JP2004317362A - ニトロ化合物検出素子材料及びニトロ化合物の検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】主鎖がケイ素で形成され、少なくとも炭素及びフッ素を含む側鎖を含んでなるフッ化アルキルケイ素高分子化合物を用いれば、ニトロ化合物を検出するニトロ化合物検出素子材料として利用することができる。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ニトロ化合物の検出が可能なニトロ化合物検出素子材料及びニトロ化合物の検出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ケイ素によって形成された主鎖構造を有する有機ケイ素高分子化合物は、一般にポリシランと呼ばれ、機能性高分子として注目を集めている。ポリシランの一般的な合成方法では、金属ナトリウムを用いるため、金属ナトリウムと反応しない官能基である炭化水素基を側鎖に有するアルキルポリシランの用途開発等が盛んに行われている。
【0003】
一方、近年、金属ナトリウムと反応すると考えられていたフッ化アルキル基を側鎖に有するフルオロアルキルポリシランも、反応温度を制御することによって、金属ナトリウムの存在下で合成することができることが見出されている。具体的には、このようなフルオロアルキルポリシランとして、特許文献1や非特許文献1に記載のホモポリマーや、特許文献2や非特許文献2・3に記載のコポリマー等が報告されている。これらのフルオロアルキルポリシランは、撥水性を有しているので、ポリシランとしての一般的用途に加えて、さらに撥水材料や防水材料等として利用することができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平3−258834号公報(平成3(1991)年11月19日公開)
【0005】
【特許文献2】
特開平5−125193号公報(平成5(1993)年5月21日公開)
【0006】
【非特許文献1】
M.フジノ(M.Fujino),T.ヒサキ(T.Hisaki),M.フジキ(M.Fujiki),N.マツモト(N.Matsumoto)、「Preparation and Characterization of a Novel Organopolysilane. (3,3,3−Trifluoropropyl)methylpolysilane」、マクロモレキュールズ(Macromolecules)、25巻、p.1079−1083、1992年
【0007】
【非特許文献2】
M.フジノ(M.Fujino),T.ヒサキ(T.Hisaki),N.マツモト(N.Matsumoto)、「Electrochromism in an Organopolysilane」、マクロモレキュールズ(Macromolecules)、28巻、p.5017−5021、1995年
【0008】
【非特許文献3】
T.イトウ(T.Itoh)、「Spectroscopic Characterization of Polysilane Copolymers Based on Cyclopentamethylenesilane and (3,3,3−Trifluoropropyl)methylsilane」、ジャーナル オブ ポリマー サイエンス:パートA:ポリマー ケミストリー(J. Polym. Sci. Part A: Polym. Chem.)、35巻、p.3079−3082、1997年
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、高分子化合物の諸物性は、主鎖構造やコンホメーションに依存することが知られている。そのため、上記フルオロアルキルポリシランの主鎖構造や分岐構造、コンホメーション等を制御すれば、従来見出されていた撥水性以外の新しい機能を見出すことができる可能性が期待される。
【0010】
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、従来見出されていなかった新しい機能を有するフッ化アルキルケイ素高分子化合物を用いてなる、ニトロ化合物検出素子材料及びニトロ化合物の検出方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討を行った結果、ケイ素によって形成された主鎖構造を有し、側鎖にフッ素を含む置換基を有するフッ化アルキルケイ素高分子化合物が、ニトロ化合物と接触することにより、該フッ化アルキルケイ素高分子化合物の光吸収強度、蛍光強度、励起強度に顕著な変化が見られることから、上記フッ化アルキルケイ素高分子化合物を用いることによって、ニトロ化合物の検出を行うことができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0012】
