JP2004305305A - Adsorptive material - Google Patents

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JP2004305305A JP2003100097A JP2003100097A JP2004305305A JP 2004305305 A JP2004305305 A JP 2004305305A JP 2003100097 A JP2003100097 A JP 2003100097A JP 2003100097 A JP2003100097 A JP 2003100097A JP 2004305305 A JP2004305305 A JP 2004305305A
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Naoko Shibayama
尚子 柴山
Yoshihiro Koyama
義広 小山
Koutaku Kawabe
香拓 河邊
Yuko Miwa
優子 三輪
Yoko Sakiyama
庸子 崎山
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a material to adsorb or remove a super antigen or cytokine and a blood purification method using the material. <P>SOLUTION: The medical material is a medical material to remove or deactivate a super antigen and/or cytokine and has a spin-lattice relaxation time (T<SB>1</SB><SP>H</SP>) of a hydrogen nucleus observed by a solid high resolution carbon nucleus magnetic resonance method is 1.2 second or less. <P>COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スーパー抗原あるいはサイトカインを除去する、あるいは不活化する材料に関するものである。特に、血液中等の高濃度のタンパク質溶液中に存在するスーパー抗原あるいはサイトカインと結合することによって、その活性を失わせる材料に関するものであり、高濃度のタンパク質溶液中に存在するスーパー抗原あるいはサイトカインを除去する血液浄化カラムとして好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
一般抗原は、抗原提示細胞(antigen presenting cell;以下,APCと略す)内でプロセッシングを受けペプチド断片に分解された後、主要組織適合抗原複合体(major histocompatibility antigen complex;以下、MHCと略す)クラスII分子と複合体を形成して細胞表面に提示される。このときT細胞受容体(T cellrecepter;以下、TCRと略す)は超可変部の相補性決定領域を用いてMHCクラスII分子−ペプチド複合体を認識するため、活性化されるT細胞は限定される。一方、スーパー抗原はAPCによるプロセッシングを受けずにMHCクラスII分子とTCRのβ鎖可変領域部分(以下、Vβと略す)の外側に結合する。すなわちスーパー抗原はVβの中でも多様性に乏しい部分を認識するため、特定のVβを持つT細胞をその特異性に関係なく大量に活性化させる。T細胞の過剰な活性化に伴い、単球、マクロファージの活性化、サイトカインの大量放出が起こり、血圧低下、発熱などの症状が引き起こされると考えられている。スーパー抗原は細菌性、ウイルス性、植物性の3系統に分類できるが、中でも細菌性スーパー抗原はヒトの感染症と深く関連している。細菌性スーパー抗原として、黄色ブドウ球菌が産生する腸管毒素A、B、C、D、E(Staphyrococcus aureus A、B、C、D、E;以下順に、SEA、SEB、SEC、SED、SEEと略す)や、トキシックショックシンドロームトキシン−1(toxic shock syndrom toxin−1;以下、TSST−1と略す)、A群溶血性連鎖球菌が産生する外毒素A、C、F、G、H(Streptcoccal pyrogenic exotoxin A、C、F、G、H;以下順に、SPEA、SPEC、SPEF、SPEG、SPEHと略す)、エルシニア菌が産生する外毒素(Yersinia pseudotuberculosis−derived mitogen;以下、YPMと略す)が同定されている。
【0003】
スーパー抗原が関与している疾患としては、TSST−1に起因する毒素性ショック症候群(toxic shock syndrom;以下,TSSと略す)や新生児TSS様発疹症(Neonatal TSS−like exanthematous disease;以下、NTEDと略す)、YPMが原因の全身エルシニア菌感染症などがある。さらに、猩紅熱や劇症型A群連鎖球菌感染症、急性全身性血管炎である川崎病にも、スーパー抗原の関与が示唆されている。
【0004】
従来より、スーパー抗原が関与している疾患に対する治療としては抗菌薬の投与が行われているが、感染が薬物耐性菌によるものであった場合には抗菌薬の効果はなく、病態が改善しない場合があるうえ、近年、抗菌薬の安易な投与による薬物耐性菌の出現が問題になっている。また、スーパー抗原の作用を抑えるという目的で可溶性受容体やγグロブリン製剤などの抗体に代表されるような標的のスーパー抗原と特異的に結合してその作用を阻害するタンパク質、あるいは、受容体アンタゴニストのようにスーパー抗原と競合的にその受容体に結合するタンパク質を生体内に投与することが試みられてきたが、生体投与のための多量のタンパク質の調製には多大な費用がかかる。また、投与するγグロブリン製剤に含まれる抗体が標的のスーパー抗原に特異的でないために、病態が改善しない場合がある。さらに投与するタンパク質が生体にとって異物である場合には患者にとって不都合な免疫反応を惹起する場合がある。体液中に存在するTSST−1を除去する材料に関しては、たとえば特許文献1(特開平10−290833号公報)では疎水結合の高い化合物を固定した材料によってTSST−1を吸着する材料が開示されているが、TSST−1によって活性化された免疫系が過剰に放出する物質を除去あるいは不活化することができるものではないために、病態の改善効果は期待できない。
【0005】
サイトカインは、感染、外傷などの刺激により免疫担当細胞をはじめとする各種の細胞によって産生され細胞外に放出されて作用する一群のタンパク質である。本来は生体防御のために産生する免疫関連のタンパク質と考えられるが、生体内で過剰に産生されることにより各種炎症性疾患における組織障害や病態に関与することが明らかになっている。特に、全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome;以下、SIRSと略す)を引き起こす原因として、インターロイキン(以下、ILと略す)や腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor;以下、TNFと略す)やインターフェロン類が知られているが、その中でもIL−6やIL−8が近年注目されている。
【0006】
IL−6は非特許文献1に記載されているように、免疫・造血・急性期反応など、生体防御反応に広く関与する因子で、T細胞、マクロファージ、線維芽細胞などからマイトジェン、ウイルス感染、IL−1などの刺激により分泌される、分子量が約2万1千の糖タンパク質であり、ヒトでは184アミノ酸からなる(「免疫学辞典」(東京化学同人)、1993年)。IL−6は活性化B細胞に作用してIgM、IgG、IgAの各クラスの免疫グロブリンの産生を誘導することが確認されている。また、慢性関節リウマチや全身エリテマトーデスなどの自己免疫疾患や、高ガンマグロブリン血症などの発症に関与することが報告されており、さらに、重症急性膵炎においては、血中のIL−6の濃度が高値である場合には臓器不全を合併するなどの重症化の危険性が高いことが報告されている(「日本救急医学会雑」Volume 11,Number 10,October 2000)。
【0007】
IL−8は、活性化マクロファージをはじめとした種々の組織細胞によって産生される物質で、分子内に2つのジスルフィド結合を有した、72個のアミノ酸からなる塩基性のヘパリン結合性ポリペプチドである(「別冊医学のあゆみ サイトカイン−基礎から応用まで」医歯薬出版株式会社、1992年)。その代表的な生物活性として、好中球・T細胞・好塩基球に対する走化性を挙げることができる。また、好中球を活性化して炎症局所へ遊走させるだけでなく骨髄から末梢血への動員にも関与しており、リソソーム酵素の放出や好中球の血管内皮細胞への付着の変化、カンジダ菌の増殖抑制を亢進する。IL−8を腹腔もしくは静脈注射すると、1時間以内に末梢血中の好中球が増加し、皮下投与や関節腔内投与では投与された局所に大量の好中球ならびにTリンパ球の動員が観察される。とくに持続静脈内投与によって肺胞の破壊を引き起こしてacute respiratory distress syndrome(急性呼吸窮迫症候群;以下、ARDSと略す)様の様相を示したり、関節腔内投与では著名な滑膜破壊が認められるなどの強い臓器障害作用もある。In vivoにおいては、痛風、慢性関節リウマチ、腎盂腎炎、喘息、敗血症、ARDS、潰瘍性大腸炎などの疾患でIL−8が検出されている。また、肝炎、虚血性心疾患、ぶどう膜炎、免疫性血管炎といった疾患にもIL−8が関与していると考えられている。
SIRSは急性の重篤全身性の炎症反応に対して提案されている概念である。たとえば敗血症などの感染に起因した疾患や重症膵炎、熱傷、外傷など非感染性の疾患では重篤な全身性の炎症反応が観察されるが、この際に体温、心拍数、呼吸数、白血球数のうち2項目以上が異常であったときにSIRSの状態であるとしている。SIRSの状態ではIL−6やIL−8などの炎症性サイトカインの血中濃度が高く(高サイトカイン血症)、これらが作用することによって臓器不全をおこしたり全身性の炎症反応が進行して死に至ることが報告されている。このことから、SIRSの状態においては、いかに迅速に血中の炎症性サイトカインを除去あるいは不活化するかということが患者の予後を左右しているといえる。
【0008】
従来より、高サイトカイン血症に対する治療としてステロイドなどの薬剤投与により免疫を抑制するなどの方法がとられているが、この方法には免疫機能の低下による感染症の重症化の危険性が伴っており、かえって感染によってサイトカインの産生を惹起してしまう恐れがある。さらに、炎症性サイトカインの作用を抑えるという目的で抗体や可溶性受容体に代表されるような標的のサイトカインと特異的に結合してその作用を阻害するタンパク質、あるいは、受容体アンタゴニストのようにサイトカインと競合的にその受容体に結合するタンパク質を生体内に投与することが試みられてきたが、生体投与のための多量のタンパク質の調製には多大な費用がかかる。また投与するタンパク質が生体にとって異物である場合には患者にとって不都合な免疫反応を惹起する場合があり、これらにより投与可能な量、回数が制限される場合が多かった。また、免疫抑制やサイトカインの作用を阻害するといった方法では、短時間で体内の炎症性サイトカイン濃度を減少させることはできず、高サイトカイン血症の迅速な治療をすることはできなかった。一方、持続的血液濾過透析(continuous hemodiafiltration:以下、CHDFと略す)などの血液浄化による血中サイトカインの除去も試みられている。しかしながら、CHDFによる血液浄化では血中のサイトカインの除去速度は遅く、また、完全に除去することができずに常にある程度のサイトカインが血中に残存しているとの報告がある(非特許文献1参照)。CHDF用材料は本来、重症患者の腎補助療法として開発された材料であってサイトカイン除去のために開発された材料ではないため、材料が白血球を刺激することにより、体内におけるサイトカインの産生を惹起してしまう可能性が指摘されている。またCHDFによるサイトカインの除去効率は体内でのクリアランスと比較してごく小さく、血中濃度を低下させるほどではないとする報告もある(非特許文献2参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−290833号公報
