JP2004306301A

JP2004306301A - Composite film or sheet made of thermoplastic urethane resin

Info

Publication number: JP2004306301A
Application number: JP2003099891A
Authority: JP
Inventors: Masaaki Sato; 正明佐藤; Kenichi Yamauchi; 健一山内; Akiko Ishihara; 暁子石原
Original assignee: Achilles Corp
Current assignee: Achilles Corp
Priority date: 2003-04-03
Filing date: 2003-04-03
Publication date: 2004-11-04
Anticipated expiration: 2023-04-03
Also published as: JP4195631B2

Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a composite film or sheet made of a synthetic thermoplastic urethane resin having fire retardancy, perspective transparency and antistatic properties as a film or sheet for covering a floor surface, a wall surface or a ceiling, devices, especially precision devices such as a computer and the like, a place for handling a radioactive substance or the like or a room partitioning film or sheet. <P>SOLUTION: The composite film or sheet made of the thermoplastic urethane resin having transparency and fire retardancy is constituted by forming outer layers comprising an olefinic resin on both sides of an intermediate layer constituted of a fire-retardant thermoplastic urethane resin. <P>COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、床面、壁面や天井、或いは精密機器等の機器類の被覆用フィルムまたはシートとして、また間仕切り用フィルムまたはシートとして好適な、透視可能な透明性で難燃性を有し、さらに所望に応じて帯電防止性を付与した熱可塑性ウレタン系樹脂複合フィルムまたはシートに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、床面、壁面、天井あるいは各種の精密機器等の機器類の被覆用フィルムまたはシート（所謂養生フィルムまたはシート）としては、主に塩化ビニル樹脂フィルムまたはシートやポリオレフィン系樹脂フィルムまたはシート等が種々の分野に広く使用されている。
【０００３】
塩化ビニル樹脂フィルムまたはシートは透明性に優れているが、塩化ビニル樹脂は可塑剤を含有しており、またハロゲンを含有していること等から廃棄、焼却に際して有毒性のガスを生成したりダイオキシンの問題など環境を汚染する虞があることから、近年は難燃性ポリオレフィン系樹脂フィルムまたはシートが使用されるようになってきている。
可燃性のポリオレフィン系樹脂を難燃化するには臭素等のハロゲン含有物質と三酸化アンチモンを併用する方法がよく知られているが、この場合は焼却した場合に有毒性ガスが発生したりダイオキシンの問題など環境を汚染する虞がある。また、臭素等のハロゲン含有物質を使用しなく難燃化する方法として無機物質を添加する方法があるが、無機物質を添加した場合には有毒ガスの生成等の問題は解消できるが透明性が損なわれる。
【０００４】
近年、放射性物質を取り扱う場所、例えば原子力発電所や放射性物質を取り扱う研究所等において、床面、壁面、天井或いは機器類などに放射性物質が付着しないように合成樹脂フィルムまたはシートで被覆したり、あるいは間仕切り用に合成樹脂フィルムまたはシートが使用されている。このような目的に使用されるフィルムまたはシートは、一定期間経過後に取り替え、使用済みのフィルムまたはシートは焼却されることから、焼却の際に有毒性ガスの発生やダイオキシンの発生など環境汚染の問題がなく、灰分の生成が少ない難燃性シートが求められる。このような放射性物質の取扱い場所への使用を目的とした、難燃性を有し焼却時に有毒ガスの発生がなく灰分の発生の少ない表面被覆フィルムとして可燃性の熱可塑性重合体（例えば、ポリエチレンやエチレン‐酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン等々）に難燃剤として尿素を配合した難燃性複合フィルムが提案されている（例えば、特許文献１）。
【０００５】
上記の特許文献１に記載の難燃性複合フィルムに使用される尿素は熱可塑性重合体との相溶性が悪く、また吸湿性が大きく凝集し易く取扱い難く、また加工性が悪いなどの問題点があり、これを改良したものとして、ウレタン樹脂の有機溶剤溶液にジシアンジアミドを配合した組成物を、ナイフコーター等によりフィルム化し、該フィルムの少なくとも片面に熱可塑性樹脂フィルム（特にポリエステルフィルム）を積層した自己消火性難燃シートが提案されている（例えば、特許文献２）。
【０００６】
また、機械的強度を有し、柔軟性、弾力性に富み耐磨耗性があり、透湿性、耐薬品性に優れた多層フィルムとして、熱可塑性ポリウレタン樹脂層の片面または両面に接着層を介してポリオレフィン系樹脂層を積層した多層ポリウレタンフィルムが報告されている（例えば、特許文献３）。
【０００７】
【特許文献１】
特開平４−３３２６４０号公報。
【特許文献２】
特開２００１−１０５５５８号公報。
【特許文献３】
特開平１−１３０９４４号公報。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
