JP2004302541A - 輸送管理支援システム - Google Patents
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Abstract
【課題】物流にかかる経費を削減する施策と排出物質の排出量を削減する施策の効果を容易に算出し、更に両者相互の影響を容易に算出する輸送管理支援システムを提供する。
【解決手段】輸送走行距離管理DB21、物流実績計算部12、物流SS部14、LCA計算部13及び排出物質SS部15を備える輸送管理支援システムを用いる。輸送走行距離管理DB21は、物流情報を格納する。物流実績計算部12は、物流情報に基づき、物流実績情報を算出する。物流SS部14は、物流費削減施策情報の物流費の第1削減率を算出し出力する。また、排出物質削減施策情報の物流費の第3削減率を算出し出力する。LCA計算部13は、物流情報に基づき、排出物質排出実績情報を算出する。排出物質SS部15は、排出物質削減施策情報の排出物質排出量の第2削減率を算出し出力する。物流費削減施策情報の排出物質排出量の第4削減率を算出し出力する。
【選択図】 図1
【解決手段】輸送走行距離管理DB21、物流実績計算部12、物流SS部14、LCA計算部13及び排出物質SS部15を備える輸送管理支援システムを用いる。輸送走行距離管理DB21は、物流情報を格納する。物流実績計算部12は、物流情報に基づき、物流実績情報を算出する。物流SS部14は、物流費削減施策情報の物流費の第1削減率を算出し出力する。また、排出物質削減施策情報の物流費の第3削減率を算出し出力する。LCA計算部13は、物流情報に基づき、排出物質排出実績情報を算出する。排出物質SS部15は、排出物質削減施策情報の排出物質排出量の第2削減率を算出し出力する。物流費削減施策情報の排出物質排出量の第4削減率を算出し出力する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、輸送管理支援システムに関し、特に、物品の流通に関わる輸送管理支援システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
製造業においては、工場、倉庫及び販売店のような各拠点間において、部品や完成品を流通させている。これらの物流の方法としては、トラックによる陸送や船舶による海上輸送、飛行機による空輸が例示される。このような各種の輸送媒体では、エネルギー源として化石燃料を利用することが多い。その場合、化石燃料が燃焼するので、排出物質(二酸化炭素や、NOx(窒素酸化物)、SOx(硫黄酸化物)、HC(炭化水素)及びパティキュレートのような公害物質)が発生することになる。
【0004】
一方、近年、地球環境問題が、世界的な関心を集めている。そして、上記の排出物質は、環境汚染物質として注目されている。そのため、排出物質の排出量を削減する取り組みが世界的に行われている。製造業に関わる企業は、上記の例のように排出物質を排出している。従って、排出物質の排出量を抑制することは企業責任の一つとなっている。そして、企業において、排出物質の排出量を削減する努力が続けられている。
【0005】
ただし、企業は、物流にかかる経費を削減するという企業努力も同時に行っている。すなわち、企業において、排出物質の排出量を削減し、それと同時に、物流にかかる経費を削減することが可能な総合的な施策が行われている。
【0006】
ここで、排出物質の排出量を削減し、それと同時に、物流にかかる経費を削減するためには、多くの関連データを収集する必要がある。そのため、施策の立案に時間がかかることになる。また、作成した施策を実行した後、その効果を確認するにも多くの関連データを収集する必要がある。そのため、効果の確認についても時間がかかり、確認が難しい。排出物質の排出量を削減し、それと同時に、物流にかかる経費を削減する施策のバランスを考慮した最適な施策を容易に導き出し、その効果を容易に確認することが可能な技術が求められている。
【0007】
関連する技術として、特開2002−352372号公報に、輸送合理化支援システムの技術が開示されている。この技術の輸送合理化支援システムは、少なくとも輸送手段、輸送単位、発着地輸送費を収集した輸送実績データベース中の各オーダの着地(到着地点)に対して、少なくとも利用可能な輸送手段と経路を収納した輸送手段・経路データファイルと、少なくとも2地点間の距離を計算可能な情報を収納した地理データファイルと、少なくとも輸送手段に対応するタリフ(料金表)を収納したコストデータファイルを検索して、利用可能な輸送手段とその経路の全ての組み合わせを作成し、実績の輸送費を含めて、各オーダの着地に対して輸送費が最小となる輸送手段と経路を求めることからなる。
この技術は、個々の着地に最適な輸送手段と経路を計算し、輸送費の削減・合理化を支援するシステムを提供することにある。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−352372号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、排出物質の排出量を削減する施策を容易に作成することが可能な輸送管理支援システムを提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、物流にかかる経費を削減する施策を容易に作成することが可能な輸送管理支援システムを提供することにある。
【0011】
本発明の更に他の目的は、排出物質の排出量を削減する施策と物流にかかる経費を削減する施策との相互の影響を容易に評価することが可能な輸送管理支援システムを提供することにある。
【0012】
本発明の別の目的は、排出物質の排出量を削減する施策や物流にかかる経費を削減する施策について、その効果を比較し最適な施策を容易に導き出すことが可能な輸送管理支援システムを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
以下に、[発明の実施の形態]で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0014】
従って、上記課題を解決するために、本発明の輸送管理支援システムは、輸送走行距離管理データベース(21)と、物流費実績計算部(12)と、物流シミュレーション部(14)と、排出物質排出実績計算部(13)と、排出物質シミュレーション部(15)とを具備する。
ここで、輸送走行距離管理データベース(21)は、物流に関する物流情報を格納する。物流費実績計算部(12)は、その物流情報に基づいて、その物流に関する物流費の実績としての物流費実績情報を算出する。物流シミュレーション部(14)は、複数の物流費削減施策情報の各々ごとに、その物流費の実績に対する削減率としての第1削減率を算出する。排出物質排出実績計算部(13)は、その物流情報に基づいて、その物流に関する排出物質排出量の実績としての排出物質排出実績情報を算出する。排出物質シミュレーション部(15)は、複数の排出物質削減施策情報の各々ごとに、その排出物質排出量の実績に対する削減率としての第2削減率を算出する。
そして、物流シミュレーション部(14)は、その複数の排出物質削減施策情報の各々ごとに、その物流費の実績に対する削減率としての第3削減率を算出し、その第1削減率とともに出力する。排出物質シミュレーション部(15)は、その複数の物流費削減施策情報の各々ごとに、その排出物質排出量の実績に対する削減率としての第4削減率を算出し、その第2削減率とともに出力する。
ただし、その複数の物流費削減施策情報は、その物流費実績情報に基づいて作成され、その物流費をその物流費の実績に対して削減するための複数の施策を示す。その複数の排出物質削減施策情報は、その排出物質排出実績情報に基づいて作成され、その排出物質排出量をその排出物質排出量の実績に対して削減するための複数の施策を示す。
【0015】
本発明により、排出物質の排出量を削減する施策及び物流にかかる経費を削減する施策を容易に作成することが可能となる。ただし、ここでは削減率を求めているが、各施策の物流費や排出物質排出量を求めて出力することもできる。
【0016】
上記の輸送管理支援システムにおいて、その排出物質は、二酸化炭素、窒素酸化物、硫黄酸化物、炭化水素及びパティキュレートのうちの少なくとも一つを含む。
本発明により、上記の各排出物質は、輸送媒体から排出されるもののうち、環境に対して影響のある物質の代表的なものである。従って、そられを用いることは、適正な評価ができるので好ましい。
【0017】
上記の輸送管理支援システムは、施策提案部(16)を更に具備する。
ただし、施策提案部(16)は、その第1削減率とその第2削減率とその第3削減率とその第4削減率とに基づいて、その複数の物流費削減施策情報及びその複数の排出物質排出量削減施策情報の各々のうちから、所定の条件を満たすものを選択して出力する。
その所定の条件としては、その複数の物流費削減施策情報の各々ごとのその第1削減率とその第4削減率との和、及び、その複数の排出物質排出量削減施策情報の各々ごとのその第2削減率とその第3削減率との和を考えた場合、各和が所定の大きさ以上になる第1条件や、その複数の物流費削減施策情報の各々ごとのその第1削減率とその第4削減率との組、及び、その複数の排出物質排出量削減施策情報の各々ごとのその第2削減率とその第3削減率との組を考えた場合、組内のいずれもの値も所定の大きさ以上になる第2条件などが例示される。
【0018】
本発明により、排出物質の排出量を削減する施策と物流にかかる経費を削減する施策との相互の影響を容易に評価することが可能となる。
【0019】
上記の輸送管理支援システムにおいて、物流シミュレーション部(14)は、物流費実績情報に基づいて、複数の物流費削減施策情報を作成する。排出物質シミュレーション部(15)は、排出物質排出実績情報に基づいて、その複数の排出物質削減施策情報を作成する。
【0020】
本発明により、排出物質の排出量を削減する施策と物流にかかる経費を削減する施策とを迅速、的確に作成でき、それらの相互の影響を容易に評価することが可能となる。
【0021】
上記課題を解決するために、本発明の輸送管理支援システムは、(a)〜(g)ステップを具備する方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
ここで、(a)ステップは、物流に関する物流情報を取得する。(b)ステップは、その物流情報に基づいて、その物流に関する物流費の実績としての物流費実績情報を算出する。(c)ステップは、複数の物流費削減施策情報の各々ごとに、その物流費の実績に対する削減率としての第1削減率を算出する。(d)ステップは、その物流情報に基づいて、その物流に関する排出物質排出量の実績としての排出物質排出実績情報を算出する。(e)ステップは、複数の排出物質削減施策情報の各々ごとに、その排出物質排出量の実績に対する削減率としての第2削減率を算出する。(f)ステップは、その複数の排出物質削減施策情報の各々ごとに、その物流費の実績に対する削減率としての第3削減率を算出する。(g)ステップは、その複数の物流費削減施策情報の各々ごとに、その排出物質排出量の実績に対する削減率としての第4削減率を算出する。
ここで、その複数の物流費削減施策情報は、その物流費実績情報に基づいて作成され、その物流費をその物流費の実績に対して削減する複数の施策を示す。その複数の排出物質削減施策情報は、その排出物質排出実績情報に基づいて作成され、その排出物質排出量をその排出物質排出量の実績に対して削減する複数の施策を示す。
【0022】
本発明により、排出物質の排出量を削減する施策及び物流にかかる経費を削減する施策を容易に作成することが可能となる。
【0023】
上記のプログラムは、更に、(h)〜(i)ステップを具備する。
ここで(h)ステップは、その第1削減率とその第2削減率とその第3削減率とその第4削減率とに基づいて、その複数の物流費削減施策情報及びその複数の排出物質排出量削減施策情報の各々のうちから、所定の条件を満たす施策情報を選択する。(i)ステップは、その選択された施策情報を表示装置に表示する。
【0024】
本発明により、排出物質の排出量を削減する施策と物流にかかる経費を削減する施策との相互の影響を容易に評価することが可能となる。
【0025】
【発明の効果】
本発明により、物流にかかる経費を削減する施策と排出物質の排出量を削減する施策とを容易に作成することができる。そして、物流にかかる経費を削減する施策と排出物質の排出量との相互の影響を容易に算出し、最適施策を導き出すことが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の輸送管理支援システムの実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。
【0027】
まず、本発明の輸送管理支援システムの実施の形態の構成について説明する。図1は、輸送管理支援システムの実施の形態の構成を示すブロック図である。輸送管理支援システム1は、ネットワーク2を介して、情報端末3−i(i=1〜n)に双方向通信可能に接続されている。
【0028】
ネットワーク2は、通信回線網である。ネットワーク2としては、LANやWANのような専用回線網やインターネットのような公衆回線網が例示される。情報端末3−i(i=1〜n)は、システム管理者や輸送管理支援システム1を利用するユーザ(物流の担当者など)が用いる情報処理装置である。情報処理装置としては、パーソナルコンピュータや携帯電話、PDA(Personal Digital Asistant)が例示される。
【0029】
輸送管理支援システム1は、情報処理装置である。情報処理装置としては、パーソナルコンピュータやワークステーションが例示される。輸送管理支援システム1は、コンピュータが実行可能なプログラムとしての輸送データ管理部11、物流実績計算部12、LCA(Life Cycle Assesment)計算部13、物流シミュレーション部14、排出物質シミュレーション部15及び施策提案部16を具備する。そして、コンピュータが利用可能なデータベースとしての輸送走行距離管理データベース21、コードデータベース22、物流実績データベース23、排出物質実績データベース24、施策シミュレーションデータベース25を更に具備する。
【0030】
輸送データ管理部11は、物流に関する物流情報を取得して、輸送走行距離管理データベース21に格納する。ここで、物流情報は、流通する荷物(物品)に関する情報(例示:容量、重量、個数)、輸送媒体に関する情報(例示:輸送会社、輸送媒体、最大積載量、物流費)、輸送に関する情報(例示:輸送元、輸送先、輸送ルート、走行距離、混載率、出荷着荷時刻)を含む。
【0031】
