JP2004300295A - 地山固結工法およびそれに用いる地山改良剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】強度が高く、低粘度である地山改良剤を用いた地山固結工法およびそれに用いる地山改良剤の提供。
【解決手段】地山改良剤として、アミロース含有割合が40重量%以上である原料澱粉を酸処理等して低粘度化してなる化工澱粉を用い、上記地山改良剤を加熱して糊化させ、この糊化させた地山改良剤を、トンネルの切羽1および天盤の少なくとも一方に穿設された削孔2に供給して地山に注入し、注入後に地山改良剤を削孔内で凝固させるようにしている。
【選択図】図4
【解決手段】地山改良剤として、アミロース含有割合が40重量%以上である原料澱粉を酸処理等して低粘度化してなる化工澱粉を用い、上記地山改良剤を加熱して糊化させ、この糊化させた地山改良剤を、トンネルの切羽1および天盤の少なくとも一方に穿設された削孔2に供給して地山に注入し、注入後に地山改良剤を削孔内で凝固させるようにしている。
【選択図】図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トンネル工事等における地山固結工法およびそれに用いる地山改良剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、トンネル工事等において、軟弱な地山を掘削する場合には、トンネルの切羽や天盤に地山改良剤を注入して地山を固結,安定化することが行われている。このような地山固結工法に用いられる地山改良剤としては、セメント系等に代表される無機系材料や、ウレタン・水ガラス+イソシアネート等に代表される有機系材料が用いられている。
【0003】
ところが、上記の地山改良剤では、トンネル掘削後に、「ずり」として廃棄される土砂に含まれる硬化剤が自然環境中でおいて容易に分解されないため、公害等の問題が発生する。そこで、ウレタン系に対しては、イソシアネート基に対して反応性を有する反応基をもつ天然有機材料(A成分)と、ポリイソシアネート(B成分)とを併用することで、生分解性等を付与するようにした地山固結用組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このものでは、イソシアネートを使用すること等から、使用者によってはアレルギー等を起こすおそれがある。
【0004】
そこで、安全性を考慮し、温度変化により溶解,凝固する寒天,ゼラチン等の親水性材料の水溶液に、繊維やアルファ澱粉等を添加・混合するようにした地盤改良材料が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−146351号公報(段落番号〔0005〕)
【特許文献2】
特開平4−169613号公報(特許請求の範囲の請求項3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の地盤改良材料のように、寒天,ゼラチンに繊維やコンスターチ等の澱粉を添加・混合すると、高濃度にして使用しないと強度が低く、地山を固結,安定化することができないという問題がある。一方、高濃度にして使用すると、粘度が数万mPa・sとなり、注入剤としての使用が困難になるという問題がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、強度が高く、低粘度である地山改良剤を用いた地山固結工法およびそれに用いる地山改良剤の提供をその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、地山改良剤として、アミロース含有割合が40重量%以上である原料澱粉を酸処理等して低粘度化してなる化工澱粉を用い、上記地山改良剤を加熱して糊化させ、この糊化させた地山改良剤を、トンネルの切羽および天盤の少なくとも一方に穿設された削孔に供給して地山に注入し、注入後に地山改良剤を削孔内で凝固させるようにした地山固結工法を第1の要旨とし、アミロース含有割合が40重量%以上である原料澱粉を酸処理等して低粘度化してなる化工澱粉からなる地山改良剤を第2の要旨とする。
【0009】
