JP2004306582A - 平版印刷方法および平版印刷版原版 - Google Patents

平版印刷方法および平版印刷版原版 Download PDF

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Abstract

【課題】赤外線を放射するレーザにより画像記録が可能である平版印刷版原版を用いて、コンピュータ等のデジタルデータから直接、画像を記録させ、現像処理工程を行うことなく、機上現像する平版印刷方法であって、実用的なエネルギー量で良好な印刷物を多数枚得ることができる平版印刷方法の提供。
【解決手段】支持体上に、含窒素複素環と芳香環またはヘテロ環との縮合環を有し、かつ、前記芳香環または前記ヘテロ環に電子吸引性基または重原子含有基を有するシアニン色素である赤外線吸収剤(A)と、ラジカル発生剤(B)と、ラジカル重合性化合物(C)とを含有し、赤外線の照射により記録可能な画像記録層を有する平版印刷版原版を、赤外線レーザで画像様に露光した後、現像処理工程を経ることなく水性成分と油性インキとを供給して印刷する、平版印刷方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、平版印刷版原版およびそれを用いる平版印刷方法に関する。詳しくは、コンピュータ等のデジタル信号に基づいて赤外線レーザを走査することにより直接製版することができる、いわゆるダイレクト製版可能な平版印刷版原版、および、前記平版印刷版原版を、現像処理工程を経ることなく、印刷機上で直接現像して印刷する平版印刷方法に関する。
一般に、平版印刷版は、印刷過程でインキを受容する親油性の画像部と、湿し水を受容する親水性の非画像部とからなる。平版印刷は、水と油性インキが互いに反発する性質を利用して、平版印刷版の親油性の画像部をインキ受容部、親水性の非画像部を湿し水受容部(インキ非受容部)として、平版印刷版の表面にインキの付着性の差異を生じさせ、画像部のみにインキを着肉させた後、紙等の被印刷体にインキを転写して印刷する方法である。
この平版印刷版を作製するため、従来、親水性の支持体上に親油性の感光性樹脂層(画像記録層)を設けてなる平版印刷版原版(PS版)が広く用いられている。通常は、平版印刷版原版を、リスフィルム等の原画を通した露光を行った後、画像部の画像記録層を残存させ、非画像部の画像記録層をアルカリ性現像液または有機溶剤によって溶解して除去することで親水性の支持体の表面を露出させる方法により製版を行って、平版印刷版を得ている。
従来の平版印刷版原版の製版工程においては、露光の後、非画像部を画像記録層に応じた現像液等によって溶解除去する工程が必要であるが、このような付加的に行われる湿式処理を不要化しまたは簡易化することが課題の一つとして挙げられている。特に、近年、地球環境への配慮から湿式処理に伴って排出される廃液の処分が産業界全体の大きな関心事となっているので、上記課題の解決の要請は一層強くなってきている。
これに対して、簡易な製版方法の一つとして、平版印刷版原版の非画像部の除去を通常の印刷工程の中で行えるような画像記録層を用い、露光後、印刷機上で非画像部を除去し、平版印刷版を得る、機上現像と呼ばれる方法が提案されている。
機上現像の具体的方法としては、例えば、湿し水、インキ溶剤または湿し水とインキとの乳化物に溶解しまたは分散することが可能な画像記録層を有する平版印刷版原版を用いる方法、印刷機の圧胴やブランケット胴との接触により、画像記録層の力学的除去を行う方法、湿し水、インキ溶剤等の浸透によって画像記録層の凝集力または画像記録層と支持体との接着力を弱めた後、圧胴やブランケット胴との接触により、画像記録層の力学的除去を行う方法が挙げられる。
なお、本発明においては、特別な説明がない限り、「現像処理工程」とは、印刷機以外の装置(通常は自動現像機)を使用し、液体(通常はアルカリ性現像液)を接触させることにより、平版印刷版原版の赤外線レーザ未露光部分を除去し、親水性支持体表面を露出させる工程を指し、「機上現像」とは、印刷機を用いて、液体(通常は印刷湿し水)を接触させることにより、平版印刷版原版の赤外線レーザ未露光部分を除去し、親水性支持体表面を露出させる方法および工程を指す。
しかしながら、従来の紫外線や可視光を利用する画像記録方式の画像記録層を用いた場合、露光後も画像記録層が定着しないため、例えば、印刷機に装着するまでの間に、露光後の平版印刷版原版を完全に遮光状態または恒温条件で保存するといった、手間のかかる方法を採る必要があった。
一方、近年、画像情報をコンピュータを用いて電子的に処理し、蓄積し、出力する、デジタル化技術が広く普及してきており、このようなデジタル化技術に対応した新しい画像出力方式が種々実用されるようになってきている。これに伴い、レーザ光のような高収斂性の輻射線にデジタル化された画像情報を担持させて、その光で平版印刷版原版を走査露光し、リスフィルムを介することなく、直接平版印刷版を製造するコンピュータ・トゥ・プレート技術が注目されてきている。したがって、このような技術に適応した平版印刷版原版を得ることが重要な技術課題の一つとなっている。
上述したように、近年、製版作業の簡素化、乾式化および無処理化は、地球環境への配慮とデジタル化への適合化との両面から、従来にも増して、強く望まれるようになってきている。
最近、半導体レーザ、YAGレーザ等の高出力レーザが安価に入手できるようになってきたことから、デジタル化技術に組み込みやすい走査露光による平版印刷版の製造方法として、これらの高出力レーザを画像記録手段として用いる方法が有望視されるようになっている。
従来の製版方法では、感光性の平版印刷版原版に対して、低照度から中照度で像様露光を行い、画像記録層における光化学反応による像様の物性変化によって画像記録を行う。これに対して、上述した高出力レーザを用いる方法では、露光領域に極短時間に大量の光エネルギーを照射して、光エネルギーを効率的に熱エネルギーに変換させ、その熱により、画像記録層において化学変化、相変化、形態または構造の変化等の熱変化を起こさせ、その変化を画像記録に利用する。したがって、画像情報はレーザ光等の光エネルギーによって入力されるが、画像記録は光エネルギーに加えて熱エネルギーによる反応も加味された状態で行われる。通常、このような高パワー密度露光による発熱を利用した記録方式はヒートモード記録と呼ばれ、光エネルギーを熱エネルギーに変えることは光熱変換と呼ばれる。
ヒートモード記録を用いる製版方法の大きな長所は、室内照明のような通常の照度レベルの光では画像記録層が感光しないこと、および、高照度露光によって記録された画像の定着が必須ではないことにある。つまり、ヒートモード記録に用いられる平版印刷版原版は、露光前には室内光により感光してしまうおそれがなく、露光後には画像の定着が必須ではない。したがって、例えば、高出力レーザを用いた露光により不溶化しまたは可溶化する画像記録層を用い、露光した画像記録層を像様にして平版印刷版とする製版工程を機上現像で行えば、露光後、たとえ室内の環境光に暴露されても、画像が影響を受けないような印刷システムが可能となる。よって、ヒートモード記録を利用すれば、機上現像に好適に用いられる平版印刷版原版を得ることも可能となると期待される。
近年におけるレーザの発展は目覚ましく、特に波長760〜1200nmの赤外線を放射する半導体レーザおよび固体レーザは、高出力かつ小型のものを容易に入手することができるようになっている。コンピュータ等のデジタルデータから直接製版する際の記録光源として、このような赤外線レーザは極めて有用である。
しかしながら、画像記録層として実用上有用な感光性記録材料の多くは、感光波長が760nm以下の可視光域にあるため、赤外線レーザでは画像記録をすることができない。このため、赤外線レーザで画像記録をすることができる材料が望まれている。
これに対して、例えば、特許文献1には、親水性結合剤中に疎水性熱可塑性重合体粒子を分散させた像形成層を親水性支持体上に設けた平版印刷版原版が記載されている。この特許文献1には、上記平版印刷版原版を赤外線レーザにより露光して、疎水性熱可塑性重合体粒子を熱により合体させて画像を形成させた後、印刷機のシリンダー上に取り付け、湿し水および/またはインキにより機上現像することが可能である旨記載されている。
このように微粒子の単なる熱融着による合体で画像を形成させる方法は、良好な機上現像性を示すものの、画像強度(支持体との密着性)が極めて弱く、耐刷性が不十分であるという問題を有していた。
また、特許文献2には、支持体上に、赤外線吸収剤とラジカル重合開始剤と重合性化合物とを含有する感光層を設けた平版印刷版原版が記載されている。
このように重合架橋反応を用いる方法は、画像部の化学結合密度が高いため画像強度が比較的良好であるという特徴を有するが、実用的な観点から見ると、耐刷性および重合効率(感度)のいずれも未だ不十分であり、実用化には至っていない。
特許第2938397号公報 特開2002−287334号公報
したがって、本発明は、赤外線を放射するレーザにより画像記録が可能である平版印刷版原版を用いて、コンピュータ等のデジタルデータから直接、画像を記録させ、現像処理工程を行うことなく、機上現像する平版印刷方法であって、実用的なエネルギー量で良好な印刷物を多数枚得ることができる平版印刷方法、および、前記平版印刷方法に用いられる平版印刷版原版を提供することを目的とする。
本発明者は、平版印刷版原版の画像記録層に用いられるネガ型画像記録材料の構成成分に着目して鋭意研究した結果、特定の部分構造を有するシアニン色素を赤外線吸収剤として用いることにより、上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、支持体上に、含窒素複素環と芳香環またはヘテロ環との縮合環を有し、かつ、前記芳香環または前記ヘテロ環に電子吸引性基または重原子含有基を有するシアニン色素である赤外線吸収剤(A)と、ラジカル発生剤(B)と、ラジカル重合性化合物(C)とを含有し、赤外線の照射により記録可能な画像記録層を有する平版印刷版原版を、赤外線レーザで画像様に露光した後、水性成分と油性インキとを供給して、前記平版印刷版原版の前記画像記録層の赤外線レーザ未露光部分を除去し、印刷する平版印刷方法を提供する。
前記赤外線吸収剤(A)が下記式(1)で表されるのが好ましい。
Figure 2004306582
(式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数20個以下の炭化水素基を表す。Ar1 およびAr2 は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい、芳香族炭化水素基またはヘテロ環基を示す。Y1 およびY2 は、それぞれ独立に、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、炭素数12個以下のジアルキルメチレン基(ここで、「炭素数」は、メチレン基および二つのアルキル基の合計の炭素数を意味する。以下同じ。)または−CH=CH−基を表す。Z1 およびZ2 は、それぞれ、炭化水素基、オキシ基、電子吸引性基および重原子含有基からなる群から選ばれる置換基を表し、これらのうち少なくとも一つは電子吸引性基または重原子含有基である。nおよびmは、それぞれ、0以上の整数を表し、nとmの和は1以上である。
Qは、ペンタメチン基またはヘプタメチン基を表し、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、アリール基、オキシ基、イミニウム塩基および下記式(2)で表される置換基からなる群から選ばれる基で置換されていてもよく、また、連続した三つのメチン鎖を含むシクロヘキセン環、シクロペンテン環またはシクロブテン環を有していてもよい。
Figure 2004306582
(式中、R3 およびR4 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数6〜10のアリール基を表す。Y3 は、酸素原子または硫黄原子を表す。)
- は、電荷の中和が必要な場合に存在するカウンターアニオンを表す。)
中でも、シアニン色素が、両末端の芳香環上にハロゲン原子を有し、または、両末端の芳香環上にカルボニル置換基を有するのが好ましい。
前記赤外線吸収剤(A)、前記ラジカル発生剤(B)および前記ラジカル重合性化合物(C)の少なくとも一部がマイクロカプセル化されているのが、本発明の平版印刷方法の好ましい態様の一つである。
また、本発明は、支持体上に、含窒素複素環と芳香環またはヘテロ環との縮合環を有し、かつ、前記芳香環または前記ヘテロ環に電子吸引性基または重原子含有基を有するシアニン色素である赤外線吸収剤(A)と、ラジカル発生剤(B)と、ラジカル重合性化合物(C)とを含有し、印刷インキおよび/または湿し水により除去可能な画像記録層を有する平版印刷版原版を提供する。
前記赤外線吸収剤(A)、前記ラジカル発生剤(B)および前記ラジカル重合性化合物(C)の少なくとも一部がマイクロカプセル化されているのが、本発明の平版印刷版原版の好ましい態様の一つである。
