JP2004308757A - 摩擦ローラ式変速機及び高速流体装置 - Google Patents

摩擦ローラ式変速機及び高速流体装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004308757A
JP2004308757A JP2003102176A JP2003102176A JP2004308757A JP 2004308757 A JP2004308757 A JP 2004308757A JP 2003102176 A JP2003102176 A JP 2003102176A JP 2003102176 A JP2003102176 A JP 2003102176A JP 2004308757 A JP2004308757 A JP 2004308757A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
traction oil
housing
side shaft
roller
speed side
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2003102176A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirotsuna Nawamoto
大綱 縄本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2003102176A priority Critical patent/JP2004308757A/ja
Publication of JP2004308757A publication Critical patent/JP2004308757A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/048Type of gearings to be lubricated, cooled or heated
    • F16H57/0487Friction gearings

Abstract

【課題】潤滑状態を良好に維持して、寿命の向上や信頼性向上を図ること。
【解決手段】一端部に外輪32を設けた低速側シャフト3と、外輪32に対して偏心してハウジング1,2に回転自在に支持された高速側シャフト17と、外輪32と高速側シャフト17との間に回転自在に支持されたガイドローラ37aと可動ローラと、とからなる摩擦ローラ式の増速機を備え、外部ポンプ(図示略)から給油口81を介して、トラクション油を強制的に導入すると、トラクション油は、ハウジング2のトラクション油案内路82から、支持ピン39aのトラクション油案内路83を介して、支持ピン39a、ラジアルニードル軸受42やガイドローラ37(37a)等に供給される。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、車両用エンジンの過給機、燃料電池車の中枢部等に使用する摩擦ローラ式変速機及び高速流体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、高速流体装置として、車両用エンジンの過給機は、遠心式であって、エンジンの駆動軸から動力を直接ベルト伝動し、増速機により増速して、そのインペラーを回転駆動するようになっているものがある。
【0003】
従来の高速流体装置は、増速機として、高い増速比を得るため、遊星歯車機構を用いている。しかし、数万rpmから10万rpm以上にも及ぶ回転数では、ギアの振動や騒音とともに寿命にも大きな問題がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、他の従来の高速流体装置としては、摩擦ローラ機構の遊星ローラを用いた方式であるが、可撓性外側リングで遊星ローラと太陽軸を締め付けることにより、トラクションドライブで必要な押付力を得る構造となっている(例えば、特許文献2参照)。そのため、高回転高トルク状態ですべりが発生し、駆動力をインペラに伝えることが出来ない。また、これを防止するためには、さらに大きな力をもって外側リングで遊星ローラを締め付ける必要があるが、そうすると、低回転低トルク状態では、過大な押付力で押し付けることになり、効率が低下してしまう。同時に常に大きな押付力が働くので、寿命的にも問題がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−203421号公報
【特許文献2】
特開平11−294548号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このようなことから、トラクションドライブ式変速機は、静かで滑らかであり、振動や騒音の問題が全くないことから、産業上の各種用途に開発され、さらに近年は自動車や自転車といったパーソナルユースに応用する試みがなされ、次世代の動力伝達方式として注目されている。
【0007】
トラクションドライブ式変速機とは、歯車伝動とは異なり、滑らかな表面をもつ少なくとも2個の回転体を強く押し付け、これらの間に潤滑油膜(例えばEHL油膜)を介在させて、動力を伝達する機構であり、その基礎式は、Ft=μ・Fcという簡単な摩擦の式で表される(Ft:トラクション力)。ここで、Fcは、押し付け力と呼び、この発生に様々な方法が開発されている。
【0008】
さらに、トラクションドライブに必要な押付力は、くさび作用により得る機構であり、伝達トルクに比例した適正な押付力が常に得られるため、すべりが発生することはない。同時に、低回転低トルク領域から高回転高トルク領域まで高い効率が得られる。
【0009】
車両用エンジンの過給機では、インペラの回転数が数万rpmから10万rpm以上まで増速される。そのため、その回転部分(くさびローラ式変速機部分)は、非常に高速で回転し、特に中間ローラの支持部の潤滑状態は、希薄になり易く、この部分での摩耗や剥離、焼付き等に結び付きやすいといったことがある。
【0010】
本発明の目的は、上述したような事情に鑑みてなされたものであって、潤滑状態を良好に維持して、寿命の向上や信頼性向上を図ることができる摩擦ローラ式変速機及び高速流体装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の請求項1に係る摩擦ローラ式変速機は、ハウジングに回転自在に支持され、一端部に外輪を設けた低速側シャフトと、前記低速側シャフト及び前記外輪に対して偏心して、ハウジングに回転自在に支持された高速側シャフトと、前記外輪と前記高速側シャフトとの間に回転自在に支持された、少なくとも1個のガイドローラと少なくとも1個の可動ローラとから成るくさび作用を利用した摩擦ローラ式変速機において、
外部からトラクション油を前記ハウジング内に供給するための外部トラクション油供給手段と、
前記ハウジング内に供給されたトラクション油を、前記ローラを支持する支持部分に案内するためのトラクション油案内路と、を具備することを特徴とする。
【0012】
また、請求項3に係る高速流体装置は、ハウジングに回転自在に支持され、一端部に外輪を設けた低速側シャフトと、前記低速側シャフト及び前記外輪に対して偏心して、ハウジングに回転自在に支持された高速側シャフトと、前記外輪と前記高速側シャフトとの間に回転自在に支持された、少なくとも1個のガイドローラと少なくとも1個の可動ローラとから成るくさび作用を利用した摩擦ローラ式増速機と、
