JP2004314000A - Oil-water separator - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、グリストップとも呼ばれ、油の混入した水から、油を回収するための装置であり、ガソリンスタンド、洗車場、油を利用する工場などで用いられるのに適した油水分離槽に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
油水分離区画に油が混入した排水を滞留させて、油は水との比重の差により油水分離する分離槽が知られている。多くの分離槽では、1つの分離槽の中を堰により分割して複数の分離区画を設け、1つの分離区画で分離された油が次の区画に移動しないようにして、水だけを移動し、油分の少ない排水が流出するようにしている。
【0003】
油水分離槽のうち、レストランに用いられる油水分離槽は比較的小型である。調理場などからの排水の油を取り除く目的であり、主として屋内に設けられ、雨水などの大量の排水が混入しないように設置されているからである。他方、ガソリンスタンド、駐車場、洗車場あるいは油を利用する工場などに用いられる分離槽は大型である。ガソリンスタンドや洗車場などは、屋外に漏れた、あるいは屋外でこぼれた油が、大量の雨水や洗浄水と共に排出されるのを防止するためであり、処理する排水量が大きくなるからである。
【0004】
レストランに用いられている小型の分離槽は、全長が1m以下、幅40cm以下、深さ50cm以下が主流であり、FRPやステンレススチールなどの加工が容易な材質で形成されている。そして、槽内を横切るように取り付けられた板状の部材により下側に開口部がある堰(潜り堰)が形成され、槽内が複数の分離区画に区切られている。水は、堰の下部に設けられた開口部より、次の区画へと移動し、分離された油は、軽いため浮き上がり、次の区画には移動できない。さらに、最初の区画には、取り外し可能なステンレススチール製などの篭が設置されており、排水に含まれる残飯などの固形物を回収できるようになっている。
【0005】
これに対して、ガソリンスタンド、洗車場、油を利用する工場などに用いられる分離槽は、大型なので、コンクリートによる現場打ち製造あるいは、コンクリート二次製品により設置されている。駐車場などに降る雨水も油分と一緒に呑み込んで分離するためには、大きな容量が必要となり、1つの区画のサイズは内径(方形の場合はたとえば一辺の長さ)が600mm、深さが1200mmで、4つの区画が縦一列あるいは田の字型に繋がった4連程度の構成が多く採用されている。駐車場が大きい場合は、このサイズの分離槽を複数設置している。あるいは、更に大きなサイズのものが設置されている。
【0006】
4連の槽の一辺の長さが、2500mm程度となると、その側壁に加わる土圧が大きく、複数の区画に分割した構成は、土圧に対抗する支えの役割をも果たしている。特に、油水分離槽が屋外の車の通行する場所に設置される場合は、土圧に加えて輪荷重も加わるので、強度の高い構造は有利である。コンクリートで油水分離槽を製造する場合、下側に開口部がある堰で区画を分離することは経済的ではない。側壁と下端が揃わない壁を作ることは面倒であり、また、大きな土圧が加わる側壁の下側を分離壁で支持できないことになり、側壁を下だけ厚くするなどの対策を施す必要がある。
【0007】
これに対し、実開平7−12585号では、区画の仕切壁の上部に連通管を埋設し、塩ビ製の配管を下方に延ばして、水を下側から流入させ、次の区画の上方に移動している。この方式は、油水分離に効果があるだけではなく、沈砂の効果も得られる。すなわち、雨が降ると一挙に沢山の雨水が流れ込むので、流速が大きく、下側に開口部を設けて複数の区画を連通しておくと、泥や油は、その開口部から次の区画へ移動してしまうのに対し、各区画で下から排水して、上から流入するようにすれば、泥や油が短絡して移動することを抑制できるからである。
【0008】
【特許文献1】
実開平7−12585号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、各分離区画に沈んだ泥や砂を回収する必要がある。しかしながら、細かい泥や砂が流入するため、篭によりそれらを回収できない。したがって、篭を設置することは少なく、篭を設置したとしても、それは大きなごみを回収するためである。このため、ガソリンスタンド、洗車場あるいは油を利用する工場などに用いられる分離槽は、定期的に中に入って泥の掃除が必要となる。深さが1200mm程度のものであれば、分離区画の底に油とともにこびりついた泥は作業員が中に入ってスコップにより取り出さなければならない。
【0010】
しかしながら、塩ビ製の配管を下方に延ばした方式の分離槽では、配管を仕切壁の連通孔に接続するためのエルボが掃除の邪魔になる。たとえば、図8に示した分離槽90においては、各分離区画91を仕切る壁92に配管の外径よりも大きめな孔93が設けられており、切断された短い塩ビ製の直管94を入れた後にモルタルなどで隙間を埋める。この短い管94にエルボと称される90度曲がりの配管95を取り付け、エルボ95の下側に底に向かって延びる直管96を取り付ける。これにより、分離区画91に流入した排水1のうち、油分2との比重差により分離された水3が塩ビ管96、95および94を介して次の分離層91に移動し、次々と油水分離が行われる。同時に、砂や泥5が各分離区画91の底に溜まる。
【0011】
したがって、砂や泥5を除去しないといけないのであるが、配管95および96が分離区画91の中ほどまで大きく張り出してしまい、作業員が入るスペースを確保しにくい。たとえば、口径200mm程度の配管であると、ほぼ300mm程度張り出すので、内径が600mm程度の断面の分離区画であると、作業員が内部で作業するスペースはほとんどなく、掃除するのが大変に難しい。
