JP2004306407A - 気泡シート前駆体及びこれを用いた気泡シートの製造方法 - Google Patents
気泡シート前駆体及びこれを用いた気泡シートの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004306407A JP2004306407A JP2003102589A JP2003102589A JP2004306407A JP 2004306407 A JP2004306407 A JP 2004306407A JP 2003102589 A JP2003102589 A JP 2003102589A JP 2003102589 A JP2003102589 A JP 2003102589A JP 2004306407 A JP2004306407 A JP 2004306407A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- air
- sheet
- bubble sheet
- precursor
- bubble
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Buffer Packaging (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
【課題】流通の際の運賃コスト削減、および使用者サイドにおける保管スペースを削減することができるとともに、複雑な形状を有する精密機械やわれ物などをきめ細かく梱包することができる気泡シート前駆体及びこれを用いた気泡シートの製造方法を提供する。
【解決手段】2枚のシート状物1,2から形成され、空気が収容可能な複数個の空気室4が所定の間隔で列設されているとともに、各空気室4の一端面に、空気を導入する空気導入口5が配設されてなるものである。気泡シート前駆体6に、空気を封入しながら、空気導入口5をシールするとともに、空気室4を細分化するようにシールすることにより、気泡シートが得られる。
【選択図】 図1
【解決手段】2枚のシート状物1,2から形成され、空気が収容可能な複数個の空気室4が所定の間隔で列設されているとともに、各空気室4の一端面に、空気を導入する空気導入口5が配設されてなるものである。気泡シート前駆体6に、空気を封入しながら、空気導入口5をシールするとともに、空気室4を細分化するようにシールすることにより、気泡シートが得られる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気泡シート前駆体及びこれを用いた気泡シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
精密機械やわれ物などを梱包する際は、エアクッションが用いられる。このエアクッションには、気泡シートと呼ばれるものや、比較的大きな粒状の、エア封入部を有するもの、あるいは空気注入弁を有する、いわゆる「現地膨張型」と呼ばれるものがある。
この「現地膨張型」と呼ばれるものは、製造者から使用者まで流通する際には内部空気室に空気を封入せず、「平坦な」形態をとり、使用者サイドにおいて、機械、または人力によって初めて空気注入弁から空気を注入し、エアクッションの形態をとるわけである。
このような使用形態をとることにより、流通の際の運賃コスト削減、および使用者サイドにおける保管スペースの削減から、従来のエアクッションの有する問題をかなり解決できるものと考えられていた。
【0003】
このとき、エアクッションは、その機能上、空気室を可能な限り「細分化」して、内容物や外側の突起などにより、空気室が破損した場合であっても、緩衝性が失われることを防止することが行われている。
【0004】
しかしながら、従来の「現地膨脹型」緩衝体は、個々の空気室にいちいち空気注入弁を用いて空気を注入しなければならないため、現実的には、1〜3個が限界であり、1個の空気室でも十分使用に耐えうるようにするため、素材を強固なものにすると、コスト高になってしまうという問題点があった。
【0005】
また、従来の「現地膨張型」緩衝体では、気泡シートのように、例えば、複雑な形状を有する精密機械やわれ物などをきめ細かく梱包することができなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、流通の際の運賃コスト削減、および使用者サイドにおける保管スペースを削減することができるとともに、複雑な形状を有する精密機械やわれ物などをきめ細かく梱包することができる気泡シート前駆体及びこれを用いた気泡シートの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明(第1の発明)によれば、2枚のシート状物から形成され、空気が収容可能な複数個の空気室が所定の間隔で列設されているとともに、前記各空気室の一端面に、空気を導入する空気導入口が配設されてなることを特徴とする気泡シート前駆体が提供される。
このとき、前記空気室の境界線が、曲線であることが好ましい。
【0008】
また、本発明(第2の発明)によれば、気泡シート前駆体(第1の発明)に、空気を封入しながら、前記空気導入口をシールするとともに、前記空気室を細分化するようにシールすることを特徴とする気泡シート及びその製造方法が提供される。