前記高速側シャフトにより駆動する高速流体機械と、を備えた高速流体装置において、
外部からトラクション油を前記ハウジング内に供給するための外部トラクション油供給手段と、
前記ハウジング内に供給されたトラクション油を、前記ローラを支持する支持部分に案内するためのトラクション油案内路と、を具備することを特徴とする。
【0013】
このように、請求項1又は3によれば、外部からトラクション油をハウジング内に供給するための外部トラクション油供給手段と、ハウジング内に供給されたトラクション油を、ローラを支持する支持部分に案内するためのトラクション油案内路とが設けてあることから、潤滑状態が希薄になり易いローラ支持部分を十分に強制潤滑することができ、これにより、潤滑状態を良好に維持して、寿命の向上や信頼性向上を図ることができる。
【0014】
また、本発明の請求項2に係る摩擦ローラ式変速機は、ハウジングに回転自在に支持され、一端部に外輪を設けた低速側シャフトと、前記低速側シャフト及び前記外輪に対して偏心して、ハウジングに回転自在に支持された高速側シャフトと、前記外輪と前記高速側シャフトとの間に回転自在に支持された、少なくとも1個のガイドローラと少なくとも1個の可動ローラとから成るくさび作用を利用した摩擦ローラ式変速機において、
前記ハウジング内で、トラクション油を循環するための内部ポンプ手段と、
前記ハウジング内で循環するトラクション油を、前記ローラを支持する支持部分に案内するためのトラクション油案内路と、を具備することを特徴とする。
【0015】
さらに、請求項4に係る高速流体装置は、ハウジングに回転自在に支持され、一端部に外輪を設けた低速側シャフトと、前記低速側シャフト及び前記外輪に対して偏心して、ハウジングに回転自在に支持された高速側シャフトと、前記外輪と前記高速側シャフトとの間に回転自在に支持された、少なくとも1個のガイドローラと少なくとも1個の可動ローラとから成るくさび作用を利用した摩擦ローラ式増速機と、
前記高速側シャフトにより駆動する高速流体機械と、を備えた高速流体装置において、
前記ハウジング内で、トラクション油を循環するための内部ポンプ手段と、
前記ハウジング内で循環するトラクション油を、前記ローラを支持する支持部分に案内するためのトラクション油案内路と、を具備することを特徴とする。
【0016】
このように、請求項2又は4によれば、ハウジング内で、トラクション油を循環するための内部ポンプ手段と、ハウジング内で循環するトラクション油を、ローラを支持する支持部分に案内するためのトラクション油案内路とが設けてあることから、潤滑状態が希薄になり易いローラ支持部分を十分に強制潤滑することができ、これにより、潤滑状態を良好に維持して、寿命の向上や信頼性向上を図ることができる。
【0017】
さらに、本発明の高速流体装置は、エンジンの過給機のみならず、例えば燃料電池車などにおいて、燃料となる水素を送り込むための送風機、水素と酸素の反応により生成された水分や水蒸気を吹き飛ばすためのブロワーなどにも適用できる。
【0018】
さらに、本発明に係る摩擦ローラ式変速機は、増速機に限定されず、減速機としての作動にも好適であり、また、本発明の高速流体装置は、エンジンの過給機、及び上述した送風機やブロワーのみならず、他の種々の分野や用途にも適用することができる。
【0019】
なお、トラクションドライブ式変速機の一つとして、くさび作用を利用した摩擦ローラ式変速機(以後本明細書中では、くさびローラ式変速機と記す)がある。くさびローラ式変速機とは、高速側シャフトの先端部の周囲に、該高速側シャフトに対し偏心した状態で、回転自在に設けられた外輪と、該高速側シャフトの外周面である被駆動側円筒面と前記外輪の内周面である駆動側円筒面との間に存在して、径方向に関する幅が円周方向に関して不同である環状空間内に配置される、それぞれの外周面を動力伝達用円筒面とした、少なくとも1個のガイドローラおよび少なくとも1個の可動ローラとを備えた変速機のことを言う。又、可動ローラとは、くさび作用により押付け力を発生するローラであり、半径方向、円周方向に動くローラのことを言う。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る摩擦ローラ式変速機及び高速流体装置を図面を参照しつつ説明する。
【0021】
先ず、くさびローラ式変速機の内部構造について詳述し、次いで、実施の形態について説明する。
【0022】
また、説明の便宜上、1個の可動ローラを用いたくさびローラ式変速機を説明し、その後、2個の可動ローラを用いた両方向動力伝達型のくさびローラ式変速について説明する。
【0023】
また、動力の伝達の方法を説明する時は、くさびローラ式変速機が増速機として作用する場合を代表して記述している。(増速機において、正回転とは、外輪32が高速側シャフト17に動力を伝える方向であり、逆回転とは、外輪32が空転し、高速側シャフト17へのトルク伝達を停止する方向である。)
(くさびローラ式変速機の内部構造)
図1は、本発明に係るくさびローラ式変速機の縦断面図である。
【0024】
図2は、ハウジングを取り外した状態における、くさびローラ式変速機の要部の横断面図であって、ワンウェイクラッチ機能を有するくさびローラ式変速機の断面図である。
【0025】
図3は、増速機としてのくさびローラ式変速機の作用を説明する図である。
【0026】
図4は、ハウジングを取り外した状態における、くさびローラ式変速機の要部の横断面図であって、正逆両方向の回転時にトルク(動力)を伝達可能なくさびローラ式変速機の断面図である。
【0027】
くさびローラ式変速機Aは、本実施の形態では、低速側シャフト3(外輪側)を入力側とした場合には、高速側シャフト17を出力側とした増速機として作用し、低速側シャフト3(外輪側)を出力側とした場合には、高速側シャフト17を入力側とした減速機として作用する。
【0028】
また、図2に示すように、1個の可動ローラ38を用いたくさびローラ式変速機Aは、正転時には、トルクを伝達する一方、逆転時には、空転してトルクを伝達しないワンウェイクラッチ機能を有しているが、図4に示すように、2個の可動ローラ38a,38bを用いたくさびローラ式変速機Aは、正逆両方の回転時にトルクを伝達することができる。
【0029】
本発明の実施の形態に係るくさびローラ式変速機Aは、図1、図2において、略円筒状のハウジング1に、仕切板であるハウジング2が固定してある。ハウジング1には、低速側シャフト3が回転自在に支持してあり、ハウジング1内の低速側シャフト3の端部に、円盤状部材4が設けてあり、この円盤状部材4の外縁部に、外輪32が取付けてある。
【0030】
仕切板であるハウジング2には、高速側シャフト17が低速側シャフト3及び外輪32に対して偏心(オフセット)して回転自在に設けてある。
【0031】
図2に示すように、外輪32と、高速側シャフト17との間には、大径のガイドローラ37aと、小径のガイドローラ37bと、トルク伝達時に移動する可動ローラ38とが介装してある。
【0032】
可動ローラ38を回転自在に支持する支持軸39bは、図3に示すように、増速機の場合、高速側シャフト17と外輪32との間で「くさび」に食い込む方向に移動できるように構成してあり、また、この「くさび」に食い込む方向にシリンダ孔46に設置した圧縮ばね等の弾性材47(予圧ばね、図2参照)により付勢してある。
【0033】