【0012】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明においては、断面がほぼコの字型またはアーチ型の平たい部材を側壁に取り付けることにより側壁を流路の一部として利用し、側壁に沿って下方から上方に排水を導く排水路を構成する。すなわち、本発明においては、排水を滞留させて油水を分離する、少なくとも1つの油水分離区画と、その油水分離区画を構成する側壁の上方に設けられた流出孔と、側壁に沿って流出孔の上方から当該油水分離区画の下方に向かって延び、水平方向の断面は側壁に沿った幅方向が長いほぼコ字型またはアーチ型の部材であって、側壁の下方から流出孔に至る排水路を形成する流路形成部材とを有する油水分離槽を提供する。
【0013】
コ字型またはアーチ型で平たい流路形成部材を壁面に取り付けることにより、壁面に沿って、壁面からの張り出しが非常に少ない排水路を形成できる。また、この流路形成部材は、断面がコ字型なので水圧に強く、平たくて薄い排水路であっても水圧によって変形することがなく、十分な流路断面を持った排水路を形成できる。したがって、排水路の断面積としては、配管を敷設したときと同じであっても、排水路が壁に付いたので、油水分離区画の内部、とくに中央部分が広く使えるようになり、作業員が入ってメンテナンスができる空間を確保できる。
【0014】
さらに、排水路が壁面に付くので、分離区画から排水が流出する位置が壁面にもっとも近くなり、流入位置から排水位置まで滞留距離をもっとも長くできる。したがって、各油水分離区画における油水の分離性能も向上するという効果が得られる。
【0015】
分離区画を仕切る側壁、すなわち、仕切り壁に沿って薄い排水路を作る際に、縦横比(アスペクト比)の小さな配管を特別に製造しても良い。しかしながら、特注管は製造費用がかさみ経済的とは言えない。さらに、配管を曲げて仕切り壁に設けられた流出孔に繋ぐのでは、エルボに類似した配置になり分離区画の面積を開放するという効果は得られにくい。配管の側面に孔を開けて流出孔に一致するように施工するためには、たとえば、流出孔の反対側から見て孔同士を位置あわせする必要があり、複数の作業員が必要となる面倒な作業となる。
【0016】
また、仕切り壁に平行して、下方が開口になった堰をコンクリートやステンレススチールで設けても良い。しかしながら、コンクリートで堰を作ろうとすると、その厚みが、滞留距離の点でも重量の点でも無駄になる。一方、ステンレススチールなどの薄い板材を単純に仕切り壁と平行して区画を区切るように取り付けたのでは水圧で簡単に凹んでしまい、希望する形状の排水路を確保できない。
【0017】
これらに対し、本発明の油水分離槽であれば、断面がコ字型の流路形成部材を用いるので、流出孔との間で精度の良い位置合わせは要求されない。また、部材自体は薄くても形状的に強度は高くなる。このため、ステンレススチールまたは防錆鋼板などの薄い部材で流路形成部材を製造することができ、低コストで供給できる。さらに、流路形成部材は配管ではなく、側壁の一部を用いて流路を形成するようになっているので、板材を簡単に加工することで製造できる。したがって、ステンレススチールなどの対候性の高い素材を用いて低コストで流路形成部材を供給でき、油や紫外線によって劣化しやすい塩ビ管に変わり、寿命が長く、流路形成部材自体のメンテナンスはほとんど不要な油水分離層を提供できる。
【0018】
また、断面がコ字型またはアーチ型の部材は壁面に着脱しやすい。たとえば、壁面に密着する部分をコ字型やアーチ型に外側に曲げてだして全体としてΩに近いような形状にすることが可能であり、側壁に、流路形成部材を取り付けるためのインサートを埋設しておくだけで、流路形成部材は、側壁に簡単に着脱できる。したがって、コンクリート製の油水分離層に取り付けることが簡単であり、メンテナンスの時に流路形成部材を取り外して区画内の作業空間をさらに広くできる。また、従来の塩ビ管を用いたコンクリート製の油水分離槽に本発明の流路形成部材を取り付けることにより、簡単に本発明の油水分離槽にすることができる。
【0019】
流路形成部材は、側壁との間にクッション材を挟んで取り付けることも可能である。油水分離区画の側壁が必ず垂直あるいは鉛直になっているとはかぎらず、クッション材により誤差を吸収することができる。ほとんどのコンクリート製の槽は、型枠からの抜きを考えると内面がテーパー状になっており、それに対応することができる。単純なテーパー形状であればクッション材がなくてもほぼ対応できるかもしれないが、深さが2500mm程度になると、油水分離槽を上下2つに分けて製造する可能性があり、その場合は、側壁の上下でテーパーの向きが異なる可能性がある。これに対してもクッション材を入れることにより、流路形成部材を側壁に沿ってほぼ密着した状態で取り付けることができる。
【0020】
複数の油水分離区画を有する油水分離槽では、各々の油水分離区画の流出口をジグザグに配置して滞留距離を大きくすることができる。本発明の流路形成部材は、流出口の位置がジグザグになってもそれに対応してジグザグに取り付けることが可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明をさらに詳しく説明する。図1に本発明に係る油水分離槽10の外観を示してある。さらに、図2に、この油水分離槽10の平面的な構成を平断面により示してある。この分離槽10は、4つの油水分離区画11が長手方向に連結された4連の分離槽であり、個々の分離区画の構造は、図3に、拡大した断面により示してある。なお、油水分離槽10は、現場コンクリートあるいはプレハブされたコンクリートブロックにより形成されており、現場の地中9に埋設された状態で利用される。また、分離槽10の上部には、鉄板49などにより蓋が設置され、通常は閉じた状態で使われ、分離区画11のメンテナンスをするときに鉄板49が取り外される。
