JP2004306707A - Speed-change controller of vehicle - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の減速走行中にエンジン回転速度が予め設定されたエンジン回転速度に対する燃料供給量の関係たとえば燃料供給量抑制領域にあるときにエンジンへの燃料供給を抑制する燃料供給量抑制手段を備えた車両の制御装置に関し、特に、その燃料供給量抑制手段によるエンジンへの燃料供給の抑制作動をより多く実行させるために自動変速機をダウンシフトさせるようにした車両において、上記燃料供給量抑制領域が変更される場合に一層燃費を向上させる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両の減速走行中に燃費を向上させる目的でエンジンへの燃料供給量を抑制たとえばフューエルカットなどを行う燃料供給量抑制装置が備えられた車両が知られている。たとえば、特許文献1に示すように減速走行中にエンジンへの燃料供給の停止すなわちフューエルカットを行うフューエルカット領域が所定のエンジン回転速度たとえばフューエルカット開始回転速度とフューエルカット復帰回転速度(フューエルカット停止のための燃料供給復帰判定回転速度)で設定されており、アクセルオフとなったときに燃費向上のためにエンジン回転速度がフューエルカット復帰回転速度以上となる期間を長くするために、またエンジン回転速度がそのフューエルカット開始回転速度以下である場合にはエンジンへのフューエルカットが実行される領域へすなわちフューエルカット開始回転速度以上の領域へ上昇されるように、積極的にダウンシフトが実行されるようにした技術が提案されている。また、エンジンがその再起動に際して安定した滑らかな回転速度に維持されるには、アイドル回転速度に対して燃料供給の再開時のエンジン回転速度にある程度の余裕が必要であることから、上記フューエルカット復帰回転速度は、その余裕分を持つように設定されているので、たとえば特許文献2に示すように、回転駆動装置たとえば電動機によって再始動時のエンジンの回転駆動を補助できる場合には上記フューエルカット領域がより低回転速度側に変更されて燃費を向上させるようにした技術が提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特許3201153号公報
【特許文献2】
特開2001−82204号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1のように、燃費向上を目的として高車速時においてエンジン回転速度をフューエルカット開始回転速度以上へ上昇させるために積極的にダウンシフトが実行されるようにすると、低車速側での変速に比較して変速ショックがより発生してドライバビリティーが悪化する可能性があった。上記特許文献2のように、さらなる燃費向上のためにエンジンへの上記フューエルカット領域がより低回転速度側に変更される場合は、予め設定された自動変速機の変速に用いられる変速点によっては、上記同様に自動変速機のダウンシフトが高車速側で実行されて低車速側での変速に比較して変速ショックがより発生してドライバビリティーが悪化する可能性があった。
【0005】
また、燃費向上を目的としたエンジンへの燃料供給量の抑制手段として上述したフューエルカット領域を設定することに替えて、減速走行中のアクセル開度或いはスロットル開度全閉時にエンジン回転速度に対するエンジンへの燃料供給量が予め設定された関係たとえば燃料低減線に基づいてエンジンへの燃料供給量を低減制御する場合がある。この燃料低減線は、エンジン回転速度がアイドル回転速度より高回転側に設定された所定のエンジン回転速度以上ではエンジンへの燃料供給が停止され、またエンジン回転速度がその所定のエンジン回転速度より低下するとアイドル回転速度への低下に従ってそのアイドル回転速度での燃料供給量となるようにエンジンへの燃料供給量が漸増されるように設定されている。したがって、上記特許文献1と同様に燃費向上を目的として高車速時においてエンジン回転速度を上記所定のエンジン回転速度以上へ上昇させるために積極的にダウンシフトが実行されたり、また上記特許文献2と同様に、燃料供給量がさらに低減されるためにその所定のエンジン回転速度を低回転速度側に変更するようにして上記燃料低減線の設定が変更されても予め設定された自動変速機の変速に用いられる変速点によっては自動変速機のダウンシフトが高車速側で実行されて、低車速側での変速に比較して変速ショックがより発生してドライバビリティーが悪化する可能性があった。
【0006】
このように、車両の減速走行中に燃費を向上させる目的でエンジンへの燃料供給量を抑制するために燃料供給量抑制領域たとえばフューエルカット領域或いは燃料低減線を設定している場合に、さらなる燃費向上のために積極的に自動変速機のダウンシフトが高車速側で実行されると低車速側での変速に比較して変速ショックがより発生してドライバビリティーが悪化する可能性があった。
【0007】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、燃料の燃焼により作動するエンジンと自動変速機と車両の減速走行中にアクセル開度或いはスロットル開度が所定の抑制状態と判定されると、エンジン回転速度が予め設定されたエンジン回転速度に対する燃料供給量の関係たとえば燃料供給量抑制領域にあるときにそのエンジンへの燃料供給を抑制する燃料供給量抑制手段とを備えた車両の制御装置において、特に、燃費向上を目的として燃料供給量抑制期間を拡大するためにその燃料供給量抑制領域を変更するようにした場合、その変更された燃料供給量抑制領域に応じて自動変速機の変速が実行されて燃費およびドライバビリティーが一層向上する車両の変速制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、(a) 燃料の燃焼により作動するエンジンと、自動変速機とを備えた車両の変速制御装置であって、(b) 車両の減速走行中にアクセル開度或いはスロットル開度が所定の抑制状態と判定されると、予め設定されたエンジン回転速度に対する燃料供給量の関係に基づいて前記エンジンへの燃料供給を抑制する燃料供給量抑制手段と、(c) そのエンジン回転速度に対する燃料供給量の関係を変更する燃料供給設定量変更手段と、(d) 予め設定された変速点に基づいて前記自動変速機の変速を実行する変速制御手段と、(e) 前記燃料供給設定量変更手段による前記エンジン回転速度に対する燃料供給量の関係の変更に応じてアクセル開度或いはスロットル開度が所定の抑制状態と判定されるときの前記変速点を変更する変速点変更手段とを、含むことにある。
【0009】
【発明の効果】
このようにすれば、車両の減速走行中にアクセル開度或いはスロットル開度が所定の抑制状態と判定されたときに、燃料供給量抑制手段によるエンジンへの燃料供給の抑制が実行されるための予め設定されたエンジン回転速度に対する燃料供給量の関係たとえば燃料供給量抑制領域が燃料供給設定量変更手段によって変更されると、変速制御手段による自動変速機の変速が実行されるための予め設定された変速点が、そのエンジン回転速度に対する燃料供給量の関係の変更に応じて変速点変更手段によって変更されるので、そのエンジン回転速度に対する燃料供給量の関係の変更とその変速点の変更による自動変速機の変速のタイミングが整合され、燃費およびドライバビリティーが一層向上する。
【0010】
【発明の他の態様】
ここで、好適には、(a) 前記エンジン回転速度に対する燃料供給量の関係は、そのエンジン回転速度が予め定められた復帰回転速度より高いときに前記燃料供給量抑制手段によって前記エンジンへの燃料供給を停止させるためのフューエルカット領域を含むものであり、(b) 前記変速点変更手段は、前記燃料供給設定量変更手段によるそのフューエルカット領域の変更に応じてアクセル開度或いはスロットル開度が所定の抑制状態と判定されるときの前記変速点を変更するものである。このようにすれば、燃料供給量抑制手段にエンジンへの燃料供給を停止させるためのフューエルカット領域が燃料供給設定量変更手段によって変更されると、変速制御手段によって自動変速機の変速を実行するための予め設定された変速点が、そのフューエルカット領域の変更に応じて変速点変更手段によって変更されるので、そのフューエルカット領域の変更とその変速点の変更による自動変速機の変速のタイミングが整合され、燃費およびドライバビリティーが一層向上する。
【0011】
また、好適には、(a) 前記エンジンに作動的に連結される回転駆動装置と、そのエンジンが燃料供給の再開によって滑らかに再起動するために、その回転駆動装置を作動させて前記エンジンの回転駆動を補助する駆動アシスト手段と、その駆動アシスト手段によって前記回転駆動装置が作動されて前記エンジンの回転駆動の補助が可能か否かを判定する駆動アシスト可否判定手段とを備え、(b) 前記燃料供給設定量変更手段は、その駆動アシスト可否判定手段による判定結果に応じて前記フューエルカット領域を変更するものである。このようにすれば、駆動アシスト可否判定手段によって駆動アシスト手段による回転駆動装置の作動でエンジンの回転駆動の補助が可能か否かが判定され、燃料供給設定量変更手段によってその判定結果に応じてフューエルカット領域が変更されるので、たとえば回転駆動装置によるエンジンの回転駆動の補助が可能である場合にはフューエルカット領域がエンジン回転速度が低回転速度側に好適に変更される。
【0012】
また、好適には、前記変速点変更手段は、前記燃料供給設定量変更手段によって前記フューエルカット領域が前記エンジン回転速度の高回転速度側に変更されると、前記変速点を高車速側に変更するものである。このようにすれば、エンジン回転速度が高回転側に設定されたフューエルカット領域により長く維持されるように自動変速機のダウンシフトが実行されるので燃費が向上する。
【0013】
また、好適には、前記変速制御手段は、前記燃料供給量抑制手段による前記エンジンへの燃料供給の停止中に、前記駆動アシスト可否判定手段によって前記駆動アシスト手段による前記エンジンの回転駆動の補助が可能でないと判定されると、その燃料供給量抑制手段によるそのエンジンへの燃料供給の停止が中止されて燃料供給が再開されるまでは、前記自動変速機をアップシフトしないものである。このようにすれば、エンジンへの燃料供給が再開される前に自動変速機がアップシフトされてエンジン回転速度が低下してエンジンが再起動されない可能性が解消される。
【0014】
また、好適には、(a) 前記エンジン回転速度に対する燃料供給量の関係は、その燃料供給量抑制手段によって前記エンジンへの燃料供給を低減制御させるための前記エンジン回転速度に対する燃料供給量を予め設定した燃料低減線であり、(b) 前記変速点変更手段は、前記燃料供給設定量変更手段によるその燃料低減線の変更に応じてアクセル開度或いはスロットル開度が所定の抑制状態と判定されるときの前記変速点を変更するものである。このようにすれば、燃料供給量抑制手段によってエンジンへの燃料供給が低減制御されるためのエンジン回転速度に対する燃料供給量を予め設定した燃料低減線が燃料供給設定量変更手段によって変更されると、変速制御手段による自動変速機の変速を実行するための予め設定された変速点が、その燃料低減線の変更に応じて変速点変更手段によって変更されるので、その燃料低減線の変更とその変速点の変更による自動変速機の変速のタイミングが整合され、燃費およびドライバビリティーが一層向上する。
【0015】
また、好適には、(a) 前記エンジンに作動的に連結される回転駆動装置と、そのエンジンが燃料供給の再開によって滑らかに再起動するために、その回転駆動装置を作動させて前記エンジンの回転駆動を補助する駆動アシスト手段と、その駆動アシスト手段によって前記回転駆動装置が作動されて前記エンジンの回転駆動の補助が可能か否かを判定する駆動アシスト可否判定手段とを備え、(b) 前記燃料供給設定量変更手段は、その駆動アシスト可否判定手段による判定結果に応じて前記燃料低減線を変更するものである。このようにすれば、駆動アシスト可否判定手段によって駆動アシスト手段による回転駆動装置の作動でエンジンの回転駆動の補助が可能か否かが判定され、燃料供給設定量変更手段によってその判定結果に応じて燃料低減線が変更されるので、たとえば回転駆動装置によるエンジンの回転駆動の補助が可能である場合には燃料低減線がエンジン回転速度が低回転速度側すなわち燃料供給量が低減される側に好適に変更される。
【0016】
また、好適には、前記変速点変更手段は、前記燃料供給設定量変更手段によって前記燃料低減線が前記エンジン回転速度に対する燃料供給量が低減する側に変更されると、前記変速点を低車速側に変更するものである。このようにすれば、自動変速機のダウンシフトが低車速側で実行されて変速ショックが抑制されドライバビリティーが向上される。
【0017】
また、好適には、変速制御手段は、前記燃料供給量抑制手段による前記エンジンへの燃料供給の低減制御中に、前記駆動アシスト可否判定手段によって前記駆動アシスト手段による前記エンジンの回転駆動の補助が可能でないと判定されると、その燃料供給量抑制手段によるそのエンジンへの燃料供給の低減制御が中止されて燃料供給が再開されるまでは、前記自動変速機をアップシフトしないものである。このようにすれば、エンジンへの燃料供給が再開される前に自動変速機がアップシフトされてエンジン回転速度が低下してエンジンが再起動されない可能性が解消される。
【0018】
【発明の好適な実施の形態】
以下、本発明の第1の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明が適用されたハイブリッド車両の動力伝達装置8の構成を説明する骨子図である。図1において、たとえば内燃機関にて構成されている走行用駆動力源としてのエンジン10の出力は、入力クラッチ12、流体伝動装置としてのトルクコンバータ14を経て自動変速機16に入力され、図示しない差動歯車装置および車軸を介して駆動輪へ伝達されるようになっている。上記入力クラッチ12とトルクコンバータ14との間には、回転機として電動モータおよび発電機として機能する第1モータジェネレータMG1が配設されている。上記トルクコンバータ14は、入力クラッチ12に連結されたポンプ翼車20と、自動変速機16の入力軸22に連結されたタービン翼車24と、それらポンプ翼車20およびタービン翼車24の間を直結するためのロックアップクラッチ26と、一方向クラッチ28によって一方向の回転が阻止されているステータ翼車30とを備えている。上記ロックアップクラッチ26は、係合側油室25内の油圧と解放側油室27内の油圧との差圧ΔPにより摩擦係合させられる油圧式摩擦クラッチであり、それが完全係合させられることにより、ポンプ翼車20およびタービン翼車24は一体回転させられる。また、所定のスリップ状態で係合するように差圧ΔPすなわち係合トルクがフィードバック制御されることにより、車両の駆動(パワーオン)時には例えば50rpm程度の所定の目標スリップ量でタービン翼車24をポンプ翼車20に対して追従回転させる一方、車両の非駆動(パワーオフ)時には例えば−50rpm程度の所定の目標スリップ量でポンプ翼車20をタービン翼車24に対して追従回転させられる。
【0020】
上記自動変速機16は、ハイおよびローの2段の切り換えを行う第1変速部32と、後進変速段および前進4段の切り換えが可能な第2変速部34とを備えている。第1変速部32は、サンギヤS0、リングギヤR0、およびキャリアK0に回転可能に支持されてそれらサンギヤS0およびリングギヤR0に噛み合わされている遊星ギヤP0から成るHL遊星歯車装置36と、サンギヤS0とキャリアK0との間に設けられたクラッチC0および一方向クラッチF0と、サンギヤS0およびハウジング38間に設けられたブレーキB0とを備えている。
【0021】
第2変速部34は、サンギヤS1、リングギヤR1、およびキャリアK1に回転可能に支持されてそれらサンギヤS1およびリングギヤR1に噛み合わされている遊星ギヤP1から成る第1遊星歯車装置40と、サンギヤS2、リングギヤR2、およびキャリアK2に回転可能に支持されてそれらサンギヤS2およびリングギヤR2に噛み合わされている遊星ギヤP2から成る第2遊星歯車装置42と、サンギヤS3、リングギヤR3、およびキャリアK3に回転可能に支持されてそれらサンギヤS3およびリングギヤR3に噛み合わされている遊星ギヤP3から成る第3遊星歯車装置44とを備えている。
