JP2004311293A - リレー装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】リレー装置の消耗・溶着を防止するために可動接点のバウンドを低減する。
【解決手段】リレー装置の固定接点21a,21bと可動接点22a,22bの接触面を斜面とすることにより、可動接点22a,22bに発生する反力を分散させ、可動プレート15に発生するバウンドの低減を図る。また、可動プレートに対するプランジャ12とコンタクトスプリング14の作用点を可動プレートの重心位置よりも下方にすること、プランジャ12を流体が充填されたシリンダと可動プレート15に接続されるダンパピストンから構成すること、可動プレートのコンタクトスプリング14との接触面側に衝撃吸収部材を設けること、可動プレート15、固定接点16a,16b及び可動接点17a,17bを導電性のある制振材料で構成することによってもバウンドを低減することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】リレー装置の固定接点21a,21bと可動接点22a,22bの接触面を斜面とすることにより、可動接点22a,22bに発生する反力を分散させ、可動プレート15に発生するバウンドの低減を図る。また、可動プレートに対するプランジャ12とコンタクトスプリング14の作用点を可動プレートの重心位置よりも下方にすること、プランジャ12を流体が充填されたシリンダと可動プレート15に接続されるダンパピストンから構成すること、可動プレートのコンタクトスプリング14との接触面側に衝撃吸収部材を設けること、可動プレート15、固定接点16a,16b及び可動接点17a,17bを導電性のある制振材料で構成することによってもバウンドを低減することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リレー装置、特に、接点衝突時に発生するバウンドの低減を図ることを目的とするリレー装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のリレー装置は、例えば、図8に示されるような構造を有している。図8において、(a)はリレー装置が有する電磁コイル11が非通電状態である場合を、(b)はリレー装置が有する電磁コイル11が通電状態である場合を、(c)はリレー装置が有する可動プレート15がバウンドしている状態を示している。
【0003】
従来のリレー装置は、通電時に電磁力を発生する電磁コイル11と、電磁コイル11の発生する電磁力により駆動されるプランジャ12を有している。電磁コイル11の通電時には、(b)で示されるように、プランジャ12は電磁コイル11が発生する電磁力によって引っ張られて下降する。一方、電磁コイル11の非通電時には、(a)で示されるように、プランジャ12は電磁コイル11に内蔵されるリターンスプリング13と呼ばれる弾性部材が及ぼす弾性力によって上昇する。このプランジャ12とコンタクトスプリング14と呼ばれる弾性部材に挟持されているのが可動プレート15である。この可動プレート15には、装置本体に設置される固定接点16a,16bに対向して配置される可動接点17a,17bが設けられている。
【0004】
したがって、電磁コイル11の通電時には電磁力により駆動するプランジャ12が可動プレート15から離れ、コンタクトスプリング14の弾性力で可動プレート15が押圧されることによって固定接点16a,16bと可動接点17a,17bが接触することになる。このとき、可動プレート15は、コンタクトスプリング14の弾性力のみで押圧されることになるのであるが、固定接点16a,16bと可動接点17a,17bが衝突する際の衝突力を完全に吸収することができないので、(c)で示されるようにバウンドが発生してしまうことになる。一方、電磁コイル11の非通電時には、プランジャ12が内蔵するリターンスプリング13の弾性力によってプランジャ12が上昇し、可動プレート15に当接する。このとき、プランジャ12が内蔵するリターンスプリング13の弾性力の方がコンタクトスプリング14の弾性力よりも大きいので、可動プレート15はプランジャ12によって押圧されて上昇し、固定接点16a,16bと可動接点17a,17bが非接触となる。
【0005】
なお、一般的に、各接点16a,16b,17a,17bは銀合金等で、可動プレート15は銅等で構成されている。
【0006】
上述したリレー装置が電気自動車の駆動モータ電力制御等に用いられる場合には、高電圧大電流の電力を投入遮断することの可能なものが求められる。特に、近年は電流電圧条件が厳しくなる傾向にあり、リレー装置の消耗・溶着という問題を解決することが求められている。ここで、消耗や溶着という問題は、高電圧でコンデンサ容量を持つ回路においてリレー装置を作動させると、瞬時に容量分の電荷が突入するためにリレー接点間でアークが発生してしまうことが主な原因となっている。
【0007】
従来、リレー装置の消耗・溶着を防止する対策としては、例えば、接点材料としての銀合金に酸化物等を混入する方法が採られている。
【0008】
また、接点衝突時のバウンドを低減させることによって、リレー装置の消耗・溶着を防止することも行われている(例えば、特許文献1参照)。これは、接点間のバウンドが継続している間はアークが発生し続けてしまい、ほぼアーク継続時間に比例して接点消耗量が増加してしまうためである。
【0009】
【特許文献1】
特開昭63−55829号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術において例示したリレー装置の消耗・溶着を防止する技術には、以下の問題がある。
【0011】
まず、接点材料としての銀合金に酸化物等を混入する方法は、接点の電気抵抗が増加してしまうという問題を有している。また、酸化物等を混入するために接点材料が多くなってしまうので重量が増大し、接点の移動速度が低下してしまうのでアークの遮断が困難になるという問題も含んでいる。
【0012】