【0022】
各々の油水分離区画11は、断面がほぼ正方形のコンクリート枡であり、一方の側壁12が隣り合う油水分離区画11との仕切り壁となり、この仕切り壁12に形成された流出孔13を介して排水1が順番に流れ、油水分離される。すなわち、第1番目の油水分離区画11においては、油水分離槽10の前方の側壁10aを貫通した排水管15を通してガソリンスタンドなどからの排水1が流れ込む。そして、流出孔13を通して各油水分離区画11により排水1に混入した油2が分離され、油分を含まない状態となった排水3が油水分離槽10の後方の側壁10bを貫通する流出管13fを通って出力され、公共の下水などに排出される。
【0023】
油水分離区画11の仕切り壁12の前方(流入側)には、流出孔13をカバーするように、ステンレススチール製で、断面がほぼコの字型になるように加工された板材20が取り付けられている。この折り曲げられた板材20は流路形成部材であり、上下方向に長く、コ字型の両端を仕切り壁12の表面に取り付けることにより、仕切り壁12を流路の一部として利用し、仕切り壁12に沿って下方の底16から上方の流出孔13に排水を導く排水路19を構成している。
【0024】
図4に流路形成部材20が仕切り壁12に取り付けられた状態を拡大した断面で示すように、仕切り壁12に沿った幅方向の長さL1が仕切り壁12から張り出した長さ(奥行きあるいは突出長さ)L2より十分に大きい。従って、流路形成部材20を仕切り壁12に取り付けることにより、図5に示すように、仕切り壁12に沿って下方の底16に近い位置から上方の流出孔13に排水を流す平たい排水路19が形成される。
【0025】
図6(a)に、流路形成部材20を抜き出して示してある。この流路形成部材20は、排水路19を形成するコ字型の部分21の両側に、仕切り壁12に取り付けるためにコ字型の部分21から両側に取り付け代22が突き出た全体としてΩに近い形状をしている。また、取り付け代22の上下には取り付け孔23が2箇所ずつ設けられている。このため、図4に示すように、仕切り壁12に予め埋設されたインサート29に取り付け孔23の位置を合わせてボルト28で止めるだけで流路形成部材20は簡単に仕切り壁12に取り付けることができる。
【0026】
流路形成部材の形状はコ字型に限定されることはなく、図6(b)に示すようにアーチ型であっても良い。図6(b)に示す流路形成部材26は、アーチ型の部分27から両側に取り付け代22が突き出た形状になっており、水圧に対してコ字型と同様あるいはさらに強い形状であり、薄い水路19を壁に沿って確保することができる。
【0027】
仕切り壁12に流路形成部材20を取り付ける際は、ネオプレンラバーなどのクッション材25を挟み込んでおくことが望ましい。これは、流路形成部材20と仕切り壁12とを密着させて油水分離区画11の上部に滞留する油分が排水3に混ざり込まないようにするためである。
【0028】
例えば、図7に示すように、コンクリートにより槽を形成する場合、特に、耐久性型枠を用いて工場プレハブされたコンクリートブロックにより比較的大容量の槽を製造する場合、各々の油水分離区画11を形成するコンクリートブロック39をプレハブしておき、現場で必要な数だけ接続して油水分離槽10´を製造することが可能である。さらに、大型の油水分離槽になると、上部にマンホール41のあるスラブ(上壁)42を設けてメンテナンス用の出入り口を確保することが強度的にも経済的にも望ましい。したがって、各々のコンクリートブロック39はさらに上下2つのプレハブされたブロック31および32により構成される。これらのブロック31および32は、型枠からの抜き勾配を確保するために側壁の内面はテーパー状になり、鉛直とはならない。さらに、図7に示すように、上下2つのプレハブされたコンクリートブロック31および32を組み合わせて油水分離槽10´を形成する場合は、上下のブロック31および32のテーパー33および34の向きが逆になる。
【0029】
したがって、複数のボックス39を連結して1つの油水分離槽を組み立てる連結型の油水分離槽においては、深さ方向で壁厚みが変動し、上下の厚みに対して中間では数mmから数cm程度の差が生ずる可能性がある。したがって、そのまま流路形成部材20を仕切り壁12となるボックス39の側壁36に取り付けると、壁面との間に隙間が生じ、油水分離した油2が漏れ込む可能性がある。また、本例の流路形成部材20は、断面がコ字型あるいはアーチ型という変形し難い形状を採用しているので、流路形成部材20を壁の厚みの変化に合わせて曲げることも難しい。これに対し、クッション材25を挟んで流路形成部材20を仕切り壁12に取り付けることにより、流路形成部材20を仕切り壁12に密着させることができ、油2の漏れ込みを防止できる。
【0030】
このように、本例の油水分離槽10では、各々の油水分離区画11の仕切り壁12に沿って平たい排水路19を設けて、分離区画11の下方に沈んだ油水分離された状態の排水3を仕切り壁12の上部にある流出孔13から次の分離区画11に供給している。この流路は、下方に開口があり、下方から上方に排水を流す潜り堰と、上方に開口がありオーバーフローした排水を流す乗り越え堰との組み合わせと考えることができ、大量の排水1が流れ込んでも分離された油分2がオーバーフローして次の分離区画11に流れ出してしまったり、流れ込んだ排水1に含まれる油分2がほとんど分離しないで次の分離区画11に移動することを防止できる。さらに、油水分離区画11が砂や泥のトラップとしても機能し、砂や泥を底16に堆積させることができる。
【0031】
