JP2004313876A - 吸着剤及びそれを用いた有機塩素化合物の分離方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】絶縁油などの油中に含まれるPCB類等の有機塩素化合物を効率的に吸着除去することが可能であるとともに、化学抽出分解法よりも低コストで微量有機塩素化合物を処理することのできる、有機塩素化合物用吸着剤及びそれを用いた有機塩素化合物の分離方法を提供する。
【解決手段】実質的に水を含まない油中の有機塩素化合物を吸着する吸着剤であって、ゼオライト、メソポーラスシリケートのうちの少なくとも1種からなる有機塩素化合物用吸着剤とする。実質的に水を含まない有機塩素化合物を含む油を、前記の有機塩素化合物用吸着剤と接触させることにより、油中の有機塩素化合物を吸着処理する有機塩素化合物の分離方法。
【選択図】 なし
【解決手段】実質的に水を含まない油中の有機塩素化合物を吸着する吸着剤であって、ゼオライト、メソポーラスシリケートのうちの少なくとも1種からなる有機塩素化合物用吸着剤とする。実質的に水を含まない有機塩素化合物を含む油を、前記の有機塩素化合物用吸着剤と接触させることにより、油中の有機塩素化合物を吸着処理する有機塩素化合物の分離方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油中の有機塩素化合物を吸着により除去する技術に関し、特に、トランス、コンデンサの絶縁油(鉱油)に含まれる有機塩素化合物を吸着する有機塩素化合物用吸着剤、及びそれを用いた油中の有機塩素化合物の分離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種有機塩素化合物のなかでも、ポリ塩化ビフェニル(PCB)は人体を含む生体に極めて有害であることから、1973年に特定化学物質に指定され、その製造、輸入、使用が禁止されている。PCBはビフェニル骨格に塩素が1〜10個置換したものであり、置換塩素の数や位置によって理論的に209種類の異性体が存在し、市販品において100を越える異性体が確認されている。PCBは、残留性有機汚染物質の一つであって、環境中で分解されにくく、油溶性で生物濃縮率が高く、さらに半揮発性で大気経由の移動が可能であるという性質を持つ。また、水や生物など環境中に広く残留することが知られている。
【0003】
PCBは、高圧トランス、高圧コンデンサの絶縁油として、発電所や車輌、船舶等の電気設備に使用されてきたため、本来PCBを使用していなかった柱上トランス等の絶縁油にも、絶縁油再生処理過程で混入したものと考えられている5〜50ppmの微量のPCBが混入している可能性がある。この微量PCB混入絶縁油は大量に存在する可能性があることから、安全かつ除去率の高い処理方法が望まれている。
【0004】
微量に存在する有機塩素化合物の処理方法としては、化学抽出分解法による処理技術が実用化されており、当該技術によれば「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に定められている処理基準値(0.5ppm以下)を満足する絶縁油が得られている。しかし、オゾン、過酸化物などの酸化剤による分解処理は、多種類の化合物を分解することができる利点があるが、低濃度の化合物に対しては、対象化合物量あたりに必要とする酸化剤の量が多くなり経済性に劣ることから、更なる改良技術が望まれている。
【0005】
ところで、有機塩素化合物を低濃度で含有する汚水や排ガスを効率よく低コストで無害化できる方法として、吸着剤による吸着除去が提案されている。特開平2001−79539号公報には、ゴミ浸出水のようにダイオキシン類を含有する汚水から、ダイオキシン類を含む一部の化合物を選択的に吸着除去する工程と、吸着されたダイオキシン類を含む一部の化合物を吸着剤から溶離して、ダイオキシン類を高濃度に濃縮する工程と、高濃度に濃縮されたダイオキシン類を無害化処理する工程とを包含する汚水処理方法が提案されている。ダイオキシン類を含む化合物の吸着剤としては、多孔性構造を有する架橋性ポリスチレンなどの合成高分子吸着体の他に、活性炭、ゼオライト、シリカ等が提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
また、特開2002−79239号公報には、ハロゲン化物イオンと有機汚染物質を含有する排水を疎水性多孔質材料に接触させて該有機汚染物質を吸着させる工程と、該多孔質材料に吸着された排水を淡水に置換する工程と、該多孔質材料に吸着された有機汚染物質を化学的に分解する工程とを具備する有機汚染物質含有排水の処理方法が提案されている。疎水性多孔質材料として、主細孔径が8〜500Åの活性炭や、Si/Al比5以上のメソポーラスゼオライトが好ましいとされている(特許文献2参照)。
【0007】
また、特開2003−10842号公報には、各種排水中に含まれるPCB等の有害物質を迅速・且つ的確に処理する有害物質除去システムとして、被処理物中の有害物質を吸着処理する吸着剤を充填してなる処理槽と、該吸着剤に吸着された有害物質を脱離させる脱離溶媒を供給する脱離溶媒供給手段と、上記脱離した有害物質を含む脱離液を回収する脱離液回収タンクとを備えてなる有害物質除去システムが提案されている。そして、PCB等の有害物質を吸着処理する吸着剤としては、活性炭、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、ゼオライト、珪藻土、チタニア、多孔質ガラスなどが使用できるが、疎水性の観点からオクタデシル化シリカが特に好ましいことが開示されている(特許文献3参照)。
【0008】
更に、特開2000−15092号公報には、都市ゴミ焼却炉、産業廃棄物焼却炉、汚泥焼却炉等の各種焼却炉、溶融炉等から排出される排ガス中に含有されるダイオキシン類等の塩素化芳香族化合物等を無害化するための排ガス処理用吸着剤として、SiO2/Al2O3モル比が10以上であるペンタシルゼオライト、脱アルミニウムフォージャサイト又はメソポーラスシリケートが開示されている(特許文献4参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−79539号公報(請求項1、段落番号0012〜0013、0021等)
【特許文献2】
