】
この構成によれば、前記発明の効果に加えて、判定手段により送達確認信号がACK信号、NACK信号又はDTX信号に明確に類別されるため、入力タイミング制御手段において信号処理の負担が軽減されると伴に、設定された期間に送達確認信号を確実に通過させることができる。
【0020】
本発明に係る基地局装置は、前記発明において、前記入力タイミング制御手段と前記スケジューリング手段との間に、前記入力タイミング制御手段から繰り返し出力されてくる前記送達確認信号を複数回分保持して加算するデータ加算手段と、前記データ加算手段にて加算された前記送達確認信号の内容を判定する判定手段と、を具備する構成を採る。
【0021】
この構成によれば、送達確認信号が通信端末装置から連続して複数回にわたり繰り返し送信される場合でも、前記発明と同等の効果を奏することができる。また、この構成によれば、送達確認信号がACK信号又はNACK信号とDTX信号とに明確に類別されるため、この送達確認信号を送信した通信端末装置に対する次回パケットデータの送信時において、パケットデータを再送信するか新規パケットデータを送信するかについての判定が容易になる。
【0022】
本発明に係る基地局装置は、前記発明において、前記入力タイミング制御手段における設定された期間は、前記パケットデータの送信タイミング情報に基づいて入力タイミング制御手段に前記送達確認信号が最初に入力されると予測される時点を基準としてその前後それぞれ200μsから500μsまでの期間である構成を採る。
【0023】
この構成によれば、入力タイミング制御手段に送達確認信号が入力されるタイミングについて、目的外の他の送達確認信号が混入してくることを防止しつつ、目的とする送達確認信号の入力タイミングに余裕を持たせることができるため、基地局装置の設計の自由度を高めることができる。
【0024】
本発明に係る基地局装置における信号処理方法によれば、パケットデータを送信するタイミングについての情報を装置内部に保持する保持ステップと、前記パケットデータを受信する通信端末装置から送信されてくる前記パケットデータの送達確認信号を受信する受信ステップと、前記受信ステップにおける前記送達確認信号の内容を判定する判定ステップと、保持された前記パケットデータの前記送信タイミング情報を基準として設定された期間に限り、前記送達確認信号を通過させる入力タイミング制御ステップと、前記入力タイミング制御ステップにおいて通過させられた前記送達確認信号に基づいて前記パケットデータを再送信するか新規パケットデータを送信するかを選択すると伴に、前記保持ステップにおける前記送信タイミング情報を生成するスケジューリングステップと、前記スケジューリングステップにおいて選択されたパケットデータを送信する送信ステップと、を具備するようにした。
【0025】
この方法によれば、スケジューリングステップにおけるパケットデータの送信タイミング情報に基づいて、入力タイミング制御ステップにおける送達確認信号の流れが直接的に制御されるため、入力タイミング制御ステップとスケジューリングステップとの間以外でのデータ通信量を減らすことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の骨子は、高速パケット通信において、通信端末装置から送信されてくるパケットデータの送達確認信号に基づいてパケットデータを再送信するか新規パケットデータを送信するかを選択するスケジューリング手段の近傍に、前記パケットデータの送信タイミング情報に基づいて前記送達確認信号を通過させるタイミングを調整する入力タイミング制御手段を配置することである。
【0027】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る基地局装置100の構成を示すブロック図である。
【0029】
基地局装置100は、アンテナ素子111、145、無線受信部112、受信信号加工ユニット120、パケット加工ユニット130、HS−SCCH送信部141、HS−PDSCH送信部142及び無線送信部143を具備する。
【0030】
また、受信信号加工ユニット120は、HS−DPCCH受信部121、HARQ−ACKシンボル加算部122、ACK判定部123、誤り訂正部124及びCQI処理部125を具備する。
【0031】
また、パケット加工ユニット130は、スケジューリング部131、パケットデータバッファ132及び入力タイミング制御部133を具備する。
【0032】
