JP2004308104A - 絶縁板紙の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】セルロース繊維の少なくとも1つの層を有する板紙を形成することによる、絶縁板紙の製造方法を提供する。
【解決手段】絶縁板紙12は、セルロース繊維の少なくとも1つの層10を含む。1つの層14は少なくとも部分的にバルキー繊維で構成される。本板紙は、板紙の端から端までの熱水ΔT少なくとも0.7℃±2.3℃/0.1mmの厚さを提供するのに十分に絶縁されている。
【選択図】図1
【解決手段】絶縁板紙12は、セルロース繊維の少なくとも1つの層10を含む。1つの層14は少なくとも部分的にバルキー繊維で構成される。本板紙は、板紙の端から端までの熱水ΔT少なくとも0.7℃±2.3℃/0.1mmの厚さを提供するのに十分に絶縁されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、絶縁板紙の製造方法に関し、より詳細には、バルキー繊維を含む絶縁板紙に関する。
高温の食品、特に高温の液体は一般に使い捨て容器に入れられて供され、消費される。こうした容器は、板紙及び発泡ポリマーシート材料を含む様々な材料から製造される。板紙材料のうちの最も費用のかからない源の1つは、セルロース繊維である。セルロース繊維を用いて、高温用のコップ、紙プレート、並びに他の食品及び飲料容器の製造のための優れた板紙が製造される。しかしながら、セルロース系繊維から製造した従来の板紙は比較的に緻密であり、従って、例えば発泡ポリマーシート材料よりも容易に熱を伝達する。従って、高温の液体は一般的に、二重のコップに入れてまたは従来の板紙の多数の層を含むコップに入れて供される。
容器中の食品が温かいかまたは高温であると使用者が知覚することを可能にし、同時に、容器中の食品または飲料の消費者が過度の温度の感覚無しに長時間容器を保持することを可能にするような、良好な絶縁特性を有するセルロース系材料から製造した絶縁板紙を有することが望ましい。板紙の端から端までの温度低下を個々の最終用途のために調節できるように様々な絶縁特性を提供するために適合させることができる絶縁板紙を提供することがさらに望ましい。
本発明は、セルロース繊維の少なくとも1つの層を有する板紙を形成することによる、絶縁板紙の製造方法を提供する。層中のセルロース系繊維の少なくとも幾つかはバルキー繊維であり、坪量200gsm〜500gsmを有する。板紙は、板紙の端から端までの熱水ΔT少なくとも0.7℃±2.3℃/0.1mmの厚さを提供するのに十分に絶縁性である。このように形成された板紙は、その有効表面積を低減するためにエンボス加工された表面を有する。
本発明の前述の態様と附随する利益の多くとは、添付図面と合わせて以下の詳細な説明を参照することによってより良く理解されるにつれて、より容易に了解されよう。
図1を参照して、本発明の絶縁板紙12のための基体10は、セルロース系繊維のような容易に入手可能な繊維から従来の方法で製造される。本発明の板紙は、希望する通りに、単層ずき、二層すき合わせ構成、または多層すき合わせ構成で製造することができる。本発明の板紙は上記に述べたように合成繊維を用いてよいが、板紙は全てまたは実質的に全てセルロース系繊維を含むことが最も好ましい。
本発明の特徴的な特性は、本板紙の少なくとも1つの層14は、単層ずき構造であろうと多層すき合わせ構造であろうと、バルキー繊維を含むという点である。バルキー繊維は、本板紙の嵩密度を、従って絶縁特性を増大させる。本明細書において使用するバルキー繊維は、もつれ、撚れ、カールしたセルロース系繊維である。しかしながら、下記により詳細に説明するように、繊維をセルロース系繊維の繊維内架橋によって製造することが好ましい。
本発明の板紙は広い組の特性を有してよい。例えば、その坪量は200〜500gsm、より好ましくは250gsm〜400gsmの範囲にわたることができる。最も好ましくは、本板紙の坪量は250gsm以上である。本発明の絶縁特性を実現するためには、本板紙は密度0.5g/cc未満を有することが好ましく、より好ましくは0.3g/cc〜0.45g/cc、最も好ましくは0.35g/cc〜0.40g/ccである。
