JP2004320101A - 光通信装置、光通信システム - Google Patents
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Abstract
【課題】容易且つ低コストで赤外線の指向性を制御する。
【解決手段】端面からの入射光L1を反射材により反射して、側面から出射光L2を出射すると共に、側面から入射した光L1を反射材により反射して端面に出射する側面発光型光ファイバ3と、側面発光型光ファイバ3を中心軸を中心として回転可能に支持する軸受け2a、2bと、側面発光型光ファイバ3の端面に入射光L1を入射させると共に、側面発光型光ファイバ3の端面からの光を受光する赤外線送受光素子4a、4bとを備える。そして、この光通信装置では、通信時において、側面発光型光ファイバ3を中心軸を中心として回転させて、側面発光型光ファイバ3の指向性が変更させる。
【選択図】 図1
【解決手段】端面からの入射光L1を反射材により反射して、側面から出射光L2を出射すると共に、側面から入射した光L1を反射材により反射して端面に出射する側面発光型光ファイバ3と、側面発光型光ファイバ3を中心軸を中心として回転可能に支持する軸受け2a、2bと、側面発光型光ファイバ3の端面に入射光L1を入射させると共に、側面発光型光ファイバ3の端面からの光を受光する赤外線送受光素子4a、4bとを備える。そして、この光通信装置では、通信時において、側面発光型光ファイバ3を中心軸を中心として回転させて、側面発光型光ファイバ3の指向性が変更させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工場の組立ライン、配送設備、自動車や列車などの輸送機器と、固定局間との赤外線通信に用いて好適な光通信装置、光通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、赤外線通信の分野においては、通信範囲を制御する方式として下記の特許文献1〜3に記載された技術が知られている。
【0003】
特許文献1に記載された技術は、赤外線送受光素子の指向性の方向を変更するために本体に可動自在に組み込まれた可動部を備え、可動部に取り付けられた受光部の方向を上下、左右、斜めの全方向に駆動して、受光部の方向を変更している。
【0004】
また、特許文献2に記載された技術は、赤外線発光部の赤外線出射方向に光学素子を備え、当該光学素子の屈折や反射をコントローラにより制御することにより赤外線の到達距離と角度を調整するものである。
【0005】
更に、特許文献3に記載された技術は、赤外線送受光素子を複数並べ、駆動する赤外線送受光素子を切り換えることにより、赤外線の出射方向を変更するものである。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−322273号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平10−341209号公報
【0008】
【特許文献3】
特開平9−200139号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来の特許文献1に記載された技術では、可動部に取り付けられた受光部の方向を変更して指向性を制御しているので、赤外線を駆動するため受光部に取り付けられる電線が屈折しやすく、当該電線の断線が発生しやすくなったり、構造が複雑となってしまう。
【0010】
また、上述の従来の特許文献2に記載された技術では、コントローラにより光学素子の屈折や反射を制御すると、レンズや反射板などを機械的に制御する必要があり、精密な制御が必要となってしまう。
【0011】
更に、上述の従来の特許文献3に記載された技術では、複数の赤外線送受光素子を単純に切り換えるため、指向性が異なる複数の赤外線送受光素子が必要となり、装置として高価なものとなってしまう。
【0012】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、容易且つ低コストで赤外線の指向性を制御することができる光通信装置、光通信システムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光通信装置は、端面からの入射光を反射材により反射して、側面から入射光を出射すると共に、側面から入射した光を前記反射材により反射して端面に出射する側面発光型導光体と、前記側面発光型導光体の中心軸を中心として回転可能に、前記側面発光型導光体を支持する支持部材と、前記側面発光型導光体の端面に入射光を入射させると共に、前記側面発光型導光体の端面からの光を受光する送受光素子とを備える。そして、この光通信装置では、通信時において、前記側面発光型導光体を中心軸を中心として回転させて、前記側面発光型導光体の指向性が変更させることにより、上述の課題を解決する。
【0014】
本発明に係る光通信システムは、固定局と、当該固定局に対して移動する移動局とにより光通信をする光通信システムであって、前記固定局及び移動局は、端面からの入射光を反射材により反射して、側面から入射光を出射すると共に、側面から入射した光を前記反射材により反射して端面に出射する側面発光型導光体と、前記側面発光型導光体の中心軸を中心として回転可能に、前記側面発光型導光体を支持する支持部材と、前記側面発光型導光体の端面に入射光を入射させると共に、前記側面発光型導光体の端面からの光を受光する送受光素子とを備えたものとする。そして、この光通信システムにおいて、通信時では、前記移動局の移動に応じて、前記移動局の移動速度と前記固定局の側面発光型導光体及び前記移動局の側面発光型導光体の角速度とを同期して回転させて、前記固定局の側面発光型導光体と前記移動局の側面発光型導光体とを対向させることにより、上述の課題を解決する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態〜第5実施形態について図面を参照して説明する。
【0016】
[第1実施形態]