【0010】
【非特許文献1】
織田ら「日本アフェレシス学会雑誌」、2002年、21巻、1号
【0011】
【非特許文献2】
Schetzら、「インテンシブ ケア メディスン(Intensive Care Medicine)」、1995年、21号、p169−176
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点を解消し、スーパー抗原あるいはサイトカインを効率よく迅速に除去または不活性化し、副作用が少ない安価な医療用材料を提供することを課題とする。
【0013】
上記課題を解決するため、スーパー抗原あるいはサイトカインに対して親和性があり、かつその活性を失わせる、あるいは吸着することによりスーパー抗原あるいはサイトカインを効率よく迅速に除去する材料を作製するという観点から検討を行った。
【0014】
本発明者らは鋭意検討の結果、固体高分解能13C−NMRによる水素核のスピン−格子緩和時間(以下、T と略す)が1.2秒以下である材料がスーパー抗原あるいはサイトカインと高い親和性を有し、スーパー抗原あるいはサイトカインを効率よく迅速に吸着あるいは除去できることを見出した。また、医療用のスーパー抗原あるいはサイトカイン除去薬あるいは医療用のスーパー抗原あるいはサイトカイン吸着材料および該吸着材料を用いた血液浄化材料および該材料を充填した血液浄化カラムを発明し、スーパー抗原が原因である疾患あるいは高サイトカイン血症に対して新しい治療材料および治療方法を提供することに成功した。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために下記の構成を有する。
【0016】
(1)スーパー抗原および/またはサイトカインを除去あるいは不活化する医療用材料であって、固体高分解能炭素核磁気共鳴法によって観測される水素核のスピン−格子緩和時間(T )が1.2秒以下であることを特徴とする医療用材料。
【0017】
(2)該スーパー抗原が細菌性の毒素であることを特徴とする(1)に記載の材料。
【0018】
(3)該細菌がグラム陽性菌であることを特徴とする(2)に記載の医療用材料。
【0019】
(4)該スーパー抗原がトキシックショックシンドロームトキシン−1であることを特徴とする(1)または(2)に記載の材料。
【0020】
(5)該サイトカインが炎症性のサイトカインであることを特徴とする(1)に記載の医療用材料。
【0021】
(6)該炎症性のサイトカインがインターロイキン−6またはインターロイキン−8であることを特徴とする(1)または(5)に記載の医療用材料。
【0022】
(7)水素結合形成可能な官能基を有することを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の医療用材料。
【0023】
(8)該水素結合形成可能な官能基が尿素結合あるいはチオ尿素結合あるいはアミド結合を有することを特徴とする(7)に記載の医療用材料。
【0024】
(9)水不溶性であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の医療用材料。
【0025】
(10)血液浄化用であることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の医療用材料。
【0026】
(11)(1)〜(10)のいずれかに記載の医療用材料を内部に充填することを特徴とする血液浄化用カラム
(12)(1)〜(10)のいずれかに記載の医療用材料あるいは(11)に記載の血液浄化カラムを用い、血液中のスーパー抗原を除去あるいは不活化させることを特徴とするスーパー抗原が原因である疾患の治療方法。
【0027】
(13)(1)〜(10)のいずれかに記載の医療用材料あるいは(11)に記載の血液浄化カラムを用い、血液中のサイトカインを除去あるいは不活化させることを特徴とする高サイトカイン血症の治療方法。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明は、効率よく迅速に、スーパー抗原が原因の疾患や高サイトカイン血症の治療を可能にする材料であって、スーパー抗原あるいはサイトカインを不活化させる、あるいは除去する材料である。
【0029】
本発明において「除去」とはスーパー抗原やサイトカインを吸着することによって物質を液中から外へ取り除くことを指す。また「不活化」とは、スーパー抗原やサイトカインの活性を失わせることを指し、活性を失わせる方法として、酵素反応や、化学的反応などにより、スーパー抗原やサイトカインを分解、変性させたり、活性部位と他の化合物を結合したりする方法などが考えられるが、これらに限定されない。
【0030】
本発明者らは、T が短い、すなわち材料の平均的な分子運動性が高い材料ほどスーパー抗原あるいはサイトカインを効率よく吸着あるいは不活化させることを見いだした。具体的には、T が1.2秒以下である材料がスーパー抗原あるいはサイトカインを効率よく除去あるいは不活化させるに好ましく、より好ましくはT が0.5秒から1.0秒である材料が、もっとも好ましくはT が0.8秒から1.0秒である材料がスーパー抗原あるいはサイトカインを効率よく除去あるいは不活化させることを見いだした。
【0031】
このような材料のなかでも、水素結合形成可能な官能基を有する材料が好ましく、該水素結合形成可能な官能基が尿素結合、チオ尿素結合あるいはアミド結合を有する材料がさらに好ましい。
【0032】
材料の平均的な分子運動性が高いということは、スーパー抗原あるいはサイトカインを不活化あるいは除去する性能を有する分子鎖の運動性が高いと考えることができる。つまりは、反応液中あるいは体液中における自由度が高いがゆえに、その分子鎖はスーパー抗原あるいはサイトカインと高い確率で接触するような場所に位置することができると考えられる。すなわち本発明の特徴は、スーパー抗原あるいはサイトカインと親和性を有する分子の密度や運動性の高さを評価することができるという事実を見いだしたことにより、スーパー抗原あるいはサイトカインを吸着もしくは不活化する材料についての新しい分子設計法を提案したことである。
【0033】
本発明おいては、水素核(H)のスピン−格子緩和時間(以下、水素核のスピン−格子緩和時間をT と略す)の測定に固体高分解能炭素核(13C)核磁気共鳴法を用いる。装置はケミマグネティクス(Chemagnetics)社製CMX−300を使用し、測定には交差分極−マジック角回転法(Cross Polarization/Magic Angle Spinning:以下、CP/MAS法と略す)を用いた。CP/MAS法はCP法、MAS法を併用した方法である。
【0034】
本発明における緩和とは、核磁気共鳴現象がおこった後に吸収したエネルギーを消失して核スピンが元の状態に戻ることをいう。水素核(H)や炭素核(13C)などといったスピン量子数が1/2である核が外部磁場の中に置かれると、核スピンは外部磁場に平行に配向したスピンと逆並行に配向したスピンの2種類にわかれる。このとき、外部磁場に平行に配向したスピンのエネルギーは低く、逆並行に配向したスピンのエネルギーは高いため、低い準位の核スピンの数は高い準位の核スピンの数と比べてわずかに多くなる(以下、高いエネルギー準位を「高い準位」、低いエネルギー準位を「低い準位」とよぶ)。この2つのエネルギー準位の差に相当する高周波磁場を核スピン系に照射すると、低い準位にある核スピンが高周波磁場のエネルギーを吸収して高い準位に励起することができる(核磁気共鳴現象)。高い準位に励起した核スピンは外部格子とのエネルギーのやりとりをおこない平衡状態に戻るが、このことを緩和現象という。また、核スピンが高い準位に入ってから平衡状態に戻るまでの時定数をスピン−格子緩和時間とよび、Tであらわす。このとき外部磁場の方向をz軸方向、外部磁場に対して垂直である面をxy平面として座標系(以下、実験室系、またはxyz軸座標系という場合がある)を定義するのが一般的である。
【0035】
本発明において、T の測定には、安藤勲編「高分子の固体NMR」(講談社)、1994年、p46、記載のパルス系列を用いる。本発明におけるパルスとは、観測すべきすべての周波数を含んだ、短時間一定強度をもつ電気信号をいう。
【0036】
上述のxyz座標系(実験室系)に対して核スピンの回転と同じ速さで回転している座標系(x’y’z’座標系または回転系という)を定義すると、磁化の方向はz’軸方向となる。本発明では吸着材料の分子運動性を測定することを目的として、Hに180°パルスを照射して磁化を−z’軸方向に反転させた後、適当な時間(可変パラメーター;τ)をおき、この後さらに90°パルスを照射して磁化をy’軸方向に倒して磁化が回復していく様子(緩和)を観測した。またこのとき、Hの磁化をCPを用いて13Cに移し、この13Cの強度を観測することによって間接的にHのシグナル強度を測定した。
【0037】
パルス照射後の待ち時間(可変パラメーター;τ)を何段階か変化させると、その待ち時間に対応したスペクトルが得られる。さらに、得られた各スペクトルにおける水素核ピークの積分強度を待ち時間に対してプロットすると、緩和曲線を得ることができる。本発明では、スピンサイト(Spinsight)(ケミマグネティック社)の計算式を用い、得られた緩和曲線からT を算出した。
【0038】
本発明においてはT の値が大きいほどポリマーの分子運動性は小さく、反対にT が小さいほど、ポリマーの分子運動性が大きいことに対応している。
【0039】
本発明の材料の除去対象としてのスーパー抗原は、特に限定はされず、一般にスーパー抗原として分類されているものであればよいが、APCによるプロセッシングを受けずにMHCクラスII分子とTCRVβの外側に結合することで免疫学的な特異性を超えてT細胞を過剰に活性化するものが好ましく、化学薬品や医薬品あるいは内因性の蛋白質や外因性の毒素蛋白質が挙げられる。本発明では特に、細菌由来のスーパー抗原が除去対象として好ましい。細菌としては、スーパー抗原を産生するものであればよく、大腸菌や緑膿菌、肺炎桿菌等のグラム陰性菌あるいは黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、連鎖球菌、枯草菌などのグラム陽性菌が挙げられるがこれらに限定されない。本発明では特に、黄色ブドウ球菌とA群連鎖球菌等のスーパー抗原産生菌が対象として好ましい。
【0040】
本発明の材料の除去対象のサイトカインは、特に限定されないが、一般に炎症性サイトカインとして分類されている一群のタンパク、例えばIL−6やIL−8などが好適である。中でも、本発明の材料は、高サイトカイン血症治療用に好適に用いられる。
【0041】
なお、本発明の材料の除去対象としてのサイトカインの由来としては、ヒト、ウサギ、ブタ由来のサイトカインが挙げられるがこれらに限定されない。
【0042】
本発明の材料は、水素核のスピン−格子緩和時間(T )が1.2秒以下であることが必要であるが、この要件を満たす限り、スーパー抗原あるいはサイトカインを不活化する、またはスーパー抗原あるいはサイトカインと親和性を有する材料であればよく、特に限定されない。
【0043】
スーパー抗原あるいはサイトカインを不活化する方法としては、前述の通り酵素反応や、化学的反応など種々考えられるが、特に限定はされない。
