JP2004315276A - 押出成形用組成物および押出成形硬化体ならびにその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複合軽量化したセメント製品の持つ炭酸化にまつわる耐久性とパルプスラッジの社会的問題を同時にかつ根本的に解決する手段として、パルプスラッジ焼却灰を主体的にバインダーとして用いた押出成形用組成物並びに押出成形硬化体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】パルプスラッジ焼却灰が70〜95重量%、増粘材が0.5〜1.5重量%、繊維材が4.5〜15重量%、増量材、その他の材料が0〜25重量%からなる原材料に適量のアルカリ金属化合物を添加した混練物を押出成形により所定の形状に成形したものを硬化させる。
【選択図】 図1
【解決手段】パルプスラッジ焼却灰が70〜95重量%、増粘材が0.5〜1.5重量%、繊維材が4.5〜15重量%、増量材、その他の材料が0〜25重量%からなる原材料に適量のアルカリ金属化合物を添加した混練物を押出成形により所定の形状に成形したものを硬化させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築材料等の耐久性の必要な材料に用いられる押出成形体に係り、特に、セメントの代替としてパルプスラッジ焼却灰を主体的に利用する押出成形用組成物および押出成形硬化体並びにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
窯業系材料からなる混練物を押出口金から押し出す押出成形法により加工する建築材料は、早くから実用化されている。この種の押出成形体は、不燃性や強靭性に優れているため広く普及している。
【0003】
この種の押出成形体の材料には、セメント主材料に繊維補強材としてアスベストを混合したものが利用されていたが、近年では、人体に有害なアスベスト代替材料として、セメント20〜70重量%、珪砂20〜70重量%、繊維質1〜10%のセメント配合物を材料に用いた押出セメント成形体がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、軽量かつ高強度の押出セメント成形体として、セメント、珪酸質材料を主成分に、非吸水性の軽量無機質発泡体、単繊維を分離可能に集合させた繊維束からなる補強繊維などの機能性原材料を添加したセメント配合物を材料とするものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
ところで、近年では、天然資源の有効活用という観点より製紙業界では古紙のリサイクル化が進んでいるが、その反面、環境への負荷の大きい産業廃棄物であるパルプスラッジの大量発生という問題が顕在化している。
【0006】
従来から、パルプスラッジの活用方法について多くの提案がなされてきている。中でも注目されているものには、建築材料としての活用があり、例えば、特許文献3に提案されているパルプスラッジセメントがある。
【0007】
パルプスラッジをセメントに混ぜる場合、パルプスラッジの混合割合が10%を越えると強度の極端な低下が起こることが知られている。このため、従来のセメント板パルプスラッジの利用は、低い含有率に限られていた(特許文献3、[0002]段落参照)。
【0008】
特許文献3で提案されているセメント板は、強度の低下を招かずにパルプスラッジのセメントに対する混合割合を高めるため、パルプスラッジ中のセメントの水和阻害物質をニガリ成分により固定化することで、直接セメント中に混入し、硬化体を得る方法である。
【0009】
また、パルプスラッジは、製紙工場では減容を目的に焼却処理されることが多く、その灰がパルプスラッジ焼却灰である。このパルプスラッジ焼却灰についても、建築材料分野への有効利用が研究されており、その例として、セメントにパルプスラッジ焼却灰を混合してセメント板を製造するものがある(特許文献4参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開平5−031712号公報,
【0011】段落
【特許文献2】
特開2002−210720号公報,第2頁
【特許文献3】
特開平10−025151号公報 特許請求の範囲 請求項1〜3,[0002]段落,[0004]段落、[0005]段落
【特許文献4】
特開昭56−134547号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、建築材料としての窯業系ボード材にあっては、内外装を問わずセメント系の材料が広く普及している。この種のボード材は、繊維セメント板をはじめとして、施工性の改善や構造への負荷低減を目的に複合軽量化されたものが多い。この場合、従来のモルタルやコンクリートにおいて大きな問題にならなかった軽量化(見かけ比重が1.0前後)故の新たな課題が顕在化している。そのうちの一つに炭酸化の問題が挙げられる。
【0013】
炭酸化とは、セメント基材中の細孔溶液に存在しているセメントの水和物の一つである水酸化カルシウムが、大気中から細孔溶液を媒体として進入してきた炭酸ガスと反応して不溶性の炭酸カルシウムを生成すると共に、その反応熱や温湿度環境によりほぼ決定される含水率の平衡状態(以下、平衡含水率と略す)によって水分移動して乾燥が進み、硬化体の変形を伴う。炭酸化反応の過度の進行は、一部の水和生成物からのカルシウムの溶解に至る。従って、この炭酸化による問題とは、反応が過度に進行した場合に微視構造を破壊せしめる結果、変形による割れや反りといった硬化体の破壊を誘発することにあり、建材として用いられる製品にとっては重大な機能上の障害を招来することにある。とりわけ、セメントを主体とする複合化した軽量建材では、この炭酸化現象が耐久性の劣化要因として無視できない影響を及ぼすことがわかってきている。
【0014】
従来のセメント系軽量建材では、炭酸化劣化をはじめとする基材の耐久性の低下に対して、塗装等の皮膜を施すことによって意匠性と共に防水性を付与したり、あるいは化学添加剤による撥水や防水機能の付与といった策がとられている。しかしながら、実態的に塗装はその耐候性から数年で塗り替える必要があったり、化学添加剤による効果も経年により低下するなど、根本的な解決には至っていない。
【0015】
他方、パルプスラッジについては、産業廃棄物として埋め立て廃棄されていた状況を打破するために、上述したようにセメントに増量材や充填材として混合することによる活用が提案されてきた。
【0016】
パルプスラッジ焼却灰を自硬性材料として利用することも模索されてきたが、パルプスラッジ焼却灰は、そのまま水と混練しても自硬性を示さず硬化することはなく、従って、従来はセメント系二次製品等の増量材や充填材として利用に限定されている。
【0017】