これにより、正転時には、可動ローラ38は、高速側シャフト17と外輪32との間で「くさび」に食い込む方向に移動し、押し付け力Fcを発生する。このFcによりトラクション力が発生し、トルクを伝達することができる。
【0034】
一方、逆転時には、可動ローラ38は、「くさび」から離れる方向に移動し、押し付け力Fc=0となり、入力側の回転が出力側へ伝わるのを停止する。
【0035】
図2に示すように、外輪32の内周面と高速側シャフト17の先端部外周面との間には、径方向に関する幅が円周方向に関して不同である環状空間36が設けられる。
【0036】
この様な環状空間36内には、2個のガイドローラ37a、37bと1個の可動ローラ38とを設置して、上記くさびローラ式変速機Aを構成している。図2において、可動ローラ38は切欠いて部分的に示している。これら各ローラ37a、37b、38を設置する為に上記環状空間36部分には、3本の支持軸39a、39a、39bを設けている。これら3本の支持軸39a、39a、39bのうち、2本の支持軸39a,39aは、それぞれの両端部をハウジング2及び連結板14に形成した嵌合孔40、40に圧入固定している。従って、上記2本の支持軸39a,39aが、上記環状空間36内で円周方向或は直径方向に変位する事はない。これに対して、上記3本の支持軸39a、39a、39bのうち、残り1本の支持軸39bは、両端部を上記ハウジング2及び連結板14に対し、上記外輪32の円周方向及び直径方向に関する若干の変位可能に支持している。この為に、上記ハウジング2及び連結板14の一部で上記1本の支持軸39bの両端部に整合する部分に、この支持軸39bの外径よりも大きな内径を有する支持孔41を形成し、これら各支持孔41に、上記支持軸39bの両端部を緩く係合させている。
【0037】
そして、上述の様に支持した各支持軸39a、39a、39bの中間部周囲に、それぞれ上記各ガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38を、それぞれラジアルニードル軸受42、42等の軸受により、回転自在に支持している。尚、上記連結板14を上記ハウジング2に結合固定する為、この連結板14の片面に突設した、前記各突部27、27は、この連結板14の円周方向に関して、上記各ガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38同士の間に存在する。言い換えれば、上記環状空間36内に上記各突部27、27と上記各ガイドローラ37a、37b又は可動ローラ38とが、上記環状空間36の円周方向に関して交互に存在する。又、これら各ガイドローラ37a、37b又は可動ローラ38の外周面と上記各突部27、27の円周方向側面とが干渉する(擦れ合う)事はない。
【0038】
この様にして、上記各支持軸39a、39a、39bにより上記ハウジング2と連結板14との間に回転自在に支持した、上記各ガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38の外周面である、動力伝達用円筒面43a、43a、43bは、それぞれ前記高速側シャフト17の先端部の外周面である動力伝達用円筒面44と前記外輪32の内周面である動力伝達用円筒面45とに当接させている。前述した通り、上記各ガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38を設置した上記環状空間36の径方向に関する幅は、円周方向に関して不同である。この様に、この環状空間36の幅寸法を円周方向に関して不同にした分、上記ガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38の外径を異ならせている。即ち、上記ガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38のうち、それぞれ上記外輪32に対し高速側シャフト17の先端部が偏心している側に位置する可動ローラ38及びガイドローラ37bの外径を、互いに同じにすると共に比較的小径にしている。これに対し、上記外輪32に対し高速側シャフト17の先端部が偏心しているのと反対側に位置するガイドローラ37aの外径を、上記可動ローラ38及びガイドローラ37bの外径よりも大きくしている。そして、上記ガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38の外周面である上記各動力伝達用円筒面43a、43a、43bを、それぞれ上記動力伝達用円筒面44、45に当接させている。
【0039】
尚、上記各ガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38のうち、各ガイドローラ37a、37bを支持した支持軸39a、39aの両端部は、前述の様に、前記ハウジング2及び連結板14に対し(環状空間36内に)固定している。これに対して、上記可動ローラ38を支持した支持軸39bは、やはり前述した様に上記ハウジング2及び連結板14に対し(環状空間36内に)、円周方向及び直径方向に関する若干の変位を可能に支持している。従って、上記可動ローラ38も、上記環状空間36内で円周方向及び直径方向に若干の変位可能である。そして、前記ハウジング2及び連結板14のシリンダ孔46内に設置した、圧縮ばね等の弾性材47(予圧ばね)により、上記可動ローラ38を支持した支持軸39bを、これら支持軸39bに回転自在に支持した可動ローラ38を前記環状空間36の幅の狭い部分に向け移動させるべく、弾性的に軽く押圧している。
【0040】
上述の様に構成する本発明に係るくさびローラ式変速機により回転軸を回転駆動する場合(増速機の場合)には、低速側シャフト3に駆動力を入力することにより外輪32を図3の矢印方向に回転させる。この外輪32の回転は、上記各ガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38を介して前記高速側シャフト17に伝わり、高速側シャフト17を図3の矢印方向に回転させる。上記外輪32と上記ガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38との間の動力伝達、並びに、これらガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38と上記高速側シャフト17との間の動力伝達は、何れも摩擦伝達により行なわれる為、動力伝達時に発生する騒音並びに振動は低い。
【0041】
又、上記可動ローラ38は、上記外輪32から上記高速側シャフト17に伝達するトルクの大きさに応じた力で、前記環状空間36の幅が狭い部分に食い込む傾向となる。この為、上記外輪32の内周面である動力伝達用円筒面45と上記ガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38の外周面である動力伝達用円筒面43a、43a、43bとの当接部、並びに、これら各動力伝達用円筒面43a、43a、43bと上記高速側シャフト17の外周面である動力伝達用円筒面44との当接部の面圧は、何れも、上記トルクが大きくなる程高くなる。逆に言えば、このトルクが小さい場合には、上記各当接部の面圧が低い状態となる。この為、これら各当接部の面圧を、伝達すべきトルクに合わせた適正値にして、トルク伝達を効率良く行なえる。
【0042】
