【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬品、農薬、食品等の錠剤、ソフトカプセル、ペレット、顆粒、細粒等を製造する際に用いられる粉粒体処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、錠剤・顆粒等の粉粒体粒子にフィルムコーティングや糖衣コーティング等を施すために、回転ドラムを備えたコーティング装置が使用されている。このコーティング装置は、一般に、パンコーティング装置と呼ばれ、回転ドラムの回転により、回転ドラム内に粉粒体粒子の転動床を形成しつつ、その粉粒体粒子の転動床に向けてスプレーノズルから膜剤液等のスプレー液を噴霧してコーティング処理を行うものである。また、細粒や顆粒等の粉粒体粒子の造粒又はコーティング処理に流動層装置が使用されている。流動層装置は、一般に、流動層容器の底部から導入した流動化空気によって、流動層容器内に粉粒体粒子の流動層を形成しつつ、スプレーノズルからスプレー液(結合液、膜剤液等)のミストを噴霧して造粒又はコーティング処理を行うものである。
【0003】
この種の粉粒体処理装置では、原料粒子の運動状態、給排気条件、スプレー液の成分や噴霧条件等によって、製品粒子の性状、品質、粒度分布等に大きな違いが生じることが知られている。そのうち、スプレー液の噴霧条件は、スプレー液の性質(粘性、展延性、浸透性等)や原料粒子の性質(粒子径、吸湿性、表面濡れ性等)などに応じて最適かつ均一なミスト径のスプレー液ミストを噴霧することに主眼を置いて設定され、これは、スプレー液の選択と、スプレーノズルにおけるスプレー液の給液速度、噴霧化空気の噴出圧力、空気流量と大きく関係している。
【0004】
一般に、この種の粉粒体処理装置に使用されているスプレーノズルは、液体通路の先端の液体噴出口から噴出したスプレー液の液柱に噴霧化空気の空気流を衝突させ、その際の衝突エネルギーによって液柱を分散してミスト化するものである(いわゆる2流体ノズル)。噴霧化空気の気体通路はノズル中心部にある液体通路の外側に設けられ、さらに必要に応じて、噴霧化空気の気体通路の外側に、スプレー液ミストの噴霧流を外周側から覆うための空気が通過する他の気体通路を設けたり(いわゆる3流体ノズル)、あるいは、スプレー液ミストの噴霧パターンを調整するための空気が通過する他の気体通路を設けたりする場合もある。
【0005】
造粒又はコーティング処理時における、粉粒体粒子の過剰湿潤や局部濡れ等の弊害を防止するために、スプレーノズルから噴霧するスプレー液ミストは微粒かつ均一径であることが好ましい。しかしながら、上述した従来のスプレーノズルは、スプレー液のミスト化に比較的高圧かつ大流量の噴霧化空気を用いるため、粉粒体粒子に達した時の噴霧化空気の流速が大きく、例えば、パンコーティング装置では噴霧されたスプレー液ミストが被処理物に当たって跳ね返る現象(リバウンド)が生じたり、流動層装置では噴霧化空気流によって粉粒体粒子が粉砕されて微粉化したり、いわゆる吹き上げ現象が生じたりする場合がある。また、処理時の使用空気量が多く、処理コストの増大や設備の大型化につながるという問題点もある。
【0006】
また、超音波振動を利用して液体をミスト化する技術は従来より知られているが(例えば、下記の特許文献1〜3参照)、自動車のエンジンや石油バーナ等に液体燃料を供給する液体噴霧装置、あるいは、殺虫剤、整髪料、芳香剤等のスプレー容器として使用される噴霧装置に関するものであり、粉粒体粒子の造粒又はコーティング処理に適用できるものではない。
【0007】
【特許文献1】
特表平9−505766号公報
【特許文献2】
特開平7−68204号公報
【特許文献3】
特開平8―49623号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、処理容器内で運動する粉粒体粒子にスプレーノズルからスプレー液のミストを噴霧して造粒又はコーティング処理を行う粉粒体処理装置において、スプレーノズルから噴霧されるスプレー液ミストを微粒かつ均一径にし、造粒又はコーティング処理製品の均質化、製品粒度分布のシャープ化、製品収率の向上を図ることである。
【0009】
本発明の他の課題は、上記のスプレーノズルにおいて、噴霧化空気を用いることなく、あるいは、比較的低圧及び/又は小流量の噴霧化空気により、微粒かつ均一径のスプレー液ミストを得ることを可能にし、造粒又はコーティングの処理コストを低減し、また、処理設備の小型化を図ることである。
【0010】
