JP2004300791A - 引戸型電動門扉装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】商用電源非供給地にも引戸型電動門扉を設置できるようにする。
【解決手段】駆動車輪を駆動するための駆動部と、門扉の開放、閉鎖及び安全を検知するための検知部と、操作部からの開指令信号、閉指令信号又は停止指令信号を受信した時にこれらを後記制御部に入力する通信部と、前記通信部からの指令信号及び検知部からの検知信号に基づき前記駆動部を制御する制御部と、閉鎖時に門柱の錠受けに対して施錠する電気錠とを有し、前記駆動車輪を2本のレール上で転動させて走行する引戸型電動門扉装置において、門扉に設けた太陽電池に発生した電力を蓄電部に蓄電して置き、その蓄電部から上記通信部、制御部、検知部及び駆動部に電力を供給する際に、蓄電部の電圧を電圧変換部により上記通信部、制御部、検知部及び駆動部用にそれぞれ電圧変換をして供給するようにした。
【選択図】 図4
【解決手段】駆動車輪を駆動するための駆動部と、門扉の開放、閉鎖及び安全を検知するための検知部と、操作部からの開指令信号、閉指令信号又は停止指令信号を受信した時にこれらを後記制御部に入力する通信部と、前記通信部からの指令信号及び検知部からの検知信号に基づき前記駆動部を制御する制御部と、閉鎖時に門柱の錠受けに対して施錠する電気錠とを有し、前記駆動車輪を2本のレール上で転動させて走行する引戸型電動門扉装置において、門扉に設けた太陽電池に発生した電力を蓄電部に蓄電して置き、その蓄電部から上記通信部、制御部、検知部及び駆動部に電力を供給する際に、蓄電部の電圧を電圧変換部により上記通信部、制御部、検知部及び駆動部用にそれぞれ電圧変換をして供給するようにした。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、引戸型電動門扉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
引戸型門扉は、地面に付設された2本のレールと、そのレール上を走行するための車輪を備えた門扉本体と、閉鎖位置まで走行した門扉を止め、かつ施錠するための門柱とを基本的な構成要素とする。
これに対して、引戸型電動門扉は、上記基本的構成要素のほかに、車輪に回転力を与える駆動部と、門扉が開放終端位置、閉鎖位置のいずれに存在するかを検知し、走行中の安全を検知するための検知部と、門扉に開指令信号、閉指令信号及び停止指令信号を与えるための操作部と、その操作部から入力する指令信号及び検知部からの検知状態に基づいて駆動部への電源供給を制御する制御部と、各部に電力を与えるための電源とが必要である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の引戸型電動門扉は、待機中でも制御部ばかりでなく、操作部及び各検知部からの信号入力を監視するため、これらにも常時電源を供給していたから、電力消費が少なくない。また、従来の引戸型電動門扉は、門扉本体の走行用駆動車輪に回転力を与えるためには、トルクが比較的大きなモータを用いる必要があった。その理由は、従来の電動門扉は、非電動門扉の門扉本体をそのまま使用するため門扉本体に両端部が固定された車軸の両端に駆動車輪を支持しているから、一方のレール上に小石その他比較的小さな落下物などの障害物が存在する場合でも、駆動車輪はこれを乗り越えて走行することができるようにするためである。従って、従来の引戸型電動門扉に使用できる電源は、100V又は200Vの商用電源とされていた。そのため、商用電源の供給を受けられない地域には、引戸型電動門扉が設置できないという問題があった。
【0004】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、第一の課題は、運転中の電力消費の節減を図ることにより、電源として太陽電池の使用を可能とし、もって、商用電源需給不能地にも引戸型電動門扉を設置できるようにすることにある。
第二の課題は、引戸型電動門扉で用いるすべての電力の電源として門扉に取付けた太陽電池を用いる場合に、電力消費量を可及的に少なくして、電力不足による動作不能を起こさないようにすることにある。
第三の課題は、主たる構成要素を容易に既製の引戸型門扉に取付けて引戸型電動門扉とすることを可能にすることにある。
第四の課題は、太陽電池を電源として用いる場合に、電力消費の少ない小トルクモータを用いても、小さな障害物ならば駆動車輪が容易に乗り越えて走行できるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記第一の課題を解決する本発明は、門扉の駆動車輪を駆動するための駆動部と、門扉の開放、閉鎖及び安全を検知するための検知部と、操作部からの開指令信号、閉指令信号又は停止指令信号を受信した時にこれらを後記制御部に入力する通信部と、前記通信部から指令信号を入力したことに基づき前記駆動部を制御する制御部とを有し、前記駆動車輪を2本のレール上で転動させて走行する引戸型電動門扉装置において、門扉に設けた太陽電池に発生した電力を蓄電部に蓄電して置き、その蓄電部から通信部、制御部、検知部及び駆動部に電力を供給する際に、蓄電部の電圧を電圧変換部により上記通信部、制御部、検知部及び駆動部用にそれぞれ電圧変換をして供給するようにしたことを特徴としている(請求項1)。
上記構成により、太陽電池に発生した電力はすべて蓄電器に蓄電され、蓄電部から通信部、制御部、検知部及び駆動部に電力を供給する際は、蓄電部の電圧が電圧変換部によりそれぞれ通信部、制御部、検知部及び駆動部用に電圧変換されてから供給される。従って、電力消費が節減され、蓄電部の短期完全放電が防止されるので、商用電源を必要としない。
【0006】
請求項2の発明は、門扉の待機状態の間、すなわち、門扉が閉鎖位置又は完全開放位置に停止している間は、通信部を除くほかの各部には電力供給を停止し、通信部が操作部から指令信号を受信したことに基づき、制御部及び検知部への電力供給を開始し、前記制御部は通信部からの開指令信号、閉指令信号又は停止指令信号に基づいて駆動部への電力供給を制御することを特徴としている。