即ち、上記外輪32が図3の矢印方向に回転し、上記高速側シャフト17を図3の矢印方向に回転させる際には、上記可動ローラ38が、上記外輪32の内周面である動力伝達用円筒面45及び上記高速側シャフト17の外周面である動力伝達用円筒面44から、前記弾性材47(予圧ばね)による押圧力と同方向の力を受けて、上記環状空間36の幅の狭い部分に向け移動する傾向となる。
【0043】
上述の様にして、上記可動ローラ38を上記環状空間36の幅の狭い部分に向け移動させようとする力は、上記外輪32から上記高速側シャフト17に伝達する回転駆動力の大きさに応じて変化する。そして、この力が大きくなる程、動力伝達用円筒面43a,43bと上記動力伝達用円筒面44との当接部である内側当接部48、及び、この動力伝達用円筒面43a,43bと上記動力伝達用円筒面45との当接部である外側当接部49の当接圧が高くなる。従って、この様な作用に基づき、上記伝達する回転駆動力に応じた当接圧を自動的に選定して、くさびローラ式変速機Aの伝達効率を確保できる。
【0044】
図2に示した例の場合には、くさびローラ式変速機Aは、ワンウェイクラッチ機能を備えており、増速機の場合、上記高速側シャフト17の回転速度が上記外輪32の回転速度に見合う速度、即ち、この外輪32の回転速度にくさびローラ式変速機Aの増速比を掛けた速度よりも速くなった場合には、このくさびローラ式変速機Aの接続が断たれる。即ち、この場合には、上記可動ローラ38が、前記弾性材47(予圧ばね)の弾力に抗して、上記環状空間36の幅の広い側に変位する。この結果、上記内側、外側両当接部48、49の当接圧が低下若しくは喪失して、上記外輪32の回転が上記高速側シャフト17にまでは伝わらなくなる。
【0045】
次に、図4に示す、正逆両方向の回転時にトルクを伝達可能なくさびローラ式変速機について説明する。
【0046】
図4は、高速側シャフト17(図1参照)を時計、反時計の両方向に回転駆動自在な構造について示している。この様な本例の構造の揚合には、くさびローラ式変速機Aを構成する3個のローラとして、1個のガイドローラ37と2個の可動ローラ38a,38bとを使用している。このうち、環状空間36のうちで最も幅が広くなった部分に設置したローラを、比較的大径で設置位置が変化しないガイドローラ37としている。これに対して、上記環状空間36の幅が最も狭くなった部分を挟んで設けた1対のローラを、それぞれ比較的小径で円周方向及び直径方向に関する若干の変位を可能にした可動ローラ38a,38bとしている。そして、これら各可動ローラ38a,38bを支持した各支持軸39b,39bを、上記環状空間36の最も幅が狭くなった部分に向けそれぞれ弾性的に押圧している。
【0047】
上述の様に構成する本例の構造の場合には、外輪32が図4で時計方向に回転する場合には、可動ローラ38aが上記環状空間36の幅が狭くなった部分に食い込む。これに対して、上記外輪32が図4で反時計方向に回転する場合には、可動ローラ38bが上記環状空間36の幅が狭くなった部分に食い込む。又、本例の場合には、これら各可動ローラ38a,38bを支持した支持軸39b,39bの両端部を支持する為、ハウジング2及び連結板14に形成した支持孔41a,41a(長溝)の、上記環状空間36の円周方向に関する長さを規制している。具体的には、これら各支持孔41a,41a(長溝)のうち、上記環状空間36の幅が広い側の端部の位置を、前述した図2で示した場合よりも、この環状空間36の最も幅が狭くなった位置に近づけている。そして、上記各可動ローラ38a,38bが、上記環状空間36の幅の広い側に過度に退避しない様にしている。
【0048】
上述の様に構成する本例の場合には、上記外輪32が時計、反時計の何れの方向に回転する場合でも、何れかの可動ローラ38a(38b)が上記環状空間36の幅の狭い部分に食い込み、当該可動ローラ38a(38b)に関する内側、外側各当接部48,49の当接圧を高める。一方、上記環状空間36の幅の狭い部分から退避する方向に変位する可動ローラ38b(38a)に関しても、その退避量は限られる。この結果、両可動ローラ38a,38b及び前記ガイドローラ37に関して、内側、外側各当接部48,49の当接圧が十分に上昇し、上記外輪32から高速側シャフト17にまで、動力を効率良く伝達できる。この様に、回転外輪32から高速側シャフト17への時計、反時計の両方向の動力伝達を可能にした点以外は、図2に前述した場合と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
【0049】
(第1実施の形態)
図5は、本発明の第1実施の形態に係る高速流体装置の縦断面図である。図6は、図5のVI−VI線に沿った断面図である。
【0050】
本実施の形態では、図5に示すように、高速流体機械Xとして、過給機60を用い、高速側シャフト17の一端部に、過給機60のインペラー61が装着してある。なお、インペラー61の周囲には、ハウジング62が形成してあり、インペラー61の軸方向外方には、吸入口63が設けてあり、インペラー61の径方向外方には、スクロール状の過給通路64が形成してある。また、高速側シャフト17は、メカニカルシール65によりシールしてある。
【0051】
本実施の形態では、高速側シャフト17は、ハウジング2に、1個の転がり玉軸受71(アンギュラ玉軸受)により回転自在に支持してある。これにより、軸方向寸法を短縮することができ、軸受組立工程を簡素化することができる。従って、コンパクト化を図ると共に、低コスト化を図ることができる。
【0052】
また、本実施の形態では、各ガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38は、それぞれ、ラジアルニードル軸受42により、回転自在に支持してある。
【0053】
さて、本実施の形態では、ハウジング1,2の外部には、トラクション油を供給して強制潤滑するための外部ポンプ(図示略)が設けてある。図5に示すように、ハウジング2の上部には、この外部ポンプ(図示略)に連結するためのトラクション油の給油口81が設けてある。
【0054】
この給油口81に連通するように、ハウジング2内部には、径方向であって上下方向に延在したトラクション油案内路82が形成してある。このトラクション油案内路82に連通するように、支持ピン39aには、トラクション油案内路83が形成してある。
【0055】
図6に示すように、メカニカルシール65の本体を収納するカバー65aの周囲には、環状のトラクション油案内路85が形成してあり、上方から下方に向けて延在したトラクション油案内路82に連通してある。
【0056】
環状のトラクション油案内路85からは、下方及び斜め下方に向けて3個のトラクション油案内路86,87,88が延在してある。
【0057】
この下方を向いたトラクション油案内路86には、図5に示すように、斜め上方を向いたトラクション油案内枝路89が形成してある。
【0058】
さらに、ハウジング1の下部には、トラクション油を貯留するタンク部91が設けてあり、このタンク部91には、トラクション油を排出するためのトラクション油の排油口92が設けてある。
【0059】
以上のように構成してあることから、外部ポンプ(図示略)から、給油口81を介して、トラクション油を強制的に導入すると、トラクション油は、ハウジング2のトラクション油案内路82から、支持ピン39aのトラクション油案内路83を介して、支持ピン39a、ラジアルニードル軸受42やガイドローラ37(37a)等に供給される。