特開2002−79239号公報(請求項1〜2、段落番号0021〜0022等)
【特許文献3】
特開2003−10842号公報(請求項1、段落番号0036〜0038等)
【特許文献4】
特開2000−15092号公報(請求項1、段落番号0025等)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平2001−79539号公報では、ダイオキシン類を低濃度で含有する汚水中に含まれるダイオキシン類を吸着除去するため、多孔性構造を有する架橋性ポリスチレンなどの合成高分子吸着体、活性炭、ゼオライト、シリカ等が有効であることが開示されているにすぎない。
【0011】
また、特開2002−79239号公報には、有機汚染物質を含有する排水の吸着除去工程で吸着剤として疎水性多孔質材料を用いているが、吸水によるゼオライトの吸着能低下を防止するため、ゼオライトのSi/Al比5以上の疎水性ゼオライトを使用している。同様に、特開2003−10842号公報には、各種排水中に含まれるPCB等の有害物質を吸着処理する吸着剤として、活性炭、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、ゼオライトなどが有効であることが開示されているが、吸水による吸着能の低下を防止するため、疎水性のオクタデシル化シリカが特に好ましいとある。
【0012】
上記したように、排水中のPCB、ダイオキシン類の吸着除去に関しては疎水性吸着剤が好適であることが、更に、排ガス中のダイオキシン類の吸着除去には高シリカ系合成ゼオライトが好適であることが提案されているが、絶縁油など非極性の油中に含まれる微量のPCB類等の吸着除去には言及されていない。
【0013】
本発明は、前記従来の課題に鑑みてなされたものであり、絶縁油などの油中に含まれるPCB類等の有機塩素化合物を効率的に吸着除去することが可能であるとともに、化学抽出分解法よりも低コストで有機塩素化合物を処理することのできる、有機塩素化合物用吸着剤及びそれを用いた有機塩素化合物の分離方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、有機塩素化合物を吸着除去するには、有機塩素化合物を吸着し油を吸着しない吸着剤、つまり、有機塩素化合物に対する吸着エネルギーが大きく油に対する吸着エネルギーの小さい吸着剤を用いれば、化学抽出分解法より簡単なプロセスで、油中の有機塩素化合物を効率よく吸着処理できることを見出し、本発明に至った。
【0015】
すなわち、本発明は、実質的に水を含まない油中の有機塩素化合物を吸着する吸着剤であって、ゼオライト、メソポーラスシリケートのうちの少なくとも1種からなることを特徴とする有機塩素化合物用吸着剤を提供するものである。
【0016】
本発明の有機塩素化合物用吸着剤においては、前記ゼオライトが、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、4B族元素からなる群より選ばれる少なくとも1種のイオンでイオン交換されていることが好ましく、Si/Al原子比が2以下であることがより好ましい。
【0017】
また、前記の有機塩素化合物用吸着剤は、油中の有機塩素化合物含有量が数ppmオーダーから数千ppmオーダーまで適用可能であるが、吸着剤重量当たりの有機塩素化合物含有量を勘案すると、少量の吸着剤量で済む。特に、絶縁油中の有機塩素化合物の吸着に用いることが好ましい。
【0018】
次に、本発明は、実質的に水を含まない有機塩素化合物を含む油を、前記の有機塩素化合物用吸着剤と接触させることにより、油中の有機塩素化合物を吸着処理することを特徴とする有機塩素化合物の分離方法を提供するものである。
【0019】
また、本発明は、有機塩素化合物を含む油を脱水処理した後、前記の有機塩素化合物用吸着剤と接触させることにより、油中の有機塩素化合物を吸着処理することを特徴とする有機塩素化合物の分離方法を提供するものである。
【0020】
前記の有機塩素化合物の分離方法は、ポリ塩化ビフェニル類の分離に好適に用いられる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明による吸着剤は、実質的に水を含まない油中の有機塩素化合物を吸着する有機塩素化合物用吸着剤であって、ゼオライト、メソポーラスシリケートのうちの少なくとも1種からなるものである。
【0022】
本発明におけるゼオライトは、天然ゼオライト、合成ゼオライトのいずれでも良い。ゼオライトの中でも、有機塩素化合物の吸着力に優れる観点より、Si/Al原子比が2.0以下のものが好ましく、例えばA型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト等を挙げることができる。より好ましくは、Si/Al原子比が1.0〜1.5のゼオライトである。Si/Al原子比の小さいゼオライトは、一般に、Si/Al原子比の大きいゼオライトを比べて吸着エネルギーが大きいが、親水性が高いため、有機塩素化合物を含む水や水分を含む気体に接触させた場合、水分吸着が優先的に起きることで有機塩素化合物は殆んど吸着されなくなると考えられている。しかし、本発明では実質的に水分を含まない油中から有機塩素化合物を吸着除去するので、吸着エネルギーの低い疎水性ゼオライトよりも、吸着エネルギーの高い親水性ゼオライトを用いることが効果的である。A型ゼオライトはX型ゼオライトに比べ細孔の径が小さいため、選択するカチオンの種類によっては十分な有機塩素化合物の吸着容量が得られない傾向があることから、X型ゼオライトが特に好ましい。Si/Al原子比は、より好ましくは1.0〜1.2であり、特に好ましくは1.0〜1.1である。
【0023】
前記のゼオライトに含まれるイオン交換可能なカチオンは特に限定されない。具体的には、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、4B族元素等の各種イオンを挙げることができる。これらのイオンはゼオライト中に1種又は2種以上含まれる。アルカリ金属イオンとしては、例えば、ナトリウムイオン(Na+)、カリウムイオン(K+)、リチウムイオン(Li+)、ルビジウムイオン(Rb+)等が挙げられる。アルカリ土類金属イオンとしては、例えば、カルシウムイオン(Ca2+)、マグネシウムイオン(Mg2+)、ストロンチウムイオン(Sr2+)、バリウムイオン(Ba2+)等が挙げられる。遷移金属イオンとしては、例えば、スカンジウムイオン(Sc+)、マンガンイオン(Mn3+)、クロムイオン(Cr3+)、鉄イオン(Fe3+)、コバルトイオン(Co3+)、ニッケルイオン(Ni2+)、銅イオン(Cu+)、銀イオン(Ag+、Ag2+)等が挙げられる。