また、上記特許文献1が採用している接点衝突時のバウンドを低減させる方法では、衝撃吸収のためにゴム系やスポンジ系等のある程度衝撃を吸収するために体積を必要とする素材を緩衝材として新たに設けることが必要なため、リレー装置の大型化やコストアップの原因となる。
【0013】
さらに、接点衝突時のバウンドを低減させる方法として、接点同士のコンタクト力を増加させるとともに接点重量を低減するという方法も存在する。しかしながら、コンタクト力の増加は電磁コイルの大型化や駆動電力の増大につながってしまいコストアップの原因となっている。また、接点重量の低減には通電電流の制約があり、軽量化や小型化には限界がある。さらに、軽量化を図ることができる材料は、一般的に、強度が低く機械的摩耗が懸念されるものや高価なものが多い。
【0014】
本発明の目的は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、リレー装置の大型化やコストアップを抑制するとともに、消耗・溶着という問題を解決することができる全く新しい制振構造を有するリレー装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
以上のような課題を解決するために、本発明に係るリレー装置は、通電時に電磁力を発生する電磁コイルと、電磁コイルの電磁力により駆動されるプランジャと、プランジャと弾性部材に挟持され、装置本体に設置される固定接点に対向して配置される可動接点を備える可動プレートとを有しており、前記電磁コイルの通電時には電磁力により駆動するプランジャが可動プレートから離れ、弾性部材の弾性力で可動プレートが押圧されることによって固定接点と可動接点が接触し、電磁コイルの非通電時には前記プランジャが内蔵する別の弾性部材の弾性力によりプランジャが駆動し、可動プレートに当接することによって固定接点と可動接点が非接触となる。このような本発明に係るリレー装置において、前記固定接点と可動接点の接触する面を斜面としたことを特徴とする。
【0016】
他の本発明に係るリレー装置は、通電時に電磁力を発生する電磁コイルと、電磁コイルの電磁力により駆動されるプランジャと、プランジャと弾性部材に挟持され、装置本体に設置される固定接点に対向して配置される可動接点を備える可動プレートとを有しており、前記電磁コイルの通電時には電磁力により駆動するプランジャが可動プレートから離れ、弾性部材の弾性力で可動プレートが押圧されることによって固定接点と可動接点が接触し、電磁コイルの非通電時には前記プランジャが内蔵する別の弾性部材の弾性力によりプランジャが駆動し、可動プレートに当接することによって固定接点と可動接点が非接触となる。このような他の本発明に係るリレー装置において、前記固定接点と可動接点は、それぞれ第1の接点と第2の接点を有しており、第1の固定・可動接点の接触する面は斜面であり、第2の固定・可動接点の接触部分は水平面接触若しくは点接触であることを特徴とする。
【0017】
別の本発明に係るリレー装置は、通電時に電磁力を発生する電磁コイルと、電磁コイルの電磁力により駆動されるプランジャと、プランジャと弾性部材に挟持され、装置本体に設置される固定接点に対向して配置される可動接点を備える可動プレートとを有しており、前記電磁コイルの通電時には電磁力により駆動するプランジャが可動プレートから離れ、弾性部材の弾性力で可動プレートが押圧されることによって固定接点と可動接点が接触し、電磁コイルの非通電時には前記プランジャが内蔵する別の弾性部材の弾性力によりプランジャが駆動し、可動プレートに当接することによって固定接点と可動接点が非接触となる。このような別の本発明に係るリレー装置において、前記可動プレートに対するプランジャと弾性部材の作用点が、可動プレートの重心位置よりも下方にあることを特徴とする。
【0018】
また他の本発明に係るリレー装置は、通電時に電磁力を発生する電磁コイルと、電磁コイルの電磁力により駆動されるプランジャと、プランジャと弾性部材に挟持され、装置本体に設置される固定接点に対向して配置される可動接点を備える可動プレートとを有しており、前記プランジャは、流体を充填したシリンダとダンパピストンから構成されるとともに、ダンパピストンは可動プレートに接続され、前記電磁コイルの通電時には電磁力により駆動するプランジャが可動プレートを引っ張りながら、弾性部材の弾性力で可動プレートが押圧されることによって固定接点と可動接点が接触し、電磁コイルの非通電時には前記プランジャが内蔵する別の弾性部材の弾性力によりプランジャが駆動し、可動プレートを押圧することによって固定接点と可動接点が非接触となることを特徴とする。
【0019】
また別の本発明に係るリレー装置は、通電時に電磁力を発生する電磁コイルと、電磁コイルの電磁力により駆動されるプランジャと、プランジャと弾性部材に挟持され、装置本体に設置される固定接点に対向して配置される可動接点を備える可動プレートとを有しており、前記電磁コイルの通電時には電磁力により駆動するプランジャが可動プレートから離れ、弾性部材の弾性力で可動プレートが押圧されることによって固定接点と可動接点が接触し、電磁コイルの非通電時には前記プランジャが内蔵する別の弾性部材の弾性力によりプランジャが駆動し、可動プレートに当接することによって固定接点と可動接点が非接触となる。このような本発明に係るリレー装置において、前記可動プレートの弾性部材との接触面側に衝撃吸収部材を設けたことを特徴とする。
【0020】
さらに他の本発明に係るリレー装置は、通電時に電磁力を発生する電磁コイルと、電磁コイルの電磁力により駆動されるプランジャと、プランジャと弾性部材に挟持され、装置本体に設置される固定接点に対向して配置される可動接点を備える可動プレートとを有しており、前記電磁コイルの通電時には電磁力により駆動するプランジャが可動プレートから離れ、弾性部材の弾性力で可動プレートが押圧されることによって固定接点と可動接点が接触し、電磁コイルの非通電時には前記プランジャが内蔵する別の弾性部材の弾性力によりプランジャが駆動し、可動プレートに当接することによって固定接点と可動接点が非接触となる。このような本発明に係るリレー装置において、前記可動プレート、固定接点及び可動接点を導電性のある制振材料で構成したことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の好適な実施の形態について図を用いて説明する。なお、前述した従来の技術に示した部材と同一又は類似する部材には、同一符号を付して説明を省略する。