アンテナ素子111は、パケットデータを受信した複数の通信端末装置から送信されてくる前記パケットデータの送達確認信号及び回線品質情報(CQI信号)を受信し、これらの信号を無線受信部112に出力する。
【0033】
無線受信部112は、アンテナ素子111から出力されてくる送達確認信号及び回線品質情報に周波数変換を施した後に、これらの信号を複数の受信信号加工ユニット120に出力する。
【0034】
HS−DPCCH受信部121は、無線受信部112から出力されてくる前記信号の中から、具備される受信信号加工ユニット120に割り当てられたチャンネル(通信端末装置)に該当する前記信号のみを選択して抽出する。そして、HS−DPCCH受信部121は、抽出された前記信号にA/D変換、逆拡散及び復調処理を施した後、この処理された信号をHARQ−ACKシンボル加算部122及び誤り訂正部124に出力する。
【0035】
HARQ−ACKシンボル加算部122は、HS−DPCCH受信部121から出力されてくる送達確認信号について、HS−DPCCHのHARQ−ACK部分で繰り返される全てのシンボルデータ(HARQ−ACK信号)を加算する。そして、HARQ−ACKシンボル加算部122は、HARQ−ACK信号に含まれる全てのシンボルデータ(ACK又はNACKを示すシンボルの繰り返し)の加算値(軟判定データ)をACK判定部123に周期的に順次出力する。
【0036】
ACK判定部123は、HARQ−ACKシンボル加算部122から出力されてくる前記加算値に基づいて、その送達確認信号がACK信号を示すか又はNACK信号を示すかを判定する。また、ACK判定部123は、前記加算値がACK信号ともNACK信号とも判定できない場合には、DTX信号を出力する。即ち、ACK判定部123は、本発明に係る判定手段としての役割を担う。また、ACK判定部123は、判定後の送達確認信号を順次入力タイミング制御部133に出力する。
【0037】
誤り訂正部124は、HS−DPCCH受信部121から出力されてくる回線品質情報(CQI信号)の誤り訂正を行う。そして、誤り訂正部124は、誤り訂正されたCQI信号をCQI処理部125に出力する。
【0038】
CQI処理部125は、誤り訂正部124で誤り訂正されたCQI信号に基づいて、具備される受信信号加工ユニット120に割り当てられたチャンネルについての回線品質状況を判定する。また、CQI処理部125は、回線品質状態についての判定結果をスケジューリング部131に出力する。
【0039】
スケジューリング部131は、入力タイミング制御部133から出力されてくるACK信号又はNACK信号に基づいて、一度送信されたパケットデータを再送信するか新規パケットデータを送信するかを選択する。また、スケジューリング部131は、CQI処理部125での回線品質の判定結果に基づいて、選択されたパケットデータの変調方式を選定する。また、スケジューリング部131は、前記パケットデータを再送信するときには、パケットデータバッファ132からパケットデータの提供を受ける。また、スケジューリング部131は、送信されるパケットデータのリソース割り当て等に関する情報を生成してHS−SCCH送信部141に出力する。また、スケジューリング部131は、送信されるパケットデータをHS−PDSCH送信部142に出力する。なお、スケジューリング部131は、送信されるパケットデータの優先度や回線品質状況等を勘案して、次のTTIでパケットデータを送信する宛先となる通信端末装置を決定する。さらに、スケジューリング部131は、HS−SCCH送信部141への前記出力に伴って、パケットデータの関連情報を出力したタイミング(送信タイミング情報)を入力タイミング制御部133に出力する。
【0040】
パケットデータバッファ132は、無線ネットワーク制御装置(RNC:Radio Network Controller)からパケットデータを取得し、これをスケジューリング部131に出力すると伴に一定期間保持する。そして、パケットデータバッファ132は、スケジューリング部131から要求されたときに、その保持するパケットデータをスケジューリング部131に提供する。
【0041】
