JP2004319082A - 情報処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム - Google Patents

情報処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム Download PDF

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貴士 古川
Masaki Hirose
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尊良 河村
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元宏 寺尾
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Abstract

【課題】ベリファイ処理を実行してデータを記録する場合、ユーザが所望する記録レートを確保しつつ、記録データの信頼性も高めることができるようにする。
【解決手段】フルレゾリューションビデオデータ111、フルレゾリューションオーディオデータ、およびローレゾリューションデータのそれぞれに対して優先度が設定される。そして、その優先度に基づいて、記録メディアに記録されるAVデータの中から、ベリファイ処理の対象となる対象データが設定される。本発明は、例えば、カムコーダ等、データをリアルタイムにメディアに記録させる記録装置に適用可能である。
【選択図】図18

Description

本発明は、情報処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラムに関し、特に、ベリファイ処理を実行してデータを記録する場合、ユーザが所望する記録レートを確保しつつ、記録データの信頼性も高めることができるようにした情報処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラムに関する。
近年、大容量のデータ、例えば、画像データと、それに対応する音声データ(このようなデータを、以下、AV(Audio-Visual)データと称する)を、リアルタイムにメディアに記録する情報処理装置として、例えば、カムコーダが普及している。
このようなカムコーダ(特に、放送業務用のカムコーダ)には、その特性上、高いビットレート(記録レート)での記録と、記録されたデータの信頼性が同時に要求されることが多い。
そこで、従来、カムコーダは、AVデータをメディアに記録する場合、記録データの信頼性を高めるために、AVデータを所定のデータサイズを単位としてメディアに順次書き込み、直前に書き込んだ1単位あたりのデータを再び読み出して、エラーのチェック(正常に記録されていることのチェック)を行い、エラーを検出したときには、直前に書き込んだ1単位あたりのデータを再度書き込む(リトライする)処理を実行することが多い。
なお、このような一連の処理は、一般的にベリファイ処理と称されており、本明細書においてもそのように称する。ベリファイ処理については、例えば、特許文献1に開示されている。
特開平11−53845号公報
しかしながら、上述したように、ベリファイ処理には、メディアに一度書き込まれたAVデータを、メディアから再度読み出す処理が必須であり、このため、AVデータの実際の記録時間は、AVデータの書き込み時間に、ベリファイ処理のためのAVデータの読み出し時間が加えられた時間となる。
従って、従来、カムコーダが、ベリファイ処理を実行してAVデータを記録する場合、その実質上の記録レートは、カムコーダ自信の性能で決定されるメディア転送レートに比べて低くなり(即ち、カムコーダが有する性能を充分に発揮できず)、ユーザが所望する記録レートまで至らないことが多々あるという第1の課題がある。
メディア転送レートとは、理想的な状態で、データが、カムコーダ等の記録装置から記録メディアに転送されたり(記録メディアに書き込まれたり)、記録メディアから記録装置に転送されたり(記録メディアから読み出されたり)するときのビットレートであり、各記録装置毎に、その能力に応じてメディア転送レートが決められている。
換言すると、カムコーダは、本来(ベリファイ処理を実行しない理想的な状態では)、メディア転送レートでAVデータを記録する能力(以下、このような能力を、ピックアップ帯域と称する)を有している。従って、ユーザが所望する記録レートがメディア転送レートよりも低い場合、カムコーダが、ベリファイ処理を実行せずに、ユーザが所望する記録レートでAVデータをメディアに記録すると、ピックアップ帯域に余裕ができる。そこで、この余裕を利用することで、ベリファイ処理の実行(即ち、AVデータの読み出し処理)が可能になる。
しかしながら、従来、多くのカムコーダは、これから記録する全てのデータに対してベリファイ処理を実行しているので、例えば、書き込みレートと読み出しレートがメディア転送レートと同一であるとされると、ピックアップ帯域を、書き込み処理と読み出し処理のそれぞれにほぼ均等に配分しなければならない。即ち、カムコーダは、ピックアップ帯域のほぼ半分を読み出し処理に割り当てなければならず(ピックアップ帯域のほぼ半分を余裕分として確保しなければならず)、このため、実質上の記録レートを、メディア転送レートの半分以下にする必要がある。
これにより、ユーザが所望する記録レートでAVデータをリアルタイムに記録できない恐れが生じてしまうという第1の課題が発生してしまう。
以上、説明したような第1の課題は、カムコーダのみならず、ベリファイ処理を実行してデータ(AVデータに特に限定されない)を記録する、従来の記録装置の全てが有する課題である。
さらに、図1乃至図3を参照して、第1の課題について具体的に説明する。
図1は、従来の記録装置(例えば、カムコーダ)が、記録メディアに記録させるAVデータの構成例を表している。
例えば、いま、従来の記録装置が、図1に示されるように、AVデータ1を、所定のデータサイズを単位として区分し、即ち、所定のデータサイズを有する領域(図1には、それらの領域のうちの、2つの領域aと領域bが図示されている)に区分し、区分した領域毎に、ベリファイ処理を実行して記録するとする。
この場合、領域aと領域bのそれぞれは、図2に示されるタイミングで、記録メディアに記録されることになる。即ち、図2は、従来の記録装置の、ベリファイ処理を伴う記録の処理を説明するタイミングチャートを表している。
図2において、図中上から順に、書き込みのタイミングを表すタイミングチャート、シーク時間のタイミングを表すタイミングチャート、および、ベリファイ処理のための読み出しのタイミングを表すタイミングチャートが示されている。また、それらのタイミングチャートの下方に、時間軸が示されている。
なお、一般的には、ディスクメディアの特定アドレスにヘッダを移動することを、シークと称しているが、本明細書においては、記録メディアの特定アドレスにアクセスする動作を、シークと便宜上称することにする。
図2に示されるように、従来の記録装置は、はじめに、略時刻t1から略時刻t2までの時間Tw(以下、他の時間と区別するため、書き込み時間Twと称する)[s]の間に、領域aを記録メディアに書き込む。そして、従来の記録装置は、略時刻t2から略時刻t3までのシーク時間Tn[s]の間に、シークを行い(記録メディアに記録された領域aの先頭アドレスにアクセスし)、略時刻t3から略時刻t4の時間Tr(以下、他の時間と区別するために、読み出し時間Trと称する)[s]の間に、領域aを記録メディアから読み出し、エラーチェックする(ベリファイ処理を実行する)。
従来の記録装置は、ベリファイ処理により領域aにエラーがないことを確認すると、略時刻t4から略時刻t5までの書き込み時間Tw[s]の間に、領域bを記録メディアに書き込み、略時刻t5から略時刻t6までのシーク時間Tn[s]の間に、シークを行い、略時刻t6から略時刻t7の読み出し時間Tr[s]の間に、領域bを読み出す(ベリファイ処理を実行する)。
従って、領域aと領域bが実際に記録されるのに要する時間TS(以下、他の時間と区別するために、記録時間と称する)[s]は、次の式(1)で表される。
Ts = Tw + Tr + Tn ・・・(1)
ここで、例えば、メディア転送レートをRm[bps]と、領域aと領域bの各サイズをSn[bit]と、それぞれ記述すると、上述したように、いまの場合、書き込みレートと読み出しレートはメディア転送レートRm[bps]に等しいので、式(1)は、さらに次の式(2)のように表される。
Ts = Sn/Rm + Sn/Rm + Tn ・・・(2)
図3を参照して、従来の記録装置の、ベリファイ処理を伴う記録の処理についてさらに説明する。即ち、図3は、従来の記録装置の、ベリファイ処理を伴う記録の処理を説明する他の図を表している。
図3において、図中水平方向の軸は、図2の時間軸と対応する時間軸を表している。図中左側の垂直方向の軸は書き込みデータサイズを表しており、図中右側の垂直方向の軸は読み出しデータサイズを表している。
なお、図3においては、データの書き込みが「プラス」で表されている。即ち、データの読み込みは「マイナス」で表される。
図3の書き込みデータサイズの軸と時間軸からなる座標系において、点(t1,0)(原点)から点(t2,Sn)に引かれた矢印で示されるように、略時刻t1から略時刻t2までの書き込み時間Twの間に、一定の書き込みレート(=メディア転送レート)Rm[bps]で、データサイズSn[bit]の領域a内のデータが記録メディアに書き込まれていく。即ち、点(t1,0)から点(t2,Sn)に引かれた矢印の傾き(=Sn/Tw)が、書き込みレートRm[bps]を表すことになる。
次に、図3の書き込みデータサイズの軸と時間軸からなる座標系において、点(t2,Sn)から点(t3,Sn)に引かれた矢印で示されるように、略時刻t2から略時刻t3までのシーク時間Tn[s]の間に、シークが行われる。即ち、この間、データの読み書きは行われない。
そして、図3の書き込みデータサイズの軸と時間軸からなる座標系において、点(t3,Sn)から点(t4,0)に引かれた矢印(図3の読み出しデータサイズの軸と時間軸からなる座標系において、点(t3,0)から点(t4,-Sn)に引かれた矢印)で示されるように、略時刻t3から略時刻t4までの読み出し時間Trの間に、ベリファイ処理のために、一定の読み出しレート(=メディア転送レート)Rm[bps]で、データサイズSn[bit]の領域a内のデータが記録メディアから読み出されていく。即ち、点(t3,Sn)から点(t4,0)に引かれた矢印の傾き(-Rm=-Sn/Tr)の絶対値が、ベリファイ処理における読み出しレートRm[bps]を表すことになる。
このように、いまの場合、書き込みレートと読み出しレートはメディア転送レートRm[bps]に等しく、かつ、読み出されるデータサイズは領域aのデータサイズSn[bit]と等しい(即ち、領域aの全てのデータが読み出される)ので、書き込み時間Tw[s]と読み出し時間Tr[s]は等しくなる。従って、上述した式(2)で表されるように、領域aの実質上の記録時間Ts[s]は、シーク時間Tn[s]を無視したとしても、書き込み時間Tw[s]の2倍の時間がかかってしまうことになる。
換言すると、領域aの実質上の記録レートは、メディア転送レートRm[bps]の半分以下(シーク時間Tn[s]を無視すると半分)になってしまう。具体的には、図3の書き込みデータサイズの軸と時間軸からなる座標系において、点(t1,0)(原点)から点(t4,Sn)に引かれた矢印の傾きRsが、領域aの実質上の記録レートを表すことになる。即ち、領域aの実質上の記録レートRs[bps]は、次の式(3)で表される。
Rs = Sn/(Sn/Rm + Sn/Rm + Tn) ・・・(3)
より具体的には、例えば、書き込みレートと読み出しレートがメディア転送レートRmに等しく70[Mbps]とされると、ストリームレート(即ち、記録レート)の最高値は、式(3)より35[Mbps]より小さい値となる(シーク時間Tnを無視すると35[Mbps]となる)。この場合、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group) IMX50のAVデータ(ビデオ(動画像)データと、それに対応する5.1チャンネルのオーディオデータ)のストリームレートは、56[Mbps]に規定されているので、従来の記録装置では、MPEG IMX50のAVデータを、リアルタイム、かつベリファイ処理を実行して、光ディスクに記録することができないことになる。
このように、従来の記録装置は、ベリファイ処理を実行してデータを記録する場合、その最大記録レートをメディア転送レートより落とさなければならず(例えば、書き込みレートと読み出しレートがメディア転送レートに等しい場合、メディア転送レートの約1/2のレートに落とさなければならず)、ユーザが所望する記録レートではデータを記録することができなくなってしまうことが多々あるといった、上述した第1の課題を有している。
そこで、特許文献1においては、第1の課題を解決するための一手法として、特定のデータフォーマットに対してベリファイ処理を実行するデータを予め決めておくという手法が開示されている。
なお、以下、ベリファイ処理が実行されるデータ、即ち、記録されるデータのうちの、ベリファイ処理の対象となる対象データを、ベリファイ対象と称する。
しかしながら、特許文献1のような手法では、ベリファイ対象は固定的となるため、最大記録レートは、メディア転送レートと、固定的なベリファイ対象のデータサイズに依存し(即ち、固定的になり)、たとえ、ユーザがそれ以上の記録レートを要望したとしても、その要望に応えることができない。即ち、特許文献1に開示されたような手法では、第1の課題を充分に解決しているとは言い難い。
さらに、記録装置自身の能力が高い場合(即ち、メディア転送レートが高い場合)、本来、上述したピックアップ帯域のうちの、ベリファイ処理(読み出し処理)に割り当てる余裕分が多くなるにも関わらず(即ち、より多くのデータをベリファイ対象とすることが可能となるにも関わらず)、特許文献1に開示されたような手法では、ベリファイ対象は固定的であるため(ベリファイ対象をさらに増やすことができないため)、増加した余裕分は使用されないまま残ってしまうことになる。即ち、特許文献1に開示されたような手法では、ピックアップ帯域の余裕分を最大限に利用することができない。
従って、特許文献1に開示されたような手法では、記録装置自身の能力の大きさに関わらず、記録メディアに記録されたデータの信頼性も固定的となり、データの信頼性をそれ以上高めることができないという第2の課題が発生してしまう。
換言すると、特許文献1に開示されたような手法では、最大記録レートと記録データの信頼性のいずれも固定的であり、ユーザは、固定された最大記録レートより高い記録レートを選択することができず(選択の幅が狭く)、一方、たとえ記録レートを下げる設定を施したとしても、データの信頼性を高めることはできない。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ベリファイ処理を実行してデータを記録する場合、ユーザが所望する記録レートを確保しつつ、記録データの信頼性も高めることができるようにするものである。
本発明の情報処理装置は、画像データまたは音声データと、ローレゾリューションデータとのそれぞれに対して優先度を設定する優先度設定手段と、優先度設定手段により設定された優先度に基づいて、記録されるデータの中から、ベリファイ処理の対象となる対象データを設定するベリファイ対象設定手段と、記録されるデータのうちの、ベリファイ対象設定手段により設定された対象データに対するベリファイ処理を制御するベリファイ制御手段とを備えることを特徴とする。
優先度設定手段には、画像データまたは音声データに比べて、ローレゾリューションデータの優先度が低くなるように、優先度を設定させる。
優先度設定手段には、画像データに比べて、その画像データのローレゾリューションデータの優先度が高くなるとともに、音声データに比べて、その音声データのローレゾリューションデータの優先度が低くなるように、優先度を設定させる。
優先度設定手段には、ベリファイ処理の実行が可能なデータサイズから、ベリファイ対象設定手段により対象データとして既に設定されたデータの総計のデータサイズを減算したデータサイズに基づいて、ベリファイ対象設定手段により対象データとしてまだ設定されていない未設定データの優先度を更新させ、ベリファイ対象設定手段は、優先度設定手段により更新された優先度に基づいて、未設定データの中から、対象データとして設定可能なものを、対象データとしてさらに設定させる。
優先度設定手段には、ベリファイ対象設定手段により対象データとしてまだ設定されていない未設定データの優先度を、そのデータサイズに基づいて更新し、ベリファイ対象設定手段は、優先度設定手段により更新された優先度に基づいて、未設定データの中から、対象データとして設定可能なものを、対象データとしてさらに設定させる。
本発明の情報処理方法は、画像データまたは音声データと、ローレゾリューションデータとのそれぞれに対して優先度を設定する優先度設定ステップと、優先度設定ステップの処理により設定された優先度に基づいて、記録されるデータの中から、ベリファイ処理の対象となる対象データを設定するベリファイ対象設定ステップと、記録されるデータのうちの、優先度設定ステップの処理により設定された対象データに対するベリファイ処理を制御するベリファイ制御ステップとを含むことを特徴とする。
本発明の記録媒体に記録されているプログラムは、画像データまたは音声データと、ローレゾリューションデータとのそれぞれに対して優先度を設定する優先度設定ステップと、優先度設定ステップの処理により設定された優先度に基づいて、記録されるデータの中から、ベリファイ処理の対象となる対象データを設定するベリファイ対象設定ステップと、記録されるデータのうちの、ベリファイ対象設定ステップの処理により設定された対象データに対するベリファイ処理を制御するベリファイ制御ステップとを含むことを特徴とする。
本発明のプログラムは、画像データまたは音声データと、ローレゾリューションデータとのそれぞれに対して優先度を設定する優先度設定ステップと、優先度設定ステップの処理により設定された優先度に基づいて、記録されるデータの中から、ベリファイ処理の対象となる対象データを設定するベリファイ対象設定ステップと、記録されるデータのうちの、ベリファイ対象設定ステップの処理により設定された対象データに対するベリファイ処理を制御するベリファイ制御ステップとを含むことを特徴とする。
本発明の情報処理装置および方法、記録媒体、並びに、プログラムにおいては、画像データまたは音声データと、ローレゾリューションデータとのそれぞれに対して優先度が設定され、その優先度に基づいて、記録されるデータの中から、ベリファイ処理の対象となる対象データが設定される。記録されるデータのうちの、対象データに対するベリファイ処理が制御される。
本発明の情報処理装置は、自分自身に搭載された記録媒体、または、自分自身に装着された記録媒体に対するデータの記録を制御する装置であってもよいし、他の情報処理装置に搭載された記録媒体、または、他の情報処理装置に装着された記録媒体の記録を制御する装置であってもよい。この場合、例えば、本発明の情報処理装置は、ネットワークを介して他の情報処理装置に対して記録の制御を行ってもよい。
また、本発明の情報処理装置は、単にデータの記録を制御する装置であってもよいし、データの記録と再生を制御する装置であってもよい。或いは、本発明の情報処理装置は、データの記録や再生の制御の機能のみならず、さらに他の機能(例えば、記録が制御されたデータを送信したり、受信したりする機能)を有してもよい。
本発明によれば、ベリファイ処理を実行してデータをリアルタイムにメディアに記録することができる。特に、本発明によれば、ユーザが所望する記録レートを確保しつつ、記録データの信頼性も高めることができるようにするものである。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、請求項に記載の構成要件と、発明の実施の形態における具体例との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、請求項に記載されている発明をサポートする具体例が、発明の実施の形態に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の実施の形態中には記載されているが、構成要件に対応するものとして、ここには記載されていない具体例があったとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、具体例が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
さらに、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明が、請求項に全て記載されていることを意味するものではない。換言すれば、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明であって、この出願の請求項には記載されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により追加される発明の存在を否定するものではない。