さらに、コ字型の厚みの薄い流路形成部材20により、仕切り壁12に沿って薄い排水路19を形成しているので、排水路19が油水分離区画11にほとんど張り出さない。このため、油水分離区画11の底16に作業員が降りて溜まった泥や砂を排出するメンテナンス作業が極めて容易となる。地中9に埋設された油水分離槽10は、上側を鉄板49でカバーしたり、マンホール41に鋳鉄製の蓋43を設置することにより、槽内のメンテナンスが必要なときは上部を開放できるようになっている。図3に示した例では、油水分離槽10の上部を覆う鉄板49を取り外すことにより、また、図7に示した油水分離槽10´においてはマンホール41に設置された鋳鉄製の蓋43を開けることによりメンテナンスができる。そして、図8に示した配管を用いた油水分離槽と異なり、蓋43を開けて各油水分離区画11に作業員が降りるのに排水路19はほとんど邪魔にならない。
【0032】
さらに、コ字型あるいはアーチ型の薄い流路形成部材20は、単なる平板よりも流れに対抗する強度が高い。したがって、仕切り壁12に沿った薄い排水路19であっても、排水量が増えたときに流路の断面を確実に確保し、安定した排水を行うことができる。さらに、形状による強度が高いので、流路形成部材20を構成するステンレススチールの板厚は薄くても良く、低コストで軽量の流路形成部材を採用できる。流路形成部材20は亜鉛メッキ材などの防錆性鋼板であっても良い。また、FRPなどのプラスチックで形成することも可能であるが、プラスチックの場合は油脂により劣化する素材もあるので選択には注意が必要である。また、分離区画11の内部で泥や砂を排出するためにスコップなどの道具を用いて流路形成部材20に当たった場合は、プラスチックであると損傷しやすい。したがって、金属製の流路形成部材が好ましい。
【0033】
また、コ字型あるいはアーチ型の流路形成部材20を仕切り壁12に取り付けて、仕切り壁12も流路19を構成する壁面として利用している。このため、流路形成部材自身は、ダクトや配管などのようにそれ自身で流路を形成する部品である必要はなく、この点でも、流路形成部材20は、軽くて安価な部材により、効率よく油を分離できる槽構造となっている。
【0034】
さらに、コ字型あるいはアーチ型の流路形成部材20で仕切り壁12に沿った薄い排水路19を設けることにより、流入点、すなわち、排水管15あるいは前の分離区画11の流出孔12から、流出点、すなわち、次の分離区画11への流出孔12までの距離を稼ぐことができ、実質的な滞留時間を向上できる。計算上の滞留時間は、分離区画11の容量によって決まる。しかしながら、流入した油混ざりの排水1が短絡的に流れだす経路があると、次の分離区画11に供給される排水1については油水分離がほとんど行われず、実質的な油水分離効率は低い。したがって、配管が分離区画11の真ん中にあるような配置は望ましくない。これに対し、本例の油水分離槽10では、排水路19を仕切り壁12に沿って設けるので、滞留時間を大きく取れる。さらに、図2に示すように、本例の油水分離槽10では、分離区画11に流入する排水管15あるいは流出孔12と、次の分離区画11に排出する流出孔12の位置を長手方向に千鳥にして最短で排水が流れる距離をさらに延ばし、油水分離に有効な滞留時間を確保できるようにしている。
【0035】
また、断面がコ字型あるいはアーチ型の流路形成部材20は仕切り壁12の壁面に着脱しやすい。取り付け代22に設けた取り付け孔23を利用すれば簡単にねじ止めすることができる。また、流路形成部材20は、流出孔13に連結する必要はなく、流出孔13を塞ぐように取り付ければ良いだけなので、簡単である。さらに、流出孔13に連結する必要がないので、連結用のフィッティングを流出孔13に埋設して置く必要もなく、紙などの簡単なスリーブで流出孔13を施工できる。したがって、工場あるいは現場で簡単に流路形成部材20を取り付けることができ、分離区画11に作業員が入ったときに、さらに大きな作業空間がほしければ流路形成部材20を取り外すことができる。また、従来の配管により排水路を形成していたタイプの油水分離槽においても、配管を外してインサートを仕切り壁に埋め込むことにより簡単に本例の流路形成部材20を取り付けることができる。したがって、既に施工済みの油水分離槽を本発明に係る油水分離槽に改造することは容易である。
【0036】
なお、上記では、4つの油水分離区画11が長手方向に連結された油水分離槽に基づき本発明を説明しているが、油水分離区画11は3つ以下、例えば1つでも良く、また、5つ以上であっても良い。さらに、油水分離区画11を田の字型に組み立ててほぼ正方形の断面で4連の分離区画11を備えた油水分離槽を供給することも可能である。
【0037】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明においては、断面がコ字型あるいはアーチ型になった流路形成部材を壁面に取り付けて、壁面を流路の一部として利用して、壁面に沿った平たい排水路を形成している。したがって、油水分離区画において、区画内にほとんど張り出さない状態で分離済みの排水を上方に導く流路を形成することができ、作業員が侵入して作業をするためのメンテナンススペースを広く確保することができる。さらに、本発明に係るコ字型またはアーチ型の流路形成部材は、軽量で取り付けが簡単であり、従来、配管を用いて排水路を形成していた油水分離槽においても、本発明の流路形成部材を使用することにより、メンテナンススペースを簡単に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る油水分離槽の一例を示す斜視図であり、分離区画の内部を見せるために側壁の一部を欠いている。
【図2】油水分離槽の平面的な構成を示す長手方向の断面図である。
【図3】油水分離区画の垂直方向の構造を拡大して示す断面図である。
