JP2004322629A - 繊維強化樹脂成形体及びその製造法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アラミド繊維と架橋ポリアミノアミドを複合した繊維強化樹脂成形体の耐吸水性を向上させ、水分による成形体の膨潤を抑制する。
【解決手段】上記繊維強化樹脂成形体の表面にフェノール樹脂硬化物の被膜を形成する。繊維強化樹脂成形体は、例えば、樹脂製歯車2であり、これを回転軸1に支持して下半分をフェノール樹脂ワニス3に浸漬する。この状態で、樹脂製歯車2を回転し歯車の樹脂部分表面全体にフェノール樹脂ワニス3をコーティングする。次に、樹脂製歯車を回転軸に保持したままフェノール樹脂ワニスから取出し、上記浸漬時より高速で回転して溶剤と余分に付着したフェノール樹脂を遠心力により除去する。その後、加熱乾燥により、フェノール樹脂の硬化反応を進め、歯車の樹脂部分表面にフェノール樹脂硬化物の被膜を形成する。
【選択図】図1
【解決手段】上記繊維強化樹脂成形体の表面にフェノール樹脂硬化物の被膜を形成する。繊維強化樹脂成形体は、例えば、樹脂製歯車2であり、これを回転軸1に支持して下半分をフェノール樹脂ワニス3に浸漬する。この状態で、樹脂製歯車2を回転し歯車の樹脂部分表面全体にフェノール樹脂ワニス3をコーティングする。次に、樹脂製歯車を回転軸に保持したままフェノール樹脂ワニスから取出し、上記浸漬時より高速で回転して溶剤と余分に付着したフェノール樹脂を遠心力により除去する。その後、加熱乾燥により、フェノール樹脂の硬化反応を進め、歯車の樹脂部分表面にフェノール樹脂硬化物の被膜を形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、繊維強化樹脂成形体、例えば、自動車部品等に適した繊維強化樹脂製歯車(平歯歯車、ハス歯歯車、ウォーム、ウォームホイール、歯付きプーリ等)に関する。また、その製造法に関する。
アラミド繊維と架橋ポリアミノアミドを複合した繊維強化樹脂成形体は高強度であり、機械部品として有用である。このような機械部品として、樹脂製歯車が提案されている。例えば、特許文献1に開示される次のような技術である。
これは、リング状に賦形したアラミド繊維基材に架橋ポリアミノアミドを含浸した複合体であり、周囲に歯を加工したものである。金属製歯車の相手歯車として用いると、歯の噛み合い時の騒音発生を抑え、高強度で耐摩耗性も優れる。
具体的には、アラミド繊維を束ねて或いは撚って構成した糸を使用し、これを織った又は編んだ筒状体を準備する。この筒状体を端部から軸方向に巻き上げてリング状繊維基材とする。そして、リング状繊維基材とその中央に位置する金属製ブッシュとを成形金型に収容する。成形金型は、リング状繊維基材の厚さ方向に開閉動作し、成形金型を閉じる動作によりリング状繊維基材を圧縮して、面方向に広がったリング状繊維基材を金属製ブッシュの周囲に圧接してその形状になじませる。次に、閉じた成形金型に架橋ポリアミノアミドを注入し、リング状繊維基材に浸透させた架橋ポリアミノアミドを加熱硬化して金属製ブッシュをインサートとする複合体(円板)を成形する。そして、この複合体の周囲に切削加工により歯を形成する。
具体的には、アラミド繊維を束ねて或いは撚って構成した糸を使用し、これを織った又は編んだ筒状体を準備する。この筒状体を端部から軸方向に巻き上げてリング状繊維基材とする。そして、リング状繊維基材とその中央に位置する金属製ブッシュとを成形金型に収容する。成形金型は、リング状繊維基材の厚さ方向に開閉動作し、成形金型を閉じる動作によりリング状繊維基材を圧縮して、面方向に広がったリング状繊維基材を金属製ブッシュの周囲に圧接してその形状になじませる。次に、閉じた成形金型に架橋ポリアミノアミドを注入し、リング状繊維基材に浸透させた架橋ポリアミノアミドを加熱硬化して金属製ブッシュをインサートとする複合体(円板)を成形する。そして、この複合体の周囲に切削加工により歯を形成する。
架橋ポリアミノアミドは、ビス(2−オキサゾリン)化合物と分子内に少なくとも2つのアミノ基を有する芳香族アミンの架橋樹脂であり、これら成分を加熱溶融して液状にし硬化触媒を添加して、成形金型に注入する。前記ビス(2−オキサゾリン)化合物と芳香族アミンは、例えば、特許文献2に具体的に開示されている。
本発明が解決しようとする課題は、上記機械特性に優れた繊維強化樹脂成形体の耐吸水性を向上させ、水分による成形体の膨潤を抑制することである。
上記課題を解決するために、本発明に係る繊維強化樹脂成形体は、アラミド繊維と架橋ポリアミノアミドの複合体であって、表面にフェノール樹脂硬化物の被膜が施されていることを特徴とする。