本板紙の少なくとも1つの層が本発明によるバルキー繊維を含む場合に、有利な温度低下特性を実現することができる。こうした温度低下特性は、本板紙中に導入するバルキー繊維の量を変更することによって、本板紙の坪量を調節することによって、本板紙を例えばニップロールを通して移動させることによって製造した後に本板紙の厚さを調節することによって、また当然、本板紙構造中に取り入れる追加の層の数及び厚さを変化させることによって実現することができる。本板紙は、厚さ0.5mm以上、坪量250gsm以上、及び密度0.5g/cc未満を有することが好ましい。最も好ましい形式においては、本発明の板紙は、厚さ0.64mmで熱水ΔT10℃±2.3℃及び厚さ1.25mmで熱水ΔT14℃±2.3℃を示す。熱水ΔTと厚さとの関係は、厚さ0.6mmと1.25mmとの間で線形の関係であり、厚さが0.6mm未満に低下するかまたは1.25mmを超えて増大した場合に線形であり続ける。言い換えると、本発明に従って構成し、厚さ0.3mm以上を有する板紙は、熱水ΔT(下記に定義する通り)0.7℃±2.3℃/0.1mmの厚さ、最も好ましくは熱水ΔT0.7℃±2.0℃を示そう。
本発明の板紙は単層ずき製品とすることができる。単層ずき製品を用いる場合、本発明の板紙の低密度特性は、妥当な坪量でより厚い板紙の製造を可能にする。標準の板紙を用いて同じ絶縁特性を実現するためには、標準の板紙の厚さは、本発明のものと比較して2倍でなければならないと思われる。本発明のバルキー繊維を使用して、標準の板紙と同じ坪量を有する絶縁板紙を製造することができる。これは、小さな修正及び生産性の軽微な損失で、既存の板紙抄紙機上での絶縁板紙の製造を有効に可能にする。また、1層板紙は、構造全体が低密度であるという利益を有する。その上、後に説明するように、本発明の低密度板紙は、容易にエンボス加工可能である。
他に、本発明の板紙を多層すき合わせ製品とすることができ、これは、2つ、3つ、またはより多くの層を含む。単層より多い層を含む板紙は、乾燥の前または後に層を合わせることによって製造することができる。しかしながら、多層すき合わせ板紙は、湿式形成法(wet-forming process)において逐次配列した多数のヘッドボックスを使用することによって、または、多数のパルプ完成紙料を受け取り、次に抄紙する容量を有するバッフル付きヘッドボックスによって製造することが好ましい。多層すき合わせ製品の個々の層は同一または異なるとすることができる。
本発明の板紙は、例えば、ロトフォーマー、長網式、インクラインドワイヤデルタフォーマー(inclined wire Delta former)、及びツインワイヤフォーミングマシン(twin-wire forming machine)を含む従来の製紙装置を使用して形成できる。
単層ずき板紙を本発明に従って使用する場合に、これは好ましくは組成が均一である。しかしながら、単層は、組成に関して階層化してよく、バルキー繊維を富化した1つの階層及び非バルキー繊維を富化した別の階層を有してよい。例えば、本板紙の1表面はバルキー繊維を富化してこの表面の嵩を向上してよく、他の表面は非架橋繊維を富化して滑らかで、より緻密であり、より多孔質でない表面を提供してよい。
述べたように、組成が均一な板紙を製造することが好ましくかつ最も経済的である。バルキー繊維を標準的な(regular)セルロース系繊維と均一に混合する。例えば、ヘッドボックス完成紙料において、絶縁層中に存在するバルキー繊維は約25%〜約100%の量で存在することが好ましく、より好ましくは約30%〜約70%である。二層すき合わせ構造においては、例えば、第1の層は非バルキー繊維を100%含んでよく、一方、第2の層はバルキー繊維を25%〜100%、好ましくはバルキー繊維を30%〜70%含んでよい。3層においては、例えば、底部層及び最上部層は非バルキー繊維を100%含んでよく、一方、中間層はバルキー繊維を約25%〜約100%、好ましくは約30%〜約70%含む。
