JP2004325405A - 散乱角不確定性補正コンプトンカメラ - Google Patents

散乱角不確定性補正コンプトンカメラ Download PDF

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Abstract

【課題】コンプトンテレスコープを含むコンプトンカメラにおいて、測定コンプトン散乱角に対する不確定性を補正し、得られるガンマ線源放射能密度分布の解像度を改善すること。
【解決手段】ガンマ線源の放射能密度分布を測定するコンプトンカメラで、前面検出器及び後面検出器と、該検出器からの出力に基づき計算しガンマ線源の放射能密度分布を再構成する演算手段を有しており、該演算手段は、ガンマ線の測定コンプトン散乱角不確定性を積分核に組み込んだ積分方程式の解を用いて、補正された方向線上ガンマ線源積算放射能分布を得ることにより、解像度の良いガンマ線源放射能密度分布を再構成する。前記演算手段は、次に示す関数kBrを組み込んだ積分方程式の解を用いることが望ましい。
【数1】
Figure 2004325405

ここで、ベクトルsは前面検出器へのガンマ線の入射方向単位ベクトル、ベクトルtは前面検出器からのガンマ線のコンプトン散乱方向単位ベクトル、ωは測定コンプトン散乱角、Δωは測定コンプトン散乱角不確定度の半値幅である。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンプトンカメラやコンプトンテレスコープ(以下まとめて、コンプトンカメラという)に関し、特にコンプトンカメラにおける測定コンプトン散乱角の不確定性の補正に関する。
【0002】
【技術的背景】
コンプトンカメラは、基本的には、図1に示すようにガンマ線のコンプトン散乱・光電吸収位置とそこでのガンマ線のエネルギー損失量が測定できる2枚の検出器110、120よりなる。ガンマ線が前面の検出器110でコンプトン散乱された後、後面の検出器120で光電吸収される過程を利用し、その前面検出器での損失エネルギーEからコンプトン公式(式(1)参照)によりコンプトン散乱角ωを求め、ガンマ線源150の位置を散乱点aと吸収点bを結ぶ直線を軸とする頂角2ωの円錐面内に限定する。これが、電子的コリメーションとよばれるコンプトンカメラの基本原理である(必要であれば、本出願発明者の特許文献1や非特許文献1,2参照のこと)。
【数8】
Figure 2004325405
ここで、mとCは、それぞれ、電子の静止質量と光の速さであり、Eはガンマ線源からの入射ガンマ線のエネルギーである。図1に示す円錐面が3つ測定されれば、3つの円錐面がいずれもガンマ線源位置を含み、3つの円錐面の交点が、ガンマ線源150の3次元位置を与えてくれる。
【0003】
さて、L.C.Parraは、複素球面調和関数による級数展開を用い、2種のコンプトンカメラでの積分方程式の解としてのガンマ線源放射能密度分布再構成手法を提示した(非特許文献1参照)。そこでは、級数展開により方向線逆投影値(ガンマ線源の方向線上積算放射能値)分布が導出される。さらには、定義域の方位角端点で高い特異性を示す複素球面調和関数は、その加法定理を用いて、特異性のないルジャンドル関数に全て落とされている。しかし、この手法は、前面検出器から全方向への散乱投影値(コンプトン散乱ガンマ線計数値)の分布を測定値として必要とするため、後面検出器としては、前面検出器をそっくり覆う物が必要となってしまう。
L.C.Parraの第1手法は、コンプトン散乱角の測定値を必要としない形式になっている。その積分方程式の一般形は以下の通りである。
【数9】
Figure 2004325405
ここで、ベクトルsは前面検出器へのガンマ線の入射方向単位ベクトル、ベクトルtは前面検出器からのガンマ線のコンプトン散乱方向単位ベクトルであり、Vは後面検出器面内の任意の領域である。h、g(t)、f(s)は、それぞれ、クライン・仁科の公式、方向tへの散乱投影値、方向sでの方向線逆投影値を示す。また、∫dsはV上での面積分を示し、<s,t>は、ベクトルsとベクトルtの内積を示す。