いずれにしても、パルプスラッジや、パルプスラッジ焼却灰を建築材料に利用する従来の技術では、セメント混和材としての大量に用いた場合に硬化体強度の低下を招くことや、さらに、セメントを用いる以上、上記のセメント系軽量建材の耐炭酸化性等の耐久性は抜本的に改善されていないのが現状である。
【0018】
従って、本発明の目的は、前述した従来技術が有する問題点を解消して、特に複合軽量化したセメント製品の持つ炭酸化にまつわる耐久性とパルプスラッジの社会的問題を同時にかつ根本的に解決する手段として、パルプスラッジ焼却灰を主体的にバインダーとして用いた押出成形用組成物並びに押出成形硬化体およびその製造方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明に係る押出成形用組成物は、パルプスラッジ焼却灰が70〜95重量%、増粘材が0.5〜1.5重量%、繊維材が4.5〜15重量%、増量材、その他の材料が0〜25重量%からなる原材料に対して、適量のアルカリ金属化合物を添加してなることを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明に係る押出成形硬化体は、パルプスラッジ焼却灰が70〜95重量%、増粘材が0.5〜1.5重量%、繊維材が4.5〜15重量%、増量材、その他の材料が0〜25重量%からなる原材料に適量のアルカリ金属化合物を添加した混練物を押出成形により所定の形状に成形したものを硬化させてなることを特徴とするものである。
【0021】
パルプスラッジは、主に製紙の内添材やコート材が主体であり、若干の有機質短繊維を含む。内添材やコート材は、タルク、カオリンなどの粘土質鉱物や炭酸カルシウムといったものが主体である。これを800〜900℃程度の温度にて加熱処理することで、本発明で原材料として用いるパルプスラッジ焼却灰とする。
【0022】
この焼却時に、化学的な変化として有機質繊維の分解揮発、炭酸カルシウムの脱水分解、粘土質分の変質(カオリンのメタカオリン化など)、また、これらの変質後の物質による相互の反応による化合物(ゲーレナイト、オルケマナイト等)の生成、あるいは一部のガラス化が起こる。同時に、物理的な変化として、粘土質鉱物の二次粒子が加熱され半溶融による融着造粒と上記の揮発分の揮発による発泡によって融着造粒し粒子径が数十〜数百ミクロンのポーラスな粒子となる。
【0023】
本発明者は、このようなパルプスラッジ焼却灰それ自体は、セメントと異なり水と混練して自硬性を示すものではないが、適量のアルカリ金属化合物を添加することで、硬化性を獲得するという知見を得ている。
【0024】
アルカリ金属化合物においては、アルカリ金属としてNa、K、Liが好ましく、その化合物として水酸化物(R−OH;Rは、Na、K、Liのアルカリ金属元素の総称)あるいは炭酸化合物(R2−CO3)が好ましい。これらのアルカリ金属化合物は、パルプスラッジ焼却灰100重量部に対して、いずれもR2Oに換算した重量割合が、0.5〜30重量%であることが好ましく、1.0〜20重量%がより好ましい。0.5重量%以下では強度発現性が悪いために好ましくなく、30重量%より多い場合は、硬化体表面のエフロレッセンスが顕著になるために好ましくない。
【0025】
アルカリ金属化合物は、パルプスラッジ焼却灰および水と共存することで反応物として水和生成物の一部に取り込まれつつ、パルプスラッジ焼却灰の水和反応促進に寄与する部分があるものと考えられる。
【0026】
また、パルプスラッジ焼却灰中のCaは、セメントを組成する珪酸カルシウム(珪酸二カルシウム、珪酸三カルシウム)あるいはカルシウムアルミネートのように水和し易い形態では存在せずに、比較的安定した化合物として存在しているため、セメント系の硬化体に較べてCa起源の炭酸化による水に不溶な塩(炭酸カルシウム)の形成を抑制するため、不具合の程度を小さくすることができる。
【0027】
焼却直後のパルプスラッジ焼却灰は、比較的粗い粒子も多く、見かけ密度の小さい粒子であり、結晶質部分も多いため表面の反応性は比較的不活性化していると考えられる。このような状況を踏まえて、鋭意研究を重ねた結果、粉砕により一定の粒子サイズ以下とすることで、硬化体の強度を飛躍的に向上せしめた。粉砕は、水と非接触の乾式粉砕が好ましく、経済性からボールミルや媒体攪拌ミルなどが好ましい。
【0028】
パルプスラッジ焼却灰は、全固形原料100重量部中、70〜95重量%が好ましく、80〜92重量%がより好ましい。70重量%を下回ると、バインダー不足となり十分な製品強度を示さず、95重量%より多いと他の材料とのバランスが悪くなり製品品質において不具合を生じることがあるために好ましくない。
【0029】
パルプスラッジ焼却灰は、粉砕処理により平均粒子径(50%重量累積粒子径;以下、D50と称す)において、3〜25μmになるよう調整されたものが好ましく、5〜15μmがより好ましい。ただし、D50が3μmより小さく粉砕するためには、莫大な粉砕エネルギーが必要となり、経済的に好ましくなく、また、D50が25μmより大きい場合は、製品の品質を保てなくなるため、好ましくない。
【0030】
また、この粒子径を調整されたパルプスラッジ焼却灰は、パルプスラッジ焼却灰100重量部中30〜100重量%であることが好ましく、50〜100重量%がより好ましい。30重量%より少ない割合では、強度や耐水性等の品質が低下するために好ましくない。
【0031】
パルプスラッジ焼却灰とともに原材料として用いる増粘材は、水と混練した材料の粘性を高めることを目的とし、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロビルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が用いられる。これらは保水能が高く、無機鉱物系混練物に対して可塑性を付与しダイラタンシーを改善する働きがあり押出成形性を可能にする。増粘剤の配合量は、全固形原料100重量部中0.5〜1.5重量%が好ましく、0.8〜1.2重量%がより好ましい。0.5重量%より少ない場合、混練物の可塑性が不足して押出成形ができなくなり、1.5重量%を超えると押出成形性の改善効果が小さく不経済であり、増添するメリットがない。
【0032】
繊維材は、補強を目的として配合するものであり、具体的には、ポリプロピレン、レーヨン、アクリル、アラミドなどの合成繊維やこれらの混繊維が好適である。オートクレーブ養生を実施する場合は、耐熱性を考慮してポリプロピレンがより好ましい。また、パルプも使用可能であり、バージンパルプ、古紙パルプ、段ボール、新聞紙などが好適である。パルプのフリーネスは、200〜700mlであることが好ましい。さらには、炭素繊維などの耐アルカリ性を示す無機系の補強繊維も使用可能である。繊維材の配合量は、総量で4.5〜15重量%が好ましく、6.5〜11重量%がより好ましい。4.5重量%より少ない場合は、補強効果が小さく施工時の釘打によるクラックの進展や切断加工時のチッピングの発生などといった不具合を生じるため好ましくない。また、15重量%より多い場合は、硬化体内部の欠陥としての作用が大きくなり、強度の低下や耐水性の低下となるため好ましくない。