すなわち、本発明のニトロ化合物検出素子材料は、一般式(1)
【0013】
【化2】
【0014】
(式中、R1は、炭化水素基に含まれる水素のうちの少なくとも1つがフッ素に置換されたフッ化炭化水素基であり、R2は、少なくとも1つの炭素及び少なくとも1つの水素を有していればよい炭化水素基であり、nは10以上の整数である)にて表される構造を有するフッ化アルキルケイ素高分子化合物を含有していることを特徴としている。
【0015】
ここで、本発明のニトロ化合物検出素子材料に含まれるフッ化アルキルケイ素高分子化合物の、上記一般式(1)中のR1は、3,3,3−トリフルオロプロピル基であることが好ましい。また、本発明のハニトロ化合物検出素子材料に含まれるフッ化アルキルケイ素高分子化合物は、剛直棒状の螺旋構造を有しているものであってもよい。
【0016】
なお、上記剛直棒状の螺旋構造とは、螺旋構造の中心軸が直線的であって、この直線状の中心軸の周囲を、上記一般式(1)にて表されるケイ素連鎖からなる主鎖が螺旋状に取り囲むコンホメーションをいう。
【0017】
上記一般式(1)にて表されるフッ化アルキルケイ素高分子化合物は、ニトロ化合物と特異的に相互作用をするため、ニトロ化合物の検出に用いることができる。
【0018】
また、本発明のニトロ化合物検出方法は、上記ニトロ化合物検出素子材料を含む溶液の吸収スペクトル測定、蛍光スペクトル測定、励起スペクトル測定のうちのいずれかを行うことによって、ニトロ化合物を検出することを特徴としている。
【0019】
上記の方法によれば、光吸収スペクトル強度及び吸収波長測定、蛍光スペクトル強度及び蛍光波長測定、励起スペクトル強度及びスペクトル波長測定といった簡便な手法にて、ニトロ化合物を検出することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、フッ化アルキルケイ素高分子化合物(以下、フルオロアルキルポリシラン)及び該フルオロアルキルポリシランを用いてなるニトロ化合物検出素子材料について、詳細に説明する。
【0021】
A.フルオロアルキルポリシラン
まず、フルオロアルキルポリシランの構造について説明する。
【0022】
本発明のニトロ化合物検出素子材料として用いられるフルオロアルキルポリシランは、一般式(1)
【0023】
【化3】
【0024】
(式中、R1は、炭化水素基に含まれる水素のうちの少なくとも1つがフッ素に置換されたフッ化炭化水素基であり、R2は、少なくとも1つの炭素及び少なくとも1つの水素を有していればよい炭化水素基であり、nは10以上の整数である)にて表される構造を有している。
【0025】
すなわち、本発明のフルオロアルキルポリシランは、主鎖がケイ素で形成され、かつ、側鎖R1として少なくとも炭素及びフッ素を含むフッ化炭化水素基と、側鎖R2として少なくとも炭素及び水素を含む炭化水素基とを有している。
【0026】
上記R1のフッ化炭化水素基は、炭化水素基に含まれる少なくとも1つの水素がフッ素で置換されたものであれば特に限定されない。なお、上記フッ化炭化水素基は、少なくとも炭素及びフッ素を有していればよく、炭化水素基のすべての水素がフッ素で置換されているものや、炭化水素基の水素がフッ素以外の元素や官能基にて置換されているものも含むものとする。このようなフッ化炭素水素基としては、具体的には、ペンタフルオロフェニルプロピル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等の直鎖状フッ化炭化水素基;アラルキル基等を挙げることができる。このうち、上記R1は、3,3,3−トリフルオロプロピル基(CF3CH2CH2−)であることが好ましい。
【0027】
また、上記R2の炭化水素基は、少なくとも炭素及び水素を有していればよく、該水素の一部が水素以外の他の元素や官能基にて置換されていてもよいものとする。このような炭化水素基としては、具体的には、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、ビニル基、アリル基等の鎖状炭化水素基;シクロヘキシル基、シクロペンチル基等の環式飽和炭化水素基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基等を挙げることができる。
【0028】
