JP2004314994A - Board storage container and manufacturing method for the same - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウェーハ等を運搬、保管する際に使用する基板収納容器に関し、より詳しくは、基板収納容器の帯電防止層に種々の外部応力が作用した場合に、割れや剥離がなく、水洗や拭き取り時に、機能減退、脱離、ブリードせず、優れた帯電防止性能を持続することのできる基板収納容器及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体の製造工程で使用される基板収納容器は、図示しないが、一般に成形性に優れる樹脂組成物、例えば、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂等により成形されている。
しかしながら、これらの樹脂を用いた基板収納容器は、表面抵抗が高いため、静電気に帯電し易いという重大な問題がある。静電気に帯電した基板収納容器は、半導体ウェーハの結晶の欠陥や電気的な特性損失を誘発し、しかも、雰囲気中に浮遊する微小な異物を引き寄せるため、微小な異物が半導体ウェーハに吸着してその表面を汚染させることとなる。そこで、これらの不具合を防止するため、帯電防止機能を有する基板収納容器が求められている。
【0003】
従来、基板収納容器に帯電防止機能を付加する方法としては、ポリプロピレンに導電性カーボンブラック繊維を添加する方法(特許文献1参照)、ポリブチレンテレフタレートにカーボン繊維を添加する方法(特許文献2参照)、ポリエーテルエーテルケトンに導電性カーボンブラックを添加する方法(特許文献3参照)、脂肪族ポリケトンにカーボンブラックを添加する方法(特許文献4参照)が提案されている。
【0004】
このような導電性材料であるカーボンブラック、カーボン繊維、あるいは導電性金属粉を基板収納容器に添加すれば、帯電防止特性が達成されるが、基板収納容器の樹脂組成物中に添加された導電性材料が基板収納容器の表面から飛散、剥離、脱落し、新たな微小異物の発生源となり、発塵性が高まるという大きな問題が新たに発生することとなる。また、導電材料中に含有される有機物やイオン性残留物質が漏出して半導体ウェーハの表面を汚染する原因となり、好ましいとはいえない。さらに、導電性材料の添加により、樹脂組成物の色調が黒色となり、基板収納容器が不透明になるので、基板収納容器内の半導体ウェーハを認識、識別できなくなるおそれも少なくない。
【0005】
導電性材料として導電性高分子を基板収納容器の樹脂組成物中に添加する方法(特許文献5参照)も提案されているが、導電性高分子を導電性フィラーとして使用するため、導電性カーボンブラックやカーボン繊維、あるいは導電性金属粉を添加した場合と同様の理由で好ましくない。また、基板収納容器の成形に際しては、射出成形機を用いて材料樹脂を融点近辺で溶融し、その溶融した材料樹脂をより低い温度の金型に注入して冷却,固化し、製品を得る射出成形法が主に採用されるが、その射出成形の際、導電性高分子が分解し、導電性材料の機能が損なわれるという問題が生じる。
【0006】
その他の方法としては、アルキルホスホネート化合物を内部添加型帯電防止剤として基板収納容器の樹脂組成物に添加する方法(特許文献6参照)が提案されている。
しかしながら、アルキルホスホネート化合物等、低分子型帯電防止剤は、帯電防止性能に優れるが、耐水性が悪いため、基板収納容器の洗浄、拭き取りにより容易に脱離、ブリードアウトし、この結果、帯電防止効果が減退する。また、漏出した低分子型帯電防止剤が半導体ウェーハの表面汚染の原因ともなるため、好ましいとはいえない。
【0007】
上記低分子型帯電防止剤に対して、ポリエーテルエステル、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルアミドイミド等の高分子型帯電防止剤を内部添加型帯電防止剤として樹脂組成物に添加する方法(特許文献7参照)が提案されている。
しかし、これらの高分子型帯電防止剤は、耐電防止性能に優れるが、耐熱性に劣るため、成形時に樹脂組成物の変色の原因となる。さらに、高分子型帯電防止剤は、樹脂組成物との相溶性が悪いため、樹脂組成物の機械的特性等の優れた物性値を低下させることが懸念される。
【0008】
上記のような基板収納容器の樹脂組成物に帯電防止剤を練り込む方法に対して、導電性塗料を樹脂組成物に塗工する方法も提案されている。導電性塗料を用いるものとして、π電子共役系導電性高分子を自己乳化型ポリエステル樹脂に分散させた帯電防止コーティング液組成物を調製し、樹脂に塗工するもの(特許文献8参照)が提案されているが、バインダ樹脂として水溶性樹脂や吸水性樹脂を用いるため、耐水性が非常に悪い。また、π電子共役系導電性高分子の密着性を向上させる目的でエポキシ含有アルコキシシラン化合物を導電性塗料中に添加した導電性塗料(特許文献9参照)も提案されているが、化合物の添加により導電性塗料がゲル化し、長期保存安定性が損なわれ、加えて塗膜の耐水性について疑問の余地がある。
【0009】
さらに、導電性高分子と自己乳化型ポリエステル樹脂水分散体にアミド結合あるいは水酸基を有する水溶性化合物とエポキシ含有アルコキシシラン化合物を添加することにより、密着性、耐水性に優れる塗膜を形成するもの(特許文献10参照)も提案されている。
しかし、この構成の場合、樹脂組成物と塗膜が単に接触している状態なので、非常に脆く、衝撃や振動等の外部応力、さらには樹脂組成物とバインダ樹脂の線膨張率の違いにより、割れや剥離が容易に発生するという問題が生じる。
【0010】
【特許文献1】
特開平6−291177号公報
【0011】
【特許文献2】
特開平8−88266号公報
【0012】
【特許文献3】
特開平9−36216号公報
【0013】
【特許文献4】
特開平11−3931号公報
【0014】
【特許文献5】
特開平8−293536号公報
【0015】
【特許文献6】
特開昭62−230835号公報
【0016】
【特許文献7】
特開平6−57153号公報
【0017】
【特許文献8】
特開平6−295016号公報
【0018】
【特許文献9】
特開平6−73271号公報
【0019】
【特許文献10】
特開2002−60736号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
従来の基板収納容器は、以上のように構成されているので、帯電防止層が水洗いされたり、拭き取られると、機能の減衰、脱離、ブリードが生じ、製造当初の優れた帯電防止性能を持続することが困難になるという問題がある。さらに、衝撃や振動等が作用すると、割れ、剥離が生じるおそれが少なくない。
【0021】
本発明は、上記に鑑みなされたもので、帯電防止層の水洗、拭き取り時にも機能減衰、脱離、ブリードすることがなく、製造当初の帯電防止性能を持続することができ、さらには外部応力の変化でも割れや剥離することのない基板収納容器及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、上記課題を達成するため、樹脂組成物からなる容器に、基板を収納するものであって、
容器に形成される略透明の帯電防止層と、少なくともこの帯電防止層に含有されるπ電子共役系導電性高分子とを含んでなることを特徴としている。
なお、帯電防止層の成分濃度に勾配を付与し、帯電防止層の成分を徐々に容器の樹脂組成物にすることができる。
【0023】
また、帯電防止層にバインダ樹脂を含有させることができる。
さらに、全光線透過率を80%以上、ヘイズ値(曇価)を10%以下とすることもできる。
【0024】
また、本発明においては、上記課題を達成するため、容器に基板を収納するものの製造方法であって、
容器の樹脂組成物を溶解可能な有機溶剤とπ電子共役系導電性高分子とからなる塗工液で容器を処理し、π電子共役系導電性高分子を容器の樹脂組成物に溶解密着させて略透明の帯電防止層を形成することを特徴としている。
【0025】
ここで特許請求の範囲における容器は、少なくとも基板収納用の内箱を外箱内に収容するタイプ、プロセスカセットタイプ、オープンカセットタイプ、搬送キャリアタイプ、フロントオープンボックスタイプ(例えば、FOSBやFOUP)、マスクケース、液晶セルケース等を含み、蓋体等の有無を問わない。この容器の開口部は、上下面、前後面、上面のみでも良く、又正面のみでも良い。容器の開口は、蓋体で開閉されるものでも、そうでなくても良いが、蓋体で開閉される場合、蓋体には、施錠用のラッチ機構を内蔵することができる。また、基板には、少なくとも単数複数の半導体ウェーハ(例えば、6インチ、8インチ、12インチのシリコンウェーハ)やフォトマスクガラス等が含まれる。
【0026】