上記の例えば、床面、壁面や天井あるいは精密機器等の機器類を被覆するフィルムまたはシート、または間仕切り用のフィルムまたはシートは透明性を有し難燃性であることが求められ、さらに加えて帯電防止性があることが望ましい。このような透明性を有し難燃化や帯電防止性を付与することが比較的容易なものとして塩化ビニル樹脂やオレフィン系樹脂等がある。
しかしながら、塩化ビニル樹脂は透明性に優れているが可塑剤を含有していること、またハロゲンを含有していること等から廃棄、焼却に際して有毒性のガスを生成したりダイオキシンの問題など環境を汚染する等の欠点があった。また、オレフィン系樹脂の難燃化には臭素等のハロゲン含有物質と三酸化アンチモンを併用したり、無機物質を添加したりする方法等種々行なわれている。難燃剤としてハロゲン含有物質を使用する場合は環境汚染の問題があり、無機物質の添加は透明性を確保することが困難であった。
【０００９】
また、ウレタン系樹脂を難燃化するために、ジシアンジアミドを配合する特許文献２では、ウレタン系樹脂を有機溶剤に分散させ、これにジシアンジアミドを配合することがなされているが、有機溶剤を使用することは、生産工程における作業環境を悪化させる虞があり好ましくない。またフィルムまたはシートの生産効率を考慮すると、ナイフコーターでフィルム化することは工業的に効率が悪く、押出し成形による方法が好ましい。しかしながら、ジシアンジアミドを溶融混練し押出し成形するには、ジシアンジアミドの融点は２０７〜２０９℃であることから、少なくとも２００℃以上の温度で混練し、押出し成形することが必要である。しかし、通常ウレタン系樹脂を２００℃以上の温度で加工すると変色等により透明性が低下する問題があった。
【００１０】
床面、壁面や天井の被覆用、また機器類、特にコンピュータなどの精密機器、あるいは放射性物質を扱う場所の被覆用フィルムまたはシートあるいは間仕切り用フィルムまたはシートとして、透視可能な透明性を有し、環境汚染の問題がなく難燃性を有するフイルムまたはシート、さらには加えて帯電防止性に優れたフイルムまたはシートが要望されている。
【００１１】
本発明は、上記の被覆用フィルムまたはシートあるいは間仕切り用フィルムまたはシートとして、難燃性を有し透視可能な透明性を有し、さらに加えて帯電防止性を有し、しかも環境汚染の問題がなく所望の要望に応えることができる合成樹脂フィルムまたはシートを提供することを目的とするものである。
【００１２】
このような被覆用フィルムまたはシートあるいは間仕切り用フィルムまたはシートとして、熱可塑性ウレタン系樹脂フィルムまたはシートは、透明であり、透明性を維持してハロゲン化合物を使用することなく難燃化が容易である。しかし、熱可塑性ウレタン系樹脂フィルムまたはシートを作製する場合に、シート自体のベタツキや伸びが激しいために、離型紙またはキャリヤーフィルムを使用する必要がある。また、熱可塑性ウレタン樹脂フィルムまたはシート単層では、フィルムまたはシートとしての物性が不足するため、外層フィルムを設ける必要がある。一方、多層フィルムまたはシートを生産する場合、生産効率を考慮すると共押出しによる貼り合わせる方法を使用することが好ましく、しかもこの方法を使用することで、ウレタン系樹脂フィルムまたはシートを作製する場合の、特別な離型紙やキャリヤーフィルムを使用する必要もなくなる。さらに、ウレタン系樹脂を押出し成形する場合、成形温度は２００℃以下であることが必要であるので、その場合に接着性のよい外層フィルム樹脂を選択する必要があり、オレフィン系樹脂はその成形条件でも、結晶性がよく、ウレタン系樹脂との密着性がよい。
さらにまた、多層のフィルムまたはシートとした場合に、特に２層の場合に両層の樹脂特性が異なると、フィルムのカールなどが発生し易く、使用時の作業性を損ねる虞がある。
したがって、難燃性を有する熱可塑性ウレタン系樹脂の両面にオレフィン系樹脂層を設けた複合フィルムまたはシートが、要求される透明性、難燃性を備え、生産性、作業性に優れたフィルムまたはシートとなることが見出された。
【００１３】
一方、フィルムまたはシートに帯電防止性を付与するために、これまで帯電防止剤として、通常の界面活性剤が使用されていたが、表面固有抵抗値１０^１ ^２以下の帯電防止性能を得ることが困難であった。
また、本発明のフィルムまたはシートに、帯電防止性能を付与するためには内層のウレタン系樹脂層に添加するよりも、外層のオレフィン系樹脂層に添加することが好ましく、帯電防止剤としては、相溶性、帯電防止性を考慮すると、オレフィン変性ポリエーテル型高分子型帯電防止剤が有効であることが見出された。
【００１４】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の事実に基づいて為されたものである。
すなわち、本発明は、
（１）難燃性熱可塑性ウレタン系樹脂で構成される中間層の両面にオレフィン系樹脂からなる外層が形成されており、透明で難燃性を有することを特徴とする熱可塑性ウレタン系樹脂複合フィルムまたはシート。
（２）中間層を構成する難燃性熱可塑性ウレタン系樹脂は、熱可塑性ウレタン系樹脂に縮合リン酸エステルが混合され、熱可塑性ウレタン系樹脂と縮合リン酸エステルとの混合比が９５：５〜７０：３０（重量比）であることを特徴とする上記（１）記載の熱可塑性ウレタン系樹脂複合フィルムまたはシート。
（３）外層を形成するオレフィン系樹脂が、エチレンまたはプロピレンと無水マレイン酸との共重合体であることを特徴とする上記（１）または（２）記載の熱可塑性ウレタン系樹脂複合フィルムまたはシート。
（４）外層を形成するオレフィン系樹脂が、高分子型帯電防止剤を含有し、ポリオレフィン系樹脂と高分子型帯電防止剤との混合比が９０：１０〜５０：５０（重量比）であることを特徴とする上記（１）、（２）または（３）記載の熱可塑性ウレタン系樹脂複合フィルムまたはシート。
（５）難燃性熱可塑性ウレタン系樹脂層の中間層とオレフィン系樹脂の外層との厚さ比が、中間層：外層（一方の厚さ）＝８：１〜４０：１であることを特徴とする上記（１）、（２）、（３）または（４）記載の熱可塑性ウレタン系樹脂複合フィルムまたはシート。を要旨とするものである。
【００１５】
【発明の実施の形態】
本発明の熱可塑性ウレタン系樹脂フィルムまたはシートは、難燃性熱可塑性ウレタン系樹脂で構成される中間層と、該中間層の両面にオレフィン系樹脂からなる外層が形成された構造からなる透明で難燃性を有し、さらには外層を形成するオレフィン系樹脂に帯電防止剤を含有させた、透明で難燃性を有し優れた帯電防止性を有する複合フィルムまたはシートである。
【００１６】
