JP2004302742A - ヒューマンエラー分類システム - Google Patents

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Abstract

【課題】有効な防止対策を立案するために、効果的なヒューマンエラー分類を行うことが可能なヒューマンエラー分類システムを提供する。
【解決手段】本発明の実施の形態に係るヒューマンエラー分類システムは、正しい作業や判断への注意が欠損した要因に着目した分類(S1)、誤った作業や判断を行ったか否かによる分類(S2)、誤った作業や判断に注意が向けられた要因に着目した分類(S3)、誤った作業や判断の種類に着目した分類(S4)により、発生したヒューマンエラーを、9つのエラータイプに分類する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、事故発生の原因となるエラーを分類するエラー分類システムに関し、特に人的要因に基づくヒューマンエラー分類システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
事故が生じるのは、本来行われるべき事象の流れとは異なった、誤った事象が存在するからである。よって、事故の再発を防止するためには、誤った事象が生じた原因を突き止め、再度生じることが無いように、対策を施す必要がある。この誤った事象の発生は、人間のミス、すなわちヒューマンエラーに起因する場合も多い。ところが、ヒューマンエラーは、多種の原因が複雑にからみあったものが多く、その原因を分析し、対策を立案することは、非常に困難な作業である。
【0003】
従来、このようなヒューマンエラーの分析を行い、再発防止の対策立案を支援するためのシステムとして、下記特許文献1に開示された安全管理支援システムが知られている。
【0004】
この安全管理支援システムは、発生した事故を、時期や場所、事故の責任の大きさ等に分類して格納する事故データベースを備えている。また、事故毎に、当事者の誤り(ヒューマンエラー)を示すデータ、事故の直接的な要因を示す直接要因データ(例えば、「信号無視」)、及び事故の背景的な要因を示す背景要因データ(例えば、「飲酒運転」、「怠慢」)等を格納するヒューマンエラーデータベースを備えている。また、過去の事故に対して施した対応策等を格納する対策データベースを備えている。
【0005】
そして、このような構成を有する安全管理支援システムは、上記データベース内の情報を用いて、「対前年度分析」、「要因構成比分析」等の集計を行って事故を分析したり、対策を立案したりするように構成されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−105567号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記安全管理支援システムでは、事故を分類して事故データベースに格納するにあたって、時期や場所などの情報に基づいて、分類しているだけである。また、ヒューマンエラーを分析してヒューマンエラーデータベースに格納するにあたっても、操作者が予め用意されたヒューマンエラー要因に対して三段階の評定を行うという簡易な分類を行うだけである。
【0008】
上述したように、ヒューマンエラーの分析は、非常に複雑であり、心理学の専門的知識があっても、容易に行える作業ではない。よって、上記安全管理支援システムによる簡易な分類では、有効な対策を立案することが困難である。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、有効な防止対策を立案するために、効果的なヒューマンエラー分類を行うことが可能なヒューマンエラー分類システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係るヒューマンエラー分類システムは、ヒューマンエラーを複数のエラータイプに分類するヒューマンエラー分類システムにおいて、発生したヒューマンエラーに関する所定の項目情報を格納すると共に、前記ヒューマンエラーに関して所定の判定を行うための情報を格納する記憶装置と、前記所定の項目情報及び前記所定の判定を行うための情報に基づいて、前記ヒューマンエラーを複数のエラータイプに分類するための判定処理を行う演算装置と、を備え、前記演算装置は、前記記憶装置に格納されている項目情報から、正しい作業や判断への注意が欠損した要因に着目して、ヒューマンエラーを、「注意転換の遅れ」、「注意の逸れ」又は「持続的注意の減衰」の三通りのエラータイプに分類する判定処理と、前記記憶装置に格納されている項目情報から、誤った作業や判断を行ったか否かに着目し、ヒューマンエラーを、「誤った作業や判断有り」又は「誤った作業や判断無し」の二通りのエラータイプに分類する判定処理と、を少なくとも実行することを特徴とすることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係るヒューマンエラー分類方法は、発生したヒューマンエラーに関する所定の項目情報が格納されている記憶装置を備えたヒューマンエラー分類システムにより、ヒューマンエラーを複数のエラータイプに分類するヒューマンエラー分類方法であって、前記記憶装置に格納されている項目情報から、正しい作業や判断への注意が欠損した要因に着目して