【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、包丁収納ケースに関する技術分野に属し、詳細には、包丁を収納するケースに関し、特には、屠殺場等で使用される包丁のように使用後の洗浄が不十分になることが多い包丁を収納するケースに関する技術分野に属するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来の包丁差しは、キッチン収納庫の扉裏などに差し込むだけの固定したものであるが、湿度の高いシンク下の包丁入れに収納した状態では、包丁に細菌が繁殖しやすい状況にあり、衛生面に問題があった。また、近年は野外で調理する機会が増加しているが、このような場合、刃部を覆う形状をした鞘を被せて携帯したりしている。しかし、鞘内部は通気性に乏しく密閉状態となるため、生乾きの包丁をそのまま収納すると細菌が繁殖しやすい状況にあり、衛生面に問題があった。一方、屠殺場などでは、包丁を携帯して使用し、使用頻度が高く、かつ、包丁をこまめに洗わないでケースに収納している。しかも、衛生的であることが要求されるが、従来の包丁差しは、ゴム製で通気性が悪く、汚れや雑菌がたまりやすいものであった。
【０００３】
このような問題を改善すべく提案された包丁ケースとして、次のようなものが知られている。
【０００４】
（１） 特開平１１−３１８７２９号公報（特許文献１）に記載されたもの：
本公報に記載のものでは、包丁ケースを網状にすることにより、衛生的としている。
【０００５】
（２） 登録実用新案第３０５１３９４号公報（特許文献２）に記載されたもの：
本公報に記載のものでは、包丁ケースに抗菌性弾性部材を用いることにより、衛生的としている。
【０００６】
【特許文献１】
特開平１１−３１８７２９号公報
【特許文献２】
登録実用新案第３０５１３９４号公報
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献１（特開平１１−３１８７２９号公報）に記載のものでは、前述のように、包丁ケースを網状にすることにより、衛生的としている。しかし、網の強度や材質、大きさ等には言及していない。屠殺場等で使用される包丁の場合のように、包丁の抜き差しの頻度が多い場合には、強度が低く、形が崩れていると、包丁抜き差し時に時間がかかって作業効率が低下するばかりか、収納時に網に当たって網または包丁の刃が欠ける恐れがある。網に傷が入ると、この傷中で菌が繁殖しやすくなる。また、屠殺場等で使用される包丁の場合のように、腰にぶら下げて使用する場合には、収納状態で足等に当たると切傷の恐れがある。また、屠殺場等で使用される包丁の場合のように、包丁の抜き差しが多い用途では、包丁固定ベルトは不要である。更に、網状にするだけでは、抗菌性は無く、不十分である。
【０００８】
特許文献２（登録実用新案第３０５１３９４号公報）に記載のものでは、前述の如く、包丁ケースに抗菌性弾性部材を用いることにより、衛生的としている。しかし、ケースの構造上、収納が容易ではない。また、収納時に密閉された状態となるため、水分等が付着したまま収納する場合は、逆に包丁表面で菌の増殖を促進することとなる。屠殺場等で使用される包丁の場合のように、水分を十分に切って包丁を収納することは極めてまれである場合には、不適当である。
【０００９】
本発明はこの様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、使用後の包丁の洗浄が不十分であったり、洗った包丁が半乾きであった場合でも、乾燥しやすくて、各種の病原菌の繁殖を抑制し、包丁を衛生的な状態に保つことができる包丁収納ケースを提供しようとするものである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る包丁収納ケースは、請求項１〜５記載の包丁収納ケースとしており、それは次のような構成としたものである。
【００１１】
即ち、請求項１記載の包丁収納ケースは、引張強さ：１００Ｎ／ｍｍ２以上の材料からなる包丁収納ケースであって、少なくとも包丁収納時に包丁の刃の半分にあたる位置からケース底までの表面に面積：１〜２５００ｍｍ２ の空隙を隣同士の空隙間の距離：０．２ 〜３０ｍｍにすると共に空隙の合計面積：１０〜９０面積％にして配したことを特徴とする包丁収納ケースである（第１発明）。
【００１２】
請求項２記載の包丁収納ケースは、前記材料が金属であって、直径：０．２ 〜５ｍｍの線材、又は、幅：０．２ 〜３０ｍｍ、厚さ：０．２ 〜５ｍｍの条あるいは箔、又は、厚さ：０．２ 〜５ｍｍのエキスパンドメタルあるいはパンチングメタルよりなる請求項１記載の包丁収納ケースである（第２発明）。
【００１３】
請求項３記載の包丁収納ケースは、前記材料が、鋼、ステンレス鋼、銅、銅合金、チタン、チタン合金、アルミニウム、アルミニウム合金の１種以上よりなる請求項１または２記載の包丁収納ケースである（第３発明）。
【００１４】
請求項４記載の包丁収納ケースは、前記材料が抗菌性を有する請求項１〜３の何れかに記載の包丁収納ケースである（第４発明）。請求項５記載の包丁収納ケースは、前記材料の表面に抗菌処理が行われている請求項１〜４の何れかに記載の包丁収納ケースである（第５発明）。
【００１５】
請求項６記載の包丁収納ケースは、携帯用であってベルトへ取り付けるためのベルト取付部を有する請求項１〜５の何れかに記載の包丁収納ケースである（第６発明）。
【００１６】
【発明の実施の形態】
本発明に係る包丁収納ケースは、前述のように、引張強さ：１００Ｎ／ｍｍ２以上の材料からなる包丁収納ケースであって、少なくとも包丁収納時に包丁の刃の半分にあたる位置からケース底までの表面に面積：１〜２５００ｍｍ２ の空隙を隣同士の空隙間の距離：０．２ 〜３０ｍｍにすると共に空隙の合計面積：１０〜９０面積％にして配したことを特徴とするものであるので、この空隙に起因して通気性が良い。従って、使用後の包丁の洗浄が不十分であったり、洗った包丁が半乾きである場合でも、乾燥しやすく、このため、各種の病原菌の繁殖を抑制し、包丁を衛生的な状態に保つことができる。こうした衛生的な状態は特に包丁収納時に包丁の刃の半分にあたる位置からケース底までの部分に求められる。また、上記のように包丁収納ケースを構成する材料の引張強さが高い（強度が高い）こと、及び、上記のような空隙の配し方に起因して、包丁の抜き差しが多い用途においても耐久性に優れている。このような点から、特に、屠殺場等で使用される包丁のように使用後の洗浄が不十分になることが多い包丁を収納するケースとして好適に用いることができる。