【0022】
上記サンギヤS1とサンギヤS2は互いに一体的に連結され、リングギヤR1とキャリアK2とキャリアK3とが一体的に連結され、そのキャリアK3は出力軸46に連結されている。また、リングギヤR2がサンギヤS3および中間軸48に一体的に連結されている。そして、リングギヤR0と中間軸48との間にクラッチC1が設けられ、サンギヤS1およびサンギヤS2とリングギヤR0との間にクラッチC2が設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤS2の回転を止めるためのバンド式のブレーキB1がハウジング38に設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤS2とハウジング38との間には、一方向クラッチF1およびブレーキB2が直列に設けられている。この一方向クラッチF1は、サンギヤS1およびサンギヤS2が入力軸22と反対の方向へ逆回転しようとする際に係合させられるように構成されている。
【0023】
キャリアK1とハウジング38との間にはブレーキB3が設けられており、リングギヤR3とハウジング38との間には、ブレーキB4と一方向クラッチF2とが並列に設けられている。この一方向クラッチF2は、リングギヤR3が逆回転しようとする際に係合させられるように構成されている。
【0024】
以上のように構成された自動変速機16では、例えば図2に示す作動表に従って後進1段および変速比γ(入力軸22の回転速度NIN/出力軸46の回転速 度NOUT) が順次小さくなる前進5段(1st〜5th)の変速段のいずれかに切り換えられる。図2において「○」は係合で、空欄は解放を表し、「◎」はエンジンブレーキや第1モータジェネレータMG1の回生制動による駆動力源ブレーキ時の係合を表し、「△」は動力伝達に関与しない係合を表している。前記クラッチC0〜C2、およびブレーキB0〜B4は何れも油圧アクチュエータによって係合させられる油圧式の摩擦係合装置である。この図2から明らかなように、第2速ギヤ段と第3速ギヤ段との間は、ブレーキB2およびブレーキB3の一方が解放させられると同時に他方が係合させられることにより達成される所謂クラッチツウクラッチ変速である。
【0025】
図3は図1に示したハイブリッド車両の動力伝達装置の構成を概略示す図である。図3に示すように、前記エンジン10の吸気配管50および排気管52には、排気タービン式過給機54が設けられており、排気管52には、ウェイストゲート弁56を有するバイパス通路58が並列に設けられて、そのバイパス通路58を流通する排気ガスの流量を制御することにより、タービン回転を変化させて吸気配管50内の過給圧を調節できるようになっている。吸気配管50には、スロットルアクチュエータ60によって開閉制御される電子スロットル弁62が設けられている。電子スロットル弁62は、基本的には図7に示すように運転者の出力要求量を表すアクセル開度ACCに対応する開度θTHとなるように制御される。
【0026】
また、エンジン10では、図4に示すような、各気筒にそれぞれ設けられている吸気弁74および排気弁75が、その開閉時期、開閉期間、リフト量などが後述の電子制御装置からの指令に従って電気的に制御される開閉制御弁すなわち電磁駆動弁から構成されている。エンジン10は、吸気弁74および排気弁75とそれ等を開閉駆動する電気的アクチュエータである電磁アクチュエータ76および77とを含む可変動弁機構78と、クランク軸79の回転角を検出するクランク軸回転角センサ80からの信号に従って上記吸気弁74および排気弁75の開閉タイミングやリフト量、作動角(開閉速度)を制御する弁駆動制御装置81とを備えている。この弁駆動制御装置81は、エンジン負荷に応じて開閉タイミングなどを最適時期に変更するだけでなく、運転サイクル切換え指令に従ってエンジン10を4サイクル運転させるための時期および2サイクル運転させるための時期となるように制御する。また、吸気弁74および排気弁75の作動タイミングを変更したり、作動気筒数を変更したりすることにより、エンジン自身でエンジン回転速度NEを制御することが可能であり、例えば吸気弁74を閉じたまま排気弁75を通常の制御に従って開閉することにより、ピストンの圧縮仕事で回転抵抗を発生させて回転エネルギーを消費させることによりエンジン回転速度NEを強制的に速やかに低下させることができるとともに、吸気弁74の開度を制御してエンジン回転速度NEの変化率を調整することができる。上記電磁アクチュエータ76および77は、たとえば図5に示すように、吸気弁74または排気弁75に連結されてその吸気弁74または排気弁75の軸心方向に移動可能に支持された磁性体製の円盤状の可動部材82と、その可動部材82を択一的に吸着するためにそれを挟む位置に設けられた一対の電磁石84、85と、可動部材82をその中立位置に向かって付勢する一対のスプリング86、87とを備えている。吸気弁74および排気弁75は、電気的に開閉制御可能な電動開閉弁に相当する。
【0027】
前記第1モータジェネレータMG1はエンジン10に作動的に連結されるようにエンジン10と自動変速機16との間に配置されて、入力クラッチ12はエンジン10と第1モータジェネレータMG1との間に配置されている。上記自動変速機16の各油圧式摩擦係合装置およびロックアップクラッチ26は、電動油圧ポンプ64或いは駆動切換オイルポンプクラッチ69を介してエンジン10に機械的に連結されてそれにより直接回転駆動される機械式オイルポンプ68から発生する油圧を元圧とする油圧制御回路66により制御されるようになっている。
上記元圧すなわちライン圧は、上記自動変速機16の各油圧式摩擦係合装置を係合するために用いられる最大係合圧となるものである。また、エンジン10には回転機として電動モータ或いは発電機として機能する第2モータジェネレータMG2が作動的に連結されている。また、第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2は、その作動によってエンジン10の回転駆動を補助する回転駆動装置としても機能している。そして、第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2の電源として機能する燃料電池70および二次電池71と、それ等から第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2へ供給される電流を制御したり或いは充電のために二次電池71へ供給される電流を制御するための電源切換スイッチ72および73とが設けられている。この電源切換スイッチ72および73は、スイッチ機能を有する装置を示すものであって、例えばインバータ機能などを有する半導体スイッチング素子などから構成され得るものである。
【0028】
図6は、本実施例の動力伝達装置8のための制御系統を説明するブロック線図である。図6において、電子制御装置90に入力される信号およびその電子制御装置90から出力される信号を例示したものである。たとえば、電子制御装置90には、アクセル開度センサにより検出されたアクセルペダルの操作量であるアクセル開度ACCを表すアクセル開度信号、スロットル弁開度センサにより検出されたスロットル弁62の開度θTHを表すスロットル開度信号、出力軸回転速度センサ47により検出された出力軸46の回転速度NOUTすなわち車速Vに対応する車速信号、タービン回転速度センサ91により検出されたタービン回転速度NT(=入力軸22の回転速度NIN)を表す信号、エンジン回転速度センサにより検出されたエンジン回転速度NEを表す信号、吸気配管50内の過給圧Paを表す信号、空燃比A/Fを表す信号、シフトレバー92の操作位置PSHを表す信号、変速機16の作動油温度すなわちAT油温TOILなどが図示しないセンサから供給されている。また、電子制御装置90からは、アクセル開度ACCに応じた大きさのスロットル開度θTHとするためのスロットルアクチュエータ60を駆動する信号、燃料噴射弁からエンジン10の気筒内へ噴射される燃料の量を制御するための噴射信号、自動変速機16のギヤ段を切り換えるために油圧制御回路66内のシフト弁を駆動するシフトソレノイドを制御する信号S1、S2、S3、ロックアップクラッチ26の係合、解放、スリップ量、ブレーキB3の直接制御、およびクラッチツウクラッチ変速を制御するリニヤソレノイド弁SLUを駆動するための指令信号DSLU、ロックアップクラッチ26の係合、解放、スリップ量を制御するリニヤソレノイド弁SLTを駆動するための指令信号DSLT、アキュム背圧を制御するためのリニヤソレノイド弁SLNを駆動する指令値信号DSLNをそれぞれ出力させる。
【0029】
上記電子制御装置90は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェースなどから成る所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、基本的にはたとえば図7に示す予め記憶された関係から実際のアクセルペダル操作量に対応するアクセル開度ACC(%)に基づいてスロットル開度θTH(%)を制御するスロットル開度制御、自動変速機16のギヤ段を自動的に切り換える変速制御、ロックアップクラッチ26の係合、解放、或いはスリップを実行するロックアップクラッチ制御、過給圧制御、空燃比制御、気筒選択切換制御、運転サイクル切換制御などを実行する。たとえば、上記変速制御では、たとえば図8に示す予め記憶された関係すなわち変速線図から実際のアクセル開度ACC(%)またはスロットル開度θTH(%)と車速V(km/h)とに基づいて自動変速機16の変速段を決定し、この決定された変速段および係合状態が得られるように油圧制御回路66の電磁弁S1、S2、S3を駆動し、エンジンブレーキを発生させる際には電磁弁S4を駆動する。上記図8の変速線図における変速線は、実際のアクセル開度ACC(%)またはスロットル開度θTH(%)を示す横線上において実際の車速Vが線を横切ったか否かすなわち変速線上の変速を実行すべき値(変速点車速)VSを越えたか否かを判断するためのものであり、上記値VSすなわち変速点車速の連なりとして予め記憶されていることにもなる。この変速制御の過程では、自動変速機16の入力トルクTINを推定し、変速に関与する油圧式摩擦係合装置の係合圧またはその元圧であるライン圧をその入力トルクTINに応じた大きさに制御する。
【0030】
また、上記ロックアップクラッチ制御では、加速走行時のトルクコンバータ14などの回転損失を低減するために、たとえば図9に示す予め記憶されたロックアップ領域線図から実際の車両走行状態を表す車速V(出力側回転速度NOUTに対応)と運転者の要求出力量を表すアクセル開度ACCまたはスロットル開度θTH(%)とに基づいて、係合領域、解放領域、スリップ領域のいずれの領域に属するかを判定し、その判定された領域の作動となるように前記油圧制御回路66内のロックアップコントロールソレノイドを制御してロックアップクラッチ26を係合、解放、或いはスリップのいずれかの状態とする制御を実行する。上記図9のロックアップ領域線図におけるロックアップ領域線は、実際のアクセル開度ACC(%)またはスロットル開度θTH(%)を示す横線上において実際の車速Vが線を横切ったか否かすなわちロックアップ領域線のロックアップクラッチの作動の切換えを実行すべき値すなわちロックアップ作動点を越えたか否かを判断するためのものであり、上記ロックアップ作動点の連なりとして予め記憶されていることにもなる。そのスリップ領域では、運転性を損なうことなく燃費を可及的に良くすることを目的として前記エンジン10の回転変動を吸収しつつ前記トルクコンバータ14の動力伝達損失を可及的に抑制するために、ロックアップクラッチ26のスリップ制御を実行する。ロックアップクラッチ26のスリップ制御については、タービン回転速度NTとエンジン回転速度NEとの回転速度差(スリップ量)NSLP(=NE−NT)を目標回転速度差(目標スリップ量)NSLP *に制御するためにロックアップクラッチ26の前記差圧ΔPを制御するソレノイド弁SLU用の駆動信号SSLUを出力する。このスリップ制御のうちの減速走行時スリップ制御は、たとえば、スロットル弁開度θTHが略零で惰性走行(減速走行)する前進走行時において生じる駆動輪側からの逆入力をエンジン10側へ伝達する変速段、すなわちエンジンブレーキ作用が得られる変速段で行われ、タービン回転速度NTおよびエンジン回転速度NEは、ソレノイド弁SLU用の駆動信号SSLUを用いたフィードバック制御により回転速度差NSLPが目標回転速度差NSLP *たとえば−50乃至−100rpmとされた状態で車両の減速にしたがって緩やかに減少させられる。このようにロックアップクラッチ26がスリップ係合させられると、エンジン回転速度NEがタービン回転速度NT付近まで引き上げられるため、エンジン10に対する燃料供給量を抑制する制御状態がさらに長い期間維持されて燃費が向上する。
【0031】
図10において、前記シフトレバー92を備えたシフト操作装置94は例えば運転席の横に配設されており、そのシフトレバー92は、自動変速機16の出力軸46をロックするための駐車位置P、後進走行のための後進走行位置R、自動変速機16内の動力伝達経路が遮断された中立状態とする中立位置N、自動変速モードで第1速ギヤ段乃至第5速ギヤ段の範囲で自動変速される前進走行位置D(最高速レンジ位置)、第1速ギヤ段乃至第4速ギヤ段の範囲で自動変速され且つ各ギヤ段でエンジンブレーキが作用させられる第4エンジンブレーキ走行位置4、第1速ギヤ段乃至第3速ギヤ段の範囲で自動変速され且つ各ギヤ段でエンジンブレーキが作用させられる第3エンジンブレーキ走行位置3、第1速ギヤ段乃至第2速ギヤ段の範囲で自動変速され且つ各ギヤ段においてエンジンブレーキが作用させられる第2エンジンブレーキ走行位置2、第1速ギヤ段で走行させられ且つエンジンブレーキが作用させられる第1エンジンブレーキ走行位置Lへそれぞれ操作可能に設けられている。上記シフト操作装置94には、シフトレバー92の各操作位置を検出するための図示しないスイッチが備えられており、そのシフトレバー92の操作位置PSHを表す信号を電子制御装置90へ出力する。上記シフト操作装置94には、スポーツ走行などのためのマニアル変速モードへ切り換えるためのモード切換スイッチ96が設けられている。このモード切換スイッチ96によってマニアル変速モードが選択されると、図示しないステアリングホイールに設けられた手動変速操作釦が有効化される。
【0032】
図11は、前記電子制御装置90が備えている制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図において開度検出手段126は、アクセル開度センサによりアクセルペダル操作量であるアクセル開度Accを表すアクセル開度信号或いはスロットル弁開度センサによりスロットル開度θTHを表すスロットル開度信号を検出する。たとえば、アクセル開度Acc或いはスロットル開度θTH(以下、アクセル開度Accと表す)が零である全閉すなわちアクセルオフ或いはスロットルオフ(以下、アクセルオフと表す)は、アクセル開度Acc或いはスロットル開度θTHが全閉と判定される値となったときであり、たとえば全閉スイッチがオンとなったときに判定される。また、アクセルペダルが操作される状態すなわちアクセルオンは、たとえば上記全閉スイッチがオフとなったときに判定される。
【0033】