、ヒューマンエラーを、「注意転換の遅れ」、「注意の逸れ」又は「持続的注意の減衰」の三通りのエラータイプに分類する工程と、前記記憶装置に格納されている項目情報から、誤った作業や判断を行ったか否かに着目し、ヒューマンエラーを、「誤った作業や判断有り」又は「誤った作業や判断無し」の二通りのエラータイプに分類する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係るヒューマンエラー分類プログラムは、発生したヒューマンエラーに関する所定の項目情報が格納されている記憶装置を備えたコンピュータに、ヒューマンエラーを複数のエラータイプに分類する作業を実行させるヒューマンエラー分類プログラムにおいて、前記記憶装置に格納されている項目情報から、正しい作業や判断への注意が欠損した要因に着目して、ヒューマンエラーを、「注意転換の遅れ」、「注意の逸れ」又は「持続的注意の減衰」の三通りのエラータイプに分類するステップと、前記記憶装置に格納されている項目情報から、誤った作業や判断を行ったか否かにより、ヒューマンエラーを、「誤った作業や判断有り」又は「誤った作業や判断無し」の二通りのエラータイプに分類するステップと、前記「誤った作業や判断有り」に分類されるヒューマンエラーに対して、前記記憶装置に格納されている項目情報から、当該誤った作業や判断に注意が向けられた要因に着目して、「直前活性」又は「高経験頻度」の二通りにエラータイプに分類するステップと、前記「高経験頻度」に分類されるヒューマンエラーに対して、前記記憶装置に格納されている項目情報から、前記誤った作業や判断の種類に着目して、「通常なら正しい作業や判断」又は「効率的な作業や判断」の二通りのエラータイプに分類するステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るヒューマンエラー分類システム1の概略構成を示す図である。同図に示すように、本実施の形態に係るヒューマンエラー分類システム1は、パーソナルコンピュータ本体(以下、「PC本体」とする)10、出力表示装置としてのディスプレイ20及び入力装置としてのキーボード30とから構成されている。また、PC本体10は、各種演算を行う演算装置11、後述するヒューマンエラーの分類に必要な情報及び操作者がキーボード30を介して入力する情報を格納する記憶装置12を含んでいる。
【0014】
上記構成を備えたヒューマンエラー分類システム1は、人的要因により発生するヒューマンエラーを、認知的発生メカニズムのモデルに基づいたエラータイプに分類するシステムである。このように発生メカニズムを考慮して分類されたヒューマンエラーに対しては、従来と比べて非常に有効な対策を容易に立案することができる。
【0015】
本ヒューマンエラー分類システム1による処理を説明するにあたって、まず、上述した認知的発生メカニズムのモデルについて説明する。図2は、本ヒューマンエラー分類システムが対象とするヒューマンエラーの範囲を示す図である。同図に示すように、本実施の形態に係る「ヒューマンエラー」は、やるべきことが分っている場面でやるべきことを意識的にやらない「違反」は除かれる。また、本実施の形態においては、「ヒューマンエラー」を、やるべきことが分っている場面で生じるエラーである「良定義エラー」と、やるべきことが分らない場面で生じるエラーである「悪定義エラー」とに分けて捉えている。本ヒューマンエラー分類システムの対象は、この「良定義エラー」である。
【0016】
続いて、図3は上記良定義エラーの発生を説明するためのモデルである。図3(a)は、「正しく行為が実行されるとき」、図3(b)は、「誤って行為が実行されるとき」を示す図である。同図(a)に示すように、注意が「正しいスキーマ」に向けば、「正しいスキーマ」が刺激され、「正しい行為」が行われる。しかし、同図(b)に示すように、注意が「正しいスキーマ」に向かなければ、すなわち、「刺激」と「正しいスキーマ」間の連合強度が小さかったり、「刺激」と「誤ったスキーマ」間の連合強度が大きかったり、「正しいスキーマ」と「誤ったスキーマ」の出力が競合して「誤ったスキーマ」の出力が勝った場合には、「誤ったスキーマ」が刺激され、「誤った行為」が行われることになる。ここで、「スキーマ」とは、知識の構造とか認知の枠組みであり、人間が大量に保有している知識の相互関係(因果関係とか、論理的な関係)のことをいう。
【0017】
次に、図4は、本実施の形態に係る認知的発生メカニズムのモデルに基づく、ヒューマンエラー分類体系を示す図である。図5は、この分類体系により分類される9つのエラータイプを説明する図である。
【0018】
図4に示すように、本実施の形態に係る分類体系においては、まず、ステップ1(以下、「ステップ」を「S]とする)において、正しいスキーマへの注意が欠損した要因により、「注意の転換遅れ(S)」、「注意の逸れ(D)」、及び「持続的注意の減衰(V)」の三通りに分類される。正しい流れとして、第1のスキーマ(前のスキーマ)から第2のスキーマ(正しいスキーマ)に注意が移行することを前提とすると、「注意転換の遅れ」は、第1のスキーマから第2のスキーマへの注意の移行は行われたが、その転換のタイミングが遅かったことを意味する。また、「注意の逸れ」は、第2のスキーマへの注意が他(例えば、誤ったスキーマ)に逸れてしまったことを意味する。また、「持続的注意の減衰」とは、第2のスキーマへの注意が減衰してしまったことを意味する。