請求項1に記載の情報処理装置は、画像データまたは音声データと、前記画像データまたは音声データと同一内容でデータ量の少ないローレゾリューションデータとを含むデータの記録を制御する情報処理装置において、前記画像データまたは音声データと、前記ローレゾリューションデータとのそれぞれに対して優先度を設定する優先度設定手段(例えば、図10の優先度設定部62)と、前記優先度設定手段により設定された前記優先度に基づいて、記録される前記データの中から、ベリファイ処理の対象となる対象データを設定するベリファイ対象設定手段(例えば、図10のベリファイ対象設定部63)と、記録される前記データのうちの、前記ベリファイ対象設定手段により設定された前記対象データに対する前記ベリファイ処理を制御するベリファイ制御手段(例えば、図10の記録およびベリファイ実行部64)とを備えることを特徴とする。
請求項4に記載の情報処理装置においては、前記優先度設定手段は、前記ベリファイ処理の実行が可能なデータサイズ(例えば、図20のベリファイ可能量141)から、前記ベリファイ対象設定手段により前記対象データとして既に設定されたデータの総計のデータサイズ(例えば、図20のベリファイ設定量151)を減算したデータサイズ(例えば、図20のベリファイ未設定量152)に基づいて、前記ベリファイ対象設定手段により前記対象データとしてまだ設定されていない未設定データの前記優先度を更新し(例えば、図21のステップS66)、前記ベリファイ対象設定手段は、前記優先度設定手段により更新された前記優先度に基づいて、前記未設定データの中から、前記対象データとして設定可能なものを、前記対象データとしてさらに設定する(例えば、図21のステップS67乃至ステップS73の処理を実行する)ことを特徴とする。
請求項5の情報処理装置においては、前記優先度設定手段は、前記ベリファイ対象設定手段により前記対象データとしてまだ設定されていない未設定データの前記優先度を、そのデータサイズ(例えば、図20の所定のノードの総データ量161)に基づいて更新し、前記ベリファイ対象設定手段は、前記優先度設定手段により更新された前記優先度に基づいて、前記未設定データの中から、前記対象データとして設定可能なものを、前記対象データとしてさらに設定する(例えば、図21のステップS67乃至S73の処理を実行する)ことを特徴とする。
請求項6の情報処理方法は、画像データまたは音声データと、前記画像データまたは音声データと同一内容でデータ量の少ないローレゾリューションデータとを含むデータの記録を制御する情報処理方法において、前記画像データまたは音声データと、前記ローレゾリューションデータとのそれぞれに対して優先度を設定する優先度設定ステップ(例えば、図21のステップS65)と、前記優先度設定ステップの処理により設定された前記優先度に基づいて、記録される前記データの中から、ベリファイ処理の対象となる対象データを設定するベリファイ対象設定ステップ(例えば、図21のステップS68)と、記録される前記データのうちの、前記優先度設定ステップの処理により設定された前記対象データに対する前記ベリファイ処理を制御するベリファイ制御ステップ(例えば、図15のステップS45)とを含むことを特徴とする。
請求項7の記録媒体のプログラムおよび請求項8のプログラムの各ステップの具体例も、請求項6の情報処理方法の各ステップの発明の実施の形態における具体例と同様である。
図4は、本実施の形態が適用される情報処理装置としての記録再生装置の構成例を表している。
圧縮部21には、記録対象の信号(入力信号)が入力される。入力信号の種類は、特に限定されないが、ここでは、例えば、画像信号と、それに対応する音声信号(このような信号を、上述したAVデータに対応させて、以下、AV信号と称する)とされる。
圧縮部21は、入力信号がアナログ信号であった場合、AV信号を、A/D変換(Analog to Digital変換)し、所定のフォーマット(例えば、MPEG等)に従って符号化する。これに対して、入力されたAV信号がデジタル信号であった場合、圧縮部21は、入力されたAV信号をそのまま、所定のフォーマット(例えば、MPEG等)に従って符号化する。なお、以下、圧縮部21が実行する符号化を、他の符号化と区別するために、圧縮符号化と適宜称する。圧縮部21は、圧縮符号化の結果得られる符号化データを、ビットストリームとして入力バッファ部22に出力する。
入力バッファ部22は、圧縮部21から供給される符号化データを一時記憶する。
メディアドライブ23は、入力バッファ部22に記憶された符号化データを読み出して、記録メディア30に記録させる。また、メディアドライブ23は、記録メディア30に記録された符号化データを読み出して、出力バッファ部24に供給する。
詳細には、メディアドライブ23において、エラー訂正符号付加部41は、入力バッファ部22に記憶された符号化データを読み出し、その符号化データを所定の単位に区切ってエラー訂正符号(ECC(Error Check Code))を付加することにより得られるECCブロック単位の符号化データを、チャネル符号化部42に供給する。なお、このようなエラー訂正符号付加部41の処理は、ECCエンコードとも称されているので、以下、エラー訂正符号付加部41を、ECCエンコード部41とも称する。
チャネル符号化部42は、エラー訂正符号付加部41から供給されるECCブロック単位の符号化データをチャネル符号化し、その結果得られるチャネル符号化データを、データ読み書き部43に供給する。
データ読み書き部43は、例えば、図示せぬ光ピックアップとその制御系などから構成され、チャネル符号化部42から供給されるチャネル符号化データを、例えば、光ディスクなどの記録メディア30に書き込む。また、データ読み書き部43は、記録メディア30に記録されたチャネル符号化データを読み出し、チャネル復号部44に供給する。
チャネル復号部44は、データ読み書き部43から供給されるチャネル符号化データをチャネル復号し、その結果得られるECCブロック単位の符号化データを、エラー訂正部45に供給する。チャネル復号部44は、チャネル符号化データのチャネル復号時に、そのチャネル符号化データのエラー検出を行い、エラーを検出した場合には、そのことを表すエラー信号をシステム制御部26に供給する。
エラー訂正部45は、チャネル復号部44から供給されるECCブロック単位の符号化データについて、ECCを用いたエラー訂正処理を行い、そのエラー訂正処理後の符号化データを、出力バッファ部24に供給する。また、エラー訂正部45は、符号化データに訂正できないエラーが生じた場合には、そのことを表すエラー信号を、システム制御部26に供給する。なお、このようなエラー訂正部45の処理は、ECCデコードとも称されているので、以下、エラー訂正部45を、ECCデコード部45とも称する。
出力バッファ部24は、エラー訂正部45から供給される符号化データを一時記憶する。
伸長部25は、出力バッファ部24に記録された符号化データを読み出し、その符号化データをAVデータに伸長し、外部に出力する(デジタルのAV信号として出力する)。或いは、伸長部25は、必要に応じて、伸長した結果得られるAVデータに対してD/A変換を施して、アナログのAV信号として外部に出力する。
システム制御部26は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などで構成され、記録再生装置全体を制御する。
具体的には、例えば、システム制御部26は、ベリファイ処理を伴う、記録メディア30に符号化データを記録させる処理の実行を制御する。
即ち、システム制御部26は、入力バッファ部22に記憶された符号化データを所定のデータサイズ毎に区分し、メディアドライブ23が、区分した領域(所定のデータサイズを有する符号化データ)毎に記録メディア30に書き込むように制御する。
システム制御部26は、ベリファイ処理のために、メディアドライブ23(データ読み書き部43)が、その直前に記録メディア30に記録した領域のうちの少なくとも一部分を読み出す(いずれの部分を読み出すかについては後述する)ように制御する。
そして、メディアドライブ23(チャネル復号部44、若しくは、エラー訂正部45)、または、後述するデータ比較部29が、データ読み書き部43より読み出されたデータに対してエラーチェックを行った結果として、エラー信号をシステム制御部26に供給してきた場合、即ち、その直前に記録メディア30に記録された領域(所定のデータサイズ毎に区分された符号化データのうちの、その直前に記録されたデータ)にエラーが生じ、正常に再生することができない場合、システム制御部26は、メディアドライブ23が、エラーが生じている領域を記録メディア30に再度書き込むように(リトライ処理を実行するように)制御する。
このようにして、システム制御部26は、ベリファイ処理を伴う、データの記録の処理の実行を制御することができる。
入出力部27は、例えば、タッチパネル等で構成され、ユーザからの入力をシステム制御部26に供給し、また、システム制御部26から供給される情報を、例えば、画像として出力する。勿論、入出力部27は、1つの機器で構成する必要はなく、例えば、キーボードのような入力機器と、ディスプレイのような出力機器といった、2以上の機器で構成してもよい。また、入出力部27の出力形態は、画像の表示に限定されず、その他、例えば、音声の出力等、様々な出力形態が可能である。
記憶部28は、図示はしないが、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、若しくは、ハードディスク等で構成され(または、それらの組み合わせとして構成され)、システム制御部26が各種処理を実行するために必要な情報(プログラム含む)を記憶する。
即ち、システム制御部26は、ROMに記録されているプログラム、またはハードディスク等からRAMにロードされたプログラムに従って各種の処理の実行を制御する。このRAMにはまた、システム制御部26が各種の処理の実行を制御する上において必要なデータなども適宜記憶される。
なお、システム制御部26がベリファイ処理の実行を制御する上において必要なデータについては、図10のブロック図を参照して後述する。
データ比較部29は、入力バッファ部22に記憶された符号化データと、出力バッファ部24に記憶された符号化データとを比較し、その一致性を判定することによって、入力バッファ部22に記憶された符号化データが、エラーがなく正常に記録メディア30に記録されたか否かを判定する。そして、データ比較部29は、入力バッファ部22に記憶された符号化データにエラーが生じていると判定した場合、即ち、入力バッファ部22に記憶された符号化データと、その符号化データに対応する、記録メディア30から読み出され、出力バッファ部24に記憶された符号化データとが一致しない場合、記録エラーが生じたことを表すエラー信号を、システム制御部26に供給する。
換言すると、図4の記録再生装置においては、データ比較部29がエラーチェックを行うベリファイ処理と、メディアドライブ23(エラー訂正部45若しくはチャネル復号部44)がエラーチェックを行うベリファイ処理のそれぞれの実行が可能とされている。
なお、以下、データ比較部29がエラーチェックを行うベリファイ処理を、他のベリファイ処理と区別する必要がある場合、特にコンペアベリファイ処理と称する。また、メディアドライブ23(エラー訂正部45若しくはチャネル復号部44)がエラーチェックを行うベリファイ処理を、他のベリファイ処理と区別する必要がある場合、リードベリファイ処理と称する。
即ち、コンペアベリファイ処理では、記録メディア30に書き込む前のデータ(このようなデータを、以下、書き込みデータと称する)と、その書き込みデータを記録メディア30に書き込んで読み出したデータ(このようなデータを、以下、読み出しデータと称する)とを比較し、書き込みデータと読み出しデータの内容が一致しているか否かを確認するエラーチェックが行われる。
これに対して、リードベリファイ処理では、読み出しデータが信号として正常であるか否かを確認するエラーチェック、または、ECC符号を利用して読み出しデータが数学的に正しいか否かを確認するエラーチェックが行われる。即ち、リードベリファイ処理では、コンペアベリファイ処理のような、データの内容の検査までは実行されない。
従って、リードベリファイ処理では、コンペアベリファイ処理と比較して、記録データ(メディア30に最終的に書き込まれるデータ)の信頼性は低くなる。その反面、リードベリファイ処理でのエラーチェックは、チャネル復号部44、またはエラー訂正部45だけで行うことができるため、システム制御部26のCPUパフオーマンスに影響を与えず、また、データ比較部29等の専用のハードウエアモジュール(またはソフトウエアモジュール)も必要としないという利点がある。即ち、リードベリファイ処理のためのコストは、比較的小さくて済むという利点がある。
換言すると、コンペアベリファイ処理では、例えば、データ比較部29等の専用のハードウエアモジュールが必要となり、コンペアベリファイ処理のためのコストはその分増大する。また、図示はしないが、データ比較部29のような専用のハードウエアモジュールを用いずに、システム制御部26のCPUにデータの比較の処理を実行させる場合、そのCPUパフォーマンスに影響を与えることになる。さらに、コンペアベリファイ処理では、データの比較が終了するまでの間、書き込みデータを入力バッファ部22に貯めておく必要がある。
以上のように、コンペアベリファイ処理とリードベリファイ処理のそれぞれは一長一短があり、一概にどちらが優れているとは言えない。そこで、図4の記録再生装置においては、それら2つのベリファイ処理のいずれも使用可能とされており、選択的に使用することが可能となっている。
次に、図5乃至図9を参照して、本実施の形態のシステム制御部26により制御されるベリファイ処理の詳細について説明する。
図5は、本実施の形態における、ベリファイ対象の設定手法(選択手法)の例を説明する図である。図5には、従来のベリファイ処理と比較するために、図1と同一のAVデータ1が示されている。
上述したように、本実施の形態のメディアドライブ23には、エラー訂正符号付加部(ECCエンコード部)41とチャネル符号化部42が設けられているので、図5に示されるように、AVデータ1は、ECCブロック51を単位とするチャネル符号化データとして記録メディア30に記録される。
詳細には、本実施の形態においては、AVデータ1は、連続する所定の個数のECCブロック51を単位として分割され(例えば、図5においては、連続する7個のECCブロック51からなる領域に分割されており、それらの領域のうちの領域aと領域bのみが図示されている)、1単位分のデータ(例えば、領域aや領域b)毎に記録メディア30に順次記録されていく。即ち、1単位分のデータ(例えば、領域a)が記録メディア30に書き込まれ、ベリファイ処理が終了すると、次の1単位分のデータ(例えば、領域aの次の領域b)が記録メディア30に書き込まれ、ベリファイ処理が実行される。
なお、以下、このような記録の単位(記録メディア30に書き込まれ、ベリファイ処理が実行される単位)を、ベリファイ単位と称する。具体的には、例えば、図5においては、ベリファイ単位は、7個のECCブロック51とされる。即ち、ベリファイ単位をデータサイズ[Byte]で表現すると、例えば、図5においては、1個のECCブロック51のデータサイズが64[KByte]とされると、ベリファイ単位は448[KByte](=64[KByte/個]×7[個])となる。
従来のベリファイ処理においては、上述したように、ベリファイ単位分のデータが書き込まれると、ベリファイ単位分のデータの全て(例えば、図5の領域aと領域bの全て)に対してベリファイ処理が施されていた。このため、このような従来のベリファイ処理が実行されてAVデータ1が記録される場合、例えば、書き込みレートと読み出しレートがメディア転送レートに等しいとすると、実質上の記録レートは、メディア転送レートの半分以下になってしまい、ユーザが所望する記録レートまで至らないことが多々あるという第1の課題があった。
換言すると、ユーザが所望する記録レートに応じて決定されるピックアップ帯域の余裕分が、ピックアップ帯域全体の半分以上を占めていない場合、ユーザが所望する記録レートでAVデータ1を記録することができないという第1の課題があった。
そこで、本実施の形態においては、メディア転送レート、および、メディア転送レート以下の範囲で自在に設定可能な記録レートに基づいて、AVデータ1の中からベリファイ対象が設定され、AVデータ1のうちの、設定されたベリファイ対象のみに対してベリファイ処理が実行される。
具体的には、例えば、図5においては、ベリファイ対象として、ベリファイ単位分のデータである領域aの全てではなく、その一部分である領域aaが設定される。従って、領域aが記録メディア30に書き込まれると、領域aaに対してのみベリファイ処理が実行される(領域aaのみが記録メディア30から読み出される)。
同様に、例えば、ベリファイ対象として、ベリファイ単位分のデータである領域bの全てではなく、その一部分である領域baが設定される。従って、領域bが記録メディア30に書き込まれると、領域baに対してのみベリファイ処理が実行される(領域baのみが記録メディア30から読み出される)。
これにより、ベリファイ処理の時間(即ち、記録メディア30からの読み出し時間)が短縮され、その結果、実質上の記録レートも高くなり、上述した第1の課題を解決することが可能になる。
さらに、本実施の形態においては、設定されるベリファイ対象は固定的でなく、自在に変更可能である。例えば、ベリファイ単位分のデータである領域aが記録される場合、領域aのベリファイ対象は、図5に示される領域aaに限定されず、ECCブロック51を単位として自在に設定可能である。即ち、図5においては、領域aは、連続する7個のECCブロック51より構成されているので、ベリファイ対象として、4個のECCブロックからなる領域aaのみならず、図示はしないが、1個のECCブロック51からなる領域から、7個のECCブロック51からなる領域(即ち、領域a全体)まで自在に設定可能である。
即ち、本実施の形態においては、ユーザがどこまでの記録レートを必要とし、どこまでのデータの信頼性を必要とするのかに応じて、ベリファイ対象の範囲を自在に設定することができる。従って、上述した従来の第2の課題も解決することが可能になる。
このようなベリファイ対象の設定手法は、特に限定されないが、例えば、次の様な手法が可能である。
即ち、はじめに、記録再生装置のシステム制御部26(図4)は、ベリファイ単位のデータサイズに対する、ベリファイ対象のデータサイズの割合を設定する。なお、以下、このような割合を、サンプリングレートと称する。具体的には、例えば、図5においては、ベリファイ単位のデータサイズ(領域aと領域bのデータサイズ)は、7個のECCブロック51分のサイズ(即ち、上述したように、448[KByte])とされ、ベリファイ対象のデータサイズ(領域aaと領域baのデータサイズ)は、4個のECCブロック51分のサイズ(64×4=256[KByte])とされているので、サンプリングレートは4/7(=256[KByte]/448[KByte])になる。
そして、システム制御部26は、ベリファイ単位分のデータの中から、設定したサンプリングレート分の任意のデータを、ベリファイ対象として設定する。
例えば、ユーザが記録レートよりもデータの信頼性を優先したい場合、或いは、ユーザが所望する記録レートがメディア転送レートに比較して充分低い場合、システム制御部26は、サンプリングレートを上げる設定をすればよい。即ち、サンプリングレートを上げることは、ピックアップ帯域の余裕分を増加させることに相当し、増加した余裕分だけ記録レートは下がることになるが、その反面、増加した余裕分だけより多くのデータに対してベリファイ処理を施すことが可能になる。
これに対して、ユーザが、データの信頼性よりも記録レートを優先したい場合、システム制御部26は、サンプリングレートを下げる設定をすればよい。即ち、サンプリングレートを下げることは、ピックアップ帯域の余裕分を減少させることに相当し、減少した余裕分だけベリファイ対象は少なくなるが、その反面、減少した余裕分だけ記録レートを上げることが可能になる。
なお、具体的なサンプリングレートの算出手法や、ベリファイ対象の設定手法については後述する。
図6乃至図9を参照して、本実施の形態におけるベリファイ処理についてさらに説明する。
図6は、図2の従来のタイミングチャートに対する、本実施の形態のタイミングチャートであって、本実施の形態の記録再生装置(図4)における、ベリファイ処理を伴う記録の処理の例を説明するタイミングチャートを表している。
従って、図6は、図2と同様に、AVデータ1のうちの、ベリファイ単位(データサイズSn[bit])のデータである領域aと領域bが記録されるまでのタイミングチャートを表している。また、図6においても、図2と同様に、書き込みレートと読み出しレートのいずれもが、メディア転送レートRm[bps]に等しいとされている。
図6に示されるように、本実施の形態においては、はじめに、略時刻taから略時刻tbまでの書き込み時間Tw[s]の間に、領域aが記録メディア30に書き込まれる。ここまでの処理は、従来のそれと基本的に同様である。即ち、この書き込み時間Tw[s]は、従来と同様にSn/Rm[s]となる。
その後、従来においては、上述したように(図2に示されるように)、次の領域bの書き込みが開始されるまでには、シーク時間Tn[s]と、ベリファイ処理のための読み出し時間Tr[s](書き込み時間Tw[s]と同じ時間Sn/Rm[s])だけかかることになる。なお、以下、従来の読み出し時間(ベリファイ単位の全てのデータを読み出す時間)を、本実施の形態の読み出し時間と区別する必要がある場合、特に、Tr'と記述する。
