JP2004301102A - 発電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】出力電圧が検出されない場合、再起動を自動で行なえる発電装置を提供する。
【解決手段】スターリングエンジンSEと、このスターリングエンジンSEに結合され電力を供給するとピストン1を往復動させるモータとなりピストン1を往復動させると電力を発生する発電機16と、この発電機16に接続されスターリングエンジン起動時に前記発電機16に電力を供給する電力供給手段(第1,第2リレー31,36、蓄電池41及びD/A変換回路33から成る。)と、該電力供給手段を制御する制御手段40と、前記発電機16の電圧を検出する電圧検出器35とを備え、前記発電機16に電力を所定時間供給した後の前記電圧検出器35の検出信号に基づいて電力発生の有無を確認し、電力発生が確認されない場合に再度前記発電機16に電力を供給する。
【選択図】 図2
【解決手段】スターリングエンジンSEと、このスターリングエンジンSEに結合され電力を供給するとピストン1を往復動させるモータとなりピストン1を往復動させると電力を発生する発電機16と、この発電機16に接続されスターリングエンジン起動時に前記発電機16に電力を供給する電力供給手段(第1,第2リレー31,36、蓄電池41及びD/A変換回路33から成る。)と、該電力供給手段を制御する制御手段40と、前記発電機16の電圧を検出する電圧検出器35とを備え、前記発電機16に電力を所定時間供給した後の前記電圧検出器35の検出信号に基づいて電力発生の有無を確認し、電力発生が確認されない場合に再度前記発電機16に電力を供給する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スターリングエンジンを用いた発電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のスターリングエンジンを用いた発電装置では、起動時に蓄電池からの電力を電圧変換回路を介して発電機に供給して、これをモータとして起動し、スターリングエンジン本体を短時間回転駆動させるようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平3−284134号公報 (第5頁、第5図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、1回の電力供給でスターリングエンジン本体の起動に成功するとは限らず、失敗すると再び手動でトライを行わねばならない。そのため、使用者の手を執拗に煩わせることがあった。
【0005】
しかも、運良く次のトライで成功することもあるが、起動に失敗すると、エンジンに不具合があってもいずれ成功すると確信して、何度もトライすることになる。このため、使用者には焦燥感が募るだけでなく、度重なる起動でエンジンに過度な負荷を掛ける結果、不具合を悪化させ、重度な故障を招く恐れがあった。
【0006】
本発明は、上記のような問題を解消するためになされたものであり、出力電圧が検出されない場合、再起動を自動で行なえる発電装置を提供することを目的とする。また、本発明は、起動時の不具合を抽出し、エラー処理につなげることのできる発電装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、スターリングエンジンと、このスターリングエンジン本体内に備えられ、電力を供給するとピストンを往復動させるモータとなりピストンを往復動させると電力を発生する発電機と、この発電機に接続されスターリングエンジン起動時に前記発電機に電力を供給する電力供給手段と、該電力供給手段を制御する制御手段と、前記発電機の出力を検出する出力検出手段とを備え、前記制御手段は、前記発電機に電力を所定時間供給した後の前記出力検出手段の検出信号に基づいて電力発生の有無を確認し、電力発生が確認されない場合に再度前記電力供給手段により前記発電機に電力を供給する、制御を行うことを特徴とする発電装置。
【0008】
これによると、電力発生が確認されない場合、再度発電機に自動で電力を供給することができる。
【0009】
さらに、前記発電機から発生された電力を整流する整流手段と、この整流手段から出力される電力をDC/AC変換する変換手段とを備えていることを特徴とする。
【0010】
これによると、発電機から発生された電力は、整流手段により整流された後、変換手段により交流電力に変換される。
【0011】
また、前記発電機に供給する電力が、ピストン振動系の共振周波数と近似の周波数特性を有する交流電力であることを特徴とする。
【0012】
これによると、ピストンがスムーズに往復動を開始するため、スターリングエンジンの起動もスムーズに行なえる。
【0013】
そして、前記発電機に電力を所定回数供給しても電圧発生が確認されない場合は、スターリングエンジンの起動制御を終了することで、スターリングエンジンに過度の負荷を与えることを防ぎ、エンジンの破壊を予防できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る発電装置に用いられるフリーピストン型スターリングエンジンの一例の断面図である。このスターリングエンジンSEは、耐圧容器4内に配置された諸構成により、スターリングサイクルを動作させ発電機16で発電をするものである。
【0015】
各構成について説明すると、耐圧容器4は、主に、背面空間8側に配置されるベッセル4Bと、作動空間7側に配置される外筒3Cとから形成される。ベッセル4Bは、さらに二つの構造体に分割されており、高温側熱交ヘッド13側がベッセル本体4Dであり、高温側熱交ヘッド13側とは反対側(以下、本明細書においては防振装置49側と称する。なお、組み立て構造を説明する際において、まだ防振装置49が組まれていない場合にも、説明の便宜上、完成品の状態を基準として防振装置49側の語を使用する。)がベッセルキャップ4Cである。そして、ベッセル本体4Dには、ハーメチック端子47が設けられている。