【0019】
次に、S2において、誤ったスキーマの存在の有無により分類される。すなわち、正しいスキーマ(第2のスキーマ)の代わりに注意が向けられて誤った行為を実行させたスキーマが存在するか否かにより分類される。誤ったスキーマが「なし」であれば、誤ったスキーマにより誤った行為が実行されていないことを意味し、正しいスキーマによる正しい行為が単に実行されなかったことになる。
【0020】
また、上記「注意転換遅れ」の場合には、第1のスキーマから第2のスキーマ(正しいスキーマ)への転換が遅れて行われている、すなわち第1のスキーマに注意が向けられていたのであるから、この第1のスキーマが必ず誤スキーマとして存在し、「あり」となっている。また、「注意の逸れ」及び「持続的注意の減衰」の場合には、誤ったスキーマの有無により、「あり」又は「なし(NN)」に分類される。「なし」の場合には、その後の分類は行われず、「注意の逸れ(D)」−「なし(NN)」であれば、「(5)DNN」のエラータイプ、「持続的注意の減衰(V)」−「なし(NN)」であれば、「(9)VNN」のエラータイプに分類されることになる。
【0021】
次に、S3において、正しいスキーマ(第2のスキーマ)の代わりに注意が向けられた誤スキーマと刺激との連合が強化された要因により分類される。要因としては、その誤スキーマに対して直前に注意が向けられていたから、という「直前活性(P)」、その誤スキーマに注意を向けることが頻繁に行われているから、という「高経験頻度(F)」の二通りに分類される。上記「注意転換遅れ」の場合には、誤スキーマである第1のスキーマに対して、直前に注意が向けられていたのであるから、すべて「直前活性(P)」となる。
【0022】
次に、S4において、誤スキーマの種類によって、分類される。S3において、「直前活性」に分類されている場合には、誤スキーマは直前に注意が向けられていたスキーマであるから、すべて「直前活性スキーマ(P)」に分類される。但し、「注意転換の遅れ」−「あり」−「直前活性」の場合には、誤スキーマが、その前に注意が向けられていた第1のスキーマであるから、直前活性スキーマとは呼ばず、「その前のスキーマ(A)」としている。そして、「注意転換の遅れ(S)」−「あり」−「直前活性(P)」−「その前のスキーマ(A)」の場合には、「(1)SPA」のエラータイプ、「注意の逸れ(D)」−「あり」−「直前活性(P)」−「直前活性スキーマ(P)」の場合には、「(4)DPP」のエラータイプ、「持続的注意の減衰(V)」−「あり」−「直前活性(P)」−「直前活性スキーマ(P)」の場合には、「(8)VPP」のエラータイプとして分類されることになる。
【0023】
また、S3において、「高経験頻度(F)」に分類されている場合には、通常であれば高い確率で正しいスキーマとなる「正スキーマ率高スキーマ(G)」、又は効率的なスキーマである「効率的誤スキーマ(B)」の二通りに分類される。
【0024】
よって、「注意の逸れ(D)」−「あり」−「高経験頻度(F)」−「正スキーマ率高スキーマ(G)」の場合には、「(2)DFG」のエラータイプ、「注意の逸れ(D)」−「あり」−「高経験頻度(F)」−「効率的誤スキーマ(B)」の場合には、「(3)DFB」のエラータイプ、「持続的注意の減衰(V)」−「あり」−「高経験頻度(F)」−「正スキーマ率高スキーマ(G)」の場合には、「(6)VFG」のエラータイプ、「持続的注意の減衰(V)」−「あり」−「高経験頻度(F)」−「効率的誤スキーマ(B)」の場合には、「(7)VFB」のエラータイプに分類されることになる。
【0025】
このように、本実施の形態においては、ヒューマンエラーを九通りのエラータイプに分類することになるが、図5に基づいて、それぞれのエラータイプについて、さらに、詳細に説明する。
【0026】
同図に示すように、まず、(1)SPAは、「ある作業や判断から別の作業や判断に急速に切替える必要がある際の切替えが遅れる」タイプのエラーである。例えば、航空機の操縦に関して、急な機体の状態変化により、至急操縦パターンを変えなければならないような事態に際して、操縦パターンの切替えが遅れる、といったヒューマンエラーが、(1)SPAに該当する。
【0027】
(2)DFGは、「正しい作業や判断への注意が他に逸れたときに、通常ならば正しい作業や判断が割り込む」タイプのエラーである。例えば、列車の運行遅れが生じているケースにおいて、降雨や多数の乗客によりブレーキ力が弱くなっている(通常とは異なっている)ため、通常とは異なるタイミングでブレーキをかけなければならないのに、注意が列車の遅れに逸れてしまい、通常のタイミングでブレーキをかけてしまって、止まりきれなかった、といったヒューマンエラーが、(2)DFGに該当する。
【0028】
(3)DFBは、「正しい作業や判断への注意が他に逸れたときに、効率的な誤った作業や判断が割り込む」タイプのエラーである。例えば、列車の運行遅れが生じているケースにおいて、列車出発時に出発信号が青であることを確認しなければならないのに、注意が列車遅れに逸れてしまい、信号確認を行わなかった、といったヒューマンエラーが、(3)DFBに該当する。出発信号は、ほとんどの場合、青であり、確認しないほうが効率的であるため、このようなエラーが生じてしまう。
【0029】
