JP2004316797A - 磁気粘性流体ダンパー - Google Patents
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Abstract
【課題】中空部を磁気粘性流体Fで満たしたシリンダボディ1にピストンヘッド2を嵌装して、その移動方向に第1及び第2流体室3,4を区画するとともに、流体室3,4間の流体通路7に磁場を形成して、磁気粘性流体Fの粘性抵抗を増大させることにより、減衰力を高めるようにした磁気粘性流体ダンパーAにおいて、チェック弁や切替弁等を用いない簡単な構成でもって、減衰特性に作動方向に対する依存性を持たせる。
【解決手段】円環状流体通路7に、その半径方向の通路幅が第1流体室3から第2流体室4に向かって徐々に減少する通路幅変更部7aを設けて、磁場の強さを変化させ、これにより、ダンパーの縮み側作動時に前記流体室3から流体室4に向かう磁気粘性流体Fの流通抵抗を大きくし、一方、伸び側作動時に反対向きに流れる磁気粘性流体Fの流通抵抗を小さくする。
【選択図】 図1
【解決手段】円環状流体通路7に、その半径方向の通路幅が第1流体室3から第2流体室4に向かって徐々に減少する通路幅変更部7aを設けて、磁場の強さを変化させ、これにより、ダンパーの縮み側作動時に前記流体室3から流体室4に向かう磁気粘性流体Fの流通抵抗を大きくし、一方、伸び側作動時に反対向きに流れる磁気粘性流体Fの流通抵抗を小さくする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定以上の大きさの磁性粒子が分散した磁気粘性流体を用いたダンパーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の流体ダンパーとしては、例えば特許文献1に記載されているように、磁性流体や磁気粘性流体で満たしたシリンダ内にピストンヘッドを収容し、このピストンヘッドに設けたコイル(電磁石)に給電することにより磁場を形成して、該ピストンヘッドの外周面とシリンダ内周面との間の間隙(流体通路)を通過する流体の粘性抵抗を変化させることにより、所要の減衰特性を得るようにしたものがある。
【0003】
前記のような流体ダンパーでは、ピストンヘッドのコイルに供給する電力の制御によって磁場の強さを変更することができ、これにより減衰力を容易に変更することができるが、一定電力の下ではピストンヘッドの移動する向きによらず一定の減衰力となるので、ダンパーの減衰特性を伸び側及び縮み側で異ならせることは容易ではない。すなわち、一般に、ダンパーの作動は伸び側と縮み側とに瞬時に且つ頻繁に切り替わるものなので、これに応じて遅れなくコイルへの給電状態を切り替えることが容易ではなく、非常に精密な電力制御が要求されるからである。
【0004】
また、前記のような電力制御を行うためには、センサー等により伸び側、縮み側の判別をする必要があることから、システムとして複雑になり、コストの上昇が避けられないという問題もある。
【0005】
しかしながら、例えば自動車のサスペンション装置やエンジン用補機のベルトテンショナー等、ダンパーの適用対象には、その作動方向によって減衰特性の異なることを求められるものが多い。この点について、磁性流体等を用いない一般的な油圧ダンパーの場合は、長さや断面積の異なる複数の流体通路を備え、それらをチェック弁等により開閉して作動油の通路を切り替えることにより、ダンパー作動方向の切り替わりに応じて減衰特性を変更するようにしている。
【0006】
【特許文献1】
特表2001−524648号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来例のように磁性流体や磁気粘性流体を用いた流体ダンパーの場合は、流体中に微細な磁性粒子が分散していることから、前記のような従来一般的な機構を転用するだけでは正常な作動を期待できないという問題がある。すなわち、ピストンヘッドの流体通路を弁体により開閉する構造とした場合、そのピストンヘッドに電磁石が配置されていることから、流体中の磁性粒子が弁体やその周囲に付着して作動不良等の不具合を生じやすいからである。
【0008】
特に、相対的に磁性粒子の粒径が大きい磁気粘性流体を用いる場合は、そのことによって大きなダンパー減衰力を得ることができる反面、磁性粒子間で相互に作用する磁力が強くなり、粒径の大きな粒子同士が凝集することによって前記のような不具合が発生しやすい。
【0009】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、磁気粘性流体を用いた流体ダンパーにおいて、その粘性抵抗が磁場の強さによって変化することに着目し、通路内の磁気粘性流体の流通抵抗をその流れの向きによって異ならせることにより、チェック弁や切替弁等を用いない簡単な構成でもって、ダンパーの減衰特性に作動方向に対する依存性を持たせることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成すべく、本発明では、磁気粘性流体ダンパーの2つの流体室同士を連通する流体通路の幅を少なくとも磁力線の延びる方向について変更して、これにより流体通路における磁場の強さを変化させることで、当該流体通路における磁気粘性流体の流通抵抗をその向きによって異ならせるようにした。
【0011】
具体的には、請求項1の発明では、中空部を有する第1の部材と、この第1部材の中空部内に該第1部材に対し相対移動可能に配置され、各々、磁性粒子を含有してなる磁気粘性流体が充填された2つの流体室を区画形成する第2の部材と、前記2つの流体室を互いに連通するように設けられ、前記第2部材の相対移動に伴い両流体室間で磁気粘性流体を双方向に流通させる流体通路と、少なくとも該流体通路の一部に磁場を形成するように前記第2部材に配設された磁場形成手段とを備えた磁気粘性流体ダンパーを前提とする。
【0012】
そして、前記流体通路には、前記磁場形成手段によって形成される磁場の強さが2つの流体室の一方から他方に向かって減少するよう、少なくとも磁力線の延びる方向の通路幅を前記一方から他方に向かって減少させた通路幅変更部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
前記の構成により、磁気粘性流体ダンパーに外力が作用して、第2部材が第1部材に対して相対移動するときには、該第2部材の進行方向前側の流体室の容積が減少し、この流体室から流体通路に押し出された磁気粘性流体が容積の拡大するもう一つの流体室(第2部材の進行方向後側の流体室)に向かって移動する。
