JP2004318421A - Ip化受信テレメータシステムおよびそのデータ収集方法 - Google Patents

Ip化受信テレメータシステムおよびそのデータ収集方法 Download PDF

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Abstract

【課題】各子局設備で収集されるデータの同時性を確保可能なテレメータシステムを提供する。
【解決手段】IP化受信テレメータシステム20は、m(m:任意の自然数)個の観測局21と、監視局22とを具備し、各々の観測局21と監視局22とを通信ネットワーク23を介して電気的に接続し、TCP/IP方式のデータ通信を可能に構成される。そして、IP化受信テレメータシステム20の各観測局21に、例えば、雨量計28等のデータ取得手段と、このデータ取得手段が取得したデータの収集を制御する制御手段32および監視局22が認識する基準時刻と同じ時刻を認識する第1の時刻認識手段33を備えた観測装置26とを備えさせて、各々の観測局21が有する各データ取得手段(例えば、雨量計28等)のデータ収集時間を制御手段32が逆算処理行程し、第1の時刻認識手段33で認識する基準時刻と要求されたデータ収集時刻とが一致した時刻に各観測局21が観測データの収集を完了し得るようにIP化受信テレメータシステム20を構成した。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレメータシステムに係り、特に、TCP/IP方式によりデータの送受信を行うテレメータシステムにおいて、データ収集の同時性をより高めたテレメータシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
図8は従来の遠方監視制御装置(テレメータ)の一実施例である遠方監視装置1の構成概略を表した構成概略図である。
【0003】
図8に示される遠方監視装置1は、n(任意の自然数)個の子局装置2と、各々の子局装置2と伝送路3を介して電気的に接続される親局装置4とを具備する。図8に示される遠方監視装置1において、子局装置2は、図外の監視対象からデータを受信し、受信したデータをあるタイミングで同時に親局装置4に送信する。親局装置4は、各々の子局装置2から送信されたデータを受信し、受信したデータを図外の外部装置へ出力する。
【0004】
遠方監視装置1が具備する各々の子局装置2は、図外の監視対象からデータを受信する子局装置データ入力手段5と、受信したデータを親局装置4に出力する子局装置データ出力手段6と、データの出力時刻を設定する時刻設定手段7を備える。
【0005】
子局装置2が備える時刻設定手段7は、子局装置2において外部から入力、もしくは、計測している絶対時刻を利用して予め定めた時刻になると子局装置データ出力手段6へ通知する。ここで、「絶対時刻」とは、xx時xx分xx秒を示す基準時刻であり、何らかの手段で、例えば、放送局の時報に合わせる手段を用い、各子局装置2が利用する時計は相互間で高精度に合わされたものである。
【0006】
遠方監視装置1が具備する親局装置4は、各々の子局装置2からデータを受信する親局装置データ入力手段9と、受信したデータを図外の外部装置に出力する親局装置データ出力手段10と、親局装置4がデータ入力を受け付ける時間を終了した際に、親局装置データ出力手段10にデータを図外の外部装置へ出力する旨の信号(以下、データ出力要求信号とする)を出力するパーケージングタイマ11と、親局装置4のデータ入力を受け付ける時間が終了した旨(以下、タイムアップとする)をパーケージングタイマ11に通知するタイムアップ通知手段12とを備える。
【0007】
親局装置4が備える親局装置データ入力手段9は、データを子局装置2から受信すると、受信したことをタイムアップ通知手段12に通知する。タイムアップ通知手段12は、子局装置2からデータを受信した旨の通知を受信すると、受信した時からある一定時間、子局装置2から送信されるデータの受信を受け付ける。
【0008】
子局装置2から送信されるデータの受信受け付けを開始し、ある一定の時間が経過すると、タイムアップ通知手段12は、タイムアップをパーケージングタイマ11に通知する。パーケージングタイマ11は、タイムアップ通知手段12からタイムアップの通知を受信して、親局装置データ出力手段10にデータ出力要求信号を出力する。親局装置データ出力手段10は、パーケージングタイマ11からのデータ出力要求信号を受信すると、データを図外の外部装置へ出力する。
【0009】
上述した遠方監視制御装置(テレメータ)の一例は、特開平9−115083号公報に掲載されている。(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開平9−115083号公報(明細書段落番号[0017]〜[0022],図1)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
図8に示されるような従来の遠方監視制御装置(テレメータ)1は、子局装置2からデータを親局装置4に送信するタイミングを一致(同期)させたものであり、データ収集のタイミングを一致(同期)させたものではない。このため、従来の遠方監視制御装置1では、各子局装置2で同じ絶対時刻迄にデータの収集が完了しているだけであり、必ずしも同じ絶対時刻にデータの収集が完了している訳ではない。
【0012】
従って、各子局装置2において収集されるデータの同時性は必ずしも保証されない。データの種類によっては、データ収集の同時性が保証されないことによって、データの信頼性が確保され得ない場合も生じ得る。
【0013】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、各子局装置で収集されるデータについて、データ収集の同時性を確保可能なテレメータシステムを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るIP化受信テレメータシステムは、上述した課題を解決するため、請求項1に記載したように、データの収集を行う子局設備と、この子局設備が収集したデータを収集する親局設備とを具備し、通信ネットワークを介して電気的に接続し、前記親局設備からその都度データ収集要求をすること無く、前記子局設備が収集したデータを収集するテレメータシステムにおいて、前記子局設備は、データを取得するデータ取得手段と、このデータ取得手段が取得したデータを収集するデータ収集手段とを備え、このデータ収集手段は、前記親局設備と電気的に接続し、TCP/IP方式により電子データの送受信を行う子局設備インターフェース手段と、動作の基準となる基準時刻を認識する第1の時刻認識手段と、データ収集を制御する制御手段と、このデータ取得手段から取得したデータを収集し、電子データとして記録して格納する記録手段と、入力操作を行う第1の入力手段と、要求した情報を表示可能な第1の表示手段とを備え、前記制御手段は、データ収集を制御する際に、前記第1の時刻認識手段から基準時刻を、データ収集時刻を記録し格納した収集時刻設定ファイルからデータ収集時刻を、前記データ取得手段がデータ収集に要するデータ収集所要時間を記録し格納した逆算時間設定ファイルから前記データ取得手段の各々についてデータ収集所要時間を取得して、データ取得開始時刻か否かを認識する収集時刻認識部と、前記収集時刻認識部が、データ取得開始時刻であると認識すると、前記データ取得手段のデータ取得および取得したデータの収集について制御を開始するデータ収集制御部と、前記収集時刻設定ファイルの作成および更新の一方を行うことでデータ収集時刻の設定を行う収集時刻設定制御部とを有することを特徴とする。
【0015】
請求項1に記載したデータ収集時刻の設定とは、初回の設定(初期設定)およびデータ収集時刻の変更等の初期設定後に行う設定の両者を含むものである。従って、収集時刻設定制御部は、収集時刻設定ファイルがない初期設定時には、前記収集時刻設定ファイルの作成を行い、初期設定後の設定時には、前記収集時刻設定ファイルを更新することになる。
【0016】
上述した課題を解決するため、本発明に係るIP化受信テレメータシステムは、請求項2に記載したように、前記制御手段が、時刻補正要求を受信して、前記第1の時刻認識手段が認識する基準時刻の補正を行う時刻補正制御部を有することを特徴とする。
【0017】
また、上述した課題を解決するため、本発明に係るIP化受信テレメータシステムは、請求項3に記載したように、前記制御手段は、データ収集を行う時間間隔の設定要求を受信すると、データ収集を行う時間間隔の設定を行い、データ収集を行う時間間隔の切替要求を受信すると、切替要求のあった時間間隔にデータ収集を行う時間間隔を切り替える収集時間間隔切替制御部を有することを特徴とする。
【0018】
請求項3に記載したデータ収集時間間隔の設定とは、初回の設定(初期設定)およびデータ収集時刻の変更等の初期設定後に行う設定の両者を含むものである。