本発明のさらなる課題は、造粒やコーティング処理時における上述したリバウンド現象を防止し、また、噴霧化空気流による粉粒体粒子の粉砕やいわゆる吹き上げ現象を防止することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、処理容器内で運動する粉粒体粒子にスプレーノズルからスプレー液のミストを噴霧して造粒又はコーティング処理を行う粉粒体処理装置において、スプレーノズルは、圧送手段から供給されるスプレー液が通過する液体通路と、液体通路の先端部に設けられ、スプレー液が噴出する液体噴出口と、液体通路を通過するスプレー液に超音波エネルギーを加える超音波振動手段とを備えている構成を提供する。
【0012】
スプレー液は圧送手段から所定の流量・圧力で液体通路に供給され、液体通路を通って液体噴出口から外部に噴出する。その際、スプレー液は、外部に噴出することによる急激な圧力低下に加え、超音波振動手段によって加えられる超音波エネルギーの剪断分散作用を受けて、均一な微細粒のミストになる。したがって、噴霧化空気を用いることなく、微粒かつ均一径のスプレー液ミストを得ることができる。
【0013】
超音波振動手段の具体的態様は特に限定されないが、例えば、液体通路を構成する通路部材自身を超音波振動させても良いし、あるいは、流体通路に超音波振動子を配しても良い。後者の場合、超音波振動子として、例えば、ニードル状の形態のものを用いることができる。また、超音波振動手段の振動方向は、液体通路の長手方向(スプレーノズルの軸方向)、若しくは、液体通路の長手方向と直交する方向(スプレーノズルの半径方向)、または、これらの振動成分(軸方向振動と半径方向振動)を合成したものでも良い。
【0014】
超音波振動手段によって超音波エネルギーを加えられたスプレー液は、液体噴出口から噴出する直前、噴出する際、噴出した直後の少なくとも一の位置で超音波エネルギーの剪断分散作用を受けて微粒化が促進される。
【0015】
スプレー液ミストの微粒化をより一層促進し、また、予め定められたスプレー液添加量を全量噴霧するまでの時間を短縮し、さらに、スプレー液ミストの噴霧流に方向性をもたせるため、噴霧化空気(アトマイズエアー)を併用するのが好ましい。この噴霧化空気が通過する気体通路は流体通路の外側に設ける。上述のように、超音波エネルギーの剪断分散作用により、スプレー液ミストの微粒化が促進されているので、比較的低圧及び/又は小流量の噴霧化空気を用いた場合でも、より微粒かつ均一径のスプレー液ミストを得ることができる。
【0016】
尚、上記構成において、噴霧化空気の気体噴出口は液体噴出口と位置を揃えて設けても良いし、液体噴出口よりもノズル先端側に突出させ、あるいは、ノズル後端側に後退させて設けても良い。また、噴霧化空気の気体通路の外側に、さらに、スプレー液ミストの噴霧流を外周側から覆うための空気が通過する他の気体通路や(いわゆる3流体ノズル)、スプレー液ミストの噴霧パターンを調整するための気体が通過する他の気体通路を設けても良い。
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する
【0017】
図1は、粉粒体処理装置としてのコーティング装置、特にパンコーティング装置の一構成例を概念的に示している。
【0018】
回転ドラム1は多角筒状(円筒状でも良い)の胴体部1aを有し、軸線回りに回転可能に配置される。胴体部1aの全周(周囲複数箇所でも良い)には通気用多孔部1a1が設けられ、各通気用多孔部1a1の外側を通気ジャケット1a3がそれぞれ覆って通気チャンネル1a2が構成される。各通気チャンネル1a2は、回転ドラム1の回転に伴って所定位置に来た時に給気ダクト2または排気ダクト3と連通し、これにより所定温度に温度制御された気体、例えば乾燥空気が給気ダクト2から通気チャンネル1a2および通気用多孔部1a1を通って回転ドラム1内に給気され、また、回転ドラム1内の乾燥空気が通気用多孔部1a1および通気チャンネル1a2を通って排気ダクト3に排気される。
【0019】
回転ドラム1の内部には一又は複数のスプレーノズル4が配置され、スプレー距離h(スプレーノズル4の噴出口と粉粒体粒子の転動床Sとの間の距離)が所望値になるように、その向き及び高さが調整される。
【0020】
回転ドラム1が所定方向に回転すると、回転ドラム1内に粉粒体粒子の転動床Sが形成される。そして、粉粒体粒子の転動床Sに向けてスプレーノズル4から膜剤液等のスプレー液が噴霧される。これにより、粉粒体粒子の表面にスプレー液中の基材成分が付着して被複層が形成される(スプレー液により粉粒体粒子の表面を適当な湿潤状態にし、粉末を散布添加して粒子表面の被覆を行う、いわゆる粉末添加方式が採られることもある。)。
【0021】