これに対して、本実施の形態においては、図6に示されるように、略時刻tbに領域aの記録メディア30への書き込みが終了すると、略時刻tbから略時刻tcまでのシーク時間Tn[s]の間に、シークが行われ(記録メディア30に記録された領域aaの先頭アドレスにアクセスされ)、略時刻tcから略時刻tdの読み出し時間Tr[s]の間に、領域aのうちの、ベリファイ対象として設定された領域aaが記録メディア30から読み出され、エラーチェックされる(ベリファイ処理が実行される)。
この場合、上述したサンプリングレートをω(ただし、0≦ω≦1)と記述すると、読み出し時間Trは、次の式(4)のように表される。
Tr = ω × Sn/Rm ・・・(4)
即ち、式(4)で示されるように、本実施の形態の読み出し時間Tr[s]は、従来の読み出し時間Tr'(=Sn/Rm)[s]に比較してω倍となる。即ち、ωは1以下であるので、本実施の形態の読み出し時間Tr「s」は、従来の読み出し時間Tr'[s]以下に短縮されることになる。
次に(例えば、ベリファイ処理により領域aaにエラーがないことが確認されると)、略時刻tdから略時刻teのシーク時間Tnの間にシークが行われ(記録メディア30に記録された領域aの末端アドレスにアクセスされ)、領域bの書き込みが開始される。
従って、領域aの記録時間Ts[s]は、次の式(5)で表される。
Ts = Tw + Tr + 2×Tn
= Sn/Rm + ω×Sn/Rm + 2×Tn ・・・(5)
記録メディア30に記録された領域aの末端アドレスにアクセスされると、略時刻teから略時刻tfまでの書き込み時間Tw[s]の間に、領域bが記録メディア30に書き込まれ、略時刻tfから略時刻tgまでのシーク時間Tn[s]の間に、シークが行われ、略時刻tgから略時刻thの読み出し時間Tr[s]の間に、領域bのうちの、ベリファイ対象として設定された領域baが読み出され(ベリファイ処理が実行され)、略時刻thから略時刻tiまでのシーク時間Tn[s]の間に、シークが行われる。
従って、領域bの記録時間Ts[s]も、領域aのそれと同様に上述した式(5)で表される。
図7は、図3の従来の図に対する本実施の形態の図であって、本実施の形態の記録再生装置(図4)の、ベリファイ処理を伴う記録の処理を説明する他の図を表している。
図7において、図中水平方向の軸は、図6の時間軸と対応する時間軸を表している。図中左側の垂直方向の軸は書き込みデータサイズを表しており、図中右側の垂直方向の軸は読み出しデータサイズを表している。
また、図7においても、データの書き込みが「プラス」で表されている。即ち、データの読み込みが「マイナス」で表される。
図7の書き込みデータサイズの軸と時間軸からなる座標系において、点(ta,0)(原点)から点(tb,Sn)に引かれた矢印で示されるように、略時刻taから略時刻tbまでの書き込み時間Tw[s]の間に、一定の書き込みレート(=メディア転送レート)Rm[bps]で、データサイズSn[bit]の領域a内のデータが記録メディア30に書き込まれていく。即ち、点(ta,0)から点(tb,Sn)に引かれた矢印の傾き(=Sn/Tw)が、書き込みレートRm[bps]を表すことになる。上述したように、ここまでの処理は、従来のそれと基本的に同様である。
次に、本実施の形態においては、図7の書き込みデータサイズの軸と時間軸からなる座標系において、点(tb,Sn)から点(tc,Sn)に引かれた矢印で示されるように、略時刻tbから略時刻tcまでのシーク時間Tn[s]の間に、シークが行われる。即ち、この間、データの読み書きは行われない。
そして、図7の書き込みデータサイズの軸と時間軸からなる座標系において、点(tc,Sn)から点(td,Sn-ω×Sn)に引かれた矢印(図7の読み出しデータサイズの軸と時間軸からなる座標系において、点(tc,0)から点(td,−ω×Sn)に引かれた矢印)で示されるように、略時刻tcから略時刻tdまでの読み出し時間Tr[s]の間に、ベリファイ処理のために、一定の読み出しレート(=メディア転送レート)Rm[bps]で、データサイズSn[bit]の領域aのうちの、データサイズω×Sn[bit]の領域aa内のデータのみが記録メディア30から読み出されていく。即ち、点(tc,Sn)から点(td,Sn-ω×Sn)に引かれた矢印の傾き(-Rm)の絶対値が、ベリファイ処理における読み出しレートRm[bps]を表すことになる。
その後、図7の書き込みデータサイズの軸と時間軸からなる座標系において、点(td,Sn-ω×Sn)から点(te,Sn-ω×Sn)に引かれた矢印で示されるように、略時刻tdから略時刻teまでのシーク時間Tn[s]の間に、シークが行われて、次の領域bの書き込みが開始される。
このように、書き込みレートと読み出しレートがメディア転送レートRm[bps]に等しい場合、ベリファイ処理における読み出し時間Tr[s]は、従来においては、書き込み時間Tw[s]と同一の時間であったのに対して、本実施の形態においては、書き込み時間Tw[s]のサンプリングレートω倍に短縮される。
従って、図7の書き込みデータサイズの軸と時間軸からなる座標系において、本実施の形態における領域aの実質上の記録レートを示す、点(ta,0)(原点)から点(te,Sn)に引かれた矢印の傾きRsは、従来における領域aの実質上の記録レートを示す、点(t1,0)(原点)から点(t4,Sn)に引かれた矢印の傾きRs'よりも急になる。即ち、図7より、本実施の形態においては、領域aの実質上の記録レートRs[bps]が、従来の記録レートRs'[bps]に比較して高くなることがわかる。
以上のことは、次の式(6)からもわかる。即ち、領域aの実質上の記録レートRsは、従来の場合、上述した式(3)で表されたのに対して、本実施の形態の場合、次の式(6)で表される。式(3)と式(6)の右辺を比較するに、式(6)の右辺の方が、式(3)の右辺よりも大きい値を取ることがわかる。
Rs = Sn/(Sn/Rm + ω×Sn/Rm + 2×Tn) ・・・(6)
より具体的には、例えば、書き込みレートと読み出しレートがメディア転送レートRmに等しく70[Mbps]とされ、シーク時間Tnが20[msec]とされると、従来においては、上述したように、最高の記録レートRs'は、35[Mbps]未満であった。
これに対して、本実施の形態においては、シーク時間Tnを無視できるとして、サンプリングレートωが、例えば、0.2とされると、最高の記録レートRsを、式(6)より58.3[Mbps]に高めることができる。
従って、この場合、上述したように、従来の記録装置では、記録レートが56[Mbps]に規定されているMPEG IMX50のAVデータを、リアルタイム、かつベリファイ処理を実行して、記録メディア30(例えば、光ディスク等)に記録することが不可能であった。
これに対して、本実施の形態の記録再生装置(図4)では、MPEG IMX50のAVデータを、リアルタイム、かつベリファイ処理を実行して、記録メディア30(例えば、光ディスク等)に記録することが可能となる。
このように、本実施の形態の記録再生装置(図4)は、ベリファイ処理を実行してデータを記録する場合、ベリファイ対象を自在に増減することが可能であるので、それに応じて最大記録レートも増減させることが可能になる。その結果、ユーザが所望する記録レート(ただし、メディア転送レート以下の範囲)で、データを記録メディア30にリアルタイムに記録させることが可能になる。
なお、本実施の形態の記録再生装置(図4)によるデータの記録は、データをリアルタイムに記録する場合だけでなく、HD(Hard Disk)等の記録メディアに記録されているデータ(のファイル)を、その記録メディアと同一または異なる記録メディアに記録するファイルのコピーや移動を行う場合にも適用することができる。
ところで、上述した説明においては、ベリファイ対象として、1つの連続した領域(例えば、図5の領域aaと領域ba)が設定されたが、分散した2以上の領域(非連続の2以上の領域)が設定されてもよい。
例えば、図5においては、ECCブロック51が連続して7個並ぶ領域(データ)がベリファイ単位とされ、サンプリングレートωが4/7とされた場合の例として、ECCブロック51が連続して4個(=7個×4/7)並ぶ領域aaと領域baが、ベリファイ対象として設定されていたが、ベリファイ対象は、図5の例(領域aaと領域ba)に限定されない。
即ち、例えば、ECCブロック51が連続して7個並ぶ領域(データ)がベリファイ単位とされ、サンプリングレートωが4/7とされた場合、単に、ベリファイ対象のデータサイズの総計が、4個分のECCブロック51のデータサイズ(64[KByte]×4=256[KByte])となるように設定されればよい。換言すると、本実施の形態においては、ベリファイ単位分のデータ(連続して並ぶ7個のECCブロック51)の中から、任意の4個のECCブロック51をベリファイ対象として設定することが可能になる。
具体的には、例えば、図8に示されるように、ベリファイ単位分のデータである領域aにおけるベリファイ対象として、2個のECCブロック51からそれぞれなる、分散した領域abと領域acを設定することが可能である。同様に、ベリファイ単位分のデータである領域bにおけるベリファイ対象として、2個のECCブロック51からそれぞれなる、分散した領域bbと領域bcを設定することが可能である。
また、ベリファイ対象は、領域aとbとで、同一パターンの領域である必要はなく、異なるパターンの領域であってもよい。
図9は、本実施の形態の記録再生装置(図4)における、図8のAVデータ1に対するベリファイ処理を伴う記録の処理の例(図6とは異なる例)について説明するタイミングチャートを表している。
従って、図9は、図6と同様に、AVデータ1のうちの、ベリファイ単位(データサイズSn[bit])のデータである領域aと領域bが記録されるまでのタイミングチャートを表している。
図9に示されるように、はじめに、略時刻taから略時刻tbまでの書き込み時間Tw[s]の間に、領域aが記録メディア30に書き込まれる。ここまでの処理は、図6のそれと基本的に同様である。即ち、この書き込み時間Tw[s]は、図6のそれと同一となる。
その後、図9においては、領域aのうちの、分散した領域abと領域acのそれぞれが、その順番で順次読み出される(ベリファイ処理が実行される)。
即ち、略時刻tbに領域aの記録メディア30への書き込みが終了すると、略時刻tbから略時刻tjまでのシーク時間Tn[s]の間に、シークが行われ(記録メディア30に記録された領域abの先頭アドレスにアクセスされ)、略時刻tjから略時刻tkの読み出し時間Tr1[s]の間に、領域aのうちの、ベリファイ対象として設定された領域abが記録メディア30から読み出され、エラーチェックされる(ベリファイ処理が実行される)。
次に(例えば、ベリファイ処理により領域abにエラーがないことが確認されると)、略時刻tkから略時刻tlまでのシーク時間Tn[s]の間に、シークが行われ(記録メディア30に記録された領域acの先頭アドレスにアクセスされ)、略時刻tlから略時刻tmの読み出し時間Tr2[s]の間に、領域aのうちの、ベリファイ対象として設定された領域acが記録メディア30から読み出され、エラーチェックされる(ベリファイ処理が実行される)。
そして(例えば、ベリファイ処理により領域acにエラーがないことが確認されると)、略時刻tmから略時刻tnのシーク時間Tn[s]の間にシークが行われ(記録メディア30に記録された領域aの末端アドレスにアクセスされ)、領域bの書き込みが開始される。
従って、いまの場合、領域aの記録時間Ts[s]は、次の式(7)で表される。
Ts = Tw + Tr1 + Tr2 + 3×Tn ・・・(7)
図9の領域abのデータサイズと領域acのデータサイズの総計サイズは、図6の領域aaのデータサイズと同一の、4個分のECCブロック51のデータサイズ(=256[KByte])であるので、領域abの読み出し時間Tr1[s]と領域acの読み出し時間Tr2[s]の総計時間は、領域aaの読み出し時間Tr[s]と同一になる。従って、式(7)は、結局式(8)のように表される。
Ts = Tw + Tr + 3×Tn
= Sn/Rm + ω×Sn/Rm + 3×Tn ・・・(8)
記録メディア30に記録された領域aの末端アドレスにアクセスされると、略時刻tnから略時刻toまでの書き込み時間Tw[s]の間に、領域bが記録メディア30に書き込まれ、略時刻toから略時刻tpまでのシーク時間Tn[s]の間に、シークが行われ、略時刻tpから略時刻tqの読み出し時間Tr3[s]の間に、領域bのうちの、ベリファイ対象として設定された領域bbが読み出される(ベリファイ処理が実行される)。
そして、略時刻tqから略時刻trまでのシーク時間Tn[s]の間に、シークが行われ、略時刻trから略時刻tsの読み出し時間Tr4[s]の間に、領域bのうちの、ベリファイ対象として設定された領域bcが読み出され(ベリファイ処理が実行され)、略時刻tsから略時刻ttまでのシーク時間Tn[s]の間に、シークが行われる。
従って、この場合の領域bの記録時間Ts[s]も、領域aのそれと同様に次の式(9)で表される。
Ts = Tw + Tr3 + Tr4 + 3×Tn ・・・(9)
図9の領域bbのデータサイズと領域bcのデータサイズの総計データサイズは、図6の領域baのデータサイズと同一の、4個分のECCブロック51のデータサイズ(256[KByte])であるので、領域bbの読み出し時間Tr3[s]と領域bcの読み出し時間Tr4[s]の総計時間は、領域baの読み出し時間Tr[s]と同一になる。従って、式(9)も、結局上述した式(8)のように表される。
このように、ベリファイ対象が分散されて設定されると、ベリファイ処理のために、分散した各データのそれぞれが順次読み出される時、各データの先頭アドレスにアクセスするシーク時間が必要になる。例えば、ベリファイ対象が、1つのベリファイ単位分のデータ(例えば、図9に示される領域a)内において2つに分散している場合(例えば、図9に示される領域abと領域acに分散している場合)、上述したように(図9に示されるように)、1つのベリファイ単位分のデータの記録の処理において、シークの処理が3回必要になる。
従って、ベリファイ単位分のデータ内において、ベリファイ対象がp個の領域(データ)に分散している場合、そのベリファイ単位分のデータの記録時間Tsは、次の式(10)のように表される。
Ts = Tw + Tr + (p+1)×Tn
= Sn/Rm + ω×Sn/Rm + (p+1)×Tn ・・・(10)
ところで、このように、ベリファイ単位分のデータ内において、ベリファイ対象を任意の分散数pで分散させて設定可能であることは、換言すると、分割可能な最小単位のデータ毎にベリファイ対象とするか否かを設定する(いまの場合、ECCブロック51を単位としてベリファイ対象を設定する)ことが可能であることを表しているとも言える。
即ち、ベリファイ対象として、ベリファイ単位分のデータの中から、1以上の最小単位のデータを任意に選択する(設定する)ことが可能である。ただし、ベリファイ対象として設定可能な、最小単位のデータの個数は、最小単位のデータの総計データサイズが、1ベリファイ単位のデータサイズのサンプリングレートω倍のデータサイズ以下となる個数までとされる。
そこで、いまの場合、最小単位のデータは、1つのECCブロック51とされるので、例えば、記録されるデータを構成するECCブロック51のそれぞれに対して、それらに含まれるデータの内容に基づいて優先度を予め設定しておくことで、重要なデータ(即ち、優先度が高いECCブロック51)を優先的にベリファイ対象として設定することが可能になる。
図10は、このような優先度を利用してベリファイ対象を設定し、設定したベリファイ対象に対してベリファイ処理を実行させるように制御するシステム制御部26の構成例を表すブロック図である。
図10のシステム制御部26において、主制御部61は、システム制御部26の全体の処理を制御する。また、主制御部61は、入出力部27と、後述する優先度設定部62、ベリファイ対象設定部63、並びに、記録およびベリファイ実行部64のそれぞれとのインタフェースとしても機能する。
具体的には、例えば、ユーザが、入出力部27を操作して、これから記録メディア30に記録させるデータの記録レートの要求を行った場合、主制御部61は、その要求に基づいて記録レートを設定し、ベリファイ対象設定部63に供給する。なお、後述するように、ユーザからの記録レートの要求がない場合、主制御部61は、記憶部28のシステム情報記憶部73に記憶されている情報(例えば、これから記録メディア30に記録されるデータのフォーマット情報等)に基づいて、記録レートを設定し、ベリファイ対象設定部63に供給する。
優先度設定部62は、記憶部28のシステム情報記憶部73に記憶されている情報(例えば、これから記録メディア30に記録されるデータのフォーマット情報等)から、これから記録メディア30に記録されるデータを構成する各ECCブロック51のそれぞれに含まれるデータの内容を判断し、それらのデータの内容に基づいてECCブロック51のそれぞれに対して優先度を設定し、設定の内容を表す情報(このような情報を、以下、優先度情報と称する)を記憶部28の優先度情報記憶部71に記憶させる。
優先度設定部62はさらに、このようにして設定した優先度を更新する(優先度情報記憶部71に記憶された優先度情報の内容を更新する)こともできる。なお、優先度の具体的な更新手法については後述する。
ベリファイ対象設定部63は、記憶部28のシステム情報記憶部73に記憶されている情報(例えば、メディア転送レート等)、優先度情報記憶部71に記憶されている優先度情報、および、主制御部61より供給された記録レートに基づいて、これから記録メディア30に記録されるデータの中から、ベリファイ対象を、ECCブロック51を単位として設定し、設定の内容を表す情報(このような情報を、以下、ベリファイ対象情報と称する)を記憶部28のベリファイ対象情報記憶部72に記憶させる。
詳細には、例えば、ベリファイ対象設定部63は、メディア転送レートと、記録レートの比に応じてサンプリングレートωを設定することができる。
即ち、例えば、記録レートRsは、上述した式(10)より次の式(11)のように表される。
Rs = Sn/(Sn/Rm + ω×Sn/Rm + (p+1)×Tn) ・・・(11)
従って、サンプリングレートωは、式(11)より、次の式(12)のように表される。
ω = (Rm−Rs)/Rs − (p+1)×Tn×Rm/Sn ・・・(12)
式(12)において、いまの場合、メディア転送レートRm、ベリファイ単位のデータサイズSn、および、シーク時間Tnは定数である。また、上述したように、記録レートRsは、これから記録されるデータのフォーマット情報やユーザの要求に基づいて主制御部61により設定される。
従って、ベリファイ対象設定部63は、記録レートRsに依存するピックアップ帯域の余裕分に応じて、式(12)の関係を満たすように、ベリファイ単位における分散数pとサンプリングレートωを設定する。
具体的には、例えば、いま、分散数pが1に設定され(即ち、ベリファイ単位内でサンプリングデータ(ベリファイ対象のうちの、1回当たりの読み出しデータ)が分散せず)、メディア転送レートRmが70[Mbps]とされ、ベリファイ単位のデータサイズSn[bit]が6.4[MByte]とされ(即ち、100個分のECCブロック51(64[KByte])がベリファイ単位とされ)、かつ、シーク時間Tnが20[msec]とされたとする。なお、シーク時間Tnとしては、例えば、ベリファイ単位のデータサイズSn分のシークに要する最悪シーク時間を採用することができる。
この場合、例えば、これから記録メディア30に記録されるデータが、MPEG IMX50のデータ(ビデオ(動画像)データと、それに対応する5.1チャンネルのオーディオデータ)とされると、記録レートRsは56[Mbps]とされるので、上述した式(12)よりサンプリングレートωは0.20となる。即ち、これから記録メディア30に記録されるデータが、MPEG IMX50のデータである場合、全てのデータのうちの20%までのデータを、ベリファイ対象として設定可能である。
或いは、例えば、これから記録メディア30に記録されるデータが、DV(DigitalVideo)25フォーマットのデータ(ビデオ(動画像)データと、それに対応する5.1チャンネルのオーディオデータ)とされると、記録レートRsは28[Mbps]とされるので、上述した式(12)よりサンプリングレートωは1.45となる。即ち、これから記録メディア30に記録されるデータが、DV25フォーマットのデータである場合、サンプリングレートωが1を超えるので、全てのデータ(100%のデータ)を、ベリファイ対象として設定可能になる。
なお、記録レートRsは、所定のフォーマットで規定されている値に特に限定されず、上述したように、ユーザの要求に応じて、メディア転送レートRm以下の範囲で自在に設定可能である。例えば、これから記録メディア30に記録されるAVデータ1が、HDに記録されたデータであり、ユーザがN倍速記録を要求した場合、記録レートRsは、所定のフォーマットで規定されている値の約N倍に設定される。即ち、ユーザがデータの信頼性よりも記録レートRsの優先を要求する場合、記録レートRsは、所定のフォーマットで規定されている値に比べて高く設定される。これにより、信頼性は低下するが、高速の記録を行うことができる。この場合も、分散数pが確定されれば、上述した式(12)によりサンプリングレートωが一意に決定される。