先ず、本発明を適用した第1実施形態に係る赤外線通信装置について説明する。
【0017】
この第1実施形態に係る赤外線通信装置は、図1に示すように、基板1上に軸受け2a、2bが設置され、当該軸受け2a、2bに挿通して側面発光型光ファイバ3が設けられている。また、この赤外線通信装置では、側面発光型光ファイバ3の両端面に赤外線送受光素子4a、4bが設けられている。
【0018】
この側面発光型光ファイバ3は、内部に光反射材が設けられ、赤外線送受光素子4a、4bが発光して端面から入射光L1が入射されると、光反射材により入射光L1を反射することで、出射光L2を側面から出射させる導光体として機能する。また、赤外線送受光素子4a、4bは、一方が赤外線発光用とされ、他方が赤外線受光用となっている。
【0019】
また、この側面発光型光ファイバ3は、軸受け2a、2bに支持されることで中心軸を中心として回転可能となっている。そして、この赤外線通信装置では、側面発光型光ファイバ3を手動又は図示しないモータによって回転させる制御をすることで、回転軸を中心として側面発光型光ファイバ3を回転させて、出射光L2の指向性を変更する。
【0020】
具体的には、側面発光型光ファイバ3の端面から入射した入射光L1を光反射材により反射させることで、図2(a)に側面発光型光ファイバ3の端面から見た様子を示すように、中心線に対して対称な出射範囲A1の出射光L2を出射させるのに対し、側面発光型光ファイバ3を回転させることで、図2(b)に示すように中心線に対して傾いた出射範囲A2の出射光L2を出射させることができる。
【0021】
また、この側面発光型光ファイバ3では、外部からの赤外線を入射して赤外線送受光素子4a、4bにより受光することで情報を図示しない電子機器に送る場合であっても、赤外線送出先に入射側面が回転される。これにより、側面発光型光ファイバ3では、入射する赤外線に対する指向性を変更して、内部の光反射材により赤外線送出先からの赤外線を反射して確実に赤外線送受光素子4a、4bにて光受信をする。
【0022】
このように第1実施形態に係る赤外線通信装置によれば、側面発光型光ファイバ3が固定されている場合であっても、側面発光型光ファイバ3を中心軸を中心として回転させることにより、側面発光型光ファイバ3の側面から出射する出射光L2の指向性を制御することや、側面発光型光ファイバ3の側面から入射する赤外線光の指向性を変化させることができる。
【0023】
したがって、この赤外線通信装置によれば、側面発光型光ファイバ3からの赤外線を受信する赤外線受信器や、側面発光型光ファイバ3に赤外線を送信する赤外線送信器が移動する場合であっても、容易且つ低コストで赤外線の指向性を制御して、通信を実現することができる。
【0024】
[第2実施形態]
つぎに、第2実施形態に係る赤外線通信装置について説明する。なお、上述の第1実施形態に係る赤外線通信装置と同様の部分について同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。
【0025】
この第2実施形態に係る赤外線通信装置は、側面発光型光ファイバ3を光学的に多角形状に接続することを特徴とする。この赤外線通信装置では、上述したように側面発光型光ファイバ3を中心軸を中心として回転させて、側面発光型光ファイバ3の側面から入射及び出射する赤外線光に対する指向性を制御するものであって、多角形状に側面発光型光ファイバ3を接続することにより、更に指向性を高めたものである。
【0026】
すなわち、この赤外線通信装置では、図3に示すように、複数の側面発光型光ファイバ3を三角形状とするように各側面発光型光ファイバ3の端面を接続し、各側面発光型光ファイバ3の端面を光学的に接続して構成される。又は、この赤外線通信装置では、図4に示すように、複数の側面発光型光ファイバ3を四角形状に配設し、各側面発光型光ファイバ3の端面を光学的に接続して構成される。
【0027】
このように構成された赤外線通信装置では、図示しない赤外線送受光素子4から何れかの側面発光型光ファイバ3の端面に赤外線光が入射された場合に、各側面発光型光ファイバ3の指向性を変更することで、更に広い範囲に赤外線光を出射させることができると共に、側面発光型光ファイバ3の指向性を変更して広い受信可能範囲として確実に受信をすることができる。
【0028】
したがって、この側面発光型光ファイバ3では、例えば室内などに複数の赤外線受信器や送信器が存在する場合や、赤外線受信器や送信器が移動する場合であっても確実に赤外線光の送受信を実現することができる。
【0029】
また、図3及び図4に示す赤外線通信装置では、各側面発光型光ファイバ3を手動又はモータによって独立して回転させるように構成されている。これにより、赤外線通信装置によれば、各側面発光型光ファイバ3の回転量を調整することにより、赤外線の通信範囲を調整することができる。
【0030】
なお、この赤外線通信装置では、各側面発光型光ファイバ3が回転した場合であっても、各側面発光型光ファイバ3間の中心軸が一致するするように構成することが望ましい。これにより、赤外線通信装置では、各側面発光型光ファイバ3にて安定して赤外線光を伝送することを可能とする。
【0031】
また、各側面発光型光ファイバ3の間には、側面発光型光ファイバ3の屈折率と同等の屈折率を有し、透明な液体又はゲル(インデックス・マッチングオイル)からなる挿入部材11を設けることが望ましい。これにより、赤外線通信装置では、挿入部材11により各側面発光型光ファイバ3間のエアギャップの発生を防止して確実に各側面発光型光ファイバ3間で赤外線を伝送することができ、側面発光型光ファイバ3の接続時に各側面発光型光ファイバ3間にエアギャップが発生して、各側面発光型光ファイバ3と空気の屈折率の相違によるフレネル反射損失を低減することができる。
【0032】
更に、この赤外線通信装置においては、挿入部材11としてレンズを組み込んだものや、接続される各側面発光型光ファイバ3のNAを調整をすることが望ましい。これにより、赤外線通信装置では、多くのモードの赤外線光を各側面発光型光ファイバ3にて伝送した場合、多くのモードの赤外線光が側面発光型光ファイバ3の受け入れコーンに入射されずに円錐形に分散されることによる損失を抑制することができる。
