JP2004324949A - 冷媒回路及びそれを備えた冷凍機 - Google Patents
冷媒回路及びそれを備えた冷凍機 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004324949A JP2004324949A JP2003117971A JP2003117971A JP2004324949A JP 2004324949 A JP2004324949 A JP 2004324949A JP 2003117971 A JP2003117971 A JP 2003117971A JP 2003117971 A JP2003117971 A JP 2003117971A JP 2004324949 A JP2004324949 A JP 2004324949A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- refrigerant
- circuit
- condenser
- refrigerator
- valve
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Devices That Are Associated With Refrigeration Equipment (AREA)
Abstract
【課題】冷媒回路において、止弁にて閉塞された区間の内圧が周囲温度の変化等により上昇した場合に、自動的に圧力を逃して内圧を下げ機器が破損に至ることを防止する。
【解決手段】少なくとも圧縮機1、凝縮器2、及び蒸発器4が冷媒配管9により連結されてなる冷媒循環回路10と、凝縮器2と蒸発器4の間に配置されたストレーナー5と、ストレーナー5の前後にあって冷媒循環回路10をそれぞれ遮断可能な第1止弁7および第2止弁8と、2つの止弁7,8間の圧力に応じてこれら止弁間の冷媒を凝縮器2側へ戻す冷媒バイパス回路20とを備える。冷媒バイパス回路20は液封防止配管21と逆止弁22から構成される。
【選択図】 図1
【解決手段】少なくとも圧縮機1、凝縮器2、及び蒸発器4が冷媒配管9により連結されてなる冷媒循環回路10と、凝縮器2と蒸発器4の間に配置されたストレーナー5と、ストレーナー5の前後にあって冷媒循環回路10をそれぞれ遮断可能な第1止弁7および第2止弁8と、2つの止弁7,8間の圧力に応じてこれら止弁間の冷媒を凝縮器2側へ戻す冷媒バイパス回路20とを備える。冷媒バイパス回路20は液封防止配管21と逆止弁22から構成される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍機等で用いられる冷媒回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
冷凍機の冷媒回路は、圧縮機、凝縮器、電動膨脹弁、蒸発器、液溜め部、開閉弁等から構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−118715号公報(第3頁、図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような冷凍機においては、電動膨脹弁を閉じてポンプダウン運転を行なうことがある。この時、停電等により開閉弁が閉じてしまった場合には、開閉弁〜液溜め部〜電動膨脹弁の区間が液封状態となってしまう。この例は、液溜め部の前後に設けた閉塞機能を有する弁で、開閉弁〜液溜め部〜電動膨脹弁の区間が液封状態となる例であったが、液溜め部の代わりに、冷媒に対してフィルタ作用を行うフィルタ装置を配置しその前後に止弁を配置した場合も全く同様な状態となる場合が考えられる。
【0005】
例えば、従来より、特に大形の冷凍機においては冷媒回路内の異物を回収することを目的に、液配管の途中にストレーナーを設けている冷凍機が多い。また、近年では地球環境保護の観点より、冷媒の大気放出が禁じられていることや、使用する冷媒自体もHFC系冷媒へ転換されこれに伴い冷凍機油もエステル油を用いるようになって来ている。このエステル油は水分を嫌うことより冷媒回路内の水分除去を行なうためにフィルター機能を有したドライヤーを冷凍機に装備するようになって来ている。これらの「冷媒の大気放出防止」や「冷媒回路内への水分混入防止」のため、ストレーナーやドライヤーの交換時に大気開放となる冷媒回路の極小化や、作業の迅速化を図るためストレーナーやドライヤーの前後に止弁を装備するようになって来ている。これらの場合、ストレーナー(又はドライヤー)前後に設けた止弁を閉めることにより、交換作業時に大気開放される冷媒回路はストレーナー(又はドライヤー)部分のみで済むことになる。但し、ストレーナー(又はドライヤー)を含めた液配管が冷媒液で満たされた状態でこの前後の止弁を閉め、更に誤ってそのままの状態で放置してしまった場合、周囲温度の変化(上昇)により止弁で閉塞された部分の内圧が上昇し、いわゆる液封状態となり機器が破損してしまう恐れもある。