帯電防止層は、容器の表面に塗布形成することができるが、課題を達成できるのであれば、容器の一部に形成することもできる。この帯電防止層の略透明には、透明と半透明のいずれもが含まれる。この帯電防止層は、耐水性試験JIS K 5400 8.19を25℃で24時間実施した後、割れや剥離がなく、表面抵抗値の上昇率が10倍未満であることが好ましい。また、耐水性試験JISK 5400 8.32で割れや剥離のないことが好ましい。「帯電防止層の成分濃度に勾配を付与し、帯電防止層の成分を徐々に容器の樹脂組成物にする」とは、帯電防止層の成分を傾斜的に形成すること、換言すれば、帯電防止層の成分の濃度分布にグラデーションのあることをいう。
【0027】
本発明によれば、容器の少なくとも一部に帯電防止層を形成し、少なくともこの帯電防止層には帯電防止機能のπ電子共役系導電性高分子を含有させ、帯電防止層の成分濃度に勾配を付与して帯電防止層の成分を徐々に容器の樹脂組成物にするので、例え帯電防止層が水洗いされたり、拭き取られても機能減衰、脱離、ブリードするのを抑制することができる。また、帯電防止層の成分濃度の傾斜化により、例え衝撃や振動等の外部応力が容器に作用しても、割れや剥離等を抑制できる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明すると、本実施形態における基板収納容器は、図1ないし図3に示すように、有底角筒形の外箱1と、図示しない8インチの半導体ウェーハをリブ片2を介して複数枚整列収納し、外箱1内に着脱自在に収容される角筒形の内箱3と、外箱1の開口上面をエンドレスのパッキン4を介して開閉する蓋体5と、この蓋体5の内面に装着されて半導体ウェーハのガタツキを抑制防止する押さえ体6とを備え、これら外箱1、内箱3、蓋体5、押さえ体6をそれぞれ樹脂組成物により成形するとともに、これら1・3・5・6の表面(内面及び又は外面)に透明の帯電防止層7をそれぞれ形成し、各帯電防止層7に、帯電防止機能を発現するπ電子共役系導電性高分子を含有させるようにしている。
【0029】
基板収納容器、換言すれば、外箱1、内箱3、蓋体5、押さえ体6は、通常、射出成形法により成形され、外箱1、内箱3、蓋体5が透明あるいは半透明とされる。具体的な射出成形法としては、射出成形機を用いて材料の樹脂組成物を融点以上に加熱溶融し、その溶融した樹脂組成物をより低い温度の金型に注入して冷却,固化することで所定の製品を得る方法である。このような方法により成形された基板収納容器は、樹脂組成物を溶解可能な有機溶媒(有機溶剤)とπ電子共役系導電性高分子とからなる塗工液により表面処理され、π電子共役系導電性高分子が樹脂組成物に溶解密着することにより、透明の帯電防止層7が形成される。
【0030】
外箱1、内箱3、蓋体5、押さえ体6の樹脂組成物としては、機械的強度、成形性、透明性、耐熱性、寸法安定性に優れる樹脂が好ましい。例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレンなどのポリオレフィン類、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどのポリエステル類、ポリエチレンサルファイド、ポリフェニレンサルファイドなどのポリチオエーテル類、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトンなどのポリケトン類、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フッ素系樹脂、液晶ポリマー等が使用される。
【0031】
樹脂組成物は、半導体ウェーハの汚染源となる有機物、イオン性残留物質を可能な限り低減する必要がある。このため、残存する反応触媒やオリゴマ等揮発有機成分を除去、精製することが品質特性の面から肝要である。樹脂組成物には、樹脂改質剤として、酸化防止剤、中和剤、可塑剤、難燃剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤や補強フィラーを用いることも可能である。但し、半導体ウェーハの汚染を防ぐため、樹脂改質特性を発現する必要最低量に留めておくことが好ましい。
【0032】
樹脂組成物を溶解する有機溶媒、すなわち良溶媒は、使用する樹脂組成物の種類によって適宜選択する必要がある。具体的には、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトニトリル等のニトリル類、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等があげられ、これらは単独でも混合して使用することもできる。
【0033】
樹脂組成物の溶解速度を制御するため、使用する有機溶剤は、樹脂組成物に対して溶解度の高い良溶媒と樹脂組成物に対して溶解度の低い貧溶媒とを混合して用いることができる。良溶媒と貧溶媒の混合系とすれば、樹脂組成物の機械的特性を損なうことなく、均一かつ精度良く帯電防止層7を設けることができる。貧溶媒も用いる樹脂組成物の種類により適宜選択する必要があるが、例えば、メータノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類等を使用することができる。
【0034】
ここで、樹脂組成物の良溶媒と貧溶媒、すなわち溶解性を定義するパラメータの一例として、式1に示す溶解度パラメータ(SP値)δがある。極性をもつ樹脂組成物では、極性溶媒に溶けやすく、非極性溶媒には溶けにくい傾向があり、一方、非極性の樹脂組成物は逆の傾向がある。この親和性の強さを判断するパラメータがSP値であり、一般的に、樹脂組成物と溶媒分子のSP値が近いほど、溶解性が高くなる傾向にある。
【0035】
δ2=ΔE/V(ΔEは液体分子の凝集エネルギー、Vはモル体積) …(式1)
【0036】
例えば、樹脂組成物として極性基をもつポリカーボネートを用いる場合には、ポリカーボネートは、耐溶剤性に劣り、上記有機溶剤と接触することにより容易に白濁、変形する。換言すれば、SP値の近い有機溶剤を用いて塗工液を調製することにより、ポリカーボネートの表面に帯電防止層7を溶解密着させることができる。
【0037】
また、樹脂組成物としてポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン等を用いる場合、疎水性非極性基をもち、耐溶剤性に優れているため、良溶媒としては、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等に制限されるが、樹脂組成物の溶解速度が制御しやすいため、均一に精度良く帯電防止層7を形成することができる。帯電防止層7を形成するための塗工液による樹脂組成物の溶解速度は、塗工液との浸漬時間、雰囲気温度、良溶媒を貧溶剤との混合比等により制御する。
【0038】
塗工液と樹脂組成物を接触させる時間は、3〜600秒、好ましくは5〜60秒が最適である。これは、接触時間が3秒より短い場合には、塗工液の樹脂組成物に対する溶解が不十分で、均一な精度良い帯電防止層7を形成することができないからである。逆に、接触時間が600秒より長い場合には、基材の変形が生じたり、生産能力が低下するため、好ましくないからである。本発明における貧溶媒の混合比は、良溶媒、貧溶媒をあわせた全溶媒中の0〜95%であることが好ましい。複数の良溶媒の混合により、SP値を適切化することで、溶解速度を制御することもできる。
【0039】
これら以外に、例えば粗面化、コロナ処理、プラズマ処理、プライマー処理、あるいはアンカーコート処理等、公知の手法を用いて事前に樹脂組成物の表面改質処理を行うことにより、溶解速度を制御することも可能である。また、超音波等外的なエネルギーを用いて樹脂組成物表面を活性化することも、溶解速度を制御するのに有効である。濡れ性の悪い樹脂組成物に塗工する場合、塗工液が樹脂組成物の表面で弾かれ、ピンホールが発生することがある。この場合には、塗工液中にバインダ樹脂や界面活性剤を添加することで改善を図ることができる。バインダ樹脂としては、上記樹脂組成物を用いることができ、基板収納容器と同一の材料、異なる材料を用いることができる。このバインダを溶解する溶剤は、導電性高分子を溶解する溶剤と同一でも異なるものでも良いが、導電性高分子とバインダ樹脂が相溶化することが必要である。
【0040】
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸エステルナトリウム等のアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノラート、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコール等の非イオン系界面活性剤及び、フルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルベンゼンスルホン酸、パーフルオロアルキル4級アンモニウム、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール等のフッ素系の界面活性剤が用いられる。好ましくは、イオン性残留物質の少ない非イオン系界面活性剤が選択される。
【0041】
