JP2004300575A - 金属酸化物の成膜方法 - Google Patents

金属酸化物の成膜方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004300575A
JP2004300575A JP2004073176A JP2004073176A JP2004300575A JP 2004300575 A JP2004300575 A JP 2004300575A JP 2004073176 A JP2004073176 A JP 2004073176A JP 2004073176 A JP2004073176 A JP 2004073176A JP 2004300575 A JP2004300575 A JP 2004300575A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal oxide
oxide film
forming
substrate
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Abandoned
Application number
JP2004073176A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Ueda
隆 植田
Takashi Tani
隆士 谷
Makoto Saito
信 齋藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP2004073176A priority Critical patent/JP2004300575A/ja
Publication of JP2004300575A publication Critical patent/JP2004300575A/ja
Abandoned legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】 真空を必要とせず取り扱い易い噴霧熱分解法において、高価でない原料を用いかつ得られる膜中の気化残渣が少ない、金属酸化物の成膜方法及びそれに用いる新規な原料化合物を提供すること。
【解決手段】 化学気相成長法によって基板上に金属酸化物膜を形成する方法であって、一般式(1):MXn(m-n)(式中、Mは原子価3〜5価の金属、Xはβ−ジケトネート配位子、Yはアルコキシ基を表し、mは3〜5の正の整数、nは1〜4の正の整数である。)で示される金属錯体化合物の水性懸濁液を加熱された基板に吹き付ける金属酸化物の成膜方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は化学気相成長法による金属酸化物の成膜方法及びそれに用いる新規化合物に関する。
酸化チタンは光触媒や耐腐食性のコーティングとして有用な化合物である。
従来の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition=CVD)によるTiO2の成膜方法として、原料ガスとして塩化チタン(TiCl4)やイソプロポキシチタン(Ti(O-i-C3H7)4)が用いられている。しかし、塩化チタンやイソプロポキシチタンは大気中の水分で容易に加水分解されるので大気を遮断する真空CVDでの使用が主である(例えば特許文献1)。真空装置は大型化を困難にし又は装置が非常に高価なものとなる欠点がある。また固体原料を加熱気化させて原料ガスを基板表面まで供給する場合には安定供給が容易でなく、原料供給ラインなどが閉塞するといった問題もある。
また、鉄、クロム、コバルトなどの金属化合物〔Fe(acac)3, Cr(acac)3, Co(acac)3〕を有機溶剤に溶解又は分散して噴霧熱分解してガラス表面に金属酸化物を成膜する方法が特許文献2に知られているが、有機溶剤を用いるため、得られる酸化物膜中に有機物残渣(炭素)が残存する問題がある。
特許文献3には、有機溶媒に代えて水を溶媒として用い、水にチタニルアセチルアセトネート〔TiO(acac)2〕を懸濁させてCVD法により酸化チタン膜を製造する噴霧熱分解法が教示されているが、TiO(acac)2は水中で安定ではない、気化残渣が多い、高価であるという問題があった。
特開昭62-17177号公報(特許第1911673号) 米国特許第3951100号明細書 特表2000-513695号公報
本発明は、上記のような従来技術の現状に鑑み、真空を必要とせず取り扱い易い噴霧熱分解法において、高価でない原料を用いかつ得られる膜中の気化残渣が少ない、金属酸化物の成膜方法及びそれに用いる新規な原料化合物を提供することを目的とするものである。
本発明は、上記目的を達成するために鋭意検討し、下記一般式(1)で表されるβ−ジケトネート配位子の一部をアルコキシ基で置換した金属化合物を用いることで、水性懸濁液にしても安定で、気化残渣の少ない気相成長法による金属酸化物の成膜方法が可能にされることを見出し、本発明を完成したものである。本発明は下記を提供する。
〔1〕化学気相成長法によって基板上に金属酸化物膜を形成する方法であって、一般式(1):MXn(m-n)(式中、Mは原子価3〜5価の金属、Xはβ−ジケトネート配位子、Yはアルコキシ基を表し、mは3〜5の正の整数、nは1〜4の正の整数である。)で示される金属錯体化合物の水性懸濁液を加熱された基板に吹き付けることを特徴とする金属酸化物の成膜方法。
〔2〕一般式(1)においてMがTi(チタン)であり、mが4であり、nは1〜3である金属錯体化合物を用いる上記〔1〕に記載の金属酸化物の成膜方法。