上記構成により、制御部が操作部から開指令信号又は閉指令信号を受信するまでは、開指令信号又は閉指令信号の検知のために常時電力が消費されるが、それ以外は電力が消費されない。開指令信号を検知した後は、停止指令信号の検知のため、保安検知のため、全開検知又は閉鎖検知のため、動力部の駆動及び制動のため、及び制御部の制御動作のために、それぞれ電圧変換部により変換された所定電圧で電力が消費される。従って、電力が効率的に消費されるので、商用電源を必要としない。
【0007】
第三の課題を解決するため、少なくとも蓄電部と電圧変換部と制御部と駆動部とを筐体に収容し、その筐体に駆動部により回転される車軸を設け、その車軸に駆動車輪を固着し、その筐体を門扉の下部フレームに取付けることが望ましい (請求項3)。
このようにした場合は、既製の門扉の下部フレームに筐体を取付け、太陽電池を設け、所要の配線をする簡単な施工により、電動門扉を作ることができる。
【0008】
第四の課題を解決するため、本発明は、筐体を車軸の長手方向中間点において門扉の下部フレームに前記車軸と直交する水平軸回りに揺動自在に支持することを特徴としている(請求項4)。
上記構成により、一方のレール上に小さな障害物が存在する場合は、駆動車輪の車軸がその軸線と直角な水平軸回りに揺動するため、車輪はその障害物を容易に乗り越えて走行を維持することができる。従って、門扉に独立の電源として太陽電池を用いて小トルクのモータを駆動しても、門扉の走行が可能であるから、商用電源非供給地にも電動門扉の設置が可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施例に係る引戸型電動門扉の側面図、図2は同じく正面図、図3は同じく平面図、図4は本発明による引戸型電動門扉装置の基本的構成を概略的に示す正面図、図5は同引戸型門扉装置の電源系統及び制御系統を中心とした基本的構成を抽出して示す示すブロック図、図6は門扉に対する筐体の取付け状態を示す断面図、図7は図6のX−X線断面図、図8は制御部の動作内容の一例を説明するフローチャートである。
【0010】
図1,図2において、Rは地面に平行に敷設されたレールであり、DはそのレールR上をこれに案内されて転動する車輪W(Wa,Wb)を介して走行する引戸型門扉である。
門扉の前端(閉鎖方向先端部)に設けられる車輪Wa以外の車輪Wbは、従来の門扉における車輪と同様に、下部フレーム1に固着された支持金具2により回転自在に支持されている従動車輪である。しかし、車輪Waは、後述されるように、下部フレーム1に取付けられた筐体3に設けられており、また、その筐体に収容されたモータを含む駆動部により回転される車軸に固着された駆動車輪である。
【0011】
筐体3は、図6に示すように下部フレーム1の前後方向に延びる基板3aを有し、その基板の前後方向中間において門扉走行方向に隔てられた位置に固着された軸受板4を有し、その軸受板4に支持された支軸5の両端部を下部フレーム1に固着された同様の軸受板6に回転自在に支持させることより、筐体3は、その支軸5を中心として、すなわち門扉走行方向と平行な水平軸回りに揺動自在に取付けられている。
【0012】
筐体3の基板3aには、下部フレーム1の両端部に近い位置において下方に突出する軸受7がボルト8により固定され、その両側の軸受7により車軸9が回転自在に支持され、その車軸9の両端部に車輪Waが固着されている。筐体3の基板3aの下側には、一方側の車輪Waと軸受7の間から他方側の車輪Waと軸受7の間までの部分の下面を隠蔽して、これらを保護するための下蓋3bがねじ10で固着されている。
【0013】
車輪Waの両側には防護用カバー11が設けられており、また、内側のカバーには、レールRと係合する転倒防止金具12が固着されている。
【0014】
基板3aの上側には据付板3cが載せられ、離間用ボルト13により基板3aから設定された高さに離間され、かつ、据付板3bに貫通した固定用ボルト14を基板3aにねじ込むことにより、据付板3cが所定の位置に固定されている。両ボルト13,14のねじ込み量を加減することにより、据付板3cの高さ調整が可能である。
そして、据付板3cには、その幅方向の一部分に、駆動部を構成するギヤヘッド付き可逆モータ15と、このモータに結合された電磁ブレーキ16と、モータの回転軸17上に設けられたプーリ18aと、モータの回転軸17とプーリ18aとを結合状態又は非結合状態とに切り換えるためのクラッチ19とが設けられ、基板3aの幅方向残部分には、後述される蓄電部20と制御部21と通信部22とが設けられている。
【0015】
蓄電部20は、外部から与えられる電力を例えばコンデンサに充電し、また外部の負荷に放電するものであり、充電量の100%を放電可能な高性能なものが使用されている。通信部22は、図4に示すように、門扉Dの前端部の縦桟の中空部の上端部付近に内蔵しても良い。この設置例の場合は取付が容易であり、後述されるアンテナ22aとの接続も容易である。
【0016】
そして、伝動手段の一例として、プーリ18aと車軸9に固着されたプーリ18bの間にベルト18cが巻回されている。プーリ18a,18b及びベルト18cは滑り防止のため、いずれも歯付きであることが望ましい。
【0017】
23はモータ15を据付板3bに固定するための締結部材であり、24は回転軸17とプーリ18aとの結合状態を強制的に解除するためのレバーである。この強制解除レバー24は、門扉Dを何らかの事情により手動で開閉する必要がある場合に用いられる。また、25はモータ15その他の屋外環境から保護する必要性の高い部品等を保護するカバーである。
【0018】
筐体3には、基板3aの上側に取付けられているものすべてを隠蔽する上蓋3dが取付けられているが、この上蓋3dは、強制解除レバー24を操作する際に、又は基板上の設置物の保守のために、取外すことができるようにスナップ錠26により取付けられている。しかし、上蓋3dに強制解除レバー操作用の孔を形成し、その孔に開閉可能な蓋(不図示)を設ければ、上蓋3dは基板3aにねじなどで固着しても良い。
【0019】
次に、門扉Dには、電源系統として、上部に太陽電池27が取付けられ、その太陽電池に発生した電力は導線28を介して筐体3内の蓄電部20に供給されるようになっている。太陽電池27は門扉設置地により最長日照時間が得られるように、設置方向及び角度を選択して固定可能であることはいうまでもない。