【0019】
さらに、上述した課題を解決するため、本発明に係るIP化受信テレメータシステムは、請求項4に記載したように、前記制御手段は、データ収集所要時間の設定要求があると、データ収集時にデータ収集所要時間を計測し、計測結果をデータ収集所要時間としてデータ収集所要時間の設定を行う逆算時間設定制御部を有することを特徴とする。
【0020】
請求項4に記載したデータ収集所要時間の設定とは、初回の設定(初期設定)およびデータ収集時刻の変更等の初期設定後に行う設定の両者を含むものである。
【0021】
一方、上述した課題を解決するため、本発明に係るIP化受信テレメータシステムは、請求項5に記載したように、前記親局設備は、前記データ収集手段と電気的に接続し、TCP/IP方式により電子データの送受信を行う親局設備インターフェース手段と、動作の基準となる基準時刻を認識する第2の時刻認識手段と、前記子局設備が行うデータ収集の監視制御を行う監視制御手段と、前記子局設備が収集したデータおよび前記収集時刻設定ファイル等の電子データを記録して格納するデータ記録手段と、入力操作を行う第2の入力手段と、要求した情報を表示可能な第2の表示手段とを備え、前記監視制御手段は、前記第2の時刻認識手段から基準時刻を、前記収集時刻設定ファイルを読み出してデータ収集時刻を認識し、認識した基準時刻およびデータ収集時刻に応じて、データ受信の許可または拒否を切り替えを行うデータ受信制御部を有することを特徴とする。
【0022】
上述した課題を解決するため、本発明に係るIP化受信テレメータシステムは、請求項6に記載したように、前記監視制御手段が、前記子局設備のうち選択した子局設備にデータ収集時刻の設定を一斉に要求するデータ収集時刻設定要求部を備えることを特徴とする。
【0023】
請求項6に記載したデータ収集時刻の設定とは、請求項1に記載したデータ収集時刻の設定と同様に、初回の設定(初期設定)およびデータ収集時刻の変更等の初期設定後に行う設定の両者を含むものである。
【0024】
また、上述した課題を解決するために、本発明に係るIP化受信テレメータシステムは、請求項7に記載したように、前記監視制御手段が、前記子局設備のうち選択した子局設備に、前記基準時刻の補正を一斉に要求する時刻補正要求部を備えることを特徴とする。
【0025】
さらに、上述した課題を解決するために、本発明に係るIP化受信テレメータシステムは、請求項8に記載したように、前記監視制御手段が、前記子局設備のうち選択した子局設備に、データ収集を行う時間間隔の設定および切替のうち一方を一斉に要求する収集時間間隔設定・切替要求部を備えることを特徴とする。
【0026】
さらにまた、上述した課題を解決するために、本発明に係るIP化受信テレメータシステムは、請求項9に記載したように、前記監視制御手段が、前記子局設備のうち選択した子局設備に、前記データ取得手段がデータ収集に要するデータ収集所要時間の設定を一斉に要求する逆算時間設定要求部を備えることを特徴とする。
【0027】
請求項9に記載したデータ収集所要時間の設定とは、請求項4に記載したデータ収集所要時間の設定と同意である。
【0028】
本発明に係るIP化受信テレメータシステムのデータ収集方法は、上述した課題を解決するため、請求項10に記載したように、子局設備において各データ取得手段が取得したデータを収集する子局データ収集処理操作が、各子局設備における各データ取得手段が取得したデータを同時に収集するための逆算処理行程と、各データ取得手段がデータの取得を開始するデータ取得開始時刻と基準時刻とが一致しているか否かを識別するデータ取得開始時刻識別行程と、各データ取得手段にデータの取得開始を要求するデータ取得要求行程と、各データ取得手段が取得したデータを収集する取得データ収集行程とを具備することを特徴とする。
【0029】
さらにまた、上述した課題を解決するため、本発明に係るIP化受信テレメータシステムのデータ収集方法は、請求項11に記載したように、前記逆算処理行程が、収集時刻認識部が逆算時間設定ファイルを読み出し、各データ取得手段のデータ収集所要時間を認識するデータ収集所要時間認識ステップと、収集時刻認識部が収集時刻設定ファイルを読み出し、データ収集時刻を認識するデータ収集時刻認識ステップと、データ収集時刻およびデータ収集所要時間からデータ取得を開始するデータ取得開始時刻を認識するデータ取得開始時刻認識ステップとを備えることを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るIP(Internet Protocol:インターネットプロトコル)化受信テレメータシステムについて図面を参照して説明する。
【0031】
[第1の実施形態]
図1に本発明に係るIP化受信テレメータシステムの構成概略を表した構成概略図を示す。
【0032】
図1に示されるIP化受信テレメータシステムの構成概略は、本発明の第1の実施形態に係るIP化受信テレメータシステムの一実施例であるIP化受信テレメータシステム20を例示したものである。
【0033】
図1に示されるIP化受信テレメータシステム20は、m(m:任意の自然数)個の子局設備としての観測局21と、親局設備としての監視局22とを具備し、各々の観測局21と親局設備としての監視局22とは、例えば、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク23を介して電気的に接続されている。IP化受信テレメータシステム20が具備する観測局21および監視局22は、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)方式によってデータの送受信を行う。
【0034】
図2および図3にIP化受信テレメータシステム20が具備する観測局21および監視局22の構成概略を表した構成概略図を示す。
【0035】
図2は、観測局21の構成概略図である。図2に示される観測局21は、例えば、雨量、水位、温度、湿度、気圧、水質等の観測を行い、観測データ等のデータを取得するデータ取得手段と、データ取得手段が取得したデータを収集するデータ収集手段としての観測装置26とを備える。尚、図2に示されるデータ取得手段は、一例として、雨量計28および水位計29を備えている。
【0036】
図2に示される観測局21が備える観測装置26は、外部機器とのインターフェース(以下、I/Fとする)であり、子局設備I/Fとしての観測局I/F手段31と、観測装置26の制御を行う制御手段32と、例えば、現在時刻等の動作の基準となる時刻(以下、基準時刻とする)を認識する第1の時刻認識手段33と、電子情報を記録し格納する記録手段34と、実行したい処理操作を入力する第1の入力手段35と、要求した情報を表示可能な第1の表示手段36とを備える。
【0037】
図2に示される観測装置26が備える観測局I/F手段31は、図1に示される通信ネットワーク23との接続を行い監視局22との通信を行う通信I/F39と、図2に示されるデータ取得手段としての雨量計28との接続を行う雨量計I/F40と、データ取得手段としての水位計29との接続を行う水位計I/F41とを有する。
【0038】
観測装置26が備える制御手段32は、第1の時刻認識手段33から基準時刻を取得して、データ収集時刻か否かを認識する収集時刻認識部43と、データ取得手段のデータ取得および取得したデータの収集を制御するデータ収集制御部45と、時刻補正要求を受信して時刻補正を実行する時刻補正制御部46と、データ収集時刻設定要求を受信してデータ収集時刻の設定を行う収集時刻設定制御部47とを有する。
【0039】
記録手段34には、雨量計28および水位計29から取得した観測データを記録し格納する観測データファイルとしての雨量計データファイル48および水位計データファイル49と、データ収集時刻を記録した収集時刻設定ファイル50と、各データ取得手段が取得したデータをデータ収集するデータ収集時刻の同時性を確保するために行う逆算処理行程の逆算時間を設定した逆算時間設定ファイル51が格納される。
【0040】
一方、図3は、監視局22の構成概略を表した構成概略図である。図3に示される監視局22は、外部機器(図外)とのI/Fであり、親局設備I/F手段としての監視局I/F手段53と、監視局22の監視制御処理操作を行う監視制御手段54と、基準時刻を認識する第2の時刻認識手段55と、データを記録し格納するデータ記録手段56と、実行したい処理操作を入力する第2の入力手段57と、要求した情報を表示可能な第2の表示手段58とを備える。
【0041】
監視局I/F手段53は、図1に示される通信ネットワーク23との接続を行う通信I/F39を備え、観測局21との通信を相互に可能としている。
【0042】
監視制御手段54は、データ収集時刻を認識し、データ受信の許可または拒否を切り替えを行うデータ受信制御部60と、図2に示される各観測局21に基準時刻の補正要求を出力する時刻補正要求部61と、データ収集時刻の設定要求を出力する収集時刻設定要求部62とを有する。