〔3〕β−ジケトネート配位子が一般式(2)で示される化合物に基づく配位子である上記〔1〕又は〔2〕に記載の金属酸化物の成膜方法。
Figure 2004300575
(式中、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基を示す。)
〔4〕β−ジケトネート配位子が、2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオン(略号DPM)、2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオン(略号DMHD)、又は2,4−ペンタンジオン(略号acac)に基づく配位子であり、Yがメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ノルマルプロポキシ基またはノルマルブトキシ基である上記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の金属酸化物の成膜方法。
〔5〕一般式(1)の化合物がTi(acac)2(O−i−C372、Ti(DPM)2(O−i−C372、又はTi(DMHD)2(O−i−C372で表される化合物である上記〔1〕記載の製膜方法。
〔6〕水性懸濁液中の金属錯体化合物の濃度が1〜30質量%の範囲内である上記〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の金属酸化物の成膜方法。
〔7〕水性懸濁液が分散剤を含む上記〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の金属酸化物の成膜方法。
〔8〕分散剤としてアルコールを含む上記〔7〕に記載の金属酸化物の成膜方法。
〔9〕加熱された基板の温度を250〜700℃とする上記〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の基板金属酸化物の成膜方法。
〔10〕基板への吹き付けを大気中で行うことを特徴とする上記〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の金属酸化物の成膜方法。
〔11〕基板への吹き付けがスプレー法であることを特徴とする上記〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載の金属酸化物の成膜方法。
〔12〕基板がガラスであることを特徴とする上記〔1〕〜〔11〕のいずれか1項に記載の金属酸化物の成膜方法。
本発明の気相成長法による金属酸化物の成膜方法は、有機溶剤を使用しないので作業環境改善のための除害設備が軽減され、有機溶媒を使用しないので金属酸化膜に溶媒の分解物が混入せず、また縣濁溶液の供給が任意の流量でコントロールできる(固体原料をそのまま加熱し昇華させる場合には原料の安定供給が難しい)、しかも原料化合物の水中での安定性に優れるので原料化合物を効率よく成膜に使用できるなどの効果がある。
本発明は、一般式(1):MXn(m-n)(式中、Mは原子価3〜価の金属、Xはβ−ジケトネート配位子、Yはアルコキシ基を表し、mは3〜5正の整数、nは1〜4の正の整数である。)で表される化合物の水性懸濁液を加熱された基板上に吹き付ける熱分解法で金属酸化物を成膜することを特徴とする。
この一般式(1)の化合物は、水分に対して安定である特徴を有するので、空気中でのCVD(大気CVDという)が可能であり、また、水に分散させての使用が可能である特徴(利点)を有する。特にチタンの場合、水分に対する安定性が高い。従って、製造の制御が容易であり、また生成される金属酸化膜の品質が安定する。
また、式(1)の化合物を有機溶媒に溶解して使用することも可能であるが、水分散の場合に比べて相対的に有機物の量が多いため、加熱した基板上での有機物〔溶媒と式(1)の化合物における配位子(βジケトネート、アルコキシ基)〕の分解が完全ではなく、金属酸化物膜に有機分解物や炭素残渣が残る可能性がある。本願では水に懸濁しているので用いる有機物が皆無であるか少ないため、炭素などの残留が少なくできる効果がある。
一般式(1)で示される金属錯体化合物において、Mは3〜5価の金属であるが、好ましくは4価の金属、さらに好ましくはTiである。3価の金属の例には鉄、コバルト、クロム、4価の金属の例にはチタン、ジルコニウム、ハフニウム、5価の金属の例にはバナジウムがある。
Xのβ−ジケトネート配位子の元になるβ−ジケトネートは、1分子に2個のケトン基をもつ化合物であり、ケトン基のβ位にもう一つのケトン基を有する化合物である。好ましくは下記式(2)で示される化合物である。
Figure 2004300575
(式中、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基である。)
これに対してX=β−ジケトネート配位子自体は、β−ジケトネートが金属Mに対して配位して形成される基であり、β−ジケトネートがケトン基がα水素を放出した陰イオンの形である。例えば、下記の如く表すことができる。
Figure 2004300575
しかし、一般的に、β−ジケトネート配位子は一般式(1)の如き配位化合物において単にβ−ジケトネートの名称表記をそのまま用いて表記されていることも多いので、本発明でも同様に表記する場合がある。