図2は、スプレーノズル4の一構成例を概念的に示している。ノズルボディ41の内部に中子状の通路部材42が挿着され、通路部材42の中心部に液体通路43が形成され、通路部材42の外周側とノズルボディ41の内周側との間に気体通路44が形成されている。ノズルボディ41は、スプレー液を導入する液体導入口45と、噴霧化空気(アトマイズエアー)を導入する気体導入口46とを備えている。図示されていない液体圧送手段、例えば圧送ポンプからスプレー液が所定の圧力・流量で液体導入口45に導入される。液体導入口45に導入されたスプレー液は、液体通路43を通過し、通路部材42の先端部の液体噴出口47から外部に噴出する。また、図示されていない気体圧送手段、例えばエアーコンプレッサーから噴霧化空気が所定の圧力・流量で気体導入口46に導入される。気体導入口46に導入された噴霧化空気は、気体通路44を通過し、ノズルボディ41の先端部の気体噴出口48から外部に噴出する。この実施形態では、気体噴出口48は、液体噴出口47よりも僅かにノズル後端側に位置している。また、通路部材42の先端部は、ノズル先端側に向かって漸次拡径する円錐テーパ形状になっている。
【0022】
液体通路43の内部には、超音波振動手段、例えば超音波振動子49が配設されている。この実施形態において、超音波振動子49は液体通路43よりも小径のニードル状に形成され、液体通路43の中心部に挿入されている。超音波振動子49の前方部分は小径部49c、後方部分はそれよりも大径の大径部49dになっている。超音波振動子49の先端部49aは、液体噴出口47を貫通してノズル先端側に突出し、その形状はノズル先端側に向かって漸次拡径する円錐テーパ形状になっている。超音波振動子49の後端部49bは、液体通路43を貫通してノズル後端側に延び、振動室50の内部の振動素子51に圧接している。また、超音波振動子49の後端部49bは、液体導入口45が設けられている蓋部材52に弾性体、例えばOリング53によって支持されている。Oリング53によって液体通路43の後端部がシールされると共に、超音波振動子49の半径方向(液体通路43の長手方向と直交する方向)の微小変位が許容される。
【0023】
振動素子51は、図示されていない超音波発信器から所定周波数の交流電圧を受けて、所定の周波数・振幅で微小振動する。この実施形態において、振動素子51は半径方向の微小振動を行う。そして、この振動素子51の振動を受けて、液体通路43内の超音波振動子49が所定の周波数・振幅で半径方向に微小振動(超音波振動)する。尚、この実施形態において、超音波振動子49は、長手方向の所定位置に設定された重心位置を振動の節(振幅ゼロの位置)として、重心位置から左右両側部分が振子状に微小振動する。
【0024】
スプレー液は液体噴出口47から外部に噴出する際、外部に噴出することによる急激な圧力低下に加え、超音波振動振動子49の微小振動によって加えられる超音波エネルギーの剪断分散作用を受け、さらに、気体噴出口48から噴出する噴霧化空気流の衝突エネルギーの剪断分散作用を受けて、均一な微細粒のミストになる。そして、噴霧化空気流によって方向性を与えられて、粉粒体粒子の転動床Sの噴霧対象エリアに正確に噴霧される。
【0025】
この実施形態のコーティング装置によれば、スプレーノズル4から均一な微細粒のスプレー液ミストを噴霧してコーティング処理を行うので、製品の均質化、製品収率の向上を図ることができる。また、比較的低圧及び/又は小流量の噴霧化空気を用いて、均一な微細粒のスプレー液ミストを得ることできるので、コーティング処理コストを低減し、処理設備の小型化を図ることができる。しかも、粉粒体粒子に到達した時の噴霧化空気の流速が小さいので、スプレー液ミストが粉粒体粒子に当たって跳ね返る現象(リバウンド)が少なくなる。そのため、スプレー液の付着によるスプレーノズルの汚染を抑制し、安定した噴霧状態を維持することができる。また、粉粒体粒子の転動床表面が噴霧化空気流によって凹む現象がなくなるので、粉粒体粒子の転動が円滑になり、コーティングむら等の発生が生じにくくなる。また、比較的小流量の噴霧化空気を用いることにより、スプレー距離hを短縮して、スプレードライ現象の発生を防止するができると同時に、回転ドラム1内の温度低下、排気風量の増大を抑制することができる。
【0026】
図3は、粉粒体処理装置としての流動層装置、特にワースター式流動層装置の一構成例を概念的に示している。
【0027】
この流動層装置は、流動層容器11の中央部にドラフトチューブ12を設置し、ドラフトチューブ12内を上昇する気流に乗せて粉粒体粒子に上向きの流れ(噴流)を起こさせると共に、流動層容器11の底部中央に設置したスプレーノズル14からドラフトチューブ12内の粉粒体粒子に向けて上向きに膜剤液、薬剤液等のスプレー液を噴霧してコーティング処理を行うものである(ボトムスプレー方式)。
【0028】