【0006】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、止弁にて閉塞された区間の内圧が周囲温度の変化等により上昇した場合に自動的に圧力を逃して内圧を下げ、装置や機器が破損に至ることを防止する回路(液封防止回路)、並びにこの液封防止回路を備えた冷媒回路及び冷凍機を得ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る冷媒回路は、少なくとも圧縮機、凝縮器、及び蒸発器が配管により連結されてなる冷媒循環回路と、前記凝縮器と前記蒸発器の間に配置されて前記冷媒循環回路を構成する任意の機器と、前記任意の機器の前後にあって前記冷媒循環回路をそれぞれ遮断可能な第1止弁および第2止弁と、前記2つの止弁間の圧力に応じて前記止弁間の冷媒を前記凝縮器側へ戻す冷媒バイパス回路とを備えたことを特徴とする。
また、この発明に係る冷凍機は、圧縮機、凝縮器、及び蒸発器を有し、それらの間を冷媒が循環する冷媒回路を備える冷凍機において、前記冷媒回路として上記の冷媒回路を備えたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき図に基づいて詳しく説明する。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る冷凍機100の冷媒回路図である。冷凍機100の内部で冷媒を循環させる冷媒循環回路10は、圧縮機1、凝縮器2、膨脹弁3、蒸発器4と、それらを連結する冷媒配管9から構成されている。また、凝縮器2と蒸発器4との間、更に限定すれば凝縮器2と膨脹弁3の間には、冷媒循環回路10内の異物を回収するストレーナー5(ストレーナーコア5Aとそれを収納するストレーナケース5Bからなる)を装備しており、その前後には第1止弁7(凝縮器2の出口側に設置)と第2止弁8(ストレーナー5の出口側又は膨張弁3の入口側に設置)を設けている。従って、冷媒循環回路10は、圧縮機1、凝縮器2、膨脹弁3、蒸発器4、ストレーナー5、および各止弁7,8が、冷媒配管9を介して直列に接続されて構成されている。
【0009】
更に、上記冷媒循環回路10とは別に、一端がストレーナー5のストレーナーケース5Bに接続され、他端が凝縮器2に接続された冷媒バイパス回路20が設けられている。冷媒バイパス回路20は、冷凍機あるいは冷媒回路中の各機器が破損に至ることを防止する液封防止回路であり、液封防止配管21と液封防止配管21の途中に配置された逆止弁22とを備えてなる。逆止弁22は、第1止弁7と第2止弁8の間の圧力に応じて、すなわち、2つの止弁7,8間の圧力が逆止弁22の出口側圧力より大きくなると、これらの止弁7,8間の冷媒を凝縮器2側へ戻す機能を有している。
【0010】
上記のように構成された冷凍機100の冷媒循環回路10内を、冷媒は、通常、圧縮機1→凝縮器2→ストレーナー5→膨脹弁3→蒸発器4の順に循環する。この時、冷媒循環回路10内の異物や水分は、ストレーナーコア5Aによって回収される。異物や水分を回収しその機能が低下してきたストレーナーコア5Aは定期的に交換が必要であり、交換の際には、第1止弁7と第2止弁8を閉じて作業を行なうこととなる。
【0011】
従来は、凝縮器2から膨脹弁3までの冷媒配管9が冷媒液で満たされた状態で両止弁を閉じ、更に誤ってそのままの状態で放置し周囲温度が変化(上昇)した場合は冷媒液の比容積が増加することにより、第1止弁7と第2止弁8で閉塞された部分の内圧が上昇してしまうことがあった。しかし、図1の構成によれば、第1止弁7と第2止弁8で閉塞された部分の内圧が上昇すると、これらの止弁7,8の間で閉塞された冷媒液の一部が液封防止配管21及び逆止弁22を通って凝縮器2内へと流れ出す。このため、第1止弁7と第2止弁8で閉塞された部分の内圧の過剰上昇を回避すること、並びに冷凍機100や冷媒循環回路10中の各機器が破損に至ることを防止することができる。
【0012】
上記の場合において、液封防止配管21の途中、すなわち冷媒バイパス回路20の途中に装備した逆止弁22は、ストレーナーコア5Aの交換のためにストレーナーケース5Bの部分を大気開放した場合に、凝縮器2内部の冷媒が液封防止配管21を介して流れ出ることを防止し、並びに通常運転中において凝縮器2内部の冷媒ガスが液封防止配管21を通り冷媒循環回路10内に混入することを防止している。
【0013】
実施の形態2.