【0022】
実施の形態1
本実施の形態について、図1を用いて説明する。図1において、(a)は従来の技術に係るリレー装置の構造を示しており、(b)は本実施の形態に係るリレー装置の構造を、(c)は本実施の形態に係るリレー装置のバウンド低減機構を説明するための図である。
【0023】
本実施の形態で特徴的なことは、固定接点21a,21bと可動接点22a,22bの接触する面を斜面としたことにある。
【0024】
(a)で示されるような従来の技術に係るリレー装置の場合、プランジャ12が可動プレート15から離れることによって、可動プレート15はコンタクトスプリング14の弾性力を受け、固定接点16a,16bと可動接点17a,17bが接触し通電されることになる。このとき、コンタクトスプリング14は、固定接点16a,16bと可動接点17a,17bが衝突する際の衝突力を完全に吸収することができないので、矢印Yで示される衝突力の反力が発生し、可動プレート15がバウンドすることになる。
【0025】
一方、(b)で示される本実施の形態に係るリレー装置のように、固定接点21a,21bと可動接点22a,22bの接触する面を斜面とすると、反力Yを低減することが可能となる。すなわち、(c)で示されるように、固定接点21a,21bと可動接点22a,22bの接触する斜面の角度をθ°とすると、斜面に対する反力はYcosθとなり、発生する反力を低減することが可能となる。この斜面による反力の分散効果によって、可動プレート15に発生するバウンドの低減を図ることができる。
【0026】
実施の形態2
本実施の形態について、図2を用いて説明する。図2は、本実施の形態に係るリレー装置の構造を示す図である。
【0027】
本実施の形態で特徴的なことは、一方の接点(固定接点21と可動接点22)の接触する面を斜面とし、他方の接点(固定接点16と可動接点17)の接触部分を水平面接触若しくは点接触としたことにある。このような構成とすることによって、一方の接点(固定接点21と可動接点22)が有する斜面の効果によって発生する反力を低減し、さらに、他方の接点(固定接点16と可動接点17)の接触部分が摺動することによって衝突力を分散することができるので、さらにバウンドの低減を図ることが可能となる。
【0028】
実施の形態3
本実施の形態について、図3を用いて説明する。図3は、本実施の形態に係るリレー装置の構造を示す図である。
【0029】
本実施の形態で特徴的なことは、可動プレート31に対するプランジャ12とコンタクトスプリング14の作用点(X2)が、可動プレート31の重心位置(X1)よりも下方にあることである。
【0030】
可動プレート31は、自己の重心を中心としてバウンドを発生してしまうので、従来の技術で示したような可動プレート15では、可動プレート15の重心位置とプランジャ12およびコンタクトスプリング14の作用点が重なってしまい、バウンドの発生しやすい構造となっていた(図8参照)。
【0031】
本実施の形態に係るリレー装置の可動プレート31では、可動プレート31の重心位置(X1)をプランジャ12およびコンタクトスプリング14の作用点(X2)よりも下方とするため、可動プレート31を可動接点17a,17bよりも下方に延びるU字形状とし、このU字形状の底部をコンタクトスプリング14の作用点(X2)とした。可動プレート31にこのような形状を採用することによって、バウンドの発生を低減させることが可能となった。
【0032】
実施の形態4
本実施の形態について、図4を用いて説明する。図4は本実施の形態に係るリレー装置の構造を示す図であり、(a)は電磁コイルが非通電状態である場合を示しており、(b)は電磁コイルが通電状態となって可動プレート15を引っ張っている途中の状態を示しており、(c)は可動プレート15が完全に固定された状態を示している。
【0033】
本実施の形態で特徴的なことは、プランジャ40を流体43の充填されたシリンダ41とダンパピストン42から構成するとともに、ダンパピストン42を可動プレート15に接続したことにある。なお、ダンパピストン42は、ダンパピストン42が有する軸部とCリング44等の部材とによって可動プレート15に固定されている。
【0034】
電磁コイル11が非通電状態の時には、(a)で示されるように、プランジャ40が内蔵するリターンスプリング13の弾性力によりプランジャ40が上方に移動し、可動プレート15もプランジャ40とともに上方に移動されるので、固定接点16a,16bと可動接点17a,17bが非接触となる。
【0035】
電磁コイル11が通電状態となると、まず(b)で示されるように、電磁コイル11が発生する電磁力によりプランジャ40が可動プレート15を引っ張りながら下降する。このとき、コンタクトスプリング14の弾性力も可動プレート15に及ぼされ、プランジャ40の引っ張り力とコンタクトスプリング14の押圧力という2つの力によって可動プレート15が下降し、固定接点16a,16bと可動接点17a,17bが接触する。
【0036】
さらに、(c)で示されるように、シリンダ41は下降を続けるのであるが、その際ダンパピストン42は、シリンダ41内に充填された流体43の力を受けているので可動プレート15に対して下方向の引っ張り力を維持することになる。この引っ張り力の作用によって、可動プレート15に発生するバウンドを低減あるいは防止することができる。
【0037】
実施の形態5
本実施の形態について、図5を用いて説明する。図5は、本実施の形態に係るリレー装置の可動プレート50を示す図である。
【0038】