式(2)のβ−ジケトネート配位子中のRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基を示す。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、iso−プロピル基があるが、好ましくはRはHまたはメチル基である。
β−ジケトネートの具体例としては、2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオン(略号DPM)、2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオン(略号DMHD)、2,4−ペンタンジオン(略号acac)を挙げることができる。配位する前の各β−ジケトネートは下記構造式で表わされる。
Figure 2004300575
上記の如く、金属に配位した状態での略号DPM, DMHD, acacはケトン基のα水素を放出した陰イオンの状態を表す。DPMがケトン基のα水素を放出した陰イオンは下記に示される。
Figure 2004300575
式(1)の化合物のアルコキシ基Yとしては、好ましくは炭素原子数1〜5個のアルコキシ基であり、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ノルマルプロポキシ基またはノルマルブトキシ基を用いることができるが、更に好ましいアルコキシ基は入手容易なイソプロポキシ基である。
式(1)においてmは金属Mの原子価に対応する3〜5の整数である。nは1以上m以下の整数であるが、mの値に関係なく一般的に2が好ましい。
式(1)で表される化合物を製造するには、適当な有機溶媒中でMYmで表される金属アルコキシドとβ−ジケトネートXとを昇温下で攪拌して反応させることで製造することができる。原料の金属アルコキシドとβ−ジケトネートは多くが市販されており入手可能であるし、合成法も知られている。
式(1)で表される化合物のうち、本発明において特に有用であるTi(DPM)2(O−i−C372で表される化合物〔チタン・ジイソプロポキシド・ジ(2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオン配位子)〕は下記構造式で表される。
Figure 2004300575
この化合物を製造する原料である2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオンは市販されており、入手可能である。例えば、ヘキサンなどの適当な溶剤中に2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオン及びチタンテトライソプロポキシドを溶解して加熱攪拌すれば析出(生成)することができる。
本発明の気相成長法で用いる懸濁液としては、分散媒として水を用い、好適なものはイオン交換水さらに好適には蒸留水をイオン交換したものである。本発明は水性懸濁液であることを特徴とし、有機溶剤はできるだけ少ない方がよいが、本発明の効果が得られる範囲で有機溶媒を混合使用することは排除されない。
必要に応じて用いる分散剤としては、アルコール類、又は陰イオン性、非イオン性、陽イオン性界面活性剤など如何なる界面活性剤でもよい。例えば、高級脂肪酸アルカリ塩、高級アミンハロゲン酸塩、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、イソプロピルアルコールを挙げることができ、イソプロピルアルコールを好ましい分散剤として用いることができる。
界面活性剤を用いる場合は、水性懸濁液を基準として通常0.001〜2質量%程度を添加する。アルコール類を用いる場合、懸濁分散媒中、一般的に50質量%以下の量で用いることができるが、有機物の量は少ないことが好ましいので、10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下で用いる。
水性懸濁液中の式(1)の化合物の濃度は、好適範囲が1〜30質量%、より好ましくは1〜10質量%、さらには2〜5質量%の範囲である。式(1)の化合物の濃度が1質量%未満では成膜速度が遅くなり、30質量%を越えると式(1)の化合物が有効に成膜されず、経済的に不利であるからである。
本発明は式(1)の化合物の水性懸濁液を用いることを特徴とするが、その利点を保持できる範囲で従来から使用されている金属アルコキシドや金属酸化物アセトネートなどを混合使用することを排除するものではない。
式(1)の化合物を分散する方法は、水、又は分散剤を添加した水に、式(1)の物質を添加し攪拌する。化合物(1)は合成したものをそのまま使用できるが、必要に応じて粉砕処理(回転ハンマーミル、ジェットミル、ボールミルなど)を施してから懸濁してもよい。
懸濁液を基板表面に吹きつける方法は、特に限定されないが、スプレー法が好ましく、図1を参照すると、ガラスなどの基板1の表面に対して、上方のノズル2から懸濁液3を噴霧4すると、基板1が例えば600℃に加熱されているので、懸濁液3、例えば、Ti(DPM)2(O-i-C3H7)2の噴霧が基板表面に近づくと水が蒸発し、式(1)の化合物も分解されてDPM及びO-i-C3H7は蒸発し、基板1の表面に金属酸化物の皮膜5が形成される。
基板としては、式(1)の化合物が分解する温度に耐久する材料であれば特に限定されず、例えば、ガラス、金属、セラミックス、その他であることができ、形状も特に限定されないが、一般的には板状である。特にガラス板の表面に酸化チタン膜を形成したものは、建築用途のガラス窓材料などとして有用である。