【0044】
スーパー抗原あるいはサイトカインと親和性を有する材料としては特に限定はされないが、化学的に合成されるアフィニティークロマトグラフの官能基のような低分子構造を有する材料が好ましい。化学的に合成されるアフィニティークロマトグラフの官能基としては、スーパー抗原あるいはサイトカインに結合するものであればよいが、より好ましくは安価であり、滅菌しやすい化学合成の低分子構造が用いられ、より好ましくは尿素結合あるいはチオ尿素結合あるいはアミド結合を有している構造が用いられる。尿素結合、チオ尿素結合あるいはアミド結合に続く構造としては特に限定はされず、プロパン、ヘキサン、オクタン、ドデカン等の脂肪族化合物やシクロヘキサン、シクロペンタンのような脂環族化合物を用いることができるが、親和性の高さを考慮するとベンゼン、ナフタレン、アントラセン等の芳香族化合物がより好ましく用いられる。ブロモヘプタン、クロロシクロヘキサン、メチルベンゼン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、ジフェニルメタン、クロロナフタレン等の誘導体も好適に用いられる。
【0045】
尿素結合、チオ尿素結合あるいはアミド結合に続く構造としては、アミノ基あるいは水酸基あるいはカルボキシル基を有する構造も用いることができる。例えばアミノ基を有する構造としては、アミノヘキサン、モノメチルアミノヘキサン、ジメチルアミノヘキサン、アミノオクタン、アミノドデカン、アミノジフェニルメタン、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール、3−アミノ−1−プロペン、アミノピリジン、アミノベンゼンスルホン酸、トリス(2−アミノエチル)アミン等や、ジアミノエタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレントリアミン、ポリエチレンイミン、N’−メチル−2,2’ジアミノジエチルアミン、N−アセチルエチレンジアミン、1,2−ビス(2−アミノエトキシエタン)等のようなアミノ基を複数個有する化合物(ポリアミンということがある)が用いられる。また、水酸基を有する構造としては、ヒドロキシプロパン、2−エタノールアミン、1,3ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン、ヒドロキシブタノン、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシピリジン等や、グルコース、グルコサミン、ガラクトサミン、マルトース、セルビオース、スクロース、アガロース、セルロース、キチン、キトサン等の単糖、オリゴ糖、多糖等の糖質あるいはそれらの誘導体を用いることができるがこれらに限定されない。また、カルボキシル基を有する構造としては、β−アラニン、n−カプロン酸、イソ酪酸、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸等を用いることができる。本発明の材料は、尿素結合あるいは、チオ尿素結合あるいはアミド結合に続く構造として芳香族化合物とアミノ基あるいは水酸基を有する構造の両方を有することが好ましい。
【0046】
さらに、尿素結合、チオ尿素結合、アミド結合を分子構造内に複数個有するような、ポリ尿素、ポリチオ尿素、ポリアミドも本発明の材料として用いることができる。この場合にも、尿素結合、チオ尿素結合、アミド結合に続く構造として上記構造のいずれをも用いることができるが、同様に、水酸基、アミノ基やカルボキシル基と芳香族化合物の両方を用いることが好ましい。
【0047】
また、本発明の材料としては、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれでも良く、本発明の材料の担体として、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレンなどの合成高分子や、セルロース、コラーゲン、キチン、キトサン、およびそれらの誘導体を含む天然高分子などが好適に用いられる。
【0048】
さらに上記モノマー、オリゴマー、ポリマーあるいはその一部が重合されているもの、モノマー、オリゴマー、ポリマーあるいはその一部が重合されているものと上記分子との化合物も本発明の材料に含まれる。すなわち、上記構造あるいはその一部として、つまり、単独重合、共重合あるいはブレンドされたこれら合成高分子や天然高分子などに、尿素結合あるいは/およびチオ尿素結合あるいは/およびアミド結合を導入することが好適に行われる。さらに、金属、セラミックス、ガラスなどの無機材料を適当な高分子で被覆したものも好適に用いられる。
【0049】
本発明の材料において、脂肪族化合物や芳香族化合物に尿素結合あるいはチオ尿素結合を導入する場合には、イソシアネート化合物あるいはイソチオシアネート化合物とアミノ化合物とを反応させて合成することができる。また、脂肪族化合物と芳香族化合物にアミド基を導入する場合には、例えば酸、酸塩化物あるいは酸無水物とアミノ化合物とを反応させる方法を用いることができる。アミノ化合物とイソシアネート化合物、イソチオシアネート化合物、酸、酸塩化物あるいは酸無水物の混合比は適宜に選択でき、通常、イソシアネート化合物、イソチオシアネート化合物、酸、酸塩化物あるいは酸無水物1モルに対して0.1〜10モルのアミノ化合物が好ましく用いられる。イソシアネート化合物あるいはイソチオシアネート化合物としては例えば、エチルイソシアネート、ステアリルイソシアネート、n−ブチルイソシアネート、iso−ブチルイソシアネート、n−プロピルイソシアネート、メチルイソチオシアネート、エチルイソチオシアネート、n−ブチルイソチオシアネート、ベンジルイソチオシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、シクロヘキシルチオイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート化合物あるいはイソチオシアネート化合物のいずれをも用いることができるが、より好ましくはフェニルイソシアネート、クロロフェニルイソシアネート、フルオロフェニルイソシアネート、ブロモフェニルイソシアネート、ニトロフェニルイソシアネート、トリルイソシアネート、メトキシフェニルイソシアネート、1−ナフチルイソシアネート、4,4’ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’,5,5’テトラエチル4,4’ジイソシアナトジフェニルメタン、フェニルイソチオシアネート、クロロフェニルイソチオシアネート、フルオロフェニルイソチオシアネート、ニトロフェニルイソチオシアネート、トリルイソチオシアネート、メトキシフェニルイソチオシアネート、1−ナフチルイソチオシアネート等の芳香族イソシアネート化合物あるいはイソチオシアネート化合物が用いられる。酸塩化物としては例えば、イソバレリルクロライド、ステアロイルクロライド、シクロヘキサンカルボニルクロライド、6−クロロニコチン酸クロライド等の脂肪族酸塩化物のいずれをも用いることができるが、より好ましくはベンゾイルクロライド、3,4−ジクロロベンゾイルクロライド、ニトロベンゾイルクロライド、4−クロロベンゾイルクロライド、4−トルオイルクロライド、ベンゾ−[b]チオフェン−2−カルボニルクロライド等の芳香族酸塩化物を用いることができる。また、酸無水物としては例えば、無水酢酸、無水コハク酸、無水フタル酸、無水安息香酸等を好ましく用いることができる。また、本発明に用いるアミノ化合物のアミノ基としては1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基のいずれでも良く、アミノ化合物としては例えば、アンモニア、sec−オクチルアミン、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール、3−アミノ−1−プロペン、アミノピリジン、アミノベンゼンスルホン酸、トリス(2−アミノエチル)アミン等を好ましく用いることができる。
【0050】
また、本発明の材料に尿素結合、チオ尿素結合あるいはアミド結合を導入するためには、ポリアミノ化合物や水酸基あるいはカルボキシル基を有するアミノ化合物も好ましく用いることができる。ポリアミノ化合物としては例えば、ジアミノエタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレントリアミン、N’−メチル−2,2’ジアミノジエチルアミン、ポリエチレンイミン、N−アセチルエチレンジアミン、1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン等のいずれをも用いることができる。水酸基を有するアミノ化合物としては、2−エタノールアミン、3−プロパノールアミン、6−ヘキサノールアミン、1,3ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、グルカミン、N−メチル1,3−ジアミノプロパノール等の脂肪族アミン、あるいは、4−アミノフェノール、ジアミノフェノール、アミノヒドロキシピリミジン、ジアミノヒドロキシピリミジン、ジアミノヒドロキシピラゾール等の芳香族アミン、あるいはセリン、チロシン等のアミノ酸類が用いられる。
【0051】
また、エピクロロヒドロリンおよびアミノ化合物、あるいは1,3ジブロモ−2−ヒドロキシプロパンを反応させることによって水酸基のみを有する化合物あるいはアミノ基のみを有する化合物から水酸基を有するアミノ化合物を合成することも可能である。
【0052】
また、糖質に尿素結合、チオ尿素結合あるいはアミド結合を導入する場合も上記と同様な方法を用いることができる。たとえば、キトサンやグルコミサンのようなアミノ基を有する糖質の場合には、上述したようなイソシアネート化合物、イソチオシアネート化合物、酸、酸塩化物あるいは酸無水物を反応させることができる。セルロースのようなアミノ基を有さない糖質の場合には、糖質の水酸基をエピクロルヒドリン、トレシルクロライド等を用いて活性化させた後に、アンモニアやジアミノエタンなどと反応させてアミノ基を導入し、このアミノ基を利用して糖質に尿素結合、チオ尿素結合、アミド結合を導入することができる。カルボキシル基を有するアミノ化合物としては例えば、β−アラニン、4−アミノ−n−酪酸、γ−アミノ−β−ヒドロキシ−n−酪酸、6−アミノ−n−カプロンサン等を用いることができる。
【0053】
さらに、本発明の材料がオリゴマーあるいはポリマーの場合には、例えば、イソシアネート基、カルボキシル基あるいはスクシンイミド基等のカルボン酸の活性エステル基を有するオリゴマーあるいはポリマーに、アミノ基を反応させる方法が好ましく用いられる。また、アミノ基を有するオリゴマー、ポリマー、あるいはアンモニア、ジアミノエタン、1,3ジアミノプロパン、1,3ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン、1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン、トリス(2−アミノエチル)アミン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノールなどによりアミノ基を導入したオリゴマー、ポリマーに上述したようなイソシアネート化合物、イソチオシアネート化合物、酸、酸塩化物あるいは酸無水物を反応させることも好ましい方法である。また、酸塩化物やイソシアネート化合物がアミノ基以外の基に反応しないように、反応時間、反応温度あるいは混合比などを制御したり、保護基を用いることが好ましい。アミノ基、イソシアネート基、カルボキシル基あるいはスクシンイミド基等のカルボン酸の活性エステル基、酸塩化物基、酸無水物基などの官能基は、必要に応じてオリゴマー、ポリマーに導入することができる。
【0054】