【0043】
データ記録手段56は、各観測局21で収集した観測データを受信して、記録し格納する。
【0044】
図1、図2および図3に示されるように構成されるIP化受信テレメータシステム20は、各観測局21が監視局22と同じ基準時刻を認識するとともに、各観測局21の制御手段32が逆算処理行程を行い、各データ取得手段毎のデータ収集所要時間を加味してデータを収集するので、各観測局21において各データ取得手段が取得したデータを収集する時刻の同時性を高めることが可能となる。
【0045】
ここで、IP化受信テレメータシステム20が行うデータの収集方法について順を追って説明する。
【0046】
IP化受信テレメータシステム20は、データ収集のより高い同時性を実現するために、まず、準備作業として、監視局22が備える第2の時刻認識手段55および各観測局21が備える第1の時刻認識手段33が認識する基準時刻を一致(同期)させる基準時刻同期設定処理行程と、設定ファイル作成行程とを実行する必要がある。
【0047】
準備作業として行う基準時刻同期設定処理行程および設定ファイル作成行程は、例えば、システム導入時における初期設定時等のデータ収集を定常的に開始する以前、すなわち、システム運用開始以前に行う。
【0048】
基準時刻同期設定処理行程において、監視局22(第2の時刻認識手段55)および各観測局21(第1の時刻認識手段33)が認識する基準時刻を一致させる方法については、放送局で放送される時報を用いた調整、電波時計による時刻認識、タイムサーバと同期をとる等の種々のとり得る方法のいずれかで良く、その方法を問わない。
【0049】
一方、設定ファイル作成行程は、データ収集時刻設定ファイル作成ステップと、逆算時間設定ファイル作成ステップとを備え、各観測局21において、設定ファイル作成を行う者(以下、設定者とする)が、第1の入力手段35から入力操作して行う。
【0050】
設定ファイル作成行程が備えるデータ収集時刻設定ファイル作成ステップは、設定者が第1の入力手段35から入力操作して、データ収集時刻設定要求としてのデータ収集時刻設定要求信号を収集時刻設定制御部47に入力することで行う。データ収集時刻設定要求信号が収集時刻設定制御部47に入力されると、収集時刻設定制御部47は、収集時刻設定ファイル50の有無を確認する。
【0051】
設定ファイル作成工程においては、収集時刻設定制御部47が読み出す収集時刻設定ファイル50は存在しないので、データ収集時刻設定要求信号に基づくデータ収集時刻を記録し格納した収集時刻設定ファイル50を新規に作成する。尚、一旦、収集時刻設定ファイル50を作成し収集時刻設定ファイル50が存在する場合、収集時刻設定制御部47はデータ収集時刻設定要求信号に基づくデータ収集時刻に収集時刻設定ファイル50を更新する。
【0052】
また、逆算時間設定ファイル作成ステップは、例えば、システム導入時における初期設定時等のシステム運用開始以前に、データ収集テストを行い、観測局21が備える全てのデータ取得手段において、観測開始時刻からデータ収集に要する時間(以下、データ収集所要時間とする)の測定して、各観測局21の記録手段34に測定した各データ取得手段のデータ収集所要時間を記録した逆算時間設定ファイル51を作成することでなされる。
【0053】
システム運用開始以前に行うデータ収集テストは、各観測局21において、設定者が、第1の入力手段35から入力操作を行うことにより、トリガをデータ収集制御部45へ出力することで、データ収集制御部45にデータ収集開始要求信号を出力させる。そして、各観測局21が備える全てのデータ取得手段に対してデータ収集を実施し、データ収集所要時間を測定する。
【0054】
データ収集所要時間は、記録手段34に格納されるデータファイル(例えば、図2に示される雨量計データファイル48等)を参照することで確認することができる。そして、設定者が、確認したデータ収集所要時間に基づき、各観測局21において逆算時間設定ファイル51を作成する。
【0055】
基準時刻同期設定処理行程および設定ファイル作成行程を完了すると、IP化受信テレメータシステム20は、各観測局21において各データ取得手段が取得したデータを収集する時刻の同時性を高めたデータ収集が可能となる。
【0056】
IP化受信テレメータシステム20は、親局設備としての監視局22が、子局設備としての観測局21単位で収集されたデータをさらに収集する親局データ収集処理操作を実行することで、各観測局21の各データ取得手段が取得したデータの収集を行う。
【0057】
ここで、観測局21単位のデータ収集(以下、子局データ収集処理操作とする)、および親局データ収集処理操作について手順を追って説明する。
【0058】
観測局21単位でなされる子局データ収集処理操作は、各観測局21において、各データ取得手段が取得したデータを同時に収集するための逆算処理行程と、各データ取得手段がデータの取得を開始するデータ取得開始時刻と基準時刻とが一致しているか否かを識別するデータ取得開始時刻識別行程と、各データ取得手段にデータの取得開始を要求するデータ取得要求行程と、各データ取得手段が取得したデータを収集する取得データ収集行程とを具備する。
【0059】
子局データ収集処理操作が具備する逆算処理行程は、収集時刻認識部43が逆算時間設定ファイル51を読み出し、雨量計28等の各データ取得手段のデータ収集所要時間を認識するデータ収集所要時間認識ステップと、収集時刻認識部43が収集時刻設定ファイル50を読み出し、データ収集時刻を認識するデータ収集時刻認識ステップと、データ収集時刻およびデータ収集所要時間からデータ取得を開始するデータ取得開始時刻を認識するデータ取得開始時刻認識ステップとを備える。
【0060】
逆算処理行程が備えるデータ収集所要時間認識ステップは、収集時刻認識部43が記録手段34に格納される逆算時間設定ファイル51を読み出し、観測局21内の各データ取得手段のデータ収集所要時間を認識することでなされる。収集時刻認識部43がデータ収集所要時間を認識すると、データ収集所要時間認識ステップは完了し、次に、データ収集時刻認識ステップを行う。
【0061】
データ収集時刻認識ステップは、収集時刻認識部43が収集時刻設定ファイル50を読み出し、データ収集時刻を認識する。収集時刻認識部43が、データ収集時刻を認識すると、データ収集時刻認識ステップは完了し、次に、データ取得開始時刻認識ステップを行う。
【0062】
データ取得開始時刻認識ステップは、データ収集所要時間認識ステップおよびデータ収集時刻認識ステップで収集時刻認識部43が認識した観測局21内の各データ取得手段のデータ収集所要時間、データ収集時刻および基準時刻に基づいて、設定されたデータ収集時刻にデータ収集が完了するように、データ収集所要時間だけ早い時刻、すなわち、データ取得開始時刻を算出する。
【0063】
データ取得開始時刻の算出は、収集時刻認識部43が各データ取得手段毎にデータ収集時刻からデータ収集所要時間を逆算することでなされる。そして、データ収集時刻からデータ収集所要時間を逆算して得られた時刻をデータ取得開始時刻を認識する。
【0064】
例えば、図2に示される観測装置26において、設定されたデータ収集時刻が10:00、雨量計28のデータ収集所要時間が3分、水位計29のデータ収集所要時間が2分とした場合、雨量計28のデータ取得開始時刻は、10:00の3分前の9:57となり、水位計29のデータ取得開始時刻は、10:00の2分前の基準時刻9:58となる。そして、収集時刻認識部43は、雨量計28のデータ取得開始時刻が基準時刻9:57、水位計29のデータ取得開始時刻が基準時刻9:58として認識する。
【0065】
収集時刻認識部43が各データ取得手段毎のデータ取得開始時刻を認識すると、データ取得開始時刻認識ステップは完了し、このデータ取得開始時刻認識ステップの完了をもって、逆算処理行程は完了する。逆算処理行程が完了すると、次に、収集時刻認識部43はデータ取得開始時刻識別行程を行う。
【0066】
子局データ収集処理操作が具備するデータ取得開始時刻識別行程では、各データ取得手段がデータの取得を開始するデータ取得開始時刻と第1の時刻認識手段33が認識する基準時刻とが一致しているか否かを識別する。データ取得開始時刻と第1の時刻認識手段33が認識する基準時刻とが一致しているか否かは、収集時刻認識部43が、データ取得開始時刻と第1の時刻認識手段33が認識する基準時刻とを比較することで行う。データ取得開始時刻と第1の時刻認識手段33が認識する基準時刻とが一致した場合、収集時刻認識部43は、データ取得要求行程を行う。
【0067】
データ取得要求行程は、収集時刻認識部43が各データ取得手段にデータの取得開始を要求することでなされる。データ取得要求行程では、基準時刻とデータ取得開始時刻とが一致すると、収集時刻認識部43がデータ収集制御部45へトリガを出力し、データ収集制御部45にトリガが入力されると、データ収集制御部45は、データ収集要求信号を出力する。データ収集制御部45が全てのデータ取得手段にデータ収集要求信号を出力すると、データ取得要求行程は完了する。