燃料供給量抑制手段102としてのフューエルカット制御手段104は、エンジン回転速度NEやアクセル開度Accなどに基づいてエンジン10への燃料供給の必要がないか否かを判断して燃費を向上させるために、フューエルカット作動のための停止指令Cすなわちエンジン10への燃料供給の停止指令Cを燃料供給量抑制装置100に出力する。図12は、フューエルカット制御手段104によるフューエルカット作動の一例を説明するタイムチャートである。たとえば、前記開度検出手段126によってアクセル開度Accが所定の抑制状態と判定された減速走行時にエンジン回転速度NEが予め決められた所定値、たとえば1400rpmに設定されたフューエルカット開始回転速度NEKを越え且つエンジン回転速度NEが低下に向かっている場合に、フューエルカット作動が開始されるようにエンジン10への燃料供給の停止指令Cを出力する(図12のt1時点)。上記所定の抑制状態とは、たとえばアクセルオフであったり略全閉であったり或いはアクセル開度Accが2〜3%程度以下であったり或いはアクセル開度Accが微開であったりする状態のことである。その後、減速走行と共にエンジン回転速度NEが予め決められた所定値、たとえば1000rpmに設定されたフューエルカット復帰回転速度NEF以下となるとフューエルカット作動が終了するようにエンジン10への燃料供給の停止指令Cの出力を中止する(図12のt2時点)。フューエルカット状態が解除させられると、燃料供給が再開されてエンジン10が速やかに起動される。なお、ロックアップクラッチ26は少なくともフューエルカット作動中は、エンジン回転速度が急低下されないように前述のロックアップクラッチ制御によりロックアップクラッチ26の係合力を増加させる方向への係合状態の切換えが行われる。図13は、エンジン水温に基づいて予め設定されているフューエルカット開始回転速度NEKとフューエルカット復帰回転速度NEFとを示している。この関係では、エンジン水温が低温時には高温時に比較してエンジン10の暖気運転等が必要であるので、フューエルカット開始回転速度NEKおよびフューエルカット復帰回転速度NEFは低水温となるほどそれぞれ高回転となるように設定されている。また、フューエルカット開始回転速度NEKおよびフューエルカット復帰回転速度NEFは、エンジン水温が通常運転時の水温以上となる暖機後にはそれぞれ一定となるように設定されている。また、上記フューエルカット制御手段104はエンジン10がフューエルカット作動が可能な状態であるか否かを判断する。たとえば、エンジン10が暖気運転前であったり、エンジン10の排気ガス中の有害成分を低減するための触媒の劣化防止のためにフューエルカット作動が実行されない状態であるかを判断してフューエルカット作動が可能な状態であるか否かを判断する。
【0034】
駆動アシスト手段122は、回転駆動装置としての第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2を作動させて、エンジン10の回転駆動を補助する。上記フューエルカット復帰回転速度NEFは、たとえばエンジン10はその再起動に際して安定した滑らかなエンジン回転速度NEたとえば滑らかに自律回転することのできるエンジン回転速度NEたとえばアイドル回転速度NEIDLに維持されるには、そのアイドル回転速度NEIDLに対して燃料供給の再開時のエンジン回転速度NEにある程度の余裕が必要であることから、その余裕分を持つように設定されている。そこで、駆動アシスト手段122は、このフューエルカット復帰回転速度NEFをフューエルカット開始回転速度NEKと共に一層低回転速度側に設定してフューエルカット領域を拡大すなわちフューエルカット作動期間を長くして燃費を向上させるために、エンジン10のより低回転での燃料供給の再開でも再起動可能となるように第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2を作動させてエンジン10の回転駆動を補助する。
【0035】
駆動アシスト可否判定手段124は、上記駆動アシスト手段122によるエンジン10の回転駆動を補助するための第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能か否かを判定する。たとえば、燃料電池70および二次電池71が第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2に充分な電力を供給する電源として機能できるか否かを、たとえば燃料電池70の電圧或いは二次電池71の充電状態が所定の基準値以上であるか否か、または燃料電池70および二次電池71の温度が所定の基準温度以上であるか否かによって判定する。
【0036】
燃料供給設定量変更手段108としてのフューエルカット領域変更手段110は、前記駆動アシスト可否判定手段124によって前記駆動アシスト手段122による第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能か否かの判定結果に応じて、上記フューエルカット制御手段104によるフューエルカット作動を実行させるためのエンジン回転速度NEの領域、すなわちフューエルカット開始回転速度NEKとフューエルカット復帰回転速度NEFとで設定されているフューエルカット領域を変更する。すなわち、エンジン10の回転駆動を補助するための第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能でない場合には、フューエルカット領域をその第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2が備えられてない場合の設定値であるフューエルカット開始回転速度NEKおよび復帰回転速度NEFたとえば1400および1000rpmとする。また、上記第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能である場合には、上記可能でない場合に比較してより低いエンジン回転速度NEでもエンジン10の再起動が可能であるので、フューエルカット領域をより低い設定値であるフューエルカット開始回転速度NEKおよび復帰回転速度NEFたとえば650および550rpmとする。
【0037】
変速制御手段114は、たとえば図8に示す予め記憶された変速線図から実際の車速Vおよびスロットル弁開度θTH(エンジン負荷)に基づいて自動変速機16の変速段を決定する。この変速制御手段114は、アクセル開度ACCまたはスロットル開度θTHの全閉時にはたとえば図14(a)に示すアクセルオフ時の変速点である点a或いは点bに従って自動変速機16の変速を実行する。これにより、たとえばアクセルオフされた減速走行時には車速Vが変速点である点aすなわち車速Va以下となると燃費向上を目的として、フューエルカット制御手段104によるフューエルカット作動が実行されるようにエンジン回転速度NEをフューエルカット開始回転速度NEK以上とする、或いはフューエルカット制御手段104によるフューエルカット作動がより長い期間継続されるようにエンジン回転速度NEをフューエルカット復帰回転速度NEF以上に維持するために、自動変速機16のダウンシフトを実行してエンジン回転速度を上昇させる。上記図14(a)は、たとえば図8の変速線図のアクセルオフとなる付近の一部分を抜き出したもので、たとえば2→3アップシフトおよび3→2ダウンシフトを示すものであり、実線に示すアップシフト線と破線に示すダウンシフト線とで示されている。また、積極的にダウンシフトが実行されるようにアクセルオフでの変速点は低アクセル開度部分すなわちアクセル開度ACCの零付近でアクセル開度ACCの零でない部分での変速点に比較して高車速側となるように設定されている。
【0038】
変速点変更手段118は上記変速制御手段114による自動変速機16の変速に用いられるアクセル開度Accが所定の抑制状態たとえばアクセルオフ時の変速点を、前記フューエルカット領域変更手段110によるフューエルカット開始回転速度NEKとフューエルカット復帰回転速度NEFとで設定されているフューエルカット領域が変更された結果に応じて変更する。たとえば、フューエルカット領域変更手段110によってフューエルカット領域がエンジン回転速度の低回転速側に変更されると、変速点をより低車速側に設定するように変更する。これは、フューエルカット作動がよりエンジン低回転側まで実行されるように設定された場合には、それに応じてより低車速側で燃費向上を目的としたエンジン回転速度を上昇させるための自動変速機16のダウンシフトが実行されるようにすれば、高車速でのダウンシフトに比較して変速ショックが低減されるためである。たとえばフューエルカット領域が第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能でない場合の設定値たとえば1400および1000rpmであれば変速点を図14(a)に示す点aおよび点bに設定して、また第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能である場合の設定値たとえば650および550rpmであれば変速点を図14(a)に示す点aおよび点bよりも所定値低速側に設定されている図14(b)に示す点a’および点b’に設定する。この結果、変速点が図14(b)の点a’および点b’に変更されると、車速Vが点a’すなわちVa’以下となったときにダウンシフトが実行されることになり、変速点が図14(a)の点aおよび点bに設定された場合に比較して自動変速機16のダウンシフトがより低車速側で実行されて変速ショックが低減される。
【0039】
ダウンシフト要否判定手段120は、アクセルオフとされた減速走行中に上記変速点変更手段118によって変更設定された変速点に従ってフューエルカット作動のために変速制御手段114による自動変速機16のダウンシフトが必要であるか否かを判定する。たとえば図14の変速線図に基づいてアクセル開度が全閉状態にされたことに伴って、実際のアクセル開度および車速によって定められる車両走行状態を示す点が点a或いは点a’以下となって自動変速機16のダウンシフトが必要であるか否かを判定する。前記変速制御手段114は、上記ダウンシフト要否判定手段120によって自動変速機16のダウンシフトが必要であると判定されると自動変速機16のダウンシフトを実行する。
【0040】
エンジン回転速度判定手段128は、エンジン回転速度センサにより検出された現在のエンジン回転速度NEが、第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能でない場合に用いられるフューエルカット領域変更手段110により設定されたフューエルカット復帰回転速度NEFたとえば1000rpmよりも低いか否かを判定する。
【0041】
図15は、第1の実施例である前記電子制御装置90の制御作動の要部すなわちアクセルオフの車両の減速走行時にフューエルカット作動のためのフューエルカット領域の変更に応じて変速点が変更されるようにした自動変速機16の変速制御作動を説明するフローチャートであり、また図16はその変速制御作動を説明するタイムチャートである。図15において、前記開度検出手段126に対応するステップ(以下、ステップを省略する)SA1において、アクセルオンからアクセルオフにされたか否かがたとえばアクセル開度ACCが全閉と判定される値たとえば全閉スイッチがオンとなったか否かによって判定される。このSA1の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合は前記駆動アシスト可否判定手段124に対応するSA2において、フューエルカット領域をエンジン低回転速度側に設定するために前記駆動アシスト手段122によるエンジン10の回転駆動を補助するための第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能か否かが、たとえば、燃料電池70および二次電池71が第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2に充分な電力を供給する電源として機能できるか否かによって判定される。
【0042】
このSA2の判断が肯定される場合は前記燃料供給設定量変更手段108としての前記フューエルカット領域変更手段110に対応するSA3において、フューエルカット領域がエンジン低回転速度側たとえばフューエルカット開始回転速度NEKおよび復帰回転速度NEFがたとえば650および550rpmに設定される。そして、変速点変更手段118に対応するSA4において、上記SA3でフューエルカット領域がエンジン回転速度の低回転速側に変更されたので、変速点もその変更結果に応じて低車速側に変更設定される。たとえば、変速点が図14(a)に示す点aおよび点bよりも所定値低速側に設定されている図14(b)に示す点a’および点b’に設定される。同様に、上記SA2の判断が否定される場合は前記燃料供給設定量変更手段108としての前記フューエルカット領域変更手段110に対応するSA10において、フューエルカット領域がエンジン回転速度の高回転速側たとえば前記第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2が備えられてない場合の設定値たとえばフューエルカット開始回転速度NEKおよび復帰回転速度NEFがたとえば1400および1000rpmに設定される。次いで、変速点変更手段118に対応するSA11において、上記SA10でフューエルカット領域がエンジン回転速度の高回転速側に変更されたので、変速点もその変更結果に応じて高車速側に変更設定される。たとえば、変速点が図14(a)に示す点aおよび点bに設定される。すなわちこのSA3乃至SA4或いはSA10乃至SA11では駆動アシスト可否判定手段124による判定結果に応じてフューエルカット領域変更手段110によってフューエルカット領域が変更設定され、その設定された結果に応じて変速点変更手段118によって変速点が変更設定される。
【0043】
続いて、ダウンシフト要否判定手段120に対応するSA5において、上記変速点変更手段118によって変更設定された変速点に従ってフューエルカット作動のために変速制御手段114による自動変速機16のダウンシフトが必要であるか否かが判定される。たとえば図14の変速線図に基づいてアクセルオフに伴って、実際のアクセル開度および車速によって定められる車両走行状態を示す点が点a或いは点a’以下となって自動変速機16のダウンシフトが必要であるか否かが判定される。このSA5の判断が否定される場合は変速制御手段114に対応するSA12において、現状態が維持されて本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合は変速制御手段114に対応するSA6において、SA4或いはSA11において設定された変速点に従って自動変速機16のダウンシフトが実行される(SA11の設定では図16のt1時点、SA4の設定では図16のt3時点)。
【0044】
次いで、前記駆動アシスト可否判定手段124に対応するSA7において、フューエルカット作動中において第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が不可能になっていないか否かが前記SA2と同様にして判定される。このSA7の判断が肯定される場合は変速制御手段114に対応するSA12において、現状態が維持されてエンジン回転速度NEが上記SA4で設定された復帰回転速度NEF(550rpm)以下となるまで(図16のt5時点まで)フューエルカット作動が継続されて本ルーチンが終了させられるが、否定される場合はエンジン回転速度判定手段128に対応するSA8において、エンジン回転速度センサにより検出された現在のエンジン回転速度NEがSA11において設定された或いは設定されるため予め記憶された値である第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能でない場合のフューエルカット復帰回転速度NEFたとえば1000rpmよりも低いか否かが判定される。
【0045】