(4)DPPは、「正しい作業や判断への注意が他に逸れたときに、直前の作業や判断が割り込む」タイプのエラーである。例えば、前の行路で特急を運転した運転手が運転する列車の運行に遅れが生じているケースにおいて、運転手の注意が列車遅れに逸れてしまったために、特急運転時の停車パターンが割り込んでしまい、準急停車駅を通過してしまった、といったヒューマンエラーが、(4)DPPに該当する。
【0030】
(5)DNNは、「正しい作業や判断への注意が他に逸れたときに、正しい作業や判断が行われない」タイプのエラーである。例えば、故障により列車が駅間で動けなくなり、牽引のための救援列車を要請したケースにおいて、故障が直ったとしても、救援列車が来るまで現場で待つか、直った旨を司令所に連絡する必要があるのに、故障による列車の遅れに注意が逸れ、現場で待つ又は司令所に連絡するという作業を忘れて、列車を動かしてしまう、といったヒューマンエラーが、(5)DNNに該当する。
【0031】
(6)VFGは、「正しい作業や判断からの持続的注意が減衰したときに、通常ならば正しい作業や判断が割り込む」タイプのエラーである。例えば、線路工事により徐行区間が設けられている場合、運転手は徐行信号機とその予告標を探しながら、すなわち予告標に対して継続的に注意を払いながら運転する必要があるが、予告標への注意が散漫になり、予告標への注意を払う必要のない通常時の運転パターンにより運転し、予告標を見落として徐行のためのブレーキが遅れた、といったヒューマンエラーが、(6)VFGに該当する。
【0032】
(7)VFBは、「正しい作業や判断からの持続的注意が減衰したときに、効率的な作業や判断が割り込む」タイプのエラーである。例えば、列車の車庫入れ作業に関して、入換え信号機が故障してしまったケースにおいて、運転手は、作業員の入換え合図を窓から顔を出して確認しながらバックで車庫入れし、作業員からの停止合図が出るまで持続的に入換え合図に注意を払わなければならないのに、大体停止する位置がわかっているために、持続的注意が散漫になり、入換え合図を確認しないという効率的な作業を行ってしまい、作業員からの停止合図が送られた時にブレーキをかけるのが遅れてしまった、といったヒューマンエラーが、(7)VFBに該当する。
【0033】
(8)VPPは、「正しい作業や判断から持続的注意が減衰したときに、直前の作業や判断が割り込む」タイプのエラーである。例えば、列車の運転士は、次の停車駅に対して注意を向け続けながら運転しなければならないのに、持続的注意が散漫になり、前の行路での特急停車駅パターンが思い浮かんでしまって、停車駅を通過してしまった、といったヒューマンエラーが(8)VPPに該当する。
【0034】
(9)VNNは、「正しい作業や判断からの持続的注意が減衰したときに、正しい作業や判断が行われない」タイプのエラーである。例えば、駅間での列車故障により救援列車が要請された際に、救援列車の運転士は、故障列車に持続的に注意を向けながら運転しなければならないが、注意が散漫になり、故障列車のことを忘れてしまい、故障列車の発見が遅れてブレーキをかけるのが遅れてしまった、といったヒューマンエラーが考えられる。
【0035】
次に、本実施の形態に係るヒューマンエラー分類システム1により、ヒューマンエラーを上記9つのエラータイプに分類する処理について、図6及び図7を参照して、詳細に説明する。図6は、キーボードを介して操作者がヒューマンエラーについて入力する際の、入力項目を示す図である。図7は、本ヒューマンエラー分類システム1によりヒューマンエラーを分類する際の、処理の流れを示すフローチャートである。
【0036】
まず、操作者は、分類したいヒューマンエラーに関して、図6に示すa)乃至i)の9つの項目を入力する。「a)類似事象の流れ」とは、後述するc)あるべき事象の流れ(正しい事象の流れ)と近似する作業や判断についての事象の流れを時系列に(se,se,…,se,…,se)入力する項目である。この項目は、操作者が判断して入力する。「b)経験頻度SF」とは、この類似事象の流れの経験頻度を、それぞれ高・中・低で評価して入力する。三段階の評価は、「高:よく行う」、「中:たまに行う」、「低:ほとんど行わない」として、操作者が評価する。
【0037】
「c)あるべき事象の流れ」とは、ヒューマンエラーが生じた作業や判断に係る事象の流れに対して、エラーが生じない場合の本来あるべき事象の流れを時系列(ge,ge,…,ge,…,ge)に入力する項目である。「d)経験頻度GF」には、「c)あるべき事象の流れ」の経験頻度を、それぞれ高・中・低で評価して入力する。三段階の評価は、上記「b)経験頻度SF」の場合と同様に評価する。
【0038】
「e)事故に至った事象の流れ」とは、ヒューマンエラーが生じたときの作業や判断に係る事象の流れを時系列(ae,ae,…,ae,…,ae)に入力する項目である。ここでは、事象が、上記c)あるべき事象の流れと異なる事象、すなわち事故事象を意味し、その他の事象は、「ge=ae」である。
【0039】
「f)直前事象と事故に至った事象の間隔P1」とは、上記事故事象「ae」とその直前の事象との時間間隔を、入力する項目である。すなわち、事故に至った事象「ae」の実行に対して求められる時間間隔である。この時間間隔は、短・中・長の三段階で評価して入力する項目であり、「短:ほとんど間隔がない」、「中:ある程度間隔がある」、「長:充分間隔がある」として、操作者が評価する。