【００１７】
ここで、包丁収納ケースを構成する材料の引張強さを１００Ｎ／ｍｍ２以上としているのは、耐久性を向上させ、高水準の耐久性を確保するためである。即ち、使用頻度が高い場合には抜き差しの回数が多くなるが、長く保たせるために耐久性が要求され、この耐久性を充分なものとするためである。上記材料の引張強さを１００Ｎ／ｍｍ２未満とした場合には、何度も抜き差ししているうちに、形がくずれやすく、包丁差し口の形状が崩れ、包丁が奥まで入ってしまう。そうすると、包丁抜き差し時に時間がかかり、作業効率が低下する。また、使用中に破れたり、割れたりして破損しやすくなる。
【００１８】
少なくとも包丁収納時に包丁の刃の半分にあたる位置からケース底までの表面に配する空隙の面積（空隙１当たりの面積）を１〜２５００ｍｍ２ としているのは、１ｍｍ２ 未満にすると、通気性が低下して乾燥し難く、付着した水分が抜けにくいため、菌が繁殖しやすくなり、一方、２５００ｍｍ２ 超にすると、構造的にもろく、形状が崩れやすく、収納状態で刃先が空隙から出て足などに当たると切傷の恐れがある（安全性が低下する）からである。
【００１９】
隣同士の空隙間の距離を０．２ 〜３０ｍｍとしているのは、０．２ ｍｍ未満にすると、構造的にもろく、形状が崩れやすくなり、一方、３０ｍｍ超にすると、通気性が低下して乾燥し難く、付着した水分が抜けにくいため、菌が繁殖しやすくなるからである。なお、隣同士の空隙間の距離とは、空隙の端部と該空隙の隣の空隙の端部との間（材料部）の距離の最短部の距離のことである。
【００２０】
空隙の合計面積を１０〜９０面積％としているのは、１０面積％未満にすると、ケース内部の閉鎖表面にて付着した水分や雑菌がたまりやすく、また、重くなり、一方、９０面積％超にすると、構造的にもろく、形状が崩れやすく、包丁差し口の形状が崩れ、包丁が奥まで入ってしまう。そうすると、包丁抜き差し時に時間がかかり、作業効率が低下する。また、使用中に破れたり、割れたりして破損しやすくなり、収納状態で刃先が空隙から出て足等に当たると切傷の恐れがある（安全性が低下する）からである。なお、空隙の合計面積（面積％）は、包丁収納ケースの空隙が設けられている領域（少なくとも包丁収納時に包丁の刃の半分にあたる位置からケース底までの表面の領域に空隙が設けられている。その領域のことである。）の全面積に対する空隙の面積の合計の百分率のことである。
【００２１】
本発明に係る包丁収納ケースにおいて、包丁収納ケースを構成する材料の引張強さを３００Ｎ／ｍｍ２以上とすることが望ましい。そうすると、より確実に高水準の耐久性を確保することができ、使用頻度が高い場合においても耐久性が充分なものとなる。更には５００Ｎ／ｍｍ２以上とすることが望ましい。そうすると、さらに確実に高水準の耐久性を確保することができ、さらに使用頻度が高い場合においても耐久性が充分なものとなる。
【００２２】
表面に配する空隙の面積（空隙１当たりの面積）を４〜１０００ｍｍ２ とすることが望ましい。そうすると、より確実に、通気性が向上して乾燥し易く、付着した水分が抜け易く、菌が繁殖し難くなると共に、構造的に強靱になり、形状が崩れ難くなり、また、刃先が空隙から出ることもなくて安全性が向上する。
【００２３】
隣同士の空隙間の距離を１．０ 〜２０ｍｍとすることが望ましい。そうすると、より確実に、構造的に強靱になり、形状が崩れ難くなると共に、また、通気性が向上して乾燥し易く、付着した水分が抜け易く、菌が繁殖し難くなる。
【００２４】
空隙の合計面積を５０〜８０面積％とすることが望ましい。そうすると、より確実に、風通しが良く、水分が切れやすく、菌が繁殖しにくくなり、また、軽くなると共に、構造的に強靱になり、形状が崩れ難くなり、包丁抜き差し時の所要時間が短縮され、作業効率が向上し、また、使用中に破損し難くなり、安全性が向上する。
【００２５】
前記包丁収納ケースを構成する材料としては、その材料種は特には限定されないが、プラスチックや樹脂、繊維、木材を用いた場合、これらは柔らかいので、包丁が当たって傷が付きやすく、特に収納時に刃がケースに当たってケースが破損する恐れがある。傷が付くと、傷部で菌が繁殖しやすくなる。また、繊維や木材の場合には、傷が付かないときでも、繊維や木目の中で菌が繁殖しやすい。腰にぶら下げて使用する場合、前記のようにケースが破損すると、収納状態で刃先が足等に当たった場合に切傷の恐れがある。
【００２６】
セラミックや陶器を用いた場合、これらは硬いので、収納時に刃がケースに当たって刃が欠ける恐れがある。また、落とした場合、割れる可能性がある。さらに、これらは重いので、作業が快適ではないことになる。
【００２７】
これらに対し、金属は硬く且つ強靱であるので、金属が最適であり、金属（合金を含む）を用いることが望ましい。この金属として、直径：０．２ 〜５ｍｍの線材、又は、幅：０．２ 〜３０ｍｍ、厚さ：０．２ 〜５ｍｍの条あるいは箔、又は、厚さ：０．２ 〜５ｍｍのエキスパンドメタルあるいはパンチングメタルよりなるものを用いことができ、これらを用いると、本発明に係る包丁収納ケースの空隙をより容易に設けることができる（第２発明）。なお、線材としては、細い線を束ねたものも使用することができ、この場合の直径は束ねたものの直径とする。
【００２８】
ここで、線材に関し、その直径が０．２ ｍｍ未満の場合には、構造的にもろく、形状が崩れやすい傾向があり、一方、５ｍｍ超の場合には、加工が困難となり、必然的に全体の大きさが大きくなり、重くなる傾向がある。
【００２９】
条や箔に関し、その幅が０．２ ｍｍ未満の場合には、構造的にもろく、形状が崩れやすい傾向があり、一方、３０ｍｍ超の場合には、加工が困難となり、重くなり、また、必然的に空隙の面積率が小さくなる傾向がある。厚さが０．２ ｍｍ未満の場合には、構造的にもろく、形状が崩れやすい傾向があり、一方、５ｍｍ超の場合には、加工が困難となり、重くなり、必然的に全体の大きさが大きくなる傾向がある。
【００３０】
また、エキスパンドメタル又はパンチングメタルに関し、その厚さが０．２ ｍｍ未満の場合には、構造的にもろく、形状が崩れやすい傾向があり、一方、５ｍｍ超の場合には、加工が困難となり、重くなり、必然的に全体の大きさが大きくなる傾向がある。
【００３１】
前記直径：０．２ 〜５ｍｍの線材を用いる場合、この中でも、直径：０．５ 〜２ｍｍのものを用いることが更に望ましい。そうすると、より確実に、構造的に強靱となり、形状が崩れ難くなると共に、加工が容易になり、必然的に全体の大きさが小さくなり、軽くなる。
【００３２】