【0020】
門扉Dには、また、上記モータ15、電磁ブレーキ16及びクラッチ19を有する駆動部による門扉の走行を規定するための指令信号をリモコン(リモートコントロール)等の操作部29から受信して制御部21に与えるため、通信部22が設けられている。この通信部22には、操作部29から電波で送信される指令信号を受信するアンテナ22aが接続されている。アンテナ22aは門扉の前端など電波を受信しやすい位置に取付けられている。
【0021】
門扉にはまた、図7に示すように、門扉が開端(開放終端:オープンエンド)まで走行された時にこれを検知するための開端センサ30が取付けられている。この開端センサ30は、門扉の下部フレーム1に取付板31を介して門扉の走行方向に沿った後部と前部に並べて取付けられた第1、第2二つのリミットスイッチ30a,30bからなっている。そして、レールRの門扉開放終端付近に、開端センサ30a,30bを動作させる作動板32が設けられている。この作動板32はレールRの底部付近から斜めに立ち上がる下側スロープ部32aと、これに続いて門扉開放方向に一定の距離を有する水平部32bと、その水平部の後端部に続いて斜めに立ち上がる上側スロープ部32cとを有している。
水平部32bは、門扉が走行する際に第1リミットスイッチ30aのアクチュエータを動作させるが第2リミットスイッチ30bは動作させない高さにあり、上側スロープ部32cは、門扉が開放終端まで走行したときに第2リミットスイッチ30bのアクチュエータを動作させる高さにある。これらの開端センサ30a,30bは制御部21にそれぞれ開端接近検知信号S4と開端到達検知信号S5を与えるようになっている。なお、開端センサは、上記の接触式センサに代えて、周知の非接触式センサを用いても良い。上記開端センサ30、安全センサ33及び電気錠34によって、検知部が構成されている。
【0022】
その他、門扉の安全走行及び走行範囲規制のための手段として、門扉の前端及び後端に、タッチセンサなど接触式センサ又は光センサ等の非接触式センサからなる人間又は物体の接触又は異常接近を検知するための安全センサ33が設けられ、また、門扉に通常備えられる電気錠34が備えられている。そして、門柱35には、門扉が所定位置まで完全に閉鎖された時に電気錠34のフック34aを施錠側に移動させる錠受け36が設けてあり、電気錠34には、そのフックが施錠側に移動されたことを検知する施錠検知センサ(不図示)が設けられていて、安全センサ33及び電気錠34からそれぞれ検知信号S6,S7が制御部21に与えられるようになっている。
【0023】
以上に説明した太陽電池27からの電源系統、操作部並びに各検知部からの制御部への指令信号及び制御部から駆動部への制御信号の伝達系統を図示すると、図5に示すようなものとなる。なお、制御部21、通信部22及び電気錠34は、いずれも門扉に設置された独立の電源、すなわち、太陽電池27の起電力を一旦蓄電部20に充電し、これを放電させて用いるのであるが、本発明においては電力消費効率を向上させるため、蓄電部20に電圧変換部37を接続して、ここで各部の定格電圧に変換した後に給電するようにしている。すなわち、一例を説明すると、単結晶太陽電池パネルを用いる場合は、太陽電池27からはDC12Vが得られ、蓄電部20では10.6Vとなるが、電圧変換部37はこれを24Vに変換して制御部21に与え、また、通信部22には12Vに変換して与える。制御部21は駆動部のモータ15に所要トルクを得るために必要な電圧の駆動電流を与え、また、電気錠34には例えば電磁ソレノイドによる施錠動作及び解錠動作に必要な電圧の駆動電流を与えるように構成してある。
【0024】
続いて、上記構成における制御部21の動作を、図8に基づいて説明する。なお、図8には電気錠34に対する制御に関しては省略してある。また、制御部21は所期の機能を実現するためマイクロコンピュータを使用してプログラムを実行する。
制御部21に電源が投入されると、プログラムの実行が開始され、まず、ステップ1(以下、ステップをPで表す。)において、各部の現状、すなわち、電気錠34からの検知信号S7及び開端センサ30(30a,30b)からの検知信号S4,S5の状態により門扉が閉端位置にあるか又は開端位置にあるか、安全センサ33からの検知信号S6の状態により障害物の有無を調べた後、待機状態となる。すなわち、守衛などの門扉係員がリモコン29を介して送信する指令信号は通信部22を経て制御部21に与えられるが、制御部21は、現在、開指令信号S1を入力したか否か(P2)、閉指令信号S2を入力したか否か(P12)を監視しており、開指令信号も閉指令信号も入力しない場合は、P2とP12の間を循環する。
開指令信号も閉指令信号も入力しない時間が例えば3分間継続した場合は、制御部は電力消費節減のために、開端センサ30、安全センサ33及び電気錠34の検知信号の監視を休止するようになっている。しかし、図8にはそのステップの表示を省略してある。
【0025】
リモコン29から開指令信号S1を送信すると、受信部22がこれを受信して制御部21に入力するので、制御部はモータドライバ(不図示)にモータ15を例えば正転駆動させるための制御信号を与えるので、モータドライバはモータに所定電圧の駆動電流を与えて正転させる(P3)。これにより、駆動車輪Waが所定方向に回転駆動されて、門扉Dが開放方向に走行される。その間に、安全センサ33からの検知信号S6の状態を監視する(P4)とともに、門扉係員がリモコン29を介して停止指令信号S3を送信したか否か(P5)を監視する。
【0026】
ステップP4において門扉に何かが異常接近して安全センサ33の検知状態が変化した時は、制御部21はモータドライバを介してモータ15の回転を直ちに止め、異常接近を検知しなくなったら、ステップP3に戻って、モータ15を再び正転させて開放方向の走行を継続させる。そして、門扉が開放終端付近まで走行したか否かを監視する(P6)。開放終端付近まで走行すると、図7に示されているように、開端センサ30の内、第1リミットスイッチ30aが作動板32の水平部32bにより動作されるため、その検知信号S4の状態が変化するので、開放終端接近を検知する。そして、検知すると、制御部21は電磁ブレーキドライバ(不図示)を介して電磁ブレーキ16を動作させて門扉に制動を掛ける(P8)。制動を掛けられた門扉が開放終端に到達すると、開端センサ30の内、第2リミットスイッチ30bが作動板32の上側スロープ32cにより動作されるため、開放終端到達を検する。これに基づき制御部21はモータドライバを介してモータ15の正転を停止させる(P9)。P9まで信号処理を実行した後は、P2に戻る。