【0009】
次に、本発明(第3の発明)によれば、2枚のシート状物から形成され、空気が収容可能な複数個のセルを流路でそれぞれ連通させたセルユニットが所定の間隔で複数列設されているとともに、前記各セルユニットの一端面に、空気を導入する空気導入口が配設されてなることを特徴とする気泡シート前駆体が提供される。
【0010】
本発明(第3の発明)では、2枚のシート状物のうち、少なくとも1方が、前記セルを形成するため、真空又は圧空成形にて、凹凸に成形されており、流路の幅Wとセルの直径Dとの関係が、W≧D/10であるとともに、流路の幅Wと流路の高さTとの関係が、W/T≧2であることを満足することが好ましい。
【0011】
本発明(第4の発明)によれば、気泡シート前駆体(第3の発明)を、空気導入口だけを外気に露出させたまま真空チャンバーに導入し、真空圧と大気圧との差圧により、セルユニット内に空気を充填することを特徴とする気泡シート前駆体の空気充填方法が提供される。
【0012】
また、本発明(第5の発明)によれば、気泡シート前駆体(第3の発明)に、空気を封入しながら、空気導入口をシールすることを特徴とする気泡シート及びその製造方法が提供される。
【0013】
更に、本発明(第6の発明)によれば、気泡シート前駆体(第4の発明)に、空気を封入しながら、空気導入口をシールするとともに、セルユニットのすべての流路をシールすることを特徴とする気泡シート及びその製造方法が提供される。
【0014】
尚、本発明で用いるシート状物は、合成樹脂、特にポリエチレンにナイロンやEVOH(エチレンビニルアルコール共重合体)等のガスバリア層を積層してなる多層フィルムであることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて更に詳細に説明する。
図1は、本発明の気泡シート前駆体の一例を示す模式図であり、図2は、図1の気泡シート前駆体を用いた気泡シートの製造方法を示す説明図である。
本発明の気泡シート前駆体は、例えば、図1に示すように、2枚のシート状物1,2からヒートシールで形成され、空気が収容可能な複数個の空気室4が所定の間隔で列設されているとともに、各空気室4の一端面に、空気を導入する空気導入口5が配設されてなるものである。
このとき、空気室の境界線(シール部)3は、曲線であることが、膨脹した空気室4に凹凸形状を持たせ、内容物(被包装物)の荷すべりを防止することができるため好ましい。
【0016】
次いで、図1に示す気泡シート前駆体6に、図2に示すように、空気を封入しながら、空気導入口5をシールするとともに、空気室4を細分化するようにシールすることにより、気泡シート10を得ることができる。
【0017】
また、本発明の気泡シート前駆体は、例えば、図3に示すように、2枚のシート状物1,2から形成され、空気が収容可能な複数個のセル12を流路13でそれぞれ連通させたセルユニット14が所定の間隔で複数列設されているとともに、各セルユニット14の一端面に、空気を導入する空気導入口16が配設されてなるものである。
【0018】
ここで、図3に示す気泡シート前駆体は、2枚のシート状物1,2のうち、少なくとも1方が、十分な容積を有するセル12を形成するため、真空又は圧空成形にて、凹凸に成形されていることが好ましい。
【0019】
このとき、図3に示す気泡シート前駆体は、図6(a)(b)に示すように、流路の幅Wとセルの直径Dとの関係が、W≧D/10であるとともに、流路の幅Wと流路の高さTとの関係が、W/T≧2であることを満足することが好ましい。
これは、W<D/10の場合、空気の充填時に圧力損失が大きくなり、セルユニット14の末端のセルまで空気が行き届かない可能性があるからである。
また、W/T<2である場合、即ち、流路の高さTが高すぎる場合、図6(b)に示すように、シール部7の座屈量Tsが大きくなり、空気漏れの原因となるからである。
【0020】
また、図3に示す気泡シート前駆体の空気充填方法は、図7(a)(b)に示すように、気泡シート前駆体6をローラー52,52で空気導入口5だけを外気に露出させたまま真空チャンバー50に導入し、真空チャンバー内を真空にすることにより、差圧により、大気圧側の空気導入口5から真空チャンバー内のセルユニット(図示せず)へ空気が導入され、セルユニット内に空気を充填することができるものである。
これにより、従来、気泡シート前駆体における空気供給源と空気導入口との位置合わせや漏洩防止に細心の注意が必要であったが、本発明では、気泡シート前駆体の寸法や空気導入口の位置に左右されず、高速でセルユニットに空気を充填することができるとともに、空気充填用の装置を大幅に簡便化することができる。
【0021】
次いで、図3に示す気泡シート前駆体20に、空気を封入しながら、空気導入口16をシールすることにより、図4に示す気泡シート30を得ることができる。
この気泡シート30は、複数個のセル12が流路13で連通されたセルユニット14から形成されているため、衝撃が作用した部位にセルが圧力を受けて収縮し、そのセル内の空気が抵抗を受けながら流路13内の空気が抵抗を受けながら、流路13を通って他のセル内に移動していくため、被衝撃体にかかる緩衝を緩和することができるため、一般的な気泡シートと比較して、緩衝能力を大幅に向上させることができる。