前記幅：０．２ 〜３０ｍｍ、厚さ：０．２ 〜５ｍｍの条あるいは箔を用いる場合、この中でも幅：０．２ 〜２０ｍｍのものを用いることが更に望ましい。そうすると、より確実に、構造的に強靱となり、形状が崩れ難くなると共に、加工が容易になり、軽くなり、また、必然的に空隙の面積率が大きくなる。また、前記条あるいは箔の中でも、厚さ：０．５ 〜２ｍｍのものを用いることが更に望ましい。そうすると、より確実に、構造的に強靱となり、形状が崩れ難くなると共に、加工が容易になり、軽くなり、また、必然的に全体の大きさが小さくなる。
【００３３】
また、前記厚さ：０．２ 〜５ｍｍのエキスパンドメタルあるいはパンチングメタルを用いる場合、この中でも厚さ：０．５〜２ｍｍのものを用いることが更に望ましい。そうすると、より確実に、構造的に強靱となり、形状が崩れ難くなると共に、加工が容易になり、軽くなり、また、必然的に全体の大きさが小さくなる。
【００３４】
前記包丁収納ケースを構成する材料として金属を用いる場合、その金属の種類は特には限定されず、種々のものを使用することができ、例えば、鋼、ステンレス鋼、銅、銅合金、チタン、チタン合金、アルミニウム、アルミニウム合金の１種以上を用いることができる（第３発明）。
【００３５】
上記材料としては抗菌性を有することが望ましい（第４発明）。即ち、金属を用いる場合は抗菌成分を含有する金属を用いることが望ましい。かかる抗菌成分としては、Ａｇ、Ｃｕ、Ｚｎ、Ｎｉ、Ｃｏやその合金、ＴｉＯ２、ＺｎＯ 、ＷＯ３ 等が挙げられる。特に、ＡｇまたはＣｕ含有のステンレスや銅合金が推奨される。抗菌成分の含有量は０．５ 質量％以上であることが望ましく、更に望ましくは１質量％以上、より望ましくは３質量％以上である。この抗菌成分の含有量の下限値の増大により、これに応じて順次、金属の抗菌性より確実に高い水準のものとなるからである。
【００３６】
包丁収納ケースは、水が付くこと、水洗いを行うことから、耐食性にも優れることが望ましい。本発明に係る包丁収納ケースの構成材料として、鋼や銅、アルミニウム等のように耐食性が低い材質のものを用いる場合は、耐食性のある表面処理を行うことが望ましい。ステンレス鋼、チタンなど耐食性が高い材質の場合は、そのままでも使用できるが、表面処理を行っていても構わない。
【００３７】
上記包丁収納ケースを構成する材料に抗菌性を持たせたり、または、抗菌性を向上させるため、その材料の表面に抗菌処理を施すことは望ましいことである（第５発明）。
【００３８】
この抗菌処理に際し、その抗菌成分としてはＡｇ、Ｃｕ、Ｚｎ、Ｎｉ、Ｃｏやその合金、ＴｉＯ２、ＺｎＯ 、ＷＯ３ 等が挙げられる。抗菌成分の含有量は０．５ 質量％以上であることが望ましく、更に望ましくは１質量％以上、より望ましくは３質量％以上である。この抗菌成分の含有量の下限値の増大により、これに応じて順次、金属の抗菌性がより確実に高い水準のものとなるからである。
【００３９】
この抗菌処理は、表面処理により行なうことができ、塗装樹脂層、めっき層、陽極酸化処理に封孔処理を行った層、セラミックス層、コンクリート層、プラスチック層が容易に実行でき、望ましい。また、耐傷つき性や耐衝撃性が問題となるものもあるため、表面硬度が、Ｈｖ３００ 以上、より望ましくはＨｖ４５０ 以上である方がよい。
【００４０】
上記抗菌処理を施すに際し、特開２０００−１９８７０９号公報や特開平１１−３４３５９２号公報に記載の抗菌めっき処理を施すことがより望ましい。この処理皮膜に合わせて、密着性や耐食性向上などの理由により、Ｎｉ合金系抗菌めっき皮膜−基材間に他の皮膜を処理しても良いし、耐変色性や耐食性向上などの理由により、Ｎｉ合金系抗菌めっき皮膜上に多孔質の皮膜を処理しても良い。
【００４１】
本発明において、空隙の作製方法は特には限定されず、種々の方法を用いることができ、それにより空隙が設けられた種々の材料を用いて構成することができる。例えば、平織金網、クリンプ金網、フラットトップ金網、亀甲金網、溶接金網、パンチングメタルまたはエキスパンドメタル等を用いて構成することができる。空隙は、衛生的な状態が特に求められる部位、即ち、包丁収納時に包丁の刃の半分にあたる位置からケース底までの部位は、少なくとも配置する必要があるが、それより包丁差し口までの部位においては無くても良い。ただし、空隙が配置される部位が広範囲にわたるほど通気性は向上するため、包丁差し口に近い部分まで空隙を有する方がより望ましい。また、空隙の形状は特には限定されず、種々の形状のものを用いることができ、例えば、○や□の形状の空隙とすることができ、それだけでなく△や☆の形状の空隙としてもよい。また、空隙の間隔は均一である必要はなく、不均一でもよい。なお、第２発明（請求項２）に係る線、条、箔を網状に組み合わせるか、または、パンチングメタルあるいはエキスパンドメタルを用いるのが容易なため推奨される。
【００４２】
包丁収納ケースの全体の形状や取り付け部分の形状に関しては、特には限定されず、種々の形状にして用いることができるが、全体の形状は図１〜２に示すように、包丁収納ケースの包丁差し口は包丁の柄より大きいが、包丁収納ケースの奥が絞られている形状をしていることが望ましい。即ち、包丁収納時は、包丁の柄がケースの絞られているところに当たってそれ以上包丁が奥に入らない構造とすることが望ましい。そうすると、包丁の刃先はケースに当たらず、また、包丁の柄は全てケースに入りきらず、包丁が取り出しやすくなる。なお、図１〜２は模式図であり、図２は図１に示す包丁収納ケースに包丁を収納した状態を示す図である。図１〜２において、細い線と太い線があるが、この太い線は主にケースの縁部に用いられ、細い線よりも線径が太い。細い線の線径は例えば１ｍｍであり、太い線の線径は例えば２．５ｍｍ である。空隙の面積（空隙１個あたりの面積）は例えば２５ｍｍ２ である。空隙の合計面積（面積率）は、例えば７０面積％である。
【００４３】
本発明に係る包丁収納ケースの用途に関しては、特には限定されず、業務用厨房で用いられる包丁収納ケース、家庭用台所で用いられる包丁収納ケース、携帯用の包丁収納ケースやナイフケース等、種々の用途で用いることができる。また、収納するものは包丁のみに限らず、ナイフや鋸、はさみ、カッターなど包丁に類する刃物やペンチ、固定工具、穴空け工具、脱毛工具、皮剥ぎ工具など動植物の加工や食品の取り扱いに用いる器具を収納する用途としても用いることができる。特に、屠殺場等で使用される包丁のように使用後の洗浄が不十分になることが多い包丁を収納するケースとして好適に用いることができる。携帯用の包丁収納ケースとして用いる場合、ベルトへ取り付けるためのベルト取付部を有するようにするとよく、このようなベルト取付部としてはベルトを差し込める形態のものを挙げることができ、これによれば包丁収納ケースをベルトに確実に固定することができる。