このSA8が否定される場合は現在のエンジン回転速度NEが第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能でない場合のフューエルカット復帰回転速度NEF以上であるので第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動によってエンジン10の回転駆動が補助されない場合でもエンジン回転速度NEが上記SA11で設定された復帰回転速度NEF(1000rpm)以下となるまで(図16のt4時点まで)フューエルカット作動が継続されて本ルーチンが終了させられる。しかし、肯定される場合は燃料供給量抑制手段102としてのフューエルカット制御手段104に対応するSA9において、フューエルカット作動が中止されてエンジン10への燃料供給が再開されて、その後必要に応じて変速制御手段114による自動変速機16のアップシフトが実行されてロックアップクラッチ26の係合状態がロックアップオフへと切り換えられる。このSA9においてエンジン10への燃料供給の再開よりも先に自動変速機16のアップシフト或いはロックアップクラッチ26がロックアップオフとされると、エンジン回転速度が低下してしまい第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動によるエンジン10の回転駆動の補助も無くてエンジン10の再起動が困難となる可能性があるので、まず先にエンジン10への燃料供給の再開が実施される。以上のように第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動によるエンジン10の回転トルクの助勢(アシスト)が可能である場合(図16のt1乃至t5時点)には、可能でない場合(図16のt2乃至t4時点)に比較してフューエルカット作動がより長く実行され、またより低車速で自動変速機16のダウンシフトが実行されるので変速ショックが低減される。
【0046】
上述のように、第1の実施例によれば、車両の減速走行中にアクセル開度或いはスロットル開度が所定の抑制状態たとえば全閉と判定されたときに、燃料供給量抑制手段102としてのフューエルカット制御手段104によるエンジン10への燃料供給の抑制が実行されるための予め設定されたエンジン回転速度に対する燃料供給量の関係たとえば燃料供給量抑制領域が燃料供給設定量変更手段108としてのフューエルカット領域変更手段110(SA3、SA10)によって変更されると、変速制御手段114(SA6)による自動変速機16の変速が実行されるための予め設定された変速点が、そのエンジン回転速度NEに対する燃料供給量の関係の変更に応じて変速点変更手段118(SA4、SA11)によって変更されるので、そのエンジン回転速度NEに対する燃料供給量の関係の変更とその変速点の変更による自動変速機16の変速のタイミングが整合され、燃費およびドライバビリティーが一層向上する。たとえばその燃料供給量抑制領域たとえばフューエルカット領域を定めるフューエルカット開始回転速度とフューエルカット復帰回転速度がフューエルカット領域の拡大する低回転速度側に変更されるとその変更結果に応じて変速点も低車速側に変更されるので、自動変速機16のダウンシフトが低車速側で実行されるので変速ショックの発生が抑制されてドライバビリティーが向上する。
【0047】
また、第1の実施例によれば、エンジン回転速度NEに対する燃料供給量の関係は、そのエンジン回転速度NEが予め定められた復帰回転速度より高いときに燃料供給量抑制手段102によってエンジン10への燃料供給を停止させるためのフューエルカット領域を含むものであり、変速点変更手段118(SA4、SA11)は、燃料供給設定量変更手段108(SA3、SA10)によるそのフューエルカット領域の変更に応じてアクセル開度或いはスロットル開度が所定の抑制状態たとえば全閉と判定されるときの変速点を変更するものであるので、そのフューエルカット領域が燃料供給設定量変更手段108(SA3、SA10)によって変更されると、変速制御手段114(SA6)による自動変速機16の変速を実行するための予め設定された変速点が、そのフューエルカット領域の変更に応じて変速点変更手段118(SA4、SA11)によって変更されるので、そのフューエルカット領域の変更とその変速点の変更による自動変速機16の変速のタイミングが整合され、燃費およびドライバビリティーが一層向上する。
たとえばそのフューエルカット領域が拡大するエンジン回転速度低回転速度側に変更されるとその変更結果に応じて変速点も低車速側に変更されるので、自動変速機16の変速が低車速側で実行されるので変速ショックの発生が抑制されてドライバビリティーが向上する。
【0048】
また、第1の実施例によれば、エンジン10に作動的に連結される回転駆動装置(第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2)と、その回転駆動装置を作動させてエンジン10の回転駆動を補助する駆動アシスト手段122と、その駆動アシスト手段122によってその回転駆動装置が作動されてエンジン10の回転駆動の補助が可能か否かを判定する駆動アシスト可否判定手段124(SA2)とを備え、燃料供給設定量変更手段108(SA3、SA10)は、その駆動アシスト可否判定手段124による判定結果に応じてフューエルカット領域を変更するものであるので、駆動アシスト可否判定手段124によって駆動アシスト手段122による回転駆動装置の作動でエンジン10の回転駆動の補助が可能か否かが判定され、燃料供給設定量変更手段108によってその判定結果に応じてフューエルカット領域が変更されるので、たとえば回転駆動装置によるエンジン10の回転駆動の補助が可能である場合にはフューエルカット領域がエンジン低回転速度側に好適に変更される。
【0049】
また、第1の実施例によれば、変速点変更手段118(SA4、SA11)は、燃料供給設定量変更手段108(SA3、SA10)によってフューエルカット領域がエンジン高回転速度側に変更されると、変速点を高車速側に変更するものであるので、エンジン回転速度NEが高回転側に設定されたフューエルカット領域により長く維持されるように自動変速機16のダウンシフトが実行されるので燃費が向上する。
【0050】
また、第1の実施例によれば、変速制御手段114(SA6)は、燃料供給量抑制手段102によるエンジン10への燃料供給の停止中に、駆動アシスト可否判定手段124(SA7)によって駆動アシスト手段122によるエンジン10の回転駆動の補助が可能でないと判定されると、その燃料供給量抑制手段102によるそのエンジン10への燃料供給の停止が中止されて燃料供給が再開されるまでは、自動変速機16をアップシフトしないものであるので、エンジン10への燃料供給が再開される前に自動変速機16がアップシフトされてエンジン回転速度NEが低下してエンジン10が再起動されない可能性が解消される。
【0051】
つぎに、本発明の第2の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の第1の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0052】
この第2の実施例は、前述の第1の実施例とは図1乃至図10の車両構成においては共通であるのでその説明については割愛する。第1の実施例との大きな違いは、前記燃料供給量抑制手段102がフューエルカット制御手段104に替えて燃料低減制御手段106となったことである。簡単に述べると上記フューエルカット制御手段104はエンジン10への燃料供給を停止するものであったが、燃料低減制御手段106は予め決められた関係に従ってエンジン回転速度NEに対するエンジン10への燃料供給量を低減して燃費を向上するものである。以下に第1の実施例との違いのある部分を前記図11に基づいて詳しく記述する。
【0053】
図11において第1実施例で前記燃料供給量抑制手段102として用いられたフューエルカット制御手段104に替えて燃料低減制御手段106が用いられる。この燃料低減制御手段106は、エンジン回転速度NEやアクセル開度Accなどに基づいてエンジン10への燃料供給量(燃料噴射量)の低減の必要がないか否かを判断して燃費を向上させるために、燃料供給量低減作動のための指令Dすなわちエンジン10への燃料供給量低減指令Dをたとえば図17の実線に示す燃料低減線に基づいて燃料供給量抑制装置100に出力する。図17は、アクセル開度Accが所定の抑制状態たとえばアクセルオフの車両の減速走行時に燃料低減制御手段106が用いることになるエンジン回転速度NEに基づく燃料供給量を定めた予め設定された関係図である。図17の実線によれば、燃料供給量(燃料噴射量)はエンジン回転速度NEが予め決められた所定値である燃料供給再開回転速度NEA以上であれば零すなわちフューエルカット状態となり、燃料供給再開回転速度NEAより低回転速度側ではエンジン10への燃料供給が再開されてエンジン回転速度NEの低下に従ってアイドル回転速度NEIDLでの燃料供給量FIDLに漸増させられるように予め設定されている。上記燃料供給再開回転速度NEAはエンジン10の特性或いは種類等に応じ好適に設定されるようにしてよい。また、エンジン回転速度NEが燃料供給再開回転速度NEA以上であればフューエルカット状態となりそれより低下すれば燃料供給が再開されることから、燃料供給再開回転速度NEAはたとえば前記フューエルカット領域を定めた前記フューエルカット復帰回転速度NEFと前記フューエルカット開始回転速度NEKとに相当するものであるが、たとえばそのフューエルカット開始回転速度NEKに相当するものとして燃料供給再開回転速度NEAより高回転速度側に所定の回転速度を設定するようにしてもよい。なお、ロックアップクラッチ26は少なくともエンジン回転速度NEが燃料供給再開回転速度NEA以上のフューエルカット状態中は、エンジン回転速度NEが急低下されないように前述のロックアップクラッチ制御によりロックアップクラッチ26の係合側への切換えが行われる。
【0054】
駆動アシスト手段122は、回転駆動装置としての第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2を作動させて、エンジン10の回転駆動を補助する。第1の実施例ではフューエルカット復帰回転速度NEFをフューエルカット開始回転速度NEKと共により低回転速度側に設定してフューエルカット領域を拡大するためであったが、第2の実施例では上記燃料供給再開回転速度NEAは、たとえばエンジン10はその再起動に際して安定した滑らかなエンジン回転速度NEたとえば滑らかに自律回転することのできるエンジン回転速度NEたとえばアイドル回転速度NEIDLに維持されるには、そのアイドル回転速度NEIDLに対して燃料供給の再開時のエンジン回転速度NEにある程度の余裕が必要であることから、その余裕分を持つように設定されている。そこで、この燃料供給再開回転速度NEAを一層低回転速度側に設定してフューエルカット状態となる領域を拡大すると共に燃料供給量FIDLとなるように漸増させられる燃料供給量をより低減して燃費を向上させるために、エンジン10のより低回転での燃料供給の再開でも速やかにそのアイドル回転速度NEIDLでの燃料供給量FIDLとなるように第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2を作動させてエンジン10の回転駆動を補助する。
【0055】
駆動アシスト可否判定手段124は、上記駆動アシスト手段122によるエンジン10の回転駆動を補助するための第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能か否かを判定する。たとえば、燃料電池70および二次電池71が第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2に充分な電力を供給する電源として機能できるか否かを、たとえば燃料電池70の電圧或いは二次電池71の充電状態が所定の基準値以上であるか否か、または燃料電池70および二次電池71の温度が所定の基準温度以上であるか否かによって判定する。
【0056】
第1実施例で前記燃料供給設定量変更手段108として用いられたフューエルカット領域変更手段110に替えて燃料低減線変更手段112が用いられる。この燃料低減線変更手段112は、前記駆動アシスト可否判定手段124によって前記駆動アシスト手段122による第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能か否かの判定結果に応じて、前記燃料低減制御手段106によるエンジン10への燃料供給量低減作動を実行させるための燃料低減線を変更する。すなわち、エンジン10の回転駆動を補助するための第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能でない場合には、燃料低減線をその第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2が備えられてない場合の設定たとえば図17の実線に示す線とする。また、上記第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能である場合には、上記可能でない場合に比較して燃料低減線をより低回転速度側たとえば燃料供給再開回転速度NEAを燃料供給再開回転速度NEMA或いはNEMBに設定してフューエルカット状態となる領域を拡大すると共に燃料供給量FIDLとなるように漸増させられる燃料供給量をより低減するようにたとえば図17の一点鎖線或いは二点差線に示す線とする。
【0057】
変速制御手段114は、第1の実施例と同様にたとえば図8に示す予め記憶された変速線図から実際の車速Vおよびスロットル弁開度θTH(エンジン負荷)に基づいて自動変速機16の変速段を決定する。この変速制御手段114は、アクセル開度ACCまたはスロットル開度θTHの全閉時にはたとえば図14(a)に示すアクセルオフ時の変速点である点a或いは点bに従って自動変速機16の変速を実行する。これにより、たとえばアクセルオフされた減速走行時には車速Vが変速点である点aすなわち車速Va以下となると燃費向上を目的として、燃料低減制御手段106によるエンジン10へのフューエルカット状態とされるようにエンジン回転速度NEを燃料供給再開回転速度NEA以上とする、或いは燃料低減制御手段106によるによるエンジン10へのフューエルカット状態がより長い期間継続されるようにエンジン回転速度NEを燃料供給再開回転速度NEA以上に維持するために、自動変速機16のダウンシフトを実行してエンジン回転速度NEを上昇させる。
【0058】
変速点変更手段118は上記変速制御手段114による自動変速機16の変速に用いられるアクセル開度Accが所定の抑制状態たとえばアクセルオフ時の変速点を、第1の実施例では前記フューエルカット領域変更手段110によるフューエルカット領域が変更された結果に応じて変更したが、第2の実施例では前記燃料低減線変更手段112による燃料低減線が変更された結果に応じて変更する。たとえば、燃料低減線変更手段112によって燃料低減線がエンジン回転速度NEの低回転速側すなわちエンジン10への燃料供給量がより低減される側たとえば図17において燃料供給再開回転速度NEAがNEMAとなるように実線から一点鎖線に変更されると、変速点をより低車速側に設定するように変更する。これは、燃料供給再開回転速度NEA以上でのフューエルカット状態がよりエンジン低回転側まで実行されるように設定された場合には、それに応じてより低車速側で燃費向上を目的としたエンジン回転速度を上昇させるための自動変速機16のダウンシフトが実行されるようにすれば、高車速でのダウンシフトに比較して変速ショックが低減されるためである。たとえば燃料低減線が第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能でない場合たとえば図17の実線であれば変速点を図14(a)に示す点aおよび点bに設定して、また第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能である場合たとえば図17の一点鎖線であれば変速点を図14(a)に示す点aおよび点bよりも所定値低速側に設定されている図14(b)に示す点a’および点b’に設定する。この結果、変速点が図14(b)の点a’および点b’に変更されると、車速Vが点a’すなわちVa’以下となったときにダウンシフトが実行されることになり、変速点が図14(a)の点aおよび点bに設定された場合に比較して自動変速機16のダウンシフトがより低車速側で実行されて変速ショックが低減される。
【0059】
