【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種流体中の特定成分の濃度を測定する吸光式分析計に関するもので、特に複数成分が共存する試料の成分濃度の管理・不純物管理用の流体濃度測定装置に有用である。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種製造プロセス、例えば半導体製造装置や化学反応原料発生装置などには多くの特定物質発生装置が使用されており、その用途も多岐に渡っている。従って、装置の種類も1つの物質の発生から複数の物質の混合体まで多種多様であるとともに、各プロセスの制御に関し中心的機能を果たすものも多く、発生濃度の精度など要求仕様も様々である。こうした発生濃度の管理を行うに際しては、管理対象物質および各種の妨害物質の濃度管理が不可欠となり、多種多様な用途に対応できる精度の良い測定器が求められ、従来から、汎用性が高く、同一構成で多種の成分測定が可能で、多成分同時測定が可能な非分散赤外線分析計(以下、「NDIR」という。)や非分散紫外線分析計(以下「NDUV」という。)などの吸光式分析計が多く用いられている。こうした吸光式分析計は、基本的に試料に非接触であることからも各種のプロセスのインラインモニターとしても有用である。
【0003】
図7の構成例に基づいて、多成分の吸光式分析計として多用されている光断続方式NDIRについて説明する。光源用電源4からの電力を注入すると光源1からの赤外線が試料セル部2を介して検出器3、3’、3”に導入されるが、モータ5によって駆動されるチョッパ6がその光学系の中間に設けられ、前記赤外線は断続光となって、検出器3、3’、3”に投入される。光源1と検出器3、3’、3”の間には、通常測定対象成分に対応した波長域の赤外線を選択的に透過する光学フィルタ7、7’、7”が設けられ、試料セル部2に導入された試料流体中の測定成分による赤外線吸収の変化のみを検出するようにしている。検出器出力は前置増幅器等(図示せず)で増幅された後、信号処理部8に入力され整流等の信号処理の後、濃度演算されて表示部9に濃度表示され、通常変調周期は5〜100Hzが多く使用されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
また、一般には、上記の機械的光断続方式におけるチョッパ6の代わりに、光源用電源4と光源1の間に光源電圧変調手段を設けて光源1に印加される電力をON−OFFさせて変調する方式や、さらに上記の光変調機構に代わり、流体切換機構を用いて試料流体と基準(比較)流体を一定周期で切換えて変調させ、試料セル部内での赤外線の吸収量の変化分のみを交流信号として取り出す流体変調式NDIRなどが知られている。
【0005】
また、上記のNDIRだけでなく、NDUVについても、ほぼ同様の構成を有する方式が実用化されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−185816号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術で述べた吸光式分析計では、以下のような課題が生じることがある。
温度や振動などの外部の影響(外乱)に対する影響は、同一光学系に配置された複数の検出器によって構成された分析計においては比較的少ないとされるが、検出器の温度影響は、他の光学系の要素の影響度に比べ数段大きいことから無視できず、通常、温度調節された槽内に設置する、あるいは、温度調節された所定の熱容量を有するブロックに取り付けるなどの対策が採られる。また、別の手段として、検出器を別途1つ追加して基準センサとして基準光量の検知とともに温度など外乱検出用センサとして利用する方法が採用されている。しかしながら、検出器の温度特性を揃えることは非常に難しく、検出器間のバラツキによって、上記の温度調整を高い精度で行うことが必要となり、あるいは、温度検知用センサによる補正では十分補正しきれない場合がある。
【0008】
また、一般に複数成分が共存する試料においては、各成分の濃度が大幅に異なることが多く、図7のような1つの試料セル部を利用する光学系にあっては、成分によって光の吸収量が大きく異なるためいくつか問題となることがある。
【0009】
1つには、検出器出力の違いによる温度特性の相違、つまり、検出器出力が大きい場合信号処理における増幅度は小さいが、検出器出力が小さい場合には増幅度を大きくする必要がある。温度特性が同じ検出器であっても、増幅度の相違によって、その影響度が異なることになる。
【0010】
他方、一般に光の吸収量(つまり、測定成分の濃度)と検出器出力との間には、以下のようなLambert−Beer’Lawと呼ばれる吸光特性に近い関係を示すことから生じる測定誤差が考えられる。
I0 /I = A * log(εcd)
ここで、I0 、Iは各々試料セル部入射光量、透過光量を、ε、c、dは、各々吸光係数、対象物質の濃度、セル光路長を表す。
つまり、高濃度の成分を測定する場合には、出力の直線性が悪くなり、低濃度測定においては、直線性の良い出力領域を利用することができるため、両者における、読み取り誤算の相違や温度特性の相違などが生じることになる。
【0011】
また、複数成分の混合物質発生装置にあっては、各成分についての分解能の高度化が求められており、特に、共存する他成分によって生じる相互の干渉影響が無視できないことが多い。こうした干渉影響の相互補償は非常に困難であり、通常、成分毎に別個の測定器を用いて精度を上げる方法が採られるが、各測定器の保守管理の面からも煩雑となりやすい。
【0012】
さらには、昨今、各種プロセスに関するあらゆる面からのコストの削減や効率の向上が求められ、プロセス用測定器に対しても指示の安定性に加え、厳しい測定精度による厳格な管理が可能な計器が求められている。
【0013】
そこで、本発明の目的は、上記のような問題点を解決し、複数の測定対象に対し、汎用性が高く、高い測定精度を有する吸光式分析計を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、以下に示す吸光式分析計により上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0015】
本発明は、光源部、光学素子、試料セル部および検出器を構成要素として含む吸光式分析計であって、複数の光源部ごとに異なる波長選択性を有する光学素子を設け、単一の検出器によって受光することを特徴とする。こうした構成を有する分析計によって、最も外乱に対する影響の大きい検出器のバラツキによる誤差の発生を防止し、複数の測定対象に対し、汎用性が高く、高い測定精度を有する吸光式分析計を提供することができる。
【0016】