【0060】
また、ハウジング2のトラクション油案内路82から、環状のトラクション油案内路85に流されたトラクション油は、下方のトラクション油案内路86,87,88及び斜めのトラクション油案内路89を介して、支持ピン39a,39b、ラジアルニードル軸受42や可動ローラ38等に供給される。
【0061】
さらに、下方のタンク部91に貯留されたトラクション油は、排油口92を介して、適宜排出される。
【0062】
このように、本実施の形態では、潤滑状態が希薄になり易いローラ支持部分、例えば支持ピン39a、39bを十分に強制潤滑することができ、これにより、潤滑状態を良好に維持して、寿命の向上や信頼性向上を図ることができる。
【0063】
(第1実施の形態の変形例)
次に、図7は、本発明の第1実施の形態の変形例に係る高速流体装置の縦断面図である。
【0064】
本変形例では、高速側シャフト17は、ハウジング2に、2個の転がり玉軸受72(アンギュラ玉軸受)により回転自在に支持してある。
【0065】
(第2実施の形態)
図8は、本発明の第2実施の形態に係る高速流体装置の縦断面図である。
【0066】
本実施の形態では、図8に示すように、高速流体機械Xとして、過給機60を用い、高速側シャフト17の一端部に、過給機60のインペラー61が装着してある。なお、インペラー61の周囲には、ハウジング62が形成してあり、インペラー61の軸方向外方には、吸入口63が設けてあり、インペラー61の径方向外方には、スクロール状の過給通路64が形成してある。また、高速側シャフト17は、メカニカルシール65によりシールしてある。
【0067】
本実施の形態では、高速側シャフト17は、ハウジング2に、1個の転がり玉軸受71(アンギュラ玉軸受)により回転自在に支持してある。これにより、軸方向寸法を短縮することができ、軸受組立工程を簡素化することができる。従って、コンパクト化を図ると共に、低コスト化を図ることができる。
【0068】
また、本実施の形態では、各ガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38は、それぞれ、ラジアルニードル軸受42により、回転自在に支持してある。
【0069】
さて、本実施の形態では、ハウジング2内部には、径方向であって上下方向に延在したトラクション油案内路82が形成してある。このトラクション油案内路82に連通するように、支持ピン39aには、トラクション油案内路83が形成してある。
【0070】
特に、図示しないが、第1実施の形態(図6)と同様に、メカニカルシール65の本体を収納するカバー65aの周囲には、環状のトラクション油案内路85が形成してあり、上方から下方に向けて延在したトラクション油案内路82に連通してある。環状のトラクション油案内路85からは、下方及び斜め下方に向けて3個のトラクション油案内路86,87,88が延在してある。この下方を向いたトラクション油案内路86には、図8に示すように、斜め上方を向いたトラクション油案内枝路89が形成してある。さらに、ハウジング1の下部には、トラクション油を貯留するタンク部91が設けてある。
【0071】
さらに、本実施の形態では、外輪32(円盤状部材4)から高速シャフト17側に向けて突出した低速側シャフト3の突出部に、トロコイドポンプのインナーロータ101が設けてある。このインナーロータ101の結合方法は、Dカット、ピン、スプラインなどである。
【0072】
連結板14には、このトロコイドポンプのアウターロータ102が埋設してある。なお、トロコイドポンプの外側には、カバー103が連結板14に固定してある。
【0073】
トロコイドポンプは、低速側シャフト3の回転に伴って、インナーロータ101が回転し、このインナーロータ101とアウターロータ102との間の空間が増減することにより、トラクション油を吸入して、吐出するようになっている。
【0074】
特に図示しないが、トロコイドポンプに隣接して、吸入側ポンプ室(図示略)と、吐出側ポンプ室(図示略)とが連結板14に形成してあり、さらに、これら吸入側ポンプ室(図示略)と吐出側ポンプ室(図示略)とにそれぞれ連通した複数のトラクション油案内路(図示略)が設けてある。
【0075】
従って、トロコイドポンプは、低速側シャフト3の回転に伴って、インナーロータ101が回転し、このインナーロータ101とアウターロータ102との間の空間が増減すると、タンク91等からトラクション油案内路(図示略)を介して吸入側ポンプ室(図示略)にトラクション油を吸入する。
【0076】
次いで、吐出側ポンプ室(図示略)からトラクション油案内路(図示略)を介して、トラクション油を吐出して、トラクション油を、支持ピン39a,39b、ラジアルニードル軸受42や可動ローラ38等に供給する。
【0077】
その後、トロコイドポンプから吐出したトラクション油は、上述したトラクション油案内路82〜89を介して、ハウジング1,2内を循環して、再度(何回でも)、支持ピン39a,39b、ラジアルニードル軸受42や可動ローラ38等に供給する。
【0078】
このように、本実施の形態では、トロコイドポンプ等の内部ポンプにより、トラクション油を何回も循環していることから、潤滑状態が希薄になり易いローラ支持部分、例えば支持ピン39a、39bを十分に強制潤滑することができ、これにより、潤滑状態を良好に維持して、寿命の向上や信頼性向上を図ることができる。
【0079】
なお、内部ポンプは、トロコイドポンプに限定されず、ギヤポンプ等、他の形式のものであってもよい。
【0080】
(第2実施の形態の変形例)
次に、図9は、本発明の第2実施の形態の変形例に係る高速流体装置の縦断面図である。
【0081】
本変形例では、高速側シャフト17は、ハウジング2に、2個の転がり玉軸受72(アンギュラ玉軸受)により回転自在に支持してある。
【0082】
(第3実施の形態)
図10は、本発明の第3実施の形態に係る高速流体装置の縦断面図である。
【0083】
本実施の形態では、図10に示すように、高速流体機械Xとして、過給機60を用い、高速側シャフト17の一端部に、過給機60のインペラー61が装着してある。なお、インペラー61の周囲には、ハウジング62が形成してあり、インペラー61の軸方向外方には、吸入口63が設けてあり、インペラー61の径方向外方には、スクロール状の過給通路64が形成してある。また、高速側シャフト17は、メカニカルシール65によりシールしてある。
【0084】
本実施の形態では、高速側シャフト17は、ハウジング2に、1個の転がり玉軸受71(アンギュラ玉軸受)により回転自在に支持してある。これにより、軸方向寸法を短縮することができ、軸受組立工程を簡素化することができる。従って、コンパクト化を図ると共に、低コスト化を図ることができる。
【0085】
また、本実施の形態では、各ガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38は、それぞれ、滑り軸受42aにより、回転自在に支持してある。
【0086】
さて、本実施の形態では、ハウジング1,2の外部には、トラクション油を供給して強制潤滑するための外部ポンプ(図示略)が設けてある。図10に示すように、ハウジング2の上部には、この外部ポンプ(図示略)に連結するためのトラクション油の給油口81が設けてある。
【0087】