物流実績計算部12は、物流情報に基づいて、物流に関する物流費の実績としての物流費実績情報を算出する。そして、算出した物流費実績情報を物流実績データベース23に格納する。ここで、物流費実績情報は、実際に行われた物流に対して発生する経費(物流費の実績)であり、例えば、基本料金+単価×荷物の量(容量、重量)などで計算される。ただし、本発明はこの式に制限されない。物流費実績情報は、日、月、年、輸送媒体、輸送会社、輸送元及び輸送先のようなカテゴリー別に算出される。
物流に関する情報を一つのデータベースで一元管理しているので、物流実績計算部12で迅速かつ容易に物流費の実績を算出することができる。
【0032】
LCA計算部13は、物流情報に基づいて、物流に関する排出物質排出量の実績としての排出物質排出実績情報を算出する。そして、算出した排出物質排出実績情報を排出物質実績データベース24に格納する。ここで、排出物質は、物流に伴い輸送媒体から排出される物質である。排出物質としては、輸送媒体の排気ガスに含まれるNOx(窒素酸化物)、SOx(硫黄酸化物)、HC(炭化水素)及びパティキュレートのような公害物質、二酸化炭素が例示される。排出物質排出実績情報は、実際に排出物質ごとに、排出物質の単位排出量×輸送距離×荷物の量(容量、重量)などで計算される。ただし、本発明はこの式に制限されない。排出物質排出実績情報は、排出物質ごとに、日、月、年、輸送媒体、輸送会社、輸送元及び輸送先のようなカテゴリー別に算出される。
物流に関する情報を一つのデータベースで一元管理しているので、LCA計算部13で迅速かつ容易に排出物質排出量の実績を算出することができる。
【0033】
物流シミュレーション部14は、複数の物流費削減施策情報の各々ごとに、物流費の実績に対する施策を実施した場合の物流費及びその削減率である第1削減率を算出する。ここで、複数の物流費削減施策情報は、物流費実績情報に基づいて作成される。そして、物流費を、物流費の実績に対して削減するための複数の施策を示す。
また、物流シミュレーション部14は、後述の複数の排出物質削減施策情報の各々ごとに、物流費の実績に対する施策を実施した場合の物流費及びその削減率である第3削減率を算出する。
そして、第1削減率及び第3削減率又は算出された物流費を出力する。
【0034】
排出物質シミュレーション部15は、複数の排出物質削減施策情報の各々ごとに、排出物質排出量の実績に対する施策を実施した場合の排出物質排出量及びその削減率である第2削減率を算出する。ここで、複数の排出物質削減施策情報は、排出物質排出実績情報に基づいて作成される。そして、排出物質排出量を、排出物質排出量の実績に対して削減するための複数の施策を示す。
また、排出物質シミュレーション部15は、複数の物流費削減施策情報の各々ごとに、排出物質排出量の実績に対する施策を実施した場合の排出物質排出量及びその削減率である第4削減率を算出する。
そして、第2削減率及び第4削減率又は算出された排出物質排出量を出力する。
【0035】
施策提案部16は、第1削減率と第2削減率と第3削減率と第4削減率とに基づいて、複数の物流費削減施策情報及び複数の排出物質排出量削減施策情報の各々のうちから、所定の条件を満たすものを選択して出力する。施策を実施した場合の物流費や排出物質素排出量に基づいて行ってもよい。また、対象とする排出物質は、排出物質の全てとしても良いし、そのうちの特に注目される一つ又は少数の排出物質としても良い。ここで、所定の条件は、例えば以下のような条件、又はそれらの組み合わせである。ただし、本発明はこれらの条件に制限されるものではない。
(1)第1条件:
複数の物流費削減施策情報の各々ごとに第1削減率から第4削減率を減算した値、及び、複数の排出物質排出量削減施策情報の各々ごとに第2削減率から第3削減率を減算した値について、減算した値が所定の大きさ以上になる。
(2)第2条件:
各施策に対応する第1削減率と第4削減率との組、及び、第2削減率と第3削減率との組について、各組における二種類の削減率が、いずれも所定の大きさ以上になる。
(3)第3条件:
各施策を実施した場合の物流費が、所定の大きさ以下になる。
(4)第4条件:
各施策を実施した場合の排出物質排出量が、所定の大きさ以下になる。
これらの評価により、物流費削減施策と排出物質排出量削減施策との相互の影響を考慮した判断が可能となる。
【0036】
輸送走行距離管理データベース21は、輸送媒体を用いた物流に関する物流情報を格納する。コードデータベース22は、各データベースに用いられるデータの名称とその名称を示すコードとを関連付けて格納する。物流実績データベース23は、物流情報に基づいて算出された物流に関する物流費の実績としての物流費実績情報を格納する。排出物質実績データベース24は、物流情報に基づいて算出された物流に関する排出物質排出量の実績としての排出物質排出実績情報を格納する。施策シミュレーションデータベース25は、複数の物流費削減施策情報とそれらに関する第1削減率と第4削減率、及び、複数の排出物質排出量削減施策情報とそれらに関する第2削減率と第3削減率を格納する。
【0037】
次に、輸送管理支援システム1のハードウェアの構成について説明する。図2は、輸送管理支援システム1のハードウェアの構成を示す図である。輸送管理支援システム1は、情報処理装置であり、CPU5、記憶部6、RAM7、入出力部8、通信インタフェース(I/F)9及びバス10を具備する。
【0038】
バス10は、CPU5、記憶部6、RAM7、入出力部8及び通信I/F9の間のアドレス、データ、制御信号等を送受するために使用される。
【0039】
通信I/F9は、輸送管理支援システム1とネットワーク2との間の信号の送受を制御する。即ち、通信I/F9は、バス10から送られてくる信号をネットワーク2へ出力すると共に、ネットワーク2から送られてくる信号をバス10に送る。なお、図2では、通信I/F9は、バス10に接続される構成としているが、CPU5に接続されるように構成することもできる。
【0040】
CPU5は、上述した輸送データ管理部11、物流実績計算部12、LCA計算部13、物流シミュレーション部14、排出物質シミュレーション部15及び施策提案部16に例示される各プログラムを実行する。このCPU5の動作の詳細は、後にフローチャートを参照して詳細に説明する。
【0041】
記憶部6は、CPU5で実行する上記の各プログラム(例示:輸送データ管理部11、物流実績計算部12、LCA計算部13、物流シミュレーション部14、排出物質シミュレーション部15及び施策提案部16)や、上記の各データベース(例示:輸送走行距離管理データベース21、コードデータベース22、物流実績データベース23、排出物質実績データベース24、及び施策シミュレーションデータベース25)、プログラムの実行結果のような各種の情報を格納する。記憶部6としては、ハードディスク(HDD)やROMが例示される。
【0042】
RAM7は、CPU5がプログラムに従って処理を行う際の作業用領域として使用される。このRAM7には、カウンタ、レジスタ、フラグ、テーブル等が定義される。
【0043】
入出力部8は、輸送管理支援システム1に対してデータの入出力を行う。入力部としては、キーボードやマウスが例示される。出力部としては、表示装置やプリンタが例示される。
【0044】
次に、輸送走行距離管理データベース21について詳細に説明する。
図3は、輸送走行距離管理データベース21を示す図である。輸送走行距離管理データベース21は、図に示されるような物流情報を格納する。
【0045】
No.21−1は、データの通し番号である。輸送元21−2及び輸送先21−4は、それぞれ荷物を集荷する場所及び荷物を送り届ける場所である。拠点区分21−3及び拠点区分21−5は、それぞれ輸送元21−2及び輸送先21−4の拠点区分である。ここで拠点区分は、出荷場、二輪販売店、四輪販売店のような各拠点(輸送元及び輸送先)の種類を示す。輸送ルート21−6は、荷物を輸送する際の地図上のルートである。予め基本ルートが設定されている。走行距離21−7は、輸送ルートでの輸送元と輸送先との間の移動距離である。便No.21−8は、その輸送を行う便の識別番号である。輸送媒体21−9は、輸送を行う手段である。輸送媒体としては、トラックや船舶、飛行機が例示される。それらは、大きさ(例示:トン数)、燃料の種別(例示:ガソリン/ディーゼル)、などで区分けされる。最大積載量21−10は、輸送媒体が積載可能な最大の積載量である。輸送会社21−11は、輸送を担当する会社である。単価21−12は、この輸送により発生する費用(物流費)の単価を示す。単価を決める単位は、例えば、容量や個数、重量などである。容量21−13は、この輸送で運ぶ荷物の総容量を示す。容量は、例えば体積や才数で表示する。重量21−14は、この輸送で運ぶ荷物の総重量を示す。個数21−15は、この輸送で運ぶ荷物の個数を示す。個数は、例えば所定の大きさの梱包箱の数で表示する。混載率21−16は、輸送媒体で輸送可能な荷物に対する、この輸送で運ぶ荷物の割合を示す。出荷時刻21−17は、荷物が輸送元から実際に出荷される時刻を示す。着荷時刻21−18は、荷物が輸送先へ実際に送り届けられる時刻を示す。一次/二次21−19は、この輸送が、一次輸送か、又は、二次輸送かを示す。物流費21−20は、この輸送により発生する費用(物流費)を示す。
【0046】
上記各データのうち、輸送元21−2〜単価21−12は、運送会社(輸送会社)と交わす荷物の輸送の契約に基づいて入力される。容量21−13〜物流費21−20は、実際の出荷に基づいて入力される。
【0047】
次に、コードデータベース22について詳細に説明する。
図4は、コードデータベース22を示す図である。コードデータベース22は、データの名称とその名称を示すコードとを関連付けて格納する。輸送会社データ31、輸送拠点データ32、輸送媒体データ33、拠点区分データ34及び輸送ルートデータ35を含む。
【0048】
輸送会社データ31は、輸送会社の名称である輸送会社名称31−1と、輸送会社に割り当てられたコードとしての輸送会社コード31−2とを関連付けている。輸送拠点データ32は、輸送拠点の名称である輸送拠点名称32−1と、輸送拠点に割り当てられたコードとしての輸送拠点コード32−2とを関連付けている。輸送媒体データ33は、輸送媒体の名称である輸送媒体名称33−1と、輸送媒体に割り当てられたコードとしての輸送媒体コード33−2とを関連付けている。拠点区分データ34は、拠点区分の名称である拠点区分名称34−1と、拠点区分に割り当てられたコードとしての拠点区分コード34−2とを関連付けている。輸送ルートデータ35は、輸送ルートの名称である輸送ルート名称35−1と、輸送ルートに割り当てられたコードとしての輸送ルートコード35−2とを関連付けている。
【0049】
次に、物流実績データベース23について詳細に説明する。
物流実績データベース23は、物流情報に基づいて算出された物流に関する物流費の実績としての物流費実績情報を格納する。物流実績データベース23は、月別実績データ41、走行距離データ42、日別出荷実績データ43、月別出荷実績データ44及び年間累積実績データ45を含む。
【0050】
図5は、月別実績データ41を示す図である。出荷元ごとに物流の実績を月別にまとめたデータである。出荷元41−1及び出荷先41−2は、それぞれ既述の輸送元21−2及び輸送先21−4に対応する。項目41−3は、物流の実績をまとめる際の項目である。項目としては、容量(例示:才数)、重量、個数、件数及び物流費が例示される。月41−4は、各月を示す。そして、該当する月の欄に、月別の各項目41−3に示されるデータが入力される。
【0051】
図6は、走行距離データ42を示す図である。輸送媒体ごとに走行距離の実績を月別にまとめたデータである。輸送媒体42−1は、既述の輸送媒体21−9に対応する。月42−2は、各月を示す。そして、該当する月の欄に、月別の各輸送媒体42−1ごとの走行距離を示すデータが入力される。
【0052】
図7(a)〜(c)は、それぞれ日別出荷実績データ43、月別出荷実績データ44及び年間累積実績データ45を示す図である。
図7(a)の日別出荷実績データ43は、日付43−1に示される日別の出荷の実績に関わるデータをまとめている。ここで、日付43−1、出荷元43−2、出荷先43−3、拠点区分43−4、容量43−5、重量43−6、混載率43−7、輸送会社43−8、単価43−9、走行距離43−10、着荷時間43−11及び物流費43−12は、それぞれ輸送走行距離管理データベース21の出荷時刻21−17、輸送元21−2、輸送先21−4、拠点区分21−5、容量21−13、重量21−14、混載率21−16、輸送会社21−11、単価21−12、走行距離21−7、出荷時刻21−17と着荷時刻21−18との差、及び物流費21−20に対応する。
【0053】
図7(b)の月別出荷実績データ44は、月44−1に示される月別の出荷の実績に関わるデータをまとめている。ここで、月44−1、出荷元44−2、出荷先44−3、拠点区分44−4、輸送会社44−8は、それぞれ輸送走行距離管理データベース21の出荷時刻21−17、輸送元21−2、輸送先21−4、拠点区分21−5、輸送会社21−11に対応する。容量44−5、重量44−6、走行距離44−10、物流費44−12は、それぞれ輸送走行距離管理データベース21の容量21−13、重量21−14、走行距離21−7、物流費21−20に関する出荷元44−2等ごとの月間の合計に対応する。着荷時間44−11は、出荷時刻21−17と着荷時刻21−18との差の月間の合計に対応する。混載率44−7は、混載率21−16の重量43−6及び走行距離43−10に関する加重平均に対応する。単価44−9は、物流費44−12を容量44−5等で割った値に対応する。
【0054】
図7(c)の年間累積実績データ45は、年45−1に示される年間の出荷の実績に関わるデータをまとめている。ここで、年45−1、出荷元45−2、出荷先45−3、拠点区分45−4、容量45−5、重量45−6、輸送会社45−7、走行距離45−8及び物流費45−9は、それぞれ輸送走行距離管理データベース21の出荷時刻21−17、輸送元21−2、輸送先21−4、拠点区分21−5、容量21−13、重量21−14、輸送会社21−11、走行距離21−7及び物流費21−20に対応する。
【0055】
次に、排出物質実績データベース24について詳細に説明する。
排出物質実績データベース24は、物流情報に基づいて算出された物流に関する排出物質排出量の実績としての排出物質排出実績情報を格納する。排出物質実績データベース24は、日別排出物質排出量実績データ51、月別排出物質排出量実績データ52及び年間累積排出物質排出量実績データ53を含む。
【0056】
図8(a)〜(c)は、それぞれ日別排出物質排出量実績データ51、月別排出物質排出量実績データ52及び年間累積排出物質排出量実績データ53を示す図である。各データは、排出物質の種類ごとに作成される。