本実施の形態で特徴的なことは、可動プレート50のコンタクトスプリング14との接触面側に衝撃吸収部材51を設けたことである。
【0039】
可動プレート50に衝撃吸収用の板材51を設置し、リベット等の軸部材52を用いて緩く固定する。具体的には、板材51同士に0.1mm程度のクリアランスをもたせてある。したがって、板材51同士の微妙な衝突によって衝突エネルギが消耗され、結果として可動プレート50のバウンドが低減されることになる。なお、衝撃吸収用の板材51には、例えば、SUS303等の材質を用い、板厚0.2〜0.3mmのものを3枚程度重ねて用いることが好適である。
【0040】
実施の形態6
本実施の形態について、図6を用いて説明する。図6は、本実施の形態に係るリレー装置を示す図である。
【0041】
本実施の形態で特徴的なことは、可動プレート15、固定接点16a,16b及び可動接点17a,17bを導電性のある制振材料で構成したことである。
【0042】
本実施の形態で示すリレー装置のように、バウンドの発生する可動プレート15、固定接点16a,16b及び可動接点17a,17bを導電性のある制振材料で構成することによって、バウンドの低減を図ることができる。具体的には、M2052を用いることが好適である。M2052は、重量パーセントでMn:73%、Cu:20%、Ni:5%、Fe:2%を含む合金であり、これら4種類の金属を真空溶解した金属材料である。このM2052は、振動を移動する双晶で吸収するという他の金属にはみられない特徴を有しており、リレー装置における可動プレート15、固定接点16a,16b及び可動接点17a,17bに用いることによってバウンドの発生を効果的に抑制することが可能となる。
【0043】
実施の形態7
本実施の形態について、図7を用いて説明する。図7は、前述した実施の形態1,3〜6を組み合わせたリレー装置を示す図である。
【0044】
図7で示すように、実施の形態1,3〜6を組み合わせることによって、可動プレート70に発生するバウンドをより効果的に低減することが可能となる。なお、本実施の形態では、前述した実施の形態1,3〜6を組み合わせた場合を例示しているが、実施の形態1〜6のあらゆる組合せを実施するが可能である。リレー装置の形状や使用環境によって、これら実施の形態を適宜組み合わせて使用することにより、可動プレート70に発生するバウンドを低減することが可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0045】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明が提案する全く新しい制振構造を有するリレー装置によれば、リレー装置の大型化やコストアップを抑制しつつ、消耗・溶着という問題を解決することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係るリレー装置の構造を説明するための図であり、(a)は従来の技術に係るリレー装置の構造を示しており、(b)は実施の形態1に係るリレー装置の構造を、(c)は実施の形態1に係るリレー装置のバウンド低減機構を説明するための図である。
【図2】実施の形態2に係るリレー装置の構造を示す図である。
【図3】実施の形態3に係るリレー装置の構造を示す図である。
【図4】実施の形態4に係るリレー装置の構造を示す図であり、(a)は電磁コイルが非通電状態である場合を示しており、(b)は電磁コイルが通電状態となって可動プレートを引っ張っている途中の状態を示しており、(c)は可動プレートが完全に固定された状態を示している。
【図5】実施の形態5に係るリレー装置の可動プレートを示す図である。
【図6】実施の形態6に係るリレー装置を示す図である。
【図7】実施の形態1,3〜6を組み合わせたリレー装置を示す図である。
【図8】従来の技術に係るリレー装置を示す図であり、(a)はリレー装置が有する電磁コイルが非通電状態である場合を、(b)はリレー装置が有する電磁コイルが通電状態である場合を、(c)はリレー装置が有する可動プレートがバウンドしている状態を示している。
【符号の説明】
11 電磁コイル、12,40 プランジャ、13 リターンスプリング、14 コンタクトスプリング、15,31,50,70 可動プレート、16,16a,16b,21,21a,21b 固定接点、17,17a,17b,22,22a,22b 可動接点、41 シリンダ、42 ダンパピストン、43 流体、44 Cリング、51 衝撃吸収部材(板材)、52 軸部材。
【発明の属する技術分野】
本発明は、リレー装置、特に、接点衝突時に発生するバウンドの低減を図ることを目的とするリレー装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のリレー装置は、例えば、図8に示されるような構造を有している。図8において、(a)はリレー装置が有する電磁コイル11が非通電状態である場合を、(b)はリレー装置が有する電磁コイル11が通電状態である場合を、(c)はリレー装置が有する可動プレート15がバウンドしている状態を示している。
【0003】
従来のリレー装置は、通電時に電磁力を発生する電磁コイル11と、電磁コイル11の発生する電磁力により駆動されるプランジャ12を有している。電磁コイル11の通電時には、(b)で示されるように、プランジャ12は電磁コイル11が発生する電磁力によって引っ張られて下降する。一方、電磁コイル11の非通電時には、(a)で示されるように、プランジャ12は電磁コイル11に内蔵されるリターンスプリング13と呼ばれる弾性部材が及ぼす弾性力によって上昇する。このプランジャ12とコンタクトスプリング14と呼ばれる弾性部材に挟持されているのが可動プレート15である。この可動プレート15には、装置本体に設置される固定接点16a,16bに対向して配置される可動接点17a,17bが設けられている。
【0004】