さらに、上記一般式(1)にて表される構造を有するフルオロアルキルポリシランにおける繰り返し数であるnは、10以上の整数であれば特に限定されないが、10以上1,000,000以下であることが好ましい。nが10未満であると、吸収波長が250nm以下となり、また蛍光強度が極めて弱くなるので、好ましくない。また、nが1,000,000を超えると、溶媒への溶解性が極めて低下するため、好ましくない。
【0029】
上記の構造式にて表されるフルオロアルキルポリシランの立体構造は、螺旋(へリックス)構造、もしくは、剛直棒状螺旋構造であると考えられる。ここで、剛直棒状螺旋構造とは、螺旋構造の中心軸が直線的であり、この直線状の中心軸の周囲をポリシランの主鎖が螺旋状に取り囲むコンホメーションである。具体的には、剛直棒状螺旋構造のフルオロアルキルポリシランは、ケイ素連鎖からなる主鎖が、直線状の軸を中心として、該軸の周囲を螺旋状に取り囲む立体構造を有していると考えられる。
【0030】
フルオロアルキルポリシランが螺旋構造を有している場合、該フルオロアルキルポリシランをテトラヒドロフラン(THF)等の有機溶媒に溶解させて、紫外可視吸収スペクトルを測定すると、主鎖にケイ素連鎖が存在することを示す、波長285nm付近に吸収ピークが観測される。この吸収ピークは、半値幅が35nm〜50nm程度のブロードな(幅広い)吸収ピークとなっている(特許文献1の図3、特許文献2の図6を参照)。
【0031】
このようなブロードな吸収ピークは、ランダムコイル状の分子形態をとるためであることに起因している。つまり、螺旋構造を有するフルオロアルキルポリシランは、中心軸が直線ではなく自由に屈曲しており、その立体構造は糸まり状になっていると考えられる。
【0032】
これに対し、フルオロアルキルポリシランが剛直棒状螺旋構造を有する場合、該フルオロアルキルポリシランを適当な有機溶媒に溶解させて紫外可視吸収スペクトルを測定すると、波長320nm付近に、半値幅5nm〜10nmの鋭い(シャープな)吸収ピークを有する吸収スペクトルが得られる。この波長320nm付近の吸収ピークは、文献(M.Fujiki、「Optically Active Polysilylenes : The State of the Art Chiroptical Polymers」、Macromol. Rapid Commun.、22巻、p.539−563、2001年)に記載されているように、主鎖が7/3螺旋構造を有する剛直棒状螺旋構造に特徴的な吸収帯であることが知られている。
【0033】
すなわち、一般に、へリックス構造を有する分子は、螺旋(へリックス)構造の周期(ヘリカルピッチ)に応じた光学的性質を有していることが知られている。具体的には、上記7/3へリックスの構造を有する場合、文献(J.Am.Chem.Soc.,vol.118,p.7424−7425,1996年;Macromol.Rapid Commun.,vol.22,p.539−563,2001年)に記載されているように、320nm近傍の波長の紫外線を吸収する現象が見られる。従って、フルオロアルキルポリシランを適当な溶媒に溶解させ、紫外可視吸収スペクトル測定を行った場合に、320nm付近の波長で光吸収が生じていれば、該フルオロアルキルポリシランが剛直棒状構造であることを確認することができる。
【0034】
上記波長320nmの吸収ピークは、半値幅が5nm〜10nmのシャープな吸収ピークであり、主鎖のケイ素連鎖に糸まり状コンホメーションが存在しないことを示す。従って、波長320nm付近にシャープな吸収ピークが得られれば、中心軸が直線である螺旋構造からなる剛直棒状螺旋構造を有していると考えることができる。
【0035】
なお、上記の波長320nm付近とは、上記フルオロアルキルポリシランの側鎖(R1,R2)の構造、重合度、用いる有機溶媒に依存して変化するが、本発明では、310nm〜330nmの範囲内の波長を指すものとする。また、フルオロアルキルポリシランを溶解させる有機溶媒は、フルオロアルキルポリシランを溶解させることができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、n−デカン、n−オクタン、イソオクタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等のパラフィン系炭化水素;トルエン、アニソール、ピリジン、キシレン、ベンゼン等の芳香族系炭化水素;テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等の複素環式化合物;ジメチルホルムアミド等のアミド系化合物等を用いればよい。