バルキー繊維を本発明による板紙において使用する場合に、製紙装置から出る板紙を様々な程度に圧縮して、板紙の端から端までの温度低下特性を調節できることが見い出された。本発明によれば、製紙装置から出た後の板紙を圧縮してよく、または50%まで、より好ましくは15%〜25%厚さを低減してよい。本発明に従って製造する板紙の厚さのこの調節は、熱水ΔTを希望する通りに変化させることを可能にする。この同じ結果は、本板紙の坪量を下げることによって実現することができる。
加えて、本発明の板紙は様々な従来のエンボスローラーを用いてエンボス加工して、従来の板紙のものとは使用者の触覚がかなり異なる板紙を製造することができる。エンボス加工した表面は、より良好な把持表面を提供するのみならず、本板紙の表面から本板紙の外面に触れる人への熱伝達を実際にかつ感知される程度に低減する。平らなエンボス加工した当て板を使用して、本板紙表面にエンボス加工したパターンを形成してもよい。様々なエンボス加工したパターンのいずれでも用いことができる。しかしながら、本板紙を高温用のコップのための単層として用いる予定である場合、窪みの微細なパターンをコップにエンボス加工して、本質的に、本板紙の表面に触れる人のための接触表面積を有効に低減する多数の小さな表面の窪みを提供することが好ましい。これは、ある時間人が保持する高温用のコップまたは他の容器において本板紙を使用する場合に特に有効である。表面積の低減は、人の指に伝達される熱の量を低減し、従って、過度の温度の感覚を低減する。例えば、板紙の1センチメートル四方の表面中の隆起及び窪みの数は6×6のアレイを含み得る。
本発明の板紙を利用して、絶縁特性を有することが望まれる様々な構造、特に容器を製造することができる。図2を参照して、こうした容器のうちの最も一般的なものの1つは、高温の飲料の例えばコーヒー、茶、及びその他同様なもののために利用される広く普及した高温用のコップである。通常の紙プレートのような他の絶縁容器もまた本発明の板紙を取り入れることができる。また、板紙でまたは発泡体材料で従来のように製造される持ち帰り容器(carry-out container)もまた本発明の板紙を用いることができる。図2及び3に示すように、本発明に従って製造した高温用のコップタイプの容器は1つ以上の層22及び24を含んでよく、そのうちの1つ(この場合には24)はバルキー繊維を含む。この具体例においては、バルキー繊維は内部層24中にある。液体非透過性裏当て26を好ましくは内部層に積層する。裏当ては例えばポリエチレンのような様々な熱可塑性材料を含んでよい。コップの底部において使用する板紙は、バルキー繊維を含まないことが好ましい。
他の源からも入手可能だが、本発明において使用可能な非バルキーセルロース系繊維は主として木材パルプに由来する。本発明と共に使用するのに適した木材パルプ繊維は、例えばクラフト法及び亜硫酸法等の周知の化学的方法から得ることができ、それに続く漂白はあってもなくてもよい。パルプ繊維はまた、サーモメカニカル法、ケミサーモメカニカル法、またはこれらの組合せによって加工できる。好ましいパルプ繊維は、化学的方法によって製造される。砕木繊維、リサイクルまたは二次木材パルプ繊維、並びに漂白済み及び未漂白の木材パルプ繊維を使用できる。針葉樹材及び広葉樹材を使用できる。木材パルプ繊維の選択に関する詳細は、当業者には周知である。こうした繊維は、本発明の譲受人であるウェヤーハウザー・カンパニー(Weyerhaeuser Company)を含む多数の会社から市販されている。例えば、サザンパインから製造され、本発明と共に使用可能な適切なセルロース繊維は、CF416、NF405、PL416、FR516、及びNB416という名称でウェヤーハウザー・カンパニーから入手可能である。