【0004】
この積分方程式の解は、本願発明者たちにより、任意の完備複素直交関数系による級数展開の形式に、複素関数空間論(無限次元複素ヒルベルト空間論)の枠組みの中で、以下のように一般化されている。
【数10】
Figure 2004325405
ここで、φ(iは正の整数)はVを定義域とする任意の完備複素直交関数系である。また、∫ds又は∫dtはV上での面積分を示す。
適当な完備複素直交関数系が与えられれば、方向線逆投影値分布fを前面検出器からVへの限定された方向範囲内への散乱投影値分布gから導出することが可能となり、後面検出器は前面検出器を覆う必要が無くなる。これらに関しては、本願発明者たちによる出願(前述の特許文献1)を参照されたい。
【0005】
また、本願発明者たちは、L.C.Parraの第2手法を改良した新手法をも提示した(非特許文献2参照)。そこでは、δ関数の級数展開が利用され、ωからωの限定されたコンプトン散乱角ωでの散乱投影値分布gのみから方向線逆投影値分布fを導出することが可能であ、後面検出器は前面検出器を覆う必要が無くなる。解くべき積分方程式の一般形は以下の通りである。
【数11】
Figure 2004325405
ここで、関数k(s,t,ω)は、
【数12】
Figure 2004325405
である。
【0006】
本願発明者たちによる、積分方程式(6)の解は、以下のようになる(非特許文献2参照)。
【数13】
Figure 2004325405
ここで、ωとωは0からπの任意の実数(ω<ω)、Pとg(t,ω)は、それぞれ、n次のルジャンドル関数とコンプトン散乱角ωでの方向tへの散乱投影値を表す。さらに、<t,s>と∫dtは、それぞれ、ベクトルtとベクトルsの内積、および、前面検出器を中心とする単位球面S上での面積分を示す。
【0007】
しかし、これらの方向線逆投影値分布再構成手法におけるコンプトン散乱角ωでの損失エネルギーEは、実測定段階で前面検出器の有限のエネルギー分解能によるΔE1e(半値幅)の不確定度を持っている。さらには、このエネルギー分解能によるものとは独立に、コンプトン散乱角ωでの損失エネルギーEは、コンプトン散乱が原子内の有限の運動量を持つ束縛電子によるものであるために、運動電子によるドップラー効果での不確定度ΔE1d(半値幅)をも持つ。
総エネルギー不確定度ΔE(半値幅)は、以下の式で表すことができる。
【数14】
Figure 2004325405
これらのガンマ線損失エネルギー不確定度は、それぞれ近似公式(式(12)参照)を用いることにより、前面検出器での測定損失エネルギーEに対応する測定コンプトン散乱角ωの不確定度Δω(半値幅)に変換することができる。
【数15】
Figure 2004325405
ここで、α= E/mである。
【0008】
本願発明者たちは、マルチトレーサー用のGeクロスストリップ検出器を用いたコンプトンカメラの共同開発を進めている。そのGeクロスストリップ検出器の推定エネルギー分解能を元に計算した測定コンプトン散乱角総不確定度(半値幅)を、図2に3つの入射エネルギー(141keV,364keV,511keV)のガンマ線に対して示す。図2から分かるように、低エネルギーガンマ線ほど不確定度は大きく、また、特に小測定コンプトン散乱角で不確定度が顕著になり、141keVのガンマ線では、測定コンプトン散乱角10度から30度で、約9.0度から4.6度もの不確定度(半値幅)となってくる。
【特許文献1】
特開2002−357661号公報
【非特許文献1】
Parra L.C.; Reconstruction of cone−beam projections from Compton scattered data, IEEE Trans. Nucl. Sci., 47 : 1543−1550, 2000.
【非特許文献2】
Tomitani T and Hirasawa M : Image reconstruction from limited angle Compton camera data, Phys. Med. Biol., 47 : 2129−2145, 2002.