【0014】
その際、前記第2部材に配設された磁場形成手段によって流体通路の少なくとも一部に磁場が形成されていると、その磁場の作用によって磁気粘性流体の見かけの粘性抵抗が増大し、磁場の形成されていないときに比べて大きな減衰力が得られるようになる。この現象は、磁場の作用によって磁気粘性流体に含まれる磁性粒子が磁化されて、概略磁力線に沿って連なる鎖のように配置され、この磁性粒子の連鎖が流れの抵抗となることによって、見かけ上、磁気粘性流体の粘性抵抗が大きくなるものと考えられている。
【0015】
そして、本発明では、前記流体通路には、前記磁場形成手段によって形成された磁場の強さが2つの流体室の一方から他方に向かって増大するように、少なくとも磁力線の延びる方向の通路幅を前記一方から他方に向かって減少させた通路幅変更部が設けられており、この通路幅変更部を磁気粘性流体が前記一方から他方に向かって流れるときには相対的に大きな減衰力が得られ、反対に、磁気粘性流体の流れが逆向きのときには減衰力は相対的に小さなものになる。
【0016】
その理由としては、磁気粘性流体が前記流体通路の通路幅変更部を前記一方から他方に向かって流れるときには、その通路幅の減少に伴い、磁気粘性流体の流れが磁性粒子を集めるように働いて、相対的に磁場の強い部位に向かって磁性粒子が集められることで、その磁性粒子の連鎖による見かけの粘性抵抗の増大が助長されると考えられる。
【0017】
また、磁気粘性流体が前記と反対に通路幅変更部を前記他方から一方に向かって流れるときには、その流れは、相対的に磁場の強い部位から弱い部位に向かって磁性粒子を押し出して、前記磁性粒子の連鎖を崩すように働くことになるから、磁気粘性流体の見かけの粘性抵抗は相対的に小さくなると考えられる。
【0018】
ここで、前記通路幅変更部は、流体通路の断面積が一方から他方に向かって連続的に変化するように構成するのが好ましい(請求項2の発明)。こうすることで、通路幅変更部における磁気粘性流体の流れがスムーズなものになり、流通抵抗による減衰力が安定して得られるようになる。このことは、特に磁気粘性流体の流れる向きが切り替わったときに好ましい特性となる。
【0019】
また、前記磁場形成手段として、給電されて磁場を形成する電磁石を用いれば、磁気粘性流体ダンパーの減衰力を可変制御することができる(請求項3の発明)。一方、磁場形成手段として永久磁石を用いれば、ダンパーを低コストのものとすることができる(請求項4の発明)。
さらに、前記磁気粘性流体として、磁性粒子の粒径が約1ミクロン以上のものを用いれば、それよりも粒径の小さなものを用いたときと比べて大きなダンパー減衰力が容易に得られる(請求項5の発明)。この場合には、流体中の磁性粒子が磁場の影響によって第2部材の周囲に付着しやすくなり、流体通路にチェック弁や切替弁等を配置することが困難になるから、このようなときには、チェック弁等を用いずにダンパーの減衰特性をその作動方向に応じて切り替えることができるという、前記請求項1の発明の作用効果が特に有効なものとなる。
【0020】
前記磁気粘性流体ダンパーの具体的な構成としては、例えば、第1部材を筒状のシリンダボディとし、第2部材であるピストンヘッドを前記シリンダボディ内にその軸心に沿って往復移動するように設けて、そのピストンヘッドの外周面とシリンダボディの内周面との間に環状の流体通路を形成すればよい。この場合、前記ピストンヘッドの外周面に、前記往復移動方向の一方から他方に向かって徐々にシリンダボディ内周面に近づくように傾斜するテーパ部を形成すれば、このテーパ部に対応して通路断面積の連続的に変化する流体通路の部位が通路幅変更部となる(請求項6の発明)。
【0021】
そのようにすれば、極めて簡単な構成でもって、伸び側及び縮み側の減衰特性を異ならしめたシリンダ型の磁気粘性流体ダンパーが得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施形態に係るシリンダ型磁気粘性流体ダンパーAの構成を示す。この磁気粘性流体ダンパーAは、例えば、自動車のサスペンション装置に適用することができ、或いは、自動車用エンジンのベルト式補器駆動装置において、ベルト張力を一定に保持しようとするテンショナの作動を減衰させるために用いることもできる。
【0024】
前記磁気粘性流体ダンパーAは、概略円筒状をなしかつ両端が閉じられたシリンダボディ1の内部(中空部)に、その軸心に沿って直線的に往復移動するようにピストンヘッド2を嵌装してなり、該ピストンヘッド2によりシリンダボディ1内に第1及び第2の2つの流体室3,4を区画して、それぞれ、磁性粒子を含有してなる磁気粘性流体Fを充填したものである。この実施形態では、磁気粘性流体Fは、磁性粒子として粒径が約1ミクロン以上の鉄粉を含有するものとしており、このように比較的粒径の大きな磁性粒子を用いることで、比較的容易に大きな減衰力を得ることができる。
【0025】
前記シリンダボディ1は、この実施形態では、両端が開放された円筒状の本体部材11と、その両側の開放端をそれぞれ閉止するように内嵌合状態で配置された閉止部材12,13と、該各閉止部材12,13の少なくとも外周部をそれぞれ覆うように配置されて、前記本体部材11の端部に螺合されるキャップ14,15とからなる。この2つのキャップ14,15のうち、図の左側に示す一方のキャップ14は、内周壁に周方向全体に亘る段部14aの形成された有底状とされ、図の左側に示す一方の閉止部材12との間に閉空間を区画するものである。
【0026】
そして、その閉空間には例えば高圧の窒素ガスが充填されているとともに、前記一方の閉止部材12がシリンダボディ1の軸心に沿って直線的に往復移動するように嵌装されて、フリーピストンとしての機能を有しており、このことで、シリンダボディ1の内部には、第1流体室3における液圧の急激な上昇を緩和するとともに、該第1流体室3及び第2流体室4を合わせた合計の容積変化を吸収するアキュムレータが設けられている。尚、前記一方のキャップ14には、概略矩形板部の略中央に丸穴を有する連結部16が設けられている。
【0027】
前記ピストンヘッド2は、この実施形態では、軸心方向よりも直径方向の寸法が大きい円柱状とされ、図の左右方向であるシリンダボディ1の軸心方向に移動する。また、ピストンヘッド2にはその軸心に沿って略中心部を貫通する孔部2aが設けられ、第1流体室3に臨む孔部2aの一方の開口部に封止部材5が圧入されて、油密に封止されている一方、第2流体室4に臨む孔部2aの他方の開口部にはピストンヘッド2に外力を伝達するロッド6の一方の端部が嵌入されている。尚、前記ピストンヘッド2の孔部2aは必ずしも貫通孔とする必要はなく、第2流体室4に臨んで開口するように設ければ足りる。この場合には前記封止部材5は不要になる。