【0033】
増量材は、パルプスラッジ焼却灰と置換することで必要な品質が保てる範囲において配合することが可能である。具体的には、各種骨材やフィラー、窯業系ボード材の廃材粉末などが挙げられる。ただし、成形品の品質保持のための粒度調整や不要残分の除去といった前処理などは必要になる。増量材の配合量は、0〜25重量%が好ましく、0〜15重量%がより好ましい。25重量%を超える場合は、強度低下や耐水性の低下が顕著になるために好ましくない。
【0034】
上記の押出成形用組成物を押出成形用の混練物とするには、予め混合物とし混練水を加えて混練物とする場合、あるいは混練水に個々の原材料を加えていく場合のいずれでもよい。より好ましくは、繊維材の分散性を高めるために繊維材と他の固形原料を予め乾式にて十分混合した後、水や適量のアルカリ金属化合物を溶解せしめた水溶液を混練水として加える方がよい。ただし、K、Naの水酸化物を多く添加する場合は、水への溶解熱により溶液の温度が高くなるため、増粘剤の増粘作用に影響する場合がある。よって、温度対策は必要に応じて適正な処置方法を設ける必要がある。
【0035】
また、上記の押出成形用組成物を押出成形により成形した成形体の水熱養生は、強度発現性、寸法安定性、耐炭酸化性を早期にかつ飛躍的に向上させることが可能である。水熱養生としては、蒸気養生(常温常圧養生、40〜80℃で6〜10時間程度)、あるいは、オートクレーブ養生(高温高圧養生、140〜180℃(3.6〜9.9気圧)で5〜15時間程度)があり、蒸気養生後のオートクレーブ養生という組み合わせが好適である。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による押出成形硬化体の製造方法の一実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
図1は、押出成形硬化体を製造する工程の流れ図である。参照符号10は、増粘材、繊維材、増量材をミキサーで乾式混合するための第1の原材料混合工程である。所定時間混合した後、続く第2原材料混合工程11ではあらかじめ粉砕して粒度調整を行ったパルプスラッジ焼却灰を、ミキサーに投入し、増粘材、繊維材、増量材とパルプスラッジ焼却灰を均一になるまで数分間混合する。そして所定量のアルカリ金属化合物を溶解させた混練水をミキサーに投入し、半乾式状態になるまで水と混ぜ合わせる。混練水量は、固形原料100重量部に対して外割にて添加配合し、アルカリ金属化合物は、全固形原料100重量部に対して外割にて添加配合する。
混練工程12では、配合混合物を混練機に送り、均質になるまで十分に混練し、押出成形用混練物とする。
【0037】
押出成形工程13では、押出成形用混練物をスクリュー式真空押出成形機に送り、真空条件下で押出機のバレル先端に取り付けてある口金から押し出し成形体を成形する。成形体は、前置き養生工程14を経て、蒸気炉に送り、60±3℃で6時間蒸気養生を行う(蒸気養生工程15)。さらに、成形体をオートクレーブ炉に送り、165±3℃で8時間のオートクレーブ養生を経て硬化体とする(オートクレーブ養生工程16)。養生を経た硬化体は、乾燥炉に送り、硬化体に含まれる水分量の調整(含水率5〜20%)をする(乾燥工程17)。
その後、硬化体は切断機で所定の寸法にトリミングされ(加工工程18)、必要に応じて表面には塗料が塗布され(塗装工程19)、塗装乾燥工程20を経て不良品の有無等について検査が行われる(検査工程21)。
【0038】
【発明の実施例】
図2には、本実施例で用いたパルプスラッジ焼却灰の化学組成を示す。
【0039】
図3には、パルプスラッジ焼却灰以外の使用材料を示す。
【0040】
図4は、実施例1乃至7の組成と製品物性についての試験結果を示す。また、性能の比較のために、比較例1乃至6を参考として挙げている。
【0041】
1.実施例の成形条件
・ パルプスラッジ焼却灰;試験用の媒体攪拌ミルにより粉砕し粒度調整を行い、平均粒子径D50で、28μm、22μm、9.5μmの試料を得た。
・ 混合;アリッヒミキサーにより2分間ドライ混合の後、パルプスラッジ焼却灰を配合してさらに2分間ドライ混合。
・ 混練;配合物にアルカリ金属化合物が溶解した混練水を添加した後、ニーダールーダーにて10分間混練。
・ 押出; スクリュー式真空押出成形機にて真空度0.094〜0.098MPaの条件下で、t15mm×w100mmの口金から押し出す。
・ 試験片の寸法
【0042】
2.試験方法
・混練物硬度(CHT値) ;日本ガイシ(株)製 クレーハードネステスタにより測定。
・比重測定 ; JIS A 5430「かさ比重試験(1)」に準拠。
・曲げ試験 ; スパン100mmの3点曲げ試験により、次の式により曲げ強度を算出した。
Rf = 3PL/2bt2
Rf ; 曲げ強度〔N/mm2〕
P ; 曲げ破壊荷重〔N〕、 L ; 試験スパン〔mm〕
b ; 試験体の幅〔mm〕、 t ; 試験体の厚さ〔mm〕
・比強度 ; 曲げ強度を比重にて除した値とした。
・炭酸化方法 ; 20℃、65%RH、CO2濃度=5% の促進炭酸化槽にて240時間養生した。
・炭酸化長さ変化率 ; 炭酸化前の長さに対する炭酸化後の長さ変化量の割合を、JIS A 5430に準拠した測定方法により測定した。
・炭酸化後の曲げ強度保持率 ; 炭酸化前の常態曲げ強度を100とした場合の、炭酸化後の曲げ強度の割合を100分率により表した。
・乾湿繰り返しによる表面状態(エフロレッセンス) ;
加湿条件 ; 20〜25℃の水道水に約14時間浸漬
乾燥条件 ; 乾燥機中保管(60℃、9時間)、取り出して1時間大気放冷
判定 ; 加湿および乾燥の組み合わせを1サイクルとして、4サイクル繰り返し目視観察により判定
◎ ; エフロレッセンスは全く無い
○ ; エフロレッセンスはほとんど無い
△ ; エフロレッセンスは全体に薄くか、部分的に濃く見られる
× ; エフロレッセンスは全体に濃く見られる
・加工性 ; 定速のチップソーにて切断した際のチッピングの発生状況を目視観察
○ ; チッピング無し
× ; チッピング有り
【0043】
3.実施例の説明
実施例1乃至7は、いずれもパルプスラッジ焼却灰として、図2の図表に示す組成の焼却灰を用いている。ただし、粉砕して調整した粒度については、実施例2に平均粒子径D50を22.0μmに調整したものを用い、実施例2以外は、9.5μmのものを用いた。
【0044】
実施例1乃至7は、繊維材、増粘材の混合割合は共通である。増量材については、実施例1乃至3は増量材を用いない実施例とし、実施例4乃至7は、増粘材を添加した。
【0045】
4.比較例の説明
比較例1乃至5は、実施例と共通する組成をもちながら添加するアルカリ金属化合物の量を変えたもので、比較例6は、従来のセメント系押出建材の代表的な例である。
【0046】
5.実施例の効果
以下、実施例と比較例とを比較しながら実施例の効果について説明する。