【0016】
耐圧容器4内には、連通穴12Aを備えて接合されたシリンダ3A及びシリンダ3Bが配置される。シリンダ3A,3Bには、シリンダ3A及び3Bの軸と同軸上で往復動可能なピストン1及びディスプレーサ2とが挿入されており、更には、ピストン1を駆動するリニアモータとしても動作し得る発電機16がシリンダ3Aの外側に備えられている。
【0017】
耐圧容器4内は大別して2つの空間に仕切られており、その一つは主にベッセル4Bとピストン1により囲まれる背面空間8であり、他の一つは主にピストン1、外筒3C、及び高温側熱交ヘッド13によって囲まれる作動空間7である。そして、作動空間7はディスプレーサ2によってさらに二つの空間に仕切られており、ディスプレーサ2とピストン1の間に存在する空間が圧縮空間9、ディスプレーサ2と高温側熱交ヘッド13の間に存在する空間が膨張空間10である。
【0018】
この圧縮空間9と膨張空間10はシリンダ3Bと外筒3Cとの間に形成された連通路12を介して連通しており、連通路12内には、低温側内部熱交換器21、再生器11、高温側内部熱交換器22が圧縮空間9から膨張空間10に向かって順に配置されている。
【0019】
高温側熱交ヘッド13は、銅やアルミニウムなどの高熱伝導性材料を略有底円筒状に形成されたものであり、底部13Aがシリンダ3Bの開口と対向し、淵部13Bが高温側内部熱交換器22と対向するよう配置される。また、低温側熱交ヘッド50は、銅やアルミニウムなどの高熱伝導性材料をリング状に形成したものであり、その内周が低温側内部熱交換器21の外周と対向して配置される。低温側熱交ヘッド50の外周部には、リング状の流水経路に沿って冷却水を流すための冷却ジャケット28が取り付けられている。
【0020】
ピストン1は、円柱状の構造体であり、その中心軸にロッド2aを挿通可能な貫通穴1aが加工され、さらには、圧縮空間9によって圧縮された冷媒をピストン1の外周面とシリンダ3Aの間の隙間に放出しベアリング効果を持たせるガスベアリング(不図示)が備えられる。
【0021】
ディスプレーサ2は、円柱状の構造体であり、圧縮空間9によって圧縮された冷媒をディスプレーサ2の外周面とシリンダ3Bの間の隙間に放出しベアリング効果を持たせるガスベアリング(不図示)が備えられる。そして、このディスプレーサ2のピストン1配置側の面にはロッド2aが取付けられ、ロッド2aはピストン1の貫通穴1aに挿通される。ロッド2aのディスプレーサ2側とは相対する側の端部には、ネジ部2bが加工されている。
【0022】
発電機16は、主に、環状に配置された永久磁石15と、永久磁石15を保持するスリーブ14と、アウターヨーク17Aと、インナーヨーク17Bとから構成される。アウターヨーク17Aは、略コ字状の平板鉄心を環状に積層固定したものの内部にボビンに巻回したコイル20を配置したものを、非磁性体で軸方向両側から挟みこんで形成され、インナーヨーク17Bは、平板鉄心を環状に積層固定し形成される。アウターヨーク17Aの内周とインナーヨーク17Bの外周との間には隙間19が形成されており、その隙間19にはスリーブ14に保持された永久磁石15が配置される。なお、コイル20は、耐圧容器4を貫通するハーメチック端子47を介して後述するコントローラ30に接続されている。
【0023】
スリーブ14は有底円筒状をしており、その周縁部14cの先端側の内周に環状の掘り込みが設けられている。そして、その掘り込みに複数辺の円弧状の永久磁石15が全体として環状になるように配置される。スリーブ14の底部14bの中心にはロッド2aが挿通可能な貫通穴が設けられ、その貫通穴の周縁から周縁部14c形成側とは相対する側に突出し内周面に螺子穴を備えたボス部14aが形成される。そして、底部14bの周縁部14c配置側の面には、ピストン1が、そのピストン1の軸と底部14bの中心が同軸に配置されるように調整され、ボルト等の固定手段を用いて固定される。
【0024】
アウターヨーク17Aの防振装置49側の端面には、その端面から防振装置49側に向かって、ピストン支持バネ5、及びディスプレーサ支持バネ6を固定するための固定軸24が3本以上の複数本(例えば4本)立設される。なお、この固定軸24には、その外周に螺子が形成されていて、ナット25とボス部14aの上面同士が略面一となる高さに、ナット25が差し込まれている。
【0025】
ピストン支持バネ5は、円板型の2枚の板バネ51,51から成り、両板バネ51,51の間にスペーサ26を挟んで重ね、板バネ51の中心の貫通孔とスペーサ26の貫通孔に挿通した穴あきボルト28とスリーブ14のボス部14aとを嵌合することにより、ピストン支持バネ5にピストン1が固定される。板バネ51の周囲の数箇所にも貫通孔が設けられており、両板バネ51,51の間にはスペーサ27が挟まれ、板バネ51の周囲の貫通孔とスペーサ27の貫通孔に固定軸24が挿通されている。
【0026】
ディスプレーサ支持バネ6は、円板型の2枚の板バネ61,61から成り、両板バネ61,61の間にスペーサ52を挟んで重ね、板バネ61の中心の貫通孔とスペーサ52の貫通孔に挿通したロッド2aのネジ部2bとナット54とを嵌合することにより、ディスプレーサ支持バネ6にディスプレーサ2が固定される。板バネ61の周囲の数箇所にも貫通孔が設けられており、両板バネ61,61の間にはスペーサ53が挟まれ、板バネ61の周囲の貫通孔とスペーサ29,31の貫通孔に固定軸24が挿通されている。ピストン支持バネ5とディスプレーサ支持バネ6とは、固定軸24に挿通された所定の高さを備えるスペーサ29によって所定の間隔が隔てて設けられる。
【0027】
