JP2004325202A - レーザレーダ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】太陽光等の強い外乱光を受けた場合にも機能の喪失を招かないレーザレーダ装置を提供する。
【解決手段】レーザレーダ装置7は、レーザ光10を走査して一次元監視エリアまたは二次元監視エリア8を形成し、該エリア内の目標物を前記レーザ光の反射光11から検出する。このレーザレーダ装置7は、前記エリア内の外乱光となり得る光源の存在を検知する検知手段(12)と、前記検知手段によって外乱光となり得る光源の存在が検知されたときに前記レーザ光の走査範囲を移動させる移動手段(5、9)とを備える。
【選択図】 図2
【解決手段】レーザレーダ装置7は、レーザ光10を走査して一次元監視エリアまたは二次元監視エリア8を形成し、該エリア内の目標物を前記レーザ光の反射光11から検出する。このレーザレーダ装置7は、前記エリア内の外乱光となり得る光源の存在を検知する検知手段(12)と、前記検知手段によって外乱光となり得る光源の存在が検知されたときに前記レーザ光の走査範囲を移動させる移動手段(5、9)とを備える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ光を用いて目標物を検知する特に車載用のレーザレーダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、先行車追従や衝突防止などの走行安全システムを搭載した車両が実用化されている。そして、これらのシステムでは対象車両の位置情報や自車両からの距離情報または自車との車速差情報などが必要であるため、それらの情報を取得するための手段として、たとえば、レーザレーダ装置が搭載されている。
【0003】
レーザレーダ装置は、無線レーダ装置の無線電波を“光”に置き換えたもである。すなわち、レーザレーダ装置は、所定の監視エリアをレーザ光(特定波長で位相の揃った光、コヒーレントな光ともいう)で走査し、その反射光線から目標物の情報(距離や方向など)を得るというものである。監視エリアは、水平方向のみの一次元エリアと、水平及び垂直方向の二次元エリアの二種類ある。一次元エリア対応のレーザレーダ装置の場合、照射レーザ光はファンビーム形状(水平方向に狭く垂直方向に広い断面パターン)またはそれに類似した形状を持ち、二次元エリア対応のレーザレーダ装置の場合、照射レーザ光はペンシルビーム(水平垂直共に狭い断面パターン)またはそれに類似した形状を持つ。
【0004】
変調方式はパルスレーダ方式とドップラーレーダ方式の二つが代表である。前者の方式は、ある時間ごとにレーザ光を間欠照射し、反射光が返ってくるまでの時間から目標物までの距離を計算する。後者の方式は、レーザ光を連続照射し、反射波と照射光との位相差から目標物の移動速度を計算する。一般に目標物の位置情報を得る場合にはパルスレーダ方式、速度情報を得る場合にはドップラーレーダ方式が用いられる。
【0005】
さて、このように、レーザ光を用いて目標物に関する様々な情報を取得するレーザレーダ装置は、太陽光線などの外乱光を受けた場合に機能喪失を引き起こすことがあった。レーザレーダ装置の受信機(受光部)は、光学レンズを透して受け取った光を光電変換素子で電気信号に置き換える仕組みになっており、この光電変換素子は、レーザ光と同じ波長域の光を区別できないし、また、太陽光のような大きなエネルギーの光を受けると出力が飽和してしまうからである。
【0006】
そこで、外乱光対策を講じた従来技術として、たとえば、以下のようなものが知られている。
<第1の従来例>・・・・(たとえば、特許文献1参照。)
この例では、二次元エリア対応のレーザレーダ装置の受光部前方に、特定部分のみを低い光透過率とした透光性部材を配置している。特定部分とは二次元監視エリアの上部である。二次元監視エリアの上部から入射する強い光線(とりわけ太陽光線)を、透光性部材の低い透過率で減衰し、受光部の飽和を回避する。
【0007】
<第2の従来例>・・・・(たとえば、特許文献2参照。)
この例では、外乱光のレベルと、光電変換素子の出力に含まれる直流レベルが相関するという点に着目し、光電変換素子の出力に含まれる直流レベルを測定してその直流レベルを基準に反射光の検出しきい値レベルを動的に設定している。たとえば、太陽光線を受けた場合、直流レベル(外乱光のレベル)はその太陽光線の強さに応じて変化するので、太陽光線の影響を受ける環境下であっても、しきい値レベルを適正化し、真の信号(目標物からの反射光)を抽出可能とする。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−104066号公報(〔0022〕−〔0024〕、第4図)
【特許文献2】
特開平5−119147号公報(〔0009〕−〔0015〕、第2図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のレーザレーダ装置にあっては、以下の問題点があった。第1の従来例では、太陽光線等の強い外乱光を抑制する部分(透光性部材の特定部分)の場所があらかじめ固定されているという不都合があり、当然ながら特定部を外れた方向から強い外乱光を受けた場合は全く為す術がない。なお、第1の従来例においては、透光性部材の特定部分を“液晶”で構成し、その液晶の透過率を制御する旨の記載があるが、これは、単に太陽光線等の強い光を受けた場合に低い透過率を、それ以外の場合に通常の透過率(大きな透過率)とする適応制御の例を示しているに過ぎず、やはり、特定部分(液晶)を外れた方向から強い外乱光を受けた場合は全く為す術がない点で変わりない。
【0010】
第2の従来例では、光電変換素子の出力に含まれる直流レベルを測定してその直流レベルを基準に反射光の検出しきい値レベルを動的に設定しているが、光電変換素子の出力が飽和してしまった場合は、このような処理(しきい値レベルの動的設定)はもはや意味をなさない。たとえば、ある光量で光電変換素子の出力が飽和したとする。その飽和出力のレベルをLaとすると、そのときの直流レベルもLaとほぼ同じになる。そして、第2の従来例では、Laを基準にしてしきい値レベルを設定するが、すでに光電変換素子が飽和しているのであるから、その出力には真の信号(目標物からの反射光)は含まれておらず(Laでリミットされているため)、したがって、いくらしきい値を動かしても、もはや、真の信号抽出を行うことはできない。
【0011】
そこで本発明は、太陽光等の強い外乱光を受けた場合にも機能の喪失を招かないレーザレーダ装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明によるレーザレーダ装置は、レーザ光を走査して一次元監視エリアまたは二次元監視エリアを形成し、該エリア内の目標物を前記レーザ光の反射光から検出するレーザレーダ装置において、前記エリア内の外乱光となり得る光源の存在を検知する検知手段と、前記検知手段によって外乱光となり得る光源の存在が検知されたときに前記レーザ光の走査範囲を移動させる移動手段とを備えたことを特徴とするものである。