図8(a)の日別排出物質排出量実績データ51は、日付51−1に示される年間の排出物質排出量の実績に関わるデータをまとめている。ここで、輸送媒体51−2、走行距離51−3、混載率51−4及び重量51−5は、それぞれ輸送走行距離管理データベース21の輸送媒体21−9、走行距離21−7、混載率21−16及び重量21−14に対応する。排出物質排出量51−6は、その日にその輸送媒体51−2が排出した排出物質の量を示す。ただし、その量は、輸送媒体51−2、走行距離51−3、混載率51−4及び重量51−5に基づいて、排出物質の種類ごとに設定された所定の式で算出される。日間排出物質排出量51−7は、一日分の排出物質排出量の総計を示す。排出物質排出量51−6の各一日分の合計で算出される。
【0057】
図8(b)の月別排出物質排出量実績データ52は、月52−1に示される月別の排出物質排出量の実績に関わるデータをまとめている。ここで、輸送媒体52−2は、輸送走行距離管理データベース21の輸送媒体21−9に対応する。排出物質排出量52−3は、その月にその輸送媒体52−2が排出した排出物質の量を示す。ただし、その量は、日別排出物質排出量実績データ51の対応する輸送媒体52−2について、排出物質排出量51−6の一ヶ月分を合計して算出される。月間排出物質排出量52−4は、一ヶ月分の排出物質排出量の総計を示す。排出物質排出量52−6の各一ヶ月分の合計で算出される。
【0058】
図8(c)の年間累積排出物質排出量実績データ53は、年53−1に示される年間の排出物質排出量の実績に関わるデータをまとめている。ここで、輸送媒体53−2は、輸送走行距離管理データベース21の輸送媒体21−9に対応する。排出物質排出量53−3は、その年にその輸送媒体53−2が排出した排出物質の量を示す。ただし、月別排出物質排出量実績データ52において対応する輸送媒体52−2について、排出物質排出量52−6の12ヶ月分を合計して算出される。年間排出物質排出量53−4は、一ヶ月分の排出物質排出量の総計を示す。排出物質排出量53−3の各一ヶ月分の合計で算出される。
【0059】
次に、施策シミュレーションデータベース25について詳細に説明する。
施策シミュレーションデータベース25は、複数の物流費削減施策情報とそれらに関する第1削減率と第4削減率、及び、複数の排出物質排出量削減施策情報とそれらに関する第2削減率と第3削減率を格納する。施策シミュレーションデータベース25は、施策データ60と施策評価データ61とを含む。
【0060】
図9(a)〜(b)は、それぞれ施策データ60及び施策評価データ61を示す図である。
図9(a)の施策データ60は、各施策の内容を示している。ここで、施策の識別番号としての施策No.60−1と、物流費削減施策及び排出物質排出量削減施策としての施策データ60−2を関連付けて格納している。
【0061】
図9(b)の施策評価データ61は、各施策についてシミュレーションを行い評価した結果をまとめている。各数字は、一例を示している。ここで、施策の識別番号としての施策No.61−1は、施策No.60−1に対応する。物流費61−2は、各施策における月間の物流費(総額)を示す(例示:億円)。排出物質排出量61−3は、各施策における月間の排出物質排出量(総量)を示す(例示:トン、kg)。
【0062】
物流削減率61−4は、物流費の削減率を示す。物流費削減施策に対しては第1削減率、排出物質排出量削減施策に対しては第3削減率ともいう。マイナスが大きいほど、より大きく削減されることを示す。
また、排出物質削減率61−5は、排出物質の削減率を示す。物流費削減施策に対しては第4削減率、排出物質排出量削減施策に対しては第2削減率ともいう。マイナスが大きいほど、より大きく削減されることを示す。
【0063】
条件1(61−6)は、既述の第1条件を示し、各施策における総削減率が、−5%を超える場合を○、そうでない場合を×で示している。ただし、総削減率は、以下の式で求める。
総削減量(%)=(物流削減率61−4)+(排出物質削減率61−5) …(1)
条件2(61−7)は、既述の第2条件を示し、各施策における物流削減率61−4及び排出物質削減率61−5のいずれもが0又はマイナスの場合を○、そうでない場合を×で示している。
条件3(61−8)は、既述の第3条件を示し、各施策における物流費61−2が所定の大きさ(ここでは、例えば、1.8億円)以下の場合を○、そうでない場合を×で示している。
条件4(61−9)は、既述の第4条件を示し、各施策における排出物質排出量61−3が所定の大きさ(ここでは、例えば、1.0トン)以下の場合を○、そうでない場合を×で示している。
【0064】
ただし、図9(b)においては、排出物質排出量61−3の欄を一つにしている。この場合、排出物質を一つ(例示:二酸化炭素)に絞って排出量を求めても良く、複数ある排出物質の排出量を重み付けした排出量を用いても良い。重み付けした排出量としては、排出物質ごとに重み付け係数を設定し、各排出物質の排出量を重み付け平均した値が例示される。あるいは、図9(b)の例に限らず、排出物質ごとに排出物質排出量61−3の欄を設けても良い。
更に、図9(b)においては、排出物質削減率61−5の欄を一つにしている。この場合、排出物質を一つ(例示:二酸化炭素)に絞って削減率を求めても良く、複数ある排出物質の削減率を重み付けした削減率を用いても良い。重み付けした削減率としては、排出物質ごとに重み付け係数を設定し、各排出物質の削減率を重み付け平均した値が例示される。あるいは、図9(b)の例に限らず、排出物質ごとに排出物質削減率61−5の欄を設けても良い。
【0065】
上記の場合、物流費や物流削減率と共に、複数の排出物質排出量や複数の排出物質削減率を全てを用いて、各施策を総合的に評価することもできる。総合的に評価する条件としては、次の第5条件から第8条件が例示される。
(1)第5条件:
複数の物流費削減施策情報及び複数の排出物質排出量削減施策情報の各々ごとに、物流削減率から、それぞれの排出物質削減率の合計を減算した値について、減算した値が所定の大きさ以上になる。
(2)第6条件:
複数の物流費削減施策情報及び複数の排出物質排出量削減施策情報の各々において、物流削減率、及び、それぞれの排出物質削減率が、いずれも所定の大きさ以上になる。
(3)第7条件:
各施策を実施した場合の物流費が、所定の大きさ以下になる。
(4)第8条件:
各施策を実施した場合の排出物質ごとの排出物質排出量を総計した値が、所定の大きさ以下になる。
【0066】
次に、本発明の輸送管理支援システムの実施の形態の動作について説明する。図10は、輸送管理支援システムの実施の形態の動作を示すフロー図である。
ここでは、月間の物流の実績に基づいて、施策を検討し、翌月の物流に反映させる場合を示す。すなわち、ある月における月間の物流について、実績による数値と、施策を実施したと仮定した場合の数値とを比較して、所定の条件を満足する適切な施策を選択する。そして、その適切な施策を翌月の物流に反映させる。
【0067】
(1)ステップS1
企業は、月の初めに輸送会社(運送会社)と物流に関する契約を行う。企業の物流担当者又はデータベース管理者(以下、「担当者」という)は、情報端末3−iから、契約内容に基づいて、物流情報の一部を輸送管理支援システム1へ入力する。入力する物流情報は、輸送元(出荷元)名称とその拠点区分名称、輸送先(出荷先)名称とその拠点区分名称、輸送媒体名称、最大積載量、輸送会社名称、単価、一次/二次輸送の区別、物流費を含む。最大積載量、単価、一次/二次輸送の区別、物流費は、所定の単位で表示される数値を入力する。
【0068】
輸送管理支援システム1の輸送データ管理部11は、入力された物流情報について、No.21−1及び便No.21−8を付与する。そして、その物流情報の一部をコードデータベース22の各データに基づいて、コードに変換し、輸送走行距離管理データベース21の該当個所に格納する。例えば、輸送元名称及び輸送先名称は、輸送拠点データ32に基づいてコードに変換され、輸送元21−2及び輸送先21−4に格納される。それらの拠点区分名称は、拠点区分データ34に基づいてコードに変換され、拠点区分21−3及び拠点区分21−5に格納される。輸送媒体名称は、輸送媒体データ33に基づいてコードに変換され、輸送媒体21−9に格納される。輸送会社名称は、輸送会社データ31に基づいて変換され、輸送会社21−11に格納される。最大積載量、単価、一次/二次輸送の区別、物流費は、それぞれ最大積載量21−10、単価21−12、一次/二次21−19、物流費21−20に格納される。
【0069】
(2)ステップS2
輸送元(出荷元)の担当者は、出荷の際、情報端末3−jから、出荷内容に基づいて、物流情報の一部を輸送管理支援システム1へ入力する。入力する物流情報は、出荷情報とコース情報である。出荷情報は、容量、重量、個数及び混載率である。コース情報は、便No.、輸送元名称、輸送先名称、輸送ルート名称、走行距離、出荷時刻及び着荷時刻である。これらのうち、輸送元名称、輸送先名称及び輸送ルート名称を除く各データは、所定の単位(規則)で表示される数値を入力する。
【0070】
輸送管理支援システム1の輸送データ管理部11は、入力された便No.に該当する輸送走行距離管理データベース21の便No.21−8の欄の該当個所に、入力された出荷情報と他のコース情報とを格納する。例えば、容量、重量、個数、混載率、走行距離、出荷時刻及び着荷時刻は、それぞれ容量21−13、重量21−14、個数21−15、混載率21−16、走行距離21−7、出荷時刻21−17及び着荷時刻21−18に格納される。輸送ルート名称は、輸送データ管理部11によりコードデータベース22の輸送ルートデータ35に基づいて、コードに変換し、輸送走行距離管理データベース21の輸送ルート21−6に格納される。輸送元名称、輸送先名称は、コードに変換され、データの一致の確認に用いられる。
【0071】
なお、二次出荷がある(例示:工場から倉庫へ一次出荷したのち、連続して倉庫から販売店へ二次出荷する)場合、二次出荷先(輸送先(出荷先))の担当者は、二次出荷の際、情報端末3−kから、出荷内容に基づいて、物流情報の一部を輸送管理支援システム1へ入力する。入力する物流情報は、二次輸送コース情報である。二次輸送コース情報は、便No.、輸送元名称、輸送先名称、輸送ルート名称、輸送会社名称、輸送媒体名称である。これらのうち、便No.は、所定の規則で表示される数値を入力する。
【0072】
輸送管理支援システム1の輸送データ管理部11は、入力された物流情報について、新たにNo.21−1を付与する。そして、入力された二次輸送コース情報の一部をコードデータベース22の各データに基づいて、コードに変換し、輸送走行距離管理データベース21の該当個所に格納する。例えば、輸送元名称及び輸送先名称は、輸送拠点データ32に基づいてコードに変換され、輸送元21−2及び輸送先21−4に格納される。輸送ルート名称は、輸送ルートデータ35に基づいて、コードに変換し、輸送ルート21−6に格納される。輸送会社名称は、輸送会社データ31に基づいて変換され、輸送会社21−11に格納される。輸送媒体名称は、輸送媒体データ33に基づいてコードに変換され、輸送媒体21−9に格納される。また、輸送データ管理部11は、二次輸送コース情報の入力により、一次/二次21−19に二次輸送であることを示すデータを格納する。なお、二次輸送の物流費は、一次輸送の物流費に含まれている。
【0073】
以上のステップS1〜ステップS2により、一つの物流情報(輸送)に関する情報を輸送走行距離管理データベース21に格納することができる。
【0074】
(3)ステップS3
物流実績計算部12は、月の終わりに輸送走行距離管理データベース21に格納された物流情報に基づいて、物流に関する物流費の実績としての物流費実績情報を算出する。ここで、物流実績情報は、月別実績データ41(図5)、走行距離データ42(図6)、日別出荷実績データ43(図7(a))、月別出荷実績データ44(図7(b))、年間累積実績データ45(図7(c))である。
【0075】
月別実績データ41(図5)については、以下のように作成される。まず、出荷先41−1ごとに、項目41−3で示される項目に対応するデータを、輸送走行距離管理データベース21から抽出する。そして、抽出された各データを、月別に合計する。
【0076】
走行距離データ42(図6)については、以下のように作成される。まず、輸送媒体42−1に対応する輸送媒体21−9ごとに、一月分の走行距離21−7を輸送走行距離管理データベース21から抽出する。そして、抽出された走行距離21−7を、輸送媒体21−9ごとに合計する。
【0077】
日別出荷実績データ43(図7(a))については、以下のように作成される。まず、輸送走行距離管理データベース21から出荷時刻21−17、輸送元21−2、輸送先21−4、拠点区分21−5、容量21−13、重量21−14、混載率21−16、輸送会社21−11、単価21−12、走行距離21−7、着荷時刻21−18及び物流費21−20を抽出する。そして、それぞれのデータが、日付43−1、出荷先43−3、拠点区分43−4、容量43−5、重量43−6、混載率43−7、輸送会社43−8、単価43−9、走行距離43−10、着荷時間43−11及び物流費43−12に対応するように、出荷元43−2ごとに格納する。
【0078】
月別出荷実績データ44(図7(b))については、以下のように作成される。まず、日別出荷実績データ43(図7(a))について、出荷元43−2ごとに分け、その各々について出荷先43−3ごとに分け、その各々について輸送会社43−8ごとに分ける。そして、その分類において、容量43−5、重量43−6、走行距離43−10、着荷時間43−11及び物流費43−12の月間の合計を算出する。そして、対応する出荷元44−2、出荷先44−3及び輸送会社44−8ごとに、それぞれを容量44−5、重量44−6、走行距離44−10、着荷時間44−11及び物流費44−12の値とする。ただし、着荷時間43−11は、出荷時刻21−17と着荷時刻21−18との差である。混載率44−7については、例えば、(重量43−6×走行距離43−10×混載率43−7)/月間稼働日で算出する。ここで、月間稼働日は、月内の物流を行った日数である。単価44−9は、例えば、物流費44−12を容量44−5、重量44−6及び着荷時間44−11の少なくとも一つで割って算出する。
【0079】
年間累積実績データ45(図7(c))については、以下のように作成する。まず、月別出荷実績データ44(図7(b))について、出荷元44−2ごとに分け、その各々について出荷先44−3ごとに分け、その各々について輸送会社44−8ごとに分ける。そして、その分類において、容量44−5、重量44−6、走行距離44−10、着荷時間44−11及び物流費44−12の年間の合計を算出する。そして、対応する出荷元45−2、出荷先45−3及び輸送会社45−7ごとに、それぞれを容量45−5、重量45−6、走行距離45−8、及び物流費45−9の値とする。