入力タイミング制御部133は、スケジューリング部131からパケットデータの送信タイミング情報を入力される。そして、入力タイミング制御部133は、この送信タイミング情報に基づいて前記パケットデータに対する送達確認信号がACK判定部123から出力されてくるタイミングを予測し、この予測されるタイミングを基準にした一定期間内に限り、前記送達確認信号をスケジューリング部131へと通過させる。なお、入力タイミング制御部133は、前記一定の期間内であってもACK判定部123からDTX信号が送信されてくるときには、スケジューリング部131に信号を何も出力しない。また、入力タイミング制御部133は、前記設定された一定期間以外の期間にACK判定部123から出力されてくるACK信号、NACK信号及びDTX信号については、これらを通過させることなく遮断する。
【0042】
HS−SCCH送信部141は、スケジューリング部131で生成されたパケットデータについてのリソース割り当てに関する情報(TFRI:Transport−format and Resource related Information)及びHARQ制御に関する情報等をスケジューリング部131から取得して、これらの情報を無線送信部143に出力する。
【0043】
HS−PDSCH送信部142は、スケジューリング部131からパケットデータを取得して、このパケットデータに変調、拡散及びD/A変換等の処理を施す。そして、HS−PDSCH送信部142は、処理後のパケットデータを無線送信部143に出力する。
【0044】
無線送信部143は、HS−SCCH送信部141から出力されてくるパケットデータの関連情報と、HS−PDSCH送信部142から出力されてくるパケットデータと、にそれぞれ別個に周波数変換等を施した後に、これらをアンテナ素子145に順次出力する。
【0045】
アンテナ素子145は、無線送信部143から順次出力されてくるパケットデータ及びその関連情報を通信端末装置に出力する。
【0046】
次いで、基地局装置100の機能及び動作について、図面を適宜参照しながら詳細に説明する。
【0047】
先ず、通信端末装置に送信されるパケットデータが、無線ネットワーク制御装置(RNC)からパケットデータバッファ132を介してスケジューリング部131に入力される。スケジューリング部131では、このパケットデータについてのリソースや変調方式等の関連情報が作成され、このパケットデータの送信に先立って、HS−SCCH送信部141、無線送信部143及びアンテナ素子145を介してこの関連情報が通信端末装置に送信される。このスケジューリング部131からHS−SCCH送信部141への関連情報の出力と平行して、前記関連情報の出力されたタイミング(送信タイミング情報)がスケジューリング部131から入力タイミング制御部133に通知される。そして間を置かずに、前記パケットデータがスケジューリング部131からHS−PDSCH送信部142に出力される。このパケットデータは、HS−PDSCH送信部142において変調、拡散及びD/A変換等の処理を施された後、無線送信部143及びアンテナ素子145を介して通信端末装置に送信される。
【0048】
続いて、通信端末装置では、基地局装置から送信されてくる前記関連情報が受信されることにより、パケットデータの受信準備が整えられる。また、通信端末装置では、受信されたパケットデータに周波数変換、A/D変換、逆拡散及び復調等の処理が施される。ここで、通信端末装置においてパケットデータを正しく受信できた場合(CRC判定結果がOKの場合)には、通信端末装置から基地局装置100に複数のACKで構成されるHARQ−ACK信号が送信され、一方パケットデータを正しく受信できなかった場合(CRC判定結果がNGの場合)には、基地局装置100に複数のNACKで構成されるHARQ−ACK信号が送信される。
【0049】
続いて、各通信端末装置から送信されてくる送達確認信号(HARQ−ACK信号)及び回線品質情報は、アンテナ素子111で受信された後に無線受信部112に出力される。
【0050】
続いて、無線受信部112に出力された前記送達確認信号及び回線品質情報は、周波数変換された後に、これらの信号が送信されてきたチャンネル(通信端末装置)毎に割り当てられた受信信号加工ユニット120にそれぞれ出力される。
【0051】
続いて、各受信信号加工ユニット120に出力された送達確認信号及び回線品質情報は、HS−DPCCH受信部121においてA/D変換、逆拡散及び復調等の各処理を施された後に、HARQ−ACKシンボル加算部122と誤り訂正部124とに分岐される。
【0052】
続いて、HARQ−ACKシンボル加算部122において、HS−DPCCH121から出力されてくる送達確認信号は、HARQ−ACK信号に含まれるACK又はNACKからなるシンボルが全て加算される。そして、その加算値がACK判定部123に出力される。