流動層容器11の上部にはフィルター室15が設けられており、給気ダクト16から流動層容器11内に導入された流動化空気は、粉粒体粒子の流動及び噴流に寄与した後、流動層容器11内を上昇してフィルター室15に入り、さらにフィルター室15に設置されたフィルターシステム17を通って排気ダクト18に排気される。その際、排気中に混じった微粉粒子(原料粉末の摩損粉やスプレー液中の固形成分が乾燥固化して生成された微粉等)はフィルターシステム17によって捕獲され、外部への排出が防止される。
【0029】
粉粒体粒子にスプレー液を噴霧するスプレーノズル14は、図2に示すスプレーノズル4と同様の構造及び機能を有するものである。
【0030】
この実施形態の流動装置によれば、スプレーノズル14から均一な微細粒のスプレー液ミストを噴霧してコーティング処理を行うので、製品の均質化、製品収率の向上を図ることができる。また、比較的低圧及び/又は小流量の噴霧化空気を用いて、均一な微細粒のスプレー液ミストを得ることできるので、コーティング処理コストを低減し、処理設備の小型化を図ることができる。しかも、粉粒体粒子に達した時の噴霧化空気の流速が小さいので、スプレーノズルからの噴霧化空気流による粉粒体粒子の粉砕や吹き上げ現象が生じにくくなると同時に、流動層容器11内の温度低下、排気風量の増大を抑制することができる。
【0031】
尚、流動層装置は、一般に、処理容器の底部から導入した流動化空気によって、処理容器内に粉粒体粒子の流動層を形成しつつ、スプレーノズルからスプレー液(結合液、膜剤液等)のミストを噴霧して造粒又はコーティング処理を行うものであるが、その中で、粉粒体粒子の転動、噴流、及び攪拌の1種以上を伴うものは複合型流動層装置と呼ばれている。また、スプレー方式としては、流動層の上方から下方向にスプレー液を噴霧する方式(トップスプレー方式)、処理容器の底部から上方向にスプレー液を噴霧する方式(ボトムスプレー方式)、処理容器の側部(底部に近い側)から接線方向にスプレー液を噴霧する方式(タンジェンシャルスプレー方式)がある。本発明は、何れの種類の流動層装置にも適用可能である。また、本発明は、処理容器内で運動する粉粒体粒子にスプレーノズルからスプレー液のミストを噴霧して造粒又はコーティング処理を行う粉粒体処理装置に広く適用することができ、上述した実施形態に限定されない。さらに、超音波振動子49は図2に例示した形態のものに限定されない。例えば、超音波振動子49の先端部49aは、円錐テーパ形状以外の形状としても良く、また、小径部49と同径のストレート形状としても良い。さらに、超音波振動子49を軸方向に微小振動させる構成としても良い。
【0032】
【発明の効果】
本発明は以下に示す効果を奏する。
【0033】
(1)処理容器内で運動する粉粒体粒子にスプレーノズルからスプレー液のミストを噴霧して造粒又はコーティング処理を行う粉粒体処理装置において、スプレーノズルから噴霧されるスプレー液ミストを微粒かつ均一径にすることができるので、造粒又はコーティング処理製品の均質化、製品粒度分布のシャープ化、製品収率の向上を図ることができる。
【0034】
(2)噴霧化空気を用いることなく、あるいは、比較的低圧及び/又は小流量の噴霧化空気により、微粒かつ均一径のスプレー液ミストを得ることができるので、造粒又はコーティングの処理コストを低減し、また、処理設備の小型化を図ることができる。
【0035】
(3)造粒又はコーティング処理時において、スプレー液ミストが粉粒体粒子に当たって跳ね返る現象(リバウンド)や、噴霧化空気流による粉粒体粒子の粉砕やいわゆる吹き上げ現象が生じにくいので、安定した処理が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るコーティング装置の一構成例を概念的に示す断面図である。
【図2】実施形態に係るスプレーノズルの一構成例を概念的に示す断面図である。
【図3】実施形態に係る流動層装置の一構成例を概念的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 回転ドラム
11 流動層容器
4 スプレーノズル
43 液体通路
44 気体通路
47 液体噴出口
49 超音波振動子[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a powdery and granular material processing apparatus used when manufacturing tablets, soft capsules, pellets, granules, fine granules, and the like of pharmaceuticals, agricultural chemicals, foods, and the like.
