JP2004308643A - 垂直軸風車のブレード、垂直軸風車、垂直軸風車のブレードの設計装置および方法、並びに垂直軸風車のブレードの設計プログラム - Google Patents

垂直軸風車のブレード、垂直軸風車、垂直軸風車のブレードの設計装置および方法、並びに垂直軸風車のブレードの設計プログラム Download PDF

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和也 平田
Yoshiyuki Maruta
芳幸 丸田
Satoshi Kawamura
聡 川村
Keisuke Hayafusa
敬祐 早房
Hitoshi Iijima
仁 飯島
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Abstract

【課題】ブレードに生じる曲げ応力を低減できること。
【解決手段】1本のブレード151に対して、ブレード支持部材152が3本の直線翼ダリウス形風車100では、当該ブレード支持部材152をブレード151の中央位置に1本、その他の2本をブレード中央位置からスパン方向に均等に且つブレード151の長さLに対して0.68L〜0.74Lの間隔となるようにして当該2本のブレード支持部材152によりブレード151を支持する。これにより、ブレード全体の曲げモーメントを低減かつ平滑化させるから、ブレードに加わる荷重を低減でき、高回転高効率化を実現できる。
【選択図】 図5

Description

この発明は、風車回転中に発生するブレードの曲げ応力を低減させる垂直軸風車のブレード、垂直軸風車、垂直軸風車のブレードの設計装置および方法、並びに垂直軸風車のブレードの設計プログラムに関する。
垂直軸風車(主にダリウス形風車)は、その構造上、風車からの出力を回転エネルギーとして取り出す回転軸、風を受け回転トルクを発生するブレード、およびブレードで生じた回転トルクを回転軸へ伝える支持機構によって構成されている。
代表的なものであるφダリウス形風車は、ブレードとその支持機構が一体となった形状をしている。これは、風車回転中にブレードに発生する強大な遠心力をブレードのスパン方向(長手方向)に引張り荷重として作用させ、ブレードの強度的な破壊を防止するためである。しかし、このφダリウス形風車はブレードの鉛直部分が、ブレードおよび支持機構全体に対して極端に短いため、プロペラ形と比較して風車効率が悪いという欠点があった。
また、φダリウス形風車に対して、図26−1および図26−2のような直線翼を用いたダリウス形風車900も従来から存在している。図26−1は、ブレード901を2本のブレード支持部材902で支持した構造のφダリウス形風車、図26−2に、ブレード901を3本のブレード支持部材902で支持した構造のφダリウス形風車を示す。しかし、この従来の直線翼ダリウス形風車900は、風車回転中にブレード901に生じる遠心力によって、ブレード901に強大な曲げ応力が生じる欠点があった。
また、ダリウス形風車900は、垂直軸から放射状に設けたブレード支持部材902によりブレード901を支持した構造であり、図27に示すように、ブレード901の断面形状は一般的に航空機やプロペラ形風車に使用されているブレードと同等である。
このブレード901は外板4、桁3及びスパー部903から構成され、桁3とスパー部903は強度部材として用いられている。即ち、外板4はブレード901の外形を形成している。また、ブレード901の内部には、一つの強度部材として翼弦長方向に対して直角に1本または複数本の桁3と、他の強度部材として桁3と外板4との接合部にスパー部903が配置されている。そして、これらの強度部材によりブレード901に発生する曲げモーメントを支持するようにしている。
また、一般にブレードのような梁構造部材は、引張り応力より曲げ応力に対して弱いため、直線翼ダリウス形風車900は、構造強度的な問題で高効率化を鑑みた高速回転化が困難であった。なお、垂直軸風車のブレードに関する参考技術としては、例えば下記特許文献1に記載のものが挙げられるが、この技術は航空機の機体構造等に適用される複合材翼構造及びその製造方法に関するものである。
特開平11−99993号公報
しかしながら、上述した従来技術では、ブレード901に生じる曲げ応力に関する問題があったため、高効率化を望む場合、実際の垂直軸風車では、φダリウス形風車か或いは最高回転数を低く制限した直線翼ダリウス形風車が用いられている。一方、直線翼ダリウス形風車の最高回転数を上げ、プロペラ形風車に匹敵する効率を実現するためには、高速回転化が不可欠であり、それには高速化に伴って増加する遠心力を起因とするブレード901に生じる強大な曲げ応力の低減が不可欠である。
また、従来、航空機などの翼内部に用いられる構造は、上記特許文献1に開示されているように、スパン方向で一様な場合が多く、これに対して本形式のような、作動時にブレードに生じる曲げモーメント分布がスパン方向で大きく変化する垂直軸風車には、かかる構造のブレードを適用することが非常に困難であった。
ここで、垂直軸風車用のブレード901のように、回転軸方向即ちブレード901のスパン方向に所要の長さを持つ梁状の構造体に、ブレード901のスパン方向即ち長手方向の曲げモーメントMが発生した場合の梁各部にかかる最大応力(曲げ応力σMAX)は、翼断面の断面係数をZとすると、下記の式(1)で表される。
σMAX=M/Z・・・(1)
なお、翼断面の断面係数Zは、翼の内部の桁3やスパー部903を簡単のため図28のように中空の長方形で近似すると、下記の式(2)で表される。
Z=(bh 3−b00 3)/(6h)・・・(2)
上記の式(1)および式(2)より、断面係数Zを大きくして、ブレード901に発生する曲げモーメントMに対して、ブレード901のスパン方向各部断面の最大応力(曲げ応力σMAX)を低下させるためには、ブレード強度部材であるスパー部903の厚さt(例えばt=(h−h0)/2)を大きくすることが有効である。
なお、各スパー部903の厚さは互いに等しくなくてもよい。また、断面係数とは、部材の曲げ応力度を求めるときに使用される係数であり、単位は、長さの3乗(通常cm3)で表す。計算方法は、ブレード翼心を通る軸の断面2次モーメントを求め、軸から縁までの距離で除すことでおこなう。
また、図26に示す風車900のブレード901は、従来アルミニウムの引き抜き等で製作されており、製作の都合上、ブレード901の断面形状は一様である。しかしながら、風車回転時においてブレード901の自重に起因する遠心力により、ブレード901に発生する曲げモーメントは、ブレード支持部材902の取付位置および本数等によるブレード901の支持条件によって、その大きさがブレード901のスパン方向、即ちブレード長手方向でほぼ0から最大値までという大きな違いをもって分布する。
このため、その曲げモーメントをブレード901のスパン方向で均一化することは、ブレード901の断面形状が一様という条件の下では非常に困難である。したがって、スパン方向に一様な断面形状のブレード901では、曲げ応力σMAX分布も、略0から最大値まで大きく変化してしまうという問題があった。
また、一般的に、垂直軸風車は高速回転形になるほど風車効率が高くなる傾向がある。しかしながら、回転速度の上昇による遠心力の増加により、ブレード901のスパン方向に発生する曲げモーメントが過大になり、ブレード901の破壊原因となるため風車回転速度の上限が制約されるという問題があった。
また、風速と風車回転速度は、比例関係にあるため、より風のエネルギーが大きな高風速時に風車の回転を停止しなければならず、高効率、高出力が得られるべき条件での運転ができないという問題があった。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、ブレードに生じる曲げ応力を低減できる垂直軸風車およびそのブレードを提供することを目的とする。