すなわち、本発明の地山固結工法は、地山改良剤として、アミロース含有割合が40重量%以上である原料澱粉を酸処理等して低粘度化してなる化工澱粉を用いている。この地山改良剤は、上記原料澱粉として、アミロース含有割合が40重量%以上である澱粉を用いているため、強度が高く、凝固させた場合には、地山を固結,安定化させることができる。また、この地山改良剤は、上記原料澱粉を酸処理等して低粘度化しているため、加熱して糊化させた場合には、地山に穿設された削孔にも注入することができる。したがって、上記地山改良剤を用い、これを加熱して糊化させ、その状態で、トンネルの切羽および天盤の少なくとも一方に穿設された削孔に供給して地山に注入し、注入後に地山改良剤を削孔内で凝固させることで、上記切羽および天盤の少なくとも一方を固結,安定化させることができる。しかも、上記地山改良剤は生分解性を有するため、トンネル掘削後に、「ずり」として廃棄される土砂中に含まれる地山改良剤は、自然環境中でおいて容易に分解されるため、公害等の問題が発生しない。また、本発明の地山改良剤は、上記したように、原料澱粉として、アミロース含有割合が40重量%以上である澱粉を用いているため、強度が高い。しかも、上記原料澱粉を酸処理等して低粘度化しているため、地山に穿設された削孔等に注入可能となる。しかも、原料澱粉を酸処理等して製造したものであり、生分解性を有する。
【0010】
原料澱粉として、アミロース含有割合が40重量%以上である澱粉を用いることにより、地山改良剤としての強度向上および短時間での強度発現を実現することができる理由としては、つぎのことが考えられる。すなわち、澱粉は、α化により分子間に隙間が生じるが、(アミロースの会合で起こる)老化により、上記隙間が少ない結合になる。このため、澱粉中のアミロース含量割合が多くなるほど、老化しやすくなり、その結果、強度の向上および強度発現の時間短縮化を図ることができると考えられる。また、分子量の違いよりも、固形分濃度のファクターのほうが強度に与える影響が大きいため、低粘度化を澱粉に施している。
【0011】
本発明の地山改良剤において、上記化工澱粉が、2.0×105 J/kg以上の熱量により糊化し、50℃以下に冷却することにより凝固する場合には、一般の地山固結工法に好適に用いることができる。なお、上記熱量は、比熱計算により算出したものである。
【0012】
本発明において、上記酸処理等することにより、アミロース含有割合が40〜80重量%の原料澱粉が、70〜80℃で5000mPa・s以下の粘度に低粘度化される場合には、一般の地山固結工法に使用する注入剤として、好適に用いることができる。
【0013】
本発明において、糊化させた化工澱粉に、繊維とともに、土,粘土,ベントナイト,砂,硫酸バンド等の無機系材料澱粉を添加・混合してなる場合には、地山改良剤として、強度が増加するうえ、比重調整等の点で好ましい。
【0014】
本発明において、糊化させた化工澱粉に、繊維とともに、CMC(カルボキシメチルセルロース),タンパク質,寒天,ゼラチン等の有機糊料を添加・混合してなる場合には、地山改良剤として、強度が向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
図1〜図4は本発明の地山固結工法の一実施の形態を示している。この実施の形態では、トンネルの切羽1に多数の削孔2(図1〜図4では、1個しか図示せず)を穿設し、これら削孔2に、アミロース含有割合が40重量%以上である原料澱粉を酸処理等して低粘度化してなる化工澱粉からなる地山改良剤を注入するようにしている。
【0017】
上記の地山改良剤を用い、例えばつぎのようにして地山固結を行うことができる。すなわち、まず、トンネルの切羽1に所定間隔で、図1に示すように、ジャンボドリル等の削岩機5により多数の削孔2を穿設する。ついで、これら穿設された削孔2内に、図2に示すような、先端開口が閉塞されているとともに先端周壁に複数の薬液吐出孔6aが穿設された中空パイプ状の薬液注入管6を挿入する。つぎに、上記削孔2に挿入された薬液注入管6の後端開口に、図3に示すように、逆止弁付継手7を取り付け、これに、接続ユニット8付ホース9を取り付ける。つぎに、このホース9から、上記の地山改良剤を薬液注入管6内に所定の圧力で圧入する。この圧入された地山改良剤は、薬液注入管6先端の薬液吐出孔6aから吐出される。このとき、吐出された地山改良剤が削孔2の手前側開口から流出するのを防止するため、地山改良剤を圧入する前に削孔2の手前側開口をウエス10等でシールしておく。そして、上記吐出された地山改良剤が周辺地山にゆきわたり完全に硬化すると、地山改良剤の圧入を停止し、接続ユニット8を外す。これにより、薬液注入管6が削孔2内に固定され、かつ削孔2の周囲の岩盤(地山)が地山改良剤で固結される(図4)。このようにして地山固結が行われる。図4において、11は得られた固結領域である。その結果、複数の薬液注入管6とそれぞれの周囲の固結領域11との相乗効果により、トンネルの切羽1全体の補強,安定化が行われる。
【0018】
上記地山改良剤は、上記したとおり、アミロース含有割合が40重量%以上である原料澱粉を酸処理等して低粘度化してなる化工澱粉からなっている。
【0019】