【0024】
前記カチオンの中でも、有機塩素化合物の吸着力に優れる点より、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンが好ましく、特にX型ゼオライト中で結晶窓径が最も大きい部類に属し、PCBが容易に結晶内に浸透可能なリチウムイオンが好ましい。
【0025】
前記したカチオンは、ゼオライトに含まれるイオン交換可能なカチオンの60当量%以上を占めるのが望ましく、より好ましくは80当量%以上、さらに好ましくは95当量%以上であることが、吸着容量を増大させる点より好ましい。残りのカチオンは特に限定されないが、通常はNaイオンである。
【0026】
前記のゼオライトに含まれるイオン交換可能なカチオンは、本発明に用いられるゼオライトを製造した際に構成カチオンとなっているものであっても、また、ゼオライト製造後イオン交換によりゼオライトに導入されたカチオンであっても良い。イオン交換によりゼオライトに所望の金属イオンを導入する場合は、通常用いられるゼオライトのイオン交換で実施することができる。例えば、Caイオンをゼオライトへ導入するには、Caイオンを含む水溶液などの溶液をゼオライトと接触させることで良い。さらに、1種のイオンを導入するのみならず、2種以上のイオンをゼオライトへ導入する場合には、Na、K、Liなどのアルカリ金属のイオンと、Mg、Caなどのアルカリ土類金属イオン、マンガンなどの遷移金属イオンとを共存させてイオン交換しても目的の吸着剤を得ることは可能であるし、それぞれのイオンを個別の溶液としてイオン交換することもできる。
【0027】
本発明により、実質的に水を含まない油中から微量の有機塩素化合物を吸着除去する場合、水分吸着による吸着能の低下を防止するため、脱水されたゼオライトを吸着剤として用いるのが良い。脱水方法は特に限定されるものではなく、加熱処理、減圧処理等の公知の手段を適宜用いれば良い。一般には、250〜400℃で加熱処理するか、またはこれに減圧処理を組み合わせる。
【0028】
本発明で使用される吸着剤は、その形状は特に限定されるものではなく、粉末、ペレット、ビーズ、あるいはハニカム型、格子状型、スパイラル型等の構造の成形体として使用される。成形体を用いる場合、例えば、ゼオライトの粉末に、カオリンやセピオライト等の粘土やシリカゾル等の無機系、あるいは有機系のバインダーを加え、押出し成形、攪拌造粒、シート成形、ダンボール原紙等の型材への吹付塗装、ゼオライト紙の成形等の通常用いられる方法により成形して使用される。また、用いられるバインダーは成形体の製造中にX型ゼオライト等に変化させうる、バインダーレス成形体とするものであっても良い。
【0029】
本発明において、吸着除去対象となる有機塩素化合物としては、例えば、ポリ塩化ビフェニル類、ダイオキシン類、クロルベンゼン類、トリクロロエタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。有機塩素化合物の油中存在量が数ppmオーダーから数千ppmオーダーまで適用可能であるが、吸着剤重量当たりの有機塩素化合物含有量を勘案すると、50ppm以下の微量の有機塩素化合物の吸着に対しては、特に効果を発揮する。処理対象油は、吸着剤の吸着能力を最大限発揮させるため、実質的に水分を含まないものを用いる必要がある。処理対象油に水分が含まれている場合は、脱水処理を施した後、本発明による吸着除去処理を行うことが好ましい。
【0030】
脱水処理する場合は、従来公知の方法を適宜施せばよく特に制限はない。例えば、脱水剤を用いて脱水処理した有機塩素化合物含有油を吸着処理する方法や、有機塩素化合物を吸着するが水分を吸着しない分子篩作用を有する処理剤を用いて有機塩素化合物と水分とを分離させた後、該処理剤から有機塩素化合物を脱着させ、本発明の吸着剤を用いて吸着除去する方法等を挙げることができる。
【0031】
前記の脱水時に際しては、絶縁油の再利用を考慮すると、絶縁油に添加されている添加剤(酸化防止剤、金属不活性剤)が脱水処理過程で吸着されないことが望ましい。脱水剤としては、例えばA型ゼオライト(Na−A型、K−A型、Li−A型、Ca−A型)、活性アルミナ等を挙げることができる。
【0032】
本発明の分離方法において、実質的に水を含まない微量有機塩素化合物を含む油と有機塩素化合物用吸着剤との接触方法に特に制限はないが、粒状、ビーズ状、ペレット状、あるいはハニカム状の吸着剤を用いる場合には、バッチ式の吸着槽内で攪拌して接触させる方法の他、固定床又は流動床で接触させることもできる。また、ハニカム型の成形体を用いる場合には、回転式吸着塔や固定式吸着塔等の従来公知の吸着装置に充填あるいは装着することにより、接触させることもできる。粒状、ビーズ状、ペレット状の吸着剤を用いる場合には、固定式吸着塔等の従来公知の吸着装置に充填あるいは装着することにより、接触させることもできる。
【0033】
有機塩素化合物を吸着した吸着剤は、アルコール類等の溶離剤により処理され、これにより、吸着物質は溶離され、吸着剤は再生される。また、溶離液中の有機塩素化合物は、高濃度に濃縮され、回収される。脱着された有機塩素化合物は、高濃度溶液として回収することができるので後処理が容易である。後処理方法としては化学的分解方法等があり、その方法は特に限定されるものではないが、例えば、酸化分解、還元分解、紫外線照射やマイクロ波による光分解等を挙げることができる。
【0034】
一方、有機塩素化合物が除去された絶縁油等の油は、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に定められている処理基準値(0.5ppm以下)を満足するものとなる。本発明の方法で分離された絶縁油等の油は、トランス、コンデンサ等の絶縁油として再利用することができる。
【0035】
【実施例】
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