【００４４】
【実施例】
本発明の実施例および比較例を以下説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【００４５】
本発明の実施例および比較例に係る包丁収納ケースについて、下記の方法により耐久性の評価試験および抗菌性の評価試験を行った。
【００４６】
耐久性の評価試験に関しては、包丁収納ケースに対し、実際に包丁の抜き差しをランダムな角度より計２００ 回実施し、終了後のケースの形状変化やケースや刃の傷の有無を観察した。形状に０．５ｍｍ 以上の変化が見られるものやケースが破れるなど破損したものを×、ケースに目視で判別できる傷が付いたものを○、ケースにそれらが見られないものを◎とした。なお、×は不合格（不良）、○および◎は合格（良好）とした。◎は○よりも優れていることを示すものである。
【００４７】
抗菌性の評価試験に関しては、大腸菌濃度を５×１０６ＣＦＵ／ｍｌ に調整した菌液に包丁収納ケースを浸漬し、次いでこれを取り出し、送風器により風を当てた状態で２４時間、室温で放置した後、滅菌綿棒にて拭き取り、その後、洗い出して標準寒天培地を用いた平板希釈法により菌数を測定した。試験は２回行い、それぞれ１０個未満のとき◎、１０〜１００ 個のとき○、１００ 〜１０００個のとき△、１０００個以上のとき×とした。なお、◎および○は合格（良好）、△および×は不合格（不良）であるとした。
【００４８】
図１〜２に示すような空隙を有する形状の包丁収納ケースであって肉切り包丁用の携帯型のものを各材質にて作製し、耐久性の評価試験を行った結果を、包丁収納ケースの材質および表面処理の内容と共に、表１に示す。
【００４９】
また、ステンレス鋼の線または条を用い、これを編んで作製した肉切り包丁用の携帯型包丁収納ケース、または、パンチングメタルを用い、加工して作製した肉切り包丁用の携帯型包丁収納ケースについて、耐久性および抗菌性の評価試験を行った結果を、空隙の面積、隣同士の空隙間の距離および空隙の合計面積（面積％）即ち空隙面積率と共に、表２に示す。なお、上記ステンレス鋼（線、条、パンチングメタル）の引張強さは、表１からわかるように、６７０Ｎ／ｍｍ２である。抗菌性の欄での１および２は、２回行った抗菌性評価試験（即ち、試験１および試験２）の中の試験１および試験２のことである。
【００５０】
さらに、図１〜２に示すような空隙を有する形状の包丁収納ケースであって肉切り包丁用の携帯型のものを抗菌性を有する材質にて作製した。また、これと同様の形状の携帯型のものを各種金属にて形成した後、抗菌処理を施した。このようにして得られた包丁収納ケースについて、耐久性および抗菌性の評価試験を行った結果を表３に示す。
【００５１】
表１からわかるように、Ｎｏ．６〜１０の包丁収納ケースは引張強さが９０Ｎ／ｍｍ２ 以下と低く、耐久性が×であって不合格（不良）である。これに対して、Ｎｏ．１〜５ の包丁収納ケースは引張強さが１５０Ｎ／ｍｍ２以上と高く、耐久性が○または◎であって合格（良好）である。これらより、包丁収納ケースの耐久性の面からして、包丁収納ケース構成材質として強度が重要であることがわかる。また、このような耐久性の面からは特に第３発明（請求項３）に係る金属がよいこともわかる。
【００５２】
表２からわかるように、比較例（記号Ｇ，Ｈ，Ｉ，Ｊ，Ｋ，Ｌ，Ｍ）に係る包丁収納ケースは、耐久性：×〔不合格（不良）〕および／または抗菌性：△あるいは×〔不合格（不良）〕である。これに対し、本発明の実施例（記号Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ，Ｅ，Ｆ）に係る包丁収納ケースは、耐久性が◎であって合格（良好）であると共に、抗菌性が○であって合格（良好）である。これらより、包丁収納ケースの構成材料が同一（いずれの場合もステンレス鋼）という条件の下であっても、空隙の面積、隣同士の空隙間の距離および空隙の合計面積（面積％）が包丁収納ケースの耐久性および抗菌性に影響することがわかる。即ち、本発明に係る要件を満たせば、包丁収納ケースの耐久性および抗菌性が良好なものにできることがわかる。また、このような点から、第２発明（請求項２）に係る線や条、パンチングメタルを用いるのがよいこともわかる。
【００５３】
表３からわかるように、銅含有抗菌ステンレス鋼等の抗菌性を有する材質にて作製された包丁収納ケース（Ｎｏ．１１ 〜１３）、および、ステンレス鋼等の金属にて形成された包丁収納ケースに表面処理にて抗菌皮膜を形成する抗菌処理を施したもの（Ｎｏ．１４ 〜２０）は、抗菌性が◎または○であって良好である。これらの抗菌性を有する材質の使用や、抗菌処理により、抗菌性が向上することがわかる。これらの中でも、特にＮｉ合金系抗菌めっき皮膜を施す抗菌処理をした場合（Ｎｏ．１７ 〜２０）は、抗菌性が◎であることから、最も抗菌性が向上することがわかる。
【００５４】
【表１】
【００５５】
【表２】
【００５６】
【表３】
【００５７】
【発明の効果】
本発明に係る包丁収納ケースによれば、使用後の包丁の洗浄が不十分であったり、洗った包丁が半乾きであった場合でも、乾燥しやすく、このため、各種の病原菌の繁殖を抑制し、包丁を衛生的な状態に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】包丁収納ケースの概要を示す模式図であって、図１の（Ａ） は正面図、（Ｂ） は上面図、（Ｃ） は側面図である。
【図２】包丁収納ケースに包丁を収納した状態を示す模式図である。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention belongs to the technical field of kitchen knife storage cases, and more particularly to a case for storing kitchen knives, and in particular, cleaning after use often becomes insufficient, such as kitchen knives used in slaughterhouses and the like. It belongs to the technical field related to a case for storing a kitchen knife.