【0033】
更にまた、この第2実施形態に係る赤外線通信装置では、赤外線の通信に用いる場合のみならず、可視光を各側面発光型光ファイバ3に入射させることにより室内の照明用としても使用することができる。
【0034】
[第3実施形態]
つぎに、第3実施形態に係る赤外線通信装置について説明する。なお、上述の実施形態に係る赤外線通信装置と同様の部分について同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。
【0035】
第3実施形態に係る赤外線通信装置は、図5に示すように、図1に示したように側面発光型光ファイバ3が軸受け2a、2bによって回転軸を中心として回転可能な状態で支持している。また、この赤外線通信装置では、側面発光型光ファイバ3の側面に錘21を設けている。そして、この側面発光型光ファイバ3では、端面に設けられた赤外線送受光素子4からの赤外線光を反射材22によって反射することで赤外線光を出射する。
【0036】
このような赤外線通信装置を例えばノート型のパーソナルコンピュータ23に搭載した一例を図6を参照して説明すると、パーソナルコンピュータ23を設置面に対して平行に置いている場合には、赤外線通信装置は、パーソナルコンピュータ23と同じ設置面に置かれている赤外線受信器24に出射光L2を受信させることができる状態となる(図6(a))。これに対し、パーソナルコンピュータ23を設置面から傾けて置いた場合、錘21が側面発光型光ファイバ3の側面を赤外線受信器24に向けるように作用することで、赤外線受信器24から外れる出射光L2’から赤外線受信器24との間で通信可能な出射光L2となる。
【0037】
したがって、このような赤外線通信装置によれば、パーソナルコンピュータ23のような通信機器の傾いた場合であっても常に設置面に対して一定方向の指向性を保持することができ、容易且つ低コストで確実に赤外線受信器24に赤外線を受信させることができる。
【0038】
[第4実施形態]
つぎに、本発明を適用した第4実施形態に係る赤外線通信装置について説明する。なお、上述の実施形態に係る赤外線通信装置と同様の部分について同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。
【0039】
第4実施形態に係る赤外線通信装置は、第3実施形態に係る赤外線通信装置では錘21により側面発光型光ファイバ3の指向性を変更していたのに対し、磁石を用いて側面発光型光ファイバ3の指向性を変更することを特徴とする。なお、この第4実施形態に係る赤外線通信装置では、通信をする対象が移動体である場合に好適なものである。
【0040】
この赤外線通信装置は、図7に示すように、側面発光型光ファイバ3の径方向における中心軸の延長線上であって、側面発光型光ファイバ3の端面付近に設けられた赤外線送受光素子4から赤外線光が入射され、反射材22により反射する。本実施形態において、側面発光型光ファイバ3には、中心軸から反射材22を介した側面に磁石31が設けられる。
【0041】
これに対し、赤外線通信装置との通信対象となる移動体である通信機器には、磁石31と極性が同一又は異なっている磁石32及び赤外線送受光素子33が設けられている。これにより、通信機器は、赤外線通信装置の磁石31と磁石32とが反発又は吸着するように作用することになる。これにより、通信機器が図7(a)の状態から側面発光型光ファイバ3の配設位置に対して位置Aから位置Bに移動すると、図7(b)に示すように、側面発光型光ファイバ3を回転させることになる。
【0042】
このような動作をする赤外線通信装置によれば、移動体が移動して図7(a)に示す状態から図7(b)に示す状態となっても、反射材22と赤外線送受光素子33とを対向させることができ、容易且つ低コストで常に通信機器に対して赤外線光の送受信が可能な指向性とすることができる。
【0043】
[第5実施形態]
つぎに、本発明を適用した第5実施形態について説明する。なお、上述の実施形態に係る赤外線通信装置と同様の部分について同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。
【0044】
この第5実施形態では、図8に示すように、図1に示すような赤外線通信装置を内蔵した固定局41と、図1に示すような赤外線通信装置を内蔵した移動局42とにより構成された赤外線通信システムに係るものである。この赤外線通信システムにおいて、固定局41と移動局42とは、相互に赤外線光の通信が可能となっている。
【0045】
このような赤外線通信システムにおいて、移動局42が例えば所定速度にて移動すると、移動局42の移動速度と同期して、固定局41及び移動局42の側面発光型光ファイバ3を回転させて赤外線の送受信方向を変更する。
【0046】
具体的には、固定局41と移動局42との間の高さh、固定局41と移動局42とのなす角度Θ(Θ1〜Θ3)から、移動局42の移動距離Lは、下記の式1に示すように、
L=hTanΘ (式1)
で表現され、角度Θとの関係が図9に示すようになる。図9によれば、固定局41と移動局42とのなす角度Θが約+60度〜−60度以下であって小さいほど、移動距離Lは、下記の式2に示すように、
L=v・t=K・Θ (式2)
移動局42の速度:v、時間:t、比例定数:K
なる関係が成り立つ。そして、上記式2の両辺を微分すると
V’+V=K・ω
となり、移動局42の移動速度が一定であれば加速度V’=0となり、固定局41及び移動局42の側面発光型光ファイバ3の角速度ωが、移動局42の移動速度Lに比例することになる。
【0047】
このような赤外線通信システムにおける赤外線通信装置は、図10に示すように、側面発光型光ファイバ3を支持する軸受け2b付近に、駆動モータ51の駆動力を側面発光型光ファイバ3に伝達して側面発光型光ファイバ3を回転させる第1ギア52及び第2ギア53を備えている。また、この赤外線通信装置では、例えば移動局42を車両とした場合、図11に示すように、車速センサ61により検出した車速、駆動モータ51の回転数を検出するモータ回転数エンコーダ62の検出値に応じて、CPU63によって、駆動モータ(側面発光型光ファイバ駆動モータ)51を目標とする回転数に制御することになる。