【0036】
なお、上記フルオロアルキルポリシランは、光学不活性であり、螺旋構造の巻き方向は各ポリマー毎に異なっていると考えられる。すなわち、上記フルオロアルキルポリシランは、右巻きの7/3螺旋構造と、左巻きの7/3螺旋構造とを平均として等量ずつ含んでいる。
【0037】
B.フルオロアルキルポリシランの製造方法
次に、上記フルオロアルキルポリシランの製造方法について説明する。
【0038】
上記一般式(1)にて表される構造を有するフルオロアルキルポリシランを合成するためには、該フルオロアルキルポリシランの側鎖R1(フッ化炭化水素基)及びR2(炭化水素基)を有するケイ素化合物をモノマーとして用いる。そして、このケイ素化合物を、有機溶媒中にて、アルカリ金属やアルカリ金属の合金を用いて、脱塩縮合することによって得ることができる。ここで、反応温度は、約60℃以上約220℃以下の温度範囲内であることが好ましく、特に約90℃以上約180℃以下の温度範囲内であることが好ましい。反応温度が60℃未満であると、上記ケイ素化合物と、上記アルカリ金属又はアルカリ金属の合金との反応性が低下して、本発明のフルオロアルキルポリシランが得られない。また、反応温度が220℃を超えると、フッ素を含む側鎖R1と、アルカリ金属又はアルカリ金属の合金とが反応して、架橋反応や脱フッ化水素(HF)反応によってオレフィン結合が形成されるため、好ましくない。
【0039】
上記フルオロアルキルポリシランの合成の反応式は、下記一般式(2)によって表される。
【0040】
【化4】
【0041】
(式中、R1は、炭化水素基に含まれる水素のうちの少なくとも1つがフッ素に置換されたフッ化炭化水素基で、R2は、少なくとも1つの炭素及び少なくとも1つの水素を有していればよい炭化水素基、nは10以上の整数、Xはハロゲン、Mはアルカリ金属又はアルカリ金属の合金を示す)
上記一般式(2)中のモノマー(ケイ素化合物)に含まれるXのハロゲンとしては、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)を挙げることができるが、このうち塩素が好ましい。また、上記したように、側鎖R1は、3,3,3−トリフルオロプロピル基であることが好ましいため、上記モノマーとしては、例えば、3,3,3−トリフルオロプロピル(メチル)ジクロロシラン(CF3CH2CH2Si(CH3)Cl2)を挙げることができる。
【0042】
また、Mのアルカリ金属又はアルカリ金属の合金としては、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、ナトリウム−カリウム(Na−K)合金を挙げることができるが、このうちナトリウム、ナトリウム−カリウム合金が好ましい。
【0043】
さらに、有機溶媒としては、沸点が60℃よりも高い溶媒であれば特に限定されないが、ベンゼン(沸点80℃)よりも沸点の高い溶媒であることが好ましい。具体的には、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、テトラデカン、ヘキサデカン等の長鎖パラフィン系有機溶媒や、シス−デカリン、トランス−デカリン等を用いることが好ましい。この理由は、沸点が60℃以下の溶媒を用いると、反応温度を60℃以上の温度に設定することができないことによる。すなわち、本発明のフルオロアルキルポリシランを合成するためには、上記したように、反応温度が60℃以上であることが好ましい。この理由は、沸点が60℃以下の溶媒を用いると、上記反応温度を60℃以上に設定することが困難となるためである。
【0044】
なお、剛直棒状螺旋構造を有するフルオロアルキルポリシランを合成する場合には、上記の合成反応の合成反応液中におけるモノマー(ケイ素化合物)濃度を、有機溶媒中にて0.5mol/L以上、好ましくは1.0mol/L以上となるように添加することが好ましい。また、アルカリ金属又はアルカリ金属合金は、上記モノマーのモル数の2倍以上用いることが好ましい。
【0045】
さらに、剛直棒状螺旋構造を有するフルオロアルキルポリシラン場合には、上記した手法によって得られるフルオロアルキルポリシランの重量平均分子量を30,000以上となるように、反応条件の最適化を行えばよい。
【0046】
これにより、ケイ素主鎖構造の分岐を低減し、剛直棒状螺旋構造を有するフルオロアルキルポリシランを得ることができる。
【0047】