また、この発明は、ブレードの自重を抑制でき、かつ、ブレードに発生する曲げモーメントがブレードスパン方向に変化しても、曲げ応力σMAXをある設定値以下に抑える垂直軸風車のブレード、垂直軸風車、垂直軸風車のブレードの設計装置および方法、並びに垂直軸風車のブレードの設計プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる垂直軸風車のブレードは、設置面に対して垂直に設けた垂直回転軸から前記垂直回転軸に交差する方向に延出された複数のブレード支持部材によって支持された、垂直軸風車のブレードであって、前記ブレードのスパン方向の中央となる中央位置と、前記中央位置から前記スパン方向に等間隔となる二つの位置に、前記ブレード支持部材を支持する支持部を備え、前記二つの位置の間隔は、前記ブレードの長さLに対して0.60L〜0.80Lであることを特徴とする。
また、請求項2の発明にかかる垂直軸風車のブレードは、設置面に対して垂直に設けた垂直回転軸から前記垂直回転軸に交差する方向に延出された複数のブレード支持部材によって支持された、垂直軸風車のブレードであって、前記ブレード支持部材同士が前記ブレードのスパン方向の長さLに対して0.50L〜0.68Lの間隔となる二つの位置に、前記ブレード支持部材を支持する支持部を有することを特徴とする。
また、請求項3の発明にかかる垂直軸風車のブレードは、設置面に対して垂直に設けた垂直回転軸から前記垂直回転軸に交差する方向に延出した複数のブレード支持部材によって支持された、垂直軸風車のブレードにおいて、前記垂直回転軸の回転中の遠心力に起因した前記ブレードの曲げモーメントに基づくブレードの曲げ応力が設定値以下になるように、前記設定値より大きい曲げ応力が発生する部分に対し、断面係数を大きくする補強部材を設けたことを特徴とする。
この請求項3の発明では、大きな曲げモーメントが発生する部分のブレード内部に多くの補強部材を配置することで、曲げ応力σMAXを低減させて設定値以下に抑え、曲げモーメントが大きくない部分には、補強部材を設けず(またはブレード内部の強度部材を少なくしてもよい)ブレードの自重を低減し、遠心力によりブレードに発生する曲げモーメント自体の低減を図るようにした。
ここで、曲げモーメントに基づく曲げ応力の大小は、ブレードのスパン方向各部の比較においてであり、少なくとも梁と梁の支持点が存在するとすれば、一般的に梁に荷重が加わった場合に曲げモーメントが最大になる部分は、前記曲げ応力が大きい部分であると認められる。また、上記曲げ応力の設定値は、ブレードの構造によって異なる。
また、換言すれば、風車の回転時に発生するブレードの自重による遠心力を荷重とし、支持部材の位置および本数等のブレード支持条件によって生じる、ブレードスパン方向、即ちブレードの長手方向の曲げモーメント分布に対して、その大きさに応じてブレード断面の補強部材、例えばスパー部の厚さを増減し、断面係数を好適に変化させる。そして、ブレードの任意断面のスパー部や桁等の強度部材に生じる応力が必ず設定値以下になるように構成する。
即ち、大きい曲げモーメントを生じる部分も、曲げモーメントを殆ど生じない部分も必要最小限のスパー部の厚さとすることで、不要なスパー部の肉厚を排除し、これを以って当該ブレードを軽量化する。そして、風車回転時にブレード自重に起因した遠心力により発生する曲げモーメントを最小化し、ブレード強度部材に発生する応力を低く抑えるようにする。この結果、より高回転速度の風車が実現でき、高効率かつ高出力での運転を可能せしめる。
なお、補強部材は、ブレードのスパン方向に連続して設けてその断面係数(例えば厚さ)を変化させても良いし、複数ピースにして必要箇所に設けるようにしても良い。さらに、前記断面係数を大きくする補強部材は、スパー部のほか、ブレード内部に配置できる部材であれば、どのようなものでも良い。
また、請求項4の発明にかかる垂直軸風車のブレードは、設置面に対して垂直に設けた垂直回転軸から前記垂直回転軸に交差する方向に延出した複数のブレード支持部材によって支持された、垂直軸風車のブレードにおいて、前記複数のブレード支持部材のうち一の支持部材によって支持される支持位置と、前記一の支持部材と隣接する他の支持部材によって支持される支持位置との間における前記ブレードの内部に、それ以外の部分より断面係数を大きくする補強部材を設けたことを特徴とする。
この請求項4の発明では、ブレードのうち、一のブレード支持部材による支持部位と、隣接する他のブレード支持部材による支持部位との間の曲げモーメントが大きくなるので、当該部位に補強部材を設けることで、それ以外の部分よりブレードの断面係数を増加させるようにしている。これにより、必要部分のみに補強部材を設け、ブレードの必要部分の断面係数を大きくできると共にブレードの軽量化が可能になる。
また、請求項5の発明にかかる垂直軸風車のブレードは、設置面に対して垂直に設けた垂直回転軸から前記垂直回転軸に交差する方向に延出した複数のブレード支持部材によって支持された、垂直軸風車のブレードにおいて、前記ブレードは、一のブレード支持部材と、前記一のブレード支持部材から上下に配置されている他のブレード支持部材とによって支持されており、前記一のブレード支持部材によって支持されている支持位置付近における前記ブレードの内部に、それ以外の部分より断面係数を大きくする補強部材を設けたことを特徴とする。
この請求項5の発明では、ブレードのうち、一のブレード支持部材による支持部位付近に大きな曲げモーメントが加わるため、当該部位に補強部材を設けることで、それ以外の部分よりブレードの断面係数を増加させる。これにより、必要部分のみに補強部材を設け、結果的にブレード全体の曲げモーメントに対する強度を大きくできると共にブレードの軽量化が可能になる。
また、請求項6の発明にかかる垂直軸風車のブレードは、請求項3〜5のいずれか一つに記載の発明において、前記ブレードは、その断面が翼形の外板と、前記外板の間に翼弦長方向に対して直角に設けられた複数の桁と、前記ブレードに生じる曲げ応力の中立面の一方側または両側に強度部材として設けたスパー部と、からなることを特徴とする。
この請求項6の発明では、ブレードの曲げ応力中立面はブレードのスパン方向に生じ、その一方または両方側にスパー部を設けることで、断面係数が大きくなる。
また、請求項7の発明にかかる垂直軸風車は、設置面に対して垂直に設けた垂直回転軸から前記垂直回転軸に交差する方向に延出した複数のブレード支持部材によって、前記垂直回転軸と略平行に配置されたブレードを支持する垂直軸風車において、前記ブレード支持部材によって前記ブレードが支持される支持点を、前記ブレードのスパン方向において、前記ブレードの曲げモーメントを少なくとも仮の隣接位置より小さくできる位置としたことを特徴とする。
この請求項7の発明では、ブレード支持部材による支持位置の近傍を仮に支持した場合、ブレードに生じる曲げモーメントが小さくなれば、ブレード全体の曲げモーメントが平滑化される。これにより、直線翼垂直軸風車の高回転化が可能になる。
また、請求項8の発明にかかる垂直軸風車は、設置面に対して垂直に設けた垂直回転軸から前記垂直回転軸に交差する方向に延出した複数のブレード支持部材によって、前記垂直回転軸と略平行に配置されたブレードを支持する垂直軸風車において、前記ブレード支持部材は、前記ブレードの曲げモーメントが所定範囲に収まるようになる位置をシミュレーションまたは実験にて取得してそれに基づいて前記ブレード支持部材によって前記ブレードを支持することを特徴とする。
この請求項8の発明では、ブレード支持部材の支持位置によりブレードに生じる曲げモーメントが変わるため、これをシミュレーションまたは実験的に求めて最適な位置にてブレードを支持するようにすれば、ブレード全体の曲げモーメントは平滑化される。これにより、直線翼垂直軸風車の高回転化が可能になる。
また、請求項9の発明にかかる垂直軸風車は、設置面に対して垂直に設けた垂直回転軸から前記垂直回転軸に交差する方向に延出した複数のブレード支持部材によって、前記垂直回転軸と略平行に配置されたブレードを支持する垂直軸風車において、前記ブレードに生じる曲げモーメントが平滑化される位置において、前記ブレード支持部材によって前記ブレードを支持することを特徴とする。
この請求項9の発明において、前記ブレードには、その形状などの諸条件により曲げモーメントが平滑化される支持位置が存在する。この発明では、係る点に着目して、ブレード支持部材によるブレードの支持位置の工夫により曲げモーメントの平滑化を行う。これにより、直線翼垂直軸風車の高回転化が可能になる。