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明の目的は、コンプトンテレスコープを含むコンプトンカメラにおいて、測定コンプトン散乱角に対する不確定性を補正し、得られるガンマ線源放射能密度分布の解像度を改善することである。
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本願発明は、ガンマ線源の放射能密度分布を測定するコンプトンカメラであって、前面検出器及び後面検出器と、該検出器からの出力に基づき計算しガンマ線源の放射能密度分布を再構成する演算手段を有し、該演算手段は、ガンマ線の測定コンプトン散乱角の不確定性を積分核に組み込んだ積分方程式の解を用い、補正された方向線上ガンマ線源積算放射能値分布を得ることにより、解像度の良いガンマ線源放射能密度分布を再構成することを特徴とする。
前記演算手段は、次に示す関数kBrを組み込んだ積分方程式の解を用いることが望ましい。
【数16】
Figure 2004325405
ここで、ベクトルsは前面検出器へのガンマ線の入射方向単位ベクトル、ベクトルtは前面検出器からのガンマ線のコンプトン散乱方向単位ベクトル、ωは測定コンプトン散乱角、Δωは測定コンプトン散乱角不確定度の半値幅である。
前記演算手段の前記関数kBr中の関数Brの近似関数として、次に示す関数を使用することにより、前記演算手段での計算が容易となる。
【数17】
Figure 2004325405
前記演算手段の前記測定コンプトン散乱角不確定性を積分核に組み込んだ積分方程式は、次に示すものでもよい。
【数18】
Figure 2004325405
ここで、g(t)は方向tでの後面検出器へのガンマ線コンプトン散乱計数値、Vは後面検出器面内の任意の面領域、Sは前面検出器を中心とする単位球面、hはクライン・仁科の公式、ベクトルuはクライン・仁科の公式に前記測定コンプトン散乱角不確定性を畳み込むための助変数としての方向単位ベクトル、f(s)は方向sでのガンマ線源の方向線上積算放射能値である。また、関数kBrd中のΔωは、運動電子によるドップラー効果に起因する測定コンプトン散乱角不確定度の半値幅である。
上述の積分方程式の解としては、次に示す式を用いるとよい。
【数19】
Figure 2004325405
ここで、φ(iは正の整数)は、Vを定義域とする任意の完備複素直交関数系である。
また、前記演算手段の前記測定コンプトン散乱角不確定性を積分核に組み込んだ積分方程式は、次に示すものでもよい。
【数20】
Figure 2004325405
又は
【数21】
Figure 2004325405
ここで、g(t,ω)は方向tと測定コンプトン散乱角ωでの後面検出器へのガンマ線コンプトン散乱計数値、Vは後面検出器面内の任意の面領域、Sは前面検出器を中心とする単位球面、hはクライン・仁科の公式、ベクトルuはクライン・仁科の公式に前記測定コンプトン散乱角不確定性を畳み込むための助変数としての方向単位ベクトル、f(s)は方向sでのガンマ線源の方向線上積分放射能値である。また、関数kBrd中のΔωは、運動電子によるドップラー効果に起因する測定コンプトン散乱角不確定度の半値幅であり、関数kBre中のΔωは、前面検出器の有限であるエネルギー分解能に起因する測定コンプトン散乱角不確定度の半値幅であり、関数kBrt中のΔωは、両半値幅の2乗和の平方根である。
上述の積分方程式の解は、次に示す式を用いるとよい。
【数22】
Figure 2004325405
ここで、Pnはn次のルジャンドル関数、ωとωは0からπの任意の実数(ω<ω)である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を、詳しく説明する。
本願発明の補正の手法を用いることにより、図1に示したコンプトンカメラ(コンプトンテレスコープを含む)において、測定コンプトン散乱角に対する不確定性を補正して、より解像度の良いガンマ線源放射能密度分布を得ることができる。以下に、本願発明者たちが提案しているガンマ線源放射能密度分布再構成手法に対して、この補正を適用した例も示している。これは、図1の2つの検出器からの出力に基づき、コンピューターにより計算してガンマ線源放射能密度分布を再構成することで、実現することができる。
コンプトンカメラ用ガンマ線源放射能密度分布再構成手法に対する測定コンプトン散乱角不確定性補正では、次に示す関数kBrを積分方程式の積分核に組み込み、組み込んだ積分方程式の解をコンピューターにより計算することにより、実現できる。なお、コンピューターにより、積分方程式の解を計算することは、既存のコンプトンカメラで用いられている手法でよい。
【数23】
Figure 2004325405
ここで、各記号は前と同様であり、ベクトルsは前面検出器へのガンマ線の入射方向単位ベクトル、ベクトルtは前面検出器からのガンマ線のコンプトン散乱方向単位ベクトル、ωは測定コンプトン散乱角、Δωは測定コンプトン散乱角不確定度の半値幅である。
上述の関数(14)は、以下の近似関数を用いてもよい。
【数24】
Figure 2004325405
【0011】
