JP2004323980A - 吸汗防臭部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、吸収した汗による悪臭の発生を極力抑制することのできる吸汗防臭部材を提供することを課題とする。
【解決手段】抗菌作用を有する金属を含有する繊維から形成されて成る吸水層を有して成ることを特徴とする吸汗防臭部材である。
【選択図】 図1
【解決手段】抗菌作用を有する金属を含有する繊維から形成されて成る吸水層を有して成ることを特徴とする吸汗防臭部材である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸汗防臭部材に関し、さらに詳しくは、吸水性、保水性および通気性を備えた吸汗防臭部材であって、さらに、吸収した汗による悪臭の発生を抑制することのできる吸汗防臭部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、汗を吸収する部材である汗吸収部材は、腋の下パッド、腹巻、手袋、帽子またはヘルメット等に利用されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−088509号公報(請求項1)
【特許文献2】
特開2002−013020号公報(請求項1および請求項3)
【0004】
人間は、額、首、腋の下、肘の内側、掌、ひざの裏側または足の裏等の部位において、特に、発汗しやすい。なかでも、腋の下は、常時屈曲しており、外気と接触する機会が少ないことから、そこから分泌された汗および衣類に吸収されたその汗は、揮発せず、そこに溜まってしまうこともある。また、腋の下には、たんぱく質、脂質、鉄分または糖分を含む汗を分泌するアポクリン汗腺が集中していることから、その汗に含まれる物質を、腋の下の皮膚表面に存在する大腸菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、白癬菌、セレウス菌または腸球菌等の菌が分解する。すると、アンモニア、酢酸、イソ吉草酸、硫化水素およびメチルメルカプタン等が生成し、これらの物質の一種によって、または二種以上が混合することによって、独特の臭いが発生する。この臭いは、人に不快感を与える。そこで、従来、発汗による臭いを抑えるには、制汗・消臭剤によって発汗および臭いを抑えるか、芳香剤で臭いを紛らわすかのいずれかであった。制汗・消臭剤に含有される抗菌剤としては、アルコール系、フェノール系、アルデヒド系、カルボン酸系、エステル系、エーテル系、ニトリル系、過酸化物・エポキシ系、ハロゲン系、ピリジン・キノリン系、トリアジン系、イソチアゾロン系、イミダゾール・チアゾール系、アニリド系、ビグアナイド系、ジスルフィド系、チオカーバメート系、界面活性剤系または有機金属系の化合物を用いた有機系抗菌剤を挙げることができる(例えば、非特許文献1および非特許文献2参照。)。また、タンニン、フラボノイド、キチン、キトサン、プロポリス、緑茶、紫蘇の葉、桑の根エキスまたはクララ(マメ科植物)の根エキス等は抗菌作用を有することが知られている。
【0005】
しかし、有機系抗菌剤は、殺菌活性が強く、殺菌力は、非常に優れている一方、毒性、発ガン性または皮膚、粘膜、目または呼吸器系等に対する刺激性を有することから、人体に悪影響を及ぼす可能性があること、抗菌作用を発揮する最適濃度範囲が狭いことから濃度管理が必要となること、また、有機系殺菌剤に使用される有機化合物の引火点が低く、危険であること等からその取り扱いに注意を要する。さらに、有機系抗菌剤の中には、加熱分解によりダイオキシン類を発生させる物質が含まれているものがあるので、環境問題を引き起こすおそれがある(例えば、非特許文献1及び非特許文献2)。
【0006】
【非特許文献1】
「抗菌のすべて」繊維社、p135−150
【非特許文献2】
日本化粧品技術者会 編「最新化粧品科学」薬事日報社、1987年6月6日、p444−445、p595−602
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、吸収した汗による悪臭の発生を極力抑制することのできる吸汗防臭部材を提供することにある。
【0008】
さらに詳しくは、本発明が解決しようとする課題は、確実に汗を吸収し、長時間使用しても抗菌作用を発揮することができ、なおかつ、悪臭の発生を抑えることができる吸汗防臭部材を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段として、
(1) 抗菌作用を有する金属を含む繊維から形成されて成る吸水層を有して成ることを特徴とする吸汗防臭部材であり、
(2) 前記金属が、銅、亜鉛及び銀より成る群から選択される少なくとも一種である前記(1)に記載の吸汗防臭部材であり、
(3) 前記金属は、イオン交換により担体に担持された金属である前記(1)または(2)に記載の吸汗防臭部材であり、
(4)10 前記金属は、その含有量が、前記担体に対して少なくとも0.2質量%である前記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の吸汗防臭部材であり、
(5) 前記担体が、ケイ酸塩鉱物である前記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の吸汗防臭部材であり、
(6) 前記金属を担体に担持してなる金属担持担体は、その含有量が、前記吸水層に対して0.1〜10g/m2である前記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の吸汗防臭部材であり、
(7) 前記吸水層は、その一面に保水層を有して成る前記(1)〜(6)いずれか一つに記載の吸汗防臭部材であり、
(8) 前記吸水層は、前記保水層と接する面とは反対側の面に防水層を有することを特徴とする前記(7)に記載の吸汗防臭部材であり、
(9) 前記吸水層が、不織布及び織布の少なくとも一種で形成されてなる前記(1)〜(8)のいずれか一つに記載の吸汗防臭部材である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明は、抗菌作用を有する金属を含む繊維から形成される保水層を有して成ることを特徴とする。
【0011】
前記金属としては、抗菌作用を有すればいずれの金属でもよく、中でも、貴金属を挙げることができる。該貴金属としては、金、銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミニウム、イリジウムおよび白金等が挙げられる。また、従来から抗菌作用を有することが知られている銅および亜鉛を用いることもできる。これらの金属は、それらのうちの一種のみを用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも好ましい金属として、銅、亜鉛及び銀を挙げることができる。