【0040】
「g)類似事象と事故に至った事象の間隔P2」とは、上記類似事象と、事故に至った事象との時間間隔を、入力する項目である。すなわち、事故に至った事象と似たような事象をいつ行ったかを示す時間間隔である。この時間間隔も、短・中・長の三段階で評価して入力する項目であり、「短:ほとんど間隔がない」、「中:ある程度間隔がある」、「長:充分間隔がある」として、操作者が評価する。
【0041】
また、「h)注意の逸れの対象AO」とは、正しい作業や判断(すなわち、あるべき事象「ge」)から注意が逸れた対象があれば、その対象を入力する項目である。よって、注意力が減衰した場合など、他の何かに注意が逸れていない場合には、空欄にしておく。
【0042】
また、「i)注意の持続時間VT」とは、事故事象「ae」に対応するあるべき事象「ge」への注意を持続する時間が長いか否かを記入する項目である。例えば、「予告標を探す」という事象であれば、予告標を探し始めてから発見するまでの時間が相当する。長いか否かの判断の閾値は、分類するヒューマンエラーに応じて、予め所定の値を設定しておけば良い。なお、事故事象が無い場合には、本来あるべき事象の流れの中で、実行されなかった事象への注意を持続する時間が長いか否かを記入すれば良い。
【0043】
次に、図7を参照して、操作者が入力した上記項目に基づいて、本ヒューマンエラー分類システム1が行う分類判定の処理の流れについて説明する。操作者により各項目の入力が終了すると、分類判定が開始される。以下の処理は、演算装置11が、記憶装置内に格納されている上記入力項目に対して、同じく記憶装置内に格納されている各判定項目を実行することで実現される。
【0044】
まず、S10において、「直前事象と事故に至った事象の間隔P1」が短いか否かを判定する。操作者により、f)時間間隔P1の項目には、短・中・長が入力されているので、この入力情報を基に判定される。短い場合には、図4の「注意転換の遅れ(S)」に該当し、急速に切替える必要がある場合のヒューマンエラーに相当するので、エラータイプ「(1)SPA」に分類される。中以上の場合には、図4の「注意の逸れ(D)」又は「持続的注意の減衰(V)」に該当し、S11以降に進む。
【0045】
S11においては、「注意の逸れの対象AOがあるか?または、注意の持続時間が長いか?」を、操作者により入力されている情報を基に判定する。注意の逸れの対象AO」がある場合には、図4の「注意の逸れ(D)」に該当し、正しい作業や判断への注意が他に逸れた場合のヒューマンエラーに相当するので、S12以降に進む。また、「注意の持続時間VT」が長い場合には、図4の「持続的注意の減衰(V)」に該当し、正しい作業や判断から持続的注意が減衰した場合のヒューマンエラーに相当するので、S15以降に進む。なお、本実施の形態の分類対象である「良定義エラー」は、必ず、「h)注意の逸れの対象AO」が有りとなるか、若しくは、「i)注意の持続時間VT」が長いとなるはずであるから、S11においても、必ず何れかに判定される。
【0046】
S12においては、「類似事象seの有無」を、操作者により入力されている情報を基に判定する。この項目が空欄になっており、類似事象が無い場合には、図4の「誤スキーマの存在無し(NN)」に該当し、上述した正しい作業や判断が行われない(他の誤った作業や判断が行われていない)場合のヒューマンエラーに相当するので、エラータイプ「(5)DNN」に分類される。また、類似事象が有る場合には、図4の「誤スキーマの存在有り」に該当し、他の誤った作業や判断が行われたことになるので、S13以降に進む。
【0047】
S13においては、「類似事象と事故に至った事象の間隔P2」が中であるか否かを、判定する。「時間間隔P2」が中の場合には、図4の「直前活性(P)」に該当し、直前の作業や判断が割り込んだ場合のヒューマンエラーに相当するので、エラータイプ「(4)DPP」に分類される。また、「時間間隔P2」が長の場合には、図4の「高経験頻度(F)」に該当し、S14に進む。
【0048】
S14においては、類似事象seと事故に至った事象aeが等しいか否かを、操作者により入力されている情報を基に判定する。se=aeとなって等しい場合には、図4の「正スキーマ率高(G)」に該当し、通常ならば正しい作業や判断が割り込む場合のヒューマンエラーに相当するので、エラータイプ「(2)DFG」に分類される。また、se≠aeの場合には、図4の「効率的誤スキーマ(B)」に該当し、効率的な誤った作業が割り込むヒューマンエラーに相当するので、エラータイプ「(3)DFB」に分類される。
【0049】
次に、S15においては、上記S12の場合と同様に、「類似事象seの有無」を判定する。類似事象が無い場合には、図4の「誤スキーマの存在無し(NN)」に該当し、正しい作業や判断が行われない場合のヒューマンエラーに相当するので、エラータイプ「(9)VNN」に分類される。また、類似事象が有る場合には、図4の「誤スキーマの存在有り」に該当し、他の誤った作業や判断が行われたことになるので、S16以降に進む。
【0050】
S16においては、上記S13の場合と同様に、「類似事象と事故に至った事象の間隔P2」が中であるか否かを判定する。「時間間隔P2」が中の場合には、図4の「直前活性(P)」に該当し、直前の作業や判断が割り込んだ場合のヒューマンエラーに相当するので、エラータイプ「(8)VPP」に分類される。また、「時間間隔P2」が長の場合には、図4の「高経験頻度(F)」に該当し、S17に進む。