本発明によれば、赤外線を放射するレーザにより画像記録が可能である平版印刷版原版を用いて、コンピュータ等のデジタルデータから直接、画像を記録させ、現像処理工程を行うことなく、機上現像する場合に、実用的なエネルギー量で良好な印刷物を多数枚得ることができる。
本発明の作用は明確ではないが、平版印刷版原版の画像記録層において、含窒素複素環と芳香環またはヘテロ環との縮合環を有し、かつ、前記芳香環または前記ヘテロ環に電子吸引性基を有するシアニン色素を赤外線吸収剤として用いると、ラジカル重合性化合物の重合反応が速やかに進行して強固な画像記録層が形成され、耐刷性が向上するものと考えられる。これは、電子吸引性基によりシアニン色素のイオン化ポテンシャルが増大するため、光熱変換による通常の開始剤の分解に加えて、赤外線照射時の励起状態と開始剤との間の何らかの相互作用が起きやすくなること、および、赤外線吸収剤自体の反応によりラジカルの発生する確率が高くなることにより、ラジカル重合性化合物の重合が促進されるためと考えられる。
また、平版印刷版原版の画像記録層において、含窒素複素環と芳香環またはヘテロ環との縮合環を有し、かつ、前記芳香環または前記ヘテロ環に重原子含有基を有するシアニン色素を赤外線吸収剤として用いると、ラジカル重合性化合物の重合反応が速やかに進行して強固な画像記録層が形成され、耐刷性が向上するものと考えられる。これは、赤外線照射時における赤外線吸収剤の三重項励起状態が生成しやすくなり、生成した三重項励起状態による重合を阻害する溶存酸素の不活性化や、赤外線吸収剤の三重項励起状態とラジカル発生剤との間の何らかの相互作用により、ラジカル発生剤の分解が促進されるためと考えられる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[平版印刷版原版]
<画像記録層>
本発明の平版印刷方法に用いられる本発明の平版印刷版原版は、支持体上に、含窒素複素環と芳香環またはヘテロ環との縮合環を有し、かつ、前記芳香環または前記ヘテロ環に電子吸引性基または重原子含有基を有するシアニン色素である赤外線吸収剤(A)と、ラジカル発生剤(B)と、ラジカル重合性化合物(C)とを含有し、赤外線の照射により記録可能となる画像記録層を有する。この平版印刷版原版においては、赤外線の照射により画像記録層の露光部が硬化して疎水性(親油性)領域を形成し、かつ、印刷開始時に未露光部が湿し水、インキまたは湿し水とインキとの乳化物によって支持体上から速やかに除去される。即ち、上記画像記録層は、印刷インキおよび/または湿し水により除去可能な画像記録層である。以下、画像記録層の各構成成分について説明する。
<含窒素複素環と芳香環またはヘテロ環との縮合環を有し、かつ、前記芳香環または前記ヘテロ環に電子吸引性基または重原子含有基を有するシアニン色素である赤外線吸収剤(A)>
本発明に用いられる赤外線吸収剤は、含窒素複素環と芳香環またはヘテロ環との縮合環を有し、かつ、前記芳香環または前記ヘテロ環に電子吸引性基を有するシアニン色素(A−1)、および/または、含窒素複素環と芳香環またはヘテロ環との縮合環を有し、かつ、前記芳香環または前記ヘテロ環に重原子含有基を有するシアニン色素(A−2)である。
まず、含窒素複素環と芳香環またはヘテロ環との縮合環を有し、かつ、前記芳香環または前記ヘテロ環に電子吸引性基を有するシアニン色素(A−1)について説明する。
電子吸引性基としては、Hammettの置換基定数σpara値が0.01以上である置換基が好ましく、σpara値が0.05以上である置換基がより好ましく、σpara値が0.20以上である置換基が更に好ましく、σpara値が0.30以上である置換基がまた更に好ましい。
σpara値が0.05以上の置換基としては、例えば、フッ素(0.06)、塩素(0.30)、臭素(0.27)、ヨウ素(0.30)等のハロゲン原子;−CHO(0.22)、−COCH3 (0.50)、−COC6 5 (0.46)、−CONH2 (0.36)、−COO- (0.30)、−COOH(0.41)、−COOCH3 (0.39)、−COOC2 5 (0.45)等のカルボニル置換基;−SOCH3 (0.49)、−SO2 CH3 (0.72)、−SO2 6 5 、−SO2 CF3 (0.93)、−SO2 NH2 (0.57)、−SO2 OC6 5 、−SO3 - (0.09)、−SO3 H(0.50)等のスルホニル置換基またはスルフィニル置換基;−CN(0.01)、−N(CH3 3 + (0.82)、−N(CF3 2 (0.53)等の含窒素置換基;−CCl3 、−CH2 Cl(0.18)、−CHCl2 、−CF3 (0.54)等のハロゲン原子含有置換基が挙げられる(前記かっこ内の数値は各化合物のσpara値である。)。
このような電子吸引性基の好適な具体例としては、例えば、非共有電子対を有する置換基が挙げられる。非共有電子対を有する置換基としては、例えば、カルボニル基を有する置換基、スルホニル基を有する置換基、スルフィニル基を有する置換基、エーテル結合を有する置換基が挙げられる。中でも、カルボニル基を有する置換基が好ましい。
カルボニル基を有する置換基としては、具体的には、例えば、アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基;メトキシカルボニル基、トルイルオキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基;ジエチルアミノカルボニル基等のアミド基;カルボキシ基が挙げられる。これらは2価以上の連結基を介して、シアニン色素の芳香環またはヘテロ環に結合していてもよい。
つぎに、含窒素複素環と芳香環またはヘテロ環との縮合環を有し、かつ、前記芳香環または前記ヘテロ環に重原子含有基を有するシアニン色素(A−2)について説明する。
本発明において、「重原子含有基」とは、原子量28以上の原子を含む置換基を意味する。原子量28以上の原子としては、例えば、ケイ素(28.09)、リン(30.97)、硫黄(32.07)、塩素(35.45)、ゲルマニウム(72.61)、ヒ素(74.92)、セレン(78.96)、臭素(79.90)、スズ(118.71)、アンチモン(121.76)、テルル(127.60)、ヨウ素(126.90)が好適に挙げられる(前記かっこ内の数値は各原子の原子量である。)。中でも、安全性および原料入手性の観点から、ケイ素、リン、ハロゲン(例えば、塩素、臭素、ヨウ素)が好ましく、特に、ハロゲンが好ましい。
これらの原子量28以上の原子は、単独でまたは他の原子と組み合わされて、シアニン色素の芳香環またはヘテロ環の置換基を形成する。また、そのような置換基は2価以上の連結基を介して、シアニン色素の芳香環またはヘテロ環に結合していてもよい。
ケイ素を含む置換基としては、例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基等のアルキル基またはアリール基をケイ素原子上に有する置換基が挙げられる。リンを含む置換基としては、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基等のアルキル基またはアリール基をリン原子上に有する置換基;フォスフォノ基が挙げられる。硫黄を含む置換基としては、例えば、メチルスルホニル基、フェニルスルホニル基等のアルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基;エチルスルフィニル基、トルイルスルフィニル基等のアルキルスルフィニル基またはアリールスルフィニル基;スルホ基、スルフィノ基、スルフェノ基等の硫黄酸基またはその塩もしくはそのエステル誘導体;メチルチオ基、フェニルチオ基等のアルキルチオ基またはアリールチオ基が挙げられる。ハロゲンを含む置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ハロゲン置換アルキル基、ハロゲン置換アリール基が挙げられる。
本発明に用いられるシアニン色素としては、画像形成性および吸収波長適性の観点から、インドレニン骨格、ベンゾインドレニン骨格、ベンゾチアゾール骨格、ベンズオキサゾール骨格またはベンズセレナゾール骨格を有するヘプタメチンシアニン色素が特に好ましく、インドレニン骨格またはベンゾインドレニン骨格を有するヘプタメチンシアニン色素が最も好ましい。例えば、下記式(l)で表されるシアニン色素が好適に挙げられる。
Figure 2004306582
式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数20個以下の炭化水素基を表す。中でも、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
Ar1 およびAr2 は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい、芳香族炭化水素基またはヘテロ環基を示す。芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環が挙げられ、ヘテロ環基としては、例えば、ピリジン環、ピラジン環が挙げられる。中でも、ベンゼン環、ナフタレン環が好ましい。
1 およびY2 は、それぞれ独立に、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、炭素数12個以下のジアルキルメチレン基または−CH=CH−基を表す。中でも、ジアルキルメチレン基(例えば、ジメチルメチレン基)が好ましい。
1 およびZ2 は、それぞれ、炭化水素基、オキシ基、電子吸引性基および重原子含有基からなる群から選ばれる置換基を表し、これらのうち少なくとも一つは電子吸引性基または重原子含有基である。電子吸引性基および重原子含有基としては、例えば、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいカルボニル基、置換基を有していてもよいスルホニル基、チオ基、ハロゲン化アルキル基、シリル基等が好適に挙げられる。中でも、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、ハロゲン置換アルキル基が好ましい。
nおよびmは、それぞれ、0以上の整数を表し、nとmの和は1以上である。
Qは、ペンタメチン基またはヘプタメチン基を表す。赤外線に対する波長適性および安定性の点で、ヘプタメチン基が好ましい。Qは、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、アリール基、オキシ基、イミニウム塩基および下記式(2)で表される置換基からなる群から選ばれる基で置換されていてもよい。中でも、ジアリールアミノ基(例えば、ジフェニルアミノ基)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基)が好ましく、ジアリールアミノ基が特異的に好ましい。また、Qは、安定性の点で、連続した三つのメチン鎖を含むシクロヘキセン環、シクロペンテン環またはシクロブテン環を有しているのが好ましい。中でも、シクロペンテン環、シクロヘキセン環が好ましい。
Figure 2004306582
式中、R3 およびR4 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数6〜10のアリール基を表す。Y3 は、酸素原子または硫黄原子を表す。
- は、電荷の中和が必要な場合に存在するカウンターアニオンを表す。中でも、画像記録層用塗布液の保存安定性の点で、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、スルホン酸イオンであるのが好ましく、過塩素酸イオン、スルホン酸イオンであるのがより好ましい。
中でも、下記式(3)で表されるシアニン色素が好適例の一つとして挙げられる。
Figure 2004306582
式中、R5 およびR6 は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数20個以下の炭化水素基を表す。中でも、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
Ar3 およびAr4 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数6〜10のアリール基を表す。中でも、フェニル基が好ましい。
4 およびY5 は、それぞれ独立に、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、炭素数12個以下のジアルキルメチレン基または−CH=CH−基を表す。中でも、ジアルキルメチレン基(例えば、ジメチルメチレン基)が好ましい。
3 〜Z10は、それぞれ、水素原子、電子吸引性基または重原子含有基を表し、これらのうち少なくとも一つは、電子吸引性基または重原子含有基を表す。中でも、ハロゲン原子またはアルコキシカルボニル基が好ましい。
- は、上記式(1)におけるのと同義である。中でも、CF3 SO3 - イオンが好ましい。
また、好適に挙げられるシアニン色素の具体例を、その発色団の骨格と、置換基とを明示して、下記表に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記表に示されるシアニン色素のうち、IR−2、IR−6、IR−8、IR−11およびIR−33が、上記式(3)で表され、X- がCF3 SO3 - である化合物に該当する。