ここで、本発明は、前記光源部が所定の周期で順次点灯することを特徴とする。こうした構成によって、光学系全体としての発熱量を抑え、かつ一定の発熱量とすることで、安定した光学系を確保し、高い測定精度を有する吸光式分析計を提供することができる。
【0017】
また、本発明は、前記光源部が各々異なる変調周期で点灯することも可能である。こうした構成によって、測定成分数が多くなっても各成分の測定を独立して行うことができ、応答速度が速く、高い測定精度を有する吸光式分析計を提供することができる。
【0018】
さらに、前記複数の光源部から発せられた光が、試料セル部をそれぞれ異なる実効長で透過することが好適である。こうした構成によって、試料中の各成分濃度に見合った実効セル長の選択を可能とし、直線性および検出感度をほぼ同レベルに揃えることで、成分による測定精度のバラツキの少ない吸光式分析計を容易に提供することができる。
【0019】
また、前記吸光式分析計であって、各検出器からの出力を入力する演算処理部を配し、各検出器信号を多変量解析によって複数の測定対象成分の濃度演算を行うことを特徴とする。こうした演算処理によって、共存する他成分によって生じる相互の干渉影響の補償を容易にするとともに、従来技術では得られ難い干渉影響の少ない高精度の測定値を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、主としてNDIRに適用した場合を中心に説明する。
本発明は、光源部、光学素子、試料セル部および検出器を構成要素として含む吸光式分析計であって、複数の光源部ごとに異なる波長選択性を有する光学素子を設け、単一の検出器によって受光することを特徴とする。複数成分の測定を1つの検出器によって行うことで、検出器のバラツキによる外乱に対する誤差の発生を抑えることができるとともに、試料セル部に入射する光に選択性を持たせて試料セル部および検出器に対する放射光量を制限することで光学系の安定性が図れることを見出したもので、汎用性が高く、高い測定精度を有する吸光式分析計を提供することができる。
【0021】
図1(A)は、本発明の第1の構成例として、機械的光断続方式NDIRに本発明を適用した分析計を示す。具体的には、複数の光源部1、1’、1”から発せられた赤外線の内、光学フィルタ7、7’、7”によって選択された特定の各波長域の入射光のみが試料セル部2に導入され、試料セル部2内の試料中の測定成分による赤外吸収によって減ぜられた透過光が、集光セル部10を介して検出器3に到達する。光源部1、1’、1”と試料セル部2との中間には、その断面から見ると図1(B)に示すようなチョッパ6が設けられており、一定の周期で断続された各波長域の光が順次試料セル部2を介して検出器3に到達する。このとき、検出器3からは、各光源部1、1’、1”に対応した図1(C)に示すような信号が得られる。検出器出力を取り出す方法は、上述の通りである。つまり、各光源部と試料セル部2との間に設けられた光学フィルタとして、例えば、3.4μm・4.3μm・4.7μmを中心波長とするバンドパスフィルタを用いると、各々、炭化水素(以下「HC」という。)・一酸化炭素(以下「CO」という。)・二酸化炭素(以下「CO2 」という。)に対応した検出器出力となり、順次各成分の瞬時値として濃度信号を得ることができる。
【0022】
さらに、試料中の成分には全く感応しない波長域の光学フィルタを、1つ設けることで、その光学フィルタに対応した検出器出力を基準出力とすることができる。この基準出力を用いて他の波長域に対応する各検出器出力の「ゼロ」あるいは検出感度(いわゆる「スパン」)を補正することで、より正確な測定が可能となる。
【0023】
なお、上記の機械的光断続方式におけるチョッパ6の代わりに、光源用電源4と光源1の間に光源電圧変調手段を設けて光源1に印加される電力をON−OFFさせて変調する方式も可能であるが、これについては後述する。
【0024】
また、上記の光変調機構に代わり、流体切換機構を用いて試料流体と基準流体を一定周期で切換える流体切換方式を適用することも可能である。具体的には、図2に示すように、上記各光源部1、1’、1”および光学フィルタ7、7’、7”に対応した複数の試料セル部2、2’、2”を設け、切換弁11、11’、11”を順に作動し、いずれか1つのセル部に試料流体を、他のセル部には基準流体を導入することで、図1(C)に示す検出器からの信号を得ることができる。ここで、すべてのセル部に基準流体を導入すると、光学系の基準点(いわゆる「ゼロ」)を確認することができる。こうした構成によって、常に光学系および信号処理系のオフセットの補正が可能となり、長期の安定な測定を行うことができる。
【0025】
ここで、光学系全体の熱バランスを考察すると、
(1)各光源部には順次常に一定の電力が供給されることから、光源部全体での発熱量は一定になる。
(2)光源部1と試料セル部2には、異なる透過波長域を有する光学フィルタ7が設けられることから、試料セル部2に入射する赤外線は微小であり、試料セル部2および検出器3に対する光学系からの発熱量は少なく影響が少ない。
(3)複数成分の測定であっても、単一の検出器3によって対応することが可能であり、分析計周辺の温度変化や揺らぎなどの影響を受けても成分ごとの影響の相違は微小となる。
ことから、熱的に非常に安定な光学系を形成することができる。
【0026】
光学フィルタとしては、一般に多層膜干渉フィルタが多く用いられている。また、試料セルとしては、ステンレス鋼やアルミニウムなどの金属製の円筒管の両側に光学結晶を固定した構造をとることが多い。検出器3としては、例えば、サーモパイルなどのような広い波長域に感応する積分型検出器を用いることができ、検出器出力自体が図1(C)に示すような信号として得ることができる。定期的に基準光(例えば、光源の消灯状態)を検出し、補正することで測定精度を確保することが可能となる。
【0027】
以上は、NDIRについて述べたが、NDUVや可視領域での吸光式分析計にも適用可能であり、光源部、光学素子(光学フィルタ)、試料セルおよび検出器などの素材や特性の相違はあっても、使用波長域に最適の部材を用いることで、本発明の優れた技術的な効果を得ることができる。
【0028】
ここで、本発明は、前記光源部が所定の周期で順次点灯することを特徴とする。具体的には、図3において、光源用電源4からの電力を、順次、光源部1→1’→1”→1→1’→1”→・・・と注入することで、図1(C)に示す出力と同様の信号が得られる。光源部切換のタイミングは、コントローラ10によって管理され、検出器出力と同期して整流することで応答性の良い信号処理が可能である。つまり、図1(A)においては機械的光断続式の例を示したが、チョッパの代わりに光源電圧変調手段を設けて光源部に印加される電力をON−OFFさせて変調する方式を採用すると、変調手段であるチョッパは必要とせずに同様の技術的効果を得ることができ、光学系の簡素化を図ることができる。また、こうした構成によって、光学系全体としての発熱量を抑え、かつ一定の発熱量とすることで、安定した光学系を確保し、高い測定精度を有する吸光式分析計を提供することができる。