【図4】流路形成部材が壁面に取り付けられた状態を拡大して示す図である。
【図5】壁面に流路形成部材が取り付けられた様子を示す図である。
【図6】流路形成部材を示す図である。
【図7】連結型の油水分離槽の概略構造を示す図である。
【図8】従来の配管を用いて排水路を形成した油水分離槽の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 油水が混合した排水
2 油分
3 油分が分離された排水
5 泥や砂
10、10´ 油水分離槽
11 油水分離区画、12 仕切り壁(側壁)
13 仕切り壁を貫通する流出孔
15 排水管、16 油水分離区画の底
19 排水路
20 流路形成部材、21 コ字形の部分
22 取り付け代、25 クッション材[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an apparatus for recovering oil from oil-contaminated water, also called glystop, and relates to an oil-water separation tank suitable for use in gas stations, car washes, factories using oil, and the like. Things.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art There is known a separation tank in which wastewater mixed with oil is retained in an oil-water separation section, and oil is separated from oil and water by a difference in specific gravity with water. In many separation tanks, one separation tank is divided by a weir to provide a plurality of separation sections, and oil separated in one separation section is prevented from moving to the next section, and only water is moved. , So that the drainage with less oil content flows out.
[0003]
Among the oil-water separation tanks, the oil-water separation tank used in restaurants is relatively small. This is for the purpose of removing oil from drainage from a cooking place or the like, and is mainly provided indoors, and is installed so that a large amount of drainage such as rainwater is not mixed. On the other hand, separation tanks used in gas stations, parking lots, car washes, or factories that use oil are large. A gas station, a car wash, or the like is for preventing oil leaked to the outside or spilled outside from being discharged together with a large amount of rainwater or washing water, and the amount of wastewater to be treated becomes large.
[0004]
Small separation tanks used in restaurants generally have a total length of 1 m or less, a width of 40 cm or less, and a depth of 50 cm or less, and are made of a material that is easy to process such as FRP or stainless steel. Then, a weir (submerged weir) having an opening on the lower side is formed by a plate-shaped member attached so as to cross the inside of the tank, and the inside of the tank is divided into a plurality of separation sections. The water moves from the opening provided at the lower part of the weir to the next section, and the separated oil rises because it is light and cannot move to the next section. In addition, a removable stainless steel basket is installed in the first compartment so that solid matter such as leftovers contained in the drainage can be collected.