図2は本発明の実施の形態2に係る冷凍機100の冷媒回路図である。実施の形態1では、冷媒バイパス回路20を構成する液封防止配管21の他端を凝縮器2の本体(冷媒側)にしていたが、実施の形態2では、それを凝縮器2の入口側配管(又は圧縮機1の吐出口側配管)に接続したものである。このようにすれば、凝縮器2がフィン&チューブ熱交換器やプレート式熱交換器のように直接熱交換器の本体(冷媒側)に接続することが困難な形式の場合や、凝縮器2が離れた場所に設置されるリモートコンデンサ方式の場合にも、本発明の液封防止回路を適用することができる。
【0014】
実施の形態2の構成は、液封防止配管21の接続先が、凝縮器2の入口側配管に変更された以外は実施の形態1と同様である。実施の形態2の構成において、第1止弁7と第2止弁8で閉塞された部分の内圧が上昇すると、これらの止弁7,8の間で閉塞された冷媒液の一部が液封防止配管21及び逆止弁22を通って凝縮器2の入口側配管へと流れ出す。このため、第1止弁7と第2止弁8で閉塞された部分の内圧の過剰上昇を回避すること、並びに冷凍機100や冷媒循環回路10中の各機器が破損に至ることを防止することができる。
【0015】
実施の形態3.
図3は本発明の実施の形態3に係る冷凍機100の冷媒回路図である。実施の形態1では、冷媒バイパス回路20を構成する液封防止配管21の他端を凝縮器2の本体(冷媒側)にしていたが、実施の形態3では、それを凝縮器2の出口側配管に接続したものである。このようにしても、凝縮器2がフィン&チューブ熱交換器やプレート式熱交換器のように直接熱交換器の本体(冷媒側)に接続することが困難な形式の場合や凝縮器が離れた場所に設置されるリモートコンデンサ方式の場合に、本発明の液封防止回路を適用することが可能となる。
【0016】
実施の形態3の構成は、液封防止配管21の他端の接続先が凝縮器2の出口側配管に変更された以外は実施の形態1と同様である。実施の形態3の構成において、第1止弁7と第2止弁8で閉塞された部分の内圧が上昇すると、これらの止弁7,8の間で閉塞された冷媒液の一部が液封防止配管21及び逆止弁22を通って凝縮器2の出口側配管へと流れ出す。このため、第1止弁7と第2止弁8で閉塞された部分の内圧の過剰上昇を回避すること、並びに冷凍機100や冷媒循環回路10中の各機器が破損に至ることを防止することができる。
【0017】
実施の形態4.