また、後述する実施例で用いられるIR−36およびIR−37も、上記式(3)で表されるシアニン色素に該当し、好適に用いられる。
Figure 2004306582
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上記シアニン色素は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、上述した含窒素複素環と芳香環またはヘテロ環との縮合環を有し、かつ、前記芳香環または前記ヘテロ環に電子吸引性基または重原子含有基を有するシアニン色素である赤外線吸収剤(A)を用いているため、平版印刷版原版の感度および機上現像により得られる平版印刷版の耐刷性が優れたものとなる。よって、赤外線を放射するレーザを実用的なエネルギー量で用いて機上現像することにより、現像処理工程を行うことなく、良好な印刷物を多数枚得ることができる。
また、本発明の効果を損なわない範囲において、上記シアニン色素(A−1)および(A−2)以外の赤外線吸収剤を併用することができる。この場合には、上記シアニン色素(A−1)および(A−2)以外の赤外線吸収剤の含有量は、赤外線吸収剤の全固形分に対して、40質量%以下であるのが好ましい。
併用可能な赤外線吸収剤としては、記録に使用する光エネルギー照射線を吸収し、熱を発生させる物質であれば特に吸収波長領域を限定されないが、入手容易な高出力レーザへの適合性の観点から、波長760〜1200nmの領域に吸収極大を有する赤外線吸収性の染料または顔料が好適に挙げられる。
染料としては、市販の染料、および、「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクアリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体、オキソノール染料、ジイモニウム染料、アミニウム染料、クロコニウム染料が挙げられる。
好ましい染料としては、例えば、特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭59−202829号および特開昭60−78787号の各公報等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号および特開昭58−194595号の各公報等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号および特開昭60−63744号の各公報等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号公報等に記載されているスクアリリウム色素、英国特許第434,875号明細書に記載されているシアニン染料が挙げられる。
また、米国特許第5,156,938号明細書に記載されている近赤外吸収増感剤も好適に用いられる。また、米国特許第3,881,924号明細書に記載されている置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号公報(米国特許第4,327,169号明細書)に記載されているトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号および同59−146061号の各公報に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号に記載されているシアニン色素、米国特許第4,283,475号明細書に記載されているペンタメチンチオピリリウム塩等、特公平5−13514号公報および同5−19702号公報に記載されているピリリウム化合物も好適に用いられる。
また、米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)および(II)として記載されている近赤外吸収染料も好適に挙げられる。
これらの染料のうち特に好適な例としては、シアニン色素、フタロシアニン染料、オキソノール染料、スクアリリウム色素、ピリリウム塩、チオピリリウム染料、ニッケルチオレート錯体が挙げられる。更に、下記一般式(a)〜(e)で表される染料が光熱変換効率に優れるため好ましい。特に、下記一般式(a)で表されるシアニン色素は、高い重合活性を与え、かつ、安定性および経済性に優れるため、最も好ましい。
Figure 2004306582
上記一般式(a)中、X1 は、水素原子、ハロゲン原子、−NPh2 、酸素原子、硫黄原子、炭素数1〜12の炭化水素基、ヘテロ原子を有する芳香族環、ヘテロ原子を含む炭素数1〜12の炭化水素基または下記式で表される基を表す。ここで、ヘテロ原子とは、N、S、O、ハロゲン原子およびSeを意味する。
Figure 2004306582
1 およびR2 は、それぞれ、炭素数1〜12の炭化水素基を示し、R1 とR2 とが互いに結合していてもよい。画像記録層用塗布液の保存安定性の点で、R1 およびR2 がそれぞれ炭素数2個以上の炭化水素基であるのが好ましい。また、R1 とR2 とが互いに結合し、5員環または6員環を形成しているのがより好ましい。
Ar1 およびAr2 は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。好適な芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環が挙げられる。また、好適な置換基としては、例えば、炭素数12個以下の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素数12個以下のアルコキシ基が挙げられる。
1 およびY2 は、それぞれ独立に、硫黄原子または炭素数12個以下のジアルキルメチレン基を表す。
3 およびR4 は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数20個以下の炭化水素基を表す。好適な置換基としては、例えば、炭素数12個以下のアルコキシ基、カルボキシ基、スルホ基が挙げられる。
5 〜R8 は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数12個以下の炭化水素基を表す。原料の入手性から、それぞれ水素原子であるのが好ましい。
a - は、対アニオン(カウンターアニオン)を表す。ただし、R1 〜R8 のいずれかにスルホ基が置換されている場合は、Za - は必要ない。好適なZa - としては、画像記録層用塗布液の保存安定性の点で、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、スルホン酸イオンが挙げられる。中でも、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロフォスフェートイオン、アリールスルホン酸イオンが好ましい。
上記式(a)で表されるシアニン色素の具体例を以下に示す。
Figure 2004306582
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上記一般式(b)中、Lは、共役炭素数7以上のメチン鎖を表し、該メチン鎖は置換基を有していてもよく、置換基が互いに結合して環構造を形成していてもよい。
b + は、対カチオンを表す。例えば、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウム、ピリジニウム、アルカリ金属カチオン(Na+ 、K+ 、Li+ )が好適に挙げられる。
9 〜R20は、それぞれ、水素原子またはハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、カルボニル基、チオ基、スルホニル基、スルフィニル基、オキシ基およびアミノ基からなる群から選ばれる置換基もしくはこれらを二つもしくは三つ組み合せた置換基を表し、R9 〜R20は、互いに結合して環構造を形成していてもよい。
上記一般式(b)で表される染料としては、Lが共役炭素数7のメチン鎖を表し、かつ、R9 〜R20がすべて水素原子を表すものが、入手の容易性および効果の観点から好ましい。
上記一般式(b)で表される染料の具体例を以下に示す。
Figure 2004306582
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上記一般式(c)中、Y3 およびY4 は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子またはテルル原子を表す。
Mは、共役炭素数5以上のメチン鎖を表す。
21〜R28は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、カルボニル基、チオ基、スルホニル基、スルフィニル基、オキシ基またはアミノ基を表す。
a - は、上記一般式(a)におけるZa - と同様である。
上記一般式(c)で表される染料の具体例を以下に示す。
Figure 2004306582
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上記一般式(d)中、R29〜R32は、それぞれ、水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R29とR30、および、R31とR32は、それぞれ結合して環を形成していてもよい。
33およびR34は、それぞれ、アルキル基、置換オキシ基またはハロゲン原子を表し、R33およびR34は、それぞれ、複数個存在する場合に、R33同士またはR34同士が互いに結合して環を形成してもよい。
また、R29および/またはR30とR33、ならびに、R31および/またはR32とR34は、それぞれ、結合して環を形成してもよい。
nおよびmは、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
2 およびX3 は、それぞれ、水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、X2 およびX3 の少なくとも一方は水素原子またはアルキル基を表す。
Qは、置換基を有していてもよいトリメチン基またはペンタメチン基を表し、2価の有機基とともに環構造を形成してもよい。
c - は、上記一般式(a)におけるZa - と同様である。
上記一般式(d)で表される染料の具体例を以下に示す。
Figure 2004306582
Figure 2004306582
上記一般式(e)中、R35〜R50は、それぞれ独立に、水素原子もしくはハロゲン原子、または、置換基を有してもよい、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基、カルボニル基、チオ基、スルホニル基、スルフィニル基、オキシ基、アミノ基もしくはオニウム塩構造を表す。R35〜R50が電荷を有する場合は、対イオンを有していてもよい。
Mは、二つの水素原子、金属原子、ハロメタル基またはオキシメタル基を表す。Mに含まれる金属原子としては、例えば、周期律表の1族(IA族)、2族(IIA族)、13族(IIIB族)および14族(IVB族)に属する元素、遷移金属元素ならびにランタノイド元素の原子が挙げられる。中でも、銅、マグネシウム、鉄、亜鉛、コバルト、アルミニウム、チタン、バナジウムが好ましい。
上記一般式(e)で表される染料の具体例を以下に示す。
Figure 2004306582
顔料としては、市販の顔料、および、カラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)等の文献に記載されている顔料が挙げられる。
顔料としては、例えば、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、例えば、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレンおよびペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラックが挙げられる。中でも、カーボンブラックが好ましい。
顔料は、表面処理を施さずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法としては、例えば、樹脂またはワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート)を顔料表面に結合させる方法が挙げられる。表面処理の方法としては、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)および「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている方法を用いることができる。