したがって、電磁コイル11の通電時には電磁力により駆動するプランジャ12が可動プレート15から離れ、コンタクトスプリング14の弾性力で可動プレート15が押圧されることによって固定接点16a,16bと可動接点17a,17bが接触することになる。このとき、可動プレート15は、コンタクトスプリング14の弾性力のみで押圧されることになるのであるが、固定接点16a,16bと可動接点17a,17bが衝突する際の衝突力を完全に吸収することができないので、(c)で示されるようにバウンドが発生してしまうことになる。一方、電磁コイル11の非通電時には、プランジャ12が内蔵するリターンスプリング13の弾性力によってプランジャ12が上昇し、可動プレート15に当接する。このとき、プランジャ12が内蔵するリターンスプリング13の弾性力の方がコンタクトスプリング14の弾性力よりも大きいので、可動プレート15はプランジャ12によって押圧されて上昇し、固定接点16a,16bと可動接点17a,17bが非接触となる。
【0005】
なお、一般的に、各接点16a,16b,17a,17bは銀合金等で、可動プレート15は銅等で構成されている。
【0006】
上述したリレー装置が電気自動車の駆動モータ電力制御等に用いられる場合には、高電圧大電流の電力を投入遮断することの可能なものが求められる。特に、近年は電流電圧条件が厳しくなる傾向にあり、リレー装置の消耗・溶着という問題を解決することが求められている。ここで、消耗や溶着という問題は、高電圧でコンデンサ容量を持つ回路においてリレー装置を作動させると、瞬時に容量分の電荷が突入するためにリレー接点間でアークが発生してしまうことが主な原因となっている。
【0007】
従来、リレー装置の消耗・溶着を防止する対策としては、例えば、接点材料としての銀合金に酸化物等を混入する方法が採られている。
【0008】
また、接点衝突時のバウンドを低減させることによって、リレー装置の消耗・溶着を防止することも行われている(例えば、特許文献1参照)。これは、接点間のバウンドが継続している間はアークが発生し続けてしまい、ほぼアーク継続時間に比例して接点消耗量が増加してしまうためである。
【0009】
【特許文献1】
特開昭63−55829号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術において例示したリレー装置の消耗・溶着を防止する技術には、以下の問題がある。
【0011】
まず、接点材料としての銀合金に酸化物等を混入する方法は、接点の電気抵抗が増加してしまうという問題を有している。また、酸化物等を混入するために接点材料が多くなってしまうので重量が増大し、接点の移動速度が低下してしまうのでアークの遮断が困難になるという問題も含んでいる。
【0012】
また、上記特許文献1が採用している接点衝突時のバウンドを低減させる方法では、衝撃吸収のためにゴム系やスポンジ系等のある程度衝撃を吸収するために体積を必要とする素材を緩衝材として新たに設けることが必要なため、リレー装置の大型化やコストアップの原因となる。
【0013】
さらに、接点衝突時のバウンドを低減させる方法として、接点同士のコンタクト力を増加させるとともに接点重量を低減するという方法も存在する。しかしながら、コンタクト力の増加は電磁コイルの大型化や駆動電力の増大につながってしまいコストアップの原因となっている。また、接点重量の低減には通電電流の制約があり、軽量化や小型化には限界がある。さらに、軽量化を図ることができる材料は、一般的に、強度が低く機械的摩耗が懸念されるものや高価なものが多い。
【0014】
本発明の目的は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、リレー装置の大型化やコストアップを抑制するとともに、消耗・溶着という問題を解決することができる全く新しい制振構造を有するリレー装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
以上のような課題を解決するために、本発明に係るリレー装置は、通電時に電磁力を発生する電磁コイルと、電磁コイルの電磁力により駆動されるプランジャと、プランジャと弾性部材に挟持され、装置本体に設置される固定接点に対向して配置される可動接点を備える可動プレートとを有しており、前記電磁コイルの通電時には電磁力により駆動するプランジャが可動プレートから離れ、弾性部材の弾性力で可動プレートが押圧されることによって固定接点と可動接点が接触し、電磁コイルの非通電時には前記プランジャが内蔵する別の弾性部材の弾性力によりプランジャが駆動し、可動プレートに当接することによって固定接点と可動接点が非接触となる。このような本発明に係るリレー装置において、前記固定接点と可動接点の接触する面を斜面としたことを特徴とする。
【0016】
他の本発明に係るリレー装置は、通電時に電磁力を発生する電磁コイルと、電磁コイルの電磁力により駆動されるプランジャと、プランジャと弾性部材に挟持され、装置本体に設置される固定接点に対向して配置される可動接点を備える可動プレートとを有しており、前記電磁コイルの通電時には電磁力により駆動するプランジャが可動プレートから離れ、弾性部材の弾性力で可動プレートが押圧されることによって固定接点と可動接点が接触し、電磁コイルの非通電時には前記プランジャが内蔵する別の弾性部材の弾性力によりプランジャが駆動し、可動プレートに当接することによって固定接点と可動接点が非接触となる。このような他の本発明に係るリレー装置において、前記固定接点と可動接点は、それぞれ第1の接点と第2の接点を有しており、第1の固定・可動接点の接触する面は斜面であり、第2の固定・可動接点の接触部分は水平面接触若しくは点接触であることを特徴とする。
【0017】