上記原料澱粉は、アミロース含量割合が40重量%以上であるものであれば、どのような種類の澱粉でもよく、例えば、ハイアミローススターチ,コンスターチ,米澱粉,小麦澱粉,馬鈴薯澱粉等の未変性澱粉、コーンフラワーや小麦粉等の澱粉を主成分とする各種粉体穀物等、容易に入手できるものでよい。また、2種類以上の澱粉をブレンドしてもよい。
【0020】
上記原料澱粉に、公知の方法により置換基を導入した化工澱粉を任意に使用することが可能である。例えば、アセチル化澱粉,ヒドロキシエチル化澱粉,カチオン化澱粉等の誘導体を任意の原料澱粉として使用することも可能である。
【0021】
上記原料澱粉を低粘度化する方法としては、酸処理,酸化処理,酸素変性,APS処理,物理的手法等の既知の方法があげられる。そして、これらの方法により、好ましくは、アミロース含有割合が40〜80重量%の原料澱粉が、70〜80℃で5000mPa・s以下の粘度に低粘度化される。この粘度が、5000mPa・sを上回ると、澱粉糊の流動性が低下し、地山への浸透性が低下するという問題がある。
【0022】
上記糊化させた化工澱粉に、繊維を添加・混合し、さらに土,粘土,ベントナイト,砂,硫酸バンド等の無機系材料澱粉を添加・混合してもよい。この場合には、地山改良剤として、強度が増加するうえ、比重調整等の点で好ましい。
【0023】
上記糊化させた化工澱粉に、繊維を添加・混合し、さらにCMC,タンパク質,寒天,ゼラチン等の有機糊料を添加・混合してもよい。この場合には、地山改良剤として、強度の向上を図ることができ、好ましい。
【0024】
上記の化工澱粉の製造方法としては、まず、上記原料澱粉のスラリーを作り、ついで、所定濃度の塩酸や硫酸等の酸(酸の種類は問わない)を加えて酸処理反応を行い、反応終了後に50℃前後に数時間保持し、α−1,4グルコシド結合を加水分解し、アルカリによるpH中和を行ったのち、化工澱粉を得る方法(湿式法)、および、まず、上記原料澱粉に所定量の塩酸や硫酸等の酸(酸の種類は問わない)を加えて一次乾燥を行ったのちに焙焼法にて高温で焙焼し酸処理反応を行い化工澱粉を得る方法(乾式法)、および、ジェット(JET)クッカーを使用し、APS変性や、酸による酸分解または酸素による酸素分解を実施する方法(連続法)等があげられる。このようにして得られた化工澱粉で地山改良剤が構成されている。
【0025】
上記化工澱粉を加熱して糊化させる方法としては、回分方式,連続方式(ジェットクッカー),エクストルーダ等の各種の加熱方法があげられる。このような加熱方法による加熱は、好ましくは、2.0×105 J/kg以上の熱量で行われ、好適には、3.0×105 J/kg以上の熱量で行われる。上記加熱が、2.0×105 J/kgを下回る熱量で行われると、澱粉の糊化不足による流動性の低下という問題がある。なお、上記熱量は、比熱計算により算出したものである。
【0026】
上記化工澱粉を冷却して凝固させる方法としては、上記糊化させた化工澱粉を削孔内に放置して自然冷却させる方法等があげられる。また、上記化工澱粉は、50℃以下に冷却して凝固させることが好ましく、好適には、30℃以下に冷却して凝固させる。上記化工澱粉が50℃を上回る温度で凝固すると、凝固不充分による強度の低下という問題がある。
【0027】
つぎに、実施例について説明する。
【0028】
【実施例1】
実施例1では、湿式法において、アミロース含量70重量%の原料澱粉のスラリー(固形分40重量%)に、対澱粉10重量%の酸を加えて57℃で5時間反応後、カセイソーダ液にてpH5.3に調整した。つぎに、固形分に対し3倍の水を加え、脱水,乾燥後回収し、地山改良剤を製造した。この実施例1では、必要な熱量は、2.0×105 J/kgで、得られた地山改良剤の粘度は4750mPa・sであった。
【0029】
上記の地山改良剤を用い、トンネルの切羽1を固結,安定化させるために、まず、トンネルの切羽1にジャンボドリル5により所定間隔で(例えば、1〜10個の)削孔2を穿設した(図1参照)。ついで、これら穿設された削孔2内に、周壁に複数の薬液吐出孔6aが穿設された中空パイプ状の薬液注入管6を挿入し(図2参照)、つぎに、薬液注入管6の後端開口に逆止弁付継手7を取り付け、これに接続ユニット8付ホース9を取り付けた(図3参照)。つぎに、上記削孔2の手前側開口をウエス10等で閉塞した。つぎに、上記の地山改良剤をホース9から薬液注入管6内に0.2〜2.0MPaの圧力で圧入して薬液注入管6の薬液吐出孔6aから吐出させた。そして、この吐出された地山改良剤が周辺地山にゆきわたり完全に硬化すると、地山改良剤の圧入を停止して、接続ユニット8を外した。これにより、薬液注入管6が削孔2内に固定され、削孔2の周囲の岩盤が固結,安定化された(図4)。
【0030】
【実施例2】