【0051】
S17においては、上記S14の場合と同様に、類似事象seと事故に至った事象aeが等しいか否かを判定する。se=aeの場合には、図4の「正スキーマ率高(G)」に該当し、通常ならば正しい作業や判断が割り込む場合のヒューマンエラーに相当するので、エラータイプ「(6)VFG」に分類される。また、se≠aeの場合には、図4の「効率的誤スキーマ(B)」に該当し、効率的な誤った作業が割り込むヒューマンエラーに相当するので、エラータイプ「(7)VFB」に分類される。
【0052】
このように本ヒューマンエラー分類システム1により9つのエラータイプに分類されたヒューマンエラーは、ディスプレイ20上に表示され、操作者に呈示される。操作者、この分類されたヒューマンエラーを見ながら、後述する対策立案を行うことになる。
【0053】
ここで、本実施の形態に係るヒューマンエラー分類システム1の機能は、PC本体10にこれらの機能を実現するためのプログラムをインストールすることで実現される。このプログラムの配布は、記録媒体を経由して行われても良く、ネットワークを介して行われても良い。
【0054】
以上、詳細に説明したように、本実施の形態に係るヒューマンエラー分類システム1によれば、操作者により入力された所定の項目を基に、認知的発生メカニズムのモデルに基づいて、自動的にヒューマンエラーを分類することができる。このように分類されたヒューマンエラーに対しては、エラー発生を防止するための効果的な対策を、容易に立案可能である。
【0055】
以下、認知的発生メカニズムのモデルに基づいて分類されたヒューマンエラーに対する防止対策の立案について、詳細に説明する。
まず、図4に示すヒューマンエラー分類体系の要素毎に、対策の立て方を説明する。「注意の転換遅れ(S)」が関わるヒューマンエラーに対しては、急速な転換を必要とするものであるから、この転換の作業や判断自体を改良する対策が考えられる。「注意の逸れ(D)」が関わるヒューマンエラーに対しては、逸れの対象を無くす等の対策が考えられる。「持続的注意の減衰(V)」が関わるヒューマンエラーに対しては、持続しなければならない作業形態を変更する等の対策が考えられる。
【0056】
また、「誤スキーマ有り」が関わるヒューマンエラーに対しては、誤ったスキーマを同定して、対策を立てることが考えられる。「誤スキーマ無し(NN)」が関わるヒューマンエラーに対しては、失念の問題として対策が考えられる。また、「直前活性(P)」が関わるヒューマンエラーに対しては、直前のスキーマが活性するような作業形態を見直す対策が考えられる。「高経験頻度(F)」が関わるヒューマンエラーに対しては、高頻度のスキーマを同定して、これに対する対策が考えられる。「正スキーマ率高(G)」が関わるヒューマンエラーに対しては、通常とは異なる作業が生じる場合の対策が考えられる。「効率的誤スキーマ(B)」が関わるヒューマンエラーに対しては、効率的な誤った手順を生じさせる作業手順を見直す対策が考えられる。
【0057】
続いて、このような各要素の対策立案を基本にしながら、各エラータイプの発生メカニズムを考慮した対策の骨子について説明する。図8は、各エラータイプに対する発生メカニズムを考慮した対策の骨子を示す図である。
【0058】
同図に示すように、エラータイプ(1)SPAに対しては、注意転換の遅れ(S)が関わるエラーであるので、「作業の切替えを習慣的にする訓練。作業の切替えそのものの見直し、意識付け」といった対策が骨子となる。エラータイプ(2)DFGに対しては、注意の逸れ(D)、誤スキーマの存在有り、高経験頻度(F)及び正スキーマ率高(G)が関わるエラーであるから、「通常とは異なる作業を習慣化する訓練。通常とは異なる作業が生じる場面を洗い出し、注意喚起を行う」といった対策が骨子となる。エラータイプ(3)DFBに対しては、注意の逸れ(D)、誤スキーマの存在有り、高経験頻度(F)及び効率的誤スキーマ(B)が関わるエラーであるから、「注意を逸らす要因を発見し、取り除く。効率的な誤った作業や判断が割り込む可能性のある手順の見直し」といった対策が骨子となる。
【0059】
また、エラータイプ(4)DPPに対しては、注意の逸れ(D)、誤スキーマの存在有り及び直前活性(P)が関わるエラーであるから、「注意を逸らす要因を発見し、取り除く。直前に類似作業を行うような作業形態の見直し」といった対策が骨子となる。エラータイプ(5)DNNに対しては、注意の逸れ(D)及び誤スキーマの存在無し(NN)が関わるエラーであるから、「注意を逸らす要因を発見し、取り除く。正しい作業や判断を思い出しやすくする手掛かりの提示」といった対策が骨子となる。エラータイプ(6)VFGに対しては、持続的注意の減衰(V)、誤スキーマの存在有り、高経験頻度(F)及び正スキーマ率高(G)が関わるエラーであるから、「監視的な作業の見直し。通常とは異なる作業が生じる場面を洗い出し、注意喚起を行う」といった対策が骨子となる。
【0060】