【0068】
データ取得要求行程が完了し、データ収集要求信号がデータ収集制御部45から出力されると、データ収集制御部45から出力されたデータ収集要求信号は、I/F手段31を介して雨量計28等のデータ取得手段に送信される。雨量計28等のデータ取得手段が、データ収集要求信号を受信すると、雨量計28等のデータ取得手段は、観測を開始してデータ取得を開始する。
【0069】
また、データ取得要求行程が完了すると、データ取得手段は、観測を開始してデータ取得を開始するとともに、データ収集制御部45が取得したデータを収集する取得データ収集行程を行う。取得データ収集行程は、各データ取得手段で取得された観測データをデータ収集を行ったデータ収集時刻情報と共に観測データファイルとして記録手段34に記録、格納することでなされる。
【0070】
図2に示される観測装置26の場合、データ収集制御部45は、雨量計28および水位計29が取得した観測データとデータ収集を行ったデータ収集時刻情報とを雨量計データファイル48および水位計データファイル49として記録手段34に記録し格納する。全てのデータ取得手段においてデータ収集が完了すると、取得データ収集行程は完了する。取得データ収集行程が完了すると、取得データ収集行程の完了をもって、子局データ収集処理操作は完了する。
【0071】
一方、親局データ収集処理操作は、データを受信可能な状態に切り替えてデータ受信を許可するデータ受信許可行程と、データを受信不可能な状態に切り替えてデータ受信を拒否するデータ受信拒否行程とを具備する。そして、親局設備としての監視局22は、データ受信を許可する時間帯において子局設備としての観測局21から送信されるデータを受信するのみである。
【0072】
つまり、監視局22は、観測局21が子局データ収集処理操作を行っている間は何も行わず、データ取得開始時刻が到来しても、各観測局21に観測データの配信要求を行わない。そして、データ収集時刻が到来すると、単に、データを受信可能な状態に切り替えて受信待機状態となる。
【0073】
親局データ収集処理操作が具備するデータ受信許可行程は、データ収集時刻が到来すると、監視制御手段54のデータ受信制御部60が、データ受信を許可し、データの受信が可能な状態に切り替える行程である。データ受信制御部60がデータ受信許可行程を完了すると、親局設備としての監視局22は、受信待機状態となる。
【0074】
監視局22が受信待機状態にある時に、各観測局21において収集されたデータは、各観測局21から監視局22へ送信される。監視局22へのデータ送信は、各観測局21において、制御手段32が有するデータ収集制御部45が行う。図2に示される場合において、データ収集制御部45は、記録手段34に格納される雨量計データファイル48および水位計データファイル49を監視局22へ送信する。
【0075】
監視局22が受信待機状態にある時に、観測局21から送信された観測データ等のデータを受信すると、受信したデータは、データ記録手段56に記録されて格納される。図2に示される場合においては、雨量計データファイル48および水位計データファイル49がデータ記録手段56に記録されて格納される。
【0076】
データ受信制御部60が、データ受信を許可し、監視局22が受信待機状態となってある一定時間が経過すると、データ受信制御部60は、観測局21から送信されるデータの受信を受け付けない状態、すなわち、受信拒否状態に切り替えるデータ受信拒否行程を行う。データ受信制御部60がデータ受信拒否行程を完了すると、監視局22は、観測局21から送信されるデータの受信を受け付けない状態、すなわち、タイムアウトとなる。
【0077】
データ収集開始時刻からタイムアウトになるまでの間に監視局22が受信した観測データは、正規のデータ(定刻に収集された観測データ)として取り扱われる。また、何らかの事情によりタイムアウト迄に収集できなかった観測局21の観測データは、そのデータ収集開始時刻においては、データ欠落として取り扱う。データ受信許可行程およびデータ受信拒否行程が完了すると、そのデータ収集時刻に対する親局データ収集処理操作は完了する。
【0078】
このように、各子局設備、すなわち、各観測局21に基準時刻を認識させて、監視局22が備える第2の時刻認識手段55および各観測局21が備える第1の時刻認識手段33が認識する基準時刻を一致(同期)させるよう構成したIP化受信テレメータシステム20は、各観測局21で取得される観測データの同時性を確保することが可能となる。従って、各子局設備で収集されるデータの同時性を確保可能なテレメータシステムを提供することができる。
【0079】
また、各観測局21が基準時刻を認識するので、監視局22から観測局21を個々に呼び出すポーリング方式、または、予め設定したイベント(例えば、水位計が1.5mになったら等)の発生により起動するイベント起動方式による観測に比べてより各観測局21が観測データを取得する時刻の同時性を高めることが可能となる。
【0080】
さらに、IP化受信テレメータシステム20の運用開始以前の初期設定の段階で、逆算時間設定ファイル51を作成し、制御手段32が、逆算処理行程を行うことによって、逆算処理行程を実施しない場合に比べて、より高いデータ収集時刻の同時性が実現される。
【0081】
次に、IP化受信テレメータシステム20が具備する監視局22の監視制御手段54において実行される監視制御処理操作について説明する。
【0082】
図3に示される監視局22が備える監視制御手段54で実行される監視制御処理操作は、監視制御手段54の時刻補正要求部61が、監視局22で選択した観測局21に対して、時刻補正の要求を一斉に行う時刻補正要求処理行程と、収集時刻設定要求部62が、監視局22で選択した観測局21に対してデータ収集時刻を設定するデータ収集時刻設定要求(データ収集時刻を変更設定する旨の要求)を一斉に行う収集時刻設定要求処理行程とを具備する。
【0083】
監視制御処理操作が具備する時刻補正要求処理行程は、監視局22の時刻補正要求部61が選択した観測局21に時刻補正要求を一斉に行うことでなされる。時刻補正要求部61から監視局22で選択した観測局21に時刻補正要求を行うと、監視局22で選択した観測局21が時刻補正要求信号を受信する。
【0084】
観測局21が時刻補正要求信号を受信すると、制御手段32の時刻補正制御部46は、第1の時刻認識手段33が現在認識している基準時刻を、例えば、監視局22の第2の時刻認識手段55が認識する基準時刻等の補正要求された時刻に補正する。
【0085】
また、収集時刻設定要求処理行程は、監視局22の収集時刻設定要求部62が選択した観測局21にデータ収集時刻設定要求を一斉に行うことでなされる。収集時刻設定要求部62から監視局22で選択した観測局21にデータ収集時刻を変更するデータ収集時刻設定要求を行うと、収集時刻設定要求部62から監視局22で選択した観測局21にデータ収集時刻設定要求信号が出力され、選択された観測局21は、データ収集時刻設定要求信号を受信する。
【0086】
データ収集時刻設定要求信号を受信した観測局21の収集時刻設定制御部47は、収集時刻設定ファイル50の有無を確認する。そして、収集時刻設定制御部47が収集時刻設定ファイル50を読み出し、収集時刻設定ファイル50に記録されたデータ収集時刻を要求のあったデータ収集時刻に変更する。そして、収集時刻設定ファイル50を変更した状態で保存し、収集時刻設定ファイル50を更新する。
【0087】
このように、図3に示される監視局22の監視制御手段54が実行する監視制御処理操作を可能に構成したIP化受信テレメータシステム20は、監視局22から選択した観測局21に対して時刻補正要求処理行程を行い、一斉に時刻の補正要求をすることができる。従って、監視局22から任意の観測局21を選択し、選択した観測局21が第1の時刻認識手段33で認識している基準時刻を一斉に時刻補正することが可能となる。
【0088】
また、監視局22から選択した観測局21に対して収集時刻設定要求処理行程を行い、一斉にデータ収集時刻の変更要求することができる。従って、監視局22から任意の観測局21を選択し、選択した観測局21では、収集時刻設定ファイル50が更新され、更新後のデータ収集時刻にデータ収集時刻を変更することが可能となる。
【0089】
本実施形態に係るIP化受信テレメータシステム20によれば、各子局設備、すなわち、各観測局21が共通の基準時刻を認識し、認識している基準時刻に基づいてデータ収集を行うので、各観測局21で収集される観測データの同時性を確保することが可能となり、各観測局21で収集されるデータの同時性を確保可能なテレメータシステムを提供することができる。
【0090】