【0022】
更に、図3に示す気泡シート前駆体20に、空気を封入しながら、空気導入口16をシールするとともに、セルユニット14のすべての流路13を、気泡シート前駆体20の縦方向に配置したヒートシールバー(図示せず)で一括してシールすることにより、一般的な気泡シートに類似した図5に示す気泡シート40を得ることができる。
【0023】
以上のことから、本発明の気泡シート前駆体は、空気室又はセルに空気を封入せず、「平坦な」形態をとるため、流通の際の運賃コスト削減、および使用者サイドにおける保管スペースを削減することができる。
また、本発明の気泡シート前駆体は、例えば、図1又は図3に示すように、空気室又はセル内の空気の圧力や流動性を一括してコントロールできるように工夫されており、複雑な形状を有する精密機械やわれ物などの被包装物に応じて最適な気泡シートをその場で得ることができるため、きめ細やかな梱包することができる。
【0024】
尚、本発明で用いるシート状物は、合成樹脂であることが好ましく、例えば、ポリエチレン、PET(ポリエチレンテレフタレート)などや、ガスバリヤー性を向上させるため、ポリエチレン/ナイロンなどの多層フィルムや、ポリエチレン等の表面にマイカ等を塗工した塗工フィルムを用いても良い。
また、廃棄等後処理のことを考えると、PCL(ポリカプロラクトン)、PVA(ポリビニルアルコール)、ポリ乳酸、脂肪酸ポリエステル等の生分解性合成樹脂の使用も好ましい。
【0025】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明の気泡シート前駆体及びこれを用いた気泡シートの製造方法は、流通の際の運賃コスト削減、および使用者サイドにおける保管スペースを削減することができるとともに、複雑な形状を有する精密機械やわれ物などをきめ細かく梱包することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の気泡シート前駆体の一例を示す模式図である。
【図2】図1の気泡シート前駆体を用いた気泡シートの製造方法を示す説明図である。
【図3】本発明の気泡シート前駆体の他の例を示す平面図である。
【図4】本発明の気泡シートの一例を示す平面図である。
【図5】本発明の気泡シートの他の例を示す平面図である。
【図6】本発明の気泡シート前駆体における流路の幅Wとセルの直径Dとの関係、及び流路の幅Wと流路の高さTとの関係を説明するものであり、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図7】本発明の気泡シート前駆体の空気充填方法の一例を示すものであり、(a)は概略断面図、(b)は概略斜視図である。
【符号の説明】
1,2…シート状物、
3…空気室の境界線(シール部)、
4…空気室、
5…空気導入口、
6…気泡シート前駆体、
7…シール部、
8…細分化された空気室、
10…気泡シート、
12…セル、
13…流路、
14…セルユニット、
16…空気導入口、
18…シール部、
20…気泡シート前駆体、
30,40…気泡シート、
50…真空チャンバー、
52,54…ローラー、
56…ブラシ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、気泡シート前駆体及びこれを用いた気泡シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
精密機械やわれ物などを梱包する際は、エアクッションが用いられる。このエアクッションには、気泡シートと呼ばれるものや、比較的大きな粒状の、エア封入部を有するもの、あるいは空気注入弁を有する、いわゆる「現地膨張型」と呼ばれるものがある。
この「現地膨張型」と呼ばれるものは、製造者から使用者まで流通する際には内部空気室に空気を封入せず、「平坦な」形態をとり、使用者サイドにおいて、機械、または人力によって初めて空気注入弁から空気を注入し、エアクッションの形態をとるわけである。
このような使用形態をとることにより、流通の際の運賃コスト削減、および使用者サイドにおける保管スペースの削減から、従来のエアクッションの有する問題をかなり解決できるものと考えられていた。
【0003】
このとき、エアクッションは、その機能上、空気室を可能な限り「細分化」して、内容物や外側の突起などにより、空気室が破損した場合であっても、緩衝性が失われることを防止することが行われている。
【0004】
しかしながら、従来の「現地膨脹型」緩衝体は、個々の空気室にいちいち空気注入弁を用いて空気を注入しなければならないため、現実的には、1〜3個が限界であり、1個の空気室でも十分使用に耐えうるようにするため、素材を強固なものにすると、コスト高になってしまうという問題点があった。
【0005】