【0036】
(実施例1)
分子軌道法ソフト(米国Gaussian社製:Gaussian98)を用い、基底関数LANL2MBにて、X型ゼオライトの4員環モデル、6員環モデル、ラージケージ(隙間空間)モデルを用いて、MOPAC、PM3法により、Li−X型ゼオライトに対する有機塩素化合物、ドデカン(鎖状炭化水素)、水及び窒素の吸着エネルギーを求めた。有機塩素化合物としては、置換塩素数の異なる2種のPCB化合物、五塩化ビフェニル(PCB1)と二塩化ビフェニル(PCB2)、及び1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)を用いた。
【0037】
その結果を表1に示した。表1の結果より、X型、A型ゼオライト骨格は、4員環と6員環で構成されているが、実際に化学種が吸着される空間は、ラージケージ(隙間空間)という結晶窓の奥にある比較的広い空間であり、その計算モデルを用いた結果が正確に化学種の吸着状態を再現できることがわかった。
【0038】
【表1】
【0039】
次に、ラージケージモデルを用いて、上記と同様にして、表2に示す各種カチオンを有するSi/Al原子比=1のX型ゼオライトに対する有機塩素化合物、パラフィン系鉱油、水、窒素の吸着エネルギーを求めた。その結果を表2に示した。
【0040】
【表2】
【0041】
表2の結果より、Cl原子の多いPCB1は、Li−X型ラージケージモデルで比較的強く吸着された。しかし、Cl原子の少ないPCB2は、Li−X型ラージケージモデルでの吸着エネルギーは、水の吸着エネルギーよりも若干大きい程度に下がってくる。また、PCB1、PCB2のLi−X型ラージケージモデルでの吸着エネルギーは、パラフィン系鉱油と比較すると大きな吸着エネルギーを持つことより、パラフィン系炭化水素(鉱油)とPCBとの分離にLi−X型ゼオライトが適用可能であることが判った。また、パラフィン系炭化水素(鉱油)とTCBとの分離にも、Li−X型ゼオライトが適用可能であることが判った。さらに、Na−X型ゼオライト、Mg−X型ゼオライトは、PCB2に対してパラフィン系鉱油と比較すると大きな吸着エネルギーを持つことより、パラフィン系炭化水素(鉱油)とPCBとの分離に適用可能であることが判った
【0042】
(比較例1)
実施例1と同様にして、活性炭の各極性基における吸着サイトでの各化学種の吸着エネルギーを求めた。計算モデルは、28炭素原子計算モデルを使用した。その結果を表3に示した。
【0043】
【表3】
【0044】
表3の結果より、活性炭の各極性基での吸着エネルギーは、ゼオライトと比べて小さい。多孔質の活性炭にはマクロポア、メソポア、ミクロポアなる領域が存在しており、PCBはミクロポアの各極性基に吸着されないとすると、ミクロポアのくさび型空間にはさまってPCBが吸着すると考えられる。ミクロポアのくさび型空間にはさまって吸着される機構では、分子の大きさのみで選択され、鉱油成分のパラフィン系炭化水素や、ナフテン系炭化水素も同様にミクロポアのくさび型空間に吸着され、PCBのみ選択的に吸着することが困難になると考えられる。
【0045】
一方、X型ゼオライトによるPCB吸着は、計算結果から主にゼオライトのカチオンの吸着サイトにPCBの塩素原子が吸着される。しかも、X型ゼオライトのラージケージの大きさがPCBを吸着するのに適しており、五塩化ビフェニルの場合、複数のカチオンと五塩化ビフェニルの塩素原子とが、数箇所で物理的に結合する。また、ラージケージはくさび型ではなく直径約13Åの球状の空間であるため、X型ラージケージ内に浸透した鉱油成分は、カチオンと結合しないため、ラージケージ内を通過して行き、結晶外に出て行くと考えられる。
【0046】
従って、PCBの吸着容量を高める観点から、2価のカチオンよりも1価のカチオンの方が好ましく、またPCBへの吸着エネルギーが大きく、かつX型ゼオライト中で結晶窓径が最も大きい部類に属し、PCBが容易に結晶内に浸透可能なLi−X型ゼオライトが好ましく、かつカチオンであるLi−Xラージケージ内の比率が高く、Si/Al比の低いゼオライトの方が、PCB等の嵩高分子を吸着し易いことになる。
【0047】
(実施例2)
Li−X型ゼオライト(東ソー社製、「ゼオラムNSA−100」)を用いて、有機塩素化合物の吸着実験を行った。パラフィン系鉱油模擬物質としてドデカンを用い、これに四塩化ビフェニル(鐘淵化学(株)製、KC−400)及び1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)を、それぞれ20ppm含有させて試験溶液を調製した。上記のゼオライトを200℃で1時間焼成した後、10gをクロマト管に充填し、これに試験溶液20mlを通液し、初溜5mlを分取した。12時間静置した後、クロマト管の下部より試験溶液を流下させた。
【0048】
クロマト管通液前後のドデカン溶液を、ULBON HR−20M((株)島津ジーエルシー製)をキャピラリーカラム(カラム温度80℃→220℃)とする(株)島津製作所製のガスクロマトグラフィー質量分析計QP5050A(以下、「GC−MS」)にかけ、四塩化ビフェニル(PCB)及びTCBの含有量を、選択的イオン検出法(検出限界10ppb、以下「SIM法」)により精密分析した。その結果を表4に示した。
【0049】
【表4】
【0050】
GC−MS測定結果より、ゼオライト処理後の初溜のPCB濃度は1/10以下に減少しており、PCBは98.7%吸着されることが確認された。TCBも、ゼオライト処理により初溜濃度が1/5以下に減少しており、PCBよりも弱いが98.2%吸着されることが確認された。