【0028】
すなわち、前記ロッド6は第2流体室4内をシリンダボディ1の軸心に沿って延びていて、その一方の端部(図の左端部)には相対的に小径の部位6aが設けられ、この小径部6aの外径が前記ピストンヘッド孔部2aの他端開口部の内径よりも僅かに大きくされており、この小径部6aが前記孔部2aの他端開口部にネジ止めされている。また、前記ロッド6の他端側(図の右側)は、シリンダボディ1の端部壁である閉止部材13に設けられた貫通孔13aに挿通されていて、シリンダボディ1の外部に突出するロッド6の他方の端部(右端部)には、前記キャップ14の連結部16と同様の連結部17が配設されている。
【0029】
尚、前記のようにロッド6が貫通する閉止部材13の貫通孔13a内周壁には、その貫通孔13aに向かって開口するように環状の溝部が設けられており、この溝部内にパッキン18が配設されている。同様に、シリンダボディ1の本体部材11の内周面に当接する各閉止部材12,13の外周側にもそれぞれ環状の溝部が設けられ、そこにはOリング19,19が配設されている。
【0030】
前記ダンパーAの2つの連結部16,17は、例えば自動車のサスペンション装置におけるばね上及びばね下部材のように、ばね部材を介して相対変位可能に連結された一対の部材にそれぞれ取り付けられる。そして、該一対の部材の相対変位に伴い前記ロッド6が伸縮して、これと移動一体のピストンヘッド2がシリンダボディ1に対し相対移動する。具体的には、ロッド6が引張力を受けて伸び側(図の右側)に移動するときには、第1流体室3の容積が大きくなりかつ第2流体室4の容積が小さくなる方向にピストンヘッド2を引っ張ることになり、反対に押圧力を受けて縮み側(図の左側)に移動するときには、前記第1流体室3の容積が小さくなりかつ第2流体室4の容積が大きくなる方向にピストンヘッド2を押圧することになる(縮み側)。
【0031】
そのような流体室3,4の容積の変化を許容しつつ、これにより所要の減衰力を発生するように、前記第1及び第2流体室3,4の間には両者を互いに連通する流体通路7が設けられている。すなわち、シリンダボディ1の本体部材11の内周壁とピストンヘッド2の外周壁との間には所定の間隙が確保されており、流体通路7は、この間隙によってシリンダボディ1内周面とピストンヘッド2外周面との間に円環状に形成されている。そして、この円環状の流体通路7を磁気粘性流体Fが流通するときには、流体Fの剪断応力に対応する抵抗力が発生して、これがダンパー減衰力となる。
【0032】
また、この実施形態では、前記の如く流体通路7を通過する磁気粘性流体Fの抵抗力、即ちダンパー減衰力を増大するために、ピストンヘッド2に電磁石8を埋設して、流体通路7の少なくとも軸心方向両端側(図の左右両側)にそれぞれ磁場を形成するようにしている。この電磁石8は、ピストンヘッド2の外周に凹設された溝部2bに電線を巻き付けたコイルからなり、その電線には、ロッド6内を長手方向に延びる通路6bに配置された配線9を経由して、外部の給電制御装置10により給電されるようになっている。
【0033】
すなわち、前記電磁石8に対し給電制御装置10から給電されて、流体通路7に磁場が形成されると、その磁場の作用によって磁気粘性流体Fの見かけの粘性抵抗が増大し、磁場の形成されていないときに比べて大きな抵抗力が得られるようになる。この現象は、磁場の作用によって磁気粘性流体Fに含まれる磁性粒子が磁化されて、図2(a)に模式的に示すように概略、図に破線で示す磁力線の延びる方向に沿って連なるように配置され、この磁性粒子の連鎖が流れの抵抗となることによると考えられている。
【0034】
尚、図示の如く、前記電磁石8の外周には保護膜20が配設されている。また、ピストンヘッド2の軸心方向両端面には、それぞれ、電磁石8により形成される磁場を流体通路7に集中させるために、真鍮製薄板からなる磁気シールド21,21が配設されている。
【0035】
そして、本発明の特徴部分として、前記流体通路7には、前記電磁石8によって形成される磁場の強さが第1流体室3から第2流体室4に向かって徐々に増大するように、円環状流体通路7の半径方向(磁力線の延びる方向)の通路幅を一方から他方に向かって(図の左側から右側に向かって)徐々に減少させてなる通路幅変更部7aが設けられている。
【0036】
より具体的には、前記ピストンヘッド2の外周面には、電磁石8の埋設されている溝部2bを除いた軸心方向両端側の各範囲において、それぞれ、該ピストンヘッド2軸心方向の一方から他方に向かうほど、対向するシリンダボディ1内周面に近づくように傾斜するテーパ部2c,2cが形成されており、これにより、円環状流体通路7には、その半径方向の通路幅が前記一方から他方に向かって徐々に減少する通路幅変更部7a,7aが形成される。
【0037】
その各通路幅変更部7aは、前記図2(a)に示すようにピストンヘッド2の軸心を通る断面上で見ると、対向するシリンダボディ1内周面に対して所定の傾斜角度θを有する楔形状になっている。このため、通路幅変更部7aでは、流体通路7の断面積も前記一方から他方に向かって連続的に減少しており、このように通路断面積が徐々に変化することで、通過する磁気粘性流体Fの流れが大きく乱れることのないスムーズなものとなって、流通抵抗による減衰力が安定して得られるようになる。
【0038】
次に、上述の如き構成の磁気粘性流体ダンパーAの作用について説明すると、まず、外力の作用によってダンパーAが縮み側に作動するときには、ロッド6及びピストンヘッド2が図1,2における左側に移動し、このピストンヘッド2の進行方向前側に位置して容積の小さくなる第1流体室3内の磁気粘性流体Fが流体通路7に押し出され、容積の拡大する第2流体室4(ピストンヘッド2の進行方向後側の流体室)に向かって移動する。
【0039】
そのようにして磁気粘性流体Fが流体通路7を第1流体室3から第2流体室4に(一方から他方に)向かって流れるときには、流体通路7の通路幅変更部7aの形状に従って、図2(b)に模式的に示すように、磁気粘性流体Fの流れが磁性粒子を通路幅変更部7aで最も狭い部位(即ち磁束密度が最も大きな部位)に集めるように働き、このことで、最も磁場の強い部位における磁性粒子の連鎖による見かけの粘性抵抗の増大作用が助長されて、相対的に大きな抵抗力が得られるようになる。
【0040】