【0048】
したがって、この赤外線通信システムでは、移動局42の移動速度Vに応じて固定局41及び移動局42に内蔵された側面発光型光ファイバ3の角速度ω及び回転方向を制御することにより、確実に固定局41の側面発光型光ファイバ3の指向性と移動局42の側面発光型光ファイバ3の指向性とを対向させることができ、各側面発光型光ファイバ3の端面に設けられた赤外線送受光素子4によって確実に赤外線光を送受信することが可能となる。
【0049】
なお、この赤外線通信システムでは、通信開始時に、固定局41の側面発光型光ファイバ3と移動局42の側面発光型光ファイバ3とが最適な状態にて対向し、移動局42の移動と各側面発光型光ファイバ3が回転とが同期可能となるように、図10に示すように、予め設定された一定の仰角とされた初期位置検知用の受光素子54を別途移動局42又は固定局41に設けることが望ましい。
【0050】
これにより、赤外線通信システムでは、移動局42に受光素子54を設けた場合、通信開始時に、固定局41の側面発光型光ファイバ3から発光して移動局42の受光素子54にて受光が可能となった状態をトリガとし、当該トリガが発生したときに固定局41の側面発光型光ファイバ3と移動局42の側面発光型光ファイバ3とが対向しているとする。そして、固定局41の側面発光型光ファイバ3及び移動局42の側面発光型光ファイバ3を一定の角速度で回転させると共に、移動局42を一定速度で移動させることで、確実に固定局41と移動局42とで通信を実現することができる。
【0051】
また、この第5実施形態に係る赤外線通信システムでは、図12に示すように、移動局42に移動体検出装置として光電素子71を設け、角度Θ3、Θ2ごとに光電素子71の光検出位置h1、h2が異なることを利用して移動局42の位置及び速度を検出しても良い。これにより、赤外線通信システムでは、固定局41及び移動局42の側面発光型光ファイバ3の回転角を制御して、確実に通信を実現することができる。
【0052】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【0053】
【発明の効果】
本発明に係る光通信装置によれば、通信時において、側面発光型導光体の中心軸を中心として回転させて、側面発光型導光体の指向性を変更させるので、指向性が異なる複数の発光素子や、複雑な構造を必要とすることなく、容易且つ低コストで光の指向性を制御することができる。
【0054】
本発明に係る光通信システムによれば、通信時では、移動局の移動に応じて、前記移動局の移動速度と前記固定局の側面発光型導光体及び前記移動局の側面発光型導光体の角速度とを同期して回転させて、前記固定局の側面発光型導光体と前記移動局の側面発光型導光体とを対向させることにより、複雑な構造を必要とすることなく、容易且つ低コストで光の指向性を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1実施形態に係る赤外線通信装置の構成を示す側面図である。
【図2】本発明を適用した第1実施形態に係る赤外線通信装置において、側面発光型光ファイバの指向性を変更させる動作について説明するための図である。
【図3】本発明を適用した第2実施形態に係る赤外線通信装置の一構成例を示す平面図である。
【図4】本発明を適用した第2実施形態に係る赤外線通信装置の他の構成例を示す平面図である。
【図5】本発明を適用した第3実施形態に係る赤外線通信装置における側面発光型光ファイバの構成を示す図である。
【図6】本発明を適用した第3実施形態に係る赤外線通信装置による作用を説明するための図である。
【図7】本発明を適用した第4実施形態に係る赤外線通信装置の構成及び作用を説明するための図である。
【図8】本発明を適用した第5実施形態に係る赤外線通信システムの構成及び動作を説明するための図である。
【図9】本発明を適用した第5実施形態に係る赤外線通信システムにおいて、移動局の移動距離と固定局の角度との関係を示す図である。
【図10】本発明を適用した第5実施形態に係る赤外線通信システムにおける固定局及び移動局に備えられる赤外線通信装置の構成を示す概略図である。
【図11】本発明を適用した第5実施形態に係る赤外線通信システムにおける固定局及び移動局に備えられる赤外線通信装置のブロック図である。
【図12】本発明を適用した第5実施形態に係る赤外線通信システムの他の構成及び動作を説明するための図である。
【符号の説明】
1 基板
2 軸受け
3 側面発光型光ファイバ
4 赤外線送受光素子
11 挿入部材
21 錘
22 反射材
23 パーソナルコンピュータ
24 赤外線受信器
31 磁石
32 磁石
33 赤外線送受光素子
41 固定局
42 移動局
51 駆動モータ
52 第1ギア
53 第2ギア
54 受光素子
60 約
61 車速センサ
62 モータ回転数エンコーダ
63 CPU
71 光電素子
【発明の属する技術分野】
本発明は、工場の組立ライン、配送設備、自動車や列車などの輸送機器と、固定局間との赤外線通信に用いて好適な光通信装置、光通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、赤外線通信の分野においては、通信範囲を制御する方式として下記の特許文献1〜3に記載された技術が知られている。
【0003】
特許文献1に記載された技術は、赤外線送受光素子の指向性の方向を変更するために本体に可動自在に組み込まれた可動部を備え、可動部に取り付けられた受光部の方向を上下、左右、斜めの全方向に駆動して、受光部の方向を変更している。
【0004】
また、特許文献2に記載された技術は、赤外線発光部の赤外線出射方向に光学素子を備え、当該光学素子の屈折や反射をコントローラにより制御することにより赤外線の到達距離と角度を調整するものである。
【0005】