5.1 配合について
(a)パルプスラッジ焼却灰の配合割合
比較例1は、パルプスラッジ焼却灰の配合割合が実施例に較べて低い例で、比較例2は逆にパルプスラッジ焼却灰の配合割合を多くした例である。その他の比較例は、実施例とほぼ同量の配合割合である。配合割り合いを高めると、比重、強度ともに上がる傾向があるが、実施例1のように足りないと、強度的に不十分で、多すぎると加工性に難があることがわかる。
【0047】
(b)アルカリ金属化合物の添加量
比較例4は、アルカリ金属化合物の添加量が実施例に比較して少量に留めた例であり、比較例5は逆に添加量を高めた例である。添加量が足りないと強度的に不十分であるが、多すぎると表面にエフロレッセンスが生じる原因となる。
【0048】
(c)パルプスラッジ焼却灰の粒子径
比較例3は、パルプスラッジ焼却灰の平均粒子径が28.5μmと実施例1、2に較べて大きい他、組成自体は同じものである。組成は同一であっても、比較例3は、強度的に著しく実施例1、2に劣ることがあきらかにみて取れる。したがって、パルプスラッジ焼却灰は、できるだけ微細に粉砕して粒度調整をしたほうがよいことがわかる。
【0049】
5.2 物性試験結果について
(a)比重
実施例1乃至実施例7の押出硬化体の比重は、平均すると1.054であり、セメント系押出建材である比較例6の比重が1.22であるのと較べると、パルプスラッジ焼却灰を主体材料とすることで、セメント系材料に較べてかなり軽量化された硬化体になることがわかる。
【0050】
(b)強度
実施例1乃至実施例7の曲げ強度の平均値は、7.4Nmm2である。JIS A 5422「窯業系サイディング」の「3.2 性能」によれば、実施例と同じ厚さ15mmの標準的な窯業系サイディング材料について、破壊荷重最低値758「N」が挙げられており、これに相当する曲げ強度算出値5.2Nmm2 と比較すると良好な成績であるといえる。
【0051】
実施例1乃至7と比較例6を単純に比較すると、実施例1乃至7は比較例6を下回っているが、比重について上述したように、実施例1乃至7は軽量化が進んでいることを考慮すれば、比較例6に対して見劣りしないと評価できる。さらに個別的に実施例をみると、実施例3のように比強度7.6と、比較例6の9.4に近づく良好な強度が得られた。
【0052】
他方、実施例と同じくパルプスラッジ焼却灰を主体材料にした比較例1、3、4は、パルプスラッジ焼却灰に添加するアルカリ金属化合物が少なすぎる結果、強度的に大きく低下することがわかる。
【0053】
(c)耐炭酸化性能
(i)炭酸化長さ変化率
実施例1乃至実施例7の炭酸化長さ変化率の平均値は、マイナス0.017%であり、セメント系材料の比較例6がマイナス0.270%であることに較べると、一桁オーダーが異なる程度に格段の改善効果が得られることがわかる。
【0054】
なお、JIS A 5430 「繊維強化セメント板」「3.2」によれば、吸水による長さ変化率の標準値として0.2%があげられておおり、これを考慮すると、本実施例のいずれも非常に高い耐炭酸化性を示すことがわかる。
【0055】
(ii)炭酸化強度保持率
実施例1乃至実施例7の炭酸化強度保持率の平均値は、98.3%であり、セメント系材料の比較例6が88.8%であることに較べると良好な成績が得られた。特に、実施例2では、強度の低下がまったく見られなかった。
【0056】
(d)乾湿繰り返しによる表面状態
実施例1乃至実施例7は、いずれも乾湿繰り返しによる表面状態は良好であり、部分的にエフロレッセンスが発生するセメント系材料の比較例6と異なり、いずれもエフロレッセンスは観察されなかった。他方、比較例5のように、アルカリ金属化合物の添加量が多すぎると、エフロレッセンスが濃く見られるようになる。
【0057】
(e)加工性
実施例1乃至実施例7は、いずれもチッピングの発生は見られず加工性は良好であった。比較例2のように、パルプスラッジ焼却灰の含有量が多すぎると、強度的には大きくなるものの、加工性は低下する。
【0058】
(f)総合評価
図4に示す図表の最下欄に実施例1乃至実施例7と比較例1乃至比較例6の製品物性についての総合評価を示す。曲げ強度または耐炭酸化性(炭酸化長さ変化、炭酸化強度保持率)の一方でも性能が劣る場合、否定的な評価として×印とした。○印は、軽量材料として曲げ強度および耐炭酸化性の両方について満足する性能を示すものである。実施例1、実施例2及び実施例4は、曲げ強度と耐炭酸化性に加えてさらに表面性、加工性の品質においても優れ、従来のセメント主体の押出成形体に較べてトータルで優れた性能を示すものとして◎印をもって高く評価することができる。
【0059】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、軽量製品でありながらも耐炭酸化性を従来のセメント主体の建築材料に比べて著しく高め、炭酸化にまつわる耐久性を向上させるという課題を抜本的に改善することができる。しかも、原材料には、産業廃棄物としてこれまで大量に破棄されてきたパルプスラッジ焼却灰を主体的にバインダーとして利用することができるので、環境保護の社会的要請を解決するとともに、きわめて低コストで建築材料を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による押出成形硬化体の製造工程を示す流れ図。
【図2】本発明で用いるパルプスラッジ焼却灰の化学組成を示す図表。
【図3】本発明の実施例でもちいた原材料を示す図表。
【図4】本発明の実施例の材量の配合および製品物性試験の結果を示す図表。
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築材料等の耐久性の必要な材料に用いられる押出成形体に係り、特に、セメントの代替としてパルプスラッジ焼却灰を主体的に利用する押出成形用組成物および押出成形硬化体並びにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
窯業系材料からなる混練物を押出口金から押し出す押出成形法により加工する建築材料は、早くから実用化されている。この種の押出成形体は、不燃性や強靭性に優れているため広く普及している。
【0003】
この種の押出成形体の材料には、セメント主材料に繊維補強材としてアスベストを混合したものが利用されていたが、近年では、人体に有害なアスベスト代替材料として、セメント20〜70重量%、珪砂20〜70重量%、繊維質1〜10%のセメント配合物を材料に用いた押出セメント成形体がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、軽量かつ高強度の押出セメント成形体として、セメント、珪酸質材料を主成分に、非吸水性の軽量無機質発泡体、単繊維を分離可能に集合させた繊維束からなる補強繊維などの機能性原材料を添加したセメント配合物を材料とするものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