一方、ダンパーAの伸び側作動時には、ロッド6及びピストンヘッド2が図1,2における右側に移動し、これに伴い、第2流体室4内の磁気粘性流体Fが流体通路7を第1流体室3に向かって移動する。このときには、流体Fの流れに沿って流体通路7の幅が徐々に拡大することから、図2(c)に模式的に示すように、磁気粘性流体Fの流れが磁性粒子を相対的に磁場の弱い部位に向かって押し出して、その連鎖を崩すように働くことになり、このことで、磁気粘性流体Fの見かけの粘性抵抗が相対的に小さくなる。
【0041】
つまり、流体通路7における磁気粘性流体Fの流れの向きが変われば、そのことによって自ずと流体Fの見かけの粘性抵抗が変化することになり、このことで、ダンパーAの縮み側作動に対しては相対的に大きな減衰力が付与され、一方、伸び側作動に対しては相対的に小さな減衰力が付与される。尚、その伸び側作動時の磁気粘性流体Fの流通抵抗は、縮み側作動時に比べれば小さいが、流体通路7に磁場が形成されていないときに比べれば大きなものとなる。
【0042】
図3(a)〜(c)は、上述の如き磁気粘性流体ダンパーAの伸び側及び縮み側での減衰特性の変化を実際に計測した結果を示し、具体的には、ダンパーAにそれぞれ振幅の異なる正弦波を入加して強制的に振動(変位)させたときの、例えば2つの連結部材16,17間の相対変位量P−Pと、ダンパーAの発生する減衰力との関係を表すヒステリシスループである。ここで、入力波の振幅は(a)のグラフのときよりも(b)のグラフのときの方が大きく、また、(b)のグラフのときよりも(c)のグラフのときの方が大きくなっている。
【0043】
また、(a)〜(c)の各図において、それぞれ、相対変位P−P及び発生力はいずれもマイナス側がダンパーの縮み側に相当し、プラス側が伸び側に相当する。また、(a)〜(c)の各図においてそれぞれ実線で示すヒステリシスループは、電磁石8への給電電流値が0.5Aのときのものであり、破線は給電電流値が1.0Aのときのものである。尚、図示しないが、給電しない状態での発生力は非常に小さい。
【0044】
図示の実験結果によれば、入力振幅の大きさに拘わらず、ダンパー縮み側の発生力の最大値が伸び側の最大値よりも大きく、また、減衰エネルギーも縮み側で伸び側を上回っていることが分かる。また、当然ながら、給電量の大きいときほど減衰力も大きくなっている。
【0045】
したがって、この実施形態に係るシリンダ型の磁気粘性流体ダンパーによると、シリンダボディ1内の2つの流体室3,4同士を連通する円環状の流体通路7に、その軸心方向の一方から他方に向かって半径方向の通路幅を徐々に変更してなる通路幅変更部7aを設けて、該通路幅変更部7aにおける磁場の強さを前記一方から他方に向かうほど強くなるようにしたことで、当該流体通路7を流通する磁気粘性流体Fの見かけの粘性抵抗を流れの向きによって異ならせることができ、これにより、複数の流体通路やチェック弁等を必要としない極めて簡単な構成で、且つ電磁石8への精密な給電制御を行うことなく、ダンパーAの減衰力を延び側と縮み側とで異ならせることができる。
【0046】
また、この実施形態では、磁気粘性流体Fとして約1ミクロン以上と比較的大きな磁性粒子を含有するものを用いており、このことで、比較的容易に大きなダンパー減衰力を得ることができる。反面、この場合には流体F中の磁性粒子が電磁石8の磁場の影響によってピストンヘッド2の周囲に付着しやすくなり、従来、一般的な油圧ダンパーのように流体通路を開閉するチェック弁等を配置することは非常に困難になる。換言すれば、このようなときにこそ、前記の如く、チェック弁等を用いずにダンパー減衰特性に作動方向への依存性を持たせ得ることが極めて有効なものとなる。
【0047】
尚、前記の実施形態では、流体通路7に磁場を形成する手段として電磁石8を用いており、このことで、ダンパー減衰力を可変制御することも可能となるが、これに限るものではなく、磁場形成手段としては例えば永久磁石を用いるようにしてもよい。こうすれば、極めて低コストなダンパーが得られる。
【0048】
また、前記の実施形態では、流体通路7の通路幅変更部7aを、通路断面積が徐々に(連続的に)変化するものとしているが、これに限らず、通路幅変更部では流体通路の磁力線方向の幅を段階的に変化させるようにしてもよいし、或いは一段で大きく変化させるようにしてもよい。
【0049】
また、前記の実施形態では、流体通路7を、シリンダボディ1の内周面とピストンヘッド2の外周面との間の隙間により構成しているが、これに限らず、ピストンヘッド2にその軸心方向に貫通するオリフィスを設けて、このオリフィスを流体通路とすることもできる。
【0050】
さらに、前記の実施形態では、シリンダ型磁気粘性流体ダンパーの場合について説明しているが、本発明は、その他の型式の磁気粘性流体ダンパーにも適用することができる。
【0051】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明に係る磁気粘性流体ダンパーによると、第1の部材の中空部内に磁気粘性流体を満たし、且つ第2の部材を相対移動可能に収容して、その移動方向に2つの流体室を区画するとともに、該2つの流体室を互いに連通する流体通路内に磁場を形成して、その通路内の磁気粘性流体の粘性抵抗を増大させるようにした場合に、該流体通路の通路幅を少なくとも磁力線の延びる方向について変更して、磁場の強さを変化させることにより、当該流体通路における磁気粘性流体の見かけの粘性抵抗を流れの向きによって異ならせることができ、これにより、極めて簡単な構成でダンパーの減衰特性に作動方向に対する依存性を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るシリンダ型磁気粘性流体ダンパーの概略構成を示す縦断面図である。
【図2】(a)流体通路に形成した磁場によって磁性粒子の連鎖が形成されることのイメージ図であり、(b)、(c)はそれぞれ縮み側作動時及び伸び側作動時についてのものである。
【図3】磁気粘性流体ダンパーの減衰特性を表すヒステリシスループの一例である。
【符号の説明】
A 磁気粘性流体ダンパー
F 磁気粘性流体
1 シリンダボディ(第1部材)
2 ピストンヘッド(第2部材)
2c テーパ部
3 第1流体室
4 第2流体室
7 流体通路
7a 通路幅変更部