最終的に、ピストン支持バネ5及びディスプレーサ支持バネ6は、両者の上下から固定軸24に差し込まれたナット25、55を締めることにより、固定される。このようにしてピストン支持バネ5及びディスプレーサ支持バネ6をスターリングエンジンSEに組み込んだ後、発電機16とハーメチック端子47とをリード線で接続して結線を済ませ、ベッセル本体4Dにベッセルキャップ4Cを溶接し固定する。そして、スターリングエンジンSEの耐圧容器4内に冷媒が封入される。この冷媒は水素、ヘリウム、窒素などが使用でき数十気圧といった高圧に封入される。
【0028】
また、耐圧容器4の軸方向の高温側熱交ヘッド13と反対側の端部には、装置の防振用の防振装置49が配置される。防振装置49は、主に、質量体支持バネ23と質量体46とから構成されており、質量体支持バネ23のバネ定数と、系の質量から求まる共振周波数が、ピストン1の振動系及びディスプレーサ2の振動系が有する共振周波数と同一になるように設計されたものである。このように設計することにより、ピストン1及びディスプレーサ2の運転に基づく振動エネルギーを受けて、防振装置49が激しく振動することになり、それによって、振動エネルギーを熱エネルギーに変換し、結果的にスターリングエンジンSE全体の振動を低減することができる。
【0029】
図中未説明符号のうち、57は、高温側熱交ヘッド13の周囲を囲むように設けられた有底筒状の燃焼器である。燃焼器57内には燃焼室59が形成されている。燃焼器57の内面には、燃焼室59の周囲を囲むように、通気経路63が形成されている。通気経路63は、燃焼用空気(外気)の入口64、出口65及び排気ガスの入口66、出口67を備える。燃焼用空気の入口64及び排気ガスの出口67は外部に臨み、燃焼用空気の出口65及び排気ガスの入口66は燃焼室59に臨んでいる。
【0030】
燃焼用空気の出口には、燃焼器57の外部から燃焼ノズル60が挿通されている。燃焼ノズル60の先端は、燃焼室59に突出し、高温側熱交ヘッド13の外面と向き合っている。また、通気経路63には、空気予熱器58が設けられている。空気予熱器59は、排気ガスと燃焼用空気との間で熱交換を行うものである。この構成で、燃焼室59に燃焼用空気を導入しながら、燃焼ノズル60に燃料ガスを送り、燃焼ノズル60先端に点火すると、燃焼用空気を消費しながら燃焼室57内で燃料ガスが燃える。これにより、高温側熱交ヘッド13が加熱される。
【0031】
また、低温側熱交ヘッド50の外周側面に密着して環状のジャケット62が設けられている。ジャケット62の内部空洞は、環状の流水経路68を形成している。ジャケット62は冷却水の入口69、出口70を備える。したがって、流水経路68に沿って水を流すことにより、低温側熱交ヘッド50を冷却することができる。
【0032】
このような構成のもと、スターリングエンジンSEの高温側熱交ヘッド13を加熱するとともに、低温側熱交ヘッド50を冷却すると、作動空間7内でスターリングサイクルが形成され、ピストン1とディスプレーサ2とが往復動を行う。ディスプレーサ2は、ピストン1の動作に対して4分の1周期程度位相が進んだ状態で往復動を行う。その結果、コイル20の内側を軸方向に永久磁石15がピストン1の振動周期で往復動し、コイル20に磁界の変化を妨げる向きに交番電流が発生する。
【0033】
コイル20に発生された交番電流は、ハーメチック端子47を介して、コントローラ30に対して出力される。つまり、発電機16は外部から見れば電力の発生を行なっており、この電力を利用することによりさまざまな対象物機器に電源を供給することが可能となる。
【0034】
図2は、以上のように構成されるスターリングエンジンSEに使用される電気的接続回路の一例を示すブロック図である。コントローラ30は、発電機16に入出力双方向接点から成る第1リレー31を介して接続される整流装置32と、この整流装置32の出力部に接続されるD/A変換回路33と、このD/A変換回路33の出力部に双方向接点から成る第2リレー36を介して接続される出力端子(OUT)を有している。また、第1リレー31と整流装置32との間には発電機16の発生電圧を検出する電圧検出器35が接続され、整流装置32と電圧D/A変換回路33との間には二次電池である蓄電池41が接続されている。蓄電池41には、予め電力がフルに充電されている。
【0035】
ここで、第1,第2リレー31,36、蓄電池41及びD/A変換回路33は電力供給手段を構成しているが、蓄電池41に替えて外部の直流電源を使用するなど、電力供給手段の構成は上記に限定されない。また、第1,第2リレー31,36は入出力を切り替える切替手段であり、双方向接点のみならず、半導体スイッチング回路などで構成されるものであってもよい。第1,第2リレー31,36は電源が投入されない状態では、図示のごとく、双方とも接点は出力端子(OUT)側に位置している。
【0036】
また、整流装置32は発電機16から発生させる電力を整流する整流手段であり、アッセンブリに限らず、ICやチップで構成されていても構わない。また、D/A変換回路33は、整流装置32から出力される電力をDC/AC変換する変換手段であり、ICには限定されない。また、電圧検出器35は、発電機16から発生される出力を検出する出力検出手段であり、電圧検出に限らず、電流検出によって出力を検出するものであってもよい。
【0037】
更に、コントローラ30は、制御回路40を備えている。制御回路40の入力側には、電圧検出器35、起動スイッチ45、温度センサ44、カウンタ回路37及びタイマ回路38が接続され、出力側には、D/A変換回路33、第1,第2リレー31,36及びLEDから成るエラー表示器42が接続されている。なお、カウンタ回路37及びタイマ回路38は、制御回路40からもアクセス可能になっている。なお、制御回路40は、マイコンで構成されるものであってもよい。
【0038】