[0005]
On the other hand, separation tanks used in gas stations, car washing stations, factories that use oil, and the like are large in size, so they are cast in place using concrete or installed using secondary concrete products. In order to swallow and separate rainwater falling on a parking lot with oil, a large capacity is required, and the size of one section is 600 mm in inner diameter (for a square, for example, the length of one side) and 1200 mm in depth. In many cases, a configuration of about four rows in which four sections are connected in a vertical row or a cross-shaped pattern is often used. If the parking lot is large, multiple separation tanks of this size are installed. Alternatively, a larger size is installed.
[0006]
When the length of one side of the four tanks is about 2500 mm, the earth pressure applied to the side wall is large, and the configuration divided into a plurality of sections also serves as a support against the earth pressure. In particular, when the oil-water separation tank is installed in a place where an outdoor vehicle passes, a structure having high strength is advantageous because a wheel load is applied in addition to the earth pressure. When producing an oil-water separation tank with concrete, it is not economical to separate the sections with a weir having an opening at the bottom. It is troublesome to make a wall where the side wall and the lower end are not aligned, and the lower side of the side wall where large earth pressure is applied cannot be supported by the separation wall, so it is necessary to take measures such as making the side wall thicker only .
[0007]
On the other hand, in Japanese Utility Model Laid-Open No. 7-12585, a communication pipe is buried in the upper part of the partition wall of the section, the PVC pipe is extended downward, water flows in from below, and moves to the next section. are doing. This method is effective not only for oil-water separation, but also for the effect of sedimentation. That is, a lot of rainwater flows at once when it rains, so the flow velocity is large, and if an opening is provided on the lower side and multiple sections are connected, mud and oil will flow from the opening to the next section. On the other hand, if the water is drained from below in each section and flows in from above, the mud and oil can be prevented from moving due to short-circuit.
