JP2004324046A - 含水土砂の脱水処理方法および脱水用土槽 - Google Patents

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豊 加島
Hideyuki Takeuchi
秀行 武内
Takaharu Kobayashi
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Abstract

【課題】土槽からなる電気浸透脱水装置に振動発生装置(バイブレータ)および荷重ブロックを装備し、電気浸透脱水によって土中に発生する亀裂や空隙を防止して常に良好な通電状態を維持し、速やかに脱水を行う脱水処理法および脱水装置を提供する。
【解決手段】地中、半地下または地上に設置される一部が開口し、内部に含水土砂が投入可能な土槽1と、この土槽1内に着脱自在に設けられる電気浸透用の電極と、土槽1内に投入された含水土砂6に振動を与えるバイブレータと、前記開口部分を塞ぎ移動可能な遮蔽体とを備える。脱水用土槽を用い、土槽1内に投入された含水土砂2に荷重をかけ圧密しながら振動させ、亀裂や空隙発生を防止しつつ脱水する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、含水土砂の脱水改質方法および装置に係り、詳しくはシールド工事・推進工事やケーソン工事において発生する高含水状態の軟弱な土砂や、泥土圧シールドで発生するベントナイトや高分子吸水剤などが含まれた泥土状等の排土に含まれている内部水を強制的に排出して改質するために好適な含水土砂の脱水処理方法およびそれに用いられる脱水用土槽に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建設汚泥の泥状土砂を改質するには、一般的には主にセメントや生石灰などによる固化処理法が用いられている。
【0003】
泥状土砂をセメントや生石灰などにより固化処理する従来の固化処理方法は、セメントや生石灰を大量に使用し、固化処理する必要があるという問題があった。
【0004】
含水土砂から水分を脱水する従来の脱水方法では、処理対象の土質が限定されるという問題があった。また、一般的に、シールド工事では道路上の一部を占有したり、借用したりして発進基地を設けるので、土砂貯留ホッパや土砂貯留土槽の数と大きさが制限されるため、所望の脱水処理を行えない。
【0005】
シールド工事では、砂礫、砂、シルト、粘土があるが、全く均一な土質を対象として掘削することは稀である。すなわち、シールド工事では各々の互層を掘進するため、様々な土質が混合した土砂が貯蔵されるので、これに対応できる土砂改質方法が要求される。
【0006】
このため、泥土圧シールド工事・推進工事やニューマチックケーソン工事において排出される含水量の多い泥土状を呈する残土、シルトや粘土を多く含有していることによる含水比の高い軟弱な不透水性土、砂や砂礫にベントナイトや高分子吸水剤が混合している汚泥のいずれをも脱水して改質し、その後の再処理費用の削減を図り、さらには汚泥の場合、強度を発現させ、資源として再利用または有効利用を図り得る脱水改質技術が望まれていた。
【0007】
しかるに、最近、電気浸透法を用いた土質の改良が提案されている。
【0008】
この先行技術としては、特開平9−287127が存在する。
【0009】
この先行技術は、地盤中に陽極、陰極用の一対の孔をあけ、その孔にそれぞれ陽極、陰極を配設し、各電極間に直流電流を通電させ、電気浸透作用により、陰極側に地下水を移動させ、その地下水を真空ポンプによって外部に排水し、地盤を改良する、というものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この先行例における電気浸透法による脱水は、いちいちボーリングにより地盤に電極を取付けるための孔をあけなければならず、作業が煩雑である、という課題がある。
【0011】