【0012】
前記繊維が保持する金属のその保持形態としては、(i)前記繊維に、前記金属を担体に担持させて成る金属含有担体を含有させる含有形態、(ii)前記繊維に、前記金属の粉末を付着させて成る付着形態、および(iii)前記繊維の表面に前記金属を被覆して成る被覆形態等を挙げることができる。
【0013】
前記(i)の含有形態において、該担体は、確実に前記金属を担持することができ、さらに、担持した金属の抗菌作用を有効に発揮させることができれば、特に制限はなく、例えば、粘土鉱物であるケイ酸塩鉱物を挙げることができる。該ケイ酸塩鉱物としては、カオリナイト、メタハロイサイト、ハロイサイト、イライト、バーミキュライト、モンモリロナイト、ハイデライト、ノンツロナイト、サボナイト、クロライト、アタパルジャイト、ゼオライト、イモゴライトまたはアロフェン等を挙げることができ、特にゼオライトが好ましい。該ゼオライトは、三次元網目構造の基本骨格を有するアルミノケイ酸塩であって、構造中の空洞にアルカリ金属、アルカリ土類金属または水分子を有し、組成比、細孔径および比表面積等の異なる多くの種類が知られている。例えば、A型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、L型ゼオライトまたはモルデナイト等を挙げることができる。本発明において、これらのうちでも比表面積のできるだけ大きいものが、効果を高めるうえで好ましい。
【0014】
前記金属を前記担体に担持させる方法としては、陽イオン交換法を挙げることができる。該陽イオン交換法において、前記金属のイオンが、前記担体の結晶格子中に存在するアルカリ金属、アルカリ土類金属または水分子のカチオンと交換されることにより該担体に担持される。
【0015】
前記金属の含有量は、前記金属含有担体に対し、少なくとも0.2質量%(0.2質量%以上)、特に、少なくとも0.5質量%であるのが好ましい。前記金属の含有量が、0.2質量%より少ないと、前記金属の抗菌作用が効果的に発揮できないということがある。
【0016】
前記担体の平均粒径は、抗菌作用を発揮できる量の金属を担持できる範囲であれば、特に、制限はなく、なかでも、5〜6μmであればよい。
【0017】
前記金属含有担体を含有する繊維を得る方法としては、(a)曳糸性を有することにより原料となる高分子を含有する紡糸原液に前記金属含有担体を均一に分散させた分散液を紡糸する方法、(b)接着剤を用いて前記金属含有担体を繊維の表面に保持させる方法等を挙げることができる。
【0018】
前記(a)の方法としては、糸切れを発生せず、確実に紡糸することができる方法であれば、いずれの方法を用いてもよく、なかでも、溶融した高分子とこの高分子中に分散した金属含有担体とを含有する紡糸原液を使用する溶融紡糸法、溶媒中に高分子と金属含有担体とを含有する紡糸原液を使用する湿式紡糸法および溶媒中に高分子と金属含有担体とを含有する紡糸原液を使用する乾式紡糸法等を挙げることができ、特に、溶融紡糸法が好ましい。
【0019】
前記(a)の方法によると、紡糸直後では大部分の金属含有担体が繊維中に埋め込まれた状態となっているとしても、紡糸後に通常に行われる延伸処理により、例えば図2に示されるように、繊維5の内部に含有されていた前記金属含有担体4が、繊維5の表面に露出するようになり、このように露出する前記金属含有担体4により、抗菌作用が発揮される。
【0020】
前記(b)の方法としては、繊維の表面に接着剤を塗布した後に前記金属含有担体を接着する方法または接着剤に前記金属含有担体を分散させた分散液に繊維を含浸させる方法等を挙げることができる。前記(b)の方法を用いることにより、繊維の表面だけでなく、繊維を加工して繊維製品を得た後に、該繊維製品の表面に前記金属含有担体を接着することもできる。いずれにしても、前記(b)の方法によると、例えば図3に示されるように、繊維5の表面に金属含有担体4が接着剤6で接着された状態が実現される。
【0021】
前記(b)の方法における接着剤としては、確実に前記繊維または前記繊維製品の表面に前記金属含有担体を接着することができる接着剤であれば、特に制限はなく、なかでも、熱可塑性樹脂系接着剤等を挙げることができる。
【0022】
前記熱可塑性樹脂系接着剤としては、アクリル系樹脂接着剤、ポリオレフィン系接着剤、セルロース系樹脂接着剤、飽和ポリエステル系樹脂接着剤またはポリウレタン接着剤等を挙げることができ、特に、アクリル系樹脂接着剤を挙げることができる。
【0023】
前記(b)の方法において、前記繊維または前記繊維製品の表面に対する前記金属含有担体の含有量は、0.1〜10g/m2であるのが好ましく、特に、0.5〜1g/m2であるのが好ましい。
【0024】
また、前記(ii)の付着形態において、前記金属の粉末は、機械的粉砕法、噴霧法、還元法または電解法等により形成される。
【0025】
前記粉末の形状としては、球状、板状、角状、樹枝状、片状等を挙げることができる。
【0026】
前記金属の粉末の粒径および前記金属の粉末の前記繊維に対する含有量については、抗菌作用を持続的に発揮することができる限り、特に制限はない。
【0027】
前記金属の粉末を前記繊維に含有させる方法としては、前記金属含有担体を前記繊維に含有させる方法における金属含有担体に代えて金属の粉末を用いる他は、同様の方法を用いることができる。
【0028】
さらに、前記(iii)の被覆形態において、用いられる方法としては、繊維を損わず、繊維表面に均一又は不均一に膜を形成することができ、かつ、脆化されにくく、効果が持続する膜を形成することができる方法であれば、特に制限はなく、特に、「めっき」を挙げることができる。この(iii)の被覆形態においては、例えば図4に示されるように、繊維5の表面の全体又は一部に金属の膜7が被覆形成される。
【0029】
本発明において用いられる繊維としては、引張りおよび屈曲に対する強さ、すなわち強伸度が大きく、耐光性および耐薬品性を有し、かつ、劣化しにくい繊維であれば、特に制限はなく、天然繊維または人造繊維のいずれであってもよい。
【0030】
前記天然繊維としては、植物繊維または動物繊維等を挙げることができ、前記人造繊維としては、再生繊維または合成繊維等を挙げることができる。
【0031】
前記植物繊維としては、綿花またはカポック等の種子毛繊維、亜麻、ラミーまたはジュート等の靭皮繊維、マニラ麻若しくはサイザル麻等の葉脈繊維またはヤシ等の果実繊維等を挙げることができる。
【0032】
前記動物繊維としては、羊、カシミヤ、ラクダ、アルパカ若しくはモヘア等から採取される獣毛繊維または家蚕絹若しくは野蚕絹等の絹繊維を挙げることができる。
【0033】