8 電磁石(磁場形成手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定以上の大きさの磁性粒子が分散した磁気粘性流体を用いたダンパーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の流体ダンパーとしては、例えば特許文献1に記載されているように、磁性流体や磁気粘性流体で満たしたシリンダ内にピストンヘッドを収容し、このピストンヘッドに設けたコイル(電磁石)に給電することにより磁場を形成して、該ピストンヘッドの外周面とシリンダ内周面との間の間隙(流体通路)を通過する流体の粘性抵抗を変化させることにより、所要の減衰特性を得るようにしたものがある。
【0003】
前記のような流体ダンパーでは、ピストンヘッドのコイルに供給する電力の制御によって磁場の強さを変更することができ、これにより減衰力を容易に変更することができるが、一定電力の下ではピストンヘッドの移動する向きによらず一定の減衰力となるので、ダンパーの減衰特性を伸び側及び縮み側で異ならせることは容易ではない。すなわち、一般に、ダンパーの作動は伸び側と縮み側とに瞬時に且つ頻繁に切り替わるものなので、これに応じて遅れなくコイルへの給電状態を切り替えることが容易ではなく、非常に精密な電力制御が要求されるからである。
【0004】
また、前記のような電力制御を行うためには、センサー等により伸び側、縮み側の判別をする必要があることから、システムとして複雑になり、コストの上昇が避けられないという問題もある。
【0005】
しかしながら、例えば自動車のサスペンション装置やエンジン用補機のベルトテンショナー等、ダンパーの適用対象には、その作動方向によって減衰特性の異なることを求められるものが多い。この点について、磁性流体等を用いない一般的な油圧ダンパーの場合は、長さや断面積の異なる複数の流体通路を備え、それらをチェック弁等により開閉して作動油の通路を切り替えることにより、ダンパー作動方向の切り替わりに応じて減衰特性を変更するようにしている。
【0006】
【特許文献1】
特表2001−524648号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来例のように磁性流体や磁気粘性流体を用いた流体ダンパーの場合は、流体中に微細な磁性粒子が分散していることから、前記のような従来一般的な機構を転用するだけでは正常な作動を期待できないという問題がある。すなわち、ピストンヘッドの流体通路を弁体により開閉する構造とした場合、そのピストンヘッドに電磁石が配置されていることから、流体中の磁性粒子が弁体やその周囲に付着して作動不良等の不具合を生じやすいからである。
【0008】
特に、相対的に磁性粒子の粒径が大きい磁気粘性流体を用いる場合は、そのことによって大きなダンパー減衰力を得ることができる反面、磁性粒子間で相互に作用する磁力が強くなり、粒径の大きな粒子同士が凝集することによって前記のような不具合が発生しやすい。
【0009】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、磁気粘性流体を用いた流体ダンパーにおいて、その粘性抵抗が磁場の強さによって変化することに着目し、通路内の磁気粘性流体の流通抵抗をその流れの向きによって異ならせることにより、チェック弁や切替弁等を用いない簡単な構成でもって、ダンパーの減衰特性に作動方向に対する依存性を持たせることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成すべく、本発明では、磁気粘性流体ダンパーの2つの流体室同士を連通する流体通路の幅を少なくとも磁力線の延びる方向について変更して、これにより流体通路における磁場の強さを変化させることで、当該流体通路における磁気粘性流体の流通抵抗をその向きによって異ならせるようにした。
【0011】
具体的には、請求項1の発明では、中空部を有する第1の部材と、この第1部材の中空部内に該第1部材に対し相対移動可能に配置され、各々、磁性粒子を含有してなる磁気粘性流体が充填された2つの流体室を区画形成する第2の部材と、前記2つの流体室を互いに連通するように設けられ、前記第2部材の相対移動に伴い両流体室間で磁気粘性流体を双方向に流通させる流体通路と、少なくとも該流体通路の一部に磁場を形成するように前記第2部材に配設された磁場形成手段とを備えた磁気粘性流体ダンパーを前提とする。
【0012】
そして、前記流体通路には、前記磁場形成手段によって形成される磁場の強さが2つの流体室の一方から他方に向かって減少するよう、少なくとも磁力線の延びる方向の通路幅を前記一方から他方に向かって減少させた通路幅変更部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
前記の構成により、磁気粘性流体ダンパーに外力が作用して、第2部材が第1部材に対して相対移動するときには、該第2部材の進行方向前側の流体室の容積が減少し、この流体室から流体通路に押し出された磁気粘性流体が容積の拡大するもう一つの流体室(第2部材の進行方向後側の流体室)に向かって移動する。
【0014】
その際、前記第2部材に配設された磁場形成手段によって流体通路の少なくとも一部に磁場が形成されていると、その磁場の作用によって磁気粘性流体の見かけの粘性抵抗が増大し、磁場の形成されていないときに比べて大きな減衰力が得られるようになる。この現象は、磁場の作用によって磁気粘性流体に含まれる磁性粒子が磁化されて、概略磁力線に沿って連なる鎖のように配置され、この磁性粒子の連鎖が流れの抵抗となることによって、見かけ上、磁気粘性流体の粘性抵抗が大きくなるものと考えられている。
【0015】
そして、本発明では、前記流体通路には、前記磁場形成手段によって形成された磁場の強さが2つの流体室の一方から他方に向かって増大するように、少なくとも磁力線の延びる方向の通路幅を前記一方から他方に向かって減少させた通路幅変更部が設けられており、この通路幅変更部を磁気粘性流体が前記一方から他方に向かって流れるときには相対的に大きな減衰力が得られ、反対に、磁気粘性流体の流れが逆向きのときには減衰力は相対的に小さなものになる。
【0016】
その理由としては、磁気粘性流体が前記流体通路の通路幅変更部を前記一方から他方に向かって流れるときには、その通路幅の減少に伴い、磁気粘性流体の流れが磁性粒子を集めるように働いて、相対的に磁場の強い部位に向かって磁性粒子が集められることで、その磁性粒子の連鎖による見かけの粘性抵抗の増大が助長されると考えられる。
【0017】
また、磁気粘性流体が前記と反対に通路幅変更部を前記他方から一方に向かって流れるときには、その流れは、相対的に磁場の強い部位から弱い部位に向かって磁性粒子を押し出して、前記磁性粒子の連鎖を崩すように働くことになるから、磁気粘性流体の見かけの粘性抵抗は相対的に小さくなると考えられる。