上記フェノール樹脂硬化物の被膜は、フェノール樹脂ワニスを複合体表面に塗布し加熱硬化させることにより形成できる。そのほか、次の方法も採用することができる。すなわち、まず、アラミド繊維と架橋ポリアミノアミドの複合体を減圧雰囲気に置く。その後、加圧雰囲気で前記複合体表面にフェノール樹脂ワニス塗膜を形成する。そして、加熱により前記塗膜を硬化しフェノール樹脂硬化物の被膜とする方法である。
アラミド繊維と架橋ポリアミノアミドの複合体が歯車である場合、その製造は、次の第1製造法や第2製造法のように実施することができる。
第1製造法は、アラミド繊維と架橋ポリアミノアミドの複合体である歯車の歯面にフェノール樹脂の半硬化被膜を形成する第1工程、前記第1工程を経た歯車を歯面形成用歯車又は歯面形成用ラックギヤに噛み合せて、回転しながらフェノール樹脂の半硬化被膜を加熱により整えて硬化を進める第2工程を経る。前記第2工程において、歯車は加熱されることになるが、そのときの歯車の温度は、歯車の実使用環境の温度と近似していることが望ましい。
第2製造法は、上記第1製造法の発明とほぼ同様の工程を経るが、第2工程において熱硬化性樹脂の半硬化被膜を非加熱又は加熱により整える。前記第2工程では、半硬化被膜を必ずしも完全には硬化させず、前記非加熱で又は加熱により整えた半硬化被膜を第3工程で加熱硬化させる。
本発明に係る繊維強化樹脂成形体は、アラミド繊維と架橋ポリアミノアミドの複合体の樹脂部表面にフェノール樹脂硬化物の薄膜を形成したものであり、次のような作用により耐吸水性を向上させることができると推測される。
すなわち、一つには、架橋ポリアミノアミド中のアミノ残基(−NH2)とフェノール樹脂中のメチロール基(−CH2OH)が反応し、吸水の要因と推測されるアミノ基の残留を少なくしている。二つには、アラミド繊維中のアミド結合(−NH−CO−)とフェノール樹脂中のメチロール基(−CH2OH)が何らかの結合をしており、吸水の要因と推測されるアミド基を改質している。
すなわち、一つには、架橋ポリアミノアミド中のアミノ残基(−NH2)とフェノール樹脂中のメチロール基(−CH2OH)が反応し、吸水の要因と推測されるアミノ基の残留を少なくしている。二つには、アラミド繊維中のアミド結合(−NH−CO−)とフェノール樹脂中のメチロール基(−CH2OH)が何らかの結合をしており、吸水の要因と推測されるアミド基を改質している。
アラミド繊維と架橋ポリアミノアミドの複合体を減圧雰囲気に置いた後、加圧雰囲気で前記複合体表面にフェノール樹脂ワニス塗膜を形成する上記の方法は、複合体の表面だけでなく表面からわずかに入った表層までフェノール樹脂を浸透させることができる。
このように、アラミド繊維と架橋ポリアミノアミドの複合体は、その表面にフェノール樹脂硬化物の被膜を形成することにより、耐吸水性の優れた繊維強化樹脂成形体となる。
アラミド繊維と架橋ポリアミノアミドの複合体が歯車である場合、機械加工により高精度に仕上げられた歯車の歯面にフェノール樹脂ワニスを塗布し硬化させると、その表面の精度は低下することになるが、上記第1や第2製造法によれば、フェノール樹脂硬化物の薄膜を精度良く形成することができる。
歯車の実使用環境温度が高くなるに従い歯車の熱膨張は大きくなるが、上記第1製造法の第2工程において、歯車の温度を、歯車の実使用環境の温度と近似した状態に置くと、歯車の使用環境における熱膨張と近似した状態でフェノール樹脂の塗膜を整えて硬化させることができ、実際の使用に則した歯面をもつ歯車の提供が容易になる。
また、上記第2製造法の第2工程においては、歯車の歯面を覆うフェノール樹脂の半硬化塗膜が、歯面形成用歯車又は歯面形成用ラックギヤにより所定形状に整えられる。フェノール樹脂の半硬化塗膜は、未だ硬化していないので、歯面形成用歯車又は歯面形成用ラックギヤとの噛み合いにより短時間で容易に整えられる。そして、第3工程で、前記工程の半硬化塗膜を必要な時間をかけて加熱硬化させることにより、第2工程に要する時間を短くし、生産性を上げることができる。
歯車の実使用環境温度が高くなるに従い歯車の熱膨張は大きくなるが、上記第1製造法の第2工程において、歯車の温度を、歯車の実使用環境の温度と近似した状態に置くと、歯車の使用環境における熱膨張と近似した状態でフェノール樹脂の塗膜を整えて硬化させることができ、実際の使用に則した歯面をもつ歯車の提供が容易になる。