ここで、「検知手段」は、前記反射光を電気信号に変換する光電変換素子が飽和状態となったとき、または、飽和状態に近づいたときに、前記外乱光となり得る光源が存在しているとみなすように構成されていてもよい。
または、「検知手段」は、前記エリアの画像を撮像する撮像装置を含んで構成され、該画像中に高輝度領域または特定色温度領域が含まれているときに、前記外乱光となり得る光源が存在しているとみなすように構成されていてもよい。
また、「移動手段」は、前記エリアを初期位置からY軸方向またはX軸方向に所定ステップずつ移動させながら前記レーザ光の走査範囲を移動させるように構成されていてもよい。
この発明では、外乱光となり得る光源(たとえば、太陽)を検知すると、レーザ光の走査範囲が移動させられて、エリアの外に当該光源が追い出される。したがって、受光部の飽和を回避でき、外乱光の影響を排除して、機能(先行車検出等)の喪失を招かないレーザレーダ装置を提供できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明における様々な細部の特定ないし実例および数値や文字列その他の記号の例示は、本発明の思想を明瞭にするための、あくまでも参考であって、それらのすべてまたは一部によって本発明の思想が限定されないことは明らかである。また、周知の手法、周知の手順、周知のアーキテクチャおよび周知の回路構成等(以下「周知事項」)についてはその細部にわたる説明を避けるが、これも説明を簡潔にするためであって、これら周知事項のすべてまたは一部を意図的に排除するものではない。かかる周知事項は本発明の出願時点で当業者の知り得るところであるので、以下の説明に当然含まれている。
【0014】
図1は、本実施の形態のレーザレーダ装置の概念図である。この図において、車両1の前方部分(前方監視の場合、後方監視の場合は当然ながら後方部分)には発光部2、受光部3、これらの発光部2と受光部3を一体化して保持する光ユニット4、光ユニット4を水平・垂直方向に走査する走査駆動部5及び制御ユニット6を含むレーザレーダ装置7が搭載されている。なお、図示を略すが、発光部2及び受光部3は、その前面に光学レンズや波長フィルター等の光学系を備える。
【0015】
ここに、走査駆動部5は、たとえば、光ユニット4の横方向端面のほぼ中央部に固設された縦軸5aと、この縦軸5aを制御ユニット6からの制御信号に従って揺動させる縦軸アクチュエータ5bと、光ユニット4の縦方向端面のほぼ中央部に固設された横軸5cと、この横軸5cを制御ユニット6からの制御信号に従って揺動させる横軸アクチュエータ5dとを有する。縦軸アクチュエータ5bによって光ユニット4の水平走査を行い、横軸アクチュエータ5dによって光ユニット4の垂直走査を行い、これにより、車両1の前方に所定範囲の二次元監視エリア8を形成する。二次元監視エリア8の幅Wは、縦軸5aの揺動量で決まり、二次元監視エリア8の高さHは、横軸5cの揺動量で決まる。
【0016】
なお、二次元監視エリア8の原点位置は4つのコーナのいずれかの座標で与えられる。一般に画像処理の分野では矩形図形の左上隅座標を原点位置とする習わしとなっているため、本実施の形態でもそれに従うものとする。すなわち、二次元監視エリア8の原点位置Pは車両1から見たときの左上隅座標である。
【0017】
図2は、レーザレーダ装置7の概念的なブロック図である。この図において、発光部2は制御部9からの制御信号に従って所定波長域のレーザ光10を発射する、たとえば、レーザダイオード等の発光素子で構成される。レーザ光10は不図示の光学レンズによって細く絞り込まれ、いわゆるペンシルビームパターンとされる。先にも述べたように、レーザ光10は、パルスレーダ方式の場合は間欠発射、ドップラーレーダ方式の場合は連続発射であるが、以下の説明では便宜上パルスレーダ方式のもの(間欠発射)とする。レーザ光10の発射方向は、発光部2の保持体(光ユニット4)に対して固定されており、光ユニット4を水平・垂直方向に駆動することによって、それらの方向に走査され、図1の二次元監視エリア8を形成する。
【0018】
受光部3は、レーザ光10の反射光11(外乱光を含む)を受光して、反射光11のエネルギーに応じた大きさの電気信号を出力する、たとえば、PIN(p−intrinsic−n)フォトダイオード等の光電変換素子で構成される。
【0019】
制御部9は、発光部2の発光タイミングを制御するための信号を出力すると共に、走査駆動部5の走査動作を制御するための信号を出力し、且つ、受光部3の出力信号から目標物までの距離と方位(パルスレーダ方式の場合、ドップラーレーダ方式の場合は目標物の速度と方位)を測定し、その測定結果を示す目標物情報を、たとえば、先行車追従システムや衝突防止システムなどに出力する。
【0020】
ここで、受光部3の光電変換素子は、理想的にはあらゆる大きさの光を正確に電気信号に変換することが求められるが、実際には、ある範囲(ダイナミックレンジという)の強さの光しか電気信号に変換することができない。たとえば、星光などの弱すぎる光は感度不足で検出できない。また、太陽光のような極端に強い光は感度オーバ(出力飽和)で検出できない。
【0021】
外乱光を考慮した場合、上記の出力飽和は問題である。太陽光のような強い光を受けた場合、真の信号(目標物からの反射光11)が強い光に埋もれてしまい、分離抽出できなくなるからである。この状況は、人間の目が太陽を背にした目標物を認識できないことに似ている。
【0022】
本実施の形態では、かかる不都合に対処するため、以下の特徴的な構成を採用した。
特徴的構成の第1は、反射光11に外乱光(特に太陽光のような強い光)が含まれているか否かを判定する外乱光検出部12を備えた点にある。この外乱光検出部12は、たとえば、受光部3の出力信号が飽和しているとき、または飽和レベルに近づいたときに、反射光11に外乱光(特に太陽光のような強い光)が含まれていると“みなす”ものとしてもよい。つまり、受光部3の出力信号の飽和レベルは、その受光部3に用いられる光電変換素子の種類(型番や形式等)から一義的に決まるため、当該飽和レベルに相当する基準値と、受光部3の出力信号とを比較し、出力信号が基準値と一致したときまたは超えたときに、反射光11に外乱光(特に太陽光のような強い光)が含まれていると判定するようにしてもよい。あるいは、「飽和レベルに近づいたとき」を判定するには、上記の基準値よりも小さい基準値を用いればよい。
【0023】
特徴的構成の第2は、制御部9において、外乱光検出部12の検出結果をモニタし、反射光11に外乱光(特に太陽光のような強い光)が含まれていると判定された場合に、走査駆動部5の走査モードを所定のモード(以下、「外乱光回避モード」という)に切り換えるように制御する点にある。外乱光回避モードとは、要するに、図1の二次元監視エリア8を所定量ずつずらしながら、太陽光等の外乱光を二次元監視エリア8の外に追い出す操作を行うモードのことをいう。
【0024】
外乱光回避モードについて詳説する。