ここで、電源スイッチ39は、制御回路40に電源を投入するためのものであり、起動スイッチ45は、電源スイッチ39をON操作した上で、この起動スイッチ45をON操作することにより、スターリングエンジンSEの起動制御を開始するためのものである。また、エラー表示器42は、LEDから構成されるものである。
【0039】
制御回路40は、前記電圧検出器35の検出信号及びカウンタ回路37の計数信号及びタイマ回路38の計時信号及び起動スイッチ45の信号に基づいて、D/A変換回路33を所定の周波数パルスでスイッチング制御するとともに、第1,第2リレー31,36の接続状態を後述するように起動状態、定常状態に応じて切替制御する。
【0040】
次に、上記構成の発電装置の動作例を図2のブロック図及び図3のフローチャートを参照して説明する。まず、電源スイッチ39をON操作することにより、制御回路40に電源が投入される(ステップ#1)。さらに、起動スイッチ45をON操作することにより、スターリングエンジンSEの起動が開始される(ステップ#2)。すなわち、燃焼ノズル60に点火されて、燃焼を開始すると、スターリングエンジンSEの高温側熱交ヘッド13の温度が上昇し、膨張空間10内部の作動ガスが加熱される。
【0041】
そして、温度センサ44で検出される高温側熱交ヘッド13の温度がスターリングエンジンSEの自律運転可能な動力を発生し得る程度(例えば、550℃)までに上昇したとき(ステップ#3の肯定判定)、第1,第2リレー31,36の接続を入力端子(IN)に切り替え(ステップ#4)、図4の実線で示す接続経路を形成するとともに、電圧変換回路33を作動させる(ステップ#5)ことにより、蓄電池41の電力を交流に変換し発電機16に供給して、これをモータとして起動し、スターリングエンジンSEを短時間駆動させる。このとき供給する電力は、ピストン1を初期動作させるいわばキックオフのためのものであり、ピストン振動系の共振周波数と近似の周波数特性を有する交番電圧を印加する。上記のようなフリーピストン型のスターリングエンジンSEは、ピストン振動系の共振周波数において安定動作するものであるため、初期動作をその周波数に合わせることにより、その後の運転を円滑に行うことが可能である。
【0042】
同時に、制御回路40はタイマ回路38を作動させ、発電機16に電力の供給を開始してから10秒を経過したことを判断(ステップ#6の肯定判定)すると、第1,第2リレー31,36の接続を出力端子(OUT)に切り替え(ステップ#7)、図5の実線で示す接続経路を形成する。これにより、電圧検出器35によって出力電圧が検出され(ステップ#8)、電圧検出器35からの検出信号の有無を判断し、検出信号の出力がなければ起動失敗と判断(ステップ#9の否定判定)し、カウンタ回路37により1回目のカウントアップを行う(ステップ#10)。
【0043】
制御回路40は、カウンタ回路37からの信号に基づき、起動失敗の回数が3回に達したかどうかを判断するが、この段階ではまだ1回目なので、ステップ#11の否定判定となり、もう一度上記ステップ#4〜#9の処理を行なう。電圧検出器35の検出信号の出力がなければ(ステップ#9の否定判定)、起動失敗の回数を2回にカウントアップする(ステップ#10)が、依然として3回に達していないので、ステップ#11の否定判定となり、もう一度上記ステップ#3〜#8を繰り返す。
【0044】
そして、電圧検出器35の検出信号の出力があれば(ステップ#9の肯定判定)、起動成功と判断し、さらにカウンタ回路37によるカウントアップをリセットする(ステップ#12)。
【0045】
この定常状態に入ると、スターリングエンジンSEで発生するピストン1の往復動力によって駆動される発電機16が発電機として作用し、その発電電力が整流装置32及びD/A変換回路33を介してコントローラ30の出力端子から予め設定された所定値の交流電源として機器等の負荷に供給することができるようになる。
【0046】
そして、このような定常運転がなされている状態では、整流装置32の出力の一部が蓄電池41の放電分を補充するための充電用として供給されるようになっている。すなわち、発生電力の余剰分を利用して、常時フル充電状態に保持しておくことができるものである。
【0047】
しかし、3回連続して起動に失敗すると、ステップ#11の肯定判定となり、エラー表示器42を点灯してエラー表示を行い(ステップ#13)、停止処理を行なう(ステップ#14)。停止処理では、第1、第2リレー31,36の接点を双方とも出力端子(OUT)に切り替えるとともに、整流装置32とD/A変換回路33を停止させる。
【0048】
【発明の効果】
本発明の発電装置によると、スターリングエンジン起動時に発電機に電圧を供給し、これをモータとして駆動し、その後、発電機からの出力電圧を検出して電力発生の有無を確認し、電力発生が確認されない場合、再度電圧供給を行うので、再起動の完全自動化が可能である。
【0049】
また、起動に数回失敗すると、エラー処理して起動動作を終了する機能を有するため、スターリングエンジンの破壊の予防が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る発電装置に用いられるフリーピストン型スターリングエンジンの一例の断面図である。
【図2】同上スターリングエンジンに使用される電気的接続回路の一例を示すブロック図である。
【図3】上記発電装置の動作例を示すフローチャートである。
【図4】上記電気的接続回路の制御による起動開始時の接続状態を示す図である。
【図5】上記電気的接続回路の制御による定常運転時の接続状態を示す図である。
【符号の説明】
1 ピストン
2 ディスプレーサ
3A,3B シリンダ
11 再生器
13 高温側熱交ヘッド
16 発電機
30 コントローラ
31 第1リレー
32 整流装置
33 D/A変換回路
35 電圧検出器
36 第2リレー
37 カウンタ回路
38 タイマ回路