繊維質材料に加えて、本発明の板紙は任意に結合剤を含んでよい。適切な結合剤は、水中に可溶であるか、水中に分散可能であるか、または水中の懸濁液を形成する。適切な結合剤としては、湿潤及び乾燥引張強さ並びに引裂強さを上述の製品に与えるために製紙産業において一般に使用されているものが挙げられる。適切な湿潤強度増強剤としては、窒素含有基(例えばアミノ基)を有する陽イオン性加工デンプンの例えばナショナル・スターチ・アンド・ケミカルCorp.、ブリッジウォーター、NJ(National Starch and Chemical Corp., Bridgewater, NJ)から入手可能なもの;ラテックス;湿潤強度樹脂の例えばポリアミド−エピクロロヒドリン樹脂(例えば、カイメン 557LX、ハーキュリーズ、Inc.、ウィルミントン、DE(KYMENE 557LX, Hercules, Inc., Wilmington, DE))、及びポリアクリルアミド樹脂(例えば、米国特許第3,556,932号を参照されたく、またパレツ 631 NC(PAREZ 631 NC)という商標名でアメリカン・サイアナミドCo.、スタンフォード、CT(American Cyanamid Co., Stanford, CT)によって販売されている市販のポリアクリルアミドも挙げられる);尿素ホルムアルデヒド及びメラミンホルムアルデヒド樹脂;並びにポリエチレンイミン樹脂が挙げられる。紙分野において利用され、本発明において一般に適用可能な湿潤強度樹脂に関する全般的な検討は、TAPPIモノグラフシリーズ番号29"Wet Strength in Paper and Paperboard"、アメリカ紙・パルプ技術協会(New York、1965)に見い出すことができる。
他の適切な結合剤としては、デンプン、加工デンプン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン/アクリル酸コポリマー、アクリル酸ポリマー類、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアミン、グアーガム、酸化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル/アクリル酸コポリマー類、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレンコポリマー類、及びポリアクリロニトリルが挙げられる。こうしたものの多くは、水中の分散系または懸濁液のためのラテックスポリマーへと形成されよう。
本発明において使用するための好ましいバルキー繊維は、架橋済みセルロース系繊維である。本層中に含まれる架橋済み繊維を提供するために、多数の架橋剤及び架橋触媒のうちの任意の1つを必要ならば使用することができる。以下のものは、有用な架橋剤及び触媒の代表的な一覧である。下記に言及する特許の各々を、特に本明細書において参考のためにその全体を引用する。
尿素に基づく適切な架橋剤としては、置換尿素類の例えばメチロール化尿素類、メチロール化環状尿素類、メチロール化低級アルキル環状尿素類、メチロール化ジヒドロキシ環状尿素類、ジヒドロキシ環状尿素類、及び低級アルキル置換環状尿素類が挙げられる。尿素に基づく具体的な架橋剤としては、ジメチルジヒドロキシ尿素(DMDHU、1,3−ジメチル−4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン)、ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素(DMDHEU、1,3−ジヒドロキシメチル−4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン)、ジメチロール尿素(DMU、ビス[N−ヒドロキシメチル]尿素)、ジヒドロキシエチレン尿素(DHEU、4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン)、ジメチロールエチレン尿素(DMEU、1,3−ジヒドロキシメチル−2−イミダゾリジノン)、及びジメチルジヒドロキシエチレン尿素(DMeDHEUまたはDDI、4,5−ジヒドロキシ−1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン)が挙げられる。