[0002]
[Prior art]
For example, a coating apparatus provided with a rotating drum is used to apply film coating, sugar coating, or the like to powder particles such as tablets and granules. This coating apparatus is generally called a pan coating apparatus, and forms a rolling bed of granular particles in a rotating drum by rotating a rotating drum, and sprays the rolling bed of the granular particles toward the rolling bed. The coating treatment is performed by spraying a spray liquid such as a film agent liquid from a nozzle. Fluidized bed apparatuses are used for granulation or coating of fine particles such as fine particles and granules. Generally, a fluidized-bed apparatus forms a fluidized bed of powder particles in a fluidized-bed container by fluidizing air introduced from the bottom of the fluidized-bed container, and sprays a spray liquid (such as a binding liquid or a film agent liquid) from a spray nozzle. ) Is sprayed to perform granulation or coating treatment.
[0003]
It is known that in this type of granular material processing apparatus, the properties, quality, particle size distribution, and the like of product particles greatly differ depending on the motion state of raw material particles, supply / exhaust conditions, components of spray liquid, spray conditions, and the like. I have. Among them, the spraying conditions of the spray liquid are optimal and uniform mist diameter according to the properties of the spray liquid (viscosity, spreadability, permeability, etc.) and the properties of the raw material particles (particle size, hygroscopicity, surface wettability, etc.). The setting is made mainly with the purpose of spraying the spray mist, which is greatly related to the selection of the spray liquid, the supply rate of the spray liquid at the spray nozzle, the ejection pressure of the atomizing air, and the air flow rate. .
[0004]
In general, the spray nozzle used in this type of granular material processing apparatus collides an air flow of atomized air with a liquid column of spray liquid ejected from a liquid jet port at a tip of a liquid passage, and the collision at that time. The liquid column is dispersed by energy to form a mist (a so-called two-fluid nozzle). The gas passage for the atomized air is provided outside the liquid passage at the center of the nozzle, and if necessary, the air for covering the spray flow of the spray mist from the outer peripheral side outside the gas passage for the atomized air. In some cases, another gas passage through which air passes is provided (a so-called three-fluid nozzle), or another gas passage through which air for adjusting the spray pattern of the spray liquid mist is provided.
[0005]
The spray liquid mist sprayed from the spray nozzle preferably has a fine particle and a uniform diameter in order to prevent adverse effects such as excessive wetting and local wetting of the granular particles during the granulation or coating treatment. However, the above-described conventional spray nozzle uses relatively high pressure and large flow rate of atomized air for mist of the spray liquid, so that the flow rate of the atomized air when reaching the particulate particles is large. In a coating apparatus, a spray liquid mist sprayed on a workpiece causes a rebound phenomenon (rebound). In a fluidized bed apparatus, atomized particles are pulverized and atomized by an atomizing air flow, or a so-called blowing phenomenon occurs. May be. Further, there is also a problem that a large amount of air is used at the time of processing, which leads to an increase in processing cost and an increase in size of equipment.
[0006]
In addition, a technique for converting a liquid into a mist using ultrasonic vibration is conventionally known (for example, see Patent Documents 1 to 3 below), but a liquid for supplying a liquid fuel to an automobile engine, an oil burner, or the like. The present invention relates to a spraying device or a spraying device used as a spray container for insecticides, hair dressings, fragrances and the like, and is not applicable to granulation or coating of powder particles.
[0007]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Publication No. 9-505766 [Patent Document 2]
JP-A-7-68204 [Patent Document 3]
JP-A-8-49623
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a granule processing apparatus for performing granulation or coating processing by spraying a mist of a spray liquid from a spray nozzle onto powder particles moving in a processing container, and a spray liquid sprayed from the spray nozzle. An object of the present invention is to make the mist fine and uniform in size, to homogenize the granulated or coated product, sharpen the product particle size distribution, and improve the product yield.
[0009]
Another object of the present invention is to obtain a spray liquid mist of a fine particle and a uniform diameter in the above-mentioned spray nozzle without using the atomizing air or by using a relatively low pressure and / or a small flow rate of the atomizing air. To reduce the processing cost of granulation or coating, and to reduce the size of processing equipment.
[0010]
It is a further object of the present invention to prevent the above-described rebound phenomenon during granulation or coating treatment, and also to prevent the pulverization or so-called blowing-up phenomenon of the granular material particles by the atomizing air flow.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-described problems, the present invention provides a powder and granular material processing apparatus that performs a granulation or coating process by spraying a mist of a spray liquid from a spray nozzle on powder and granular material particles moving in a processing container, A liquid passage through which the spray liquid supplied from the pumping means passes, a liquid ejection port provided at the tip of the liquid passage, and ejecting the spray liquid, and an ultrasonic wave for applying ultrasonic energy to the spray liquid passing through the liquid passage. And a vibrating means.