【0053】
続いて、HARQ−ACKシンボル加算部122から出力されてくる前記加算値は、ACK判定部123において、送信された一つのパケットデータについて最終的にACK信号であるかNACK信号であるか判定される。なお、HARQ−ACKシンボル加算部122から出力されてくる前記加算値をACK信号ともNACK信号とも判定できない場合は、ACK判定部123はDTX信号を出力する。そして、この判定後の送達確認信号は、ACK判定部123から一定周期で入力タイミング制御部133に出力される。
【0054】
一方で、HS−DPCCH受信部121から誤り訂正部124に出力された回線品質情報は、誤り訂正部124においてその誤りが訂正される。誤り訂正された回線品質情報は、CQI処理部125に出力される。
【0055】
続いて、CQI処理部125において、回線品質情報に基づいて各チャンネルにおける回線品質(通信端末装置における下り回線品質状態の程度)が判定される。そして、この判定結果が、スケジューリング部131に出力される。
【0056】
続いて、入力タイミング制御部133には、ACK判定部123における判定後の送達確認信号(ACK信号、NACK信号又はDTX信号)が周期的に出力されてくる。このとき、入力タイミング制御部133には、スケジューリング部131から出力されてくる前記送信タイミング情報が保持されている。そのため、入力タイミング制御部133では、ACK判定部123から出力されてくる送達確認信号が以下のように処理される。
【0057】
図2に、基地局装置100から通信端末装置a(MS#a)、通信端末装置b(MS#b)及び通信端末装置c(MS#c)にそれぞれパケットデータが送信され、それぞれの通信端末装置から送達確認信号及び回線品質情報が返信されてくる場合におけるタイムチャートを示す。
【0058】
先ず、HS−SCCH送信部141から通信端末装置aに対してパケットデータの関連情報が3スロット連続して送信される。なお、3スロットは時間に換算して約2msであり、3スロットで一つのパケットデータが送信される。これに続いて、HS−SCCH送信部141から通信端末装置bに対して前記同様に3スロットの同関連情報が送信され、続いて3スロット間を置いて、HS−SCCH送信部141から通信端末装置cに対して3スロットの同関連情報が送信される。
【0059】
続いて、前記通信端末装置aに対する前記関連情報の送信が開始されてから2スロット遅れて、HS−PDSCH送信部142から通信端末装置aに対してパケットデータが3スロット送信される。また、前記HS−SCCH送信部141からの前記関連情報の送信のときと同じ間隔で、HS−PDSCH送信部142から通信端末装置b,cに対してパケットデータが送信される。
【0060】
続いて、HS−SCCH送信部141から通信端末装置aへの関連情報の送信が終了した時点を基準として7.5スロット経過した後に、HS−DPCCH受信部121に通信端末装置aからの送達確認信号が入力される。なお、前記7.5スロットは、HSDPAの規格で定められた間隔である。また、通信端末装置b,cについても同様に、HS−SCCH送信部141から通信端末装置b,cへの前記関連情報の送信が終了した時点を基準として7.5スロット経過した後に、通信端末装置b,cにそれぞれ割り当てられた受信信号加工ユニット120のHS−DPCCH受信部121に通信端末装置b,cからの送達確認信号がそれぞれ入力される(図示しない)。
【0061】
ここで、HS−DPCCH受信部121に入力される送達確認信号及び回線品質情報は、3スロットの構成であり、ACK又はNACKからなる複数のシンボルで構成されるHARQ−ACK信号で1スロットを占用し、CQI信号で2スロットを占用する。
【0062】
続いて、HS−DPCCH受信部121に入力された送達確認信号は、A/D変換、逆拡散及び復調等の処理が施された後に、順次HARQ−ACKシンボル加算部122に出力される。HARQ−ACKシンボル加算部122は、HS−DPCCH受信部121から出力されてくるHARQ−ACK信号の末尾を起点として、HARQ−ACK信号のシンボルを全て加算する。そして、HARQ−ACKシンボル加算部122は、HARQ−ACK信号におけるACK又はNACKからなるシンボルの加算値を、3スロット毎にACK判定部123に出力する。
【0063】