適切な架橋剤としては、ジアルデヒド類の例えばC2〜C8ジアルデヒド類(例えば、グリオキサール)、少なくとも1つのアルデヒド基を有するC2〜C8ジアルデヒド酸類似体、並びにこうしたアルデヒド類及びジアルデヒド酸類似体のオリゴマー類が挙げられ、これらは米国特許第4,822,453号、同第4,888,093号、同第4,889,595号、同第4,889,596号、同第4,889,597号、及び同第4,898,642号に説明されている。他の適切なジアルデヒド架橋剤としては、米国特許第4,853,086号、同第4,900,324号、及び同第5,843,061号に説明されているものが挙げられる。他の適切な架橋剤としては、アルデヒドと尿素に基づくホルムアルデヒド付加生成物が挙げられる。例えば、米国特許第3,224,926号、同第3,241,533号、同第3,932,209号、同第4,035,147号、同第3,756,913号、同第4,689,118号、同第4,822,453号、同第3,440,135号、同第4,935,022号、同第3,819,470号、及び同第3,658,613号を参照されたい。適切な架橋剤としては、尿素類のグリオキサール付加物類、例えば、米国特許第4,968,774号、及びグリオキサール/環状尿素付加物類も挙げてよく、これは米国特許第4,285,690号、同第4,332,586号、同第4,396,391号、同第4,455,416号、及び同第4,505,712号に説明されている。
他の適切な架橋剤としては、カルボン酸架橋剤の例えばポリカルボン酸類が挙げられる。ポリカルボン酸架橋剤(例えば、クエン酸、プロパントリカルボン酸、及びブタンテトラカルボン酸)及び触媒は、米国特許第3,526,048号、同第4,820,307号、同第4,936,865号、同第4,975,209号、及び同第5,221,285号に説明されている。少なくとも3つのカルボキシル基を含むC2〜C9ポリカルボン酸類(例えば、クエン酸及びオキシジコハク酸)を架橋剤として使用することは、米国特許第5,137,537号、同第5,183,707号、同第5,190,563号、同第5,562,740号、及び同第5,873,979号に説明されている。
高分子ポリカルボン酸類もまた適切な架橋剤である。適切な高分子ポリカルボン酸架橋剤は、米国特許第4,391,878号、同第4,420,368号、同第4,431,481号、同第5,049,235号、同第5,160,789号、同第5,442,899号、同第5,698,074号、同第5,496,476号、同第5,496,477号、同第5,728,771号、同第5,705,475号、及び同第5,981,739号に説明されている。架橋剤としてのポリアクリル酸及び関連コポリマー類は、米国特許第5,549,791号、及び同第5,998,511号に説明されている。ポリマレイン酸架橋剤は米国特許第5,998,511号及び米国出願第09/886,821号に説明されている。
具体的な適切なポリカルボン酸架橋剤としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、グルタル酸、シトラコン酸、イタコン酸、タートレートモノコハク酸、マレイン酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸、ポリメチルビニルエーテル−co−マレエートコポリマー、ポリメチルビニルエーテル−co−イタコネートコポリマー、アクリル酸のコポリマー類、及びマレイン酸のコポリマー類が挙げられる。他の適切な架橋剤は、米国特許第5,225,047号、同第5,366,591号、同第5,556,976号、及び同第5,536,369号に説明されている。
適切な架橋触媒類としては、酸性塩類の例えば塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム及びリン含有酸類(phosphorous-containing acids)のアルカリ金属塩類が挙げられる。1具体例においては、架橋触媒は次亜リン酸ナトリウムである。