【0018】
ここで、前記通路幅変更部は、流体通路の断面積が一方から他方に向かって連続的に変化するように構成するのが好ましい(請求項2の発明)。こうすることで、通路幅変更部における磁気粘性流体の流れがスムーズなものになり、流通抵抗による減衰力が安定して得られるようになる。このことは、特に磁気粘性流体の流れる向きが切り替わったときに好ましい特性となる。
【0019】
また、前記磁場形成手段として、給電されて磁場を形成する電磁石を用いれば、磁気粘性流体ダンパーの減衰力を可変制御することができる(請求項3の発明)。一方、磁場形成手段として永久磁石を用いれば、ダンパーを低コストのものとすることができる(請求項4の発明)。
さらに、前記磁気粘性流体として、磁性粒子の粒径が約1ミクロン以上のものを用いれば、それよりも粒径の小さなものを用いたときと比べて大きなダンパー減衰力が容易に得られる(請求項5の発明)。この場合には、流体中の磁性粒子が磁場の影響によって第2部材の周囲に付着しやすくなり、流体通路にチェック弁や切替弁等を配置することが困難になるから、このようなときには、チェック弁等を用いずにダンパーの減衰特性をその作動方向に応じて切り替えることができるという、前記請求項1の発明の作用効果が特に有効なものとなる。
【0020】
前記磁気粘性流体ダンパーの具体的な構成としては、例えば、第1部材を筒状のシリンダボディとし、第2部材であるピストンヘッドを前記シリンダボディ内にその軸心に沿って往復移動するように設けて、そのピストンヘッドの外周面とシリンダボディの内周面との間に環状の流体通路を形成すればよい。この場合、前記ピストンヘッドの外周面に、前記往復移動方向の一方から他方に向かって徐々にシリンダボディ内周面に近づくように傾斜するテーパ部を形成すれば、このテーパ部に対応して通路断面積の連続的に変化する流体通路の部位が通路幅変更部となる(請求項6の発明)。
【0021】
そのようにすれば、極めて簡単な構成でもって、伸び側及び縮み側の減衰特性を異ならしめたシリンダ型の磁気粘性流体ダンパーが得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施形態に係るシリンダ型磁気粘性流体ダンパーAの構成を示す。この磁気粘性流体ダンパーAは、例えば、自動車のサスペンション装置に適用することができ、或いは、自動車用エンジンのベルト式補器駆動装置において、ベルト張力を一定に保持しようとするテンショナの作動を減衰させるために用いることもできる。
【0024】
前記磁気粘性流体ダンパーAは、概略円筒状をなしかつ両端が閉じられたシリンダボディ1の内部(中空部)に、その軸心に沿って直線的に往復移動するようにピストンヘッド2を嵌装してなり、該ピストンヘッド2によりシリンダボディ1内に第1及び第2の2つの流体室3,4を区画して、それぞれ、磁性粒子を含有してなる磁気粘性流体Fを充填したものである。この実施形態では、磁気粘性流体Fは、磁性粒子として粒径が約1ミクロン以上の鉄粉を含有するものとしており、このように比較的粒径の大きな磁性粒子を用いることで、比較的容易に大きな減衰力を得ることができる。
【0025】
前記シリンダボディ1は、この実施形態では、両端が開放された円筒状の本体部材11と、その両側の開放端をそれぞれ閉止するように内嵌合状態で配置された閉止部材12,13と、該各閉止部材12,13の少なくとも外周部をそれぞれ覆うように配置されて、前記本体部材11の端部に螺合されるキャップ14,15とからなる。この2つのキャップ14,15のうち、図の左側に示す一方のキャップ14は、内周壁に周方向全体に亘る段部14aの形成された有底状とされ、図の左側に示す一方の閉止部材12との間に閉空間を区画するものである。
【0026】
そして、その閉空間には例えば高圧の窒素ガスが充填されているとともに、前記一方の閉止部材12がシリンダボディ1の軸心に沿って直線的に往復移動するように嵌装されて、フリーピストンとしての機能を有しており、このことで、シリンダボディ1の内部には、第1流体室3における液圧の急激な上昇を緩和するとともに、該第1流体室3及び第2流体室4を合わせた合計の容積変化を吸収するアキュムレータが設けられている。尚、前記一方のキャップ14には、概略矩形板部の略中央に丸穴を有する連結部16が設けられている。
【0027】
前記ピストンヘッド2は、この実施形態では、軸心方向よりも直径方向の寸法が大きい円柱状とされ、図の左右方向であるシリンダボディ1の軸心方向に移動する。また、ピストンヘッド2にはその軸心に沿って略中心部を貫通する孔部2aが設けられ、第1流体室3に臨む孔部2aの一方の開口部に封止部材5が圧入されて、油密に封止されている一方、第2流体室4に臨む孔部2aの他方の開口部にはピストンヘッド2に外力を伝達するロッド6の一方の端部が嵌入されている。尚、前記ピストンヘッド2の孔部2aは必ずしも貫通孔とする必要はなく、第2流体室4に臨んで開口するように設ければ足りる。この場合には前記封止部材5は不要になる。
【0028】
すなわち、前記ロッド6は第2流体室4内をシリンダボディ1の軸心に沿って延びていて、その一方の端部(図の左端部)には相対的に小径の部位6aが設けられ、この小径部6aの外径が前記ピストンヘッド孔部2aの他端開口部の内径よりも僅かに大きくされており、この小径部6aが前記孔部2aの他端開口部にネジ止めされている。また、前記ロッド6の他端側(図の右側)は、シリンダボディ1の端部壁である閉止部材13に設けられた貫通孔13aに挿通されていて、シリンダボディ1の外部に突出するロッド6の他方の端部(右端部)には、前記キャップ14の連結部16と同様の連結部17が配設されている。
【0029】
尚、前記のようにロッド6が貫通する閉止部材13の貫通孔13a内周壁には、その貫通孔13aに向かって開口するように環状の溝部が設けられており、この溝部内にパッキン18が配設されている。同様に、シリンダボディ1の本体部材11の内周面に当接する各閉止部材12,13の外周側にもそれぞれ環状の溝部が設けられ、そこにはOリング19,19が配設されている。
【0030】
前記ダンパーAの2つの連結部16,17は、例えば自動車のサスペンション装置におけるばね上及びばね下部材のように、ばね部材を介して相対変位可能に連結された一対の部材にそれぞれ取り付けられる。そして、該一対の部材の相対変位に伴い前記ロッド6が伸縮して、これと移動一体のピストンヘッド2がシリンダボディ1に対し相対移動する。具体的には、ロッド6が引張力を受けて伸び側(図の右側)に移動するときには、第1流体室3の容積が大きくなりかつ第2流体室4の容積が小さくなる方向にピストンヘッド2を引っ張ることになり、反対に押圧力を受けて縮み側(図の左側)に移動するときには、前記第1流体室3の容積が小さくなりかつ第2流体室4の容積が大きくなる方向にピストンヘッド2を押圧することになる(縮み側)。