また、上記第2製造法の第2工程においては、歯車の歯面を覆うフェノール樹脂の半硬化塗膜が、歯面形成用歯車又は歯面形成用ラックギヤにより所定形状に整えられる。フェノール樹脂の半硬化塗膜は、未だ硬化していないので、歯面形成用歯車又は歯面形成用ラックギヤとの噛み合いにより短時間で容易に整えられる。そして、第3工程で、前記工程の半硬化塗膜を必要な時間をかけて加熱硬化させることにより、第2工程に要する時間を短くし、生産性を上げることができる。
本発明を実施するに当たり、アラミド繊維は、パラ系アラミド繊維とメタ系アラミド繊維のいずれも用いることができるが、強度と機械加工性の両立の面からは両者を併用することが好ましい。例えば、両繊維を混合したフェルトや不織布形態の繊維基材や、両繊維の混紡糸を用いた織布や編み布形態の繊維基材である。
アラミド繊維と架橋ポリアミノアミドの複合体が樹脂製歯車である場合、まず、その素形体である円板を成形する。この場合、上記繊維基材は、さらにリング状に賦形して用いる。このリング状繊維基材は、次のような種々の形態が考えられる。
(1)シート状にしたアラミド繊維基材を端縁から巻き込んで棒状にし、これを輪にして両端を重ね合せたリング状のもの。
(2)シート状にしたアラミド繊維基材を巻いて又は巻き重ねて円筒にし、これを軸方向に蛇腹に折り畳んだリング状のもの。
(3)織って又は編んで筒状にしたアラミド繊維基材を端部から裏返しつつ軸方向に巻き上げたリング状のもの。
(4)上記筒状のアラミド繊維基材を軸方向に蛇腹に折り畳んだリング状のもの。
(5)中央をくり貫いた円形のアラミド繊維基材を所定厚さに積層したリング状のもの。
(1)シート状にしたアラミド繊維基材を端縁から巻き込んで棒状にし、これを輪にして両端を重ね合せたリング状のもの。
(2)シート状にしたアラミド繊維基材を巻いて又は巻き重ねて円筒にし、これを軸方向に蛇腹に折り畳んだリング状のもの。
(3)織って又は編んで筒状にしたアラミド繊維基材を端部から裏返しつつ軸方向に巻き上げたリング状のもの。
(4)上記筒状のアラミド繊維基材を軸方向に蛇腹に折り畳んだリング状のもの。
(5)中央をくり貫いた円形のアラミド繊維基材を所定厚さに積層したリング状のもの。
上記各種リング状繊維基材を成形金型に配置し、型締めした成形空間に液状樹脂(架橋ポリアミノアミド前駆体)を注入してリング状繊維基材に浸透させ、これを加熱硬化させる。成形に当たっては、リング状繊維基材の中央に、金属製ブッシュをインサートとして配置し、一体に成形する。液状樹脂を注入する前に、必要に応じて成形空間を減圧状態にしておく。
ウォームを製造する場合は、シート状のアラミド繊維基材を端縁から巻き込んで円柱状にし、これを成形金型に配置して、同様に成形することになる。前記巻き込みの巻き芯として、インサートとなる金属棒を用いることもできる。
ウォームを製造する場合は、シート状のアラミド繊維基材を端縁から巻き込んで円柱状にし、これを成形金型に配置して、同様に成形することになる。前記巻き込みの巻き芯として、インサートとなる金属棒を用いることもできる。
上記架橋ポリアミノアミドは、ビス(2−オキサゾリン)化合物と分子内に少なくとも2つのアミノ基を有する芳香族アミンの架橋樹脂であり、これら成分を加熱溶融して液状にし硬化触媒を添加して、成形金型に注入する。
上記ビス(2−オキサゾリン)化合物は、例えば、1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼンであり、少なくとも2つのアミノ基を有する芳香族アミンは、例えば、4,4’−メチレンビスアニリンの架橋樹脂である。これら成分を加熱溶融して液状にしたところへ、硬化触媒として、例えば、n−オクチルブロマイドを添加し、速やかに成形金型へ注入する。この樹脂は、加熱により即座に架橋し硬化する。
上記ビス(2−オキサゾリン)化合物は、例えば、1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼンであり、少なくとも2つのアミノ基を有する芳香族アミンは、例えば、4,4’−メチレンビスアニリンの架橋樹脂である。これら成分を加熱溶融して液状にしたところへ、硬化触媒として、例えば、n−オクチルブロマイドを添加し、速やかに成形金型へ注入する。この樹脂は、加熱により即座に架橋し硬化する。
上記のように成形した樹脂製歯車の素形体である円板の周囲に切削加工により歯を形成する。あるいは、円柱の周面に切削加工により螺旋溝を形成してウォームとする。