本発明において、中間層を構成する難燃性熱可塑性ウレタン系樹脂は、熱可塑性ウレタン系樹脂に難燃剤として縮合リン酸エステルを配合した組成物からなる。本発明の目的とする難燃性能はＪＩＳＫ７２０１に準じて測定される酸素指数が２６以上であることが要求され、これを満足する熱可塑性ウレタン系樹脂と縮合リン酸エステルとの混合比は、重量比で９５：５〜７０：３０である。縮合リン酸エステルの混合割合が５重量％よりも少ない場合は、所期の難燃効果が得られ難い。一方、３０重量％を超える場合には透明性が低下する虞がある。熱可塑性ウレタン系樹脂と縮合リン酸エステルとの混合比は、好ましくは９０：１０〜７５：２５である。
【００１７】
本発明における熱可塑性ウレタン系樹脂は、二官能性ポリオールとジイソシアネートを主成分として反応させて得られる分子構造中にウレタン基を有するものであり、ポリエーテル系ウレタン樹脂、ポリエステル系ウレタン樹脂が使用される。ジイソシアネートとしては、例えば、２，６−トリレンジイソシアネート、２，４−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、１，６−ヘキサメチレンジイソシアネートおよびこれらの誘導体があげられる。また二官能性ポリオールとしては、例えば、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレングリコールのごときポリエーテル型のもの、またはアジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、等の脂肪族または芳香族ジカルボン酸成分とエチレングリコール、ジエチレングリコール、１，４−ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール等と縮合させたポリエステル型のものとがある。
前者のポリエーテル型ポリオールを使用したものがポリエーテル系ウレタン樹脂で、後者のポリエステル型ポリオールを使用したものがポリエステル系ウレタン樹脂である。
【００１８】
本発明において、熱可塑性ウレタン系樹脂は、これらのポリエーテル系ウレタン樹脂またはポリエステル系ウレタン樹脂を単独で、または二種以上を混合して使用することができる。また本発明の目的を損なわない範囲内で他の熱可塑性樹脂を使用することもできる。
【００１９】
本発明に使用される縮合リン酸エステルとしては、下記の構造式で示される化合物が挙げられる。
【化１】

ただし、式においてＲ_１，Ｒ_２，Ｒ_３，Ｒ_４は互いに独立して、水素原子または有機基を表す。Ｒ_１，Ｒ_２，Ｒ_３，およびＲ_４は同時に水素原子ではない。Ｘは２価の有機基を表し、ｎは０以上の整数である。
【００２０】
本発明において、外層を形成するオレフィン系樹脂は、例えば、ポリエチレン、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、プロピレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体等が挙げられるが、これらのうちエチレン−無水マレイン酸共重合体、プロピレン−無水マレイン酸共重合体等のオレフィン系樹脂を使用することが好ましい。エチレンまたはプロピレンと無水マレイン酸との共重合体よりなるオレフィン系樹脂を外層に使用することにより、中間層のウレタン系樹脂との密着性に優れた積層フィルムを得ることができ、特別な接着剤層等を必要としないためにより透明性の優れたものとすることができる。
【００２１】
本発明において、熱可塑性ウレタン系樹脂フィルムまたはシートに帯電防止性を付与するために、外層を形成するオレフィン系樹脂に高分子型帯電防止剤が混合される。帯電防止性能は、表面固有抵抗値が１０^１２以下であることが望ましく、これを満足するためのオレフィン系樹脂と高分子型帯電防止剤との混合比は、重量比で９０：１０〜５０：５０である。高分子型帯電防止剤の割合が１０重量％よりも少ない場合には所望の帯電防止性能が得られ難く、一方、５０重量％を超える場合には熱可塑性ウレタン樹脂層とオレフィン系樹脂との間で層間剥離が起る虞があり、透明性が低下する虞がある。オレフィン系樹脂と高分子型帯電防止剤との混合比は、好ましくは８０：２０〜７０：３０である。
【００２２】
本発明で使用される高分子型帯電防止剤としては、オレフィン変性ポリエーテル型の高分子型帯電防止剤である。このような高分子型帯電防止剤としては、例えば、特開平６−３１３０７９号公報等に記載されているようなポリエーテルエステルアミドとビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物から誘導される芳香環含有ポリエーテルエステルアミドのプロピレン変性物が挙げられる。また特開平３−２９０４６４号公報に記載されているような炭素数６以上のアミノカルボン酸、ラクタムまたは炭素数６以上のジアミンとジカルボン酸の塩、平均分子量２００〜６０００のポリ（アルキレンオキシド）グリコールおよび炭素数４〜２０のジカルボン酸とのポリエーテルエステルアミドとポリオレフィンとの樹脂組成物などが挙げられる。具体的には、市販のものとして、例えば三洋化成工業（株）製「ペレスタット３００」が例示される。
【００２３】
本発明の熱可塑性ウレタン系樹脂複合フィルムまたはシートにおける中間層を構成する熱可塑性ウレタン系樹脂、外層を形成するオレフィン系樹脂には、所望に応じて、本発明の特性を損なわない範囲において酸化防止剤、光安定剤、紫外線防止剤、滑剤等の各種添加剤を添加することができる。
【００２４】
本発明の熱可塑性ウレタン系樹脂複合フィルムまたはシートは、難燃性を有する熱可塑性ウレタン樹脂からなる中間層の両面にオレフィン系樹脂層、または帯電防止剤を含有させたオレフィン系樹脂層を形成させた複合フイルムまたはシートである。この複合フィルムまたはシートを成形する方法は、従来から使用される成形方法が利用できるが、共押出成形法や共押出インフレーション法等が、製造工程が簡素であるので好ましい。しかしながらこれらの方法に限定されるものでなく、中間層および外層を構成するフィルムまたはシートをそれぞれカレンダー法、押出法、インフレーション法などにより個別に成形し、これらを熱ラミネート法または接着剤等により積層し本発明の目的とする複合フィルムまたはシートを得ることもできる。
【００２５】
本発明において難燃性を有する熱可塑性ウレタン樹脂層を中間層とし、オレフィン系樹脂を外層とする複合フィルムまたはシートの厚さは特に制限されるものではないが、通常０．０１ｍｍ〜３ｍｍである。