図3は、二次元監視エリア8の模式図である。(a)は目標物(この図では先行車13;以下同様とする。)や道路14その他の背景物のみの例であり、外乱光は含まれていない。これに対して、(b)は先行車13や道路14その他の背景物に加えて太陽15が含まれており、太陽5からの強い光が外乱光となって受光部3で受光されている。(b)のような例は、太陽15の高度が低くなる日の出や日没の時間帯にしばしば遭遇する。あるいは、坂道を上っているときなどにも遭遇する。または、地球上の高緯度地域でしばしば遭遇する。
【0025】
図4は、レーザレーダ装置7の受光特性図である。縦軸は反射光11の受光量を表し、上に行くに従って受光量が大きくなる。また、横軸は垂直方向の走査角度を表し、横軸上の角度0は仰角(または俯角)0度である。この0度を中心に横軸の右側で+角度(仰角)、左側で−角度(俯角)を表している。
【0026】
さて、本実施の形態のレーザ光10はペンシルビームであるので、反射光11の半値幅(光量が1/2となる幅)は、ピークを中心に左右に相似形のパターン分布を持つ特性線16を描く。
【0027】
この図において、受光部3の飽和レベルをLaとすると、Laを超える強さの光は飽和領域(ハッチング部分)に含まれるため、受光部3で検出されない。今、ある垂直走査方向(便宜的に垂直走査角度+F度)から太陽光等の強い光(以下、単に「外乱光」という)17が入射していると仮定する。
【0028】
図示のとおり、+F度と特性線16の交点18はハッチング領域に入っているため、この場合、受光部3は飽和する。しかし、特性線16を横軸に沿って適量左側(俯角側)にずらした場合、そのずらし後の特性線19と+F度との交点20は飽和レベルLa以下となるため、この場合、受光部3は飽和しない。
【0029】
本実施の形態における「外乱光回避モード」は、かかる特性線16の“ずらし操作”を自動的に行うものである。
図5は、レーザレーダ装置7の制御部9の動作フローチャートを示す図であり、特に、外乱光回避モードの具体例について説明する図である。
この図において、まず、二次元監視エリア8の走査原点Pの初期値(x=0,y=0)をセットする(ステップS10)。次に、走査駆動部5を制御して光ユニット4を水平・垂直走査する(ステップS11)。この水平・垂直走査は、走査原点Pの座標値(この段階では、x=0,y=0)を基準にして、たとえば、一筆書きの要領で行われ、これにより、図1の二次元監視エリア8が形成される。次に、受光部3の出力信号をモニタし、出力信号と所定の飽和レベル基準値(受光部3の光電変換素子の飽和レベルに相当する基準値)とを比較して、出力信号が飽和レベル基準値を超えているか否かを判定する(ステップS12)。そして、出力信号が飽和レベル基準値を超えていなければ、太陽光のような強い外乱光を受けていないと判断して、通常の目標物検出処理を実行する(ステップS13)。
【0030】
ここで、目標物検出処理とは、受光部3の出力信号に基づいて行われる、先行車13等の目標物検出処理、並びに、目標物までの距離及び目標物の方位などの測定処理のことをいう。受光部3の出力信号に含まれるパルス性変動成分は、目標物からの反射によるものであるため、このパルス性変動成分の有無を調べることによって先行車13等の目標物を検出できる。また、レーザ光10の照射時刻をTaとし、パルス性変動成分の検出時刻をTbとするとき、TaとTbの差から目標物までの距離を計算できる。さらに、パルス性変動成分を検出したときのレーザ光10の走査角度から目標物の方位を知ることができる。
【0031】
さて、ステップS12の判定結果が“YES”の場合、つまり、受光部3の出力信号が飽和レベル基準値を超えている場合、受光部3は太陽光のような強い外乱光を受けている。このような場合、かかる外乱光の影響から逃れるための特殊モード(外乱光回避モード)を実行する(ステップS14〜ステップS23)。
【0032】
このモードでは、はじめに、所定のフラグ(YmaxFLG)を検査する(ステップS14)。フラグの用途は後述するが、この段階ではフラグはリセット状態(YmaxFLG=0)にある。したがって、ステップS14の判定結果が“NO”となり、次に、二次元監視エリア8の走査原点PのY座標値を所定量αだけ大きくして更新する(ステップS15)。次いで、更新後のY座標値がY座標最大値(Ymax)を超えているか否かを判定し(ステップS16)、超えていなければステップS11の「二次元走査」処理以降を繰り返す一方、超えていれば、次に、Y座標値を初期値(y=0)に戻し(ステップS17)、YmaxFLGをセットした後(ステップS18)、X座標の更新処理を実行する。
【0033】
すなわち、二次元監視エリア8の走査原点PのX座標値を所定量βだけ大きくして更新し(ステップS19)。次いで、更新後のX座標値がX座標最大値(Xmax)を超えているか否かを判定し(ステップS20)、超えていなければステップS11の「二次元走査」処理以降を繰り返す一方、超えていれば、次に、X座標値を初期値(x=0)に戻し(ステップS21)、YmaxFLGをリセットし(ステップS22)、外乱光警告(外乱光の影響でレーザレーダ装置7の動作が不安点になっている旨の警告;この“警告”には運転者等に対する告知の意味と、先行車追従システム等の他システムへの警告信号の出力の意味が含まれる。)を行った後(ステップS23)、ステップS11の「二次元走査」処理以降を繰り返す。なお、外乱光警告を行った際に、以前の目標物情報(外乱光を受ける前の目標物情報)を代替利用するための処理(ステップS24)を実行するようにしてもよい。
【0034】
図6は、外乱光回避モードの実行イメージ図である。(a)において、波線で示す二次元監視エリア8aは外乱光回避モードを実行する“前”のもの、実線で示す二次元監視エリア8bは外乱光回避モードを実行した“後”のものである。二次元監視エリア8aの上部付近には太陽15が位置し、その下に先行車13や道路14が位置している。このような二次元監視エリア8aの走査を上記のステップS11で行ったとき、次のステップS12で太陽15の強い光(外乱光)が検出され、これにより、原点位置Pの更新処理が行われるが、上記の二次元監視エリア8aの例では、外乱光(太陽15)の位置が二次元監視エリア8aの上辺(つまり、y=0)付近にあるため、原点位置PのY座標値のみを更新すればよい。実線で示す二次元監視エリア8bは、たとえば、n回のY座標値更新(ステップS15をn回実行)を行ったときのものである。太陽15は、この二次元監視エリア8bの外に追い出されているため、もはや、受光部3は外乱光(太陽15)の影響を受けない(飽和しない)。
【0035】
また、(b)は、太陽15の位置が、たとえば、二次元監視エリア8bの左辺(x=0)付近にあるときの例である。この場合、原点位置PのY座標値を最大値(Ymax)まで更新しても、つまり、ステップS16の判定結果が“YES”になっても、エリア外に太陽15を追い出せないことがある。このような場合は、Y座標値を初期値(y=0)に戻し、原点位置PのX座標値のみを更新すればよい。(b)の実線で示す二次元監視エリア8bは、たとえば、m回のX座標値更新(ステップS19をm回実行)を行ったときのものである。太陽15は、この二次元監視エリア8bの外に追い出されているため、もはや、受光部3は外乱光(太陽15)の影響を受けない(飽和しない)。