【0029】
さらに、機械的光断続方式と本発明との組合せも可能である。つまり、図4に示すように、試料セル部2と検出器3の間にチョッパ6を設け、機械的光断続を行うことで、遮断された状態を基準にした安定な出力を得ることができるとともに、本発明の技術的効果である、複数の選択的波長域での測定を可能とし、かつ、光学系全体としての発熱量を抑えることも可能となる。
【0030】
また、同様に流体変調方式と本発明との組合せも可能である。つまり、図5に示すように、切換弁11によって試料流体と基準流体を一定の変調周期で切換えて試料セル部2に導入することで、ゼロの変化のない両流体の各成分の濃度差のみに対応した安定な出力を得ることができるとともに、本発明の技術的効果である、複数の選択的波長域での測定を可能とし、かつ、光学系全体としての発熱量を抑えることも可能となる。このように、本発明は、光源部や検出器の特性を生かした各種の光学系が可能であり、本発明の汎用性および有用性を有効に活かすことができる。
【0031】
さらにここで、検出器を上記のような積分型検出器を用いた場合には、機械的光断続によって遮断された状態を、流体変調によって試料セルに基準流体が存在する状態を、基準出力として得ることができる。また、パイロ式検出器などのような広い波長域に感応する微分型検出器を用いた場合には、機械的光断続方式や流体変調方式によって、常に一定の基準によって補償された出力を得ることができる。
【0032】
また、本発明は、前記光源部が各々異なる変調周期で点灯することも可能である。既述の従来技術において、機械的光断続方式におけるチョッパの代わりに、光源電圧変調手段を設けて光源に印加される電力をON−OFFさせて変調する方式があることを述べたが、本発明においては、さらに複数の光源部のそれぞれの独立性を活用して、各光源部を異なる変調周期で同時に点灯することによって、測定成分数が多くなっても各成分の測定を独立して行うことができることを見出した。
【0033】
つまり、図3と同じ光学系において、例えば、光源部1を5Hz、光源部1’を2Hz、光源部1”を1Hzで断続することで、1つの検出器3からは3つの異なった周波数の信号が重畳した信号が出力される。このとき、各光源部と試料セル部2との間に設けられた光学フィルタとして、上記同様、3.4μm・4.3μm・4.7μmを中心波長とするバンドパスフィルタを用いると、各々を各周波数の出力に分離増幅することで、各々、HC・CO・CO2 に対応した成分の瞬時値として同時に濃度信号を得ることができる。こうした構成によって、複数の成分測定において、応答速度が速く、高い測定精度を有する吸光式分析計を提供することができる。特に測定成分の数が多い場合には、順次、光源部を切換える方法に比べ、非常に早く測定信号を得ることができるという優位性がある。
【0034】
さらに、前記複数の光源部から発せられた光が、試料セル部をそれぞれ異なる実効長で透過することが好適である。本発明の特徴である光源部の独立性を活かし、試料セルを実質的に試料中の各成分濃度に見合った長さとなるように、光源部を配置することで、検出器出力の直線性および検出感度をほぼ同レベルに揃えることができる。このような構成により、測定成分による測定精度のバラツキの少ない吸光式分析計を容易に提供することができる。
【0035】
具体的には、図6(A)に示すように、試料セルにおける、光源部1の取付位置を試料セル長が最大になるように配置し、光源部1”の取付位置を試料セル長が最小になるように配置し、光源部1’の取付位置をその中間的な任意の位置に配置すること構成が挙げられる。むろん、同一の試料セル長となる配置とすることも可能であり、上記のように各成分濃度、さらに詳しくは、各成分の吸光係数や選択波長によって光源部の最適の位置が設定される。なお、図6(A)では、光源部1’、1”を試料セル部2の最大長よりも短い位置に挿入した形状を例示したが、図6(B)に示すように、光源部1を試料セル部2の1つの面に揃え、試料セル部2の内部にスペースセル2’あるいは2”を設けることで、実質的にセル長を調整することも可能である。
【0036】
このとき、光学系における変調手段は、上記した各手段のいずれをも採用可能であり、本構成による効果との相乗的な技術的効果が期待できる。
【0037】
また、前記吸光式分析計であって、各検出器からの出力を入力する演算処理部を配し、各検出器信号を多変量解析によって複数の測定対象成分の濃度演算を行うことを特徴とする。つまり、試料セル部に対し、複数の光学フィルタと複数の検出器を配置し、各信号を多変量解析することによって、共存する他成分によって生じる相互の干渉影響の補償を容易にするとともに、従来技術では得られ難い干渉影響の少ない高精度の測定値を得ることができる。
【0038】
具体的には、複数の波長域(光学フィルタによって特定される)における各検出器の出力からPLS法あるいはPCR法などの手法により濃度回帰係数を求め、この濃度回帰係数を用いて、実際の試料における各検出器の出力を挿入して、各成分の濃度を算出することができる。
【0039】
PLS法を応用した多変量解析法の解明過程を、以下に例示する。
つまり、光学フィルタの中心波長を、λ0 、λ1 、λ2 ・・・λi とすると 、各検出器の出力はiの数の変数(変量)からなる多変量と捉える。例えば、ある特定物質Xの濃度をCとしたときの検量線は、以下の式1、一般式は以下の式2で表現できる。
C=a0 ×f0 +a1 ×f1 +a2 ×f2 +・・+ai ×fi +B …式1
C=Σai ×fi +B …式2
C:Xの濃度、
a0 :測定波長λ0 における吸光度、
f0 :測定波長λ0 に対する濃度回帰係数、
・・
ai :測定波長λi における吸光度、
fi :測定波長λi に対する濃度回帰係数、
B:定数項
【0040】
(1)例えば既知濃度の成分Xのn個の標準流体について測定し、上記i個の固有データa1 、a2 ・・ai を1組とするn個のデータ群を得る。
(2)これを、式1に導入し演算することで、各濃度回帰係数f0 、f1 、f2 ・・fi を求めることができる。
(3)次に、他の成分Y、Z等についても、同様にして各濃度回帰係数を求める。
(4)試料中の測定対象X、Y、Z等について、各成分固有の濃度回帰係数テーブルを作成する。このとき、測定値AおよびBの両方について、この濃度回帰係数テーブルを準備する。
(5)次に、未知の試料を測定し、
(6)上記濃度回帰係数テーブルを利用して、未知の試料中の特定成分の濃度を演算することができる。