[0002]
[Prior art]
Conventional kitchen knives are fixed just to be inserted in the back of the kitchen storage door, but when stored in a kitchen knives under a humid sink, bacteria can easily propagate in the kitchen knives. There was a problem on the surface. In recent years, the number of opportunities for cooking outdoors has been increasing. In such a case, the user is carrying the device with a sheath shaped to cover the blade portion. However, since the inside of the sheath has poor air permeability and is in a sealed state, bacteria are easily propagated when a freshly dried kitchen knife is stored as it is, and there is a problem in hygiene. On the other hand, in slaughterhouses and the like, kitchen knives are carried and used frequently, and kitchen knives are stored in a case without being washed frequently. Moreover, although it is required to be sanitary, the conventional knife insert is made of rubber, has poor air permeability, and is liable to accumulate dirt and germs.
[0003]
The following is known as a kitchen knife case proposed to improve such a problem.
[0004]
(1) JP-A-11-318729 (Patent Document 1):
In the publication described in this publication, sanitary is achieved by making the knife case net-like.
[0005]
(2) What is described in Registered Utility Model No. 3051394 (Patent Document 2):
In the publication described in this publication, the kitchen knife case is made hygienic by using an antibacterial elastic member.
[0006]
[Patent Document 1]
JP-A-11-318729 [Patent Document 2]
Registered Utility Model No. 3051394
[Problems to be solved by the invention]
In the device described in Patent Document 1 (Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-318729), as described above, sanitary sanitation is achieved by forming the kitchen knife case into a mesh shape. However, it does not mention the strength, material, size, etc. of the net. If the kitchen knife is frequently inserted and removed, as in the case of kitchen knives used in slaughterhouses, etc., the strength is low, and if the shape is broken, not only does it take time to remove and insert the kitchen knife, but also the work efficiency decreases. There is a possibility that the blade of the net or the kitchen knife may be chipped by hitting the net when stored. If the net is damaged, bacteria can easily propagate in the wound. In the case of using a kitchen knife used in a slaughterhouse or the like and hanging it on the waist, if it hits a foot or the like in a stored state, there is a risk of a cut. Also, in applications where the kitchen knife is frequently inserted and removed, such as in the case of a kitchen knife used in a slaughterhouse or the like, the kitchen knife fixing belt is unnecessary. Further, simply forming a net does not have antibacterial properties and is insufficient.
[0008]
Patent Literature 2 (registered utility model No. 3051394) discloses that the kitchen knife case is made hygienic by using an antibacterial elastic member as described above. However, storage is not easy due to the structure of the case. In addition, since it is in a closed state at the time of storage, when storing while moisture or the like is adhered, conversely, the growth of bacteria on the kitchen knife surface is promoted. It is unsuitable when it is extremely rare to store the kitchen knives with sufficient water, such as in the case of kitchen knives used in slaughterhouses.
[0009]
The present invention has been made in view of such circumstances, and the purpose thereof is that even if the kitchen knife after use is insufficiently washed or the washed kitchen knife is semi-dry, it is easily dried. Therefore, it is an object of the present invention to provide a kitchen knife storage case capable of suppressing the propagation of various pathogenic bacteria and keeping the kitchen knife in a sanitary state.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a kitchen knife storage case according to the present invention is a kitchen knife storage case according to claims 1 to 5, which has the following configuration.
[0011]
That is, the kitchen knife storage case according to claim 1 is a kitchen knife storage case made of a material having a tensile strength of 100 N / mm 2 or more, and at least a surface from a position corresponding to a half of a knife blade to a bottom of the case when the kitchen knife is stored. The kitchen knife storage case is characterized in that a gap having an area of 1 to 2500 mm 2 is arranged so that the distance between adjacent gaps is 0.2 to 30 mm and the total area of the gaps is 10 to 90 area%. 1st invention).
[0012]
The kitchen knife storage case according to claim 2, wherein the material is metal and a wire having a diameter of 0.2 to 5 mm or a strip or foil having a width of 0.2 to 30 mm and a thickness of 0.2 to 5 mm. The kitchen knife storage case according to claim 1, which is made of expanded metal or punched metal having a thickness of 0.2 to 5 mm (second invention).
[0013]
The kitchen knife storage case according to claim 3, wherein the material is at least one of steel, stainless steel, copper, copper alloy, titanium, titanium alloy, aluminum, and aluminum alloy. (Third invention).
[0014]
A kitchen knife storage case according to a fourth aspect is the kitchen knife storage case according to any one of the first to third aspects, wherein the material has antibacterial properties (a fourth invention). A kitchen knife storage case according to claim 5 is the kitchen knife storage case according to any one of claims 1 to 4, wherein a surface of the material is subjected to an antibacterial treatment (fifth invention).
[0015]
The kitchen knife storage case according to claim 6 is the kitchen knife storage case according to any one of claims 1 to 5, which is portable and has a belt attaching portion for attaching to a belt (sixth invention).