続いて、前記加算値は、ACK判定部123において所定の基準値と比較されて、ACK信号であるかNACK信号であるかを判定される。そして、この判定の結果即ちACK信号又はNACK信号が、ACK判定部123から入力タイミング制御部133に3スロット毎に出力される。しかし、前記加算値がACK信号ともNACK信号とも判定できない場合には、ACK判定部123から入力タイミング制御部133にDTX信号が出力される。なお、前記判定には、殆ど時間を要しないため、入力タイミング制御部133にACK信号、NACK信号又はDTX信号が入力されるタイミングは、ACK判定部123に前記加算値が入力されるタイミングとほぼ同一視できる。
【0064】
ここで、入力タイミング制御部133においては、スケジューリング部131から送信されてくる前記送信タイミング情報に基づいて、ACK判定部123から送達確認信号が入力されてくるタイミングを予測することができる。具体的には、通信端末装置aから送信されてくる送達確認信号が入力タイミング制御部133に入力されるタイミングは、HSDPAの規格によれば▲3▼の時点となる。そこで、この▲3▼の時点を基準として、その前後に一定の猶予期間α、βを設けることが好ましい。この猶予期間α(前記基準時より前)、β(前記基準時より後)としては、それぞれ500μs以下特に200μsから500μsまでが好適である。この猶予期間が長くなるほど、通信端末装置と基地局装置と間での送受信で生じる伝搬遅延等を吸収しやすくなるが、一方で送達確認信号の入力タイミング制御部133に入力される周期が約2msであるので、今回の入力データと次回の入力データを分離する必要があることから、猶予期間α及びβは共に500μs以下特に200μsから500μsまでとすることが好適である。なお、通信端末装置bから送信されてくる送達確認信号が入力タイミング制御部133に入力されるタイミングは、HSDPAの規格によれば▲4▼の時点となり、同様に通信端末装置cについては▲6▼の時点となる。
【0065】
続いて、入力タイミング制御部133は、ACK判定部123から出力されてくる判定後の送達確認信号を猶予期間α及びβ内に限り、スケジューリング部131へと通過させる。なお、入力タイミング制御部133は、ACK判定部123からDTX信号が出力されてくるときには、スケジューリング部131に信号を何も出力しない。そして、入力タイミング制御部133は、前記猶予期間以外に出力されてくるACK信号又はNACK信号についても、スケジューリング部131に信号を何も出力しない。このように有効な送達確認信号が送信されてくると予測される期間に限り、入力タイミング制御部133がACK信号又はNACK信号をスケジューリング部131へと通過させることにより、DTX信号と判定されるべき送達確認信号がACK信号又はNACK信号と誤って判定されることを防止できる。
【0066】
続いて、スケジューリング部131においては、入力タイミング制御部133から出力されてくるACK信号又はNACK信号に基づいて、その送達確認信号を送信してくる通信端末装置に対して次回送信されるパケットデータが選択される。即ち、スケジューリング部131は、入力タイミング制御部133からACK信号が出力されてくるときには、当該通信端末装置に対して次回割り当てられるTTIで送信するパケットデータとして新規パケットデータを選択し、一方NACK信号が出力されてくるときには、既に送信されたパケットデータを再送信するために選択する。そして、スケジューリング部131は、CQI処理部125から出力されてくる回線品質情報に基づいて、送信されるパケットデータの宛先である通信端末装置毎に変調方式と符号化率を適宜選定する。例えば、スケジューリング部131は、回線品質がよい通信端末装置に対しては16QAMと冗長度の低い符号化率を選択し、回線品質があまりよくない通信端末装置に対してはQPSKと冗長度の高い符号化率を選択することができる。そして、この選択された変調方式は、HS−SCCH送信部141、無線送信部143及びアンテナ素子145を介して該当する通信端末装置に通知される。また、この選択された変調方式はHS−PDSCH送信部142にも通知され、HS−PDSCH送信部142においてこの変調方式によってパケットデータが変調される。そして、この変調方式で変調されたパケットデータが無線送信部143及びアンテナ素子145を介して通信端末装置に送信される。
【0067】