このとき、特定成分の測定に対する共存成分の干渉影響は、上記濃度回帰係数を多くし、かつ、他の成分の干渉影響の少ない波長域を多く選択することで大幅に減少させることができる。
【0041】
このように、本発明の技術はこうした複数の測定成分を含む試料に対して、広い範囲において応用が可能であり、汎用性が高く、高い測定精度を有する吸光式分析計を提供することができる。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、本発明を適用した吸光式分析計であっては、複数の光源部ごとに異なる波長選択性を有する光学素子を設け、単一の検出器によって受光することで、最も外乱に対する影響の大きい検出器のバラツキによる誤差の発生を防止し、複数の測定対象に対し、汎用性が高く、高い測定精度を有する吸光式分析計を提供することができる。
【0043】
ここで、前記光源部が所定の周期で順次点灯することによって、光学系全体としての発熱量を抑え、かつ一定の発熱量とすることで、安定した光学系を確保し、高い測定精度を有する吸光式分析計を提供することができる。
【0044】
また、本発明は、前記光源部が各々異なる変調周期で点灯することも可能であり、測定成分数が多くなっても各成分の測定を独立して行うことができ、応答速度が速く、高い測定精度を有する吸光式分析計を提供することができる。
【0045】
さらに、前記複数の光源部から発せられた光が、試料セル部をそれぞれ異なる実効長で透過することによって、試料中の各成分濃度に見合った実効セル長の選択を可能とし、直線性および検出感度をほぼ同レベルに揃えることで、成分による測定精度のバラツキの少ない吸光式分析計を容易に提供することができる。
【0046】
また、前記吸光式分析計であって、各検出器からの出力を入力する演算処理部を配し、各検出器信号を多変量解析によって複数の測定対象成分の濃度演算を行うことによって、共存する他成分によって生じる相互の干渉影響の補償を容易にするとともに、従来技術では得られ難い干渉影響の少ない高精度の測定値を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る吸光式分析計の第1の構成例を示す説明図である。
【図2】本発明に係る吸光式分析計の第2の構成例を示す説明図である。
【図3】本発明に係る吸光式分析計の第3の構成例を示す説明図である。
【図4】本発明に係る吸光式分析計の第4の構成例を示す説明図である。
【図5】本発明に係る吸光式分析計の第5の構成例を示す説明図である。
【図6】本発明に係る吸光式分析計の第6の構成例を示す説明図である。
【図7】従来技術に係る吸光式分析計の構成例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 光源
2 試料セル部
3 検出器
4 光源用電源
6 チョッパ
7 光学素子(光学フィルタ)
10 光源電圧変調手段[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an absorption spectrometer for measuring the concentration of a specific component in various fluids, and is particularly useful for a fluid concentration measurement device for controlling the component concentration and impurity control of a sample in which a plurality of components coexist.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art In recent years, many specific substance generating apparatuses have been used in various manufacturing processes, for example, semiconductor manufacturing apparatuses, chemical reaction raw material generating apparatuses, and the like, and the uses thereof have been diversified. Therefore, the type of the device is also various from the generation of one substance to the mixture of a plurality of substances, and many of them play a central function in controlling each process, and the required specifications such as the accuracy of the generated concentration are also various. . In managing such generated concentrations, it is indispensable to control the concentrations of the controlled substances and various interfering substances, and high-precision measuring instruments that can be used in a wide variety of applications have been required. Absorption analysis such as a non-dispersive infrared analyzer (hereinafter, referred to as "NDIR") or a non-dispersive ultraviolet analyzer (hereinafter, referred to as "NDUV") capable of measuring various types of components and capable of simultaneously measuring multiple components. Meters are often used. Such an absorption spectrometer is useful as an in-line monitor for various processes because it is basically non-contact with a sample.