前記再生繊維としては、ビスコース人絹、ビスコース・スフ若しくはベンベルグ等の繊維素から作られた繊維または大豆カゼイン、落花生タンパク若しくはトウモロコシタンパク等の植物性タンパクから作られた繊維等が挙げることができる。
【0034】
前記合成繊維としては、ナイロン6またはナイロン66等のポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアクリル系繊維またはポリウレタン系繊維等を挙げることができる。
【0035】
本発明においては、綿繊維、ポリエステル系繊維、ポリアクリル系繊維またはポリアミド系繊維等のうち少なくとも一種の繊維が用いられる。
【0036】
本発明における吸水層には、吸水性、吸湿性および通水性を有する繊維で形成された繊維製品を用いることができ、例えば、不織布、織物および編物等を挙げることができる。この吸水層は、前記不織布、織物及び編物のいずれか一種からなる単層のシートであってもよく、また前記不織布、織物及び編物から選択される少なくとも二種のシートを積層して成る複合シートであってもよく、さらにまた、織布及び/又は編物で形成されたシートに部分的に不織布がつぎはぎされた単層又は複数層のシートであってもよい。吸水層についてのこのような種々の態様の中でも不織布から成る単層又は複数層からなるシートが好ましい。
【0037】
該吸水層の厚さは、該吸水層が確実に汗を吸収でき、さらに、汗ばみ感を生じることのない厚さを有していれば、特に制限はない。
【0038】
また、前記不織布は、単位面積当りの重さを表す「目付け」が、20〜200g/m2であるのが好ましい。
【0039】
前記不織布の製造方法としては、乾式法、湿式法または直接法を挙げることができ、本発明の目的を達成できる繊維製品を製造することができれば、いずれの方法を用いてもよい。
【0040】
また、これらの方法により形成されたウェブ同士を接合する方法としては、機械的接合方法または接着剤を用いて接着する接着方法があり、該機械的接合法としては、スパンレース法、ニードルパンチ法またはステッチ法があり、本発明においては、いずれの方法を用いてもよい。
【0041】
また、前記接着剤としては、前記不織布の柔軟性を維持でき、かつ、耐熱性または耐腐食性を備えた接着剤であれば、特に制限はないが、なかでも、熱可塑性接着剤、熱硬化性接着剤、感圧接着剤、ホットメルト接着剤、合成水溶性接着剤またはエマルジョン接着剤等を挙げることができ、中でもエマルジョン接着剤が好ましい。さらに、該エマルジョン接着剤としては、合成ゴムラテックス接着剤、PVAc系エマルジョン接着剤、EVA系エマルジョン接着剤、ポリアクリル酸エステル系接着剤、PVC系エマルジョン接着剤等を挙げることができ、なかでも、ポリアクリル酸エステル系接着剤を好適例として挙げることができる。
【0042】
前記不織布から形成された前記吸水層は、該吸水層により吸収した汗を保水するための保水層と層を形成する。つまり、例えば図1に示されるように、前記吸水層1と保水層2とで積層体が形成される。
【0043】
前記保水層に用いられる繊維製品は、保水性を有する繊維から形成される繊維製品であれば、特に制限はなく、なかでも、不織布、織物または編物等が好ましく、特に、不織布が好ましい。
【0044】
前記不織布を形成する繊維としては、セルロース系繊維、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリオレフィン系繊維またはポリウレタン系繊維等が好ましく、特に、ポリオレフィン系繊維が好ましい。
【0045】
前記保水層の厚さは、汗を確実に保持することができれば、特に制限はない。
【0046】
前記保水層は、前記吸水層と層を成す面の反対の面において、通気性を有する防水層と層を形成する。つまり、例えば図1に示されるように、防水層3、保水層2及び吸水層1がこの順に積層されて成る積層体が形成される。
【0047】
前記防水層に用いられる繊維製品は、防水性が保持されている限り特に制限はなく、不織布、織物または編物等を挙げることができる。
【0048】
前記繊維製品を形成する繊維としては、セルロース系繊維、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリオレフィン系繊維またはポリウレタン系繊維等を揚げることができ、特に、ポリオレフィン系繊維が好ましい。
【0049】
前記防水層の厚さは、防水効果を発揮することができる限りにおいて、特に制限はない。
【0050】
前記防水層は、例えば、前記繊維製品が保水層と接する面と反対の面全体または必要な面全体に防水加工を施すことにより、その防水機能が発揮される。
前記防水加工としては、通気性加工または不通気性加工を挙げることができ、特に、通気性加工が好ましい。
【0051】
前記通気性加工に用いられる防水剤としては、繊維製品の柔軟性を損ねず、かつ、恒久的な防水効果が発揮できる防水剤であれば、特に制限はなく、なかでも、油脂、ロウ類、パラフィンまたはシリコーン樹脂等を挙げることができる。
【0052】
本発明における吸汗防臭部材は、前記吸水層、保水層および防水層を接着剤等による接着または縫合により形成される。
【0053】
前記接着剤としては、上記ウェブ同士を接合する方法において例示した接着剤を用いることができる。
【0054】
前記防水層の表面に、粘着テープ等を用いて脱着可能に使用することができ、また、例えば、靴下のつま先部分またはかかと部分に縫合して使用する等、繊維製品と部分的に縫合して使用することもできる。さらに吸汗防臭部材を材料として肌着等の衣類の生地として使用してもよい。
【0055】
前記吸汗防臭部材は、例えば、帽子、バンダナ、手袋、シャツ、パンツ、ブラジャー、パンティー、ストッキング、靴下、スリッパ、腋パッド、ブーツまたは紳士靴等の靴の内張り、靴の中敷、ヘッドバンドまたはリストバンド等に、また、汗のみならず、湿気を吸収しやすく、かつ、菌の繁殖しやすい繊維製品、例えば、ハンカチ、布巾、タオル、布団または絨毯等に、さらに、白衣、手術用マスクおよび帽子等の医療用品にも使用することができる。
【0056】
なかでも、本発明における吸汗防臭部材は、腋パッドとしての使用に適している。脇パッドの一例が図5に示される。図5に示されるように、脇パッド9は、防水層3と保水層2と吸水層1とをこの順に積層してなる積層体及び前記防水層3の表面に設けられた粘着層8とを有して成り、この脇パッド9を脇に挟んでも余分の積層体がはみ出さないように設計された形状を有する。この脇パッドは、衣服例えば下着の脇に前記粘着層8により取り付けることができる。そうすると、吸水層1が人体の脇表面に向かうことになる。人体の脇から発する汗は吸水層1を通じて保水層2に保持される。防水層3は例えばガス透過性を有するが透水性が小さいので、保水層2に保持された汗が衣服に滲み移ることはない。保水層2に保持された汗の中に存在する細菌は、吸水層1に存在する金属により、その活動が抑制される。したがって、汗の変質、分解その他の原因より発するであろう悪臭の発生が抑制される。その結果、この脇パッド9を装着すると、脇に生じる汗がこの脇パッド8に迅速に吸収されるから、脇での汗ばみ感がなくて爽快であり、また汗による悪臭の発生も抑制されているので他人に不快感を与えることも自ら不快感を感じることもない。