そして、樹脂製歯車やウォームの樹脂部分表面にフェノール樹脂硬化物の被膜を施す。この作業は、図1に示すように、回転軸1に支持した樹脂製歯車2の下半分をフェノール樹脂ワニス3に浸漬した状態で、樹脂製歯車2を回転させることにより実施することができる。樹脂製歯車2の回転は低速で複数回行ない、歯車の樹脂部分表面全体にフェノール樹脂ワニス3をコーティングする。
次に、樹脂製歯車を回転軸に保持したままフェノール樹脂ワニスから取出し、上記浸漬時より高速で回転してフェノール樹脂ワニスに含まれる溶剤と余分に付着したフェノール樹脂を遠心力により歯車の樹脂部分表面から除去する。このようにして、歯車の樹脂部分表面にフェノール樹脂を均一に付着させる。その後、乾燥機中で加熱乾燥することにより、残存溶剤の除去とフェノール樹脂の硬化反応を進めて、歯車の樹脂部分(アラミド繊維と架橋ポリアミノアミドの複合体)表面にフェノール樹脂硬化物の薄膜を形成する。
そして、樹脂製歯車やウォームの樹脂部分表面にフェノール樹脂硬化物の被膜を施す。この作業は、図1に示すように、回転軸1に支持した樹脂製歯車2の下半分をフェノール樹脂ワニス3に浸漬した状態で、樹脂製歯車2を回転させることにより実施することができる。樹脂製歯車2の回転は低速で複数回行ない、歯車の樹脂部分表面全体にフェノール樹脂ワニス3をコーティングする。
次に、樹脂製歯車を回転軸に保持したままフェノール樹脂ワニスから取出し、上記浸漬時より高速で回転してフェノール樹脂ワニスに含まれる溶剤と余分に付着したフェノール樹脂を遠心力により歯車の樹脂部分表面から除去する。このようにして、歯車の樹脂部分表面にフェノール樹脂を均一に付着させる。その後、乾燥機中で加熱乾燥することにより、残存溶剤の除去とフェノール樹脂の硬化反応を進めて、歯車の樹脂部分(アラミド繊維と架橋ポリアミノアミドの複合体)表面にフェノール樹脂硬化物の薄膜を形成する。
フェノール樹脂硬化物の被膜を施す別の方法を図2に示す。図2に示した装置は、耐圧容器4への導入管5に対し、吸引ポンプ6、加圧ポンプ7及びフェノール樹脂ワニス容器8がそれぞれ切換え弁を介して接続されている。尚、これら吸引ポンプ6、加圧ポンプ7及びフェノール樹脂ワニス容器8は、開閉弁を介して耐圧容器4に直接接続されてもよい。
まず、耐圧容器4の中に樹脂製歯車2を静置し、切換え弁を操作して吸引ポンプ6を導入管5に対して開き、耐圧容器4内を減圧状態にする。このとき、加圧ポンプ7及びフェノール樹脂ワニス容器8は、導入管5に対して閉じている。次に、フェノール樹脂ワニス容器8を導入管5に対して開き、耐圧容器4内にフェノール樹脂ワニスを注入して耐圧容器4を満たす。このとき、吸引ポンプ6及び加圧ポンプ7は、導入管5に対して閉じている。その後、加圧ポンプ7を導入管5に対して開き、耐圧容器4内を加圧する。このとき、吸引ポンプ6及びフェノール樹脂ワニス容器8は、導入管5に対して閉じている。
このようにして、樹脂製歯車2にフェノール樹脂ワニス塗膜を形成すると、表面の微細孔や表面からわずかに入った表層までフェノール樹脂を浸透させることができる。樹脂製歯車2を耐圧容器4から取り出して過剰に付着したフェノール樹脂ワニスを除去した後、加熱乾燥することにより、残存溶剤の除去とフェノール樹脂の硬化反応を進めて、歯車の樹脂部分(アラミド繊維と架橋ポリアミノアミドの複合体)表面にフェノール樹脂硬化物の薄膜を形成する。
まず、耐圧容器4の中に樹脂製歯車2を静置し、切換え弁を操作して吸引ポンプ6を導入管5に対して開き、耐圧容器4内を減圧状態にする。このとき、加圧ポンプ7及びフェノール樹脂ワニス容器8は、導入管5に対して閉じている。次に、フェノール樹脂ワニス容器8を導入管5に対して開き、耐圧容器4内にフェノール樹脂ワニスを注入して耐圧容器4を満たす。このとき、吸引ポンプ6及び加圧ポンプ7は、導入管5に対して閉じている。その後、加圧ポンプ7を導入管5に対して開き、耐圧容器4内を加圧する。このとき、吸引ポンプ6及びフェノール樹脂ワニス容器8は、導入管5に対して閉じている。
このようにして、樹脂製歯車2にフェノール樹脂ワニス塗膜を形成すると、表面の微細孔や表面からわずかに入った表層までフェノール樹脂を浸透させることができる。樹脂製歯車2を耐圧容器4から取り出して過剰に付着したフェノール樹脂ワニスを除去した後、加熱乾燥することにより、残存溶剤の除去とフェノール樹脂の硬化反応を進めて、歯車の樹脂部分(アラミド繊維と架橋ポリアミノアミドの複合体)表面にフェノール樹脂硬化物の薄膜を形成する。
