JP2004300415A - 塗料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 1000℃以上の高温環境における放熱性が優れた塗布膜を実現可能な塗料及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 乾燥後灰化した状態を蛍光X線分析した結果、0.1〜10%のナトリウムと、0.01〜1%のマグネシウムと、0.1〜15%のアルミニウムと、1〜30%のカリウムと、10〜30%の珪素と、0.1〜1%の鉄とを含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、塗料に係り、特に塗布膜が高温状態で耐えうる性質を有する塗料及びその製造方法に関する。
ジェットエンジン排気筒、ロケット発射筒、廃棄物焼却炉、及び廃棄物溶融炉等の400℃以上の高温に曝される部材には、無機材料を用いた耐熱性材料が使用されている。例えば、大気圏際突入の際に、表面温度が1200℃まで上昇するスペースシャトルは、「耐熱タイル」と呼ばれるガラス繊維や炭素繊維を含んだ耐熱性材料が、機体表面の全面に張られている。
無機材料を用いた耐熱性材料は、建築部材においても広く採用されている。例えば、タイル、アスベスト、石綿等を建造物の内装及び外装に利用する技術が知られている。炭酸ナトリウム等の無機塩類を用いた塗料を不燃綿板等の表面に塗布し、耐火建材として利用する方法も知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平10−306521号公報
400℃以上の高温条件に曝される装置の内部は、硫化ガス、塩素ガス等の腐食性ガスが発生するので、装置に使用される金属材料等の腐食、劣化が激しい。このため、無機系耐熱材料等で表面をコーティングすることにより、装置の損傷を防止している。例えば、上述したスペースシャトルの機体表面に用いられる耐熱タイルは、30cm四方の小型の無機材料がつなぎ合わされている。しかし、一定形状の材料をつなぎ合わせる耐熱タイルでは、タイル間に隙間が生じやすい。タイル間に隙間が生じると、熱が機体内部に入り込みやすくなるため耐熱性を保持できず、機体が損傷する危険性がある。
従来から建築部材として使用されているタイル、アスベスト、石綿等の無機材料は、高温に曝されると有毒ガスを発生する。建造物の構造体として広く使用されているコンクリート、鉄筋、及び鉄骨自体も、火災時に高温に曝されることで急速に強度が低下する現象がある。特に鉄筋は、700℃を超えると急激に軟化し、自己の重みに耐えられずに崩壊する危険性がある。例えば、2001年9月に発生した貿易センタービルは、航空機の激突により一気に500℃〜1200℃の熱が発生した。このため、ビル内外に配置された鉄骨が急激に軟化し、ビル全体が崩壊したと考えられている。
そこで、高温条件下で用いられる装置及び建造物の表面に無機系耐熱性塗料を塗布し、耐食性、耐熱性を向上する方法が試みられている。例えば、上述したような炭酸ナトリウム等の無機塩類を用いた耐熱材料を建造物の表面に塗布すれば、耐熱性に優れ、且つ有毒ガスを発生しにくい建造物を得ることができる。しかし、現在一般的に使用されている耐熱性塗料を用いた塗布膜は、840℃以上の高温条件に耐えることは困難である。更に、現在のところ、1000℃以上の高温環境における塗布膜の放熱特性は知られていない。
本発明は、従来知られていない1000℃以上の高温環境における放熱性が優れた塗布膜を実現可能な塗料及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の特徴は、乾燥後灰化した状態を蛍光X線分析した結果、0.1〜10%のナトリウムと、0.01〜1%のマグネシウムと、0.1〜15%のアルミニウムと、1〜30%のカリウムと、10〜30%の珪素と、0.1〜1%の鉄とを含む塗料であることを要旨とする。
また、本発明の第2の特徴は、非金属用塗料と酸化アルミニウム粉体とを混合槽に入れ撹拌するステップと、混合槽に水、苛性ソーダ、高蛋白性粉末、ポリ酢酸ビニル及びグリセリンを含む粘着剤を入れ撹拌するステップと、混合槽にセラミック粉末を入れ撹拌するステップと、混合槽中の粉体を粉砕するステップとを含む塗料の製造方法であることを要旨とする。
本発明によれば、1000℃以上の高温環境における放熱性が優れた塗布膜を実現可能な塗料及びその製造方法を提供することができる。
次に、図面を参照して、本発明の第1〜第4の実施の形態を説明する。以下の図面の記載は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。以下に示す第1〜第4の実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものではない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る金属用塗料は、二酸化珪素(SiO2)、コランダム(α−Al23)、ルチル(TiO2)を多量成分として含む。また、エイスイ石(TiO2)、白雲母(KAl2Si3AlO10(OH)2)、アルバイト(NaAlSi38)、及びカオリナイト(Al2Si35(OH)4)を少量成分として含む。図1及び図2は、第1の実施の形態に係る金属用塗料を濾過乾燥させ、(株)CMT製試料粉砕機TI−100型で5分間粉砕したものを理学電機(株)製のX線解析装置RAD−rRで測定して含有成分を同定した結果の一例を示す。また、図2においては、非晶質散乱が確認できることから、非晶質物質を多量に含んでいるのが分かる。
また、第1の実施の形態に係る金属用塗料は、105℃にて5時間乾燥し、更に700℃で2時間強熱し灰化した状態で蛍光X線分析した結果、0.1〜5.0%のナトリウム(Na)と、0.01〜0.10%のマグネシウム(Mg)と、1.0〜10%のアルミニウム(Al)と、10〜30%の珪素(Si)と、0.01〜5.0%のリン(P)と、0.01〜1.0%の塩素(Cl)と、0.1〜10%のカリウム(K)と、0.1〜10%のカルシウム(Ca)と、0.1〜10%のチタン(Ti)と、0.1〜10%の亜鉛(Zn)と、0.1〜5.0%のモリブデン(Mo)を含む。金属用塗料は、0.01〜2.0%の鉄(Fe)、0.001〜0.05%のストロンチウム(Sr)、0.001〜0.05%のジルコニウム(Zr)、0.001〜0.05%のニオブ(Nb)を更に含んでいる。ここで、Naは0.5〜2.0%が良い。更に好ましくは、Naは0.7〜1.5%が良い。Mgは、0.01〜0.08%が好ましい。更に好ましくは、Mgは、0.015〜0.040%が良い。Alは、1.0〜8.0%が好ましい。更に好ましくはAlは、2.5〜6.5%が好ましい。Siは、12〜25%が好ましい。更に好ましくは、Siは15〜20%が良い。Pは、0.01〜0.50%が好ましい。更に好ましくは、Pは0.08〜0.25%が良い。