また、請求項10の発明にかかる垂直軸風車は、設置面に対して垂直に設けた垂直回転軸から前記垂直回転軸に交差する方向に延出した複数のブレード支持部材によって、前記垂直回転軸と略平行に配置されたブレードを支持する垂直軸風車において、前記複数の支持部材は、前記ブレードのスパン方向の中央となる中央位置を支持する一のブレード支持部材と、前記中央位置から前記スパン方向に等間隔となる二つの位置をそれぞれ支持する一対のブレード支持部材と、から構成されており、前記一対のブレード支持部材の間隔は、前記ブレードの長さLに対して0.60L〜0.80Lの間隔であることを特徴とする。
また、請求項11の発明にかかる垂直軸風車は、設置面に対して垂直に設けた垂直回転軸から前記垂直回転軸に交差する方向に延出した複数のブレード支持部材によって、前記垂直回転軸と略平行に配置されたブレードを支持する垂直軸風車において、前記複数の支持部材は、前記ブレードのスパン方向の中央となる中央位置を支持する一のブレード支持部材と、前記中央位置から前記スパン方向に等間隔となる二つの位置をそれぞれ支持する一対のブレード支持部材と、から構成されており、前記一対のブレード支持部材の間隔は、前記ブレードの長さLに対して0.68L〜0.74Lの間隔であることを特徴とする。
また、請求項12の発明にかかる垂直軸風車は、設置面に対して垂直に設けた垂直回転軸から前記垂直回転軸に交差する方向に延出した一対のブレード支持部材によって、前記垂直回転軸と略平行に配置されたブレードを支持する垂直軸風車において、前記一対のブレード支持部材の間隔は、前記ブレードのスパン方向の長さLに対して0.50L〜0.68Lであることを特徴とする。
また、請求項13の発明にかかる垂直軸風車は、設置面に対して垂直に設けた垂直回転軸から前記垂直回転軸に交差する方向に延出した一対のブレード支持部材によって、前記垂直回転軸と略平行に配置されたブレードを支持する垂直軸風車において、前記一対のブレード支持部材の間隔は、前記ブレードのスパン方向の長さLに対して0.55L〜0.61Lであることを特徴とする。
また、請求項14の発明にかかる垂直軸風車は、設置面に対して垂直に設けた垂直回転軸と、前記垂直回転軸に設けられ、前記垂直回転軸から前記垂直回転軸に交差する方向に延出した複数のブレード支持部材と、前記ブレード支持部材によって支持された上記請求項3〜6のいずれか一つに記載の垂直軸風車のブレードと、を備えたことを特徴とする。
また、請求項15の発明にかかる垂直軸風車のブレードの設計装置は、設置面に対して垂直に設けた垂直回転軸から前記垂直回転軸に交差する方向に延出した複数のブレード支持部材によって支持された、垂直軸風車のブレードに対して、前記垂直回転軸の回転中の遠心力に起因したブレードの曲げモーメントに基づく前記ブレードの曲げ応力発生部分に、断面係数を大きくする補強部材を設ける垂直軸風車のブレードの設計装置であって、前記ブレードのスパン方向の位置座標xをパラメータとして用い、前記補強部材の厚さt(x)を仮定する仮定手段と、前記補強部材の厚さt(x)に対して、荷重p(x)と、アームが受け持つ反力Rと、曲げモーメントM(x)とを算出し、断面係数Z(x)と、前記曲げモーメントM(x)に基づいて、曲げ応力σMAX(x)を算出する演算手段と、前記曲げ応力σMAX(x)が設定応力以下になったか否かを判定する判定手段と、前記補強部材の厚さの増減によって前記補強部材の厚さt(x)を再仮定する増減処理手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項16の発明にかかる垂直軸風車のブレードの設計方法は、ブレードを備えた垂直軸風車の翼車径、翼弦長、翼枚数および風速からなる条件に基づいて前記垂直軸風車の回転速度を求め、前記条件下で前記ブレードの設計をおこなう垂直軸風車のブレードの設計方法において、前記ブレードに発生する遠心加速度を算出し、前記ブレードのスパン方向の位置座標xをパラメータとして用い、補強部材の厚さt(x)を仮定する第1ステップと、前記補強部材の厚さt(x)に対して、単位長さ当たりの自重より遠心力によって生じる荷重p(x)を決定する第2ステップと、前記荷重p(x)により、ブレード各部に変位を生じたブレードにおいて、該生じた変位の量は、ブレード支持部材により支持された位置では0であるという条件の下に各ブレード支持部材が受け持つ反力Rを計算する第3ステップと、前記荷重p(x)と反力Rによりブレード各部の曲げモーメントM(x)を算出する第4ステップと、前記補強部材の厚さt(x)より算出した断面係数Z(x)と、曲げモーメントM(x)により曲げ応力σMAX(x)を算出する第5ステップと、前記ブレード各部の曲げ応力σMAX(x)が、設定応力以下か否かを判断する第6ステップと、前記曲げ応力σMAX(x)が設定応力を超える場合に、曲げ応力σMAX(x)が設定応力を超えるブレード部の補強部材の厚さをある一定量増加し、及び/又は、前記曲げ応力σMAX(x)が設定応力未満であるブレード部の補強部材の厚さをある一定量減少させてこれを再仮定する第7ステップと、を含んだことを特徴とする。
また、請求項17の発明にかかる垂直軸風車のブレード設計のプログラムは、ブレードを備えた垂直軸風車の翼車径、翼弦長、翼枚数および風速からなる条件に基づいて前記垂直軸風車の回転速度を求め、前記条件下で前記ブレードの設計をおこなう垂直軸風車のブレードの設計プログラムにおいて、コンピュータに、前記ブレードに発生する遠心加速度を算出し、前記ブレードのスパン方向位置の座標xをパラメータとして用い、補強部材の厚さt(x)を仮定する第1ステップと、前記補強部材の厚さt(x)に対して、単位長さ当たりの自重より遠心力によって生じる荷重p(x)を決定する第2ステップと、前記荷重p(x)により、ブレード各部に変位を生じたブレードにおいて、該生じた変位の量は、ブレード支持部材により支持された位置では0であるという条件の下に各ブレード支持部材が受け持つ反力Rを計算する第3ステップと、前記荷重p(x)と反力Rによりブレード各部の曲げモーメントM(x)を算出する第4ステップと、前記補強部材の厚さt(x)より算出した断面係数Z(x)と、曲げモーメントM(x)より曲げ応力σMAX(x)を算出する第5ステップと、前記ブレード各部の曲げ応力σMAX(x)が、設定応力以下か否かを判断する第6ステップと、前記曲げ応力σMAX(x)が設定応力を超える場合に、曲げ応力σMAX(x)が設定応力を超えるブレード部の補強部材の厚さをある一定量増加し、及び/又は、前記曲げ応力σMAX(x)が設定応力未満であるブレード部の補強部材厚さをある一定量減少させてこれを再仮定する第7ステップと、を実行させることを特徴とする。
この発明の垂直軸風車およびそのブレードによれば、ブレードに生じる曲げ応力を低減して、高回転化を可能にし、風車の高効率化を促進することができるという効果を奏する。
また、ブレードの自重が極限まで軽くなるのでブレードスパン方向に発生する曲げモーメントは小さくなる。また、ブレード強度部材に発生する曲げ応力σMAXを均一化でき、また、その絶対値をある設定値以下にするようにできるので、風車の更なる高速運転が可能となるという効果を奏する。したがって、高効率、高出力の運転が可能となるので実用上の有用性が極めて高い風車を提供できるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる垂直軸風車およびそのブレードの好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、この発明を説明するための比較例である直線翼ダリウス形風車を示す斜視図である。まず、直線翼ダリウス形風車150の運転中において、ブレード151に発生する曲げモーメントを考える。なお、ブレード151に発生する曲げモーメントおよびそれに伴う曲げ応力は、ブレード151の中心位置に対して上下方向に対象であり、以下では、ブレード151の中心位置からスパン方向の半分に相当する部分に関して検討する。
なお、各ブレード151は、3本のブレード支持部材152により支持されている。任意のブレード151を支持する3本のブレード支持部材152のうち、中央のブレード支持部材152aは、ブレード151のスパン方向の中央位置を支持している。