言い換えれば、螺旋構造(ランダムコイル構造)を有するフルオロアルキルポリシランを合成する場合には、上記モノマー(ケイ素化合物)濃度を有機溶媒中にて0.5mol/L未満とし、アルカリ金属又はアルカリ金属合金のモル数を上記モノマーの2倍未満とすればよい。また、螺旋構造のフルオロアルキルポリシランを合成する場合には、上記の合成方法にて得られるフルオロアルキルポリシランの重量平均分子量を30,000以上となるように、反応条件の最適化を行えばよい。
【0048】
C.ニトロ化合物検出素子材料
上記フルオロアルキルポリシランは、ニトロ化合物に対して著しい親和性を示すため、該フルオロアルキルポリシランは、ニトロ化合物検出素子材料として用いることができる。
【0049】
具体的には、上記フルオロアルキルポリシランは、ニトロ化合物と結合することにより、主鎖構造に螺旋−螺旋転移及びコイル−ロッド転移が誘起されて、立体構造に変化が生じる。これにより、フルオロアルキルポリシランの光吸収波長、蛍光波長、励起波長(以下、光波長と総称する)や、光吸収強度、蛍光強度、励起強度(以下、光強度と総称する)が変化する。
【0050】
ここで、光吸収波長とは、吸収スペクトル測定によって吸収が見られる波長をいい、光吸収強度とは、光吸収波長での信号強度をいうものとする。また、蛍光波長とは、蛍光スペクトル測定によって発光が見られる波長をいい、蛍光強度とは、蛍光波長での信号強度をいうものとする。さらに、励起波長とは、励起スペクトル測定によって発光が見られる波長をいい、励起強度とは、励起波長での信号強度をいうものとする。
【0051】
従って、フルオロアルキルポリシランを溶解させた溶液等を用いて、上記の光波長や光強度の変化を調べれば、ニトロ化合物を検出することができる。特に、光強度は、相互作用したニトロ化合物の量に依存して変化すると考えられので、光強度を検出すれば、ニトロ化合物を定量的に検出することが可能になる。
【0052】
フルオロアルキルポリシランを溶解させるための溶媒としては、フルオロアルキルポリシランが溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、n−デカン、n−オクタン、イソオクタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等のパラフィン系炭化水素;トルエン、アニソール、ピリジン、キシレン、ベンゼン等の芳香族系炭化水素;テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等の複素環式化合物;ジメチルホルムアミド等のアミド系化合物等を用いればよい。なお、フルオロアルキルポリシランが溶解した溶液には、フルオロアルキルポリシラン以外の物質が含まれていてもよい。
【0053】
また、フルオロアルキルポリシランの溶液における、フルオロアルキルポリシランの濃度は、特に限定されないが、ニトロ化合物の検出を好適に行うためには、下限値が10−9mol/L以上であることが好ましく、10−8mol/L以上であることがより好ましい。また、フルオロアルキルポリシランの濃度の上限値は、10−1mol/L以下であることが好ましく、10−2mol/L以下であることがより好ましい。下限値が10−9mol/L未満であると、320nmでの吸光度が0.01以下となってニトロ化合物を検出することが困難となり、10−1mol/Lを超えると、320nmでの吸光度が10を超えるため好ましくない。
【0054】
上記光波長や光強度は、用いるフルオロアルキルポリシランの側鎖(R1,R2)や、相互作用するニトロ化合物量に依存する。例えば、有機溶媒等にフルオロアルキルポリシランを溶解させた溶液を用い、該溶液とニトロ化合物とを接触させ、該溶液の吸収スペクトル測定によってニトロ化合物を検出する場合には、波長280nm付近及び320nm付近の吸収ピーク及びその強度を用いることによって検出することができる。
【0055】
すなわち、波長280nm付近及び320nm付近の吸収ピークは、前記したように、フルオロアルキルポリシランの主鎖構造であるケイ素連鎖に基づいている。それゆえ、フルオロアルキルポリシランとニトロ化合物とが相互作用することによって、螺旋−螺旋転移及びコイル−ロッド転移が誘起されて主鎖構造が変化するので、波長280nm付近及び320nm付近の吸収ピークにも変化が生じる。具体的には、螺旋−螺旋転移及びコイル−ロッド転移が進むにつれて、波長280nm付近の吸収ピークの強度が小さくなり、320nm付近の吸収ピークの強度が相対的に大きくなる。
【0056】