ところで、近年では、天然資源の有効活用という観点より製紙業界では古紙のリサイクル化が進んでいるが、その反面、環境への負荷の大きい産業廃棄物であるパルプスラッジの大量発生という問題が顕在化している。
【0006】
従来から、パルプスラッジの活用方法について多くの提案がなされてきている。中でも注目されているものには、建築材料としての活用があり、例えば、特許文献3に提案されているパルプスラッジセメントがある。
【0007】
パルプスラッジをセメントに混ぜる場合、パルプスラッジの混合割合が10%を越えると強度の極端な低下が起こることが知られている。このため、従来のセメント板パルプスラッジの利用は、低い含有率に限られていた(特許文献3、[0002]段落参照)。
【0008】
特許文献3で提案されているセメント板は、強度の低下を招かずにパルプスラッジのセメントに対する混合割合を高めるため、パルプスラッジ中のセメントの水和阻害物質をニガリ成分により固定化することで、直接セメント中に混入し、硬化体を得る方法である。
【0009】
また、パルプスラッジは、製紙工場では減容を目的に焼却処理されることが多く、その灰がパルプスラッジ焼却灰である。このパルプスラッジ焼却灰についても、建築材料分野への有効利用が研究されており、その例として、セメントにパルプスラッジ焼却灰を混合してセメント板を製造するものがある(特許文献4参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開平5−031712号公報,
【0011】段落
【特許文献2】
特開2002−210720号公報,第2頁
【特許文献3】
特開平10−025151号公報 特許請求の範囲 請求項1〜3,[0002]段落,[0004]段落、[0005]段落
【特許文献4】
特開昭56−134547号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、建築材料としての窯業系ボード材にあっては、内外装を問わずセメント系の材料が広く普及している。この種のボード材は、繊維セメント板をはじめとして、施工性の改善や構造への負荷低減を目的に複合軽量化されたものが多い。この場合、従来のモルタルやコンクリートにおいて大きな問題にならなかった軽量化(見かけ比重が1.0前後)故の新たな課題が顕在化している。そのうちの一つに炭酸化の問題が挙げられる。
【0013】
炭酸化とは、セメント基材中の細孔溶液に存在しているセメントの水和物の一つである水酸化カルシウムが、大気中から細孔溶液を媒体として進入してきた炭酸ガスと反応して不溶性の炭酸カルシウムを生成すると共に、その反応熱や温湿度環境によりほぼ決定される含水率の平衡状態(以下、平衡含水率と略す)によって水分移動して乾燥が進み、硬化体の変形を伴う。炭酸化反応の過度の進行は、一部の水和生成物からのカルシウムの溶解に至る。従って、この炭酸化による問題とは、反応が過度に進行した場合に微視構造を破壊せしめる結果、変形による割れや反りといった硬化体の破壊を誘発することにあり、建材として用いられる製品にとっては重大な機能上の障害を招来することにある。とりわけ、セメントを主体とする複合化した軽量建材では、この炭酸化現象が耐久性の劣化要因として無視できない影響を及ぼすことがわかってきている。
【0014】
従来のセメント系軽量建材では、炭酸化劣化をはじめとする基材の耐久性の低下に対して、塗装等の皮膜を施すことによって意匠性と共に防水性を付与したり、あるいは化学添加剤による撥水や防水機能の付与といった策がとられている。しかしながら、実態的に塗装はその耐候性から数年で塗り替える必要があったり、化学添加剤による効果も経年により低下するなど、根本的な解決には至っていない。
【0015】
他方、パルプスラッジについては、産業廃棄物として埋め立て廃棄されていた状況を打破するために、上述したようにセメントに増量材や充填材として混合することによる活用が提案されてきた。
【0016】
パルプスラッジ焼却灰を自硬性材料として利用することも模索されてきたが、パルプスラッジ焼却灰は、そのまま水と混練しても自硬性を示さず硬化することはなく、従って、従来はセメント系二次製品等の増量材や充填材として利用に限定されている。
【0017】
いずれにしても、パルプスラッジや、パルプスラッジ焼却灰を建築材料に利用する従来の技術では、セメント混和材としての大量に用いた場合に硬化体強度の低下を招くことや、さらに、セメントを用いる以上、上記のセメント系軽量建材の耐炭酸化性等の耐久性は抜本的に改善されていないのが現状である。
【0018】
従って、本発明の目的は、前述した従来技術が有する問題点を解消して、特に複合軽量化したセメント製品の持つ炭酸化にまつわる耐久性とパルプスラッジの社会的問題を同時にかつ根本的に解決する手段として、パルプスラッジ焼却灰を主体的にバインダーとして用いた押出成形用組成物並びに押出成形硬化体およびその製造方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明に係る押出成形用組成物は、パルプスラッジ焼却灰が70〜95重量%、増粘材が0.5〜1.5重量%、繊維材が4.5〜15重量%、増量材、その他の材料が0〜25重量%からなる原材料に対して、適量のアルカリ金属化合物を添加してなることを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明に係る押出成形硬化体は、パルプスラッジ焼却灰が70〜95重量%、増粘材が0.5〜1.5重量%、繊維材が4.5〜15重量%、増量材、その他の材料が0〜25重量%からなる原材料に適量のアルカリ金属化合物を添加した混練物を押出成形により所定の形状に成形したものを硬化させてなることを特徴とするものである。
【0021】
パルプスラッジは、主に製紙の内添材やコート材が主体であり、若干の有機質短繊維を含む。内添材やコート材は、タルク、カオリンなどの粘土質鉱物や炭酸カルシウムといったものが主体である。これを800〜900℃程度の温度にて加熱処理することで、本発明で原材料として用いるパルプスラッジ焼却灰とする。
【0022】
この焼却時に、化学的な変化として有機質繊維の分解揮発、炭酸カルシウムの脱水分解、粘土質分の変質(カオリンのメタカオリン化など)、また、これらの変質後の物質による相互の反応による化合物(ゲーレナイト、オルケマナイト等)の生成、あるいは一部のガラス化が起こる。同時に、物理的な変化として、粘土質鉱物の二次粒子が加熱され半溶融による融着造粒と上記の揮発分の揮発による発泡によって融着造粒し粒子径が数十〜数百ミクロンのポーラスな粒子となる。
【0023】
本発明者は、このようなパルプスラッジ焼却灰それ自体は、セメントと異なり水と混練して自硬性を示すものではないが、適量のアルカリ金属化合物を添加することで、硬化性を獲得するという知見を得ている。
【0024】