また、エラータイプ(7)VFBに対しては、持続的注意の減衰(V)、誤スキーマの存在有り、高経験頻度(F)及び効率的誤スキーマ(B)が関わるエラーであるから、「監視的な作業の見直し。効率的な誤った作業や判断が割り込む可能性のある手順の見直し」といった対策が骨子となる。エラータイプ(8)VPPに対しては、持続的注意の減衰(V)、誤スキーマの存在有り及び直前活性(P)が関わるエラーであるから、「監視的な作業の見直し。直前に類似作業を行うような作業形態の見直し」といった対策が骨子となる。エラータイプ(9)VNNに対しては、持続的注意の減衰(V)及び誤スキーマの存在無し(NN)が関わるエラーであるから、「監視的な作業の見直し。正しい作業や判断を思い出しやすくする手掛かりの提示」といった対策が骨子となる。
【0061】
このように、本実施の形態に係るヒューマンエラー分類システム1によれば、ヒューマンエラーを認知的発生メカニズムのモデルに基づいて分類することができるので、ヒューマンエラーに対して、それぞれの発生メカニズムを考慮した効率的な対策を容易に立案することができる。
【0062】
なお、本発明は、本実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、本実施の形態では、「直前事象と事故に至った事象との間隔P1」等について、三段階の評価により、「短:ほとんど間隔がない」、「中:ある程度間隔がある」、「長:充分間隔がある」と分類しているが、「低:5秒未満」、「中:5秒以上30秒未満」、「長:30秒以上」というように、具体的な数値で閾値を明確にするようにしても良い。同様に、「経験頻度GF」や「経験頻度SF」についても、具体的な回数により閾値を明確にするようにしても良い。
【0063】
また、本実施の形態においては、図7に示すフローチャートに従って判定することで、9つのエラータイプに分類しているが、判定方法は、このフローチャートに限定されるものではなく、上記9つのエラータイプに分類できる判定方法であれば、適宜変更可能である。
【0064】
また、本実施の形態に係るヒューマンエラーの分類は、図4のS1からS4まで場合分けして、9つのエラータイプに分類しているが、例えばS2までの場合分けにより、5つのエラータイプに分類するだけであっても、各エラーの発生メカニズムを考慮した効率的な対策を立案することが可能である。この場合には、上述した図4の各要素に対する対策の立て方のうち、「注意転換の遅れ(S)」、「注意の逸れ(D)」、「持続的注意の減衰(V)」、「誤スキーマ有り」及び「誤スキーマ無し(NN)」に関する対策の立て方を考慮すれば良い。同様に、図4のS1からS3までの場合分けにより、7つのエラータイプに分類するだけであっても、同様な作用効果を得ることができる。
【0065】
また、もちろん9つの分類よりも、細分化することも可能である。例えば、「注意の逸れ(D)」について、注意の逸れた対象が「外的対象」であるか「内的対象」であるかにより、さらに細分化して分類することが可能である。「外的対象」とは、雷鳴がとどろきや雨が降り始めたこと等であり、「内的対象」とは、職場や家庭での心配事や次の作業等である。このように、さらに再分類化すれば、より効果的な対策を立案することが可能である。
【0066】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、有効な防止対策を利宇案するために、効果的なヒューマンエラー分類を行うことが可能なヒューマンエラー分類システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るヒューマンエラー分類システムの概略構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るヒューマンエラー分類システムが対象とするヒューマンエラーの範囲を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る良定義エラーの発生を説明するためのモデルを示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る認知的発生メカニズムのモデルに基づくヒューマンエラー分類体系を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るエラータイプの詳細を説明する図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る操作者がキーボードを介してヒューマンエラーを入力する際の入力項目を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るヒューマンエラー分類システムによりヒューマンエラーを分類する際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態に係る発生メカニズムを考慮した各エラータイプに対する対策防止の骨子を示す図である。
【符号の説明】
1 ヒューマンエラー分類システム
10 PC本体
11 演算装置
12 記憶装置
20 ディスプレイ
30 キーボード

Claims (8)

  1. ヒューマンエラーを複数のエラータイプに分類するヒューマンエラー分類システムにおいて、
    発生したヒューマンエラーに関する所定の項目情報を格納すると共に、前記ヒューマンエラーに関して所定の判定を行うための情報を格納する記憶装置と、
    前記所定の項目情報及び前記所定の判定を行うための情報に基づいて、前記ヒューマンエラーを複数のエラータイプに分類するための判定処理を行う演算装置と、を備え、