本発明における複合フィルムまたはシートにおいて、中間層と外層との厚さの比は、中間層：外層（一方の外層）＝８：１〜４０：１の範囲であることが好ましい。中間層と外層との厚さの比が上記の比率を超え、外層があまりにも薄い場合には表面のベタツキ（タック性）があり好ましくなく、一方、外層が上記の比率を超え著しく厚い場合には難燃効果を十分に発揮することができ難くなる虞がある。
【００２６】
難燃性を有する熱可塑性ウレタン樹脂層を中間層とし、オレフィン系樹脂層を、または帯電防止性を有するオレフィン系樹脂層を両外層に形成した本発明の複合フィルムまたはシートは、難燃性で優れた透明性を有するので使用時において被覆されている物品や内部の状態、様子を認知することができる利点がある。
また、難燃剤としてハロゲン系化合物を使用しないので燃焼した場合に有毒性ガスの発生やダイオキシンの問題等環境汚染の虞がなく、灰分の生成も少なく環境に優しいものである。また帯電防止性を有するオレフィン系樹脂層を両外層に形成した本発明の複合フィルムまたはシートは、難燃性で優れた透明性を有するとともに、優れた帯電防止性能を有するので静電気によるフィルムまたはシート同士の密着性がなく取扱い易く作業性がよく、また静電気に伴う発火の危険性もなく、さらに塵や埃の付着がない。
【００２７】
【実施例】
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものでない。
【００２８】
実施例１〜６、比較例１〜６
中間層を構成する熱可塑性ウレタン樹脂として、エーテル系熱可塑性ウレタン樹脂（ＮＯＶＥＯＮ社製エストラン５８８７）を使用し、難燃剤として縮合リン酸エステル（大八化学社製ＰＸ２０１、リン含有量９．０％、融点１６８℃）を使用し、これらを表１に示す配合割合で混合し、二軸押出機で混練してペレットを作成した。
一方、外層を形成する樹脂としてエチレン−無水マレイン酸共重合体（三井化学社製アドマーＦ５５１）を使用し、また高分子型帯電防止剤として、三洋化成工業社製「ペレスタット３００」を使用して表１に示す配合割合でドライブレンドして帯電防止剤を含有した混合物を調製した。
中間層用押出機のシリンダー温度を１９０℃に設定し、外層用押出機のシリンダー温度を２００℃に設定し、Ｔ型ダイス温度を２００℃に設定して、中間層用押出機に上記のペレットを投入し、押出機中で加熱、混練して中間層形成用難燃剤含有樹脂溶融物を調製し、外層用押出機に上記のオレフィン系樹脂、またはオレフィン系樹脂に帯電防止剤を混合した混合物を投入し、押出機中で加熱、混練して、それぞれ外層形成用樹脂溶融物を調製した。これらの樹脂溶融物を、中間層と外層の厚さの比が表１に示す比率となるようにＴダイから押出し、フィルム厚（全厚）０．２ｍｍの複合フィルムを形成した。
【００２９】
得られた複合フィルムの透明性、難燃性、帯電防止性および中間層と外層との層間剥離性ならびにフィルム表面のタック性を下記により評価した。
【００３０】
（１）透明性
透明性は、スガ試験機社製ヘーズ測定機ＨＺ−２を用いてＪＩＳＫ７１０５に準じてシングルビーム方式によって５０ｍｍ×５０ｍｍの試験片の全光線透過率を３回測定し、その平均値で表した。
【００３１】
（２）難燃性
ＪＩＳＫ７２０１（１９７６年）に準じて酸素指数を３回測定し、その平均値で表した。
【００３２】
（３）帯電防止性
帯電防止性は表面固有抵抗値（Ω）で示した。表面固有抵抗値は、ＪＩＳＫ６９１１に準じてアドバンス社製ウルトラハイレジスタンスメーターＲ８３４０により室温２３℃、湿度５０％に調整した測定室で測定した。値は測定開始から１０秒後の値を読み取った。
【００３３】
（４）層間剥離性
碁盤目剥離法により評価した。すなわち試験片にカッターで１０ｍｍ四方の中に１ｍｍ^２の桝目を１００個作製し、セロハンテープにより剥離性を調べ、全く剥離が認められない場合を「〇」、桝目が１〜１０個剥離した場合を「△」、桝目が１１個以上剥離した場合「×」で示した。
【００３４】
（５）表面タック性
３０℃のオーブン中で２４時間保管した後のタック性を触感で評価した。
【００３５】
【表１】

【００３６】
【発明の効果】
本発明の熱可塑性ウレタン系樹脂複合フィルムまたはシートは、難燃性で透視可能な透明性を有しており使用時に被覆された内部の物品或いは状態、様子を認知することができ、難燃剤としてハロゲン系化合物を使用しないので燃焼した場合に有毒性ガスの発生やダイオキシンの問題等環境汚染の虞がなく、灰分の生成も少なく環境に優しいものである。また、本発明の複合フィルムまたはシートは、難燃性で優れた透明性を有するとともに、優れた帯電防止性を有するので静電気によるフィルムまたはシート同士の密着性がなく取扱い易く作業性がよく、また静電気に伴う発火の危険性もなく、さらに塵や埃の付着がない。
本発明の熱可塑性ウレタン系樹脂複合フィルムまたはシートは、床面、壁面や天井、或いは精密機器等の機器類の被覆用フィルムまたはシートとして、また間仕切り用として好適であり、また放射性物質を取扱う場所における被覆用、間仕切り用フィルムまたはシートとして使用できる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention is suitable as a coating film or sheet for equipment such as floors, walls and ceilings, or precision equipment, and also as a partitioning film or sheet, having transparent and flame-retardant transparency, The present invention relates to a thermoplastic urethane-based resin composite film or sheet provided with an antistatic property as required.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, as a coating film or sheet (so-called curing film or sheet) for equipment such as floors, walls, ceilings, or various precision instruments, a vinyl chloride resin film or sheet, a polyolefin resin film or sheet, or the like is mainly used. Widely used in various fields.