また、電気浸透作用により電極周辺の土の含水比を低下させてもその周辺に自由水が存在することがあり、その自由水が新たに脱水部分に侵入したり、あるいはすぐ近くに地下水が存在する場合もあり、脱水作業をいくら行っても際限がない場合がある、という課題がある。
【0012】
また、降雨や雨期等には脱水作業を円滑に行えない、という場合がある。
【0013】
また、上記先行例では土の含水比を容易に知る手段が講じられておらず、脱水中の土質状態を正確に把握できない、という課題がある。
【0014】
この欠点を解決するために、本願出願人は先に特願2002−349801を提出した。
【0015】
この特願2002−349801においては、密閉可能な箱状の土槽内に電気浸透用の電極を設け、その中に含水土砂を投入し、電極を通電し、含水土砂を脱水し、脱水後脱水土砂を土槽から排出処理するようにし、速やか、かつ確実に含水土砂を脱水するようにしている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
電気浸透脱水法により土中の内部水を脱水する場合、特に土槽による脱水装置において、脱水の進行に伴って土中に亀裂や空隙が顕著に発生する。すなわち、脱水による乾燥収縮が局部的に発生することで土中に局部的な間隙が発生する。
【0017】
発生する亀裂や空隙量が増大すると電気抵抗が増大し電気浸透効果が減少する。
【0018】
電気浸透の理論式(Q=Ke×ie×A)では、電位勾配ieが高ければ脱水量は増加するとなっている。
ここで、 Q:水量
Ke:電気浸透透水係数5×10−5
ie:電位勾配Volt/cm
A:陽極と陰極間の浸透面積
【0019】
しかしながら、初期の実験において電位勾配を増大させた場合に、必ずしも電位勾配に比例した脱水量とはなっていない。
【0020】
原因究明の実験と調査によって、土中に発生する空隙が電気抵抗となり、空隙発生後の電気浸透効果を妨げていたことが判明した。
【0021】
空隙の発生によって、陽極・陰極間の通電部の導体(含水状態の土砂)としての連続性が低下し、電気浸透作用が低下したり、損なわれてしまう、という課題がある。
【0022】
この発明は上記のことに鑑み提案されたもので、その目的とするところは、土槽からなる電気浸透脱水装置に振動発生装置(バイブレータ)および荷重ブロックを装備し、電気浸透脱水によって土中に発生する亀裂や空隙を防止して常に良好な通電状態を維持し、速やかに脱水を行う脱水処理方法および脱水装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
この発明による脱水処理方法は、地中、半地中または地上に設置される一部が開口し、この開口部分を密閉可能な土槽1内に電気浸透用の電極を設け、含水土砂2を投入し、前記電極を通電し、かつ前記含水土砂2に荷重をかけつつ振動させ、前記含水土砂2を脱水し、脱水後脱水土砂を土槽1から排出処理する構成とし、上記目的を達成している。
【0024】
また、本発明の脱水用土槽は、地中、半地下または地上に設置される一部が開口し、内部に含水土砂2が投入可能な土槽1と、この土槽1内に設けられる電気浸透用の電極と、土槽1の開口部分を塞ぎ、かつ移動可能であって荷重ブロック3およびバイブレータ6,7が設けられた取付け架台4とを備えてなることを特徴としている。
【0025】
この場合、荷重ブロック3にバイブレータ7が設けられ、かつ取付け架台4に挿入式棒状のバイブレータ6が設けられ、このバイブレータ6の振動用の棒状部分は含水土砂2中に挿入されることを特徴とする。
【0026】
また、取付け架台4の下部に平板状の陽極板24が設けられ、かつ土槽1の下方にも底部陰極兼集水管21を設けた構成としている。
【0027】
また、陽極8、陽極板24、陰極兼集水管9、底部陰極兼集水管21、バイブレータ6、7、それぞれにスイッチ22が設けられ、スイッチ制御により選択的に駆動可能としている。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明では、電気浸透用の電極が設けられた土槽にさらにバイブレータおよび荷重ブロックを設け、土槽内に投入された土砂に対し載荷重を加え圧密しながら振動を与えるようにしている。振動を与えることにより、脱水土砂の自立性を損なわせ、組成の崩壊を促し、また、載荷重によって亀裂や空隙の発生をより効果的に抑制するようにしている。このように圧密しながら振動により亀裂や空隙の発生を抑制することで、通電部の導体(含水状態の土砂)の連続性が保たれ、それによる効果的な電気浸透効果が維持され、目的とする電位勾配に相当する脱水量の増加が可能となる。