また、残りの一対のブレード支持部材152b、152cは、ブレード151の中央位置からスパン方向に等間隔となる二つの位置をそれぞれ支持する。なお、ブレード支持部材152は、回転軸153を中心として120度毎に配置されている。また、このブレード151の材料は、例えばアルミニウム,カーボン繊維強化合成樹脂(C−FRP)等である。
図2は、ブレード中心部からの距離と、発生する曲げモーメントとの関係を示すグラフ図であり、コンピュータシミュレーションによって求めたものである。図2に示すグラフの横軸は、ブレード中心位置からブレードの上(下)端までの距離を示す。また、ブレード151の回転中に各部に生じる単位長さ当たりの荷重p[N/m]は、直線翼ダリウス形風車150の回転数およびブレード151自身の単位長さ当たりの自重によって変化する。
したがって、図2の縦軸は、縦軸の値にブレード151の単位長さ当たりの荷重p[N/m]を乗じた際、その各部に生じる曲げモーメントM[N・m]となるようにプロットしてある。換言すると、スパン方向(図1中矢印S)の断面形状が同一である場合、スパン方向の単位長さ当たりの重量および荷重が同一になるため、図2は、ブレード151のスパン方向の曲げモーメントMの分布を示すことになる。なお、ここで曲げモーメントの正負は、曲げの方向の違いを規定している(図2参照)。
更に、ブレード151のような梁構造部材に曲げモーメントMが発生する場合、ブレード151の各部に生じる曲げ応力σは、断面係数Zを用いて次式(3)で示すことができる。
σ=M/Z・・・(3)
図3は、一般的に垂直軸風車のブレードとして用いられるブレード151の内部構造を示す断面図である。図3の外板154は、ブレード151の空力的特性のために設けられ、スパー部155や桁156は強度部材として設けられているものと仮定する。
よって、ブレード151の強度部材(スパー部155や桁156のみ)を図4のような長方形と仮定すると、ブレード151の断面係数Zは、次式(4)のように示すことができる。
Z=(bh3−b00 3)/6h・・・(4)
つまり、このブレード151の断面形状がスパン方向で一様であった場合、図2のグラフ図は、風車回転中にブレード151に生じる曲げ応力σの分布を示すことになる。したがって、図2のグラフ図から理解できる通り、ブレード1本に対してブレード支持部材152を図1のように配置した場合、ブレード151の中心位置の曲げ応力が他の部分より極端に大きくなってしまう。
図5は、この発明に係るブレード1本当たり3本のブレード支持部材を好適に配置した例を示す斜視図である。この直線翼ダリウス形風車100は、図1に示したブレード151とブレード支持部材152との関係(本数、および配置)に起因した曲げモーメント(曲げ応力)分布を好適に低減できるようにしたものである。
具体的には、各ブレード151は、3本のブレード支持部材152により支持されている。任意のブレード151を支持する3本のブレード支持部材152のうち、中央のブレード支持部材152aは、ブレード151のスパン方向の中央位置を支持している。
そして、残りの一対のブレード支持部材152b、152cは、ブレード151の中央位置からスパン方向に等間隔となる二つの位置をそれぞれ支持する。この一対のブレード支持部材152b、152cの間隔(2×La)は、ブレード151の長さLに対して0.68L〜0.74Lとされている。
また、図6は、図5に示した垂直軸風車100の運転中においてブレード151に生じる曲げモーメントMをブレード単位長さ当たりの荷重pで除した値の分布を示すグラフ図であり、コンピュータによって求めたものである。
さらに、図6には、比較例として図2に示した直線軸ダリウス形風車150のブレード151に加わる曲げモーメントMの分布を合わせて表示する(グラフ図中点線)。図6から明らかなように、ブレード支持部材152の配置を調整することによって、ブレード151の中心位置の曲げ応力σが約半分(52%)に減少し、ブレード破壊の危険性を低減できることが判る。
つぎに、2本のブレード支持部材152によりブレード151を支持する場合について説明する。図7は、この発明に係る直線翼ダリウス形風車であって、1本あたりのブレード151に2本のブレード支持部材152を好適に配置した例を示す斜視図である。図8は、図7の比較例となる直線翼ダリウス形風車を示す。
この発明に係る直線翼ダリウス形風車110では、図7に示すように、2本のブレード支持部材152の間隔Lbは、ブレード151のスパン方向の長さLに対して0.50L〜0.68Lとされている。一方、図8に示す直線翼ダリウス形風車160では、2本のブレード支持部材152の間隔Lcは、ブレード151のスパン方向の長さLに対して0.50L未満または0.68Lより大きい長さとされている。
図9は、この発明に係るブレード151に生じる曲げモーメントMをブレード単位長さ当たりの荷重pで除した値の分布を示すグラフ図であり、コンピュータによって求めたものである。ここで、図7に示したブレード151に係る曲げモーメントの分布を実線で示す。また、図8に示した比較例となる従来型のブレード151に生じる曲げモーメントMをブレード単位長さ当たりの荷重pで除した値の分布については、点線で示す。
図9に示すように、この発明に係るブレード151では、ブレード中心位置の曲げ応力が、点線で示した比較例に比べて半分以下(約40%)になっており、ブレード破壊の危険性が大きく低下しているのが判る。
以上からこの実施の形態では、ブレード支持部材152によるブレード151の支持位置を調整して、ブレード全体として曲げモーメントを低減平滑化するものと観念でき、例えばその支持点は設計にあたりシミュレーションまたは実験により求めておく必要がある。
換言すれば、実際のブレード支持部材152によるブレード151の支持点は、その支持点の隣接位置(例えば50mm離れた位置)にて支持する場合に比べ、ブレードに生じさせる曲げモーメントが小さくなるように設定することで、本発明を実施できる。
このように、図5に示した1本のブレード151に対してブレード支持部材152が3本の直線翼ダリウス形風車100では、ブレード支持部材152をブレード151の中央位置に1本、その他の2本をブレード中央位置からスパン方向に均等に且つブレード151の長さLに対して0.68L〜0.74Lの間隔となるように、2本のブレード支持部材152によってブレード151を支持することにより、曲げ応力σの低減を効果的におこなうことができ、ブレード破壊の危険性が大きく低下することができる。
また、中回転数の直線翼ダリウス形風車の場合は、ブレード支持部材152をブレード151の中央位置に1本、その他の2本をブレード中央位置からスパン方向に均等に且つブレード151の長さLに対して0.60L〜0.80Lの間隔でブレード151を支持するようにすればよい。これによって、曲げ応力の相当な低減が可能であるから、従来のダリウス形風車よりも回転数を上げることができる。
また、図7に示した、1本のブレード151に対して、ブレード支持部材152が2本の直線翼ダリウス形風車110では、ブレード支持部材152がブレード151のスパン方向の長さLに対して0.55L〜0.61Lの間隔となるようにブレード支持部材152をもって当該ブレード151を支持する。また、2本のブレード支持部材152の間隔の中央位置は、ブレード151のスパン方向長さの中央位置と一致させる。これにより、曲げ応力σの低減を効果的に行うことができ、ブレード破壊の危険性が大きく低下することができる。
また、中回転数の直線翼ダリウス形風車の場合は、ブレード支持部材152がブレード151のスパン方向の長さLに対して0.50L〜0.68Lの間隔をもって当該ブレード151を支持すればよい。これによって、曲げ応力の相当な低減が可能であるから、従来のダリウス形風車よりも回転数を上げることができる。
(実施の形態2)
つぎに、この発明の実施の形態2を詳細に説明する。この実施の形態2の内容を明確に示すため、まず、従来のブレードの構成と強度部材に発生する応力等について説明し、そのつぎに、この発明によるブレードの構成と強度部材に発生する応力等について説明する。
図10および図11は、この発明を説明するために用いる構造図である。図10は、一般的なブレードの内部構造を示す断面図である。図10では、図27で示した従来のブレード901の構成との比較による結果を顕著に示すため、補強部材であるスパー部を設けていないブレード151を示している。