[0012]
The spray liquid is supplied from the pumping means to the liquid passage at a predetermined flow rate and pressure, and is ejected from the liquid ejection port to the outside through the liquid passage. At this time, the spray liquid undergoes a sharp pressure drop due to being ejected to the outside, and also undergoes a shearing and dispersing action of ultrasonic energy applied by an ultrasonic vibrating means, so that a uniform fine particle mist is formed. Therefore, it is possible to obtain a spray liquid mist having a fine particle and a uniform diameter without using the atomizing air.
[0013]
The specific mode of the ultrasonic vibrating means is not particularly limited. For example, the path member constituting the liquid path may be ultrasonically vibrated, or an ultrasonic vibrator may be arranged in the fluid path. In the latter case, for example, a needle-shaped ultrasonic transducer can be used. The vibration direction of the ultrasonic vibrating means may be the longitudinal direction of the liquid passage (the axial direction of the spray nozzle), the direction perpendicular to the longitudinal direction of the liquid passage (the radial direction of the spray nozzle), or a vibration component ( A combination of axial vibration and radial vibration) may be used.
[0014]
The spray liquid to which the ultrasonic energy is applied by the ultrasonic vibration means is subjected to the shearing and dispersing action of the ultrasonic energy at at least one position immediately before and immediately after the liquid is ejected from the liquid ejection port, and is atomized. Promoted.
[0015]
To further promote atomization of the spray liquid mist, shorten the time required to spray all the predetermined amount of the spray liquid sprayed, and atomize the spray liquid mist in order to give directionality It is preferable to use air (atomized air) in combination. The gas passage through which the atomized air passes is provided outside the fluid passage. As described above, the atomization of the spray liquid mist is promoted by the shearing and dispersing action of the ultrasonic energy, so that even when relatively low pressure and / or a small flow rate of the atomized air is used, finer particles and a uniform diameter are obtained. Spray mist can be obtained.
[0016]
In the above configuration, the gas outlet of the atomized air may be provided so as to be aligned with the liquid outlet, or protrude from the liquid outlet to the nozzle tip side, or retreat to the nozzle rear end side. It may be provided. Further, outside the gas passage of the atomizing air, another gas passage through which air for covering the spray flow of the spray liquid mist from the outer peripheral side passes (so-called three-fluid nozzle), and the spray pattern of the spray liquid mist are formed. Another gas passage through which the gas for adjustment passes may be provided.
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described.
FIG. 1 conceptually shows a configuration example of a coating apparatus as a powder and granular material processing apparatus, in particular, a pan coating apparatus.
[0018]
The rotating drum 1 has a body portion 1a having a polygonal cylindrical shape (or a cylindrical shape), and is disposed so as to be rotatable around an axis. A ventilating porous portion 1a1 is provided on the entire circumference of the body portion 1a (a plurality of peripheral portions may be provided), and a ventilating jacket 1a3 covers the outside of each ventilating porous portion 1a1 to form a venting channel 1a2. Each ventilation channel 1a2 communicates with the air supply duct 2 or the exhaust duct 3 when it comes to a predetermined position with the rotation of the rotary drum 1, whereby a gas whose temperature is controlled to a predetermined temperature, for example, dry air, is supplied to the air supply duct. 2, the air is supplied into the rotary drum 1 through the ventilation channel 1a2 and the ventilation porous portion 1a1, and the dry air in the rotating drum 1 is exhausted to the exhaust duct 3 through the ventilation porous portion 1a1 and the ventilation channel 1a2. Is done.
[0019]
One or a plurality of spray nozzles 4 are arranged inside the rotary drum 1 so that the spray distance h (the distance between the ejection port of the spray nozzle 4 and the rolling bed S of the granular material particles) becomes a desired value. Then, its orientation and height are adjusted.
[0020]
When the rotating drum 1 rotates in a predetermined direction, a rolling bed S of the granular material particles is formed in the rotating drum 1. Then, a spray liquid such as a film agent liquid is sprayed from the spray nozzle 4 toward the rolling bed S of the granular material particles. As a result, the base component in the spray liquid adheres to the surface of the granular particles to form a multi-layer. (The surface of the granular particles is appropriately wetted with the spray liquid, and the powder is dispersed and added. In some cases, a so-called powder addition method of coating the particle surface by using a powder is used.)