アラミド繊維と架橋ポリアミノアミドの複合体が樹脂製歯車の場合、上述した第1製造法の第2工程では、フェノール樹脂の半硬化塗膜を加熱により硬化させて、樹脂製歯車と一体になった薄膜を形成する。この薄膜の形成は、図5に示すように、樹脂製歯車2に歯面形成用歯車9を噛み合せて回転し、加熱により一旦軟化又は溶融したフェノール樹脂の半硬化塗膜を前記歯面形成用歯車9で所定の歯面に整えながら硬化させる工程である。歯面形成用歯車9は、本発明に係る方法で製造した歯車の実使用時における相手歯車に相当する歯面を有するものである。歯面形成用歯車9を樹脂製歯車2に噛み合わせて回転させることにより、一旦軟化又は溶融したフェノール樹脂の半硬化塗膜の凹凸が均されて歯面が滑らかになり、同時に相手歯車との噛み合わせに最適な状態に歯面が整えられる。これによって、機械加工により高精度に仕上げられた歯面の状態をできるだけ確保するようにする。前記回転は、一方向だけでもよいが、必要に応じて正転と逆転を行なう。また、樹脂製歯車2の周囲2箇所以上の位置に歯面整形用歯車9を配置し、樹脂製歯車2と噛み合わせてもよい。
歯面形成用歯車9に代わるものとして、歯面形成用ラックギヤを用いることもできる。この場合、歯面形成用ラックギヤ上で樹脂製歯車2を回転させながら一方向又は往復移動させればよい。また、一対の歯面形成用ラックギヤに樹脂製歯車2を挟んで回転させてもよい。
歯面形成用歯車9に代わるものとして、歯面形成用ラックギヤを用いることもできる。この場合、歯面形成用ラックギヤ上で樹脂製歯車2を回転させながら一方向又は往復移動させればよい。また、一対の歯面形成用ラックギヤに樹脂製歯車2を挟んで回転させてもよい。
上記フェノール樹脂の半硬化塗膜を硬化させるための加熱手段は、種々の方法から選択できる。例えば、(1)歯面形成用歯車9又は歯面形成用ラックギヤを加熱して、樹脂製歯車2に熱を伝える。(2)樹脂製歯車2に歯面形成用歯車9又は歯面形成用ラックギヤを噛み合せて回転する作業雰囲気を加熱炉内等高温にする。(3)樹脂製歯車2を輻射熱で加熱する等である。樹脂製歯車2は、これら加熱によって、歯車の実使用環境温度と近似した温度に加熱されることが望ましい。このようにすれば、歯面を整えるときの樹脂製歯車2の熱膨張が、製造した歯車の実使用時の熱膨張と近似した状態となり、整えられた歯面は実使用時に最適な歯面となる。
アラミド繊維と架橋ポリアミノアミドの複合体が樹脂製歯車の場合、上述した第2製造法の第2工程では、樹脂製歯車2歯面の半硬化塗膜を必ずしも硬化させなくてもよい。この工程では、非加熱又は加熱により半硬化塗膜を整えるだけにとどめれば、第2工程に要する時間を短くすることができる。そして、この第2工程を経た複数個の歯車を第3工程でまとめて加熱し、半硬化被膜を硬化させればよい。
実施例1
フェノールとホルムアルデヒドを、第3級アミンを触媒として重縮合させたフェノール樹脂ワニス(樹脂固形分25質量%,メタノール溶媒)を調製する。
上記発明の実施の形態において説明した樹脂製歯車を、図1を参照して説明したようにフェノール樹脂ワニスに浸漬し、10rpmの回転速度で30秒間回転させる。次に、歯車を回転軸に保持したままフェノール樹脂ワニスから取出し、120rpmの回転数で20秒間回転し、フェノール樹脂ワニスに含まれる溶剤と余分に付着したフェノール樹脂を遠心力により歯車の樹脂部分表面から除去する。風乾及び余分なフェノール樹脂ワニスの吹き飛ばしの作業である。次に、乾燥機中で常温から45分かけて150℃まで昇温し、その後15分間150℃で保持し、残存溶剤の除去とフェノール樹脂の硬化反応を進めて、歯車の樹脂部分表面にフェノール樹脂硬化物の薄膜(10.5μm厚)を形成する。
フェノールとホルムアルデヒドを、第3級アミンを触媒として重縮合させたフェノール樹脂ワニス(樹脂固形分25質量%,メタノール溶媒)を調製する。
上記発明の実施の形態において説明した樹脂製歯車を、図1を参照して説明したようにフェノール樹脂ワニスに浸漬し、10rpmの回転速度で30秒間回転させる。次に、歯車を回転軸に保持したままフェノール樹脂ワニスから取出し、120rpmの回転数で20秒間回転し、フェノール樹脂ワニスに含まれる溶剤と余分に付着したフェノール樹脂を遠心力により歯車の樹脂部分表面から除去する。風乾及び余分なフェノール樹脂ワニスの吹き飛ばしの作業である。次に、乾燥機中で常温から45分かけて150℃まで昇温し、その後15分間150℃で保持し、残存溶剤の除去とフェノール樹脂の硬化反応を進めて、歯車の樹脂部分表面にフェノール樹脂硬化物の薄膜(10.5μm厚)を形成する。
上記実施例1における樹脂製歯車の耐吸水性を確認するために、次の試験を実施した。すなわち、10質量%の精製水を混入したエンジンオイル(国際規格のオイル粘度表示:10W−30)に、樹脂製歯車を60℃雰囲気下で100時間浸漬する。そして、吸水による膨潤量の指標として、浸漬前後のオーバーボール径(OBD)の変化量を測定する。