また、各観測局21が共通の基準時刻を認識するので、監視局22から観測局21を個々に呼び出すポーリング方式、または、予め設定したイベント(例えば、水位計が1.5mになったら等)の発生により起動するイベント起動方式による観測に比べてデータを収集する時刻の同時性を高めることが可能となる。
【0091】
さらに、IP化受信テレメータシステム20の運用開始以前の初期設定の段階で、逆算時間設定ファイル51を作成し、制御手段32が、逆算処理行程を行うことによって、逆算処理行程を実施しない場合に比べて、より高いデータ収集時刻の同時性が実現される。
【0092】
さらにまた、監視局22から選択した観測局21に対して、時刻補正要求処理行程または収集時刻設定要求処理行程を行い、一斉に基準時刻の補正要求またはデータ収集時刻の変更要求をすることができる。
【0093】
尚、IP化受信テレメータシステム20では、収集時刻設定ファイル作成ステップにおいて、収集時刻設定ファイル50を作成する際に、設定者が各観測局21の第1の入力手段35から入力操作してデータ収集時刻設定要求信号を収集時刻設定制御部47に入力することで行っているが、監視局22からの要求により行っても良い。すなわち、収集時刻設定要求処理行程を初期設定段階で実行し、収集時刻設定ファイル作成ステップにおける収集時刻設定ファイル50の作成を収集時刻設定要求部62がデータ収集時刻設定要求信号を出力して、収集時刻設定制御部47に入力することで行っても良い。
【0094】
また、逆算時間設定ファイル作成ステップにおいて、データ収集所要時間の測定に雨量計データファイル48等のデータファイルに記録、格納されるデータ収集時刻を参照しているが、その他の方法により測定しても良い。例えば、第1の表示手段36に各データ取得手段のデータ収集時刻を表示させて、表示される時刻から算出する方法でも良いし、ストップウォッチ等の時間計測手段を利用して測定しても良い。
【0095】
さらに、図1に示されるIP化受信テレメータシステム20は、図2に示される観測局21の制御手段32が時刻補正制御部46を、図3に示される監視局22の監視制御手段54が時刻補正要求部61を有しているが、制御手段32は時刻補正制御部46を、監視制御手段54は時刻補正要求部61を有していなくても良い。
【0096】
制御手段32は時刻補正制御部46を、監視制御手段54は時刻補正要求部61を有さない場合、時刻補正要求処理行程を実施できなくなるが、例えば、タイムサーバが認識する時刻を観測局21の第1の時刻認識手段33および監視局22の第2の時刻認識手段55が認識するようにすれば、各観測局21および監視局22は、共通の基準時刻を認識するので、データ収集時刻の同時性を保った状態でのデータ収集は可能である。
【0097】
さらにまた、監視局22は、データ収集時刻が到来すると、観測データの受信待機状態となるとしたが、監視局22が観測データの受信待機状態となるタイミングは、少なくとも、データ収集時刻よりも早ければ良い。つまり、監視局22は、データ収集時刻が到来と同時に観測データの受信待機状態となることを必ずしも要しない。
【0098】
[第2の実施形態]
以下に、本発明の第2の実施形態に係るIP化受信テレメータシステムについて説明する。
【0099】
本発明の第2の実施形態に係るIP化受信テレメータシステムの構成は、図1に示されるIP化受信テレメータシステム20において、観測局21および監視局22の代わりに観測局21Aおよび監視局22Aを具備する点で異なるが、その他の点は、本質的に異ならない。
【0100】
すなわち、本発明の第2の実施形態に係るIP化受信テレメータシステムの一実施例であるIP化受信テレメータシステム20Aの構成概略は、図1において、IP化受信テレメータシステム20をIP化受信テレメータシステム20Aに、観測局21を観測局21Aに、監視局22を監視局22Aに置換した構成である。従って、本実施形態に係るIP化受信テレメータシステム20Aの説明においては、第1の実施形態に係るIP化受信テレメータシステム20と異なる観測局21Aおよび監視局22Aを中心にして説明する。
【0101】
図4に本発明の第2の実施形態に係るIP化受信テレメータシステムの一実施例であるIP化受信テレメータシステム20Aが具備する観測局21Aの構成概略を表した構成概略図を示す。
【0102】
図4に示される観測局21Aは、観測データ等のデータを取得するデータ取得手段と、データ収集手段としての観測装置26Aとを備える。観測局21Aが備える観測装置26Aは、図2に示される観測装置26に対して、制御手段32に代わり、制御手段32Aを備える点で異なるが、その他の点は本質的に異ならない。
【0103】
すなわち、観測装置26Aは、観測局I/F手段31と、観測装置26Aの制御を行う制御手段32Aと、第1の時刻認識手段33と、記録手段34と、第1の入力手段35と、第1の表示手段36とを備える。
【0104】
観測装置26Aが備える制御手段32Aは、制御手段32が有する収集時刻認識部43、データ収集制御部45および時刻補正制御部46に加えて、データ収集を行う時間間隔(以下、データ収集時間間隔とする)の設定要求(以下、データ収集時間間隔設定要求とする)または切替要求(以下、データ収集時間間隔切替要求とする)を受信してデータ収集時間間隔の設定または切り替えを行う収集時間間隔切替制御部64をさらに有する。
【0105】
また、記録手段34は、観測データファイルとしての雨量計データファイル48および水位計データファイル49と、収集時刻設定ファイル50と、逆算時間設定ファイル51とに加えて、少なくとも1つ以上のデータ収集時間間隔を記録した収集時間間隔設定ファイル65をさらに備える。
【0106】
図5に本発明の第2の実施形態に係るIP化受信テレメータシステムの一実施例であるIP化受信テレメータシステム20Aが具備する監視局22Aの構成概略を表した構成概略図を示す。
【0107】
図5に示される監視局22Aは、親局設備I/F手段としての監視局I/F手段53と、監視局22Aの監視制御処理操作を行う監視制御手段54Aと、第2の時刻認識手段55と、データ記録手段56と、第2の入力手段57と、第2の表示手段58とを備える。
【0108】
監視制御手段54Aは、時刻補正要求部61および収集時刻設定要求部62に加えて、データ収集時間間隔設定要求または切替要求を選択した観測局21Aに対して行う収集時間間隔設定・切替要求部66をさらに備える。
【0109】
図4に示される観測局21Aと、図5に示される監視局22Aとを具備するIP化受信テレメータシステム20Aは、IP化受信テレメータシステム20に収集時間間隔切替制御部64、収集時間間隔設定ファイル65および収集時間間隔設定・切替要求部66を付加した形態なため、当然、IP化受信テレメータシステム20と同様の効果が得られる。
【0110】
また、IP化受信テレメータシステム20Aは、観測局21Aの制御手段32Aが収集時間間隔切替制御部64を有すること、記録手段34が収集時間間隔設定ファイル65を備えることおよび監視局22Aの監視制御手段54Aが収集時間間隔設定・切替要求部66を備えることで、IP化受信テレメータシステム20と同様の効果に加え、監視局22Aからデータ収集時間間隔の切替要求に応じて、データ収集時間間隔設定・切替制御部64がデータ収集時間間隔設定処理操作またはデータ収集時間間隔切替処理操作(以下、データ収集時間間隔設定・切替処理操作とする)を実行し、データ収集時間間隔を設定または切り替えることが可能となる。
【0111】
ここで、IP化受信テレメータシステム20Aにおいて、データ収集時間間隔設定・切替制御部64が実行するデータ収集時間間隔設定・切替処理操作について、データ収集時間間隔設定処理操作とデータ収集時間間隔切替処理操作とに分けて説明する。
【0112】
データ収集時間間隔設定処理操作は、監視局22Aの収集時間間隔設定・切替要求部66が、選択した観測局21Aに対してデータ収集時間間隔設定要求を一斉に行うことでなされる。
【0113】
データ収集時間間隔設定処理操作は、監視局22Aからデータ収集時間間隔設定要求が観測局21に送信されると、まず、データ収集時間設定要求を受信し、データ収集時間間隔設定要求を受信した観測局21Aのデータ収集時間間隔設定・切替制御部64が記録手段34に収集時間間隔設定ファイル65の有無を確認する。
【0114】
記録手段34に収集時間間隔設定ファイル65が無い場合、データ収集時間間隔設定・切替制御部64は、収集時間間隔設定ファイル65を作成し、監視局22Aが要求するデータ収集時間間隔を記録し格納する。また、収集時間間隔設定ファイル65が有る場合は、収集時間間隔設定ファイル65を更新し、監視局22が要求するデータ収集時間間隔を記録し格納する。
【0115】
収集時間間隔設定ファイル65の作成または更新が完了すると、データ収集時間間隔設定・切替制御部64は、収集時間間隔設定ファイル65を読み出し、収集時間間隔設定ファイル65に記録されるデータ収集時間間隔でデータ収集を実行する。
【0116】