[0008]
[Patent Document 1]
Japanese Utility Model Laid-Open Publication No. Hei 7-12585
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, it is necessary to collect the mud and sand that have settled in each separation section. However, since fine mud and sand flow in, they cannot be collected by the basket. Therefore, baskets are rarely installed, and even if a basket is installed, it is for collecting large garbage. For this reason, a separation tank used in a gas station, a car wash, a factory that uses oil, or the like, needs to enter periodically to clean mud. If the depth is about 1200 mm, the mud which has stuck together with the oil at the bottom of the separation section must be entered by an operator and taken out by a scoop.
[0010]
However, in a separation tank in which a PVC pipe is extended downward, an elbow for connecting the pipe to the communication hole of the partition wall obstructs cleaning. For example, in the
[0011]
Therefore, it is necessary to remove the sand and mud 5, but the
[0012]
[Means for Solving the Problems]
For this reason, in the present invention, by attaching a flat member having a substantially U-shaped cross section or an arch shape to the side wall, the side wall is used as a part of the flow path, and the drainage is guided upward from below along the side wall. Configure the road. That is, in the present invention, at least one oil / water separation section for retaining the drainage to separate oil / water, an outflow hole provided above the side wall constituting the oil / water separation section, and an outflow hole along the side wall. The cross section in the horizontal direction is a substantially U-shaped or arch-shaped member having a long width direction along the side wall, and a drain passage extending from the lower side of the side wall to the outflow hole. An oil / water separation tank having a flow path forming member to be formed is provided.
[0013]
By attaching the U-shaped or arch-shaped flat flow path forming member to the wall surface, a drainage channel with very little overhang from the wall surface can be formed along the wall surface. Further, since this flow path forming member has a U-shaped cross section, it is resistant to water pressure, and even if it is a flat and thin drain path, it is not deformed by water pressure, and a drain path having a sufficient flow path cross section can be formed. Therefore, even if the cross-sectional area of the drainage channel is the same as when the pipes were laid, the drainage channel was attached to the wall, so the inside of the oil-water separation section, especially the central part, became widely usable, and workers could use it. A space for entering and maintaining can be secured.
[0014]
Furthermore, since the drainage channel is attached to the wall surface, the position where the drainage flows out of the separation section is closest to the wall surface, and the residence distance from the inflow position to the drainage position can be maximized. Therefore, the effect of improving the oil / water separation performance in each oil / water separation section is obtained.
[0015]
When forming a thin drainage channel along the side wall that separates the separation section, that is, along the partition wall, a pipe with a small aspect ratio (aspect ratio) may be specially manufactured. However, custom-built tubes are expensive and expensive to manufacture. Furthermore, if the pipe is bent and connected to the outflow hole provided in the partition wall, the arrangement becomes similar to an elbow, and it is difficult to obtain the effect of opening the area of the separation section. In order to make a hole on the side of the pipe so that it matches the outflow hole, for example, it is necessary to position the holes as viewed from the opposite side of the outflow hole, which requires multiple operators. Work.
[0016]
Further, a weir having an opening at the lower side may be provided by concrete or stainless steel in parallel with the partition wall. However, the thickness of a weir made of concrete is wasted in terms of residence distance and weight. On the other hand, if a thin plate made of stainless steel or the like is simply attached so as to divide the section in parallel with the partition wall, it is easily depressed by water pressure, and a drain having a desired shape cannot be secured.
[0017]
On the other hand, in the case of the oil / water separation tank of the present invention, since the channel forming member having a U-shaped cross section is used, accurate alignment with the outflow hole is not required. Even if the member itself is thin, the strength is high in shape. For this reason, the flow path forming member can be manufactured from a thin member such as stainless steel or a rustproof steel plate, and can be supplied at low cost. Further, since the flow path forming member forms the flow path using a part of the side wall instead of the pipe, it can be manufactured by simply processing the plate material. Therefore, the flow path forming member can be supplied at a low cost by using a highly weather-resistant material such as stainless steel, and is changed to a PVC pipe which is easily deteriorated by oil or ultraviolet rays. An almost unnecessary oil-water separation layer can be provided.
[0018]
Further, a member having a U-shaped or arch-shaped cross section is easily attached to and detached from a wall surface. For example, it is possible to bend the portion that is in close contact with the wall surface outward into a U-shape or arch shape so that the shape as a whole is close to Ω, and insert an insert for attaching the flow path forming member to the side wall. The channel forming member can be easily attached to and detached from the side wall only by being buried. Therefore, it is easy to attach to the concrete oil-water separation layer, and the work space in the compartment can be further widened by removing the flow path forming member at the time of maintenance. Also, by attaching the flow path forming member of the present invention to a concrete oil / water separation tank using a conventional PVC pipe, the oil / water separation tank of the present invention can be easily obtained.