赤外線吸収剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記赤外線吸収剤(A)およびそれ以外の赤外線吸収剤の含有量は、画像記録層の全固形分に対して、0.01〜50質量%であるのが好ましく、0.1〜20質量%であるのがより好ましく、0.5〜10質量%であるのが更に好ましい。この範囲で感度と画像部の膜強度とが特に良好となる。
また、赤外線領域における吸収極大での画像記録層の光学濃度が、0.05〜3.0であるのが好ましい。上記範囲であると、感度が高くなる。上記光学濃度は、赤外線吸収剤の含有量と画像記録層の厚さとにより決定されるため、両者の条件を制御することにより所望の光学濃度を得ることができる。
画像記録層の光学濃度は、常法により測定することができる。例えば、透明または白色の支持体上に、乾燥後の塗布量が平版印刷版原版として必要な範囲で適宜決定された厚さの画像記録層を形成させ、透過型の光学濃度計で測定する方法、アルミニウム等の反射性の支持体上に画像記録層を形成させ、反射濃度を測定する方法が挙げられる。
画像記録層において、赤外線吸収剤は、他の成分と同一の層に添加してもよいし、後述するオーバーコート層等の別の層を設けて、そこへ添加してもよい。
<ラジカル発生剤(B)>
ラジカル発生剤は、光、熱またはその両方のエネルギーによりラジカルを発生させ、後述するラジカル重合性化合物(C)の重合を開始させ促進する。
本発明に用いられるラジカル発生剤(B)としては、公知の熱重合開始剤、結合解離エネルギーの小さな結合を有する化合物等が挙げられる。例えば、オニウム塩、トリハロメチル基を有するトリアジン化合物、過酸化物、アゾ系重合開始剤、アジド化合物、キノンジアジド化合物、メタロセン化合物、有機ホウ素塩化合物が挙げられる。中でも、オニウム塩が高感度である点で好ましい。
オニウム塩としては、例えば、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、アンモニウム塩、ピリジニウム塩が挙げられる。中でも、ヨードニウム塩、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩が好ましく、スルホニウム塩がより好ましく、対イオンがカルボキシレートイオンであるスルホニウム塩が更に好ましい。好適な具体例として、下記一般式(III)〜(V)で表されるオニウム塩が挙げられる。また、本発明においては、画像記録層の親水性を高め、機上現像性を高めるという観点から、水溶性のオニウム塩が好ましい。
Figure 2004306582
上記一般式(III)中、Ar11およびAr12は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数20個以下のアリール基を表す。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数12個以下のアルキル基、炭素数12個以下のアルコキシ基、炭素数12個以下のアリールオキシ基が好適に挙げられる。
11- は、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、カルボキシレートイオンおよびスルホン酸イオンからなる群から選ばれる対イオンを表す。中でも、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロフォスフェートイオン、カルボキシレートイオン、アリールスルホン酸イオンが好ましい。
上記一般式(IV) 中、Ar21は、置換基を有していてもよい炭素数20個以下のアリール基を表す。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数12個以下のアルキル基、炭素数12個以下のアルコキシ基、炭素数12個以下のアリールオキシ基、炭素数12個以下のアルキルアミノ基、炭素数12個以下のジアルキルアミノ基、炭素数12個以下のアリールアミノ基、炭素数12個以下のジアリールアミノ基が好適に挙げられる。
21- は、上記一般式(III)におけるZ11- と同様である。
上記一般式(V)中、R31〜R33は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数20個以下の炭化水素基を表す。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数12個以下のアルキル基、炭素数12個以下のアルコキシ基、炭素数12個以下のアリールオキシ基が好適に挙げられる。
31- は、上記一般式(III)におけるZ11- と同様である。
上記一般式(III)で表されるオニウム塩(OI−1〜OI−10)、上記一般式(IV)で表されるオニウム塩(ON−1〜ON−5)および上記一般式(V)で表されるオニウム塩(OS−1〜OS−7)の具体例を以下に挙げる。
Figure 2004306582
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ラジカル発生剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、本発明においては、上述したオニウム塩は酸発生剤としてではなく、イオン性のラジカル重合の開始剤として機能する。
本発明において用いられるラジカル発生剤(B)は、極大吸収波長が400nm以下であるのが好ましく、330nm以下であるのがより好ましく、270nm以下であるのが更に好ましい。このように吸収波長を紫外線領域に有すると、画像記録材料の取り扱いを白灯下で実施することができる。
ラジカル発生剤(B)の含有量は、画像記録層の全固形分に対して、0.1〜50質量%であるのが好ましく、0.5〜30質量%であるのがより好ましく、1〜20質量%であるのが更に好ましい。この範囲で感度と印刷時の非画像部の汚れにくさとが特に良好となる。
画像記録層において、ラジカル発生剤は、他の成分と同一の層に添加してもよいし、後述するオーバーコート層等の別の層を設けて、そこへ添加してもよい。
<ラジカル重合性化合物(C)>
本発明に用いられるラジカル重合性化合物(C)は、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有するラジカル重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定なく用いることができる。これらは、例えば、モノマー、プレポリマー(即ち、2量体、3量体およびオリゴマー)、これらの混合物、これらの共重合体等の化学的形態を有する。
モノマーおよびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸)や、そのエステル類、アミド類が挙げられる。好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル類、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。
また、ヒドロキシ基、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル、アミド類と、単官能または多官能のイソシアネート類またはエポキシ類との付加反応物、単官能または多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、単官能または多官能のアルコール類、アミン類またはチオール類との付加反応物、更に、ハロゲン基、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、単官能または多官能のアルコール類、アミン類またはチオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステルの具体例を以下に挙げる。
アクリル酸エステルとしては、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3 ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4 シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマーが挙げられる。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3 ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタンが挙げられる。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3 ブタンジオールジイタコネート、1,4 ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネートが挙げられる。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネートが挙げられる。
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネートが挙げられる。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレートが挙げられる。
その他のエステルの例としては、特公昭46−27926号、特公昭51−47334号および特開昭57−196231号の各公報に記載されている脂肪族アルコール系エステル類、特開昭59−5240号、特開昭59−5241号および特開平2−226149号の各公報に記載されている芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報に記載されているアミノ基を含有するものが好適に挙げられる。
また、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドに用いられるモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミドが挙げられる。
その他のアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報に記載されているシクロへキシレン構造を有するものが挙げられる。
また、イソシアネート基とヒドロキシ基との付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適に挙げられる。具体例としては、特公昭48−41708号公報に記載されている、1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記式(VI)で表されるヒドロキシ基を含有するビニルモノマーを付加させて得られる、1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物が挙げられる。
CH2 =C(R41)COOCH2 CH(R42)OH (VI)
(式中、R41およびR42は、それぞれ独立に、−Hまたは−CH3 を表す。)
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号および特公平2−16765号の各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417および特公昭62−39418号の各公報に記載されているエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適に挙げられる。
更に、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号および特開平1−105238号の各公報に記載されている、分子内にアミノ構造またはスルフィド構造を有するラジカル重合性化合物類も好適に挙げられる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号および特公昭52−30490号の各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートまたはメタクリレートが挙げられる。
また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号および特公平1−40336号に記載されている特定の不飽和化合物、特開平2−25493号公報に記載されているビニルホスホン酸系化合物等も挙げられる。
また、特開昭61−22048号公報に記載されているペルフルオロアルキル基を含有する構造も好適に使用される場合がある。
更に、日本接着協会誌vol.20、No.7、p.300〜308(1984年)に、光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも挙げられる。