別の本発明に係るリレー装置は、通電時に電磁力を発生する電磁コイルと、電磁コイルの電磁力により駆動されるプランジャと、プランジャと弾性部材に挟持され、装置本体に設置される固定接点に対向して配置される可動接点を備える可動プレートとを有しており、前記電磁コイルの通電時には電磁力により駆動するプランジャが可動プレートから離れ、弾性部材の弾性力で可動プレートが押圧されることによって固定接点と可動接点が接触し、電磁コイルの非通電時には前記プランジャが内蔵する別の弾性部材の弾性力によりプランジャが駆動し、可動プレートに当接することによって固定接点と可動接点が非接触となる。このような別の本発明に係るリレー装置において、前記可動プレートに対するプランジャと弾性部材の作用点が、可動プレートの重心位置よりも下方にあることを特徴とする。
【0018】
また他の本発明に係るリレー装置は、通電時に電磁力を発生する電磁コイルと、電磁コイルの電磁力により駆動されるプランジャと、プランジャと弾性部材に挟持され、装置本体に設置される固定接点に対向して配置される可動接点を備える可動プレートとを有しており、前記プランジャは、流体を充填したシリンダとダンパピストンから構成されるとともに、ダンパピストンは可動プレートに接続され、前記電磁コイルの通電時には電磁力により駆動するプランジャが可動プレートを引っ張りながら、弾性部材の弾性力で可動プレートが押圧されることによって固定接点と可動接点が接触し、電磁コイルの非通電時には前記プランジャが内蔵する別の弾性部材の弾性力によりプランジャが駆動し、可動プレートを押圧することによって固定接点と可動接点が非接触となることを特徴とする。
【0019】
また別の本発明に係るリレー装置は、通電時に電磁力を発生する電磁コイルと、電磁コイルの電磁力により駆動されるプランジャと、プランジャと弾性部材に挟持され、装置本体に設置される固定接点に対向して配置される可動接点を備える可動プレートとを有しており、前記電磁コイルの通電時には電磁力により駆動するプランジャが可動プレートから離れ、弾性部材の弾性力で可動プレートが押圧されることによって固定接点と可動接点が接触し、電磁コイルの非通電時には前記プランジャが内蔵する別の弾性部材の弾性力によりプランジャが駆動し、可動プレートに当接することによって固定接点と可動接点が非接触となる。このような本発明に係るリレー装置において、前記可動プレートの弾性部材との接触面側に衝撃吸収部材を設けたことを特徴とする。
【0020】
さらに他の本発明に係るリレー装置は、通電時に電磁力を発生する電磁コイルと、電磁コイルの電磁力により駆動されるプランジャと、プランジャと弾性部材に挟持され、装置本体に設置される固定接点に対向して配置される可動接点を備える可動プレートとを有しており、前記電磁コイルの通電時には電磁力により駆動するプランジャが可動プレートから離れ、弾性部材の弾性力で可動プレートが押圧されることによって固定接点と可動接点が接触し、電磁コイルの非通電時には前記プランジャが内蔵する別の弾性部材の弾性力によりプランジャが駆動し、可動プレートに当接することによって固定接点と可動接点が非接触となる。このような本発明に係るリレー装置において、前記可動プレート、固定接点及び可動接点を導電性のある制振材料で構成したことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の好適な実施の形態について図を用いて説明する。なお、前述した従来の技術に示した部材と同一又は類似する部材には、同一符号を付して説明を省略する。
【0022】
実施の形態1
本実施の形態について、図1を用いて説明する。図1において、(a)は従来の技術に係るリレー装置の構造を示しており、(b)は本実施の形態に係るリレー装置の構造を、(c)は本実施の形態に係るリレー装置のバウンド低減機構を説明するための図である。
【0023】
本実施の形態で特徴的なことは、固定接点21a,21bと可動接点22a,22bの接触する面を斜面としたことにある。
【0024】
(a)で示されるような従来の技術に係るリレー装置の場合、プランジャ12が可動プレート15から離れることによって、可動プレート15はコンタクトスプリング14の弾性力を受け、固定接点16a,16bと可動接点17a,17bが接触し通電されることになる。このとき、コンタクトスプリング14は、固定接点16a,16bと可動接点17a,17bが衝突する際の衝突力を完全に吸収することができないので、矢印Yで示される衝突力の反力が発生し、可動プレート15がバウンドすることになる。
【0025】
一方、(b)で示される本実施の形態に係るリレー装置のように、固定接点21a,21bと可動接点22a,22bの接触する面を斜面とすると、反力Yを低減することが可能となる。すなわち、(c)で示されるように、固定接点21a,21bと可動接点22a,22bの接触する斜面の角度をθ°とすると、斜面に対する反力はYcosθとなり、発生する反力を低減することが可能となる。この斜面による反力の分散効果によって、可動プレート15に発生するバウンドの低減を図ることができる。
【0026】
実施の形態2
本実施の形態について、図2を用いて説明する。図2は、本実施の形態に係るリレー装置の構造を示す図である。
【0027】
本実施の形態で特徴的なことは、一方の接点(固定接点21と可動接点22)の接触する面を斜面とし、他方の接点(固定接点16と可動接点17)の接触部分を水平面接触若しくは点接触としたことにある。このような構成とすることによって、一方の接点(固定接点21と可動接点22)が有する斜面の効果によって発生する反力を低減し、さらに、他方の接点(固定接点16と可動接点17)の接触部分が摺動することによって衝突力を分散することができるので、さらにバウンドの低減を図ることが可能となる。
【0028】
実施の形態3
本実施の形態について、図3を用いて説明する。図3は、本実施の形態に係るリレー装置の構造を示す図である。
【0029】
本実施の形態で特徴的なことは、可動プレート31に対するプランジャ12とコンタクトスプリング14の作用点(X2)が、可動プレート31の重心位置(X1)よりも下方にあることである。
【0030】
可動プレート31は、自己の重心を中心としてバウンドを発生してしまうので、従来の技術で示したような可動プレート15では、可動プレート15の重心位置とプランジャ12およびコンタクトスプリング14の作用点が重なってしまい、バウンドの発生しやすい構造となっていた(図8参照)。