【0036】
ここで、Y座標の更新ステップ値(α)やX座標の更新ステップ値(β)は、レーザ光10の走査ステップ角度に対応する値であってもよく、または、数走査ステップ角度に対応する値であってもよい。前者の場合、二次元監視エリア8を微妙にずらすため、きめ細かな制御を行うことができる一方、外乱光の影響を排除するまでに相応の時間を要するという欠点がある。後者はその逆であり、外乱光の影響を速やかに排除できるが、大雑把な制御になる。処理精度優先の場合は前者、処理速度優先の場合は後者を採用すればよい。
【0037】
また、座標更新の最大値(Ymax、Xmax)は、二次元監視エリア8の“最大ずらし量”から決定すればよい。この最大ずらし量は、原点位置Pを初期値(x=0,y=0)にしたときの二次元監視エリア8の位置を基本にして、それからどの程度ずらした場合に、レーザレーダ装置7の本来機能(先行車検知等)を阻害することなく、太陽15等の強い外乱光を排除できるかで決めることができる。これは、机上の計算で行ってもよいし、実験で行ってもよい。
【0038】
以上のとおりであるから、本実施の形態によれば、次の特有の効果が得られる。すなわち、初期原点位置Pの二次元監視エリア8を用いて目標物検出等を行っている最中に、太陽のような強い外乱光を受けると、受光部3が飽和して不都合を来すが、二次元監視エリア8の原点位置Pをずらすことによって、外乱光をエリア外に追い出すことができ、受光部3の飽和を回避することができる。したがって、外乱光の影響を排除して、本来の機能(先行車検出等)を支障なく発揮できるレーザレーダ装置7を提供できる。
【0039】
なお、図5の動作フローチャートにおいては、外乱光回避のために二次元監視エリア8をずらした後の復帰処理については言及していないが、この復帰処理の方法としては、たとえば、ステップS12の判定結果が“NO”のとき、Y座標値とX座標値を調べて初期値(x=0,y=0)でなければ、初期値に戻した後、再びステップS11とステップS12を実行するようにしてもよい。初期値に戻してもステップS12の判定結果が“NO”のまま変わらなければ太陽等の外乱光は視界から外れているから、初期原点位置Pの二次元監視エリア8を用いても全く支障がない。
【0040】
また、上記の実施の形態では、外乱光の検出手段として、受光部3の飽和状態を検出するための「外乱光検出部12」を備えているが、この態様に限定されない。
図7は、他の態様を示すブロック図であり、上記の実施の形態との相違は、外乱光検出部12を備えない点、及び、その代わりのものとして、CCD(Charge Coupled Diode)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラ等の撮像装置21を備えた点にある。撮像装置21の撮影範囲(画角)21aは、レーザレーダ装置7の監視エリア(図1の二次元監視エリア8参照)を全てカバーする広さを持っており、撮像装置21は、同エリア内の画像をカラーもしくはモノクロで周期的(たとえば、30コマ/秒)に撮像し、その撮影範囲内に所定輝度(または明度)以上の高輝度領域が含まれているとき、当該領域を外乱光領域とみなして、その外乱光領域の位置情報等を制御部9に出力する。
【0041】
なお、撮像装置21は、被写体の輝度または明度を検出する限りにおいてはモノクロタイプであってもよいが、カラータイプを用いると、色情報から被写体ごとの「色温度」を検出することができ、たとえば、太陽光と人工光とを区別できるから好ましい。ちなみに、色温度(ケルビン温度、記号K)とは、光の色味を数値的に取り扱うための尺度の一つである。これは光源に含まれる青紫光と赤色光の相対的な強さを表したもので、おおざっぱにいえば、色温度数値が高いほど「青っぽい光」であり、また、低いほど「黄赤っぽい光」であることを表している。たとえば、太陽光は約6,500K、白熱球は約2,800Kである。RGBのカラーCCDで太陽光を撮影した場合、RGBの出力割合はR=100%、G=90%、B=77%になる。
【0042】
図8は、撮像装置21の画像22を示す図(a)及び二次元監視エリア8a、8bを示す図(b)である。これらの図において、道路14には先行車13が走っており、その上には太陽15が出ている。(a)において、太陽15の周囲に描かれた波線は、画像22に含まれる外乱光領域23を示している。この外乱光領域23の高さ方向(Y軸方向)の寸法は、たとえば、画像22の原点位置P′を基準にしてAである。いま、画像22の原点位置P′と二次元監視エリア8aの原点位置Pが同じであるとすると、太陽15(外乱光)をエリア外に追い出すためには、二次元監視エリア8aの原点位置PのY座標をAだけずらせばよい。実線で示す二次元監視エリア8bは、原点位置PのY座標をAだけずらしたときのものであり、図からも認められるように、太陽15(外乱光)は二次元監視エリア8bの外に追い出されている。
【0043】
したがって、このような撮像装置21を用いても、前記の実施の形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、初期原点位置Pの二次元監視エリア8aを用いて目標物検出等を行っている最中に、太陽のような強い外乱光を受けると、受光部3が飽和して不都合を来すが、二次元監視エリア8aの原点位置Pをずらすことによって、外乱光をエリア外に追い出すことができ、受光部3の飽和を回避することができる。したがって、外乱光の影響を排除して、本来の機能(先行車検出等)を支障なく発揮できるレーザレーダ装置7を提供できる。
【0044】
【発明の効果】
この発明によれば、外乱光となり得る光源(たとえば、太陽)を検知すると、レーザ光の走査範囲が移動させられて、エリアの外に当該光源が追い出される。したがって、受光部の飽和を回避でき、外乱光の影響を排除して、機能(先行車検出等)の喪失を招かないレーザレーダ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態のレーザレーダ装置の概念図である。
【図2】レーザレーダ装置7の概念的なブロック図である。
【図3】二次元監視エリア8の模式図である。
【図4】レーザレーダ装置7の受光特性図である。
【図5】レーザレーダ装置7の制御部9の動作フローチャートを示す図である。
【図6】外乱光回避モードの実行イメージ図である。
【図7】他の態様を示すブロック図である。
【図8】撮像装置21の画像22を示す図及び二次元監視エリア8a、8bを示す図である。
【符号の説明】
5 走査駆動部(移動手段)
7 レーザレーダ装置
8 二次元監視エリア
9 制御部(移動手段)
10 レーザ光
11 反射光
12 外乱光検知部(検知手段)
13 先行車(目標物)
15 太陽(光源)