[0003]
Although vinyl chloride resin films or sheets have excellent transparency, vinyl chloride resins contain plasticizers and contain halogens. In recent years, flame-retardant polyolefin-based resin films or sheets have been used because of the possibility of polluting the environment such as the problem described above.
In order to make flammable polyolefin resin flame-retardant, it is well known to use a halogen-containing substance such as bromine in combination with antimony trioxide, but in this case, toxic gas is generated when incinerated or dioxin is generated. There is a risk of polluting the environment such as the problem described above. In addition, there is a method of adding an inorganic substance as a method of flame retarding without using a halogen-containing substance such as bromine.When an inorganic substance is added, problems such as generation of a toxic gas can be solved, but transparency is reduced. Be impaired.
[0004]
In recent years, in places handling radioactive materials, such as nuclear power plants and laboratories that handle radioactive materials, such as floors, walls, ceilings or coated with a synthetic resin film or sheet so that radioactive materials do not adhere to equipment, Alternatively, a synthetic resin film or sheet is used for partitioning. Films or sheets used for such purposes are replaced after a certain period of time, and used films or sheets are incinerated, causing environmental pollution problems such as the generation of toxic gases and dioxins during incineration. There is a need for a flame-retardant sheet that is free from ash and has little ash content. A flammable thermoplastic polymer (for example, polyethylene) is used as a surface coating film that is flame-retardant and does not generate toxic gas during incineration and generates less ash for the purpose of using such radioactive materials in handling areas. And an ethylene-vinyl acetate copolymer, polypropylene, polystyrene, etc.) and urea as a flame retardant have been proposed (for example, Patent Document 1).
[0005]
The urea used in the flame-retardant composite film described in Patent Document 1 has problems such as poor compatibility with the thermoplastic polymer, high hygroscopicity, easy aggregation and difficulty in handling, and poor processability. As an improvement, a composition obtained by mixing dicyandiamide in an organic solvent solution of a urethane resin was formed into a film by a knife coater or the like, and a thermoplastic resin film (particularly, a polyester film) was laminated on at least one surface of the film. A self-extinguishing flame retardant sheet has been proposed (for example, Patent Document 2).
[0006]
In addition, as a multilayer film with mechanical strength, flexibility, elasticity, abrasion resistance, moisture permeability, and chemical resistance, an adhesive layer is provided on one or both sides of the thermoplastic polyurethane resin layer. Thus, a multilayer polyurethane film in which a polyolefin-based resin layer is laminated has been reported (for example, Patent Document 3).
[0007]
[Patent Document 1]
JP-A-4-332640.
[Patent Document 2]
JP 2001-105558 A.
[Patent Document 3]
JP-A-1-130944.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
For example, a film or sheet for covering equipment such as floors, walls, ceilings or precision instruments, or a film or sheet for partitioning is required to be transparent and flame-retardant. Desirably, it has antistatic properties. There are vinyl chloride resins, olefin resins and the like that have such transparency and are relatively easy to impart flame retardancy and antistatic properties.
However, vinyl chloride resin is excellent in transparency but contains a plasticizer and contains halogen, so it generates toxic gas at the time of disposal and incineration, and has environmental problems such as dioxin problems. There were drawbacks such as contamination. In addition, various methods such as a method of using a halogen-containing substance such as bromine and antimony trioxide in combination or an addition of an inorganic substance have been used for making the olefin resin flame-retardant. When a halogen-containing substance is used as a flame retardant, there is a problem of environmental pollution, and it has been difficult to secure transparency by adding an inorganic substance.
[0009]
In addition, in Patent Document 2 in which dicyandiamide is blended to make the urethane-based resin flame-retardant, the urethane-based resin is dispersed in an organic solvent, and dicyandiamide is blended in this. However, an organic solvent is used. This may undesirably deteriorate the working environment in the production process. Considering the production efficiency of the film or sheet, it is industrially inefficient to form a film with a knife coater, and the extrusion method is preferred. However, in order to melt-knead and extrude dicyandiamide, the melting point of dicyandiamide is from 207 to 209 ° C, so it is necessary to knead and extrude at least 200 ° C or more. However, when a urethane-based resin is usually processed at a temperature of 200 ° C. or higher, there is a problem that transparency is reduced due to discoloration or the like.
[0010]
For covering floors, walls and ceilings, and as equipment, especially precision equipment such as computers, or as a coating film or sheet or partitioning film or sheet for places dealing with radioactive materials, it has transparency that can be seen through, There is a demand for a film or sheet having flame retardancy without causing any environmental pollution, and further, a film or sheet having excellent antistatic properties.
[0011]
The present invention provides, as the above-mentioned coating film or sheet or partitioning film or sheet, flame-retardant and translucent transparency, in addition to having antistatic properties, and having the problem of environmental pollution. It is an object of the present invention to provide a synthetic resin film or sheet that can meet a desired demand without any problem.