帯電防止層7に含有されるπ電子共役系導電性高分子は、分子構造中に共役二重結合を有する高分子であり、導電機構がイオン導電でないため、湿度の変化に対しても安定した導電性を得ることができる。また、有機化合物であるため、無機の導電性材料と比べて軟らかく、基材シートを損傷させることがないという特徴を有している。この導電性高分子の重合前のモノマーとしては、アニリン、スルホン化アニリン、アルキル化アニリン等のアニリン誘導体あるいは複素5員環化合物があげられる。
【0042】
複素5員環には、ピロール、チオフェン、フラン、インドール及びこれらの誘導体があり、例えば、N−メチルピロール、N−エチルピロール、3−メチルピロール、3−メトキシピロール、3−オクチルピロール、3−デシルピロール、3,4−ジメチルピロール、3−ヘキシルピロール、3−メチル−4−ピロールカルボン酸メチル、3−メチルチオフェン、3−メトキシチオフェン、3−ブチルチオフェン、3,4−ジメチルチオフェン、3−ドデシルチオフェン、3−チオフェン−β−エタンスルフォネート、2,3−ジハイドロチエノ(3,4−b)−1,4−ジオキシン、3−メチルフラン、3−メチルインドール等があげられるが、これらに限定されるものではなく、単一あるいは複数のモノマーを共重合して用いることも可能である。特に誘導体として、炭素数で3個以上の長い側鎖を複素5員環化合物のβ位に有するものは、導電性は高くないが、相溶性に優れるという特徴がある。
【0043】
導電性高分子の重合前のモノマーは、酸化重合触媒を用いて、およそ重合度10〜1000の高分子に重合される。重合度が低いと、導電性が低いため、帯電防止層7として導電性高分子を大量に必要とし、透明性が悪化する。逆に、重合度が高いと、有機溶剤への相溶性が低下するので、上記範囲が適切である。これらに用いられる酸化重合触媒には、塩化第二鉄、塩化第二銅、塩化第二錫等の遷移金属の塩化物、過酸化水素水、オゾン、過酸化ベンゾイル等の過酸化物、酸化銀等の金属酸化物、過マンガン酸、クロム酸、次亜塩素酸等の無機酸やその塩類、過塩素酸第二鉄、過塩素酸第二銅等の過塩素酸塩類、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫化物があげられる。
【0044】
重合触媒は、イオン性残留物質であるため、重合終了後にイオン交換、透析等により排除することが必要である。π電子共役系高分子の導電性を向上させたい場合には、ドーパントを加えると良い。これには、フラーレン、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノテトラアザナフタレン等の有機電子供与性化合物を用いることができ、イオン性残留物質がないので大変好ましい。
【0045】
π電子共役系導電性高分子は、透明性を向上させるため、樹脂組成物を溶解する溶剤やバインダ樹脂に、溶解されていなければならない。有機導電性高分子は一般的に不溶不融の高分子であるため、π電子共役系導電性高分子を導電性微粒子として分散配合した塗工液は、透明性やヘイズ値に劣るため、好ましくない。濡れ性改善のため、バインダ樹脂を添加する場合には、バインダの種類によっては、その極性、分子間力等により、可溶化されたπ電子共役系導電性高分子であっても、分離、凝集するものがある。この場合には、相溶化剤や界面活性剤を用いることで解決できる。
【0046】
帯電防止層7を形成する塗工液中のπ電子共役系導電性高分子の含有量は、帯電防止層7の表面の抵抗値が105〜1012Ω/□になるように塗工液中0.01〜20質量%とされる。これは、0.01質量%未満では十分な導電性が得られず、逆に20質量%を超えると、透明性、特にヘイズ値に悪影響を与えるからである。帯電防止層7にバインダ樹脂を含有させる場合にも、帯電防止層7の表面抵抗値が105〜1012Ω/□になるように調製しなければならないが、塗工液中の固形分としてバインダ樹脂分が20質量%を超えると、帯電防止層7を均一に精度良く形成できず、逆に塗膜が厚すぎると、樹脂組成物の寸法が大きくなり過ぎてしまうこととなる。したがって、20質量%以下に抑えることが好ましい。
【0047】
樹脂組成物に帯電防止層7を形成するには、スプレーコーティングやディッピング等の公知のコーティング方法を用いて塗工することができ、その後、乾燥させることで所定の帯電防止層7が得られる。一回の塗工厚としては、0.1〜100μmが好ましい。樹脂組成物の溶解速度が速い場合には、薄めの塗工を数回に分けて行い、所望の表面抵抗値が得られるまで繰り返すと良い。乾燥時間は、使用する溶剤により異なるが、10〜600秒程度必要である。乾燥条件により、帯電防止層7の特性がばらつくことはないが、乾燥工程で溶剤を完全に揮発除去する必要がある。これは、不完全な乾燥状態であると、残存する溶剤が必要以上に樹脂組成物に浸犯し、樹脂組成物の白濁、変形を引き起こす原因となるためである。
【0048】
乾燥温度は溶剤の種類、樹脂組成物の耐熱性により異なるが、樹脂表面の温度が50〜160℃となるよう熱風を循環させ、溶剤を迅速に揮発させる方法が最も好ましい。ここで、樹脂組成物全体をオーブン等で高温加熱すると、急激に樹脂の溶解が進行し、白濁、劣化するおそれがあるため、注意が必要である。樹脂組成物の表層に溶解融着する帯電防止層7の膜厚は、0.01〜10μm、好ましくは、0.1〜1μmが適切である。
【0049】
これは、0.01μmより膜厚が薄い場合には、所望の抵抗値が得られなかったり、塗工時にピンホールが発生したりするという理由に基づく。逆に10μmより膜厚が厚い場合には、乾燥に時間がかかり、良溶媒と樹脂組成物の接触時間の制御が困難となり、しかも、膜厚にばらつきが生じやすくなるという理由に基づく。帯電防止層7の膜厚は、射出成形後の寸法精度を維持するためにも、上記寸法範囲内にあることが好ましい。
【0050】
樹脂組成物の表面と帯電防止層7の微小界面状態は、両層が溶解融着し、相溶化するため、傾斜的に帯電防止層7が形成される。ここで、傾斜的とは、図3に示すように、樹脂組成物の表面から内部にかけて帯電防止層7が濃度勾配的に形成されていることをいう。これにより、耐水性、耐衝撃性に優れた基板収納容器を得ることができる。また特に、両層が相溶化して形成されることにより、帯電防止層7が樹脂組成物から剥離、ブリードすることがない。これにより、半導体ウェーハの汚染がなく、実に好ましい。特性については、耐水性はJIS K 5400 8.19に基づき、耐衝撃性はJIS K 5400 8.32デュポン式衝撃試験に基づいて評価することができる。
【0051】
基板収納容器は、透明性に優れる樹脂組成物と帯電防止層7とからなり、全光線透過率が80%以上、ヘイズ値10%以下、好ましくは、全光線透過率が90%以上、ヘイズ値5%以下が良い。これは、透過率が80%未満でヘイズ値が大きいと、基板収納容器を通して収納された内容物、すなわち半導体ウェーハの認識や識別が困難になるからである。透明性については、JIS K 7105に基づき、透過率計やヘイズメータを用いて測定することができる。
【0052】
上記構成によれば、外箱1、内箱3、蓋体5、押さえ体6の表面に透明の帯電防止層7を形成して各帯電防止層7にはπ電子共役系導電性高分子を含有させ、帯電防止層7の成分濃度に勾配を付与し、帯電防止層7の成分を徐々に薄くして外箱1、内箱3、蓋体5、押さえ体6の樹脂組成物にするので、帯電防止層7が水洗いされたり、拭き取られても機能減衰、脱離、ブリードすることがなく、製造当初の優れた帯電防止性を持続することができる。また、傾斜的な帯電防止層7により、衝撃や振動等の外部応力が作用しても、割れや剥離を抑制防止することができる。
【0053】
なお、上記実施形態では容器を構成する外箱1、内箱3、蓋体5、押さえ体6の表面に、透明の帯電防止層7を形成し、各帯電防止層7にπ電子共役系導電性高分子を含有させたが、何らこれに限定されるものではない。例えば、半導体ウェーハに直接接触する内箱3と押さえ体6の表面に透明の帯電防止層7を形成し、この帯電防止層7にπ電子共役系導電性高分子を含有させても良い。
【0054】
次に、図4は本発明の第2の実施形態を示すもので、この場合には、12インチの半導体ウェーハWをリブ片2を介して上下方向に複数枚整列収納するフロントオープンボックス10と、このフロントオープンボックス10の開口した正面をエンドレスのパッキン4を介して開閉する蓋体5Aとを備え、これらフロントオープンボックス10と蓋体5Aをそれぞれ樹脂組成物により成形するとともに、これら5A・10の表面(内面及び又は外面)に透明の帯電防止層7をそれぞれ形成し、各帯電防止層7にπ電子共役系導電性高分子を含有させるようにしている。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。本実施形態においても、上記実施形態と同様の作用効果が期待できるのは明らかである。
【0055】
【実施例】
以下、本発明に係る基板収納容器及びその製造方法の実施例について比較例と共に説明する。
実施例1〜3、比較例1〜3で基板収納容器をそれぞれ作製し、各基板収納容器の透明性、表面抵抗値、外観、総合評価を以下の評価方法に基づいて評価し、評価結果を表1にまとめた。保存試験については、23℃、50%RHにて放置後、評価した。
【0056】
実施例1