21 撮像装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ光を用いて目標物を検知する特に車載用のレーザレーダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、先行車追従や衝突防止などの走行安全システムを搭載した車両が実用化されている。そして、これらのシステムでは対象車両の位置情報や自車両からの距離情報または自車との車速差情報などが必要であるため、それらの情報を取得するための手段として、たとえば、レーザレーダ装置が搭載されている。
【0003】
レーザレーダ装置は、無線レーダ装置の無線電波を“光”に置き換えたもである。すなわち、レーザレーダ装置は、所定の監視エリアをレーザ光(特定波長で位相の揃った光、コヒーレントな光ともいう)で走査し、その反射光線から目標物の情報(距離や方向など)を得るというものである。監視エリアは、水平方向のみの一次元エリアと、水平及び垂直方向の二次元エリアの二種類ある。一次元エリア対応のレーザレーダ装置の場合、照射レーザ光はファンビーム形状(水平方向に狭く垂直方向に広い断面パターン)またはそれに類似した形状を持ち、二次元エリア対応のレーザレーダ装置の場合、照射レーザ光はペンシルビーム(水平垂直共に狭い断面パターン)またはそれに類似した形状を持つ。
【0004】
変調方式はパルスレーダ方式とドップラーレーダ方式の二つが代表である。前者の方式は、ある時間ごとにレーザ光を間欠照射し、反射光が返ってくるまでの時間から目標物までの距離を計算する。後者の方式は、レーザ光を連続照射し、反射波と照射光との位相差から目標物の移動速度を計算する。一般に目標物の位置情報を得る場合にはパルスレーダ方式、速度情報を得る場合にはドップラーレーダ方式が用いられる。
【0005】
さて、このように、レーザ光を用いて目標物に関する様々な情報を取得するレーザレーダ装置は、太陽光線などの外乱光を受けた場合に機能喪失を引き起こすことがあった。レーザレーダ装置の受信機(受光部)は、光学レンズを透して受け取った光を光電変換素子で電気信号に置き換える仕組みになっており、この光電変換素子は、レーザ光と同じ波長域の光を区別できないし、また、太陽光のような大きなエネルギーの光を受けると出力が飽和してしまうからである。
【0006】
そこで、外乱光対策を講じた従来技術として、たとえば、以下のようなものが知られている。
<第1の従来例>・・・・(たとえば、特許文献1参照。)
この例では、二次元エリア対応のレーザレーダ装置の受光部前方に、特定部分のみを低い光透過率とした透光性部材を配置している。特定部分とは二次元監視エリアの上部である。二次元監視エリアの上部から入射する強い光線(とりわけ太陽光線)を、透光性部材の低い透過率で減衰し、受光部の飽和を回避する。
【0007】
<第2の従来例>・・・・(たとえば、特許文献2参照。)
この例では、外乱光のレベルと、光電変換素子の出力に含まれる直流レベルが相関するという点に着目し、光電変換素子の出力に含まれる直流レベルを測定してその直流レベルを基準に反射光の検出しきい値レベルを動的に設定している。たとえば、太陽光線を受けた場合、直流レベル(外乱光のレベル)はその太陽光線の強さに応じて変化するので、太陽光線の影響を受ける環境下であっても、しきい値レベルを適正化し、真の信号(目標物からの反射光)を抽出可能とする。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−104066号公報(〔0022〕−〔0024〕、第4図)
【特許文献2】
特開平5−119147号公報(〔0009〕−〔0015〕、第2図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のレーザレーダ装置にあっては、以下の問題点があった。第1の従来例では、太陽光線等の強い外乱光を抑制する部分(透光性部材の特定部分)の場所があらかじめ固定されているという不都合があり、当然ながら特定部を外れた方向から強い外乱光を受けた場合は全く為す術がない。なお、第1の従来例においては、透光性部材の特定部分を“液晶”で構成し、その液晶の透過率を制御する旨の記載があるが、これは、単に太陽光線等の強い光を受けた場合に低い透過率を、それ以外の場合に通常の透過率(大きな透過率)とする適応制御の例を示しているに過ぎず、やはり、特定部分(液晶)を外れた方向から強い外乱光を受けた場合は全く為す術がない点で変わりない。
【0010】
第2の従来例では、光電変換素子の出力に含まれる直流レベルを測定してその直流レベルを基準に反射光の検出しきい値レベルを動的に設定しているが、光電変換素子の出力が飽和してしまった場合は、このような処理(しきい値レベルの動的設定)はもはや意味をなさない。たとえば、ある光量で光電変換素子の出力が飽和したとする。その飽和出力のレベルをLaとすると、そのときの直流レベルもLaとほぼ同じになる。そして、第2の従来例では、Laを基準にしてしきい値レベルを設定するが、すでに光電変換素子が飽和しているのであるから、その出力には真の信号(目標物からの反射光)は含まれておらず(Laでリミットされているため)、したがって、いくらしきい値を動かしても、もはや、真の信号抽出を行うことはできない。
【0011】
そこで本発明は、太陽光等の強い外乱光を受けた場合にも機能の喪失を招かないレーザレーダ装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明によるレーザレーダ装置は、レーザ光を走査して一次元監視エリアまたは二次元監視エリアを形成し、該エリア内の目標物を前記レーザ光の反射光から検出するレーザレーダ装置において、前記エリア内の外乱光となり得る光源の存在を検知する検知手段と、前記検知手段によって外乱光となり得る光源の存在が検知されたときに前記レーザ光の走査範囲を移動させる移動手段とを備えたことを特徴とするものである。
ここで、「検知手段」は、前記反射光を電気信号に変換する光電変換素子が飽和状態となったとき、または、飽和状態に近づいたときに、前記外乱光となり得る光源が存在しているとみなすように構成されていてもよい。
または、「検知手段」は、前記エリアの画像を撮像する撮像装置を含んで構成され、該画像中に高輝度領域または特定色温度領域が含まれているときに、前記外乱光となり得る光源が存在しているとみなすように構成されていてもよい。
また、「移動手段」は、前記エリアを初期位置からY軸方向またはX軸方向に所定ステップずつ移動させながら前記レーザ光の走査範囲を移動させるように構成されていてもよい。
この発明では、外乱光となり得る光源(たとえば、太陽)を検知すると、レーザ光の走査範囲が移動させられて、エリアの外に当該光源が追い出される。したがって、受光部の飽和を回避でき、外乱光の影響を排除して、機能(先行車検出等)の喪失を招かないレーザレーダ装置を提供できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明における様々な細部の特定ないし実例および数値や文字列その他の記号の例示は、本発明の思想を明瞭にするための、あくまでも参考であって、それらのすべてまたは一部によって本発明の思想が限定されないことは明らかである。また、周知の手法、周知の手順、周知のアーキテクチャおよび周知の回路構成等(以下「周知事項」)についてはその細部にわたる説明を避けるが、これも説明を簡潔にするためであって、これら周知事項のすべてまたは一部を意図的に排除するものではない。かかる周知事項は本発明の出願時点で当業者の知り得るところであるので、以下の説明に当然含まれている。