本実施の形態に係る基地局装置によれば、パケットデータの送信タイミング情報を出力するスケジューリング部131と送信タイミング情報を受信する入力タイミング制御部133とが共にパケット加工ユニット130内に配置されるため、基地局装置における部品ユニット間のデータ通信量を削減することができる。
【0068】
また、本実施の形態に係る基地局装置によれば、スケジューリング部131から出力されてくる送信タイミング情報に基づいて入力タイミング制御部133がACK判定部123から判定後の送達確認信号が出力されてくる時期を予測できるため、入力タイミング制御部133によって有用なACK信号又はNACK信号のみが選別されてスケジューリング部131に出力されることから、雑音や干渉に起因する基地局装置から通信端末装置への不適切な再送信を抑制し、その情報伝送効率を高めることができる。
【0069】
また、本実施の形態に係る基地局装置によれば、通信端末装置から送信されてくる回線品質情報に基づいて基地局装置から通信端末装置に送信されるパケットデータの変調方式が適宜選定されるため、通信端末装置との間で形成されたチャンネルの通信状態に応じて、通信端末装置でNACK信号が生成されることを抑制しつつ、基地局装置から通信端末装置への情報伝送効率を効果的に高めることができる。
【0070】
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2に係る基地局装置の構成を示すブロック図である。
【0071】
以下、本実施の形態に係る基地局装置について、適宜図を参照しつつ説明するが、実施の形態1において示した構成要素と同様の機能を発揮する構成要素については、同一の参照符号を附してその説明を省略する。
【0072】
本実施の形態に係る基地局装置300は、実施の形態1に係る基地局装置100において、受信信号加工ユニット120に具備されるACK判定部123をパケット加工ユニット130における入力タイミング制御部133とスケジューリング部131との間に配置移動したものである。また、ACK判定部123の配置移動に伴い、入力タイミング制御部133とACK判定部332との間に、HARQ−ACKデータ加算部331が新たに設けられる。即ち、本実施の形態に係る基地局装置300におけるパケット加工ユニット330は、入力タイミング制御部133、HARQ−ACKデータ加算部331、ACK判定部332、スケジューリング部131及びパケットデータバッファ132を具備する。
【0073】
基地局装置300は、3GPP規格で定められたHARQ−ACK信号が繰り返し送信される場合(Repetition Factor > 1)に使用されるものである。
【0074】
基地局装置300では、HARQ−ACKシンボル加算部122において一つのパケットデータに対応するHARQ−ACK信号即ち複数のACK又は複数のNACKからなるシンボルデータが加算され、この加算値(軟判定データ)が、パケット加工ユニット330の入力タイミング制御部133に入力される。なお、本実施の形態では、複数のACK又は複数のNACKで構成されるHARQ−ACK信号が通信端末装置から基地局装置に繰り返し送信される。
【0075】
続いて、入力タイミング制御部133では、スケジューリング部131から送信されてくる送信タイミング情報に基づいて設定された期間に限り、軟判定データがHARQ−ACKデータ加算部331へと通過できる。この入力タイミング制御部133における軟判定データの通過タイミングについて、以下に説明する。
【0076】
以下、3GPP規格で定められたRepetition Factor=3により通信端末装置から基地局装置に送達確認信号(HARQ−ACK信号)を送信する場合について説明する。
【0077】
図4に、基地局装置300から通信端末装置a(MS#a)に1つのパケットデータ(3スロット)が送信され、通信端末装置aから送達確認信号が3回繰り返し送信されてくる場合におけるタイムチャートを示す。
【0078】
本実施の形態においても、パケットデータの送信が終了してから7.5スロット経過後に、HS−DPCCH受信部121に通信端末装置aからの送達確認信号(HARQ−ACK信号)が到達する。HS−DPCCH受信部121は、HARQ−ACK信号の末尾を検知すると同時に、HARQ−ACKシンボル加算部122に1回分のHARQ−ACK信号を出力する。HARQ−ACKシンボル加算部122は、1回分のHARQ−ACK信号に含まれるACK又はNACKからなるシンボルを全て加算して軟判定データを作成し、この軟判定データを周期的に3回入力タイミング制御部133に出力する。
【0079】