【0057】
【実施例】
抗菌作用を有する金属である銀の粉末(平均粒径5〜6μm)を3重量%となるようにイオン交換したA型ゼオライトが練り込まれている繊維から形成されたガーゼを用いて、抗菌力試験および安全性試験を行った。
【0058】
(1)抗菌力試験
(実施例1)
JIS−L−1902:1998「繊維製品の抗菌性試験方法」に準拠して抗菌力試験を行った。ただし、前処理である「第8.3項の試験片の殺菌」は行わなかった。
【0059】
13mm×23mmに切り取った前記ガーゼに大腸菌(Escherichia coli ATCC 8739)を接種後、ニュートリエント寒天培地に置いて、37℃で18時間培養させ、このときのガーゼに生息する菌の数を測定した。この試験を3回繰り返して測定した菌数の平均値を表1に示す。
【0060】
(実施例2)
実施例1で用いた大腸菌(Escherichia coli ATCC 8739)に代えて黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus ATCC 6538p)を用いて、抗菌性試験のみについて実施例1と同様の試験を行った。この試験を3回繰り返して測定した菌数の平均値を表2に示す。
【0061】
(比較例1)
繊維製品新機能評価協議会より提供された綿製布を用いて、実施例1と同様の試験を行った。この試験を3回繰り返して測定した菌数の平均値を表1に示す。
【0062】
(比較例2)
繊維製品新機能評価協議会より提供された綿製布を用いて、実施例2同様の試験を行った。この試験を3回繰り返して測定した菌数の平均値を表2に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
以上の結果から、抗菌作用を有する金属を含有する繊維から形成される繊維製品に関して、菌の増殖を抑えることができることが確認され、汗に含まれる成分を分解して発生する悪臭を抑制することができることが明らかとなった。
(2)安全性試験
(実施例3)
前記ガーゼを用いて、「医療用具及び医用材料の基礎的な生物学的試験のガイドライン」(平成7年薬機第99号別添)に準拠して、(2−1−1)皮内反応試験、(2−2−1)細胞毒性試験(培養細胞を用いたコロニー形成阻害試験)および(2−3−1)皮膚感作性試験を行った。
(2−1−1)皮内反応試験
前記ガーゼを生理食塩液中またはゴマ油中に入れ、121±2℃で11時間加熱して得られた試験液と、空試験液としての生理食塩液またはゴマ油とを供試動物であるウサギに投与し、投与してから24時間、48時間および72時間経過後の投与部位の変化を観察した。
(2−1−2)結果
生理食塩液を用いた試験では、試験液および空試験液ともに、24時間、48時間および72時間経過後の変化は確認されなかった。
【0066】
また、ゴマ油を用いた試験では、投与してから24時間経過後に紅斑および浮腫が現われた。当試験結果から算出した採点平均値を表3に示す。この結果、前記ガーゼは、皮膚に対して、悪影響がないことが確認された。
【0067】
【表3】
【0068】
(2−2−1)細胞毒性試験
前記ガーゼ1gに、M05培地を10ml加え、該溶液を37℃で24時間抽出した抽出液を原液とした。さらに、該原液を、原液濃度が25〜100%になるように希釈し、試験液を作成した。これらの試験液をチャイニーズハムスターの肺にあるV79細胞に投与してコロニー形成阻害試験を行った。
(2−2−2)結果
当試験を2回繰り返した結果、50%コロニー形成阻害濃度(IC50)は、68.7%および70.7%であった。
【0069】
一般的に、IC50が35%以下を示す素材では、眼に刺激を与える可能性が高く、IC50が5%以下を示す素材では、筋肉組織に炎症反応を起こす可能性が高く、健康な皮膚に対して、IC50が0.1%以下でも影響はないと言われていることを考慮すれば、細胞に対する前記ガーゼの毒性は、非常に低いものと考えられる。
(2−3−1)皮膚感作性試験
前記ガーゼ1gに対して30mlのクロロホルムを加え、室温で24時間抽抽出し、得られた溶液を濃縮乾固して得た固形分に、0.5mlのクロロホルムを加えて試験液を作成した。10匹のモルモットにフロイントの完全アジュパントおよび生理食塩液の乳化物を皮内注射することにより感作誘導処置を施した後、その注射した部位に前記試験液をクロルホルムで10%、1%および0.1%に希釈した希釈試験液を塗布し、24時間、48時間および72時間経過後の皮膚の状態を観察した。
(2−3−2)結果
24時間、48時間および72時間後の皮膚に変化は見られなかったことから、パッド部分が皮膚感作性を有さないことが確認できた。
【0070】
【発明の効果】
本発明における吸汗防臭部材は、無機系抗菌剤を含有させることにより、その抗菌作用により、臭い成分を発生する菌の増殖を抑制することができるので、悪臭を抑えることができる。また、確実に汗を吸収することができ、そして、身体にやさしい吸汗防臭部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明に係る吸汗防臭部材の一例を示す断面図である。
【図2】図2は、この発明に係る吸汗防臭部材を形成するところの、抗菌作用を有する金属を含有する繊維の一例を示す断面図である。
【図3】図3は、この発明に係る吸汗防臭部材を形成するところの、抗菌作用を有する金属を含有する繊維の他の一例を示す断面図である。
【図4】図4は、この発明に係る吸汗防臭部材を形成するところの、抗菌作用を有する金属を含有する繊維のその他の一例を示す断面図である。
【図5】図5は、この発明に係る吸汗防臭部材を利用して作成される一例としての脇パッドを示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・吸水層、2・・・保水層、3・・・防水層、4・・・金属含有担体または金属粉末、5・・・繊維、6・・・接着剤、7・・・膜、8・・・粘着層、9・・・脇パッド。
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸汗防臭部材に関し、さらに詳しくは、吸水性、保水性および通気性を備えた吸汗防臭部材であって、さらに、吸収した汗による悪臭の発生を抑制することのできる吸汗防臭部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、汗を吸収する部材である汗吸収部材は、腋の下パッド、腹巻、手袋、帽子またはヘルメット等に利用されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−088509号公報(請求項1)