ダウンシフト要否判定手段120は、アクセルオフとされた減速走行中に上記変速点変更手段118によって変更設定された変速点に従ってフューエルカット作動のために変速制御手段114による自動変速機16のダウンシフトが必要であるか否かを判定する。たとえば図14の変速線図に基づいてアクセル開度が全閉状態にされたことに伴って、実際のアクセル開度および車速によって定められる車両走行状態を示す点が点a或いは点a’以下となって自動変速機16のダウンシフトが必要であるか否かを判定する。前記変速制御手段114は、上記ダウンシフト要否判定手段120によって自動変速機16のダウンシフトが必要であると判定されると自動変速機16のダウンシフトを実行する。
【0060】
エンジン回転速度判定手段128は、第1の実施例ではフューエルカット復帰回転速度NEFとの比較であったが第2の実施例ではエンジン回転速度センサにより検出された現在のエンジン回転速度NEが、第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能でない場合に用いられる燃料低減線変更手段112により設定された燃料供給再開回転速度NEAよりも低いか否かを判定する。
【0061】
図18は、第2の実施例である前記電子制御装置90の制御作動の要部すなわちアクセルオフの車両の減速走行時にエンジン10への燃料供給量低減作動のための燃料低減線の変更に応じて変速点が変更されるようにした自動変速機16の変速制御作動を説明するフローチャートであり、また図19はその変速制御作動を説明するタイムチャートである。図18において、前記開度検出手段126に対応するステップ(以下、ステップを省略する)SB1において、アクセルオンからアクセルオフにされたか否かがたとえばアクセル開度ACCが全閉と判定される値たとえば全閉スイッチがオンとなったか否かによって判定される。このSB1の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合は前記駆動アシスト可否判定手段124に対応するSB2において、燃料低減線をエンジン低回転速度側に設定するために前記駆動アシスト手段122によるエンジン10の回転駆動を補助するための第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能か否かが、たとえば、燃料電池70および二次電池71が第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2に充分な電力を供給する電源として機能できるか否かによって判定される。
【0062】
このSB2の判断が肯定される場合は前記燃料供給設定量変更手段108としての前記燃料低減線変更手段112に対応するSB3において、燃料低減線がエンジン低回転速度側たとえば図17に示す一点鎖線に設定される。そして、変速点変更手段118に対応するSB4において、上記SB3で燃料低減線がエンジン回転速度の低回転速側に変更されたので、変速点もその変更結果に応じて低車速側に変更設定される。たとえば、変速点が図14(a)に示す点aおよび点bよりも所定値低速側に設定されている図14(b)に示す点a’および点b’に設定される。同様に、上記SB2の判断が否定される場合は前記燃料供給設定量変更手段108としての前記燃料低減線変更手段112に対応するSB10において、燃料低減線がエンジン回転速度の高回転速側たとえば前記第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2が備えられてない場合の設定値たとえば図17に示す実線に設定される。次いで、変速点変更手段118に対応するSB11において、上記SB10で燃料低減線がエンジン回転速度の高回転速側に変更されたので、変速点もその変更結果に応じて高車速側に変更設定される。たとえば、変速点が図14(a)に示す点aおよび点bに設定される。
すなわちこのSB3乃至SB4或いはSB10乃至SB11では駆動アシスト可否判定手段124による判定結果に応じて燃料低減線変更手段112によって燃料低減線が変更設定され、その設定された結果に応じて変速点変更手段118によって変速点が変更設定される。
【0063】
続いて、ダウンシフト要否判定手段120に対応するSB5において、上記変速点変更手段118によって変更設定された変速点に従ってエンジン10への燃料供給量低減作動のために変速制御手段114による自動変速機16のダウンシフトが必要であるか否かが判定される。たとえば図14の変速線図に基づいてアクセルオフに伴って、実際のアクセル開度および車速によって定められる車両走行状態を示す点が点a或いは点a’以下となって自動変速機16のダウンシフトが必要であるか否かが判定される。このSB5の判断が否定される場合は変速制御手段114に対応するSB12において、現状態が維持されて本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合は変速制御手段114に対応するSB6において、SB4或いはSB11において設定された変速点に従って自動変速機16のダウンシフトが実行される(SB11の設定では図19のt2時点、SB4の設定では図19のt3時点)。
【0064】
次いで、前記駆動アシスト可否判定手段124に対応するSB7において、フューエルカット作動中において第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が不可能になっていないか否かが前記SB2と同様にして判定される。このSB7の判断が肯定される場合は変速制御手段114に対応するSB12において、現状態が維持されてエンジン回転速度NEが上記SB4で設定された図17の一点鎖線に示す燃料低減線に従って燃料供給再開回転速度NEMA以下となるまで(図16のt5時点まで)フューエルカット状態が継続され、その後エンジン10への燃料供給が再開されてアイドル回転速度NEIDLとなるまで燃料供給量が漸増されて(図16のt6時点)本ルーチンが終了させられるが、否定される場合はエンジン回転速度判定手段128に対応するSB8において、エンジン回転速度センサにより検出された現在のエンジン回転速度NEがSB11において設定された或いは設定されるため予め記憶された値である第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能でない場合の図17の実線に示す燃料低減線で設定された燃料供給再開回転速度NEAよりも低いか否かが判定される。
【0065】
このSB8が否定される場合は現在のエンジン回転速度NEが第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能でない場合の燃料供給再開回転速度NEA以上であるので第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動によってエンジン10の回転駆動が補助されない場合でもエンジン回転速度NEが上記SB11で設定された燃料供給再開回転速度NEA以下となるまで(図19のt4時点まで)フューエルカット状態が継続され、その後エンジン10への燃料供給が再開されてアイドル回転速度NEIDLとなるまで燃料供給量が漸増されて(図16のt6時点)本ルーチンが終了させられる。しかし、肯定される場合は燃料供給量抑制手段102としての燃料低減制御手段106に対応するSB9において、フューエルカット状態が中止されてエンジン10への燃料供給が再開されて、その後必要に応じて変速制御手段114による自動変速機16のアップシフトが実行されてロックアップクラッチ26の係合状態がロックアップオフへと切り換えられる。このSB9においてエンジン10への燃料供給の再開よりも先に自動変速機16のアップシフト或いはロックアップクラッチ26がロックアップオフとされると、エンジン回転速度が低下してしまい第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動によるエンジン10の回転駆動の補助も無くてエンジン10の再起動が困難となる可能性があるので、まず先にエンジン10への燃料供給の再開が実施される。以上のように第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動によるエンジン10の回転トルクの助勢(アシスト)が可能である場合(図19のt1乃至t5時点)には、可能でない場合(図19のt1乃至t4時点)に比較してフューエルカット状態がより長く実行されてその後の燃料供給量もより低減され、またより低車速で自動変速機16のダウンシフトが実行されるので変速ショックが低減される。
【0066】
上述のように、第2の実施例によれば、車両の減速走行中にアクセル開度或いはスロットル開度が所定の抑制状態たとえば全閉と判定されたときに、燃料供給量抑制手段102としての燃料低減制御手段106によるエンジン10への燃料供給の抑制が実行されるための予め設定されたエンジン回転速度に対する燃料供給量の関係たとえば燃料供給量抑制領域が燃料供給設定量変更手段108としての燃料低減線変更手段112(SB3、SB10)によって変更されると、変速制御手段114(SB6)による自動変速機16の変速が実行されるための予め設定された変速点が、そのエンジン回転速度NEに対する燃料供給量の関係の変更に応じて変速点変更手段118(SB4、SB11)によって変更されるので、そのエンジン回転速度NEに対する燃料供給量の関係の変更とその変速点の変更による自動変速機16の変速のタイミングが整合され、燃費およびドライバビリティーが一層向上する。たとえばその燃料供給量抑制領域たとえば燃料低減線がフューエルカットのための所定のエンジン回転速度NEである燃料供給再開回転速度NEAを低回転速度側に変更するようにしてエンジン10への燃料供給量をさらに低減する側に変更されるとその変更結果に応じて変速点も低車速側に変更されるので、自動変速機16の変速が低車速側で実行されるので変速ショックの発生が抑制されてドライバビリティーが向上する。
【0067】
また、第2の実施例によれば、エンジン回転速度NEに対する燃料供給量の関係は、その燃料供給量抑制手段102によってそのエンジン10への燃料供給を低減制御させるためのエンジン回転速度NEに対する燃料供給量を予め設定した燃料低減線であり、変速点変更手段118(SB4、SB11)は、燃料供給設定量変更手段108(SB3、SB10)によるその燃料低減線の変更に応じてアクセル開度或いはスロットル開度が所定の抑制状態たとえば全閉と判定されるときの変速点を変更するものであるので、その燃料低減線が燃料供給設定量変更手段108によって変更されると、変速制御手段114(SB6)による自動変速機16の変速を実行するための予め設定された変速点が、その燃料低減線の変更に応じて変速点変更手段118によって変更されるので、その燃料低減線の変更とその変速点の変更による自動変速機の変速のタイミングが整合され、燃費およびドライバビリティーが一層向上する。たとえばその燃料低減線がエンジン低回転速度側に変更されるとその変更結果に応じて変速点も低車速側に変更されるので、自動変速機16の変速が低車速側で実行されるので変速ショックの発生が抑制されてドライバビリティーが向上する。
【0068】
また、第2の実施例によれば、エンジン10に作動的に連結される回転駆動装置(第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2)と、その回転駆動装置を作動させてエンジン10の回転駆動を補助する駆動アシスト手段122と、その駆動アシスト手段122によって回転駆動装置が作動されてエンジン10の回転駆動の補助が可能か否かを判定する駆動アシスト可否判定手段124(SB2)とを備え、燃料供給設定量変更手段108(SB3、SB10)は、その駆動アシスト可否判定手段124による判定結果に応じて燃料低減線を変更するものであるので、駆動アシスト可否判定手段124によって駆動アシスト手段122による回転駆動装置の作動でエンジン10の回転駆動の補助が可能か否かが判定され、燃料供給設定量変更手段108によってその判定結果に応じて燃料低減線が変更されるので、たとえば回転駆動装置によるエンジン10の回転駆動の補助が可能である場合には燃料低減線がエンジン低回転速度側すなわちエンジン10への燃料供給量が低減される側に好適に変更される。
【0069】
また、第2の実施例によれば、変速点変更手段118(SB4、SB11)は、燃料供給設定量変更手段108(SB3、SB10)によって燃料低減線がエンジン回転速度NEに対する燃料供給量が低減する側に変更されると、変速点を低車速側に変更するものであるので、自動変速機16のダウンシフトが低車速側で実行されて変速ショックが抑制されドライバビリティーが向上される。
【0070】
また、第2の実施例によれば、変速制御手段114(SB6)は、燃料供給量抑制手段102によるエンジン10への燃料供給の低減制御中に、駆動アシスト可否判定手段124(SB7)によって駆動アシスト手段122によるエンジン10の回転駆動の補助が可能でないと判定されると、その燃料供給量抑制手段102によるそのエンジン10への燃料供給の低減制御が中止されて燃料供給が再開されるまでは、自動変速機16をアップシフトしないものであるので、エンジン10への燃料供給が再開される前に自動変速機16がアップシフトされてエンジン回転速度NEが低下してエンジン10が再起動されない可能性が解消される。
【0071】
以上、本発明の第1、第2の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0072】
たとえば、前述の第1の実施例において、燃料供給量抑制手段102によるエンジン10への燃料供給量の低減のための燃料供給量抑制作動の例として示したエンジン10への燃料供給を完全に停止するフューエルカット作動に替えて、燃料供給量を通常より低減する燃料供給制御作動であってもよい。
【0073】
また、前述の第1の実施例において、SA3で実行されるフューエルカット領域変更手段110によって変更される所定のエンジン回転速度を定めたフューエルカット領域はエンジン高回転側(通常時)に対してエンジン低回転側のみの設定であったが、より多くの段階が好適に設定されてもよい。この場合には、そのそれぞれのフューエルカット領域に応じてSA4で実行される変速点変更手段118によって変速点が好適に設定されればよい。
【0074】
また、前述の第2の実施例において、SB3で実行される燃料低減線変更手段112によって変更される燃料低減線は、たとえば図17に示すようにエンジン高回転側(通常時)に対してエンジン低回転側の2段階であったが、より多くの段階乃至連続的となるように好適に設定されてもよい。この場合には、そのそれぞれの燃料低減線に応じてSB4で実行される変速点変更手段118によって変速点が好適に設定されればよい。
【0075】
また、前述の第1、第2の実施例において、流体伝動装置としてロックアップクラッチ26が備えられているトルクコンバータ14が用いられていたが、トルク増幅作用のないフルードカップリングが用いられてもよい。
【0076】
また、前述の第1、第2の実施例のエンジン10は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関が用いられ、少なくともエンジンを走行用駆動力源として備えておればよく、エンジン10の吸気配管50および排気管52に設けられている排気タービン式過給機54が備えられてない車両などにも適用され得る。また、エンジン10に作動的に連結される回転駆動装置は少なくともエンジン10の回転駆動を補助するものであればよく、その回転駆動装置としてのモータジェネレータMG1およびMG2は少なくともの一方を備えて少なくとも電動モータとして作動すればよく、またエンジン10に直結される以外にベルト等を介してエンジン10に間接的に連結されてもよい。
【0077】
また、前述の第1、第2の実施例のエンジン10は、可変動弁機構78を備えており、電磁駆動弁すなわち開閉制御弁としての吸気弁74および排気弁75が電磁アクチュエータ76および77によって開閉駆動されていたが、吸気弁74および排気弁75が電気的アクチュエータである電動モータによって開閉駆動されるモータ駆動式開閉弁やクランク軸の回転に同期して、吸気弁および排気弁を開閉駆動させるよく知られた動弁機構に可変機構が備え付けられたものであってもよい。また、上記可変機構が備え付けられてないものであってもよい。