40 制御回路
41 蓄電池
42 エラー表示器
45 起動スイッチ
50 低温側熱交ヘッド
【発明の属する技術分野】
本発明は、スターリングエンジンを用いた発電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のスターリングエンジンを用いた発電装置では、起動時に蓄電池からの電力を電圧変換回路を介して発電機に供給して、これをモータとして起動し、スターリングエンジン本体を短時間回転駆動させるようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平3−284134号公報 (第5頁、第5図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、1回の電力供給でスターリングエンジン本体の起動に成功するとは限らず、失敗すると再び手動でトライを行わねばならない。そのため、使用者の手を執拗に煩わせることがあった。
【0005】
しかも、運良く次のトライで成功することもあるが、起動に失敗すると、エンジンに不具合があってもいずれ成功すると確信して、何度もトライすることになる。このため、使用者には焦燥感が募るだけでなく、度重なる起動でエンジンに過度な負荷を掛ける結果、不具合を悪化させ、重度な故障を招く恐れがあった。
【0006】
本発明は、上記のような問題を解消するためになされたものであり、出力電圧が検出されない場合、再起動を自動で行なえる発電装置を提供することを目的とする。また、本発明は、起動時の不具合を抽出し、エラー処理につなげることのできる発電装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、スターリングエンジンと、このスターリングエンジン本体内に備えられ、電力を供給するとピストンを往復動させるモータとなりピストンを往復動させると電力を発生する発電機と、この発電機に接続されスターリングエンジン起動時に前記発電機に電力を供給する電力供給手段と、該電力供給手段を制御する制御手段と、前記発電機の出力を検出する出力検出手段とを備え、前記制御手段は、前記発電機に電力を所定時間供給した後の前記出力検出手段の検出信号に基づいて電力発生の有無を確認し、電力発生が確認されない場合に再度前記電力供給手段により前記発電機に電力を供給する、制御を行うことを特徴とする発電装置。
【0008】
これによると、電力発生が確認されない場合、再度発電機に自動で電力を供給することができる。
【0009】
さらに、前記発電機から発生された電力を整流する整流手段と、この整流手段から出力される電力をDC/AC変換する変換手段とを備えていることを特徴とする。
【0010】
これによると、発電機から発生された電力は、整流手段により整流された後、変換手段により交流電力に変換される。
【0011】
また、前記発電機に供給する電力が、ピストン振動系の共振周波数と近似の周波数特性を有する交流電力であることを特徴とする。
【0012】
これによると、ピストンがスムーズに往復動を開始するため、スターリングエンジンの起動もスムーズに行なえる。
【0013】
そして、前記発電機に電力を所定回数供給しても電圧発生が確認されない場合は、スターリングエンジンの起動制御を終了することで、スターリングエンジンに過度の負荷を与えることを防ぎ、エンジンの破壊を予防できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る発電装置に用いられるフリーピストン型スターリングエンジンの一例の断面図である。このスターリングエンジンSEは、耐圧容器4内に配置された諸構成により、スターリングサイクルを動作させ発電機16で発電をするものである。
【0015】
各構成について説明すると、耐圧容器4は、主に、背面空間8側に配置されるベッセル4Bと、作動空間7側に配置される外筒3Cとから形成される。ベッセル4Bは、さらに二つの構造体に分割されており、高温側熱交ヘッド13側がベッセル本体4Dであり、高温側熱交ヘッド13側とは反対側(以下、本明細書においては防振装置49側と称する。なお、組み立て構造を説明する際において、まだ防振装置49が組まれていない場合にも、説明の便宜上、完成品の状態を基準として防振装置49側の語を使用する。)がベッセルキャップ4Cである。そして、ベッセル本体4Dには、ハーメチック端子47が設けられている。
【0016】
耐圧容器4内には、連通穴12Aを備えて接合されたシリンダ3A及びシリンダ3Bが配置される。シリンダ3A,3Bには、シリンダ3A及び3Bの軸と同軸上で往復動可能なピストン1及びディスプレーサ2とが挿入されており、更には、ピストン1を駆動するリニアモータとしても動作し得る発電機16がシリンダ3Aの外側に備えられている。
【0017】
耐圧容器4内は大別して2つの空間に仕切られており、その一つは主にベッセル4Bとピストン1により囲まれる背面空間8であり、他の一つは主にピストン1、外筒3C、及び高温側熱交ヘッド13によって囲まれる作動空間7である。そして、作動空間7はディスプレーサ2によってさらに二つの空間に仕切られており、ディスプレーサ2とピストン1の間に存在する空間が圧縮空間9、ディスプレーサ2と高温側熱交ヘッド13の間に存在する空間が膨張空間10である。
【0018】
この圧縮空間9と膨張空間10はシリンダ3Bと外筒3Cとの間に形成された連通路12を介して連通しており、連通路12内には、低温側内部熱交換器21、再生器11、高温側内部熱交換器22が圧縮空間9から膨張空間10に向かって順に配置されている。
【0019】