【0027】
P5において停止指令信号S3が入力した場合は、制御部21はP12にジャンプして、閉指令信号S2が入力したか否かを調べる。これは、開放途中にその門扉を閉鎖する必要が生じた場合に有効である。
【0028】
ステップP12において、リモコン29から送信された閉指令信号S2を受信部22を経て入力した時は、制御部21はモータドライバを介してモータ15を逆転駆動させて(P13)、門扉を閉鎖方向に走行させる。その後、安全センサ33が異常接近を検知したか否か(P14)及び停止指令信号S3を入力したか否か(P15)の監視を行う点は、P4,P5と同様である。異常接近検知時 (又は接触検知時。以下、同じ。)にはモータ15の逆転を停止し(P22)、異常接近を検知しなくなったら、P13に戻ってモータを再び逆転させ、門扉の閉鎖方向の走行を継続させる。
【0029】
P15において、リモコン29から送信された停止指令信号S3を通信部22を経て入力した場合は、制御部21はP2にジャンプして、開指令信号S1が入力したか否かを調べる。これは、閉鎖途中にその門扉を再び開放する必要が生じた場合に有効である。
【0030】
P15において停止指令信号S3を受けることなく閉方向走行を継続して、閉鎖位置まで移動した時は、電気錠34が門柱35の錠受け36により動作されて検知信号S7の状態が変化する(P16においてY)ので、制御部21はその閉鎖検知信号S7を入力してモータ15の逆転を停止する(P17)。門扉の閉鎖方向走行時には、P6の場合のように、閉鎖位置接近検知をして制動を掛けることを行わない。これは、制動により門扉の走行の勢いが弱くなくって、電気錠の施錠が不確実になることを排除するためである。換言すると、門扉が完全に閉鎖して電気錠34が確実に施錠されると同時にモータ15の逆転が停止されるようになっている。加えて、上記実施例においては、操作部29からの指令信号を入力しない状態が一定時間以上継続した時は、制御部21は各部への電力供給を停止し、通信部22のみに指令信号受信のために電力を供給する。従って、節電効果が著しく大きいので、太陽電池を用いる場合の動作信頼性が向上される。
【0031】
本発明においては、上述のように、電源として太陽電池27を用い、かつ、その起電力を電圧変換部37により各部の消費電力に応じた定格電圧に変換して使用するので、商用電源の供給を受けられない地域でも引戸型電動門扉の設置・使用が可能になった。
【0032】
また、本発明においては、上述のように、一種の台車、すなわち、駆動車輪Waを取付けた筐体3を門扉Dに水平軸5回りに揺動可能に備えたので、駆動車輪Waが走行するレールR上に小石や細い棒材などの障害物が存在する場合でも、それが片方のレールのみに存在するときは、そのレール上を走行する駆動車輪がその障害物に差し掛かった時に台車3が水平軸5回りに回動するため、その駆動車輪はその障害物を容易に乗り越えることができ、他方の駆動車輪は他方のレール上を正常に転動し続けるから、門扉は障害物の存在にかかわらず、停止することなく円滑に移動することができる。
【0033】
このように駆動車輪Waを取付けた筐体3を水平軸5回りに揺動可能に備えたことにより、障害物によるモータの負荷の増大が防止されるため、モータには消費電力の少ない小トルクモータの使用が可能となった。従って、商用電源から独立した太陽電池を使用する引戸型電動門扉の動作信頼性が飛躍的に高いものとなった。
【0034】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、商用電源の供給を受けられない地域でも引戸型電動門扉の設置・使用が可能になった。
【0035】
請求項2の発明によれば、電動門扉が休止状態にある間は門扉で消費される電力が可及的に節減されるので、太陽電池で得られる電力を有効に使用することができる。
【0036】
請求項3の発明によれば、既製の門扉の下部フレームに筐体を取付け、太陽電池を設け、所要の配線をするだけで良いので、簡単な施工により電動門扉を作ることができる。
【0037】
請求項4の発明によれば、駆動部はモータを含み、筐体は車軸の長手方向中間点において門扉の下部フレームに車軸と直交する水平軸回りに揺動自在に支持されているので、一方のレール上に小さな障害物が存在する場合でも、駆動車輪の車軸がその軸線と直角な水平軸回りに揺動するため、車輪はその障害物を容易に乗り越えて走行を維持することができるので、門扉に独立の電源として太陽電池を用いて小トルクのモータを用いても門扉の走行が可能であり、商用電源から独立した太陽電池を使用する引戸型電動門扉の動作信頼性が飛躍的に向上した。従って、商用電源非供給地にも電動門扉の設置が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る引戸型門扉の側面図。
【図2】同じく一部を省略して示す正面図。
【図3】同じく平面図。
【図4】本発明の基本的構成を門扉に取付けた状態を示す正面図。
【図5】本発明に係る引戸型門扉装置の電源系統及び制御系統を中心とした基本的構成を抽出して概略的に示す示すブロック図。
【図6】門扉の蓄電部、制御部及び駆動部を取付けた部分の具体例を示す断面図。
【図7】図6のX−X線断面図。
【図8】制御部の動作内容の一例を説明するフローチャート。
【符号の説明】
R レール
D 門扉
Wa 駆動車輪
Wb 従動車輪
1 門扉の下部フレーム
3 筐体
3a 基板
3b 下蓋
3c 据付板
3d 上蓋
5 支軸(水平軸)
7 軸受
9 車軸
15 モータ(駆動部)
16 電磁ブレーキ
17 回転軸
18a,18b プーリ
18c ベルト
19 クラッチ
20 蓄電部
21 制御部
22 通信部
24 強制解除レバー
27 太陽電池
30 開端センサ
33 安全センサ
34 電気錠
37 電圧変換部
【発明の属する技術分野】