【0014】
図1は、本実施の形態のレーザレーダ装置の概念図である。この図において、車両1の前方部分(前方監視の場合、後方監視の場合は当然ながら後方部分)には発光部2、受光部3、これらの発光部2と受光部3を一体化して保持する光ユニット4、光ユニット4を水平・垂直方向に走査する走査駆動部5及び制御ユニット6を含むレーザレーダ装置7が搭載されている。なお、図示を略すが、発光部2及び受光部3は、その前面に光学レンズや波長フィルター等の光学系を備える。
【0015】
ここに、走査駆動部5は、たとえば、光ユニット4の横方向端面のほぼ中央部に固設された縦軸5aと、この縦軸5aを制御ユニット6からの制御信号に従って揺動させる縦軸アクチュエータ5bと、光ユニット4の縦方向端面のほぼ中央部に固設された横軸5cと、この横軸5cを制御ユニット6からの制御信号に従って揺動させる横軸アクチュエータ5dとを有する。縦軸アクチュエータ5bによって光ユニット4の水平走査を行い、横軸アクチュエータ5dによって光ユニット4の垂直走査を行い、これにより、車両1の前方に所定範囲の二次元監視エリア8を形成する。二次元監視エリア8の幅Wは、縦軸5aの揺動量で決まり、二次元監視エリア8の高さHは、横軸5cの揺動量で決まる。
【0016】
なお、二次元監視エリア8の原点位置は4つのコーナのいずれかの座標で与えられる。一般に画像処理の分野では矩形図形の左上隅座標を原点位置とする習わしとなっているため、本実施の形態でもそれに従うものとする。すなわち、二次元監視エリア8の原点位置Pは車両1から見たときの左上隅座標である。
【0017】
図2は、レーザレーダ装置7の概念的なブロック図である。この図において、発光部2は制御部9からの制御信号に従って所定波長域のレーザ光10を発射する、たとえば、レーザダイオード等の発光素子で構成される。レーザ光10は不図示の光学レンズによって細く絞り込まれ、いわゆるペンシルビームパターンとされる。先にも述べたように、レーザ光10は、パルスレーダ方式の場合は間欠発射、ドップラーレーダ方式の場合は連続発射であるが、以下の説明では便宜上パルスレーダ方式のもの(間欠発射)とする。レーザ光10の発射方向は、発光部2の保持体(光ユニット4)に対して固定されており、光ユニット4を水平・垂直方向に駆動することによって、それらの方向に走査され、図1の二次元監視エリア8を形成する。
【0018】
受光部3は、レーザ光10の反射光11(外乱光を含む)を受光して、反射光11のエネルギーに応じた大きさの電気信号を出力する、たとえば、PIN(p−intrinsic−n)フォトダイオード等の光電変換素子で構成される。
【0019】
制御部9は、発光部2の発光タイミングを制御するための信号を出力すると共に、走査駆動部5の走査動作を制御するための信号を出力し、且つ、受光部3の出力信号から目標物までの距離と方位(パルスレーダ方式の場合、ドップラーレーダ方式の場合は目標物の速度と方位)を測定し、その測定結果を示す目標物情報を、たとえば、先行車追従システムや衝突防止システムなどに出力する。
【0020】
ここで、受光部3の光電変換素子は、理想的にはあらゆる大きさの光を正確に電気信号に変換することが求められるが、実際には、ある範囲(ダイナミックレンジという)の強さの光しか電気信号に変換することができない。たとえば、星光などの弱すぎる光は感度不足で検出できない。また、太陽光のような極端に強い光は感度オーバ(出力飽和)で検出できない。
【0021】
外乱光を考慮した場合、上記の出力飽和は問題である。太陽光のような強い光を受けた場合、真の信号(目標物からの反射光11)が強い光に埋もれてしまい、分離抽出できなくなるからである。この状況は、人間の目が太陽を背にした目標物を認識できないことに似ている。
【0022】
本実施の形態では、かかる不都合に対処するため、以下の特徴的な構成を採用した。
特徴的構成の第1は、反射光11に外乱光(特に太陽光のような強い光)が含まれているか否かを判定する外乱光検出部12を備えた点にある。この外乱光検出部12は、たとえば、受光部3の出力信号が飽和しているとき、または飽和レベルに近づいたときに、反射光11に外乱光(特に太陽光のような強い光)が含まれていると“みなす”ものとしてもよい。つまり、受光部3の出力信号の飽和レベルは、その受光部3に用いられる光電変換素子の種類(型番や形式等)から一義的に決まるため、当該飽和レベルに相当する基準値と、受光部3の出力信号とを比較し、出力信号が基準値と一致したときまたは超えたときに、反射光11に外乱光(特に太陽光のような強い光)が含まれていると判定するようにしてもよい。あるいは、「飽和レベルに近づいたとき」を判定するには、上記の基準値よりも小さい基準値を用いればよい。
【0023】
特徴的構成の第2は、制御部9において、外乱光検出部12の検出結果をモニタし、反射光11に外乱光(特に太陽光のような強い光)が含まれていると判定された場合に、走査駆動部5の走査モードを所定のモード(以下、「外乱光回避モード」という)に切り換えるように制御する点にある。外乱光回避モードとは、要するに、図1の二次元監視エリア8を所定量ずつずらしながら、太陽光等の外乱光を二次元監視エリア8の外に追い出す操作を行うモードのことをいう。
【0024】
外乱光回避モードについて詳説する。
図3は、二次元監視エリア8の模式図である。(a)は目標物(この図では先行車13;以下同様とする。)や道路14その他の背景物のみの例であり、外乱光は含まれていない。これに対して、(b)は先行車13や道路14その他の背景物に加えて太陽15が含まれており、太陽5からの強い光が外乱光となって受光部3で受光されている。(b)のような例は、太陽15の高度が低くなる日の出や日没の時間帯にしばしば遭遇する。あるいは、坂道を上っているときなどにも遭遇する。または、地球上の高緯度地域でしばしば遭遇する。
【0025】
図4は、レーザレーダ装置7の受光特性図である。縦軸は反射光11の受光量を表し、上に行くに従って受光量が大きくなる。また、横軸は垂直方向の走査角度を表し、横軸上の角度0は仰角(または俯角)0度である。この0度を中心に横軸の右側で+角度(仰角)、左側で−角度(俯角)を表している。
【0026】
さて、本実施の形態のレーザ光10はペンシルビームであるので、反射光11の半値幅(光量が1/2となる幅)は、ピークを中心に左右に相似形のパターン分布を持つ特性線16を描く。
【0027】
この図において、受光部3の飽和レベルをLaとすると、Laを超える強さの光は飽和領域(ハッチング部分)に含まれるため、受光部3で検出されない。今、ある垂直走査方向(便宜的に垂直走査角度+F度)から太陽光等の強い光(以下、単に「外乱光」という)17が入射していると仮定する。
【0028】