高温側熱交ヘッド13は、銅やアルミニウムなどの高熱伝導性材料を略有底円筒状に形成されたものであり、底部13Aがシリンダ3Bの開口と対向し、淵部13Bが高温側内部熱交換器22と対向するよう配置される。また、低温側熱交ヘッド50は、銅やアルミニウムなどの高熱伝導性材料をリング状に形成したものであり、その内周が低温側内部熱交換器21の外周と対向して配置される。低温側熱交ヘッド50の外周部には、リング状の流水経路に沿って冷却水を流すための冷却ジャケット28が取り付けられている。
【0020】
ピストン1は、円柱状の構造体であり、その中心軸にロッド2aを挿通可能な貫通穴1aが加工され、さらには、圧縮空間9によって圧縮された冷媒をピストン1の外周面とシリンダ3Aの間の隙間に放出しベアリング効果を持たせるガスベアリング(不図示)が備えられる。
【0021】
ディスプレーサ2は、円柱状の構造体であり、圧縮空間9によって圧縮された冷媒をディスプレーサ2の外周面とシリンダ3Bの間の隙間に放出しベアリング効果を持たせるガスベアリング(不図示)が備えられる。そして、このディスプレーサ2のピストン1配置側の面にはロッド2aが取付けられ、ロッド2aはピストン1の貫通穴1aに挿通される。ロッド2aのディスプレーサ2側とは相対する側の端部には、ネジ部2bが加工されている。
【0022】
発電機16は、主に、環状に配置された永久磁石15と、永久磁石15を保持するスリーブ14と、アウターヨーク17Aと、インナーヨーク17Bとから構成される。アウターヨーク17Aは、略コ字状の平板鉄心を環状に積層固定したものの内部にボビンに巻回したコイル20を配置したものを、非磁性体で軸方向両側から挟みこんで形成され、インナーヨーク17Bは、平板鉄心を環状に積層固定し形成される。アウターヨーク17Aの内周とインナーヨーク17Bの外周との間には隙間19が形成されており、その隙間19にはスリーブ14に保持された永久磁石15が配置される。なお、コイル20は、耐圧容器4を貫通するハーメチック端子47を介して後述するコントローラ30に接続されている。
【0023】
スリーブ14は有底円筒状をしており、その周縁部14cの先端側の内周に環状の掘り込みが設けられている。そして、その掘り込みに複数辺の円弧状の永久磁石15が全体として環状になるように配置される。スリーブ14の底部14bの中心にはロッド2aが挿通可能な貫通穴が設けられ、その貫通穴の周縁から周縁部14c形成側とは相対する側に突出し内周面に螺子穴を備えたボス部14aが形成される。そして、底部14bの周縁部14c配置側の面には、ピストン1が、そのピストン1の軸と底部14bの中心が同軸に配置されるように調整され、ボルト等の固定手段を用いて固定される。
【0024】
アウターヨーク17Aの防振装置49側の端面には、その端面から防振装置49側に向かって、ピストン支持バネ5、及びディスプレーサ支持バネ6を固定するための固定軸24が3本以上の複数本(例えば4本)立設される。なお、この固定軸24には、その外周に螺子が形成されていて、ナット25とボス部14aの上面同士が略面一となる高さに、ナット25が差し込まれている。
【0025】
ピストン支持バネ5は、円板型の2枚の板バネ51,51から成り、両板バネ51,51の間にスペーサ26を挟んで重ね、板バネ51の中心の貫通孔とスペーサ26の貫通孔に挿通した穴あきボルト28とスリーブ14のボス部14aとを嵌合することにより、ピストン支持バネ5にピストン1が固定される。板バネ51の周囲の数箇所にも貫通孔が設けられており、両板バネ51,51の間にはスペーサ27が挟まれ、板バネ51の周囲の貫通孔とスペーサ27の貫通孔に固定軸24が挿通されている。
【0026】
ディスプレーサ支持バネ6は、円板型の2枚の板バネ61,61から成り、両板バネ61,61の間にスペーサ52を挟んで重ね、板バネ61の中心の貫通孔とスペーサ52の貫通孔に挿通したロッド2aのネジ部2bとナット54とを嵌合することにより、ディスプレーサ支持バネ6にディスプレーサ2が固定される。板バネ61の周囲の数箇所にも貫通孔が設けられており、両板バネ61,61の間にはスペーサ53が挟まれ、板バネ61の周囲の貫通孔とスペーサ29,31の貫通孔に固定軸24が挿通されている。ピストン支持バネ5とディスプレーサ支持バネ6とは、固定軸24に挿通された所定の高さを備えるスペーサ29によって所定の間隔が隔てて設けられる。
【0027】
最終的に、ピストン支持バネ5及びディスプレーサ支持バネ6は、両者の上下から固定軸24に差し込まれたナット25、55を締めることにより、固定される。このようにしてピストン支持バネ5及びディスプレーサ支持バネ6をスターリングエンジンSEに組み込んだ後、発電機16とハーメチック端子47とをリード線で接続して結線を済ませ、ベッセル本体4Dにベッセルキャップ4Cを溶接し固定する。そして、スターリングエンジンSEの耐圧容器4内に冷媒が封入される。この冷媒は水素、ヘリウム、窒素などが使用でき数十気圧といった高圧に封入される。
【0028】
また、耐圧容器4の軸方向の高温側熱交ヘッド13と反対側の端部には、装置の防振用の防振装置49が配置される。防振装置49は、主に、質量体支持バネ23と質量体46とから構成されており、質量体支持バネ23のバネ定数と、系の質量から求まる共振周波数が、ピストン1の振動系及びディスプレーサ2の振動系が有する共振周波数と同一になるように設計されたものである。このように設計することにより、ピストン1及びディスプレーサ2の運転に基づく振動エネルギーを受けて、防振装置49が激しく振動することになり、それによって、振動エネルギーを熱エネルギーに変換し、結果的にスターリングエンジンSE全体の振動を低減することができる。
【0029】
図中未説明符号のうち、57は、高温側熱交ヘッド13の周囲を囲むように設けられた有底筒状の燃焼器である。燃焼器57内には燃焼室59が形成されている。燃焼器57の内面には、燃焼室59の周囲を囲むように、通気経路63が形成されている。通気経路63は、燃焼用空気(外気)の入口64、出口65及び排気ガスの入口66、出口67を備える。燃焼用空気の入口64及び排気ガスの出口67は外部に臨み、燃焼用空気の出口65及び排気ガスの入口66は燃焼室59に臨んでいる。