【0031】
本実施の形態に係るリレー装置の可動プレート31では、可動プレート31の重心位置(X1)をプランジャ12およびコンタクトスプリング14の作用点(X2)よりも下方とするため、可動プレート31を可動接点17a,17bよりも下方に延びるU字形状とし、このU字形状の底部をコンタクトスプリング14の作用点(X2)とした。可動プレート31にこのような形状を採用することによって、バウンドの発生を低減させることが可能となった。
【0032】
実施の形態4
本実施の形態について、図4を用いて説明する。図4は本実施の形態に係るリレー装置の構造を示す図であり、(a)は電磁コイルが非通電状態である場合を示しており、(b)は電磁コイルが通電状態となって可動プレート15を引っ張っている途中の状態を示しており、(c)は可動プレート15が完全に固定された状態を示している。
【0033】
本実施の形態で特徴的なことは、プランジャ40を流体43の充填されたシリンダ41とダンパピストン42から構成するとともに、ダンパピストン42を可動プレート15に接続したことにある。なお、ダンパピストン42は、ダンパピストン42が有する軸部とCリング44等の部材とによって可動プレート15に固定されている。
【0034】
電磁コイル11が非通電状態の時には、(a)で示されるように、プランジャ40が内蔵するリターンスプリング13の弾性力によりプランジャ40が上方に移動し、可動プレート15もプランジャ40とともに上方に移動されるので、固定接点16a,16bと可動接点17a,17bが非接触となる。
【0035】
電磁コイル11が通電状態となると、まず(b)で示されるように、電磁コイル11が発生する電磁力によりプランジャ40が可動プレート15を引っ張りながら下降する。このとき、コンタクトスプリング14の弾性力も可動プレート15に及ぼされ、プランジャ40の引っ張り力とコンタクトスプリング14の押圧力という2つの力によって可動プレート15が下降し、固定接点16a,16bと可動接点17a,17bが接触する。
【0036】
さらに、(c)で示されるように、シリンダ41は下降を続けるのであるが、その際ダンパピストン42は、シリンダ41内に充填された流体43の力を受けているので可動プレート15に対して下方向の引っ張り力を維持することになる。この引っ張り力の作用によって、可動プレート15に発生するバウンドを低減あるいは防止することができる。
【0037】
実施の形態5
本実施の形態について、図5を用いて説明する。図5は、本実施の形態に係るリレー装置の可動プレート50を示す図である。
【0038】
本実施の形態で特徴的なことは、可動プレート50のコンタクトスプリング14との接触面側に衝撃吸収部材51を設けたことである。
【0039】
可動プレート50に衝撃吸収用の板材51を設置し、リベット等の軸部材52を用いて緩く固定する。具体的には、板材51同士に0.1mm程度のクリアランスをもたせてある。したがって、板材51同士の微妙な衝突によって衝突エネルギが消耗され、結果として可動プレート50のバウンドが低減されることになる。なお、衝撃吸収用の板材51には、例えば、SUS303等の材質を用い、板厚0.2〜0.3mmのものを3枚程度重ねて用いることが好適である。
【0040】
実施の形態6
本実施の形態について、図6を用いて説明する。図6は、本実施の形態に係るリレー装置を示す図である。
【0041】
本実施の形態で特徴的なことは、可動プレート15、固定接点16a,16b及び可動接点17a,17bを導電性のある制振材料で構成したことである。
【0042】
本実施の形態で示すリレー装置のように、バウンドの発生する可動プレート15、固定接点16a,16b及び可動接点17a,17bを導電性のある制振材料で構成することによって、バウンドの低減を図ることができる。具体的には、M2052を用いることが好適である。M2052は、重量パーセントでMn:73%、Cu:20%、Ni:5%、Fe:2%を含む合金であり、これら4種類の金属を真空溶解した金属材料である。このM2052は、振動を移動する双晶で吸収するという他の金属にはみられない特徴を有しており、リレー装置における可動プレート15、固定接点16a,16b及び可動接点17a,17bに用いることによってバウンドの発生を効果的に抑制することが可能となる。
【0043】
実施の形態7
本実施の形態について、図7を用いて説明する。図7は、前述した実施の形態1,3〜6を組み合わせたリレー装置を示す図である。
【0044】
図7で示すように、実施の形態1,3〜6を組み合わせることによって、可動プレート70に発生するバウンドをより効果的に低減することが可能となる。なお、本実施の形態では、前述した実施の形態1,3〜6を組み合わせた場合を例示しているが、実施の形態1〜6のあらゆる組合せを実施するが可能である。リレー装置の形状や使用環境によって、これら実施の形態を適宜組み合わせて使用することにより、可動プレート70に発生するバウンドを低減することが可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0045】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明が提案する全く新しい制振構造を有するリレー装置によれば、リレー装置の大型化やコストアップを抑制しつつ、消耗・溶着という問題を解決することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係るリレー装置の構造を説明するための図であり、(a)は従来の技術に係るリレー装置の構造を示しており、(b)は実施の形態1に係るリレー装置の構造を、(c)は実施の形態1に係るリレー装置のバウンド低減機構を説明するための図である。
【図2】実施の形態2に係るリレー装置の構造を示す図である。
【図3】実施の形態3に係るリレー装置の構造を示す図である。