    前記演算装置は、前記記憶装置に格納されている項目情報から、正しい作業や判断への注意が欠損した要因に着目して、ヒューマンエラーを、「注意転換の遅れ」、「注意の逸れ」又は「持続的注意の減衰」の三通りのエラータイプに分類する判定処理と、前記記憶装置に格納されている項目情報から、誤った作業や判断を行ったか否かに着目し、ヒューマンエラーを、「誤った作業や判断有り」又は「誤った作業や判断無し」の二通りのエラータイプに分類する判定処理と、を少なくとも実行することを特徴とするヒューマンエラー分類システム。
  2. 前記演算装置は、前記「誤った作業や判断有り」に分類されるヒューマンエラーに対して、前記記憶装置に格納されている項目情報から、当該誤った作業や判断に注意が向けられた要因に着目して、「直前活性」又は「高経験頻度」の二通りにエラータイプに分類する判定処理を、さらに実行することを特徴とする請求項1記載のヒューマンエラー分類システム。
  3. 前記演算装置は、前記「高経験頻度」に分類されるヒューマンエラーに対して、前記記憶装置に格納されている項目情報から、前記誤った作業や判断の種類に着目して、「通常なら正しい作業や判断」又は「効率的な作業や判断」の二通りのエラータイプに分類する判定処理を、さらに実行することを特徴とする請求項2記載のヒューマンエラー分類システム。
  4. 前記記憶装置は、ヒューマンエラーが発生した際の事故事象とその直前の事象との時間間隔を表す「直前事象と事故事象との時間間隔」、正しい作業や判断から注意が逸れた対象の有無を表す「注意の逸れの対象」、前記事故事象に対応する正しい作業や判断への注意を持続する時間間隔を表す「注意の持続時間」、及び前記事故事象と類似する事象の有無を表す「類似事象の有無」の項目情報を含み、
    前記演算装置は、前記「直前事象と事故事象との時間間隔」の項目情報に基づいて前記「注意転換の遅れ」のエラータイプへの判定処理を実行し、前記「注意の逸れの対象」の項目情報に基づいて前記「注意の逸れ」のエラータイプへの判定処理を実行し、前記「注意の持続時間」の項目情報に基づいて前記「持続的注意の減衰」のエラータイプへの判定処理を実行し、前記「類似事象の有無」の項目情報に基づいて前記「誤った作業や判断有り」又は「誤った作業や判断無し」のエラータイプへの判定処理を実行する、ことを特徴とする請求項1乃至3何れか1項に記載のヒューマンエラー分類システム。
  5. 発生したヒューマンエラーに関する所定の項目情報が格納されている記憶装置を備えたヒューマンエラー分類システムにより、ヒューマンエラーを複数のエラータイプに分類するヒューマンエラー分類方法であって、
    前記記憶装置に格納されている項目情報から、正しい作業や判断への注意が欠損した要因に着目して、ヒューマンエラーを、「注意転換の遅れ」、「注意の逸れ」又は「持続的注意の減衰」の三通りのエラータイプに分類する工程と、
    前記記憶装置に格納されている項目情報から、誤った作業や判断を行ったか否かに着目し、ヒューマンエラーを、「誤った作業や判断有り」又は「誤った作業や判断無し」の二通りのエラータイプに分類する工程と、
    を備えたことを特徴とするヒューマンエラー分類方法。
  6. 前記「誤った作業や判断有り」に分類されるヒューマンエラーに対して、前記記憶装置に格納されている項目情報から、当該誤った作業や判断に注意が向けられた要因に着目して、「直前活性」又は「高経験頻度」の二通りのエラータイプに分類する工程、をさらに備えたことを特徴とする請求項5記載のヒューマンエラー分類方法。
  7. 前記「高経験頻度」に分類されるヒューマンエラーに対して、前記記憶装置に格納されている項目情報から、前記誤った作業や判断の種類に着目して、「通常なら正しい作業や判断」又は「効率的な作業や判断」の二通りのエラータイプに分類する工程、をさらに備えたことを特徴とする請求項6記載のヒューマンエラー分類方法。
  8. 発生したヒューマンエラーに関する所定の項目情報が格納されている記憶装置を備えたコンピュータに、ヒューマンエラーを複数のエラータイプに分類する作業を実行させるヒューマンエラー分類プログラムにおいて、
    前記記憶装置に格納されている項目情報から、正しい作業や判断への注意が欠損した要因に着目して、ヒューマンエラーを、「注意転換の遅れ」、「注意の逸れ」又は「持続的注意の減衰」の三通りのエラータイプに分類するステップと、
    前記記憶装置に格納されている項目情報から、誤った作業や判断を行ったか否かにより、ヒューマンエラーを、「誤った作業や判断有り」又は「誤った作業や判断無し」の二通りのエラータイプに分類するステップと、
    前記「誤った作業や判断有り」に分類されるヒューマンエラーに対して、前記記憶装置に格納されている項目情報から、当該誤った作業や判断に注意が向けられた要因に着目して、「直前活性」又は「高経験頻度」の二通りにエラータイプに分類するステップと、
    前記「高経験頻度」に分類されるヒューマンエラーに対して、前記記憶装置に格納されている項目情報から、前記誤った作業や判断の種類に着目して、「通常なら正しい作業や判断」又は「効率的な作業や判断」の二通りのエラータイプに分類するステップと、
    をコンピュータに実行させることを特徴とするヒューマンエラー分類プログラム。
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