[0012]
As such a coating film or sheet or a partitioning film or sheet, a thermoplastic urethane-based resin film or sheet is transparent, and is easily flame-retarded without using a halogen compound while maintaining transparency. . However, when preparing a thermoplastic urethane resin film or sheet, it is necessary to use release paper or a carrier film because the sheet itself is very sticky and stretchable. Further, in the case of a single layer of a thermoplastic urethane resin film or sheet, the physical properties of the film or sheet are insufficient, so that it is necessary to provide an outer layer film. On the other hand, when producing a multilayer film or sheet, it is preferable to use a method of laminating by co-extrusion in consideration of production efficiency, and by using this method, when producing a urethane-based resin film or sheet, There is no need to use special release paper or carrier film. Furthermore, when extruding a urethane-based resin, the molding temperature must be 200 ° C. or less, and in that case, it is necessary to select an outer layer film resin having good adhesiveness, and the olefin-based resin is subjected to molding conditions. However, it has good crystallinity and good adhesion to the urethane resin.
Furthermore, in the case of a multilayer film or sheet, if the resin properties of both layers are different, especially in the case of two layers, curling of the film or the like is likely to occur, which may impair workability during use.
Therefore, a composite film or sheet provided with an olefin-based resin layer on both sides of a thermoplastic urethane-based resin having flame retardancy, has the required transparency, flame retardancy, productivity, and a film excellent in workability. It was found to be a sheet.
[0013]
Meanwhile, in order to impart antistatic properties to the film or sheet, as an antistatic agent so far, although conventional surfactants were used, to obtain a surface resistivity of 10 ¹ ² The following antistatic performance It was difficult.
Further, in order to impart antistatic performance to the film or sheet of the present invention, it is preferable to add to the outer olefin resin layer rather than to the inner urethane resin layer, and as the antistatic agent, In consideration of compatibility and antistatic properties, it has been found that an olefin-modified polyether-type polymer type antistatic agent is effective.
[0014]
[Means for Solving the Problems]
The present invention has been made based on the above facts.
That is, the present invention
(1) A thermoplastic urethane-based resin composite characterized in that an outer layer made of an olefin-based resin is formed on both surfaces of an intermediate layer made of a flame-retardant thermoplastic urethane-based resin and is transparent and has flame retardancy. Film or sheet.
(2) The flame-retardant thermoplastic urethane-based resin constituting the intermediate layer is obtained by mixing a condensed phosphate ester with a thermoplastic urethane-based resin, and having a mixing ratio of 95: 5 between the thermoplastic urethane-based resin and the condensed phosphate ester. The thermoplastic urethane-based resin composite film or sheet according to the above (1), which has a weight ratio of about 70:30.
(3) The thermoplastic urethane-based resin composite film or sheet according to the above (1) or (2), wherein the olefin resin forming the outer layer is a copolymer of ethylene or propylene and maleic anhydride. .
(4) The olefin resin forming the outer layer contains a polymer type antistatic agent, and the mixing ratio of the polyolefin resin and the polymer type antistatic agent is 90:10 to 50:50 (weight ratio). The thermoplastic urethane-based resin composite film or sheet according to (1), (2) or (3) above.
(5) The thickness ratio between the intermediate layer of the flame-retardant thermoplastic urethane-based resin layer and the outer layer of the olefin-based resin is such that the intermediate layer: the outer layer (one thickness) = 8: 1 to 40: 1. The thermoplastic urethane-based resin composite film or sheet according to the above (1), (2), (3) or (4), which is characterized by the following. It is the gist.
[0015]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The thermoplastic urethane resin film or sheet of the present invention is a transparent film having a structure in which an intermediate layer composed of a flame-retardant thermoplastic urethane resin and outer layers composed of an olefin resin are formed on both surfaces of the intermediate layer. A composite film or sheet that is flame-retardant and further has an antistatic agent added to an olefin-based resin that forms the outer layer, and is transparent, flame-retardant, and has excellent antistatic properties.
[0016]
In the present invention, the flame-retardant thermoplastic urethane-based resin constituting the intermediate layer comprises a composition obtained by blending a condensed phosphate ester as a flame-retardant with a thermoplastic urethane-based resin. The flame retardancy intended for the present invention is required to have an oxygen index of 26 or more measured according to JIS K7201, and the mixing ratio of the thermoplastic urethane-based resin and the condensed phosphate ester satisfying this is: The weight ratio is 95: 5 to 70:30. If the mixing ratio of the condensed phosphoric acid ester is less than 5% by weight, the desired flame retardant effect is hardly obtained. On the other hand, if it exceeds 30% by weight, transparency may be reduced. The mixing ratio between the thermoplastic urethane-based resin and the condensed phosphoric acid ester is preferably 90:10 to 75:25.
[0017]
The thermoplastic urethane resin in the present invention has a urethane group in a molecular structure obtained by reacting a difunctional polyol and a diisocyanate as main components, and a polyether urethane resin and a polyester urethane resin are used. You. Examples of the diisocyanate include 2,6-tolylene diisocyanate, 2,4-tolylene diisocyanate, xylylene diisocyanate, diphenylmethane diisocyanate, 1,6-hexamethylene diisocyanate, and derivatives thereof. Examples of the difunctional polyol include, for example, polyoxypropylene glycol, polyether type such as polyoxypropylene-polyoxyethylene glycol, and aliphatic or aromatic compounds such as adipic acid, sebacic acid, terephthalic acid, and isophthalic acid. There is a polyester type obtained by condensing an aromatic dicarboxylic acid component with ethylene glycol, diethylene glycol, 1,4-butanediol, polyethylene glycol, neopentyl glycol or the like.