【0051】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、有機塩素化合物を含む油から有機塩素化合物を選択的に吸着分離することができる。また、煩雑な抽出操作が不要なため、低コストで効率的に分離することができる。また、高濃度の有機塩素化合物を回収できるため、分解処理コストを低減することができ、低コストで有機塩素化合物を無害化することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、油中の有機塩素化合物を吸着により除去する技術に関し、特に、トランス、コンデンサの絶縁油(鉱油)に含まれる有機塩素化合物を吸着する有機塩素化合物用吸着剤、及びそれを用いた油中の有機塩素化合物の分離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種有機塩素化合物のなかでも、ポリ塩化ビフェニル(PCB)は人体を含む生体に極めて有害であることから、1973年に特定化学物質に指定され、その製造、輸入、使用が禁止されている。PCBはビフェニル骨格に塩素が1〜10個置換したものであり、置換塩素の数や位置によって理論的に209種類の異性体が存在し、市販品において100を越える異性体が確認されている。PCBは、残留性有機汚染物質の一つであって、環境中で分解されにくく、油溶性で生物濃縮率が高く、さらに半揮発性で大気経由の移動が可能であるという性質を持つ。また、水や生物など環境中に広く残留することが知られている。
【0003】
PCBは、高圧トランス、高圧コンデンサの絶縁油として、発電所や車輌、船舶等の電気設備に使用されてきたため、本来PCBを使用していなかった柱上トランス等の絶縁油にも、絶縁油再生処理過程で混入したものと考えられている5〜50ppmの微量のPCBが混入している可能性がある。この微量PCB混入絶縁油は大量に存在する可能性があることから、安全かつ除去率の高い処理方法が望まれている。
【0004】
微量に存在する有機塩素化合物の処理方法としては、化学抽出分解法による処理技術が実用化されており、当該技術によれば「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に定められている処理基準値(0.5ppm以下)を満足する絶縁油が得られている。しかし、オゾン、過酸化物などの酸化剤による分解処理は、多種類の化合物を分解することができる利点があるが、低濃度の化合物に対しては、対象化合物量あたりに必要とする酸化剤の量が多くなり経済性に劣ることから、更なる改良技術が望まれている。
【0005】
ところで、有機塩素化合物を低濃度で含有する汚水や排ガスを効率よく低コストで無害化できる方法として、吸着剤による吸着除去が提案されている。特開平2001−79539号公報には、ゴミ浸出水のようにダイオキシン類を含有する汚水から、ダイオキシン類を含む一部の化合物を選択的に吸着除去する工程と、吸着されたダイオキシン類を含む一部の化合物を吸着剤から溶離して、ダイオキシン類を高濃度に濃縮する工程と、高濃度に濃縮されたダイオキシン類を無害化処理する工程とを包含する汚水処理方法が提案されている。ダイオキシン類を含む化合物の吸着剤としては、多孔性構造を有する架橋性ポリスチレンなどの合成高分子吸着体の他に、活性炭、ゼオライト、シリカ等が提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
また、特開2002−79239号公報には、ハロゲン化物イオンと有機汚染物質を含有する排水を疎水性多孔質材料に接触させて該有機汚染物質を吸着させる工程と、該多孔質材料に吸着された排水を淡水に置換する工程と、該多孔質材料に吸着された有機汚染物質を化学的に分解する工程とを具備する有機汚染物質含有排水の処理方法が提案されている。疎水性多孔質材料として、主細孔径が8〜500Åの活性炭や、Si/Al比5以上のメソポーラスゼオライトが好ましいとされている(特許文献2参照)。
【0007】
また、特開2003−10842号公報には、各種排水中に含まれるPCB等の有害物質を迅速・且つ的確に処理する有害物質除去システムとして、被処理物中の有害物質を吸着処理する吸着剤を充填してなる処理槽と、該吸着剤に吸着された有害物質を脱離させる脱離溶媒を供給する脱離溶媒供給手段と、上記脱離した有害物質を含む脱離液を回収する脱離液回収タンクとを備えてなる有害物質除去システムが提案されている。そして、PCB等の有害物質を吸着処理する吸着剤としては、活性炭、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、ゼオライト、珪藻土、チタニア、多孔質ガラスなどが使用できるが、疎水性の観点からオクタデシル化シリカが特に好ましいことが開示されている(特許文献3参照)。
【0008】
更に、特開2000−15092号公報には、都市ゴミ焼却炉、産業廃棄物焼却炉、汚泥焼却炉等の各種焼却炉、溶融炉等から排出される排ガス中に含有されるダイオキシン類等の塩素化芳香族化合物等を無害化するための排ガス処理用吸着剤として、SiO2/Al2O3モル比が10以上であるペンタシルゼオライト、脱アルミニウムフォージャサイト又はメソポーラスシリケートが開示されている(特許文献4参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−79539号公報(請求項1、段落番号0012〜0013、0021等)
【特許文献2】
特開2002−79239号公報(請求項1〜2、段落番号0021〜0022等)
【特許文献3】
特開2003−10842号公報(請求項1、段落番号0036〜0038等)
【特許文献4】
特開2000−15092号公報(請求項1、段落番号0025等)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平2001−79539号公報では、ダイオキシン類を低濃度で含有する汚水中に含まれるダイオキシン類を吸着除去するため、多孔性構造を有する架橋性ポリスチレンなどの合成高分子吸着体、活性炭、ゼオライト、シリカ等が有効であることが開示されているにすぎない。
【0011】
また、特開2002−79239号公報には、有機汚染物質を含有する排水の吸着除去工程で吸着剤として疎水性多孔質材料を用いているが、吸水によるゼオライトの吸着能低下を防止するため、ゼオライトのSi/Al比5以上の疎水性ゼオライトを使用している。同様に、特開2003−10842号公報には、各種排水中に含まれるPCB等の有害物質を吸着処理する吸着剤として、活性炭、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、ゼオライトなどが有効であることが開示されているが、吸水による吸着能の低下を防止するため、疎水性のオクタデシル化シリカが特に好ましいとある。
【0012】