また、従来の「現地膨張型」緩衝体では、気泡シートのように、例えば、複雑な形状を有する精密機械やわれ物などをきめ細かく梱包することができなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、流通の際の運賃コスト削減、および使用者サイドにおける保管スペースを削減することができるとともに、複雑な形状を有する精密機械やわれ物などをきめ細かく梱包することができる気泡シート前駆体及びこれを用いた気泡シートの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明(第1の発明)によれば、2枚のシート状物から形成され、空気が収容可能な複数個の空気室が所定の間隔で列設されているとともに、前記各空気室の一端面に、空気を導入する空気導入口が配設されてなることを特徴とする気泡シート前駆体が提供される。
このとき、前記空気室の境界線が、曲線であることが好ましい。
【0008】
また、本発明(第2の発明)によれば、気泡シート前駆体(第1の発明)に、空気を封入しながら、前記空気導入口をシールするとともに、前記空気室を細分化するようにシールすることを特徴とする気泡シート及びその製造方法が提供される。
【0009】
次に、本発明(第3の発明)によれば、2枚のシート状物から形成され、空気が収容可能な複数個のセルを流路でそれぞれ連通させたセルユニットが所定の間隔で複数列設されているとともに、前記各セルユニットの一端面に、空気を導入する空気導入口が配設されてなることを特徴とする気泡シート前駆体が提供される。
【0010】
本発明(第3の発明)では、2枚のシート状物のうち、少なくとも1方が、前記セルを形成するため、真空又は圧空成形にて、凹凸に成形されており、流路の幅Wとセルの直径Dとの関係が、W≧D/10であるとともに、流路の幅Wと流路の高さTとの関係が、W/T≧2であることを満足することが好ましい。
【0011】
本発明(第4の発明)によれば、気泡シート前駆体(第3の発明)を、空気導入口だけを外気に露出させたまま真空チャンバーに導入し、真空圧と大気圧との差圧により、セルユニット内に空気を充填することを特徴とする気泡シート前駆体の空気充填方法が提供される。
【0012】
また、本発明(第5の発明)によれば、気泡シート前駆体(第3の発明)に、空気を封入しながら、空気導入口をシールすることを特徴とする気泡シート及びその製造方法が提供される。
【0013】
更に、本発明(第6の発明)によれば、気泡シート前駆体(第4の発明)に、空気を封入しながら、空気導入口をシールするとともに、セルユニットのすべての流路をシールすることを特徴とする気泡シート及びその製造方法が提供される。
【0014】
尚、本発明で用いるシート状物は、合成樹脂、特にポリエチレンにナイロンやEVOH(エチレンビニルアルコール共重合体)等のガスバリア層を積層してなる多層フィルムであることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて更に詳細に説明する。
図1は、本発明の気泡シート前駆体の一例を示す模式図であり、図2は、図1の気泡シート前駆体を用いた気泡シートの製造方法を示す説明図である。
本発明の気泡シート前駆体は、例えば、図1に示すように、2枚のシート状物1,2からヒートシールで形成され、空気が収容可能な複数個の空気室4が所定の間隔で列設されているとともに、各空気室4の一端面に、空気を導入する空気導入口5が配設されてなるものである。
このとき、空気室の境界線(シール部)3は、曲線であることが、膨脹した空気室4に凹凸形状を持たせ、内容物(被包装物)の荷すべりを防止することができるため好ましい。
【0016】
次いで、図1に示す気泡シート前駆体6に、図2に示すように、空気を封入しながら、空気導入口5をシールするとともに、空気室4を細分化するようにシールすることにより、気泡シート10を得ることができる。
【0017】
また、本発明の気泡シート前駆体は、例えば、図3に示すように、2枚のシート状物1,2から形成され、空気が収容可能な複数個のセル12を流路13でそれぞれ連通させたセルユニット14が所定の間隔で複数列設されているとともに、各セルユニット14の一端面に、空気を導入する空気導入口16が配設されてなるものである。
【0018】
ここで、図3に示す気泡シート前駆体は、2枚のシート状物1,2のうち、少なくとも1方が、十分な容積を有するセル12を形成するため、真空又は圧空成形にて、凹凸に成形されていることが好ましい。
【0019】
このとき、図3に示す気泡シート前駆体は、図6(a)(b)に示すように、流路の幅Wとセルの直径Dとの関係が、W≧D/10であるとともに、流路の幅Wと流路の高さTとの関係が、W/T≧2であることを満足することが好ましい。
これは、W<D/10の場合、空気の充填時に圧力損失が大きくなり、セルユニット14の末端のセルまで空気が行き届かない可能性があるからである。
また、W/T<2である場合、即ち、流路の高さTが高すぎる場合、図6(b)に示すように、シール部7の座屈量Tsが大きくなり、空気漏れの原因となるからである。
【0020】
また、図3に示す気泡シート前駆体の空気充填方法は、図7(a)(b)に示すように、気泡シート前駆体6をローラー52,52で空気導入口5だけを外気に露出させたまま真空チャンバー50に導入し、真空チャンバー内を真空にすることにより、差圧により、大気圧側の空気導入口5から真空チャンバー内のセルユニット(図示せず)へ空気が導入され、セルユニット内に空気を充填することができるものである。