結果を、フェノール樹脂硬化物の被膜を形成しない場合(従来例)と比較して図3に示す。
結果を、フェノール樹脂硬化物の被膜を形成しない場合(従来例)と比較して図3に示す。
実施例2
本実施例でも、実施例1と同様の樹脂製歯車を同様のフェノール樹脂ワニスを用いて処理する。
図2を参照して説明したように、樹脂製歯車を耐圧容器中に静置し、吸引ポンプで5分間減圧した。その後、切換え弁を操作し、耐圧容器中にフェノール樹脂ワニスを注入し、5kg/cm2の空気圧でフェノール樹脂ワニスを加圧した。次に、樹脂製歯車を耐圧容器から取り出して過剰に付着したフェノール樹脂ワニスを除去し、乾燥機に移して常温から45分かけて150℃まで昇温し、その後15分間150℃で保持し、残存溶剤の除去とフェノール樹脂の硬化反応を進めて、歯車の樹脂部分表面にフェノール樹脂硬化物の薄膜(10.5μm厚)を形成する。
本実施例でも、実施例1と同様の樹脂製歯車を同様のフェノール樹脂ワニスを用いて処理する。
図2を参照して説明したように、樹脂製歯車を耐圧容器中に静置し、吸引ポンプで5分間減圧した。その後、切換え弁を操作し、耐圧容器中にフェノール樹脂ワニスを注入し、5kg/cm2の空気圧でフェノール樹脂ワニスを加圧した。次に、樹脂製歯車を耐圧容器から取り出して過剰に付着したフェノール樹脂ワニスを除去し、乾燥機に移して常温から45分かけて150℃まで昇温し、その後15分間150℃で保持し、残存溶剤の除去とフェノール樹脂の硬化反応を進めて、歯車の樹脂部分表面にフェノール樹脂硬化物の薄膜(10.5μm厚)を形成する。
上記実施例2における樹脂製歯車の耐吸水性を確認するために、実施例1と同様の試験方法で、オーバーボール径(OBD)の変化量を測定した。結果を図3に示す。
比較例1
実施例1において、フェノール樹脂硬化物の被膜を形成する代わりに、フッ素樹脂の被膜を形成した。すなわち、歯車を回転させながら、そこにフッ素樹脂の微粒子分散液をノズルから噴射して付着させた後、230℃で加熱乾燥して歯車の樹脂部分表面にフッ素樹脂薄膜(10μm厚)を形成する。
実施例1において、フェノール樹脂硬化物の被膜を形成する代わりに、フッ素樹脂の被膜を形成した。すなわち、歯車を回転させながら、そこにフッ素樹脂の微粒子分散液をノズルから噴射して付着させた後、230℃で加熱乾燥して歯車の樹脂部分表面にフッ素樹脂薄膜(10μm厚)を形成する。
比較例2
実施例1において、フェノール樹脂硬化物の被膜を形成する代わりに、エポキシ樹脂硬化物の被膜を形成した。すなわち、ジシアンジアミドを硬化剤とするエポキシ樹脂ワニス(樹脂固形分12質量%,メチルエチルケトン溶媒)を調製し、これをフェノール樹脂ワニスの代わりに用いて、実施例1に準じた方法で、歯車の樹脂部分表面にエポキシ樹脂硬化物の薄膜(6.2μm厚)を形成する。
実施例1において、フェノール樹脂硬化物の被膜を形成する代わりに、エポキシ樹脂硬化物の被膜を形成した。すなわち、ジシアンジアミドを硬化剤とするエポキシ樹脂ワニス(樹脂固形分12質量%,メチルエチルケトン溶媒)を調製し、これをフェノール樹脂ワニスの代わりに用いて、実施例1に準じた方法で、歯車の樹脂部分表面にエポキシ樹脂硬化物の薄膜(6.2μm厚)を形成する。
比較例1、2における樹脂製歯車について、同様に耐吸水性を評価した結果を図3に併せて示す。
図3から、各種被膜を形成する中で、本発明に係る実施例における樹脂製歯車の膨潤量が最も少ないことを理解できる。
図3から、各種被膜を形成する中で、本発明に係る実施例における樹脂製歯車の膨潤量が最も少ないことを理解できる。
実施例3
実施例1において、フェノール樹脂ワニスの樹脂固形分濃度を変えることにより、形成するフェノール樹脂硬化物の被膜厚さを変えた樹脂製歯車を準備した。
実施例1において、フェノール樹脂ワニスの樹脂固形分濃度を変えることにより、形成するフェノール樹脂硬化物の被膜厚さを変えた樹脂製歯車を準備した。
フェノール樹脂硬化物の被膜厚さと耐吸水性の関係を確認した結果を図4に示す。評価方法は、10質量%の精製水を混入したエンジンオイルに樹脂製歯車を浸漬し、浸漬前後のODB変化量を測定する上述した方法と同様の方法である。
図4から、フェノール樹脂硬化物の被膜厚さが厚くなるほど耐吸水性が良好になることを理解でき、フェノール樹脂硬化物の被膜厚さは、好ましくは、10μm以上である。但し、被膜は厚くなりすぎると膜厚を均一に形成するのが難しくなる傾向があるので、好ましくは、20μm以下にする。