基板の温度は、式(1)の化合物の分解温度と基板の耐熱温度から好適範囲が規定されるが、ガラスの場合には250〜700℃、特に300〜600℃の範囲内が好ましい。
雰囲気としては、大気中でよく、大気を基板又はそれ以下の温度に加熱しても良い。
試薬類:
Ti(O−i−C374:純正化学社製の特級試薬
DPM:同仁社製の試薬
DMHD:東京化成社製の試薬
TiO(acac)2:ストレムケミカル社試薬
熱天秤:セイコーインスツルメンツ社製TG/DTA6200
蒸発率(定義):窒素キャリアー200ml/min、昇温速度毎分10℃で、500℃まで昇温した際 の仕込んだ試料量に対する重量減少比率
蒸発率測定値の意義:気化する原料がCVD原料として使用可能であるかを、TGによる蒸発 率でこれを判断する。
<比較例>
TiO(acac)2の蒸発率を熱天秤(上記測定条件)により測定すると59.6%であった。
また、TiO(acac)2 5gを純水(蒸留後のイオン交換水)95gに懸濁し、60分間撹拌したときの蒸発率は41.0%であった。
TiO(acac)2 100gを900gの5%イソプロピルアルコール水溶液に懸濁させ、常圧大気中で600℃に加熱した石英基板にスプレーノズルで吹き付けた。
酸化チタン膜の成膜速度は1秒間に1nm厚さであった。
<実施例1>
ヘキサン600gにTi(O-i-C3H7)4 100gを溶解してDPM 132gを添加し70℃で1時間撹拌する。エバポレーターで濃縮後冷却して析出した結晶を分離、乾燥してTi(DPM)2(O-i-C3H7)2 150gを得た。熱天秤(上記測定条件)により蒸発率を測定すると99.7%であった。
このTi(DPM)2(O-i-C3H7)2 5gを95gの純水(蒸留後、イオン交換したもの)に懸濁させ60分撹拌後固液分離し、Ti(DPM)2(O-i-C3H7)2を真空乾燥後、熱天秤(上記測定条件)により蒸発率を測定すると99.3%であり、蒸発率に変化がないことからTi(DPM)2(O-i-C3H7)2は水分に対して安定であることがわかる。
また、Ti(DPM)2(O-i-C3H7)2 5gを95gの40質量%イソプロピルアルコール水溶液に懸濁させ60分撹拌後固液分離し、Ti(DPM)2(O-i-C3H7)2を乾燥後、熱天秤(上記測定条件)により蒸発率を測定すると99.3%であり、水と分散剤としてのイソプロピルアルコールが存在しても安定であった。
<実施例2>
実施例1で製造した粉末状Ti(DPM)2(O-i-C3H7)2 100gを900gの純水に懸濁させ、常圧大気中で600℃の石英基板にスプレーノズルで吹き付けた。
酸化チタン膜の成膜速度は1秒間に10nmの厚さであった。比較例の10倍の成膜速度である。
<実施例3>
実施例1で製造した粉末状Ti(DPM)2(O-i-C3H7)2 100gを900gの5%イソプロピルアルコール水溶液に懸濁させ、常圧大気中で600℃の石英基板にスプレーノズルで吹き付けた。
酸化チタン膜の成膜速度は1秒間に10nm厚さであった。
<実施例4>
ヘキサン250gにTi(O-i-C3H7)4 28gを溶解してDMHD33gを添加し70℃で1時間撹拌する。エバポレーターで濃縮後冷却して析出した結晶を分離、乾燥してTi(DMHD)2(O-i-C3H7)2 44gを得た。
フーリエ変換赤外分光光度計(日本分光 FT/IR-7300)を用いたフーリエ変換赤外分光光度計(KBr法)のチャートを図2に示す。
また、1H−NMR分析結果では、δ=5.452(s,2H,DMHD−CH),δ=2.450(m,2H,DMHD−CH),δ=2.335(m,2H,DMHD−CH),δ=1.222(d,12H,DMHD−CH3),δ=1.186(d,6H,DMHD−CH3),δ=1.139(d,6H,DMHD−CH3),δ=0.985(d,12H,O-i-C3H7-CH3),δ=4.675(m,2H,O-i-C3H7-CH)であった。
これらのデータからTi(DMHD)2(O-i-C3H7)2が生成していることが確認される。
得られたTi(DMHD)2(O-i-C3H7)2を熱天秤(上記測定条件)により蒸発率を測定すると97.5%であった(図3)。
<実施例5>
実施例4で製造された粉末状Ti(DMHD)2(O-i-C3H7)2 100gを900gの5%イソプロピルアルコール水溶液に懸濁させ、常圧大気中で600℃の石英基板にスプレーノズルで吹き付けた。
酸化チタン膜の成膜速度は1秒間に10nm厚さであった。比較例と比べて10倍の成膜速度である。
本発明の金属酸化物の成膜方法を示す。 実施例4で作成したTi(DMHD)2(O-i-C3H7)2のフーリエ変換赤外分光光度計のチャートを示す。 実施例4で作製したTi(DMHD)2(O-i-C3H7)2の熱天秤による蒸発率測定データを示す。
符号の説明
1…基板
2…ノズル
3…懸濁液
4…噴霧
5…金属酸化物皮膜

Claims (12)

  1. 化学気相成長法によって基板上に金属酸化物膜を形成する方法であって、一般式(1):MXn(m-n)(式中、Mは原子価3〜5価の金属、Xはβ−ジケトネート配位子、Yはアルコキシ基を表し、mは3〜5の正の整数、nは1〜4の正の整数である。)で示される金属錯体化合物の水性懸濁液を加熱された基板に吹き付けることを特徴とする金属酸化物の成膜方法。
  2. 一般式(1)においてMがTi(チタン)であり、mが4であり、nは1〜3である金属錯体化合物を用いる請求項1に記載の金属酸化物の成膜方法。