これにより、従来、気泡シート前駆体における空気供給源と空気導入口との位置合わせや漏洩防止に細心の注意が必要であったが、本発明では、気泡シート前駆体の寸法や空気導入口の位置に左右されず、高速でセルユニットに空気を充填することができるとともに、空気充填用の装置を大幅に簡便化することができる。
【0021】
次いで、図3に示す気泡シート前駆体20に、空気を封入しながら、空気導入口16をシールすることにより、図4に示す気泡シート30を得ることができる。
この気泡シート30は、複数個のセル12が流路13で連通されたセルユニット14から形成されているため、衝撃が作用した部位にセルが圧力を受けて収縮し、そのセル内の空気が抵抗を受けながら流路13内の空気が抵抗を受けながら、流路13を通って他のセル内に移動していくため、被衝撃体にかかる緩衝を緩和することができるため、一般的な気泡シートと比較して、緩衝能力を大幅に向上させることができる。
【0022】
更に、図3に示す気泡シート前駆体20に、空気を封入しながら、空気導入口16をシールするとともに、セルユニット14のすべての流路13を、気泡シート前駆体20の縦方向に配置したヒートシールバー(図示せず)で一括してシールすることにより、一般的な気泡シートに類似した図5に示す気泡シート40を得ることができる。
【0023】
以上のことから、本発明の気泡シート前駆体は、空気室又はセルに空気を封入せず、「平坦な」形態をとるため、流通の際の運賃コスト削減、および使用者サイドにおける保管スペースを削減することができる。
また、本発明の気泡シート前駆体は、例えば、図1又は図3に示すように、空気室又はセル内の空気の圧力や流動性を一括してコントロールできるように工夫されており、複雑な形状を有する精密機械やわれ物などの被包装物に応じて最適な気泡シートをその場で得ることができるため、きめ細やかな梱包することができる。
【0024】
尚、本発明で用いるシート状物は、合成樹脂であることが好ましく、例えば、ポリエチレン、PET(ポリエチレンテレフタレート)などや、ガスバリヤー性を向上させるため、ポリエチレン/ナイロンなどの多層フィルムや、ポリエチレン等の表面にマイカ等を塗工した塗工フィルムを用いても良い。
また、廃棄等後処理のことを考えると、PCL(ポリカプロラクトン)、PVA(ポリビニルアルコール)、ポリ乳酸、脂肪酸ポリエステル等の生分解性合成樹脂の使用も好ましい。
【0025】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明の気泡シート前駆体及びこれを用いた気泡シートの製造方法は、流通の際の運賃コスト削減、および使用者サイドにおける保管スペースを削減することができるとともに、複雑な形状を有する精密機械やわれ物などをきめ細かく梱包することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の気泡シート前駆体の一例を示す模式図である。
【図2】図1の気泡シート前駆体を用いた気泡シートの製造方法を示す説明図である。
【図3】本発明の気泡シート前駆体の他の例を示す平面図である。
【図4】本発明の気泡シートの一例を示す平面図である。
【図5】本発明の気泡シートの他の例を示す平面図である。
【図6】本発明の気泡シート前駆体における流路の幅Wとセルの直径Dとの関係、及び流路の幅Wと流路の高さTとの関係を説明するものであり、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図7】本発明の気泡シート前駆体の空気充填方法の一例を示すものであり、(a)は概略断面図、(b)は概略斜視図である。
【符号の説明】
1,2…シート状物、
3…空気室の境界線(シール部)、
4…空気室、
5…空気導入口、
6…気泡シート前駆体、
7…シール部、
8…細分化された空気室、
10…気泡シート、
12…セル、
13…流路、
14…セルユニット、
16…空気導入口、
18…シール部、
20…気泡シート前駆体、
30,40…気泡シート、
50…真空チャンバー、
52,54…ローラー、
56…ブラシ。
Claims (13)
- 2枚のシート状物から形成され、空気が収容可能な複数個の空気室が所定の間隔で列設されているとともに、前記各空気室の一端面に、空気を導入する空気導入口が配設されてなることを特徴とする気泡シート前駆体。
- 前記空気室の境界線が、曲線である請求項1に記載の気泡シート前駆体。
- 前記シート状物が、多層フィルムからなる請求項1又は2に記載の気泡シート前駆体。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の気泡シート前駆体に、空気を封入しながら、前記空気導入口をシールするとともに、前記空気室を細分化するようにシールすることを特徴とする気泡シートの製造方法。
- 請求項4に記載の製造方法で得られたことを特徴とする気泡シート。
- 2枚のシート状物から形成され、空気が収容可能な複数個のセルを流路でそれぞれ連通させたセルユニットが所定の間隔で複数列設されているとともに、前記各セルユニットの一端面に、空気を導入する空気導入口が配設されてなることを特徴とする気泡シート前駆体。