[0019]
The flow path forming member can be attached with a cushion material interposed between the side wall and the side wall. The side wall of the oil / water separation section is not necessarily vertical or vertical, and the error can be absorbed by the cushion material. Most concrete tanks have a tapered inner surface to allow for removal from the formwork, which can be accommodated. If it is a simple taper shape, it may be able to cope with almost no cushion material.However, when the depth is about 2500 mm, there is a possibility that the oil-water separation tank may be divided into upper and lower parts, in which case, The direction of the taper may be different between the top and bottom of the side wall. On the other hand, by inserting the cushion material, the flow path forming member can be attached in a state of being substantially in contact with the side wall.
[0020]
In an oil / water separation tank having a plurality of oil / water separation sections, the outlets of each of the oil / water separation sections can be arranged in a zigzag to increase the residence distance. The flow path forming member of the present invention can be attached to the zigzag corresponding to the zigzag position of the outlet.
[0021]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to the drawings. FIG. 1 shows the appearance of an oil-
[0022]
Each of the oil /
[0023]
At the front (inflow side) of the
[0024]
As shown in an enlarged cross section in FIG. 4, a state in which the flow
[0025]
FIG. 6A shows the flow
[0026]
The shape of the flow path forming member is not limited to the U-shape, and may be an arch shape as shown in FIG. The flow
[0027]
When attaching the flow
[0028]
For example, as shown in FIG. 7, when a tank is formed of concrete, particularly when a relatively large-capacity tank is manufactured by a factory prefabricated concrete block using a durable formwork, each oil-
[0029]
Therefore, in a connection type oil / water separation tank in which a plurality of
[0030]
As described above, in the oil /
[0031]
Further, since the
[0032]
Furthermore, the U-shaped or arch-shaped thin flow
[0033]
Further, a U-shaped or arch-shaped flow
[0034]
Furthermore, by providing a
[0035]
The
[0036]
In the above description, the present invention is described based on the oil / water separation tank in which the four oil /
[0037]
【The invention's effect】
As described above, in the present invention, a channel forming member having a U-shaped or arch-shaped cross section is attached to a wall surface, and the wall surface is used as a part of the channel, and the flat surface along the wall surface is used. A drainage channel is formed. Therefore, in the oil-water separation section, a flow path that guides the separated wastewater upward without hardly protruding into the section can be formed, and a wide maintenance space for a worker to enter and work is secured. be able to. Further, the U-shaped or arch-shaped flow path forming member according to the present invention is lightweight and easy to attach, and is applicable to an oil-water separation tank in which a drainage path is conventionally formed using piping. By using the road forming member, a maintenance space can be easily secured.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing an example of an oil-water separation tank according to the present invention, in which a part of a side wall is missing to show the inside of a separation section.
FIG. 2 is a longitudinal sectional view showing a planar configuration of an oil-water separation tank.
FIG. 3 is an enlarged sectional view showing a vertical structure of an oil-water separation section.
FIG. 4 is an enlarged view showing a state where a flow path forming member is attached to a wall surface.
FIG. 5 is a view showing a state where a flow path forming member is attached to a wall surface.
FIG. 6 is a view showing a flow path forming member.
FIG. 7 is a view showing a schematic structure of a connection type oil / water separation tank.
FIG. 8 is a diagram showing an example of an oil-water separation tank in which a drainage channel is formed using conventional piping.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Drainage mixed with oil and
13
Claims (6)
その油水分離区画を構成する側壁の上方に設けられた流出孔と、
前記側壁に沿って前記流出孔の上方から当該油水分離区画の下方に向かって延び、水平方向の断面は前記側壁に沿った幅方向が長いほぼコ字型またはアーチ型の部材であって、前記側壁の下方から前記流出孔に至る排水路を形成する流路形成部材とを有する油水分離槽。At least one oil / water separation section for retaining the wastewater to separate the oil / water;
An outflow hole provided above a side wall constituting the oil / water separation section,
A substantially U-shaped or arch-shaped member extending from above the outflow hole along the side wall to below the oil-water separation section, and having a horizontal cross section having a long width direction along the side wall; An oil / water separation tank having a flow path forming member that forms a drainage channel extending from below the side wall to the outflow hole.
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