また、フルオロアルキルポリシランを溶解させた溶液とニトロ化合物とを接触させると、該溶液の蛍光が効率よく消光し、ニトロ化合物の量が増加に伴って蛍光強度が低下する。蛍光スペクトルの消光効率は、ニトロ化合物中のニトロ基の数にも依存する。すなわち、ニトロ化合物中のニトロ基の数の増加に伴って、蛍光強度が減少する。従って、蛍光スペクトルの蛍光強度の減少を調べることによって、ニトロ化合物を検出することができる。
【0057】
さらに、フルオロアルキルポリシランを溶解させた溶液とニトロ化合物とが接触した場合には、該溶液の励起スペクトルも変化すると考えられる。すなわち、吸収スペクトル測定、蛍光スペクトル測定、励起スペクトル測定は、いずれも、分子の電子遷移に起因する光吸収又は光放出を測定するものである。従って、上記フルオロアルキルポリシランを溶解させた溶液とニトロ化合物とが接触した場合に、例えば、蛍光スペクトル測定を行って得られたスペクトルに変化が見られれば、吸収スペクトルや励起スペクトルにも変化が見られると考えられる。
【0058】
上記フルオロアルキルポリシランを溶解してなる溶液を用いて、光波長測定を行えば、該溶液中にて、濃度が10−8mol/L〜10−6mol/L以上のニトロ化合物を検出することができる。
【0059】
上記フルオロアルキルポリシランによって検出されるニトロ化合物としては、特に限定されない。例えば、ニトロメタン,ニトロエタン,テトラニトロメタン等のニトロアルカン類等の脂肪族ニトロ化合物や、芳香族ニトロ化合物を挙げることができる。
【0060】
上記芳香族ニトロ化合物としては、例えば、ジニトロベンゼン,トリニトロベンゼン等のニトロベンゼン類;ニトロベンゼン類のハロゲン化物であるクロロジニトロベンゼン,クロロトリニトロベンゼン等のハロゲン化ニトロベンゼン類;ジニトロトルエン,トリニトロトルエン等のニトロトルエン、トリニトロキシレン等のニトロキシレンや、トリニトロメシチレン等のニトロメシチレン等のメチルベンゼン類;ジニトロフェノール,トリニトロフェノール,ジアゾジニトロフェノール(DDNP)等のニトロフェノールや、ジニトロレソルシノール,トリニトロレソルシノール等のニトロレソルシノール等のヒドロキシベンゼン類;ニトロフェノールの塩であるピクリン酸アンモニウム,ピクリン酸鉛等のニトロフェノール塩類;ニトロレソルシノール類の塩であるトリニトロレソルシノール鉛(トリシネート)等のニトロレソルシノール塩類;トリニトロアニソール,トリニトロフェネトール等のフェノールのアルキルエーテル類;ジニトロクレゾール,トリニトロクレゾール等のニトロクレゾール類;トリニトロアニリン,テトラニトロアニリン等のニトロアニリン類;ジアミノトリニトロベンゼン,トリアミノトリニトロベンゼン等のアミノトリニトロベンゼン類;ヘキサニトロスチルベン(HNS)等のニトロスチルベン類;ニトロナフタレン,ジニトロナフタレン,トリニトロナフタレン等のニトロナフタレン類等を挙げることができる。
【0061】
上記フルオロアルキルポリシランは、上記のニトロ化合物のうち、芳香族ニトロ化合物の検出を特に好適に行うことができる。
【0062】
また、上記ニトロ化合物は、フルオロアルキルポリシランを溶解してなる溶液に接触すれば検出することができるので、気体、液体、固体のいずれであってもよい。あるいは、ニトロ化合物が溶解又は分散してなるニトロ化合物含有溶液であってもよい。
【0063】
このように、本発明のフルオロアルキルポリシランは、ニトロ化合物に対して優れた選択性を示すとともに、ニトロ化合物を高感度にかつ簡便に、ニトロ化合物を検出することができるので、ニトロ化合物検出素子材料として利用することができる。上記フルオロアルキルポリシランをニトロ化合物検出素子材料として用いれば、現在、地下に約1億2000万以上も埋設されていると考えられている地雷の検出を、高速かつ安全に、また簡便に行うことができる可能性がある。
【0064】
このように、前記した一般式(1)にて表される構造を有するフルオロアルキルポリシランであれば、ニトロ化合物検出素子材料として用いることができる。フルオロアルキルポリシランのニトロ化合物検出素子材料としての用途は、これまでに報告されたものではなく、本発明者等によって新規に見出されたものである。
【0065】
【実施例】
以下、フルオロアルキルポリシランである3,3,3−トリフルオロプロピル(メチル)ポリシランについて、実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0066】
なお、3,3,3−トリフルオロプロピル(メチル)ポリシランは以下の手順で合成した。
【0067】
〔3,3,3−トリフルオロプロピル(メチル)ポリシランの合成〕
<3,3,3−トリフルオロプロピル(メチル)ポリシランの合成手順>