[0003]
Based on the configuration example of FIG. 7, an optical intermittent NDIR that is frequently used as a multi-component absorption spectrometer will be described. When electric power from the light source power supply 4 is injected, infrared rays from the light source 1 are introduced into the detectors 3, 3 ′, 3 ″ via the sample cell unit 2, and the chopper 6 driven by the motor 5 includes an optical system. The infrared rays are intermittent light and input to the detectors 3, 3 ′, 3 ″. Between the light source 1 and the detectors 3, 3 ', 3 ", there are provided optical filters 7, 7', 7" for selectively transmitting infrared rays in a wavelength range corresponding to the component to be measured. Only the change in infrared absorption due to the measurement component in the sample fluid introduced into 2 is detected. After the detector output is amplified by a preamplifier or the like (not shown), it is input to the signal processing unit 8 and after signal processing such as rectification, the density is calculated and displayed on the display unit 9. Frequencies of 5 to 100 Hz are often used (for example, see Patent Document 1).
[0004]
In general, instead of the chopper 6 in the above-mentioned mechanical light-interruption system, a light source voltage modulating means is provided between the light source power supply 4 and the light source 1 so that the power applied to the light source 1 is turned on and off. In addition, instead of the light modulation mechanism described above, a fluid switching mechanism is used to switch and modulate the sample fluid and the reference (comparison) fluid at a fixed period, and only the change in the amount of infrared absorption in the sample cell is measured. A fluid modulation type NDIR that is extracted as an AC signal is known.
[0005]
Further, not only the above-mentioned NDIR but also NDUV, a system having a substantially similar configuration has been put to practical use.
[0006]
[Patent Document 1]
JP-A-10-185816
[Problems to be solved by the invention]
However, the following problems may occur in the absorption spectrometer described in the related art.
The influence on external influences (disturbances) such as temperature and vibration is considered to be relatively small in an analyzer composed of multiple detectors arranged in the same optical system. Since the influence of the optical system elements is several steps larger than that of the optical system, it cannot be ignored, and measures are usually taken such as installing it in a temperature-controlled bath or mounting it on a block whose temperature capacity has a predetermined heat capacity. Can be As another means, a method has been adopted in which one detector is separately added and used as a reference sensor for detecting a reference light amount and for detecting a disturbance such as temperature. However, it is very difficult to make the temperature characteristics of the detectors uniform, and it is necessary to perform the above-mentioned temperature adjustment with high accuracy due to variations between the detectors, or the correction by the temperature detection sensor cannot be sufficiently corrected. There are cases.
[0008]
In general, in a sample in which a plurality of components coexist, the concentration of each component is often significantly different. In an optical system using one sample cell as shown in FIG. Can be problematic due to significant differences in
[0009]
One is that differences in temperature characteristics due to differences in detector output, that is, when the detector output is large, the amplification in signal processing is small, but when the detector output is small, the amplification must be increased. Even if the temperature characteristics are the same, the degree of influence differs depending on the difference in the amplification degree.
[0010]
On the other hand, there is generally considered a measurement error between the light absorption amount (that is, the concentration of the measurement component) and the output of the detector due to a relationship close to an absorption characteristic called Lambert-Beer 'Law as shown below. Can be
I 0 / I = A * log (εcd)
Here, I 0 and I respectively represent the incident light amount and transmitted light amount of the sample cell portion, and ε, c and d respectively represent the absorption coefficient, the concentration of the target substance, and the cell optical path length.
In other words, when measuring a high-density component, the linearity of the output deteriorates, and when measuring a low-density component, an output region with good linearity can be used. There will be a difference in characteristics and the like.
[0011]
In addition, in a mixed substance generator of a plurality of components, it is required to improve the resolution of each component, and in particular, mutual interference caused by coexisting other components cannot often be ignored. It is very difficult to mutually compensate for such interference effects. Usually, a method of increasing the accuracy by using a separate measuring device for each component is adopted, but it tends to be complicated from the viewpoint of maintenance management of each measuring device.
[0012]
Furthermore, in recent years, cost reduction and efficiency improvement in all aspects of various processes have been demanded, and in addition to the stability of instructions for process measuring instruments, instruments that can be strictly controlled by strict measurement accuracy have been developed. It has been demanded.
[0013]
Then, an object of the present invention is to solve the above-mentioned problems and to provide an absorption spectrometer having high versatility and high measurement accuracy for a plurality of measurement objects.
[0014]
[Means for Solving the Problems]
Means for Solving the Problems The present inventors have conducted intensive studies to solve the above problems, and as a result, have found that the above-mentioned object can be achieved by an absorption spectrometer described below, and have completed the present invention.
[0015]
The present invention relates to an absorption spectrometer including a light source unit, an optical element, a sample cell unit, and a detector as constituent elements, wherein an optical element having different wavelength selectivity is provided for each of a plurality of light source units, and a single detection unit is provided. The light is received by a container. With the analyzer having such a configuration, it is possible to prevent the occurrence of errors due to variations in the detector that has the greatest influence on disturbance, and to provide an absorption spectrometer with high versatility and high measurement accuracy for a plurality of measurement targets. be able to.
