JP2004309030A - 電気炉燃焼塔用水冷装置とこれを用いた電気炉燃焼塔 - Google Patents

電気炉燃焼塔用水冷装置とこれを用いた電気炉燃焼塔 Download PDF

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修平 上田
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Abstract

【課題】電気炉燃焼塔用の水冷装置として長寿命なものを提供する。
【解決手段】基板11の内面側に冷却水を流通させる金属製パイプからなる反復蛇行状の熱交換路12が配設され、この熱交換路12の表面に前記基板11側とは反対方向へ突出する多数の金属製突起物7Aが所定間隔置きに設けられている。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アーク炉を始めとする各種電気炉の燃焼塔内周面に設置される水冷装置と、これを設置した電気炉燃焼塔に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】
一般的に、電気炉では被溶融物の高温加熱に伴って発生する高温ガスを近傍に設置した燃焼塔に導き、この燃焼塔を通過させる過程である程度降温させて集塵排気部へ導くようにしている。しかして、通常の燃焼塔は、上部に電気炉側に連通するガス入口、下部に集塵排気部へ繋がるガス出口を有しており、集塵排気部側からの吸引によって電気炉内からのガスを直接に導入するようにしている。
【0003】
図1及び図2は電気炉及び燃焼塔の配置構成を例示しており、1はアーク炉の如き電気炉、2は縦円筒状の燃焼塔、3は電気炉1から発生するガスを燃焼塔2上部のガス入口2aに導くガス導入管路、4は燃焼塔2下部のガス出口2bに接続したガス排出管路、5は燃焼塔2の下部に設けられた点検口であり、ガス排出管路4は図示省略した集塵排気部へ続いている。なお、図では、燃焼塔2の周囲や上部に配設された点検用通路やフレーム等の付帯構造を省略している。
【0004】
このような燃焼塔2では、1200℃前後の高温のガスが流入することから、一般的に鋼板等で構成される周壁の高温劣化や熱膨張に伴う破損等を防ぐと共に通過するガスの温度を低下させるために、図3の横断面図及び図4の展開図に示すように、内周面全体に各々がパネル形態をなす多数の水冷装置10…を張設し、これら水冷装置10…の管路に外部から供給される冷却水を流通させるようにしている。
【0005】
しかして、従来においては、水冷装置10は、図10(A)(B)において符号10Bとして示すように、炭素鋼板等よりなる円弧状に湾曲した基板11の内面側の略全面に、鋼製パイプからなる反復蛇行状の熱交換路12が配設され、基板11の外面側上下端部には該基板11を貫通して熱交換路12の両端に連通する入口管13と出口管14とが突設され、入口管13から流入した冷却水が基板11の左右両端部でターンを繰り返しつつジグザグ状に流れて出口管14から流出するようにしたものが使用されている。なお、各水冷装置10Bのサイズは、通常、基板11が縦1〜2m程度、横0.6〜1.5m程度、熱交換路12のパイプが直径50〜100mm程度、肉厚5〜20mm程度である。
【0006】
そして、このような水冷装置10Bの燃焼塔2内周面への取り付けは、図11に示すように、基板11の外面側の複数箇所(一般的には上下左右の4箇所)に植設したボルト15…を燃焼塔周壁板6の取付孔6aに挿通して、外側からナット16を螺合締着するようになっている。なお、水冷装置10Bの基板11の四周には内面側へ突出する突縁部11aを有すると共に、該突縁部11aの上下部左右に孔付き舌片11bが一体形成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来にあっては、燃焼塔2の内周に張設した水冷装置10Bは熱交換路12を構成するパイプ表面の経時的な摩耗が激しく、早期に孔開きによる水漏れを生じるため、通常では2年程度で補修や交換を余儀なくされており、その補修や交換に要するコスト負担ならびにその間の電気炉の停止による損害が大きな問題となっていた。しかして、このような熱交換路12のパイプの摩耗は、パネル10Bの張設部位によって進行度合に差があり、特にガス入口2aに臨む領域で著しいことから、電気炉1から流入する高温ガスに付随した多量の硬質ダストの衝突・擦過によるものと想定されるが、まだ満足できる対処手段は見出されていない。