図4は本発明の実施の形態4に係る冷凍機100の冷媒回路図である。実施の形態1では、冷媒バイパス回路20を構成する液封防止配管21の一端をストレーナーケース5Bに接続していたが、実施の形態4では、それを第1止弁7とストレーナー5との間の冷媒配管9に接続したものである。なお、本発明においては、冷媒バイパス回路20の始点は、第1止弁7と第2止弁8の間のどこにしてもよい。従って、冷媒バイパス回路20の始点を実施の形態4のようにしたまま、冷媒バイパス回路20の終点を、上記実施の形態2又は3のいずれかのように設定しても良い。これらによっても、冷媒バイパス回路20は、液封防止回路として、実施の形態1〜3と同等の効果を奏することができる。
【0018】
ところで、上記各実施の形態においては、第1止弁7と第2止弁8の間に、冷媒に対してフィルター作用を行うフィルター装置としてのストレーナー5を配置する例を示したが、この部分には任意の冷媒循環回路構成機器を配置することができる。例えば、ストレーナー5に代えて、冷媒に対して冷媒循環回路10内の水分除去を行うためのフィルター機能を有したドライヤーを配置することもできる。ただし、第1止弁7と第2止弁8との間に配置される機器は、冷媒循環回路10に対して取り外し可能なものであるのが一般的である。
【0019】
また、上記各実施の形態においては、冷媒バイパス回路20に逆止弁22を配置する例を示したが、逆止弁22に代えて、逆止弁と同様の作用を有する他の弁、例えばリリーフ弁等を用いることもできる。
【0020】
さらに、上記各実施の形態においては、冷媒循環回路10と冷媒バイパス回路20とを備えた冷媒回路を冷凍機に適用する例を示したが、本発明の冷媒回路は、冷凍機に限らず、冷媒循環回路10を必要とする他の装置や機器にも適用できる。
【0021】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係る冷媒回路によれば、冷媒配管が冷媒液で満たされた状態で、2つの止弁間に配置されて冷媒循環回路を構成する任意の機器、例えば冷媒に対してフィルター作用を行うフィルター装置、の前後の止弁を閉め、更に誤ってそのままの状態で放置してしまい、周囲温度の変化(上昇)により止弁で閉塞された部分の内圧が上昇した場合でも、自動的に圧力を逃し内圧を下げることが可能になる。従って、冷媒回路を備えた装置や冷媒回路を構成する機器が破損に至ることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る冷凍機の冷媒回路図。
【図2】本発明の実施の形態2に係る冷凍機の冷媒回路図。
【図3】本発明の実施の形態3に係る冷凍機の冷媒回路図。
【図4】本発明の実施の形態4に係る冷凍機の冷媒回路図。
【符号の説明】
1 圧縮機、 2 凝縮器、 3 膨脹弁、4 蒸発器、 5 ストレーナー、5A ストレーナーコア、 5B ストレーナーケース、 7 第1止弁、8第2止弁、 9 冷媒配管、 10 冷媒循環回路、20 冷媒バイパス回路、21 液封防止配管、22 逆止弁、100 冷凍機。
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍機等で用いられる冷媒回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
冷凍機の冷媒回路は、圧縮機、凝縮器、電動膨脹弁、蒸発器、液溜め部、開閉弁等から構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−118715号公報(第3頁、図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような冷凍機においては、電動膨脹弁を閉じてポンプダウン運転を行なうことがある。この時、停電等により開閉弁が閉じてしまった場合には、開閉弁〜液溜め部〜電動膨脹弁の区間が液封状態となってしまう。この例は、液溜め部の前後に設けた閉塞機能を有する弁で、開閉弁〜液溜め部〜電動膨脹弁の区間が液封状態となる例であったが、液溜め部の代わりに、冷媒に対してフィルタ作用を行うフィルタ装置を配置しその前後に止弁を配置した場合も全く同様な状態となる場合が考えられる。
【0005】
例えば、従来より、特に大形の冷凍機においては冷媒回路内の異物を回収することを目的に、液配管の途中にストレーナーを設けている冷凍機が多い。また、近年では地球環境保護の観点より、冷媒の大気放出が禁じられていることや、使用する冷媒自体もHFC系冷媒へ転換されこれに伴い冷凍機油もエステル油を用いるようになって来ている。このエステル油は水分を嫌うことより冷媒回路内の水分除去を行なうためにフィルター機能を有したドライヤーを冷凍機に装備するようになって来ている。これらの「冷媒の大気放出防止」や「冷媒回路内への水分混入防止」のため、ストレーナーやドライヤーの交換時に大気開放となる冷媒回路の極小化や、作業の迅速化を図るためストレーナーやドライヤーの前後に止弁を装備するようになって来ている。これらの場合、ストレーナー(又はドライヤー)前後に設けた止弁を閉めることにより、交換作業時に大気開放される冷媒回路はストレーナー(又はドライヤー)部分のみで済むことになる。但し、ストレーナー(又はドライヤー)を含めた液配管が冷媒液で満たされた状態でこの前後の止弁を閉め、更に誤ってそのままの状態で放置してしまった場合、周囲温度の変化(上昇)により止弁で閉塞された部分の内圧が上昇し、いわゆる液封状態となり機器が破損してしまう恐れもある。