本発明は、引戸型電動門扉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
引戸型門扉は、地面に付設された2本のレールと、そのレール上を走行するための車輪を備えた門扉本体と、閉鎖位置まで走行した門扉を止め、かつ施錠するための門柱とを基本的な構成要素とする。
これに対して、引戸型電動門扉は、上記基本的構成要素のほかに、車輪に回転力を与える駆動部と、門扉が開放終端位置、閉鎖位置のいずれに存在するかを検知し、走行中の安全を検知するための検知部と、門扉に開指令信号、閉指令信号及び停止指令信号を与えるための操作部と、その操作部から入力する指令信号及び検知部からの検知状態に基づいて駆動部への電源供給を制御する制御部と、各部に電力を与えるための電源とが必要である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の引戸型電動門扉は、待機中でも制御部ばかりでなく、操作部及び各検知部からの信号入力を監視するため、これらにも常時電源を供給していたから、電力消費が少なくない。また、従来の引戸型電動門扉は、門扉本体の走行用駆動車輪に回転力を与えるためには、トルクが比較的大きなモータを用いる必要があった。その理由は、従来の電動門扉は、非電動門扉の門扉本体をそのまま使用するため門扉本体に両端部が固定された車軸の両端に駆動車輪を支持しているから、一方のレール上に小石その他比較的小さな落下物などの障害物が存在する場合でも、駆動車輪はこれを乗り越えて走行することができるようにするためである。従って、従来の引戸型電動門扉に使用できる電源は、100V又は200Vの商用電源とされていた。そのため、商用電源の供給を受けられない地域には、引戸型電動門扉が設置できないという問題があった。
【0004】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、第一の課題は、運転中の電力消費の節減を図ることにより、電源として太陽電池の使用を可能とし、もって、商用電源需給不能地にも引戸型電動門扉を設置できるようにすることにある。
第二の課題は、引戸型電動門扉で用いるすべての電力の電源として門扉に取付けた太陽電池を用いる場合に、電力消費量を可及的に少なくして、電力不足による動作不能を起こさないようにすることにある。
第三の課題は、主たる構成要素を容易に既製の引戸型門扉に取付けて引戸型電動門扉とすることを可能にすることにある。
第四の課題は、太陽電池を電源として用いる場合に、電力消費の少ない小トルクモータを用いても、小さな障害物ならば駆動車輪が容易に乗り越えて走行できるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記第一の課題を解決する本発明は、門扉の駆動車輪を駆動するための駆動部と、門扉の開放、閉鎖及び安全を検知するための検知部と、操作部からの開指令信号、閉指令信号又は停止指令信号を受信した時にこれらを後記制御部に入力する通信部と、前記通信部から指令信号を入力したことに基づき前記駆動部を制御する制御部とを有し、前記駆動車輪を2本のレール上で転動させて走行する引戸型電動門扉装置において、門扉に設けた太陽電池に発生した電力を蓄電部に蓄電して置き、その蓄電部から通信部、制御部、検知部及び駆動部に電力を供給する際に、蓄電部の電圧を電圧変換部により上記通信部、制御部、検知部及び駆動部用にそれぞれ電圧変換をして供給するようにしたことを特徴としている(請求項1)。
上記構成により、太陽電池に発生した電力はすべて蓄電器に蓄電され、蓄電部から通信部、制御部、検知部及び駆動部に電力を供給する際は、蓄電部の電圧が電圧変換部によりそれぞれ通信部、制御部、検知部及び駆動部用に電圧変換されてから供給される。従って、電力消費が節減され、蓄電部の短期完全放電が防止されるので、商用電源を必要としない。
【0006】
請求項2の発明は、門扉の待機状態の間、すなわち、門扉が閉鎖位置又は完全開放位置に停止している間は、通信部を除くほかの各部には電力供給を停止し、通信部が操作部から指令信号を受信したことに基づき、制御部及び検知部への電力供給を開始し、前記制御部は通信部からの開指令信号、閉指令信号又は停止指令信号に基づいて駆動部への電力供給を制御することを特徴としている。
上記構成により、制御部が操作部から開指令信号又は閉指令信号を受信するまでは、開指令信号又は閉指令信号の検知のために常時電力が消費されるが、それ以外は電力が消費されない。開指令信号を検知した後は、停止指令信号の検知のため、保安検知のため、全開検知又は閉鎖検知のため、動力部の駆動及び制動のため、及び制御部の制御動作のために、それぞれ電圧変換部により変換された所定電圧で電力が消費される。従って、電力が効率的に消費されるので、商用電源を必要としない。
【0007】
第三の課題を解決するため、少なくとも蓄電部と電圧変換部と制御部と駆動部とを筐体に収容し、その筐体に駆動部により回転される車軸を設け、その車軸に駆動車輪を固着し、その筐体を門扉の下部フレームに取付けることが望ましい (請求項3)。
このようにした場合は、既製の門扉の下部フレームに筐体を取付け、太陽電池を設け、所要の配線をする簡単な施工により、電動門扉を作ることができる。
【0008】
第四の課題を解決するため、本発明は、筐体を車軸の長手方向中間点において門扉の下部フレームに前記車軸と直交する水平軸回りに揺動自在に支持することを特徴としている(請求項4)。
上記構成により、一方のレール上に小さな障害物が存在する場合は、駆動車輪の車軸がその軸線と直角な水平軸回りに揺動するため、車輪はその障害物を容易に乗り越えて走行を維持することができる。従って、門扉に独立の電源として太陽電池を用いて小トルクのモータを駆動しても、門扉の走行が可能であるから、商用電源非供給地にも電動門扉の設置が可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施例に係る引戸型電動門扉の側面図、図2は同じく正面図、図3は同じく平面図、図4は本発明による引戸型電動門扉装置の基本的構成を概略的に示す正面図、図5は同引戸型門扉装置の電源系統及び制御系統を中心とした基本的構成を抽出して示す示すブロック図、図6は門扉に対する筐体の取付け状態を示す断面図、図7は図6のX−X線断面図、図8は制御部の動作内容の一例を説明するフローチャートである。