【0008】
例えば、過去においては、上記の摩耗対策として、このような水冷装置10Bの表面にプラズマ溶射によって無機質材料を被着させたものを用いたり、燃焼塔2内の上部にガス入口2aに臨む邪魔板を設けることが試みられたが、前者の溶射層は一月に満たない内に摩耗消滅し、後者の邪魔板も早期に損耗してしまい、いずれも殆ど効果はないことが判明している。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述の情況に鑑み、電気炉燃焼塔用の水冷装置について、その熱交換路のパイプの摩耗を抑制して長寿命化を図るべく、様々な角度から検討を重ねると共に、綿密な実験研究を繰り返した。その結果、熱交換路のパイプ表面に塔内空間側へ突出する多数の突起物を設けた場合に、該突起物を基点にして高温ガス中のダストが塊状に付着蓄積し、更に蓄積塊同士が成長して繋がり、パネル表面全体に電気炉内壁のスラグ層と同様な厚いダスト層を形成するが、ある程度の厚さに達した後は衝突するダストによる摩耗侵食作用と付着蓄積作用とが均衡して略一定の厚みを維持すると共に、突起物のアンカー効果によって該ダスト層の剥離が防止され、このダスト層が高温ガス中のダストの衝突・擦過によるパイプの摩耗を防止する保護層として非常に有効に機能し、もって極めて長期にわたって熱交換路のパイプの孔開きによる水漏れが防止され、水冷装置を格段に長寿命化できることが判明し、本発明をなすに至った。
【0010】
すなわち、本発明の請求項1に係る電気炉燃焼塔用水冷装置は、図面の参照符号を付して示せば、電気炉1より吸引導出されるダスト含有高温ガスGを通過させて集塵排気部へ導く燃焼塔の内周面に取り付けられる水冷装置10Aであって、基板11の内面側に冷却水を流通させる金属製パイプからなる反復蛇行状の熱交換路12が配設され、この熱交換路12の表面に前記基板11側とは反対方向へ突出する多数の金属製突起物(7A,7B)が所定間隔置きに設けられていることを特徴としている。
【0011】
また、請求項2の発明は、上記請求項1の電気炉燃焼塔用水冷装置10Aにおいて、前記突起物(7A,7B)が基部(丸軸部61)よりも大きい頭部(球頂形頭部72,平皿形頭部73)を備える形状であるものとしている。
【0012】
請求項3の発明は、上記請求項1又は2の電気炉燃焼塔用水冷装置10Aにおいて、前記突起物(7A,7B)が丸軸部71の頂端に球頂形又は平皿形の頭部(72又は73)を有する形状であるものとしている。
【0013】
請求項4の発明は、上記請求項1〜3のいずれかに記載の電気炉燃焼塔用水冷装置10Aにおいて、前記熱交換路12の金属製パイプが、直径50〜100mm、肉厚5〜20mmの鋼製であり、前記突起物(7A,7B)の頭部(72,73)が20〜50mm径である構成としている。
【0014】
一方、請求項5の発明に係る電気炉燃焼塔2は、内周面の内、少なくとも電気炉1からのガス入口2aに対向する周面領域に、前記請求項1〜4のいずれかに記載の水冷装置10Aが取り付けられてなるものとしている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る電気炉燃焼塔用水冷装置の一実施形態に付いて図面を参照して具体的に説明する。図5は該電気炉燃焼塔用水冷装置10Aの平面図及び正面図と縦断側面図を示し、図6及び図7は電気炉燃焼塔2における該水冷装置10Aの取付状態を示す。
【0016】
図5(A)〜(C)に示すように、この水冷装置10Aは、基本構造は既述した従来の水冷装置10B(図10参照)と同様であり、平面視で円弧状に湾曲したステンレス鋼等よりなる基板11の内面側の略全面に、ステンレス鋼製パイプからなる反復蛇行状の熱交換路12が配設され、基板11の外面側上下端部には該基板11を貫通して熱交換路12の両端に各々連通する出入口管13,14が突設されており、その一方から流入した冷却水が基板11の左右両端部でターンを繰り返しつつジグザグ状に流れて他方から流出するようになっている。しかるに、この水冷装置10Aでは、熱交換路12のパイプ表面に、基板11側とは反対方向へ突出する多数のステンレス鋼製の突起物7A…が所要間隔置きに植設されている。