一方、ユーザが、記録レートRsよりもデータの信頼性の優先を要求する場合、記録レートRsは、ω=1またはユーザが要求する信頼性に比例した値のωとなるように設定される。これにより、記録レートは低速だが、信頼性の高い記録を行うことができる。
以上のような記録レートや信頼性のユーザの要求は、例えば、GUI(Graphical User Interface)または実際のスライダや、程度の高さを表す「高」、「中」、「低」などのボタン等を操作することにより入力することができる。
ベリファイ対象設定部63は、このようにして分散数pとサンプリングレートωを設定すると、設定した分散数pおよびサンプリングレートω、並びに、優先度情報記憶部71に記憶されている優先度情報に基づいて、これから記録メディア30に記録されるデータの中から、ベリファイ対象をECCブロック51を単位として設定し、その内容を表すベリファイ対象情報を記憶部28のベリファイ対象情報記憶部72に記憶させる。
なお、ベリファイ対象の具体的な設定手法については、図12のフローチャート等を参照して後述する。
記録およびベリファイ実行部64は、メディアドライブ23がデータを記録メディア30に記録するとき、ベリファイ対象情報記憶部72に記憶されたベリファイ対象情報に基づいて、メディアドライブ23の記録およびベリファイ処理の実行を制御する。
即ち、記録およびベリファイ実行部64は、メディアドライブ23が、ベリファイ単位分のデータ毎に記録メディア30に書き込み、書き込んだデータのうちの、ベリファイ対象情報記憶部72に記憶されたベリファイ対象情報に含まれるベリファイ対象に対してのみベリファイ処理を実行するように制御する。
記憶部28には、上述したように、優先度情報を記憶する優先度情報記憶部71、ベリファイ対象情報を記憶するベリファイ対象情報記憶部72、および、各種データのフォーマット情報やメディア転送レート等のシステム情報を記憶するシステム情報記憶部73が設けられている。
次に、図11のフローチャートを参照して、本実施の形態の記録再生装置(図4)の記録の処理について説明する。
はじめに、ステップS1において、システム制御部26は、ユーザからの要求、または、これから記録メディア30に記録させるデータのフォーマット情報等に基づいて記録レートを設定し、設定した記録レートとメディア転送レートに基づいて、ベリファイ対象を設定する。
なお、以下、このようなステップS1の処理を、「ベリファイ対象設定処理」と称する。この例の「ベリファイ対象設定処理」の詳細については、図12のフローチャートを参照して後述する。さらに、「ベリファイ対象設定処理」は、図12の処理に特に限定されず、様々な処理が可能であり、これらのうちの幾つかの処理の例(図12とは異なる例)についても後述する。
ステップS2において、圧縮部21は、AV信号が入力されたか否かを判定する。
ステップS2において、AV信号が入力されていないと判定された場合、処理はステップS2に戻り、AV信号が入力されたか否かが再度判定される。即ち、AV信号が入力されるまで、記録再生装置はその処理を待機する。
AV信号が圧縮部21に入力されると(ステップS2において、AV信号が入力されたと判定されると)、ステップS3において、圧縮部21は、入力されたAV信号を圧縮符号化し、入力バッファ部22に記憶させる。
ステップS4において、メディアドライブ23は、システム制御部26の制御に基づいて、入力バッファ部22に記憶されている符号化データを記録メディア30に記録させる。
詳細には、メディアドライブ23は、システム制御部26の制御に基づいて、符号化データ(詳細には、チャネル符号化部42によりチャネル符号化されたデータ)を、ベリファイ単位毎に分割し、分割した各ベリファイ単位分のデータのそれぞれを記録メディア30に順次書き込み、書き込んだデータのうちの、ステップS1の処理で設定されたベリファイ対象のみを読み出し、リードベリファイ処理の場合には、メディアドライブ23がベリファイ対象のエラーチェックを行い、コンペアベリファイ処理の場合には、データ比較部29がベリファイ対象のエラーチェックを行う。
ベリファイ対象にエラーがあった場合(システム制御部26にエラー信号が入力された場合)、メディアドライブ23は、そのベリファイ対象が含まれるベリファイ単位分のデータを、記録メディア30に再度書き込む(リトライする)。そして、メディアドライブ23は、次のベリファイ単位分のデータを記録メディア30に記録させる。
ここで、リトライに要する時間は、例えば、上述したステップS1で、システム制御部26が、ベリファイ対象を設定するときに考慮することができる。例えば、ステップS1において、システム制御部26が、ユーザからの要求、または、これから記録メディア30に記録させるデータのフォーマット情報等に基づく値の数%増しの記録レートを設定し、設定した記録レートとメディア転送レートに基づいて、ベリファイ対象を設定することで、リトライに要する時間の少なくとも一部を確保することができる。
なお、その他、リトライは、すべてのデータの書き込みが終了した後に行うようにしてもよい。
ステップS4のエラーチェックにおいて、ベリファイ対象にエラーが無かった場合、メディアドライブ23は、そのベリファイ対象が含まれるベリファイ単位分のデータが記録メディア30に正常に記録されたと判断し、次のベリファイ単位分のデータを記録メディア30に記録させる。
全てのベリファイ単位分のデータに対して、以上の一連の処理が実行されると、記録再生装置の記録の処理は終了となる。
なお、以下、このようなステップS4の処理を、「データ記録処理」と称する。「データ記録処理」の詳細については、図15のフローチャートを参照して後述する。
次に、図12のフローチャートを参照して、この例の「ベリファイ対象処理(図11のステップS1の処理)」の詳細について説明する。
はじめに、ステップS21において、図10のシステム制御部26の主制御部61は、入出力部27を介して、ユーザに記録レートの要求をするか否かを問い合わせる。
ステップS22において、主制御部61は、記録レートの要求(ユーザが所望する記録レートに対応する情報)が入力されたか否かを判定する。
ユーザが、入出力部27を操作して、記録レートの要求(ユーザが所望する記録レートに対応する情報)を入力すると、主制御部61は、ステップS22において、記録レートの要求が入力されたと判定し、ステップS23において、入力された情報に基づいて記録レートを設定し、ベリファイ対象設定部63に供給する。
これに対して、入出力部27より記録レートの要求が入力されなかった場合、主制御部61は、ステップS22において、記録レートの要求が入力されていないと判定し、ステップS24において、予め設定された値を記録レートとして設定し、ベリファイ対象設定部63に供給する。
例えば、入出力部27より記録レートの要求が入力されなかった場合、主制御部61は、システム情報記憶部73に記憶されている、これから記録メディア30に記録されるデータのフォーマット情報等に基づいて、そのフォーマットで規定されている値を記録レートとして設定する。具体的には、例えば、上述したように、MPEG IMX50のAVデータ(ビデオ(動画像)データと、それに対応する5.1チャンネルのオーディオデータ)が、これから記録メディア30に記録されるとすると、記録レートとして56[Mbps]が設定される。
ステップS25において、優先度設定部62は、システム情報記憶部73に記憶されているシステム情報(例えば、これから記録メディア30に記録されるデータのフォーマット情報等)に基づいて、これから記録メディア30に記録されるデータ(チャネル符号化データ)を構成する各ECCブロック(以下、単にブロックと適宜称する)のそれぞれに対して優先度を設定する。
優先度の設定手法は、特に限定されず、例えば、ブロックの重要度の高いものから順に、優先順位(1から始まる整数値)を単に付与していく手法でもよいが、この例においては、例えば、ブロックの重要度に応じて重み付けをし、この重み(任意の値)を、対応するブロックの優先度とする手法が適用されるとする。なお、この例においては、重みが大きいほど、優先度が高いとされている。即ち、例えば、優先度(重み)5のブロックは、優先度(重み)4のブロックよりも優先される。勿論、その逆、即ち、重みが小さいいほど、優先度が高いとされてもよい。
優先度設定部62により各ブロックの優先度が設定され、その設定の内容を含む優先度情報が優先度情報記憶部71に記憶されると、ステップS26において、ベリファイ対象設定部63は、システム情報記憶部73に記憶されたメディア転送レートと、主制御部61より供給された記録レートの比から演算される(上述した式(12)より演算される)サンプリングレートωの範囲内で、優先度が最も高いブロックをベリファイ対象として設定する。
なお、以下、ベリファイ対象設定部63によりベリファイ対象として既に設定されたブロックを、設定ブロックと称する。また、ベリファイ対象設定部63によりベリファイ対象としてまだ設定されていないブロックを、未設定ブロックと称する。未設定ブロックは、後述するように、最終的に設定ブロックとなる(ベリファイ対象として設定される)こともあるし、未設定ブロックのまま(ベリファイ対象として設定されない)こともある。
ステップS27において、ベリファイ対象設定部63は、未設定ブロックが存在するか否かを判定する。
全てのブロックが設定ブロックとされた場合(即ち、これから記録メディア30に記録される全てのデータ(ブロック)がベリファイ対象として設定された場合)、ステップS27において、未設定ブロックが存在しないと判定され、「ベリファイ対象設定処理」は終了となる。即ち、この場合、全てのブロックがベリファイ対象であることを表すベリファイ対象情報が生成され、ベリファイ対象情報記憶部72に記憶される。
これに対して、1つのブロックでも未設定ブロックが存在する場合、ステップ27において、未設定ブロックが存在すると判定され、ステップ28において、優先度設定部62は、設定ブロックとの連続性(ブロック追加コスト)に基づいて各ブロックの優先度を更新(補正)する。即ち、優先度設定部62は、優先度情報記憶部71に記憶された優先度情報の内容を更新する。
ブロック追加コストとは、ここで新たに定義した概念である。そこで、以下、ブロック追加コストと、そのブロック追加コストを利用する優先度の更新手法例について説明する。
記録レートRsは、式(11)で示されるように、ベリファイ単位のデータサイズSn[bit]、メディア転送レートRm[bps]、および、シーク時間Tn[s]を定数とみなすと、サンプリングレートωと分散数pという2つの変数により決定される。ただし、本実施の形態においては、記録レートRs[bps]は予め設定されているので(ステップS23またはステップS24の処理で設定されるので)、式(11)の関係が成立するように、サンプリングレートωと分散数pのそれぞれが設定されることになる。換言すると、記録レートRs[bps]とメディ転送レートRm[bps]により決定される、ピックアップ帯域の余裕分が、サンプリングレートωと分散数pによって消費されるとも言える。
具体的には、例えば、n(nは整数値)個のブロックがベリファイ単位とされると、そのベリファイ単位分のデータ内において、ベリファイ対象として1つのブロックが追加される(新たに設定される)場合、サンプリングレートωと分散数pは次のように変化することになる。即ち、サンプリングレートωは、1/nだけ増加する。また、分散数pは、追加されるブロックが設定ブロックと連続している場合、0だけ増加し(増加せず)、一方、追加されるブロックが設定ブロックと連続していない場合、1だけ増加する。
従って、ベリファイ対象設定部63が、単純に優先度の高い(いまの場合、重みが大きい)ブロックから順にベリファイ対象を設定していくと、分散数pがいたずらに増加して、サンプリングレートωが充分な値を取ることができないという問題が発生してしまう。
具体的には、例えば、いま、図13に示されるように、AVデータ1のうちの、ベリファイ単位分のデータである領域aにおいてベリファイ対象が設定されている最中であり、いまの時点では、ブロック51−1とブロック51−2が設定ブロックとされ、ブロック51−3乃至ブロック51−5が未設定ブロックとされた状態であるとする。
なお、図13中、ブロック51−3乃至ブロック51−5を表す四角形の中に記述されている数値が、いま現在(補正前)の対応するブロックの優先度を表している。即ち、ブロック51−3の補正前の優先度は1とされ、ブロック51−4の補正前の優先度は3とされ、ブロック51−5の補正前の優先度は4とされている。
従って、仮に、図13の状態のまま(即ち、優先度の補正が行われずに)、ベリファイ対象の設定が続行されると、ブロック51−5、ブロック51−4、および、ブロック51−3の順で優先的にベリファイ対象が設定されていくことになる。この場合、ベリファイ対象として設定済みのブロック51−2と連続しないブロック51−5が、ベリファイ対象として新たに設定されると、分散数pが1だけ増えてしまう。さらに、ベリファイ対象として設定済みのブロック51−2と連続しないブロック51−4が、ベリファイ対象として新たに設定されると、分散数pが2だけ増えてしまう。
従って、この分散数pの増加分だけ、サンプリングレートωが減少することになり、サンプリングレートωが充分な値を取ることができなくなる恐れが生じてしまう。
そこで、このような問題を解決するために、ベリファイ単位分のデータ内において、ベリファイ対象として1つのブロックが新たに追加される場合、その追加されるブロックに対するベリファイ処理の所要時間(追加されるブロックの読み出し時間)を、ブロック追加コストとして定義する。
即ち、式(11)の分母の第2項より、追加されるブロック(新たに設定ブロックとなるブロック)が、設定ブロックと連続する場合、ブロック追加コストをcと記述すると、ブロック追加コストcは、次の式(13)のように表される。
c = (1/n)×Sn/Rm ・・・(13)
一方、式(11)の分母の第2項と第3項より、追加されるブロック(新たに設定ブロックとなるブロック)が、設定ブロックと連続しない場合、ブロック追加コストcは、次の式(14)のように表される。
c = (1/n)×Sn/Rm + Tn ・・・(14)
そこで、ステップS28(図12)において、優先度設定部62は、このブロック追加コストcに基づいて各ブロック(未設定ブロック)の優先度を更新する。
具体的には、例えば、優先度設定部62は、各ブロックのそれぞれに対して、次の式(15)を演算することで、各ブロックのそれぞれの優先度を更新する。
pa = (pb / ca )× A ・・・(15)
式(15)において、paは、優先度を更新する対象の未設定ブロックである更新対象ブロックの補正後の優先度(スカラー)を、pbは、更新対象ブロックの補正前の優先度(スカラー)を、caは、更新対象ブロックのブロック追加コスト[s]を、Aは、補正係数(定数)[s]を、それぞれ表している。
具体的には、例えば、いま、図13に示された状態で、ブロック51−3乃至ブロック51−5の優先度が更新されるとする。
また、例えば、図13においては、領域aは、上述した図5や図8とは異なり、100個のブロック51から構成されるとする。即ち、図13においては、領域aのデータサイズ(ベリファイ単位のデータサイズ)Snは、6.4[MByte](=64[KByte/個]×100[個])とされる。また、シーク時間Tnは、20[msec]とされるとする。
この場合、上述した式(13)と上述した式(14)より、設定ブロックと連続するブロックのブロック追加コストと、設定ブロックと連続しないブロックのブロック追加コストの比は、1 : 3.74(≒7.31[ms]:27.31[ms])となる。
そこで、例えば、補正係数Aが、式(13)で表される、設定ブロックと連続するブロックのブロック追加コストとされると、更新対象ブロックが、設定ブロックと連続するブロックである場合、上述した式(15)より、その更新対象ブロックの補正後の優先度は、補正前の優先度のままとなる(優先度は更新されない)。これに対して、更新対象ブロックが、設定ブロックと連続しないブロックである場合、式(15)より、補正後の優先度は、補正前の優先度の1/3.74倍となる(即ち、優先度が下がる)。
具体的には、図14に示されるように(図14においても、ブロック51−3乃至ブロック51−5を表す四角の中に、補正後の優先度が記述されている)、設定ブロック51−2と連続するブロック(更新対象ブロック)51−3の補正後の優先度は、補正前の優先度と同一の1となる。これに対して、設定ブロック51−2と連続しないブロック51−4の補正後の優先度は、補正前の優先度3の1/3.74倍である0.8(小数2桁目で四捨五入)となる。同様に、設定ブロック51−2と連続しないブロック51−5の補正後の優先度は、補正前の優先度4の1/3.74倍である1.1(小数2桁目で四捨五入)となる。
従って、設定ブロック51−2と連続する、補正前の優先度が1であったブロック51−3は、設定ブロック51−2と連続しない、補正前の優先度が4であったブロック51−5よりは優先しないが、設定ブロック51−2と連続しない、補正前の優先度が3であったブロック51−4より優先することになる。
このように、設定ブロックとの連続性、即ち、ブロック追加コストに基づいて優先度を更新することで、優先度を更新しない場合に比較して、より多くのブロックをベリファイ対象とすることが可能になる。即ち、サンプリングレートωを高めることができ、その分、記録データの信頼性を向上させることが可能になる。
図12に戻り、以上のようにして、優先度設定部62が、ステップS28において、各ブロックの優先度を更新すると(優先度情報記憶部71の内容を更新すると)、ステップS29において、ベリファイ対象設定部63は、更新後の優先度が最も高いブロックをベリファイ対象として設定可能であるか否かを判定する。
即ち、ベリファイ対象設定部63は、更新後の優先度が最も高いブロックをベリファイ対象として新たに設定した場合における、上述した式(11)の右辺を演算し、演算した結果が、上述した式(11)の左辺、即ち、設定された記録レートより大きい場合、ステップS29において、更新後の優先度が最も高いブロックをベリファイ対象として設定可能であると判定する。
そして、ベリファイ対象設定部63は、ステップS30において、更新後の優先度が最も高いブロックをベリファイ対象として新たに設定し、処理をステップS27に戻し、それ以降の処理を繰り返す。
これに対して、ベリファイ対象設定部63は、更新後の優先度が最も高いブロックをベリファイ対象として新たに設定した場合における、上述した式(11)の右辺の演算の結果が、上述した式(11)の左辺、即ち、設定された記録レート以下である場合、ステップS29において、更新後の優先度が最も高いブロックをベリファイ対象として設定不可能であると判定する。
そして、ベリファイ対象設定部63は、ステップS31において、更新後の優先度が最も高いブロックは設定ブロックに連続しているか否かを判定する。
更新後の優先度が最も高いブロックが設定ブロックに連続している場合(ステップS31において、更新後の優先度が最も高いブロックは設定ブロックに連続していると判定された場合)、それ以上、ベリファイ対象に追加することは不可能であるので、「ベリファイ対象設定処理」は終了となる。
即ち、この場合、直前のステップS30の処理で設定されたブロックまでがベリファイ対象であることを表すベリファイ対象情報が生成され、ベリファイ対象情報記憶部72に記憶される。
これに対して、更新後の優先度が最も高いブロックが設定ブロックに連続していない場合(ステップS31において、更新後の優先度が最も高いブロックは設定ブロックに連続していないと判定された場合)、更新後の優先度が最も高いブロックとは異なるブロックであって、設定ブロックと連続するブロック(未設定ブロック)のうちの、優先度が最も高いブロックを、ベリファイ対象として新たに追加することができるときがある。
そこで、ベリファイ対象設定部63は、ステップS31において、更新後の優先度が最も高いブロックは設定ブロックに連続していないと判定した場合、ステップS32において、設定ブロックと連続するブロック(未設定ブロック)のうちの、優先度が最も高いブロックを、ベリファイ対象として設定可能であるか否かを、ステップS29と同様の手法により判定する。
ステップS32において、設定ブロックと連続するブロックのうちの、更新後の優先度が最も高いブロックをベリファイ対象として設定不可能であると判定された場合、「ベリファイ対象設定処理」は終了となる。即ち、この場合、直前のステップS30、または、後述するステップS33の処理で設定されたブロックまでがベリファイ対象であることを表すベリファイ対象情報が生成され、ベリファイ対象情報記憶部72に記憶される。
これに対して、ステップS32において、設定ブロックと連続するブロックのうちの、更新後の優先度が最も高いブロックをベリファイ対象として設定可能であると判定された場合、ベリファイ対象設定部63は、ステップS33において、そのブロックをベリファイ対象として新たに設定し、処理をステップS32に戻し、それ以降の処理を繰り返す。
次に、図15のフローチャートを参照して、この例の「データ記録処理(図11のステップS4の処理)」の詳細について説明する。