The former using a polyether type polyol is a polyether type urethane resin, and the latter using a polyester type polyol is a polyester type urethane resin.
[0018]
In the present invention, as the thermoplastic urethane resin, these polyether-based urethane resins or polyester-based urethane resins can be used alone or in combination of two or more. Further, other thermoplastic resins can be used as long as the object of the present invention is not impaired.
[0019]
Examples of the condensed phosphoric ester used in the present invention include compounds represented by the following structural formula.
Embedded image

However, in the formula, R ₁ , R ₂ , R ₃ , and R ₄ independently represent a hydrogen atom or an organic group. R ₁ , R ₂ , R ₃ , and R ₄ are not simultaneously hydrogen atoms. X represents a divalent organic group, and n is an integer of 0 or more.
[0020]
In the present invention, the olefin resin forming the outer layer is, for example, polyethylene, ethylene-maleic anhydride copolymer, ethylene-vinyl acetate copolymer, propylene-maleic anhydride copolymer, ethylene-methyl methacrylate copolymer. Copolymer, ethylene-methyl acrylate copolymer, ethylene-ethyl acrylate copolymer, ethylene-methacrylic acid copolymer, ethylene-acrylic acid copolymer, ionomer, ethylene-vinyl acetate-maleic anhydride copolymer, etc. Among them, it is preferable to use an olefin resin such as an ethylene-maleic anhydride copolymer or a propylene-maleic anhydride copolymer. By using an olefin resin composed of a copolymer of ethylene or propylene and maleic anhydride for the outer layer, a laminated film having excellent adhesion to the urethane resin of the intermediate layer can be obtained, and a special adhesive Since no layer or the like is required, more excellent transparency can be obtained.
[0021]
In the present invention, in order to impart antistatic properties to the thermoplastic urethane resin film or sheet, a polymer type antistatic agent is mixed with the olefin resin forming the outer layer. The antistatic performance is desirably a surface specific resistance value of 10 ¹² or less, and the mixing ratio of the olefin resin and the polymer type antistatic agent is 90:10 to 50: 50. When the proportion of the polymer type antistatic agent is less than 10% by weight, it is difficult to obtain the desired antistatic performance. On the other hand, when the proportion exceeds 50% by weight, the distance between the thermoplastic urethane resin layer and the olefin resin is reduced. In this case, delamination may occur, and transparency may decrease. The mixing ratio between the olefin resin and the polymer type antistatic agent is preferably from 80:20 to 70:30.
[0022]
The polymer type antistatic agent used in the present invention is an olefin-modified polyether type polymer type antistatic agent. Examples of such a polymer type antistatic agent include, for example, aromatic ring-containing polyethers derived from polyetheresteramide and alkylene oxide adducts of bisphenols as described in JP-A-6-313079. A propylene-modified ester amide is exemplified. Also, salts of dicarboxylic acids with aminocarboxylic acids having 6 or more carbon atoms, lactams or diamines having 6 or more carbon atoms, and poly (alkylene oxide) glycols having an average molecular weight of 200 to 6000, as described in JP-A-3-29064. And a resin composition of a polyetheresteramide with a dicarboxylic acid having 4 to 20 carbon atoms and a polyolefin. Specifically, as a commercially available product, for example, “Pelestat 300” manufactured by Sanyo Chemical Industries, Ltd. is exemplified.
[0023]
In the thermoplastic urethane-based resin composite film or sheet of the present invention, the thermoplastic urethane-based resin constituting the intermediate layer and the olefin-based resin constituting the outer layer may, if desired, be oxidized within a range that does not impair the properties of the present invention. Various additives such as an agent, a light stabilizer, an ultraviolet inhibitor, and a lubricant can be added.
[0024]
The thermoplastic urethane-based resin composite film or sheet of the present invention has an olefin-based resin layer on both surfaces of an intermediate layer made of a thermoplastic urethane resin having flame retardancy, or an olefin-based resin layer containing an antistatic agent. Composite film or sheet. As a method for forming the composite film or sheet, a conventionally used forming method can be used, but a co-extrusion molding method, a co-extrusion inflation method and the like are preferable because the manufacturing process is simple. However, the present invention is not limited to these methods. The films or sheets constituting the intermediate layer and the outer layer are individually formed by a calendering method, an extrusion method, an inflation method, etc., and these are laminated by a heat laminating method or an adhesive. Then, a composite film or sheet intended for the present invention can be obtained.
[0025]
In the present invention, the thickness of the composite film or sheet having a thermoplastic urethane resin layer having flame retardancy as an intermediate layer and an olefin resin as an outer layer is not particularly limited, but is usually 0.01 mm to 3 mm. .
In the composite film or sheet of the present invention, the ratio of the thickness of the intermediate layer to the thickness of the outer layer is preferably in the range of 8: 1 to 40: 1 (intermediate layer: outer layer (one outer layer)). When the ratio of the thickness of the intermediate layer to the thickness of the outer layer exceeds the above ratio, and the outer layer is too thin, the surface becomes sticky (tackiness), which is not preferable. On the other hand, when the outer layer exceeds the above ratio and is extremely thick, May not be able to sufficiently exhibit the flame retardant effect.
[0026]
The composite film or sheet of the present invention, in which a thermoplastic urethane resin layer having flame retardancy is used as an intermediate layer, and an olefin resin layer or an olefin resin layer having antistatic properties is formed on both outer layers, Since it has excellent transparency, there is an advantage that it is possible to recognize the coated article, the internal state, and the state during use.
Further, since a halogen-based compound is not used as a flame retardant, there is no risk of environmental pollution such as generation of toxic gas or dioxin when burned, and there is little generation of ash, which is environmentally friendly. Further, the composite film or sheet of the present invention in which an olefin-based resin layer having antistatic properties is formed on both outer layers has excellent transparency with flame retardancy and excellent antistatic properties, so that the film or sheet due to static electricity is provided. It is easy to handle and easy to work because there is no adhesion between them, there is no danger of ignition due to static electricity, and there is no adhesion of dust.