実施例2では、乾式法において、アミロース含量70重量%の原料澱粉のスラリーに、対澱粉0.05重量%の酸を加えた(水分30重量%となるように加えた)のち、水分12重量%程度まで一次乾燥を行う。そののち、120℃で1時間焙焼を行い、地山改良剤を製造した。この実施例2では、必要な熱量は、3.9×105 J/kgで、得られた地山改良剤の粘度は1000mPa・sであった。また、この地山改良剤を用い、実施例1と同様にして、トンネルの切羽1を固結,安定化させた。
【0031】
【実施例3】
実施例3では、連続法において、アミロース含量70重量%の原料澱粉のスラリー(固形分37.5重量%)に対し、対澱粉0.12重量%のAPSを加え、ジェットクッカーを使用し、155℃で蒸煮する。この実施例3では、必要な熱量は、3.9×105 J/kgで、得られた地山改良剤の粘度は800mPa・sであった。また、この地山改良剤を用い、実施例1と同様にして、トンネルの切羽1を固結,安定化させた。
【0032】
なお、上記実施の形態では、トンネルの切羽1を安定化させているが、これに限定するものではなく、トンネルの天盤を安定化させることも可能である。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、本発明の地山固結工法によれば、地山改良剤として、アミロース含有割合が40重量%以上である原料澱粉を酸処理等して低粘度化してなる化工澱粉を用いている。この地山改良剤は、上記原料澱粉として、アミロース含有割合が40重量%以上である澱粉を用いているため、強度が高く、凝固させた場合には、地山を固結,安定化させることができる。また、この地山改良剤は、上記原料澱粉を酸処理等して低粘度化しているため、加熱して糊化させた場合には、地山に穿設された削孔にも注入することができる。したがって、上記地山改良剤を用い、これを加熱して糊化させ、その状態で、トンネルの切羽および天盤の少なくとも一方に穿設された削孔に供給して地山に注入し、注入後に地山改良剤を削孔内で凝固させることで、上記切羽および天盤の少なくとも一方を固結,安定化させることができる。しかも、上記地山改良剤は生分解性を有するため、トンネル掘削後に、「ずり」として廃棄される土砂中に含まれる地山改良剤は、自然環境中でおいて容易に分解されるため、公害等の問題が発生しない。また、本発明の地山改良剤は、上記したように、原料澱粉として、アミロース含有割合が40重量%以上である澱粉を用いているため、強度が高い。しかも、上記原料澱粉を酸処理等して低粘度化しているため、地山に穿設された削孔等に注入可能となる。しかも、原料澱粉を酸処理等して製造したものであり、生分解性を有する。
【0034】
原料澱粉として、アミロース含有割合が40重量%以上である澱粉を用いることにより、地山改良剤としての強度向上および短時間での強度発現を実現することができる理由としては、つぎのことが考えられる。すなわち、澱粉は、α化により分子間に隙間が生じるが、(アミロースの会合で起こる)老化により、上記隙間が少ない結合になる。このため、澱粉中のアミロース含量割合が多くなるほど、老化しやすくなり、その結果、強度の向上および強度発現の時間短縮化を図ることができると考えられる。また、分子量の違いよりも、固形分濃度のファクターのほうが強度に与える影響が大きいため、低粘度化を澱粉に施している。
【0035】
本発明の地山改良剤において、上記化工澱粉が、2.0×105 J/kg以上の熱量により糊化し、50℃以下に冷却することにより凝固する場合には、一般の地山固結工法に好適に用いることができる。なお、熱量は、比熱計算により算出したものである。
【0036】
本発明において、上記酸処理等することにより、アミロース含有割合が40〜80重量%の原料澱粉が、70〜80℃で5000mPa・s以下の粘度に低粘度化される場合には、一般の地山固結工法に使用する注入剤として、好適に用いることができる。
【0037】
本発明において、糊化させた化工澱粉に、繊維とともに、土,粘土,ベントナイト,砂,硫酸バンド等の無機系材料澱粉を添加・混合してなる場合には、地山改良剤として、強度が増加するうえ、比重調整等の点で好ましい。
【0038】
本発明において、糊化させた化工澱粉に、繊維とともに、CMC(カルボキシメチルセルロース),タンパク質,寒天,ゼラチン等の有機糊料を添加・混合してなる場合には、地山改良剤として、強度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の地山固結工法の一実施の形態を示す説明図である。
【図2】上記地山固結工法を示す説明図である。
【図3】上記地山固結工法を示す説明図である。
【図4】上記地山固結工法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 切羽