【0078】
また、前述の第1、第2の実施例では、図14において2→3アップシフトおよび3→2ダウンシフトを示すものとして説明したが、たとえば3→4アップシフトおよび4→3ダウンシフト、4→5アップシフトおよび5→4ダウンシフトであってもよい。
【0079】
また、前述の第1、第2の実施例では、自動変速機16は3組の遊星歯車装置40、42、44の組み合わせから成る前進5速の変速機であったが、クラッチC或いはブレーキBの油圧式摩擦係合装置の解放および係合の少なくとも一方によって変速が実行される型式の変速機であればよく、自動変速機16を構成する遊星歯車装置の組数は3組とは異なる数であってもよいし、また前進6速の変速機、前進4速の変速機等であっても差し支えない。また、自動変速機16は、変速比が無段階に連続的に変化させられる無段変速機であってもよい。
【0080】
また、前述の第1、第2の実施例では、自動変速機16の係合要素であるクラッチC或いはブレーキBは、油圧式摩擦係合装置であったが、電磁式係合装置たとえば電磁クラッチや磁粉式クラッチ等であってもよい。
【0081】
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたハイブリッド車両の動力伝達装置を説明する骨子図である。
【図2】図1の自動変速機における、複数の油圧式摩擦係合装置の作動の組合わせとそれにより成立する変速段との関係を示す図である。
【図3】図1のハイブリッド車両の動力伝達装置の概略構成図である。
【図4】図1のエンジンの各気筒に設けられた可変動弁機構を説明する図である。
【図5】図4の可変動弁機構に設けられて吸気弁或いは排気弁を所望のタイミングで開閉作動させる電磁アクチュエータの構成を説明する図である。
【図6】図1の動力伝達装置が備えている電子制御装置の入出力系統の要部を説明するブロック線図である。
【図7】図1の動力伝達装置におけるエンジンのスロットル弁開度とアクセル開度との関係を示す図である。
【図8】図1の動力伝達装置における自動変速機の変速制御に用いられる変速線図を説明する図である。
【図9】図1の動力伝達装置におけるロックアップクラッチの制御に用いられるロックアップ領域線図を説明する図である。
【図10】図1の車両に設けられたシフト操作装置を示す図である。
【図11】図6の電子制御装置が備えている制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図12】図6の電子制御装置によるフューエルカット作動を説明するタイムチャートである。
【図13】図6の電子制御装置のフューエルカット作動で用いられるエンジン水温に基づいて予め設定されているフューエルカット開始回転速度とフューエルカット復帰回転速度とを示した設定例である。
【図14】図8の変速線図のアクセルオフとなる付近の一部分を抜き出したものであり、実線はアップシフト線であり、破線はダウンシフト線を示すものである。
【図15】第1の実施例である図6の電子制御装置の制御作動の要部すなわち車両の減速走行時にフューエルカット作動のためのフューエルカット領域の変更に応じて変速点が変更されるようにした自動変速機の変速制御作動を説明するフローチャートである。
【図16】図15の変速制御作動を説明するタイムチャートである。
【図17】第2の実施例の燃料低減制御手段に用いられるエンジン回転速度に対する燃料噴射量示す関係図である。
【図18】第2の実施例である図6の電子制御装置の制御作動の要部すなわち車両の減速走行時にエンジンへの燃料供給量低減作動のための燃料低減線の変更に応じて変速点が変更されるようにした自動変速機の変速制御作動を説明するフローチャートである。
【図19】図18の変速制御作動を説明するタイムチャートである。
【符号の説明】
10:エンジン
14:トルクコンバータ(流体伝動装置)
16:自動変速機
102:燃料供給量抑制手段
108:燃料供給設定量変更手段
114:変速制御手段
118:変速点変更手段
122:駆動アシスト手段
124:駆動アシスト可否判定手段
MG1、MG2:モータジェネレータ(回転駆動装置)[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a fuel supply amount suppressing unit that suppresses fuel supply to an engine when the engine rotation speed is in a fuel supply amount suppression region, for example, when the engine rotation speed is in a fuel supply amount suppression region while the vehicle is running at a reduced speed. Particularly, in a vehicle in which the automatic transmission is downshifted in order to execute more the operation of suppressing the fuel supply to the engine by the fuel supply amount suppressing means, The present invention relates to a technique for further improving fuel efficiency when a suppression region is changed.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art There is known a vehicle provided with a fuel supply amount suppression device that suppresses a fuel supply amount to an engine for the purpose of improving fuel efficiency during deceleration traveling of the vehicle, for example, performs a fuel cut or the like. For example, as shown in
[0003]
[Patent Document 1]
Japanese Patent No. 3201153
[Patent Document 2]
JP 2001-82204 A
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, if the downshift is positively executed to increase the engine rotation speed to a value equal to or higher than the fuel cut start rotation speed at the time of high vehicle speed for the purpose of improving fuel efficiency as in
[0005]
Also, instead of setting the above-mentioned fuel cut region as a means for suppressing the amount of fuel supplied to the engine for the purpose of improving fuel efficiency, the engine speed with respect to the engine speed when the accelerator opening or throttle opening is fully closed during deceleration driving is reduced. In some cases, the amount of fuel supplied to the engine is controlled to be reduced based on a predetermined relationship, for example, a fuel reduction line. This fuel reduction line indicates that when the engine rotation speed is equal to or higher than a predetermined engine rotation speed that is set higher than the idle rotation speed, the supply of fuel to the engine is stopped, and the engine rotation speed falls below the predetermined engine rotation speed. Then, the fuel supply amount to the engine is set so as to gradually increase so that the fuel supply amount at the idle rotation speed becomes lower as the idle rotation speed decreases. Therefore, similarly to the above-mentioned
[0006]
As described above, when a fuel supply amount suppression region such as a fuel cut region or a fuel reduction line is set to suppress the fuel supply amount to the engine for the purpose of improving the fuel consumption during the deceleration running of the vehicle, further fuel consumption is required. If downshifting of the automatic transmission is actively executed at a high vehicle speed side for improvement, there is a possibility that drivability may deteriorate due to more shift shocks compared to shifting at a low vehicle speed side .
[0007]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and an object of the present invention is to reduce the accelerator opening or the throttle opening during deceleration running of an engine, an automatic transmission, and a vehicle that operate by fuel combustion. When it is determined that the engine is in the predetermined suppression state, the relationship between the engine rotation speed and the fuel supply amount with respect to the preset engine rotation speed, for example, the fuel supply amount suppression that suppresses the fuel supply to the engine when the engine supply speed is in the fuel supply amount suppression region. In the control device for a vehicle provided with the means, particularly when the fuel supply amount suppression region is changed in order to extend the fuel supply amount suppression period for the purpose of improving fuel efficiency, the changed fuel supply amount suppression It is an object of the present invention to provide a shift control device for a vehicle in which a shift of an automatic transmission is executed in accordance with a region and fuel efficiency and drivability are further improved.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The gist of the present invention for achieving this object is a shift control device for a vehicle including (a) an engine that operates by burning fuel, and an automatic transmission, and (b) deceleration of the vehicle. When the accelerator opening or the throttle opening is determined to be in the predetermined suppression state during traveling, the fuel supply to the engine is suppressed based on the relationship between the fuel supply and the preset engine rotation speed. Means, (c) fuel supply set amount changing means for changing the relationship between the engine supply speed and the fuel supply amount, and (d) shift control for executing the shift of the automatic transmission based on a preset shift point. (E) a predetermined suppression of the accelerator opening or the throttle opening in response to a change in the relationship between the fuel supply amount and the engine rotation speed by the fuel supply set amount changing means. Shift point changing means for changing the shift point when the state is determined.