さらに本発明の材料にポリ尿素あるいはポリチオ尿素が含まれる場合には、たとえばポリイソシアネート化合物あるいはポリイソチオシアネート化合物とポリアミノ化合物とを反応させる方法を用いて製造することができる。通常、試薬の量はポリイソシアネート化合物あるいはポリイソチオシアネート化合物1モルに対して、0.1〜10モルのポリアミンが好ましく用いられる。ポリイソシアネート化合物あるいはポリイソチオシアネート化合物としてはヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’5,5’テトラエチル4,4’ジイソシアナトジフェニルメタン、キシレンジイソシアネート、メチレンビス(4−フェニルイソチオシアネート)等が好適に用いられる。また、ポリアミノ化合物としてはジアミノエタン、ジアミノプロパン、1,3ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン、N’−メチル1,3−ジアミノ−2−プロパノール、ジアミノフェノール、N,N’−ジアミノピペラジン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ジプロピレントリアミン、N’−メチル2,2’−ジアミノジエチルアミンなどを好ましく用いることができる。さらに、本発明材料がポリアミドの場合には、例えばポリカルボン酸とポリアミンを重縮合させる方法を用いることができる。また、ポリ尿素、ポリチオ尿素、ポリアミドのいずれにおいても、ポリイソシアネート、ポリイソチオシアネート、ポリカルボン酸などを用いずに、各々の官能基を一つずつ順次導入することによって最終的にポリ尿素、ポリチオ尿素、ポリアミドを得る方法も好ましく行われる。
【0055】
上記全ての反応は標準的には、反応温度は0〜150℃、反応時間は0.1〜24時間で行われる。また、反応溶媒は必ずしも必要ではないが、一般的には溶媒の存在下に行われる。使用しうる溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、ヘキサン、アセトン、N,Nジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類が挙げられる。反応終了後の反応液は、必要に応じ、ろ過、濃縮などの通常の後処理の後、カラムクロマトグラフィー、再結晶などの操作により精製することができる。また、水不溶性の材料の場合、ガラスフィルター等を用いて洗浄することも好ましい方法である。
【0056】
本発明の材料のT を1.2秒以下にするためには、材料の分子運動性が高くなるように材料を製造すればよい。すなわち本発明の材料の分子運動性が高くなるような鎖長を有する分子を用いたり、分子内結合が少なくなるように材料を製造することで分子の自由度を高めるなどの方法が考えられる。しかしながら、分子鎖が長すぎれば水素結合、分子間力などの分子内結合により材料の運動性が低められてしまい、逆に、短い分子鎖では運動能力が低いことにより、材料の運動性も低くなってしまう。また、分子鎖の長さが適度である場合でも、分子鎖の担体への固定化量が多すぎれば分子鎖の自由度がなくなるために材料の運動性が低められてしまい、逆に、分子鎖の固定化量が少なすぎると、分子鎖による運動が低くなることにより材料の運動性を低めてしまう。本発明の材料は上記に記載の分子を組み合わせて製造することができるが、たとえば、本発明の材料として、ポリスチレンにアミドメチル基を固定化し、それによって形成されるアミド結合に続く分子としてアミノ基を有する物質を導入する場合は上記に記載のポリアミンを用いることができ、尿素結合を形成するためにポリアミンに続いてパラクロロフェニルイソシアネートを導入すれば、スーパー抗原あるいはサイトカインを除去あるいは不活化できる、T が1.2秒以下となる材料を作成することができる。たとえばDMSO溶媒中においてポリアミンとしてテトラエチレンペンタミンを用いる場合の反応過程におけるテトラエチレンペンタミン添加量は、ポリスチレンの繰り返し最小単位を1分子としたとき、ポリスチレン1molに対して好ましくは400mmolから100mmolであり、もっとも好ましくは200mmolであるが、これ以外の溶媒や分子を用いた場合の添加量はこれに限らない。
【0057】
本発明の材料の中で水不溶性のものは、スーパー抗原およびサイトカインの除去カラムを構成する材料として好ましく用いられる。本発明の材料の形状としては特に限定はないが、カラムとして用いる場合には、ビーズ、繊維、中空繊維、糸束、ヤーン、ネット、編み地、不織布、織物等が好ましい。
【0058】
スーパー抗原あるいはサイトカインを不活化あるいは除去する部分の機械的強度が低い場合は、たとえば機械的強度の高い材料を芯材として用いることができる。芯材は、本発明材料の機械的強度を補強できる材料であれば特に限定はない。芯材の形状としては特に限定はなく、たとえば本発明材料を繊維状とする場合、海島型繊維とすることができる。島成分を補強用材料として用いるような海島型繊維は、例えば米国特許第4661260号明細書に記載の方法を用いて製造することができる。
【0059】
また、本発明の材料は単独での使用のみならず、適当な材料にさらに固定化したり、他材料と混合して一つのカラムあるいは被覆材料として用いることもできる。固定化あるいは混合などの操作は、前記形状に加工する前に行っても良いし、加工した後に行っても良い。
【0060】
スーパー抗原が原因である疾患あるいは高サイトカイン血症の治療方法としては、スーパー抗原あるいはサイトカインと親和性のある、あるいは不活化させる構造を有する材料を血中に投与したり、あるいは水不溶性にして血液カラムとし、血液を体外循環させて除去することができるが、特に限定されることはない。本発明の材料を用いたカラムを体外循環用カラムとして用いる場合には、体外に導出した血液を直接カラムに通しても良いし、血漿分離膜などと組み合わせて使用しても良い。
【0061】
【実施例】
以下に実施例を用いて詳細に説明を加えるが、発明の内容が実施例に限定されるものではない。
【0062】
実施例1:スーパー抗原あるいはサイトカインを除去あるいは不活化する材料の作製
50重量比の海成分(ポリスチレン)と50重量比の島成分(ポリプロピレン)とからなる海島型複合繊維(強度:0.76g/d、伸度:69%、太さ:9.07デニール、島の数:16)30gを、60gのN−メチロール−α−クロロアセトアミド、400gのニトロベンゼン、400gの98%硫酸、0.86gのパラホルムアルデヒドの混合溶液と20℃で1時間反応させた。その後、繊維をニトロベンゼンで洗浄し、その後メタノールにより反応を停止させた後、さらにメタノールで洗浄することによりαクロロアセトアミドメチル化架橋ポリスチレン繊維(以下AMPSt繊維と略す)を得た。
【0063】
次に、テトラエチレンペンタミン5.0gを添加し、ジメチルスルホキシド(以下DMSOと略す)500mlを用いて洗浄した。さらにその繊維を1.9gの4−クロロフェニルイソシアネートを溶解したDMSO1000mlの溶液に添加し、反応を30℃で1時間行った。その後、ガラスフィルター上でDMSO1000mlを用いて洗浄し、さらに蒸留水1000mlを用いて洗浄し、尿素結合を導入したAMPSt繊維(UAMP繊維と略す)を得た。作成した材料のT が後述の測定方法で測定した。
【0064】
ここで、作製したUAMP繊維を用いて、TSST−1(トキシンテクノロジー社製)、ヒト由来のサイトカインであるIL−6(以下h−IL−6と略す。ペプロテック社製)、およびヒト由来のサイトカインであるIL−8(以下h−IL−8と略す。ペプロテック社製)の吸着試験を行った。TSST−1、h−IL−6、h−IL−8がそれぞれ1ng/mlの濃度になるように牛胎児血清(シグマ社製)中に溶解させ被吸着溶液とした。UAMP2cmをそれぞれこの被吸着溶液1.4ml中に添加し、37℃で2時間旋回撹拌しつつ吸着反応を行った。吸着前後のTSST−1、h−IL−6、h−IL−8濃度を測定した。
【0065】
【表1】

Figure 2004305305
【0066】
このようにTSST−1、h−IL−6、h−IL−8濃度が低下することが確認され、TSST−1、h−IL−6、h−IL−8に対して高い吸着率を有する繊維が作成されたことが示された。
【0067】
(T の測定)
作製したUAMP繊維を自然乾燥させてテフロン(登録商標)製の高速測定用試料管にいれ、ケミマグネティック社のCMX−300分光器(13C:75.0MHz)を用いてT の測定をおこなったところ、T は0.5秒から0.7秒であった。
【0068】
【表2】
Figure 2004305305
【0069】
の測定は下記条件で行った。
【0070】
測定周波数=75.189829MHz
試料回転数=10.5KHz
パルス幅=4.5μsec
パルス待ち時間=10sec
コンタクトタイム=1.5msec
測定温度=20℃
τ=0.01ms、0.1ms、1ms、10ms、100ms、300ms、500ms、1000ms、1500ms、2000ms、3000ms、5000ms、7000ms、10000ms
得られたピークの積分強度を待ち時間に対してプロットし、この緩和曲線から最小二乗法によってT を算出した。最小二乗法の計算式としてケミマグネティック社スピンサイト(Chemagnetic Spinsight)ソフト中のt13irを用いた。
t13irは次式[I]で表される。
【0071】
【数1】
Figure 2004305305
【0072】
比較例1:
実施例1において作成した材料を、テトラエチレンペンタミンの添加量を1.562g(比較例1a)、160g(比較例1b)に変更する以外は実施例1と全く同様にして作成し、実施例1と全く同様の吸着試験をおこなった(表1)。
【0073】
このように、本実施例、比較例で用いた材料においてはテトラエチレンペンタミンの添加量によってT を変化させることができ、T の値によってTSST−1、h−IL−6、h−IL−8の吸着率に差があることが確認された。
【0074】
比較例2:
比較例1において作製したUAMP繊維を固体高分解能13C−NMRによってT を測定した。
このように、テトラエチレンペンタミンの添加量によってT に差があることが確認された(表2)。
【0075】
比較例1および2より、T が長いUAMP繊維ほどTSST−1、h−IL−6、h−IL−8の吸着率が低下することが確認された。
【0076】
【発明の効果】
本発明により、高タンパク質濃度の溶液中においてもスーパー抗原あるいはサイトカインを除去あるいは不活化することにより、スーパー抗原が原因の疾患を治療する、あるいはSIRSを予防する、あるいは高サイトカイン血症を改善させる材料および治療方法が提供できた。本発明の材料を用いて血液中に存在するスーパー抗原あるいはサイトカインを除去あるいは不活化できるため、スーパー抗原が原因である高サイトカイン血症などやSIRSの状態を改善あるいは予防することができる薬剤あるいは血液浄化用のカラムを提供することが可能となった。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a material that removes or inactivates superantigens or cytokines. In particular, it relates to materials that lose their activity by binding to superantigens or cytokines present in high-concentration protein solutions such as blood, and remove superantigens or cytokines present in high-concentration protein solutions. It is preferably used as a blood purification column.