【0010】
図1,図2において、Rは地面に平行に敷設されたレールであり、DはそのレールR上をこれに案内されて転動する車輪W(Wa,Wb)を介して走行する引戸型門扉である。
門扉の前端(閉鎖方向先端部)に設けられる車輪Wa以外の車輪Wbは、従来の門扉における車輪と同様に、下部フレーム1に固着された支持金具2により回転自在に支持されている従動車輪である。しかし、車輪Waは、後述されるように、下部フレーム1に取付けられた筐体3に設けられており、また、その筐体に収容されたモータを含む駆動部により回転される車軸に固着された駆動車輪である。
【0011】
筐体3は、図6に示すように下部フレーム1の前後方向に延びる基板3aを有し、その基板の前後方向中間において門扉走行方向に隔てられた位置に固着された軸受板4を有し、その軸受板4に支持された支軸5の両端部を下部フレーム1に固着された同様の軸受板6に回転自在に支持させることより、筐体3は、その支軸5を中心として、すなわち門扉走行方向と平行な水平軸回りに揺動自在に取付けられている。
【0012】
筐体3の基板3aには、下部フレーム1の両端部に近い位置において下方に突出する軸受7がボルト8により固定され、その両側の軸受7により車軸9が回転自在に支持され、その車軸9の両端部に車輪Waが固着されている。筐体3の基板3aの下側には、一方側の車輪Waと軸受7の間から他方側の車輪Waと軸受7の間までの部分の下面を隠蔽して、これらを保護するための下蓋3bがねじ10で固着されている。
【0013】
車輪Waの両側には防護用カバー11が設けられており、また、内側のカバーには、レールRと係合する転倒防止金具12が固着されている。
【0014】
基板3aの上側には据付板3cが載せられ、離間用ボルト13により基板3aから設定された高さに離間され、かつ、据付板3bに貫通した固定用ボルト14を基板3aにねじ込むことにより、据付板3cが所定の位置に固定されている。両ボルト13,14のねじ込み量を加減することにより、据付板3cの高さ調整が可能である。
そして、据付板3cには、その幅方向の一部分に、駆動部を構成するギヤヘッド付き可逆モータ15と、このモータに結合された電磁ブレーキ16と、モータの回転軸17上に設けられたプーリ18aと、モータの回転軸17とプーリ18aとを結合状態又は非結合状態とに切り換えるためのクラッチ19とが設けられ、基板3aの幅方向残部分には、後述される蓄電部20と制御部21と通信部22とが設けられている。
【0015】
蓄電部20は、外部から与えられる電力を例えばコンデンサに充電し、また外部の負荷に放電するものであり、充電量の100%を放電可能な高性能なものが使用されている。通信部22は、図4に示すように、門扉Dの前端部の縦桟の中空部の上端部付近に内蔵しても良い。この設置例の場合は取付が容易であり、後述されるアンテナ22aとの接続も容易である。
【0016】
そして、伝動手段の一例として、プーリ18aと車軸9に固着されたプーリ18bの間にベルト18cが巻回されている。プーリ18a,18b及びベルト18cは滑り防止のため、いずれも歯付きであることが望ましい。
【0017】
23はモータ15を据付板3bに固定するための締結部材であり、24は回転軸17とプーリ18aとの結合状態を強制的に解除するためのレバーである。この強制解除レバー24は、門扉Dを何らかの事情により手動で開閉する必要がある場合に用いられる。また、25はモータ15その他の屋外環境から保護する必要性の高い部品等を保護するカバーである。
【0018】
筐体3には、基板3aの上側に取付けられているものすべてを隠蔽する上蓋3dが取付けられているが、この上蓋3dは、強制解除レバー24を操作する際に、又は基板上の設置物の保守のために、取外すことができるようにスナップ錠26により取付けられている。しかし、上蓋3dに強制解除レバー操作用の孔を形成し、その孔に開閉可能な蓋(不図示)を設ければ、上蓋3dは基板3aにねじなどで固着しても良い。
【0019】
次に、門扉Dには、電源系統として、上部に太陽電池27が取付けられ、その太陽電池に発生した電力は導線28を介して筐体3内の蓄電部20に供給されるようになっている。太陽電池27は門扉設置地により最長日照時間が得られるように、設置方向及び角度を選択して固定可能であることはいうまでもない。
【0020】
門扉Dには、また、上記モータ15、電磁ブレーキ16及びクラッチ19を有する駆動部による門扉の走行を規定するための指令信号をリモコン(リモートコントロール)等の操作部29から受信して制御部21に与えるため、通信部22が設けられている。この通信部22には、操作部29から電波で送信される指令信号を受信するアンテナ22aが接続されている。アンテナ22aは門扉の前端など電波を受信しやすい位置に取付けられている。
【0021】
門扉にはまた、図7に示すように、門扉が開端(開放終端:オープンエンド)まで走行された時にこれを検知するための開端センサ30が取付けられている。この開端センサ30は、門扉の下部フレーム1に取付板31を介して門扉の走行方向に沿った後部と前部に並べて取付けられた第1、第2二つのリミットスイッチ30a,30bからなっている。そして、レールRの門扉開放終端付近に、開端センサ30a,30bを動作させる作動板32が設けられている。この作動板32はレールRの底部付近から斜めに立ち上がる下側スロープ部32aと、これに続いて門扉開放方向に一定の距離を有する水平部32bと、その水平部の後端部に続いて斜めに立ち上がる上側スロープ部32cとを有している。
水平部32bは、門扉が走行する際に第1リミットスイッチ30aのアクチュエータを動作させるが第2リミットスイッチ30bは動作させない高さにあり、上側スロープ部32cは、門扉が開放終端まで走行したときに第2リミットスイッチ30bのアクチュエータを動作させる高さにある。これらの開端センサ30a,30bは制御部21にそれぞれ開端接近検知信号S4と開端到達検知信号S5を与えるようになっている。なお、開端センサは、上記の接触式センサに代えて、周知の非接触式センサを用いても良い。上記開端センサ30、安全センサ33及び電気錠34によって、検知部が構成されている。
【0022】