【0080】
(4)ステップS4
担当者は、物流費実績情報(月別実績データ41、走行距離データ42、日別出荷実績データ43、月別出荷実績データ44、年間累積実績データ45)に基づいて、複数の物流費削減施策情報を作成する。ここで、物流費削減施策情報は、物流費を、物流費の実績(物流費44−12、45−9)に対して削減するための施策を示す。施策は、施策シミュレーションデータベース25に、施策データ60−2として格納される。
【0081】
施策としては、各輸送会社の料金表に基づいて輸送元の近傍にある各輸送会社の中からより料金の安い輸送会社を選択する、輸送媒体の種類を変更し輸送可能な物品の量を増やす、分割して物品を輸送していたものを一括して効率的に輸送するようにする、輸送を行う時間や時期に合わせて輸送ルートを変更する、などや、それらの組み合わせが例示される。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0082】
複数の物流費削減施策情報の作成は、物流シミュレーション部14により、自動的に行ってもよい。そのような方法としては、各輸送会社の料金表、輸送媒体の種類、走行距離、混載率、輸送する物品の容量、重量、個数に基づいて、物流費を最低にするように、最適化プログラムを用いる方法が例示される。
【0083】
(5)ステップS5
LCA計算部13は、月の終わりに物流実績計算部12による物流費実績情報の算出に併せて、輸送走行距離管理データベース21に格納された物流情報に基づいて、物流に関する排出物質排出量の実績としての排出物質排出実績情報を算出する。ここで、排出物質排出実績情報は、日別排出物質排出量実績データ51(図8(a))、月別排出物質排出量実績データ52(図8(b))及び年間累積排出物質排出量実績データ53(図8(c))である。各データは、排出物質ごとに作成される。
【0084】
日別排出物質排出量実績データ51(図8(a))については、以下のように作成される。まず、輸送走行距離管理データベース21において、日付(出荷時刻21−17)ごと、輸送媒体21−9ごとに、走行距離21−7、混載率21−16及び重量21−14を抽出する。そしてその各々について日間の合計を算出する。それらのデータは、日付51−1ごと、輸送媒体51−2ごとに、走行距離51−3、混載率51−4及び重量51−5に格納する。排出物質排出量51−6は、輸送媒体ごとに、かつ、排出物質ごとに、予め設定された関数により算出する。関数は、LCA計算部13の有する関数テーブル(図示されず)に示される。関数は、例えば、輸送媒体、走行距離、混載率、重量の関数である。日間排出物質排出量51−7は、日付51−1ごとに排出物質排出量51−6の合計を算出したものである。
【0085】
月別排出物質排出量実績データ52(図8(b))については、以下のように作成される。排出物質排出量52−3は、日別排出物質排出量実績データ51において輸送媒体51−2ごとに排出物質排出量51−6の一ヶ月分を合計して算出される。月間排出物質排出量52−4は、全ての輸送媒体52−2について一ヶ月分の排出物質排出量52−3を合計して算出される。
【0086】
年間累積排出物質排出量実績データ53(図8(c))については、以下のように作成される。排出物質排出量53−3は、月別排出物質排出量実績データ52において輸送媒体52−2ごとに排出物質排出量52−3の一年分を合計して算出される。年間排出物質排出量53−4は、全ての輸送媒体53−2について一年分の排出物質排出量53−3を合計して算出される。
【0087】
(6)ステップS6
担当者は、排出物質排出実績情報(日別排出物質排出量実績データ51、月別排出物質排出量実績データ52、年間累積排出物質排出量実績データ53)に基づいて、複数の排出物質削減施策情報を作成する。ここで、排出物質削減施策情報は、排出物質排出量を、排出物質排出量の実績(月間排出物質排出量52−7、年間排出物質排出量53−4)に対して削減するための施策を示す。施策は、施策シミュレーションデータベース25に、施策データ60−2として格納される。
【0088】
施策としては、輸送媒体ごとに予め設定された排出物質の排出量を決定する関数(例えば、輸送媒体、走行距離、混載率、重量の関数)に基づいて、排出物質の排出量を減少させる輸送媒体、走行距離、混載率、重量などの実現可能な組み合わせを探索する、などが例示される。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0089】
排出物質削減施策情報の作成は、LCA計算部13により、自動的に行ってもよい。そのような方法としては、排出物質の排出量を決定する関数(例えば、輸送媒体、走行距離、混載率、重量の関数)を最小とする変数(輸送媒体、走行距離、混載率、重量)について、各変数の有する制限条件のもとで解く最適化プログラムを用いる方法が例示される。
【0090】
(7)ステップS7
物流シミュレーション部14は、ステップS4で作成された複数の物流費削減施策情報の各々ごとに、月間の物流費(以下「第1物流費」という)を計算する。ここでは、前月の物流に対して、物流費削減施策を施した場合の物流費(第1物流費)を計算する。そして、物流費の実績(物流費44−12)に対する第1物流費の削減率としての第1削減率を算出する。算出された第1物流費及び第1削減率は、施策シミュレーションデータベース25の施策評価データ61の物流費61−2及び物流削減率61−4に格納される。
ただし、
第1削減率(%)=(第1物流費−(物流費44−12))/(物流費44−12)×100
【0091】
(8)ステップS8
物流シミュレーション部14は、ステップS6で作成された複数の排出物質削減施策情報の各々ごとに、月間の物流費(以下「第2物流費」という)を計算する。ここでは、前月の物流に対して、排出物質削減施策を施した場合の物流費(第2物流費)を計算する。そして、物流費の実績(物流費44−12)に対する第2物流費の削減率としての第3削減率を算出する。算出された第2物流費及び第3削減率は、施策シミュレーションデータベース25の施策評価データ61の物流費61−2及び物流削減率61−4に格納される。
ただし、
第3削減率(%)=(第3物流費−(物流費44−12))/(物流費44−12)×100
【0092】
(9)ステップS9
排出物質シミュレーション部15は、ステップS6で作成された複数の排出物質削減施策情報の各々ごとに、月間の排出物質排出量(以下「第2排出物質排出量」という)を計算する。ここでは、前月の物流に対して、排出物質削減施策を施した場合の排出物質排出量(第2排出物質排出量)を計算する。そして、排出物質排出量の実績(月間排出物質排出量52−4)に対する第2排出物質排出量の削減率としての第2削減率を算出する。算出された第2排出物質排出量及び第2削減率は、施策シミュレーションデータベース25の施策評価データ61の排出物質排出量61−3及び排出物質削減率61−5に格納される。
ただし、
第2削減率(%)=(第2排出物質排出量−(月間排出物質排出量52−4))/(月間排出物質排出量52−4)×100
また、ここでは、第2排出物質排出量として、複数ある排出物質の排出量を重み付けした排出量を用いる。
【0093】
(10)ステップS10
排出物質シミュレーション部15は、ステップS4で作成された複数の物流費削減施策情報の各々ごとに、月間の排出物質排出量(以下「第1排出物質排出量」という)を計算する。ここでは、前月の物流に対して、排出物質削減施策を施した場合の排出物質排出量(第1排出物質排出量)を計算する。そして、排出物質排出量の実績(月間排出物質排出量52−4)に対する第1排出物質排出量の削減率としての第4削減率を算出する。算出された第1排出物質排出量及び第4削減率は、施策シミュレーションデータベース25の施策評価データ61の排出物質排出量61−3及び排出物質削減率61−5に格納される。
ただし、
第4削減率(%)=(第1排出物質排出量−(月間排出物質排出量52−4))/(月間排出物質排出量52−4)×100
また、ここでは、第1排出物質排出量として、複数ある排出物質の排出量を重み付けした排出量を用いる。
【0094】
(11)ステップS11
施策提案部16は、施策を評価する評価条件(例示:既述の第1条件〜第4条件)に基づいて、施策シミュレーションデータベース25の施策評価データ61に格納された物流費61−2、排出物質排出量61−3、物流削減率61−4及び排出物質削減率61−5のうちの必要なデータを読み出す。そして、読み出したデータに基づいて、複数の物流費削減施策情報及び複数の排出物質排出量削減施策情報の各々のうちから、評価条件を満たす施策情報を選択する。
【0095】
図9(b)を参照して、条件1(61−6)は、評価の条件として既述の第1条件に対する評価を示している。施策提案部16は、ここでは、各施策における総削減量(%)が−5%を超えるものを条件に適合する(○)として選択する。
条件2(61−7)は、評価の条件として既述の第2条件に対する評価を示している。施策提案部16は、ここでは、各施策における物流削減率61−4及び排出物質削減率61−5のいずれもが0又はマイナスのものを条件に適合する(○)として選択する。
条件3(61−8)は、評価の条件として既述の第3条件に対する評価を示している。施策提案部16は、ここでは、各施策における物流費61−2が1.8億円以下のものを条件に適合する(○)として選択する。
条件4(61−9)は、評価の条件として既述の第4条件に対する評価を示している。施策提案部16は、ここでは、各施策における排出物質排出量61−3が1.0トン以下のものを条件に適合する(○)として選択する。
【0096】
(12)ステップS12
施策提案部16は、選択した各施策を示す施策情報(施策データ60−2)を施策データ60から読み出し、表示装置に表示する。ただし、図9(b)に示される施策評価データ61をそのまま表示してもよい。
【0097】
表示装置に提案された選択した各施策を示す施策情報(施策データ60−2)に基づいて、担当者は、適切な施策を選択する。そして、翌月の物流において施策を反映させる。
【0098】
本発明の輸送管理支援システムは、物流費削減施策と排出物質排出量削減施策との相互の影響を算出することができる。それにより、物流費削減と排出物質排出量削減とのバランスを考慮した最適な施策を容易に導き出す支援を行うことが可能となる。
【0099】
本発明の輸送管理支援システムは、物流に関する情報を一元管理している。それにより、情報の収集作業を行うことなく物流費削減施策及び排出物質排出量削減施策の検証を直ちに実行することができる。そして、検証結果を施策の立案に迅速に反映することが可能となる。それにより、例えば翌月の物流に適用し、物流における物流費及び排出物質排出量の改善に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、輸送管理支援システムの実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、輸送管理支援システムのハードウェアの構成を示す図である。
【図3】図3は、輸送走行距離管理データベースを示す図である。
【図4】図4は、コードデータベースを示す図である。
【図5】図5は、月別実績データを示す図である。
【図6】図6は、走行距離データを示す図である。
【図7】図7(a)〜(c)は、それぞれ日別出荷実績データ、月別出荷実績データ及び年間累積実績データを示す図である。
【図8】図8(a)〜(c)は、それぞれ日別排出物質排出量実績データ、月別排出物質排出量実績データ及び年間累積排出物質排出量実績データを示す図である。
【図9】図9(a)〜(b)は、それぞれ施策データ及び施策評価データを示す図である。
【図10】図10は、輸送管理支援システムの実施の形態の動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
1 輸送管理支援システム
2 ネットワーク
3−i(i=1〜n) 情報端末
5 CPU
6 記憶部
7 RAM
8 入出力部
9 通信インタフェース(I/F)
10 バス
11 輸送データ管理部
12 物流実績計算部
13 LCA計算部
14 物流シミュレーション部
15 排出物質シミュレーション部
16 施策提案部
21 輸送走行距離管理データベース
21−1 日時 21−2 輸送元
21−3 拠点区分 21−4 輸送先
21−5 拠点区分 21−6 輸送ルート
21−7 走行距離 21−8 便No.
21−9 輸送媒体 21−10 最大積載量
21−11 輸送会社 21−12 単価
21−13 容量 21−14 重量
21−15 個数 21−16 混載率
21−17 出荷時刻 21−18 着荷時刻
21−19 一次/二次 21−20 物流費
22 コードデータベース
23 物流実績データベース
24 排出物質実績データベース
25 施策シミュレーションデータベース
31 輸送会社データ
31−1 輸送会社名称 31−2 輸送会社コード
32 輸送拠点データ
32−1 輸送拠点名称 32−2 輸送拠点コード
33 輸送媒体データ
33−1 輸送媒体名称 33−2 輸送媒体コード
34 拠点区分データ
34−1 拠点区分名称 34−2 拠点区分コード
35 輸送ルートデータ
35−1 輸送ルート名称 35−2 輸送ルートコード
41 月別実績データ
41−1 出荷元 41−2 出荷先
41−3 項目 41−4 月
42 走行距離データ
42−1 輸送媒体 42−2 月
43 日別出荷実績データ
43−1 日付
43−2、44−2、45−2 出荷元
43−3、44−3、45−3 出荷先
43−4、44−4、45−4 拠点区分
43−5、44−5、45−5 容量
43−6、44−6、45−6 重量
43−7、44−7 混載率
43−8、44−8 輸送会社
43−9、44−9 単価
43−10、44−10 走行距離
43−11、44−11 着荷時間
43−12、44−12 物流費
44 月別出荷実績データ
44−1 月
45 年間累積実績データ
45−1 年 45−7 輸送会社
45−8 走行距離 45−9 物流費
51 日別排出物質排出量実績データ
51−1 日付 51−2 輸送媒体
51−3 走行距離 51−4 混載率
51−5 重量 51−6 排出物質排出量
51−7 日間排出物質排出量
52 月別排出物質排出量実績データ
52−1 月
52−2、53−2 輸送媒体
52−3、53−3 排出物質排出量
52−4 月間排出物質排出量
53 年間累積排出物質排出量実績データ
53−1 年 53−4 年間排出物質排出量
60 施策データ
60−1、61−1 施策No.