先ず、樹脂組成物としてポリプロピレン樹脂を選択し、樹脂温度230℃、金型温度50℃、射出圧力1,500kg/cm2で射出成形して基板収納容器を作製した。そして、基板収納容器の樹脂成形体の表面に、以下の塗工液Aをスプレーコーティングにより3μm厚に設け、本実施例の基板収納容器を得た。
【0057】
塗工液Aの調製
π電子共役導電性高分子としてアニリンとスルホン化剤、兼相溶化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸を加え、低温で攪拌しながら酸化重合触媒として過硫酸アンモニウムを徐々に加え、均一なポリアニリン水溶液を調製した。この水溶液にメタノールを加え、ポリアニリンを沈殿させた。イオン性残留物質を排除するため、沈殿物を繰り返し純水で洗浄した後、沈殿物をトルエンとメチルエチルケトン(混合比50:50)に溶解させ、5.0質量%ポリアニリンのトルエン/メチルエチルケトン溶液を調製した。
【0058】
実施例2
先ず、樹脂組成物としてポリエーテルエーテルケトン樹脂を選択し、樹脂400℃、金型温度170℃、射出圧力1,500kg/cm2で射出成形して基板収納容器を作製した。そして、基板収納容器の樹脂成形体の表面に、以下の塗工液Bをスプレーコーティングにより0.5μm厚に設け、本実施例の基板収納容器を得た。
【0059】
塗工液Bの調製
π電子共役系導電性高分子として、イオン交換、透析を行い、イオン性残留物質を排除したポリジオキシチオフェン水溶液(アグファゲバルト社製、商品名ORGACON)を用い、この水溶液をN,N−ジメチルアセトアミド(以下、DMAC)にて溶剤置換したポリジオキシチオフェンが1.0質量%のDMAC溶液を調製した。ここに、溶解速度を制御するため、貧溶媒としてエタノールを1.0質量%のポリジオキシチオフェンのDMAC溶液を加え、0.5質量%ポリジオキシチオフェンのDMAC/エタノール(50:50)溶液とし、均一に溶解した薄紺色透明の塗工液Bを調製した。
【0060】
実施例3
樹脂組成物としてポリカーボネート樹脂を選択し、樹脂260℃、金型温度100℃、射出圧力1,200kg/cm2で射出成形して基板収納容器を作製した。そして、基板収納容器の樹脂成形体の表面に、以下の塗工液Cをスプレーコーティングにより1μm厚に設け、本実施例の基板収納容器を得た。
【0061】
塗工液Cの調製
π電子共役系導電性高分子として、イオン交換、透析を行い、イオン性残留物質を排除したポリジオキシチオフェン水溶液(アグファゲバルト社製、商品名ORGAGON)を用い、この水溶液をDMACにて溶剤置換したポリジオキシチオフェンが1.0質量%のDMAC溶液を調製した。これとは別に、バインダ樹脂としてポリエーテルサルホンをDMACに溶解し、固形分8.18質量%となるように調製したバインダ樹脂溶液を予め準備しておき、ポリジオキシチオフェンのDMAC溶液とバインダ樹脂溶液を等量混合することにより、ポリジオキシチオフェン/ポリエーテルサルホンのDMAC溶液(固形分5質量%、ポリジオキシチオフェン:ポリエーテルサルホン=1:99)を調製した。
【0062】
比較例1
実施例1で作製したポリアニリンの沈殿物をプレス機等により射出成形に適した形状に成形した。ポリプロピレン樹脂に対し、ポリアニリンが10質量%となるように混合した複合材料を実施例1と同様に射出成形し、本比較例の基板収納容器を得た。
【0063】
比較例2
実施例2と同様に基板収納容器を射出成形し、この基板収納容器の表面に、以下の塗工液Dをスプレーコーティングにより1μm厚に設け、本比較例の基板収納容器を得た。
塗工液Dの調製
π電子共役系導電性高分子として、イオン交換、透析を行い、イオン性残留物質を排除したポリジオキシチオフェンの水/イソプロピルアルコール溶液(長瀬産業製、商品名Denatron P−502S)をπ電子共役系導電性高分子が1.2質量%となるように調整し、均一な薄紺色透明の塗工液Dを調製した。
【0064】
比較例3
実施例3と同様に基板収納容器を射出成形し、この基板収納容器の表面に、以下の塗工液Eをスプレーコーティングにより2μm厚に設け、本比較例の基板収納容器を得た。
塗工液Eの調製
ポリエステルエマルジョン(東洋紡績株式会社製、商品名バイナロールMD−1200、固形分34質量%)100部に、π電子共役系導電性高分子としてイオン交換、透析を行い、イオン性残留物質を排除したポリジオキシチオフェン水溶液(アグファゲバルト社製、商品名ORGACON)をπ電子共役系導電性高分子が1.0質量%となるように加え、均一に溶解した薄紺色透明の塗工液Eを調製した。
【0065】
評価方法
(1) 透明性の測定
村上色彩技術研究所製HR−100を用いて測定した。
A:全光線透過率
B:ヘイズ
(2) 表面抵抗値
ダイヤインスツルメンツ社製 ハイレスタUPを用いて(測定電圧:100V)耐水性試験(JIS K 5400 8.19に準拠し、25℃、24時間実施)前後の表面抵抗値を測定した。
【0066】
(3) 外観
耐衝撃試験をJIS K 5400 8.32デュポン式衝撃試験(φ1/2 inch、500g、50cm)に準拠して実施し、実施した後の表面状態を観察した。
○:帯電防止層に割れ、剥離なし
×:帯電防止層に割れ、剥離が発生
(4) 総合評価
上記各評価の結果に基づき、基板収納容器としての適正を以下の基準で評価した。
◎:基板収納容器として、優れた特性を有している。
○:基板収納容器として、使用可能である。
×:基板収納容器として、不適格である。
【0067】
【表1】
【0068】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、帯電防止層が水洗、拭き取られた後にも機能減衰、脱離、ブリードすることがなく、製造当初の帯電防止性を持続することができるという効果がある。また、衝撃や振動等の外部応力が作用しても、割れや剥離を抑制防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る基板収納容器の実施形態を示す斜視説明図である。
【図2】本発明に係る基板収納容器の実施形態を示す分解斜視説明図である。
【図3】本発明に係る基板収納容器の実施形態における傾斜的な帯電防止層を示す説明図である。
【図4】本発明に係る基板収納容器の第2の実施形態を示す斜視説明図である。
【符号の説明】
1 外箱(容器)
2 リブ片(容器の一部)
3 内箱(容器)
5 蓋体(容器の一部)
5A 蓋体(容器の一部)
6 押さえ体(容器の一部)
7 帯電防止層
10 フロントオープンボックス(容器)
W 半導体ウェーハ(基板)[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a substrate storage container used when transporting and storing semiconductor wafers and the like, and more particularly, when various external stresses act on an antistatic layer of the substrate storage container, there is no cracking or peeling, and the substrate is washed with water. The present invention relates to a substrate storage container capable of maintaining excellent antistatic performance without losing function, detaching, or bleeding during wiping, and a method for manufacturing the same.
[0002]
[Prior art]
The substrate storage container used in the semiconductor manufacturing process is not shown, but generally a resin composition having excellent moldability, for example, polypropylene, polycarbonate, polybutylene terephthalate, polybutylene naphthalate, polyetherimide, polyetheretherketone, It is formed of fluororesin or the like.