【0030】
燃焼用空気の出口には、燃焼器57の外部から燃焼ノズル60が挿通されている。燃焼ノズル60の先端は、燃焼室59に突出し、高温側熱交ヘッド13の外面と向き合っている。また、通気経路63には、空気予熱器58が設けられている。空気予熱器59は、排気ガスと燃焼用空気との間で熱交換を行うものである。この構成で、燃焼室59に燃焼用空気を導入しながら、燃焼ノズル60に燃料ガスを送り、燃焼ノズル60先端に点火すると、燃焼用空気を消費しながら燃焼室57内で燃料ガスが燃える。これにより、高温側熱交ヘッド13が加熱される。
【0031】
また、低温側熱交ヘッド50の外周側面に密着して環状のジャケット62が設けられている。ジャケット62の内部空洞は、環状の流水経路68を形成している。ジャケット62は冷却水の入口69、出口70を備える。したがって、流水経路68に沿って水を流すことにより、低温側熱交ヘッド50を冷却することができる。
【0032】
このような構成のもと、スターリングエンジンSEの高温側熱交ヘッド13を加熱するとともに、低温側熱交ヘッド50を冷却すると、作動空間7内でスターリングサイクルが形成され、ピストン1とディスプレーサ2とが往復動を行う。ディスプレーサ2は、ピストン1の動作に対して4分の1周期程度位相が進んだ状態で往復動を行う。その結果、コイル20の内側を軸方向に永久磁石15がピストン1の振動周期で往復動し、コイル20に磁界の変化を妨げる向きに交番電流が発生する。
【0033】
コイル20に発生された交番電流は、ハーメチック端子47を介して、コントローラ30に対して出力される。つまり、発電機16は外部から見れば電力の発生を行なっており、この電力を利用することによりさまざまな対象物機器に電源を供給することが可能となる。
【0034】
図2は、以上のように構成されるスターリングエンジンSEに使用される電気的接続回路の一例を示すブロック図である。コントローラ30は、発電機16に入出力双方向接点から成る第1リレー31を介して接続される整流装置32と、この整流装置32の出力部に接続されるD/A変換回路33と、このD/A変換回路33の出力部に双方向接点から成る第2リレー36を介して接続される出力端子(OUT)を有している。また、第1リレー31と整流装置32との間には発電機16の発生電圧を検出する電圧検出器35が接続され、整流装置32と電圧D/A変換回路33との間には二次電池である蓄電池41が接続されている。蓄電池41には、予め電力がフルに充電されている。
【0035】
ここで、第1,第2リレー31,36、蓄電池41及びD/A変換回路33は電力供給手段を構成しているが、蓄電池41に替えて外部の直流電源を使用するなど、電力供給手段の構成は上記に限定されない。また、第1,第2リレー31,36は入出力を切り替える切替手段であり、双方向接点のみならず、半導体スイッチング回路などで構成されるものであってもよい。第1,第2リレー31,36は電源が投入されない状態では、図示のごとく、双方とも接点は出力端子(OUT)側に位置している。
【0036】
また、整流装置32は発電機16から発生させる電力を整流する整流手段であり、アッセンブリに限らず、ICやチップで構成されていても構わない。また、D/A変換回路33は、整流装置32から出力される電力をDC/AC変換する変換手段であり、ICには限定されない。また、電圧検出器35は、発電機16から発生される出力を検出する出力検出手段であり、電圧検出に限らず、電流検出によって出力を検出するものであってもよい。
【0037】
更に、コントローラ30は、制御回路40を備えている。制御回路40の入力側には、電圧検出器35、起動スイッチ45、温度センサ44、カウンタ回路37及びタイマ回路38が接続され、出力側には、D/A変換回路33、第1,第2リレー31,36及びLEDから成るエラー表示器42が接続されている。なお、カウンタ回路37及びタイマ回路38は、制御回路40からもアクセス可能になっている。なお、制御回路40は、マイコンで構成されるものであってもよい。
【0038】
ここで、電源スイッチ39は、制御回路40に電源を投入するためのものであり、起動スイッチ45は、電源スイッチ39をON操作した上で、この起動スイッチ45をON操作することにより、スターリングエンジンSEの起動制御を開始するためのものである。また、エラー表示器42は、LEDから構成されるものである。
【0039】
制御回路40は、前記電圧検出器35の検出信号及びカウンタ回路37の計数信号及びタイマ回路38の計時信号及び起動スイッチ45の信号に基づいて、D/A変換回路33を所定の周波数パルスでスイッチング制御するとともに、第1,第2リレー31,36の接続状態を後述するように起動状態、定常状態に応じて切替制御する。
【0040】
次に、上記構成の発電装置の動作例を図2のブロック図及び図3のフローチャートを参照して説明する。まず、電源スイッチ39をON操作することにより、制御回路40に電源が投入される(ステップ#1)。さらに、起動スイッチ45をON操作することにより、スターリングエンジンSEの起動が開始される(ステップ#2)。すなわち、燃焼ノズル60に点火されて、燃焼を開始すると、スターリングエンジンSEの高温側熱交ヘッド13の温度が上昇し、膨張空間10内部の作動ガスが加熱される。
【0041】