その他、門扉の安全走行及び走行範囲規制のための手段として、門扉の前端及び後端に、タッチセンサなど接触式センサ又は光センサ等の非接触式センサからなる人間又は物体の接触又は異常接近を検知するための安全センサ33が設けられ、また、門扉に通常備えられる電気錠34が備えられている。そして、門柱35には、門扉が所定位置まで完全に閉鎖された時に電気錠34のフック34aを施錠側に移動させる錠受け36が設けてあり、電気錠34には、そのフックが施錠側に移動されたことを検知する施錠検知センサ(不図示)が設けられていて、安全センサ33及び電気錠34からそれぞれ検知信号S6,S7が制御部21に与えられるようになっている。
【0023】
以上に説明した太陽電池27からの電源系統、操作部並びに各検知部からの制御部への指令信号及び制御部から駆動部への制御信号の伝達系統を図示すると、図5に示すようなものとなる。なお、制御部21、通信部22及び電気錠34は、いずれも門扉に設置された独立の電源、すなわち、太陽電池27の起電力を一旦蓄電部20に充電し、これを放電させて用いるのであるが、本発明においては電力消費効率を向上させるため、蓄電部20に電圧変換部37を接続して、ここで各部の定格電圧に変換した後に給電するようにしている。すなわち、一例を説明すると、単結晶太陽電池パネルを用いる場合は、太陽電池27からはDC12Vが得られ、蓄電部20では10.6Vとなるが、電圧変換部37はこれを24Vに変換して制御部21に与え、また、通信部22には12Vに変換して与える。制御部21は駆動部のモータ15に所要トルクを得るために必要な電圧の駆動電流を与え、また、電気錠34には例えば電磁ソレノイドによる施錠動作及び解錠動作に必要な電圧の駆動電流を与えるように構成してある。
【0024】
続いて、上記構成における制御部21の動作を、図8に基づいて説明する。なお、図8には電気錠34に対する制御に関しては省略してある。また、制御部21は所期の機能を実現するためマイクロコンピュータを使用してプログラムを実行する。
制御部21に電源が投入されると、プログラムの実行が開始され、まず、ステップ1(以下、ステップをPで表す。)において、各部の現状、すなわち、電気錠34からの検知信号S7及び開端センサ30(30a,30b)からの検知信号S4,S5の状態により門扉が閉端位置にあるか又は開端位置にあるか、安全センサ33からの検知信号S6の状態により障害物の有無を調べた後、待機状態となる。すなわち、守衛などの門扉係員がリモコン29を介して送信する指令信号は通信部22を経て制御部21に与えられるが、制御部21は、現在、開指令信号S1を入力したか否か(P2)、閉指令信号S2を入力したか否か(P12)を監視しており、開指令信号も閉指令信号も入力しない場合は、P2とP12の間を循環する。
開指令信号も閉指令信号も入力しない時間が例えば3分間継続した場合は、制御部は電力消費節減のために、開端センサ30、安全センサ33及び電気錠34の検知信号の監視を休止するようになっている。しかし、図8にはそのステップの表示を省略してある。
【0025】
リモコン29から開指令信号S1を送信すると、受信部22がこれを受信して制御部21に入力するので、制御部はモータドライバ(不図示)にモータ15を例えば正転駆動させるための制御信号を与えるので、モータドライバはモータに所定電圧の駆動電流を与えて正転させる(P3)。これにより、駆動車輪Waが所定方向に回転駆動されて、門扉Dが開放方向に走行される。その間に、安全センサ33からの検知信号S6の状態を監視する(P4)とともに、門扉係員がリモコン29を介して停止指令信号S3を送信したか否か(P5)を監視する。
【0026】
ステップP4において門扉に何かが異常接近して安全センサ33の検知状態が変化した時は、制御部21はモータドライバを介してモータ15の回転を直ちに止め、異常接近を検知しなくなったら、ステップP3に戻って、モータ15を再び正転させて開放方向の走行を継続させる。そして、門扉が開放終端付近まで走行したか否かを監視する(P6)。開放終端付近まで走行すると、図7に示されているように、開端センサ30の内、第1リミットスイッチ30aが作動板32の水平部32bにより動作されるため、その検知信号S4の状態が変化するので、開放終端接近を検知する。そして、検知すると、制御部21は電磁ブレーキドライバ(不図示)を介して電磁ブレーキ16を動作させて門扉に制動を掛ける(P8)。制動を掛けられた門扉が開放終端に到達すると、開端センサ30の内、第2リミットスイッチ30bが作動板32の上側スロープ32cにより動作されるため、開放終端到達を検する。これに基づき制御部21はモータドライバを介してモータ15の正転を停止させる(P9)。P9まで信号処理を実行した後は、P2に戻る。
【0027】
P5において停止指令信号S3が入力した場合は、制御部21はP12にジャンプして、閉指令信号S2が入力したか否かを調べる。これは、開放途中にその門扉を閉鎖する必要が生じた場合に有効である。
【0028】
ステップP12において、リモコン29から送信された閉指令信号S2を受信部22を経て入力した時は、制御部21はモータドライバを介してモータ15を逆転駆動させて(P13)、門扉を閉鎖方向に走行させる。その後、安全センサ33が異常接近を検知したか否か(P14)及び停止指令信号S3を入力したか否か(P15)の監視を行う点は、P4,P5と同様である。異常接近検知時 (又は接触検知時。以下、同じ。)にはモータ15の逆転を停止し(P22)、異常接近を検知しなくなったら、P13に戻ってモータを再び逆転させ、門扉の閉鎖方向の走行を継続させる。
【0029】
P15において、リモコン29から送信された停止指令信号S3を通信部22を経て入力した場合は、制御部21はP2にジャンプして、開指令信号S1が入力したか否かを調べる。これは、閉鎖途中にその門扉を再び開放する必要が生じた場合に有効である。
【0030】