なお、図中の3は桁、4は外板である。また、図11は、この発明を説明するためのブレードの断面図であり、ブレード161の曲げモーメントが大きくなる部分に対応してスパー部162を配置したものである。この実施の形態2では、曲げモーメントの増減に対応した断面係数の増減には、スパー部162の厚さtを可変させて対応する。また、図中163は桁、164は外板である。また、図11は、スパー部を外板、および桁に対して取り付ける形態の一例を示す図でもある。
まずは、図1および図10〜図13を用いて従来相当のブレード151の構成と強度部材に発生する応力等について説明する。なお、以下、「強度部材」には桁3やスパー部(一例を図11の162で示す)その他の「補強部材」が含まれるものとして説明する。
図1に示す風車150は上述の通り、1本のブレード1当たりブレード支持部材151を3箇所に配置した垂直軸風車である。この垂直軸風車150のブレードの断面構造が、図10で示すブレード151のとおりである場合であって、かつブレード151の内部断面構造がスパン方向、即ち長手方向に一様であった場合、垂直軸風車150が回転している状態において強度部材に発生する曲げ応力σMAXを、ブレードスパン方向の曲げモーメント分布と断面係数とから算出する。そして、その算出値の分布をブレード中心からの距離xに対して表わしたものを図12に示す。なお、この場合外板自体がスパー部として機能する。
また、ブレード151は、そのスパン方向の中心から両端にかけて桁3に発生する曲げ応力σMAXがスパン方向に対称であるので、図12においては、スパン方向半分の部分についてプロットした。さらに、図12中における曲げ応力σMAXの正負は、ブレード各部の曲げモーメントの向きの違いを示している。
ブレード151の内部断面構造はスパン方向で一様であるため、ブレード各部の断面係数Zは一定である。よって、図1に示すようにブレード1本あたり3本のブレード支持部材152の配置において、ブレード151の桁3に発生する曲げ応力σMAXは、ブレード151のスパン方向中央部位と、中心のブレード支持部材152(152a)および上下のブレード支持部材152(152b,152c)との中央部位とにおいて大きくなる。
なお、ブレードの強度部材に発生する曲げ応力σMAXを求めるに際してブレードに加わる遠心力による荷重p(x)の分布状況をブレードスパン方向xに対して表わす解析モデルの模式図を図13に示す。ブレードに作用する力学的条件はブレードスパン方向中心に対してブレード両端側に対称であるため、前記解析モデルは、スパン方向中心からブレードの一方の端部までを表示している。
また、図13では、荷重p(x)の分布と反力Rのみを示しているが、補強部材の厚さt(x)、曲げモーメントM(x)、断面係数Z(x)、曲げ応力σMAX(x)、についてもそれぞれスパン方向xに対して分布する。
つぎに、図11の上記ブレード161の構成および強度部材に発生する応力等について説明する。上述のように、曲げ応力σMAXの値を低く抑えるためにはブレード各部において断面係数Zを適正な値にまで大きくする必要があり、そのためには前述の通りスパー部162を設け、その厚さt(図11参照)を大きくすることが有効である。
図14−1に、ブレード支持部材152およびスパン方向のブレード断面の模式図、図14−2にブレード161のスパー部162における断面模式図を示す(図14−1のA−A断面)。なお、この図14−1および図14−2に示すブレード161は、この発明を説明するために用いる比較例である。
ここで、ブレード161の断面係数Zを大きくするために、ブレード161のスパー部162の厚さtを変化させ(即ち、ブレード161のスパン方向に均一厚さのスパー部162を設け)、強度部材である桁及び/又は補強部材であるスパー部162に発生するブレードスパン方向中心部の曲げ応力σMAXの変化を計算した結果を図15に示す。
図15によればスパー部162の厚さtを変えてもブレード161のスパン方向中心部の曲げ応力σMAXは、ある値σ1以下には下がらないことが分かる。即ち、ただ単にスパー部162の厚さtを変化させても、ブレード161の断面形状がスパン方向に一様である場合にはブレード161の強度部材に発生する応力をある値以下に設定することが困難であることが分かる。
実際に、ブレード材料として多用されるアルミニウムでは引張り許容応力の方が、圧縮許容応力よりも小さく、カーボン繊維強化合成樹脂(C−FRP)では、圧縮破壊応力の方が、引張り破壊応力よりも小さいが、前記σ1の値は、それぞれの材料において、小さいほうの許容応力値または破壊応力値に対して、それらを超えないまでも、それらに近い値となってしまうことや、安全係数、幾何形状による応力集中、および製作上のばらつきによる品質管理(特にC−FRP材料)などを鑑みると、安全性を保証することが困難である。
ブレードに発生する曲げモーメントは、前述のように主にブレードの自重に起因する遠心力により発生する。また、この曲げモーメントは、ブレード支持部材152の位置及び本数等のブレード支持条件によって分布状態が支配される。よって、この曲げモーメントが殆ど発生しない位置にあるブレード部分に、強度部材(即ち重量でもある)を配置するのは無駄であるばかりでなく発生する曲げモーメントの値の増加原因になるため望ましくない。
そこで、この実施の形態2によるブレード151の構成方法は、スパン方向での曲げモーメント分布に応じて、曲げモーメントが大きい部分には、より多くの強度部材を配置し、曲げモーメントが小さい部分では、強度部材を可能な限り少なくするような構成とするものである。それによりブレード全体の軽量化を図ることができるので、発生する曲げモーメントの値を小さく抑え、ブレード各部の曲げ応力σMAXを低減できるものである。
ここに、この実施の形態2を具体化した一例として、コンピュータを用いてブレード151の断面係数(この場合はスパー部の厚さt)をブレードスパン方向に対して好適に変化させるような解を得るための解析フローの例を以下に示す。図16は、その解析手順を示すフローチャートである。
ステップS1では、先ず、風車の形式(翼車径、翼弦長、翼枚数)及び風速より風車の回転速度を求め、ブレードに発生する遠心加速度を算出し、ブレードスパン方向位置座標xをパラメータとして用い、スパー部の厚さt(x)を仮定する。ステップS2では、前記仮定したスパー部の厚さt(x)に対して、単位長さ当たりの自重より遠心力によって生じる荷重p(x)を決定する。
ステップS3では、ブレード支持部材による支持位置でのブレードの変位は0であるという条件から、各ブレード支持部材が受け持つ反力Rを計算により決定する。ステップS4では、荷重p(x)と反力Rによりブレード各部の曲げモーメントM(x)を算出する。続いて、ステップS5では、スパー部の厚さt(x)より算出した断面係数Z(x)と、曲げモーメントM(x)より曲げ応力σMAX(x)を算出する。
ステップS6では、ブレード各部の曲げ応力σMAX(x)が、設定応力以下になったか否かを判断する。ブレード各部の曲げ応力σMAX(x)が、設定応力以下になれば(ステップS6:Yes)、解析完了し、曲げ応力σMAXが設定応力を超える場合は(ステップS6:No)、ステップS7に進む。
ステップS7では、曲げ応力σMAXが設定応力を超えるブレード部においては補強部材(この場合はスパー部の厚さt)の量をある一定量増加し、設定応力未満であるブレード部においては補強部材の量をある一定量減少することで、スパー部の厚さtの再仮定を行う。そして、適当なスパー部の厚さtが得られるまで、ステップS2からステップS7を繰り返す。
また、上記解析は、上記ステップを実行するプログラムを備えたコンピュータにより実行される。具体的には、所定のプログラムとコンピュータハードウエアとにより構成される処理部によって行われる。図17に示すように、コンピュータハードウエア200は、中央演算装置(CPU)201およびメモリ202と、ハードディスク(HD)等の記憶装置203、キーボードやマウス等の入力装置204、液晶ディスプレイ等の表示装置205からなる。