【0031】
そのような流体室3,4の容積の変化を許容しつつ、これにより所要の減衰力を発生するように、前記第1及び第2流体室3,4の間には両者を互いに連通する流体通路7が設けられている。すなわち、シリンダボディ1の本体部材11の内周壁とピストンヘッド2の外周壁との間には所定の間隙が確保されており、流体通路7は、この間隙によってシリンダボディ1内周面とピストンヘッド2外周面との間に円環状に形成されている。そして、この円環状の流体通路7を磁気粘性流体Fが流通するときには、流体Fの剪断応力に対応する抵抗力が発生して、これがダンパー減衰力となる。
【0032】
また、この実施形態では、前記の如く流体通路7を通過する磁気粘性流体Fの抵抗力、即ちダンパー減衰力を増大するために、ピストンヘッド2に電磁石8を埋設して、流体通路7の少なくとも軸心方向両端側(図の左右両側)にそれぞれ磁場を形成するようにしている。この電磁石8は、ピストンヘッド2の外周に凹設された溝部2bに電線を巻き付けたコイルからなり、その電線には、ロッド6内を長手方向に延びる通路6bに配置された配線9を経由して、外部の給電制御装置10により給電されるようになっている。
【0033】
すなわち、前記電磁石8に対し給電制御装置10から給電されて、流体通路7に磁場が形成されると、その磁場の作用によって磁気粘性流体Fの見かけの粘性抵抗が増大し、磁場の形成されていないときに比べて大きな抵抗力が得られるようになる。この現象は、磁場の作用によって磁気粘性流体Fに含まれる磁性粒子が磁化されて、図2(a)に模式的に示すように概略、図に破線で示す磁力線の延びる方向に沿って連なるように配置され、この磁性粒子の連鎖が流れの抵抗となることによると考えられている。
【0034】
尚、図示の如く、前記電磁石8の外周には保護膜20が配設されている。また、ピストンヘッド2の軸心方向両端面には、それぞれ、電磁石8により形成される磁場を流体通路7に集中させるために、真鍮製薄板からなる磁気シールド21,21が配設されている。
【0035】
そして、本発明の特徴部分として、前記流体通路7には、前記電磁石8によって形成される磁場の強さが第1流体室3から第2流体室4に向かって徐々に増大するように、円環状流体通路7の半径方向(磁力線の延びる方向)の通路幅を一方から他方に向かって(図の左側から右側に向かって)徐々に減少させてなる通路幅変更部7aが設けられている。
【0036】
より具体的には、前記ピストンヘッド2の外周面には、電磁石8の埋設されている溝部2bを除いた軸心方向両端側の各範囲において、それぞれ、該ピストンヘッド2軸心方向の一方から他方に向かうほど、対向するシリンダボディ1内周面に近づくように傾斜するテーパ部2c,2cが形成されており、これにより、円環状流体通路7には、その半径方向の通路幅が前記一方から他方に向かって徐々に減少する通路幅変更部7a,7aが形成される。
【0037】
その各通路幅変更部7aは、前記図2(a)に示すようにピストンヘッド2の軸心を通る断面上で見ると、対向するシリンダボディ1内周面に対して所定の傾斜角度θを有する楔形状になっている。このため、通路幅変更部7aでは、流体通路7の断面積も前記一方から他方に向かって連続的に減少しており、このように通路断面積が徐々に変化することで、通過する磁気粘性流体Fの流れが大きく乱れることのないスムーズなものとなって、流通抵抗による減衰力が安定して得られるようになる。
【0038】
次に、上述の如き構成の磁気粘性流体ダンパーAの作用について説明すると、まず、外力の作用によってダンパーAが縮み側に作動するときには、ロッド6及びピストンヘッド2が図1,2における左側に移動し、このピストンヘッド2の進行方向前側に位置して容積の小さくなる第1流体室3内の磁気粘性流体Fが流体通路7に押し出され、容積の拡大する第2流体室4(ピストンヘッド2の進行方向後側の流体室)に向かって移動する。
【0039】
そのようにして磁気粘性流体Fが流体通路7を第1流体室3から第2流体室4に(一方から他方に)向かって流れるときには、流体通路7の通路幅変更部7aの形状に従って、図2(b)に模式的に示すように、磁気粘性流体Fの流れが磁性粒子を通路幅変更部7aで最も狭い部位(即ち磁束密度が最も大きな部位)に集めるように働き、このことで、最も磁場の強い部位における磁性粒子の連鎖による見かけの粘性抵抗の増大作用が助長されて、相対的に大きな抵抗力が得られるようになる。
【0040】
一方、ダンパーAの伸び側作動時には、ロッド6及びピストンヘッド2が図1,2における右側に移動し、これに伴い、第2流体室4内の磁気粘性流体Fが流体通路7を第1流体室3に向かって移動する。このときには、流体Fの流れに沿って流体通路7の幅が徐々に拡大することから、図2(c)に模式的に示すように、磁気粘性流体Fの流れが磁性粒子を相対的に磁場の弱い部位に向かって押し出して、その連鎖を崩すように働くことになり、このことで、磁気粘性流体Fの見かけの粘性抵抗が相対的に小さくなる。
【0041】
つまり、流体通路7における磁気粘性流体Fの流れの向きが変われば、そのことによって自ずと流体Fの見かけの粘性抵抗が変化することになり、このことで、ダンパーAの縮み側作動に対しては相対的に大きな減衰力が付与され、一方、伸び側作動に対しては相対的に小さな減衰力が付与される。尚、その伸び側作動時の磁気粘性流体Fの流通抵抗は、縮み側作動時に比べれば小さいが、流体通路7に磁場が形成されていないときに比べれば大きなものとなる。
【0042】
図3(a)〜(c)は、上述の如き磁気粘性流体ダンパーAの伸び側及び縮み側での減衰特性の変化を実際に計測した結果を示し、具体的には、ダンパーAにそれぞれ振幅の異なる正弦波を入加して強制的に振動(変位)させたときの、例えば2つの連結部材16,17間の相対変位量P−Pと、ダンパーAの発生する減衰力との関係を表すヒステリシスループである。ここで、入力波の振幅は(a)のグラフのときよりも(b)のグラフのときの方が大きく、また、(b)のグラフのときよりも(c)のグラフのときの方が大きくなっている。
【0043】
また、(a)〜(c)の各図において、それぞれ、相対変位P−P及び発生力はいずれもマイナス側がダンパーの縮み側に相当し、プラス側が伸び側に相当する。また、(a)〜(c)の各図においてそれぞれ実線で示すヒステリシスループは、電磁石8への給電電流値が0.5Aのときのものであり、破線は給電電流値が1.0Aのときのものである。尚、図示しないが、給電しない状態での発生力は非常に小さい。