[0021]
FIG. 2 conceptually shows a configuration example of the spray nozzle 4. A core-shaped passage member 42 is inserted into the nozzle body 41, and a liquid passage 43 is formed at the center of the passage member 42, between the outer periphery of the passage member 42 and the inner periphery of the nozzle body 41. A gas passage 44 is formed. The nozzle body 41 has a liquid inlet 45 for introducing a spray liquid and a gas inlet 46 for introducing atomized air (atomized air). The spray liquid is introduced into the liquid inlet 45 at a predetermined pressure and flow rate from a liquid pumping means (not shown), for example, a pump. The spray liquid introduced into the liquid inlet 45 passes through the liquid passage 43 and is ejected to the outside from a liquid outlet 47 at the tip of the passage member 42. Further, atomized air is introduced into the gas inlet 46 at a predetermined pressure and flow rate from a gas pressure feeding means (not shown), for example, an air compressor. The atomized air introduced into the gas inlet 46 passes through the gas passage 44 and is ejected to the outside from the gas outlet 48 at the tip of the nozzle body 41. In this embodiment, the gas ejection port 48 is located slightly closer to the nozzle rear end than the liquid ejection port 47. The distal end of the passage member 42 has a conical tapered shape whose diameter gradually increases toward the nozzle distal end.
[0022]
Inside the liquid passage 43, an ultrasonic vibration means, for example, an ultrasonic vibrator 49 is provided. In this embodiment, the ultrasonic transducer 49 is formed in a needle shape having a smaller diameter than the liquid passage 43, and is inserted into the center of the liquid passage 43. The front portion of the ultrasonic transducer 49 has a small diameter portion 49c, and the rear portion has a larger diameter portion 49d having a larger diameter. The distal end portion 49a of the ultrasonic vibrator 49 penetrates through the liquid ejection port 47 and protrudes toward the nozzle distal end, and has a conical tapered shape whose diameter gradually increases toward the nozzle distal end. The rear end portion 49 b of the ultrasonic vibrator 49 extends to the rear end side of the nozzle through the liquid passage 43 and is in pressure contact with the vibration element 51 inside the vibration chamber 50. Further, a rear end portion 49 b of the ultrasonic vibrator 49 is supported by an elastic body, for example, an O-ring 53, on a lid member 52 provided with the liquid inlet 45. The O-ring 53 seals the rear end of the liquid passage 43 and allows a small displacement of the ultrasonic vibrator 49 in the radial direction (the direction orthogonal to the longitudinal direction of the liquid passage 43).
[0023]
The vibrating element 51 receives an AC voltage having a predetermined frequency from an ultrasonic transmitter (not shown), and vibrates minutely at a predetermined frequency and amplitude. In this embodiment, the vibration element 51 performs minute vibration in the radial direction. Then, in response to the vibration of the vibration element 51, the ultrasonic vibrator 49 in the liquid passage 43 vibrates minutely (ultrasonic vibration) at a predetermined frequency and amplitude in the radial direction. In this embodiment, the ultrasonic vibrator 49 uses the position of the center of gravity set at a predetermined position in the longitudinal direction as a node of vibration (position of zero amplitude), and the right and left sides of the ultrasonic vibrator 49 slightly vibrate in a pendulum shape from the position of the center of gravity. .
[0024]
When the spray liquid is ejected from the liquid ejection port 47 to the outside, in addition to a sudden pressure drop due to the ejection to the outside, the spray liquid is subjected to the shearing and dispersing action of the ultrasonic energy applied by the minute vibration of the ultrasonic vibration oscillator 49, and furthermore. Due to the shearing and dispersing action of the collision energy of the atomized air stream ejected from the gas ejection port 48, uniform mist of fine particles is formed. Then, the direction is given by the atomizing air flow, and the powder particles are accurately sprayed on the spray target area of the rolling bed S.
[0025]
According to the coating apparatus of this embodiment, since the coating process is performed by spraying the spray liquid mist of uniform fine particles from the spray nozzle 4, the product can be homogenized and the product yield can be improved. In addition, a spray liquid mist of uniform fine particles can be obtained using atomized air having a relatively low pressure and / or a small flow rate, so that the coating processing cost can be reduced and the processing equipment can be downsized. In addition, since the flow rate of the atomized air when reaching the particulate particles is small, the phenomenon that the spray mist hits the particulate particles and rebounds (rebound) is reduced. Therefore, contamination of the spray nozzle due to the adhesion of the spray liquid can be suppressed, and a stable spray state can be maintained. Further, the phenomenon that the surface of the rolling bed of the granular particles is depressed by the atomizing air flow is eliminated, so that the rolling of the granular particles becomes smooth, and the occurrence of coating unevenness and the like hardly occurs. Further, by using a relatively small flow rate of atomized air, the spray distance h can be shortened to prevent the occurrence of the spray dry phenomenon, and at the same time, the temperature inside the rotary drum 1 and the increase in the exhaust air volume are suppressed. can do.