[0009]
【The invention's effect】
With this configuration, when the accelerator opening or the throttle opening is determined to be in the predetermined suppression state during the deceleration traveling of the vehicle, the suppression of the fuel supply to the engine by the fuel supply amount suppression unit is executed. The relationship between the fuel supply amount and the preset engine rotation speed, for example, when the fuel supply amount suppression area is changed by the fuel supply set amount changing means, a preset value for executing the shift of the automatic transmission by the shift control means. The shift point is changed by the shift point changing means in accordance with the change in the relationship between the fuel supply amount and the engine rotation speed, so that the change in the relationship between the fuel supply amount and the engine rotation speed and the automatic change due to the change in the shift point. The gear shifting timing of the transmission is matched, so that fuel efficiency and drivability are further improved.
[0010]
Other aspects of the invention
Here, preferably, (a) the relation of the fuel supply amount to the engine rotation speed is such that when the engine rotation speed is higher than a predetermined return rotation speed, the fuel supply amount suppressing means controls the fuel supply to the engine. (B) the shift point changing means changes the accelerator opening or the throttle opening in accordance with the change of the fuel cut area by the fuel supply set amount changing means. This is to change the shift point when it is determined to be in the predetermined suppression state. With this configuration, when the fuel cut area for stopping the fuel supply to the engine by the fuel supply amount suppressing unit is changed by the fuel supply set amount changing unit, the shift of the automatic transmission is executed by the shift control unit. The shift point set in advance is changed by the shift point changing means in accordance with the change in the fuel cut area, so that the shift timing of the automatic transmission due to the change in the fuel cut area and the change in the shift point is changed. Alignment further improves fuel efficiency and drivability.
[0011]
Preferably, (a) a rotary drive device operatively connected to the engine, and the rotary drive device is operated by operating the rotary drive device so that the engine can be restarted smoothly by restarting fuel supply. (B) drive assist means for assisting rotational drive, and drive assist availability determining means for determining whether or not the rotational drive device is operated by the drive assist means to assist the rotational drive of the engine. The fuel supply set amount changing means changes the fuel cut region in accordance with the result of the determination by the drive assist availability determining means. According to this configuration, the drive assist availability determination unit determines whether or not the rotational drive of the engine can be assisted by the operation of the rotary drive device by the drive assist unit, and the fuel supply set amount changing unit determines according to the determination result. Since the fuel cut region is changed, for example, when it is possible to assist the rotation drive of the engine by the rotary drive device, the fuel cut region is suitably changed to a low engine speed side of the engine rotation speed.
[0012]
Preferably, the shift point changing means changes the shift point to a high vehicle speed side when the fuel cut region is changed to a high engine speed side by the fuel supply set amount changing means. Is what you do. With this configuration, the downshift of the automatic transmission is performed so that the engine rotation speed is maintained longer in the fuel cut region set on the high rotation side, so that fuel efficiency is improved.
[0013]
Preferably, the shift control unit assists the drive assist unit in assisting the driving of the engine by the drive assist unit while the fuel supply to the engine is stopped by the fuel supply amount suppressing unit. If it is determined that it is not possible, the automatic transmission is not upshifted until the stop of the fuel supply to the engine by the fuel supply amount suppressing means is stopped and the fuel supply is restarted. This eliminates the possibility that the automatic transmission is upshifted before the fuel supply to the engine is restarted, the engine speed is reduced, and the engine is not restarted.
[0014]
Preferably, (a) the relationship between the amount of fuel supplied to the engine speed and the amount of fuel supplied to the engine for controlling the fuel supply to the engine to be reduced by the fuel supply amount suppressing means is determined in advance. (B) the shift point changing means determines that the accelerator opening or the throttle opening is in a predetermined suppressed state in accordance with the change of the fuel reduction line by the fuel supply set amount changing means. The shift point when changing is changed. According to this configuration, when the fuel supply line is preset by the fuel supply set amount changing unit, the fuel supply amount with respect to the engine rotation speed is controlled by the fuel supply amount suppressing unit to reduce and control the fuel supply to the engine. The shift point set in advance for executing the shift of the automatic transmission by the shift control means is changed by the shift point changing means in accordance with the change of the fuel reduction line. The shift timing of the automatic transmission due to the change of the shift point is matched, and the fuel efficiency and drivability are further improved.
[0015]
Preferably, (a) a rotary drive device operatively connected to the engine, and the rotary drive device is operated by operating the rotary drive device so that the engine can be restarted smoothly by restarting fuel supply. (B) drive assist means for assisting rotational drive, and drive assist availability determining means for determining whether or not the rotational drive device is operated by the drive assist means to assist the rotational drive of the engine. The fuel supply set amount changing means changes the fuel reduction line in accordance with a result of determination by the drive assist availability determination means. According to this configuration, the drive assist availability determination unit determines whether or not the rotational drive of the engine can be assisted by the operation of the rotary drive device by the drive assist unit, and the fuel supply set amount changing unit determines according to the determination result. Since the fuel reduction line is changed, for example, when it is possible to assist the rotation drive of the engine by the rotary drive device, the fuel reduction line is suitable for the side where the engine rotation speed is low, that is, the side where the fuel supply amount is reduced. Is changed to
[0016]
Preferably, the shift point changing means changes the shift point to a low vehicle speed when the fuel reduction line is changed to a side on which the fuel supply amount with respect to the engine rotation speed is reduced by the fuel supply set amount changing means. To change to the side. By doing so, the downshift of the automatic transmission is executed on the low vehicle speed side, and the shift shock is suppressed, and the drivability is improved.
[0017]
Preferably, the shift control means may assist the drive assist means in assisting the rotational drive of the engine by the drive assist means by the drive assist availability determination means during the control of reducing the fuel supply to the engine by the fuel supply amount suppressing means. If it is determined that it is not possible, the automatic transmission is not upshifted until the control of reducing the fuel supply to the engine by the fuel supply amount suppressing means is stopped and the fuel supply is restarted. This eliminates the possibility that the automatic transmission is upshifted before the fuel supply to the engine is restarted, the engine speed is reduced, and the engine is not restarted.
[0018]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, a first embodiment of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0019]
FIG. 1 is a skeleton diagram illustrating a configuration of a
[0020]
The
[0021]
The
[0022]
The sun gear S1 and the sun gear S2 are integrally connected to each other, the ring gear R1, the carrier K2, and the carrier K3 are integrally connected, and the carrier K3 is connected to the
[0023]
A brake B3 is provided between the carrier K1 and the
[0024]
In the
[0025]
FIG. 3 is a diagram schematically showing a configuration of the power transmission device of the hybrid vehicle shown in FIG. As shown in FIG. 3, an exhaust
[0026]
Further, in the
[0027]
The first motor generator MG1 is disposed between the
The source pressure, that is, the line pressure is a maximum engagement pressure used for engaging each hydraulic friction engagement device of the
[0028]
FIG. 6 is a block diagram illustrating a control system for the
[0029]
The
[0030]
In the lock-up clutch control, in order to reduce the rotational loss of the
[0031]
In FIG. 10, a
[0032]
FIG. 11 is a functional block diagram illustrating a main part of a control function provided in the
[0033]
The fuel cut control means 104 serving as the fuel supply amount suppression means 102 has an engine rotation speed NEIn order to improve fuel efficiency by determining whether fuel supply to the
[0034]
The
[0035]
The drive assist
[0036]
The fuel cut area changing means 110 as the fuel supply set amount changing means 108 determines whether or not the driving assist means 122 can operate the first motor generator MG1 or the second motor generator MG2 by the driving assist means 122. The engine rotation speed N for executing the fuel cut operation by the fuel cut control means 104 according to the determination result.E, Ie, the fuel cut start rotation speed NEKAnd fuel cut return rotation speed NEFChange the fuel cut area set with. That is, when the operation of the first motor generator MG1 or the second motor generator MG2 for assisting the rotational drive of the
[0037]
The
[0038]
The shift point changing means 118 sets the shift point when the accelerator opening Acc used for shifting of the
[0039]
The downshift necessity determining means 120 performs downshifting of the
[0040]
The engine rotation speed determining means 128 outputs the current engine rotation speed N detected by the engine rotation speed sensor.EIs the fuel cut return rotation speed N set by the fuel cut area changing means 110 used when the operation of the first motor generator MG1 or the second motor generator MG2 is not possible.EFFor example, it is determined whether it is lower than 1000 rpm.
[0041]
FIG. 15 shows a main part of the control operation of the
[0042]
If the determination in SA2 is affirmative, in SA3 corresponding to the fuel cut area changing means 110 as the fuel supply set amount changing means 108, the fuel cut area is set to the engine low rotation speed side, for example, the fuel cut start rotation speed NEKAnd return rotation speed NEFAre set to 650 and 550 rpm, for example. Then, in SA4 corresponding to the shift point changing means 118, the fuel cut area is changed to the lower engine speed side in SA3, so that the shift point is also changed and set to the lower vehicle speed side in accordance with the change result. You. For example, the shift point is set to a point a 'and a point b' shown in FIG. 14B, which are set at a predetermined value lower speed than the points a and b shown in FIG. 14A. Similarly, if the determination in SA2 is negative, in SA10 corresponding to the fuel cut area changing means 110 as the fuel supply set amount changing means 108, the fuel cut area is set to a high engine speed side of the engine speed, for example, A set value when the first motor generator MG1 or the second motor generator MG2 is not provided, for example, the fuel cut start rotation speed NEKAnd return rotation speed NEFIs set to 1400 and 1000 rpm, for example. Next, in SA11 corresponding to the shift point changing means 118, since the fuel cut area is changed to the higher engine speed side in SA10, the shift point is also changed and set to the higher vehicle speed side according to the change result. You. For example, the shift point is set to points a and b shown in FIG. That is, in SA3 to SA4 or SA10 to SA11, the fuel cut area is changed and set by the fuel cut area changing means 110 according to the determination result by the drive assist
[0043]
Subsequently, in SA5 corresponding to the downshift necessity judging means 120, the downshift of the
[0044]
Next, at SA7 corresponding to the drive assist availability determination means 124, it is determined whether the operation of the first motor generator MG1 or the second motor generator MG2 is not disabled during the fuel cut operation in the same manner as at SA2. Is determined. If the determination in SA7 is affirmative, in SA12 corresponding to the shift control means 114, the current state is maintained and the engine speed NEIs the return rotation speed N set in SA4.EF(550 rpm) or less (t in FIG. 16).5The fuel cut operation is continued and the present routine is terminated (until the time point). If the determination is negative, the current engine speed N detected by the engine speed sensor is detected in SA8 corresponding to the engine speed determination means 128.EIs set in SA11 or is a value stored in advance because it is set, the fuel cut return rotation speed N when the operation of the first motor generator MG1 or the second motor generator MG2 is not possible.EFFor example, it is determined whether it is lower than 1000 rpm.
[0045]
If this SA8 is denied, the current engine speed NEIs the fuel cut return rotation speed N when the operation of the first motor generator MG1 or the second motor generator MG2 is not possible.EFAs described above, even when the rotation of the
[0046]
As described above, according to the first embodiment, when the accelerator opening or the throttle opening is determined to be in a predetermined restrained state, for example, fully closed during deceleration traveling of the vehicle, the fuel supply amount restraining means 102 The relationship of the fuel supply amount to the preset engine rotation speed for executing the suppression of the fuel supply to the
[0047]
According to the first embodiment, the engine speed NEThe relationship between the fuel supply amount and the engine rotation speed NEIncludes a fuel cut region for stopping the fuel supply to the
For example, when the fuel cut region is changed to the low engine speed where the engine speed is increased, the shift point is also changed to the low vehicle speed in accordance with the result of the change, so that the shift of the
[0048]
Further, according to the first embodiment, the rotation drive devices (first motor generator MG1 and second motor generator MG2) operatively connected to
[0049]
Further, according to the first embodiment, the shift point changing means 118 (SA4, SA11) changes the fuel cut area to the high engine speed side by the fuel supply set amount changing means 108 (SA3, SA10). Since the shift point is changed to a higher vehicle speed side, the engine speed NE, The downshift of the
[0050]
Further, according to the first embodiment, the shift control unit 114 (SA6) controls the drive assist by the drive assist availability determination unit 124 (SA7) while the fuel supply to the
[0051]
Next, a second embodiment of the present invention will be described. In the following description, the same parts as those in the first embodiment are denoted by the same reference numerals, and description thereof will be omitted.