以下、図面に沿って本発明の実施例の説明する。
【0029】
【実施例1】
図1は本発明の第1実施例にかかる脱水用土槽の構成を示す説明図、図2は脱水用土槽の平面説明図、図3は陰極兼集水管の内部構成例を示す。
【0030】
この第1実施例にかかる脱水用土槽は、上部が開口した例えば箱型の土槽1と、この土槽1内に入れられた含水土砂2を振動させる振動手段と、含水土砂2を圧密する荷重ブロック3と、土槽1の内側に設けられ、かつ土槽1に対し上下動自在であるとともに振動手段や荷重ブロック3等が取付けられ取付け架台4と、電気浸透法による脱水手段と、真空脱水法による脱水兼集水排出手段とを備えている。
【0031】
前記土槽1は、鋼製、鉄筋コンクリート製等、設置される環境、空間適性条件に合わせて適宜の材料で形成されている。この土槽1の内部には、含水土砂2の脱水処理室5が形成されている。鋼製の場合、適宜電気に対する絶縁処理が施される。この絶縁処理としては、例えばプラスチック板を取付けたり、あるいはエポキシ樹脂のような絶縁性の樹脂をコーティングするなどすれば良い。
【0032】
この土槽1を振動させる振動手段としては、この実施例ではバイブレータ6を使用している。バイブレータ6とはそれ自身振動し、その振動を外部に伝達する装置である。なお、バイブレータ6の振動構造は周知である。
【0033】
このバイブレータ6としては、好ましくは、挿入式棒状バイブレータを用いている。
【0034】
すなわち、挿入式の棒状のバイブレータ6は取付け架台4に貫設され、棒状の振動部分は含水土砂2中に挿入され、含水土砂2を振動させるようになっている。バイブレータ6の上方部は取付け架台4にネジ等の固着具(図示せず)を介し固定される。図示例では中央部に一つだけ取付けた状態を示したが、土槽1の大きさや含水土砂2の性状等に応じ、適位置に適数本設けられる。
【0035】
この取付け架台4は平板状をなし土槽1の開口部を覆って土槽1の内部の含水土砂2と大気とを遮断する遮蔽板としても機能する。
【0036】
バイブレータ6やその他の部材の取付け架台4は、絶縁性で、かつ鋼材などの剛性の大きい材料からなり、土槽1の開口部の大きさにあわせて形成されている。鋼材を使用した場合、プラスチック、ビニール等による絶縁処理が施される。この取付け架台4は、土槽1に対し着脱自在に取付けられる。また、取付け架台4の外周は土槽1の内壁にほぼ密着するように接合しつつ移動自在になっている。取付け架台4は、クレーン等の荷役機械(図示せず)により土槽1内に吊り下げて設置したり、または吊り上げられ取り外される。なお、取付け架台4は格子桁によって構成することも可能である。この場合はシート状の遮蔽材が設けられ、土槽1内と大気とを遮断する。
【0037】
取付け架台4の上面には荷重ブロック3が設けられる。
【0038】
荷重ブロック3は鋼材、コンクリート、鉄筋入りコンクリート等の重量のあるものにて構成されている。形状、大きさ等は適形状が採択される。
【0039】
この荷重ブロック3は含水土砂2を圧密するためのもので、含水土砂2全体をバランスよく圧密する位置に適数個設けられる。
【0040】
荷重ブロック3にも、図1、図2に示すように、バイブレータ7を設けても良い。
【0041】
取付け架台4には、また、電気浸透法による脱水手段が取付けられる。
【0042】
電気浸透法による脱水手段は、複数の陽極8と、複数の陰極兼集水管9と、土槽1の外部に設置された電位可変型の直流電源装置10等とを備えて構成されている。
【0043】