60−2 施策データ
61 施策評価データ
61−2 物流費 61−3 排出物質排出量
61−4 物流削減率 61−5 排出物質削減率
61−6 条件1 61−7 条件2
61−8 条件3 61−9 条件4
【発明の属する技術分野】
本発明は、輸送管理支援システムに関し、特に、物品の流通に関わる輸送管理支援システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
製造業においては、工場、倉庫及び販売店のような各拠点間において、部品や完成品を流通させている。これらの物流の方法としては、トラックによる陸送や船舶による海上輸送、飛行機による空輸が例示される。このような各種の輸送媒体では、エネルギー源として化石燃料を利用することが多い。その場合、化石燃料が燃焼するので、排出物質(二酸化炭素や、NOx(窒素酸化物)、SOx(硫黄酸化物)、HC(炭化水素)及びパティキュレートのような公害物質)が発生することになる。
【0004】
一方、近年、地球環境問題が、世界的な関心を集めている。そして、上記の排出物質は、環境汚染物質として注目されている。そのため、排出物質の排出量を削減する取り組みが世界的に行われている。製造業に関わる企業は、上記の例のように排出物質を排出している。従って、排出物質の排出量を抑制することは企業責任の一つとなっている。そして、企業において、排出物質の排出量を削減する努力が続けられている。
【0005】
ただし、企業は、物流にかかる経費を削減するという企業努力も同時に行っている。すなわち、企業において、排出物質の排出量を削減し、それと同時に、物流にかかる経費を削減することが可能な総合的な施策が行われている。
【0006】
ここで、排出物質の排出量を削減し、それと同時に、物流にかかる経費を削減するためには、多くの関連データを収集する必要がある。そのため、施策の立案に時間がかかることになる。また、作成した施策を実行した後、その効果を確認するにも多くの関連データを収集する必要がある。そのため、効果の確認についても時間がかかり、確認が難しい。排出物質の排出量を削減し、それと同時に、物流にかかる経費を削減する施策のバランスを考慮した最適な施策を容易に導き出し、その効果を容易に確認することが可能な技術が求められている。
【0007】
関連する技術として、特開2002−352372号公報に、輸送合理化支援システムの技術が開示されている。この技術の輸送合理化支援システムは、少なくとも輸送手段、輸送単位、発着地輸送費を収集した輸送実績データベース中の各オーダの着地(到着地点)に対して、少なくとも利用可能な輸送手段と経路を収納した輸送手段・経路データファイルと、少なくとも2地点間の距離を計算可能な情報を収納した地理データファイルと、少なくとも輸送手段に対応するタリフ(料金表)を収納したコストデータファイルを検索して、利用可能な輸送手段とその経路の全ての組み合わせを作成し、実績の輸送費を含めて、各オーダの着地に対して輸送費が最小となる輸送手段と経路を求めることからなる。
この技術は、個々の着地に最適な輸送手段と経路を計算し、輸送費の削減・合理化を支援するシステムを提供することにある。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−352372号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、排出物質の排出量を削減する施策を容易に作成することが可能な輸送管理支援システムを提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、物流にかかる経費を削減する施策を容易に作成することが可能な輸送管理支援システムを提供することにある。
【0011】
本発明の更に他の目的は、排出物質の排出量を削減する施策と物流にかかる経費を削減する施策との相互の影響を容易に評価することが可能な輸送管理支援システムを提供することにある。
【0012】
本発明の別の目的は、排出物質の排出量を削減する施策や物流にかかる経費を削減する施策について、その効果を比較し最適な施策を容易に導き出すことが可能な輸送管理支援システムを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
以下に、[発明の実施の形態]で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0014】
従って、上記課題を解決するために、本発明の輸送管理支援システムは、輸送走行距離管理データベース(21)と、物流費実績計算部(12)と、物流シミュレーション部(14)と、排出物質排出実績計算部(13)と、排出物質シミュレーション部(15)とを具備する。
ここで、輸送走行距離管理データベース(21)は、物流に関する物流情報を格納する。物流費実績計算部(12)は、その物流情報に基づいて、その物流に関する物流費の実績としての物流費実績情報を算出する。物流シミュレーション部(14)は、複数の物流費削減施策情報の各々ごとに、その物流費の実績に対する削減率としての第1削減率を算出する。排出物質排出実績計算部(13)は、その物流情報に基づいて、その物流に関する排出物質排出量の実績としての排出物質排出実績情報を算出する。排出物質シミュレーション部(15)は、複数の排出物質削減施策情報の各々ごとに、その排出物質排出量の実績に対する削減率としての第2削減率を算出する。
そして、物流シミュレーション部(14)は、その複数の排出物質削減施策情報の各々ごとに、その物流費の実績に対する削減率としての第3削減率を算出し、その第1削減率とともに出力する。排出物質シミュレーション部(15)は、その複数の物流費削減施策情報の各々ごとに、その排出物質排出量の実績に対する削減率としての第4削減率を算出し、その第2削減率とともに出力する。
ただし、その複数の物流費削減施策情報は、その物流費実績情報に基づいて作成され、その物流費をその物流費の実績に対して削減するための複数の施策を示す。その複数の排出物質削減施策情報は、その排出物質排出実績情報に基づいて作成され、その排出物質排出量をその排出物質排出量の実績に対して削減するための複数の施策を示す。
【0015】
本発明により、排出物質の排出量を削減する施策及び物流にかかる経費を削減する施策を容易に作成することが可能となる。ただし、ここでは削減率を求めているが、各施策の物流費や排出物質排出量を求めて出力することもできる。
【0016】
上記の輸送管理支援システムにおいて、その排出物質は、二酸化炭素、窒素酸化物、硫黄酸化物、炭化水素及びパティキュレートのうちの少なくとも一つを含む。
本発明により、上記の各排出物質は、輸送媒体から排出されるもののうち、環境に対して影響のある物質の代表的なものである。従って、そられを用いることは、適正な評価ができるので好ましい。
【0017】
上記の輸送管理支援システムは、施策提案部(16)を更に具備する。
ただし、施策提案部(16)は、その第1削減率とその第2削減率とその第3削減率とその第4削減率とに基づいて、その複数の物流費削減施策情報及びその複数の排出物質排出量削減施策情報の各々のうちから、所定の条件を満たすものを選択して出力する。
その所定の条件としては、その複数の物流費削減施策情報の各々ごとのその第1削減率とその第4削減率との和、及び、その複数の排出物質排出量削減施策情報の各々ごとのその第2削減率とその第3削減率との和を考えた場合、各和が所定の大きさ以上になる第1条件や、その複数の物流費削減施策情報の各々ごとのその第1削減率とその第4削減率との組、及び、その複数の排出物質排出量削減施策情報の各々ごとのその第2削減率とその第3削減率との組を考えた場合、組内のいずれもの値も所定の大きさ以上になる第2条件などが例示される。
【0018】
本発明により、排出物質の排出量を削減する施策と物流にかかる経費を削減する施策との相互の影響を容易に評価することが可能となる。
【0019】
上記の輸送管理支援システムにおいて、物流シミュレーション部(14)は、物流費実績情報に基づいて、複数の物流費削減施策情報を作成する。排出物質シミュレーション部(15)は、排出物質排出実績情報に基づいて、その複数の排出物質削減施策情報を作成する。
【0020】
本発明により、排出物質の排出量を削減する施策と物流にかかる経費を削減する施策とを迅速、的確に作成でき、それらの相互の影響を容易に評価することが可能となる。
【0021】
上記課題を解決するために、本発明の輸送管理支援システムは、(a)〜(g)ステップを具備する方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
ここで、(a)ステップは、物流に関する物流情報を取得する。(b)ステップは、その物流情報に基づいて、その物流に関する物流費の実績としての物流費実績情報を算出する。(c)ステップは、複数の物流費削減施策情報の各々ごとに、その物流費の実績に対する削減率としての第1削減率を算出する。(d)ステップは、その物流情報に基づいて、その物流に関する排出物質排出量の実績としての排出物質排出実績情報を算出する。(e)ステップは、複数の排出物質削減施策情報の各々ごとに、その排出物質排出量の実績に対する削減率としての第2削減率を算出する。(f)ステップは、その複数の排出物質削減施策情報の各々ごとに、その物流費の実績に対する削減率としての第3削減率を算出する。(g)ステップは、その複数の物流費削減施策情報の各々ごとに、その排出物質排出量の実績に対する削減率としての第4削減率を算出する。
ここで、その複数の物流費削減施策情報は、その物流費実績情報に基づいて作成され、その物流費をその物流費の実績に対して削減する複数の施策を示す。その複数の排出物質削減施策情報は、その排出物質排出実績情報に基づいて作成され、その排出物質排出量をその排出物質排出量の実績に対して削減する複数の施策を示す。
【0022】
本発明により、排出物質の排出量を削減する施策及び物流にかかる経費を削減する施策を容易に作成することが可能となる。
【0023】
上記のプログラムは、更に、(h)〜(i)ステップを具備する。
ここで(h)ステップは、その第1削減率とその第2削減率とその第3削減率とその第4削減率とに基づいて、その複数の物流費削減施策情報及びその複数の排出物質排出量削減施策情報の各々のうちから、所定の条件を満たす施策情報を選択する。(i)ステップは、その選択された施策情報を表示装置に表示する。
【0024】
本発明により、排出物質の排出量を削減する施策と物流にかかる経費を削減する施策との相互の影響を容易に評価することが可能となる。
【0025】
【発明の効果】
本発明により、物流にかかる経費を削減する施策と排出物質の排出量を削減する施策とを容易に作成することができる。そして、物流にかかる経費を削減する施策と排出物質の排出量との相互の影響を容易に算出し、最適施策を導き出すことが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の輸送管理支援システムの実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。
【0027】
まず、本発明の輸送管理支援システムの実施の形態の構成について説明する。図1は、輸送管理支援システムの実施の形態の構成を示すブロック図である。輸送管理支援システム1は、ネットワーク2を介して、情報端末3−i(i=1〜n)に双方向通信可能に接続されている。
【0028】
ネットワーク2は、通信回線網である。ネットワーク2としては、LANやWANのような専用回線網やインターネットのような公衆回線網が例示される。情報端末3−i(i=1〜n)は、システム管理者や輸送管理支援システム1を利用するユーザ(物流の担当者など)が用いる情報処理装置である。情報処理装置としては、パーソナルコンピュータや携帯電話、PDA(Personal Digital Asistant)が例示される。
【0029】
輸送管理支援システム1は、情報処理装置である。情報処理装置としては、パーソナルコンピュータやワークステーションが例示される。輸送管理支援システム1は、コンピュータが実行可能なプログラムとしての輸送データ管理部11、物流実績計算部12、LCA(Life Cycle Assesment)計算部13、物流シミュレーション部14、排出物質シミュレーション部15及び施策提案部16を具備する。そして、コンピュータが利用可能なデータベースとしての輸送走行距離管理データベース21、コードデータベース22、物流実績データベース23、排出物質実績データベース24、施策シミュレーションデータベース25を更に具備する。
【0030】
輸送データ管理部11は、物流に関する物流情報を取得して、輸送走行距離管理データベース21に格納する。ここで、物流情報は、流通する荷物(物品)に関する情報(例示:容量、重量、個数)、輸送媒体に関する情報(例示:輸送会社、輸送媒体、最大積載量、物流費)、輸送に関する情報(例示:輸送元、輸送先、輸送ルート、走行距離、混載率、出荷着荷時刻)を含む。
【0031】
物流実績計算部12は、物流情報に基づいて、物流に関する物流費の実績としての物流費実績情報を算出する。そして、算出した物流費実績情報を物流実績データベース23に格納する。ここで、物流費実績情報は、実際に行われた物流に対して発生する経費(物流費の実績)であり、例えば、基本料金+単価×荷物の量(容量、重量)などで計算される。ただし、本発明はこの式に制限されない。物流費実績情報は、日、月、年、輸送媒体、輸送会社、輸送元及び輸送先のようなカテゴリー別に算出される。
物流に関する情報を一つのデータベースで一元管理しているので、物流実績計算部12で迅速かつ容易に物流費の実績を算出することができる。
【0032】
LCA計算部13は、物流情報に基づいて、物流に関する排出物質排出量の実績としての排出物質排出実績情報を算出する。そして、算出した排出物質排出実績情報を排出物質実績データベース24に格納する。ここで、排出物質は、物流に伴い輸送媒体から排出される物質である。排出物質としては、輸送媒体の排気ガスに含まれるNOx(窒素酸化物)、SOx(硫黄酸化物)、HC(炭化水素)及びパティキュレートのような公害物質、二酸化炭素が例示される。排出物質排出実績情報は、実際に排出物質ごとに、排出物質の単位排出量×輸送距離×荷物の量(容量、重量)などで計算される。ただし、本発明はこの式に制限されない。排出物質排出実績情報は、排出物質ごとに、日、月、年、輸送媒体、輸送会社、輸送元及び輸送先のようなカテゴリー別に算出される。
物流に関する情報を一つのデータベースで一元管理しているので、LCA計算部13で迅速かつ容易に排出物質排出量の実績を算出することができる。
【0033】
物流シミュレーション部14は、複数の物流費削減施策情報の各々ごとに、物流費の実績に対する施策を実施した場合の物流費及びその削減率である第1削減率を算出する。ここで、複数の物流費削減施策情報は、物流費実績情報に基づいて作成される。そして、物流費を、物流費の実績に対して削減するための複数の施策を示す。
また、物流シミュレーション部14は、後述の複数の排出物質削減施策情報の各々ごとに、物流費の実績に対する施策を実施した場合の物流費及びその削減率である第3削減率を算出する。
そして、第1削減率及び第3削減率又は算出された物流費を出力する。
【0034】
排出物質シミュレーション部15は、複数の排出物質削減施策情報の各々ごとに、排出物質排出量の実績に対する施策を実施した場合の排出物質排出量及びその削減率である第2削減率を算出する。ここで、複数の排出物質削減施策情報は、排出物質排出実績情報に基づいて作成される。そして、排出物質排出量を、排出物質排出量の実績に対して削減するための複数の施策を示す。