Clは、0.02〜0.5%が好ましい。更に好ましくは、Clは0.04〜0.15%が良い。Kは、0.5〜8.0%が好ましい。更に好ましくは、Kは1.0〜5.0%が良い。Caは、0.5〜10%が好ましい。更に好ましくは、Caは2.0〜7.0%が良い。Tiは、0.5〜10%が好ましい。更に好ましくは、Tiは2.0〜8.0%が良い。Feは、0.02〜1.00%が好ましい。更に好ましくは、Feは0.05〜0.30%が良い。Znは、0.5〜8.0%が好ましい。更に好ましくは、Znは2.0〜5.0%が良い。Srは、0.001〜0.030%が好ましい。更に好ましくは、Srは0.005〜0.020%が良い。Zrは、0.001〜0.040%が好ましい。更に好ましくは、Zrは0.005〜0.020%が良い。Nbは、0.005〜0.030%が好ましい。更に好ましくは、Nbは0.01〜0.02%が良い。Moは、0.3〜3.0%が好ましい。更に好ましくは、Moは0.5〜1.5%が良い。なお、これらの数値は、ファンダメンタルパラメータ(FP)法を用いて、原子番号6(炭素)以上の元素を定性分析して得られる。「FP法」とは、質量吸収係数、X線源のスペクトル分布等の物理定数を用いて、蛍光X線強度の理論式から理論X線強度を求め、測定X線強度との対比及び収束を行って含有率を算出する方法である。図3には、第1の実施の形態に係る金属用塗料の代表的な数値を例示した。図3においては、水素含有率を0%として計算し、炭素及び酸素の分析値は未表示とした。図3に例示された数値から、第1の実施の形態に係る非金属用塗料は、Siに対し、4.0〜8.0%のNaと、0.1〜0.5%のMgと、0.3〜0.6%のClと、0.1〜0.5%のKとを含むのが好ましい。更に好ましくは、第1の実施の形態に係る非金属用塗料は、珪素に対し、4.5〜6.0%のNaと、0.1〜0.3%のMgと、0.4〜0.6%のClと、0.1〜0.3%のKとを含むのが良い。
なお、比較例として、耐熱性塗料の分析結果を図3に示す。第1の実施の形態に係る金属用塗料に含有されるNa、Mgは、耐熱塗料には全く含まれていない。また、第1の実施の形態に係る金属用塗料の例には0.2%の微量のFeが含有されるのに比べ、耐熱塗料には、7.3%の多量のFeが含まれている。更に、耐熱塗料には、Zrが4.0%含まれているが、第1の実施の形態に係る金属用塗料には0.001〜0.010%の微量のZrが含まれている。また、耐熱塗料には銅(Cu)、砒素(As)が含まれているが、第1の実施の形態に係る金属用塗料には全く含まれていない。
更に、図4に第1の実施の形態に係る金属用塗料の元素定量分析結果の一例を示す。図4は、エスアイアイアイ・ナノテクノロジー製シーケンシャル型ICP発光分析装置SPS4000、日立製偏光ゼーマン型原子吸光光度計180−80、及び理学電機工業製自動蛍光X線分析装置RIX3000で測定して含有成分の定量分析を行った結果を示している。図4に示す数値のうち、Siは、金属塗料を混合した後、塗料を白金るつぼに秤取し、硫酸を添加して加熱炭化したのち加熱灰化する。その後、灰化物を炭酸ナトリウムで溶解し、純粋で加熱溶解して硝酸と塩酸で酸性としたのち、定容とする。更に得られた溶液を希硝酸で希釈したものを、ICP発光分光分析法で測定したものである。K及びNaについては、金属塗料を混合した後ビーカーに秤取し、硝酸、硫酸及びフッ酸で加熱分解し、希硝酸で溶解して定容とする。得られた溶液は沈殿が生じるため更に硝酸、硫酸、及びフッ酸で加熱分解し、希硝酸で溶解する。この溶液を希硝酸で希釈した後、原子吸光分析法で測定したものである。Mg,Al,P,Ca,Ti,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Se,Zr,Nbについては、金属塗料を混合した後ビーカーに秤取し、硝酸、硫酸、及びフッ酸で加熱分解し、希硝酸で溶解して定容とする。その後得られた溶液を硝酸、硫酸及びフッ酸で加熱分解し、希硝酸で溶解し、硫酸カリウムで希釈した後、更に希硝酸で希釈し、ICP発光分光分析法で測定したものである。Cl,Sについては、金属塗料を混合した後アルミ板状の30mmφ面内に採取し、分散させて赤外線ランプで乾燥する。その後、得られた測定物を測定用試料セルに固定して蛍光X線分析法によりヘリウム(He)雰囲気で定量したものである。
第1の実施の形態に係る金属用塗料は、これらの分析装置を用いて元素定量分析した結果、0.80〜1.0%のNaと、0.01〜0.03%のMgと、5.0〜8.0%のAlと、5.0〜9.0%のSiと、0.0030〜0.0060%のPと、0.020〜0.050%のClと、0.90〜1.50%のKと、0.002〜0.003%のCaと、1.50〜2.00%のTiと、0.0006〜0.002%のZrを含む。金属塗料は更に、0.007〜0.012%のS、0.15〜0.20%のCr、0.080〜0.15%のMn、0.20〜0.30%のFe、0.070〜0.090%のCo、0.070〜0.10%のNi、0.00070〜0.002%のSr、0.0001〜0.0005%のNbを含んでいる。ここで、図4に例示された数値から、Naは、0.85〜0.90%が好ましい。Mgは、0.0020〜0.025%が好ましい。Alは、6.0〜7.0%が好ましい。Siは、7.5〜7.7%が好ましい。Pは、0.0045〜0.0050%が好ましい。Sは、0.0075〜0.010%が好ましい。Clは、0.030〜0.038%が好ましい。Kは、1.20〜1.30%が好ましい。Caは、0.0021〜0.0028%が好ましい。Tiは、1.75〜1.85%が好ましい。Crは、0.16〜0.19%が好ましい。Mnは、0.090〜0.12%が好ましい。Feは、0.21%〜0.28%が好ましい。Coは、0.075〜0.085%が好ましい。Niは、0.080〜0.090が好ましい。Srは、Srは、0.0009〜0.0015%が好ましい。Zrは、0.0008〜0.0015%が好ましい。Nbは0.0001〜0.0003%が好ましい。
<塗料の粒度分布>
第1の実施の形態に係る金属用塗料は、図5に例示するように、粒径0.15〜200μmの粉体を含む。図5に示す粒度分布では、粒径7μmに主ピークを持ち、粒径30μm近傍に、ショルダー的な副ピークを有する。なお、図5に示す例は、第1の実施の形態に係る金属用塗料を作成する際に、直径0.5mmの酸化ジルコニウム(ZrO2)をビーズとして用いたビーズミルで、18分間1976rpmで破砕処理し、42.1℃、粘度3800cpsの第1の実施の形態に係る塗料を測定した結果を例示したものである。
<塗料を塗布して形成した塗布膜(被膜)の表面モホロジー>