2 削孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、トンネル工事等における地山固結工法およびそれに用いる地山改良剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、トンネル工事等において、軟弱な地山を掘削する場合には、トンネルの切羽や天盤に地山改良剤を注入して地山を固結,安定化することが行われている。このような地山固結工法に用いられる地山改良剤としては、セメント系等に代表される無機系材料や、ウレタン・水ガラス+イソシアネート等に代表される有機系材料が用いられている。
【0003】
ところが、上記の地山改良剤では、トンネル掘削後に、「ずり」として廃棄される土砂に含まれる硬化剤が自然環境中でおいて容易に分解されないため、公害等の問題が発生する。そこで、ウレタン系に対しては、イソシアネート基に対して反応性を有する反応基をもつ天然有機材料(A成分)と、ポリイソシアネート(B成分)とを併用することで、生分解性等を付与するようにした地山固結用組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このものでは、イソシアネートを使用すること等から、使用者によってはアレルギー等を起こすおそれがある。
【0004】
そこで、安全性を考慮し、温度変化により溶解,凝固する寒天,ゼラチン等の親水性材料の水溶液に、繊維やアルファ澱粉等を添加・混合するようにした地盤改良材料が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−146351号公報(段落番号〔0005〕)
【特許文献2】
特開平4−169613号公報(特許請求の範囲の請求項3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の地盤改良材料のように、寒天,ゼラチンに繊維やコンスターチ等の澱粉を添加・混合すると、高濃度にして使用しないと強度が低く、地山を固結,安定化することができないという問題がある。一方、高濃度にして使用すると、粘度が数万mPa・sとなり、注入剤としての使用が困難になるという問題がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、強度が高く、低粘度である地山改良剤を用いた地山固結工法およびそれに用いる地山改良剤の提供をその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、地山改良剤として、アミロース含有割合が40重量%以上である原料澱粉を酸処理等して低粘度化してなる化工澱粉を用い、上記地山改良剤を加熱して糊化させ、この糊化させた地山改良剤を、トンネルの切羽および天盤の少なくとも一方に穿設された削孔に供給して地山に注入し、注入後に地山改良剤を削孔内で凝固させるようにした地山固結工法を第1の要旨とし、アミロース含有割合が40重量%以上である原料澱粉を酸処理等して低粘度化してなる化工澱粉からなる地山改良剤を第2の要旨とする。
【0009】
すなわち、本発明の地山固結工法は、地山改良剤として、アミロース含有割合が40重量%以上である原料澱粉を酸処理等して低粘度化してなる化工澱粉を用いている。この地山改良剤は、上記原料澱粉として、アミロース含有割合が40重量%以上である澱粉を用いているため、強度が高く、凝固させた場合には、地山を固結,安定化させることができる。また、この地山改良剤は、上記原料澱粉を酸処理等して低粘度化しているため、加熱して糊化させた場合には、地山に穿設された削孔にも注入することができる。したがって、上記地山改良剤を用い、これを加熱して糊化させ、その状態で、トンネルの切羽および天盤の少なくとも一方に穿設された削孔に供給して地山に注入し、注入後に地山改良剤を削孔内で凝固させることで、上記切羽および天盤の少なくとも一方を固結,安定化させることができる。しかも、上記地山改良剤は生分解性を有するため、トンネル掘削後に、「ずり」として廃棄される土砂中に含まれる地山改良剤は、自然環境中でおいて容易に分解されるため、公害等の問題が発生しない。また、本発明の地山改良剤は、上記したように、原料澱粉として、アミロース含有割合が40重量%以上である澱粉を用いているため、強度が高い。しかも、上記原料澱粉を酸処理等して低粘度化しているため、地山に穿設された削孔等に注入可能となる。しかも、原料澱粉を酸処理等して製造したものであり、生分解性を有する。
【0010】
原料澱粉として、アミロース含有割合が40重量%以上である澱粉を用いることにより、地山改良剤としての強度向上および短時間での強度発現を実現することができる理由としては、つぎのことが考えられる。すなわち、澱粉は、α化により分子間に隙間が生じるが、(アミロースの会合で起こる)老化により、上記隙間が少ない結合になる。このため、澱粉中のアミロース含量割合が多くなるほど、老化しやすくなり、その結果、強度の向上および強度発現の時間短縮化を図ることができると考えられる。また、分子量の違いよりも、固形分濃度のファクターのほうが強度に与える影響が大きいため、低粘度化を澱粉に施している。
