【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、歯科用材料および歯科用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
天然歯のう蝕(虫歯)によって失われた歯牙または歯冠部分を補うための人工歯や歯冠材料、う蝕(虫歯)等によって生じた歯の欠陥部分を充填し補修するためのコンポジットレジンやボンディング材料、人工の歯冠を天然歯に装着する際に使用する接着材・合着材として、ラジカル重合性を有する重合性化合物を用いて得られる有機系材料を主成分とする歯科用材料、歯科用組成物が実用化されている。
【0003】
例えば、(メタ)アクリル酸エステル化合物などのラジカル重合性化合物を主成分とするレジンマトリックスと充填剤とからなるコンポジットレジンと呼ばれる歯科用材料は、該コンポジットレジン中に添加されている光重合開始剤の作用により短時間の光照射で硬化が可能であるといった操作性の良さ、ならびに、審美性を有していることから、従来使用されてきた金属材料(例えば、アマルガムなど)に代って近年広く用いられている。
【0004】
コンポジットレジンで使用される充填剤としては、微粉砕された粉末状のシリカ、ガラスなどの無機化合物が主に使用され、機械的強度等の諸物性を向上させる効果を果たしているが、歯科治療においてはX線撮影によってその治療状態を確認することが多いことから、かかる充填材として、歯科治療の際にX線撮影が可能となるように、X線造影性を有するバリウム、ジルコニウム、ストロンチウム等の重金属元素を含有したガラスを粉砕した粉末(粉砕ガラス粉末)が用いられている。
【0005】
一方、コンポジットレジンに使用されるラジカル重合性化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称、ビスフェノールA)から誘導されるエポキシメタアクリレート化合物(以下、Bis−GMAと略する)等の二官能ないし多官能メタクリレート化合物が提案され(例えば、特許文献1、2など)、実用化されている。しかしながら、これら樹脂硬化物と上記無機充填材の屈折率が一致しないと、歯科用材料、歯科用組成物の透明性が損なわれるため、数成分の(メタ)アクリリレート化合物を併用して屈折率が一致するよう調整させていた。このような充填材との屈折率適合性を有して透明性と審美性を実現でき、かつ、重合性(特に、光硬化性)に優れ、歯科用材料または歯科用組成物に要求される機械的強度、耐摩耗性、耐着色性、耐汚染性などの諸物性のより良好な歯科用材料の開発が強く要望されている。
【0006】
人工歯としては、陶質歯、ポリメチルメタアクリレートを主成分とするレジン歯、多官能(メタ)アクリレート化合物と無機充填材からなる硬質レジン歯などが実用化されている。陶質歯は古くから使用されているセラミックス系の人工歯であって、生体為害性がなく、審美性、耐摩耗性、耐変色性、耐着色性に優れているが、レジン歯、硬質レジン歯に比べて高価であり、弾性がなく脆いことから耐衝撃性に劣り、ひび割れ、破折などを起こし易い欠点があった。
【0007】
レジン歯としては、メチルメタアクリレート(MMA)をはじめとする(メタ)アクリレート系重合体または共重合体からなるのものが開発され実用化されている。これらは比較的安価であり、審美性、耐衝撃性は良好であるものの、耐摩耗性が低いため、長期間安定して使用するには欠点があった。
【0008】
硬質レジン歯は多官能メタアクリレート系モノマーおよび/またはオリゴマーに無機質充填材を混錬・分散させて重合、硬化させたレジンをさせたものであって、レジンをマトリックスとする有機−無機複合材料である。レジン歯の欠点である耐摩耗性などの機械的強度を改良したものであるが、長期間にわたっての使用後で着色したり、変色したりするなど、耐着色性、耐変色性に問題を有している。このように、従来の歯科用材料、歯科用組成物には一長一短があって状況に応じて使い分けられており、審美性あるいは上述したような実用上の物性面で改良すべき問題点を残しているのが現状であり、かかる問題点を解決した歯科用材料の開発が求められている。
【0009】
【特許文献1】
米国特許3066112号公報
【特許文献2】
特開2000−119223号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、歯科用材料または歯科用組成物おける上記の問題点を解決し、特に、審美性、耐摩耗性、耐衝撃性、耐変色性、耐着色性に優れた人工歯、歯冠用材料、歯科用充填材料を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記問題点を解決すべく、鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、
▲1▼ 式(1)(化2)で表されるメタアクリル酸エステル化合物または該化合物の(共)重合物の少なくなくとも一種を含有する歯科用材料
【0012】
【化2】
【0013】
(式中、R1は水素原子またはメチル基を表す)
▲2▼ (A)重合性化合物、(B)重合開始剤および(C)充填材を必須の構成成分として含有する歯科用組成物において、重合性化合物が前記式(1)で表されるメタアクリル酸エステル化合物の少なくとも一種であることを特徴とする▲1▼記載の歯科用組成物
▲3▼前記歯科用組成物からなるコンポジットレジン
▲4▼前記歯科用組成物からなるボンディング材
▲5▼前記歯科用組成物からなる歯冠用レジン
▲6▼前記歯科用組成物からなる人工歯に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の歯科用材料および歯科用組成物について具体的に説明する。
本発明の歯科用材料は、歯科用材料を構成する有機系材料の成分として上記式(1)で表されるメタアクリル酸エステル化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とするものである。
本発明の歯科用材料とは、下記の歯科用組成物を含む広く歯科治療において使用される有機系の歯科材料全般を包含するものであり、
例えば、歯冠用レジン、人工歯などの歯冠用材料、コンポジットレジン、根管充填材、ボンディング材などの歯科充填用材料、レジンセメント、矯正用接着材などの歯科用接着材・合着材、フィッシャーシーラント、コーティング材、クラウン・ブリッジ・インレー用レジン、支台築造材、義歯床用レジン、義歯床補修用レジンなどが例示される。
【0015】
より具体的には、本発明の歯科用組成物は、(A)重合性化合物、(B)重合開始剤、(C)充填材を必須構成成分として含有してなる組成物において、該重合性化合物として、式(1)で表されるメタアクリル酸エステル化合物を含有することを特徴とする。