【0017】
しかして、各突起物7Aは、図8(A)に拡大して示すように、丸軸部71の頂端に球頂形の頭部72が一体形成された球頂リベット形をなしており、丸軸部71の下端において当該熱交換路12に溶接固着されている。
【0018】
また、熱交換路12は、水平に密に平行配設した直管12a…群と、これら直管12a…群の最上下位に配置し、直管状であるが一端が側面に開口した異形管12b,12bと、隣接する直管12a,12a同士ならびに上下の異形管12bと隣接する直管12aとを端部で連通させて且つ外部に対して封止するU字短管12c群とからなる。そして、突起物7Aは、直管12a…群及び上下の異形管12b,12bの平行配設部には上下で左右位置がずれるように千鳥配置すると共に、各U字短管12cには上下2箇所に設けている。そして、上下の異形管12b,12bは一端の側面開口部分を外向きにし、その開口部分に基板11を貫通して出入口管13,14が連通接続されている。なお、この熱交換路12のパイプは、直管12a及び異形管12bとU字短管12cのいずれも、直径50〜100mm程度、肉厚5〜20mm程度に設定される。
【0019】
また、基板11の外面側には、前記出入口管13,14が突出すると共に、上下左右の4箇所にはボルト15…が植設されている。そして、基板11の四周には内面側へ突出する突縁部11aが設けられ、該突縁部11aの上下部左右に孔付き舌片11bが一体形成されている。
【0020】
このような水冷装置10Aの上下左右のサイズと基板11の曲率は、適用する燃焼塔2の内周長(内径)と内高とに応じ、当該燃焼塔2の内周全体を周方向及び上下方向に複数に分割した形に対応するように設定される。しかして、本実施形態では、図3及び図4に示すように、上下6段で且つ各段7枚の水冷装置10A…によって燃焼塔2の内周全体を覆うサイズに設定している。なお、図4に示すように、水冷装置10A…の配置は、隣接する上下段では周方向に位置がずれ、且つ上下の一つ置きの段では同位置になるように設定している。また、当該燃焼塔2のガス入口2a及びガス出口2bの周囲に配置する水冷装置10Aの外形は、これら入出口2a,2bの開口に対応した一部切欠形状としている。更に、最下段(6段目)では、点検口5(図1参照)の部分を空けるために、水冷装置10Aの2枚が左右幅の小さいものとなっている。
【0021】
これら水冷装置10A…の取り付けにおいては、各水冷装置10Aの上下部左右の孔付き舌片11bに吊りフックを掛け、クレーンにより燃焼塔2内の所要位置に持込み、図6及び図7に示すように、基板11の外面側のボルト15…を燃焼塔周壁板6の取付孔6aに挿通して、外側からナット16を螺合締着することにより、燃焼塔周壁板6に固定すればよい。
【0022】
なお、水冷装置10A…への通水は、燃焼塔2内の上部ほど高温になるため、部位に応じた冷却能率となるように設定するのがよい。例えば、最も高温になる上から1段目では各水冷装置10A単位で通水を行い、2段目と3段目とは上下段の2枚単位で、4〜6段目は上下方向の3枚単位で、それぞれ図6の仮想線の如く上下の水冷装置10A,10A相互の入口管13と出口管14とを接続管8によって連通接続して下方から上方へ通水する。
【0023】
かくして燃焼塔2の内周に取り付けた突起物7A…を有する水冷装置10A…では、電気炉1の稼働に伴い、燃焼塔2内に流入する高温ガスに付随するダストが、次第に各突起物7Aを基点にして付着蓄積し、該突起物7A毎に団子のような塊状に成長し、更に蓄積塊同士が成長して繋がり、パネル表面全体にわたって電気炉内壁のスラグ層と同様な無機質で厚いダスト層が形成される。そして、このダスト層は、ある程度の厚さに達すると、導入される高温ガス中のダスト粒子の衝突・擦過による摩耗侵食作用と付着蓄積作用とが均衡して略一定の厚みを維持するようになると共に、突起物7A…のアンカー効果によって該ダスト層が剥離を生じずに安定に保持される。その結果、このダスト層が熱交換路12のパイプの摩耗を防止する安定した保護層として非常に有効に機能し、極めて長期にわたって該パイプの孔開きによる水漏れを生じず、もって水冷装置10A…は従来に比較して格段に長寿命となることが判明している。