この給油口81に連通するように、ハウジング2内部には、径方向であって上下方向に延在したトラクション油案内路82が形成してある。このトラクション油案内路82に連通するように、支持ピン39aには、トラクション油案内路83が形成してある。
【0088】
特に、図示しないが、第1実施の形態(図6)と同様に、メカニカルシール65の本体を収納するカバー65aの周囲には、環状のトラクション油案内路85が形成してあり、上方から下方に向けて延在したトラクション油案内路82に連通してある。
【0089】
環状のトラクション油案内路85からは、下方及び斜め下方に向けて3個のトラクション油案内路86,87,88が延在してある。
【0090】
この下方を向いたトラクション油案内路86には、図10に示すように、斜め上方を向いたトラクション油案内枝路89が形成してある。
【0091】
さらに、ハウジング1の下部には、トラクション油を貯留するタンク部91が設けてあり、このタンク部91には、トラクション油を排出するためのトラクション油の排油口92が設けてある。
【0092】
以上のように構成してあることから、外部ポンプ(図示略)から、給油口81を介して、トラクション油を強制的に導入すると、トラクション油は、ハウジング2のトラクション油案内路82から、支持ピン39aのトラクション油案内路83を介して、支持ピン39a、滑り軸受42aやガイドローラ37(37a)等に供給される。
【0093】
また、ハウジング2のトラクション油案内路82から、環状のトラクション油案内路85に流されたトラクション油は、下方のトラクション油案内路86,87,88及び斜めのトラクション油案内路89を介して、支持ピン39a,39b、滑り軸受42aや可動ローラ38等に供給される。
【0094】
さらに、下方のタンク部91に貯留されたトラクション油は、排油口92を介して、適宜排出される。
【0095】
このように、本実施の形態では、潤滑状態が希薄になり易いローラ支持部分、例えば支持ピン39a、39bを十分に強制潤滑することができ、これにより、潤滑状態を良好に維持して、寿命の向上や信頼性向上を図ることができる。
【0096】
(第3実施の形態の変形例)
次に、図11は、本発明の第3実施の形態の変形例に係る高速流体装置の縦断面図である。
【0097】
本変形例では、高速側シャフト17は、ハウジング2に、2個の転がり玉軸受72(アンギュラ玉軸受)により回転自在に支持してある。
【0098】
(第4実施の形態)
図12は、本発明の第4実施の形態に係る高速流体装置の縦断面図である。
【0099】
本実施の形態では、図12に示すように、高速流体機械Xとして、過給機60を用い、高速側シャフト17の一端部に、過給機60のインペラー61が装着してある。なお、インペラー61の周囲には、ハウジング62が形成してあり、インペラー61の軸方向外方には、吸入口63が設けてあり、インペラー61の径方向外方には、スクロール状の過給通路64が形成してある。また、高速側シャフト17は、メカニカルシール65によりシールしてある。
【0100】
本実施の形態では、高速側シャフト17は、ハウジング2に、1個の転がり玉軸受71(アンギュラ玉軸受)により回転自在に支持してある。これにより、軸方向寸法を短縮することができ、軸受組立工程を簡素化することができる。従って、コンパクト化を図ると共に、低コスト化を図ることができる。
【0101】
また、本実施の形態では、各ガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38は、それぞれ、滑り軸受42aにより、回転自在に支持してある。
【0102】
さて、本実施の形態では、ハウジング2内部には、径方向であって上下方向に延在したトラクション油案内路82が形成してある。このトラクション油案内路82に連通するように、支持ピン39aには、トラクション油案内路83が形成してある。
【0103】
特に、図示しないが、第1実施の形態(図6)と同様に、メカニカルシール65の本体を収納するカバー65aの周囲には、環状のトラクション油案内路85が形成してあり、上方から下方に向けて延在したトラクション油案内路82に連通してある。環状のトラクション油案内路85からは、下方及び斜め下方に向けて3個のトラクション油案内路86,87,88が延在してある。この下方を向いたトラクション油案内路86には、図12に示すように、斜め上方を向いたトラクション油案内枝路89が形成してある。さらに、ハウジング1の下部には、トラクション油を貯留するタンク部91が設けてある。
【0104】
さらに、本実施の形態では、外輪32(円盤状部材4)から高速シャフト17側に向けて突出した低速側シャフト3の突出部に、トロコイドポンプのインナーロータ101が設けてある。このインナーロータ101の結合方法は、Dカット、ピン、スプラインなどである。
【0105】
連結板14には、このトロコイドポンプのアウターロータ102が埋設してある。なお、トロコイドポンプの外側には、カバー103が連結板14に固定してある。
【0106】
トロコイドポンプは、低速側シャフト3の回転に伴って、インナーロータ101が回転し、このインナーロータ101とアウターロータ102との間の空間が増減することにより、トラクション油を吸入して、吐出するようになっている。
【0107】
特に図示しないが、トロコイドポンプに隣接して、吸入側ポンプ室(図示略)と、吐出側ポンプ室(図示略)とが連結板14に形成してあり、さらに、これら吸入側ポンプ室(図示略)と吐出側ポンプ室(図示略)とにそれぞれ連通した複数のトラクション油案内路(図示略)が設けてある。
【0108】
従って、トロコイドポンプは、低速側シャフト3の回転に伴って、インナーロータ101が回転し、このインナーロータ101とアウターロータ102との間の空間が増減すると、タンク91等からトラクション油案内路(図示略)を介して吸入側ポンプ室(図示略)にトラクション油を吸入する。
【0109】
次いで、吐出側ポンプ室(図示略)からトラクション油案内路(図示略)を介して、トラクション油を吐出して、トラクション油を、支持ピン39a,39b、滑り軸受42aや可動ローラ38等に供給する。
【0110】
その後、トロコイドポンプから吐出したトラクション油は、上述したトラクション油案内路82〜89を介して、ハウジング1,2内を循環して、再度(何回でも)、支持ピン39a,39b、滑り軸受42aや可動ローラ38等に供給する。
【0111】
このように、本実施の形態では、トロコイドポンプ等の内部ポンプにより、トラクション油を何回も循環していることから、潤滑状態が希薄になり易いローラ支持部分、例えば支持ピン39a、39bを十分に強制潤滑することができ、これにより、潤滑状態を良好に維持して、寿命の向上や信頼性向上を図ることができる。
【0112】
なお、内部ポンプは、トロコイドポンプに限定されず、ギヤポンプ等、他の形式のものであってもよい。
【0113】
(第4実施の形態の変形例)
次に、図13は、本発明の第4実施の形態の変形例に係る高速流体装置の縦断面図である。
【0114】
本変形例では、高速側シャフト17は、ハウジング2に、2個の転がり玉軸受72(アンギュラ玉軸受)により回転自在に支持してある。
【0115】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されず、種々変形可能である。