アルカリ金属化合物においては、アルカリ金属としてNa、K、Liが好ましく、その化合物として水酸化物(R−OH;Rは、Na、K、Liのアルカリ金属元素の総称)あるいは炭酸化合物(R2−CO3)が好ましい。これらのアルカリ金属化合物は、パルプスラッジ焼却灰100重量部に対して、いずれもR2Oに換算した重量割合が、0.5〜30重量%であることが好ましく、1.0〜20重量%がより好ましい。0.5重量%以下では強度発現性が悪いために好ましくなく、30重量%より多い場合は、硬化体表面のエフロレッセンスが顕著になるために好ましくない。
【0025】
アルカリ金属化合物は、パルプスラッジ焼却灰および水と共存することで反応物として水和生成物の一部に取り込まれつつ、パルプスラッジ焼却灰の水和反応促進に寄与する部分があるものと考えられる。
【0026】
また、パルプスラッジ焼却灰中のCaは、セメントを組成する珪酸カルシウム(珪酸二カルシウム、珪酸三カルシウム)あるいはカルシウムアルミネートのように水和し易い形態では存在せずに、比較的安定した化合物として存在しているため、セメント系の硬化体に較べてCa起源の炭酸化による水に不溶な塩(炭酸カルシウム)の形成を抑制するため、不具合の程度を小さくすることができる。
【0027】
焼却直後のパルプスラッジ焼却灰は、比較的粗い粒子も多く、見かけ密度の小さい粒子であり、結晶質部分も多いため表面の反応性は比較的不活性化していると考えられる。このような状況を踏まえて、鋭意研究を重ねた結果、粉砕により一定の粒子サイズ以下とすることで、硬化体の強度を飛躍的に向上せしめた。粉砕は、水と非接触の乾式粉砕が好ましく、経済性からボールミルや媒体攪拌ミルなどが好ましい。
【0028】
パルプスラッジ焼却灰は、全固形原料100重量部中、70〜95重量%が好ましく、80〜92重量%がより好ましい。70重量%を下回ると、バインダー不足となり十分な製品強度を示さず、95重量%より多いと他の材料とのバランスが悪くなり製品品質において不具合を生じることがあるために好ましくない。
【0029】
パルプスラッジ焼却灰は、粉砕処理により平均粒子径(50%重量累積粒子径;以下、D50と称す)において、3〜25μmになるよう調整されたものが好ましく、5〜15μmがより好ましい。ただし、D50が3μmより小さく粉砕するためには、莫大な粉砕エネルギーが必要となり、経済的に好ましくなく、また、D50が25μmより大きい場合は、製品の品質を保てなくなるため、好ましくない。
【0030】
また、この粒子径を調整されたパルプスラッジ焼却灰は、パルプスラッジ焼却灰100重量部中30〜100重量%であることが好ましく、50〜100重量%がより好ましい。30重量%より少ない割合では、強度や耐水性等の品質が低下するために好ましくない。
【0031】
パルプスラッジ焼却灰とともに原材料として用いる増粘材は、水と混練した材料の粘性を高めることを目的とし、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロビルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が用いられる。これらは保水能が高く、無機鉱物系混練物に対して可塑性を付与しダイラタンシーを改善する働きがあり押出成形性を可能にする。増粘剤の配合量は、全固形原料100重量部中0.5〜1.5重量%が好ましく、0.8〜1.2重量%がより好ましい。0.5重量%より少ない場合、混練物の可塑性が不足して押出成形ができなくなり、1.5重量%を超えると押出成形性の改善効果が小さく不経済であり、増添するメリットがない。
【0032】
繊維材は、補強を目的として配合するものであり、具体的には、ポリプロピレン、レーヨン、アクリル、アラミドなどの合成繊維やこれらの混繊維が好適である。オートクレーブ養生を実施する場合は、耐熱性を考慮してポリプロピレンがより好ましい。また、パルプも使用可能であり、バージンパルプ、古紙パルプ、段ボール、新聞紙などが好適である。パルプのフリーネスは、200〜700mlであることが好ましい。さらには、炭素繊維などの耐アルカリ性を示す無機系の補強繊維も使用可能である。繊維材の配合量は、総量で4.5〜15重量%が好ましく、6.5〜11重量%がより好ましい。4.5重量%より少ない場合は、補強効果が小さく施工時の釘打によるクラックの進展や切断加工時のチッピングの発生などといった不具合を生じるため好ましくない。また、15重量%より多い場合は、硬化体内部の欠陥としての作用が大きくなり、強度の低下や耐水性の低下となるため好ましくない。
【0033】
増量材は、パルプスラッジ焼却灰と置換することで必要な品質が保てる範囲において配合することが可能である。具体的には、各種骨材やフィラー、窯業系ボード材の廃材粉末などが挙げられる。ただし、成形品の品質保持のための粒度調整や不要残分の除去といった前処理などは必要になる。増量材の配合量は、0〜25重量%が好ましく、0〜15重量%がより好ましい。25重量%を超える場合は、強度低下や耐水性の低下が顕著になるために好ましくない。
【0034】
上記の押出成形用組成物を押出成形用の混練物とするには、予め混合物とし混練水を加えて混練物とする場合、あるいは混練水に個々の原材料を加えていく場合のいずれでもよい。より好ましくは、繊維材の分散性を高めるために繊維材と他の固形原料を予め乾式にて十分混合した後、水や適量のアルカリ金属化合物を溶解せしめた水溶液を混練水として加える方がよい。ただし、K、Naの水酸化物を多く添加する場合は、水への溶解熱により溶液の温度が高くなるため、増粘剤の増粘作用に影響する場合がある。よって、温度対策は必要に応じて適正な処置方法を設ける必要がある。
【0035】
また、上記の押出成形用組成物を押出成形により成形した成形体の水熱養生は、強度発現性、寸法安定性、耐炭酸化性を早期にかつ飛躍的に向上させることが可能である。水熱養生としては、蒸気養生(常温常圧養生、40〜80℃で6〜10時間程度)、あるいは、オートクレーブ養生(高温高圧養生、140〜180℃(3.6〜9.9気圧)で5〜15時間程度)があり、蒸気養生後のオートクレーブ養生という組み合わせが好適である。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による押出成形硬化体の製造方法の一実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
図1は、押出成形硬化体を製造する工程の流れ図である。参照符号10は、増粘材、繊維材、増量材をミキサーで乾式混合するための第1の原材料混合工程である。所定時間混合した後、続く第2原材料混合工程11ではあらかじめ粉砕して粒度調整を行ったパルプスラッジ焼却灰を、ミキサーに投入し、増粘材、繊維材、増量材とパルプスラッジ焼却灰を均一になるまで数分間混合する。そして所定量のアルカリ金属化合物を溶解させた混練水をミキサーに投入し、半乾式状態になるまで水と混ぜ合わせる。混練水量は、固形原料100重量部に対して外割にて添加配合し、アルカリ金属化合物は、全固形原料100重量部に対して外割にて添加配合する。