【特許文献2】
特開2002−013020号公報(請求項1および請求項3)
【0004】
人間は、額、首、腋の下、肘の内側、掌、ひざの裏側または足の裏等の部位において、特に、発汗しやすい。なかでも、腋の下は、常時屈曲しており、外気と接触する機会が少ないことから、そこから分泌された汗および衣類に吸収されたその汗は、揮発せず、そこに溜まってしまうこともある。また、腋の下には、たんぱく質、脂質、鉄分または糖分を含む汗を分泌するアポクリン汗腺が集中していることから、その汗に含まれる物質を、腋の下の皮膚表面に存在する大腸菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、白癬菌、セレウス菌または腸球菌等の菌が分解する。すると、アンモニア、酢酸、イソ吉草酸、硫化水素およびメチルメルカプタン等が生成し、これらの物質の一種によって、または二種以上が混合することによって、独特の臭いが発生する。この臭いは、人に不快感を与える。そこで、従来、発汗による臭いを抑えるには、制汗・消臭剤によって発汗および臭いを抑えるか、芳香剤で臭いを紛らわすかのいずれかであった。制汗・消臭剤に含有される抗菌剤としては、アルコール系、フェノール系、アルデヒド系、カルボン酸系、エステル系、エーテル系、ニトリル系、過酸化物・エポキシ系、ハロゲン系、ピリジン・キノリン系、トリアジン系、イソチアゾロン系、イミダゾール・チアゾール系、アニリド系、ビグアナイド系、ジスルフィド系、チオカーバメート系、界面活性剤系または有機金属系の化合物を用いた有機系抗菌剤を挙げることができる(例えば、非特許文献1および非特許文献2参照。)。また、タンニン、フラボノイド、キチン、キトサン、プロポリス、緑茶、紫蘇の葉、桑の根エキスまたはクララ(マメ科植物)の根エキス等は抗菌作用を有することが知られている。
【0005】
しかし、有機系抗菌剤は、殺菌活性が強く、殺菌力は、非常に優れている一方、毒性、発ガン性または皮膚、粘膜、目または呼吸器系等に対する刺激性を有することから、人体に悪影響を及ぼす可能性があること、抗菌作用を発揮する最適濃度範囲が狭いことから濃度管理が必要となること、また、有機系殺菌剤に使用される有機化合物の引火点が低く、危険であること等からその取り扱いに注意を要する。さらに、有機系抗菌剤の中には、加熱分解によりダイオキシン類を発生させる物質が含まれているものがあるので、環境問題を引き起こすおそれがある(例えば、非特許文献1及び非特許文献2)。
【0006】
【非特許文献1】
「抗菌のすべて」繊維社、p135−150
【非特許文献2】
日本化粧品技術者会 編「最新化粧品科学」薬事日報社、1987年6月6日、p444−445、p595−602
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、吸収した汗による悪臭の発生を極力抑制することのできる吸汗防臭部材を提供することにある。
【0008】
さらに詳しくは、本発明が解決しようとする課題は、確実に汗を吸収し、長時間使用しても抗菌作用を発揮することができ、なおかつ、悪臭の発生を抑えることができる吸汗防臭部材を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段として、
(1) 抗菌作用を有する金属を含む繊維から形成されて成る吸水層を有して成ることを特徴とする吸汗防臭部材であり、
(2) 前記金属が、銅、亜鉛及び銀より成る群から選択される少なくとも一種である前記(1)に記載の吸汗防臭部材であり、
(3) 前記金属は、イオン交換により担体に担持された金属である前記(1)または(2)に記載の吸汗防臭部材であり、
(4)10 前記金属は、その含有量が、前記担体に対して少なくとも0.2質量%である前記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の吸汗防臭部材であり、
(5) 前記担体が、ケイ酸塩鉱物である前記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の吸汗防臭部材であり、
(6) 前記金属を担体に担持してなる金属担持担体は、その含有量が、前記吸水層に対して0.1〜10g/m2である前記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の吸汗防臭部材であり、
(7) 前記吸水層は、その一面に保水層を有して成る前記(1)〜(6)いずれか一つに記載の吸汗防臭部材であり、
(8) 前記吸水層は、前記保水層と接する面とは反対側の面に防水層を有することを特徴とする前記(7)に記載の吸汗防臭部材であり、
(9) 前記吸水層が、不織布及び織布の少なくとも一種で形成されてなる前記(1)〜(8)のいずれか一つに記載の吸汗防臭部材である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明は、抗菌作用を有する金属を含む繊維から形成される保水層を有して成ることを特徴とする。
【0011】
前記金属としては、抗菌作用を有すればいずれの金属でもよく、中でも、貴金属を挙げることができる。該貴金属としては、金、銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミニウム、イリジウムおよび白金等が挙げられる。また、従来から抗菌作用を有することが知られている銅および亜鉛を用いることもできる。これらの金属は、それらのうちの一種のみを用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも好ましい金属として、銅、亜鉛及び銀を挙げることができる。
【0012】
前記繊維が保持する金属のその保持形態としては、(i)前記繊維に、前記金属を担体に担持させて成る金属含有担体を含有させる含有形態、(ii)前記繊維に、前記金属の粉末を付着させて成る付着形態、および(iii)前記繊維の表面に前記金属を被覆して成る被覆形態等を挙げることができる。
【0013】
前記(i)の含有形態において、該担体は、確実に前記金属を担持することができ、さらに、担持した金属の抗菌作用を有効に発揮させることができれば、特に制限はなく、例えば、粘土鉱物であるケイ酸塩鉱物を挙げることができる。該ケイ酸塩鉱物としては、カオリナイト、メタハロイサイト、ハロイサイト、イライト、バーミキュライト、モンモリロナイト、ハイデライト、ノンツロナイト、サボナイト、クロライト、アタパルジャイト、ゼオライト、イモゴライトまたはアロフェン等を挙げることができ、特にゼオライトが好ましい。該ゼオライトは、三次元網目構造の基本骨格を有するアルミノケイ酸塩であって、構造中の空洞にアルカリ金属、アルカリ土類金属または水分子を有し、組成比、細孔径および比表面積等の異なる多くの種類が知られている。例えば、A型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、L型ゼオライトまたはモルデナイト等を挙げることができる。本発明において、これらのうちでも比表面積のできるだけ大きいものが、効果を高めるうえで好ましい。