そして、温度センサ44で検出される高温側熱交ヘッド13の温度がスターリングエンジンSEの自律運転可能な動力を発生し得る程度(例えば、550℃)までに上昇したとき(ステップ#3の肯定判定)、第1,第2リレー31,36の接続を入力端子(IN)に切り替え(ステップ#4)、図4の実線で示す接続経路を形成するとともに、電圧変換回路33を作動させる(ステップ#5)ことにより、蓄電池41の電力を交流に変換し発電機16に供給して、これをモータとして起動し、スターリングエンジンSEを短時間駆動させる。このとき供給する電力は、ピストン1を初期動作させるいわばキックオフのためのものであり、ピストン振動系の共振周波数と近似の周波数特性を有する交番電圧を印加する。上記のようなフリーピストン型のスターリングエンジンSEは、ピストン振動系の共振周波数において安定動作するものであるため、初期動作をその周波数に合わせることにより、その後の運転を円滑に行うことが可能である。
【0042】
同時に、制御回路40はタイマ回路38を作動させ、発電機16に電力の供給を開始してから10秒を経過したことを判断(ステップ#6の肯定判定)すると、第1,第2リレー31,36の接続を出力端子(OUT)に切り替え(ステップ#7)、図5の実線で示す接続経路を形成する。これにより、電圧検出器35によって出力電圧が検出され(ステップ#8)、電圧検出器35からの検出信号の有無を判断し、検出信号の出力がなければ起動失敗と判断(ステップ#9の否定判定)し、カウンタ回路37により1回目のカウントアップを行う(ステップ#10)。
【0043】
制御回路40は、カウンタ回路37からの信号に基づき、起動失敗の回数が3回に達したかどうかを判断するが、この段階ではまだ1回目なので、ステップ#11の否定判定となり、もう一度上記ステップ#4〜#9の処理を行なう。電圧検出器35の検出信号の出力がなければ(ステップ#9の否定判定)、起動失敗の回数を2回にカウントアップする(ステップ#10)が、依然として3回に達していないので、ステップ#11の否定判定となり、もう一度上記ステップ#3〜#8を繰り返す。
【0044】
そして、電圧検出器35の検出信号の出力があれば(ステップ#9の肯定判定)、起動成功と判断し、さらにカウンタ回路37によるカウントアップをリセットする(ステップ#12)。
【0045】
この定常状態に入ると、スターリングエンジンSEで発生するピストン1の往復動力によって駆動される発電機16が発電機として作用し、その発電電力が整流装置32及びD/A変換回路33を介してコントローラ30の出力端子から予め設定された所定値の交流電源として機器等の負荷に供給することができるようになる。
【0046】
そして、このような定常運転がなされている状態では、整流装置32の出力の一部が蓄電池41の放電分を補充するための充電用として供給されるようになっている。すなわち、発生電力の余剰分を利用して、常時フル充電状態に保持しておくことができるものである。
【0047】
しかし、3回連続して起動に失敗すると、ステップ#11の肯定判定となり、エラー表示器42を点灯してエラー表示を行い(ステップ#13)、停止処理を行なう(ステップ#14)。停止処理では、第1、第2リレー31,36の接点を双方とも出力端子(OUT)に切り替えるとともに、整流装置32とD/A変換回路33を停止させる。
【0048】
【発明の効果】
本発明の発電装置によると、スターリングエンジン起動時に発電機に電圧を供給し、これをモータとして駆動し、その後、発電機からの出力電圧を検出して電力発生の有無を確認し、電力発生が確認されない場合、再度電圧供給を行うので、再起動の完全自動化が可能である。
【0049】
また、起動に数回失敗すると、エラー処理して起動動作を終了する機能を有するため、スターリングエンジンの破壊の予防が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る発電装置に用いられるフリーピストン型スターリングエンジンの一例の断面図である。
【図2】同上スターリングエンジンに使用される電気的接続回路の一例を示すブロック図である。
【図3】上記発電装置の動作例を示すフローチャートである。
【図4】上記電気的接続回路の制御による起動開始時の接続状態を示す図である。
【図5】上記電気的接続回路の制御による定常運転時の接続状態を示す図である。
【符号の説明】
1 ピストン
2 ディスプレーサ
3A,3B シリンダ
11 再生器
13 高温側熱交ヘッド
16 発電機
30 コントローラ
31 第1リレー
32 整流装置
33 D/A変換回路
35 電圧検出器
36 第2リレー
37 カウンタ回路
38 タイマ回路
40 制御回路
41 蓄電池
42 エラー表示器
45 起動スイッチ
50 低温側熱交ヘッド
Claims (4)
- スターリングエンジンと、このスターリングエンジン本体内に備えられ、電力を供給するとピストンを往復動させるモータとなりピストンを往復動させると電力を発生する発電機と、この発電機に接続されスターリングエンジン起動時に前記発電機に電力を供給する電力供給手段と、該電力供給手段を制御する制御手段と、前記発電機の出力を検出する出力検出手段と、を備え、前記制御手段は、前記発電機に電力を所定時間供給した後の前記出力検出手段の検出信号に基づいて電力発生の有無を確認し、電力発生が確認されない場合に再度前記電力供給手段により前記発電機に電力を供給する、制御を行うことを特徴とする発電装置。
- さらに、前記発電機から発生された電力を整流する整流手段と、この整流手段から出力される電力をDC/AC変換する変換手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の発電装置。
- 前記発電機に供給する電力が、ピストン振動系の共振周波数と近似の周波数特性を有する交流電力であることを特徴とする請求項1又は2に記載の発電装置。
- 前記制御手段は、前記発電機に電力を所定回数供給しても電力発生が確認されない場合に、スターリングエンジンの起動制御を終了することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発電装置。
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