- 前記2枚のシート状物のうち、少なくとも1方が、前記セルを形成するため、真空又は圧空成形にて、凹凸に成形されており、前記流路の幅Wと前記セルの直径Dとの関係が、W≧D/10であるとともに、前記流路の幅Wと前記流路の高さTとの関係が、W/T≧2であることを満足する請求項6に記載の気泡シート前駆体。
- 前記シート状物が、多層フィルムからなる請求項6又は7に記載の気泡シート前駆体。
- 請求項6〜8のいずれか1項に記載の気泡シート前駆体を、空気導入口だけを外気に露出させたまま真空チャンバーに導入し、真空圧と大気圧との差圧により、セルユニット内に空気を充填することを特徴とする気泡シート前駆体の空気充填方法。
- 請求項6〜8のいずれか1項に記載の気泡シート前駆体に、空気を封入しながら、前記空気導入口をシールすることを特徴とする気泡シートの製造方法。
- 請求項10に記載の製造方法で得られたことを特徴とする気泡シート。
- 請求項6〜8のいずれか1項に記載の気泡シート前駆体に、空気を封入しながら、前記空気導入口をシールするとともに、前記セルユニットのすべての流路をシールすることを特徴とする気泡シートの製造方法。
- 請求項12に記載の製造方法で得られたことを特徴とする気泡シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003102589A JP2004306407A (ja) | 2003-04-07 | 2003-04-07 | 気泡シート前駆体及びこれを用いた気泡シートの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003102589A JP2004306407A (ja) | 2003-04-07 | 2003-04-07 | 気泡シート前駆体及びこれを用いた気泡シートの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004306407A true JP2004306407A (ja) | 2004-11-04 |
Family
ID=33465971
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003102589A Withdrawn JP2004306407A (ja) | 2003-04-07 | 2003-04-07 | 気泡シート前駆体及びこれを用いた気泡シートの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004306407A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007145386A1 (en) * | 2006-06-15 | 2007-12-21 | Airtech Natural Co., Ltd. | Manufacturing machine of packing material inflated with air |
US7568508B2 (en) | 2006-05-10 | 2009-08-04 | Chian Hua Liao | Inflatable pneumatic bag and the manufacture method thereof |
US7695786B2 (en) | 2006-07-07 | 2010-04-13 | Yao Sin Liao | Inflatable pneumatic bag |
JP2010089449A (ja) * | 2008-10-10 | 2010-04-22 | Kawakami Sangyo Co Ltd | 合成樹脂製気泡シート及びその製造方法 |
JP2011524827A (ja) * | 2008-06-20 | 2011-09-08 | エドワーズ イノベイションズ リミティド | 多室型の流体充填可能な器具 |
US8157096B2 (en) | 2006-06-23 | 2012-04-17 | Chieh Hua LIAO | Foldable air cushion |
JP2014008762A (ja) * | 2012-07-03 | 2014-01-20 | Kawakami Sangyo Co Ltd | 気泡緩衝材の製造方法及び気泡緩衝材 |
CN115461917A (zh) * | 2020-10-20 | 2022-12-09 | 株式会社 Lg新能源 | 电池模块以及包括该电池模块的电池组和车辆 |
-
2003
- 2003-04-07 JP JP2003102589A patent/JP2004306407A/ja not_active Withdrawn
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7568508B2 (en) | 2006-05-10 | 2009-08-04 | Chian Hua Liao | Inflatable pneumatic bag and the manufacture method thereof |
US7854243B2 (en) | 2006-05-10 | 2010-12-21 | Chian Hua Liao | Inflatable pneumatic bag and the manufacture method thereof |