【0014】
前記金属を前記担体に担持させる方法としては、陽イオン交換法を挙げることができる。該陽イオン交換法において、前記金属のイオンが、前記担体の結晶格子中に存在するアルカリ金属、アルカリ土類金属または水分子のカチオンと交換されることにより該担体に担持される。
【0015】
前記金属の含有量は、前記金属含有担体に対し、少なくとも0.2質量%(0.2質量%以上)、特に、少なくとも0.5質量%であるのが好ましい。前記金属の含有量が、0.2質量%より少ないと、前記金属の抗菌作用が効果的に発揮できないということがある。
【0016】
前記担体の平均粒径は、抗菌作用を発揮できる量の金属を担持できる範囲であれば、特に、制限はなく、なかでも、5〜6μmであればよい。
【0017】
前記金属含有担体を含有する繊維を得る方法としては、(a)曳糸性を有することにより原料となる高分子を含有する紡糸原液に前記金属含有担体を均一に分散させた分散液を紡糸する方法、(b)接着剤を用いて前記金属含有担体を繊維の表面に保持させる方法等を挙げることができる。
【0018】
前記(a)の方法としては、糸切れを発生せず、確実に紡糸することができる方法であれば、いずれの方法を用いてもよく、なかでも、溶融した高分子とこの高分子中に分散した金属含有担体とを含有する紡糸原液を使用する溶融紡糸法、溶媒中に高分子と金属含有担体とを含有する紡糸原液を使用する湿式紡糸法および溶媒中に高分子と金属含有担体とを含有する紡糸原液を使用する乾式紡糸法等を挙げることができ、特に、溶融紡糸法が好ましい。
【0019】
前記(a)の方法によると、紡糸直後では大部分の金属含有担体が繊維中に埋め込まれた状態となっているとしても、紡糸後に通常に行われる延伸処理により、例えば図2に示されるように、繊維5の内部に含有されていた前記金属含有担体4が、繊維5の表面に露出するようになり、このように露出する前記金属含有担体4により、抗菌作用が発揮される。
【0020】
前記(b)の方法としては、繊維の表面に接着剤を塗布した後に前記金属含有担体を接着する方法または接着剤に前記金属含有担体を分散させた分散液に繊維を含浸させる方法等を挙げることができる。前記(b)の方法を用いることにより、繊維の表面だけでなく、繊維を加工して繊維製品を得た後に、該繊維製品の表面に前記金属含有担体を接着することもできる。いずれにしても、前記(b)の方法によると、例えば図3に示されるように、繊維5の表面に金属含有担体4が接着剤6で接着された状態が実現される。
【0021】
前記(b)の方法における接着剤としては、確実に前記繊維または前記繊維製品の表面に前記金属含有担体を接着することができる接着剤であれば、特に制限はなく、なかでも、熱可塑性樹脂系接着剤等を挙げることができる。
【0022】
前記熱可塑性樹脂系接着剤としては、アクリル系樹脂接着剤、ポリオレフィン系接着剤、セルロース系樹脂接着剤、飽和ポリエステル系樹脂接着剤またはポリウレタン接着剤等を挙げることができ、特に、アクリル系樹脂接着剤を挙げることができる。
【0023】
前記(b)の方法において、前記繊維または前記繊維製品の表面に対する前記金属含有担体の含有量は、0.1〜10g/m2であるのが好ましく、特に、0.5〜1g/m2であるのが好ましい。
【0024】
また、前記(ii)の付着形態において、前記金属の粉末は、機械的粉砕法、噴霧法、還元法または電解法等により形成される。
【0025】
前記粉末の形状としては、球状、板状、角状、樹枝状、片状等を挙げることができる。
【0026】
前記金属の粉末の粒径および前記金属の粉末の前記繊維に対する含有量については、抗菌作用を持続的に発揮することができる限り、特に制限はない。
【0027】
前記金属の粉末を前記繊維に含有させる方法としては、前記金属含有担体を前記繊維に含有させる方法における金属含有担体に代えて金属の粉末を用いる他は、同様の方法を用いることができる。
【0028】
さらに、前記(iii)の被覆形態において、用いられる方法としては、繊維を損わず、繊維表面に均一又は不均一に膜を形成することができ、かつ、脆化されにくく、効果が持続する膜を形成することができる方法であれば、特に制限はなく、特に、「めっき」を挙げることができる。この(iii)の被覆形態においては、例えば図4に示されるように、繊維5の表面の全体又は一部に金属の膜7が被覆形成される。
【0029】
本発明において用いられる繊維としては、引張りおよび屈曲に対する強さ、すなわち強伸度が大きく、耐光性および耐薬品性を有し、かつ、劣化しにくい繊維であれば、特に制限はなく、天然繊維または人造繊維のいずれであってもよい。
【0030】
前記天然繊維としては、植物繊維または動物繊維等を挙げることができ、前記人造繊維としては、再生繊維または合成繊維等を挙げることができる。
【0031】
前記植物繊維としては、綿花またはカポック等の種子毛繊維、亜麻、ラミーまたはジュート等の靭皮繊維、マニラ麻若しくはサイザル麻等の葉脈繊維またはヤシ等の果実繊維等を挙げることができる。
【0032】
前記動物繊維としては、羊、カシミヤ、ラクダ、アルパカ若しくはモヘア等から採取される獣毛繊維または家蚕絹若しくは野蚕絹等の絹繊維を挙げることができる。
【0033】
前記再生繊維としては、ビスコース人絹、ビスコース・スフ若しくはベンベルグ等の繊維素から作られた繊維または大豆カゼイン、落花生タンパク若しくはトウモロコシタンパク等の植物性タンパクから作られた繊維等が挙げることができる。
【0034】
前記合成繊維としては、ナイロン6またはナイロン66等のポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアクリル系繊維またはポリウレタン系繊維等を挙げることができる。
【0035】
本発明においては、綿繊維、ポリエステル系繊維、ポリアクリル系繊維またはポリアミド系繊維等のうち少なくとも一種の繊維が用いられる。
【0036】
本発明における吸水層には、吸水性、吸湿性および通水性を有する繊維で形成された繊維製品を用いることができ、例えば、不織布、織物および編物等を挙げることができる。この吸水層は、前記不織布、織物及び編物のいずれか一種からなる単層のシートであってもよく、また前記不織布、織物及び編物から選択される少なくとも二種のシートを積層して成る複合シートであってもよく、さらにまた、織布及び/又は編物で形成されたシートに部分的に不織布がつぎはぎされた単層又は複数層のシートであってもよい。吸水層についてのこのような種々の態様の中でも不織布から成る単層又は複数層からなるシートが好ましい。