ラジカル重合性化合物(C)について、どのような構造を用いるか、単独で使用するか2種以上を併用するか、添加量はどうかといった、使用方法の詳細は、最終的な記録材料の性能設計にあわせて、任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部、即ち、硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数や異なる重合性基を有する化合物(例えば、アクリル酸エステル系化合物、メタクリル酸エステル系化合物、スチレン系化合物)を組み合わせて用いることで、強度を調節する方法も有効である。また、画像記録層中の他の成分(例えば、バインダーポリマー、開始剤、着色剤等)との相溶性および分散性に対しても、ラジカル重合化合物の選択および使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の化合物の併用によって、相溶性を向上させうることがある。また、支持体、オーバーコート層等の密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもありうる。
これらの観点から、ラジカル重合性化合物(C)の配合比は、多くの場合、画像記録層の全固形分に対して、5〜80質量%であるのが好ましく、20〜75質量%であるのがより好ましい。また、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。そのほか、ラジカル重合性化合物(C)の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量を任意に選択でき、更に場合によっては下塗り、上塗りといった層構成および塗布方法も実施しうる。
<バインダーポリマー(D)>
本発明においては、画像記録層の皮膜特性の向上等の目的で、更にバインダーポリマー(D)を使用するのが好ましい。バインダーポリマーとしては線状有機ポリマーを用いることが好ましい。線状有機ポリマーとしては、従来公知のものを用いることができる。
バインダーを使用する目的は、上述したように、主に皮膜特性の向上であるが、ほかに画像記録層の未露光部のインキへの分散性を向上させるために、親油的なバインダーを添加することも有用である。このようなバインダーの例として、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ノボラック型フェノール系樹脂、ポリウレア樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、合成ゴム、天然ゴムが挙げられる。
これらバインダーは、架橋性を有していることが好ましい。バインダーに架橋性を持たせるためには、エチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を高分子の主鎖中または側鎖中に導入すればよい。架橋性官能基は、共重合により導入してもよい。
分子の主鎖中にエチレン性不飽和結合を有するポリマーの例としては、ポリ−1,4−ブタジエン、ポリ−1,4−イソプレンが挙げられる。
分子の側鎖中にエチレン性不飽和結合を有するポリマーの例としては、アクリル酸またはメタクリル酸のエステルまたはアミドのポリマーであって、エステルまたはアミドの残基(−COORまたは−CONHRのR)がエチレン性不飽和結合を有するポリマーを挙げることができる。
エチレン性不飽和結合を有する残基(上記R)の例としては、−(CH2 n CR1 =CR2 3 、−(CH2 O)n CH2 CR1 =CR2 3 、−(CH2 CH2 O)n CH2 CR1 =CR2 3 、−(CH2 n NH−CO−O−CH2 CR1 =CR2 3 、−(CH2 n −O−CO−CR1 =CR2 3 および−(CH2 CH2 O)2 −X(式中、R1 〜R3 はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アルコキシ基もしくはアリールオキシ基を表し、R1 とR2 またはR3 とは互いに結合して環を形成してもよい。nは、1〜10の整数を表す。Xは、ジシクロペンタジエニル残基を表す。)を挙げることができる。
エステル残基の具体例としては、−CH2 CH=CH2 (特公平7−21633号公報に記載されている。)、−CH2 CH2 O−CH2 CH=CH2 、−CH2 C(CH3 )=CH2 、−CH2 CH=CH−C6 5 、−CH2 CH2 OCOCH=CH−C6 5 、−CH2 CH2 −NHCOO−CH2 CH=CH2 および−CH2 CH2 O−X(式中、Xはジシクロペンタジエニル残基を表す。)が挙げられる。
アミド残基の具体例としては、−CH2 CH=CH2 、−CH2 CH2 −Y(式中、Yはシクロヘキセン残基を表す。)、−CH2 CH2 −OCO−CH=CH2 が挙げられる。
架橋性を有するバインダーポリマーは、例えば、その架橋性官能基にフリーラジカル(重合開始ラジカルまたは重合性化合物の重合過程の生長ラジカル)が付加し、ポリマー間で直接にまたは重合性化合物の重合連鎖を介して付加重合して、ポリマー分子間に架橋が形成されて硬化する。または、ポリマー中の原子(例えば、官能性架橋基に隣接する炭素原子上の水素原子)がフリーラジカルにより引き抜かれてポリマーラジカルが生成し、それが互いに結合することによって、ポリマー分子間に架橋が形成されて硬化する。
バインダーポリマー中の架橋性基の含有量(ヨウ素滴定によるラジカル重合可能な不飽和二重結合の含有量)は、バインダーポリマー1gあたり、好ましくは0.1〜10.0mmol、より好ましくは1.0〜7.0mmol、更に好ましくは2.0〜5.5mmolである。この範囲で感度と保存安定性とが特に良好となる。
一方、インキではなく湿し水による現像性を向上させるために、親水的なポリマーを添加することもできる。このようなバインダーの例として、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、アミノ基、アミノエチル基、アミノプロピル基、カルボキシメチル基、スルホン基等の親水性基を有するものが好適に挙げられる。
具体例として、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、デンプン誘導体、カルボキシメチルセルロースおよびそのナトリウム塩、セルロースアセテート、アルギン酸ナトリウム、酢酸ビニル−マレイン酸コポリマー類、スチレン−マレイン酸コポリマー類、ポリアクリル酸類およびそれらの塩、ポリメタクリル酸類およびそれらの塩、ヒドロキシエチルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシエチルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシピロピルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシプロピルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシブチルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシブチルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ポリエチレングリコール類、ヒドロキシプロピレンポリマー類、ポリビニルアルコール類、加水分解度が60質量%以上、好ましくは80質量%以上である加水分解ポリビニルアセテート、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、アクリルアミドのホモポリマーおよびコポリマー、メタクリルアミドのホモポリマーおよびポリマー、N−メチロールアクリルアミドのホモポリマーおよびコポリマーが挙げられる。
そのほかに、水溶性線状有機ポリマーとして、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド等が有用である。また、硬化皮膜の強度を向上させるために、アルコール可溶性ナイロン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンとのポリエーテル等も有用である。
バインダーポリマー(D)としては、画像記録層をインキ受容性とすることが必須であるため、親水的な水溶性バインダーより親油的な水不溶性バインダーの方が好ましい。
バインダーポリマー(D)は、重量平均分子量が5000以上であるのが好ましく、1万〜30万であるのがより好ましく、また、数平均分子量が1000以上であるのが好ましく、2000〜25万であるのがより好ましい。多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、1.1〜10であるのが好ましい。
バインダーポリマー(D)は、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等のいずれでもよいが、ランダムポリマーであるのが好ましい。
バインダーポリマー(D)は、従来公知の方法により合成することができる。合成する際に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジメチルスルホキシド、水が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上混合して用いられる。
バインダーポリマー(D)を合成する際に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等の公知の化合物を用いることができる。
バインダーポリマー(D)は単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
バインダーポリマー(D)の含有量は、画像記録層の全固形分に対して、20〜95質量%であるのが好ましく、30〜90質量%であるのがより好ましい。この範囲で画像部の強度と画像形成性とが特に良好となる。
また、ラジカル重合性化合物(C)とバインダーポリマー(D)は、質量比で1/9〜7/3となる量で用いるのが好ましい。
<界面活性剤>
画像記録層には、印刷開始時の機上現像性を促進させるため、および、塗布面状を向上させるために界面活性剤を用いるのが好ましい。界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられるノニオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールとポプロピレングリコールの共重合体が挙げられる。
本発明に用いられるアニオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム塩、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩、石油スルホン酸塩類、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩類、スチレン/無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類が挙げられる。
本発明に用いられるカチオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体が挙げられる。
本発明に用いられる両性界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、カルボキシベタイン類、アミノカルボン酸類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミタゾリン類が挙げられる。
なお、上記界面活性剤の中で、「ポリオキシエチレン」とあるものは、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン等の「ポリオキシアルキレン」に読み替えることもでき、本発明においては、それらの界面活性剤も用いることができる。
更に好ましい界面活性剤としては、分子内にパーフルオロアルキル基を含有するフッ素系界面活性剤が挙げられる。このようなフッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等のアニオン型;パーフルオロアルキルベタイン等の両性型;パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩等のカチオン型;パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキル基および親水性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基、親水性基および親油性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基を含有するウレタン等のノニオン型が挙げられる。また、特開昭62−170950号、同62−226143号および同60−168144号の各公報に記載されているフッ素系界面活性剤も好適に挙げられる。
界面活性剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
界面活性剤の含有量は、画像記録層の全固形分に対して、0.001〜10質量%であるのが好ましく、0.01〜5質量%であるのがより好ましい。
<着色剤>