図6及び図7は、第1の実施の形態に係る金属用塗料を鉄板上に塗布し、乾燥後の塗布膜(被膜)の表面を日本電子製JSM−840型走査電子顕微鏡で観察した結果を示す。図6及び図7から、不均一に散らばった長さ1〜7μmの線状の鉱物、直径1〜5μm程度の薄片状の鉱物、及び直径10〜15μmの塊状の鉱物を有することが分かる。塊状の鉱物は、図6に示すように、積層構造を有している。また、図7に示すように、第1の実施の形態に係る塗料を用いた塗布膜表面に900℃の熱放射を加えた場合は、線状の鉱物、薄片状の鉱物及び塊状の鉱物は存在せず、直径1〜5μm程度の塊状の不定形の鉱物が点在している。また、薄膜状の鉱物が、表面のほぼ全体を覆っている。
<塗布膜の特性>
第1の実施の形態に係る金属用塗料をアルミ板に塗布し、表面温度を50℃及び300℃とした場合の分光放射率の波長依存性のデータの一例を図8〜図11に示す。測定方法は、第1の実施の形態に係る金属用塗料をアルミ板に塗布したものを日本電子製フーリエ変換赤外分光光度計JIR5500型、赤外放射ユニットIR−IRR200を用いた。図8及び図10においては、標準黒体炉を80℃及び160℃に制御し、2点温度標準検量法を用いて測定した。図9及び図11においては、標準黒体炉を300℃に制御し、1点温度標準検量法を用いて測定した。検出器は、測定波長範囲4.5〜20μmのMCT及びTGSを使用し、分解能は16cm-1、積算回数は500回である。図8及び図9に示すように、波長4.5〜12μmの範囲で分光放射率の激しい変動が見られる。また、波長4.5〜8μmの範囲においては、300℃での分光放射率が50℃での測定時に比べて低い。更に、波長12〜20μmにおいては、分光放射率が85%程度得られており、第1の実施の形態に係る金属塗料から熱線(遠赤外線)が放射されているのが確認できる。更に、図10及び図11においては、第1の実施の形態に係る金属塗料の波長に対する分光放射輝度が、図10及び図11の滑らかな曲線に示す黒体の分光放射輝度の挙動に近くなっている。したがって、50℃及び300℃のいずれの場合においても、第1の実施の形態に係る金属用塗料から遠赤外線が放射されているのが理解できる。
また、図12に示す温度測定装置10を用いた場合において、第1の実施の形態に係る金属用塗料を用いた塗布膜の温度変化を図13に示す。まず、150mm×450mmの四角形のヒーター2の上に厚さ2mm、100mm×100mmの鉄板9を配置する。ヒーター2は、温度コントローラ7及び温度コントローラ7に接続された電源8に接続する。温度コントローラ7としてはスライダックス及びサイリスターを使用し温度調節を行う。鉄板9の表面の一部には塗料塗布面3を設け、測定対象となる塗料を塗布する。塗料は、鉄板9の上に膜厚100μmとなるように塗布する。鉄板9の表面の残りの一部は、鉄板9表面温度を測定するために、鉄板面4とする。塗料塗布面3及び鉄板面4の上に直径0.2mmの熱電対5を配置し、熱電対5をアルミテープ6で固定する。熱電対5は、C060−KまたはC060−T型熱電対を使用する。熱電対5の端部は、図示を省略した温度記録計に接続する。この結果、図13に示すように、第1の実施の形態に係る金属塗料を塗布面10に塗布した場合の方が、鉄板面9の表面温度に比べて30℃程度低い温度を示し、熱放射特性に優れていることが分かる。
図8〜図13から明らかなように、本発明の第1の実施の形態に係る金属用塗料を用いた塗布膜によれば、与えられた熱を熱線(遠赤外線)として放射する機能を有するので、熱の放散が有効に行われる。このため、第1の実施の形態に係る金属用塗料を用いた塗布膜は、300℃〜3000℃においても有効に放熱特性を有し被塗装物としての金属の表面から有効に熱エネルギーを移動するので、高温に曝される部材の過度の加熱を防止することができる。例えば、図1に示す金属用塗料を鉄骨材の表面に塗布することにより、500℃〜1200℃の環境下でも、鉄骨の表面を500〜700℃以下の温度になるように冷却し、変形しない鉄骨を提供することができる。また、ジェットエンジンの排気筒や焼却炉の内壁等の高温に曝される金属部分に、本発明の第1の実施の形態に係る金属用塗料を塗布することで、放熱効果を促進し、金属部分の加熱を抑制すると共に、装置の腐食及び劣化を防止することができる。更に、スペースシャトルの外壁に敷き詰められた耐熱タイルの代わりに、第1の実施の形態に係る金属用塗料を塗布することで、放熱効果を促進し、隙間を発生させることなくスペースシャトルを覆う塗布膜が形成できる。更に、第1の実施の形態に係る金属用塗料を用いた塗布膜からは遠赤外線が放射されるので、抗菌性、防カビ性、脱臭性を有する塗布膜を形成することができる。なお、第1の実施の形態に係る金属用塗料は無機材料で構成されているので、耐酸性、耐アルカリ性に優れ、有機溶剤のような揮発性の有毒ガスも発生しない。更に、第1の実施の形態に係る金属用塗料は、300℃〜3000℃の高温の環境下でも金属との密着性が優れているので、塗布膜と被塗装物との剥離、あるいは破損等が生じにくい。
<金属用塗料の製造方法>
次に、本発明の第1の実施の形態に係る金属用塗料の製造方法を説明する。なお、以下に述べる金属用塗料の製造方法は一例であり、この変形例を含めて、これ以外の種々の製造方法により実現可能であることは勿論である。
図14に例示するように、第1の実施の形態に係る金属用塗料は、バインダーから製造された増粘剤を含む非金属用塗料、粘着剤、酸化アルミニウム粉末、及びセラミック粉末から製造される。バインダーについては、第3の実施の形態において説明する。非金属用塗料については、第2の実施の形態で説明する。粘着剤は、水、苛性ソーダ、高蛋白性粉末、ポリ酢酸ビニル及びグリセリンから製造される。
(イ)まず、増粘剤、酸化チタン、カオリン、及び可塑性原料を混合して製造した非金属塗料を用意する。そして、非金属用塗料30〜40kgを混合槽に入れて撹拌する。更に、混合槽の中に酸化アルミニウム粉体7〜15kgを入れ、15〜30分間撹拌する。
(ロ)次に、水、苛性ソーダ、高蛋白性粉末、ポリ酢酸ビニル、及びグリセリンを混合して製造された粘着剤を10〜15kg用意する。ここで、粘着剤に含有した「高蛋白性粉末」とは、例えば図15に示すように、100g中に蛋白質約11.7g、脂質1.8g、糖質71.4g、繊維質0.2g、灰分0.4gを含む粉末が好適である。この高蛋白性粉末としては、カルシウム、リン、鉄、ナトリウム、カリウム等の無機材料を微量に含んだ穀類が使用可能である。製造した粘着剤は混合槽の中に入れ、更に15〜20分間撹拌する。
(ハ)次に、混合槽にセラミック粉末10〜20kgを投入し、10〜20分間撹拌する。セラミック粉末としては、珪砂、アルミナ、酸化チタン等が使用可能である。撹拌終了後、液中に含まれる粉体を、例えば図5に示すような粒径0.15〜200μmの微粒子に破砕する。以上の工程により、第1の実施の形態に係る金属用塗料が作成される。