続いて、入力タイミング制御部133では、スケジューリング部131から出力されてくる送信タイミング情報に基づいて、目的とする軟判定データが出力されてくるタイミングを予測できる。そして、入力タイミング制御部133は、この予測されるタイミングでのみ軟判定データを通過させる。具体的には、基地局装置から送信された1つのパケットデータに対するHARQ−ACK信号の軟判定データが出力されてくると予測される時点は、▲3▼、▲4▼及び▲5▼の時点であるため、▲3▼から▲5▼までの期間と、その前に猶予期間α(500μs以下特に200μsから500μsまでが好適)及びその後に猶予期間β(500μs以下特に200μsから500μsまでが好適)を付加した期間と、に限り、入力タイミング制御部133は前記軟判定データを通過させる。また、入力タイミング制御部133は、▲3▼から▲5▼までの期間に猶予期間α及びβを付加した期間以外に軟判定データを入力されたときには、これらの軟判定データを遮断する。
【0080】
続いて、入力タイミング制御部133を通過してくる軟判定データは、HARQ−ACKデータ加算部331において、前記3回分が加算されて、この加算値がACK判定部332に出力される。
【0081】
続いて、ACK判定部332では、HARQ−ACKデータ加算部331における加算値がACK信号であるか又はNACK信号であるかを判定される。また、ACK判定部332では、前記加算値についてACK信号であるかNACK信号であるかを判定できない場合には、DTX信号が出力される。そして、この判定後の送達確認信号(DTX信号を含む)がスケジューリング部131に出力される。
【0082】
続いて、スケジューリング部131においては、ACK判定部332から出力されてくるACK信号又はNACK信号に基づいて、その送達確認信号を送信してくる通信端末装置に対して次回送信されるパケットデータが選択される。即ち、スケジューリング部131は、ACK判定部332からACK信号が出力されてくるときには、当該通信端末装置に対して次回割り当てられるTTIで送信するパケットデータとして新規パケットデータを選択すると伴に、パケットデータバッファ132に保持される対応パケットデータを廃棄し、この対応パケットデータのために使用していたHARQのリソースを解放する。また、スケジューリング部131は、ACK判定部332からNACK信号が出力されてくるときには、対応するパケットデータをパケットデータバッファ132から入手して、HS−SCCH送信部141、HS−PDSCH送信部142及び無線送信部143を介して、アンテナ素子145から通信端末装置に前記パケットデータを再送信する。また、スケジューリング部131は、ACK判定部332からNACK信号が出力されてくるときには、特に作動せず、次の送達確認信号が出力されてくるまで待機する。
【0083】
本実施の形態に係る基地局装置によれば、通信端末装置から基地局装置にHARQ−ACK信号が繰り返し送信される場合においても、実施の形態1に係る基地局装置によって奏される効果と同等の効果を得ることができる。
【0084】
なお、本実施の形態に係る通信システムを以下のように変形したり、応用したりしてもよい。
【0085】
本実施の形態では、HARQ−ACKシンボル加算部122から3回出力されてくる軟判定データがHARQ−ACKデータ加算部331によって加算され、この加算値がACK判定部332に出力される場合について説明したが、本発明はこの場合に限定されるものではなく、例えばHARQ−ACKデータ加算部331を設けることなく前記軟判定データがそのままACK判定部332に入力されるようにしてもよい。
【0086】
また、本実施の形態では、通信端末装置が基地局装置にHARQ−ACK信号を3回繰り返し送信する場合について説明したが、本発明はこの場合に限定されるものではなく、例えばHARQ−ACK信号の繰り返し送信回数を任意の回数としてもよい。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、パケットデータの送信を制御するスケジューリング手段の近傍にパケットデータの再送信の要否判定に不可欠な信号の流れを制御する入力タイミング制御手段を配置することができるため、高速パケット通信においてチャンネル数が増えても、部品ユニット間のデータ通信量の肥大化を抑制できる基地局装置及びこの基地局装置における信号処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る基地局装置の構成を示すブロック図