一方、データ収集時間間隔切替処理操作は、収集時間間隔設定・切替要求部66が、選択した観測局21Aに対してデータ収集時間間隔設定要求を一斉に行うことでなされる。
【0117】
データ収集時間間隔切替処理操作は、監視局22Aからデータ収集時間間隔切替要求としてのデータ収集時間間隔切替要求信号が観測局21Aに送信されると、まず、データ収集時間間隔切替要求信号を受信し、データ収集時間間隔切替要求信号を受信した観測局21Aのデータ収集時間間隔設定・切替制御部64が時間間隔をプリセットした少なくとも1以上のチャンネルのうちから、切り替えたいデータ収集時間間隔を設定したチャンネルに切り替える。
【0118】
時間間隔のプリセットとは、例えば、データ収集時間間隔を4時間、2時間、1時間、30分と設定する場合に、これらのデータ収集時間間隔を1チャンネル〜5チャンネルにチャンネルと関連付けて予め記憶させておくことをいう。すなわち、1チャンネルはデータ収集時間間隔が4時間、2チャンネルはデータ収集時間間隔が2時間という具合に関連付けて記憶させる。また、収集時間間隔設定ファイル65は、現在選択されているチャンネルおよびチャンネルとデータ収集時間間隔との関係が記録される。
【0119】
チャンネルの切り替えは、データ収集時間間隔設定・切替制御部64が、収集時間間隔設定ファイル65を読み出し、入力されたデータ収集時間間隔切替信号に基づき、選択されたチャンネルからデータ収集時間間隔を認識し、収集時間間隔設定ファイル65の現在選択されているチャンネルを更新することでなされる。そして、データ収集時間間隔を選択されたチャンネルに記憶されるデータ収集時間間隔に切り替える。
【0120】
このように構成されるIP化受信テレメータシステム20Aによれば、子局設備としての観測局21Aが、親局設備としての監視局22Aの収集時間間隔設定・切替要求部66からデータ収集時間間隔設定要求としてのデータ収集時間間隔設定要求信号を受信すると、制御手段32Aのデータ収集時間間隔設定・切替制御部64は、収集時間間隔設定ファイル65を作成または更新し、作成または更新した収集時間間隔設定ファイル65を読み出すので、設定したデータ収集時間間隔でデータ収集を実施することが可能となる。
【0121】
また、観測局21Aが、監視局22Aの収集時間間隔設定・切替要求部66からデータ収集時間間隔切替要求としてのデータ収集時間間隔切替信号を受信すると、制御手段32Aのデータ収集時間間隔設定・切替制御部64は、収集時間間隔設定ファイル65を読み出し、選択されているチャンネル、すなわち、データ収集時間間隔を更新するので、設定したデータ収集時間間隔を切り替えてデータ収集を実施することが可能となる。
【0122】
尚、データ収集時間間隔設定処理操作は、監視局22Aを監視する監視員等が第2の入力手段57から入力操作することによって収集時間間隔設定・切替要求部66が行うようにしても良いし、コンピュータがプログラムを実行することにより監視制御手段54Aの収集時間間隔設定・切替要求部66が自動的に行い得るようにしても良い。
【0123】
また、データ収集時間間隔設定処理操作は、監視局22Aの収集時間間隔設定・切替要求部66が行うとしたが、各観測局21Aにおいて設定者が第1の入力手段35から入力操作することで、データ収集時間間隔設定・切替制御部64にデータ収集時間間隔設定信号を入力して行うようにしても良い。
【0124】
さらに、データ収集時間間隔切替処理操作において、データ収集時間間隔を設定したチャンネルおよびデータ収集時間間隔を切り替える観測局21Aの選択は、監視局22Aを監視する監視員等が第2の入力手段57から入力操作することによって収集時間間隔設定・切替要求部66が行うようにしても良いし、コンピュータがプログラムを実行することにより監視制御手段54Aの収集時間間隔設定・切替要求部66が自動的に行い得るようにしても良い。
【0125】
さらにまた、データ収集時間間隔切替処理操作は、監視局22Aの収集時間間隔設定・切替要求部66が、選択した観測局21Aに対して収集時間間隔の変更要求を一斉に行うことでなされるとしたが、各観測局21Aにおいて設定者が第1の入力手段35から入力操作することで、データ収集時間間隔設定・切替制御部64にデータ収集時間間隔切替信号を入力して行うようにしても良い。
【0126】
[第3の実施形態]
以下に、本発明の第3の実施形態に係るIP化受信テレメータシステムについて説明する。
【0127】
本発明の第3の実施形態に係るIP化受信テレメータシステムの構成は、図1に示されるIP化受信テレメータシステム20において、観測局21および監視局22の代わりに観測局21Bおよび監視局22Bを具備する点で異なるが、その他の点は、本質的に異ならない。
【0128】
すなわち、本発明の第3の実施形態に係るIP化受信テレメータシステムの一実施例であるIP化受信テレメータシステム20Bの構成概略は、図1において、IP化受信テレメータシステム20をIP化受信テレメータシステム20Bに、観測局21を観測局21Bに、監視局22を監視局22Bに置換した構成である。従って、本実施形態に係るIP化受信テレメータシステム20Bの説明においては、第1の実施形態に係るIP化受信テレメータシステム20と異なる観測局21Bおよび監視局22Bを中心にして説明する。
【0129】
図6に本発明の第3の実施形態に係るIP化受信テレメータシステムの一実施例であるIP化受信テレメータシステム20Bが具備する観測局21Bの構成概略を表した構成概略図を示す。
【0130】
図6に示される観測局21Bは、観測データ等のデータを取得するデータ取得手段と、データ収集手段としての観測装置26Bとを備える。観測局21Bが備える観測装置26Bは、図2に示される観測装置26に対して、制御手段32に代わり、制御手段32Bを備える点で異なるが、その他の点は本質的に異ならない。
【0131】
すなわち、観測装置26Bは、観測局I/F手段31と、観測装置26Bの制御を行う制御手段32Bと、第1の時刻認識手段33と、記録手段34と、第1の入力手段35と、第1の表示手段36とを備える。
【0132】
観測装置26Bが備える制御手段32Bは、制御手段32が有する収集時刻認識部43、データ収集制御部45および時刻補正制御部46に加えて、データ収集所要時間の設定要求があると、データ収集時にデータ収集所要時間を計測し、逆算時間設定ファイル51を作成または更新する逆算時間設定制御部68をさらに有する。
【0133】
制御手段32Bが有する逆算時間設定制御部68は、データ収集時にデータ収集所要時間を計測する。そして、データ収集所要時間の設定要求があると、読み出す逆算時間設定ファイル51がない場合は、計測結果、すなわち、計測したデータ収集所要時間を記録し格納した逆算時間設定ファイル51を作成する。
【0134】
また、読み出す逆算時間設定ファイル51が存在する場合は、逆算時間設定ファイル51に記録されたデータ収集所要時間を計測結果、すなわち、計測したデータ収集所要時間に更新する。データ収集所要時間の設定要求は、監視局22Bの第2の入力手段57から監視者等が入力して実行することによりなされる。
【0135】
図7に本発明の第3の実施形態に係るIP化受信テレメータシステムの一実施例であるIP化受信テレメータシステム20Bが具備する監視局22Bの構成概略を表した構成概略図を示す。
【0136】
図7に示される監視局22Bは、親局設備I/F手段としての監視局I/F手段53と、監視局22Aの監視制御処理操作を行う監視制御手段54Aと、第2の時刻認識手段55と、データ記録手段56と、第2の入力手段57と、第2の表示手段58とを備える。
【0137】
監視制御手段54Bは、時刻補正要求部61および収集時刻設定要求部62に加えて、データ収集所要時間の設定要求を選択した観測局21Bに対して行う逆算時間設定要求部69をさらに備える。逆算時間設定要求部69は、データ収集所要時間の設定要求としての逆算時間設定要求信号を出力し、データ収集所要時間の設定を行う。
【0138】
図6に示される観測局21Bと、図7に示される監視局22Bを具備するIP化受信テレメータシステム20Bは、IP化受信テレメータシステム20に逆算時間設定制御部68、逆算時間設定要求部69を加えた形態なため、当然、IP化受信テレメータシステム20と同様の効果を得ることができる。
【0139】
また、IP化受信テレメータシステム20Bは、観測局21Bの制御手段32Bが逆算時間設定制御部68を有し、逆算時間設定制御部68が記録手段34に格納される逆算時間設定ファイル51を更新することおよび監視局22Bの監視制御手段54Bが逆算時間設定要求部69をさらに備えることで、IP化受信テレメータシステム20と同様の効果に加え、監視局22Bからのデータ収集所要時間の設定要求に応じて、逆算時間設定制御部68が逆算時間設定ファイル51の作成または更新を実行するので、適切な逆算時間を考慮した逆算処理行程を実行することが可能となる。
【0140】
ここで、IP化受信テレメータシステム20Bにおいて、逆算時間設定制御部68が実行する逆算時間設定処理操作について説明する。