300mLの4つ口フラスコに、オクタン12mLと金属ナトリウム1.3g(0.0565mol)とを入れ、さらに滴下漏斗、還流冷却管、撹拌機をセットして、窒素ガス雰囲気下、3,3,3−トリフルオロプロピル(メチル)ジクロロシラン6.0g(0.0284mol)を滴下し、撹拌しながら加熱還流を行った。なお、このときの3,3,3−トリフルオロプロピル(メチル)ジクロロシランの濃度は2.36mol/Lであり、また、反応温度は125℃、反応時間は4時間とした。
【0068】
反応後、反応溶液を室温まで冷却し、テトラヒドロフラン(THF)100mLを加えて、30分間撹拌した後、窒素ガス雰囲気下にて、2μmのテフロン(登録商標)(PTFE)フィルタで加圧濾過し、濾液をイソプロピルアルコール(IPA)700mL中へ滴下した。IPA溶液中に沈殿した沈殿物を濾取し、該沈殿物に含まれる溶媒及び揮発性物質を除去するために数時間真空乾燥を行い、THFに溶解させてTHF溶液とした。このTHF溶液に、エタノール及び/又はメタノール、あるいは、上記沈殿物を濾取した後のIPAを含む濾液を注意深く添加して再沈殿を行って精製した後、遠心分離によって再沈殿物を集め、さらに60℃にて一晩真空乾燥を行って、白色固体(3,3,3−トリフルオロプロピル(メチル)ポリシラン)を収率3.8%で得た。
【0069】
<3,3,3−トリフルオロプロピル(メチル)ポリシランの物性・構造>
得られた白色固体は、THF、クロロホルムに可溶であった。また、得られた白色固体について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(LC−10AD、SPD−M10A、CTO−10AC、島津製作所社製)によって分子量分布(ポリスチレン換算)を調べた。その結果、重量平均分子量(Mw)は、112,770であり、分子量分散(Mw/Mn;Mnは数平均分子量)は、3.6であった。
【0070】
また、赤外分光器(FT−IR FT−730、HORIBA(堀場)社製)を用いて、上記白色固体の赤外吸収スペクトル測定を行った。その結果、赤外吸収スペクトルには、3,3,3−トリフルオロプロピル(メチル)ポリシランに特徴的な吸収が観測された。すなわち、2958cm−1及び2898cm−1にメチル基のC−H伸縮振動(非対称、対称)に起因する吸収が観測され、2928cm−1及び2872cm−1にメチレン基のC−H伸縮振動(非対象、対象)に起因する吸収が観測された。また、1264cm−1にSi−CH3のメチル基の変角振動(はさみ)に起因する吸収が観測された。さらに、1212cm−1、1126cm−1、1066cm−1、1026cm−1、894cm−1に、3,3,3−トリフルオロプロピル基に特徴的な吸収が観測された。その他、1444cm−1、1414cm−1、1360cm−1、1312cm−1、1198cm−1、994cm−1、836cm−1、748cm−1、666cm−1、624cm−1、550cm−1にも、3,3,3−トリフルオロプロピル(メチル)ポリシランに特徴的な吸収が観測された。
【0071】
さらに、CDCl3を溶媒として用い、テトラメチルフラン(TMS)を基準にして、上記白色固体の1H−NMRスペクトル測定、13C−NMRスペクトル測定を行った。その結果を表1に示す。
【0072】
【表1】
【0073】
これらの結果から、本実施例にて得られた白色固体が3,3,3−トリフルオロプロピル(メチル)ポリシランであることがわかる。
【0074】
<スペクトル測定>
上記にて得られた白色固体を、トルエンに溶解させて、25℃の温度条件下にて、紫外可視吸収スペクトル測定及び蛍光スペクトル測定を行った。その結果を図1に示す。図1に示すように、紫外可視吸収スペクトルには、320nmに線幅が8.3nmのシャープな吸収ピークが見られた。また、蛍光スペクトルとして、上記紫外可視吸収スペクトルの鏡像となる形のスペクトルが、紫外可視吸収スペクトルを8nmストークスシフトさせた波長領域に観測された。このことから、上記にて得られた白色固体は、主鎖であるケイ素連鎖が剛直棒状7/3螺旋構造であることがわかる。
【0075】
〔実施例1〜4〕
上記にて得られた3,3,3−トリフルオロプロピル(メチル)ポリシランを用いて、ニトロ化合物であるの検出能を調べた。
【0076】