本発明では、更に必要に応じてこれら以外に種々の化合物を添加してもよい。例えば、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用することができる。具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等、および特開昭62−293247号に記載されている染料を挙げることができる。また、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタン等の顔料も好適に用いることができる。
これらの着色剤は、画像形成後、画像部と非画像部の区別がつきやすいので、添加する方が好ましい。なお、添加量は、画像記録材料全固形分に対し、0.01〜10質量%の割合である。
<焼き出し剤>
画像記録層には、焼き出し画像生成のため、酸またはラジカルによって変色する化合物を添加することができる。このような化合物としては、例えばジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、チアジン系、オキサジン系、キサンテン系、アンスラキノン系、イミノキノン系、アゾ系、アゾメチン系等の各種色素が有効に用いられる。
具体例としては、ブリリアントグリーン、エチルバイオレット、メチルグリーン、クリスタルバイオレット、ベイシックフクシン、メチルバイオレット2B、キナルジンレッド、ローズベンガル、メタニルイエロー、チモールスルホフタレイン、キシレノールブルー、メチルオレンジ、パラメチルレッド、コンゴーフレッド、ベンゾプルプリン4B、α−ナフチルレッド、ナイルブルー2B、ナイルブルーA、メチルバイオレット、マラカイドグリーン、パラフクシン、ビクトリアピュアブルーBOH[保土ケ谷化学(株)製]、オイルブルー#603[オリエント化学工業(株)製]、オイルピンク#312[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッド5B[オリエント化学工業(株)製]、オイルスカーレット#308[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッドOG[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッドRR[オリエント化学工業(株)製]、オイルグリーン#502[オリエント化学工業(株)製]、スピロンレッドBEHスペシャル[保土ケ谷化学工業(株)製]、m−クレゾールパープル、クレゾールレッド、ローダミンB、ローダミン6G、スルホローダミンB、オーラミン、4−p−ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、2−カルボキシアニリノ−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、2−カルボキシステアリルアミノ−4−p−N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−フェニルイミノナフトキノン、1−フェニル−3−メチル−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノ−5−ピラゾロン、1−β−ナフチル−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノ−5−ピラゾロン等の染料やp,p′,p″−ヘキサメチルトリアミノトリフェニルメタン(ロイコクリスタルバイオレット)、Pergascript Blue SRB(チバガイギー社製)等のロイコ染料が挙げられる。
上記のほかに、感熱紙や感圧紙用の素材として知られているロイコ染料も好適なものとして挙げられる。具体例としては、クリスタルバイオレットラクトン、マラカイトグリーンラクトン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、2−(N−フェニル−N−メチルアミノ)−6−(N−p−トリル−N−エチル)アミノ−フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)−フルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチルー7−クロロフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メトキシ−7−アミノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−(4−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−クロロフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−ベンジルアミノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7,8−ベンゾフロオラン、3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−ザフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリドが挙げられる。
酸またはラジカルによって変色する染料は、画像記録層の全固形分に対して、0.01〜10質量%の割合で添加されるのが好ましい。
<重合禁止剤>
画像記録層には、画像記録層の製造中または保存中においてラジカル重合性化合物(C)の不要な熱重合を防止するために、少量の熱重合防止剤を添加するのが好ましい。
熱重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩が好適に挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、画像記録層の全固形分に対して、約0.01〜約5質量%であるのが好ましい。
<高級脂肪酸誘導体等>
画像記録層には、酸素による重合阻害を防止するために、ベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で画像記録層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、画像記録層の全固形分に対して、約0.1〜約10質量%であるのが好ましい。
<可塑剤>
画像記録層は、機上現像性を向上させるために、可塑剤を含有してもよい。
可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジオクチルフタレート、オクチルカプリルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジアリルフタレート等のフタル酸エステル類;ジメチルグリコールフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカプリル酸エステル等のグリコールエステル類;トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレエート等の脂肪族二塩基酸エステル類;ポリグリシジルメタクリレート、クエン酸トリエチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチル等が好適に挙げられる。
可塑剤の含有量は、画像記録層の全固形分に対して、約30質量%以下であるのが好ましい。
<無機微粒子>
画像記録層は無機微粒子を含有してもよい。
無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、アルギン酸カルシウムまたはこれらの混合物が好適に挙げられる。これらは光熱変換性でなくても、皮膜の強化、表面粗面化による界面接着性の強化等に用いることができる。
無機微粒子は、平均粒径が5nm〜10μmであるのが好ましく、0.5μm〜3μmであるのがより好ましい。上記範囲であると、画像記録層中に安定に分散して、画像記録層の膜強度を十分に保持し、印刷時の汚れを生じにくい親水性に優れる非画像部を形成することができる。
上述したような無機微粒子は、コロイダルシリカ分散物等の市販品として容易に入手することができる。
無機微粒子の含有量は、画像記録層の全固形分に対して、20質量%以下であるのが好ましく、10質量%以下であるのがより好ましい。
<低分子親水性化合物>
画像記録層は、機上現像性向上のため、親水性低分子化合物を含有してもよい。親水性低分子化合物としては、例えば、水溶性有機化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類およびそのエーテルまたはエステル誘導体類、グリセリン、ペンタエリスリトール等のポリヒドロキシ類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンモノエタノールアミン等の有機アミン類およびその塩、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸類およびその塩、フェニルホスホン酸等の有機ホスホン酸類およびその塩、酒石酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸、アミノ酸類等の有機カルボン酸類およびその塩が挙げられる。
画像記録層には、上記の成分以外の添加剤を含有していてもよい。
<画像記録層の形成>
本発明においては、上記各成分を画像記録層に含有させる方法として、種々の態様を用いることができる。
一つの態様としては、例えば、特開2002−287334号公報に記載されているように、上記各成分を溶剤に分散させ、または溶解させて画像記録層用塗布液を調製し、この画像記録層用塗布液を後述する支持体上に塗布し、乾燥させることにより画像記録層を形成させる方法が挙げられる。この方法によれば、分子分散型画像記録層が得られる。
溶剤は、特に限定されず、例えば、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、トルエン、アセトン、水が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
画像記録層用塗布液は、固形分濃度が1〜50質量%であるのが好ましい。
他の態様としては、例えば、特開2001−277740号公報および特開2001−277742号公報に記載されているように、上記各成分の全部または一部をマイクロカプセルに内包させて画像記録層を形成させる方法が挙げられる。この方法によれば、マイクロカプセル型画像記録層が得られる。より良好な機上現像性を得るためには、画像記録層は、マイクロカプセル型画像記録層であるのが好ましい。特に、前記赤外線吸収剤(A)、前記ラジカル発生剤(B)および前記ラジカル重合性化合物(C)の少なくとも一部がマイクロカプセル化されているのが好ましい。
マイクロカプセル型画像記録層においては、上記各成分は、全部がマイクロカプセル化されていてもよく、一部がマイクロカプセル外にも含有されていてもよい。
上記各成分をマイクロカプセル化する方法としては、公知の方法を用いることができる。マイクロカプセルの製造方法としては、例えば、米国特許第2,800,457号明細書および同第2,800,458号明細書に記載されているコアセルベーションを利用する方法、米国特許第3,287,154号明細書、特公昭38−19574号公報および同42−446号公報に記載されている界面重合法による方法、米国特許第3,418,250号明細書および同第3,660,304号明細書に記載されているポリマーの析出による方法、米国特許第3,796,669号明細書に記載されているイソシアネートポリオール壁材料を用いる方法、米国特許第3,914,511号明細書に記載されているイソシアネート壁材料を用いる方法、米国特許第4,001,140号、同第4,087,376号および同第4,089,802号の各明細書に記載されている尿素−ホルムアルデヒド系または尿素ホルムアルデヒド−レゾルシノール系壁形成材料を用いる方法、米国特許第4,025,445号明細書に記載されているメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ヒドロキシセルロース等の壁材を用いる方法、特公昭36−9163号公報および同51−9079号公報に記載されているモノマー重合によるin situ法、英国特許第930,422号明細書および米国特許第3,111,407号明細書に記載されているスプレードライング法、英国特許第952,807号明細書および同第967,074号明細書に記載されている電解分散冷却法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明に用いられる好ましいマイクロカプセル壁は、3次元架橋を有し、溶剤によって膨潤する性質を有するものである。このような観点から、マイクロカプセルの壁材は、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミドおよびこれらの混合物が好ましく、特に、ポリウレアおよびポリウレタンが好ましい。また、マイクロカプセル壁に、上記バインダーポリマーを導入可能なエチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を有する化合物を導入してもよい。