また、排出物質シミュレーション部15は、複数の物流費削減施策情報の各々ごとに、排出物質排出量の実績に対する施策を実施した場合の排出物質排出量及びその削減率である第4削減率を算出する。
そして、第2削減率及び第4削減率又は算出された排出物質排出量を出力する。
【0035】
施策提案部16は、第1削減率と第2削減率と第3削減率と第4削減率とに基づいて、複数の物流費削減施策情報及び複数の排出物質排出量削減施策情報の各々のうちから、所定の条件を満たすものを選択して出力する。施策を実施した場合の物流費や排出物質素排出量に基づいて行ってもよい。また、対象とする排出物質は、排出物質の全てとしても良いし、そのうちの特に注目される一つ又は少数の排出物質としても良い。ここで、所定の条件は、例えば以下のような条件、又はそれらの組み合わせである。ただし、本発明はこれらの条件に制限されるものではない。
(1)第1条件:
複数の物流費削減施策情報の各々ごとに第1削減率から第4削減率を減算した値、及び、複数の排出物質排出量削減施策情報の各々ごとに第2削減率から第3削減率を減算した値について、減算した値が所定の大きさ以上になる。
(2)第2条件:
各施策に対応する第1削減率と第4削減率との組、及び、第2削減率と第3削減率との組について、各組における二種類の削減率が、いずれも所定の大きさ以上になる。
(3)第3条件:
各施策を実施した場合の物流費が、所定の大きさ以下になる。
(4)第4条件:
各施策を実施した場合の排出物質排出量が、所定の大きさ以下になる。
これらの評価により、物流費削減施策と排出物質排出量削減施策との相互の影響を考慮した判断が可能となる。
【0036】
輸送走行距離管理データベース21は、輸送媒体を用いた物流に関する物流情報を格納する。コードデータベース22は、各データベースに用いられるデータの名称とその名称を示すコードとを関連付けて格納する。物流実績データベース23は、物流情報に基づいて算出された物流に関する物流費の実績としての物流費実績情報を格納する。排出物質実績データベース24は、物流情報に基づいて算出された物流に関する排出物質排出量の実績としての排出物質排出実績情報を格納する。施策シミュレーションデータベース25は、複数の物流費削減施策情報とそれらに関する第1削減率と第4削減率、及び、複数の排出物質排出量削減施策情報とそれらに関する第2削減率と第3削減率を格納する。
【0037】
次に、輸送管理支援システム1のハードウェアの構成について説明する。図2は、輸送管理支援システム1のハードウェアの構成を示す図である。輸送管理支援システム1は、情報処理装置であり、CPU5、記憶部6、RAM7、入出力部8、通信インタフェース(I/F)9及びバス10を具備する。
【0038】
バス10は、CPU5、記憶部6、RAM7、入出力部8及び通信I/F9の間のアドレス、データ、制御信号等を送受するために使用される。
【0039】
通信I/F9は、輸送管理支援システム1とネットワーク2との間の信号の送受を制御する。即ち、通信I/F9は、バス10から送られてくる信号をネットワーク2へ出力すると共に、ネットワーク2から送られてくる信号をバス10に送る。なお、図2では、通信I/F9は、バス10に接続される構成としているが、CPU5に接続されるように構成することもできる。
【0040】
CPU5は、上述した輸送データ管理部11、物流実績計算部12、LCA計算部13、物流シミュレーション部14、排出物質シミュレーション部15及び施策提案部16に例示される各プログラムを実行する。このCPU5の動作の詳細は、後にフローチャートを参照して詳細に説明する。
【0041】
記憶部6は、CPU5で実行する上記の各プログラム(例示:輸送データ管理部11、物流実績計算部12、LCA計算部13、物流シミュレーション部14、排出物質シミュレーション部15及び施策提案部16)や、上記の各データベース(例示:輸送走行距離管理データベース21、コードデータベース22、物流実績データベース23、排出物質実績データベース24、及び施策シミュレーションデータベース25)、プログラムの実行結果のような各種の情報を格納する。記憶部6としては、ハードディスク(HDD)やROMが例示される。
【0042】
RAM7は、CPU5がプログラムに従って処理を行う際の作業用領域として使用される。このRAM7には、カウンタ、レジスタ、フラグ、テーブル等が定義される。
【0043】
入出力部8は、輸送管理支援システム1に対してデータの入出力を行う。入力部としては、キーボードやマウスが例示される。出力部としては、表示装置やプリンタが例示される。
【0044】
次に、輸送走行距離管理データベース21について詳細に説明する。
図3は、輸送走行距離管理データベース21を示す図である。輸送走行距離管理データベース21は、図に示されるような物流情報を格納する。
【0045】
No.21−1は、データの通し番号である。輸送元21−2及び輸送先21−4は、それぞれ荷物を集荷する場所及び荷物を送り届ける場所である。拠点区分21−3及び拠点区分21−5は、それぞれ輸送元21−2及び輸送先21−4の拠点区分である。ここで拠点区分は、出荷場、二輪販売店、四輪販売店のような各拠点(輸送元及び輸送先)の種類を示す。輸送ルート21−6は、荷物を輸送する際の地図上のルートである。予め基本ルートが設定されている。走行距離21−7は、輸送ルートでの輸送元と輸送先との間の移動距離である。便No.21−8は、その輸送を行う便の識別番号である。輸送媒体21−9は、輸送を行う手段である。輸送媒体としては、トラックや船舶、飛行機が例示される。それらは、大きさ(例示:トン数)、燃料の種別(例示:ガソリン/ディーゼル)、などで区分けされる。最大積載量21−10は、輸送媒体が積載可能な最大の積載量である。輸送会社21−11は、輸送を担当する会社である。単価21−12は、この輸送により発生する費用(物流費)の単価を示す。単価を決める単位は、例えば、容量や個数、重量などである。容量21−13は、この輸送で運ぶ荷物の総容量を示す。容量は、例えば体積や才数で表示する。重量21−14は、この輸送で運ぶ荷物の総重量を示す。個数21−15は、この輸送で運ぶ荷物の個数を示す。個数は、例えば所定の大きさの梱包箱の数で表示する。混載率21−16は、輸送媒体で輸送可能な荷物に対する、この輸送で運ぶ荷物の割合を示す。出荷時刻21−17は、荷物が輸送元から実際に出荷される時刻を示す。着荷時刻21−18は、荷物が輸送先へ実際に送り届けられる時刻を示す。一次/二次21−19は、この輸送が、一次輸送か、又は、二次輸送かを示す。物流費21−20は、この輸送により発生する費用(物流費)を示す。
【0046】
上記各データのうち、輸送元21−2〜単価21−12は、運送会社(輸送会社)と交わす荷物の輸送の契約に基づいて入力される。容量21−13〜物流費21−20は、実際の出荷に基づいて入力される。
【0047】
次に、コードデータベース22について詳細に説明する。
図4は、コードデータベース22を示す図である。コードデータベース22は、データの名称とその名称を示すコードとを関連付けて格納する。輸送会社データ31、輸送拠点データ32、輸送媒体データ33、拠点区分データ34及び輸送ルートデータ35を含む。
【0048】
輸送会社データ31は、輸送会社の名称である輸送会社名称31−1と、輸送会社に割り当てられたコードとしての輸送会社コード31−2とを関連付けている。輸送拠点データ32は、輸送拠点の名称である輸送拠点名称32−1と、輸送拠点に割り当てられたコードとしての輸送拠点コード32−2とを関連付けている。輸送媒体データ33は、輸送媒体の名称である輸送媒体名称33−1と、輸送媒体に割り当てられたコードとしての輸送媒体コード33−2とを関連付けている。拠点区分データ34は、拠点区分の名称である拠点区分名称34−1と、拠点区分に割り当てられたコードとしての拠点区分コード34−2とを関連付けている。輸送ルートデータ35は、輸送ルートの名称である輸送ルート名称35−1と、輸送ルートに割り当てられたコードとしての輸送ルートコード35−2とを関連付けている。
【0049】
次に、物流実績データベース23について詳細に説明する。
物流実績データベース23は、物流情報に基づいて算出された物流に関する物流費の実績としての物流費実績情報を格納する。物流実績データベース23は、月別実績データ41、走行距離データ42、日別出荷実績データ43、月別出荷実績データ44及び年間累積実績データ45を含む。
【0050】
図5は、月別実績データ41を示す図である。出荷元ごとに物流の実績を月別にまとめたデータである。出荷元41−1及び出荷先41−2は、それぞれ既述の輸送元21−2及び輸送先21−4に対応する。項目41−3は、物流の実績をまとめる際の項目である。項目としては、容量(例示:才数)、重量、個数、件数及び物流費が例示される。月41−4は、各月を示す。そして、該当する月の欄に、月別の各項目41−3に示されるデータが入力される。
【0051】
図6は、走行距離データ42を示す図である。輸送媒体ごとに走行距離の実績を月別にまとめたデータである。輸送媒体42−1は、既述の輸送媒体21−9に対応する。月42−2は、各月を示す。そして、該当する月の欄に、月別の各輸送媒体42−1ごとの走行距離を示すデータが入力される。
【0052】
図7(a)〜(c)は、それぞれ日別出荷実績データ43、月別出荷実績データ44及び年間累積実績データ45を示す図である。
図7(a)の日別出荷実績データ43は、日付43−1に示される日別の出荷の実績に関わるデータをまとめている。ここで、日付43−1、出荷元43−2、出荷先43−3、拠点区分43−4、容量43−5、重量43−6、混載率43−7、輸送会社43−8、単価43−9、走行距離43−10、着荷時間43−11及び物流費43−12は、それぞれ輸送走行距離管理データベース21の出荷時刻21−17、輸送元21−2、輸送先21−4、拠点区分21−5、容量21−13、重量21−14、混載率21−16、輸送会社21−11、単価21−12、走行距離21−7、出荷時刻21−17と着荷時刻21−18との差、及び物流費21−20に対応する。
【0053】
図7(b)の月別出荷実績データ44は、月44−1に示される月別の出荷の実績に関わるデータをまとめている。ここで、月44−1、出荷元44−2、出荷先44−3、拠点区分44−4、輸送会社44−8は、それぞれ輸送走行距離管理データベース21の出荷時刻21−17、輸送元21−2、輸送先21−4、拠点区分21−5、輸送会社21−11に対応する。容量44−5、重量44−6、走行距離44−10、物流費44−12は、それぞれ輸送走行距離管理データベース21の容量21−13、重量21−14、走行距離21−7、物流費21−20に関する出荷元44−2等ごとの月間の合計に対応する。着荷時間44−11は、出荷時刻21−17と着荷時刻21−18との差の月間の合計に対応する。混載率44−7は、混載率21−16の重量43−6及び走行距離43−10に関する加重平均に対応する。単価44−9は、物流費44−12を容量44−5等で割った値に対応する。
【0054】
図7(c)の年間累積実績データ45は、年45−1に示される年間の出荷の実績に関わるデータをまとめている。ここで、年45−1、出荷元45−2、出荷先45−3、拠点区分45−4、容量45−5、重量45−6、輸送会社45−7、走行距離45−8及び物流費45−9は、それぞれ輸送走行距離管理データベース21の出荷時刻21−17、輸送元21−2、輸送先21−4、拠点区分21−5、容量21−13、重量21−14、輸送会社21−11、走行距離21−7及び物流費21−20に対応する。
【0055】
次に、排出物質実績データベース24について詳細に説明する。
排出物質実績データベース24は、物流情報に基づいて算出された物流に関する排出物質排出量の実績としての排出物質排出実績情報を格納する。排出物質実績データベース24は、日別排出物質排出量実績データ51、月別排出物質排出量実績データ52及び年間累積排出物質排出量実績データ53を含む。
【0056】
図8(a)〜(c)は、それぞれ日別排出物質排出量実績データ51、月別排出物質排出量実績データ52及び年間累積排出物質排出量実績データ53を示す図である。各データは、排出物質の種類ごとに作成される。
図8(a)の日別排出物質排出量実績データ51は、日付51−1に示される年間の排出物質排出量の実績に関わるデータをまとめている。ここで、輸送媒体51−2、走行距離51−3、混載率51−4及び重量51−5は、それぞれ輸送走行距離管理データベース21の輸送媒体21−9、走行距離21−7、混載率21−16及び重量21−14に対応する。排出物質排出量51−6は、その日にその輸送媒体51−2が排出した排出物質の量を示す。ただし、その量は、輸送媒体51−2、走行距離51−3、混載率51−4及び重量51−5に基づいて、排出物質の種類ごとに設定された所定の式で算出される。日間排出物質排出量51−7は、一日分の排出物質排出量の総計を示す。排出物質排出量51−6の各一日分の合計で算出される。
【0057】
図8(b)の月別排出物質排出量実績データ52は、月52−1に示される月別の排出物質排出量の実績に関わるデータをまとめている。ここで、輸送媒体52−2は、輸送走行距離管理データベース21の輸送媒体21−9に対応する。排出物質排出量52−3は、その月にその輸送媒体52−2が排出した排出物質の量を示す。ただし、その量は、日別排出物質排出量実績データ51の対応する輸送媒体52−2について、排出物質排出量51−6の一ヶ月分を合計して算出される。月間排出物質排出量52−4は、一ヶ月分の排出物質排出量の総計を示す。排出物質排出量52−6の各一ヶ月分の合計で算出される。
【0058】
図8(c)の年間累積排出物質排出量実績データ53は、年53−1に示される年間の排出物質排出量の実績に関わるデータをまとめている。ここで、輸送媒体53−2は、輸送走行距離管理データベース21の輸送媒体21−9に対応する。排出物質排出量53−3は、その年にその輸送媒体53−2が排出した排出物質の量を示す。ただし、月別排出物質排出量実績データ52において対応する輸送媒体52−2について、排出物質排出量52−6の12ヶ月分を合計して算出される。年間排出物質排出量53−4は、一ヶ月分の排出物質排出量の総計を示す。排出物質排出量53−3の各一ヶ月分の合計で算出される。
【0059】
次に、施策シミュレーションデータベース25について詳細に説明する。
施策シミュレーションデータベース25は、複数の物流費削減施策情報とそれらに関する第1削減率と第4削減率、及び、複数の排出物質排出量削減施策情報とそれらに関する第2削減率と第3削減率を格納する。施策シミュレーションデータベース25は、施策データ60と施策評価データ61とを含む。
【0060】
図9(a)〜(b)は、それぞれ施策データ60及び施策評価データ61を示す図である。
図9(a)の施策データ60は、各施策の内容を示している。ここで、施策の識別番号としての施策No.60−1と、物流費削減施策及び排出物質排出量削減施策としての施策データ60−2を関連付けて格納している。
【0061】
図9(b)の施策評価データ61は、各施策についてシミュレーションを行い評価した結果をまとめている。各数字は、一例を示している。ここで、施策の識別番号としての施策No.61−1は、施策No.60−1に対応する。物流費61−2は、各施策における月間の物流費(総額)を示す(例示:億円)。排出物質排出量61−3は、各施策における月間の排出物質排出量(総量)を示す(例示:トン、kg)。