前記陽極8は土槽1の上部から底部に向って延びる丸棒状の長尺部材からなり、材質としては鉄、銅、アルミニウム、白金等の導電性でかつ機械的強度を持った材料など適宜形成されている。また、各陽極8は、離間して水平方向に対向配置された陰極兼集水管9との間に所要の間隔をおいて配置され、かつ適宜の絶縁性材料製の固定具(図示せず)を介して前記取付け架台4に固定されている。
【0044】
前記各陽極8は、絶縁被覆された電線11を介して土槽1外に設けられた直流電源装置10の陽極端子に接続されている。この電線11には、電圧計12と、電流計13とが設けられている。前記各陰極兼集水管9は、電線11を介して直流電源装置10の陰極端子に接続されている。
【0045】
前記陰極兼集水管9は、円筒状の長尺部材からなり、材料として鉄、銅、アルミニウム、白金等の導電性でかつ機械的強度を持った材料で適宜形成されている。また、各陰極兼集水管9には周壁に多数の例えば縦長のスリット状の集水孔9aが設けられている。そして、各陰極兼集水管9は前記陽極8と所要の間隔をおいて配置され、かつ絶縁性の固定具(図示せず)を介して前記陽極8と同様取付け架台4に固定されている。
【0046】
陰極兼集水管9の内部構造は、詳しくは図3に示すように、中央部軸方向に中空状のバキューム管9bが設けられている。このバキューム管9bの外側と、陰極兼集水管9の通水孔9aが形成された周壁との間に濾材9cが中詰されている。
【0047】
濾材9cとしては、繊維、租砂、小砂利等が用いられ、内部土水(浸透水)に混じった土微粒子の目詰まりを防止し、後続の真空ポンプ14の保護を図っている。なお、図3中、矢印は含水土砂2から取り出された土中水が吸い込まれていく流れを示す。
【0048】
陰極兼集水管9の上方には陰極側の電線11が接続された電極9dが設けられ、かつ陰極兼集水管9の上部は真空引き管15へ通じる接続管16が接続されている。
【0049】
前記真空脱水法による脱水兼集水排出手段は、前記陰極兼集水管9と、真空ポンプ14と、貯水槽17とを備えて構成されている。
【0050】
前記各陰極兼集水管9は、真空引き管15と、これにカップリング18を介して連結された真空引き元管19を介して真空ポンプ14に接続されている。
【0051】
前記真空ポンプ14の出口側は、排水管20が接続され、この排水管20の出口は貯水槽17に臨設されている。
【0052】
なお、取付け架台4には必要に応じ、中性子密度・水分計(図示せず)が取付けられる。この中性子密度・水分計は土の含水比を測定するためのものである。
【0053】
次に、この実施例1の脱水用土槽の動作について説明する。
【0054】
まず、土槽1を地上、地中、半地中または地上等の必要とされる場所に設置する。
【0055】
土槽1内に、開口部側から含水土砂2を投入する。これは、特に図示しない土砂投入管の先端部を開口部に臨設して行われる。なお、含水土砂2の投入時、取付け架台4はクレーン等によって吊り上げられている。
【0056】
前記土槽1に、電極や挿入式のバイブレータ6等を取付けた取付け架台4をクレーン等の荷役機械により吊り込み、設置する。しかる後、取付け架台4に荷重ブロック3を設置する。
【0057】
また、カップリング18により陰極兼集水管9に接続された真空引き元管19に真空引き管15を連結し、真空ポンプ14に各陰極兼集水管9を真空引き可能に接続する。
【0058】
ついで、直流電源装置10の電源を投入する。また、これとほぼ同時、もしくは適当な時期に真空ポンプ14を駆動させる。
【0059】
前記直流電源装置10を介し、各陽極8と各陰極兼集水管9に通電すると、含水土砂2中の水分が電気浸透作用により抽出され、土中水が矢印で示すように流れ、陰極兼集水管9に向って移動する。なお、通電状態を電圧計12、電流計13により監視し、適正に制御する。
【0060】
すなわち、通電初期は、大電流が流れないように、電圧計12、電流計13を介し制御する。
【0061】
また、電気浸透作用により土中に流れる水量Qは前述の式で求められる。
【0062】
前述の式から、電気浸透作用を高めるには支障のない範囲で電圧を上げたり、電極間の距離を小さくすることが有効である。
【0063】