本発明の第1の実施の形態に係る金属用塗料の製造方法によれば、耐火レンガ精製時のような高温高圧条件を全く必要としないので、熟練の技術を必要とせず、第1の実施の形態に係る金属用塗料を室温で簡単に製造することができる。また、第1の実施の形態に係る金属用塗料はいずれも廉価であり、調達が容易であるので、製造コストを低く抑えることができる。第1の実施の形態に係る金属用塗料は無機材料で構成され、水溶性である。塗布時には、水道水で簡単に希釈することができ、被塗布物上に波乗れを生じさせることなく一様に塗布できる。更に、第1の実施の形態に係る金属製塗料を塗布する際にはゴム手袋の着用だけで良く、有機系塗料を塗布する際のような異臭対策用、あるいは劇薬対策用の防護服を身につけなくてよい。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る非金属用塗料は、105℃にて5時間乾燥し、更に700℃で2時間強熱し灰化した状態で蛍光X線分析した結果、0.1〜10%のNaと、0.01〜1%のMgと、1〜20%のAlと、10〜30%のSiと、0.01〜0.5%のPと、0.01〜1%の硫黄(S)と、0.01〜1%のClと、0.1〜10%のKと、0.01〜0.1%のCaと、0.1〜10%のTiと、0.01〜2%のクロム(Cr)と、0.01〜2%のマンガン(Mn)と、0.01〜2%のFeと、0.01〜2%のコバルト(Co)と、0.01〜2%のニッケル(Ni)とを含む。第2の実施の形態に係る非金属用塗料は、0.001〜0.05%のルビジウム(Rb)、0.001〜0.05%のSr、0.001〜0.05%のZr、0.001〜1%のNbを更に含んでいる。ここで、Naは0.5〜2%が好ましい。更に好ましくは、Naは0.7〜1.5%が良い。Mgは、0.01〜0.08%が好ましい。更に好ましくは、Mgは、0.015〜0.04%が良い。Alは、1〜15%が好ましい。更に好ましくはAlは、5〜13%が好ましい。Siは、15〜30%が好ましい。更に好ましくは、Siは18〜22%が良い。Pは、0.01〜0.1%が好ましい。更に好ましくは、Pは0.02〜0.05%が良い。Sは、0.01〜0.5%が好ましい。更に好ましくは、Sは0.05〜0.2%が良い。Clは、0.05〜0.5%が好ましい。更に好ましくは、Clは0.08〜0.2%が良い。Kは、0.5〜8%が好ましい。更に好ましくは、Kは1〜5%が良い。Caは、0.01〜0.08%が好ましい。更に好ましくは、Caは0.03〜0.06%が良い。Tiは、0.5〜8%が好ましい。更に好ましくは、Tiは2〜8%が良い。Crは、0.05〜1.5%が好ましい。更に好ましくは、Crは0.1〜0.8%が良い。Mnは、0.05〜1.5%が好ましい。更に好ましくは、Mnは0.1〜0.8%が良い。Feは、0.05〜1.5%が好ましい。更に好ましくは、Feは0.1〜0.9%が良い。Coは、0.05〜1.5%が好ましい。更に好ましくは、Coは0.1〜0.5%が良い。Niは、0.05〜1.5%が好ましい。更に好ましくは、Niは0.1〜0.5%が良い。Rbは、0.05〜1.5%が好ましい。更に好ましくは、Rbは0.1〜0.5%が良い。Srは、0.001〜0.03%が好ましい。更に好ましくは、Srは0.005〜0.015%が良い。Srは、0.001〜0.03%が好ましい。更に好ましくは、Srは0.005〜0.02%が良い。Zrは、0.001〜0.03%が好ましい。更に好ましくは、Zrは0.005〜0.02%が良い。Nbは、0.005〜0.1%が好ましい。更に好ましくは、Nbは0.01〜0.05%が良い。なお、これらの数値は、ファンダメンタルパラメータ(FP)法を用いて、原子番号6(炭素)以上の元素を定性分析して得られる。図16には第2の実施の形態に係る非金属用塗料の代表的な数値を例示した。図16においては、水素含有率を0%として計算し、炭素及び酸素の分析値は未表示とした。図16に例示された数値から、第2の実施の形態に係る金属用塗料は、Siに対し、4〜8%のNaと、0.1〜0.5%のMgと、0.3〜0.6%のClと、0.1〜0.5%のKとを含むのが好ましい。更に好ましくは、第2の実施の形態に係る金属用塗料は、珪素に対し、4.5〜6%のNaと、0.1〜0.3%のMgと、0.4〜0.6%のClと、0.1〜0.3%のKとを含むのが良い。
なお、比較例としての耐熱塗料の分析結果を図16に示す。第2の実施の形態に係る非金属用塗料にはNa、Mgが含まれているが、耐熱塗料には全く含まれていない。また。第2の実施の形態に係る非金属用塗料には、Kが4%含まれており、0.12%含まれる耐熱塗料に比べて割合が多い。また、耐熱塗料にはZrが4.0%含まれるが、第2の実施の形態に係る非金属用塗料には0.01%程度しか含まれていない。更に、耐熱塗料にはCu、Asが含まれているが、第2の実施の形態に係る非金属用塗料には含まれていない。
更に、図17に第2の実施の形態に係る非金属用塗料の元素定量分析結果の一例を示す。図17は、エスアイアイアイ・ナノテクノロジー製シーケンシャル型ICP発光分析装置SPS4000、日立製偏光ゼーマン型原子吸光光度計180−80、及び理学電機工業製自動蛍光X線分析装置RIX3000で測定して含有成分の定量分析を行った結果を示す。図17に示す数値のうち、Siは、非金属塗料をかき混ぜた後、白金るつぼに秤取し、硫酸を添加して加熱炭化したのち加熱灰化する。その後、灰化物を炭酸ナトリウムで溶解し、純粋で加熱溶解して硝酸と塩酸で酸性としたのち、定容とする。得られた溶液を希硝酸で希釈した後、ICP発光分光分析法で測定したものである。K及びNaについては、非金属塗料をかき混ぜた後ビーカーに秤取し、硝酸、硫酸及びフッ酸で加熱分解し、希硝酸で溶解して定容とする。この溶液を希硝酸で希釈した後、原子吸光分析法で測定したものである。Mg,Al,P,Ca,Ti,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Se,Zr,Nbについては、非金属塗料をかき混ぜた後ビーカーに秤取し、硝酸、硫酸、及びフッ酸で加熱分解し、希硝酸で溶解して定容とする。その後得られた溶液を希釈した後、ICP発光分光分析法で測定したものである。Cl,Sについては、非金属塗料をかき混ぜた後アルミ板状の30mmφ面内に採取し、分散させて赤外線ランプで乾燥する。その後、得られた測定物を測定用試料セルに固定して蛍光X線分析法によりHe雰囲気で定量したものである。
第2の実施の形態に係る非金属用塗料は、これらの分析装置を用いて元素定量分析した結果、1.0〜1.7%のNaと、0.01〜0.05%のMgと、2.0〜2.5%のAlと、12〜14%のSiと、0.0080〜0.0095%のPと、0.020〜0.026%のClと、2.1〜2.5%のKと、0.020〜0.030%のCaと、4.0〜4.5%のTiと、0.00045〜0.0050%のZrを含む。この非金属塗料は更に、0.010〜0.015%のS、0.0007〜0.0010%のCr、0.0015〜0.003%のMn、0.10〜0.20%のFe、0.0001〜0.0003%のCo、0.0001〜0.0003%のNi、0.0040〜0.0050%のSr、0.0001〜0.0004%のNbを更に含んでいる。ここで、図17に例示された数値からNaは、1.45〜1.49%が好ましい。Mgは、0.025〜0.035%が好ましい。Alは、2.1〜2.4%が好ましい。Siは、12.2〜12.8%が好ましい。Pは、0.0085〜0.0092%が好ましい。Sは、0.011〜0.013%が好ましい。Clは、0.021〜0.025%が好ましい。Kは、2.20〜2.25%が好ましい。Caは、0.023〜0.026%が好ましい。Tiは、4.25〜4.35%が好ましい。Crは、0.0008〜0.00095%が好ましい。Mnは、0.0018〜0.0023%が好ましい。Feは、0.125%〜0.135%が好ましい。Srは、0.0045〜0.0048%が好ましい。Zrは、0.0045〜0.0049%が好ましい。Nbは0.0002〜0.0003%が好ましい。