  3. β−ジケトネート配位子が一般式(2)で示される化合物に基づく配位子である請求項1又は2に記載の金属酸化物の成膜方法。
    Figure 2004300575
    (式中、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基を示す。)
  4. β−ジケトネート配位子が、2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオン(略号DPM)、2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオン(略号DMHD)、又は2,4−ペンタンジオン(略号acac)に基づく配位子であり、Yがメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ノルマルプロポキシ基またはノルマルブトキシ基である請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属酸化物の成膜方法。
  5. 一般式(1)の化合物がTi(acac)2(O−i−C372、Ti(DPM)2(O−i−C372、又はTi(DMHD)2(O−i−C372で表される化合物である請求項1に記載の製膜方法。
  6. 水性懸濁液中の金属錯体化合物の濃度が1〜30質量%の範囲内である請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属酸化物の成膜方法。
  7. 水性懸濁液が分散剤を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の金属酸化物の成膜方法。
  8. 分散剤としてアルコールを含む請求項7に記載の金属酸化物の成膜方法。
  9. 加熱された基板の温度を250〜700℃とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の基板金属酸化物の成膜方法。
  10. 基板への吹き付けを大気中で行うことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の金属酸化物の成膜方法。
  11. 基板への吹き付けがスプレー法であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の金属酸化物の成膜方法。
  12. 基板がガラスであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の金属酸化物の成膜方法。
JP2004073176A 2003-03-14 2004-03-15 金属酸化物の成膜方法 Abandoned JP2004300575A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004073176A JP2004300575A (ja) 2003-03-14 2004-03-15 金属酸化物の成膜方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003070697 2003-03-14
JP2004073176A JP2004300575A (ja) 2003-03-14 2004-03-15 金属酸化物の成膜方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004300575A true JP2004300575A (ja) 2004-10-28

Family

ID=33421701

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004073176A Abandoned JP2004300575A (ja) 2003-03-14 2004-03-15 金属酸化物の成膜方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004300575A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018076567A (ja) * 2016-11-10 2018-05-17 株式会社Flosfia 積層体の製造方法および積層体
CN113493476A (zh) * 2021-09-07 2021-10-12 苏州源展材料科技有限公司 一种ald前驱体钛配合物的制备方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018076567A (ja) * 2016-11-10 2018-05-17 株式会社Flosfia 積層体の製造方法および積層体
CN113493476A (zh) * 2021-09-07 2021-10-12 苏州源展材料科技有限公司 一种ald前驱体钛配合物的制备方法
CN113493476B (zh) * 2021-09-07 2021-11-30 苏州源展材料科技有限公司 一种ald前驱体钛配合物的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Fu et al. Preparation of alumina films from a new sol–gel route
US20130122647A1 (en) Process for producing indium oxide-containing layers, indium oxide-containing layers produced by the process and use thereof