架橋剤を、繊維内架橋を達成するのに十分な量で、製造したままのセルロース系繊維に施用する。セルロース系繊維に施用する量は、繊維の総重量を基準として約1〜約25重量%としてよい。1具体例においては、架橋剤は、繊維の総重量を基準として約4〜約6重量%の量である。架橋剤及び触媒の混合物またはブレンドも使用することができる。
様々な試験方法を、以下の実施例において利用する。熱水ΔTを、紙コップを通る熱伝達をモデル化するシミュレート試験機中で測定する。プレキシガラスの箱の大きさは12.1cm×12.1cm×12.1cmであり、8.9cm×8.9cmの試料開口部を有する。厚さ2.54cmのポリエチレンフォームを用いて箱を絶縁する。ホットエアガンを使用して、板紙の試料をポリエチレンのシートを用いて積層して、ポリエチレンを板紙の表面に接着する。他に、ポリエチレンを板紙の表面の上に押出してよい。熱水ΔTを箱中に注ぎ、小さな撹拌子を挿入し、試料のポリエチレンコーティング面を装置中に置く。箱を次に水平面に沿って90°回転させて水が試料と完全に接触するようにし、撹拌プレート上に置いて、測定段階の最中の撹拌を可能にする。5つの熱電対マイクロプローブを、板紙表面の外側に伝導性テープでとめる。データロガーは内部の水温及び外側表面の温度を記録し、こうした温度から温度低下を計算することができる。放射率0.93の赤外高温計は試料の外側に照準を合わせて、赤外線を測定する。このIRガンを使用して、熱電対の精度を相関させる。
ASTM方法D2240−91に従ってデュロメーター試験を行った。このASTM方法は、ゴム、発泡材料、エラストマー材料、熱可塑性材料、及び硬質プラスチックス用のものである。
実施例1
複数の実験室規模の試料を、パイロット規模で、インクラインドワイヤツインヘッドフォーマーであるデルタフォーマー上で製造した。単層ずき試料及び二層すき合わせ試料の両方を製造した。単層ずき試料は様々な重量%のバルキー繊維を含んだ。二層すき合わせ試料においては、様々なレベルのバルキー繊維を基部(底部)層において使用した。非バルキー繊維は、400カナダ針葉樹材ろ水度(Canadian softwood freeness)(CSF)にリファイニングされたセルロース針葉樹材パインだった。用いたバルキー繊維は、リンゴ酸を用いて架橋した繊維だった。架橋済みセルロース繊維は、架橋剤を用いて架橋したものだった。カセイアルカリ(caustic)を用いて系のpHを8に調節した。20g/kgの加熱済み陽イオン性じゃがいもデンプン(ステーリー・マニュファクチャリング・カンパニー(Staley Manufacturing Company)から入手可能なステ−ロク 400(Sta-Lok 400))、はっ水性を得るための2g/kg〜3g/kgのAKD(アルキルケチミンダイマー)、5g/kg〜7.5g/kgのカイメン、及び0g/kg〜20g/kgの未加熱陽イオン性じゃがいもデンプンを、抄紙チェストに加えた。下記の表1Aを参照されたい。架橋済み繊維及びパインのブレンドを、板紙形成の前に軽くデフレークした。製造した板紙をエチル化デンプン(ステーリー・スターチ、エチルクス 2065(Staley starch, Ethylx 2065))を用いてサイズ・プレスでサイジングした。様々な試料を製造し、下記の表1Bに述べる。
実施例1
複数の実験室規模の試料を、パイロット規模で、インクラインドワイヤツインヘッドフォーマーであるデルタフォーマー上で製造した。単層ずき試料及び二層すき合わせ試料の両方を製造した。単層ずき試料は様々な重量%のバルキー繊維を含んだ。二層すき合わせ試料においては、様々なレベルのバルキー繊維を基部(底部)層において使用した。非バルキー繊維は、400カナダ針葉樹材ろ水度(Canadian softwood freeness)(CSF)にリファイニングされたセルロース針葉樹材パインだった。用いたバルキー繊維は、リンゴ酸を用いて架橋した繊維だった。架橋済みセルロース繊維は、架橋剤を用いて架橋したものだった。カセイアルカリ(caustic)を用いて系のpHを8に調節した。