はじめに、ステップS41において、図4のメディアドライブ23のエラー訂正符号付加部41は、入力バッファ部22に記憶された符号化データのうちの、次のベリファイ単位分のデータを取得する。
ステップS42において、エラー訂正符号付加部41は、取得したベリファイ単位分の符号化データに対してECCエンコードを行う。即ち、ベリファイ単位分の符号化データが、ECCを含むECCブロックに区分されて、チャネル符号化部42に供給される。
ステップS43において、チャネル符号化部42は、1以上のECCブロックからなる、ベリファイ単位分の符号化データをチャネル符号化し、データ読み書き部43に供給する。
ステップS44において、データ読み書き部43は、ベリファイ単位分のチャネル符号化データを記録メディア30に書き込む。
ステップS45において、データ読み書き部43は、システム制御部26の記録およびベリファイ実行部64(図10)の制御に基づいて、直前のステップS44の処理で書き込んだチャネル符号化データのうちの、ベリファイ対象として設定されたデータ(ベリファイ対象情報記憶部72(図10)に記憶されたベリファイ対象情報に含まれるECCブロック)を、記録メディア30より読み出す。
そして、ステップS46において、読み込まれた(サンプリングされた)データのエラーチェックが行われる。即ち、リードベリファイ処理の場合、メディアドライブ23のチャネル復号部44またはエラー訂正部45が、読み込まれたデータのエラーチェックを行い、エラーを検出した場合にはエラー信号をシステム制御部26に供給する。一方、コンペアベリファイ処理の場合、データ比較部29が、読み込まれたデータのエラーチェックを行い、エラーを検出した場合にはエラー信号をシステム制御部26に供給する。
ステップS47において、システム制御部26は、直前に記録メディア30に書き込まれたベリファイ単位分のチャネル符号化データにエラーがあるか否か判定する。即ち、データ比較部29、エラー訂正部45、または、チャネル復号部44より、エラー信号が供給された場合、システム制御部26は、ステップS47において、エラーがあると判定し、メディアドライブ23に対してリトライを指示する。
すると、ステップS49において、メディアドライブ23のエラー訂正符号付加部41が、直前に書き込まれたベリファイ単位分の符号化データを入力バッファ部22より再度取得し、処理をステップS42に戻し、それ以降の処理を繰り返す。即ち、リトライ処理が実行される。なお、リトライ処理は、上述したように、符号化データを全て書き込んだ後(後述するステップS48で符号化データの全てを書き込んだと判定された後)にまとめて行うこともできる。
これに対して、データ比較部29、エラー訂正部45、および、チャネル復号部44のいずれからも、エラー信号が出力されなかった場合、システム制御部26は、ステップS47において、エラーがないと判定し、ステップS48において、符号化データを全て書き込んだか否かを判定する。
ステップS48において、符号化データの全てをまだ書き込んでいないと判定された場合、処理はステップS41に戻り、それ以降の処理が繰り返される。即ち、記録メディア30にまだ記録されていないデータが、ベリファイ単位毎に記録メディア30に順次記録されていく。
そして、最後のベリファイ単位分のデータが記録メディア30に記録されると、ステップS48において、符号化データの全てを書き込んだと判定され、「データ記録処理」は終了となる。
なお、記録再生装置(図4)の再生の処理(記録メディア30に記録されたデータの再生の処理)は、次のように行われる。
即ち、例えば、ユーザの入出力部27の操作により再生が指令されると、システム制御部26は、メディアドライブ23が記録メディア30に記録されたチャネル符号化データを再生するように制御する。具体的には、データ読み書き部43は、記録メディア30に記録されたチャネル符号化データを読み出し、チャネル復号部44に供給する。チャネル復号部44は、そのチャネル符号化データをチャネル復号し、その結果得られるECCブロック単位の符号化データを、エラー訂正部45に供給する。エラー訂正部45は、ECCブロック単位の符号化データについて、ECCを用いたエラー訂正を行い、そのエラー訂正処理後の符号化データを、出力バッファ部24に供給し、一時記憶させる。伸長部25は、例えば、出力バッファ部24に記憶された符号化データを読み出し、その符号化データをAVデータに伸長し、外部に出力する。
以上のように、本実施の形態においては、はじめに、メディア転送レート以下の範囲で自在に記録レートが設定され、メディア転送レート、および、設定された記録レートに基づいて、記録されるデータの中から、ベリファイ対象が設定され、記録されるデータのうちの、設定されたベリファイ対象に対してのみベリファイ処理が実行されるので、ユーザが所望する記録レートで、データを記録メディア30に確実に記録させることが可能になる。また、データのフォーマットで規定されている記録レートで、データを記録メディア30にリアルタイムに確実に記録させることが可能になる。
また、本実施の形態においては、記録されるデータを構成する2以上のECCブロックのそれぞれに対して優先度が設定され、メディア転送レートと記録レート以外に、設定された優先度に基づいて、記録されるデータの中から、ベリファイ対象が、ECCブロックを単位として設定される。さらに、ベリファイ対象として既に設定された設定ブロックと、ベリファイ対象としてまだ設定されていない未設定ブロックとの相互の位置関係に基づいて、未設定ブロックの優先度が更新され、メディア転送レート、記録レート、および、更新された優先度に基づいて、未設定ブロックの中から、ベリファイ対象として設定可能なものが、ベリファイ対象としてさらに設定される。
換言すると、本実施の形態においては、設定された記録レートにより決定されるピックアップ帯域の余裕分を最大限に利用できるように、ベリファイ対象が設定されるので、記録データの信頼性を、設定された記録レートで可能な最大限のレベルまで高めることが可能になる。
なお、上述の場合には、ECCブロック毎に優先度を設定し、設定した優先度に基づいてベリファイ対象を設定するようにしたが、その他、例えば、単に、記録されるデータの先頭のECCブロックから順に、ベリファイ対象として設定可能なものを、ベリファイ対象として設定するようにしてもよい。
ところで、ECCブロック毎の優先度の設定手法については詳しく言及していないが、ECCブロック毎の優先度の設定手法は、特に限定されず、様々な手法が適用可能である。例えば、データの階層構造に基づいてECCブロック毎の優先度を設定することも可能である。
そこで、以下、図16乃至図21を参照して、データの階層構造に基づいて各ECCブロックの優先度を設定し、設定した優先度に基づいてベリファイ対象を設定する手法について説明する。
図16は、これから記録メディア30に記録されるAVデータ1が、ファイルシステムとしてUDF(Universal Disk Format)を採用し、コンテンツ記述としてMXF(Material Exchange Format)を採用し、コーデック(圧縮フォーマット)としてMPEG-2を採用している場合における、AVデータ1の階層構造を表している。
即ち、図16においては、図中上から順に、最上位層であるファイルシステム層、その1つ下の層であるコンテンツ層、さらに1つ下の層であるアイテム層、および、最下層であるコーデック層のそれぞれが示されている。なお、各階層の名前は、後述するフルレゾリューションビデオデータ111に着目した場合の名前であり、他のデータに着目した場合、名前が変わることもある。また、AVデータの階層構造は、図16の階層構造に限定されず、様々な階層構造が適用可能である。
図16に示されるように、ファイルシステム層は、ファイルエントリ(図中、FEと記述されている)と、ファイルから構成される。ファイルエントリには、対象とするファイル(図中矢印が引かれた先のファイル)のデータサイズや物理位置等のファイル管理情報が格納される。ファイルには、各種データが格納される。
例えば、ファイル91のコンテンツ層は、ファイル91自身に関する情報や、ファイル91内のデータに関するメタデータが格納されるヘッダ、データの本体であるボディ101、および、フッタから構成される。即ち、AVデータ1のファイル91のコンテンツ層においては、ヘッダ、ボディ101、および、フッタのそれぞれが、その順番で配置される。
ボディ101のアイテム層は、メタデータ(図中、Mと記述されている)、フルレゾリューションオーディオ(音声)データ(図中、Aと記述されている)、フルレゾリューションビデオ(画像)データ(図中、Vと記述されている)、および、ローレゾリューションデータ(図中、Lと記述されている)から構成される。即ち、AVデータ1のファイル91のボディ101のアイテム層においては、メタデータ、フルレゾリューションオーディオデータ、フルレゾリューションビデオデータ111、および、ローレゾリューションデータのそれぞれが、その順番に並んで形成されるデータの組(図中、(M,A,V,L)で示される組)が、1以上連続して並んで配置される。換言すると、図16においては、メタデータ、フルレゾリューションオーディオデータ、および、フルレゾリューションビデオデータ111といったアイテムが多重化されている。
ただし、フォーマット形式が図16の例とは異なる場合、アイテム層は、1種類のアイテム(例えば、ビデオデータ、または、オーディオデータの1種類のみ)で構成されることもある。
ここで、フルレゾリューションオーディオデータとフルレゾリューションビデオデータ111は、高品質または標準の品質のオーディオデータとビデオデータである。そして、ローレゾリューションデータは、フルレゾリューションオーディオデータおよびフルレゾリューションビデオデータ111と同一内容でデータの量を少なくしたデータである。従って、ローレゾリューションデータは、オーディオデータとビデオデータを含んでおり、そのオーディオデータとビデオデータは、例えば、フルレゾリューションオーディオデータとフルレゾリューションビデオデータ111よりそれぞれビットレートが低いものとなっている。
例えば、フルレゾリューションビデオデータ111のコーデック層は、Iピクチャ(Intra-Picture)(図中、Iと記述されている)、Pピクチャ(Predictive-Picture)(図中、Pと記述されている)、および、Bピクチャ(Bidirectionally Predictive-Picture)(図中、Bと記述されている)から構成される。
Iピクチャの画像データは、その1フレーム分の画像データ(ビデオデータ)が、他のフレームの画像データを利用することなくそのまま符号化された画像データ(イントラ(Intra)符号化された画像データ)である。一方、Pピクチャの画像データは、基本的には、それより表示順で時間的に先行するIピクチャまたはPピクチャの画像データからの差分が符号化された画像データ(インター(Inter)符号化された画像データ)である。さらに、Bピクチャの画像データは、基本的には、表示順で時間的に先行するIピクチャ若しくはPピクチャの画像データ、または後行するIピクチャ若しくはPピクチャの画像データからの差分が符号化された画像データ(インター符号化された画像データ)である。
IピクチャをIと、BピクチャとBと、PピクチャをPと、それぞれ記述すると、AVデータ1のファイル91のボディ101のフルレゾリューションビデオデータ111のコーデック層においては、符号化/復号順で(I,B,B,P,B,B,P,B,B)の組、即ち、GOP(Group Of Picture)が、1以上連続して並んで配置される。
なお、GOPは、符号化/復号順で(I,B,B,P,B,B,P,B,B)の組に特に限定されず、例えば、図17に示すように、符号化/復号順で(I,B,B,P,B,B,P,B,B,P,B,B,P,B,B)の組からなるロングGOPとすることもできる。また、GOPは、Iピクチャ、Pピクチャ、およびBピクチャとから構成する他、IピクチャおよびPピクチャのみで構成することもできるし、IピクチャとBピクチャのみで構成することもできる。
また、例えば、MPEG-2PSの場合、コーデック層は、さらにパック層やパケット層等に階層化されることもあるが、ここでは、説明の簡略上、それらの層については省略する。
図18は、AVデータ1が図16で示される階層構造とされる場合の、優先度の設定例を表している。
即ち、図18においては、図16に対応させて、図中上から順に、ファイルシステム層の各ノード(構成要素)、コンテンツ層の各ノード、アイテム層の各ノード、および、コーデック層の各ノードのそれぞれが示されている。
なお、図18において、ファイルシステム層の各ノードのそれぞれは、図中、左から順に、ファイルエントリ、メタデータファイル、AVデータファイル91、および、サルベージマーカとされている。メタデータファイルには、記録中に挿入されるエッセンスマークや、フレーム番号とタイムコードの対応表等、AVデータ1全体に関するデータが格納される。また、サルベージマーカには、記録データに定期的に(例えば、2秒間隔で)挿入される、アクシデント時からのデータ復旧用の情報が格納される。
その他の階層における各ノードのそれぞれは、図16に示されるノードと同じ順番で配置されている。
また、図18において、各ノード(構成要素)を表す四角形の中に、優先度の設定例が記述されている。図18においても、優先度は、例えば、単なる優先順位ではなく、重み(例えば、各層における重要度に応じた重み)とされており、重み(値)が大きいほど、優先度が高いことを表している。
即ち、本手法においては、次の(a)乃至(c)より、各ECCブロックのそれぞれの優先度が設定される。
(a)図18に示されるように、各階層毎における各ノードのそれぞれに対して、それらのノードが属している階層内における優先度(このような優先度を、以下、階層内優先度と称する)が設定される。この場合、階層内優先度の合計値が必ず1となるように、各ノードの優先度が設定される。
具体的には、例えば、ファイルシステム層の階層内優先度として、図18のファイルシステム層(図中、1番上の層)においては、左から順に、ファイルエントリに対して4/13が、メタデータファイルに対して3/13が、AVデータファイル91に対して1/13が、サルベージマーカに対して5/13が、それぞれ設定されている。そして、これらの階層内優先度の合計値は、4/13+3/13+1/13+5/13=1となっている。
また、図18では、アイテム層の階層内優先度として、メタデータに対して、4/10が、フルレゾリューションオーディオデータに対して3/10が、フルレゾリューションビデオデータ111に対して2/10が、ローレゾリューションデータに対して1/10が、それぞれ設定されている。
この場合、フルレゾリューションオーディオデータおよびフルレゾリューションビデオデータ111は、ローレゾリューションデータよりも優先度が高く設定されているので、ローレゾリューションデータよりも、フルレゾリューションオーディオデータおよびフルレゾリューションビデオデータ111が優先的にベリファイ対象とされる。例えば、図18の階層構造のデータを記録メディア30に記録しながら、データ量の少ないローレゾリューションデータを図示せぬ他の装置に伝送する場合に、上述のような優先度を設定することで、ローレゾリューションデータの記録の信頼性は低下するが、その一方、フルレゾリューションオーディオデータおよびフルレゾリューションビデオデータ111を記録メディア30に確実に記録しながら、ローレゾリューションデータを迅速に伝送することができる。これは、例えば、取材において、現地で撮像した素材データを記録しながら、その素材データをノンリニア編集等のために放送局に伝送するようなケースにおいて有効である。
なお、アイテム層では、その他、例えばローレゾリューションデータのオーディオデータに比べてフルレゾリューションオーディオデータの優先度を高く設定するとともに、ローレゾリューションデータのビデオデータに比べてフルレゾリューションビデオデータ111の優先度を低く設定することが可能である。この場合、フルレゾリューションビデオデータ111に比べてデータ量が少ないフルレゾリューションオーディオデータとローレゾリューションデータのビデオデータが優先的にベリファイ対象となるので、より多くのデータをベリファイ対象とすることができる。即ち、オーディオデータおよびビデオデータを確実に記録することができる。さらに、オーディオデータについては、その音声品質を保証することができる。
また、図18では、コーデック層の階層内優先度として、ビデオデータ111のIピクチャ121に対して4/7が、Bピクチャ122に対して2/7が、Pピクチャ123に対して1/7が、それぞれ設定されているが、ビデオデータ111のコーデック層では、その他、例えば、Iピクチャ121、Pピクチャ123、Bピクチャ122の順に高い優先度を設定することもできる。これにより、記録エラーが再生に影響を与える範囲を狭くすることができる。
図19を参照して、記録エラーが再生に影響を与える範囲を説明する。
なお、図19において、各ピクチャタイプを表すI,P,Bの後の数字は、そのピクチャの表示順を表している。さらに、各ピクチャの上の×印は、そのピクチャの再生(復号)が困難であることを示している。
図19では、GOPは、符号化/復号順の並びで、I2,B0,B1,P5,B3,B4,P8,B6,B7,P11,B9,B10,P14,B12,B13から構成されている。
まず最初に、図19の一番上の図を参照して、Iピクチャに記録エラーが発生した場合について説明する。
図19の一番上の図に示すように、例えば、あるGOPにおいて、IピクチャであるI2の画像データに記録エラーが発生し、正常に記録されていない場合、そのGOP内のすべてのピクチャの再生が困難となる。
即ち、上述したように、Pピクチャの画像データは、基本的に、それより表示順で時間的に先行するIピクチャまたはPピクチャの画像データからの差分が符号化された画像データであり、Pピクチャの画像データを再生する場合、そのPピクチャより表示順で時間的に先行するIピクチャまたはPピクチャの画像データを参照する必要がある。
例えば、PピクチャであるP5の画像データは、それより表示順で時間的に先行するI2の画像データからの差分が符号化された画像データであり、P5の画像データを再生する場合、I2の画像データを参照する必要がある。また、PピクチャであるP8の画像データは、それより表示順で時間的に先行するP5の画像データからの差分が符号化された画像データであり、P8の画像データを再生する場合、P5の画像データを参照する必要がある。
従って、あるGOPにおいて、I2の画像データに記録エラーが発生し、正常に記録されていない場合、そのGOP内のI2の画像データだけでなく、I2の画像データを参照する必要があるP5の画像データ、さらにはP5の画像データを参照する必要があるP8の画像データの再生も困難となる。また、同様に、P8の画像データを参照する必要があるP11の画像データ、P11の画像データを参照する必要があるP14の画像データの再生も困難となる。即ち、すべてのPピクチャ(P5,P8,P11,P14)の画像データを再生することが困難となる。
また、Bピクチャの画像データは、基本的に、それより表示順で時間的に先行するIピクチャ若しくはPピクチャの画像データ、または後行するIピクチャ若しくはPピクチャの画像データからの差分が符号化された画像データであり、Bピクチャの画像データを再生する場合、そのBピクチャより表示順で時間的に先行するIピクチャ若しくはPピクチャの画像データ、または後行するIピクチャ若しくはPピクチャの画像データを参照する必要がある。
しかしながら、上述したように、あるGOPにおいて、I2の画像データに記録エラーが発生し、正常に記録されていない場合、そのGOP内のI2の画像データ、さらには、すべてのPピクチャの画像データを再生することが困難であるので、それらを参照するGOP内のすべてのBピクチャ(B0,B1,B3,B4,B6,B7,B9,B10,B12,B13)の画像データも再生することが困難となる。
以上のように、あるGOPにおいて、Iピクチャに記録エラーが発生し、正常に記録されていない場合、そのGOP内のすべてのピクチャを再生することが困難となる。
また、GOPがオープンGOP(クローズトGOPでないGOP)である場合、I2の画像データの直後のB0およびB1の2つの画像データは、そのGOPの1つ前のGOPのP14の画像データを参照して符号化される。従って、あるオープンGOPにおいて、I2の画像データに記録エラーが生じ、そのGOP内のすべてのピクチャの画像データの再生が困難である場合、記録エラーが生じたI2の画像データを含むGOP内のすべてのピクチャだけでなく、そのGOPの1つ後のGOPのB0およびB1の2つの画像データを再生することも困難となる。
次に、図19の上から2番目の図を参照して、Pピクチャに記録エラーが発生した場合について説明する。
図19の上から2番目の図に示すように、例えば、あるGOPにおいて、P5の画像データに記録エラーが発生し、正常に記録されていない場合、そのGOP内のP5の画像データと、P5の画像データより符号化/復号順で時間的に後行するすべてのピクチャ(B3,B4,P8,B6,B7,P11,B9,B10,P14,B12,B13)の画像データの再生が困難となる。
即ち、上述したように、GOPにおいて、I2の画像データは、他のピクチャを参照することなく符号化されるので、あるGOPにおいて、P8の画像データの記録エラーの有無にかかわらず、I2の画像データは、それが正常に記録されていれば、再生することができる。