上記解析方法を実行する解析装置300(ブレードの設計装置)は、図18に示すように、スパー部の厚さtを仮定する仮定部301(ステップS1の処理)と、スパー部の厚さt(x)に対して、荷重p(x)、アームが受け持つ反力R、曲げモーメントM(x)を算出し、断面係数Z(x)と、曲げモーメントM(x)より曲げ応力σMAX(x)を算出する演算部302(ステップS2〜S5の処理)と、曲げ応力σMAX(x)が設定応力以下になったか否かを判定する判定部303(ステップS6の処理)と、スパー厚の増減によりスパー部の厚さを再仮定する増減処理部304(ステップS7の処理)と、を有する構成である。
このプログラムは、他の装置(データベースサーバ)内にあり、上記解析装置300は、通信によりこれらの記憶部にアクセスするものであってもよい。また、上記プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムを別のコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上記解析処理を行ってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROMなどの可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスクなどの記録装置のことをいう。さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネットなどのネットワークや電話回線などの通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものを含むものとする。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであって良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
続いて、上記の解析方法を用いて、ブレードの補強部材であるスパー部としてカーボン繊維強化合成樹脂の使用を想定し、ブレード各部の曲げ応力σMAXの絶対値がある値σ2以下になるように最適設計を行った結果を図19に示す。この解析の対象としたモデルは、図5に示す垂直軸風車100で、ブレードの断面形状は、図10または図11に示されるものである。
図19に示すように、ブレード151のスパン方向中心部位等の曲げモーメントが大きな部分に補強部材を多く配置し(この場合は、後述する図21に示すようにスパー部2を設けるか又はスパー部を厚くし)、また曲げモーメントが小さい部分の補強部材は必要最小限にまで少なくすることにより(この場合はスパー部厚さtを必要最小限の値とし、桁のみとする場合をも含む)、各部の曲げ応力σMAXが設定値以下になっているのが分かる。
また、図20は、この実施の形態2に係るブレードのスパー部断面を示す説明図であり、スパー部2の厚さtのスパン方向に対する変化の状況を説明するものである。図21−1〜図21−4は、ブレード151の厚さ変化を示すための断面図である。このブレード151のうち、ブレード151のスパン方向(長手方向)の中央付近でかつブレード支持部材152aの取り付け部分近傍と、上下のブレード支持部材152b,152cと中央のブレード支持部材152aとの間部分とには、スパー部2が設けてられている。
このスパー部2の厚さtは、ブレードスパン方向中央付近で曲げモーメントが大きくなるため、厚いスパー部2が設けられ(図21−3参照)、上下のブレード支持部材152b,152cと中央のブレード支持部材152aとの間部分には、ブレードスパン方向中央付近よりも薄いスパー部2が設けられている(図21−2、図21−4を参照)。なお、図21−1は曲げモーメントが十分に小さいので、スパー部を必要としない断面形状を示している。
また、各スパー部2は、図21−1〜図21−4に示すように、断面形状において斜面がなだらかな谷形となり、その厚さtは緩やかに変化している。なお、図21−1に示すように、スパー部2のない部分は、桁3のみが強度部材として設けられている。スパー部2の厚さ変化は、上記解析方法により決定すればよい。
また、図20の例では、スパー部2をブレード151のスパン方向に3ピース設けるようにしたが、スパー部2はブレード1のスパン方向に一定の厚さを以って全体的に設けると共に、所定の断面係数が必要となる上記部位の厚さtのみを厚くするようにしてもよい。
なお、上記した最適設計方法は、ブレード151の断面係数をブレード151のスパン方向に対して変化させるための具体的な値を得るためにコンピュータを用いて行う一つの方法を示したものであるが、コンピュータを用いて他の論理に基づいて上記に相当する値を得てもよいし、実験等の経験その他から得てもよい。
また、断面係数Zのスパン方向での変化は連続的ではなく段階的(断面が階段状に変化する)であってもよい。さらに、上記した最適設計方法では、断面係数Zを変化させる手段として、スパー部2の厚さtを変化させたが、桁3の厚さを変化させることや、断面係数Zを変化させることができる他の補強部材を採用するようにしてもよい。
また、上記ブレード151では、スパー部2が外板4に接触した状態のものを例示したが、スパー部2は必ずしも外板4と面接触していなくてもよい。即ち、ブレード151の断面係数を上げることができれば、スパー部2と外板4との間に隙間があってもよいし、スパー部2に形成した突起部分が外板4と接触固定しているような状態でもよい。
図22−1〜図22−3は、上記ブレードの別の変形例を示す断面図である。図22−1に示すブレード401では、スパー部402の断面形状が三角形であり、実際にブレード401が曲がる方向に対してスパー部402を形成している。このスパー部402は、ブレード401内部両側に設けられている。
また、一方のスパー部402aは一方の桁3aと外板4とに接触する三角形であり、他方のスパー部402bは他方の桁3bと外板4とに接触する三角形である。このようにすれば、曲げ方向を考慮してスパー部402によりブレード401全体として断面係数をかせぐことができる。
同様に、図22−2に示すブレード403では、スパー部404の断面形状が図3に示したものと同様であるが、一端に傾斜部分405を有するものである。この傾斜部分405により効率的に断面係数Zを確保し、直線部分406は桁3と桁3との間に挿入して、外板4に固定するためのものとなる。
このような構造では、スパー部404を桁3と桁3との間に固定しやすい。なお、図22−3に示すブレード407は、単純にブレード407の回転内側にのみスパー部408を設けた構成である。スパー部408を内側に設けることでブレード407に生じる遠心力を小さくすると共に、ブレード407の断面係数Zを大きくするように作用する。
図23−1および図23−2は、スパー部を外板および桁に対して取り付ける形態の例であり、図11以外の例を示す断面図である。図20および及び図21−1〜図21−4で示したブレード151では、スパー部2の外板4への固定方法は、ボルト等により強固に固定してスパー部2が強度部材として作用するようにする必要がある。
一方、図23−1に示すように、このブレード500では、スパー部501の山側に溝502を入れて、この溝502に支持プレート503を差込んで当該支持プレート503の両側のスパー部501を外板4に押し付け固定するようにしてもよい。なお、この支持プレート503は、強度部材である桁3として作用し得る。
また、図23−2に示すように、外板4および桁3との間に、スパー部505として角パイプ状のものを冷しばめなどによって挿入固定してもよい。この角パイプの内側505aは、所定の山形の形状である。角パイプ状にすることで、ブレード506内部に固定しやすく、外板4全体と角パイプ(505)全体とで相互に接触し、ブレード506の実質的な断面係数Zを大きくすることができる。
図24−1および図24−2は、この発明の変形例に係る風車を示す説明図である。図24−1に示す垂直軸風車600は、上下2つのブレード支持部材152,101によりブレード601を支持した構造である。この構造の垂直軸風車600の場合、ブレード601に加わる曲げモーメントによる応力は、ブレード601の中央付近で最大となる。このため、このブレード中央付近にスパー部602を設け、断面係数Zを大きくする。
また、図24−2に示す垂直軸風車610は、ブレード支持部材152によりブレード611の中央付近を支持した構造である。このブレード611では、ブレード支持部材101の近傍での応力が高くなるため、当該部分にスパー部612を設けて断面係数Zを高める。