混練工程12では、配合混合物を混練機に送り、均質になるまで十分に混練し、押出成形用混練物とする。
【0037】
押出成形工程13では、押出成形用混練物をスクリュー式真空押出成形機に送り、真空条件下で押出機のバレル先端に取り付けてある口金から押し出し成形体を成形する。成形体は、前置き養生工程14を経て、蒸気炉に送り、60±3℃で6時間蒸気養生を行う(蒸気養生工程15)。さらに、成形体をオートクレーブ炉に送り、165±3℃で8時間のオートクレーブ養生を経て硬化体とする(オートクレーブ養生工程16)。養生を経た硬化体は、乾燥炉に送り、硬化体に含まれる水分量の調整(含水率5〜20%)をする(乾燥工程17)。
その後、硬化体は切断機で所定の寸法にトリミングされ(加工工程18)、必要に応じて表面には塗料が塗布され(塗装工程19)、塗装乾燥工程20を経て不良品の有無等について検査が行われる(検査工程21)。
【0038】
【発明の実施例】
図2には、本実施例で用いたパルプスラッジ焼却灰の化学組成を示す。
【0039】
図3には、パルプスラッジ焼却灰以外の使用材料を示す。
【0040】
図4は、実施例1乃至7の組成と製品物性についての試験結果を示す。また、性能の比較のために、比較例1乃至6を参考として挙げている。
【0041】
1.実施例の成形条件
・ パルプスラッジ焼却灰;試験用の媒体攪拌ミルにより粉砕し粒度調整を行い、平均粒子径D50で、28μm、22μm、9.5μmの試料を得た。
・ 混合;アリッヒミキサーにより2分間ドライ混合の後、パルプスラッジ焼却灰を配合してさらに2分間ドライ混合。
・ 混練;配合物にアルカリ金属化合物が溶解した混練水を添加した後、ニーダールーダーにて10分間混練。
・ 押出; スクリュー式真空押出成形機にて真空度0.094〜0.098MPaの条件下で、t15mm×w100mmの口金から押し出す。
・ 試験片の寸法
【0042】
2.試験方法
・混練物硬度(CHT値) ;日本ガイシ(株)製 クレーハードネステスタにより測定。
・比重測定 ; JIS A 5430「かさ比重試験(1)」に準拠。
・曲げ試験 ; スパン100mmの3点曲げ試験により、次の式により曲げ強度を算出した。
Rf = 3PL/2bt2
Rf ; 曲げ強度〔N/mm2〕
P ; 曲げ破壊荷重〔N〕、 L ; 試験スパン〔mm〕
b ; 試験体の幅〔mm〕、 t ; 試験体の厚さ〔mm〕
・比強度 ; 曲げ強度を比重にて除した値とした。
・炭酸化方法 ; 20℃、65%RH、CO2濃度=5% の促進炭酸化槽にて240時間養生した。
・炭酸化長さ変化率 ; 炭酸化前の長さに対する炭酸化後の長さ変化量の割合を、JIS A 5430に準拠した測定方法により測定した。
・炭酸化後の曲げ強度保持率 ; 炭酸化前の常態曲げ強度を100とした場合の、炭酸化後の曲げ強度の割合を100分率により表した。
・乾湿繰り返しによる表面状態(エフロレッセンス) ;
加湿条件 ; 20〜25℃の水道水に約14時間浸漬
乾燥条件 ; 乾燥機中保管(60℃、9時間)、取り出して1時間大気放冷
判定 ; 加湿および乾燥の組み合わせを1サイクルとして、4サイクル繰り返し目視観察により判定
◎ ; エフロレッセンスは全く無い
○ ; エフロレッセンスはほとんど無い
△ ; エフロレッセンスは全体に薄くか、部分的に濃く見られる
× ; エフロレッセンスは全体に濃く見られる
・加工性 ; 定速のチップソーにて切断した際のチッピングの発生状況を目視観察
○ ; チッピング無し
× ; チッピング有り
【0043】
3.実施例の説明
実施例1乃至7は、いずれもパルプスラッジ焼却灰として、図2の図表に示す組成の焼却灰を用いている。ただし、粉砕して調整した粒度については、実施例2に平均粒子径D50を22.0μmに調整したものを用い、実施例2以外は、9.5μmのものを用いた。
【0044】
実施例1乃至7は、繊維材、増粘材の混合割合は共通である。増量材については、実施例1乃至3は増量材を用いない実施例とし、実施例4乃至7は、増粘材を添加した。
【0045】
4.比較例の説明
比較例1乃至5は、実施例と共通する組成をもちながら添加するアルカリ金属化合物の量を変えたもので、比較例6は、従来のセメント系押出建材の代表的な例である。
【0046】
5.実施例の効果
以下、実施例と比較例とを比較しながら実施例の効果について説明する。
5.1 配合について
(a)パルプスラッジ焼却灰の配合割合
比較例1は、パルプスラッジ焼却灰の配合割合が実施例に較べて低い例で、比較例2は逆にパルプスラッジ焼却灰の配合割合を多くした例である。その他の比較例は、実施例とほぼ同量の配合割合である。配合割り合いを高めると、比重、強度ともに上がる傾向があるが、実施例1のように足りないと、強度的に不十分で、多すぎると加工性に難があることがわかる。
【0047】
(b)アルカリ金属化合物の添加量
比較例4は、アルカリ金属化合物の添加量が実施例に比較して少量に留めた例であり、比較例5は逆に添加量を高めた例である。添加量が足りないと強度的に不十分であるが、多すぎると表面にエフロレッセンスが生じる原因となる。
【0048】
(c)パルプスラッジ焼却灰の粒子径
比較例3は、パルプスラッジ焼却灰の平均粒子径が28.5μmと実施例1、2に較べて大きい他、組成自体は同じものである。組成は同一であっても、比較例3は、強度的に著しく実施例1、2に劣ることがあきらかにみて取れる。したがって、パルプスラッジ焼却灰は、できるだけ微細に粉砕して粒度調整をしたほうがよいことがわかる。
【0049】
5.2 物性試験結果について
(a)比重
実施例1乃至実施例7の押出硬化体の比重は、平均すると1.054であり、セメント系押出建材である比較例6の比重が1.22であるのと較べると、パルプスラッジ焼却灰を主体材料とすることで、セメント系材料に較べてかなり軽量化された硬化体になることがわかる。
【0050】
(b)強度
実施例1乃至実施例7の曲げ強度の平均値は、7.4Nmm2である。JIS A 5422「窯業系サイディング」の「3.2 性能」によれば、実施例と同じ厚さ15mmの標準的な窯業系サイディング材料について、破壊荷重最低値758「N」が挙げられており、これに相当する曲げ強度算出値5.2Nmm2 と比較すると良好な成績であるといえる。
【0051】
実施例1乃至7と比較例6を単純に比較すると、実施例1乃至7は比較例6を下回っているが、比重について上述したように、実施例1乃至7は軽量化が進んでいることを考慮すれば、比較例6に対して見劣りしないと評価できる。さらに個別的に実施例をみると、実施例3のように比強度7.6と、比較例6の9.4に近づく良好な強度が得られた。
【0052】
他方、実施例と同じくパルプスラッジ焼却灰を主体材料にした比較例1、3、4は、パルプスラッジ焼却灰に添加するアルカリ金属化合物が少なすぎる結果、強度的に大きく低下することがわかる。
【0053】