P15において停止指令信号S3を受けることなく閉方向走行を継続して、閉鎖位置まで移動した時は、電気錠34が門柱35の錠受け36により動作されて検知信号S7の状態が変化する(P16においてY)ので、制御部21はその閉鎖検知信号S7を入力してモータ15の逆転を停止する(P17)。門扉の閉鎖方向走行時には、P6の場合のように、閉鎖位置接近検知をして制動を掛けることを行わない。これは、制動により門扉の走行の勢いが弱くなくって、電気錠の施錠が不確実になることを排除するためである。換言すると、門扉が完全に閉鎖して電気錠34が確実に施錠されると同時にモータ15の逆転が停止されるようになっている。加えて、上記実施例においては、操作部29からの指令信号を入力しない状態が一定時間以上継続した時は、制御部21は各部への電力供給を停止し、通信部22のみに指令信号受信のために電力を供給する。従って、節電効果が著しく大きいので、太陽電池を用いる場合の動作信頼性が向上される。
【0031】
本発明においては、上述のように、電源として太陽電池27を用い、かつ、その起電力を電圧変換部37により各部の消費電力に応じた定格電圧に変換して使用するので、商用電源の供給を受けられない地域でも引戸型電動門扉の設置・使用が可能になった。
【0032】
また、本発明においては、上述のように、一種の台車、すなわち、駆動車輪Waを取付けた筐体3を門扉Dに水平軸5回りに揺動可能に備えたので、駆動車輪Waが走行するレールR上に小石や細い棒材などの障害物が存在する場合でも、それが片方のレールのみに存在するときは、そのレール上を走行する駆動車輪がその障害物に差し掛かった時に台車3が水平軸5回りに回動するため、その駆動車輪はその障害物を容易に乗り越えることができ、他方の駆動車輪は他方のレール上を正常に転動し続けるから、門扉は障害物の存在にかかわらず、停止することなく円滑に移動することができる。
【0033】
このように駆動車輪Waを取付けた筐体3を水平軸5回りに揺動可能に備えたことにより、障害物によるモータの負荷の増大が防止されるため、モータには消費電力の少ない小トルクモータの使用が可能となった。従って、商用電源から独立した太陽電池を使用する引戸型電動門扉の動作信頼性が飛躍的に高いものとなった。
【0034】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、商用電源の供給を受けられない地域でも引戸型電動門扉の設置・使用が可能になった。
【0035】
請求項2の発明によれば、電動門扉が休止状態にある間は門扉で消費される電力が可及的に節減されるので、太陽電池で得られる電力を有効に使用することができる。
【0036】
請求項3の発明によれば、既製の門扉の下部フレームに筐体を取付け、太陽電池を設け、所要の配線をするだけで良いので、簡単な施工により電動門扉を作ることができる。
【0037】
請求項4の発明によれば、駆動部はモータを含み、筐体は車軸の長手方向中間点において門扉の下部フレームに車軸と直交する水平軸回りに揺動自在に支持されているので、一方のレール上に小さな障害物が存在する場合でも、駆動車輪の車軸がその軸線と直角な水平軸回りに揺動するため、車輪はその障害物を容易に乗り越えて走行を維持することができるので、門扉に独立の電源として太陽電池を用いて小トルクのモータを用いても門扉の走行が可能であり、商用電源から独立した太陽電池を使用する引戸型電動門扉の動作信頼性が飛躍的に向上した。従って、商用電源非供給地にも電動門扉の設置が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る引戸型門扉の側面図。
【図2】同じく一部を省略して示す正面図。
【図3】同じく平面図。
【図4】本発明の基本的構成を門扉に取付けた状態を示す正面図。
【図5】本発明に係る引戸型門扉装置の電源系統及び制御系統を中心とした基本的構成を抽出して概略的に示す示すブロック図。
【図6】門扉の蓄電部、制御部及び駆動部を取付けた部分の具体例を示す断面図。
【図7】図6のX−X線断面図。
【図8】制御部の動作内容の一例を説明するフローチャート。
【符号の説明】
R レール
D 門扉
Wa 駆動車輪
Wb 従動車輪
1 門扉の下部フレーム
3 筐体
3a 基板
3b 下蓋
3c 据付板
3d 上蓋
5 支軸(水平軸)
7 軸受
9 車軸
15 モータ(駆動部)
16 電磁ブレーキ
17 回転軸
18a,18b プーリ
18c ベルト
19 クラッチ
20 蓄電部
21 制御部
22 通信部
24 強制解除レバー
27 太陽電池
30 開端センサ
33 安全センサ
34 電気錠
37 電圧変換部
Claims (4)
- 門扉の駆動車輪を駆動するための駆動部と、門扉の開放、閉鎖及び安全を検知するための検知部と、操作部からの開指令信号、閉指令信号又は停止指令信号を受信した時にこれらを後記制御部に入力する通信部と、前記通信部から指令信号を入力したことに基づき前記駆動部を制御する制御部とを有し、前記駆動車輪を2本のレール上で転動させて走行する引戸型電動門扉装置において、
門扉に設けた太陽電池に発生した電力を蓄電部に蓄電して置き、その蓄電部から上記通信部、制御部、検知部及び駆動部に電力を供給する際に、蓄電部の電圧を電圧変換部により上記通信部、制御部、検知部及び駆動部用にそれぞれ電圧変換をして供給するようにしたことを特徴とする引戸型電動門扉装置。 - 待機状態においては、通信部を除くほかの各部には電力供給を停止し、通信部が操作部から指令信号を受信したことに基づき、制御部及び検知部への電力供給を開始し、前記制御部は通信部からの開指令信号、閉指令信号又は停止指令信号に基づいて駆動部への電力供給を制御することを特徴とする請求項1に記載された引戸型電動門扉装置。
- 少なくとも蓄電部と電圧変換部と制御部と駆動部とを筐体に収容し、その筐体に前記駆動部により回転される車軸を設け、その車軸に駆動車輪を固着し、その筐体を門扉の下部フレームに取付けたことを特徴とする請求項1又は2に記載された引戸型電動門扉装置。
- 筐体は車軸の長手方向中間点において、門扉の下部フレームに前記車軸と直交する水平軸回りに揺動自在に支持されていることを特徴とする請求項3に記載された引戸型電動門扉装置。
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2003
- 2003-03-31 JP JP2003095433A patent/JP2004300791A/ja not_active Withdrawn
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