【0037】
該吸水層の厚さは、該吸水層が確実に汗を吸収でき、さらに、汗ばみ感を生じることのない厚さを有していれば、特に制限はない。
【0038】
また、前記不織布は、単位面積当りの重さを表す「目付け」が、20〜200g/m2であるのが好ましい。
【0039】
前記不織布の製造方法としては、乾式法、湿式法または直接法を挙げることができ、本発明の目的を達成できる繊維製品を製造することができれば、いずれの方法を用いてもよい。
【0040】
また、これらの方法により形成されたウェブ同士を接合する方法としては、機械的接合方法または接着剤を用いて接着する接着方法があり、該機械的接合法としては、スパンレース法、ニードルパンチ法またはステッチ法があり、本発明においては、いずれの方法を用いてもよい。
【0041】
また、前記接着剤としては、前記不織布の柔軟性を維持でき、かつ、耐熱性または耐腐食性を備えた接着剤であれば、特に制限はないが、なかでも、熱可塑性接着剤、熱硬化性接着剤、感圧接着剤、ホットメルト接着剤、合成水溶性接着剤またはエマルジョン接着剤等を挙げることができ、中でもエマルジョン接着剤が好ましい。さらに、該エマルジョン接着剤としては、合成ゴムラテックス接着剤、PVAc系エマルジョン接着剤、EVA系エマルジョン接着剤、ポリアクリル酸エステル系接着剤、PVC系エマルジョン接着剤等を挙げることができ、なかでも、ポリアクリル酸エステル系接着剤を好適例として挙げることができる。
【0042】
前記不織布から形成された前記吸水層は、該吸水層により吸収した汗を保水するための保水層と層を形成する。つまり、例えば図1に示されるように、前記吸水層1と保水層2とで積層体が形成される。
【0043】
前記保水層に用いられる繊維製品は、保水性を有する繊維から形成される繊維製品であれば、特に制限はなく、なかでも、不織布、織物または編物等が好ましく、特に、不織布が好ましい。
【0044】
前記不織布を形成する繊維としては、セルロース系繊維、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリオレフィン系繊維またはポリウレタン系繊維等が好ましく、特に、ポリオレフィン系繊維が好ましい。
【0045】
前記保水層の厚さは、汗を確実に保持することができれば、特に制限はない。
【0046】
前記保水層は、前記吸水層と層を成す面の反対の面において、通気性を有する防水層と層を形成する。つまり、例えば図1に示されるように、防水層3、保水層2及び吸水層1がこの順に積層されて成る積層体が形成される。
【0047】
前記防水層に用いられる繊維製品は、防水性が保持されている限り特に制限はなく、不織布、織物または編物等を挙げることができる。
【0048】
前記繊維製品を形成する繊維としては、セルロース系繊維、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリオレフィン系繊維またはポリウレタン系繊維等を揚げることができ、特に、ポリオレフィン系繊維が好ましい。
【0049】
前記防水層の厚さは、防水効果を発揮することができる限りにおいて、特に制限はない。
【0050】
前記防水層は、例えば、前記繊維製品が保水層と接する面と反対の面全体または必要な面全体に防水加工を施すことにより、その防水機能が発揮される。
前記防水加工としては、通気性加工または不通気性加工を挙げることができ、特に、通気性加工が好ましい。
【0051】
前記通気性加工に用いられる防水剤としては、繊維製品の柔軟性を損ねず、かつ、恒久的な防水効果が発揮できる防水剤であれば、特に制限はなく、なかでも、油脂、ロウ類、パラフィンまたはシリコーン樹脂等を挙げることができる。
【0052】
本発明における吸汗防臭部材は、前記吸水層、保水層および防水層を接着剤等による接着または縫合により形成される。
【0053】
前記接着剤としては、上記ウェブ同士を接合する方法において例示した接着剤を用いることができる。
【0054】
前記防水層の表面に、粘着テープ等を用いて脱着可能に使用することができ、また、例えば、靴下のつま先部分またはかかと部分に縫合して使用する等、繊維製品と部分的に縫合して使用することもできる。さらに吸汗防臭部材を材料として肌着等の衣類の生地として使用してもよい。
【0055】
前記吸汗防臭部材は、例えば、帽子、バンダナ、手袋、シャツ、パンツ、ブラジャー、パンティー、ストッキング、靴下、スリッパ、腋パッド、ブーツまたは紳士靴等の靴の内張り、靴の中敷、ヘッドバンドまたはリストバンド等に、また、汗のみならず、湿気を吸収しやすく、かつ、菌の繁殖しやすい繊維製品、例えば、ハンカチ、布巾、タオル、布団または絨毯等に、さらに、白衣、手術用マスクおよび帽子等の医療用品にも使用することができる。
【0056】
なかでも、本発明における吸汗防臭部材は、腋パッドとしての使用に適している。脇パッドの一例が図5に示される。図5に示されるように、脇パッド9は、防水層3と保水層2と吸水層1とをこの順に積層してなる積層体及び前記防水層3の表面に設けられた粘着層8とを有して成り、この脇パッド9を脇に挟んでも余分の積層体がはみ出さないように設計された形状を有する。この脇パッドは、衣服例えば下着の脇に前記粘着層8により取り付けることができる。そうすると、吸水層1が人体の脇表面に向かうことになる。人体の脇から発する汗は吸水層1を通じて保水層2に保持される。防水層3は例えばガス透過性を有するが透水性が小さいので、保水層2に保持された汗が衣服に滲み移ることはない。保水層2に保持された汗の中に存在する細菌は、吸水層1に存在する金属により、その活動が抑制される。したがって、汗の変質、分解その他の原因より発するであろう悪臭の発生が抑制される。その結果、この脇パッド9を装着すると、脇に生じる汗がこの脇パッド8に迅速に吸収されるから、脇での汗ばみ感がなくて爽快であり、また汗による悪臭の発生も抑制されているので他人に不快感を与えることも自ら不快感を感じることもない。
【0057】
【実施例】
抗菌作用を有する金属である銀の粉末(平均粒径5〜6μm)を3重量%となるようにイオン交換したA型ゼオライトが練り込まれている繊維から形成されたガーゼを用いて、抗菌力試験および安全性試験を行った。
【0058】
(1)抗菌力試験
(実施例1)
JIS−L−1902:1998「繊維製品の抗菌性試験方法」に準拠して抗菌力試験を行った。ただし、前処理である「第8.3項の試験片の殺菌」は行わなかった。
【0059】
13mm×23mmに切り取った前記ガーゼに大腸菌(Escherichia coli ATCC 8739)を接種後、ニュートリエント寒天培地に置いて、37℃で18時間培養させ、このときのガーゼに生息する菌の数を測定した。この試験を3回繰り返して測定した菌数の平均値を表1に示す。