However, substrate storage containers using these resins have a serious problem that they are easily charged with static electricity because of their high surface resistance. The substrate storage container charged with static electricity induces crystal defects and loss of electrical characteristics of the semiconductor wafer, and attracts minute foreign matters floating in the atmosphere. This will contaminate the surface. Therefore, in order to prevent these problems, a substrate storage container having an antistatic function is required.
[0003]
Conventionally, as a method of adding an antistatic function to a substrate storage container, a method of adding conductive carbon black fibers to polypropylene (see Patent Document 1) and a method of adding carbon fibers to polybutylene terephthalate (see Patent Document 2) A method of adding conductive carbon black to polyetheretherketone (see Patent Document 3) and a method of adding carbon black to aliphatic polyketone (see Patent Document 4) have been proposed.
[0004]
By adding such conductive material such as carbon black, carbon fiber, or conductive metal powder to the substrate container, antistatic properties can be achieved. However, the conductive material added to the resin composition of the substrate container may be used. The conductive material scatters, peels off, and falls off from the surface of the substrate storage container, becomes a new generation source of fine foreign matter, and newly raises a large problem of increasing dust generation. Further, organic substances and ionic residual substances contained in the conductive material leak and cause contamination of the surface of the semiconductor wafer, which is not preferable. Furthermore, since the color tone of the resin composition becomes black and the substrate storage container becomes opaque due to the addition of the conductive material, the semiconductor wafer in the substrate storage container may not be recognized or identified.
[0005]
A method of adding a conductive polymer as a conductive material to a resin composition of a substrate storage container has been proposed (see Patent Document 5). However, since a conductive polymer is used as a conductive filler, conductive carbon is used. It is not preferable for the same reason as when black, carbon fiber, or conductive metal powder is added. Also, when molding the substrate storage container, the material resin is melted near the melting point using an injection molding machine, and the molten material resin is injected into a lower temperature mold, cooled and solidified to obtain a product. Although a molding method is mainly adopted, a problem arises in that the conductive polymer is decomposed at the time of the injection molding and the function of the conductive material is impaired.
[0006]
As another method, a method has been proposed in which an alkylphosphonate compound is added as an internally added antistatic agent to a resin composition of a substrate container (see Patent Document 6).
However, low-molecular-weight antistatic agents such as alkyl phosphonate compounds have excellent antistatic performance, but have poor water resistance, so they are easily detached and bleed out by washing and wiping the substrate storage container. The effect is diminished. Also, the leaked low-molecular-weight antistatic agent is not preferable because it causes surface contamination of the semiconductor wafer.
[0007]
For the low-molecular-weight antistatic agent, a high-molecular-weight antistatic agent such as polyetherester, polyetheramide, polyetheresteramide, or polyetheramideimide is added to the resin composition as an internally added antistatic agent. A method (see Patent Document 7) has been proposed.
However, these polymer type antistatic agents are excellent in antistatic performance, but are inferior in heat resistance and cause discoloration of the resin composition during molding. Furthermore, since the polymer type antistatic agent has poor compatibility with the resin composition, there is a concern that the polymer composition may lower excellent physical properties such as mechanical properties of the resin composition.