本発明の第2の実施の形態に係る非金属用塗料を用いた塗布膜によれば、与えられた熱を熱線(遠赤外線)として放射する機能を有する。このため、例えば、第2の実施の形態に係る非金属用塗料が塗布された木材、骨材等の建築材料からは、遠赤外線が放射されるので、被塗布物としての建築材料の表面にカビ、白アリ等の害虫が付着しない。また、第2の実施の実施の形態に係る非金属用塗料を用いた塗布膜は、300℃〜3000℃においても有効に放熱特性を有し、被塗装物の表面から有効に熱エネルギーを移動するので、耐熱構造を必要とする装置、建築部材等に応用できる。例えば、コンクリートの表面に第2の実施の形態に係る非金属用塗料を用いた塗布膜を形成することにより、放熱効果を促進し耐熱性に優れたコンクリート部材を提供することができる。また、第2の実施の形態に係る非金属用塗料は、木材、骨材等の非金属性の物質との密着性が良いので、塗布膜と被塗装物との剥離、破損等が生じにくい。
<非金属用塗料の製造方法>
次に、本発明の第2の実施の形態に係る非金属用塗料の製造方法を説明する。なお、以下に述べる非金属用塗料の製造方法は一例であり、この変形例を含めて、これ以外の種々の製造方法により実現可能であることは勿論である。
第2の実施の形態に係る非金属用塗料は、図14に示すように、バインダー及び粘着剤を原材料として含む増粘剤、酸化チタン、カオリン、及び可塑性原料から製造される。ここで、「可塑性原料」とは、炭化した木炭を含む粘土質の粉体を指し、主構成鉱物はカオリナイトである。カオリナイトは、通常直径1μm以下の微粒で、六角板状を有している。可塑性原料には、カオリナイトの他にハロイサイト、石英、モンモリオナイト、及びイライトが更に含まれている。このような可塑性原料は、乾燥時の収縮率、乾燥強度、及び粘性が高い。
まず、混合槽の中に増粘剤を20〜25kg入れ、酸化チタン粉末2〜5kgを入れ、5〜10分間撹拌する。次に、混合槽にカオリン粉末3〜7kgを数回に小分けして投入し、15〜20分間撹拌する。次に、混合槽に可塑性原料2〜5kgを3回程度に小分けして投入し、15〜20分間撹拌する。そして、撹拌後、混合槽中のものを粉砕する。粉砕後の粉体は、図5に示すように粒径0.15〜200μmの微粒子であるのが好ましい。以上の工程により、金属用塗料が製造される。
本発明の第2の実施の形態に係る非金属用塗料の製造方法によれば、耐火レンガ精製時のような高温高圧条件を全く必要としないので、熟練の技術を必要とせず、室温で簡単に製造できる。第2の実施の形態に係る非金属用塗料の原材料はいずれも廉価であり、調達が容易であるので、製造コストを低く抑えることができる。また、製造された金属用塗料は、無機材料で構成されており水溶性である。第2の実施の形態に係る非金属用塗料を塗布する際には、水道水で簡単に希釈することができるので、被塗布物上に波乗れを生じさせることなく一様に塗布できる。第2の実施の形態に係る非金属用塗料を塗布する際にはゴム手袋の着用だけで良く、有機系塗料を塗布する際のような異臭対策用、あるいは劇薬対策用の防護服を身につけなくても良い。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態に係るバインダーは、105℃にて5時間乾燥し、更に700℃で2時間強熱し灰化した状態で蛍光X線分析した結果、0.1〜10%のNaと、0.01〜1%のMgと、0.1〜10%のAlと、10〜35%のSiと、1〜20%のKと、0.01〜5%のCaと、0.01〜5%のTiと0.1〜3%のFeを含む。第3の実施の形態に係るバインダーは、0.001〜1%のP、0.01〜1%のS、0.01〜1%のCl、0.001〜1%のMn、0.001〜1%のZn、0.001〜1%のRb、0.001〜1%のSr、及び0.001〜1%のZrを更に含んでいる。ここで、Naは0.5〜5%が好ましい。更に好ましくは、Naは1〜3%が良い。Mgは、0.01〜0.8%が好ましい。更に好ましくは、Mgは、0.05〜0.2%が良い。Alは、0.5〜8%が好ましい。更に好ましくはAlは、0.8〜4%が好ましい。Siは、15〜33%が好ましい。更に好ましくは、Siは25〜30%が良い。Pは、0.005〜0.05%が好ましい。更に好ましくは、Pは0.006〜0.02%が良い。Sは、0.01〜0.5%が好ましい。更に好ましくは、Sは0.05〜0.15%が良い。Clは、0.05〜0.5%が好ましい。更に好ましくは、Clは0.08〜0.2%が良い。Kは、5〜18%が好ましい。更に好ましくは、Kは8〜15%が良い。Caは、0.01〜1%が好ましい。更に好ましくは、Caは0.05〜0.2%が良い。Tiは、0.01〜1%が好ましい。更に好ましくは、Tiは0.05〜0.2%が良い。Mnは、0.01〜0.5%が好ましい。更に好ましくは、Mnは0.01〜0.08%が良い。Feは、0.05〜1.5%が好ましい。更に好ましくは、Feは0.3〜0.9%が良い。Znは、0.001〜0.03%が好ましい。更に好ましくは、Znは0.005〜0.015%が良い。Rbは、0.001〜0.03%が好ましい。更に好ましくは、Rbは0.005〜0.015%が良い。Srは、0.001〜0.03%が好ましい。更に好ましくは、Srは0.005〜0.015%が良い。Zrは、0.001〜0.03%が好ましい。更に好ましくは、Zrは0.005〜0.02%が良い。なお、これらの数値は、ファンダメンタルパラメータ(FP)法を用いて、原子番号6(炭素)以上の元素を定性分析して得られる。図18には第3の実施の形態に係るバインダーの代表的な数値を例示した。図18においては、水素含有率を0%として計算し、炭素及び酸素の分析値は未表示とした。また、図18に例示された数値から、第3の実施の形態に係るバインダーは、Siに対し、4〜8%のNaと、0.1〜0.5%のMgと、0.3〜0.6%のClと、0.1〜0.5%のKとを含むのが好ましい。更に好ましくは、第3の実施の形態に係るバインダーは、珪素に対し、5〜7.8%のNaと、0.3〜0.45%のMgと、0.4〜0.6%のClと、0.3〜0.45%のKとを含むのが良い。