図25−1および図25−2は、この実施の形態2の別の変形例に係る垂直軸風車のブレードを示す説明図である。このブレード601は、桁3と桁3との間の略全部に、ブレード601の断面係数Zを調整する部材603を充填または配置した構造である。図25−1に示すように、桁3と桁3との空間を埋める部材603として、アルミニウムのブロック材、合成樹脂、木材等を用いることができる。また、図25−2に示すように、空間を埋める部材603は、図19にて示した解析結果に従いブレード601のスパン方向の所定位置に配置する。
このように、空間を埋める部材603を桁3と桁3との空間にはめ込むことで、ブレード601の断面係数Zをスパン方向の各部で調整できる。また、ブレード601の外板4や桁3との摩擦力によりブレード601内の所定位置に固定されるような寸法を採用することで、空間を埋める部材603を前記所定位置に容易に固定できる。
また、上述した実施の形態1の垂直軸風車(またはブレード)と実施の形態2の垂直軸風車(またはブレード)を組み合わせることにより、より効果的に、耐久性の向上および運転効率の向上を実現することができる。
以上のように、本発明にかかる垂直軸風車のブレード、垂直軸風車、垂直軸風車のブレードの設計装置および方法、並びに垂直軸風車のブレードの設計プログラムは、直線翼ダリウス形風車やφダリウス形風車などの垂直軸風車に有用である。
この発明を説明するための比較例である直線翼ダリウス形風車を示す斜視図である。 ブレード中心部からの距離と発生する曲げモーメントを、ブレード単位長さ当たりの荷重で除した値との関係を示すグラフ図である。 一般的に垂直軸風車のブレードとして用いられるブレードの内部構造を示す断面図である。 ブレードの強度部材の模式図である。 本発明に係るブレード1本あたり3本のブレード支持部材を好適に配置した例を示す斜視図である。 図5に示した配置の垂直軸風車の運転中にブレードに生じる曲げモーメントを、ブレード単位長さ当たりの荷重で除した値の分布を示すグラフ図である。 この発明の実施の形態1に係る直線翼ダリウス形風車であって、1本あたりのブレードに2本のブレード支持部材を好適に配置した例を示す斜視図である。 図7の比較例となる直線翼ダリウス形風車を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係るブレードに生じる曲げモーメントを、ブレード単位長さ当たりの荷重で除した値の分布を示すグラフ図である。 一般的なブレードの一例を示す断面図である。 この発明の実施の形態2を説明するための厚さがtなるスパー部を配置したブレードの一例を示す断面図である。 曲げモーメント分布と断面係数より算出したブレードスパン方向の強度部材である桁に発生する曲げ応力をブレード中心からの距離に対して示すグラフ図である。 ブレード各部の曲げ応力を解析するための解析モデルを模式的に示す図である。 ブレード支持部材およびスパン方向のブレード断面の模式図である。 ブレードのスパー部の断面を示す模式図である。 スパー部の寸法、形状がブレードスパン方向の全ての断面で同一であるブレードにおいて、スパー部の厚さを変化させ、スパー部に発生するブレードスパン方向中心部の曲げ応力の変化を示すグラフ図である。 ブレードのスパー厚さの解析手順を示すフローチャートである。 解析装置のハードウエア構成を示すブロック図である。 解析装置を示す機能ブロック図である。 最適設計を行った場合のスパー厚さと曲げ応力との分布の一例をブレードスパン方向中心からの距離に対して示すグラフ図である。 この発明の実施の形態2に係るブレードのスパー部断面の変化状態の一例をブレードスパン方向に対して模式的に示す説明図である。 図20において切断断面記号A−Aで表記した断面位置に対応した、ブレードの厚さ変化を示すための断面図である。 図20において切断断面記号B−Bで表記した断面位置に対応した、ブレードの厚さ変化を示すための断面図である。 図20において切断断面記号C−Cで表記した断面位置に対応した、ブレードの厚さ変化を示すための断面図である。 図20において切断断面記号D−Dで表記した断面位置に対応した、ブレードの厚さ変化を示すための断面図である。 ブレードの変形例を示す断面図である。 ブレードの他の変形例を示す断面図である。 ブレードの別の変形例を示す断面図である。 スパー部を外板および桁に対して取り付ける形態の他の例を示す断面図である。 スパー部を外板および桁に対して取り付ける形態の別の例を示す断面図である。 この発明の実施の形態2の変形例に係る風車を示す説明図である。 この発明の実施の形態2の他の変形例に係る風車を示す説明図である。 この発明の実施の形態2の別の変形例に係る垂直軸風車のブレードを示す説明図である。 この発明の実施の形態2の別の変形例に係る垂直軸風車のブレードを示す説明図である。 従来の直線翼ダリウス形風車の一例を示す斜視図である。 従来の直線翼ダリウス形風車の一例を示す斜視図である。 従来の垂直軸風車を構成するブレードの一例を示す断面図である。 ブレードの断面係数を計算する際のモデル図である。
符号の説明
100 直線翼ダリウス形風車(垂直軸風車)
151 ブレード
152 ブレード支持部材
153 垂直回転軸

Claims (17)

  1. 設置面に対して垂直に設けた垂直回転軸から前記垂直回転軸に交差する方向に延出された複数のブレード支持部材によって支持された、垂直軸風車のブレードであって、
    前記ブレードのスパン方向の中央となる中央位置と、前記中央位置から前記スパン方向に等間隔となる二つの位置に、前記ブレード支持部材を支持する支持部を備え、
    前記二つの位置の間隔は、前記ブレードの長さLに対して0.60L〜0.80Lであることを特徴とする垂直軸風車のブレード。
  2. 設置面に対して垂直に設けた垂直回転軸から前記垂直回転軸に交差する方向に延出された複数のブレード支持部材によって支持された、垂直軸風車のブレードであって、
    前記ブレード支持部材同士が前記ブレードのスパン方向の長さLに対して0.50L〜0.68Lの間隔となる二つの位置に、前記ブレード支持部材を支持する支持部を有することを特徴とする垂直軸風車のブレード。
  3. 設置面に対して垂直に設けた垂直回転軸から前記垂直回転軸に交差する方向に延出した複数のブレード支持部材によって支持された、垂直軸風車のブレードにおいて、
    前記垂直回転軸の回転中の遠心力に起因した前記ブレードの曲げモーメントに基づくブレードの曲げ応力が設定値以下になるように、前記設定値より大きい曲げ応力が発生する部分に対し、断面係数を大きくする補強部材を設けたことを特徴とする垂直軸風車のブレード。
  4. 設置面に対して垂直に設けた垂直回転軸から前記垂直回転軸に交差する方向に延出した複数のブレード支持部材によって支持された、垂直軸風車のブレードにおいて、
    前記複数のブレード支持部材のうち一の支持部材によって支持される支持位置と、前記一の支持部材と隣接する他の支持部材によって支持される支持位置との間における前記ブレードの内部に、それ以外の部分より断面係数を大きくする補強部材を設けたことを特徴とする垂直軸風車のブレード。
  5. 設置面に対して垂直に設けた垂直回転軸から前記垂直回転軸に交差する方向に延出した複数のブレード支持部材によって支持された、垂直軸風車のブレードにおいて、
    前記ブレードは、一のブレード支持部材と、前記一のブレード支持部材から上下に配置されている他のブレード支持部材とによって支持されており、
    前記一のブレード支持部材によって支持されている支持位置付近における前記ブレードの内部に、それ以外の部分より断面係数を大きくする補強部材を設けたことを特徴とする垂直軸風車のブレード。
  6. 前記ブレードは、
    その断面が翼形の外板と、
    前記外板の間に翼弦長方向に対して直角に設けられた複数の桁と、
    前記ブレードに生じる曲げ応力の中立面の一方側または両側に強度部材として設けたスパー部と、
    からなることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一つに記載の垂直軸風車のブレード。