図示のとおり、+F度と特性線16の交点18はハッチング領域に入っているため、この場合、受光部3は飽和する。しかし、特性線16を横軸に沿って適量左側(俯角側)にずらした場合、そのずらし後の特性線19と+F度との交点20は飽和レベルLa以下となるため、この場合、受光部3は飽和しない。
【0029】
本実施の形態における「外乱光回避モード」は、かかる特性線16の“ずらし操作”を自動的に行うものである。
図5は、レーザレーダ装置7の制御部9の動作フローチャートを示す図であり、特に、外乱光回避モードの具体例について説明する図である。
この図において、まず、二次元監視エリア8の走査原点Pの初期値(x=0,y=0)をセットする(ステップS10)。次に、走査駆動部5を制御して光ユニット4を水平・垂直走査する(ステップS11)。この水平・垂直走査は、走査原点Pの座標値(この段階では、x=0,y=0)を基準にして、たとえば、一筆書きの要領で行われ、これにより、図1の二次元監視エリア8が形成される。次に、受光部3の出力信号をモニタし、出力信号と所定の飽和レベル基準値(受光部3の光電変換素子の飽和レベルに相当する基準値)とを比較して、出力信号が飽和レベル基準値を超えているか否かを判定する(ステップS12)。そして、出力信号が飽和レベル基準値を超えていなければ、太陽光のような強い外乱光を受けていないと判断して、通常の目標物検出処理を実行する(ステップS13)。
【0030】
ここで、目標物検出処理とは、受光部3の出力信号に基づいて行われる、先行車13等の目標物検出処理、並びに、目標物までの距離及び目標物の方位などの測定処理のことをいう。受光部3の出力信号に含まれるパルス性変動成分は、目標物からの反射によるものであるため、このパルス性変動成分の有無を調べることによって先行車13等の目標物を検出できる。また、レーザ光10の照射時刻をTaとし、パルス性変動成分の検出時刻をTbとするとき、TaとTbの差から目標物までの距離を計算できる。さらに、パルス性変動成分を検出したときのレーザ光10の走査角度から目標物の方位を知ることができる。
【0031】
さて、ステップS12の判定結果が“YES”の場合、つまり、受光部3の出力信号が飽和レベル基準値を超えている場合、受光部3は太陽光のような強い外乱光を受けている。このような場合、かかる外乱光の影響から逃れるための特殊モード(外乱光回避モード)を実行する(ステップS14〜ステップS23)。
【0032】
このモードでは、はじめに、所定のフラグ(YmaxFLG)を検査する(ステップS14)。フラグの用途は後述するが、この段階ではフラグはリセット状態(YmaxFLG=0)にある。したがって、ステップS14の判定結果が“NO”となり、次に、二次元監視エリア8の走査原点PのY座標値を所定量αだけ大きくして更新する(ステップS15)。次いで、更新後のY座標値がY座標最大値(Ymax)を超えているか否かを判定し(ステップS16)、超えていなければステップS11の「二次元走査」処理以降を繰り返す一方、超えていれば、次に、Y座標値を初期値(y=0)に戻し(ステップS17)、YmaxFLGをセットした後(ステップS18)、X座標の更新処理を実行する。
【0033】
すなわち、二次元監視エリア8の走査原点PのX座標値を所定量βだけ大きくして更新し(ステップS19)。次いで、更新後のX座標値がX座標最大値(Xmax)を超えているか否かを判定し(ステップS20)、超えていなければステップS11の「二次元走査」処理以降を繰り返す一方、超えていれば、次に、X座標値を初期値(x=0)に戻し(ステップS21)、YmaxFLGをリセットし(ステップS22)、外乱光警告(外乱光の影響でレーザレーダ装置7の動作が不安点になっている旨の警告;この“警告”には運転者等に対する告知の意味と、先行車追従システム等の他システムへの警告信号の出力の意味が含まれる。)を行った後(ステップS23)、ステップS11の「二次元走査」処理以降を繰り返す。なお、外乱光警告を行った際に、以前の目標物情報(外乱光を受ける前の目標物情報)を代替利用するための処理(ステップS24)を実行するようにしてもよい。
【0034】
図6は、外乱光回避モードの実行イメージ図である。(a)において、波線で示す二次元監視エリア8aは外乱光回避モードを実行する“前”のもの、実線で示す二次元監視エリア8bは外乱光回避モードを実行した“後”のものである。二次元監視エリア8aの上部付近には太陽15が位置し、その下に先行車13や道路14が位置している。このような二次元監視エリア8aの走査を上記のステップS11で行ったとき、次のステップS12で太陽15の強い光(外乱光)が検出され、これにより、原点位置Pの更新処理が行われるが、上記の二次元監視エリア8aの例では、外乱光(太陽15)の位置が二次元監視エリア8aの上辺(つまり、y=0)付近にあるため、原点位置PのY座標値のみを更新すればよい。実線で示す二次元監視エリア8bは、たとえば、n回のY座標値更新(ステップS15をn回実行)を行ったときのものである。太陽15は、この二次元監視エリア8bの外に追い出されているため、もはや、受光部3は外乱光(太陽15)の影響を受けない(飽和しない)。
【0035】
また、(b)は、太陽15の位置が、たとえば、二次元監視エリア8bの左辺(x=0)付近にあるときの例である。この場合、原点位置PのY座標値を最大値(Ymax)まで更新しても、つまり、ステップS16の判定結果が“YES”になっても、エリア外に太陽15を追い出せないことがある。このような場合は、Y座標値を初期値(y=0)に戻し、原点位置PのX座標値のみを更新すればよい。(b)の実線で示す二次元監視エリア8bは、たとえば、m回のX座標値更新(ステップS19をm回実行)を行ったときのものである。太陽15は、この二次元監視エリア8bの外に追い出されているため、もはや、受光部3は外乱光(太陽15)の影響を受けない(飽和しない)。
【0036】
ここで、Y座標の更新ステップ値(α)やX座標の更新ステップ値(β)は、レーザ光10の走査ステップ角度に対応する値であってもよく、または、数走査ステップ角度に対応する値であってもよい。前者の場合、二次元監視エリア8を微妙にずらすため、きめ細かな制御を行うことができる一方、外乱光の影響を排除するまでに相応の時間を要するという欠点がある。後者はその逆であり、外乱光の影響を速やかに排除できるが、大雑把な制御になる。処理精度優先の場合は前者、処理速度優先の場合は後者を採用すればよい。
【0037】
また、座標更新の最大値(Ymax、Xmax)は、二次元監視エリア8の“最大ずらし量”から決定すればよい。この最大ずらし量は、原点位置Pを初期値(x=0,y=0)にしたときの二次元監視エリア8の位置を基本にして、それからどの程度ずらした場合に、レーザレーダ装置7の本来機能(先行車検知等)を阻害することなく、太陽15等の強い外乱光を排除できるかで決めることができる。これは、机上の計算で行ってもよいし、実験で行ってもよい。
【0038】