【0006】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、止弁にて閉塞された区間の内圧が周囲温度の変化等により上昇した場合に自動的に圧力を逃して内圧を下げ、装置や機器が破損に至ることを防止する回路(液封防止回路)、並びにこの液封防止回路を備えた冷媒回路及び冷凍機を得ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る冷媒回路は、少なくとも圧縮機、凝縮器、及び蒸発器が配管により連結されてなる冷媒循環回路と、前記凝縮器と前記蒸発器の間に配置されて前記冷媒循環回路を構成する任意の機器と、前記任意の機器の前後にあって前記冷媒循環回路をそれぞれ遮断可能な第1止弁および第2止弁と、前記2つの止弁間の圧力に応じて前記止弁間の冷媒を前記凝縮器側へ戻す冷媒バイパス回路とを備えたことを特徴とする。
また、この発明に係る冷凍機は、圧縮機、凝縮器、及び蒸発器を有し、それらの間を冷媒が循環する冷媒回路を備える冷凍機において、前記冷媒回路として上記の冷媒回路を備えたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき図に基づいて詳しく説明する。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る冷凍機100の冷媒回路図である。冷凍機100の内部で冷媒を循環させる冷媒循環回路10は、圧縮機1、凝縮器2、膨脹弁3、蒸発器4と、それらを連結する冷媒配管9から構成されている。また、凝縮器2と蒸発器4との間、更に限定すれば凝縮器2と膨脹弁3の間には、冷媒循環回路10内の異物を回収するストレーナー5(ストレーナーコア5Aとそれを収納するストレーナケース5Bからなる)を装備しており、その前後には第1止弁7(凝縮器2の出口側に設置)と第2止弁8(ストレーナー5の出口側又は膨張弁3の入口側に設置)を設けている。従って、冷媒循環回路10は、圧縮機1、凝縮器2、膨脹弁3、蒸発器4、ストレーナー5、および各止弁7,8が、冷媒配管9を介して直列に接続されて構成されている。
【0009】
更に、上記冷媒循環回路10とは別に、一端がストレーナー5のストレーナーケース5Bに接続され、他端が凝縮器2に接続された冷媒バイパス回路20が設けられている。冷媒バイパス回路20は、冷凍機あるいは冷媒回路中の各機器が破損に至ることを防止する液封防止回路であり、液封防止配管21と液封防止配管21の途中に配置された逆止弁22とを備えてなる。逆止弁22は、第1止弁7と第2止弁8の間の圧力に応じて、すなわち、2つの止弁7,8間の圧力が逆止弁22の出口側圧力より大きくなると、これらの止弁7,8間の冷媒を凝縮器2側へ戻す機能を有している。
【0010】
上記のように構成された冷凍機100の冷媒循環回路10内を、冷媒は、通常、圧縮機1→凝縮器2→ストレーナー5→膨脹弁3→蒸発器4の順に循環する。この時、冷媒循環回路10内の異物や水分は、ストレーナーコア5Aによって回収される。異物や水分を回収しその機能が低下してきたストレーナーコア5Aは定期的に交換が必要であり、交換の際には、第1止弁7と第2止弁8を閉じて作業を行なうこととなる。
【0011】
従来は、凝縮器2から膨脹弁3までの冷媒配管9が冷媒液で満たされた状態で両止弁を閉じ、更に誤ってそのままの状態で放置し周囲温度が変化(上昇)した場合は冷媒液の比容積が増加することにより、第1止弁7と第2止弁8で閉塞された部分の内圧が上昇してしまうことがあった。しかし、図1の構成によれば、第1止弁7と第2止弁8で閉塞された部分の内圧が上昇すると、これらの止弁7,8の間で閉塞された冷媒液の一部が液封防止配管21及び逆止弁22を通って凝縮器2内へと流れ出す。このため、第1止弁7と第2止弁8で閉塞された部分の内圧の過剰上昇を回避すること、並びに冷凍機100や冷媒循環回路10中の各機器が破損に至ることを防止することができる。
【0012】
上記の場合において、液封防止配管21の途中、すなわち冷媒バイパス回路20の途中に装備した逆止弁22は、ストレーナーコア5Aの交換のためにストレーナーケース5Bの部分を大気開放した場合に、凝縮器2内部の冷媒が液封防止配管21を介して流れ出ることを防止し、並びに通常運転中において凝縮器2内部の冷媒ガスが液封防止配管21を通り冷媒循環回路10内に混入することを防止している。
【0013】
実施の形態2.