(c)耐炭酸化性能
(i)炭酸化長さ変化率
実施例1乃至実施例7の炭酸化長さ変化率の平均値は、マイナス0.017%であり、セメント系材料の比較例6がマイナス0.270%であることに較べると、一桁オーダーが異なる程度に格段の改善効果が得られることがわかる。
【0054】
なお、JIS A 5430 「繊維強化セメント板」「3.2」によれば、吸水による長さ変化率の標準値として0.2%があげられておおり、これを考慮すると、本実施例のいずれも非常に高い耐炭酸化性を示すことがわかる。
【0055】
(ii)炭酸化強度保持率
実施例1乃至実施例7の炭酸化強度保持率の平均値は、98.3%であり、セメント系材料の比較例6が88.8%であることに較べると良好な成績が得られた。特に、実施例2では、強度の低下がまったく見られなかった。
【0056】
(d)乾湿繰り返しによる表面状態
実施例1乃至実施例7は、いずれも乾湿繰り返しによる表面状態は良好であり、部分的にエフロレッセンスが発生するセメント系材料の比較例6と異なり、いずれもエフロレッセンスは観察されなかった。他方、比較例5のように、アルカリ金属化合物の添加量が多すぎると、エフロレッセンスが濃く見られるようになる。
【0057】
(e)加工性
実施例1乃至実施例7は、いずれもチッピングの発生は見られず加工性は良好であった。比較例2のように、パルプスラッジ焼却灰の含有量が多すぎると、強度的には大きくなるものの、加工性は低下する。
【0058】
(f)総合評価
図4に示す図表の最下欄に実施例1乃至実施例7と比較例1乃至比較例6の製品物性についての総合評価を示す。曲げ強度または耐炭酸化性(炭酸化長さ変化、炭酸化強度保持率)の一方でも性能が劣る場合、否定的な評価として×印とした。○印は、軽量材料として曲げ強度および耐炭酸化性の両方について満足する性能を示すものである。実施例1、実施例2及び実施例4は、曲げ強度と耐炭酸化性に加えてさらに表面性、加工性の品質においても優れ、従来のセメント主体の押出成形体に較べてトータルで優れた性能を示すものとして◎印をもって高く評価することができる。
【0059】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、軽量製品でありながらも耐炭酸化性を従来のセメント主体の建築材料に比べて著しく高め、炭酸化にまつわる耐久性を向上させるという課題を抜本的に改善することができる。しかも、原材料には、産業廃棄物としてこれまで大量に破棄されてきたパルプスラッジ焼却灰を主体的にバインダーとして利用することができるので、環境保護の社会的要請を解決するとともに、きわめて低コストで建築材料を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による押出成形硬化体の製造工程を示す流れ図。
【図2】本発明で用いるパルプスラッジ焼却灰の化学組成を示す図表。
【図3】本発明の実施例でもちいた原材料を示す図表。
【図4】本発明の実施例の材量の配合および製品物性試験の結果を示す図表。
Claims (5)
- パルプスラッジ焼却灰が70〜95重量%、増粘材が0.5〜1.5重量%、繊維材が4.5〜15重量%、増量材、その他の材料が0〜25重量%からなる原材料に対して、適量のアルカリ金属化合物を添加してなること特徴とする押出成形用組成物。
- パルプスラッジ焼却灰が70〜95重量%、増粘材が0.5〜1.5重量%、繊維材が4.5〜15重量%、増量材、その他の材料が0〜25重量%からなる原材料に適量のアルカリ金属化合物を添加した混練物を押出成形により所定の形状に成形したものを硬化させてなることを特徴とする押出成形硬化体。
- 上記パルプスラッジ焼却灰の100重量部中30〜100重量%が、50%重量累積粒子径で3〜25μmに粒度調整されたパルプスラッジ焼却灰からなることを特徴とする請求項2に記載の押出成形硬化体。
- 上記アルカリ金属化合物がカリウム、ナトリウムまたはリチウムの化合物であり、少なくともその1種類以上を用いて、酸化物K2O、Na2O、Li20に換算した場合のそれら酸化物の総量がパルプスラッジ焼却灰100重量部に対し、外割りで0.5〜25重量%になるように添加することを特徴とする請求項2または3に記載の押出成形硬化体。
- パルプスラッジ焼却灰が70〜95重量%、増粘材が0.5〜1.5重量%、繊維材が4.5〜15重量%、増量材、その他の材料が0〜25重量%からなる原材料に対して、適量のアルカリ金属化合物と水を配合して混合および混練により押出成形用組成物とする工程と、
上記押出成形用組成物を押出成形により任意の断面形状を有する成形体を成形する工程と、
上記成形体を蒸気養生とその後のオートクレーブ養生により養生する工程と、を含むことを特徴とする押出成形硬化体の製造方法。
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003110541A Withdrawn JP2004315276A (ja) | 2003-04-15 | 2003-04-15 | 押出成形用組成物および押出成形硬化体ならびにその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004315276A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006249717A (ja) * | 2005-03-09 | 2006-09-21 | Asahi Glass Buil-Wall Co Ltd | 外壁材表面の仕上げ方法 |
JP2015120631A (ja) * | 2013-11-21 | 2015-07-02 | 丸住製紙株式会社 | 成形材料および成形材料の製造方法ならびに成形体および成形体の製造方法 |
-
2003
- 2003-04-15 JP JP2003110541A patent/JP2004315276A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006249717A (ja) * | 2005-03-09 | 2006-09-21 | Asahi Glass Buil-Wall Co Ltd | 外壁材表面の仕上げ方法 |
JP2015120631A (ja) * | 2013-11-21 | 2015-07-02 | 丸住製紙株式会社 | 成形材料および成形材料の製造方法ならびに成形体および成形体の製造方法 |
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Legal Events
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A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
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