[0027]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples. However, the present invention is not limited to the following examples.
[0028]
Examples 1 to 6, Comparative Examples 1 to 6
As the thermoplastic urethane resin constituting the intermediate layer, an ether-based thermoplastic urethane resin (estran 5887 manufactured by NOVEON) was used, and as a flame retardant, a condensed phosphate ester (PX201 manufactured by Daihachi Chemical Co., Ltd., phosphorus content: 9.0%) , Melting point 168 ° C), and these were mixed in the mixing ratio shown in Table 1 and kneaded with a twin-screw extruder to prepare pellets.
On the other hand, an ethylene-maleic anhydride copolymer (Admer F551 manufactured by Mitsui Chemicals, Inc.) was used as a resin for forming the outer layer, and “Pelestat 300” manufactured by Sanyo Chemical Industries, Ltd. was used as a polymer-type antistatic agent. A mixture containing an antistatic agent was prepared by dry blending at the compounding ratio shown in Table 1.
The cylinder temperature of the middle layer extruder was set to 190 ° C, the cylinder temperature of the outer layer extruder was set to 200 ° C, the T-die temperature was set to 200 ° C, and the above pellets were placed in the middle layer extruder. And heated and kneaded in an extruder to prepare a flame retardant-containing resin melt for forming an intermediate layer, and a mixture of the above-mentioned olefin-based resin or an olefin-based resin mixed with an antistatic agent in an outer-layer extruder. And heated and kneaded in an extruder to prepare a resin melt for forming an outer layer. These resin melts were extruded from a T-die so that the ratio of the thickness of the intermediate layer to the thickness of the outer layer was as shown in Table 1, to form a composite film having a film thickness (total thickness) of 0.2 mm.
[0029]
The transparency, flame retardancy, antistatic property, delamination between the intermediate layer and the outer layer, and tackiness of the film surface of the obtained composite film were evaluated as follows.
[0030]
(1) Transparency Transparency was measured using a haze measuring instrument HZ-2 manufactured by Suga Test Instruments Co., Ltd. three times by measuring the total light transmittance of a 50 mm × 50 mm test piece by a single beam method according to JIS K7105. It was expressed as an average value.
[0031]
(2) Flame retardancy The oxygen index was measured three times in accordance with JIS K7201 (1976) and expressed as an average value.
[0032]
(3) Antistatic property The antistatic property was indicated by the surface specific resistance value (Ω). The surface specific resistance value was measured in a measurement room adjusted to a room temperature of 23 ° C. and a humidity of 50% using an Ultra High Resistance Meter R8340 manufactured by Advance Co., Ltd. in accordance with JIS K6911. The value was read 10 seconds after the start of measurement.
[0033]
(4) Interlaminar peeling property Evaluated by a cross-cut peeling method. That is, 100 squares of 1 mm ² were prepared on a test piece with a cutter in a square of 10 mm, and the peelability was examined with a cellophane tape. When no peeling was observed, “〇” indicates that 1 to 10 squares were peeled. Is indicated by “△”, and when 11 or more cells are peeled, “X” is indicated.
[0034]
(5) Surface tackiness Tackability after storage in an oven at 30 ° C. for 24 hours was evaluated by touch.
[0035]
[Table 1]

[0036]
【The invention's effect】
The thermoplastic urethane-based resin composite film or sheet of the present invention has a flame-retardant, see-through transparency, and can be used to recognize the inside article or state or state covered during use, and as a flame retardant Since no halogen-based compound is used, there is no risk of environmental pollution such as generation of toxic gas or dioxin when burned, and there is little generation of ash and it is environmentally friendly. In addition, the composite film or sheet of the present invention has excellent transparency with flame retardancy, and has excellent antistatic properties, so that there is no adhesion between the films or sheets due to static electricity, easy handling and good workability, There is no danger of ignition due to static electricity and there is no adhesion of dust.
The thermoplastic urethane-based resin composite film or sheet of the present invention is suitable as a coating film or sheet for equipment such as floors, walls and ceilings, or precision equipment, as a partition, and in places where radioactive materials are handled. Can be used as a coating or partitioning film or sheet in the above.

Claims

A thermoplastic urethane-based resin composite film or sheet, wherein an outer layer made of an olefin-based resin is formed on both surfaces of an intermediate layer made of a flame-retardant thermoplastic urethane-based resin, and is transparent and has flame retardancy.

The flame-retardant thermoplastic urethane-based resin constituting the intermediate layer is obtained by mixing a condensed phosphoric acid ester with a thermoplastic urethane-based resin, and having a mixing ratio of 95: 5 to 70: The thermoplastic urethane resin composite film or sheet according to claim 1, wherein the weight ratio is 30 (weight ratio).

The thermoplastic urethane-based resin composite film or sheet according to claim 1 or 2, wherein the olefin-based resin forming the outer layer is a copolymer of ethylene or propylene and maleic anhydride.

The olefin resin forming the outer layer contains a high molecular weight antistatic agent, and the mixing ratio of the polyolefin resin and the high molecular weight antistatic agent is 90:10 to 50:50 (weight ratio). The thermoplastic urethane-based resin composite film or sheet according to claim 1, 2 or 3.

The thickness ratio of the intermediate layer of the flame-retardant thermoplastic urethane-based resin layer to the outer layer of the olefin-based resin is such that the intermediate layer: the outer layer (one thickness) = 8: 1 to 40: 1. The thermoplastic urethane resin composite film or sheet according to claim 1, 2, 3, or 4.