[0002]
[Prior art]
A general antigen is processed in an antigen presenting cell (hereinafter abbreviated as APC), decomposed into peptide fragments, and then a major histocompatibility antigen complex (hereinafter abbreviated as MHC) class. It forms a complex with the II molecule and is presented on the cell surface. At this time, the T cell receptor (hereinafter referred to as TCR) recognizes the MHC class II molecule-peptide complex using the complementarity determining region of the hypervariable region, so that the activated T cells are limited. The On the other hand, the superantigen binds to the outside of the MHC class II molecule and the TCR β chain variable region (hereinafter abbreviated as Vβ) without being processed by APC. That is, since the superantigen recognizes a portion of Vβ that lacks diversity, it activates a large amount of T cells having a specific Vβ regardless of its specificity. It is believed that along with excessive activation of T cells, monocytes and macrophages are activated and cytokines are released in large quantities, causing symptoms such as decreased blood pressure and fever. Superantigens can be classified into three strains, bacterial, viral, and plant. Among them, bacterial superantigens are closely related to human infections. Enteric toxins A, B, C, D and E produced by Staphylococcus aureus as bacterial superantigens (Staphylococcus aureus A, B, C, D, E; hereinafter abbreviated as SEA, SEB, SEC, SED, SEE) ), Toxic shock syndrome toxin-1 (hereinafter abbreviated as TSST-1), exotoxins A, C, F, G, H produced by group A hemolytic streptococci (Streptococcal pyrogenic exotoxin) A, C, F, G, H; hereinafter abbreviated as SPEA, SPEC, SPEF, SPEG, SPE), exotoxin produced by Yersinia (Yersinia pseudotuberculosis-derived mitogen; hereinafter abbreviated as YPM) There has been identified.
[0003]
Diseases involving superantigens include toxic shock syndrome (hereinafter abbreviated as TSS) caused by TSST-1 and neonatal TSS-like exanthematous disease (hereinafter referred to as NTED). Abbreviated), systemic Yersinia infections caused by YPM, and the like. Furthermore, super antigens have been implicated in scarlet fever, fulminant group A streptococcal infection, and Kawasaki disease, which is acute systemic vasculitis.
[0004]
Conventionally, antibiotics have been administered as a treatment for diseases involving superantigens, but if the infection is caused by drug-resistant bacteria, the antibiotics are not effective and the pathology does not improve In addition, in recent years, the emergence of drug-resistant bacteria due to easy administration of antibacterial drugs has become a problem. In addition, for the purpose of suppressing the action of the superantigen, a protein or receptor antagonist that specifically binds to and inhibits the action of a target superantigen represented by an antibody such as a soluble receptor or a gamma globulin preparation. As described above, attempts have been made to administer a protein that binds to its receptor competitively with a superantigen as described above, but preparation of a large amount of protein for bioadministration is very expensive. Moreover, since the antibody contained in the γ globulin preparation to be administered is not specific for the target superantigen, the pathological condition may not be improved. Furthermore, if the protein to be administered is a foreign substance for the living body, an immune reaction unfavorable to the patient may be induced. Regarding materials for removing TSST-1 present in body fluids, for example, Patent Document 1 (Japanese Patent Laid-Open No. 10-290833) discloses a material that adsorbs TSST-1 by a material in which a compound having a high hydrophobic bond is immobilized. However, since the substance released excessively by the immune system activated by TSST-1 cannot be removed or inactivated, an effect of improving the disease state cannot be expected.
[0005]
Cytokines are a group of proteins that are produced by various types of cells including immunocompetent cells and stimulated by infection, trauma, and the like, and are released from the cells. Originally considered to be an immune-related protein produced for biological defense, it has been revealed that it is involved in tissue disorders and pathologies in various inflammatory diseases by being excessively produced in vivo. In particular, causes of systemic inflammatory response syndrome (hereinafter abbreviated as SIRS) include interleukin (hereinafter abbreviated as IL), tumor necrosis factor (hereinafter abbreviated as TNF) and interferon. Among them, IL-6 and IL-8 are recently attracting attention.
[0006]
As described in Non-Patent Document 1, IL-6 is a factor that is widely involved in biological defense reactions such as immunity, hematopoiesis, and acute phase reactions. From T cells, macrophages, fibroblasts and the like, mitogens, viral infections, It is a glycoprotein having a molecular weight of about 21,000 and secreted by stimuli such as IL-1, and consists of 184 amino acids in humans ("Immunology Dictionary" (Tokyo Kagaku Dojin), 1993). IL-6 has been confirmed to act on activated B cells and induce the production of IgM, IgG, and IgA classes of immunoglobulins. In addition, it has been reported to be involved in the development of autoimmune diseases such as rheumatoid arthritis and systemic lupus erythematosus and hypergammaglobulinemia. In severe acute pancreatitis, the concentration of IL-6 in the blood is also reported. When the value is high, it has been reported that there is a high risk of becoming serious such as organ failure (“Japanese Emergency Medical Association” Volume 11, Number 10, October 2000).
[0007]
IL-8 is a substance produced by various tissue cells including activated macrophages and is a basic heparin-binding polypeptide consisting of 72 amino acids with two disulfide bonds in the molecule. ("A History of Separate Medicine, Cytokines-From Basics to Applications", Dentistry Publishing Co., Ltd., 1992). The typical biological activity includes chemotaxis to neutrophils, T cells, and basophils. In addition to activating neutrophils and migrating to the local area of inflammation, they are also involved in the mobilization of bone marrow to peripheral blood, lysosomal enzyme release, changes in neutrophil adhesion to vascular endothelial cells, Candida Increases the growth inhibition of bacteria. When IL-8 is injected intraperitoneally or intravenously, neutrophils in peripheral blood increase within 1 hour, and a large amount of neutrophils and T lymphocytes are mobilized locally in the subcutaneous and intraarticular administration. Observed. In particular, continuous intravenous administration causes destruction of alveoli and shows an aspect of acute respiratory distress syndrome (hereinafter referred to as ARDS), and prominent synovial destruction is observed when administered intraarticularly. There is also a strong organ damage effect. In vivo, IL-8 has been detected in diseases such as gout, rheumatoid arthritis, pyelonephritis, asthma, sepsis, ARDS, and ulcerative colitis. IL-8 is also considered to be involved in diseases such as hepatitis, ischemic heart disease, uveitis and immune vasculitis.
SIRS is a proposed concept for acute severe systemic inflammatory reactions. For example, severe systemic inflammatory reactions are observed in diseases caused by infections such as sepsis and non-infectious diseases such as severe pancreatitis, burns, and trauma. At this time, body temperature, heart rate, respiratory rate, white blood cell count When two or more items are abnormal, the SIRS state is assumed. In the SIRS state, blood levels of inflammatory cytokines such as IL-6 and IL-8 are high (hypercytokineemia), and these act to cause organ failure or systemic inflammatory reaction to progress and die. Has been reported. From this, it can be said that in the state of SIRS, how quickly inflammatory cytokines in blood are removed or inactivated influences the prognosis of patients.
[0008]
Conventionally, as a treatment for hypercytokinemia, methods such as suppression of immunity by administration of drugs such as steroids have been taken, but this method is associated with the risk of increasing the severity of infection due to decreased immune function On the contrary, there is a risk of causing cytokine production by infection. Furthermore, in order to suppress the action of inflammatory cytokines, proteins that specifically bind to target cytokines such as antibodies and soluble receptors and inhibit the action, or cytokines such as receptor antagonists. Attempts have been made to administer in vivo a protein that competitively binds to its receptor, but the preparation of large amounts of protein for in vivo administration is costly. In addition, when the administered protein is a foreign substance for a living body, an immune reaction that is inconvenient for the patient may be caused, and the amount and number of administrations are often limited by these. In addition, methods such as immunosuppression and inhibiting the action of cytokines have not been able to reduce the inflammatory cytokine concentration in the body in a short time, and have not been able to rapidly treat hypercytokinemia. On the other hand, removal of cytokines in blood by blood purification such as continuous hemodiafiltration (hereinafter abbreviated as CHDF) has also been attempted. However, in blood purification with CHDF, the removal rate of cytokines in the blood is slow, and there is a report that a certain amount of cytokines always remain in the blood because they cannot be completely removed (Non-patent Document 1). reference). Since the CHDF material was originally developed as a renal adjunct therapy for critically ill patients and not for removing cytokines, the material stimulates leukocytes to cause cytokine production in the body. It has been pointed out that this could happen. There is also a report that the removal efficiency of cytokines by CHDF is very small compared with the clearance in the body and is not so low as to reduce the blood concentration (see Non-Patent Document 2).
[0009]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Laid-Open No. 10-290833
[0010]
[Non-Patent Document 1]
Oda et al., “The Journal of Japanese Society of Apheresis”, 2002, Volume 21, Issue 1
[0011]
[Non-Patent Document 2]
Schetz et al., “Intensive Care Medicine”, 1995, 21, p169-176.
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to solve the above-mentioned problems of the prior art, and to provide an inexpensive medical material with few side effects by removing or inactivating superantigen or cytokine efficiently and rapidly.
[0013]
In order to solve the above-mentioned problems, the study was conducted from the viewpoint of producing a material that has an affinity for superantigen or cytokine and loses its activity or adsorbs it to efficiently and quickly remove superantigen or cytokine. Went.
[0014]
As a result of intensive studies, the present inventors have determined that solid high resolution13Spin-lattice relaxation time of hydrogen nuclei by C-NMR (hereinafter referred to as T1 HIt has been found that a material having an abbreviation of 1.2 seconds or less has a high affinity for superantigens or cytokines, and that superantigens or cytokines can be adsorbed or removed quickly and efficiently. Also, invented a medical superantigen or cytokine-removing drug or medical superantigen or cytokine adsorbing material, a blood purification material using the adsorbing material, and a blood purification column filled with the material, and the superantigen is the cause. We have succeeded in providing new therapeutic materials and methods for diseases or hypercytokinemia.
[0015]
[Means for Solving the Problems]
The present invention has the following configuration in order to solve the above problems.
[0016]
(1) A medical material that removes or inactivates superantigens and / or cytokines, and is a spin-lattice relaxation time (T) of a hydrogen nucleus observed by solid-state high-resolution carbon nuclear magnetic resonance1 H) Is 1.2 seconds or less.
[0017]
(2) The material according to (1), wherein the superantigen is a bacterial toxin.
[0018]
(3) The medical material according to (2), wherein the bacterium is a Gram-positive bacterium.
[0019]
(4) The material according to (1) or (2), wherein the superantigen is toxic shock syndrome toxin-1.
[0020]
(5) The medical material according to (1), wherein the cytokine is an inflammatory cytokine.
[0021]
(6) The medical material according to (1) or (5), wherein the inflammatory cytokine is interleukin-6 or interleukin-8.
[0022]
(7) The medical material according to any one of (1) to (6), which has a functional group capable of forming a hydrogen bond.
[0023]
(8) The medical material according to (7), wherein the functional group capable of forming a hydrogen bond has a urea bond, a thiourea bond, or an amide bond.