【0062】
物流削減率61−4は、物流費の削減率を示す。物流費削減施策に対しては第1削減率、排出物質排出量削減施策に対しては第3削減率ともいう。マイナスが大きいほど、より大きく削減されることを示す。
また、排出物質削減率61−5は、排出物質の削減率を示す。物流費削減施策に対しては第4削減率、排出物質排出量削減施策に対しては第2削減率ともいう。マイナスが大きいほど、より大きく削減されることを示す。
【0063】
条件1(61−6)は、既述の第1条件を示し、各施策における総削減率が、−5%を超える場合を○、そうでない場合を×で示している。ただし、総削減率は、以下の式で求める。
総削減量(%)=(物流削減率61−4)+(排出物質削減率61−5) …(1)
条件2(61−7)は、既述の第2条件を示し、各施策における物流削減率61−4及び排出物質削減率61−5のいずれもが0又はマイナスの場合を○、そうでない場合を×で示している。
条件3(61−8)は、既述の第3条件を示し、各施策における物流費61−2が所定の大きさ(ここでは、例えば、1.8億円)以下の場合を○、そうでない場合を×で示している。
条件4(61−9)は、既述の第4条件を示し、各施策における排出物質排出量61−3が所定の大きさ(ここでは、例えば、1.0トン)以下の場合を○、そうでない場合を×で示している。
【0064】
ただし、図9(b)においては、排出物質排出量61−3の欄を一つにしている。この場合、排出物質を一つ(例示:二酸化炭素)に絞って排出量を求めても良く、複数ある排出物質の排出量を重み付けした排出量を用いても良い。重み付けした排出量としては、排出物質ごとに重み付け係数を設定し、各排出物質の排出量を重み付け平均した値が例示される。あるいは、図9(b)の例に限らず、排出物質ごとに排出物質排出量61−3の欄を設けても良い。
更に、図9(b)においては、排出物質削減率61−5の欄を一つにしている。この場合、排出物質を一つ(例示:二酸化炭素)に絞って削減率を求めても良く、複数ある排出物質の削減率を重み付けした削減率を用いても良い。重み付けした削減率としては、排出物質ごとに重み付け係数を設定し、各排出物質の削減率を重み付け平均した値が例示される。あるいは、図9(b)の例に限らず、排出物質ごとに排出物質削減率61−5の欄を設けても良い。
【0065】
上記の場合、物流費や物流削減率と共に、複数の排出物質排出量や複数の排出物質削減率を全てを用いて、各施策を総合的に評価することもできる。総合的に評価する条件としては、次の第5条件から第8条件が例示される。
(1)第5条件:
複数の物流費削減施策情報及び複数の排出物質排出量削減施策情報の各々ごとに、物流削減率から、それぞれの排出物質削減率の合計を減算した値について、減算した値が所定の大きさ以上になる。
(2)第6条件:
複数の物流費削減施策情報及び複数の排出物質排出量削減施策情報の各々において、物流削減率、及び、それぞれの排出物質削減率が、いずれも所定の大きさ以上になる。
(3)第7条件:
各施策を実施した場合の物流費が、所定の大きさ以下になる。
(4)第8条件:
各施策を実施した場合の排出物質ごとの排出物質排出量を総計した値が、所定の大きさ以下になる。
【0066】
次に、本発明の輸送管理支援システムの実施の形態の動作について説明する。図10は、輸送管理支援システムの実施の形態の動作を示すフロー図である。
ここでは、月間の物流の実績に基づいて、施策を検討し、翌月の物流に反映させる場合を示す。すなわち、ある月における月間の物流について、実績による数値と、施策を実施したと仮定した場合の数値とを比較して、所定の条件を満足する適切な施策を選択する。そして、その適切な施策を翌月の物流に反映させる。
【0067】
(1)ステップS1
企業は、月の初めに輸送会社(運送会社)と物流に関する契約を行う。企業の物流担当者又はデータベース管理者(以下、「担当者」という)は、情報端末3−iから、契約内容に基づいて、物流情報の一部を輸送管理支援システム1へ入力する。入力する物流情報は、輸送元(出荷元)名称とその拠点区分名称、輸送先(出荷先)名称とその拠点区分名称、輸送媒体名称、最大積載量、輸送会社名称、単価、一次/二次輸送の区別、物流費を含む。最大積載量、単価、一次/二次輸送の区別、物流費は、所定の単位で表示される数値を入力する。
【0068】
輸送管理支援システム1の輸送データ管理部11は、入力された物流情報について、No.21−1及び便No.21−8を付与する。そして、その物流情報の一部をコードデータベース22の各データに基づいて、コードに変換し、輸送走行距離管理データベース21の該当個所に格納する。例えば、輸送元名称及び輸送先名称は、輸送拠点データ32に基づいてコードに変換され、輸送元21−2及び輸送先21−4に格納される。それらの拠点区分名称は、拠点区分データ34に基づいてコードに変換され、拠点区分21−3及び拠点区分21−5に格納される。輸送媒体名称は、輸送媒体データ33に基づいてコードに変換され、輸送媒体21−9に格納される。輸送会社名称は、輸送会社データ31に基づいて変換され、輸送会社21−11に格納される。最大積載量、単価、一次/二次輸送の区別、物流費は、それぞれ最大積載量21−10、単価21−12、一次/二次21−19、物流費21−20に格納される。
【0069】
(2)ステップS2
輸送元(出荷元)の担当者は、出荷の際、情報端末3−jから、出荷内容に基づいて、物流情報の一部を輸送管理支援システム1へ入力する。入力する物流情報は、出荷情報とコース情報である。出荷情報は、容量、重量、個数及び混載率である。コース情報は、便No.、輸送元名称、輸送先名称、輸送ルート名称、走行距離、出荷時刻及び着荷時刻である。これらのうち、輸送元名称、輸送先名称及び輸送ルート名称を除く各データは、所定の単位(規則)で表示される数値を入力する。
【0070】
輸送管理支援システム1の輸送データ管理部11は、入力された便No.に該当する輸送走行距離管理データベース21の便No.21−8の欄の該当個所に、入力された出荷情報と他のコース情報とを格納する。例えば、容量、重量、個数、混載率、走行距離、出荷時刻及び着荷時刻は、それぞれ容量21−13、重量21−14、個数21−15、混載率21−16、走行距離21−7、出荷時刻21−17及び着荷時刻21−18に格納される。輸送ルート名称は、輸送データ管理部11によりコードデータベース22の輸送ルートデータ35に基づいて、コードに変換し、輸送走行距離管理データベース21の輸送ルート21−6に格納される。輸送元名称、輸送先名称は、コードに変換され、データの一致の確認に用いられる。
【0071】
なお、二次出荷がある(例示:工場から倉庫へ一次出荷したのち、連続して倉庫から販売店へ二次出荷する)場合、二次出荷先(輸送先(出荷先))の担当者は、二次出荷の際、情報端末3−kから、出荷内容に基づいて、物流情報の一部を輸送管理支援システム1へ入力する。入力する物流情報は、二次輸送コース情報である。二次輸送コース情報は、便No.、輸送元名称、輸送先名称、輸送ルート名称、輸送会社名称、輸送媒体名称である。これらのうち、便No.は、所定の規則で表示される数値を入力する。
【0072】
輸送管理支援システム1の輸送データ管理部11は、入力された物流情報について、新たにNo.21−1を付与する。そして、入力された二次輸送コース情報の一部をコードデータベース22の各データに基づいて、コードに変換し、輸送走行距離管理データベース21の該当個所に格納する。例えば、輸送元名称及び輸送先名称は、輸送拠点データ32に基づいてコードに変換され、輸送元21−2及び輸送先21−4に格納される。輸送ルート名称は、輸送ルートデータ35に基づいて、コードに変換し、輸送ルート21−6に格納される。輸送会社名称は、輸送会社データ31に基づいて変換され、輸送会社21−11に格納される。輸送媒体名称は、輸送媒体データ33に基づいてコードに変換され、輸送媒体21−9に格納される。また、輸送データ管理部11は、二次輸送コース情報の入力により、一次/二次21−19に二次輸送であることを示すデータを格納する。なお、二次輸送の物流費は、一次輸送の物流費に含まれている。
【0073】
以上のステップS1〜ステップS2により、一つの物流情報(輸送)に関する情報を輸送走行距離管理データベース21に格納することができる。
【0074】
(3)ステップS3
物流実績計算部12は、月の終わりに輸送走行距離管理データベース21に格納された物流情報に基づいて、物流に関する物流費の実績としての物流費実績情報を算出する。ここで、物流実績情報は、月別実績データ41(図5)、走行距離データ42(図6)、日別出荷実績データ43(図7(a))、月別出荷実績データ44(図7(b))、年間累積実績データ45(図7(c))である。
【0075】
月別実績データ41(図5)については、以下のように作成される。まず、出荷先41−1ごとに、項目41−3で示される項目に対応するデータを、輸送走行距離管理データベース21から抽出する。そして、抽出された各データを、月別に合計する。
【0076】
走行距離データ42(図6)については、以下のように作成される。まず、輸送媒体42−1に対応する輸送媒体21−9ごとに、一月分の走行距離21−7を輸送走行距離管理データベース21から抽出する。そして、抽出された走行距離21−7を、輸送媒体21−9ごとに合計する。
【0077】
日別出荷実績データ43(図7(a))については、以下のように作成される。まず、輸送走行距離管理データベース21から出荷時刻21−17、輸送元21−2、輸送先21−4、拠点区分21−5、容量21−13、重量21−14、混載率21−16、輸送会社21−11、単価21−12、走行距離21−7、着荷時刻21−18及び物流費21−20を抽出する。そして、それぞれのデータが、日付43−1、出荷先43−3、拠点区分43−4、容量43−5、重量43−6、混載率43−7、輸送会社43−8、単価43−9、走行距離43−10、着荷時間43−11及び物流費43−12に対応するように、出荷元43−2ごとに格納する。
【0078】
月別出荷実績データ44(図7(b))については、以下のように作成される。まず、日別出荷実績データ43(図7(a))について、出荷元43−2ごとに分け、その各々について出荷先43−3ごとに分け、その各々について輸送会社43−8ごとに分ける。そして、その分類において、容量43−5、重量43−6、走行距離43−10、着荷時間43−11及び物流費43−12の月間の合計を算出する。そして、対応する出荷元44−2、出荷先44−3及び輸送会社44−8ごとに、それぞれを容量44−5、重量44−6、走行距離44−10、着荷時間44−11及び物流費44−12の値とする。ただし、着荷時間43−11は、出荷時刻21−17と着荷時刻21−18との差である。混載率44−7については、例えば、(重量43−6×走行距離43−10×混載率43−7)/月間稼働日で算出する。ここで、月間稼働日は、月内の物流を行った日数である。単価44−9は、例えば、物流費44−12を容量44−5、重量44−6及び着荷時間44−11の少なくとも一つで割って算出する。
【0079】
年間累積実績データ45(図7(c))については、以下のように作成する。まず、月別出荷実績データ44(図7(b))について、出荷元44−2ごとに分け、その各々について出荷先44−3ごとに分け、その各々について輸送会社44−8ごとに分ける。そして、その分類において、容量44−5、重量44−6、走行距離44−10、着荷時間44−11及び物流費44−12の年間の合計を算出する。そして、対応する出荷元45−2、出荷先45−3及び輸送会社45−7ごとに、それぞれを容量45−5、重量45−6、走行距離45−8、及び物流費45−9の値とする。
【0080】
(4)ステップS4
担当者は、物流費実績情報(月別実績データ41、走行距離データ42、日別出荷実績データ43、月別出荷実績データ44、年間累積実績データ45)に基づいて、複数の物流費削減施策情報を作成する。ここで、物流費削減施策情報は、物流費を、物流費の実績(物流費44−12、45−9)に対して削減するための施策を示す。施策は、施策シミュレーションデータベース25に、施策データ60−2として格納される。
【0081】
施策としては、各輸送会社の料金表に基づいて輸送元の近傍にある各輸送会社の中からより料金の安い輸送会社を選択する、輸送媒体の種類を変更し輸送可能な物品の量を増やす、分割して物品を輸送していたものを一括して効率的に輸送するようにする、輸送を行う時間や時期に合わせて輸送ルートを変更する、などや、それらの組み合わせが例示される。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0082】
複数の物流費削減施策情報の作成は、物流シミュレーション部14により、自動的に行ってもよい。そのような方法としては、各輸送会社の料金表、輸送媒体の種類、走行距離、混載率、輸送する物品の容量、重量、個数に基づいて、物流費を最低にするように、最適化プログラムを用いる方法が例示される。
【0083】
(5)ステップS5
LCA計算部13は、月の終わりに物流実績計算部12による物流費実績情報の算出に併せて、輸送走行距離管理データベース21に格納された物流情報に基づいて、物流に関する排出物質排出量の実績としての排出物質排出実績情報を算出する。ここで、排出物質排出実績情報は、日別排出物質排出量実績データ51(図8(a))、月別排出物質排出量実績データ52(図8(b))及び年間累積排出物質排出量実績データ53(図8(c))である。各データは、排出物質ごとに作成される。
【0084】
日別排出物質排出量実績データ51(図8(a))については、以下のように作成される。まず、輸送走行距離管理データベース21において、日付(出荷時刻21−17)ごと、輸送媒体21−9ごとに、走行距離21−7、混載率21−16及び重量21−14を抽出する。そしてその各々について日間の合計を算出する。それらのデータは、日付51−1ごと、輸送媒体51−2ごとに、走行距離51−3、混載率51−4及び重量51−5に格納する。排出物質排出量51−6は、輸送媒体ごとに、かつ、排出物質ごとに、予め設定された関数により算出する。関数は、LCA計算部13の有する関数テーブル(図示されず)に示される。関数は、例えば、輸送媒体、走行距離、混載率、重量の関数である。日間排出物質排出量51−7は、日付51−1ごとに排出物質排出量51−6の合計を算出したものである。
【0085】
月別排出物質排出量実績データ52(図8(b))については、以下のように作成される。排出物質排出量52−3は、日別排出物質排出量実績データ51において輸送媒体51−2ごとに排出物質排出量51−6の一ヶ月分を合計して算出される。月間排出物質排出量52−4は、全ての輸送媒体52−2について一ヶ月分の排出物質排出量52−3を合計して算出される。
【0086】
年間累積排出物質排出量実績データ53(図8(c))については、以下のように作成される。排出物質排出量53−3は、月別排出物質排出量実績データ52において輸送媒体52−2ごとに排出物質排出量52−3の一年分を合計して算出される。年間排出物質排出量53−4は、全ての輸送媒体53−2について一年分の排出物質排出量53−3を合計して算出される。
【0087】
(6)ステップS6