また、図19に第3の実施の形態に係るバインダーの元素定量分析結果の一例を示す。図19は、エスアイアイアイ・ナノテクノロジー製シーケンシャル型ICP発光分析装置SPS4000、日立製偏光ゼーマン型原子吸光光度計180−80、及び理学電機工業製自動蛍光X線分析装置RIX3000で測定して含有成分の定量分析を行った結果を示す。図19に示す数値のうちSiは、バインダーをかき混ぜた後、白金るつぼに秤取し、硫酸を添加して加熱炭化したのち加熱灰化する。その後、灰化物を炭酸ナトリウムで溶解し、純粋で加熱溶解して硝酸と塩酸で酸性としたのち、定容とする。得られた溶液を希硝酸で希釈した後、ICP発光分光分析法で測定したものである。K及びNaについては、バインダーをかき混ぜた後ビーカーに秤取し、硝酸、硫酸及びフッ酸で加熱分解し、希硝酸で溶解して定容とする。この溶液を希硝酸で希釈した後、原子吸光分析法で測定したものである。Mg,Al,P,Ca,Ti,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Se,Zr,Nbについては、バインダーをかき混ぜた後ビーカーに秤取し、硝酸、硫酸、及びフッ酸で加熱分解し、希硝酸で溶解して定容とする。その後得られた溶液を希釈した後、ICP発光分光分析法で測定したものである。Cl,Sについては、バインダーをかき混ぜた後アルミ板状の30mmφ面内に採取し、分散させて赤外線ランプで乾燥する。その後、得られた測定物を測定用試料セルに固定して蛍光X線分析法によりHe雰囲気で定量したものである。
第3の実施の形態に係るバインダーは、これらの分析装置を用いて元素定量分析した結果、2.5〜3.3%のNaと、0.010〜0.030%のMgと、0.1〜0.3%のAlと、8.0〜15.0%のSiと、0.0005〜0.002%のPと、0.00005〜0.0001%のClと、4.0〜6.0%のKと、0.0020〜0.030%のCaと、0.005〜0.015%のTiと、0.00060〜0.0020%のZrを含む。このバインダーは更に、0.0010〜0.003%のS、0.00007〜0.00010%のCr、0.0005〜0.0020%のMn、0.02〜0.06%のFe、0.0001〜0.0003%のSrを含んでいる。ここで、図19に例示された数値からNaは、2.70〜3.30%が好ましい。Mgは、0.013〜0.020が好ましい。Alは、0.015〜0.22%が好ましい。Siは、8.0〜11.0%が好ましい。Pは、0.0006〜0.0009%が好ましい。Kは、4.0〜5.0%が好ましい。Tiは、0.007〜0.010%が好ましい。Znは、0.0007〜0.015%が好ましい。
本発明の第3の実施の形態に係るバインダーを用いることにより、第1及び第2の実施の形態において示した放熱性塗料が製造できる。また、紙、もみ殻、おがくず、サトウキビの絞りかす、茶殻、ソバ殻、木材チップ、木材くず、竹炭くず、パーライトのいずれか1種または複数と、第3の実施の形態に係るバインダーとを混合することにより、放熱性建材、放熱性骨材、及び放熱性接着剤等が製造できる。製造された放熱性建材、放熱性骨材、及び放熱性接着剤は、300〜3000℃の高温条件下においても有効に放熱特性を有し、被塗装物の表面から有効に熱エネルギーを移動するので、耐熱、耐食対策を必要とする装置に応用できる。
<バインダーの使用例1>
本発明の第3の実施の形態に係るバインダーは、第1及び第2の実施の形態で説明した塗料以外に、このバインダーと古紙等を混合することにより、放熱性古紙ボードが製造される。放熱性古紙ボードは、まず、古紙を約1〜10mm四方の小片に切断する。古紙の形は不定形でも良い。古紙として電話帳、百科事典の紙を使用しても良い。次に、混合槽の中に古紙300〜700g及び第1液0.5〜2kgを入れ、撹拌する。次に、混合槽の中に直径1〜5mmのパーライト300〜700gを入れ、撹拌する。撹拌され、ゲル状態になった物質を30〜100cm四方、深さ1〜15cm程度の型枠に流し込む。そして、型枠に流し込んだゲル状態の物質に圧力を加え、水分を蒸発させる。型枠に流し込んだゲル状態の物質は、1〜10日間自然乾燥した後に80〜200℃の熱で強制乾燥する。
<バインダーの使用例2>
本発明の第3の実施の形態に係るバインダーは、木炭と混合することにより、放熱性木炭ボードが製造される。放熱性木炭ボードは、まず、木炭を0.05〜1cm程度に整粒する。次に、整粒後の木炭1〜1.5kgと第1液2〜3kgを混合槽に入れ、プロペラ式機械攪拌機により撹拌する。木炭の代わりにおがくずを混入させても良い。目視により、放熱性バインダーと木炭とが均一に混合されているのを確認した後に、パーライト100〜300gとカオリン500〜800gを混入する。パーライト及びカオリンは、どちらを先に混入しても良い。そして、プロペラ式機械攪拌機によって更に撹拌する。混合槽中の液体がゲル状態になったら、型枠にゲル状態の物質を流し込む。型枠はどのような形状でも構わない。次に、型枠に流し込んだゲル状態の物質に圧力を加え、水分を蒸発させる。例えば、型枠に流し込んだゲル状態の物質は1〜10日間自然乾燥した後に80〜200℃の熱で強制乾燥することで、水分含有率が0.01〜5%程度になる。
以上の工程により、放熱性古紙ボード及び放熱性木炭ボードが作成可能となる。本発明の第3の実施の形態に係るバインダーを用いた放熱性古紙ボード及び放熱性木炭ボードによれば、与えられた熱を熱線(遠赤外線)として放射する機能を有するので、熱の放散が有効に行われる。第3の実施の形態に係るバインダーを用いた放熱性古紙ボード及び放熱性木炭ボードは、300℃〜3000℃においても有効に放熱特性を有し、ボードの表面から有効に熱エネルギーを移動する。このため、例えば、第3の実施の形態に係るバインダーを用いた放熱性古紙ボード、あるいは放熱性木炭ボードの一面を1200℃程度の高温に曝しても、高温に曝されない他の一面は、直接手で触れることができる。また、第3の実施の形態に係るバインダーを用いた放熱性古紙ボード及び放熱性木炭ボードからは、遠赤外線が放射されるので、カビや白アリ等の害虫の付着を防止することもできる。
<バインダーから製造された放熱ボードの不燃特性>
第3の実施の形態に係るバインダーを用いた放熱性古紙ボード及び放熱性木炭ボードに対し、コーンカロリー計(アトラス社製、CONE2)を用いてコーンカロリー試験を行った結果を図20に示す。コーンカロリー試験は、国際標準化機構(ISO)5660に準じ、放熱性古紙ボード及び放熱性木炭ボードの最大発熱速度[kW/m2]、及び 総発熱量[MJ/m2]を測定した。放熱性古紙ボードは、試験開始後、ボード中に含まれる古紙が時々小さな炎を上げて燃焼し、瞬時に炎が消える「フラッシュ」と呼ばれる現象が見られたが、ボード自体が炎を上げて燃焼することはなかった。また、放熱性古紙ボードの最大発熱速度は9.36kW/m2、20分間の総発熱量は7.51MJ/m2であり、ISO5660の発熱性試験の判定基準から「不燃材」に適合した。また、放熱性木炭ボードの場合は、フラッシュも見られず、ボード自体が炎を上げて燃焼する現象も見られなかった。放熱性木炭ボードの最大発熱速度は13.07kW/m2、20分間の総発熱量は7.65MJ/m2であり、ISO5660の発熱性試験の判定基準から「不燃材」に適合した。