マイクロカプセルは、平均粒径が0.01〜3.0μmであるのが好ましく、0.05〜2.0μmであるのがより好ましく、0.10〜1.0μmであるのが更に好ましい。上記範囲であると、良好な解像度と経時安定性が得られる。
<塗布方法>
画像記録層の塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、一般的に0.3〜3.0g/m2 であるのが好ましい。塗布量が少なすぎると、見かけの感度は大になるが、画像記録層の皮膜特性が低下する。
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布が挙げられる。
<下塗層>
本発明の平版印刷方法に用いられる本発明の平版印刷版原版においては、必要に応じて、画像記録層と支持体との間に下塗層を設けることができる。下塗層が断熱層として機能することにより、赤外線レーザによる露光により発生した熱が支持体に拡散せず、効率よく利用されるようになるため、高感度化が図れるという利点がある。また、未露光部においては、画像記録層の支持体からのはく離を生じやすくさせるため、機上現像性が向上する。
下塗層としては、具体的には、特開平10−282679号公報に記載されている付加重合可能なエチレン性二重結合反応基を有しているシランカップリング剤、エチレン性二重結合反応基を有しているリン化合物等が好適に挙げられる。
下塗層の塗布量(固形分)は、0.1〜100mg/m2 であるのが好ましく、3〜30mg/m2 であるのがより好ましい。
<保護層>
本発明の平版印刷方法に用いられる本発明の平版印刷版原版においては、必要に応じて、画像記録層の上に保護層を設けることができる。本発明においては、通常、露光を大気中で行うが、保護層は、画像記録層中で露光により生じる画像形成反応を阻害する大気中に存在する酸素、塩基性物質等の低分子化合物の画像記録層への混入を防止し、大気中での露光による画像形成反応の阻害を防止する。したがって、保護層に望まれる特性は、酸素等の低分子化合物の透過性が低いことであり、更に、露光に用いられる光の透過性が良好で、画像記録層との密着性に優れ、かつ、露光後の機上現像処理工程で容易に除去することができるものであるのが好ましい。このような特性を有する保護層については、以前より種々検討がなされており、例えば、米国特許第3、458、311号明細書および特開昭55−49729号公報に詳細に記載されている。
保護層に用いられる材料としては、例えば、比較的、結晶性に優れる水溶性高分子化合物が挙げられる。具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、酸性セルロース類、ゼラチン、アラビアゴム、ポリアクリル酸等の水溶性ポリマーが挙げられる。中でも、ポリビニルアルコール(PVA)を主成分として用いると、酸素遮断性、現像除去性等の基本的な特性に対して最も良好な結果を与える。ポリビニルアルコールは、保護層に必要な酸素遮断性と水溶性を与えるための未置換ビニルアルコール単位を含有する限り、一部がエステル、エーテルまたはアセタールで置換されていてもよく、一部が他の共重合成分を有していてもよい。
ポリビニルアルコールの具体例としては、71〜100%加水分解された分子量300〜2400の範囲のものが好適に挙げられる。具体的には、例えば、株式会社クラレ製のPVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224E、PVA−405、PVA−420、PVA−613、L−8が挙げられる。
保護層の成分(PVAの選択、添加剤の使用等)、塗布量等は、酸素遮断性および現像除去性のほか、カブリ性、密着性、耐傷性等を考慮して適宜選択される。一般には、PVAの加水分解率が高いほど(即ち、保護層中の未置換ビニルアルコール単位含有率が高いほど)、また、膜厚が厚いほど、酸素遮断性が高くなり、感度の点で好ましい。しかしながら、酸素遮断性が高すぎると、製造時および保存時に不要な重合反応が生じたり、画像露光時に不要なカブリ、画線の太り等が生じたりするという問題が生じる。また、画像部との密着性、耐傷性等も平版印刷版原版の取り扱い上、極めて重要である。即ち、水溶性高分子化合物を含有するため親水性である保護層を、親油性である画像記録層に積層すると、接着力不足による保護層のはく離が生じやすく、はく離部分において、酸素による重合阻害に起因する膜硬化不良等の欠陥を引き起こすことがある。
これに対して、画像記録層と保護層との間の接着性を改良すべく、種々の提案がなされている。例えば、特開昭49−70702号公報および英国特許出願公開第1303578号明細書には、主にポリビニルアルコールからなる親水性ポリマー中に、アクリル系エマルション、水不溶性ビニルピロリドン−ビニルアセテート共重合体等を20〜60質量%混合させ、画像記録層上に積層することにより、十分な接着性が得られることが記載されている。本発明においては、これらの公知の技術をいずれも用いることができる。保護層の塗布方法については、例えば、米国特許第3,458,311号明細書および特開昭55−49729号公報に詳細に記載されている。
更に、保護層には、他の機能を付与することもできる。例えば、露光に用いられる赤外線の透過性に優れ、かつ、それ以外の波長の光を効率よく吸収しうる、着色剤(例えば、水溶性染料)の添加により、感度低下を引き起こすことなく、セーフライト適性を向上させることができる。
<支持体>
本発明の平版印刷版原版に用いられる支持体は、特に限定されず、寸度的に安定な板状物であればよい。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされまたは蒸着された紙またはプラスチックフィルム等が挙げられる。好ましい支持体としては、ポリエステルフィルムおよびアルミニウム板が挙げられる。中でも、寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板が好ましい。
アルミニウム板は、純アルミニウム板、アルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板、または、アルミニウムもしくはアルミニウム合金の薄膜にプラスチックがラミネートされているものである。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等がある。合金中の異元素の含有量は10質量%以下であるのが好ましい。本発明においては、純アルミニウム板が好ましいが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、わずかに異元素を含有するものでもよい。アルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、公知公用の素材のものを適宜利用することができる。
支持体の厚さは0.1〜0.6mmであるのが好ましく、0.15〜0.4mmであるのがより好ましく、0.2〜0.3mmであるのが更に好ましい。
アルミニウム板を使用するに先立ち、粗面化処理、陽極酸化処理等の表面処理を施すのが好ましい。表面処理により、親水性の向上および画像記録層と支持体との密着性の確保が容易になる。アルミニウム板を粗面化処理するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための界面活性剤、有機溶剤、アルカリ性水溶液等による脱脂処理が行われる。
アルミニウム板表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的粗面化処理、電気化学的粗面化処理(電気化学的に表面を溶解させる粗面化処理)、化学的粗面化処理(化学的に表面を選択溶解させる粗面化処理)が挙げられる。
機械的粗面化処理の方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。
電気化学的粗面化処理の方法としては、例えば、塩酸、硝酸等の酸を含有する電解液中で交流または直流により行う方法が挙げられる。また、特開昭54−63902号公報に記載されているような混合酸を用いる方法も挙げられる。
粗面化処理されたアルミニウム板は、必要に応じて、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液を用いてアルカリエッチング処理を施され、更に、中和処理された後、所望により、耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理を施される。
アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成させる種々の電解質の使用が可能である。一般的には、硫酸、塩酸、シュウ酸、クロム酸またはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化処理の条件は、用いられる電解質により種々変わるので一概に特定することはできないが、一般的には、電解質濃度1〜80質量%溶液、液温5〜70℃、電流密度5〜60A/d m2 、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分であるのが好ましい。形成される陽極酸化皮膜の量は、1.0〜5.0g/m2 であるのが好ましく、1.5〜4.0g/m2 であるのがより好ましい。
陽極酸化処理を施した後、必要に応じて、アルミニウム板の表面に親水化処理を施す。親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、同第3,280,734号および同第3,902,734号の各明細書に記載されているようなアルカリ金属シリケート法がある。この方法においては、支持体をケイ酸ナトリウム等の水溶液で浸せき処理し、または電解処理する。そのほかに、特公昭36−22063号公報に記載されているフッ化ジルコン酸カリウムで処理する方法、米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号および同第4,689,272号の各明細書に記載されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法等が挙げられる。
支持体は、中心線平均粗さが0.10〜1.2μmであるのが好ましい。
また、支持体の色濃度としては、反射濃度値として0.15〜0.65であるのが好ましい。
<バックコート層>
支持体に表面処理を施した後または下塗層を形成させた後、必要に応じて、支持体の裏面にバックコートを設けることができる。
バックコートとしては、例えば、特開平5−45885号公報に記載されている有機高分子化合物、特開平6−35174号公報に記載されている有機金属化合物または無機金属化合物を加水分解および重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好適に挙げられる。中でも、Si(OCH3 4 、Si(OC2 5 4 、Si(OC3 7 4 、Si(OC4 9 4 等のケイ素のアルコキシ化合物を用いるのが、原料が安価で入手しやすい点で好ましい。
[露光]
本発明の平版印刷方法においては、上述した本発明の平版印刷版原版を、赤外線レーザで画像様に露光する。
本発明に用いられる赤外線レーザは、特に限定されないが、波長760〜1200nmの赤外線を放射する固体レーザおよび半導体レーザが好適に挙げられる。赤外線レーザの出力は、100mW以上であるのが好ましい。また、露光時間を短縮するため、マルチビームレーザデバイスを用いるのが好ましい。
1画素あたりの露光時間は、20μ秒以内であるのが好ましい。また、照射エネルギー量は、10〜300mJ/cm2 であるのが好ましい。
[印刷]
本発明の平版印刷方法においては、上述したように、本発明の平版印刷版原版を赤外線レーザで画像様に露光した後、現像処理工程を経ることなく水性成分と油性インキとを供給して印刷する。
具体的には、平版印刷版原版を赤外線レーザで露光した後、現像処理工程を経ることなく印刷機に装着して印刷する方法、平版印刷版原版を印刷機に装着した後、印刷機上において赤外線レーザで露光し、現像処理工程を経ることなく印刷する方法等が挙げられる。
平版印刷版原版を赤外線レーザで画像様に露光した後、湿式現像処理工程等の現像処理工程を経ることなく水性成分と油性インキとを供給して印刷すると、画像記録層の露光部においては、露光により硬化した画像記録層が、親油性表面を有する油性インキ受容部を形成する。一方、未露光部においては、供給された水性成分および/または油性インキによって、未硬化の画像記録層が溶解しまたは分散して除去され、その部分に親水性の表面が露出する。
その結果、水性成分は露出した親水性の表面に付着し、油性インキは露光領域の画像記録層に着肉し、印刷が開始される。ここで、最初に版面に供給されるのは、水性成分でもよく、油性インキでもよいが、水性成分が未露光部の画像記録層により汚染されることを防止する点で、最初に油性インキを供給するのが好ましい。水性成分および油性インキとしては、通常、湿し水と印刷用の油性インキが用いられる。
このようにして、平版印刷版原版はオフセット印刷機上で機上現像され、そのまま多数枚の印刷に用いられる。