実施例4
実施例1において、フェノール樹脂ワニスを塗布した樹脂製歯車の乾燥を次のように実施した。すなわち、乾燥機中で加熱乾燥(100℃,30分間)することにより、残存溶剤の除去とフェノール樹脂の硬化を半ばまで進めて、半硬化の塗膜を形成した(第1工程)。そして、この樹脂製歯車2を、図5に示すように歯面形成用歯車9に噛み合せて回転させる。ここで、歯面形成用歯車9は、実使用時の相手歯車を想定し、材質の仕様は、S45C焼き入れで、歯面を研磨仕上げしたものである。150℃の加熱雰囲気において、表1の条件で噛み合せて歯面を整え、半硬化塗膜を硬化させる(第2工程)。歯面に半硬化塗膜を形成した樹脂製歯車2を歯面形成用歯車9に噛み合せて回転させたとき歯面からはみ出て硬化した樹脂は、適宜切削して除去する。
実施例1において、フェノール樹脂ワニスを塗布した樹脂製歯車の乾燥を次のように実施した。すなわち、乾燥機中で加熱乾燥(100℃,30分間)することにより、残存溶剤の除去とフェノール樹脂の硬化を半ばまで進めて、半硬化の塗膜を形成した(第1工程)。そして、この樹脂製歯車2を、図5に示すように歯面形成用歯車9に噛み合せて回転させる。ここで、歯面形成用歯車9は、実使用時の相手歯車を想定し、材質の仕様は、S45C焼き入れで、歯面を研磨仕上げしたものである。150℃の加熱雰囲気において、表1の条件で噛み合せて歯面を整え、半硬化塗膜を硬化させる(第2工程)。歯面に半硬化塗膜を形成した樹脂製歯車2を歯面形成用歯車9に噛み合せて回転させたとき歯面からはみ出て硬化した樹脂は、適宜切削して除去する。
このようにして、フェノール樹脂硬化物の薄膜(10.5μm厚)を形成した樹脂製歯車2歯面の精度をJIS B 1702−2(1998年規格)に準拠して確認した。
すなわち、移動台上に装着した樹脂製歯車2を、固定台上に装着したマスタ歯車に弾発的に圧接して(圧接力20N)噛み合わせ、この状態で無負荷で1回転させたときの前記移動台の変動(樹脂製歯車2の回転中心の変動)を記録した。図6には、フェノール樹脂ワニス塗布前、半硬化塗膜形成後、本実施例後のそれぞれにおける前記操作による変動記録図を比較して示した。
すなわち、移動台上に装着した樹脂製歯車2を、固定台上に装着したマスタ歯車に弾発的に圧接して(圧接力20N)噛み合わせ、この状態で無負荷で1回転させたときの前記移動台の変動(樹脂製歯車2の回転中心の変動)を記録した。図6には、フェノール樹脂ワニス塗布前、半硬化塗膜形成後、本実施例後のそれぞれにおける前記操作による変動記録図を比較して示した。
実施例5
実施例4において、第2工程を非加熱で実施する。すなわち、半硬化塗膜を形成した樹脂製歯車2を、表2に示す条件に従って、図5に示すように歯面形成用歯車9に噛み合せて回転させ、歯面を整える作業を常温で(非加熱で)実施する。そして、前記歯面を整えた樹脂製歯車2を150℃の加熱雰囲気に置いてその半硬化塗膜を硬化させる(第3工程)。この第3工程は、第2工程を経た多数の樹脂製歯車2を纏めてバッチ処理で実施すればよい。第2工程は、量産時の隘路となるので、短時間で終えられるようにすることが好ましい。
実施例4において、第2工程を非加熱で実施する。すなわち、半硬化塗膜を形成した樹脂製歯車2を、表2に示す条件に従って、図5に示すように歯面形成用歯車9に噛み合せて回転させ、歯面を整える作業を常温で(非加熱で)実施する。そして、前記歯面を整えた樹脂製歯車2を150℃の加熱雰囲気に置いてその半硬化塗膜を硬化させる(第3工程)。この第3工程は、第2工程を経た多数の樹脂製歯車2を纏めてバッチ処理で実施すればよい。第2工程は、量産時の隘路となるので、短時間で終えられるようにすることが好ましい。
実施例4と同様に測定した本実施例後の変動記録図を図6に併せて示す。実施例4と実施例5を比較すると、樹脂を加熱しながら噛み合せるため、実施例4の方が噛み合い精度の改善効果が大きい。
実施例6
実施例5は、第2工程を非加熱で実施したが、第1工程の加熱乾燥により半硬化塗膜を形成した直後のまだ熱い樹脂製歯車2を第2工程に導入すれば、改めて加熱をすることなく、第2工程を加熱状態で実施することができる。そして、実施例5と同様に、第3工程を実施して半硬化塗膜を硬化させる。
実施例5は、第2工程を非加熱で実施したが、第1工程の加熱乾燥により半硬化塗膜を形成した直後のまだ熱い樹脂製歯車2を第2工程に導入すれば、改めて加熱をすることなく、第2工程を加熱状態で実施することができる。そして、実施例5と同様に、第3工程を実施して半硬化塗膜を硬化させる。