[0016]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
As described above, the kitchen knife storage case according to the present invention is a kitchen knife storage case made of a material having a tensile strength of 100 N / mm 2 or more, and at least from the position corresponding to half the blade of the kitchen knife to the bottom of the case when storing the kitchen knife. A gap having an area of 1 to 2500 mm 2 is arranged on the surface with a distance between adjacent gaps of 0.2 to 30 mm and a total area of the gaps of 10 to 90 area%. The air permeability is good due to this void. Therefore, even if the kitchen knife after use is inadequately washed or the washed kitchen knife is semi-dry, it is easy to dry, thus suppressing the propagation of various pathogenic bacteria and keeping the kitchen knife in a sanitary condition. be able to. Such a sanitary condition is particularly required in a portion from the position corresponding to half of the blade of the kitchen knife to the bottom of the case when the kitchen knife is stored. In addition, due to the high tensile strength (high strength) of the material constituting the kitchen knife storage case as described above, and the arrangement of the voids as described above, even in applications where the kitchen knife is frequently inserted and removed. Has excellent durability. From such a point, it can be suitably used especially as a case for storing a kitchen knife often used after washing, such as a kitchen knife used in a slaughterhouse.
[0017]
Here, the reason why the tensile strength of the material constituting the kitchen knife storage case is 100 N / mm 2 or more is to improve the durability and to secure a high level of durability. That is, when the frequency of use is high, the number of times of insertion and removal increases, but durability is required to keep it long, and this durability is sufficient. When the tensile strength of the above material is less than 100 N / mm 2 , the shape tends to be lost, the shape of the kitchen knife opening is broken, and the kitchen knife goes into the back while being repeatedly inserted and removed. Then, it takes time to insert and remove the kitchen knife, and the work efficiency is reduced. In addition, it is likely to be broken or broken during use.
[0018]
What void area of arranging the half corresponding to the position of the knife blade at least knife housed surface to the case bottom (the area per void 1) and 1～2500Mm 2, when less than 1 mm 2, reduction in air permeability Bacteria are easy to propagate because it is difficult to dry and adhered moisture is difficult to escape. On the other hand, if it exceeds 2500 mm 2 , the structure is brittle and the shape easily collapses, and the blade edge comes out of the gap in the stored state and feet etc. This is because there is a danger of a cut if it hits (safety is reduced).
[0019]
The reason why the distance between adjacent air gaps is 0.2 to 30 mm is that if the distance is less than 0.2 mm, the structure becomes brittle and the shape is easily collapsed, while if it exceeds 30 mm, the air permeability decreases. This is because it is difficult to dry and adhered water is hard to be removed, so that bacteria can easily propagate. The distance between adjacent gaps is the shortest distance between the end of the gap and the end of the gap next to the gap (material part).
[0020]
The reason why the total area of the voids is 10 to 90 area% is that if the area is less than 10 area%, moisture and various germs attached to the closed surface inside the case easily accumulate and become heavy, and on the other hand, more than 90 area% Then, it is fragile structurally, the shape is easily broken, the shape of the kitchen knife outlet is broken, and the kitchen knife goes into the back. Then, it takes time to insert and remove the kitchen knife, and the work efficiency is reduced. Further, the blade is likely to be broken by being broken or broken during use, and the cutting edge may come out of the gap and hit a foot or the like in the housed state, which may cause a cut (reduced safety). The total area (area%) of the gap is determined by the area where the gap of the kitchen knife storage case is provided (at least, the gap is provided in the surface area from the position corresponding to half of the blade of the kitchen knife when the kitchen knife is stored to the bottom of the case). .), The percentage of the total area of the voids with respect to the total area.
[0021]
In the kitchen knife storage case according to the present invention, it is desirable that the material constituting the kitchen knife storage case has a tensile strength of 300 N / mm 2 or more. Then, a high level of durability can be ensured more reliably, and the durability is sufficient even when the frequency of use is high. Further, it is desirable to be 500 N / mm 2 or more. Then, a high level of durability can be ensured more reliably, and the durability is sufficient even when the frequency of use is high.
[0022]
It is desirable that the area of the voids arranged on the surface (the area per void) is 4 to 1000 mm 2 . Then, more reliably, the air permeability is improved, it is easy to dry, the attached moisture is easy to escape, the bacteria are difficult to propagate, it is structurally tough, the shape is hard to collapse, and the cutting edge is from the gap Safety is improved without leaving.
[0023]
It is desirable that the distance between adjacent air gaps is 1.0 to 20 mm. By doing so, the structure becomes more reliably structurally tough, the shape is less likely to collapse, and the air permeability is improved, so that it is easier to dry, the attached moisture is more easily removed, and the bacteria are less likely to propagate.
[0024]
It is desirable that the total area of the voids be 50 to 80 area%. By doing so, the ventilation is better, the moisture is easily drained, the bacteria do not easily propagate, and the weight is reduced, the structure is tough, the shape is less likely to collapse, and the time required for removing and inserting the kitchen knife is reduced. , Work efficiency is improved, and it is hard to be damaged during use, and safety is improved.
[0025]
The kind of material constituting the kitchen knife storage case is not particularly limited, but when plastic, resin, fiber, or wood is used, these are soft, so that the kitchen knife hits easily and is easily scratched, especially when stored. The blade may hit the case and damage the case. When the wound is made, the bacteria can easily propagate in the wound. Also, in the case of fiber or wood, bacteria can easily propagate in the fiber or wood grain even when they are not damaged. When the case is used while hanging on the waist, if the case is damaged as described above, there is a risk of a cut when the blade tip hits a foot or the like in the stored state.
[0026]
When ceramics or ceramics are used, they are hard, and the blades may hit the case during storage, causing the blades to chip. Also, if dropped, it may crack. In addition, they are heavy, making their work uncomfortable.
[0027]
On the other hand, since metals are hard and tough, metals are optimal, and it is desirable to use metals (including alloys). As the metal, a wire having a diameter of 0.2 to 5 mm, or a strip or foil having a width of 0.2 to 30 mm and a thickness of 0.2 to 5 mm, or an expanded metal having a thickness of 0.2 to 5 mm Alternatively, it is possible to use a material made of perforated metal, and by using these materials, it is possible to more easily provide a space in the kitchen knife storage case according to the present invention (second invention). As the wire, a bundle of thin wires can be used, and the diameter in this case is the diameter of the bundle.
[0028]
Here, when the diameter of the wire is less than 0.2 mm, it tends to be structurally brittle and easily collapsed in shape. On the other hand, when the diameter is more than 5 mm, processing becomes difficult, and Tend to be large and heavy.