【0060】
(実施例2)
実施例1で用いた大腸菌(Escherichia coli ATCC 8739)に代えて黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus ATCC 6538p)を用いて、抗菌性試験のみについて実施例1と同様の試験を行った。この試験を3回繰り返して測定した菌数の平均値を表2に示す。
【0061】
(比較例1)
繊維製品新機能評価協議会より提供された綿製布を用いて、実施例1と同様の試験を行った。この試験を3回繰り返して測定した菌数の平均値を表1に示す。
【0062】
(比較例2)
繊維製品新機能評価協議会より提供された綿製布を用いて、実施例2同様の試験を行った。この試験を3回繰り返して測定した菌数の平均値を表2に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
以上の結果から、抗菌作用を有する金属を含有する繊維から形成される繊維製品に関して、菌の増殖を抑えることができることが確認され、汗に含まれる成分を分解して発生する悪臭を抑制することができることが明らかとなった。
(2)安全性試験
(実施例3)
前記ガーゼを用いて、「医療用具及び医用材料の基礎的な生物学的試験のガイドライン」(平成7年薬機第99号別添)に準拠して、(2−1−1)皮内反応試験、(2−2−1)細胞毒性試験(培養細胞を用いたコロニー形成阻害試験)および(2−3−1)皮膚感作性試験を行った。
(2−1−1)皮内反応試験
前記ガーゼを生理食塩液中またはゴマ油中に入れ、121±2℃で11時間加熱して得られた試験液と、空試験液としての生理食塩液またはゴマ油とを供試動物であるウサギに投与し、投与してから24時間、48時間および72時間経過後の投与部位の変化を観察した。
(2−1−2)結果
生理食塩液を用いた試験では、試験液および空試験液ともに、24時間、48時間および72時間経過後の変化は確認されなかった。
【0066】
また、ゴマ油を用いた試験では、投与してから24時間経過後に紅斑および浮腫が現われた。当試験結果から算出した採点平均値を表3に示す。この結果、前記ガーゼは、皮膚に対して、悪影響がないことが確認された。
【0067】
【表3】
【0068】
(2−2−1)細胞毒性試験
前記ガーゼ1gに、M05培地を10ml加え、該溶液を37℃で24時間抽出した抽出液を原液とした。さらに、該原液を、原液濃度が25〜100%になるように希釈し、試験液を作成した。これらの試験液をチャイニーズハムスターの肺にあるV79細胞に投与してコロニー形成阻害試験を行った。
(2−2−2)結果
当試験を2回繰り返した結果、50%コロニー形成阻害濃度(IC50)は、68.7%および70.7%であった。
【0069】
一般的に、IC50が35%以下を示す素材では、眼に刺激を与える可能性が高く、IC50が5%以下を示す素材では、筋肉組織に炎症反応を起こす可能性が高く、健康な皮膚に対して、IC50が0.1%以下でも影響はないと言われていることを考慮すれば、細胞に対する前記ガーゼの毒性は、非常に低いものと考えられる。
(2−3−1)皮膚感作性試験
前記ガーゼ1gに対して30mlのクロロホルムを加え、室温で24時間抽抽出し、得られた溶液を濃縮乾固して得た固形分に、0.5mlのクロロホルムを加えて試験液を作成した。10匹のモルモットにフロイントの完全アジュパントおよび生理食塩液の乳化物を皮内注射することにより感作誘導処置を施した後、その注射した部位に前記試験液をクロルホルムで10%、1%および0.1%に希釈した希釈試験液を塗布し、24時間、48時間および72時間経過後の皮膚の状態を観察した。
(2−3−2)結果
24時間、48時間および72時間後の皮膚に変化は見られなかったことから、パッド部分が皮膚感作性を有さないことが確認できた。
【0070】
【発明の効果】
本発明における吸汗防臭部材は、無機系抗菌剤を含有させることにより、その抗菌作用により、臭い成分を発生する菌の増殖を抑制することができるので、悪臭を抑えることができる。また、確実に汗を吸収することができ、そして、身体にやさしい吸汗防臭部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明に係る吸汗防臭部材の一例を示す断面図である。
【図2】図2は、この発明に係る吸汗防臭部材を形成するところの、抗菌作用を有する金属を含有する繊維の一例を示す断面図である。
【図3】図3は、この発明に係る吸汗防臭部材を形成するところの、抗菌作用を有する金属を含有する繊維の他の一例を示す断面図である。
【図4】図4は、この発明に係る吸汗防臭部材を形成するところの、抗菌作用を有する金属を含有する繊維のその他の一例を示す断面図である。
【図5】図5は、この発明に係る吸汗防臭部材を利用して作成される一例としての脇パッドを示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・吸水層、2・・・保水層、3・・・防水層、4・・・金属含有担体または金属粉末、5・・・繊維、6・・・接着剤、7・・・膜、8・・・粘着層、9・・・脇パッド。
Claims (9)
- 抗菌作用を有する金属を含む繊維から形成されて成る吸水層を有して成ることを特徴とする吸汗防臭部材。
- 前記金属が、銅、亜鉛及び銀より成る群から選択される少なくとも一種である前記請求項1に記載の吸汗防臭部材。
- 前記金属は、イオン交換により担体に担持された金属である前記請求項1または2に記載の吸汗防臭部材。
- 前記金属は、その含有量が、前記担体に対して少なくとも0.2質量%である前記請求項1〜3のいずれか一つに記載の吸汗防臭部材。
- 前記担体が、ケイ酸塩鉱物である前記請求項1〜4のいずれか一つに記載の吸汗防臭部材。
- 前記金属を担体に担持してなる金属担持担体は、その含有量が、前記吸水層に対して0.1〜10g/m2である前記請求項1〜5のいずれか一つに記載の吸汗防臭部材。
- 前記吸水層は、その一面に保水層を有して成る前記請求項1〜6いずれか一つに記載の吸汗防臭部材。
- 前記吸水層は、前記保水層と接する面とは反対側の面に防水層を有することを特徴とする前記請求項7に記載の吸汗防臭部材。
- 前記吸水層が、不織布及び織布の少なくとも一種で形成されてなる前記請求項1〜8のいずれか一つに記載の吸汗防臭部材。
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2003
- 2003-04-21 JP JP2003115757A patent/JP2004323980A/ja not_active Withdrawn
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