[0052]
The second embodiment is common to the above-described first embodiment in the vehicle configuration shown in FIGS. 1 to 10 and therefore will not be described. The major difference from the first embodiment is that the fuel supply amount suppressing means 102 is replaced by a fuel cut control means 104 and is replaced by a fuel reduction control means 106. Briefly, the fuel cut control means 104 stops the fuel supply to the
[0053]
In FIG. 11, a fuel reduction control means 106 is used in place of the fuel cut control means 104 used as the fuel supply amount suppression means 102 in the first embodiment. The fuel reduction control means 106 controls the engine speed NECommand to reduce the fuel supply amount (fuel injection amount) to the
[0054]
The
[0055]
The drive assist
[0056]
A fuel reduction
[0057]
The
[0058]
The shift point changing means 118 changes the shift point when the accelerator opening Acc used for shifting of the
[0059]
The downshift necessity determining means 120 performs downshifting of the
[0060]
In the first embodiment, the engine rotation
[0061]
FIG. 18 shows a main part of the control operation of the
[0062]
If the determination in SB2 is affirmative, in SB3 corresponding to the fuel reduction line changing means 112 as the fuel supply set amount changing means 108, the fuel reduction line is set to a low engine speed side, for example, a dashed line shown in FIG. Is set. Then, in SB4 corresponding to the shift point changing means 118, the fuel reduction line has been changed to the lower engine speed side in SB3, so that the shift point is also changed to the lower vehicle speed side in accordance with the change result. You. For example, the shift point is set to a point a 'and a point b' shown in FIG. 14B, which are set at a predetermined value lower speed than the points a and b shown in FIG. 14A. Similarly, if the determination at SB2 is negative, then at SB10 corresponding to the fuel reduction line changing means 112 as the fuel supply set amount changing means 108, the fuel reduction line is set to a high engine speed side of the engine rotation speed, for example, The set value when the first motor generator MG1 or the second motor generator MG2 is not provided is set to, for example, a solid line shown in FIG. Next, in SB11 corresponding to the shift point changing means 118, since the fuel reduction line is changed to the higher engine speed side in SB10, the shift point is also changed and set to the higher vehicle speed side according to the change result. You. For example, the shift point is set to points a and b shown in FIG.
That is, in SB3 to SB4 or SB10 to SB11, the fuel reduction line is changed and set by the fuel reduction
[0063]
Subsequently, at SB5 corresponding to the downshift necessity determining means 120, the automatic transmission by the shift control means 114 for the operation of reducing the amount of fuel supply to the
[0064]
Next, in SB7 corresponding to the drive assist availability determination means 124, it is determined whether the operation of the first motor generator MG1 or the second motor generator MG2 is not disabled during the fuel cut operation in the same manner as in SB2. Is determined. If the determination in SB7 is affirmative, in SB12 corresponding to the shift control means 114, the current state is maintained and the engine rotational speed NEIs the fuel supply restart rotational speed N in accordance with the fuel reduction line indicated by the dashed line in FIG.EMA(T in FIG. 16)5Until the time point), the fuel cut state is continued, and then the fuel supply to the
[0065]
If this SB8 is denied, the current engine speed NEIs the fuel supply restart rotation speed N when the operation of the first motor generator MG1 or the second motor generator MG2 is not possible.EAAs described above, even when the rotation of the
[0066]
As described above, according to the second embodiment, when the accelerator opening or the throttle opening is determined to be in a predetermined restrained state, for example, fully closed during deceleration running of the vehicle, the fuel supply amount restraining means 102 The relationship between the fuel supply amount and the preset engine rotation speed for suppressing the fuel supply to the
[0067]
According to the second embodiment, the engine speed NEThe relationship between the fuel supply amount and the engine rotation speed N for controlling the fuel supply to the
[0068]
Further, according to the second embodiment, the rotation drive devices (first motor generator MG1 and second motor generator MG2) operatively connected to
[0069]
Further, according to the second embodiment, the shift point changing means 118 (SB4, SB11) uses the fuel supply set amount changing means 108 (SB3, SB10) to change the fuel reduction line to the engine speed N.EWhen the amount of fuel supplied to the vehicle is changed to a side where the fuel supply amount is reduced, the shift point is changed to the lower vehicle speed side. Tea is improved.
[0070]
Further, according to the second embodiment, the shift control means 114 (SB6) is driven by the drive assist availability determination means 124 (SB7) during the control of reducing the fuel supply to the
[0071]
Although the first and second embodiments of the present invention have been described in detail with reference to the drawings, the present invention is applicable to other aspects.
[0072]
For example, in the first embodiment described above, the fuel supply to the
[0073]
In the above-described first embodiment, the fuel cut area, which is determined by the fuel cut area changing means 110 executed in SA3 and defines a predetermined engine rotation speed, is different from the engine high rotation side (normal time). Although the setting is only for the low rotation speed side, more stages may be suitably set. In this case, the shift point may be suitably set by the shift point changing means 118 executed in SA4 according to the respective fuel cut areas.
[0074]
Further, in the above-described second embodiment, the fuel reduction line changed by the fuel reduction line changing means 112 executed in SB3 is, for example, as shown in FIG. Although there are two stages on the low rotation side, it may be suitably set so as to be more stages or continuous. In this case, the shift point may be suitably set by the shift point changing means 118 executed in SB4 according to the respective fuel reduction lines.
[0075]
Further, in the first and second embodiments described above, the
[0076]
The
[0077]
Further, the
[0078]
Further, in the first and second embodiments described above, it has been described that the 2 → 3 upshift and the 3 → 2 downshift are shown in FIG. 14, but for example, the 3 → 4 upshift and the 4 → 3 downshift, → 5 upshift and 5 → 4 downshift.
[0079]
In the above-described first and second embodiments, the
[0080]
In the first and second embodiments, the clutch C or the brake B, which is the engagement element of the
[0081]
It should be noted that what has been described above is merely an embodiment, and that the present invention can be embodied in various modified and improved forms based on the knowledge of those skilled in the art.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a skeleton diagram illustrating a power transmission device for a hybrid vehicle to which the present invention is applied.
FIG. 2 is a diagram showing a relationship between a combination of operations of a plurality of hydraulic friction engagement devices and a shift speed established thereby in the automatic transmission of FIG.
FIG. 3 is a schematic configuration diagram of a power transmission device of the hybrid vehicle of FIG. 1;
FIG. 4 is a view illustrating a variable valve mechanism provided in each cylinder of the engine of FIG. 1;
5 is a diagram illustrating a configuration of an electromagnetic actuator provided in the variable valve mechanism of FIG. 4 to open and close an intake valve or an exhaust valve at a desired timing.
FIG. 6 is a block diagram illustrating a main part of an input / output system of an electronic control device provided in the power transmission device of FIG. 1;
FIG. 7 is a diagram showing a relationship between the throttle valve opening and the accelerator opening of the engine in the power transmission device of FIG. 1;
FIG. 8 is a diagram illustrating a shift diagram used for shift control of the automatic transmission in the power transmission device of FIG. 1;
FIG. 9 is a diagram illustrating a lock-up area diagram used for controlling a lock-up clutch in the power transmission device of FIG. 1;
FIG. 10 is a view showing a shift operation device provided in the vehicle of FIG. 1;
11 is a functional block diagram for explaining a main part of a control function provided in the electronic control device of FIG. 6;
12 is a time chart for explaining a fuel cut operation by the electronic control device of FIG. 6;
13 is a setting example showing a fuel cut start rotation speed and a fuel cut return rotation speed that are set in advance based on the engine water temperature used in the fuel cut operation of the electronic control device of FIG. 6;
14 is a part of the shift diagram of FIG. 8 in the vicinity of where the accelerator is turned off, in which the solid line is an upshift line, and the broken line is a downshift line.
FIG. 15 is a diagram illustrating a main part of the control operation of the electronic control device of FIG. 6 according to the first embodiment, that is, the shift point is changed in accordance with a change in a fuel cut region for a fuel cut operation during deceleration running of the vehicle. 4 is a flowchart illustrating a shift control operation of the automatic transmission according to the first embodiment.
FIG. 16 is a time chart illustrating a shift control operation of FIG.
FIG. 17 is a relational diagram showing a fuel injection amount with respect to an engine rotation speed used in a fuel reduction control unit of the second embodiment.
FIG. 18 shows a main part of the control operation of the electronic control device of FIG. 6 which is the second embodiment, that is, a shift point in accordance with a change in the fuel reduction line for the operation of reducing the amount of fuel supplied to the engine when the vehicle is running at a reduced speed. 5 is a flowchart for explaining a shift control operation of the automatic transmission in which is changed.
FIG. 19 is a time chart for explaining the shift control operation of FIG. 18.
[Explanation of symbols]
10: Engine
14: Torque converter (fluid transmission)
16: Automatic transmission
102: fuel supply amount control means
108: fuel supply set amount changing means
114: shift control means
118: Shift point changing means
122: drive assist means
124: drive assist availability determination means
MG1, MG2: Motor generator (rotary drive)
Claims (9)
車両の減速走行中にアクセル開度或いはスロットル開度が所定の抑制状態と判定されると、予め設定されたエンジン回転速度に対する燃料供給量の関係に基づいて前記エンジンへの燃料供給を抑制する燃料供給量抑制手段と、
該エンジン回転速度に対する燃料供給量の関係を変更する燃料供給設定量変更手段と、
予め設定された変速点に基づいて前記自動変速機の変速を実行する変速制御手段と、
前記燃料供給設定量変更手段による前記エンジン回転速度に対する燃料供給量の関係の変更に応じてアクセル開度或いはスロットル開度が所定の抑制状態と判定されるときの前記変速点を変更する変速点変更手段とを、含むことを特徴とする車両の変速制御装置。A shift control device for a vehicle including an engine that operates by burning fuel and an automatic transmission,
When the accelerator opening or the throttle opening is determined to be in a predetermined suppression state during deceleration traveling of the vehicle, the fuel for suppressing fuel supply to the engine is determined based on a relationship between the fuel supply amount and a preset engine rotation speed. Supply amount control means;
Fuel supply set amount changing means for changing the relationship between the engine supply speed and the fuel supply amount;
Shift control means for shifting the automatic transmission based on a shift point set in advance;
Shift point change for changing the shift point when the accelerator opening or the throttle opening is determined to be in a predetermined restrained state according to a change in the relationship between the engine rotation speed and the fuel supply amount by the fuel supply set amount changing means. Means for controlling a shift of a vehicle.
前記変速点変更手段は、前記燃料供給設定量変更手段による該フューエルカット領域の変更に応じてアクセル開度或いはスロットル開度が所定の抑制状態と判定されるときの前記変速点を変更するものである請求項1の車両の変速制御装置。The relationship between the fuel supply amount and the engine rotation speed is such that a fuel cut region for stopping the fuel supply to the engine by the fuel supply amount suppression means when the engine rotation speed is higher than a predetermined return rotation speed. Including
The shift point changing means changes the shift point when the accelerator opening or the throttle opening is determined to be in a predetermined suppression state in accordance with the change of the fuel cut region by the fuel supply set amount changing means. The shift control device for a vehicle according to claim 1.
該エンジンが燃料供給の再開によって滑らかに再起動するために、該回転駆動装置を作動させて前記エンジンの回転駆動を補助する駆動アシスト手段と、
該駆動アシスト手段によって前記回転駆動装置が作動されて前記エンジンの回転駆動の補助が可能か否かを判定する駆動アシスト可否判定手段とを備え、
前記燃料供給設定量変更手段は、該駆動アシスト可否判定手段による判定結果に応じて前記フューエルカット領域を変更するものである請求項2の車両の変速制御装置。A rotary drive operatively connected to the engine;
Drive assist means for operating the rotary drive device to assist the rotary drive of the engine so that the engine can be restarted smoothly by restarting fuel supply;
Drive assist availability determining means for determining whether or not the rotational drive device is operated by the drive assist means to assist rotation drive of the engine,
3. The shift control device for a vehicle according to claim 2, wherein the fuel supply set amount changing means changes the fuel cut region according to a result of the determination by the drive assist availability determining means.
前記変速点変更手段は、前記燃料供給設定量変更手段による該燃料低減線の変更に応じてアクセル開度或いはスロットル開度が所定の抑制状態と判定されるときの前記変速点を変更するものである請求項1の車両の変速制御装置。The relationship between the fuel supply amount and the engine rotation speed is a fuel reduction line in which the fuel supply amount with respect to the engine rotation speed is set in advance to reduce and control the fuel supply to the engine by the fuel supply amount suppression means.
The shift point changing means changes the shift point when the accelerator opening or the throttle opening is determined to be in a predetermined restrained state according to the change of the fuel reduction line by the fuel supply set amount changing means. The shift control device for a vehicle according to claim 1.
該エンジンが燃料供給の再開によって滑らかに再起動するために、該回転駆動装置を作動させて前記エンジンの回転駆動を補助する駆動アシスト手段と、
該駆動アシスト手段によって前記回転駆動装置が作動されて前記エンジンの回転駆動の補助が可能か否かを判定する駆動アシスト可否判定手段とを備え、
前記燃料供給設定量変更手段は、該駆動アシスト可否判定手段による判定結果に応じて前記燃料低減線を変更するものである請求項6の車両の変速制御装置。A rotary drive operatively connected to the engine;
Drive assist means for operating the rotary drive device to assist the rotary drive of the engine so that the engine can be restarted smoothly by restarting fuel supply;
Drive assist availability determining means for determining whether or not the rotational drive device is operated by the drive assist means to assist rotation drive of the engine,
7. The vehicle shift control device according to claim 6, wherein the fuel supply set amount changing unit changes the fuel reduction line according to a result of the determination by the drive assist availability determination unit.
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- 2003-04-03 JP JP2003100767A patent/JP2004306707A/en active Pending
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