WO2007145386A1 (en) * | 2006-06-15 | 2007-12-21 | Airtech Natural Co., Ltd. | Manufacturing machine of packing material inflated with air |
US7992615B2 (en) | 2006-06-15 | 2011-08-09 | Young Seok Kim | Manufacturing machine of packing material inflated with air |
CN101460375B (zh) * | 2006-06-15 | 2012-08-29 | 蓝空包装有限公司 | 制造吸震充气包装材料的设备 |
US8157096B2 (en) | 2006-06-23 | 2012-04-17 | Chieh Hua LIAO | Foldable air cushion |
US7695786B2 (en) | 2006-07-07 | 2010-04-13 | Yao Sin Liao | Inflatable pneumatic bag |
JP2011524827A (ja) * | 2008-06-20 | 2011-09-08 | エドワーズ イノベイションズ リミティド | 多室型の流体充填可能な器具 |
JP2010089449A (ja) * | 2008-10-10 | 2010-04-22 | Kawakami Sangyo Co Ltd | 合成樹脂製気泡シート及びその製造方法 |
JP2014008762A (ja) * | 2012-07-03 | 2014-01-20 | Kawakami Sangyo Co Ltd | 気泡緩衝材の製造方法及び気泡緩衝材 |
CN115461917A (zh) * | 2020-10-20 | 2022-12-09 | 株式会社 Lg新能源 | 电池模块以及包括该电池模块的电池组和车辆 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN107207139B (zh) | 具有经修改的内部气氛的清洁产品的网状物以及制造方法 | |
US7665609B2 (en) | Air-tightness strengthening air enclosure | |
JP5600338B2 (ja) | 緩衝機能を有する包装袋 | |
WO2006012564A2 (en) | Vacuum packaging films patterned with protruding cavernous structures | |
CN109715523B (zh) | 隔热性以及保管性得到提升的包装膜的制造方法 | |
JP2004306407A (ja) | 気泡シート前駆体及びこれを用いた気泡シートの製造方法 | |
JP2007269391A (ja) | 導電部が形成されているガラス基板の梱包ユニットおよび梱包方法 | |
US20060280913A1 (en) | Packing material and method for packing an object using the packing material | |
KR20050103300A (ko) | 프레임형 공기 완충재 | |
JP4334536B2 (ja) | 梱包部材及び梱包部材の製造方法 | |
KR100731542B1 (ko) | 공기주입식 완충포장재 및 그 제조방법 | |
CN109689364B (zh) | 隔热性以及保管性得到提升的包装膜的制造方法 | |
US11208252B2 (en) | Packaging material | |
JP5595718B2 (ja) | 空気セル緩衝材 | |
US20110266191A1 (en) | Air-filled packaging product | |
CN213263728U (zh) | 一种气柱式缓冲袋 | |
US11845600B2 (en) | Inflatable packaging material with non-continuous longitudinal channels | |
JP2009132463A (ja) | 気体密封袋及びその製造方法 | |
CN206203058U (zh) | 一种蛋托 | |
JP5469378B2 (ja) | 包装用容器 | |
JP4334612B2 (ja) | 気体収納方法 | |
CN114654865A (zh) | 包装膜的制造方法 | |
JP2000168798A (ja) | 粒状物包装用袋、及びその製造方法 | |
US20210388295A1 (en) | Water-soluble multi-chamber container | |
WO2004108560A1 (en) | Buffering packing material and making method thereof |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060704 |