[0008]
In contrast to the above-described method of kneading an antistatic agent into the resin composition of the substrate storage container, a method of applying a conductive paint to the resin composition has also been proposed. As a method using a conductive paint, there is proposed a method in which an antistatic coating liquid composition in which a π-electron conjugated conductive polymer is dispersed in a self-emulsifying polyester resin is prepared and applied to the resin (see Patent Document 8). However, since a water-soluble resin or a water-absorbing resin is used as the binder resin, the water resistance is very poor. A conductive paint in which an epoxy-containing alkoxysilane compound is added to a conductive paint for the purpose of improving the adhesion of a π-electron conjugated conductive polymer (see Patent Document 9) has also been proposed. As a result, the conductive paint gels and the long-term storage stability is impaired. In addition, there is room for doubt about the water resistance of the coating film.
[0009]
Further, a water-soluble compound having an amide bond or a hydroxyl group and an epoxy-containing alkoxysilane compound are added to an aqueous dispersion of a conductive polymer and a self-emulsifying polyester resin to form a coating film having excellent adhesion and water resistance. (See Patent Document 10) has also been proposed.
However, in the case of this configuration, since the resin composition and the coating film are simply in contact with each other, the resin composition is very fragile, and has an external stress such as impact or vibration, and further, a difference in linear expansion coefficient between the resin composition and the binder resin. There is a problem that cracking and peeling easily occur.
[0010]
[Patent Document 1]
JP-A-6-291177
[0011]
[Patent Document 2]
JP-A-8-88266
[0012]
[Patent Document 3]
JP-A-9-36216
[0013]
[Patent Document 4]
JP-A-11-3931
[0014]
[Patent Document 5]
JP-A-8-293536
[0015]
[Patent Document 6]
JP-A-62-230835
[0016]
[Patent Document 7]
JP-A-6-57153
[0017]
[Patent Document 8]
JP-A-6-295016
[0018]
[Patent Document 9]
JP-A-6-73271
[0019]
[Patent Document 10]
JP-A-2002-60736
[0020]
[Problems to be solved by the invention]
Since the conventional substrate storage container is configured as described above, if the antistatic layer is washed or wiped off, attenuation, desorption, and bleeding of the function occur, and the excellent antistatic performance at the beginning of manufacturing is obtained. There is a problem that it is difficult to sustain. Furthermore, when impacts, vibrations, and the like act, there are many possibilities that cracks or peeling may occur.
[0021]
The present invention has been made in view of the above, and even when washing and wiping the antistatic layer, the function does not decay, desorb, or bleed, so that the antistatic performance at the beginning of the production can be maintained, and further, the external stress It is an object of the present invention to provide a substrate storage container which does not crack or peel even if the change occurs, and a method of manufacturing the same.
[0022]
[Means for Solving the Problems]
In the present invention, in order to achieve the above object, in a container made of a resin composition, a substrate is stored,
It is characterized by comprising a substantially transparent antistatic layer formed in a container and at least a π-electron conjugated conductive polymer contained in the antistatic layer.
Incidentally, a gradient can be given to the component concentration of the antistatic layer, and the components of the antistatic layer can be gradually made into the resin composition of the container.
[0023]
Further, a binder resin can be contained in the antistatic layer.
Further, the total light transmittance can be 80% or more, and the haze value (cloudiness value) can be 10% or less.
[0024]
Further, according to the present invention, in order to achieve the above object, a method for manufacturing a container containing a substrate,
The container is treated with a coating liquid composed of an organic solvent capable of dissolving the resin composition of the container and the π-electron conjugated conductive polymer, and the π-electron conjugated conductive polymer is dissolved and adhered to the resin composition of the container. To form a substantially transparent antistatic layer.
[0025]
Here, the container in the claims is a type that accommodates at least an inner box for storing a substrate in an outer box, a process cassette type, an open cassette type, a carrier type, a front open box type (for example, FOSB or FOUP), and a mask case. , A liquid crystal cell case, etc., with or without a lid. The opening of this container may be only the upper and lower surfaces, the front and rear surfaces, the upper surface, or only the front surface. The opening of the container may or may not be opened and closed by the lid, but when it is opened and closed by the lid, the lid can incorporate a locking latch mechanism. The substrate includes at least one or more semiconductor wafers (for example, 6-inch, 8-inch, and 12-inch silicon wafers), photomask glass, and the like.
[0026]
The antistatic layer can be applied and formed on the surface of the container, but can also be formed on a part of the container if the object can be achieved. Substantially transparent of the antistatic layer includes both transparent and translucent. This antistatic layer is preferably free from cracks and peeling after the water resistance test JIS K 5400 8.19 at 25 ° C. for 24 hours, and the rate of increase in surface resistance is preferably less than 10 times. Further, it is preferable that there is no crack or peeling in the water resistance test JISK 5400 8.32. "Grading the component concentration of the antistatic layer to gradually make the components of the antistatic layer into the resin composition of the container" means that the components of the antistatic layer are formed with a gradient, in other words, It means that the concentration distribution of the components of the prevention layer has gradation.
[0027]
According to the present invention, an antistatic layer is formed on at least a part of the container, and at least the antistatic layer contains a π-electron conjugated conductive polymer having an antistatic function, and the concentration of the component in the antistatic layer is reduced. To gradually reduce the components of the antistatic layer to the resin composition of the container, so that even if the antistatic layer is washed with water or wiped off, it is possible to suppress functional attenuation, desorption, and bleeding. . In addition, even if external stress such as impact or vibration acts on the container, cracking and peeling can be suppressed by making the component concentration of the antistatic layer gradient.
[0028]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, a preferred embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings. As shown in FIGS. 1 to 3, a substrate storage container according to the present embodiment includes A plurality of inch-sized semiconductor wafers are aligned and stored via
[0029]
The substrate storage container, in other words, the outer box 1, the inner box 3, the
[0030]
As the resin composition of the outer box 1, the inner box 3, the
[0031]
The resin composition is required to reduce as much as possible organic substances and ionic residual substances which become a contamination source of the semiconductor wafer. For this reason, it is important to remove and purify the remaining reaction catalyst and volatile organic components such as oligomers from the viewpoint of quality characteristics. In the resin composition, various additives such as an antioxidant, a neutralizer, a plasticizer, a flame retardant, and an ultraviolet absorber, and a reinforcing filler can be used as a resin modifier. However, in order to prevent contamination of the semiconductor wafer, it is preferable to keep the amount to the minimum necessary for exhibiting the resin modification characteristics.
[0032]
An organic solvent that dissolves the resin composition, that is, a good solvent, must be appropriately selected depending on the type of the resin composition used. Specifically, halogenated hydrocarbons such as methylene chloride and chloroform; ketones such as acetone, methyl ethyl ketone, methyl isobutyl ketone and cyclohexanone; ethers such as diethyl ether and tetrahydrofuran; esters such as ethyl acetate and butyl acetate; , Xylene, aromatic hydrocarbons such as benzene, nitriles such as acetonitrile, N-methylpyrrolidone, dimethylsulfoxide, dimethylsulfoxide, dimethylformamide, dimethylacetamide, etc., and these can be used alone or in combination. it can.