図2は本発明の実施の形態2に係る冷凍機100の冷媒回路図である。実施の形態1では、冷媒バイパス回路20を構成する液封防止配管21の他端を凝縮器2の本体(冷媒側)にしていたが、実施の形態2では、それを凝縮器2の入口側配管(又は圧縮機1の吐出口側配管)に接続したものである。このようにすれば、凝縮器2がフィン&チューブ熱交換器やプレート式熱交換器のように直接熱交換器の本体(冷媒側)に接続することが困難な形式の場合や、凝縮器2が離れた場所に設置されるリモートコンデンサ方式の場合にも、本発明の液封防止回路を適用することができる。
【0014】
実施の形態2の構成は、液封防止配管21の接続先が、凝縮器2の入口側配管に変更された以外は実施の形態1と同様である。実施の形態2の構成において、第1止弁7と第2止弁8で閉塞された部分の内圧が上昇すると、これらの止弁7,8の間で閉塞された冷媒液の一部が液封防止配管21及び逆止弁22を通って凝縮器2の入口側配管へと流れ出す。このため、第1止弁7と第2止弁8で閉塞された部分の内圧の過剰上昇を回避すること、並びに冷凍機100や冷媒循環回路10中の各機器が破損に至ることを防止することができる。
【0015】
実施の形態3.
図3は本発明の実施の形態3に係る冷凍機100の冷媒回路図である。実施の形態1では、冷媒バイパス回路20を構成する液封防止配管21の他端を凝縮器2の本体(冷媒側)にしていたが、実施の形態3では、それを凝縮器2の出口側配管に接続したものである。このようにしても、凝縮器2がフィン&チューブ熱交換器やプレート式熱交換器のように直接熱交換器の本体(冷媒側)に接続することが困難な形式の場合や凝縮器が離れた場所に設置されるリモートコンデンサ方式の場合に、本発明の液封防止回路を適用することが可能となる。
【0016】
実施の形態3の構成は、液封防止配管21の他端の接続先が凝縮器2の出口側配管に変更された以外は実施の形態1と同様である。実施の形態3の構成において、第1止弁7と第2止弁8で閉塞された部分の内圧が上昇すると、これらの止弁7,8の間で閉塞された冷媒液の一部が液封防止配管21及び逆止弁22を通って凝縮器2の出口側配管へと流れ出す。このため、第1止弁7と第2止弁8で閉塞された部分の内圧の過剰上昇を回避すること、並びに冷凍機100や冷媒循環回路10中の各機器が破損に至ることを防止することができる。
【0017】
実施の形態4.