上記したように、排水中のPCB、ダイオキシン類の吸着除去に関しては疎水性吸着剤が好適であることが、更に、排ガス中のダイオキシン類の吸着除去には高シリカ系合成ゼオライトが好適であることが提案されているが、絶縁油など非極性の油中に含まれる微量のPCB類等の吸着除去には言及されていない。
【0013】
本発明は、前記従来の課題に鑑みてなされたものであり、絶縁油などの油中に含まれるPCB類等の有機塩素化合物を効率的に吸着除去することが可能であるとともに、化学抽出分解法よりも低コストで有機塩素化合物を処理することのできる、有機塩素化合物用吸着剤及びそれを用いた有機塩素化合物の分離方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、有機塩素化合物を吸着除去するには、有機塩素化合物を吸着し油を吸着しない吸着剤、つまり、有機塩素化合物に対する吸着エネルギーが大きく油に対する吸着エネルギーの小さい吸着剤を用いれば、化学抽出分解法より簡単なプロセスで、油中の有機塩素化合物を効率よく吸着処理できることを見出し、本発明に至った。
【0015】
すなわち、本発明は、実質的に水を含まない油中の有機塩素化合物を吸着する吸着剤であって、ゼオライト、メソポーラスシリケートのうちの少なくとも1種からなることを特徴とする有機塩素化合物用吸着剤を提供するものである。
【0016】
本発明の有機塩素化合物用吸着剤においては、前記ゼオライトが、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、4B族元素からなる群より選ばれる少なくとも1種のイオンでイオン交換されていることが好ましく、Si/Al原子比が2以下であることがより好ましい。
【0017】
また、前記の有機塩素化合物用吸着剤は、油中の有機塩素化合物含有量が数ppmオーダーから数千ppmオーダーまで適用可能であるが、吸着剤重量当たりの有機塩素化合物含有量を勘案すると、少量の吸着剤量で済む。特に、絶縁油中の有機塩素化合物の吸着に用いることが好ましい。
【0018】
次に、本発明は、実質的に水を含まない有機塩素化合物を含む油を、前記の有機塩素化合物用吸着剤と接触させることにより、油中の有機塩素化合物を吸着処理することを特徴とする有機塩素化合物の分離方法を提供するものである。
【0019】
また、本発明は、有機塩素化合物を含む油を脱水処理した後、前記の有機塩素化合物用吸着剤と接触させることにより、油中の有機塩素化合物を吸着処理することを特徴とする有機塩素化合物の分離方法を提供するものである。
【0020】
前記の有機塩素化合物の分離方法は、ポリ塩化ビフェニル類の分離に好適に用いられる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明による吸着剤は、実質的に水を含まない油中の有機塩素化合物を吸着する有機塩素化合物用吸着剤であって、ゼオライト、メソポーラスシリケートのうちの少なくとも1種からなるものである。
【0022】
本発明におけるゼオライトは、天然ゼオライト、合成ゼオライトのいずれでも良い。ゼオライトの中でも、有機塩素化合物の吸着力に優れる観点より、Si/Al原子比が2.0以下のものが好ましく、例えばA型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト等を挙げることができる。より好ましくは、Si/Al原子比が1.0〜1.5のゼオライトである。Si/Al原子比の小さいゼオライトは、一般に、Si/Al原子比の大きいゼオライトを比べて吸着エネルギーが大きいが、親水性が高いため、有機塩素化合物を含む水や水分を含む気体に接触させた場合、水分吸着が優先的に起きることで有機塩素化合物は殆んど吸着されなくなると考えられている。しかし、本発明では実質的に水分を含まない油中から有機塩素化合物を吸着除去するので、吸着エネルギーの低い疎水性ゼオライトよりも、吸着エネルギーの高い親水性ゼオライトを用いることが効果的である。A型ゼオライトはX型ゼオライトに比べ細孔の径が小さいため、選択するカチオンの種類によっては十分な有機塩素化合物の吸着容量が得られない傾向があることから、X型ゼオライトが特に好ましい。Si/Al原子比は、より好ましくは1.0〜1.2であり、特に好ましくは1.0〜1.1である。
【0023】
前記のゼオライトに含まれるイオン交換可能なカチオンは特に限定されない。具体的には、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、4B族元素等の各種イオンを挙げることができる。これらのイオンはゼオライト中に1種又は2種以上含まれる。アルカリ金属イオンとしては、例えば、ナトリウムイオン(Na+)、カリウムイオン(K+)、リチウムイオン(Li+)、ルビジウムイオン(Rb+)等が挙げられる。アルカリ土類金属イオンとしては、例えば、カルシウムイオン(Ca2+)、マグネシウムイオン(Mg2+)、ストロンチウムイオン(Sr2+)、バリウムイオン(Ba2+)等が挙げられる。遷移金属イオンとしては、例えば、スカンジウムイオン(Sc+)、マンガンイオン(Mn3+)、クロムイオン(Cr3+)、鉄イオン(Fe3+)、コバルトイオン(Co3+)、ニッケルイオン(Ni2+)、銅イオン(Cu+)、銀イオン(Ag+、Ag2+)等が挙げられる。
【0024】
前記カチオンの中でも、有機塩素化合物の吸着力に優れる点より、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンが好ましく、特にX型ゼオライト中で結晶窓径が最も大きい部類に属し、PCBが容易に結晶内に浸透可能なリチウムイオンが好ましい。
【0025】
前記したカチオンは、ゼオライトに含まれるイオン交換可能なカチオンの60当量%以上を占めるのが望ましく、より好ましくは80当量%以上、さらに好ましくは95当量%以上であることが、吸着容量を増大させる点より好ましい。残りのカチオンは特に限定されないが、通常はNaイオンである。
【0026】