[0026]
FIG. 3 conceptually shows a configuration example of a fluidized bed apparatus as a granular material processing apparatus, in particular, a Wurster type fluidized bed apparatus.
[0027]
In this fluidized bed apparatus, a draft tube 12 is provided at a central portion of a fluidized bed container 11, and the upward flow (jet flow) of the granular particles is caused by being put on an airflow rising in the draft tube 12, and the fluidized bed is fluidized. The coating process is performed by spraying a spray liquid such as a film liquid or a chemical liquid upward from a spray nozzle 14 installed at the center of the bottom of the container 11 toward the granular particles in the draft tube 12 (bottom spray). method).
[0028]
A filter chamber 15 is provided at an upper portion of the fluidized-bed container 11. Fluidized air introduced into the fluidized-bed container 11 from the air supply duct 16 contributes to the flow and the jet of the powder particles and then flows. It rises inside the layer container 11, enters the filter chamber 15, and is further exhausted to an exhaust duct 18 through a filter system 17 installed in the filter chamber 15. At this time, fine powder particles mixed in the exhaust gas (abrasion powder of the raw material powder, fine powder generated by drying and solidifying solid components in the spray liquid, etc.) are captured by the filter system 17 and are prevented from being discharged to the outside. .
[0029]
The spray nozzle 14 for spraying the spray liquid onto the powder particles has the same structure and function as the spray nozzle 4 shown in FIG.
[0030]
According to the fluidizing device of this embodiment, since the coating process is performed by spraying the spray liquid mist of uniform fine particles from the spray nozzle 14, the product can be homogenized and the product yield can be improved. In addition, a spray liquid mist of uniform fine particles can be obtained using atomized air having a relatively low pressure and / or a small flow rate, so that the coating processing cost can be reduced and the processing equipment can be downsized. Moreover, since the flow rate of the atomized air when the particles reach the particles is small, the pulverization or blowing-up of the particles due to the atomized air flow from the spray nozzle is less likely to occur. It is possible to suppress a decrease in temperature and an increase in exhaust air volume.
[0031]
In general, a fluidized bed apparatus forms a fluidized bed of powder particles in a processing vessel by fluidizing air introduced from the bottom of the processing vessel, and sprays a spray liquid (such as a binding liquid or a film agent liquid) from a spray nozzle. ) Is sprayed to perform granulation or coating treatment. Among them, a method involving one or more of rolling, jetting, and stirring of powder particles is called a composite fluidized bed apparatus. Have been. In addition, as a spray method, a method of spraying a spray liquid downward from above a fluidized bed (top spray method), a method of spraying a spray liquid upward from the bottom of a processing container (bottom spray method), and a method of spraying a processing container. There is a method (tangential spray method) in which a spray liquid is sprayed tangentially from a side (a side near the bottom). The present invention is applicable to any type of fluidized bed apparatus. Further, the present invention can be widely applied to a granular material processing apparatus that performs a granulation or coating treatment by spraying a mist of a spray liquid from a spray nozzle to a granular material particle moving in a processing container, as described above. It is not limited to the embodiment. Further, the ultrasonic transducer 49 is not limited to the form illustrated in FIG. For example, the tip portion 49a of the ultrasonic transducer 49 may have a shape other than the conical taper shape, or may have a straight shape having the same diameter as the small diameter portion 49. Further, the ultrasonic vibrator 49 may be slightly vibrated in the axial direction.
[0032]
【The invention's effect】
The present invention has the following effects.
[0033]
(1) In a powder-particle processing apparatus that performs a granulation or coating process by spraying a mist of a spray liquid from a spray nozzle onto powder-particle particles moving in a processing container, the spray liquid mist sprayed from the spray nozzle is finely divided. In addition, since the granulated or coated product can be homogenized, the product particle size distribution can be sharpened, and the product yield can be improved.
[0034]
(2) Since fine and uniform spray liquid mist can be obtained without using the atomizing air or by using relatively low pressure and / or a small flow rate of the atomizing air, the processing cost of granulation or coating can be reduced. And the size of the processing equipment can be reduced.
[0035]
(3) During the granulation or coating process, the spray liquid mist hits the powder particles and rebounds, and the powder particles are hardly pulverized by the atomizing air flow or the so-called blowing-up phenomenon. Is possible.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a sectional view conceptually showing a configuration example of a coating apparatus according to an embodiment.
FIG. 2 is a sectional view conceptually showing a configuration example of a spray nozzle according to the embodiment.
FIG. 3 is a sectional view conceptually showing a configuration example of a fluidized bed apparatus according to an embodiment.
[Explanation of symbols]
Reference Signs List 1 rotating drum 11 fluidized bed container 4 spray nozzle 43 liquid passage 44 gas passage 47 liquid ejection port 49 ultrasonic transducer