担当者は、排出物質排出実績情報(日別排出物質排出量実績データ51、月別排出物質排出量実績データ52、年間累積排出物質排出量実績データ53)に基づいて、複数の排出物質削減施策情報を作成する。ここで、排出物質削減施策情報は、排出物質排出量を、排出物質排出量の実績(月間排出物質排出量52−7、年間排出物質排出量53−4)に対して削減するための施策を示す。施策は、施策シミュレーションデータベース25に、施策データ60−2として格納される。
【0088】
施策としては、輸送媒体ごとに予め設定された排出物質の排出量を決定する関数(例えば、輸送媒体、走行距離、混載率、重量の関数)に基づいて、排出物質の排出量を減少させる輸送媒体、走行距離、混載率、重量などの実現可能な組み合わせを探索する、などが例示される。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0089】
排出物質削減施策情報の作成は、LCA計算部13により、自動的に行ってもよい。そのような方法としては、排出物質の排出量を決定する関数(例えば、輸送媒体、走行距離、混載率、重量の関数)を最小とする変数(輸送媒体、走行距離、混載率、重量)について、各変数の有する制限条件のもとで解く最適化プログラムを用いる方法が例示される。
【0090】
(7)ステップS7
物流シミュレーション部14は、ステップS4で作成された複数の物流費削減施策情報の各々ごとに、月間の物流費(以下「第1物流費」という)を計算する。ここでは、前月の物流に対して、物流費削減施策を施した場合の物流費(第1物流費)を計算する。そして、物流費の実績(物流費44−12)に対する第1物流費の削減率としての第1削減率を算出する。算出された第1物流費及び第1削減率は、施策シミュレーションデータベース25の施策評価データ61の物流費61−2及び物流削減率61−4に格納される。
ただし、
第1削減率(%)=(第1物流費−(物流費44−12))/(物流費44−12)×100
【0091】
(8)ステップS8
物流シミュレーション部14は、ステップS6で作成された複数の排出物質削減施策情報の各々ごとに、月間の物流費(以下「第2物流費」という)を計算する。ここでは、前月の物流に対して、排出物質削減施策を施した場合の物流費(第2物流費)を計算する。そして、物流費の実績(物流費44−12)に対する第2物流費の削減率としての第3削減率を算出する。算出された第2物流費及び第3削減率は、施策シミュレーションデータベース25の施策評価データ61の物流費61−2及び物流削減率61−4に格納される。
ただし、
第3削減率(%)=(第3物流費−(物流費44−12))/(物流費44−12)×100
【0092】
(9)ステップS9
排出物質シミュレーション部15は、ステップS6で作成された複数の排出物質削減施策情報の各々ごとに、月間の排出物質排出量(以下「第2排出物質排出量」という)を計算する。ここでは、前月の物流に対して、排出物質削減施策を施した場合の排出物質排出量(第2排出物質排出量)を計算する。そして、排出物質排出量の実績(月間排出物質排出量52−4)に対する第2排出物質排出量の削減率としての第2削減率を算出する。算出された第2排出物質排出量及び第2削減率は、施策シミュレーションデータベース25の施策評価データ61の排出物質排出量61−3及び排出物質削減率61−5に格納される。
ただし、
第2削減率(%)=(第2排出物質排出量−(月間排出物質排出量52−4))/(月間排出物質排出量52−4)×100
また、ここでは、第2排出物質排出量として、複数ある排出物質の排出量を重み付けした排出量を用いる。
【0093】
(10)ステップS10
排出物質シミュレーション部15は、ステップS4で作成された複数の物流費削減施策情報の各々ごとに、月間の排出物質排出量(以下「第1排出物質排出量」という)を計算する。ここでは、前月の物流に対して、排出物質削減施策を施した場合の排出物質排出量(第1排出物質排出量)を計算する。そして、排出物質排出量の実績(月間排出物質排出量52−4)に対する第1排出物質排出量の削減率としての第4削減率を算出する。算出された第1排出物質排出量及び第4削減率は、施策シミュレーションデータベース25の施策評価データ61の排出物質排出量61−3及び排出物質削減率61−5に格納される。
ただし、
第4削減率(%)=(第1排出物質排出量−(月間排出物質排出量52−4))/(月間排出物質排出量52−4)×100
また、ここでは、第1排出物質排出量として、複数ある排出物質の排出量を重み付けした排出量を用いる。
【0094】
(11)ステップS11
施策提案部16は、施策を評価する評価条件(例示:既述の第1条件〜第4条件)に基づいて、施策シミュレーションデータベース25の施策評価データ61に格納された物流費61−2、排出物質排出量61−3、物流削減率61−4及び排出物質削減率61−5のうちの必要なデータを読み出す。そして、読み出したデータに基づいて、複数の物流費削減施策情報及び複数の排出物質排出量削減施策情報の各々のうちから、評価条件を満たす施策情報を選択する。
【0095】
図9(b)を参照して、条件1(61−6)は、評価の条件として既述の第1条件に対する評価を示している。施策提案部16は、ここでは、各施策における総削減量(%)が−5%を超えるものを条件に適合する(○)として選択する。
条件2(61−7)は、評価の条件として既述の第2条件に対する評価を示している。施策提案部16は、ここでは、各施策における物流削減率61−4及び排出物質削減率61−5のいずれもが0又はマイナスのものを条件に適合する(○)として選択する。
条件3(61−8)は、評価の条件として既述の第3条件に対する評価を示している。施策提案部16は、ここでは、各施策における物流費61−2が1.8億円以下のものを条件に適合する(○)として選択する。
条件4(61−9)は、評価の条件として既述の第4条件に対する評価を示している。施策提案部16は、ここでは、各施策における排出物質排出量61−3が1.0トン以下のものを条件に適合する(○)として選択する。
【0096】
(12)ステップS12
施策提案部16は、選択した各施策を示す施策情報(施策データ60−2)を施策データ60から読み出し、表示装置に表示する。ただし、図9(b)に示される施策評価データ61をそのまま表示してもよい。
【0097】
表示装置に提案された選択した各施策を示す施策情報(施策データ60−2)に基づいて、担当者は、適切な施策を選択する。そして、翌月の物流において施策を反映させる。
【0098】
本発明の輸送管理支援システムは、物流費削減施策と排出物質排出量削減施策との相互の影響を算出することができる。それにより、物流費削減と排出物質排出量削減とのバランスを考慮した最適な施策を容易に導き出す支援を行うことが可能となる。
【0099】
本発明の輸送管理支援システムは、物流に関する情報を一元管理している。それにより、情報の収集作業を行うことなく物流費削減施策及び排出物質排出量削減施策の検証を直ちに実行することができる。そして、検証結果を施策の立案に迅速に反映することが可能となる。それにより、例えば翌月の物流に適用し、物流における物流費及び排出物質排出量の改善に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、輸送管理支援システムの実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、輸送管理支援システムのハードウェアの構成を示す図である。
【図3】図3は、輸送走行距離管理データベースを示す図である。
【図4】図4は、コードデータベースを示す図である。
【図5】図5は、月別実績データを示す図である。
【図6】図6は、走行距離データを示す図である。
【図7】図7(a)〜(c)は、それぞれ日別出荷実績データ、月別出荷実績データ及び年間累積実績データを示す図である。
【図8】図8(a)〜(c)は、それぞれ日別排出物質排出量実績データ、月別排出物質排出量実績データ及び年間累積排出物質排出量実績データを示す図である。
【図9】図9(a)〜(b)は、それぞれ施策データ及び施策評価データを示す図である。
【図10】図10は、輸送管理支援システムの実施の形態の動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
1 輸送管理支援システム
2 ネットワーク
3−i(i=1〜n) 情報端末
5 CPU
6 記憶部
7 RAM
8 入出力部
9 通信インタフェース(I/F)
10 バス
11 輸送データ管理部
12 物流実績計算部
13 LCA計算部
14 物流シミュレーション部
15 排出物質シミュレーション部
16 施策提案部
21 輸送走行距離管理データベース
21−1 日時 21−2 輸送元
21−3 拠点区分 21−4 輸送先
21−5 拠点区分 21−6 輸送ルート
21−7 走行距離 21−8 便No.
21−9 輸送媒体 21−10 最大積載量
21−11 輸送会社 21−12 単価
21−13 容量 21−14 重量
21−15 個数 21−16 混載率
21−17 出荷時刻 21−18 着荷時刻
21−19 一次/二次 21−20 物流費
22 コードデータベース
23 物流実績データベース
24 排出物質実績データベース
25 施策シミュレーションデータベース
31 輸送会社データ
31−1 輸送会社名称 31−2 輸送会社コード
32 輸送拠点データ
32−1 輸送拠点名称 32−2 輸送拠点コード
33 輸送媒体データ
33−1 輸送媒体名称 33−2 輸送媒体コード
34 拠点区分データ
34−1 拠点区分名称 34−2 拠点区分コード
35 輸送ルートデータ
35−1 輸送ルート名称 35−2 輸送ルートコード
41 月別実績データ
41−1 出荷元 41−2 出荷先
41−3 項目 41−4 月
42 走行距離データ
42−1 輸送媒体 42−2 月
43 日別出荷実績データ
43−1 日付
43−2、44−2、45−2 出荷元
43−3、44−3、45−3 出荷先
43−4、44−4、45−4 拠点区分
43−5、44−5、45−5 容量
43−6、44−6、45−6 重量
43−7、44−7 混載率
43−8、44−8 輸送会社
43−9、44−9 単価
43−10、44−10 走行距離
43−11、44−11 着荷時間
43−12、44−12 物流費
44 月別出荷実績データ
44−1 月
45 年間累積実績データ
45−1 年 45−7 輸送会社
45−8 走行距離 45−9 物流費
51 日別排出物質排出量実績データ
51−1 日付 51−2 輸送媒体
51−3 走行距離 51−4 混載率
51−5 重量 51−6 排出物質排出量
51−7 日間排出物質排出量
52 月別排出物質排出量実績データ
52−1 月
52−2、53−2 輸送媒体
52−3、53−3 排出物質排出量
52−4 月間排出物質排出量
53 年間累積排出物質排出量実績データ
53−1 年 53−4 年間排出物質排出量
60 施策データ
60−1、61−1 施策No.
60−2 施策データ
61 施策評価データ
61−2 物流費 61−3 排出物質排出量
61−4 物流削減率 61−5 排出物質削減率
61−6 条件1 61−7 条件2
61−8 条件3 61−9 条件4
Claims (6)
- 物流に関する物流情報を格納する輸送走行距離管理データベースと、
前記物流情報に基づいて、前記物流に関する物流費の実績としての物流費実績情報を算出する物流費実績計算部と、
複数の物流費削減施策情報の各々ごとに、前記物流費の実績に対する削減率としての第1削減率を算出する物流シミュレーション部と、
前記物流情報に基づいて、前記物流に関する排出物質排出量の実績としての排出物質排出実績情報を算出する排出物質排出実績計算部と、
複数の排出物質削減施策情報の各々ごとに、前記排出物質排出量の実績に対する削減率としての第2削減率を算出する排出物質シミュレーション部と
を具備し、
ここで、前記複数の物流費削減施策情報は、前記物流費実績情報に基づいて作成され、前記物流費を前記物流費の実績に対して削減するための複数の施策を示し、前記複数の排出物質削減施策情報は、前記排出物質排出実績情報に基づいて作成され、前記排出物質排出量を前記排出物質排出量の実績に対して削減するための複数の施策を示し、
前記物流シミュレーション部は、前記複数の排出物質削減施策情報の各々ごとに、前記物流費の実績に対する削減率としての第3削減率を算出し、前記第1削減率とともに出力し、
前記排出物質シミュレーション部は、前記複数の物流費削減施策情報の各々ごとに、前記排出物質排出量の実績に対する削減率としての第4削減率を算出し、前記第2削減率とともに出力する、
輸送管理支援システム。 - 請求項1に記載の輸送管理支援システムにおいて、
前記排出物質は、二酸化炭素、窒素酸化物、硫黄酸化物、炭化水素及びパティキュレートのうちの少なくとも一つを含む
輸送管理支援システム。 - 請求項1又は2に記載の輸送管理支援システムにおいて、
前記第1削減率と前記第2削減率と前記第3削減率と前記第4削減率とに基づいて、前記複数の物流費削減施策情報及び前記複数の排出物質排出量削減施策情報の各々のうちから、所定の条件を満たすものを選択して出力する施策提案部
を更に具備する
輸送管理支援システム。 - 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の輸送管理支援システムにおいて、
物流シミュレーション部は、物流費実績情報に基づいて、複数の物流費削減施策情報を作成し、
排出物質シミュレーション部は、排出物質排出実績情報に基づいて、前記複数の排出物質削減施策情報を作成する
輸送管理支援システム。 - (a)物流に関する物流情報を取得するステップと、
(b)前記物流情報に基づいて、前記物流に関する物流費の実績としての物流費実績情報を算出するステップと、
(c)複数の物流費削減施策情報の各々ごとに、前記物流費の実績に対する削減率としての第1削減率を算出するステップと、
ここで、前記複数の物流費削減施策情報は、前記物流費実績情報に基づいて作成され、前記物流費を前記物流費の実績に対して削減する複数の施策を示し、
(d)前記物流情報に基づいて、前記物流に関する排出物質排出量の実績としての排出物質排出実績情報を算出するステップと、
(e)複数の排出物質削減施策情報の各々ごとに、前記排出物質排出量の実績に対する削減率としての第2削減率を算出するステップと、
ここで、前記複数の排出物質削減施策情報は、前記排出物質排出実績情報に基づいて作成され、前記排出物質排出量を前記排出物質排出量の実績に対して削減する複数の施策を示し、
(f)前記複数の排出物質削減施策情報の各々ごとに、前記物流費の実績に対する削減率としての第3削減率を算出するステップと、
(g)前記複数の物流費削減施策情報の各々ごとに、前記排出物質排出量の実績に対する削減率としての第4削減率を算出するステップと、
を具備する方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。 - 請求項5に記載のプログラムにおいて、
(h)前記第1削減率と前記第2削減率と前記第3削減率と前記第4削減率とに基づいて、前記複数の物流費削減施策情報及び前記複数の排出物質排出量削減施策情報の各々のうちから、所定の条件を満たす施策情報を選択するステップと、
(i)前記選択された施策情報を表示装置に表示するステップと
を更に具備する方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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