前記のゼオライトに含まれるイオン交換可能なカチオンは、本発明に用いられるゼオライトを製造した際に構成カチオンとなっているものであっても、また、ゼオライト製造後イオン交換によりゼオライトに導入されたカチオンであっても良い。イオン交換によりゼオライトに所望の金属イオンを導入する場合は、通常用いられるゼオライトのイオン交換で実施することができる。例えば、Caイオンをゼオライトへ導入するには、Caイオンを含む水溶液などの溶液をゼオライトと接触させることで良い。さらに、1種のイオンを導入するのみならず、2種以上のイオンをゼオライトへ導入する場合には、Na、K、Liなどのアルカリ金属のイオンと、Mg、Caなどのアルカリ土類金属イオン、マンガンなどの遷移金属イオンとを共存させてイオン交換しても目的の吸着剤を得ることは可能であるし、それぞれのイオンを個別の溶液としてイオン交換することもできる。
【0027】
本発明により、実質的に水を含まない油中から微量の有機塩素化合物を吸着除去する場合、水分吸着による吸着能の低下を防止するため、脱水されたゼオライトを吸着剤として用いるのが良い。脱水方法は特に限定されるものではなく、加熱処理、減圧処理等の公知の手段を適宜用いれば良い。一般には、250〜400℃で加熱処理するか、またはこれに減圧処理を組み合わせる。
【0028】
本発明で使用される吸着剤は、その形状は特に限定されるものではなく、粉末、ペレット、ビーズ、あるいはハニカム型、格子状型、スパイラル型等の構造の成形体として使用される。成形体を用いる場合、例えば、ゼオライトの粉末に、カオリンやセピオライト等の粘土やシリカゾル等の無機系、あるいは有機系のバインダーを加え、押出し成形、攪拌造粒、シート成形、ダンボール原紙等の型材への吹付塗装、ゼオライト紙の成形等の通常用いられる方法により成形して使用される。また、用いられるバインダーは成形体の製造中にX型ゼオライト等に変化させうる、バインダーレス成形体とするものであっても良い。
【0029】
本発明において、吸着除去対象となる有機塩素化合物としては、例えば、ポリ塩化ビフェニル類、ダイオキシン類、クロルベンゼン類、トリクロロエタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。有機塩素化合物の油中存在量が数ppmオーダーから数千ppmオーダーまで適用可能であるが、吸着剤重量当たりの有機塩素化合物含有量を勘案すると、50ppm以下の微量の有機塩素化合物の吸着に対しては、特に効果を発揮する。処理対象油は、吸着剤の吸着能力を最大限発揮させるため、実質的に水分を含まないものを用いる必要がある。処理対象油に水分が含まれている場合は、脱水処理を施した後、本発明による吸着除去処理を行うことが好ましい。
【0030】
脱水処理する場合は、従来公知の方法を適宜施せばよく特に制限はない。例えば、脱水剤を用いて脱水処理した有機塩素化合物含有油を吸着処理する方法や、有機塩素化合物を吸着するが水分を吸着しない分子篩作用を有する処理剤を用いて有機塩素化合物と水分とを分離させた後、該処理剤から有機塩素化合物を脱着させ、本発明の吸着剤を用いて吸着除去する方法等を挙げることができる。
【0031】
前記の脱水時に際しては、絶縁油の再利用を考慮すると、絶縁油に添加されている添加剤(酸化防止剤、金属不活性剤)が脱水処理過程で吸着されないことが望ましい。脱水剤としては、例えばA型ゼオライト(Na−A型、K−A型、Li−A型、Ca−A型)、活性アルミナ等を挙げることができる。
【0032】
本発明の分離方法において、実質的に水を含まない微量有機塩素化合物を含む油と有機塩素化合物用吸着剤との接触方法に特に制限はないが、粒状、ビーズ状、ペレット状、あるいはハニカム状の吸着剤を用いる場合には、バッチ式の吸着槽内で攪拌して接触させる方法の他、固定床又は流動床で接触させることもできる。また、ハニカム型の成形体を用いる場合には、回転式吸着塔や固定式吸着塔等の従来公知の吸着装置に充填あるいは装着することにより、接触させることもできる。粒状、ビーズ状、ペレット状の吸着剤を用いる場合には、固定式吸着塔等の従来公知の吸着装置に充填あるいは装着することにより、接触させることもできる。
【0033】
有機塩素化合物を吸着した吸着剤は、アルコール類等の溶離剤により処理され、これにより、吸着物質は溶離され、吸着剤は再生される。また、溶離液中の有機塩素化合物は、高濃度に濃縮され、回収される。脱着された有機塩素化合物は、高濃度溶液として回収することができるので後処理が容易である。後処理方法としては化学的分解方法等があり、その方法は特に限定されるものではないが、例えば、酸化分解、還元分解、紫外線照射やマイクロ波による光分解等を挙げることができる。
【0034】
一方、有機塩素化合物が除去された絶縁油等の油は、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に定められている処理基準値(0.5ppm以下)を満足するものとなる。本発明の方法で分離された絶縁油等の油は、トランス、コンデンサ等の絶縁油として再利用することができる。
【0035】
【実施例】
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
【0036】
(実施例1)
分子軌道法ソフト(米国Gaussian社製:Gaussian98)を用い、基底関数LANL2MBにて、X型ゼオライトの4員環モデル、6員環モデル、ラージケージ(隙間空間)モデルを用いて、MOPAC、PM3法により、Li−X型ゼオライトに対する有機塩素化合物、ドデカン(鎖状炭化水素)、水及び窒素の吸着エネルギーを求めた。有機塩素化合物としては、置換塩素数の異なる2種のPCB化合物、五塩化ビフェニル(PCB1)と二塩化ビフェニル(PCB2)、及び1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)を用いた。
【0037】
その結果を表1に示した。表1の結果より、X型、A型ゼオライト骨格は、4員環と6員環で構成されているが、実際に化学種が吸着される空間は、ラージケージ(隙間空間)という結晶窓の奥にある比較的広い空間であり、その計算モデルを用いた結果が正確に化学種の吸着状態を再現できることがわかった。
【0038】
【表1】
【0039】
次に、ラージケージモデルを用いて、上記と同様にして、表2に示す各種カチオンを有するSi/Al原子比=1のX型ゼオライトに対する有機塩素化合物、パラフィン系鉱油、水、窒素の吸着エネルギーを求めた。その結果を表2に示した。
【0040】
【表2】
【0041】