【図2】実施の形態1に係る基地局装置の信号処理のタイムチャートを示す図
【図3】本発明の実施の形態2に係る基地局装置の構成を示すブロック図
【図4】実施の形態2に係る基地局装置の信号処理のタイムチャートを示す図
【図5】従来の基地局装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
100、300 基地局装置
111、145 アンテナ素子
112 無線受信部
120、320 受信信号加工ユニット
121 HS−DPCCH受信部
122 HARQ−ACKシンボル加算部
123、332 ACK判定部
124 誤り訂正部
125 CQI処理部
130、330 パケット加工ユニット
131 スケジューリング部
132 パケットデータバッファ
133 入力タイミング制御部
141 HS−SCCH送信部
142 HS−PDSCH送信部
143 無線送信部
331 HARQ−ACKデータ加算部
Claims (5)
- 通信端末装置から送信されてくるパケットデータの送達確認信号を受信する受信手段と、
前記通信端末装置に前記パケットデータを送信するタイミングに関する情報に基づいて設定された期間に限り、前記受信手段から出力されてくる前記送達確認信号を通過させる入力タイミング制御手段と、
前記入力タイミング制御手段から出力されてくる前記送達確認信号に基づいて前記パケットデータを再送信するか新規パケットデータを送信するかを選択すると伴に、前記入力タイミング制御手段に前記パケットデータ又は前記新規パケットデータを送信するタイミングに関する情報を出力するスケジューリング手段と、
前記スケジューリング手段にて選択された前記パケットデータ又は前記新規パケットデータを送信する送信手段と、を具備することを特徴とする基地局装置。 - 前記受信手段と前記入力タイミング制御手段との間に、前記送達確認信号の内容を判定する判定手段を具備し、
前記入力タイミング制御手段は、判定後の前記送達確認信号をスケジューリング手段に出力する、
ことを特徴とする請求項1記載の基地局装置。 - 前記入力タイミング制御手段と前記スケジューリング手段との間に、
前記入力タイミング制御手段から繰り返し出力されてくる前記送達確認信号を複数回分保持して加算するデータ加算手段と、
前記データ加算手段にて加算された前記送達確認信号の内容を判定する判定手段と、を具備することを特徴とする請求項1記載の基地局装置。 - 前記入力タイミング制御手段における設定された期間は、前記パケットデータの送信タイミング情報に基づいて入力タイミング制御手段に前記送達確認信号が最初に入力されると予測される時点を基準としてその前後それぞれ200μsから500μsまでの期間であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の基地局装置。
- パケットデータを送信するタイミングについての情報を装置内部に保持する保持ステップと、
前記パケットデータを受信する通信端末装置から送信されてくる前記パケットデータの送達確認信号を受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおける前記送達確認信号の内容を判定する判定ステップと、
保持された前記パケットデータの前記送信タイミング情報を基準として設定された期間に限り、前記送達確認信号を通過させる入力タイミング制御ステップと、
前記入力タイミング制御ステップにおいて通過させられた前記送達確認信号に基づいて前記パケットデータを再送信するか新規パケットデータを送信するかを選択すると伴に、前記保持ステップにおける前記送信タイミング情報を生成するスケジューリングステップと、
前記スケジューリングステップにおいて選択されたパケットデータを送信する送信ステップと、を具備することを特徴とする基地局装置における信号処理方法。
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JP2008530896A (ja) * | 2005-02-15 | 2008-08-07 | エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド | マルチメディア放送/マルチキャストサービスの送受信装置及び方法 |
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