更に、特許文献3に記載された技術は、赤外線送受光素子を複数並べ、駆動する赤外線送受光素子を切り換えることにより、赤外線の出射方向を変更するものである。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−322273号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平10−341209号公報
【0008】
【特許文献3】
特開平9−200139号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来の特許文献1に記載された技術では、可動部に取り付けられた受光部の方向を変更して指向性を制御しているので、赤外線を駆動するため受光部に取り付けられる電線が屈折しやすく、当該電線の断線が発生しやすくなったり、構造が複雑となってしまう。
【0010】
また、上述の従来の特許文献2に記載された技術では、コントローラにより光学素子の屈折や反射を制御すると、レンズや反射板などを機械的に制御する必要があり、精密な制御が必要となってしまう。
【0011】
更に、上述の従来の特許文献3に記載された技術では、複数の赤外線送受光素子を単純に切り換えるため、指向性が異なる複数の赤外線送受光素子が必要となり、装置として高価なものとなってしまう。
【0012】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、容易且つ低コストで赤外線の指向性を制御することができる光通信装置、光通信システムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光通信装置は、端面からの入射光を反射材により反射して、側面から入射光を出射すると共に、側面から入射した光を前記反射材により反射して端面に出射する側面発光型導光体と、前記側面発光型導光体の中心軸を中心として回転可能に、前記側面発光型導光体を支持する支持部材と、前記側面発光型導光体の端面に入射光を入射させると共に、前記側面発光型導光体の端面からの光を受光する送受光素子とを備える。そして、この光通信装置では、通信時において、前記側面発光型導光体を中心軸を中心として回転させて、前記側面発光型導光体の指向性が変更させることにより、上述の課題を解決する。
【0014】
本発明に係る光通信システムは、固定局と、当該固定局に対して移動する移動局とにより光通信をする光通信システムであって、前記固定局及び移動局は、端面からの入射光を反射材により反射して、側面から入射光を出射すると共に、側面から入射した光を前記反射材により反射して端面に出射する側面発光型導光体と、前記側面発光型導光体の中心軸を中心として回転可能に、前記側面発光型導光体を支持する支持部材と、前記側面発光型導光体の端面に入射光を入射させると共に、前記側面発光型導光体の端面からの光を受光する送受光素子とを備えたものとする。そして、この光通信システムにおいて、通信時では、前記移動局の移動に応じて、前記移動局の移動速度と前記固定局の側面発光型導光体及び前記移動局の側面発光型導光体の角速度とを同期して回転させて、前記固定局の側面発光型導光体と前記移動局の側面発光型導光体とを対向させることにより、上述の課題を解決する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態〜第5実施形態について図面を参照して説明する。
【0016】
[第1実施形態]
先ず、本発明を適用した第1実施形態に係る赤外線通信装置について説明する。
【0017】
この第1実施形態に係る赤外線通信装置は、図1に示すように、基板1上に軸受け2a、2bが設置され、当該軸受け2a、2bに挿通して側面発光型光ファイバ3が設けられている。また、この赤外線通信装置では、側面発光型光ファイバ3の両端面に赤外線送受光素子4a、4bが設けられている。
【0018】
この側面発光型光ファイバ3は、内部に光反射材が設けられ、赤外線送受光素子4a、4bが発光して端面から入射光L1が入射されると、光反射材により入射光L1を反射することで、出射光L2を側面から出射させる導光体として機能する。また、赤外線送受光素子4a、4bは、一方が赤外線発光用とされ、他方が赤外線受光用となっている。
【0019】
また、この側面発光型光ファイバ3は、軸受け2a、2bに支持されることで中心軸を中心として回転可能となっている。そして、この赤外線通信装置では、側面発光型光ファイバ3を手動又は図示しないモータによって回転させる制御をすることで、回転軸を中心として側面発光型光ファイバ3を回転させて、出射光L2の指向性を変更する。
【0020】
具体的には、側面発光型光ファイバ3の端面から入射した入射光L1を光反射材により反射させることで、図2(a)に側面発光型光ファイバ3の端面から見た様子を示すように、中心線に対して対称な出射範囲A1の出射光L2を出射させるのに対し、側面発光型光ファイバ3を回転させることで、図2(b)に示すように中心線に対して傾いた出射範囲A2の出射光L2を出射させることができる。
【0021】
また、この側面発光型光ファイバ3では、外部からの赤外線を入射して赤外線送受光素子4a、4bにより受光することで情報を図示しない電子機器に送る場合であっても、赤外線送出先に入射側面が回転される。これにより、側面発光型光ファイバ3では、入射する赤外線に対する指向性を変更して、内部の光反射材により赤外線送出先からの赤外線を反射して確実に赤外線送受光素子4a、4bにて光受信をする。
【0022】
このように第1実施形態に係る赤外線通信装置によれば、側面発光型光ファイバ3が固定されている場合であっても、側面発光型光ファイバ3を中心軸を中心として回転させることにより、側面発光型光ファイバ3の側面から出射する出射光L2の指向性を制御することや、側面発光型光ファイバ3の側面から入射する赤外線光の指向性を変化させることができる。
【0023】
したがって、この赤外線通信装置によれば、側面発光型光ファイバ3からの赤外線を受信する赤外線受信器や、側面発光型光ファイバ3に赤外線を送信する赤外線送信器が移動する場合であっても、容易且つ低コストで赤外線の指向性を制御して、通信を実現することができる。