[0016]
Here, the present invention is characterized in that the light source unit is sequentially turned on at a predetermined cycle. With such a configuration, the amount of heat generated by the entire optical system is suppressed, and a constant amount of heat is generated, thereby securing a stable optical system and providing an absorption spectrometer having high measurement accuracy.
[0017]
Further, according to the present invention, the light source units can be turned on at different modulation periods. With such a configuration, the measurement of each component can be performed independently even when the number of components to be measured increases, and an absorption spectrometer having a high response speed and high measurement accuracy can be provided.
[0018]
Further, it is preferable that the light emitted from the plurality of light source units is transmitted through the sample cell unit with different effective lengths. With this configuration, the effective cell length can be selected according to the concentration of each component in the sample, and the linearity and detection sensitivity are made almost the same level, making it easy to use an absorption spectrometer with less variation in measurement accuracy due to components. Can be provided.
[0019]
Further, in the absorption spectrometer, an arithmetic processing unit for inputting an output from each detector is arranged, and a concentration calculation of a plurality of components to be measured is performed by multivariate analysis of each detector signal. I do. By such an arithmetic processing, it is possible to easily compensate for the mutual interference effect caused by the coexisting other components, and it is possible to obtain a high-accuracy measurement value with little interference effect, which is difficult to obtain in the related art.
[0020]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described mainly with respect to a case where the present invention is applied to NDIR.
The present invention relates to an absorption spectrometer including a light source unit, an optical element, a sample cell unit, and a detector as constituent elements, wherein an optical element having different wavelength selectivity is provided for each of a plurality of light source units, and a single detection unit is provided. The light is received by a container. By measuring a plurality of components using a single detector, it is possible to suppress the occurrence of errors due to disturbances due to variations in the detectors, and to make the light incident on the sample cell part selective so that the sample cell part can be detected. It has been found that the stability of the optical system can be improved by limiting the amount of radiated light to the instrument, so that an absorption spectrometer with high versatility and high measurement accuracy can be provided.
[0021]
FIG. 1A shows, as a first configuration example of the present invention, an analyzer in which the present invention is applied to a mechanical light interrupting type NDIR. Specifically, of the infrared rays emitted from the plurality of light source units 1, 1 ', 1 ", only the incident light of each specific wavelength range selected by the optical filters 7, 7', 7" is the sample cell unit. The transmitted light introduced into the sample cell unit 2 and reduced by infrared absorption by the measurement component in the sample in the sample cell unit 2 reaches the detector 3 via the light collection cell unit 10. A chopper 6 as shown in FIG. 1B is provided between the light source units 1, 1 ′, 1 ″ and the sample cell unit 2 when viewed from the cross section thereof. Light in the wavelength range sequentially reaches the detector 3 via the sample cell section 2. At this time, the detector 3 outputs the light from the light source sections 1, 1 ', 1 "as shown in FIG. Signal can be obtained. The method for extracting the detector output is as described above. That is, when an optical filter provided between each light source unit and the sample cell unit 2 is, for example, a band-pass filter having a center wavelength of 3.4 μm, 4.3 μm, or 4.7 μm, hydrocarbons are used. (hereinafter referred to as "HC".) carbon monoxide (hereinafter referred to as "CO".) carbon dioxide (hereinafter referred to as "CO 2".) to be the detector output corresponding, sequential density signal as an instantaneous value of the components Obtainable.
[0022]
Further, by providing one optical filter in a wavelength range that is completely insensitive to the components in the sample, the output of the detector corresponding to the optical filter can be used as the reference output. Correcting "zero" or detection sensitivity (so-called "span") of each detector output corresponding to another wavelength range using this reference output enables more accurate measurement.
[0023]
In addition, instead of the chopper 6 in the above-mentioned mechanical light intermittent system, there is also a system in which a light source voltage modulating means is provided between the light source power source 4 and the light source 1 so that the power applied to the light source 1 is turned on and off to perform modulation. This is possible, but will be described later.
[0024]
Further, instead of the above-described light modulation mechanism, it is also possible to apply a fluid switching method in which a sample fluid and a reference fluid are switched at a constant cycle using a fluid switching mechanism. Specifically, as shown in FIG. 2, a plurality of sample cell units 2, 2 ', 2 "corresponding to the light source units 1, 1', 1" and the optical filters 7, 7 ', 7 "are provided. , The switching valves 11, 11 ', and 11 "are sequentially operated to introduce the sample fluid into one of the cell portions and the reference fluid into the other cell portion, so that the detector shown in FIG. Can be obtained. Here, when the reference fluid is introduced into all the cell parts, the reference point (so-called “zero”) of the optical system can be confirmed. With such a configuration, the offset of the optical system and the signal processing system can always be corrected, and long-term stable measurement can be performed.
[0025]
Here, considering the heat balance of the entire optical system,
(1) Since constant power is always supplied to each light source unit, the heat generation amount of the entire light source unit is constant.
(2) Since the light source unit 1 and the sample cell unit 2 are provided with the optical filters 7 having different transmission wavelength ranges, the infrared light incident on the sample cell unit 2 is minute, and the sample cell unit 2 and the detector 3 , The amount of heat generated from the optical system is small and has little effect.
(3) Even a measurement of a plurality of components can be dealt with by a single detector 3, and the difference in the influence of each component is very small even if it is affected by a temperature change or fluctuation around the analyzer. It becomes.
As a result, an optical system that is very stable thermally can be formed.