【0024】
従って、この突起物7A…を有する水冷装置10A…の使用により、その補修・交換の頻度が著しく低減するから、補修及び交換に要するコストが大幅に軽減されると共に、それだけ電気炉を長く連続操業できるから、稼働効率の向上によるコスト低減を図り得る。
【0025】
なお、本発明の水冷装置10Aにおける突起物は、種々の形状に設定できるが、ダストの付着蓄積させるアンカー効果を充分に発揮する上で、前記実施形態で示したように基部よりも大きい頭部を備える形状であることが望ましい。しかして、このような基部よりも大きい頭部を備えた突起物は、前記実施形態の球頂リベット形の突起物7Aに限らず、例えば図9に示す突起物7Bように丸軸部71の頂端に平皿形の頭部73を備えたもの等、頭部及び基部自体の形状については特に制約はない。また、そのサイズは、頭部の径を20〜50mm程度、基部の径を10〜30mm程度、高さを20〜50mm程度とするのがよい。更に、熱交換路12における突起物の配設ピッチは、特に限定されないが、通常では60〜150mm程度である。
【0026】
また、水冷装置10Aとしては、パネル形態のサイズ、燃焼塔2の内周面に対する取付構造、重量支承構造、基板11の周縁構造、熱交換路の配設パターン、突起物の配置パターン等、細部構成については既述した実施形態以外に種々設計変更可能である。
【0027】
更に、このような水冷装置10Aは、予め突起物を設けたパネル形態の新品として燃焼塔2内に既設されている突起物のない水冷装置10Bと交換して用いる他、この既設の水冷装置10Bに突起物を設けて本発明構成とすることも可能である。すなわち、突起物のない既設の水冷装置10Bであっても、その段階での熱交換路12の摩耗が許容できる程度であれば、突起物を設けることにより、本発明の水冷装置10Aとして以降の大幅な延命を図り得る。
【0028】
一方、電気炉燃焼塔2の内周面に設ける水冷装置10…は、必ずしも全部が上述した突起物7…を有するものでなくてもよく、少なくともガス入口2aに対向する周面領域に当該突起物7…付きの水冷装置10Aを用いればよい。すなわち、燃焼塔2内のガス入口2aに対向する周面領域では、電気炉1内からガス導入管路3を通して飛来するダスト粒子が高速で衝当・擦過して特に激しい摩耗作用を生じるため、この周面領域を主体に突起物7…付きの水冷装置10Aを用い、該摩耗作用の弱い他の領域には突起物7…を設けていない従来同様の水冷装置10Bを用いるようにしてもよい。
【0029】
なお、燃焼塔2のガス入口2aは、ガスが内部を螺旋状の流れとして上から下へ通過するように、図3に示すようにガス流入方向を燃焼塔2の中心から偏心する向きに開口させるのが一般的である。従って、既述の実施形態においては、例えば図4の展開図における水冷装置10A…中、少なくとも上から1〜3段目の各右側3枚は、ガス入口2aに対向する前記周面領域に取り付けるものとして、本発明の突起物付き水冷装置10Aを用いる構成とするのがよい。
【0030】
【実施例】
以下に、新関西製鐵(株)内の電気炉設備において、燃焼塔2に既設されている従来構成の水冷装置10Bの現状分析としての摩耗測定と、その一部を本発明構成の水冷装置10A1,10A2に交換して行った実施試験について、具体的に説明する。なお、電気炉1及び燃焼塔2の仕様と稼働条件、水冷装置10A1,10A2,10Bの構成は次のとおりである。
【0031】
〔電気炉1〕
アーク炉…電極アルミニウムアーム3基
被溶融材…鉄スクラップ
スラグ材…CaO、Fe−Si、カーボン等
稼働…1チャージが60トンで毎日4〜12チャージ
〔燃焼塔2〕
大きさ…外径2.8m、高さ約9m
周壁板6…厚さ12mmの鋼板製
ガス入口2a及びガス出口…上下方向の径1600mm
水冷装置の配置構成…図4に示す上下6段で各段7枚
電気炉からの高温ガスの導入…排気集塵部側に設けた直引ファン(450kW、吸引能力…3910m/分×450mmHO)
冷却水供給…燃焼塔給水ポンプ(トリシマ社製CDM250×200HN、110kW、吐出量10.5m/分、揚程50m)
【0032】
〔水冷装置10B〕
基板11…ステンレス鋼(SS400)製、縦1425mm、横1291mm、厚さ9mm。
熱交換路12のパイプ…ステンレス鋼(SS400)製、新品時における外径76.3mm、肉厚9.5mm(許容誤差4mm以上で±12.5%)