この過程において適切な時期に真空ポンプ14を駆動させることにより真空引き元管19、真空引き管15、陰極兼集水管9、これに設けられた多数の集水孔9aを通じて脱水処理室5内が真空引きされ、負圧となり、含水土砂2中の内部水が真空脱水法により脱水されると同時に、その土中水は集水孔9aを介して陰極兼集水管9内に取り込まれる。この場合、脱水処理室5を真空状態に維持することにより大気圧を取付け架台4を介して作用させ、含水土砂2を圧密にして脱水が促進される。
【0064】
すなわち、電気浸透作用により、土中の含水量が低下すると、土砂が収縮して、亀裂が生ずる。この現象は、含水量の大きい軟弱な粘性土ほどこの傾向が生ずる。土中に亀裂が生ずると陽極8から陰極へ電流が流れにくくなるため、それ以降の電気浸透効果が著しく損なわれる。
【0065】
このため、含水土砂2の脱水にあたり、挿入式棒状のバイブレータ6を駆動する。また、バイブレータ7を設けた場合には必要に応じそれも駆動する。
【0066】
挿入式棒状のバイブレータ6は深度方向と任意の場所に効果的に、土中内部に直接的に振動を伝播させることができる。
【0067】
なお、この挿入式棒状バイブレータ6は通電開始時に挿入した状態で通電時間に合わせて使用しても良く、様子を見て通電の途中に挿入しても良い、
【0068】
所定の脱水量が得られていない状態で電流値の低下が著しい場合には、土中に空隙が発生している可能性が高い。挿入式棒状バイブレータ6の挿入位置を取付具を解体して取り外し、他の位置に適宜変えることで含水土砂の良好な通電状態を回復することができる。
【0069】
図示の実施例では、挿入式棒状バイブレータ6を垂直方向に挿入しているが、横方向からの挿入も効果がある。この場合、土槽1の側壁に挿入式棒状バイブレータ挿入・取付用の挿入孔(図示せず)を形成し、そこから挿入式棒状のバイブレ−タ6の先端部を挿入し、基部が側壁に取付金具、ボルト・ナット等の適宜の取付具(図示せず)を介し固定される。挿入孔は挿入式棒状バイブレータ6を使用しない場合、適宜のシール材で塞がれる。
【0070】
この挿入式棒状バイブレータ6によれば、含水土砂2に直接振動を伝播させることができるため、振動や低騒音による周囲への影響は少ない。
【0071】
電気浸透とともにバイブレーション作用を加え、さらには真空脱水作業を併用し、かつ荷重ブロック3により含水土砂2に対し上方からの強力な圧密作用を与えることにより、先述の亀裂の発生をより効果的に防止することができる。これによって、電気浸透効果を土砂に持続的に付与することができる。このように相乗的な作用を与え効果的な脱水作用を与えることが可能となる。
【0072】
この場合、取付け架台4は土槽1の上部の内側に設けられており、取付け架台4は移動自在であり、土槽1の内壁に接合しほぼ密着しつつ移動自在になっている。この取付け架台4が荷動力と振動力を含水土砂2に伝達する。
【0073】
含水土砂2の脱水が進行すると含水土砂2から内部水が減少して含水土砂2は収縮するが、それに伴って荷重ブロック3が載置された取付け架台4も下動し、いわゆる重しのように作用し、含水土砂2に発生する亀裂や空隙等の発生が防止される。
【0074】
なお、真空ポンプ14による減圧下では水(液体)の沸点降下による蒸発乾燥作用が加わり、脱水される土中水は気化した状態で真空ポンプ14により吸引されるので、この効果により相乗効果が期待できる。
【0075】
含水土砂2から脱水され、かつ通水孔9aを介し陰極兼集水管9に取り込まれた土中水は、真空引き管15および真空引き元管19を経て真空ポンプ14により吸い込まれ、この真空ポンプ14から排水管20を経て貯水槽17に貯留される。貯水槽17に溜められた貯留水は、適宜後方の濁水処理設備(図示せず)により処理される。
【0076】
含水土砂2が、砂や砂礫土が優勢な場合であっても陰極兼集水管9を介してのバキューム作用により、含水土砂2中の水分の脱水が効果的に行われる。また、陰極兼集水管9の周りに細粒土が付着し、目詰まりを起こし、不透水性の土砂を形成するが、不透水性の土砂には電気浸透作用が効果的である。本発明ではこのように、いかなる性状の土砂であっても効果的に脱水することができる。