【0116】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1又は3によれば、外部からトラクション油をハウジング内に供給するための外部トラクション油供給手段と、ハウジング内に供給されたトラクション油を、ローラを支持する支持部分に案内するためのトラクション油案内路とが設けてあることから、潤滑状態が希薄になり易いローラ支持部分を十分に強制潤滑することができ、これにより、潤滑状態を良好に維持して、寿命の向上や信頼性向上を図ることができる。
【0117】
また、請求項2又は4によれば、ハウジング内で、トラクション油を循環するための内部ポンプ手段と、ハウジング内で循環するトラクション油を、ローラを支持する支持部分に案内するためのトラクション油案内路とが設けてあることから、潤滑状態が希薄になり易いローラ支持部分を十分に強制潤滑することができ、これにより、潤滑状態を良好に維持して、寿命の向上や信頼性向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るくさびローラ式変速機の縦断面図である。
【図2】ハウジングを取り外した状態における、くさびローラ式変速機の要部の横断面図であって、ワンウェイクラッチ機能を有するくさびローラ式変速機の断面図である。
【図3】増速機としてのくさびローラ式変速機の作用を説明する図である。
【図4】ハウジングを取り外した状態における、くさびローラ式変速機の要部の横断面図であって、正逆両方向の回転時にトルク(動力)を伝達可能なくさびローラ式変速機の断面図である。
【図5】本発明の第1実施の形態に係る高速流体装置の縦断面図である。
【図6】図5のVI−VI線に沿った断面図である。
【図7】本発明の第1実施の形態の変形例に係る高速流体装置の縦断面図である。
【図8】本発明の第2実施の形態に係る高速流体装置の縦断面図である。
【図9】本発明の第2実施の形態の変形例に係る高速流体装置の縦断面図である。
【図10】本発明の第3実施の形態に係る高速流体装置の縦断面図である。
【図11】本発明の第3実施の形態の変形例に係る高速流体装置の縦断面図である。
【図12】本発明の第4実施の形態に係る高速流体装置の縦断面図である。
【図13】本発明の第4実施の形態の変形例に係る高速流体装置の縦断面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
1a ボス部
2 ハウジング(仕切板)
3 低速側シャフト
4 円盤状部材
14 連結板
17 高速側シャフト
17a 鍔部
27 突部
32 外輪(低速側シャフト)
36 環状空間
37a、37b ガイドローラ
38 可動ローラ
37 ガイドローラ
38a、38b 可動ローラ
39a ガイドローラのための支持軸
39b 可動ローラのための支持軸
40 嵌合孔
41、41a 支持孔
42 ラジアルニードル軸受
42a 滑り軸受
43a ガイドローラのための動力伝達用円筒面
43b 可動ローラのための動力伝達用円筒面
44 動力伝達用円筒面
45 動力伝達用円筒面
46 シリンダ孔
47 弾性材(予圧ばね)
48 内側当接部
49 外側当接部
60 過給機
61 インペラー(羽根車)
62 ハウジング
63 吸入口
64 過給通路
65 メカニカルシール
71 アンギュラ玉軸受
72 2個のアンギュラ玉軸受
81 給油口
82 トラクション油案内路
83 トラクション油案内路
85 環状のトラクション油案内路
86 トラクション油案内路
87,88 トラクション油案内路
89 トラクション油案内路
91 タンク部
92 排油口
101 インナーロータ
102 アウターロータ
103 カバー
A くさびローラ式変速機(増速機)
X 高速流体機械

Claims (4)

  1. ハウジングに回転自在に支持され、一端部に外輪を設けた低速側シャフトと、前記低速側シャフト及び前記外輪に対して偏心して、ハウジングに回転自在に支持された高速側シャフトと、前記外輪と前記高速側シャフトとの間に回転自在に支持された、少なくとも1個のガイドローラと少なくとも1個の可動ローラとから成るくさび作用を利用した摩擦ローラ式変速機において、
    外部からトラクション油を前記ハウジング内に供給するための外部トラクション油供給手段と、
    前記ハウジング内に供給されたトラクション油を、前記ローラを支持する支持部分に案内するためのトラクション油案内路と、を具備することを特徴とする摩擦ローラ式変速機。
  2. ハウジングに回転自在に支持され、一端部に外輪を設けた低速側シャフトと、前記低速側シャフト及び前記外輪に対して偏心して、ハウジングに回転自在に支持された高速側シャフトと、前記外輪と前記高速側シャフトとの間に回転自在に支持された、少なくとも1個のガイドローラと少なくとも1個の可動ローラとから成るくさび作用を利用した摩擦ローラ式変速機において、
    前記ハウジング内で、トラクション油を循環するための内部ポンプ手段と、
    前記ハウジング内で循環するトラクション油を、前記ローラを支持する支持部分に案内するためのトラクション油案内路と、を具備することを特徴とする摩擦ローラ式変速機。
  3. ハウジングに回転自在に支持され、一端部に外輪を設けた低速側シャフトと、前記低速側シャフト及び前記外輪に対して偏心して、ハウジングに回転自在に支持された高速側シャフトと、前記外輪と前記高速側シャフトとの間に回転自在に支持された、少なくとも1個のガイドローラと少なくとも1個の可動ローラとから成るくさび作用を利用した摩擦ローラ式増速機と、
    前記高速側シャフトにより駆動する高速流体機械と、を備えた高速流体装置において、
    外部からトラクション油を前記ハウジング内に供給するための外部トラクション油供給手段と、
    前記ハウジング内に供給されたトラクション油を、前記ローラを支持する支持部分に案内するためのトラクション油案内路と、を具備することを特徴とする高速流体装置。
  4. ハウジングに回転自在に支持され、一端部に外輪を設けた低速側シャフトと、前記低速側シャフト及び前記外輪に対して偏心して、ハウジングに回転自在に支持された高速側シャフトと、前記外輪と前記高速側シャフトとの間に回転自在に支持された、少なくとも1個のガイドローラと少なくとも1個の可動ローラとから成るくさび作用を利用した摩擦ローラ式増速機と、
    前記高速側シャフトにより駆動する高速流体機械と、を備えた高速流体装置において、
    前記ハウジング内で、トラクション油を循環するための内部ポンプ手段と、
    前記ハウジング内で循環するトラクション油を、前記ローラを支持する支持部分に案内するためのトラクション油案内路と、を具備することを特徴とする高速流体装置。
JP2003102176A 2003-04-04 2003-04-04 摩擦ローラ式変速機及び高速流体装置 Withdrawn JP2004308757A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003102176A JP2004308757A (ja) 2003-04-04 2003-04-04 摩擦ローラ式変速機及び高速流体装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003102176A JP2004308757A (ja) 2003-04-04 2003-04-04 摩擦ローラ式変速機及び高速流体装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004308757A true JP2004308757A (ja) 2004-11-04