〔水冷装置10A1〕
新品の水冷装置10Bにおける熱交換路12のパイプ表面に、突起物7Aとして、ステンレス鋼(SS400)製で、丸軸部71の径15mm、高さ25mm、球頂形の頭部72の径27mm、厚さ9.3mmのものを、配設ピッチ100mmで千鳥配置に溶接固着したもの。
〔水冷装置10A2〕
新品の水冷装置10Bにおける熱交換路12のパイプ表面に、突起物7Bとして、ステンレス鋼(SS400)製で、丸軸部71の径20mm、高さ26.5mm、平皿形の頭部73の径36mm、厚さ8.5mmのものを配設ピッチ100mmで千鳥配置に植設した溶接固着したもの。
【0033】
まず、現状分析として、燃焼塔2内に既設されている水冷装置10Bについて、後記表1に記載の各期日に、図4で示す上から2段目で右から2番目及び3番目のパネルの各2箇所のパイプ厚みを測定した。その結果を前回測定時からの厚み変化と共に後記表1に示す。測定位置と測定方法は次の通りである。
【0034】
〔測定箇所〕
B1…右から2番目のパネルで、6段目の直管12aの左から260mm。
B2…右から2番目のパネルで、8段目の直管12aの左から240mm。
B3…右から3番目のパネルで、5段目の直管12aの右から210mm。
B4…右から3番目のパネルで、7段目の直管12aの中央付近。
〔測定方法〕
測定箇所のパネル表面の付着ダスト及び錆をケレンハンマーとワイヤーブラシで除去し、その表面に接触媒質としてのマシン油を垂らし、デジタル超音波厚さ計(トキメック社製UTM−101)を用いてパイプ厚みを測定した。
【0035】
【表1】
Figure 2004309030
【0036】
上表の結果にて示されるように、測定部位における従来構成の水冷装置10Bでは、熱交換路12を構成するパイプが既に測定前の摩耗で相当に肉厚を減じていたが、なおも電気炉稼働に伴う激しい摩耗の進行が継続しており、且つ部位による摩耗の進行度合の差が認められるため、以降の早い段階で孔開きによる水漏れを生じて補修又は交換を余儀なくされることが予想される。
【0037】
実施試験
前記の最後(4回目)のパイプ厚みを測定した2日後(2002年11月20)、図4の展開図における1段目の右から3番目(1−R3)と2段目の右から2番目(2−R2)及び3番目(2−R3)の3枚の水冷装置10Bを新品と交換した上で、突起物7を溶接することにより、2−R2位置の水冷装置10Bを水冷装置10A1に、1R−3位置の水冷装置10Bを水冷装置10A2に各々改変し、引き続いて電気炉1を稼働させ、後記表2に記載した各期日にこれら交換部位1−R3、2−R2、2−R3のパネル表面の状況を調べた。その結果を後記表2に示す。
【0038】
【表2】
Figure 2004309030
【0039】
上表の結果から明らかなように、水冷装置の熱交換路を構成するパイプの表面に突起物を形成することにより、この突起物を基点にしてパネル表面に高温ガスに付随するダストが効率よく付着し、短期間で厚いダスト層が形成されるが、ダスト層がある程度の厚みに達したのちはダスト粒子による摩耗侵食作用と付着蓄積作用とが均衡化し、該ダスト層が略一定した厚みで保持されると共に、突起物によるアンカー効果によってダスト層の剥離を生じず、このダスト層が保護層となって熱交換路のパイプの摩耗を効果的に防止できることが実証された。なお、別途に突起物として単なる丸軸状のものを設けた水冷装置でも同様の実施試験を行ったが、このパネルでは表面へのダストの付着性が悪く、保護層として充分な厚み及び付着強度のダスト層が形成されにくいことが判明している。
【0040】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、電気炉より吸引導出されるダスト含有高温ガスを上部から下部へ通過させて集塵排気部へ導く燃焼塔の内周面に取り付けられる水冷装置として、基板の内面側に配設された冷却水を流通させる熱交換路の金属製パイプ表面に、前記基板側とは反対方向へ突出する多数の金属製突起物が所定間隔置きに設けられていることから、燃焼塔内に流入する高温ガスに付随するダストが各突起物を基点にして効率よく付着蓄積し、早期にパネル表面全体にわたって厚いダスト層が形成され、このダスト層が略一定した厚みで安定に保持されて保護層として非常に有効に機能し、極めて長期にわたって該パイプの孔開きによる水漏れを生じず、従来に比較して格段に長寿命なものが提供される。