一方、Pピクチャの画像データを再生する場合、上述したように、そのPピクチャより表示順で時間的に先行するIピクチャまたはPピクチャの画像データを参照する必要がある。
例えば、P8の画像データを再生する場合、P8の画像データより表示順で時間的に先行するP5の画像データを参照する必要がある。従って、P5の画像データに記録エラーが発生している場合には、P8の画像データを再生することは困難となる。同様に、P8の画像データを参照する必要があるP11の画像データ、P11の画像データを参照する必要があるP14の画像データも再生することが困難となる。
このように、あるGOPにおいて、P5の画像データに記録エラーが発生し、正常に記録されていない場合、そのGOP内のP5の画像データだけでなく、P5の画像データより表示順で時間的に後行するすべてのPピクチャ(P8,P11,P14)の画像データを再生することが困難となる。
また、P5の画像データより符号化/復号順で時間的に後行するBピクチャの画像データを再生する場合、そのBピクチャの画像データより符号化/復号順で時間的に先行するPピクチャを参照する必要がある。従って、上述したように、PピクチャであるP5,P8,P11,P14の画像データの再生が困難である場合には、P5の画像データより符号化/復号順で時間的に後行するBピクチャの画像データを再生することも困難となる。
このように、あるGOPにおいて、P5の画像データに記録エラーが発生し、正常に記録されていない場合、そのGOP内のP5の画像データだけでなく、P5の画像データより符号化/復号順で時間的に後行するすべてのBピクチャ(B3,B4,B6,B7,B9,B10,B12,B13)の再生も困難となる。
以上から、あるGOPにおいて、P5の画像データに記録エラーが発生し、正常に記録されていない場合、そのGOP内のP5の画像データと、P5の画像データより時間的に後行するすべてのピクチャを再生することが困難となる。
また、I2の画像データの直後のB0およびB1の2つの画像データは、そのGOPの1つ前のGOPのP14の画像データを参照して符号化されるので、あるオープンGOPにおいて、P5の画像データに記録エラーが生じ、これにより、そのGOP内のP14の画像データの再生が困難である場合、さらに、そのGOPの1つ後のGOPのB0およびB1の2つの画像データを再生することも困難となる。
最後に、図19の一番下の図を参照して、Bピクチャに記録エラーが発生した場合について説明する。
図19の一番下の図に示すように、例えば、あるGOPにおいて、BピクチャであるB0の画像データに記録エラーが発生し、正常に記録されなかった場合、そのGOP内のBOの画像データの再生のみが困難となる。
即ち、GOPにおいて、Bピクチャの画像データは、他のピクチャの再生時に参照されない。
従って、あるGOPにおいて、B0の画像データに記録エラーが発生し、正常に記録されていない場合においては、そのB0の画像データの再生のみが困難となるだけで、他のピクチャの再生に影響が及ぶことはない。
以上のように、あるGOPにおいて、Iピクチャに記録エラーが発生した場合、そのGOP内のすべてのピクチャの再生が困難となり、その記録エラーが再生に影響を与える範囲は広い。
また、Pピクチャに記録エラーが発生した場合、そのPピクチャと、そのPピクチャより符号化/復号順で時間的に後行するすべてのピクチャの再生が困難となるので、その記録エラーが再生に影響を与える範囲は広いが、Iピクチャに記録エラーが発生した場合よりは狭い。
さらに、Bピクチャに記録エラーが発生した場合、そのBピクチャの再生のみが困難となるので、その記録エラーが再生に影響を与える範囲は、Pピクチャに記録エラーが発生した場合よりも、さらに狭い。
従って、記録エラーが再生に影響を与える範囲の広い方から順に(Iピクチャ121、Pピクチャ123、Bピクチャ122の順に)、ビデオデータ111のコーデック層(図18)の階層内優先度を高くすることにより、記録エラーが再生に影響を与える範囲を狭くすることができる。
なお、上述した図19においては、GOPをI,P,Bの3つのピクチャから構成したが、Iピクチャと、PピクチャまたはBピクチャのうちのいずれか一方とからなるGOPにおいても同様に、記録エラーが再生に影響を与える範囲の広い方から順に優先度を高くすることができる。即ち、PピクチャまたはBピクチャに比べて、Iピクチャの優先度が高くなるように、IピクチャとPまたはBピクチャの優先度を設定することができる。
(b)図18の階層構造において、非分割なノード(即ち、末端のノードであって、例えば、図18においては、灰色で示されたノードである)の優先度は、自ノードと、祖先ノード全ての階層内優先度の乗算値が設定される。この場合、階層構造のツリー全体の末端ノードの優先度の合計値も必ず1となる。
具体的には、例えば、フルレゾリューションビデオデータ111のIピクチャ121に着目すると、コーデック層のIピクチャ121の階層内優先度が4/7とされ、その上の祖先ノードである、アイテム層のフルレゾリューションビデオデータ111の階層内優先度が2/10とされ、さらに上の祖先ノードである、コンテンツ層のボディ101の階層内優先度が1/6とされ、かつ、一番上の祖先ノードである、ファイルシステム層のファイル91の階層ノードが1/13とされている。従って、Iピクチャ121の優先度として、2/1365(=1/13×1/6×2/10×4/7)が設定される。
このような優先度の設定手法を採用することで、階層内優先度の順序付けと、その下位のノードの実際の優先度を逆転させることもでき、より柔軟な優先度の設定が可能になる。即ち、ベリファイ対象のより柔軟な設定が可能になる。
具体的には、例えば、図示はしないが、これから記録メディア30に記録されるAVデータ1において、アイテム層における、フルレゾリューションビデオデータ111がMPEG-2のデータとされ、ローレゾリューションデータのビデオサブアイテムがMPEG-4のデータとされた場合、「基本的にローレゾリューションよりもフルレゾリューションのデータの優先度を高くするが(ベリファイ対象として優先的に設定するが)、ローレゾリューションのIピクチャのデータのみは、フルレゾリューションのPピクチャやBピクチャのデータよりも優先度を高くしたい(ベリファイ対象として優先的に設定したい)」といった要望にも柔軟に対応することが可能になる。
(c)上述した(a)と(b)により設定される各ノードの優先度に基づいて、各ECCブロックの優先度が設定される。対象となる1つのECCブロック内に、複数のノードのデータが存在する場合、例えば、そのECCブロックに含まれる複数のノードの優先度のうちの、最も高い優先度(最大値)が、そのECCブロックの優先度として設定される。
そして、このようにして設定された各ECCブロックの優先度に基づいて、ベリファイ対象がECCブロックを単位として設定されることになる。
即ち、記録されるデータの階層構造に基づいて、各階層の各構成要素のそれぞれに対して優先度が設定され、設定された優先度に基づいて、記録されるデータの中から、ベリファイ対象が設定され、記録されるデータのうちの、設定されたベリファイ対象にのみベリファイ処理が実行される。
従って、優先度の高いノード(構成要素)から順に、即ち、ノードとしての重要度が高いものから順に、ベリファイ処理が実行されていくので、ピックアップ帯域の余裕分の範囲内で、重要度の高いノードの全てに対してベリファイ処理が実行されることになり、その結果、記録データの信頼性を向上させることが可能になる。また、優先度の設定は自在に可能であるので、ユーザによって異なる重要度に対応させて優先度を設定することが可能になる。即ち、上述したように、ユーザの要望に柔軟に対応させて、ベリファイ対象を設定することが可能になる。
ただし、データの階層構造に基づいて設定された優先度に単純に従って、ベリファイ対象が設定されると、次のような問題が発生する。
即ち、ピックアップ帯域の余裕分の残りが少なく、その余裕分の残り(以下、ピックアップ帯域の残余分と称する)を、次の優先度のノードの全データのベリファイ処理に割り当てることが不可能な場合(即ち、次の優先度のノードの全データをベリファイ対象として設定不可能な場合)、ピックアップ帯域の残余分を、次の優先度のノードの一部分のデータのベリファイ処理に割り当てる(即ち、次の優先度のノードの一部分のデータのみをベリファイ対象として設定する)よりも、さらに優先度が低いノードの全データのベリファイ処理に割り当てたほうが有用なこと(即ち、さらに優先度が低いノードの全データをベリファイ対象に設定した方が有用なこと)もある。
具体的には、例えば、ピックアップ帯域の残余分を、フルレゾリューションビデオデータ111のIピクチャの全データのうちの20%未満のデータのベリファイ処理にしか割り当てることができないが、ローレゾリューションデータのIピクチャのすべてのデータには割り当てることができる場合(即ち、ベリファイ対象として、フルレゾリューションビデオデータ111のIピクチャの20%のデータしか設定できないが、ローレゾリューションデータのIピクチャの全データを設定できる場合)、ピックアップ帯域の残余分を、ローレゾリューションデータのIピクチャの全データ(100%のデータ)のベリファイ処理に割り当てる(即ち、ベリファイ対象として、ローレゾリューションデータのIピクチャの全データ(100%のデータ)を設定する)方が有用であることがある。
即ち、ローレゾリューションデータのIピクチャの全データに対してベリファイ処理が施されれば、ローレゾリューションデータでありながらも全てのIピクチャの記録を保証することが可能になり、フルレゾリューションビデオデータ111のIピクチャの20%未満のデータに対してベリファイ処理が施されるよりも有用となる(記録データの信頼性が上がる)ことがある。
しかしながら、データの階層構造に基づいて設定された優先度に単純に従って、ベリファイ対象が設定される手法では、このような柔軟な設定は困難であるという問題がある。
そこで、このような問題を解決するために、優先度設定部62(図10)は、優先度の補正(更新)を行えばよい。
優先度の更新手法は、特に限定されず、上述した図12のステップS28の処理で説明した更新手法でもよいが、このような問題を解決するためには、例えば、次のような更新手法が好適である。
即ち、優先度設定部62は、ピックアップ帯域の残余分、並びに、ノードのデータサイズ、および、ノードのいまの時点(更新前)の優先度に基づいて、ノードの優先度を更新する。
具体的には、例えば、図20において、これから記録メディア30に記録されるAVデータ1のデータサイズ131(以下、AVデータの総データ量131と称する)のうちの、ベリファイ処理が可能なデータのデータサイズ141(以下、ベリファイ可能量141と称する)は、ピックアップ帯域(即ち、メディア転送レートRm)と、設定された記録レートに応じて決定される。即ち、ベリファイ可能量141が、ピックアップ帯域の余裕分を表す指標となる。
なお、ベリファイ処理が不可能なデータのデータサイズ142(以下、ベリファイ不可能量142と称する)は、図20に示されるように、AVデータの総データ量131から、ベリファイ可能量141を減算したデータサイズとなる。
例えば、いま、ECCブロックを単位としてベリファイ対象が順次設定されていくことを考えると、これからベリファイ対象として新たに追加することが可能なデータサイズは、図20に示されるように、ベリファイ可能量141から、設定ブロック(ベリファイ対象として既に設定されたECCブロック)のデータサイズ151(以下、ベリファイ設定量151と称する)を減算したデータサイズ152(以下、ベリファイ未設定量152と称する)となる。
この場合、図20に示されるように、所定のノード(構成要素)の全データの総計のデータサイズ161(以下、所定のノードの総データ量161と称する)が、ベリファイ未設定量152より大きい場合、そのノードの全データをベリファイ対象として設定することは不可能である。換言すると、ピックアップ帯域の残余分を、そのノードの全データのベリファイ処理に割り当てることができない。
このように、ベリファイ未設定量152が、ピックアップ帯域の残余分を表す指標となる。
従って、優先度設定部62(図10)は、例えば、次の式(16)に従って、ノードの優先度を更新することができる。
pa = pb × dc/dn ・・・(16)
式(16)において、paは、優先度を更新する対象のノードである更新対象ノードの補正後の優先度を、pbは、更新対象ノードの補正前の優先度を、dcは、ベリファイ未設定量(図20においては、ベリファイ未設定量152)を、dnは、更新対象ノードの全データ量(図20においては、所定のノードの総データ量161)を、それぞれ表している。
具体的には、例えば、フルレゾリューションビデオデータ111のIピクチャの全データ量が、ベリファイ未設定量の4倍よりも大きい場合(即ち、ピックアップ帯域の残余分を、フルレゾリューションのIピクチャの全データのうちの25%未満のデータに対するベリファイ処理にしか割り当てられない場合)において、フルレゾリューションビデオデータ111のIピクチャの優先度が4であり、ローレゾリューションデータのIピクチャの優先度が1となっているときには、上述した式(16)より、フルレゾリューションビデオデータ111のIピクチャの優先度は1よりも小さい値に更新される。従って、ローレゾリューションデータのIピクチャが、フルレゾリューションビデオデータ111のIピクチャよりも優先度が高くなり、ベリファイ対象が、フルレゾリューションビデオデータ111のIピクチャから、ローレゾリューションデータのIピクチャに切り替わることになる。
このように、例えば、優先度設定部62(図10)が、メディア転送レートと記録レートにより決定されるベリファイ処理の実行が可能なデータサイズ(例えば、図20のベリファイ可能量141)から、ベリファイ対象設定部63(図10)によりベリファイ対象として既に設定されたデータの総計のデータサイズ(例えば、図20のベリファイ設定量151)を減算したデータサイズ(例えば、図20のベリファイ未設定量152)に基づいて、ベリファイ対象としてまだ設定されていないデータの優先度を更新し、ベリファイ対象設定部63が、更新された優先度に基づいて、ベリファイ対象としてまだ設定されていないデータの中から、ベリファイ対象として設定可能なものを、ベリファイ対象としてさらに設定することで、上述した問題を解決すること(即ち、優先度を更新しない場合に比較して、ユーザ等の要求にさらに柔軟に対応して、ベリファイ対象を設定すること)が可能になる。
即ち、例えば、ベリファイ未設定量152(ピックアップ帯域の残余分)が大の場合には、高画質のフルレゾリューションビデオデータ111を優先的にベリファイ対象とし、ベリファイ未設定量152が小となった場合には、低画質ではあるが、データ量の少ないローレゾリューションデータを優先的にベリファイ対象とすることが可能となる。
ところで、このようにして、各ECCブロックのそれぞれに優先度が設定されると、ECCブロックの中には、同一の優先度を有するものもでてくる。そこで、このような場合の処理(同一の優先度を有するECCブロックの処理)は、例えば、次のようにすることができる。
即ち、上述したように、ベリファイ単位において、ベリファイ対象の領域が分散されて設定されると、その分散数pに比例してシーク時間が増加するので(シーク回数が増えるので)、その分だけ、サンプリングレートω(或いは、記録レートRs)の低下を招くことになる。そこで、優先度が同一のECCブロックが複数個存在する場合、例えば、分散数pの増加を抑制するため、優先度が同一のECCブロックのうちの、設定ブロック(ベリファイ対象として既に設定されたECCブロック)と連続するECCブロックの方が、設定ブロックと連続しないECCブロックよりも優先度が高いとみなして、ベリファイ対象の設定の処理を実行することができる。
以上説明した、データの階層構造を利用して優先度を設定し、その優先度を利用してベリファイ対象を設定する処理例、即ち、「「ベリファイ対象設定処理」(図11のステップS1の処理)」の詳細が、図21のフローチャートに示されている。即ち、図21のフローチャートは、図12の例とは異なる例の「ベリファイ対象設定処理」を表している。
そこで、以下、図21のフローチャートを参照して、データの階層構造による優先度を利用する「ベリファイ対象設定処理」の詳細について説明する。
なお、記録レートの設定処理、即ち、ステップS61乃至S64のそれぞれの処理は、上述した図12のステップS21乃至S24のそれぞれの処理と基本的に同様であるため、それらの説明については省略する。
記録レートが設定されると、ステップS65において、図10のシステム制御部26の優先度設定部62は、システム情報記憶部73に記憶されているシステム情報(例えば、これから記録メディア30に記録されるデータのフォーマット情報等)に基づいて、これから記録メディア30に記録されるデータ(チャネル符号化データ)を構成する各ECCブロック(この例の「ベリファイ対象設定処理」の説明においても、単にブロックと適宜称する)のそれぞれに対して優先度を設定する。
この例においては、例えば、上述した図16乃至図20を参照して説明した設定手法(即ち、データの階層構造に基づく設定手法)にしたがい、ノードの優先度に基づき、各ノードに属するブロックの優先度が設定される。
優先度設定部62により各ブロックの優先度が設定され、その設定の内容を含む優先度情報が優先度情報記憶部71に記憶されると、ステップS66において、優先度設定部62は、各ノードの総データ量、および、ベリファイ未設定量に基づいて、各ノードの優先度を更新(補正)する。
即ち、優先度設定部62は、上述した式(16)を利用して、各ノードのそれぞれの優先度を再演算し、再演算した各値を更新後の各ノードの優先度として、優先度情報記憶部71に記憶された優先度情報の内容を更新する。
ステップS67において、ベリファイ対象設定部63は、更新後の優先度が最も高いノードの総データ量は、ベリファイ未設定量以下であるか否かを判定する。
ステップS67において、更新後の優先度が最も高いノードの総データ量は、ベリファイ未設定量以下であると判定された場合、ベリファイ対象設定部63は、ステップS68において、そのノードに属する全てのブロックをベリファイ対象として設定し、ステップS69において、ベリファイ未設定量があるか(残っているか)否かを判定する。
ベリファイ未設定量が残っていない場合(ステップS69において、ベリファイ未設定量がないと判定された場合)、それ以上、ベリファイ対象を追加することは不可能であるので、「ベリファイ対象設定処理」は終了となる。
即ち、この場合、直前のステップS68の処理で設定されたブロックまでがベリファイ対象であることを表すベリファイ対象情報が生成され、ベリファイ対象情報記憶部72に記憶される。
これに対して、ステップS69において、ベリファイ未設定量があると判定された場合、処理はステップS66に戻され、それ以降の処理が繰り返される。即ち、ノードの優先度(ただし、1つのノードに含まれるデータがベリファイ対象として設定される毎に、未設定ブロックを含むノードの優先度は更新される)が高いものから順に、ベリファイ対象が順次設定されていく。
そして、その時点で優先度が最も高いノードの総データ量がベリファイ未設定量を超えると(即ち、ステップS67において、優先度が最も高いノードの総データ量は、ベリファイ未設定量以下ではないと判定されると)、ベリファイ対象設定部63は、ステップS70において、優先度が最も高いノード内に、設定ブロックと隣接する(連続して配置される)ブロックが存在するか否かを判定する。
ステップS70において、優先度が最も高いノード内に、設定ブロックと隣接する(連続して配置される)ブロックが存在すると判定された場合、ベリファイ対象設定部63は、ステップS71において、設定ブロックと連続するブロックをベリファイ対象として設定する。
これに対して、ステップS70において、優先度が最も高いノード内に、設定ブロックと隣接するブロックが存在しないと判定した場合(優先度が最も高いノードが、設定ブロックと離間して配置されている場合)、ベリファイ対象設定部63は、ステップS72において、優先度が最も高いノード内の所定の1つのブロックをベリファイ対象として設定する。なお、ステップS72において、ベリファイ対象設定部63は、設定ブロックと隣接する未設定ブロックのうちの優先度が最も高いブロックの1つをベリファイ対象として設定してもよい。
このようにして、ステップS71またはS72において、ベリファイ対象を設定すると、ベリファイ対象設定部63は、ステップS73において、ベリファイ未設定量があるか否かを判定する。
ステップS73において、ベリファイ未設定量があると判定された場合、処理はステップS70に戻され、それ以降の処理が繰り返される。即ち、未設定ブロックが1つずつベリファイ対象として順次設定されていく。
そして、ベリファイ未設定量がなくなると(ステップS73において、ベリファイ未設定量がないと判定された場合)、「ベリファイ対象設定処理」は終了となる。
即ち、この場合、直前のステップS71またはS72の処理で設定されたブロックまでがベリファイ対象であることを表すベリファイ対象情報が生成され、ベリファイ対象情報記憶部72に記憶される。