<バインダーの製造方法>
次に、本発明の第3の実施の形態に係るバインダーの製造方法を説明する。なお、以下に述べるバインダーの製造方法は一例であり、この変形例を含めて、これ以外の種々の製造方法により実現可能であることは勿論である。
第3の実施の形態に係るバインダーは、図14に例示するように、珪酸ソーダ、珪酸カリ、二酸化珪素シリカ、アモルファスシリカ、ベントナイト及び可塑性原料から製造される。「可塑性原料」とは、第2の実施の形態に係る非金属用塗料の原材料と同様に炭化した木炭を含む粘土質の粉体を指し、主構成鉱物はカオリナイトである。
まず、混合槽の中に珪酸ソーダの液体10〜30kg及び珪酸カリの液体10〜20kgを入れ、15分間撹拌する。その後、二酸化珪素の液体を1〜10kg加え、更に5〜10分間撹拌する。次に、混合槽に水を30〜50kgを入れ、ベントナイトの粉末100〜500gを溶かす。第2の混合槽中の液体に第1の混合槽中の液体を混合し、5〜10分間撹拌する。その後、アモルファスシリカの粉体を1〜3kg加え、更に15〜30分間撹拌する。そして、アモルファスシリカの粉体を加えた第2の混合槽中の液体に可塑性原料0.2〜5kgを混合し、20〜40分間撹拌する。
以上の工程により、本発明の第3の実施の形態に係るバインダーが製造できる。第3の実施の形態に係るバインダーの製造方法によれば、高温高圧条件を全く必要とせず、室温で製造することができるので、熟練の技術を必要とせず簡単に製造することができる。第3の実施の形態に係るバインダーの原材料はいずれも廉価であり、調達が容易であるので、製造コストを低く抑えることもできる。更に、第3の実施の形態に係る金属用塗料は、無機材料で構成されており水溶性であるので、水道水で簡単に希釈することができるので、第1及び第2の実施の形態において説明した塗料や、断熱材、接着剤等に応用可能である。
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態に係る断熱材は、SiO2、α−Al23、及び非晶質物質を多量成分として含む。また、珪酸カルシウム(CaSiO5)、ムライト(Al6Si213)、タルク(Mg3Si410(OH)2)、アルミノ酸ナトリウム塩(Na2O・11Al23)、キンセイ石(Mg2Al4Si518)、及び可塑性原料の主成分であるカオリナイトを少量成分として含む。図21は、第4の実施の形態に係る断熱材を濾過乾燥させ、(株)CMT製試料粉砕機TI−100型で5分間粉砕したものを理学電機(株)製のX線解析装置RAD−rRで測定して含有成分を同定した結果の一例を示す。
また、本発明の第4の実施の形態に係る断熱材は、105℃にて5時間乾燥し、更に700℃で2時間強熱し灰化した状態で蛍光X線分析した結果、0.1〜10%のNaと、0.01〜0.1%のMgと、1〜10%のAlと、10〜30%のSiと、0.001〜0.5%のPと、0.01〜0.5%のSと、0.01〜1%のClと、0.1〜15%のKと、0.01〜0.5%のCaと、0.01〜5%のTiと、0.1〜5%のCrと、0.1〜5%のMnと、0.1〜5%のFeと、0.1〜5%のCoと、0.1〜5%のNiとを含む。第4の実施の形態に係る断熱材は、0.001〜0.05%のZn、0.001〜0.05%のRb、0.001〜0.05%のSr、及び0.001〜0.05%のZrを更に含んでいる。ここで、Naは0.5〜5%が好ましい。更に好ましくは、Naは1〜3%が良い。Mgは、0.01〜0.1%が好ましい。更に好ましくは、Mgは、0.02〜0.07%が良い。Alは、0.5〜8%が好ましい。更に好ましくはAlは、1〜6%が好ましい。Siは、15〜27%が好ましい。更に好ましくは、Siは20〜25%が良い。Pは、0.005〜0.05%が好ましい。更に好ましくは、Pは0.006〜0.02%が良い。Sは、0.01〜0.3%が好ましい。更に好ましくは、Sは0.02〜0.08%が良い。Clは、0.05〜0.8%が好ましい。更に好ましくは、Clは0.08〜0.2%が良い。Kは、2〜13%が好ましい。更に好ましくは、Kは5〜10%が良い。Caは、0.01〜0.5%が好ましい。更に好ましくは、Caは0.05〜0.2%が良い。Tiは、0.01〜3%が好ましい。更に好ましくは、Tiは0.05〜0.2%が良い。Mnは、0.5〜3%が好ましい。更に好ましくは、Mnは0.8〜2%が良い。Feは、0.3〜3%が好ましい。更に好ましくは、Feは0.7〜2.5%が良い。Niは、0.2〜3%が好ましい。更に好ましくは、Niは0.5〜1.5%が良い。Znは、0.001〜0.03%が好ましい。更に好ましくは、Znは0.005〜0.015%が良い。Rbは、0.001〜0.03%が好ましい。更に好ましくは、Rbは0.005〜0.015%が良い。Srは、0.001〜0.03%が好ましい。更に好ましくは、Srは0.005〜0.015%が良い。Zrは、0.001〜0.03%が好ましい。更に好ましくは、Zrは0.005〜0.02%が良い。図22には、第4の実施の形態に係る断熱材の代表的な数値を例示した。図22に示す数値は、ファンダメンタルパラメータ(FP)法を用いて、原子番号6(炭素)以上の元素を定性分析して得られる。水素含有率は0%として計算し、炭素及び酸素の分析値は未表示とした。
<断熱材の放射特性>
図23に示すように、第4の実施の形態に係る断熱材の熱伝導率をJIS、A1412−1(熱絶縁材の熱抵抗及び熱伝導率の測定方法(GHP法))に準拠して行った場合において、平均温度θmが400℃の場合、熱伝導率λは、0.453W/(m・K)であった。平均温度θmが600℃の場合、熱伝導率λは、0.507W/(m・K)であった。平均温度θmが800℃の場合、熱伝導率λは、0.717W/(m・K)となった。尚、平均温度θmが400℃、600℃、800℃の場合の試験体を通過する熱流密度qは、それぞれ232.8W/m2、269.0W/m2、361.6W/m2であった。
本発明の第4の実施の形態に係る断熱材によれば、与えられた熱を遠赤外線として放射する機能を有する。このため、例えば断熱材の一面を1200℃程度の高温に曝しても、熱エネルギーが有効に流れるので、高温に曝されない他の一面は直接手で触れることができる。また第4の実施の形態に係る断熱材は熱効率が良く、1000〜4200℃程度の耐熱性を有し、有毒ガスを発生しないため、建造物に使用される材料として有効に使用できる。
<断熱材の製造方法>
次に、本発明の第4の実施の形態に係る断熱材の製造方法を説明する。なお、以下に述べる断熱材の製造方法は一例であり、この変形例を含めて、これ以外の種々の製造方法により実現可能であることは勿論である。