【図4】実施の形態4に係るリレー装置の構造を示す図であり、(a)は電磁コイルが非通電状態である場合を示しており、(b)は電磁コイルが通電状態となって可動プレートを引っ張っている途中の状態を示しており、(c)は可動プレートが完全に固定された状態を示している。
【図5】実施の形態5に係るリレー装置の可動プレートを示す図である。
【図6】実施の形態6に係るリレー装置を示す図である。
【図7】実施の形態1,3〜6を組み合わせたリレー装置を示す図である。
【図8】従来の技術に係るリレー装置を示す図であり、(a)はリレー装置が有する電磁コイルが非通電状態である場合を、(b)はリレー装置が有する電磁コイルが通電状態である場合を、(c)はリレー装置が有する可動プレートがバウンドしている状態を示している。
【符号の説明】
11 電磁コイル、12,40 プランジャ、13 リターンスプリング、14 コンタクトスプリング、15,31,50,70 可動プレート、16,16a,16b,21,21a,21b 固定接点、17,17a,17b,22,22a,22b 可動接点、41 シリンダ、42 ダンパピストン、43 流体、44 Cリング、51 衝撃吸収部材(板材)、52 軸部材。
Claims (6)
- 通電時に電磁力を発生する電磁コイルと、
電磁コイルの電磁力により駆動されるプランジャと、
プランジャと弾性部材に挟持され、装置本体に設置される固定接点に対向して配置される可動接点を備える可動プレートと、
を有し、
前記電磁コイルの通電時には電磁力により駆動するプランジャが可動プレートから離れ、弾性部材の弾性力で可動プレートが押圧されることによって固定接点と可動接点が接触し、電磁コイルの非通電時には前記プランジャが内蔵する別の弾性部材の弾性力によりプランジャが駆動し、可動プレートに当接することによって固定接点と可動接点が非接触となるリレー装置において、
前記固定接点と可動接点の接触する面を斜面としたこと、
を特徴とするリレー装置。 - 通電時に電磁力を発生する電磁コイルと、
電磁コイルの電磁力により駆動されるプランジャと、
プランジャと弾性部材に挟持され、装置本体に設置される固定接点に対向して配置される可動接点を備える可動プレートと、
を有し、
前記電磁コイルの通電時には電磁力により駆動するプランジャが可動プレートから離れ、弾性部材の弾性力で可動プレートが押圧されることによって固定接点と可動接点が接触し、電磁コイルの非通電時には前記プランジャが内蔵する別の弾性部材の弾性力によりプランジャが駆動し、可動プレートに当接することによって固定接点と可動接点が非接触となるリレー装置において、
前記固定接点と可動接点は、それぞれ第1の接点と第2の接点を有し、
第1の固定・可動接点の接触する面は斜面であり、
第2の固定・可動接点の接触部分は水平面接触若しくは点接触であること、
を特徴とするリレー装置。 - 通電時に電磁力を発生する電磁コイルと、
電磁コイルの電磁力により駆動されるプランジャと、
プランジャと弾性部材に挟持され、装置本体に設置される固定接点に対向して配置される可動接点を備える可動プレートと、
を有し、
前記電磁コイルの通電時には電磁力により駆動するプランジャが可動プレートから離れ、弾性部材の弾性力で可動プレートが押圧されることによって固定接点と可動接点が接触し、電磁コイルの非通電時には前記プランジャが内蔵する別の弾性部材の弾性力によりプランジャが駆動し、可動プレートに当接することによって固定接点と可動接点が非接触となるリレー装置において、
前記可動プレートに対するプランジャと弾性部材の作用点が、可動プレートの重心位置よりも下方にあること、
を特徴とするリレー装置。 - 通電時に電磁力を発生する電磁コイルと、
電磁コイルの電磁力により駆動されるプランジャと、
プランジャと弾性部材に挟持され、装置本体に設置される固定接点に対向して配置される可動接点を備える可動プレートと、
を有し、
前記プランジャは、流体を充填したシリンダとダンパピストンから構成されるとともに、ダンパピストンは可動プレートに接続され、
前記電磁コイルの通電時には電磁力により駆動するプランジャが可動プレートを引っ張りながら、弾性部材の弾性力で可動プレートが押圧されることによって固定接点と可動接点が接触し、電磁コイルの非通電時には前記プランジャが内蔵する別の弾性部材の弾性力によりプランジャが駆動し、可動プレートを押圧することによって固定接点と可動接点が非接触となること、
を特徴とするリレー装置。 - 通電時に電磁力を発生する電磁コイルと、
電磁コイルの電磁力により駆動されるプランジャと、
プランジャと弾性部材に挟持され、装置本体に設置される固定接点に対向して配置される可動接点を備える可動プレートと、
を有し、
前記電磁コイルの通電時には電磁力により駆動するプランジャが可動プレートから離れ、弾性部材の弾性力で可動プレートが押圧されることによって固定接点と可動接点が接触し、電磁コイルの非通電時には前記プランジャが内蔵する別の弾性部材の弾性力によりプランジャが駆動し、可動プレートに当接することによって固定接点と可動接点が非接触となるリレー装置において、
前記可動プレートの弾性部材との接触面側に衝撃吸収部材を設けたこと、
を特徴とするリレー装置。 - 通電時に電磁力を発生する電磁コイルと、
電磁コイルの電磁力により駆動されるプランジャと、
プランジャと弾性部材に挟持され、装置本体に設置される固定接点に対向して配置される可動接点を備える可動プレートと、
を有し、
前記電磁コイルの通電時には電磁力により駆動するプランジャが可動プレートから離れ、弾性部材の弾性力で可動プレートが押圧されることによって固定接点と可動接点が接触し、電磁コイルの非通電時には前記プランジャが内蔵する別の弾性部材の弾性力によりプランジャが駆動し、可動プレートに当接することによって固定接点と可動接点が非接触となるリレー装置において、
前記可動プレート、固定接点及び可動接点を導電性のある制振材料で構成したこと、
を特徴とするリレー装置。
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