[0024]
(9) The medical material according to any one of (1) to (8), which is water-insoluble.
[0025]
(10) The medical material according to any one of (1) to (9), which is for blood purification.
[0026]
(11) A blood purification column characterized in that the medical material according to any one of (1) to (10) is filled therein.
(12) Superantigen characterized by removing or inactivating superantigen in blood using the medical material according to any one of (1) to (10) or the blood purification column according to (11) To treat diseases caused by
[0027]
(13) High cytokine blood characterized by removing or inactivating cytokine in blood using the medical material according to any one of (1) to (10) or the blood purification column according to (11) To treat the disease.
[0028]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention is a material that enables efficient and rapid treatment of diseases caused by superantigens or hypercytokinemia, and inactivates or removes superantigens or cytokines.
[0029]
In the present invention, “removal” refers to removing a substance from the liquid by adsorbing a superantigen or cytokine. “Inactivation” refers to the loss of superantigen and cytokine activity. As a method of losing activity, the superantigen and cytokine are decomposed and denatured by enzymatic reaction, chemical reaction, etc. Although the method etc. which couple | bond a site | part and another compound are considered, it is not limited to these.
[0030]
We have T1 HIt has been found that a material having a shorter molecular weight, that is, a material having a higher average molecular mobility, can more efficiently adsorb or inactivate superantigens or cytokines. Specifically, T1 HIs preferably 1.2 seconds or less for efficient removal or inactivation of superantigens or cytokines, more preferably T1 HA material with a 0.5 to 1.0 second, most preferably T1 HIt has been found that materials with a 0.8 to 1.0 second efficiently remove or inactivate superantigens or cytokines.
[0031]
Among these materials, a material having a functional group capable of forming a hydrogen bond is preferable, and a material in which the functional group capable of forming a hydrogen bond has a urea bond, a thiourea bond, or an amide bond is more preferable.
[0032]
The high average molecular mobility of the material can be considered as high mobility of the molecular chain having the ability to inactivate or remove superantigens or cytokines. In other words, since the degree of freedom in the reaction solution or body fluid is high, it is considered that the molecular chain can be located at a place where it can come into contact with the superantigen or cytokine with a high probability. That is, the feature of the present invention is that a material that adsorbs or inactivates superantigens or cytokines by finding the fact that the density and motility of molecules having affinity with superantigens or cytokines can be evaluated. A new molecular design method was proposed.
[0033]
In the present invention, a hydrogen nucleus (1H) spin-lattice relaxation time (hereinafter, the hydrogen nucleus spin-lattice relaxation time is expressed as T1 HSolid high-resolution carbon nuclei (abbreviated)13C) A nuclear magnetic resonance method is used. The apparatus used was CMX-300 manufactured by Chememagnetics, and the cross polarization / magic angle spinning method (hereinafter abbreviated as CP / MAS method) was used for the measurement. The CP / MAS method is a method using both the CP method and the MAS method.
[0034]
The relaxation in the present invention means that the absorbed energy is lost after the nuclear magnetic resonance phenomenon occurs and the nuclear spin returns to the original state. Hydrogen nucleus (1H) and carbon nuclei (13When a nucleus having a spin quantum number of 1/2 such as C) is placed in an external magnetic field, the nuclear spin is classified into two types: a spin oriented parallel to the external magnetic field and a spin oriented antiparallel. At this time, the energy of spins oriented parallel to the external magnetic field is low, and the energy of spins oriented antiparallel is high, so the number of low-level nuclear spins is slightly smaller than the number of high-level nuclear spins. The number increases (hereinafter, the high energy level is called the “high level” and the low energy level is called the “low level”). When the nuclear spin system is irradiated with a high-frequency magnetic field corresponding to the difference between the two energy levels, the nuclear spins in the low level can absorb the energy of the high-frequency magnetic field and be excited to a high level (nuclear magnetic resonance). phenomenon). Nuclear spins excited to a high level exchange energy with the external lattice and return to an equilibrium state, which is called a relaxation phenomenon. Also, the time constant from when the nuclear spin enters a high level until it returns to the equilibrium state is called the spin-lattice relaxation time, and T1It expresses. At this time, it is common to define a coordinate system (hereinafter sometimes referred to as a laboratory system or an xyz-axis coordinate system) with the direction of the external magnetic field as the z-axis direction and the plane perpendicular to the external magnetic field as the xy plane. It is.
[0035]
In the present invention, T1 HFor the measurement, a pulse sequence described in Isao Ando, “Polymer Solid State NMR” (Kodansha), 1994, p. 46, is used. The pulse in the present invention refers to an electric signal having a constant intensity for a short time including all frequencies to be observed.
[0036]
When a coordinate system (referred to as an x'y'z 'coordinate system or a rotation system) rotating at the same speed as the rotation of the nuclear spin is defined with respect to the above-described xyz coordinate system (laboratory system), the direction of magnetization is This is the z′-axis direction. In the present invention, for the purpose of measuring the molecular mobility of the adsorbent material,1After irradiating 180 ° pulse on H and reversing the magnetization in the −z ′ axis direction, after an appropriate time (variable parameter; τ), further irradiating 90 ° pulse to magnetize the magnetization in the y ′ axis direction. Observed how the magnetization recovered (relaxed). At this time,1Magnetization of H using CP13Move to C, this13Indirectly by observing the intensity of C1The signal intensity of H was measured.
[0037]
When the waiting time after pulse irradiation (variable parameter; τ) is changed in several steps, a spectrum corresponding to the waiting time is obtained. Furthermore, when the integrated intensity of the hydrogen nucleus peak in each obtained spectrum is plotted against the waiting time, a relaxation curve can be obtained. In the present invention, using the calculation formula of Spinsight (Chemical Magnetic Co., Ltd.), from the obtained relaxation curve, T1 HWas calculated.
[0038]
In the present invention, T1 HThe larger the value of, the smaller the molecular mobility of the polymer.1 HThe smaller the value, the higher the molecular mobility of the polymer.
[0039]
The superantigen as a target for removal of the material of the present invention is not particularly limited, and may be any one that is generally classified as a superantigen. However, the superantigen is not subjected to APC processing and is outside the MHC class II molecule and TCRVβ Those that bind to and excessively activate T cells beyond immunological specificity are preferred, and include chemicals, pharmaceuticals, endogenous proteins, and exogenous toxin proteins. In the present invention, bacterial superantigens are particularly preferable for removal. The bacterium may be any one that produces a superantigen, and Gram-negative bacteria such as Escherichia coli, Pseudomonas aeruginosa, and Klebsiella pneumoniae, and Gram-positive bacteria such as Staphylococcus aureus, Staphylococcus epidermidis, streptococci, and Bacillus subtilis. However, it is not limited to these. In the present invention, superantigen-producing bacteria such as Staphylococcus aureus and group A streptococci are particularly preferable.
[0040]
The cytokine to be removed of the material of the present invention is not particularly limited, but a group of proteins generally classified as inflammatory cytokines, such as IL-6 and IL-8, is preferable. Among these, the material of the present invention is suitably used for the treatment of hypercytokinemia.
[0041]
In addition, as a origin of the cytokine as a removal target of the material of the present invention, human, rabbit and swine-derived cytokines can be mentioned, but are not limited thereto.
[0042]
The material of the present invention has a spin-lattice relaxation time (T1 H) Must be 1.2 seconds or less, as long as this requirement is satisfied, any material that inactivates or has an affinity for superantigens or cytokines is not particularly limited. .
[0043]
As a method for inactivating a superantigen or a cytokine, various methods such as an enzymatic reaction and a chemical reaction are conceivable as described above, but are not particularly limited.
[0044]
The material having affinity for the superantigen or cytokine is not particularly limited, but a material having a low molecular structure such as a chemically synthesized functional group of an affinity chromatograph is preferable. As the functional group of the affinity chromatograph chemically synthesized, any functional group may be used as long as it binds to a superantigen or a cytokine, but more preferably a low molecular structure of chemical synthesis that is inexpensive and easy to sterilize is used. Preferably, a structure having a urea bond, a thiourea bond or an amide bond is used. The structure following the urea bond, thiourea bond or amide bond is not particularly limited, and aliphatic compounds such as propane, hexane, octane and dodecane, and alicyclic compounds such as cyclohexane and cyclopentane can be used. Considering the high affinity, aromatic compounds such as benzene, naphthalene and anthracene are more preferably used. Derivatives such as bromoheptane, chlorocyclohexane, methylbenzene, chlorobenzene, nitrobenzene, diphenylmethane, chloronaphthalene and the like are also preferably used.
[0045]
As a structure following the urea bond, thiourea bond or amide bond, a structure having an amino group, a hydroxyl group or a carboxyl group can also be used. For example, the structure having an amino group includes aminohexane, monomethylaminohexane, dimethylaminohexane, aminooctane, aminododecane, aminodiphenylmethane, 1- (3-aminopropyl) imidazole, 3-amino-1-propene, aminopyridine, Aminobenzenesulfonic acid, tris (2-aminoethyl) amine, etc., diaminoethane, diethylenetriamine, triethylenetetramine, tetraethylenepentamine, dipropylenetriamine, polyethyleneimine, N′-methyl-2,2′diaminodiethylamine, N A compound having a plurality of amino groups such as acetylethylenediamine and 1,2-bis (2-aminoethoxyethane) (sometimes referred to as polyamine) is used. Examples of the structure having a hydroxyl group include hydroxypropane, 2-ethanolamine, 1,3diamino-2-hydroxypropane, hydroxybutanone, hydroxybutyric acid, hydroxypyridine, glucose, glucosamine, galactosamine, maltose, cellobiose, sucrose, Monosaccharides such as agarose, cellulose, chitin, and chitosan, saccharides such as oligosaccharides and polysaccharides, or derivatives thereof can be used, but are not limited thereto. Moreover, (beta) -alanine, n-caproic acid, isobutyric acid, (gamma) -amino-beta-hydroxybutyric acid etc. can be used as a structure which has a carboxyl group. The material of the present invention preferably has both an aromatic compound and a structure having an amino group or a hydroxyl group as a structure following a urea bond, a thiourea bond or an amide bond.
[0046]
Furthermore, polyurea, polythiourea, and polyamide having a plurality of urea bonds, thiourea bonds, and amide bonds in the molecular structure can also be used as the material of the present invention. In this case, any of the above structures can be used as a structure following a urea bond, a thiourea bond, or an amide bond. Similarly, both a hydroxyl group, an amino group, a carboxyl group, and an aromatic compound can be used. preferable.