20g/kgの加熱済み陽イオン性じゃがいもデンプン(ステーリー・マニュファクチャリング・カンパニー(Staley Manufacturing Company)から入手可能なステ−ロク 400(Sta-Lok 400))、はっ水性を得るための2g/kg〜3g/kgのAKD(アルキルケチミンダイマー)、5g/kg〜7.5g/kgのカイメン、及び0g/kg〜20g/kgの未加熱陽イオン性じゃがいもデンプンを、抄紙チェストに加えた。下記の表1Aを参照されたい。架橋済み繊維及びパインのブレンドを、板紙形成の前に軽くデフレークした。製造した板紙をエチル化デンプン(ステーリー・スターチ、エチルクス 2065(Staley starch, Ethylx 2065))を用いてサイズ・プレスでサイジングした。様々な試料を製造し、下記の表1Bに述べる。
実施例1に従って製造した試料の各々の絶縁特性を、上記に説明した熱水ΔT方法を使用して測定した。加えて、板紙の試料である702P、702R、及び702Sを、フラットプレス上で様々な厚さに圧縮した。元の板紙並びに圧縮した板紙の厚さを、対応する温度低下と一緒に測定した。それらの結果を表2に述べる。
上記に述べたデュロメーター試験方法を使用して、板紙の試料である802E、802G、及び802Iを、硬さ及びエンボス加工可能性に関して試験した。加えて、バルキー繊維を含まない標準的な高温用のコップ用の板紙シートもまた試験した。デュロメーター試験の結果を、下記の表3に述べる。
実施例4
板紙の3つの試料である802E、802G、及び802Iをプレス中で圧力にさらし、その後、厚さを測定し、パーセント厚さ変化を計算した。板紙の各々を、バルキー繊維を含まない標準的な高温用のコップ用の板紙と比較した。結果を表4に示す。
前述の本発明を、その好適な具体例並びに様々な変更及び変形例と合わせて説明してきた。当業者であれば、本明細書において与える広い概念から逸脱することなく、開示される本発明において同等なものに置き換えることができよう。本発明は、添付の請求の範囲に含まれる定義によってのみ限定されるものである。
10 基体
12 絶縁板紙
14 層
22 層
24 層
26 液体非透過性裏当て
12 絶縁板紙
14 層
22 層
24 層
26 液体非透過性裏当て
Claims (9)
- 絶縁板紙の形成方法であって:
セルロース繊維の少なくとも1つの層を有し、該セルロース繊維の少なくとも幾つかはバルキー繊維であり、板紙は、該板紙の端から端までの熱水ΔT少なくとも0.7℃±2.3℃/0.1mmの厚さ及び坪量200gsm〜500gsmを提供するのに十分に絶縁性である、前記板紙を形成することと、前記板紙の表面をエンボス加工して、その有効表面積を低減することと、を含む方法。 - 前記板紙は密度0.5g/cc未満を有する、請求項1に記載の方法。
- 前記板紙は坪量250gsm〜400gsmを有する、請求項2に記載の方法。
- 前記板紙は坪量250gsm以上を有する、請求項2に記載の方法。
- 前記板紙の厚さは0.5mm以上である、請求項3に記載の方法。
- 前記板紙は、厚さ0.6mmで熱水ΔT9℃±2.3℃及び厚さ1.25mmで熱水ΔT14℃±2.3℃を有し、9℃〜14℃の温度範囲で前記熱水ΔTは厚さに対して実質的に線形推移である、請求項1に記載の方法。
- 前記線形推移はΔT9℃未満に延在する、請求項6に記載の絶縁板紙。
- 前記線形推移はΔT14℃を超えて延在する、請求項7に記載の絶縁板紙。
- 前記板紙は少なくとも二層すき合わせ板紙であり、少なくとも1層は前記バルキー繊維を含み、エンボス加工されている、請求項1に記載の絶縁板紙。
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Family Applications (1)
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2004
- 2004-03-31 JP JP2004103489A patent/JP2004308104A/ja not_active Withdrawn
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