[0029]
When the width of the strip or foil is less than 0.2 mm, it tends to be structurally fragile and easily collapsed, while when it is more than 30 mm, processing becomes difficult and heavy, and Inevitably, the area ratio of the void tends to decrease. If the thickness is less than 0.2 mm, the structure tends to be brittle and the shape tends to collapse. On the other hand, if the thickness is more than 5 mm, processing becomes difficult and heavy, and the entire size is inevitably increased. Tend to be large.
[0030]
When the thickness of the expanded metal or punched metal is less than 0.2 mm, it tends to be structurally brittle and easily collapsed, while when it exceeds 5 mm, processing becomes difficult, It tends to be heavier and necessarily larger overall.
[0031]
When a wire having a diameter of 0.2 to 5 mm is used, it is more preferable to use a wire having a diameter of 0.5 to 2 mm. This ensures that the structure is more tough, the shape is less likely to collapse, the processing is easier, and the overall size is necessarily smaller and lighter.
[0032]
When a strip or foil having a width of 0.2 to 30 mm and a thickness of 0.2 to 5 mm is used, it is more preferable to use a strip or foil having a width of 0.2 to 20 mm. By doing so, the structure is more reliably tough, the shape is less likely to collapse, and the processing is easier and lighter, and the area ratio of the voids is inevitably increased. Further, among the strips or foils, it is more preferable to use one having a thickness of 0.5 to 2 mm. This ensures that the structure is more tough, the shape is less likely to collapse, and the processing is easier and lighter, and the overall size is necessarily smaller.
[0033]
When using an expanded metal or a punching metal having a thickness of 0.2 to 5 mm, it is more preferable to use a metal having a thickness of 0.5 to 2 mm. This ensures that the structure is more tough, the shape is less likely to collapse, and the processing is easier and lighter, and the overall size is necessarily smaller.
[0034]
When using a metal as a material constituting the kitchen knife storage case, the type of the metal is not particularly limited, various types can be used, for example, steel, stainless steel, copper, copper alloy, titanium, titanium One or more of alloys, aluminum, and aluminum alloys can be used (third invention).
[0035]
It is desirable that the material has antibacterial properties (the fourth invention). That is, when a metal is used, it is desirable to use a metal containing an antimicrobial component. Examples of such antibacterial components include Ag, Cu, Zn, Ni, Co and alloys thereof, TiO 2 , ZnO, WO 3 and the like. In particular, stainless steel or copper alloy containing Ag or Cu is recommended. The content of the antimicrobial component is desirably 0.5% by mass or more, more desirably 1% by mass or more, and more desirably 3% by mass or more. By increasing the lower limit of the content of the antibacterial component, the antibacterial property of the metal is gradually increased accordingly.
[0036]
It is desirable that the kitchen knife storage case is excellent in corrosion resistance because it is wetted and washed. When a material having low corrosion resistance, such as steel, copper, or aluminum, is used as a constituent material of the kitchen knife storage case according to the present invention, it is preferable to perform a corrosion-resistant surface treatment. When a material having high corrosion resistance such as stainless steel or titanium can be used as it is, it may be subjected to a surface treatment.
[0037]
In order to impart antibacterial properties to the material constituting the kitchen knife storage case or to improve the antibacterial properties, it is desirable to subject the surface of the material to antibacterial treatment (fifth invention).
[0038]
In this antibacterial treatment, examples of the antibacterial component include Ag, Cu, Zn, Ni, Co and alloys thereof, TiO 2 , ZnO 2 and WO 3 . The content of the antimicrobial component is desirably 0.5% by mass or more, more desirably 1% by mass or more, and more desirably 3% by mass or more. This is because, by increasing the lower limit of the content of the antibacterial component, the antibacterial property of the metal sequentially becomes higher according to the increase.
[0039]
This antibacterial treatment can be performed by a surface treatment, and a coating resin layer, a plating layer, a layer that has been subjected to anodizing and sealing treatment, a ceramic layer, a concrete layer, and a plastic layer can be easily performed. Further, some of them have a problem of scratch resistance and impact resistance. Therefore, the surface hardness is preferably Hv300 or more, more preferably Hv450 or more.
[0040]
In carrying out the above antibacterial treatment, it is more desirable to carry out the antibacterial plating treatment described in JP-A-2000-198709 and JP-A-11-343592. In accordance with this treatment film, another film may be treated between the Ni alloy-based antibacterial plating film and the base material for reasons such as improvement in adhesion and corrosion resistance, or for reasons such as improvement in discoloration resistance and corrosion resistance. A porous film may be treated on the Ni alloy-based antibacterial plating film.
[0041]
In the present invention, the method for forming the void is not particularly limited, and various methods can be used, and thus, the void can be formed using various materials provided with the void. For example, it can be configured using a plain woven wire mesh, crimp wire mesh, flat top wire mesh, turtle wire mesh, welded wire mesh, punched metal, expanded metal, or the like. The air gap is particularly required in a part where sanitary conditions are required, that is, a part from the position corresponding to half of the blade of the kitchen knife to the bottom of the case when storing the kitchen knife, but at least a part from the kitchen knife opening to the kitchen mouth May not be required. However, since the air permeability is improved as the area where the gap is arranged is widened, it is more desirable to have the gap up to the portion near the kitchen knife opening. The shape of the void is not particularly limited, and various shapes can be used.For example, a void having a shape of や or □ can be used, and a void having a shape of △ or ☆ can be used as well. Good. In addition, the gaps need not be uniform, and may be non-uniform. Note that it is recommended to combine the wires, strips, and foils according to the second invention (claim 2) in a net shape, or to use a punching metal or an expanded metal because it is easy.
[0042]
The overall shape of the kitchen knife storage case and the shape of the mounting portion are not particularly limited, and various shapes can be used, but the overall shape is, as shown in FIGS. The spout is larger than the handle of the kitchen knife, but it is preferable that the inside of the kitchen storage case is narrowed. That is, when the kitchen knife is stored, it is desirable that the kitchen knife hits the place where the case is squeezed and the kitchen knife does not enter further. Then, the blade edge of the kitchen knife does not hit the case, and the handle of the kitchen knife does not completely enter the case, so that the kitchen knife can be easily taken out. 1 and 2 are schematic views, and FIG. 2 is a view showing a state in which a kitchen knife is stored in the kitchen storage case shown in FIG. 1 and 2, there are a thin line and a thick line. The thick line is mainly used at the edge of the case, and has a larger diameter than the thin line. The wire diameter of the thin wire is, for example, 1 mm, and the wire diameter of the thick wire is, for example, 2.5 mm. The area of the gap (area per gap) is, for example, 25 mm 2 . The total area (area ratio) of the voids is, for example, 70 area%.