[0033]
In order to control the dissolution rate of the resin composition, the organic solvent used may be a mixture of a good solvent having a high solubility in the resin composition and a poor solvent having a low solubility in the resin composition. When a mixture of a good solvent and a poor solvent is used, the
[0034]
Here, as an example of a parameter that defines a good solvent and a poor solvent of the resin composition, that is, a solubility, there is a solubility parameter (SP value) δ shown in Expression 1. Polar resin compositions tend to be soluble in polar solvents and less soluble in non-polar solvents, whereas non-polar resin compositions tend to be the opposite. A parameter for determining the strength of the affinity is the SP value. Generally, the closer the SP value of the resin composition and the solvent molecule is, the higher the solubility tends to be.
[0035]
δ 2 = ΔE / V (ΔE is the cohesive energy of liquid molecules, V is the molar volume) (Equation 1)
[0036]
For example, when a polycarbonate having a polar group is used as the resin composition, the polycarbonate has poor solvent resistance and easily becomes cloudy and deforms when contacted with the organic solvent. In other words, by preparing a coating solution using an organic solvent having a similar SP value, the
[0037]
When polyetheretherketone, polyetherketone, or the like is used as the resin composition, it has a hydrophobic non-polar group and is excellent in solvent resistance. Therefore, as a good solvent, N-methylpyrrolidone, dimethylformamide, dimethyl Although it is limited to acetamide or the like, since the dissolution rate of the resin composition is easily controlled, the
[0038]
The time for bringing the coating liquid into contact with the resin composition is optimally 3 to 600 seconds, preferably 5 to 60 seconds. This is because, if the contact time is shorter than 3 seconds, the coating liquid is insufficiently dissolved in the resin composition, and the uniform and accurate
[0039]
In addition to these, the dissolution rate is controlled by performing a surface modification treatment of the resin composition in advance using a known method, such as surface roughening, corona treatment, plasma treatment, primer treatment, or anchor coat treatment. It is also possible. Activating the surface of the resin composition using external energy such as ultrasonic waves is also effective in controlling the dissolution rate. When applying to a resin composition having poor wettability, a coating liquid may be repelled on the surface of the resin composition and pinholes may be generated. In this case, improvement can be achieved by adding a binder resin or a surfactant to the coating liquid. As the binder resin, the above resin composition can be used, and the same material as the substrate storage container or a different material can be used. The solvent for dissolving the binder may be the same as or different from the solvent for dissolving the conductive polymer, but it is necessary that the conductive polymer and the binder resin be compatible.
[0040]
Examples of the surfactant include anionic surfactants such as sodium alkylbenzene sulfonate, sodium alkyl sulfonate, and sodium alkyl sulfate, polyoxyethylene alkyl ether, polyoxyethylene alkyl phenolate, polyoxyethylene / polyoxypropylene glycol, and the like. And non-ionic surfactants and fluorine-based surfactants such as fluoroalkyl carboxylic acid, perfluoroalkyl carboxylic acid, perfluoroalkyl benzene sulfonic acid, perfluoroalkyl quaternary ammonium, and perfluoroalkyl polyoxyethylene ethanol. Can be Preferably, a nonionic surfactant having a low ionic residue is selected.
[0041]
The π-electron conjugated conductive polymer contained in the
[0042]
The 5-membered heterocyclic ring includes pyrrole, thiophene, furan, indole and derivatives thereof, for example, N-methylpyrrole, N-ethylpyrrole, 3-methylpyrrole, 3-methoxypyrrole, 3-octylpyrrole, 3-octylpyrrole, Decylpyrrole, 3,4-dimethylpyrrole, 3-hexylpyrrole, methyl 3-methyl-4-pyrrolecarboxylate, 3-methylthiophene, 3-methoxythiophene, 3-butylthiophene, 3,4-dimethylthiophene, 3- Dodecylthiophene, 3-thiophene-β-ethanesulfonate, 2,3-dihydrothieno (3,4-b) -1,4-dioxin, 3-methylfuran, 3-methylindole, and the like, The present invention is not limited to these, and a single or multiple monomers may be copolymerized and used. It is. In particular, a derivative having a long side chain of 3 or more carbon atoms at the β-position of the 5-membered heterocyclic compound is not highly conductive, but has excellent compatibility.
[0043]
The monomer before polymerization of the conductive polymer is polymerized into a polymer having a degree of polymerization of about 10 to 1000 using an oxidation polymerization catalyst. If the degree of polymerization is low, the conductivity is low, so that a large amount of a conductive polymer is required as the
[0044]
Since the polymerization catalyst is an ionic residual substance, it is necessary to remove the polymerization catalyst by ion exchange, dialysis or the like after completion of the polymerization. When it is desired to improve the conductivity of the π-electron conjugated polymer, a dopant may be added. For this, organic electron-donating compounds such as fullerene, tetracyanoquinodimethane, and tetracyanotetraazanaphthalene can be used, which is very preferable because there is no ionic residual substance.
[0045]
The π-electron conjugated conductive polymer must be dissolved in a solvent or binder resin that dissolves the resin composition in order to improve transparency. Since the organic conductive polymer is generally an insoluble and infusible polymer, a coating liquid in which a π-electron conjugated conductive polymer is dispersed and blended as conductive fine particles is inferior in transparency and haze value, and is therefore preferable. Absent. When a binder resin is added to improve wettability, depending on the type of the binder, even if the π-electron conjugated conductive polymer is solubilized due to its polarity, intermolecular force, etc., it may be separated and aggregated. There is something to do. This case can be solved by using a compatibilizer or a surfactant.
[0046]
The content of the π-electron conjugated conductive polymer in the coating liquid for forming the
[0047]
In order to form the
[0048]
The drying temperature varies depending on the type of the solvent and the heat resistance of the resin composition, but the most preferable method is to circulate hot air so that the temperature of the resin surface becomes 50 to 160 ° C. to quickly volatilize the solvent. Here, if the entire resin composition is heated at a high temperature in an oven or the like, the dissolution of the resin rapidly progresses, and the resin composition may be clouded or deteriorated. The thickness of the
[0049]
This is based on the reason that when the film thickness is smaller than 0.01 μm, a desired resistance value cannot be obtained, or a pinhole is generated during coating. Conversely, when the film thickness is more than 10 μm, it takes a long time for drying, it is difficult to control the contact time between the good solvent and the resin composition, and the film thickness tends to vary. The thickness of the
[0050]
The state of the minute interface between the surface of the resin composition and the
[0051]
The substrate storage container is composed of a resin composition having excellent transparency and the
[0052]
According to the above configuration, a transparent
[0053]
In the above embodiment, a transparent
[0054]
Next, FIG. 4 shows a second embodiment of the present invention. In this case, a front
[0055]
【Example】
Hereinafter, examples of a substrate storage container and a method of manufacturing the substrate storage container according to the present invention will be described together with comparative examples.
In each of Examples 1 to 3 and Comparative Examples 1 to 3, substrate storage containers were prepared, and the transparency, surface resistance, appearance, and overall evaluation of each substrate storage container were evaluated based on the following evaluation methods. The results are summarized in Table 1. The storage test was evaluated after standing at 23 ° C. and 50% RH.