【0141】
逆算時間設定処理操作は、監視局22Bの逆算時間設定要求部69が、選択した観測局21Bに対してデータ収集所要時間の設定要求を一斉に行うことでなされる。データ収集所要時間の設定要求は、初期設定時における逆算時間設定ファイル51の作成要求および初期設定後の設定(逆算時間の更新等の設定)における逆算時間設定ファイル51の更新要求の両者のうち一方を行うことでなされる。
【0142】
逆算時間設定ファイル51の設定要求は、監視局22Bを監視する監視員等が第2の入力手段57から入力操作することで行う。逆算時間設定要求部69は、データ収集所要時間の設定要求があると、選択された観測局21Bに逆算時間設定要求信号を一斉に送信する。
【0143】
逆算時間設定要求信号を観測局21Bが受信すると、観測局21Bの逆算時間設定制御部68は、試験的にデータ収集を行うべくデータ収集制御部45にトリガを出力する。逆算時間設定制御部68からのトリガがデータ収集制御部45に入力されると、データ収集制御部45は、データ収集開始要求信号を出力して、試験的にデータ収集を開始する。
【0144】
データ収集が開始されると同時に、逆算時間設定制御部68は、データ収集所要時間を計測する。逆算時間設定制御部68は、読み出す逆算時間設定ファイル51がない場合は、計測したデータ収集所要時間に基づき、逆算時間設定ファイル51を作成する。また、読み出す逆算時間設定ファイル51が存在する場合は、計測したデータ収集所要時間に基づき、逆算時間設定ファイル51のデータ収集所要時間を更新する。
【0145】
逆算時間設定ファイル51の作成または更新が完了すると、IP化受信テレメータシステム20Bは、作成または更新された逆算時間設定ファイル51のデータ収集所要時間に基づき、制御手段32Bが逆算処理行程を行い、データ収集を実行することが可能となる。
【0146】
このように構成されるIP化受信テレメータシステム20Bによれば、子局設備としての観測局21Bが、親局設備としての監視局22Bの逆算時間設定要求部69からデータ収集所要時間の設定要求としての逆算時間設定要求信号を受信すると、制御手段32Bの逆算時間設定制御部68は、データ収集制御部45に試験的なデータ収集をさせると同時にデータ収集所要時間を計測して、計測したデータ収集所要時間に基づき、逆算時間設定ファイル51を作成または更新する。
【0147】
従って、IP化受信テレメータシステム20Bは、例えば、雨量計28の継続使用による性能劣化等により、データ収集所要時間が当初の設定時から変化しているような場合であっても、適切な逆算時間を考慮した逆算処理行程を実行することが可能となり、IP化受信テレメータシステム20,20Aよりも、より長期間にわたってデータ収集時刻の同時性を維持することができる。
【0148】
尚、逆算時間設定処理操作および逆算時間設定処理操作を行う観測局21Bの選択は、監視局22Bを監視する監視員等が第2の入力手段57から入力操作することによって逆算時間設定要求部69が行うようにしても良いし、コンピュータがプログラムを実行することにより監視制御手段54Bの逆算時間設定要求部69が自動的に行い得るようにしても良い。
【0149】
また、逆算時間設定処理操作は、監視局22Bの逆算時間設定要求部69が行うとしたが、各観測局21Bにおいて、設定者が第1の入力手段35から入力操作することで、データ収集時間間隔設定・切替制御部64に逆算時間設定要求信号を入力して行うようにしても良い。
【0150】
以上、IP化受信テレメータシステム20,20A,20Bによれば、各子局設備、すなわち、各観測局21,21A,21Bで収集される観測データの同時性を確保することが可能となり、各子局設備で収集されるデータの同時性を確保可能なテレメータシステムを提供することができる。
【0151】
また、各観測局21,21A,21B(各子局設備)が基準時刻を認識するので、監視局22,22A,22B(親局設備)から観測局21,21A,21B(子局設備)を個々に呼び出すポーリング方式、または、予め設定したイベント(例えば、水位計が1.5mになったら等)の発生により起動するイベント起動方式による観測に比べて各観測局21,21A,21B(各子局設備)がデータを収集する時刻の同時性をより高めることが可能となる。
【0152】
さらに、IP化受信テレメータシステム20,20A,20Bの運用開始以前の初期設定の段階で、逆算時間設定ファイル51を作成し、制御手段32が、逆算処理行程を行うことによって、逆算処理行程を実施しない場合に比べて、より高いデータ収集時刻の同時性が実現される。
【0153】
さらにまた、監視局22,22A,22B(親局設備)の監視制御手段54,54A,54Bが監視制御処理操作の実行を可能に構成したIP化受信テレメータシステム20,20A,20Bは、各観測局21,21A,21B(各子局設備)において第1の時刻認識手段33が認識している基準時刻を監視局22,22A,22B(親局設備)から一斉に時刻補正することが可能となる。
【0154】
一方、IP化受信テレメータシステム20Aによれば、子局設備としての観測局21Aが、親局設備としての監視局22Aの収集時間間隔設定・切替要求部66からデータ収集時間間隔設定要求(データ収集時間間隔設定信号)を受信すると、制御手段32Aのデータ収集時間間隔設定・切替制御部64は、収集時間間隔設定ファイル65を作成または更新し、作成または更新した収集時間間隔設定ファイル65を読み出すので、設定したデータ収集時間間隔でデータ収集を実施することが可能となる。
【0155】
また、子局設備としての観測局21Aが、親局設備としての監視局22Aの収集時間間隔設定・切替要求部66からデータ収集時間間隔切替要求としてのデータ収集時間間隔切替信号を受信すると、制御手段32Aのデータ収集時間間隔設定・切替制御部64は、収集時間間隔設定ファイル65を読み出し、選択されているチャンネル、すなわち、データ収集時間間隔を更新するので、設定したデータ収集時間間隔を切り替えてデータ収集を実施することが可能となる。
【0156】
他方、IP化受信テレメータシステム20Bによれば、子局設備としての観測局21Bが、親局設備としての監視局22Bの逆算時間設定要求部69からデータ収集所要時間の設定要求としての逆算時間設定要求信号を受信すると、制御手段32Bの逆算時間設定制御部68は、データ収集制御部45に試験的なデータ収集をさせると同時にデータ収集所要時間を計測して、計測したデータ収集所要時間に基づき、逆算時間設定ファイル51を作成または更新する。
【0157】
従って、IP化受信テレメータシステム20Bは、例えば、雨量計28の継続使用による性能劣化等により、データ収集所要時間が当初の設定時から変化しているような場合であっても、適切な逆算時間を考慮した逆算処理行程を実行することが可能となり、IP化受信テレメータシステム20,20Aよりも、より長期間にわたってデータ収集時刻の同時性を維持することができる。
【0158】
尚、図1に示されるIP化受信テレメータシステム20,20A,20Bは、監視局22,22A,22Bの上位局として上位監視局(図1において点線で図示)と他の通信ネットワーク(図1に図示せず)を介して電気的に接続されていても構わない。
【0159】
また、IP化受信テレメータシステム20,20A,20Bは、監視局22,22A,22Bを1つ具備しているが、必ずしも1つでなくても良く、複数の監視局22,22A,22Bを具備しても良い。
【0160】
さらに、図2に示される観測局21,21A,21Bのデータ取得手段は、一例として、雨量計28と、水位計29とを備える形態を示したに過ぎない。従って、データ取得手段は、例えば、温度計、湿度計、気圧計等の他のデータ取得手段を備えても良いし、雨量計28のみを備える等、単独の計測手段を備える形態でも良い。
【0161】
さらにまた、監視局22,22A,22Bが備える第2の時刻認識手段55、データ記録手段56、第2の入力手段57および第2の表示手段58と、観測局21,21A,21Bが備える第1の時刻認識手段33、記録手段34、第1の入力手段35および第1の表示手段36とは、機能的には同質のものである。従って、第1の時刻認識手段33と第2の時刻認識手段55、記録手段34とデータ記録手段56、第1の入力手段35と第2の入力手段57および第1の表示手段36と第2の表示手段58とを相互に入れ替えても差し支えない。
【0162】
【発明の効果】
本発明に係るIP化受信テレメータシステムによれば、各子局設備、すなわち、各観測局が共通の基準時刻を認識し、認識している基準時刻に基づいてデータ収集を行うので、各観測局で収集される観測データの同時性を確保することが可能となる。すなわち、各子局設備で収集するデータの同時性を確保可能なテレメータシステムを提供することができる。
【0163】