第4の実施の形態に係る断熱材は、例えば、図24に示すように、バインダー、第1粉体、第2粉体、及び第3粉体から製造される。バインダーは、第3の実施の形態において説明したものと同様である。
(イ)まず、第1の混合槽の中に第1粉体として、セメント10〜30kg、炭酸ナトリウム0.5〜1.5kg、カオリン5〜15kg、アモルファスシリカ0.5〜2kg、メチルセルロース0.3〜2kg、カゼイン2〜3kg、パーライト10〜15kgを入れて混合する。次に、第2粉体としての耐火モルタルを50〜60kg、第3粉体としての酸化アルミニウムを50〜60kg加え、30〜50分間撹拌する。第1の混合槽には、2〜3kgの硬化剤を加えて撹拌しておく。硬化剤としては、珪弗化ナトリウムが好ましい。
(ロ)次に、第2の混合槽にバインダー100〜120kgを用意する。バインダーの重量は、第1〜第3粉体の総重量の50〜65%程度が好ましい。次に、第1の混合槽に、バインダーを2回に分けて混入し、15〜30分撹拌する。
(ハ)撹拌終了後、バインダー、第1〜第3粉体、及び硬化剤が混合されてゲル状態になった物体を型枠に流し込む。型枠の大きさ、材質、形状等は特に限定されない。型枠に流し込んだ後常温乾燥したものを型枠から取り出して、更に常温で7〜14日乾燥させる。250〜300℃前後の熱風乾燥、又は150〜200℃前後の遠赤外線乾燥を行っても良い。
以上の工程により、第4の実施の形態に係る断熱材が製造される。第4の実施の形態に係る断熱材の製造方法によれば、耐火レンガ精製時のような高温高圧条件を全く必要としないので、熟練の技術を必要とせず、室温で簡単に製造できる。また、第4の実施の形態に係る断熱材の原材料はいずれも廉価であり、調達が容易であるので、製造コストを低く抑えることもできる。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は第1〜第4の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
第1〜第4の実施の形態において説明した金属用塗料、非金属用塗料、バインダー及び断熱材を一般の焼却炉の内壁等に応用可能である。例えば、第1の実施の形態において説明した金属用塗料を炉壁に塗布し、塗布膜を形成することにより、熱効率の高い焼却炉を提供することができる。また、第1の実施の形態に係る金属用塗料は、塗料に供給された熱を遠赤外線として放射する性質をもつため、ゴミ燃焼時における温度上昇のムラを抑制し、ダイオキシン等の有毒ガスの発生を低減することができる。また、焼却炉の炉壁に付着するクリンカまたはスラグ等の発生を抑制することもできる。更に、第1及び第2の実施の形態において説明した金属用塗料及び非金属塗料を、パイプラインや装置類に塗布して塗布膜を形成することにより、塩害、酸性ガス等による被塗布物の腐食を防ぐことができる。例えば、第1の実施の形態に係る金属用塗料を船舶の外表面に塗布することにより、海水中の藻の付着を防ぐ塗布膜を形成することもできる。また、第3の実施の形態に係る断熱材を事業所や住宅に配置することで、脱臭効果、シックハウス症候群を抑制する効果も有する。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
本発明の第1の実施の形態に係る金属用塗料に存在する化合物(鉱物)の同定結果を示す表である。 図1に示す化合物の定性分析結果の蛍光X線スペクトルを示す図である。 第1の実施の形態に係る金属用塗料の定性分析結果の一例示す表である。 第1の実施の形態に係る金属用塗料の定量分析結果の一例を示す表である。 第1の実施の形態に係る金属用塗料に含まれる粉体の粒度分布を表すグラフである。 本発明の第1の実施の形態に係る金属用塗料の表面状態を表す電子顕微鏡写真である。 図6に示す金属用塗料に900℃の熱放射を加えた後の表面状態を表す電子顕微鏡写真である。 第1の実施の形態に係る金属用塗料の表面温度が50℃の場合の分光放射率の波長依存性のデータの一例を示すグラフである。 第1の実施の形態に係る金属用塗料の表面温度が300℃の場合の分光放射率の波長依存性のデータの一例を示すグラフである。 第1の実施の形態に係る金属用塗料の表面温度が50℃の場合の放射輝度スペクトルを示すグラフである。 第1の実施の形態に係る金属用塗料の表面温度が300℃の場合の放射輝度スペクトルを示すグラフである。 第1の実施の形態に係る金属用塗料の表面温度を測定するための温度測定装置を示す概略図である。 第1の実施の形態に係る金属用材料の温度測定結果を示すグラフである。 第1〜第3の実施の形態に係る金属用材料、非金属用材料、及びバインダーに用いられる原材料を示す表である。 図14に示す高蛋白性粉末100g当たりの成分を示す表である。 第2の実施の形態に係る非金属用塗料の定性分析結果の一例を示す表である。 第2の実施の形態に係る非金属用塗料の定量分析結果の一例を示す表である。 第3の実施の形態に係るバインダーの定性分析結果の一例を示す表である。 第3の実施の形態に係るバインダーの定量分析結果の一例を示す表である。 第3の実施の形態に係るバインダーを用いた放熱性古紙ボード及び放熱性木炭ボードの発熱試験結果を示す表である。 第4の実施の形態に係る断熱材に存在する化合物(鉱物)の同定結果を示す表である。 第4の実施の形態に係る断熱材の定性分析結果の一例を示す表である。 第4の実施の形態に係る断熱材の平均温度に対する熱伝導率を表すグラフである。 第4の実施の形態に係る断熱材の原材料の一例を示す表である。
符号の説明
2…ヒーター
3…塗料塗布面
4…鉄板面
5…熱電対
6…アルミテープ
7…温度コントローラ
8…電源
9…鉄板
10…温度測定装置

Claims (4)

  1. 乾燥後灰化した状態を蛍光X線分析した結果、
    0.1〜10%のナトリウムと、
    0.01〜1%のマグネシウムと、
    0.1〜15%のアルミニウムと、
    1〜30%のカリウムと、
    10〜30%の珪素と、
    0.1〜1%の鉄
    とを含むことを特徴とする塗料。
  2. 0.001〜0.05%のストロンチウムと、
    0.001〜0.05%のジルコニウム
    とを更に含むことを特徴とする請求項1記載の塗料。
  3. 珪素に対し、
    4〜8%のナトリウムと、
    0.1〜0.5%のマグネシウムと、
    0.3〜0.6%の塩素と、
    0.1〜0.5%のカリウム
    とを含むことを特徴とする請求項1記載の塗料。
  4. 非金属用塗料と酸化アルミニウム粉体とを混合槽に入れ撹拌するステップと、
    前記混合槽に水、苛性ソーダ、高蛋白性粉末、ポリ酢酸ビニル及びグリセリンを含む粘着剤を入れ撹拌するステップと、
    前記混合槽にセラミック粉末を入れ撹拌するステップと、
    前記混合槽中の粉体を粉砕するステップ
    とを含むことを特徴とする塗料の製造方法。
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