  7. 設置面に対して垂直に設けた垂直回転軸から前記垂直回転軸に交差する方向に延出した複数のブレード支持部材によって、前記垂直回転軸と略平行に配置されたブレードを支持する垂直軸風車において、
    前記ブレード支持部材によって前記ブレードが支持される支持点を、前記ブレードのスパン方向において、前記ブレードの曲げモーメントを少なくとも仮の隣接位置より小さくできる位置としたことを特徴とする垂直軸風車。
  8. 設置面に対して垂直に設けた垂直回転軸から前記垂直回転軸に交差する方向に延出した複数のブレード支持部材によって、前記垂直回転軸と略平行に配置されたブレードを支持する垂直軸風車において、
    前記ブレード支持部材は、前記ブレードの曲げモーメントが所定範囲に収まるようになる位置をシミュレーションまたは実験にて取得してそれに基づいて前記ブレード支持部材によって前記ブレードを支持することを特徴とする垂直軸風車。
  9. 設置面に対して垂直に設けた垂直回転軸から前記垂直回転軸に交差する方向に延出した複数のブレード支持部材によって、前記垂直回転軸と略平行に配置されたブレードを支持する垂直軸風車において、
    前記ブレードに生じる曲げモーメントが平滑化される位置において、前記ブレード支持部材によって前記ブレードを支持することを特徴とする垂直軸風車。
  10. 設置面に対して垂直に設けた垂直回転軸から前記垂直回転軸に交差する方向に延出した複数のブレード支持部材によって、前記垂直回転軸と略平行に配置されたブレードを支持する垂直軸風車において、
    前記複数のブレード支持部材は、
    前記ブレードのスパン方向の中央となる中央位置を支持する一の支持部材と、
    前記中央位置から前記スパン方向に等間隔となる二つの位置をそれぞれ支持する一対のブレード支持部材と、から構成されており、
    前記一対のブレード支持部材の間隔は、前記ブレードの長さLに対して0.60L〜0.80Lの間隔であることを特徴とする垂直軸風車。
  11. 設置面に対して垂直に設けた垂直回転軸から前記垂直回転軸に交差する方向に延出した複数のブレード支持部材によって、前記垂直回転軸と略平行に配置されたブレードを支持する垂直軸風車において、
    前記複数のブレード支持部材は、
    前記ブレードのスパン方向の中央となる中央位置を支持する一の支持部材と、
    前記中央位置から前記スパン方向に等間隔となる二つの位置をそれぞれ支持する一対のブレード支持部材と、から構成されており、
    前記一対のブレード支持部材の間隔は、前記ブレードの長さLに対して0.68L〜0.74Lの間隔であることを特徴とする垂直軸風車。
  12. 設置面に対して垂直に設けた垂直回転軸から前記垂直回転軸に交差する方向に延出した一対のブレード支持部材によって、前記垂直回転軸と略平行に配置されたブレードを支持する垂直軸風車において、
    前記一対のブレード支持部材の間隔は、前記ブレードのスパン方向の長さLに対して0.50L〜0.68Lであることを特徴とする垂直軸風車。
  13. 設置面に対して垂直に設けた垂直回転軸から前記垂直回転軸に交差する方向に延出した一対のブレード支持部材によって、前記垂直回転軸と略平行に配置されたブレードを支持する垂直軸風車において、
    前記一対のブレード支持部材の間隔は、前記ブレードのスパン方向の長さLに対して0.55L〜0.61Lであることを特徴とする垂直軸風車。
  14. 設置面に対して垂直に設けた垂直回転軸と、
    前記垂直回転軸に設けられ、前記垂直回転軸から前記垂直回転軸に交差する方向に延出した複数のブレード支持部材と、
    前記ブレード支持部材によって支持された上記請求項3〜6のいずれか一つに記載の垂直軸風車のブレードと、
    を備えたことを特徴とする垂直軸風車。
  15. 設置面に対して垂直に設けた垂直回転軸から前記垂直回転軸に交差する方向に延出した複数のブレード支持部材によって支持された、垂直軸風車のブレードに対して、前記垂直回転軸の回転中の遠心力に起因したブレードの曲げモーメントに基づく前記ブレードの曲げ応力発生部分に、断面係数を大きくする補強部材を設ける垂直軸風車のブレードの設計装置であって、
    前記ブレードのスパン方向の位置座標xをパラメータとして用い、前記補強部材の厚さt(x)を仮定する仮定手段と、
    前記補強部材の厚さt(x)に対して、荷重p(x)と、アームが受け持つ反力Rと、曲げモーメントM(x)とを算出し、断面係数Z(x)と、前記曲げモーメントM(x)に基づいて、曲げ応力σMAX(x)を算出する演算手段と、
    前記曲げ応力σMAX(x)が設定応力以下になったか否かを判定する判定手段と、
    前記補強部材の厚さの増減によって前記補強部材の厚さt(x)を再仮定する増減処理手段と、
    を備えることを特徴とする垂直軸風車のブレードの設計装置。
  16. ブレードを備えた垂直軸風車の翼車径、翼弦長、翼枚数および風速からなる条件に基づいて前記垂直軸風車の回転速度を求め、前記条件下で前記ブレードの設計をおこなう垂直軸風車のブレードの設計方法において、
    前記ブレードに発生する遠心加速度を算出し、前記ブレードのスパン方向の位置座標xをパラメータとして用い、補強部材の厚さt(x)を仮定する第1ステップと、
    前記補強部材の厚さt(x)に対して、単位長さ当たりの自重より遠心力によって生じる荷重p(x)を決定する第2ステップと、
    前記荷重p(x)により、ブレード各部に変位を生じたブレードにおいて、該生じた変位の量は、ブレード支持部材により支持された位置では0であるという条件の下に各ブレード支持部材が受け持つ反力Rを計算する第3ステップと、
    前記荷重p(x)と反力Rによりブレード各部の曲げモーメントM(x)を算出する第4ステップと、
    前記補強部材の厚さt(x)より算出した断面係数Z(x)と、曲げモーメントM(x)により曲げ応力σMAX(x)を算出する第5ステップと、
    前記ブレード各部の曲げ応力σMAX(x)が、設定応力以下か否かを判断する第6ステップと、
    前記曲げ応力σMAX(x)が設定応力を超える場合に、曲げ応力σMAX(x)が設定応力を超えるブレード部の補強部材の厚さをある一定量増加し、及び/又は、前記曲げ応力σMAX(x)が設定応力未満であるブレード部の補強部材の厚さをある一定量減少させてこれを再仮定する第7ステップと、
    を含んだことを特徴とする垂直軸風車のブレードの設計方法。
  17. ブレードを備えた垂直軸風車の翼車径、翼弦長、翼枚数および風速からなる条件に基づいて前記垂直軸風車の回転速度を求め、前記条件下で前記ブレードの設計をおこなう垂直軸風車のブレードの設計プログラムにおいて、
    コンピュータに、
    前記ブレードに発生する遠心加速度を算出し、前記ブレードのスパン方向の位置座標xをパラメータとして用い、補強部材の厚さt(x)を仮定する第1ステップと、
    前記補強部材の厚さt(x)に対して、単位長さ当たりの自重より遠心力によって生じる荷重p(x)を決定する第2ステップと、
    前記荷重p(x)により、ブレード各部に変位を生じたブレードにおいて、該生じた変位の量は、ブレード支持部材により支持された位置では0であるという条件の下に各ブレード支持部材が受け持つ反力Rを計算する第3ステップと、
    前記荷重p(x)と反力Rによりブレード各部の曲げモーメントM(x)を算出する第4ステップと、
    前記補強部材の厚さt(x)より算出した断面係数Z(x)と、曲げモーメントM(x)より曲げ応力σMAX(x)を算出する第5ステップと、
    前記ブレード各部の曲げ応力σMAX(x)が、設定応力以下か否かを判断する第6ステップと、
    前記曲げ応力σMAX(x)が設定応力を超える場合に、曲げ応力σMAX(x)が設定応力を超えるブレード部の補強部材の厚さをある一定量増加し、及び/又は、前記曲げ応力σMAX(x)が設定応力未満であるブレード部の補強部材の厚さをある一定量減少させてこれを再仮定する第7ステップと、
    を実行させることを特徴とする垂直軸風車のブレードの設計プログラム。

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