【0077】
なお、脱水が進行すると含水土砂2の水分が低減するので、電流値が減少する。そこで、予めサンプルによる通電試験を行い、電気浸透作用における脱水進行と電流値を確認しておく。そして、含水土砂2の脱水処理中に電流計13により電流値を計測し、改質状況を把握しながら脱水処理する。
【0078】
また、含水土砂2中に中性子密度・水分計を埋め込んでおけば含水比の状態をリアルタイムで検出・監視し、強制脱水を停止する時期を決定すると好適である。
【0079】
含水土砂2の含水状態が設定値に達したとき、陽極8と陰極兼集水管9への通電を停止させる。また、真空ポンプ14を停止させ、ついで真空引き元管19から真空引き管15を外す。
【0080】
続いて、荷重ブロック3を取り外し、取付け架台4とこれに取付けられている部材を、クレーン等の荷役機械により吊り上げ、脱水処理室5から取り外す。荷重ブロック3ごと取付け架台4を吊り上げても良い。
【0081】
その後、脱水処理された土砂をバックホーやクラムシェル等により掘削し、脱水処理室5から排出し、ダンプトラックに積み込んで搬出し、土砂の脱水改質の1サイクルを終了する。
【0082】
以上説明した本発明の荷重ブロック3とバイブレータ付き脱水用土槽を用いれば、電気浸透作用とバイブレーション作用と荷重作用と真空脱水作用等の相乗作用により、いかなる性状の土砂をも脱水改質処理することができる。
【0083】
また、いろいろな性状の土砂に応じた複数の脱水改質装置を用意する必要がないので、小型の装置で各種性状の土砂を処理することができる。
【0084】
さらに、脱水処理室5内の含水土砂2中に中性子密度・水分計を設置しておけばこの中性子密度・水分計により脱水処理中の含水比をリアルタイムで検出し、処理することができるので、色々な性状の土砂の土質管理を的確に把握して対応することができる。
【0085】
なお、前記陽極8と陰極兼集水管9とを、先端部に向って直径を漸減するテーパに形成し、処理された土砂から引き抜きやすく構成しても良い。挿入式棒状バイブレータ6についても同様である。
【0086】
また、陽極8図示の棒状のものに限らず、プレート状のものとしてもよい。
【0087】
【実施例2】
図4、図5は本発明の第2実施例を示す。
【0088】
この第2実施例では、脱水用土槽1の底部にも真空引き管15と接続された底部陰極兼集水管21を設け、かつ各陽極8、各陰極兼集水管9、各底部陰極兼集水管21、各バイブレータ6(スイッチ付き電線図示せず)にそれぞれスイッチ22を接続し、各スイッチ22の入り切りを適宜選択可能とし必要に応じ所望の部材を駆動可能としたことに特徴を有している。
【0089】
すなわち、脱水用土槽1の底部の一方の内壁部から他方の内壁部にかけて棒状の底部陰極兼集水管21がほぼ水平方向において適間隔でもって複数並設されている。
【0090】
この底部陰極兼集水管21の基本構造は、前述の第1実施例の陰極兼集水管9とほぼ同様である。
【0091】
なお、底部陰極兼集水管21の上部には平板状のストレーナ板23が設けられている。
【0092】
このストレーナ板23には底部陰極兼集水管21側への土中水案内用の多数の通水孔が形成されている。ストレーナ板23は土槽1の底部のほぼ全域にわたって設けられる。このストレーナ板23は着脱自在とすることが好ましい。下側の底部陰極兼集水管21の点検、清掃、不良品の交換等を行えるためである。
【0093】
このストレーナ板23の下部であって各底部陰極兼集水管21間には底部陰極兼集水管21の目詰り防止のために、濾材を充積しておくと好ましい。
【0094】
また、この実施例では、取付け架台4の下部に平板状の陽極板24を設けている。なお、この陽極板24にもスイッチ付き電線11が接続される。
【0095】
この第2実施例の基本動作は第1実施例とほぼ同様であるが、この実施例では、陽極板24、陽極8、陰極兼集水管9、底部陰極兼集水管21等によって上下方向に電気浸透とバキューム排水を行うことができ、それと同時に水平方向に電気浸透とバキューム排水を行うこともでき、均一に土中水を脱水することができる。