[0026]
Generally, a multilayer interference filter is often used as an optical filter. In many cases, the sample cell has a structure in which optical crystals are fixed on both sides of a cylindrical tube made of metal such as stainless steel or aluminum. As the detector 3, for example, an integrating detector responsive to a wide wavelength range such as a thermopile can be used, and the output of the detector itself can be obtained as a signal as shown in FIG. By regularly detecting and correcting the reference light (for example, the light-off state of the light source), the measurement accuracy can be ensured.
[0027]
The above description has been made with respect to NDIR. However, the present invention is also applicable to NDUV and absorption spectrometers in the visible region, and there is no difference in the materials and characteristics of the light source unit, optical element (optical filter), sample cell, and detector. Even so, by using the most suitable member for the wavelength range to be used, the excellent technical effects of the present invention can be obtained.
[0028]
Here, the present invention is characterized in that the light source unit is sequentially turned on at a predetermined cycle. Specifically, in FIG. 3, the power from the light source power supply 4 is sequentially injected into the light source units 1 → 1 ′ → 1 ″ → 1 → 1 ′ → 1 ″ →. A signal similar to the output shown in C) is obtained. The timing of switching the light source unit is managed by the controller 10, and signal processing with good responsiveness is possible by rectifying in synchronization with the output of the detector. That is, FIG. 1 (A) shows an example of the mechanical light intermittent type, but a method of providing a light source voltage modulating means instead of a chopper and turning on and off the power applied to the light source unit to modulate the light is adopted. Then, the same technical effect can be obtained without requiring a chopper as a modulating means, and the optical system can be simplified. Further, with such a configuration, the amount of heat generated by the entire optical system is suppressed and the amount of heat generated is kept constant, so that a stable optical system can be secured and an absorption spectrometer having high measurement accuracy can be provided.
[0029]
Further, a combination of the present invention with a mechanical light interrupting system is also possible. That is, as shown in FIG. 4, by providing the chopper 6 between the sample cell unit 2 and the detector 3 and performing mechanical light interruption, a stable output based on the cutoff state can be obtained. At the same time, it is possible to perform measurement in a plurality of selective wavelength ranges, which is a technical effect of the present invention, and to suppress the amount of heat generated in the entire optical system.
[0030]
Similarly, a combination of the fluid modulation method and the present invention is also possible. That is, as shown in FIG. 5, by switching the sample fluid and the reference fluid at a constant modulation period by the switching valve 11 and introducing the fluid into the sample cell unit 2, only the concentration difference between the components of the two fluids without change of zero is obtained. In addition to obtaining a stable output corresponding to the above, it is possible to measure in a plurality of selective wavelength ranges, which is a technical effect of the present invention, and it is also possible to suppress the calorific value of the entire optical system. Become. As described above, the present invention enables various optical systems utilizing characteristics of the light source unit and the detector, and can effectively utilize the versatility and usefulness of the present invention.
[0031]
Furthermore, when the detector is an integral type detector as described above, the state where the reference fluid is present in the sample cell due to fluid modulation is used as the reference output when the state where the reference fluid is present due to fluid modulation is used as the reference output. Obtainable. Also, when using a differential detector that is sensitive to a wide wavelength range, such as a pyro-detector, it is necessary to obtain an output that is always compensated by a constant reference by a mechanical light-interruption method or a fluid modulation method. Can be.
[0032]
Further, according to the present invention, the light source units can be turned on at different modulation periods. In the above-described prior art, it is described that there is a method of providing a light source voltage modulating unit to modulate the power applied to the light source by turning on and off instead of the chopper in the mechanical light interrupting system. In addition, by utilizing the independence of each of the plurality of light source units and simultaneously lighting each light source unit at a different modulation cycle, the measurement of each component can be performed independently even when the number of measurement components increases. I can do it.
[0033]
That is, in the same optical system as in FIG. 3, for example, the light source unit 1 is intermittent at 5 Hz, the light source unit 1 ′ is intermittent at 2 Hz, and the light source unit 1 ″ is intermittent at 1 Hz. At this time, an optical filter provided between each light source unit and the sample cell unit 2 has a center wavelength of 3.4 μm, 4.3 μm, and 4.7 μm as described above. using a band pass filter, to separate amplifying each output of each frequency, respectively, at the same time it is possible to obtain a density signal as an instantaneous value of the component corresponding to the HC · CO · CO 2. by such configuration, In the measurement of a plurality of components, it is possible to provide an absorption spectrometer having a high response speed and a high measurement accuracy, especially when the number of components to be measured is large, compared to a method of sequentially switching the light source unit. It is superior in that it is possible to obtain a Ku measurement signal.
[0034]
Further, it is preferable that the light emitted from the plurality of light source units is transmitted through the sample cell unit with different effective lengths. Taking advantage of the independence of the light source unit, which is a feature of the present invention, by arranging the light source unit so that the sample cell has a length substantially corresponding to the concentration of each component in the sample, the linearity of the detector output and The detection sensitivity can be made almost the same level. With such a configuration, it is possible to easily provide an absorption spectrometer with less variation in measurement accuracy due to measurement components.
[0035]
Specifically, as shown in FIG. 6A, the mounting position of the light source unit 1 in the sample cell is arranged so that the sample cell length is maximized, and the mounting position of the light source unit 1 ″ is determined by the sample cell length. In this case, the light source unit 1 ′ may be disposed at an arbitrary position in the middle of the light source unit 1 ′, as a matter of course. As described above, the optimum position of the light source unit is set according to the concentration of each component, more specifically, the absorption coefficient and the selected wavelength of each component. Although the shape inserted at a position shorter than the maximum length of the cell unit 2 is illustrated, as shown in FIG. 6B, the light source unit 1 is aligned with one surface of the sample cell unit 2 and the inside of the sample cell unit 2 is The cell length can be adjusted substantially by providing a space cell 2 'or 2 " It is.