また、各子局設備(各観測局)が基準時刻を認識するので、親局設備(監視局)から子局設備(観測局)を個々に呼び出すポーリング方式、または、予め設定したイベントの発生により起動するイベント起動方式による観測に比べてより各子局設備(各観測局)がデータを収集する時刻の同時性をより高めることが可能となる。
【0164】
さらに、IP化受信テレメータシステムは、親局設備(監視局)の監視制御手段が監視制御処理操作を実行可能に構成されるため、各子局設備(各観測局)において第1の時刻認識手段が認識している基準時刻を親局設備(監視局)から一斉に時刻補正したり、データ収集時間間隔設定をしたりすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るIP化受信テレメータシステムの構成概略を表した構成概略図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るIP化受信テレメータシステムにおける子局設備(観測局)の構成概略を表した構成概略図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るIP化受信テレメータシステムにおける親局設備(監視局)の構成概略を表した構成概略図。
【図4】本発明の第2実施形態に係るIP化受信テレメータシステムにおける子局設備(観測局)の構成概略を表した構成概略図。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るIP化受信テレメータシステムにおける親局設備(監視局)の構成概略を表した構成概略図。
【図6】本発明の第3実施形態に係るIP化受信テレメータシステムにおける子局設備(観測局)の構成概略を表した構成概略図。
【図7】本発明の第3の実施形態に係るIP化受信テレメータシステムにおける親局設備(監視局)の構成概略を表した構成概略図。
【図8】従来の遠方監視制御装置(テレメータ)の構成概略を表した構成概略図。
【符号の説明】
20,20A,20B IP化受信テレメータシステム
21,21A,21B 観測局(子局設備)
22,22A,22B 監視局(親局設備)
23 通信ネットワーク
26 観測装置(データ収集手段)
28 雨量計(データ取得手段)
29 水位計(データ取得手段)
31 観測局I/F手段(子局I/F手段)
32,32A,32B 制御手段
33 第1の時刻認識手段
34 記録手段
35 第1の入力手段
36 第1の表示手段
39 通信I/F
40 雨量計I/F
41 水位計I/F
43 収集時刻認識部
45 データ収集制御部
46 時刻補正制御部
47 収集時刻設定制御部
48 雨量計データファイル(観測データファイル)
49 水位計データファイル(観測データファイル)
50 収集時刻設定ファイル
51 逆算時間設定ファイル
53 監視局I/F手段(親局I/F手段)
54,54A,54B 監視制御手段
55 第2の時刻認識手段
56 データ記録手段
57 第2の入力手段
58 第2の表示手段
60 データ受信制御部
61 時刻補正要求部
62 収集時刻設定要求部
64 収集時間間隔設定・切替制御部
65 収集時間間隔設定ファイル
66 収集時間間隔設定・切替要求部
68 逆算時間設定制御部
69 逆算時間設定要求部

Claims (11)

  1. データの収集を行う子局設備と、この子局設備が収集したデータを収集する親局設備とを具備し、通信ネットワークを介して電気的に接続し、前記親局設備からその都度データ収集要求をすること無く、前記子局設備が収集したデータを収集するテレメータシステムにおいて、
    前記子局設備は、データを取得するデータ取得手段と、このデータ取得手段が取得したデータを収集するデータ収集手段とを備え、
    このデータ収集手段は、前記親局設備と電気的に接続し、TCP/IP方式により電子データの送受信を行う子局設備インターフェース手段と、
    動作の基準となる基準時刻を認識する第1の時刻認識手段と、
    データ収集を制御する制御手段と、
    このデータ取得手段から取得したデータを収集し、電子データとして記録して格納する記録手段と、
    入力操作を行う第1の入力手段と、
    要求した情報を表示可能な第1の表示手段とを備え、
    前記制御手段は、データ収集を制御する際に、前記第1の時刻認識手段から基準時刻を、データ収集時刻を記録し格納した収集時刻設定ファイルからデータ収集時刻を、前記データ取得手段がデータ収集に要するデータ収集所要時間を記録し格納した逆算時間設定ファイルから前記データ取得手段の各々についてデータ収集所要時間を取得して、データ取得開始時刻か否かを認識する収集時刻認識部と、
    前記収集時刻認識部が、データ取得開始時刻であると認識すると、前記データ取得手段のデータ取得および取得したデータの収集について制御を開始するデータ収集制御部と、
    前記収集時刻設定ファイルの作成および更新の一方を行うことでデータ収集時刻の設定を行う収集時刻設定制御部とを有することを特徴とするIP化受信テレメータシステム。
  2. 前記制御手段は、時刻補正要求を受信して、前記第1の時刻認識手段が認識する基準時刻の補正を行う時刻補正制御部を有することを特徴とする請求項1記載のIP化受信テレメータシステム。
  3. 前記制御手段は、データ収集を行う時間間隔の設定要求を受信すると、データ収集を行う時間間隔の設定を行い、
    データ収集を行う時間間隔の切替要求を受信すると、切替要求のあった時間間隔にデータ収集を行う時間間隔を切り替える収集時間間隔切替制御部を有することを特徴とする請求項1記載のIP化受信テレメータシステム。
  4. 前記制御手段は、データ収集所要時間の設定要求があると、データ収集時にデータ収集所要時間を計測し、計測結果をデータ収集所要時間としてデータ収集所要時間の設定を行う逆算時間設定制御部を有することを特徴とする請求項1記載のIP化受信テレメータシステム。
  5. 前記親局設備は、前記データ収集手段と電気的に接続し、TCP/IP方式により電子データの送受信を行う親局設備インターフェース手段と、
    動作の基準となる基準時刻を認識する第2の時刻認識手段と、
    前記子局設備が行うデータ収集の監視制御を行う監視制御手段と、
    前記子局設備が収集したデータおよび前記収集時刻設定ファイル等の電子データを記録して格納するデータ記録手段と、
    入力操作を行う第2の入力手段と、
    要求した情報を表示可能な第2の表示手段とを備え、
    前記監視制御手段は、前記第2の時刻認識手段から基準時刻を、前記収集時刻設定ファイルを読み出してデータ収集時刻を認識し、認識した基準時刻およびデータ収集時刻に応じて、データ受信の許可または拒否を切り替えを行うデータ受信制御部を有することを特徴とする請求項1記載のIP化受信テレメータシステム。
  6. 前記監視制御手段は、前記子局設備のうち選択した子局設備にデータ収集時刻の設定を一斉に要求するデータ収集時刻設定要求部を備えることを特徴とする請求項5記載のIP化受信テレメータシステム。
  7. 前記監視制御手段は、前記子局設備のうち選択した子局設備に、前記基準時刻の補正を一斉に要求する時刻補正要求部を備えることを特徴とする請求項5記載のIP化受信テレメータシステム。
  8. 前記監視制御手段は、前記子局設備のうち選択した子局設備に、データ収集を行う時間間隔の設定および切替のうち一方を一斉に要求する収集時間間隔設定・切替要求部を備えることを特徴とする請求項5記載のIP化受信テレメータシステム。
  9. 前記監視制御手段は、前記子局設備のうち選択した子局設備に、前記データ取得手段がデータ収集に要するデータ収集所要時間の設定を一斉に要求する逆算時間設定要求部を備えることを特徴とする請求項5記載のIP化受信テレメータシステム。
  10. 子局設備において各データ取得手段が取得したデータを収集する子局データ収集処理操作は、
    各子局設備における各データ取得手段が取得したデータを同時に収集するための逆算処理行程と、
    各データ取得手段がデータの取得を開始するデータ取得開始時刻と基準時刻とが一致しているか否かを識別するデータ取得開始時刻識別行程と、
    各データ取得手段にデータの取得開始を要求するデータ取得要求行程と、
    各データ取得手段が取得したデータを収集する取得データ収集行程とを具備することを特徴とするデータ収集方法。
  11. 前記逆算処理行程は、収集時刻認識部が逆算時間設定ファイルを読み出し、各データ取得手段のデータ収集所要時間を認識するデータ収集所要時間認識ステップと、
    収集時刻認識部が収集時刻設定ファイルを読み出し、データ収集時刻を認識するデータ収集時刻認識ステップと、
    データ収集時刻およびデータ収集所要時間からデータ取得を開始するデータ取得開始時刻を認識するデータ取得開始時刻認識ステップとを備えることを特徴とする請求項10記載のデータ収集方法。
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