[0043]
The use of the kitchen knife storage case according to the present invention is not particularly limited, and various types of kitchen knife storage cases used in commercial kitchens, kitchen knife storage cases used in home kitchens, portable kitchen knife storage cases and knife cases, etc. Can be used in applications. In addition, not only kitchen knives but also knives, saws, scissors, cutters and similar knives such as knives and pliers, fixed tools, drilling tools, hair removal tools, peeling tools, etc. It can also be used for storing equipment. In particular, it can be suitably used as a case for storing kitchen knives, such as kitchen knives used in slaughterhouses, where cleaning after use is often insufficient. When used as a portable kitchen knife storage case, it is preferable to have a belt attaching portion for attaching to a belt. Examples of such a belt attaching portion include those in which a belt can be inserted. The kitchen knife storage case can be securely fixed to the belt.
[0044]
【Example】
Examples of the present invention and comparative examples will be described below. Note that the present invention is not limited to this embodiment.
[0045]
The kitchen knife storage cases according to Examples and Comparative Examples of the present invention were subjected to a durability evaluation test and an antibacterial evaluation test by the following methods.
[0046]
With respect to the durability evaluation test, the kitchen knife was actually inserted into and removed from the kitchen knife storage case at random angles 200 times in total, and the shape change of the case after the completion and the presence of scratches on the case and blade were observed. When the shape was changed by 0.5 mm or more, or when the case was broken such that the case was torn, the case was evaluated as x, when the case had a scratch that could be visually discriminated, and when the case was not observed. In addition, x was rejected (poor) and ○ and ◎ were passed (good). ◎ indicates that it is superior to ○.
[0047]
Regarding the antibacterial evaluation test, the kitchen knife storage case was immersed in a bacterial solution in which the concentration of Escherichia coli was adjusted to 5 × 10 6 CFU / ml, then taken out, and kept at room temperature for 24 hours in a state of being blown by a blower. After standing, it was wiped off with a sterile cotton swab, then washed out, and the number of bacteria was measured by a plate dilution method using a standard agar medium. The test was performed twice, and was evaluated as ◎ when the number was less than 10, １０〜 when the number was 10 to 100, Δ when the number was 100 to 1000, and X when the number was 1000 or more. It should be noted that ○ and ○ were acceptable (good) and Δ and × were unacceptable (bad).
[0048]
A kitchen knife storage case having a shape as shown in FIGS. 1 and 2 and made of a portable type for a meat cleaver made of various materials and subjected to an evaluation test for durability. Table 1 shows the materials and the contents of the surface treatments.
[0049]
Also, a portable kitchen knife storage case for meat cleaver made by knitting it with a stainless steel wire or strip, or a portable kitchen knife storage case for meat cleaver made by processing with punching metal Table 2 shows the results of evaluation tests for durability and antibacterial properties, together with the void area, the distance between adjacent voids, and the total area (area%) of voids, that is, the void area ratio. The tensile strength of the above stainless steel (wire, strip, punched metal) is 670 N / mm 2 as can be seen from Table 1. 1 and 2 in the antibacterial property column refer to tests 1 and 2 in the antibacterial evaluation test performed twice (that is, test 1 and test 2).
[0050]
Further, a kitchen knife storage case having a space as shown in FIGS. 1 and 2 and a portable type for meat cleaver was made of a material having antibacterial properties. In addition, a portable device having a similar shape was formed of various metals, and then subjected to an antibacterial treatment. Table 3 shows the results of the durability and antibacterial evaluation tests performed on the kitchen knife storage case thus obtained.
[0051]
As can be seen from Table 1, no. The kitchen knife storage cases of Nos. 6 to 10 have a low tensile strength of 90 N / mm 2 or less, have a durability of ×, and have failed (defective). On the other hand, no. The kitchen knife storage cases Nos. 1 to 5 have a high tensile strength of 150 N / mm 2 or more and have a durability of ○ or ◎, which is acceptable (good). From these, it is understood that the strength is important as a constituent material of the kitchen knife storage case from the viewpoint of the durability of the kitchen knife storage case. In addition, it is understood that the metal according to the third invention (claim 3) is particularly preferable from the viewpoint of durability.
[0052]
As can be seen from Table 2, the kitchen knife storage cases according to the comparative examples (symbols G, H, I, J, K, L, and M) have durability: x [fail (poor)] and / or antibacterial property: Δ Or x [fail (bad)]. On the other hand, the kitchen knife storage cases according to the examples (symbols A, B, C, D, E, and F) of the present invention have a durability of ◎ and pass (good), and an antibacterial property of ○. Passed (good). Thus, even under the condition that the constituent materials of the kitchen knife storage case are the same (in each case, stainless steel), the area of the gap, the distance between the adjacent gaps, and the total area (area%) of the gaps are the kitchen knife. It can be seen that this affects the durability and antibacterial properties of the storage case. That is, it can be seen that if the requirements according to the present invention are satisfied, the kitchen knife storage case can have good durability and antibacterial properties. Also, from such a point, it is understood that it is preferable to use the wire, the strip, or the punching metal according to the second invention (claim 2).
[0053]
As can be seen from Table 3, a kitchen knife storage case (Nos. 11 to 13) made of a material having antibacterial properties such as copper-containing antibacterial stainless steel, and a kitchen knife storage case made of metal such as stainless steel. (Nos. 14 to 20) which had been subjected to an antibacterial treatment to form an antibacterial film by surface treatment had excellent antibacterial properties of ◎ or ○. It is understood that the use of these materials having antibacterial properties and the antibacterial treatment improve the antibacterial properties. Among these, especially when the antibacterial treatment for applying the Ni alloy-based antibacterial plating film was performed (Nos. 17 to 20), the antibacterial property was ◎, indicating that the antibacterial property was most improved.
[0054]
[Table 1]
[0055]
[Table 2]
[0056]
[Table 3]
[0057]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to the kitchen knife storage case which concerns on this invention, even if the washing of a kitchen knife after use is inadequate or the washed kitchen knife is semi-dry, it is easy to dry and, therefore, suppresses propagation of various pathogenic bacteria. And the kitchen knife can be kept in a sanitary condition.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view showing the outline of a kitchen knife storage case, wherein FIG. 1 (A) is a front view, FIG. 1 (B) is a top view, and FIG. 1 (C) is a side view.
FIG. 2 is a schematic diagram showing a state where a kitchen knife is stored in a kitchen knife storage case.