[0036]
At this time, any of the above-described units can be adopted as the modulating unit in the optical system, and a synergistic technical effect with the effect of the present configuration can be expected.
[0037]
Further, in the absorption spectrometer, an arithmetic processing unit for inputting an output from each detector is arranged, and a concentration calculation of a plurality of components to be measured is performed by multivariate analysis of each detector signal. I do. In other words, by arranging multiple optical filters and multiple detectors in the sample cell section and performing multivariate analysis of each signal, it is easy to compensate for the mutual interference effect caused by other coexisting components, and It is possible to obtain a high-accuracy measurement value with little interference effect which is difficult to obtain with the technology.
[0038]
Specifically, a concentration regression coefficient is obtained from the output of each detector in a plurality of wavelength ranges (specified by an optical filter) by a method such as the PLS method or the PCR method. By inserting the output of each detector in the above, the concentration of each component can be calculated.
[0039]
The elucidation process of the multivariate analysis method applying the PLS method will be exemplified below.
That is, assuming that the center wavelength of the optical filter is λ 0 , λ 1 , λ 2 ... Λ i , the output of each detector is regarded as a multivariate composed of i variables (variates). For example, when the concentration of a specific substance X is C, the calibration curve can be expressed by the following equation 1, and the general equation can be expressed by the following equation 2.
C = a 0 × f 0 + a 1 × f 1 + a 2 × f 2 + ·· + a i × f i + B ... Formula 1
C = Σa i × f i + B Equation 2
C: concentration of X,
a 0 : absorbance at measurement wavelength λ 0 ,
f 0 : concentration regression coefficient for measurement wavelength λ 0 ,
・ ・
a i : absorbance at measurement wavelength λ i
f i : concentration regression coefficient for measurement wavelength λ i ,
B: constant term
(1) For example, measurement is performed on n standard fluids of the component X having a known concentration, and n data groups are obtained in which the i unique data a 1 , a 2 .
(2) which, by calculating introduced in Equation 1, it is possible to determine the respective concentration regression coefficients f 0, f 1, f 2 ·· f i.
(3) Next, similarly for each of the other components Y, Z, etc., the respective density regression coefficients are obtained.
(4) A concentration regression coefficient table unique to each component is created for the measurement targets X, Y, Z, etc. in the sample. At this time, this concentration regression coefficient table is prepared for both the measured values A and B.
(5) Next, an unknown sample is measured,
(6) The concentration of a specific component in an unknown sample can be calculated using the above-mentioned concentration regression coefficient table.
At this time, the interference effect of the coexisting component on the measurement of the specific component can be significantly reduced by increasing the above-mentioned concentration regression coefficient and selecting a large number of wavelength regions where the interference effect of other components is small.
[0041]
As described above, the technique of the present invention can be applied to a sample containing a plurality of measurement components in a wide range, and can provide an absorption spectrometer having high versatility and high measurement accuracy. .
[0042]
【The invention's effect】
As described above, in an absorption spectrometer to which the present invention is applied, an optical element having different wavelength selectivity is provided for each of a plurality of light source units, and light is received by a single detector, so that it is most resistant to disturbance. An absorption spectrometer having high versatility and high measurement accuracy for a plurality of measurement objects can be provided by preventing occurrence of errors due to variations in detectors having a large influence.
[0043]
Here, the light source unit is sequentially turned on at a predetermined cycle to suppress the heat generation amount of the entire optical system, and to maintain a constant heat generation amount, thereby securing a stable optical system and having high measurement accuracy. An absorption spectrometer can be provided.
[0044]
Further, according to the present invention, the light source units can be turned on at different modulation periods, and even if the number of measurement components increases, the measurement of each component can be performed independently. An absorption spectrometer with measurement accuracy can be provided.
[0045]
Further, the light emitted from the plurality of light source units is transmitted through the sample cell unit with different effective lengths, thereby enabling selection of an effective cell length corresponding to the concentration of each component in the sample. By adjusting the sensitivities to approximately the same level, it is possible to easily provide an absorption spectrometer with less variation in measurement accuracy due to components.
[0046]
Further, the absorption spectrometer is provided with an arithmetic processing unit for inputting an output from each detector, and by performing a multivariate analysis on each detector signal to calculate the concentration of a plurality of components to be measured, coexistence is achieved. This makes it easy to compensate for the mutual interference effect caused by other components, and obtains a highly accurate measurement value with little interference effect that is difficult to obtain with the conventional technology.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory diagram showing a first configuration example of an absorption spectrometer according to the present invention.
FIG. 2 is an explanatory diagram showing a second configuration example of the absorption spectrometer according to the present invention.
FIG. 3 is an explanatory diagram showing a third configuration example of the absorption spectrometer according to the present invention.
FIG. 4 is an explanatory diagram showing a fourth configuration example of the absorption spectrometer according to the present invention.
FIG. 5 is an explanatory diagram showing a fifth configuration example of the absorption spectrometer according to the present invention.
FIG. 6 is an explanatory diagram showing a sixth configuration example of the absorption spectrometer according to the present invention.
FIG. 7 is an explanatory diagram showing a configuration example of an absorption spectrometer according to the related art.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Light source 2 Sample cell part 3 Detector 4 Power supply for light source 6 Chopper 7 Optical element (optical filter)
10 Light source voltage modulation means