本発明に係る第1ならびに第2製造法は、所定の仕上げ精度に仕上げられた歯車の歯面に種々の目的で熱硬化性樹脂の硬化被膜を形成する場合に適用できる。例えば、噛み合い時の発生音や摩擦の低減、防食性の付与等である。これらの特性付与に適した熱硬化性樹脂の硬化被膜を第1又は第2製造法に従って形成することにより、実施例4、5に示したように、歯面の精度を維持することができる。歯車は、樹脂製のみならず金属製のものも対象となる。
1は回転軸
2は樹脂製歯車
3はフェノール樹脂ワニス
4は耐圧容器
5は導入管
6は吸引ポンプ
7は加圧ポンプ
8はフェノール樹脂ワニス容器
9は歯面成形用歯車
2は樹脂製歯車
3はフェノール樹脂ワニス
4は耐圧容器
5は導入管
6は吸引ポンプ
7は加圧ポンプ
8はフェノール樹脂ワニス容器
9は歯面成形用歯車
Claims (7)
- アラミド繊維と架橋ポリアミノアミドの複合体であり、表面にフェノール樹脂硬化物の被膜が施されていることを特徴とする繊維強化樹脂成形体。
- アラミド繊維と架橋ポリアミノアミドの複合体が歯車である請求項1記載の繊維強化樹脂成形体。
- アラミド繊維と架橋ポリアミノアミドの複合体を減圧雰囲気に置く工程、
その後、加圧雰囲気で前記複合体表面にフェノール樹脂ワニス塗膜を形成する工程、
さらに、加熱により前記塗膜を硬化しフェノール樹脂硬化物の被膜とすることを特徴とする繊維強化樹脂成形体の製造法。 - 請求項2記載の繊維強化樹脂成形体の製造法であって、
アラミド繊維と架橋ポリアミノアミドの複合体である歯車の歯面にフェノール樹脂の半硬化被膜を形成する第1工程、
第1工程を経た歯車を歯面形成用歯車又は歯面形成用ラックギヤに噛み合せて、回転しながらフェノール樹脂の半硬化被膜を加熱により整えて硬化を進める第2工程、
を経ることを特徴とする繊維強化樹脂成形体の製造法。 - 第2工程における歯車の温度が、歯車の実使用環境温度と近似していることを特徴とする請求項4記載の繊維強化樹脂成形体の製造法。
- 請求項2記載の繊維強化樹脂成形体の製造法であって、
アラミド繊維と架橋ポリアミノアミドの複合体である歯車の歯面にフェノール樹脂の半硬化被膜を形成する第1工程、
第1工程を経た歯車を歯面形成用歯車又は歯面形成用ラックギヤに噛み合せて、回転しながら前記熱硬化性樹脂の半硬化被膜を非加熱で又は加熱により整える第2工程、
第2工程後の半硬化被膜を加熱硬化させる第3工程、
を経ることを特徴とする繊維強化樹脂成形体の製造法。 - 歯面を所定の仕上げ精度に仕上げられた歯車に熱硬化性樹脂の半硬化被膜を形成する第1工程、
第1工程を経た歯車を歯面形成用歯車又は歯面形成用ラックギヤに噛み合せて、回転しながら前記熱硬化性樹脂の半硬化被膜を非加熱で又は加熱により整える第2工程、
第2工程後の半硬化被膜を加熱硬化させる第3工程、
を経ることを特徴とする繊維強化樹脂成形体の製造法。
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JP2003314978A JP2004322629A (ja) | 2002-10-24 | 2003-09-08 | 繊維強化樹脂成形体及びその製造法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008138334A (ja) * | 2006-12-05 | 2008-06-19 | Teijin Techno Products Ltd | 繊維強化樹脂製歯車 |
WO2010107082A1 (ja) * | 2009-03-19 | 2010-09-23 | Hayashi Kuriya | 発電機 |
JP2013070554A (ja) * | 2011-09-26 | 2013-04-18 | Panasonic Corp | 回転電機の製造方法 |
JP2015209804A (ja) * | 2014-04-25 | 2015-11-24 | トヨタ自動車株式会社 | ピストン頂面皮膜方法 |
-
2003
- 2003-09-08 JP JP2003314978A patent/JP2004322629A/ja active Pending
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JP2008138334A (ja) * | 2006-12-05 | 2008-06-19 | Teijin Techno Products Ltd | 繊維強化樹脂製歯車 |
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