【0044】
図示の実験結果によれば、入力振幅の大きさに拘わらず、ダンパー縮み側の発生力の最大値が伸び側の最大値よりも大きく、また、減衰エネルギーも縮み側で伸び側を上回っていることが分かる。また、当然ながら、給電量の大きいときほど減衰力も大きくなっている。
【0045】
したがって、この実施形態に係るシリンダ型の磁気粘性流体ダンパーによると、シリンダボディ1内の2つの流体室3,4同士を連通する円環状の流体通路7に、その軸心方向の一方から他方に向かって半径方向の通路幅を徐々に変更してなる通路幅変更部7aを設けて、該通路幅変更部7aにおける磁場の強さを前記一方から他方に向かうほど強くなるようにしたことで、当該流体通路7を流通する磁気粘性流体Fの見かけの粘性抵抗を流れの向きによって異ならせることができ、これにより、複数の流体通路やチェック弁等を必要としない極めて簡単な構成で、且つ電磁石8への精密な給電制御を行うことなく、ダンパーAの減衰力を延び側と縮み側とで異ならせることができる。
【0046】
また、この実施形態では、磁気粘性流体Fとして約1ミクロン以上と比較的大きな磁性粒子を含有するものを用いており、このことで、比較的容易に大きなダンパー減衰力を得ることができる。反面、この場合には流体F中の磁性粒子が電磁石8の磁場の影響によってピストンヘッド2の周囲に付着しやすくなり、従来、一般的な油圧ダンパーのように流体通路を開閉するチェック弁等を配置することは非常に困難になる。換言すれば、このようなときにこそ、前記の如く、チェック弁等を用いずにダンパー減衰特性に作動方向への依存性を持たせ得ることが極めて有効なものとなる。
【0047】
尚、前記の実施形態では、流体通路7に磁場を形成する手段として電磁石8を用いており、このことで、ダンパー減衰力を可変制御することも可能となるが、これに限るものではなく、磁場形成手段としては例えば永久磁石を用いるようにしてもよい。こうすれば、極めて低コストなダンパーが得られる。
【0048】
また、前記の実施形態では、流体通路7の通路幅変更部7aを、通路断面積が徐々に(連続的に)変化するものとしているが、これに限らず、通路幅変更部では流体通路の磁力線方向の幅を段階的に変化させるようにしてもよいし、或いは一段で大きく変化させるようにしてもよい。
【0049】
また、前記の実施形態では、流体通路7を、シリンダボディ1の内周面とピストンヘッド2の外周面との間の隙間により構成しているが、これに限らず、ピストンヘッド2にその軸心方向に貫通するオリフィスを設けて、このオリフィスを流体通路とすることもできる。
【0050】
さらに、前記の実施形態では、シリンダ型磁気粘性流体ダンパーの場合について説明しているが、本発明は、その他の型式の磁気粘性流体ダンパーにも適用することができる。
【0051】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明に係る磁気粘性流体ダンパーによると、第1の部材の中空部内に磁気粘性流体を満たし、且つ第2の部材を相対移動可能に収容して、その移動方向に2つの流体室を区画するとともに、該2つの流体室を互いに連通する流体通路内に磁場を形成して、その通路内の磁気粘性流体の粘性抵抗を増大させるようにした場合に、該流体通路の通路幅を少なくとも磁力線の延びる方向について変更して、磁場の強さを変化させることにより、当該流体通路における磁気粘性流体の見かけの粘性抵抗を流れの向きによって異ならせることができ、これにより、極めて簡単な構成でダンパーの減衰特性に作動方向に対する依存性を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るシリンダ型磁気粘性流体ダンパーの概略構成を示す縦断面図である。
【図2】(a)流体通路に形成した磁場によって磁性粒子の連鎖が形成されることのイメージ図であり、(b)、(c)はそれぞれ縮み側作動時及び伸び側作動時についてのものである。
【図3】磁気粘性流体ダンパーの減衰特性を表すヒステリシスループの一例である。
【符号の説明】
A 磁気粘性流体ダンパー
F 磁気粘性流体
1 シリンダボディ(第1部材)
2 ピストンヘッド(第2部材)
2c テーパ部
3 第1流体室
4 第2流体室
7 流体通路
7a 通路幅変更部
8 電磁石(磁場形成手段)
Claims (6)
- 中空部を有する第1の部材と、
前記第1部材の中空部内に該第1部材に対し相対移動可能に配置され、各々、磁性粒子を含有してなる磁気粘性流体が充填された2つの流体室を区画形成する第2の部材と、
前記2つの流体室を互いに連通するように設けられ、前記第2部材の相対移動に伴い両流体室間で磁気粘性流体を双方向に流通させる流体通路と、
少なくとも前記流体通路の一部に磁場を形成するように前記第2部材に配設された磁場形成手段とを備えた磁気粘性流体ダンパーにおいて、
前記流体通路には、前記磁場形成手段によって形成される磁場の強さが2つの流体室の一方から他方に向かって増大するように、少なくとも磁力線の延びる方向の通路幅を前記一方から他方に向かって減少させてなる通路幅変更部が設けられている
ことを特徴とする磁気粘性流体ダンパー。 - 請求項1において、
通路幅変更部は、流体通路の断面積が一方から他方に向かって連続的に変化するように構成されていることを特徴とする磁気粘性流体ダンパー。 - 請求項1又は2のいずれかにおいて、
磁場形成手段は、給電されて磁場を形成する電磁石であることを特徴とする磁気粘性流体ダンパー。 - 請求項1又は2のいずれかにおいて、
磁場形成手段が永久磁石であることを特徴とする磁気粘性流体ダンパー。 - 請求項1〜4のいずれか1つにおいて、
磁気粘性流体の磁性粒子の粒径が約1ミクロン以上であることを特徴とする磁気粘性流体ダンパー。 - 請求項2〜5のいずれか1つにおいて、
第1部材は、筒状のシリンダボディであり、
第2部材は、前記シリンダボディ内にその軸心に沿って往復移動するように設けられたピストンヘッドであり、
流体通路は、前記ピストンヘッドの外周面とシリンダボディの内周面との間に環状に形成されていて、該ピストンヘッドの外周面には前記往復移動方向の一方から他方に向かって徐々にシリンダボディ内周面に近づくように傾斜するテーパ部が形成されている
ことを特徴とする磁気粘性流体ダンパー。
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