JP5933540B2 (ja) 酸化インジウム含有層を製造するためのインジウムオキソアルコキシド
US8580989B2 (en) Process for the preparation of indium chlordialkoxides
US8859332B2 (en) Process for producing indium oxide-containing layers
Mathur et al. Chemical vapor deposition of MgAl2O4 thin films using different Mg− Al Alkoxides: role of precursor chemistry
US6416814B1 (en) Volatile organometallic complexes of lowered reactivity suitable for use in chemical vapor deposition of metal oxide films
US20010007034A1 (en) Tetrahydrofuran-adducted Group II beta-diketonate complexes as source reagents for chemical vapor deposition
US6387446B1 (en) Method for depositing titanium oxide layers using soluble powders
CA2153019A1 (en) Single source volatile precursor for sio2 tio2 powders and films
JPH0688238A (ja) 酸化物薄膜の蒸着方法
Lee et al. Atomic layer deposition of TiO 2 thin films from Ti (O i Pr) 2 (dmae) 2 and H 2 O
Ohya et al. Aqueous titanate sols from Ti alkoxide-α-hydroxycarboxylic acid system and preparation of titania films from the sols
Manzi et al. Aerosol‐Assisted Chemical‐Vapour Deposition of Zinc Oxide from Single‐Source β‐Iminoesterate Precursors
JPH03115106A (ja) 複合酸化物の製造法
JP2004300575A (ja) 金属酸化物の成膜方法
Daniele et al. Molecular structures of volatile Ce (IV) tetrafluoroisopropoxide complexes with TMEDA and diglyme. CVD experiments
JP4022662B2 (ja) ジルコニウムアルコキシトリス(β−ジケトネート)とその製造方法およびPZT膜形成用液体組成物
Bhakta et al. Mononuclear Mixed β‐Ketoester‐alkoxide Compound of Titanium as a Promising Precursor for Low‐Temperature MOCVD of TiO2 Thin Films
Black et al. Investigation of New 2, 5‐Dimethylpyrrolyl Titanium Alkylamide and Alkoxide Complexes as Precursors for the Liquid Injection MOCVD of TiO2
Kim et al. Preparation of silver thin films using liquid-phase precursors by metal organic chemical vapor deposition and their conversion to silver selenide films by selenium vapor deposition
EP3411333A1 (en) Process for producing a metal oxide powder
US4701314A (en) Method of producing microsized amorphous particles of metal phosphate
Kessler Sol–gel precursors
Plappert et al. Deposition of amorphous titanium oxide films using alkoxy (pyrazolylborate) titanium (IV) compounds

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061106

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090212

A762 Written abandonment of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762

Effective date: 20090414