すなわち、得られた固体(以下、ポリマー)の繰り返し単位に含まれるSi換算で、1×10−5mol/Lとなるように、上記ポリマーをTHFに溶解してTHF溶液を調製し、このTHF溶液に、種々の濃度で、2,4,6−トリニトロフェノール(以下、ピクリン酸;実施例1)、1,3,5−トリニトロベンゼン(以下、TNB;実施例2)、1,3−ジニトロベンゼン(以下、DNB;実施例3)、2,4−ジニトロトルエン(以下、DNT;実施例4)を添加して、蛍光スペクトルを測定した。その結果、上記各ニトロ化合物の濃度の増加に伴って、蛍光強度が減少した。
【0077】
また、この蛍光強度のピクリン酸、TNB、DNB、DNTのそれぞれの濃度依存性を調べるために行ったスターン・ホルマー(Stern−Volmer)プロットの結果を、それぞれ図2〜5に示す。なお、図2〜5の縦軸に示すF0は、ニトロ化合物が存在しないときの蛍光強度を示し、Fは、横軸に示すニトロ化合物の濃度における蛍光強度を示す。
【0078】
図2〜5に示されるように、ニトロ化合物の増加に伴って、蛍光強度が変化することから、蛍光強度変化をモニターすることによって、ニトロ化合物を定量することができる。
【0079】
また、上記スターン・ホルマープロットから算出される、上記ポリマー(フルオロアルキルポリシラン)と各ニトロ化合物との結合定数Kは、ピクリン酸と結合した場合には、(3.2±0.7)×104M−1であり、TNBと結合した場合には、(1.3±0.3)×104M−1であり、DNBと結合した場合には、(2.6±0.3)×104M−1であり、DNTと結合した場合には、(7.0±0.8)×103M−1であった。この結合定数Kから、上記ポリマーを用いることにより、高感度にかつ高選択性にて、ニトロ化合物の検出が可能であることがわかる。
【0080】
【発明の効果】
本発明のニトロ化合物検出素子材料は、以上のように、前記した一般式(1)にて表される構造を有するフッ化アルキルケイ素高分子化合物を含有してなるものである。
【0081】
それゆえ、上記フッ化アルキルケイ素高分子化合物を用いれば、ニトロ化合物の検出に好適に用いることができる。従って、地下に埋設されている地雷の検出を、高速かつ安全に、また簡便に行うことができる可能性がある。
【0082】
なお、ニトロ化合物の検出は、上記フッ化アルキルケイ素高分子化合物を含有する溶液の光吸収波長測定、蛍光波長測定、励起波長測定のうちのいずれかによって行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】3,3,3−トリフルオロプロピル(メチル)ポリシランの紫外可視吸収スペクトル及び蛍光スペクトルを示すグラフである。
【図2】本発明のニトロ化合物検出素子として用いられる3,3,3−トリフルオロプロピル(メチル)ポリシランを含むTHF溶液に、種々の濃度で2,4,6−トリニトロフェノール(ピクリン酸)を添加して、285nmの励起波長を用いて測定した、波長335nmにおける蛍光強度変化のスターン・ホルマープロットを示すグラフである。
【図3】本発明のニトロ化合物検出素子として用いられる3,3,3−トリフルオロプロピル(メチル)ポリシランを含むTHF溶液に、種々の濃度で1,3,5−トリニトロベンゼン(TNB)を添加して、285nmの励起波長を用いて測定した、波長335nmにおける蛍光強度変化のスターン・ホルマープロットを示すグラフである。
【図4】本発明のニトロ化合物検出素子として用いられる3,3,3−トリフルオロプロピル(メチル)ポリシランを含むTHF溶液に、種々の濃度で1,3−ジニトロベンゼン(DNB)を添加して、285nmの励起波長を用いて測定した、波長335nmにおける蛍光強度変化のスターン・ホルマープロットを示すグラフである。
【図5】本発明のニトロ化合物検出素子として用いられる3,3,3−トリフルオロプロピル(メチル)ポリシランを含むTHF溶液に、種々の濃度で2,4−ジニトロトルエン(DNT)を添加して、285nmの励起波長を用いて測定した、波長335nmにおける蛍光強度変化のスターン・ホルマープロットを示すグラフである。
Claims (4)
- 上記一般式(1)中のR1は、3,3,3−トリフルオロプロピル基であることを特徴とする請求項1記載のニトロ化合物検出素子材料。
- 上記フッ化アルキルケイ素高分子化合物は、剛直棒状の螺旋構造を有していることを特徴とする請求項1又は2記載のニトロ化合物検出素子材料。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のニトロ化合物検出素子材料を含む溶液の吸収スペクトル測定、蛍光スペクトル測定、励起スペクトル測定のうちのいずれかを行うことによって、ニトロ化合物を検出することを特徴とするニトロ化合物の検出方法。
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