【0011】
本発明の地山改良剤において、上記化工澱粉が、2.0×105 J/kg以上の熱量により糊化し、50℃以下に冷却することにより凝固する場合には、一般の地山固結工法に好適に用いることができる。なお、上記熱量は、比熱計算により算出したものである。
【0012】
本発明において、上記酸処理等することにより、アミロース含有割合が40〜80重量%の原料澱粉が、70〜80℃で5000mPa・s以下の粘度に低粘度化される場合には、一般の地山固結工法に使用する注入剤として、好適に用いることができる。
【0013】
本発明において、糊化させた化工澱粉に、繊維とともに、土,粘土,ベントナイト,砂,硫酸バンド等の無機系材料澱粉を添加・混合してなる場合には、地山改良剤として、強度が増加するうえ、比重調整等の点で好ましい。
【0014】
本発明において、糊化させた化工澱粉に、繊維とともに、CMC(カルボキシメチルセルロース),タンパク質,寒天,ゼラチン等の有機糊料を添加・混合してなる場合には、地山改良剤として、強度が向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
図1〜図4は本発明の地山固結工法の一実施の形態を示している。この実施の形態では、トンネルの切羽1に多数の削孔2(図1〜図4では、1個しか図示せず)を穿設し、これら削孔2に、アミロース含有割合が40重量%以上である原料澱粉を酸処理等して低粘度化してなる化工澱粉からなる地山改良剤を注入するようにしている。
【0017】
上記の地山改良剤を用い、例えばつぎのようにして地山固結を行うことができる。すなわち、まず、トンネルの切羽1に所定間隔で、図1に示すように、ジャンボドリル等の削岩機5により多数の削孔2を穿設する。ついで、これら穿設された削孔2内に、図2に示すような、先端開口が閉塞されているとともに先端周壁に複数の薬液吐出孔6aが穿設された中空パイプ状の薬液注入管6を挿入する。つぎに、上記削孔2に挿入された薬液注入管6の後端開口に、図3に示すように、逆止弁付継手7を取り付け、これに、接続ユニット8付ホース9を取り付ける。つぎに、このホース9から、上記の地山改良剤を薬液注入管6内に所定の圧力で圧入する。この圧入された地山改良剤は、薬液注入管6先端の薬液吐出孔6aから吐出される。このとき、吐出された地山改良剤が削孔2の手前側開口から流出するのを防止するため、地山改良剤を圧入する前に削孔2の手前側開口をウエス10等でシールしておく。そして、上記吐出された地山改良剤が周辺地山にゆきわたり完全に硬化すると、地山改良剤の圧入を停止し、接続ユニット8を外す。これにより、薬液注入管6が削孔2内に固定され、かつ削孔2の周囲の岩盤(地山)が地山改良剤で固結される(図4)。このようにして地山固結が行われる。図4において、11は得られた固結領域である。その結果、複数の薬液注入管6とそれぞれの周囲の固結領域11との相乗効果により、トンネルの切羽1全体の補強,安定化が行われる。
【0018】
上記地山改良剤は、上記したとおり、アミロース含有割合が40重量%以上である原料澱粉を酸処理等して低粘度化してなる化工澱粉からなっている。
【0019】
上記原料澱粉は、アミロース含量割合が40重量%以上であるものであれば、どのような種類の澱粉でもよく、例えば、ハイアミローススターチ,コンスターチ,米澱粉,小麦澱粉,馬鈴薯澱粉等の未変性澱粉、コーンフラワーや小麦粉等の澱粉を主成分とする各種粉体穀物等、容易に入手できるものでよい。また、2種類以上の澱粉をブレンドしてもよい。
【0020】
上記原料澱粉に、公知の方法により置換基を導入した化工澱粉を任意に使用することが可能である。例えば、アセチル化澱粉,ヒドロキシエチル化澱粉,カチオン化澱粉等の誘導体を任意の原料澱粉として使用することも可能である。
【0021】
上記原料澱粉を低粘度化する方法としては、酸処理,酸化処理,酸素変性,APS処理,物理的手法等の既知の方法があげられる。そして、これらの方法により、好ましくは、アミロース含有割合が40〜80重量%の原料澱粉が、70〜80℃で5000mPa・s以下の粘度に低粘度化される。この粘度が、5000mPa・sを上回ると、澱粉糊の流動性が低下し、地山への浸透性が低下するという問題がある。
【0022】
上記糊化させた化工澱粉に、繊維を添加・混合し、さらに土,粘土,ベントナイト,砂,硫酸バンド等の無機系材料澱粉を添加・混合してもよい。この場合には、地山改良剤として、強度が増加するうえ、比重調整等の点で好ましい。
【0023】