[0047]
The material of the present invention may be any of a monomer, an oligomer, and a polymer. As the carrier of the material of the present invention, synthetic materials such as nylon, polymethyl methacrylate, polysulfone, polystyrene, polyethylene, polyvinyl alcohol, and polytetrafluoroethylene are used. Molecules and natural polymers including cellulose, collagen, chitin, chitosan, and derivatives thereof are preferably used.
[0048]
In addition, compounds in which the monomers, oligomers, polymers or parts thereof are polymerized, and compounds in which the monomers, oligomers, polymers or parts thereof are polymerized and the above molecules are also included in the material of the present invention. That is, a urea bond or / and a thiourea bond or / and an amide bond may be introduced into the above structure or a part thereof, that is, a homopolymerized, copolymerized or blended synthetic polymer or natural polymer. It is suitably performed. Furthermore, what coat | covered inorganic materials, such as a metal, ceramics, and glass with a suitable polymer | macromolecule, is used suitably.
[0049]
In the material of the present invention, when a urea bond or a thiourea bond is introduced into an aliphatic compound or an aromatic compound, it can be synthesized by reacting an isocyanate compound or an isothiocyanate compound with an amino compound. When an amide group is introduced into an aliphatic compound and an aromatic compound, for example, a method of reacting an acid, acid chloride or acid anhydride with an amino compound can be used. The mixing ratio of the amino compound and the isocyanate compound, isothiocyanate compound, acid, acid chloride or acid anhydride can be appropriately selected, and is usually 1 mol of the isocyanate compound, isothiocyanate compound, acid, acid chloride or acid anhydride. 0.1 to 10 mol of amino compound is preferably used. Examples of the isocyanate compound or isothiocyanate compound include ethyl isocyanate, stearyl isocyanate, n-butyl isocyanate, iso-butyl isocyanate, n-propyl isocyanate, methyl isothiocyanate, ethyl isothiocyanate, n-butyl isothiocyanate, benzyl isothiocyanate, hexa Either an aliphatic isocyanate compound such as methylene diisocyanate, cyclohexyl isocyanate, cyclohexyl thioisocyanate, cyclohexyl diisocyanate or an isothiocyanate compound can be used, but more preferably phenyl isocyanate, chlorophenyl isocyanate, fluorophenyl isocyanate, bromophenyl isocyanate, nitro Phenyl isocyanate, tolyl isocyanate, methoxyphenyl isocyanate, 1-naphthyl isocyanate, 4,4′diphenylmethane diisocyanate, 3,3 ′, 5,5′tetraethyl 4,4′diisocyanatodiphenylmethane, phenyl isothiocyanate, chlorophenyl isothiocyanate, fluoro Aromatic isocyanate compounds or isothiocyanate compounds such as phenyl isothiocyanate, nitrophenyl isothiocyanate, tolyl isothiocyanate, methoxyphenyl isothiocyanate, and 1-naphthyl isothiocyanate are used. As the acid chloride, for example, any of aliphatic acid chlorides such as isovaleryl chloride, stearoyl chloride, cyclohexanecarbonyl chloride, 6-chloronicotinic acid chloride can be used, and more preferably benzoyl chloride, 3, Aromatic acid chlorides such as 4-dichlorobenzoyl chloride, nitrobenzoyl chloride, 4-chlorobenzoyl chloride, 4-toluoyl chloride, benzo- [b] thiophene-2-carbonyl chloride can be used. As the acid anhydride, for example, acetic anhydride, succinic anhydride, phthalic anhydride, benzoic anhydride and the like can be preferably used. The amino group of the amino compound used in the present invention may be any of primary amino group, secondary amino group, and tertiary amino group. Examples of amino compounds include ammonia, sec-octylamine, 1- (3- Aminopropyl) imidazole, 3-amino-1-propene, aminopyridine, aminobenzenesulfonic acid, tris (2-aminoethyl) amine and the like can be preferably used.
[0050]
In order to introduce a urea bond, a thiourea bond or an amide bond into the material of the present invention, a polyamino compound or an amino compound having a hydroxyl group or a carboxyl group can also be preferably used. Examples of the polyamino compound include diaminoethane, diethylenetriamine, triethylenetetramine, tetraethylenepentamine, dipropylenetriamine, N′-methyl-2,2′diaminodiethylamine, polyethyleneimine, N-acetylethylenediamine, 1,2-bis ( Any of 2-aminoethoxy) ethane and the like can be used. Examples of amino compounds having a hydroxyl group include 2-ethanolamine, 3-propanolamine, 6-hexanolamine, 1,3 diamino-2-hydroxypropane, 2- (2-aminoethoxy) ethanol, and 2- (2-aminoethyl). Amino) Aliphatic amines such as ethanol, glucamine, N-methyl 1,3-diaminopropanol, or aromatic amines such as 4-aminophenol, diaminophenol, aminohydroxypyrimidine, diaminohydroxypyrimidine, diaminohydroxypyrazole, or serine Amino acids such as tyrosine are used.
[0051]
It is also possible to synthesize an amino compound having a hydroxyl group from a compound having only a hydroxyl group or a compound having only an amino group by reacting epichlorohydroline and an amino compound, or 1,3 dibromo-2-hydroxypropane. is there.
[0052]
In addition, when a urea bond, a thiourea bond or an amide bond is introduced into a carbohydrate, the same method as described above can be used. For example, in the case of a carbohydrate having an amino group such as chitosan or glucomisan, an isocyanate compound, an isothiocyanate compound, an acid, an acid chloride or an acid anhydride as described above can be reacted. In the case of carbohydrates such as cellulose that do not have an amino group, the hydroxyl group of the carbohydrate is activated using epichlorohydrin, tresyl chloride, etc., and then reacted with ammonia or diaminoethane to introduce the amino group. By using this amino group, a urea bond, a thiourea bond, or an amide bond can be introduced into the carbohydrate. As the amino compound having a carboxyl group, for example, β-alanine, 4-amino-n-butyric acid, γ-amino-β-hydroxy-n-butyric acid, 6-amino-n-capronsan and the like can be used.
[0053]
Furthermore, when the material of the present invention is an oligomer or polymer, for example, a method of reacting an amino group with an oligomer or polymer having an active ester group of a carboxylic acid such as an isocyanate group, a carboxyl group or a succinimide group is preferably used. . Furthermore, oligomers or polymers having amino groups, or ammonia, diaminoethane, 1,3 diaminopropane, 1,3 diamino-2-hydroxypropane, 1,2-bis (2-aminoethoxy) ethane, tris (2-amino) It is also possible to react an isocyanate compound, an isothiocyanate compound, an acid, an acid chloride or an acid anhydride as described above with an oligomer or polymer into which an amino group has been introduced with ethyl) amine, 2- (2-aminoethylamino) ethanol, or the like. This is the preferred method. Further, it is preferable to control the reaction time, reaction temperature, mixing ratio, etc., or to use a protecting group so that the acid chloride or isocyanate compound does not react with groups other than amino groups. Functional groups such as active ester groups of carboxylic acids such as amino groups, isocyanate groups, carboxyl groups or succinimide groups, acid chloride groups and acid anhydride groups can be introduced into the oligomers and polymers as necessary.
[0054]
Furthermore, when polyurea or polythiourea is contained in the material of the present invention, it can be produced, for example, by a method of reacting a polyisocyanate compound or polyisothiocyanate compound with a polyamino compound. Usually, the amount of the reagent is preferably 0.1 to 10 mol of polyamine with respect to 1 mol of the polyisocyanate compound or polyisothiocyanate compound. Polyisocyanate compounds or polyisothiocyanate compounds include hexamethylene diisocyanate, cyclohexyl diisocyanate, tolylene diisocyanate, 4,4 'diphenylmethane diisocyanate, 3,3'5,5' tetraethyl 4,4 'diisocyanatodiphenylmethane, xylene diisocyanate, methylene bis (4-phenylisothiocyanate) or the like is preferably used. Polyamino compounds include diaminoethane, diaminopropane, 1,3 diamino-2-hydroxypropane, N′-methyl 1,3-diamino-2-propanol, diaminophenol, N, N′-diaminopiperazine, diethylenetriamine, triethylene. Ethylenetetramine, tetraethylenepentamine, polyethyleneimine, dipropylenetriamine, N′-methyl 2,2′-diaminodiethylamine and the like can be preferably used. Further, when the material of the present invention is polyamide, for example, a method of polycondensation of polycarboxylic acid and polyamine can be used. Also, in any of polyurea, polythiourea, and polyamide, the polyurea, polythiothiocyanate, and polythiol are finally introduced by sequentially introducing each functional group without using polyisocyanate, polyisothiocyanate, polycarboxylic acid, etc. A method of obtaining urea or polyamide is also preferably performed.
[0055]
All the above reactions are typically carried out at a reaction temperature of 0 to 150 ° C. and a reaction time of 0.1 to 24 hours. In addition, a reaction solvent is not necessarily required, but it is generally performed in the presence of a solvent. Solvents that can be used include aliphatic hydrocarbons such as methanol, ethanol, isopropyl alcohol, n-butanol, hexane, acetone, N, N dimethylformamide, and dimethyl sulfoxide, and aromatic hydrocarbons such as benzene, toluene, and xylene. Halogenated hydrocarbons such as dichloromethane, chloroform and chlorobenzene, and ethers such as diethyl ether, tetrahydrofuran and dioxane. The reaction solution after completion of the reaction can be purified by operations such as column chromatography and recrystallization after usual post-treatment such as filtration and concentration, if necessary. In the case of a water-insoluble material, washing with a glass filter or the like is also a preferable method.
[0056]
T of the material of the present invention1 HIn order to reduce the time to 1.2 seconds or less, the material may be manufactured so that the molecular mobility of the material is increased. That is, it is conceivable to use a molecule having a chain length that increases the molecular mobility of the material of the present invention or to increase the degree of molecular freedom by producing the material so that the intramolecular bond is reduced. However, if the molecular chain is too long, the mobility of the material is lowered due to intramolecular bonds such as hydrogen bonds and intermolecular forces, and conversely, the mobility of the short molecular chain is low, so the mobility of the material is also low. turn into. Even when the length of the molecular chain is moderate, if the amount of the molecular chain immobilized on the carrier is too large, the mobility of the material is lowered because the degree of freedom of the molecular chain is lost. If the amount of chain immobilization is too small, the movement of the molecular chain is lowered, thereby lowering the mobility of the material. The material of the present invention can be produced by combining the molecules described above. For example, as the material of the present invention, an amide methyl group is immobilized on polystyrene, and an amino group is formed as a molecule following the amide bond formed thereby. The polyamine described above can be used when introducing the substance having the above, and the superantigen or cytokine can be removed or inactivated by introducing parachlorophenyl isocyanate following the polyamine in order to form a urea bond.1 HCan be made for a material having a duration of 1.2 seconds or less. For example, when tetraethylenepentamine is used as a polyamine in a DMSO solvent, the amount of tetraethylenepentamine added in the reaction process is preferably 400 mmol to 100 mmol with respect to 1 mol of polystyrene when the repeating minimum unit of polystyrene is one molecule. Although most preferably, it is 200 mmol, but the addition amount when other solvents and molecules are used is not limited thereto.