表2の結果より、Cl原子の多いPCB1は、Li−X型ラージケージモデルで比較的強く吸着された。しかし、Cl原子の少ないPCB2は、Li−X型ラージケージモデルでの吸着エネルギーは、水の吸着エネルギーよりも若干大きい程度に下がってくる。また、PCB1、PCB2のLi−X型ラージケージモデルでの吸着エネルギーは、パラフィン系鉱油と比較すると大きな吸着エネルギーを持つことより、パラフィン系炭化水素(鉱油)とPCBとの分離にLi−X型ゼオライトが適用可能であることが判った。また、パラフィン系炭化水素(鉱油)とTCBとの分離にも、Li−X型ゼオライトが適用可能であることが判った。さらに、Na−X型ゼオライト、Mg−X型ゼオライトは、PCB2に対してパラフィン系鉱油と比較すると大きな吸着エネルギーを持つことより、パラフィン系炭化水素(鉱油)とPCBとの分離に適用可能であることが判った
【0042】
(比較例1)
実施例1と同様にして、活性炭の各極性基における吸着サイトでの各化学種の吸着エネルギーを求めた。計算モデルは、28炭素原子計算モデルを使用した。その結果を表3に示した。
【0043】
【表3】
【0044】
表3の結果より、活性炭の各極性基での吸着エネルギーは、ゼオライトと比べて小さい。多孔質の活性炭にはマクロポア、メソポア、ミクロポアなる領域が存在しており、PCBはミクロポアの各極性基に吸着されないとすると、ミクロポアのくさび型空間にはさまってPCBが吸着すると考えられる。ミクロポアのくさび型空間にはさまって吸着される機構では、分子の大きさのみで選択され、鉱油成分のパラフィン系炭化水素や、ナフテン系炭化水素も同様にミクロポアのくさび型空間に吸着され、PCBのみ選択的に吸着することが困難になると考えられる。
【0045】
一方、X型ゼオライトによるPCB吸着は、計算結果から主にゼオライトのカチオンの吸着サイトにPCBの塩素原子が吸着される。しかも、X型ゼオライトのラージケージの大きさがPCBを吸着するのに適しており、五塩化ビフェニルの場合、複数のカチオンと五塩化ビフェニルの塩素原子とが、数箇所で物理的に結合する。また、ラージケージはくさび型ではなく直径約13Åの球状の空間であるため、X型ラージケージ内に浸透した鉱油成分は、カチオンと結合しないため、ラージケージ内を通過して行き、結晶外に出て行くと考えられる。
【0046】
従って、PCBの吸着容量を高める観点から、2価のカチオンよりも1価のカチオンの方が好ましく、またPCBへの吸着エネルギーが大きく、かつX型ゼオライト中で結晶窓径が最も大きい部類に属し、PCBが容易に結晶内に浸透可能なLi−X型ゼオライトが好ましく、かつカチオンであるLi−Xラージケージ内の比率が高く、Si/Al比の低いゼオライトの方が、PCB等の嵩高分子を吸着し易いことになる。
【0047】
(実施例2)
Li−X型ゼオライト(東ソー社製、「ゼオラムNSA−100」)を用いて、有機塩素化合物の吸着実験を行った。パラフィン系鉱油模擬物質としてドデカンを用い、これに四塩化ビフェニル(鐘淵化学(株)製、KC−400)及び1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)を、それぞれ20ppm含有させて試験溶液を調製した。上記のゼオライトを200℃で1時間焼成した後、10gをクロマト管に充填し、これに試験溶液20mlを通液し、初溜5mlを分取した。12時間静置した後、クロマト管の下部より試験溶液を流下させた。
【0048】
クロマト管通液前後のドデカン溶液を、ULBON HR−20M((株)島津ジーエルシー製)をキャピラリーカラム(カラム温度80℃→220℃)とする(株)島津製作所製のガスクロマトグラフィー質量分析計QP5050A(以下、「GC−MS」)にかけ、四塩化ビフェニル(PCB)及びTCBの含有量を、選択的イオン検出法(検出限界10ppb、以下「SIM法」)により精密分析した。その結果を表4に示した。
【0049】
【表4】
【0050】
GC−MS測定結果より、ゼオライト処理後の初溜のPCB濃度は1/10以下に減少しており、PCBは98.7%吸着されることが確認された。TCBも、ゼオライト処理により初溜濃度が1/5以下に減少しており、PCBよりも弱いが98.2%吸着されることが確認された。
【0051】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、有機塩素化合物を含む油から有機塩素化合物を選択的に吸着分離することができる。また、煩雑な抽出操作が不要なため、低コストで効率的に分離することができる。また、高濃度の有機塩素化合物を回収できるため、分解処理コストを低減することができ、低コストで有機塩素化合物を無害化することができる。
Claims (7)
- 実質的に水を含まない油中の有機塩素化合物を吸着する吸着剤であって、ゼオライト、メソポーラスシリケートのうちの少なくとも1種からなることを特徴とする有機塩素化合物用吸着剤。
- 前記ゼオライトが、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、4B族元素からなる群より選ばれる少なくとも1種のイオンでイオン交換されている請求項1に記載の有機塩素化合物用吸着剤。
- 前記ゼオライトが、Si/Al原子比が2以下である請求項1または2に記載の有機塩素化合物用吸着剤。
- 前記油が絶縁油である請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機塩素化合物用吸着剤。
- 実質的に水を含まない有機塩素化合物を含む油を、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機塩素化合物用吸着剤と接触させることにより、油中の有機塩素化合物を吸着処理することを特徴とする有機塩素化合物の分離方法。
- 有機塩素化合物を含む油を脱水処理した後、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機塩素化合物用吸着剤と接触させることにより、油中の有機塩素化合物を吸着処理することを特徴とする有機塩素化合物の分離方法。
- 前記有機塩素化合物が、ポリ塩化ビフェニル類である請求項5または6に記載の有機塩素化合物の分離方法。
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