【0096】
これによって、土槽1内に脱水改良されていない土が多く発生することを防止することができる。
【0097】
また、各陽極8、各陰極、各バイブレータ6を適宜スイッチ制御することによって、交互通電、順番通電、一斉通電の選択が可能であり、これによって土の性状に合わせた脱水を効果的に行うことができる。一斉通電では電力量が増大するが短時間で所定の脱水量が得られる。また、順番通電、交互通電では陽電極の配置によって発生する同極の干渉、反発を防止できるので、電極配置を効果的に選択できる。各バイブレータ6および荷重ブロック3に設けたバイブレータ7もスイッチ制御しても良いことは無論である。スイッチ制御は周知の電子回路からなるコントローラ(図示せず)を用いれば容易に実現し得る。
【0098】
【発明の効果】
以上のように請求項1〜3記載の本発明によれば、電気浸透脱水によって土中に発生する亀裂、空洞を防止して常に良好な状態を維持するため、含水土砂2に対し移動可能な取付け架台4が荷重力と振動力を伝達し、かつ振動作用とともに強力な圧密作用があり、これによって土中の亀裂や空隙等の発生を効果的に防止できる。
【0099】
また、請求項4記載の本発明によれば、上記効果に加え、底部にも電気浸透用の電極、排水手段が設けられているため、土槽1内に脱水改良されていない土が多く発生するのを防止でき、含水土砂2を均一に脱水できる。
【0100】
また、請求項5記載のものによれば、スイッチ22の入り切りによって所望の電気浸透、バキューム排水を行うことができるため、土の性状に合わせた脱水を効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の構成説明図を示す。
【図2】同上の実施例の脱水用土槽の平面説明図を示す。
【図3】同上の実施例の陰極兼集水管の内部構造の説明図を示す。
【図4】本発明の第2実施例の構成説明図を示す。
【図5】同上の実施例の脱水用土槽の平面説明図を示す。
【符号の説明】
1 土槽
2 含水土砂
3 荷重ブロック
4 取付け架台
5 脱水処理室
6 バイブレータ
7 バイブレータ
8 陽極
9 陰極兼集水管
9a 集水孔
9b バキューム管
9c 濾材
9d 電極
10 直流電源装置
11 電線
12 電圧計
13 電流計
14 真空ポンプ
15 真空引き管
16 接続管
17 貯水槽
18 カップリング
19 真空引き元管
20 排水管
21 底部陰極兼集水管
22 スイッチ
23 ストレーナ板
24 陽極板

Claims (5)

  1. 地中、半地中または地上に設置される一部が開口し、この開口部分を密閉可能な土槽(1)内に電気浸透用の電極を設け、含水土砂(2)を投入し、前記電極を通電し、かつ前記含水土砂(2)に荷重をかけつつ振動させ、前記含水土砂(2)を脱水し、脱水後脱水土砂を土槽(1)から排出処理することを特徴とする含水土砂の脱水処理方法。
  2. 地中、半地下または地上に設置される一部が開口し、内部に含水土砂(2)が投入可能な土槽(1)と、この土槽(1)内に設けられる電気浸透用の電極と、土槽(1)の開口部分を塞ぎ、かつ移動可能であって荷重ブロック(3)およびバイブレータ(6),(7)が設けられた取付け架台(4)とを備えてなることを特徴とする脱水用土槽。
  3. 請求項2記載において、荷重ブロック(3)にバイブレータ(7)が設けられ、かつ取付け架台(4)に挿入式棒状のバイブレータ(6)が設けられ、このバイブレータ(6)の振動用の棒状部分は含水土砂(2)中に挿入されることを特徴とする脱水用土槽。
  4. 請求項2記載において、取付け架台(4)の下部に平板状の陽極板(24)が設けられ、かつ土槽(1)の下方にも底部陰極兼集水管(21)が設けられたことを特徴とする脱水用土槽。
  5. 請求項2または4記載の各電極および各バイブレータ(6)それぞれにスイッチ(22)が設けられ、スイッチ制御により選択的に駆動可能としたことを特徴とする脱水用土槽。
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