上記糊化させた化工澱粉に、繊維を添加・混合し、さらにCMC,タンパク質,寒天,ゼラチン等の有機糊料を添加・混合してもよい。この場合には、地山改良剤として、強度の向上を図ることができ、好ましい。
【0024】
上記の化工澱粉の製造方法としては、まず、上記原料澱粉のスラリーを作り、ついで、所定濃度の塩酸や硫酸等の酸(酸の種類は問わない)を加えて酸処理反応を行い、反応終了後に50℃前後に数時間保持し、α−1,4グルコシド結合を加水分解し、アルカリによるpH中和を行ったのち、化工澱粉を得る方法(湿式法)、および、まず、上記原料澱粉に所定量の塩酸や硫酸等の酸(酸の種類は問わない)を加えて一次乾燥を行ったのちに焙焼法にて高温で焙焼し酸処理反応を行い化工澱粉を得る方法(乾式法)、および、ジェット(JET)クッカーを使用し、APS変性や、酸による酸分解または酸素による酸素分解を実施する方法(連続法)等があげられる。このようにして得られた化工澱粉で地山改良剤が構成されている。
【0025】
上記化工澱粉を加熱して糊化させる方法としては、回分方式,連続方式(ジェットクッカー),エクストルーダ等の各種の加熱方法があげられる。このような加熱方法による加熱は、好ましくは、2.0×105 J/kg以上の熱量で行われ、好適には、3.0×105 J/kg以上の熱量で行われる。上記加熱が、2.0×105 J/kgを下回る熱量で行われると、澱粉の糊化不足による流動性の低下という問題がある。なお、上記熱量は、比熱計算により算出したものである。
【0026】
上記化工澱粉を冷却して凝固させる方法としては、上記糊化させた化工澱粉を削孔内に放置して自然冷却させる方法等があげられる。また、上記化工澱粉は、50℃以下に冷却して凝固させることが好ましく、好適には、30℃以下に冷却して凝固させる。上記化工澱粉が50℃を上回る温度で凝固すると、凝固不充分による強度の低下という問題がある。
【0027】
つぎに、実施例について説明する。
【0028】
【実施例1】
実施例1では、湿式法において、アミロース含量70重量%の原料澱粉のスラリー(固形分40重量%)に、対澱粉10重量%の酸を加えて57℃で5時間反応後、カセイソーダ液にてpH5.3に調整した。つぎに、固形分に対し3倍の水を加え、脱水,乾燥後回収し、地山改良剤を製造した。この実施例1では、必要な熱量は、2.0×105 J/kgで、得られた地山改良剤の粘度は4750mPa・sであった。
【0029】
上記の地山改良剤を用い、トンネルの切羽1を固結,安定化させるために、まず、トンネルの切羽1にジャンボドリル5により所定間隔で(例えば、1〜10個の)削孔2を穿設した(図1参照)。ついで、これら穿設された削孔2内に、周壁に複数の薬液吐出孔6aが穿設された中空パイプ状の薬液注入管6を挿入し(図2参照)、つぎに、薬液注入管6の後端開口に逆止弁付継手7を取り付け、これに接続ユニット8付ホース9を取り付けた(図3参照)。つぎに、上記削孔2の手前側開口をウエス10等で閉塞した。つぎに、上記の地山改良剤をホース9から薬液注入管6内に0.2〜2.0MPaの圧力で圧入して薬液注入管6の薬液吐出孔6aから吐出させた。そして、この吐出された地山改良剤が周辺地山にゆきわたり完全に硬化すると、地山改良剤の圧入を停止して、接続ユニット8を外した。これにより、薬液注入管6が削孔2内に固定され、削孔2の周囲の岩盤が固結,安定化された(図4)。
【0030】
【実施例2】
実施例2では、乾式法において、アミロース含量70重量%の原料澱粉のスラリーに、対澱粉0.05重量%の酸を加えた(水分30重量%となるように加えた)のち、水分12重量%程度まで一次乾燥を行う。そののち、120℃で1時間焙焼を行い、地山改良剤を製造した。この実施例2では、必要な熱量は、3.9×105 J/kgで、得られた地山改良剤の粘度は1000mPa・sであった。また、この地山改良剤を用い、実施例1と同様にして、トンネルの切羽1を固結,安定化させた。
【0031】
【実施例3】
実施例3では、連続法において、アミロース含量70重量%の原料澱粉のスラリー(固形分37.5重量%)に対し、対澱粉0.12重量%のAPSを加え、ジェットクッカーを使用し、155℃で蒸煮する。この実施例3では、必要な熱量は、3.9×105 J/kgで、得られた地山改良剤の粘度は800mPa・sであった。また、この地山改良剤を用い、実施例1と同様にして、トンネルの切羽1を固結,安定化させた。
【0032】