[0056]
Example 1
First, a polypropylene resin was selected as a resin composition, a resin temperature of 230 ° C., a mold temperature of 50 ° C., and an injection pressure of 1,500 kg / cm. 2 To produce a substrate storage container. Then, the following coating solution A was provided in a thickness of 3 μm on the surface of the resin molded body of the substrate storage container by spray coating to obtain a substrate storage container of this example.
[0057]
Preparation of coating liquid A
Aniline and a sulfonating agent as a π-electron conjugated conductive polymer, and dodecylbenzenesulfonic acid as a compatibilizer were added, and ammonium persulfate was gradually added as an oxidation polymerization catalyst while stirring at a low temperature to prepare a uniform aqueous polyaniline solution. Methanol was added to this aqueous solution to precipitate polyaniline. The precipitate is repeatedly washed with pure water to eliminate ionic residual substances, and then the precipitate is dissolved in toluene and methyl ethyl ketone (mixing ratio 50:50) to prepare a toluene / methyl ethyl ketone solution of 5.0 mass% polyaniline in toluene / methyl ethyl ketone. did.
[0058]
Example 2
First, a polyetheretherketone resin is selected as a resin composition, and a resin 400 ° C., a mold temperature 170 ° C., an injection pressure 1,500 kg / cm. 2 To produce a substrate storage container. Then, the following coating liquid B was provided on the surface of the resin molded body of the substrate storage container by spray coating to a thickness of 0.5 μm to obtain a substrate storage container of this example.
[0059]
Preparation of coating liquid B
As a π-electron conjugated conductive polymer, an aqueous solution of polydioxythiophene (trade name: ORGACON, manufactured by Agfagewald) subjected to ion exchange and dialysis to remove ionic residual substances is used, and this aqueous solution is subjected to N, N-dimethylacetamide. A DMAC solution containing 1.0% by mass of polydioxythiophene solvent-substituted with the following (DMAC) was prepared. Here, in order to control the dissolution rate, a DMAC solution of polydioxythiophene containing 1.0% by mass of ethanol as a poor solvent was added to obtain a solution of 0.5% by mass of DMAC / ethanol (50:50) of polydioxythiophene, A dark blue transparent coating solution B that was uniformly dissolved was prepared.
[0060]
Example 3
A polycarbonate resin was selected as the resin composition, and the resin was 260 ° C., the mold temperature was 100 ° C., and the injection pressure was 1,200 kg / cm. 2 To produce a substrate storage container. Then, the following coating liquid C was applied by spray coating to a thickness of 1 μm on the surface of the resin molded body of the substrate storage container to obtain a substrate storage container of this example.
[0061]
Preparation of Coating Liquid C
As a π-electron conjugated conductive polymer, an aqueous solution of polydioxythiophene (trade name ORGAGON, manufactured by Agfagewald) subjected to ion exchange and dialysis to remove ionic residual substances was used, and this aqueous solution was solvent-substituted with DMAC. A DMAC solution containing 1.0% by mass of polydioxythiophene was prepared. Separately from this, a binder resin solution prepared by dissolving polyethersulfone as a binder resin in DMAC and having a solid content of 8.18% by mass is prepared in advance, and a DMAC solution of polydioxythiophene and a binder resin are prepared. By mixing equal amounts of the solution, a DMAC solution of polydioxythiophene / polyethersulfone (solid content: 5% by mass, polydioxythiophene: polyethersulfone = 1: 99) was prepared.
[0062]
Comparative Example 1
The precipitate of polyaniline produced in Example 1 was molded into a shape suitable for injection molding by a press or the like. A composite material in which polyaniline was mixed with polypropylene resin so as to be 10% by mass was injection-molded in the same manner as in Example 1 to obtain a substrate storage container of this comparative example.
[0063]
Comparative Example 2
A substrate storage container was injection-molded in the same manner as in Example 2, and the following coating liquid D was provided on the surface of the substrate storage container by spray coating to a thickness of 1 μm to obtain a substrate storage container of this comparative example.
Preparation of coating liquid D
As a π-electron conjugated conductive polymer, a water / isopropyl alcohol solution of polydioxythiophene (trade name: Denatron P-502S, manufactured by Nagase & Co., Ltd.) is subjected to ion exchange and dialysis to remove ionic residual substances. The conductive polymer was adjusted to be 1.2% by mass to prepare a uniform light blue transparent coating solution D.
[0064]
Comparative Example 3
A substrate storage container was injection-molded in the same manner as in Example 3, and the following coating solution E was provided on the surface of the substrate storage container by spray coating to a thickness of 2 μm to obtain a substrate storage container of this comparative example.
Preparation of coating liquid E
100 parts of a polyester emulsion (manufactured by Toyobo Co., Ltd., trade name: Vinaroll MD-1200, solid content: 34% by mass) are ion-exchanged and dialyzed as a π-electron conjugated conductive polymer to remove ionic residual substances. An aqueous solution of oxythiophene (trade name: ORGACON, manufactured by Agfagewald) was added so that the π-electron conjugated conductive polymer became 1.0% by mass, and a pale navy blue transparent coating solution E uniformly dissolved was prepared.
[0065]
Evaluation method
(1) Measurement of transparency
The measurement was performed using HR-100 manufactured by Murakami Color Research Laboratory.
A: Total light transmittance
B: Haze
(2) Surface resistance
The surface resistance before and after the water resistance test (implemented at 25 ° C. for 24 hours in accordance with JIS K 5400 8.19) was measured using Hiresta UP manufactured by Diamond Instruments (measured voltage: 100 V).
[0066]
(3) Appearance
The impact resistance test was performed according to JIS K 5400 8.32 Dupont type impact test (φ1 / 2 inch, 500 g, 50 cm), and the surface state after the test was observed.
:: No cracking or peeling of antistatic layer
×: Cracking and peeling occurred in the antistatic layer
(4) Comprehensive evaluation
Based on the results of the above evaluations, the suitability as a substrate storage container was evaluated according to the following criteria.
:: Excellent characteristics as a substrate storage container.
:: Can be used as a substrate storage container.
X: Not suitable as a substrate storage container.
[0067]
[Table 1]
[0068]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the antistatic layer is washed with water, and even after being wiped off, there is no effect of functional attenuation, desorption, and bleeding, and the antistatic property of the initial production can be maintained. . Further, even if external stress such as impact or vibration acts, cracking and peeling can be suppressed and prevented.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory perspective view showing an embodiment of a substrate storage container according to the present invention.
FIG. 2 is an exploded perspective view showing an embodiment of the substrate storage container according to the present invention.
FIG. 3 is an explanatory view showing a tilted antistatic layer in the embodiment of the substrate storage container according to the present invention.
FIG. 4 is an explanatory perspective view showing a second embodiment of the substrate storage container according to the present invention.
[Explanation of symbols]
1 outer box (container)
2 rib pieces (part of container)
3 inner box (container)
5 Lid (part of container)
5A Lid (part of container)
6 Holding body (part of container)
7 Antistatic layer
10 Front open box (container)
W Semiconductor wafer (substrate)
Claims (5)
容器に形成される略透明の帯電防止層と、少なくともこの帯電防止層に含有されるπ電子共役系導電性高分子とを含んでなることを特徴とする基板収納容器。A container containing a resin composition, a substrate storage container for storing a substrate,
A substrate storage container comprising: a substantially transparent antistatic layer formed on a container; and at least a π-electron conjugated conductive polymer contained in the antistatic layer.
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