[0057]
Among the materials of the present invention, those that are insoluble in water are preferably used as materials constituting the superantigen and cytokine removal column. The shape of the material of the present invention is not particularly limited, but when used as a column, beads, fibers, hollow fibers, yarn bundles, yarns, nets, knitted fabrics, nonwoven fabrics, woven fabrics, and the like are preferable.
[0058]
When the mechanical strength of the part that inactivates or removes the superantigen or cytokine is low, for example, a material having high mechanical strength can be used as the core material. The core material is not particularly limited as long as it can reinforce the mechanical strength of the material of the present invention. There is no particular limitation on the shape of the core material. For example, when the material of the present invention is fibrous, it can be a sea-island fiber. A sea-island type fiber using an island component as a reinforcing material can be produced, for example, using the method described in US Pat. No. 4,661,260.
[0059]
In addition, the material of the present invention can be used not only as a single material, but also as an appropriate material, or mixed with other materials and used as a single column or coating material. Operations such as immobilization or mixing may be performed before processing into the shape, or may be performed after processing.
[0060]
As a method for treating diseases caused by superantigens or hypercytokinemia, a material having a structure that has an affinity for or inactivates superantigens or cytokines is administered to the blood, or water is made insoluble. The column can be removed by circulating the blood extracorporeally, but is not particularly limited. When a column using the material of the present invention is used as a column for extracorporeal circulation, blood derived outside the body may be directly passed through the column, or may be used in combination with a plasma separation membrane or the like.
[0061]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in detail using examples, but the content of the invention is not limited to the examples.
[0062]
Example 1: Production of a material that removes or inactivates superantigens or cytokines
Sea-island type composite fiber (strength: 0.76 g / d, elongation: 69%, thickness: 9.07 denier, island) consisting of 50 parts by weight sea component (polystyrene) and 50 parts by weight island component (polypropylene) 16) 30 g was reacted with a mixed solution of 60 g of N-methylol-α-chloroacetamide, 400 g of nitrobenzene, 400 g of 98% sulfuric acid, 0.86 g of paraformaldehyde at 20 ° C. for 1 hour. Thereafter, the fiber was washed with nitrobenzene, then the reaction was stopped with methanol, and further washed with methanol to obtain α-chloroacetamidomethylated crosslinked polystyrene fiber (hereinafter abbreviated as AMPSt fiber).
[0063]
Next, 5.0 g of tetraethylenepentamine was added and washed with 500 ml of dimethyl sulfoxide (hereinafter abbreviated as DMSO). Further, the fiber was added to a solution of 1000 ml of DMSO in which 1.9 g of 4-chlorophenyl isocyanate was dissolved, and the reaction was carried out at 30 ° C. for 1 hour. Thereafter, the glass filter was washed with 1000 ml of DMSO and further with 1000 ml of distilled water to obtain AMPSt fibers (abbreviated as UAMP fibers) into which urea bonds were introduced. T of the created material1 HWas measured by the measurement method described later.
[0064]
Here, using the produced UAMP fiber, TSST-1 (manufactured by Toxin Technology), human-derived cytokine IL-6 (hereinafter abbreviated as h-IL-6, manufactured by Peprotech), and human-derived cytokine The adsorption test of IL-8 (hereinafter abbreviated as h-IL-8, manufactured by Peprotech Co., Ltd.) was conducted. TSST-1, h-IL-6, and h-IL-8 were dissolved in fetal bovine serum (manufactured by Sigma) so as to have a concentration of 1 ng / ml, respectively, to obtain an adsorbed solution. UAMP2cm2Were respectively added to 1.4 ml of this adsorbed solution, and an adsorption reaction was carried out while swirling at 37 ° C. for 2 hours. TSST-1, h-IL-6, and h-IL-8 concentrations before and after adsorption were measured.
[0065]
[Table 1]
Figure 2004305305
[0066]
Thus, it was confirmed that the TSST-1, h-IL-6, and h-IL-8 concentrations were reduced, and the TSST-1, h-IL-6, and h-IL-8 had a high adsorption rate. It was shown that the fiber was created.
[0067]
(T1 HMeasurement)
The produced UAMP fiber was naturally dried and placed in a sample tube for high-speed measurement made of Teflon (registered trademark), and a CMX-300 spectrometer manufactured by Chememagnetic (13C: 75.0 MHz)1 HWhen T was measured, T1 HWas 0.5 to 0.7 seconds.
[0068]
[Table 2]
Figure 2004305305
[0069]
T1 HWas measured under the following conditions.
[0070]
Measurement frequency = 75.189829 MHz
Sample rotation speed = 10.5 KHz
Pulse width = 4.5μsec
Pulse waiting time = 10 sec
Contact time = 1.5 msec
Measurement temperature = 20 ° C
τ = 0.01 ms, 0.1 ms, 1 ms, 10 ms, 100 ms, 300 ms, 500 ms, 1000 ms, 1500 ms, 2000 ms, 3000 ms, 5000 ms, 7000 ms, 10000 ms
The integrated intensity of the obtained peak is plotted against the waiting time, and from this relaxation curve, T1 HWas calculated. As a calculation formula of the least square method, t13ir in Chemimagnetic Spinsight software was used.
t13ir is represented by the following formula [I].
[0071]
[Expression 1]
Figure 2004305305
[0072]
Comparative Example 1:
The material prepared in Example 1 was prepared in exactly the same manner as in Example 1 except that the amount of tetraethylenepentamine added was changed to 1.562 g (Comparative Example 1a) and 160 g (Comparative Example 1b). The same adsorption test as in Example 1 was performed (Table 1).
[0073]
Thus, in the materials used in the present examples and comparative examples, the amount of tetraethylenepentamine added depends on T1 HCan be changed, T1 HIt was confirmed that there was a difference in the adsorption rate of TSST-1, h-IL-6, and h-IL-8 depending on the value of.
[0074]
Comparative Example 2:
The UAMP fiber produced in Comparative Example 1 was solid high resolution13T by C-NMR1 HWas measured.
Thus, the amount of tetraethylenepentamine added depends on T1 H(Table 2).
[0075]
From Comparative Examples 1 and 2, T1 HIt was confirmed that the adsorption rate of TSST-1, h-IL-6, and h-IL-8 decreases as the UAMP fiber having a longer length.
[0076]
【The invention's effect】
According to the present invention, a material that treats a disease caused by a superantigen, prevents SIRS, or improves hypercytokinemia by removing or inactivating the superantigen or cytokine even in a high protein concentration solution. And a treatment method could be provided. Since the superantigen or cytokine present in the blood can be removed or inactivated using the material of the present invention, a drug or blood that can improve or prevent the hypercytokinemia caused by the superantigen or the SIRS condition It became possible to provide a column for purification.

Claims (13)

スーパー抗原および/またはサイトカインを除去あるいは不活化する医療用材料であって、固体高分解能炭素核磁気共鳴法によって観測される水素核のスピン−格子緩和時間(T )が1.2秒以下であることを特徴とする医療用材料。A medical material that removes or inactivates superantigens and / or cytokines, and the spin-lattice relaxation time (T 1 H ) of hydrogen nuclei observed by solid high-resolution carbon nuclear magnetic resonance is 1.2 seconds or less The medical material characterized by being. 該スーパー抗原が細菌性の毒素であることを特徴とする請求項1に記載の材料。The material according to claim 1, wherein the superantigen is a bacterial toxin. 該細菌がグラム陽性菌であることを特徴とする請求項2に記載の医療用材料。The medical material according to claim 2, wherein the bacterium is a Gram-positive bacterium. 該スーパー抗原がトキシックショックシンドロームトキシン−1であることを特徴とする請求項1または2に記載の材料。The material according to claim 1 or 2, wherein the superantigen is toxic shock syndrome toxin-1. 該サイトカインが炎症性のサイトカインであることを特徴とする請求項1に記載の医療用材料。The medical material according to claim 1, wherein the cytokine is an inflammatory cytokine. 該炎症性のサイトカインがインターロイキン−6またはインターロイキン−8であることを特徴とする請求項1または5に記載の医療用材料。The medical material according to claim 1 or 5, wherein the inflammatory cytokine is interleukin-6 or interleukin-8. 水素結合形成可能な官能基を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の医療用材料。It has a functional group which can form a hydrogen bond, The medical material in any one of Claims 1-6 characterized by the above-mentioned. 該水素結合形成可能な官能基が尿素結合あるいはチオ尿素結合あるいはアミド結合を有することを特徴とする請求項7に記載の医療用材料。The medical material according to claim 7, wherein the functional group capable of forming a hydrogen bond has a urea bond, a thiourea bond, or an amide bond. 水不溶性であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の医療用材料。The medical material according to any one of claims 1 to 8, which is water-insoluble. 血液浄化用であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の医療用材料。It is an object for blood purification, The medical material in any one of Claims 1-9 characterized by the above-mentioned. 請求項1〜10のいずれかに記載の医療用材料を内部に充填して構成されていることを特徴とする血液浄化用カラムA blood purification column comprising the medical material according to any one of claims 1 to 10 filled therein. 請求項1〜10のいずれかに記載の医療用材料あるいは請求項11に記載の血液浄化カラムを用い、血液中のスーパー抗原を除去あるいは不活化させることを特徴とするスーパー抗原が原因である疾患の治療方法。A disease caused by a superantigen characterized by removing or inactivating superantigen in blood using the medical material according to any one of claims 1 to 10 or the blood purification column according to claim 11. Treatment methods. 請求項1〜10のいずれかに記載の医療用材料あるいは請求項11に記載の血液浄化カラムを用い、血液中のサイトカインを除去あるいは不活化させることを特徴とする高サイトカイン血症の治療方法。A method for treating hypercytokinemia, comprising using the medical material according to any one of claims 1 to 10 or the blood purification column according to claim 11 to remove or inactivate cytokines in blood.
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5199884B2 (en) * 2006-12-06 2013-05-15 カルピス株式会社 Inflammatory bowel disease preventive and therapeutic agent
US20200215253A1 (en) * 2017-09-08 2020-07-09 Toray Industries, Inc. Immunosuppressive leukocyte adsorption material and adsorption column

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