【0024】
[第2実施形態]
つぎに、第2実施形態に係る赤外線通信装置について説明する。なお、上述の第1実施形態に係る赤外線通信装置と同様の部分について同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。
【0025】
この第2実施形態に係る赤外線通信装置は、側面発光型光ファイバ3を光学的に多角形状に接続することを特徴とする。この赤外線通信装置では、上述したように側面発光型光ファイバ3を中心軸を中心として回転させて、側面発光型光ファイバ3の側面から入射及び出射する赤外線光に対する指向性を制御するものであって、多角形状に側面発光型光ファイバ3を接続することにより、更に指向性を高めたものである。
【0026】
すなわち、この赤外線通信装置では、図3に示すように、複数の側面発光型光ファイバ3を三角形状とするように各側面発光型光ファイバ3の端面を接続し、各側面発光型光ファイバ3の端面を光学的に接続して構成される。又は、この赤外線通信装置では、図4に示すように、複数の側面発光型光ファイバ3を四角形状に配設し、各側面発光型光ファイバ3の端面を光学的に接続して構成される。
【0027】
このように構成された赤外線通信装置では、図示しない赤外線送受光素子4から何れかの側面発光型光ファイバ3の端面に赤外線光が入射された場合に、各側面発光型光ファイバ3の指向性を変更することで、更に広い範囲に赤外線光を出射させることができると共に、側面発光型光ファイバ3の指向性を変更して広い受信可能範囲として確実に受信をすることができる。
【0028】
したがって、この側面発光型光ファイバ3では、例えば室内などに複数の赤外線受信器や送信器が存在する場合や、赤外線受信器や送信器が移動する場合であっても確実に赤外線光の送受信を実現することができる。
【0029】
また、図3及び図4に示す赤外線通信装置では、各側面発光型光ファイバ3を手動又はモータによって独立して回転させるように構成されている。これにより、赤外線通信装置によれば、各側面発光型光ファイバ3の回転量を調整することにより、赤外線の通信範囲を調整することができる。
【0030】
なお、この赤外線通信装置では、各側面発光型光ファイバ3が回転した場合であっても、各側面発光型光ファイバ3間の中心軸が一致するするように構成することが望ましい。これにより、赤外線通信装置では、各側面発光型光ファイバ3にて安定して赤外線光を伝送することを可能とする。
【0031】
また、各側面発光型光ファイバ3の間には、側面発光型光ファイバ3の屈折率と同等の屈折率を有し、透明な液体又はゲル(インデックス・マッチングオイル)からなる挿入部材11を設けることが望ましい。これにより、赤外線通信装置では、挿入部材11により各側面発光型光ファイバ3間のエアギャップの発生を防止して確実に各側面発光型光ファイバ3間で赤外線を伝送することができ、側面発光型光ファイバ3の接続時に各側面発光型光ファイバ3間にエアギャップが発生して、各側面発光型光ファイバ3と空気の屈折率の相違によるフレネル反射損失を低減することができる。
【0032】
更に、この赤外線通信装置においては、挿入部材11としてレンズを組み込んだものや、接続される各側面発光型光ファイバ3のNAを調整をすることが望ましい。これにより、赤外線通信装置では、多くのモードの赤外線光を各側面発光型光ファイバ3にて伝送した場合、多くのモードの赤外線光が側面発光型光ファイバ3の受け入れコーンに入射されずに円錐形に分散されることによる損失を抑制することができる。
【0033】
更にまた、この第2実施形態に係る赤外線通信装置では、赤外線の通信に用いる場合のみならず、可視光を各側面発光型光ファイバ3に入射させることにより室内の照明用としても使用することができる。
【0034】
[第3実施形態]
つぎに、第3実施形態に係る赤外線通信装置について説明する。なお、上述の実施形態に係る赤外線通信装置と同様の部分について同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。
【0035】
第3実施形態に係る赤外線通信装置は、図5に示すように、図1に示したように側面発光型光ファイバ3が軸受け2a、2bによって回転軸を中心として回転可能な状態で支持している。また、この赤外線通信装置では、側面発光型光ファイバ3の側面に錘21を設けている。そして、この側面発光型光ファイバ3では、端面に設けられた赤外線送受光素子4からの赤外線光を反射材22によって反射することで赤外線光を出射する。
【0036】
このような赤外線通信装置を例えばノート型のパーソナルコンピュータ23に搭載した一例を図6を参照して説明すると、パーソナルコンピュータ23を設置面に対して平行に置いている場合には、赤外線通信装置は、パーソナルコンピュータ23と同じ設置面に置かれている赤外線受信器24に出射光L2を受信させることができる状態となる(図6(a))。これに対し、パーソナルコンピュータ23を設置面から傾けて置いた場合、錘21が側面発光型光ファイバ3の側面を赤外線受信器24に向けるように作用することで、赤外線受信器24から外れる出射光L2’から赤外線受信器24との間で通信可能な出射光L2となる。
【0037】
したがって、このような赤外線通信装置によれば、パーソナルコンピュータ23のような通信機器の傾いた場合であっても常に設置面に対して一定方向の指向性を保持することができ、容易且つ低コストで確実に赤外線受信器24に赤外線を受信させることができる。
【0038】
[第4実施形態]
つぎに、本発明を適用した第4実施形態に係る赤外線通信装置について説明する。なお、上述の実施形態に係る赤外線通信装置と同様の部分について同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。
【0039】
第4実施形態に係る赤外線通信装置は、第3実施形態に係る赤外線通信装置では錘21により側面発光型光ファイバ3の指向性を変更していたのに対し、磁石を用いて側面発光型光ファイバ3の指向性を変更することを特徴とする。なお、この第4実施形態に係る赤外線通信装置では、通信をする対象が移動体である場合に好適なものである。