図4は本発明の実施の形態4に係る冷凍機100の冷媒回路図である。実施の形態1では、冷媒バイパス回路20を構成する液封防止配管21の一端をストレーナーケース5Bに接続していたが、実施の形態4では、それを第1止弁7とストレーナー5との間の冷媒配管9に接続したものである。なお、本発明においては、冷媒バイパス回路20の始点は、第1止弁7と第2止弁8の間のどこにしてもよい。従って、冷媒バイパス回路20の始点を実施の形態4のようにしたまま、冷媒バイパス回路20の終点を、上記実施の形態2又は3のいずれかのように設定しても良い。これらによっても、冷媒バイパス回路20は、液封防止回路として、実施の形態1〜3と同等の効果を奏することができる。
【0018】
ところで、上記各実施の形態においては、第1止弁7と第2止弁8の間に、冷媒に対してフィルター作用を行うフィルター装置としてのストレーナー5を配置する例を示したが、この部分には任意の冷媒循環回路構成機器を配置することができる。例えば、ストレーナー5に代えて、冷媒に対して冷媒循環回路10内の水分除去を行うためのフィルター機能を有したドライヤーを配置することもできる。ただし、第1止弁7と第2止弁8との間に配置される機器は、冷媒循環回路10に対して取り外し可能なものであるのが一般的である。
【0019】
また、上記各実施の形態においては、冷媒バイパス回路20に逆止弁22を配置する例を示したが、逆止弁22に代えて、逆止弁と同様の作用を有する他の弁、例えばリリーフ弁等を用いることもできる。
【0020】
さらに、上記各実施の形態においては、冷媒循環回路10と冷媒バイパス回路20とを備えた冷媒回路を冷凍機に適用する例を示したが、本発明の冷媒回路は、冷凍機に限らず、冷媒循環回路10を必要とする他の装置や機器にも適用できる。
【0021】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係る冷媒回路によれば、冷媒配管が冷媒液で満たされた状態で、2つの止弁間に配置されて冷媒循環回路を構成する任意の機器、例えば冷媒に対してフィルター作用を行うフィルター装置、の前後の止弁を閉め、更に誤ってそのままの状態で放置してしまい、周囲温度の変化(上昇)により止弁で閉塞された部分の内圧が上昇した場合でも、自動的に圧力を逃し内圧を下げることが可能になる。従って、冷媒回路を備えた装置や冷媒回路を構成する機器が破損に至ることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る冷凍機の冷媒回路図。
【図2】本発明の実施の形態2に係る冷凍機の冷媒回路図。
【図3】本発明の実施の形態3に係る冷凍機の冷媒回路図。
【図4】本発明の実施の形態4に係る冷凍機の冷媒回路図。
【符号の説明】
1 圧縮機、 2 凝縮器、 3 膨脹弁、4 蒸発器、 5 ストレーナー、5A ストレーナーコア、 5B ストレーナーケース、 7 第1止弁、8第2止弁、 9 冷媒配管、 10 冷媒循環回路、20 冷媒バイパス回路、21 液封防止配管、22 逆止弁、100 冷凍機。
Claims (9)
- 少なくとも圧縮機、凝縮器、及び蒸発器が配管により連結されてなる冷媒循環回路と、
前記凝縮器と前記蒸発器の間に配置されて前記冷媒循環回路を構成する任意の機器と、
前記任意の機器の前後にあって前記冷媒循環回路をそれぞれ遮断可能な第1止弁および第2止弁と、
前記2つの止弁間の圧力に応じて前記止弁間の冷媒を前記凝縮器側へ戻す冷媒バイパス回路と、
を備えたことを特徴とする冷媒回路。 - 前記任意の機器が、前記冷媒循環回路を流れる冷媒に対してフィルター作用を行うフィルター装置であることを特徴とする請求項1記載の冷媒回路。
- 前記冷媒バイパス回路の途中に逆止弁を配置したことを特徴とする請求項1又は2記載の冷凍機。
- 前記冷媒バイパス回路の途中にリリーフ弁を配置したことを特徴とする請求項1又は2記載の冷凍機。
- 前記冷媒バイパス回路の一端が前記任意の機器に接続されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の冷凍機。
- 前記冷媒バイパス回路の他端が前記凝縮器に接続されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の冷凍機。
- 前記冷媒バイパス回路の他端が前記冷媒循環回路の前記凝縮器入口側に接続されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の冷凍機。
- 前記冷媒バイパス回路の他端が前記冷媒循環回路の前記凝縮器出口側に接続されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の冷凍機。
- 圧縮機、凝縮器、及び蒸発器を有し、それらの間を冷媒が循環する冷媒回路を備える冷凍機において、
前記冷媒回路として前記請求項のいずれか1項に記載の冷媒回路を備えたことを特徴とする冷凍機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003117971A JP2004324949A (ja) | 2003-04-23 | 2003-04-23 | 冷媒回路及びそれを備えた冷凍機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003117971A JP2004324949A (ja) | 2003-04-23 | 2003-04-23 | 冷媒回路及びそれを備えた冷凍機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004324949A true JP2004324949A (ja) | 2004-11-18 |