Family

ID=33465740

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003102176A Withdrawn JP2004308757A (ja) 2003-04-04 2003-04-04 摩擦ローラ式変速機及び高速流体装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004308757A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008032188A (ja) * 2006-07-31 2008-02-14 Hks Co Ltd 増速機及び減速機
JP2008031971A (ja) * 2006-07-31 2008-02-14 Hks Co Ltd 増速機及び減速機
DE102017106760A1 (de) 2016-03-31 2017-10-05 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki Drehzahlerhöher
DE102017106779A1 (de) 2016-03-31 2017-10-05 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki Zentrifugalkompressor
US20190316489A1 (en) * 2018-04-13 2019-10-17 ESS Performance Products A/S Supercharger
DE102021131860A1 (de) 2020-12-07 2022-06-09 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki Getriebe und zentrifugalkompressor

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008032188A (ja) * 2006-07-31 2008-02-14 Hks Co Ltd 増速機及び減速機
JP2008031971A (ja) * 2006-07-31 2008-02-14 Hks Co Ltd 増速機及び減速機
JP4668143B2 (ja) * 2006-07-31 2011-04-13 株式会社エッチ・ケー・エス 増速機及び減速機
US10260604B2 (en) 2016-03-31 2019-04-16 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki Speed increaser
DE102017106779A1 (de) 2016-03-31 2017-10-05 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki Zentrifugalkompressor
KR20170113170A (ko) 2016-03-31 2017-10-12 가부시키가이샤 도요다 지도숏키 증속기
DE102017106760A1 (de) 2016-03-31 2017-10-05 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki Drehzahlerhöher
US10527061B2 (en) 2016-03-31 2020-01-07 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki Centrifugal compressor
DE102017106779B4 (de) 2016-03-31 2022-01-20 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki Zentrifugalkompressor
DE102017106760B4 (de) 2016-03-31 2022-05-25 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki Drehzahlerhöher
US20190316489A1 (en) * 2018-04-13 2019-10-17 ESS Performance Products A/S Supercharger
DE102021131860A1 (de) 2020-12-07 2022-06-09 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki Getriebe und zentrifugalkompressor
US11473585B2 (en) 2020-12-07 2022-10-18 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki Transmission and centrifugal compressor

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6994531B2 (en) High-speed fluidic device
US6796126B2 (en) Supercharger
US20040071559A1 (en) Integrated speed reducer and pump assembly
JP2004308757A (ja) 摩擦ローラ式変速機及び高速流体装置
JP2004092414A (ja) 高速流体装置
JP2005140309A (ja) 摩擦ローラ式変速機及び高速流体装置
JP2006274927A (ja) 内接ギヤポンプ及びこれを用いた電動ポンプ
JP2005140307A (ja) 摩擦ローラ式変速機及び高速流体装置
JP2004239407A (ja) 摩擦ローラ式変速機及び高速流体装置
JP2003314446A (ja) 高速流体装置
JP2004116415A (ja) 高速流体装置
JP2004270881A (ja) 摩擦ローラ式変速機及び高速流体装置
JP2005140306A (ja) 摩擦ローラ式変速機及び高速流体装置
JP2004270880A (ja) 摩擦ローラ式変速機及び高速流体装置
JP2004169858A (ja) オイルポンプ内蔵型摩擦ローラ式変速機
JP2004132460A (ja) 駆動装置及び高速流体装置
JP2004156531A (ja) 摩擦ローラ式変速機一体型圧縮機
JP2004169762A (ja) 摩擦ローラ式変速機
JP2004156743A (ja) 駆動装置及び高速流体装置
JP2004308756A (ja) 摩擦ローラ式変速機
JP2003343435A (ja) 高速流体装置
JP2004019808A (ja) 摩擦ローラ式変速機
JP2004347096A (ja) 摩擦ローラ式変速機
JP2004211593A (ja) 遊星歯車機構付きハイブリッド型圧縮機
JP2004347038A (ja) 摩擦ローラ式変速機

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060606