以上、優先度に基づいてベリファイ対象を設定する「ベリファイ対象設定処理」(即ち、図12、または図21に従って実行される「ベリファイ対象設定処理」)について説明したが、「ベリファイ対象設定処理」、換言すると、ベリファイ対象の設定手法は、上述した優先度を用いる手法に限定されず、様々な手法が適用可能である。
例えば、ベリファイ対象の設定手法として、所定の規則に従ってベリファイ対象を設定する手法も適用可能である。そこで、以下、ベリファイ対象の設定手法の他の例(即ち、図12、または、図21の例とは異なる例の「ベリファイ対象設定処理」)として、所定の規則に従ってベリファイ対象を設定する手法について説明する。
なお、ベリファイ対象を設定する場合に利用される規則は、特に限定されず、様々な規則が適用可能であるが、ここでは、データの記録時間を抑制した上で一定の記録信頼性を確保することが可能な規則を定義し、その規則を利用する「「ベリファイ対象設定処理」(ベリファイ対象を設定する手法)」について説明する。
サンプリングレートωが大きくなるほど(即ち、ベリファイ対象のデータサイズ(サンプリングデータサイズ)が大きくなるほど)、また、基本的には、分散数pが増えるほど(換言すると、ECCブロックの選択の範囲が広まると分散数pも増えるので、任意のECCブロックを選択することが可能になるほど)、記録データの信頼性は向上することになる。その反面、その分だけ、上述した式(11)に示されるように、記録レートRsは下がることになり、データの所要記録時間が増大することになる。
ところが、上述した優先度を利用する「ベリファイ対象設定処理」においては、先に記録レートRsが設定され、それに伴い、データの所要記録時間も決定されることになるので、データの所要記録時間については特に着目されていなかった。
そこで、以下に説明する所定の規則を利用する「ベリファイ対象設定処理」においては、データの所要記録時間を抑制しつつ、記録データの信頼性も確保することに着目する。
換言すると、以下においては、データの所要記録時間を抑制しつつ、記録データの信頼性も確保することを目的として、所定の規則を定義し、その定義に従って、記録されるデータの中から、ベリファイ対象を設定し、記録されるデータのうちの、設定された対象データに対してのみベリファイ処理を実行する「ベリファイ対象設定処理」について説明する。
このような目的を達成するための規則は、特に限定されず、様々な規則が適用可能であるが、ここでは、それらの規則のうちの4つの規則(第1乃至第4の規則)についてのみ説明する。
即ち、第1の規則は、サンプリングレートω(即ち、記録されるデータのサイズに対する、ベリファイ対象のサイズの割合)を先に設定し、設定したサンプリングレートωを満たすように、ベリファイ対象を設定する規則である。
第2の規則は、連続性のあるエラーの許容可能な範囲(例えば、エラーの継続時間の許容可能な最大時間。なお、以下、このような時間を最悪エラー時間と称する)を設定する。そして、ベリファイ処理において1回あたりに読み出されるデータサイズを、連続性のあるエラーを少なくとも検出できるデータサイズとし、そのデータサイズを有する2以上の対象データのそれぞれが、他の対象データと、先に設定された最悪エラー時間に対応する間隔だけ離間して配置されるように、ベリファイ処理を設定する規則である。
第3の規則は、記録されるデータのうちの、外部から指定されたデータ(例えば、ユーザにより指定されたデータ)を、ベリファイ対象として設定する規則である。
第4の規則は、データが記録される記録媒体に含まれている、その記録媒体の欠陥情報(以下、このような情報を、メディア欠陥情報と称する)に基づいて、ベリファイ対象を設定する規則である。
ところで、所定の規則を利用する「ベリファイ対象設定処理」においては、優先度を設定しなくてもよく、図10の優先度設定部62は必須でない。従って、所定の規則を利用する「ベリファイ対象設定処理」を実行し、データの記録を制御するシステム制御部26は、例えば、図10に示される構成としてもよいが、図22に示される構成としてもよい。即ち、図22は、図10とは異なるシステム制御部26の構成例を表すブロック図である。図22に示されるシステム制御部20においては、図10のそれに比較して、優先度設定部62だけが省略された構成とされており、それ以外の構成は図10のそれと基本的に同様である。従って、図22の詳細な説明については省略する。
はじめに、第1乃至第4の規則のうちの、第1の規則を利用する「ベリファイ対象設定処理」について説明する。
即ち、第1の規則は、上述したように、例えば、主制御部61が、ユーザからの要求(入出力部27より入力される情報)等に基づいて、記録レートRsではなくサンプリングレートωを設定し、ベリファイ対象設定部63が、その設定された一定のサンプリングレートωの範囲でベリファイ対象を設定する規則である。
この場合、ベリファイ単位分のデータを構成する任意のECCブロックをベリファイ対象として設定することができる。従って、例えば、ベリファイ単位分のデータのうちの末端のデータ(ベリファイ単位のデータサイズSn[bit]のうちの、データサイズSn[bit]×ω分のECCブロック)をベリファイ対象として設定するという規則を、第1の規則にさらに追加してもよい。
図23を参照して、第1の規則を利用する「ベリファイ対象設定処理(図11のステップS1)」について、説明する。
はじめに、ステップS81において、システム制御部26の主制御部61は、入出力部27を介して、ユーザにサンプリングレートωの要求をするか否かを問い合わせる。
ステップS82において、主制御部61は、サンプリングレートωの要求(ユーザが所望するサンプリングレートに対応する情報)が入力されたか否かを判定する。
ユーザが、入出力部27を操作して、サンプリングレートωの要求(ユーザが所望するサンプリングレートωに対応する情報)を入力すると、主制御部61は、ステップS82において、サンプリングレートωの要求が入力されたと判定し、ステップS83において、入出力部27を介して取得したユーザのサンプリングレートωの要求に基づいて、サンプリングレートωを設定し、ベリファイ対象設定部63に供給する。
ここで、ユーザは、所望するサンプリングレートωそのものを入力することもできるし、サンプリングレートωのレベルが高いことを表す「高レベル」、またはサンプリングレートωのレベルが低いことを表す「低レベル」のどちらか一方を選択することにより、サンプリングレートωの要求を入力してもよい。この場合、システム情報記憶部73には、「高レベル」と「低レベル」に対応してサンプリングレートωの値を予め記憶させておき、主制御部61は、ユーザからの「高レベル」または「低レベル」の要求に応じて、システム情報記憶部73に記憶されているサンプリングレートωの値を読み出し、その読み出した値をサンプリングレートωに設定する。
なお、ユーザが入力するサンプリングレートωのレベルは、「高レベル」と「低レベル」の2つのレベルに限定されるものではなく、さらに、それらの中間の「標準レベル」等を加えた3以上のレベルのいずれかとすることができる。
また、サンプリングレートωの高低(大小)は、データの記録の信頼性の高低に対応する。
一方、例えば、入出力部27よりサンプリングレートωの要求が入力されなかった場合、主制御部61は、システム情報記憶部73に記憶されている、これから記録メディア30に記録されるデータのフォーマット情報等に基づいて、そのフォーマットで規定されている値を記録レートとする。そして、主制御部61は、その記録レートと、システム情報記憶部73に記憶されたメディア転送レートの比から、上述した式(12)に基づいて、サンプリングレートωを演算し、ベリファイ対象設定部63に供給する。
ステップS85において、ベリファイ対象設定部63は、上述した第1の規則に従って、主制御部61より供給されたサンプリングレートωの範囲で、これから記録メディア30に記録されるデータに対するベリファイ対象を設定し、その内容を表すベリファイ対象情報をベリファイ対象情報記憶部72に記憶させる。
具体的には、ベリファイ対象設定部63は、例えば、ベリファイ単位のうちの、サンプリングレートωで表される割合分の末端のデータをベリファイ対象として設定し、その内容を表すベリファイ対象情報をベリファイ対象情報記憶部72に記憶させる。
そして、ベリファイ対象情報記憶部72にベリファイ対象情報が記憶されると、「ベリファイ対象設定処理」は終了となる。
ここで、ステップS85におけるベリファイ対象の設定手法については、特に限定されず、様々な手法が適用可能である。例えば、システム制御部26を図10に示される構成とし、図23のステップS85の代わりに、図12のステップS25乃至S33、または図21のステップS65乃至S73の処理が行われるようにしてもよい。即ち、各ブロックそれぞれに対して優先度を設定し、その優先度に基づき、サンプリングレートωの範囲で、ベリファイ対象を設定するようにすることができる。なお、この場合、ベリファイ単位全体のデータサイズに対する、そのベリファイ単位において、設定ブロックとされたECCブロックのデータサイズの割合が、ステップS83またはS84で設定されたサンプリングレートω以下であれば、図12のステップS29およびS32において、ある未設定ブロックがベリファイ対象に設定可能であると判定され、また、図21のステップS69およびS73において、ベリファイ未設定量があると判定される。
図24のタイミングチャートは、第1の規則により設定されたベリファイ対象に基づいて、上述した図5のAVデータ1のうちの、ベリファイ単位(データサイズSn[bit])のデータである領域aと領域bが記録される様子を表している。換言すると、図24は、図6(優先度等を利用する他の手法により設定されたベリファイ対象に基づいて、領域aと領域bが記録される様子を表すタイミングチャート)と比較するためのタイミングチャートである。
従って、図24においても、図6と同様に、書き込みレートと読み出しレートのいずれもが、メディア転送レートRm[bps]に等しいとされている。
なお、図24では、優先度を用いず、単純に、ベリファイ単位の末端のサンプリングレートω分のデータがベリファイ対象として設定されるものとしてある。
図24においては、はじめに、略時刻taから略時刻tbまでの書き込み時間Tw[s]の間に、領域aが記録メディア30に書き込まれる。
そして、略時刻tbから略時刻tuまでのシーク時間Tn[s]の間に、シークが行われ(記録メディア30に記録された領域aaの先頭アドレスにアクセスされ)、略時刻tuから略時刻tvの読み出し時間Tr[s]の間に、領域aのうちの、ベリファイ対象として設定された領域aaが記録メディア30から読み出され、エラーチェックされる(ベリファイ処理が実行される)。
ここまでの処理は、図6のそれと基本的に同様である。即ち、図6と同様に、書き込み時間Tw[s]はSn/Rm[s]となり、読み出し時間Tr[s]はω×Sn/Rm[s]となる。
その後、上述した図6においては、領域aaの最後尾と、領域bの先頭とは離れているため(即ち、領域aaの最後尾と、領域aの最後尾は異なるため)、領域bの書き込みのためには、記録メディア30に記録された領域aの末端アドレス(最後尾のアドレス)に対するアクセス、即ち、シークが必要になる。従って、この分、シーク時間Tn[s]が余計にかかることになり、領域aの記録時間Ts[s]は、上述した式(5)で表されることになる。
図6においては、分散数pは1とされている(ベリファイ対象は分散されていない)ので、ベリファイ単位分のデータの記録においては、シークの回数は2回とされるが、上述したように、優先度に応じてベリファイ対象が設定される場合、ベリファイ対象が分散されることもある(即ち、分散数pが2以上となることもある)ので、このような場合、シークの回数は、分散数pに比例してさらに増え、その結果、サンプリングレートωが一定であるならば、ベリファイ単位分のデータの記録時間(所要記録時間)はさらに増大することになる。
これに対して、図24においては、分散数pは1とされている(ベリファイ対象は分散されていない)のに加えて、さらに、ベリファイ対象である領域aaの末端は、領域aの末端と同一とされているので、即ち、領域aaの末端は、領域bの先頭と隣接している(領域aaと領域bが連続している)ので、領域aaのベリファイ処理終了後、シークを行うことなく、次のベリファイ単位である領域bを記録メディア30に書き込むことが可能となる。
即ち、図24においては、ベリファイ単位分のデータである領域aの記録におけるシーク回数は1回で済むので、その結果、領域aの記録時間Tsは、次の式(17)で示されるように、上述した他の例(例えば、優先度を利用する例)の最短時間である式(5)(即ち、図6に示される記録時間Ts)よりもさらに短縮させることが可能になる。
Ts = Tw + Tr + Tn
= Sn/Rm + ω×Sn/Rm + Tn ・・・(17)
なお、この場合における、記録レートRsは、次の式(18)のように表される。
Rs = Sn / (Sn/Rm + ω×Sn/Rm + Tn) ・・・(18)
略時刻tvに領域aaのベリファイ処理が終了すると、シークが行われることなく、略時刻tvから略時刻twまでの書き込み時間Tw[s]の間に、領域bが記録メディア30に書き込まれ、略時刻twから略時刻txまでのシーク時間Tn[s]の間に、シークが行われ、略時刻txから略時刻tyの読み出し時間Tr[s]の間に、領域bのうちの、ベリファイ対象として設定された領域baが読み出され(ベリファイ処理が実行され)、領域bの記録の処理が完了する。即ち、図示はしないが、略時刻tyに、シークが行われることなく、次のベリファイ単位分のデータの書き込みが開始される。
従って、領域bの記録時間Ts[s]も、領域aのそれと同様に上述した式(17)で表される。その結果、記録メディア30にAVデータ1が記録される時間(所要記録時間)を、「ベリファイ単位分のデータ数×不要となったシークに関するシーク時間」の分だけ短縮させることが可能になる。即ち、実質上の記録レートRsを向上させることが可能になる。
次に、第1乃至第4の規則のうちの、第2の規則を利用する「ベリファイ対象設定処理」について説明する。
即ち、第2の規則は、上述したように、例えば、主制御部61が、ユーザからの要求(入出力部27より入力される情報)等に基づいて、記録レートRsではなく、回避したい連続エラーの最大時間(即ち、それ以上連続エラーが続いて欲しくない時間であって、上述したように、このような時間を、最悪エラー時間と称している)を設定し、ベリファイ対象設定部63が、その設定された時間内で少なくとも1回のベリファイ処理を実行させるように、ベリファイ対象を設定する規則である。
最悪エラー時間の設定手法は、特に限定されないが、例えば、再生時間に換算した値で設定することができる。具体的には、例えば、ユーザは、再生時間にして0.2秒以上の連続エラーを回避したいと要求する場合、入出力部27を操作して、「0.2秒」に対応する情報を入力すればよい。これにより、主制御部61は、最悪エラー時間を0.2秒に設定し、ベリファイ対象設定部63に供給し、ベリファイ対象設定部63が、再生時間にして0.2秒以内に少なくとも1回のベリファイ処理が実行されるように、ベリファイ対象を設定する。
この場合、1回のベリファイ処理における、ベリファイ対象のデータサイズは、連続エラーを検出するのに必要最小限なサイズ、即ち、いまの場合、ECCブロック1つ分のサイズ(Sn/n=64[KByte])あればよい。そこで、1回のベリファイ処理が実行されるデータサイズ(即ち、1回当たりの読み出しサイズ)は、ECCブロック1個分のサイズであるという規則を、第2の規則にさらに追加してもよい。
図25は、このような第2の規則により設定されたベリファイ対象の例が示されている。
図25には、AVデータ1のうちの、ベリファイ単位(データサイズSn[bit])のデータである領域aにおける、設定されたベリファイ対象であるECCブロック51−6乃至ECCブロック51−10が示されている。
図25に示されるベリファイ対象51−6とベリファイ対象51−7のデータ間隔Dは、AVデータ1の再生ビットレート[bps]を、Rpと記述し、設定された最悪エラー時間(ベリファイ対象のサンプリングの時間間隔)[s]を、Teと記述すると、次の式(19)で表される。但し、ここでは、AVデータ1の圧縮は考慮しないものとする。
D = Rp × Te ・・・(19)
式(19)は、ベリファイ対象51−6とベリファイ対象51−7の間隔のみならず、ベリファイ単位内のデータにおける、2つの隣接するベリファイ対象のデータ間隔の全てにおいて成立する(ようにする)。
従って、ベリファイ単位内のデータにおける、ベリファイ対象の分散数pは、次の式(20)に示されるように設定される。
p = Sn / D ・・・(20)
ただし、実際には、式(20)の右辺で演算された値以上の最小の整数値が、分散数pとされる。
即ち、図11のステップS1の「「ベリファイ対象設定処理」(詳細なフローチャートは図示せず)」において、第2の規則が利用される場合、例えば、主制御部61は、入出力部27を介して取得した情報(ユーザが所望する最悪エラー時間に関する情報)に基づいて、最悪エラー時間(例えば、再生時間に換算した時間)を設定し、ベリファイ対象設定部63に供給する。
すると、例えば、ベリファイ対象設定部63は、上述した式(20)を演算して分散数pを設定し、ベリファイ単位分のデータ内において、設定した分散数p個分のECCブロックが均等に配置されるように(式(19)で表されるデータ間隔Dだけ離間して、それぞれ配置されるように)、ベリファイ対象を設定し、その内容を表すベリファイ対象情報をベリファイ対象情報記憶部72に記憶させる。
なお、個々のサンプリングデータ(ベリファイ対象のうちの、1回当たりの読み出しデータ)がECCブロック1つとされているので(即ち、そのデータサイズが、Sn/n(nは、上述したように、ベリファイ単位におけるECCブロックの個数(整数)を表している)とされているので)、次の式(21)に示されるような関係が成立する。
Sn×ω = p×(Sn/n) ・・・(21)
式(21)より、サンプリングレートωは、次の式(22)のように表される。
ω = p / n ・・・(22)
従って、この場合の記録レートRsは、次の式(23)のように表される。
Rs = Sn / (Sn/Rm + (p/n)×Sn/Rm + (p+1)×Tn) ・・・(23)
ところで、第2の規則を利用する「ベリファイ対象設定処理」においては、最悪エラー時間が設定され、それに基づいてベリファイ対象が設定されたが、連続エラーを回避することを目的とする他の例の「ベリファイ対象設定処理」として、記録レートRsを先に設定し、設定した記録レートRsと上述した式(23)に基づいて分散数pを設定し、それに基づいてベリファイ対象を設定する処理も容易に実現可能である。
即ち、長期エラーを回避するためには、ベリファイ対象(サンプリングデータ)が、記録メディア30上に均等かつ高周期で配置されることが望ましい。記録メディア30上に均等かつ高周期でベリファイ対象を配置した場合、そのベリファイ対象に対してベリファイ処理を行うことにより、レーザーダウン等のバーストエラーを検出することができる。また、上述したように、バーストエラーの検出に必要最小限のサイズは、ECCブロック1つ分である。
そこで、先に設定された記録レートRsに依存するピックアップ帯域の余裕分を、上述した、優先度を利用する「ベリファイ対象設定処理」等のように、サンプリングレートωに割り当てるのではなく、サンプリング(ベリファイ処理における読み出し処理)の高周期性に割り当てること(即ち、分散数pの増加分に割り当てること)を目的として、上述した式(23)を利用して、ベリファイ対象を設定することもできる。
即ち、この場合、図11のステップS1の「「ベリファイ対象設定処理」(詳細なフローチャートは図示せず)」において、例えば、主制御部61は、上述した図12のステップS21乃至S24と同様の処理を実行して、記録レートを設定し、ベリファイ対象設定部63に供給する。
すると、例えば、ベリファイ対象設定部63は、上述した式(23)を演算して分散数pを設定し、ベリファイ単位分のデータ内において、設定した分散数p個分のECCブロックが均等に配置されるように(式(19)で表されるデータ間隔Dでそれぞれ配置されるように)、ベリファイ対象を設定し、その内容を表すベリファイ対象情報をベリファイ対象情報記憶部72に記憶させる。
換言すると、ベリファイ対象設定部63は、ベリファイ処理において1回あたりに読み出されるデータサイズを、連続性のあるエラーを少なくとも検出できるデータサイズ(いまの場合、1つのECCブロックのサイズ)とし、データサイズを有する2以上のベリファイ対象のそれぞれが、他のベリファイ対象と所定の間隔(いまの場合、式(19)で表されるデータ間隔D)だけ離間して配置されるように、ベリファイ対象を設定する。
従って、AVデータは、データ間隔Dに対応する再生時間以上連続して再生エラーが生じないように、確実に記録されることになるので、連続する再生エラーの継続時間を、最悪でもデータ間隔Dに対応する再生時間(即ち、最悪エラー時間)よりも短い時間に抑制することが可能になる。
次に、第1乃至第4の規則のうちの、第3の規則を利用する「ベリファイ対象設定処理」について説明する。
即ち、第3の規則は、上述したように、例えば、ベリファイ対象設定部63が、全データ(これから記録メディア30に記録されるデータ)のうちの、指定されたデータ(例えば、入出力部27より主制御部61を介して入力される、ユーザが指定するデータ)をベリファイ対象として設定する規則である。