Family
ID=33497655
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003117971A Pending JP2004324949A (ja) | 2003-04-23 | 2003-04-23 | 冷媒回路及びそれを備えた冷凍機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004324949A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007127326A (ja) * | 2005-11-02 | 2007-05-24 | Yanmar Co Ltd | 冷媒充填回路を備えたエンジン駆動式ヒートポンプ |
US7263846B2 (en) * | 2004-11-23 | 2007-09-04 | Lg Electronics Inc. | Refrigerant bypassing and filtering apparatus of air conditioner and method for controlling the same |
JP2014119153A (ja) * | 2012-12-14 | 2014-06-30 | Sharp Corp | 空気調和機 |
JP2014119150A (ja) * | 2012-12-14 | 2014-06-30 | Sharp Corp | 空気調和機 |
JP2014119154A (ja) * | 2012-12-14 | 2014-06-30 | Sharp Corp | 空気調和機 |
-
2003
- 2003-04-23 JP JP2003117971A patent/JP2004324949A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7263846B2 (en) * | 2004-11-23 | 2007-09-04 | Lg Electronics Inc. | Refrigerant bypassing and filtering apparatus of air conditioner and method for controlling the same |
JP2007127326A (ja) * | 2005-11-02 | 2007-05-24 | Yanmar Co Ltd | 冷媒充填回路を備えたエンジン駆動式ヒートポンプ |
JP2014119153A (ja) * | 2012-12-14 | 2014-06-30 | Sharp Corp | 空気調和機 |
JP2014119150A (ja) * | 2012-12-14 | 2014-06-30 | Sharp Corp | 空気調和機 |
JP2014119154A (ja) * | 2012-12-14 | 2014-06-30 | Sharp Corp | 空気調和機 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3109500B2 (ja) | 冷凍装置 | |
JP6156528B1 (ja) | 冷凍装置 | |
CN101910758B (zh) | 压力释放装置在高压致冷系统中的固定 | |
JP2007127326A (ja) | 冷媒充填回路を備えたエンジン駆動式ヒートポンプ | |
KR20070099015A (ko) | 환경 친화적 냉매를 위한 삼방향 서비스 밸브를 구비한냉매 사이클 | |
JP2007170683A (ja) | 空気調和機 | |
JP2009236447A (ja) | 冷凍装置 | |
JP2004324949A (ja) | 冷媒回路及びそれを備えた冷凍機 | |
JP5762801B2 (ja) | 冷媒漏洩防止機能を有する冷凍機システム | |
JP6822335B2 (ja) | 冷媒回収装置 | |
KR101429363B1 (ko) | 유랭식 2단 압축기 및 히트 펌프 | |
AU2015282159B2 (en) | Heat pump type chiller | |
JP2012127518A (ja) | 空気調和機 | |
JPH0379959A (ja) | 冷凍装置 | |
JP2010139122A (ja) | 空気調和装置 | |
AU2007225990B2 (en) | Method for the recovery of refrigeration oil | |
CN209355521U (zh) | 防止冷媒迁移的压缩机保护结构及空调系统 | |
JP2008196731A (ja) | 冷凍装置 | |
JP2001153481A (ja) | 空気調和装置 | |
JP2007127327A (ja) | エンジン駆動式ヒートポンプの高圧上昇回避手段 | |
JP4415770B2 (ja) | 冷凍装置 | |
JP2007147152A (ja) | 冷凍サイクル装置及びその運転方法 | |
JP4159409B2 (ja) | 空気調和装置 | |
KR100409182B1 (ko) | 에어콘 냉매 회수 재생 충전기의 냉매 회수 재생 회로 | |
JP2017009248A (ja) | 冷却装置 |