本発明の平版印刷方法においては、特定の赤外線吸収剤を用いた本発明の平版印刷版原版を機上現像しているので、平版印刷版原版の感度に優れ、かつ、平版印刷版の耐刷性に優れる。
以下、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.平版印刷版原版の作成
(1)支持体の作成
<アルミニウム板>
Al:99.5質量%以上、Fe:0.30質量%、Si:0.10質量%、Ti:0.02質量%、Cu:0.013質量%を含有し、残部は不可避不純物のJIS A1050アルミニウム合金の溶湯に清浄化処理を施し、鋳造した。清浄化処理としては、溶湯中の水素等の不要なガスを除去するために脱ガス処理し、更に、セラミックチューブフィルタ処理を行った。鋳造法はDC鋳造法で行った。凝固した板厚500mmの鋳塊の表面を10mm面削し、金属間化合物が粗大化してしまわないように550℃で10時間均質化処理を行った。ついで、400℃で熱間圧延し、連続焼鈍炉中、500℃で60秒間、中間焼鈍した後、冷間圧延を行って、厚さ0.30mmのアルミニウム圧延板とした。圧延ロールの粗さを制御することにより、冷間圧延後の中心線平均粗さRa を0.2μmに制御した。その後、平面性を向上させるためにテンションレベラーにかけた。得られたアルミニウム板を、以下に示す表面処理に供した。
まず、アルミニウム板の表面の圧延油を除去するため、10質量%アルミン酸ソーダ水溶液を用いて50℃で30秒間、脱脂処理を施し、その後、30質量%硫酸水溶液を用いて50℃で30秒間、中和およびスマット除去処理を施した。
ついで、画像記録層と支持体との密着性を良好にし、かつ、非画像部に保水性を与えるため、粗面化処理を施した。具体的には、間接給電セルに供給された、硝酸1質量%および硝酸アルミニウム0.5質量%を含有する水溶液(液温45℃)中を、アルミニウム板のウェブを通過させながら、電流密度20A/dm2 、duty比1:1の交番波形で、アルミニウム板が陽極時の電気量が240C/dm2 となるように電解して、電気化学的粗面化処理を施した。
更に、10質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて35℃で30秒間、エッチング処理を施し、その後、30質量%硫酸水溶液を用いて50℃で30秒間、中和およびスマット除去処理を施した。
その後、耐摩耗性、耐薬品性および保水性を向上させるために、陽極酸化処理を施した。具体的には、間接給電セルに供給された、20質量%硫酸水溶液(液温35℃)中を、アルミニウム板のウェブを通過させながら、電流密度14A/dm2 の直流で電解して、2.5g/m2 の陽極酸化皮膜を作成した。
その後、非画像部の親水性を確保するため、1.5質量%3号ケイ酸ソーダ水溶液を用いて70℃で15秒間、シリケート処理を施した。Siの付着量は10mg/m2 であった。その後、水洗して、支持体を得た。得られた支持体の中心線平均粗さRa は0.25μmであった。
(2)画像記録層の形成
(実施例1)
つぎに、下記組成の画像記録層用塗布液Aを調製し、この溶液を調製後ただちに、上記で得られた支持体にワイヤーバーを用いて塗布し、温風式乾燥装置を用いて115℃で45秒間乾燥させて、画像記録層を形成させ、ネガ型平版印刷版原版P−1を得た。乾燥後の被覆量は1.0g/m2 であった。
<画像記録層用塗布液A組成>
・赤外線吸収剤(上記IR−2) 0.05g
・ラジカル発生剤(上記OS−7) 0.2g
・下記式で表されるモノマー化合物 1.3g
Figure 2004306582
・ポリアリルメタクリレート(重量平均分子量12万) 0.5g
・ビクトリアピュアブルーのナフタレンスルホン酸塩 0.02g
・下記式で表されるフッ素系界面活性剤 0.1g
Figure 2004306582
・メチルエチルケトン 18.0g
(実施例2〜7)
赤外線吸収剤およびラジカル発生剤の種類を第1表に示すように変更した以外は、実施例1と同様の方法により、ネガ型平版印刷版原版P−2〜P−7を得た。
(実施例8)
ポリアリルメタクリレートの代わりに、アリルメタクリレートとメタクリル酸ナトリウムの共重合体(モル比80:20)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ネガ型平版印刷版原版P−8を得た。
(実施例9)
上記式で表されるモノマー化合物の代わりに、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを用いた以外は、実施例2と同様の方法により、ネガ型平版印刷版原版P−9を得た。
(比較例1)
赤外線吸収剤を下記式で表されるIR−786に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、ネガ型平版印刷版原版P−10を得た。
Figure 2004306582
(実施例10)
下記組成の画像記録層用塗布液Bを調製し、この溶液を上記で得られた支持体にワイヤーバーを用いて塗布し、オーブンを用いて70℃で60秒間乾燥させて、画像記録層を形成させ、ネガ型平版印刷版原版P−11を得た。乾燥後の被覆量は1.0g/m2 であった。
<画像記録層用塗布液B組成>
・水 95g
・後述するマイクロカプセル液 5g(固形分換算)
・エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(日本化薬(株)製、SR9035、エチレンオキサイド付加モル数15、分子量1000) 0.2g
・ラジカル発生剤(上記OS−7) 0.5g
・下記式で表される赤外線吸収剤IR−36 0.15g
・エチレングリコール 0.1g
・フッ素系界面活性剤(大日本インキ化学工業(株)製、メガファックF−171) 0.1g
Figure 2004306582
<マイクロカプセル液>
油相成分として、トリメチロールプロパンとキシレンジイソシアナート付加体(三井武田ケミカル(株)製、タケネートD−110N)10g、ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬(株)製、SR444)3.15g、下記式で表される赤外線吸収剤IR−37の0.35g、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン(山本化成製ODB)1gおよび界面活性剤(竹本油脂(株) 製、パイオニンA−41C)0.1gを酢酸エチル17gに溶解させた。水相成分としてポリビニルアルコール((株)クラレ製、PVA−205)の4質量%水溶液40gを調製した。油相成分および水相成分を混合し、ホモジナイザーを用いて12000rpmで10分間乳化させた。得られた乳化物を、蒸留水25gに添加し、室温で30分間かくはんした後、40℃で3時間かくはんした。その後、蒸留水を用いて希釈し、固形分濃度20質量%のマイクロカプセル液を得た。マイクロカプセルの平均粒径は0.3μmであった。
Figure 2004306582
2.露光および印刷
得られた平版印刷版原版を水冷式40W赤外線半導体レーザ搭載のCreo社製Trendsetter3244VXにて、出力9W、外面ドラム回転数210rpm、解像度2400dpiの条件で露光した。露光画像には細線チャートを含むようにした。得られた露光済み原版を現像処理することなく、ハイデルベルグ社製印刷機SOR−Mのシリンダーに取り付けた。湿し水(EU−3(富士写真フイルム(株)製エッチ液)/水/イソプロピルアルコール=1/89/10(容量比))とTRANS−G(N)墨インキ(大日本インキ化学工業社製)とを用い、湿し水を供給した後、毎時6000枚の印刷速度で印刷を100枚行った。
画像記録層の未露光部の印刷機上での機上現像が完了し、印刷用紙にインキが転写しない状態になるまでに要した印刷用紙の枚数を機上現像性として計測したところ、いずれの平版印刷版原版を用いた場合も、100枚以内で非画像部の汚れのない印刷物が得られた。
3.評価
一般に、ネガ型平版印刷版原版の場合、露光量が少ないと画像記録層(感光層)の硬化度が低くなり、露光量が多いと硬化度が高くなる。画像記録層の硬化度が低すぎる場合には、平版印刷版の耐刷性が低くなり、また、小点や細線の再現性が不良となる。一方、画像記録層の硬化度が高い場合には、耐刷性が高くなり、また、小点や細線の再現性が良好となる。
本実施例では、以下に示すように、上記で得られたネガ型平版印刷版原版P−1〜P−11を、上述した同一の露光量条件で耐刷性および細線再現性を評価することにより、平版印刷版原版の感度の指標とした。即ち、耐刷性における印刷枚数が高いほど、また、細線再現性における細線幅が細いほど、平版印刷版原版の感度が高いと言える。
(1)細線再現性
上述したように、100枚印刷して非画像部にインキ汚れがない印刷物が得られたことを確認した後、続けて500枚の印刷を行った。合計600枚目の印刷物の細線チャート(10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、60、80、100および200μmの細線を露光したチャート)を25倍のルーペで観察し、途切れることなくインキで再現された細線幅により、細線再現性を評価した。結果を第1表に示す。
(2)耐刷性
上述したように、細線再現性の評価において印刷を行った後、更に印刷を続けた。印刷枚数を増やしていくと徐々に画像記録層が磨耗しインキ受容性が低下するため、印刷用紙におけるインキ濃度が低下した。インキ濃度(反射濃度)が印刷開始時よりも0.1低下したときの印刷枚数により、耐刷性を評価した。結果を第1表に示す。
第1表から明らかなように、本発明の平版印刷版原版(実施例1〜10)を用いた本発明の平版印刷方法によれば、従来の平版印刷版原版を用いた場合(比較例1)に比べて、細線再現性および耐刷性が極めて優れたものになることが分かる。
Figure 2004306582

Claims (5)

  1. 支持体上に、含窒素複素環と芳香環またはヘテロ環との縮合環を有し、かつ、前記芳香環または前記ヘテロ環に電子吸引性基または重原子含有基を有するシアニン色素である赤外線吸収剤(A)と、ラジカル発生剤(B)と、ラジカル重合性化合物(C)とを含有し、赤外線の照射により記録可能な画像記録層を有する平版印刷版原版を、赤外線レーザで画像様に露光した後、水性成分と油性インキとを供給して、前記平版印刷版原版の前記画像記録層の赤外線レーザ未露光部分を除去し、印刷する平版印刷方法。
  2. 前記赤外線吸収剤(A)が下記式(1)で表される請求項1に記載の平版印刷方法。
    Figure 2004306582
    (式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数20個以下の炭化水素基を表す。Ar1 およびAr2 は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい、芳香族炭化水素基またはヘテロ環基を示す。Y1 およびY2 は、それぞれ独立に、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、炭素数12個以下のジアルキルメチレン基または−CH=CH−基を表す。Z1 およびZ2 は、それぞれ、炭化水素基、オキシ基、電子吸引性基および重原子含有基からなる群から選ばれる置換基を表し、これらのうち少なくとも一つは電子吸引性基または重原子含有基である。nおよびmは、それぞれ、0以上の整数を表し、nとmの和は1以上である。
    Qは、ペンタメチン基またはヘプタメチン基を表し、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、アリール基、オキシ基、イミニウム塩基および下記式(2)で表される置換基からなる群から選ばれる基で置換されていてもよく、また、連続した三つのメチン鎖を含むシクロヘキセン環、シクロペンテン環またはシクロブテン環を有していてもよい。
    Figure 2004306582
    (式中、R3 およびR4 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数6〜10のアリール基を表す。Y3 は、酸素原子または硫黄原子を表す。)
    - は、電荷の中和が必要な場合に存在するカウンターアニオンを表す。)
  3. 前記赤外線吸収剤(A)、前記ラジカル発生剤(B)および前記ラジカル重合性化合物(C)の少なくとも一部がマイクロカプセル化されている請求項1または2に記載の平版印刷方法。
  4. 支持体上に、含窒素複素環と芳香環またはヘテロ環との縮合環を有し、かつ、前記芳香環または前記ヘテロ環に電子吸引性基または重原子含有基を有するシアニン色素である赤外線吸収剤(A)と、ラジカル発生剤(B)と、ラジカル重合性化合物(C)とを含有し、印刷インキおよび/または湿し水により除去可能な画像記録層を有する平版印刷版原版。
  5. 前記赤外線吸収剤(A)、前記ラジカル発生剤(B)および前記ラジカル重合性化合物(C)の少なくとも一部がマイクロカプセル化されている請求項4に記載の平版印刷版原版。
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