【0040】
この赤外線通信装置は、図7に示すように、側面発光型光ファイバ3の径方向における中心軸の延長線上であって、側面発光型光ファイバ3の端面付近に設けられた赤外線送受光素子4から赤外線光が入射され、反射材22により反射する。本実施形態において、側面発光型光ファイバ3には、中心軸から反射材22を介した側面に磁石31が設けられる。
【0041】
これに対し、赤外線通信装置との通信対象となる移動体である通信機器には、磁石31と極性が同一又は異なっている磁石32及び赤外線送受光素子33が設けられている。これにより、通信機器は、赤外線通信装置の磁石31と磁石32とが反発又は吸着するように作用することになる。これにより、通信機器が図7(a)の状態から側面発光型光ファイバ3の配設位置に対して位置Aから位置Bに移動すると、図7(b)に示すように、側面発光型光ファイバ3を回転させることになる。
【0042】
このような動作をする赤外線通信装置によれば、移動体が移動して図7(a)に示す状態から図7(b)に示す状態となっても、反射材22と赤外線送受光素子33とを対向させることができ、容易且つ低コストで常に通信機器に対して赤外線光の送受信が可能な指向性とすることができる。
【0043】
[第5実施形態]
つぎに、本発明を適用した第5実施形態について説明する。なお、上述の実施形態に係る赤外線通信装置と同様の部分について同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。
【0044】
この第5実施形態では、図8に示すように、図1に示すような赤外線通信装置を内蔵した固定局41と、図1に示すような赤外線通信装置を内蔵した移動局42とにより構成された赤外線通信システムに係るものである。この赤外線通信システムにおいて、固定局41と移動局42とは、相互に赤外線光の通信が可能となっている。
【0045】
このような赤外線通信システムにおいて、移動局42が例えば所定速度にて移動すると、移動局42の移動速度と同期して、固定局41及び移動局42の側面発光型光ファイバ3を回転させて赤外線の送受信方向を変更する。
【0046】
具体的には、固定局41と移動局42との間の高さh、固定局41と移動局42とのなす角度Θ(Θ1〜Θ3)から、移動局42の移動距離Lは、下記の式1に示すように、
L=hTanΘ (式1)
で表現され、角度Θとの関係が図9に示すようになる。図9によれば、固定局41と移動局42とのなす角度Θが約+60度〜−60度以下であって小さいほど、移動距離Lは、下記の式2に示すように、
L=v・t=K・Θ (式2)
移動局42の速度:v、時間:t、比例定数:K
なる関係が成り立つ。そして、上記式2の両辺を微分すると
V’+V=K・ω
となり、移動局42の移動速度が一定であれば加速度V’=0となり、固定局41及び移動局42の側面発光型光ファイバ3の角速度ωが、移動局42の移動速度Lに比例することになる。
【0047】
このような赤外線通信システムにおける赤外線通信装置は、図10に示すように、側面発光型光ファイバ3を支持する軸受け2b付近に、駆動モータ51の駆動力を側面発光型光ファイバ3に伝達して側面発光型光ファイバ3を回転させる第1ギア52及び第2ギア53を備えている。また、この赤外線通信装置では、例えば移動局42を車両とした場合、図11に示すように、車速センサ61により検出した車速、駆動モータ51の回転数を検出するモータ回転数エンコーダ62の検出値に応じて、CPU63によって、駆動モータ(側面発光型光ファイバ駆動モータ)51を目標とする回転数に制御することになる。
【0048】
したがって、この赤外線通信システムでは、移動局42の移動速度Vに応じて固定局41及び移動局42に内蔵された側面発光型光ファイバ3の角速度ω及び回転方向を制御することにより、確実に固定局41の側面発光型光ファイバ3の指向性と移動局42の側面発光型光ファイバ3の指向性とを対向させることができ、各側面発光型光ファイバ3の端面に設けられた赤外線送受光素子4によって確実に赤外線光を送受信することが可能となる。
【0049】
なお、この赤外線通信システムでは、通信開始時に、固定局41の側面発光型光ファイバ3と移動局42の側面発光型光ファイバ3とが最適な状態にて対向し、移動局42の移動と各側面発光型光ファイバ3が回転とが同期可能となるように、図10に示すように、予め設定された一定の仰角とされた初期位置検知用の受光素子54を別途移動局42又は固定局41に設けることが望ましい。
【0050】
これにより、赤外線通信システムでは、移動局42に受光素子54を設けた場合、通信開始時に、固定局41の側面発光型光ファイバ3から発光して移動局42の受光素子54にて受光が可能となった状態をトリガとし、当該トリガが発生したときに固定局41の側面発光型光ファイバ3と移動局42の側面発光型光ファイバ3とが対向しているとする。そして、固定局41の側面発光型光ファイバ3及び移動局42の側面発光型光ファイバ3を一定の角速度で回転させると共に、移動局42を一定速度で移動させることで、確実に固定局41と移動局42とで通信を実現することができる。
【0051】
また、この第5実施形態に係る赤外線通信システムでは、図12に示すように、移動局42に移動体検出装置として光電素子71を設け、角度Θ3、Θ2ごとに光電素子71の光検出位置h1、h2が異なることを利用して移動局42の位置及び速度を検出しても良い。これにより、赤外線通信システムでは、固定局41及び移動局42の側面発光型光ファイバ3の回転角を制御して、確実に通信を実現することができる。
【0052】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【0053】
【発明の効果】
本発明に係る光通信装置によれば、通信時において、側面発光型導光体の中心軸を中心として回転させて、側面発光型導光体の指向性を変更させるので、指向性が異なる複数の発光素子や、複雑な構造を必要とすることなく、容易且つ低コストで光の指向性を制御することができる。