上述の第1手法では、コンプトン散乱角の測定値を必要としないものであるため、運動電子によるドップラー効果に起因する測定コンプトン散乱角不確定性のみが補正されればよい。
上述の積分方程式(2)は、式(7)の関数kを用いて、以下のように表現することができる。ここで、ベクトルuは、クライン・仁科の公式に測定コンプトン散乱角不確定性を畳み込むための助変数としての方向単位ベクトルである。
【数25】
Figure 2004325405
この積分方程式(18)中の関数kの替わりに、上述の補正のための関数kBr(13)を組み込むと、以下のようになる。
【数26】
Figure 2004325405
この手法の場合、コンプトン散乱角の測定値を必要としないので、kBrd中のΔωは、運動電子によるドップラー効果に起因する測定コンプトン散乱角不確定度の半値幅を示す。
上積分方程式(19)の解は以下の式のようになり、これで計算するとよい。
【数27】
Figure 2004325405
【0012】
また、上述の第2手法の積分方程式(6)は、次のように表現できる。ここで、ベクトルuは、クライン・仁科の公式に測定コンプトン散乱角不確定性を畳み込むための助変数としての方向単位ベクトルである。
【数28】
Figure 2004325405
この積分方程式(24)に補正を行う関数kBrd(運動電子によるドップラー効果に起因する不確定を補正),kBre(前面検出器の有限のエネルギー分解能に起因する不確定を補正)を関数kの替わりに組み込んだ積分方程式は、以下のようになる。
【数29】
Figure 2004325405
なお、kBre中のΔωは、前面検出器の有限のエネルギー分解能に起因する測定コンプトン散乱角不確定度の半値幅を示す。
上述の積分方程式(25)は、以下のように近似表現できる。
【数30】
Figure 2004325405
ここで、kBrtにおけるΔωは、関数kBrdにおけるΔωと関数kBrdにおけるΔωの二乗和の平方根である。
この積分方程式(26)の解は、以下の式のようになり、これで計算するとよい。
【数31】
Figure 2004325405
なお、上述の解(27)〜(30)の導出に関しては、必要が有れば、本願発明者たちが発表した、Hirasawa M and Tomitani T : An analytical image reconstruction algorithm to compensate for scattering angle broadening in Compton cameras, Phys. Med. Biol., 48 : 1009−1026, 2003. を参照されたい。
なお、関数gとgとの間には、常に以下の関係がある。
【数32】
Figure 2004325405
【0013】
さて、上述の第2のガンマ線源放射能密度分布再構成手法の式(27)〜(30)により、補正した場合の効果について、図3〜図7を用いて説明する。図3〜図7において、図の中心に垂直な軸がコンプトンカメラの前後面検出器の中心軸に一致している。また、中心軸の方向は、天頂角90度、方位角180度にあわせてあり、図中の横軸と縦軸は、それぞれ、90度を中心とした天頂角と180度を中心とした方位角に対応している。
図3,図4は、同じ放射能を有し隣あって位置している、2点から成る141keVのガンマ線源分布に対して、補正がある場合とない場合とで、放射能密度分布を再構成計算した例を示している。2点は、球面座標で(85,180)度と(95,180)度の方向に前面検出器から同じ距離に位置している。これらの図は、2点のガンマ線源に対して再構成計算された方向線逆投影値の方向分布を示している。図3は補正なしで、図4は補正ありで計算された再構成分布である。図3,図4から、測定コンプトン散乱角の不確定性による点ガンマ線源に対する分布の広がりが、半値幅6.0度から半値幅3.2度へと、補正関数を用いることにより補正され広がりが小さくなっており、分布の解像度が改善されていることがわかる。
【0014】
図5〜図7は、トレーサーによる核医学診断や生物機能研究への適用を評価するために、方向線逆投影分布を再構成計算した例を示している。図5に示すような、天頂角±30度×方位角±30度に渡るガンマ線源放射能分布からの141keVのガンマ線に対して、方向線逆投影分布の再構成計算を試みた。図5での円又は楕円の領域において、隣接する領域間でのガンマ線放射能密度差は、約10%となっている。また、上部と下部のガンマ線放射能密度約±10%差の凹凸円領域は、左から、2,4,6度の直径である。
測定コンプトン散乱角不確定性の補正を組み込む前の分布再構成手法により計算された方向線逆投影分布を図6に示す。約10%のガンマ線放射能密度差の識別が困難となっていることがわかる。
測定コンプトン散乱角不確定性の補正を組み込んだ後の分布再構成手法により計算された方向線逆投影分布を図7に示す。上部と下部の2度の直径の円領域部分を除けば、ほぼ元の図5の分布を再現しており、分布の解像度が改善されていることがわかる。
なお、上での分布再構成手法の適用計算においては、いずれにおいても、10度から30度までの測定コンプトン散乱角での散乱投影値分布を用い、有限級数和ではHamming窓が適用されている。また、式(9)、(29)での和の次数は、補正組み込み後の式(29)では90次までが、補正組み込み前の式(9)では135次までが使用されている。さらにまた、データサンプリング間隔は1度である。