以上のとおりであるから、本実施の形態によれば、次の特有の効果が得られる。すなわち、初期原点位置Pの二次元監視エリア8を用いて目標物検出等を行っている最中に、太陽のような強い外乱光を受けると、受光部3が飽和して不都合を来すが、二次元監視エリア8の原点位置Pをずらすことによって、外乱光をエリア外に追い出すことができ、受光部3の飽和を回避することができる。したがって、外乱光の影響を排除して、本来の機能(先行車検出等)を支障なく発揮できるレーザレーダ装置7を提供できる。
【0039】
なお、図5の動作フローチャートにおいては、外乱光回避のために二次元監視エリア8をずらした後の復帰処理については言及していないが、この復帰処理の方法としては、たとえば、ステップS12の判定結果が“NO”のとき、Y座標値とX座標値を調べて初期値(x=0,y=0)でなければ、初期値に戻した後、再びステップS11とステップS12を実行するようにしてもよい。初期値に戻してもステップS12の判定結果が“NO”のまま変わらなければ太陽等の外乱光は視界から外れているから、初期原点位置Pの二次元監視エリア8を用いても全く支障がない。
【0040】
また、上記の実施の形態では、外乱光の検出手段として、受光部3の飽和状態を検出するための「外乱光検出部12」を備えているが、この態様に限定されない。
図7は、他の態様を示すブロック図であり、上記の実施の形態との相違は、外乱光検出部12を備えない点、及び、その代わりのものとして、CCD(Charge Coupled Diode)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラ等の撮像装置21を備えた点にある。撮像装置21の撮影範囲(画角)21aは、レーザレーダ装置7の監視エリア(図1の二次元監視エリア8参照)を全てカバーする広さを持っており、撮像装置21は、同エリア内の画像をカラーもしくはモノクロで周期的(たとえば、30コマ/秒)に撮像し、その撮影範囲内に所定輝度(または明度)以上の高輝度領域が含まれているとき、当該領域を外乱光領域とみなして、その外乱光領域の位置情報等を制御部9に出力する。
【0041】
なお、撮像装置21は、被写体の輝度または明度を検出する限りにおいてはモノクロタイプであってもよいが、カラータイプを用いると、色情報から被写体ごとの「色温度」を検出することができ、たとえば、太陽光と人工光とを区別できるから好ましい。ちなみに、色温度(ケルビン温度、記号K)とは、光の色味を数値的に取り扱うための尺度の一つである。これは光源に含まれる青紫光と赤色光の相対的な強さを表したもので、おおざっぱにいえば、色温度数値が高いほど「青っぽい光」であり、また、低いほど「黄赤っぽい光」であることを表している。たとえば、太陽光は約6,500K、白熱球は約2,800Kである。RGBのカラーCCDで太陽光を撮影した場合、RGBの出力割合はR=100%、G=90%、B=77%になる。
【0042】
図8は、撮像装置21の画像22を示す図(a)及び二次元監視エリア8a、8bを示す図(b)である。これらの図において、道路14には先行車13が走っており、その上には太陽15が出ている。(a)において、太陽15の周囲に描かれた波線は、画像22に含まれる外乱光領域23を示している。この外乱光領域23の高さ方向(Y軸方向)の寸法は、たとえば、画像22の原点位置P′を基準にしてAである。いま、画像22の原点位置P′と二次元監視エリア8aの原点位置Pが同じであるとすると、太陽15(外乱光)をエリア外に追い出すためには、二次元監視エリア8aの原点位置PのY座標をAだけずらせばよい。実線で示す二次元監視エリア8bは、原点位置PのY座標をAだけずらしたときのものであり、図からも認められるように、太陽15(外乱光)は二次元監視エリア8bの外に追い出されている。
【0043】
したがって、このような撮像装置21を用いても、前記の実施の形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、初期原点位置Pの二次元監視エリア8aを用いて目標物検出等を行っている最中に、太陽のような強い外乱光を受けると、受光部3が飽和して不都合を来すが、二次元監視エリア8aの原点位置Pをずらすことによって、外乱光をエリア外に追い出すことができ、受光部3の飽和を回避することができる。したがって、外乱光の影響を排除して、本来の機能(先行車検出等)を支障なく発揮できるレーザレーダ装置7を提供できる。
【0044】
【発明の効果】
この発明によれば、外乱光となり得る光源(たとえば、太陽)を検知すると、レーザ光の走査範囲が移動させられて、エリアの外に当該光源が追い出される。したがって、受光部の飽和を回避でき、外乱光の影響を排除して、機能(先行車検出等)の喪失を招かないレーザレーダ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態のレーザレーダ装置の概念図である。
【図2】レーザレーダ装置7の概念的なブロック図である。
【図3】二次元監視エリア8の模式図である。
【図4】レーザレーダ装置7の受光特性図である。
【図5】レーザレーダ装置7の制御部9の動作フローチャートを示す図である。
【図6】外乱光回避モードの実行イメージ図である。
【図7】他の態様を示すブロック図である。
【図8】撮像装置21の画像22を示す図及び二次元監視エリア8a、8bを示す図である。
【符号の説明】
5 走査駆動部(移動手段)
7 レーザレーダ装置
8 二次元監視エリア
9 制御部(移動手段)
10 レーザ光
11 反射光
12 外乱光検知部(検知手段)
13 先行車(目標物)
15 太陽(光源)
21 撮像装置
Claims (4)
- レーザ光を走査して一次元監視エリアまたは二次元監視エリアを形成し、該エリア内の目標物を前記レーザ光の反射光から検出するレーザレーダ装置において、
前記エリア内の外乱光となり得る光源の存在を検知する検知手段と、
前記検知手段によって外乱光となり得る光源の存在が検知されたときに前記レーザ光の走査範囲を移動させる移動手段と
を備えたことを特徴とするレーザレーダ装置。 - 前記検知手段は、前記反射光を電気信号に変換する光電変換素子が飽和状態となったとき、または、飽和状態に近づいたときに、前記外乱光となり得る光源が存在しているとみなすことを特徴とする請求項1記載のレーザレーダ装置。
- 前記検知手段は、前記エリアの画像を撮像する撮像装置を含んで構成され、該画像中に高輝度領域または特定色温度領域が含まれているときに、前記外乱光となり得る光源が存在しているとみなすことを特徴とする請求項1記載のレーザレーダ装置。
- 前記移動手段は、前記エリアを初期位置からY軸方向またはX軸方向に所定ステップずつ移動させながら前記レーザ光の走査範囲を移動させることを特徴とする請求項1記載のレーザレーダ装置。
Priority Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2003
- 2003-04-24 JP JP2003119239A patent/JP2004325202A/ja active Pending
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