【0054】
本発明に係る光通信システムによれば、通信時では、移動局の移動に応じて、前記移動局の移動速度と前記固定局の側面発光型導光体及び前記移動局の側面発光型導光体の角速度とを同期して回転させて、前記固定局の側面発光型導光体と前記移動局の側面発光型導光体とを対向させることにより、複雑な構造を必要とすることなく、容易且つ低コストで光の指向性を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1実施形態に係る赤外線通信装置の構成を示す側面図である。
【図2】本発明を適用した第1実施形態に係る赤外線通信装置において、側面発光型光ファイバの指向性を変更させる動作について説明するための図である。
【図3】本発明を適用した第2実施形態に係る赤外線通信装置の一構成例を示す平面図である。
【図4】本発明を適用した第2実施形態に係る赤外線通信装置の他の構成例を示す平面図である。
【図5】本発明を適用した第3実施形態に係る赤外線通信装置における側面発光型光ファイバの構成を示す図である。
【図6】本発明を適用した第3実施形態に係る赤外線通信装置による作用を説明するための図である。
【図7】本発明を適用した第4実施形態に係る赤外線通信装置の構成及び作用を説明するための図である。
【図8】本発明を適用した第5実施形態に係る赤外線通信システムの構成及び動作を説明するための図である。
【図9】本発明を適用した第5実施形態に係る赤外線通信システムにおいて、移動局の移動距離と固定局の角度との関係を示す図である。
【図10】本発明を適用した第5実施形態に係る赤外線通信システムにおける固定局及び移動局に備えられる赤外線通信装置の構成を示す概略図である。
【図11】本発明を適用した第5実施形態に係る赤外線通信システムにおける固定局及び移動局に備えられる赤外線通信装置のブロック図である。
【図12】本発明を適用した第5実施形態に係る赤外線通信システムの他の構成及び動作を説明するための図である。
【符号の説明】
1 基板
2 軸受け
3 側面発光型光ファイバ
4 赤外線送受光素子
11 挿入部材
21 錘
22 反射材
23 パーソナルコンピュータ
24 赤外線受信器
31 磁石
32 磁石
33 赤外線送受光素子
41 固定局
42 移動局
51 駆動モータ
52 第1ギア
53 第2ギア
54 受光素子
60 約
61 車速センサ
62 モータ回転数エンコーダ
63 CPU
71 光電素子
Claims (7)
- 端面からの入射光を反射材により反射して、側面から入射光を出射すると共に、側面から入射した光を前記反射材により反射して端面に出射する側面発光型導光体と、
前記側面発光型導光体の中心軸を中心として回転可能に、前記側面発光型導光体を支持する支持部材と、
前記側面発光型導光体の端面に入射光を入射させると共に、前記側面発光型導光体の端面からの光を受光する送受光素子とを備え、
前記側面発光型導光体を中心軸を中心として回転させて、前記側面発光型導光体の指向性が変更されることを特徴とする光通信装置。 - 前記側面発光型導光体の端面同士を挿入部材により多角形状に接続して、複数の前記側面発光型導光体からなるものとし、各側面発光型導光体を独立して回転可能としたことを特徴とする請求項1に記載の光通信装置。
- 前記側面発光型導光体の側面に錘を設け、
前記錘は、前記支持部材の配設傾きに応じて、前記側面発光型導光体の指向性を、通信対象である光通信器に向けるように作用することを特徴とする請求項1に記載の光通信装置。 - 前記側面発光型導光体の側面に磁石を設け、
前記磁石は、通信対象である光通信器に設けられた磁石によって、前記光通信器の移動に応じて前記側面発光型導光体を回転させて、前記側面発光型導光体の指向性を前記光通信器に向けるように作用することを特徴とする請求項1に記載の光通信装置。 - 固定局と、当該固定局に対して移動する移動局とにより光通信をする光通信システムにおいて、
前記固定局及び前記移動局は、端面からの入射光を反射材により反射して、側面から入射光を出射すると共に、側面から入射した光を前記反射材により反射して端面に出射する側面発光型導光体と、前記側面発光型導光体の中心軸を中心として回転可能に、前記側面発光型導光体を支持する支持部材と、前記側面発光型導光体の端面に入射光を入射させると共に、前記側面発光型導光体の端面からの光を受光する送受光素子とを備え、
前記移動局の移動に応じて、前記移動局の移動速度と前記固定局の側面発光型導光体及び前記移動局の側面発光型導光体の角速度とを同期して回転させて、前記固定局の側面発光型導光体と前記移動局の側面発光型導光体とを対向させることを特徴とする光通信システム。 - 前記移動局又は前記固定局に、前記移動局の側面発光型導光体と前記固定局の側面発光型導光体とが対向する仰角に設置された受光素子を設け、
前記受光素子が前記移動局又は前記固定局の側面発光型導光体の光を受光したことに応じて、前記移動局の移動を開始させることを特徴とする請求項5に記載の光通信システム。 - 前記移動局は、前記固定局からの光を受光して、移動位置を検知する光電素子を設けたことを特徴とする請求項5に記載の光通信システム。
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KR101936271B1 (ko) * | 2016-10-10 | 2019-01-08 | 오학서 | 자동 반송 시스템의 선로 가이드 제어 장치 및 그 방법 |
TWI674229B (zh) * | 2017-12-08 | 2019-10-11 | 吳學瑞 | 自動搬運系統的線路引導控制裝置及其方法 |
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- 2003-04-11 JP JP2003107314A patent/JP2004320101A/ja active Pending
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