【0015】
【発明の効果】
以上、説明したように本願発明を用いることにより、コンプトンカメラによるガンマ線源の放射能密度分布測定(3次元分布像を得る場合を含む)において、測定コンプトン散乱角の不確定性を補正することで、より解像度の良い分布を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンプトンカメラの基本構成を説明する図である。
【図2】Geストリップ検出器に対する散乱角の総不確定度を示す図である。
【図3】点線源分布に対する補正無しでの再構成方向線逆投影値分布を示す図である。
【図4】点線源分布に対する補正有りでの再構成方向線逆投影値分布を示す図である。
【図5】連続線源分布測定対象の放射能密度分布を示す図である。
【図6】連続線源分布に対する補正無しでの再構成方向線逆投影値分布を示す図である。
【図7】連続線源分布に対する補正有りでの再構成方向線逆投影値分布を示す図である。

Claims (7)

  1. ガンマ線源の放射能密度分布を測定するコンプトンカメラであって、
    前面検出器及び後面検出器と、該検出器からの出力に基づき計算しガンマ線源の放射能密度分布を再構成する演算手段を有し、
    該演算手段は、ガンマ線の測定コンプトン散乱角の不確定性を積分核に組み込んだ積分方程式の解を用い、補正された方向線上ガンマ線源積算放射能分布を得ることにより、解像度の良いガンマ線源放射能密度分布を再構成することを特徴とするコンプトンカメラ。
  2. 請求項1に記載のコンプトンカメラにおいて、
    前記演算手段は、次に示す関数kBrを組み込んだ積分方程式の解を用いることを特徴とするコンプトンカメラ。
    Figure 2004325405
    ここで、ベクトルsは前面検出器へのガンマ線の入射方向単位ベクトル、ベクトルtは前面検出器からのガンマ線のコンプトン散乱方向単位ベクトル、ωは測定コンプトン散乱角、Δωは測定コンプトン散乱角の不確定度の半値幅である。
  3. 請求項2に記載のコンプトンカメラにおいて、
    前記演算手段の前記関数kBr中の関数Brの近似関数として、次に示す関数を用いることを特徴とするコンプトンカメラ。
    Figure 2004325405
  4. 請求項2又は3に記載のコンプトンカメラにおいて、
    前記演算手段の前記測定コンプトン散乱角不確定性を積分核に組み込んだ積分方程式は、次に示すものであることを特徴とするコンプトンカメラ。
    Figure 2004325405
    ここで、g(t)は方向tでの後面検出器へのガンマ線コンプトン散乱計数値、Vは後面検出器面内の任意の面領域、Sは前面検出器を中心とする単位球面、hはクライン・仁科の公式,ベクトルuはクライン・仁科の公式に前記測定コンプトン散乱角不確定性を畳み込むための助変数としての方向単位ベクトル、f(s)は方向sでのガンマ線源の方向線上積算放射能値である。また、関数kBrd中のΔωは、運動電子によるドップラー効果に起因する測定コンプトン散乱角不確定度の半値幅である。
  5. 請求項2又は3に記載のコンプトンカメラにおいて、
    前記演算手段の前記測定コンプトン散乱角不確定性を積分核に組み込んだ積分方程式は、次に示すものであることを特徴とするコンプトンカメラ。
    Figure 2004325405
    又は
    Figure 2004325405
    ここで、g(t,ω)は方向tと測定コンプトン散乱角ωでの後面検出器へのガンマ線コンプトン散乱計数値、Vは後面検出器面内の任意の面領域、Sは前面検出器を中心とする単位球面、hはクライン・仁科の公式、ベクトルuはクライン・仁科の公式に前記測定コンプトン散乱角不確定性を畳み込むための助変数としての方向単位ベクトル、f(s)は方向sでのガンマ線源の方向線上積算放射能値である。また、関数kBrd中のΔωは、運動電子によるドップラー効果に起因する測定コンプトン散乱角不確定度の半値幅であり、関数kBre中のΔωは、前面検出器の有限であるエネルギー分解能に起因する測定コンプトン散乱角不確定度の半値幅であり、関数kBrt中のΔωは、両半値幅の2乗和の平方根である。
  6. 請求項4に記載のコンプトンカメラにおいて、
    前記演算手段の前記測定コンプトン散乱角不確定性を積分核に組み込んだ積分方程式の解は、次に示す式であることを特徴とするコンプトンカメラ。
    Figure 2004325405
    ここで、φは、Vを定義域とする任意の完備複素直交関数系である。
  7. 請求項5に記載のコンプトンカメラにおいて、
    前記演算手段の前記測定コンプトン散乱角不確定性を積分核に組み込んだ積分方程式の解は、次に示す式であることを特徴とするコンプトンカメラ。
    Figure 2004325405
    ここで、Pnはn次のルジャンドル関数、ωとωは0からπの任意の実数(ω<ω)である。
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