指定されるデータは、特に限定されない。即ち、全データのうちの任意のデータをベリファイ対象として設定することが可能である。
具体的には、例えば、データ構造に基づいて、ベリファイ対象を設定することも可能である。より具体的には、例えば、AVストリーム以外のデータである、メタデータや、AVデータのヘッダ情報等のみにベリファイ対象を限定することも可能であるし、また、例えば、上述した図16において、コンテンツ層のヘッダとフッタのみをベリファイ対象として設定することも可能である。
即ち、この場合、図11のステップS1の「「ベリファイ対象設定処理」(詳細なフローチャートは図示せず)」において、例えば、ベリファイ対象設定部63は、ユーザからの情報(どのデータをベリファイ対象として設定するのかといった情報)を主制御部61を介して取得すると、取得した情報と、システム情報記憶部73に記憶されたシステム情報(例えば、これから記録メディア30に記録されるフォーマット情報)に基づいてベリファイ対象を設定し、その内容を表すベリファイ対象情報をベリファイ対象情報記憶部72に記憶させる。
なお、この場合、データの構造から、分散数pとサンプリングレートωが決定されるので、上述した式(11)より記録レートRsも決定されることになる。
次に、第1乃至第4の規則のうちの、第4の規則を利用する「ベリファイ対象設定処理」について説明する。
即ち、第4の規則は、上述したように、例えば、ベリファイ対象設定部63(または、主制御部61)が、記録メディア30に含まれているメディア欠陥情報を利用してサンプリングレートωを設定し、そのサンプリングレートωに基づいて、ベリファイ対象を設定する規則である。
詳細には、例えば、記録メディア30の中には、通常のデータ記録時に書き込みエラーなどが発生した場合、その欠陥を示す情報(例えば、欠陥位置の情報であり、このような情報を、ここでは、メディア欠陥情報と称している)を管理データとして記録しているものもある。
従って、図示はしないが、このような記録メディア30に新たなデータを記録させる場合、図11の「「ベリファイ対象設定処理」(具体的なフローチャートは図示せず)」において、システム制御部26は、記録メディア30からメディア欠陥情報を取得する。すると、システム制御部26のベリファイ対象設定部63は、取得したメディア欠陥情報に基づいてサンプリングレートωを設定し、そのサンプリングレートωの範囲でベリファイ対象を設定し、その内容を表すベリファイ対象情報をベリファイ対象情報記憶部72に記憶させる。
具体的には、例えば、記録メディア30が光ディスクである場合、その光ディスク内に、内周と比較して外周の欠陥量が多いといった内容のメディア欠陥情報が含まれていることもある。このような場合、ベリファイ対象設定部63は、データの記録先がその光ディスクの外周に差し掛かるにつれてサンプリングレートωが増加するように、サンプリングレートωを設定し、そのサンプリングレートωに基づいてベリファイ対象を設定することができる。
また、例えば、記録メディア30に含まれるメディア欠陥情報が、欠陥量である場合、記憶部28は、欠陥量とサンプリングレートωとの関係(例えば、ω = f(欠陥量)といった、サンプリングレートωと、欠陥量を引数とする増加関数f(欠陥量)との関係)を保持しておき(テーブルやグラフとして保持しておき)、ベリファイ対象設定部63は、記録メディア30に含まれる欠陥量(メディア欠陥情報)と、記憶部28に記憶されている欠陥量とサンプリングレートωとの関係とに基づいて、サンプリングレートωを設定し、そのサンプリングレートωに基づいてベリファイ対象を設定することもできる。
或いは、例えば、記録メディア30に含まれるメディア欠陥情報が、欠陥量である場合、欠陥量とサンプリングレートωとの関係を、次の式(24)のように定義することもできる。
ω = u × f(欠陥量) ・・・(24)
式(24)において、uは、パラメータを表しており、例えば、ユーザが、入出力部27を操作して自在に設定可能であるとする。
式(24)で示されるように、欠陥量とサンプリングレートωとの関係を定義することで、記憶部28は、例えば、f( )がz×(欠陥量)で定義されるとすると、欠陥量の増分とサンプリングレートωの増分の比率zのみを保持しておき、ベリファイ対象設定部63は、記録メディア30に含まれる欠陥量(メディア欠陥情報)と、記憶部28に記憶されている比率とを、入出力部27と主制御部61を介して供給されるパラメータ(式(24)におけるu)を用いて、上述した式(24)を演算することで、サンプリングレートωを設定し、そのサンプリングレートωに基づいてベリファイ対象を設定することもできる。
なお、f( )は、z×(欠陥量)に限定されない。
また、ベリファイ単位分のデータ毎に、ベリファイ単位における欠陥量から、サンプリングレートωが演算されてもよいが、欠陥が偶然検出されない領域では、欠陥量がゼロとなるので、例えば、式(24)に基づいて、サンプリングレートωが演算される場合、増加関数f(欠陥量)の値が小さくなり、その結果、欠陥が偶然検出されていない領域のサンプリングレートωが著しく下がってしまうこともある。そこで、記録メディア30の全体を、1ブロックがベリファイ単位より大きい複数のブロックに区分し、注目しているベリファイ単位を含むブロック中の複数のベリファイ単位における欠陥量の平均値を増加関数f( )の引数として、注目しているベリファイ単位のサンプリングレートωが演算されるようにしてもよい。
なお、サンプリングレートωの設定後の具体的なベリファイ対象の設定手法(即ち、ベリファイ対象設定部63が、設定したサンプリングレートωの範囲内で、具体的にどのデータ(例えば、どのECCブロック)をベリファイ対象として設定するのか)については、特に限定されず、様々な手法が適用可能である。例えば、上述した第1の規則で説明したように、ベリファイ対象設定部63は、ベリファイ単位分のデータのうちの末端のデータを、ベリファイ対象として設定することもできる。
以上、「「ベリファイ対象設定処理」(図11のステップS1の処理)」の様々な実施の形態について説明した。
ところで、以上の説明では、説明の簡略上、ベリファイ単位は固定的なデータサイズとされたが、勿論、自在に変更可能である。即ち、ベリファイ対象設定部63が、ベリファイ単位のデータサイズを単に可変設定すればよい。
このように、ベリファイ単位のデータサイズを可変させることで以下のような効果を奏することが可能となる。
即ち、上述した式(12)より、サンプリングレートωは、ベリファイ単位のデータサイズSn[bit]にも依存し、ベリファイ単位のデータサイズSn[bit]が大きいほど、右辺の第2項の値が小さくなるので、その分、サンプリングレートωを向上させることが可能になる。即ち、ベリファイ単位のデータサイズSn[bit]を大きくさせることで、書き込みと読み出しの切換えが結果として少なくなり、全体としてのシーク回数が抑制されるので、その分、サンプリングレートω(或いは、記録レートRs)を向上させることができるという効果を奏することが可能になる。
具体的には、例えば、メディア転送レートRmが70[Mbps]とされ、記録レートRsが56[Mbps]とされ、シーク時間Tnが20[msec]とされ、分散数pが1とされた場合、ベリファイ単位のデータサイズが、ECCブロック20個分、30個分、100個分、500個分のそれぞれのデータサイズとされたときのサンプリングレートωは、−0.02(ベリファイ処理不可能)、0.07(全データのうちの7%までベリファイ処理可能)、0.2(全データのうちの20%までベリファイ処理可能)、0.24(全データのうちの24%までベリファイ処理可能)のそれぞれとなる。
これに対して、ベリファイ処理が実行される場合、リトライのために、次のベリファイ単位分のデータの書き込みが開始されるまで、ベリファイ処理の対象のベリファイ単位分のデータ(即ち、データサイズSn[bit]のデータ)を保持しておく必要がある。例えば、コンペアベリファイ処理の場合、入力バッファ部22と出力バッファ部24のそれぞれに、対象のベリファイ単位分のデータを保持しておく必要がある。具体的には、ベリファイ単位が500個のECCブロックとされると、ベリファイ単位のデータサイズは、32[MByte](=64[KByte/個]×500[個])にもなってしまい、入力バッファ部22と出力バッファ部24の容量(メモリ領域)も32[MByte]以上必要となる。
そこで、ベリファイ処理のためのメモリ領域を減少させたい場合、ベリファイ単位のデータサイズを減らせばよい。即ち、ベリファイ単位のデータサイズを減少させることで、メモリ領域を減少させることができるという効果を奏することが可能になる。その結果、例えば、その分のコストを削減することも可能になる。
ところで、上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるが、ソフトウエアにより実行させることができる。
この場合、記録再生装置は、例えば、図26に示されるようなパーソナルコンピュータにより構成される。
図26に示されるように、CPU(Central Processing Unit)201は、ROM(Read Only Memory)202に記録されているプログラム、または記憶部208からRAM(Random Access Memory)203にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM203にはまた、CPU201が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
即ち、CPU201が、上述した図4のシステム制御部26に相当し、ROM202、RAM203、および、記憶部208が、上述した記憶部28に相当することになる。
CPU201、ROM202、およびRAM203は、バス204を介して相互に接続されている。このバス204にはまた、入出力インタフェース205も接続されている。
入出力インタフェース205には、キーボード、マウスなどよりなる入力部206、ディスプレイなどよりなる出力部207、ハードディスクなどより構成される記憶部208、モデム、ターミナルアダプタなどより構成される通信部209が接続されている。通信部209は、インターネットを含むネットワークを介して他の情報処理装置との通信処理を行う。
即ち、入力部206と出力部207が、上述した図4の入出力部27に相当することになる。
入出力インタフェース205にはまた、必要に応じてドライブ210が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどよりなるリムーバブル記録媒体211が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部208にインストールされる。
即ち、ドライブ210が、上述した図4のメディアドライブ23に相当し、リムーバブル記録媒体211が、上述した図4の記録メディア30に相当することになる。
一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
例えば、上述した図4の圧縮部21、伸長部25、および、データ比較部29、並びに、図10(または図22)のシステム制御部26の主制御部61、優先度設定部62、ベリファイ対象設定部63、および、記録およびベリファイ実行部64の機能を有するソフトウエアを構成するプログラムがインストールされる。なお、このプログラムは、全体として上述した一連の処理を実行できれば、その形態は特に限定されない。例えば、上述した各ブロックのそれぞれに対応するモジュールのそれぞれからなるモジュール構成とされてもよいし、幾つかのブロックの機能の一部または全部が組み合わされたモジュール、若しくは、ブロックの機能が分割されたモジュールからなるモジュール構成とされてもよい。或いは、単に1つのアルゴリズムを有するプログラムでもよい。
このようなプログラムを含む記録媒体は、図26に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブル記録媒体(パッケージメディア)211により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM202や、記憶部208に含まれるハードディスクなどで構成される。
ここで、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
なお、記録メディア30に記録されるデータが、MPEGやJPEG(Joint Photographic Experts Group)等のDCT(Discrete Cosine Transform)処理を行って符号化されている場合、より低次のDCT係数を含むECCブロックを優先的にベリファイ対象とするように優先度を設定することができる。
従来のベリファイ処理を説明するための、記録データの構成例を示す図である。 従来のベリファイ処理を説明するタイミングチャートである。 従来のベリファイ処理を説明する図である。 本実施の形態が適用される記録再生装置の構成例を示すブロック図である。 本実施の形態のベリファイ処理を説明するための、記録データの構成例を示す図である。 本実施の形態のベリファイ処理の例を説明するタイミングチャートである。 本実施の形態のベリファイ処理の例を説明する図である。 本実施の形態のベリファイ処理の他の例を説明するための、記録データの構成例を示す図である。 本実施の形態のベリファイ処理の他の例を説明するタイミングチャートである。 図4のシステム制御部26の詳細な構成例を示すブロック図である。 図4の記録再生装置の記録の処理例を説明するフローチャートである。 図11の記録の処理のステップS1の「ベリファイ対象設定処理」の例を説明するフローチャートである。 ベリファイ対象を設定するために用いる優先度の更新手法を説明するための、記録データの構成例を示す図である。 ベリファイ対象を設定するために用いる優先度の更新手法を説明するための、記録データの構成例を示す図である。 図11の記録の処理のステップS4の「データ記録処理」の例を説明するフローチャートである。 データの階層構造に基づく優先度の設定手法を説明するための、記録データの階層構造例を示す図である。 GOPの例を示す図である。 データの階層構造に基づく優先度の設定手法を説明するための、記録データの各ノードに設定された優先度の例を示す図である。 記録エラーが再生に影響を与える範囲を説明する図である。 データの階層構造に基づく優先度の設定手法を説明するための、記録データのうちの、ベリファイ処理が可能なデータと不可能なデータの関係を示す図である。 図11の記録の処理のステップS1の「ベリファイ対象設定処理」の他の例を説明するフローチャートである。 図4のシステム制御部26の詳細な構成の他の例を示すブロック図である。 図11の記録の処理のステップS1の「ベリファイ対象設定処理」の他の例を説明するフローチャートである。 本実施の形態のベリファイ処理の他の例を説明するタイミングチャートである。 本実施の形態のベリファイ処理のさらに他の例を説明するための、記録データの構成例を示す図である。 本実施の形態が適用される記録再生装置の他の構成例を示すブロック図である。
符号の説明
21 圧縮部, 22 入力バッファ部, 23 メディアドライブ, 24 出力バッファ部, 25 伸長部, 26 システム制御部, 27 入出力部, 28 記憶部, 29 データ比較部, 30 メディアドライブ, 41 エラー訂正符号付加部(ECCエンコード部), 42 チャネル符号化部, 43 データ読み書き部, 44 チャネル復号部, 45 エラー訂正部(ECCデコード部), 51 ECCブロック, 61 主制御部, 62 優先度設定部, 63 ベリファイ対象設定部, 64 記録およびベリファイ実行部, 71 優先度情報記憶部, 72 ベリファイ対象情報記憶部, 73 システム情報記憶部, 131 AVデータの総データ量, 141 ベリファイ可能量, 152 ベリファイ未設定量, 161 所定のノードの総データ量, 201 CPU, 210 ドライブ, 211 リムーバブル記録媒体

Claims (8)

  1. 画像データまたは音声データと、前記画像データまたは音声データと同一内容でデータ量の少ないローレゾリューションデータとを含むデータの記録を制御する情報処理装置において、
    前記画像データまたは音声データと、前記ローレゾリューションデータとのそれぞれに対して優先度を設定する優先度設定手段と、
    前記優先度設定手段により設定された前記優先度に基づいて、記録される前記データの中から、ベリファイ処理の対象となる対象データを設定するベリファイ対象設定手段と、
    記録される前記データのうちの、前記ベリファイ対象設定手段により設定された前記対象データに対する前記ベリファイ処理を制御するベリファイ制御手段と
    を備えることを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記優先度設定手段は、前記画像データまたは前記音声データに比べて、前記ローレゾリューションデータの優先度が低くなるように、優先度を設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記優先度設定手段は、前記画像データに比べて、その画像データの前記ローレゾリューションデータの優先度が高くなるとともに、前記音声データに比べて、その音声データの前記ローレゾリューションデータの優先度が低くなるように、優先度を設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  4. 前記優先度設定手段は、前記ベリファイ処理の実行が可能なデータサイズから、前記ベリファイ対象設定手段により前記対象データとして既に設定されたデータの総計のデータサイズを減算したデータサイズに基づいて、前記ベリファイ対象設定手段により前記対象データとしてまだ設定されていない未設定データの前記優先度を更新し、
    前記ベリファイ対象設定手段は、前記優先度設定手段により更新された前記優先度に基づいて、前記未設定データの中から、前記対象データとして設定可能なものを、前記対象データとしてさらに設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  5. 前記優先度設定手段は、前記ベリファイ対象設定手段により前記対象データとしてまだ設定されていない未設定データの前記優先度を、そのデータサイズに基づいて更新し、
    前記ベリファイ対象設定手段は、前記優先度設定手段により更新された前記優先度に基づいて、前記未設定データの中から、前記対象データとして設定可能なものを、前記対象データとしてさらに設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  6. 画像データまたは音声データと、前記画像データまたは音声データと同一内容でデータ量の少ないローレゾリューションデータとを含むデータの記録を制御する情報処理方法において、
    前記画像データまたは音声データと、前記ローレゾリューションデータとのそれぞれに対して優先度を設定する優先度設定ステップと、
    前記優先度設定ステップの処理により設定された前記優先度に基づいて、記録される前記データの中から、ベリファイ処理の対象となる対象データを設定するベリファイ対象設定ステップと、
    記録される前記データのうちの、前記優先度設定ステップの処理により設定された前記対象データに対する前記ベリファイ処理を制御するベリファイ制御ステップと
    を含むことを特徴とする情報処理方法。
  7. 画像データまたは音声データと、前記画像データまたは音声データと同一内容でデータ量の少ないローレゾリューションデータとを含むデータの記録を制御する処理をコンピュータに実行させるプログラムが記録されている記録媒体において、
    前記画像データまたは音声データと、前記ローレゾリューションデータとのそれぞれに対して優先度を設定する優先度設定ステップと、
    前記優先度設定ステップの処理により設定された前記優先度に基づいて、記録される前記データの中から、ベリファイ処理の対象となる対象データを設定するベリファイ対象設定ステップと、
    記録される前記データのうちの、前記ベリファイ対象設定ステップの処理により設定された前記対象データに対する前記ベリファイ処理を制御するベリファイ制御ステップと
    ことを特徴とするプログラムが記録されている記録媒体。
  8. 画像データまたは音声データと、前記画像データまたは音声データと同一内容でデータ量の少ないローレゾリューションデータとを含むデータの記録を制御する処理をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
    前記画像データまたは前記音声データと、前記ローレゾリューションデータとのそれぞれに対して優先度を設定する優先度設定ステップと、
    前記優先度設定ステップの処理により設定された前記優先度に基づいて、記録される前記データの中から、ベリファイ処理の対象となる対象データを設定するベリファイ対象設定ステップと、
    記録される前記データのうちの、前記ベリファイ対象設定ステップの処理により設定された前記対象データに対する前記ベリファイ処理を制御するベリファイ制御ステップと
    を含むことを特徴とするプログラム。
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