【0041】
請求項2の発明によれば、上記の電気炉燃焼塔用水冷装置において、前記突起物が基部よりも大きい頭部を備える形状であることから、パネル表面へのダストの付着効率が高く、より早期に保護層としての充分な厚みのダスト層が形成されると共に、該ダスト層の被着強度が増大するという利点がある。
【0042】
請求項3の発明によれば、上記の電気炉燃焼塔用水冷装置において、前記突起物が丸軸部の頂端に球頂形又は平皿形の頭部を有する形状であることから、パネル表面へのダストの付着性がより向上し、保護層としての充分な厚みのダスト層が形成時期がより早まると共に、該ダスト層の被着強度がより増大するという利点がある。
【0043】
請求項4の発明によれば、上記の電気炉燃焼塔用水冷装置として、熱交換路の金属製パイプと前記突起物がステンレス鋼製で特定の寸法を有することから、より長寿命なものが提供される。
【0044】
請求項5の発明によれば、電気炉燃焼塔として、その内周面の内の少なくとも電気炉からのガス入口に対向する周面領域に前記水冷装置が取り付けられていることから、特に高温ガスに付随するダスト粒子が高速で衝突・擦過して摩耗を生じ易い部位の水冷装置が長寿命となり、その補修・交換の頻度が著しく低減するから、補修及び交換に要するコストが大幅に軽減されると共に、それだけ電気炉を長く連続操業できるから、稼働効率の向上によるコスト低減を図り得るという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】電気炉と燃焼塔の配置構成を示す正面図である。
【図2】同配置構成を示す平面図である。
【図3】同燃焼塔の上部における横断平面図である。
【図4】同燃焼塔の水冷装置を取り付けた内周面の展開図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る水冷装置を示し、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は(B)のC−C線の断面矢視図である。
【図6】同一実施形態の水冷装置を取り付けた燃焼塔要部の横断平面図である。
【図7】図6のA−A線の断面矢視図である。
【図8】同一実施形態の水冷装置における熱交換路のパイプの縦断側面図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係る水冷装置における熱交換路のパイプの縦断側面図である。
【図10】従来の水冷装置を示し、(A)は正面図、(B)は(A)のB−B線の断面矢視図である。
【図11】従来の水冷装置を取り付けた燃焼塔要部の横断平面図である。
【符号の説明】
1 電気路
2 燃焼塔
2a ガス入口
2b ガス出口
3 ガス導入管路
4 ガス排出管路
6 周壁板
7A,7B 突起物
10 水冷装置
10A,10B 水冷装置
11 基板
12 熱交換路
13 入口管
14 出口管

Claims (5)

  1. 電気炉より吸引導出されるダスト含有高温ガスを通過させて集塵排気部へ導く燃焼塔の内周面に取り付けられる水冷装置であって、基板の内面側に冷却水を流通させる金属製パイプからなる反復蛇行状の熱交換路が配設され、この熱交換路の表面に前記基板側とは反対方向へ突出する多数の金属製突起物が所定間隔置きに設けられていることを特徴とする電気炉燃焼塔用水冷装置。
  2. 前記突起物が基部よりも大きい頭部を備える形状である請求項1記載の電気炉燃焼塔用水冷装置。
  3. 前記突起物が丸軸部の頂端に球頂形又は平皿形の頭部を有する形状である請求項2記載の電気炉燃焼塔用水冷装置。
  4. 前記熱交換路の金属製パイプが、直径50〜100mm、肉厚5〜20mmの鋼製であり、前記突起物の頭部が20〜50mm径である請求項1〜3のいずれかに記載の電気炉燃焼塔用水冷装置。
  5. 内周面の内、少なくとも電気炉からのガス入口に対向する周面領域に、前記請求項1〜4のいずれかに記載の水冷装置が取り付けられてなる電気炉燃焼塔。
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