なお、上記実施の形態では、トンネルの切羽1を安定化させているが、これに限定するものではなく、トンネルの天盤を安定化させることも可能である。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、本発明の地山固結工法によれば、地山改良剤として、アミロース含有割合が40重量%以上である原料澱粉を酸処理等して低粘度化してなる化工澱粉を用いている。この地山改良剤は、上記原料澱粉として、アミロース含有割合が40重量%以上である澱粉を用いているため、強度が高く、凝固させた場合には、地山を固結,安定化させることができる。また、この地山改良剤は、上記原料澱粉を酸処理等して低粘度化しているため、加熱して糊化させた場合には、地山に穿設された削孔にも注入することができる。したがって、上記地山改良剤を用い、これを加熱して糊化させ、その状態で、トンネルの切羽および天盤の少なくとも一方に穿設された削孔に供給して地山に注入し、注入後に地山改良剤を削孔内で凝固させることで、上記切羽および天盤の少なくとも一方を固結,安定化させることができる。しかも、上記地山改良剤は生分解性を有するため、トンネル掘削後に、「ずり」として廃棄される土砂中に含まれる地山改良剤は、自然環境中でおいて容易に分解されるため、公害等の問題が発生しない。また、本発明の地山改良剤は、上記したように、原料澱粉として、アミロース含有割合が40重量%以上である澱粉を用いているため、強度が高い。しかも、上記原料澱粉を酸処理等して低粘度化しているため、地山に穿設された削孔等に注入可能となる。しかも、原料澱粉を酸処理等して製造したものであり、生分解性を有する。
【0034】
原料澱粉として、アミロース含有割合が40重量%以上である澱粉を用いることにより、地山改良剤としての強度向上および短時間での強度発現を実現することができる理由としては、つぎのことが考えられる。すなわち、澱粉は、α化により分子間に隙間が生じるが、(アミロースの会合で起こる)老化により、上記隙間が少ない結合になる。このため、澱粉中のアミロース含量割合が多くなるほど、老化しやすくなり、その結果、強度の向上および強度発現の時間短縮化を図ることができると考えられる。また、分子量の違いよりも、固形分濃度のファクターのほうが強度に与える影響が大きいため、低粘度化を澱粉に施している。
【0035】
本発明の地山改良剤において、上記化工澱粉が、2.0×105 J/kg以上の熱量により糊化し、50℃以下に冷却することにより凝固する場合には、一般の地山固結工法に好適に用いることができる。なお、熱量は、比熱計算により算出したものである。
【0036】
本発明において、上記酸処理等することにより、アミロース含有割合が40〜80重量%の原料澱粉が、70〜80℃で5000mPa・s以下の粘度に低粘度化される場合には、一般の地山固結工法に使用する注入剤として、好適に用いることができる。
【0037】
本発明において、糊化させた化工澱粉に、繊維とともに、土,粘土,ベントナイト,砂,硫酸バンド等の無機系材料澱粉を添加・混合してなる場合には、地山改良剤として、強度が増加するうえ、比重調整等の点で好ましい。
【0038】
本発明において、糊化させた化工澱粉に、繊維とともに、CMC(カルボキシメチルセルロース),タンパク質,寒天,ゼラチン等の有機糊料を添加・混合してなる場合には、地山改良剤として、強度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の地山固結工法の一実施の形態を示す説明図である。
【図2】上記地山固結工法を示す説明図である。
【図3】上記地山固結工法を示す説明図である。
【図4】上記地山固結工法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 切羽
2 削孔
Claims (6)
- 地山改良剤として、アミロース含有割合が40重量%以上である原料澱粉を酸処理等して低粘度化してなる化工澱粉を用い、上記地山改良剤を加熱して糊化させ、この糊化させた地山改良剤を、トンネルの切羽および天盤の少なくとも一方に穿設された削孔に供給して地山に注入し、注入後に地山改良剤を削孔内で凝固させるようにしたことを特徴とする地山固結工法。
- アミロース含有割合が40重量%以上である原料澱粉を酸処理等して低粘度化してなる化工澱粉からなることを特徴とする地山改良剤。
- 上記化工澱粉が、2.0×105 J/kg以上の熱量により糊化し、50℃以下に冷却することにより凝固する請求項2記載の地山改良剤。
- 上記酸処理等することにより、アミロース含有割合が40〜80重量%の原料澱粉が、70〜80℃で5000mPa・s以下の粘度に低粘度化される請求項2および3記載の地山改良剤。
- 糊化させた化工澱粉に、繊維とともに、土,粘土,ベントナイト,砂,硫酸バンド等の無機系材料澱粉を添加・混合してなる請求項2〜4のいずれか一項に記載の地山改良剤。
- 糊化させた化工澱粉に、繊維とともに、CMC(カルボキシメチルセルロース),タンパク質,寒天,ゼラチン等の有機糊料を添加・混合してなる請求項2〜4のいずれか一項に記載の地山改良剤。
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