【0016】
本発明の歯科用組成物とは、必須構成成分として重合性化合物の他に、重合開始剤および充填剤を含有してなるものであり、これには重合、硬化を行なう前の重合性組成物と該重合性組成物を重合、硬化して得られる硬化物が包含される。
以下、本発明に係る式(1)(化3)で表されるメタアクリル酸エステル化合物について説明する。
【0017】
【化3】
【0018】
式(1)における、R1は、水素原子またはメチル基を表す。
本発明に係る式(1)で表されるメタアクリル酸エステル化合物は、特公平6−60419号公報などに記載されている公知化合物であり、該公報などに記載の方法によって好適に製造される。
【0019】
本発明の式(1)で表されるメタアクリル酸エステル化合物を含有する歯科用材料または歯科用組成物において、式(1)で表される化合物は、単独で用いられてもよく、あるいは、式(1)で表される化合物であって互いに異なる複数が併用されても差し支えない。
【0020】
本発明における、式(1)で表されるメタアクリル酸エステル化合物は、特にその状態に関して限定されるものではないが、歯科用材料または歯科用組成物に用いる際の調製時に他の成分または添加剤を容易に溶解できるなどの操作性等の観点から、室温(25℃)付近で液体であることが好ましい。
【0021】
本発明の歯科用材料または歯科用組成物において使用される重合開始剤としては、特に限定されるものではなく、公知の各種重合開始剤(例えば、熱重合開始剤、常温重合開始剤または光重合開始剤など)が好適に使用される。
【0022】
該熱重合開始剤として、例えば、有機過酸化物、ジアゾ系化合物などが挙げられる。これらの熱重合開始剤の中で有機過酸化物として、例えば、
ジアセチルパ−オキサイド、ジイソブチルパーオキサイド、ジデカノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、スクシン酸パーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類;
ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジアリルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート類; tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ブチルネオデカネート、クメンパーオキシネオデカネートなどのパーオキシエステル類;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシドなどの過酸化スルホネート類等が挙げられる。
【0023】
ジアゾ系化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメトキシバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)などを挙げることができる。
【0024】
重合が短時間で行える等の利点から、80℃での分解半減期が10時間以下である化合物は好ましく、上記化合物の中でも、ベンゾイルパ−オキサイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルは、より好ましい化合物である。
【0025】
常温重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤と還元性化合物を組み合せて作用させることによって常温で重合を開始する、いわゆるレドックス系重合開始剤、ならびに、単独で重合可能なトリアルキルホウ素誘導体などが、代表的な具体例として挙げられる。該レドックス系重合開始剤として、特に限定はなく、公知の熱重合開始剤と還元性化合物が使用される。
【0026】
該レドックス系重合開始剤として使用される還元性化合物として、例えば、
N,N−ジメチルアニリン、p−N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、N,N−ジベンジルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジヒドロキシ−p−トルイジン、N,N−ジメチル−p−tert−ブチルアニリン、N,N−ジメチルアニシジン、N,N−ジエチル−p−クロルアニリン、
p−N,N−ジメチルアミノ安息香酸、p−N,N−ジメチルアミノ安息香酸メチル、p−N,N−ジエチルアミノ安息香酸メチル、p−N,N−ジエチルアミノ安息香酸、p−N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−N,N−ジエチルアミノ安息香酸エチル、p−N,N−ジメチルアミノ安息香酸2−n−ブトキシエチル、p−N,N−ジエチルアミノ安息香酸2−n−ブトキシエチル、
p−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒド、p−N,N−ジメチルアミノベンゾニトリル、p−N,N−ジエチルアミノベンゾニトリル、p−ジメチルアミノフェネチルアルコ−ル、
N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、N−エチルエタノールアミン、
N−フェニルグリシン、N−トリルグリシン、N−(3−メタアクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)フェニルグリシンなどのアミン化合物;
ベンゼンスルフィン酸、o−トルエンスルフィン酸、p−トルエンスルフィン酸、エチルベンゼンスルフィン酸、デシルベンゼンスルフィン酸、ドデシルベンゼンスルフィン酸、クロルベンゼンスルフィン酸などの芳香族スルフィン酸またはその塩類;
5−ブチルアミノバルビツール酸、1−ベンジル−5−フェニルバルビツ−ル酸などのバルビツール酸誘導体;
亜硫酸、重亜硫酸、メタ亜硫酸、メタ重亜硫酸、ピロ亜硫酸、チオ硫酸、1亜2チオン酸、次亜硫酸、ヒドロ亜硫酸およびこれらの塩類(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、水素ナトリウム塩、水素カリウム塩など);等の有機または無機化合物が例示される。
【0027】
また、前述の単独の常温重合開始剤としては、例えば、トリプロピルホウ素、トリイソプロピルホウ素、トリ−n−ブチルホウ素、トリ−n−アミルホウ素、トリイソアミルホウ素、トリ−sec−アミルホウ素またはこれらの一部が部分酸化されたトリアルキルホウ素酸化物などが挙げられる。
【0028】
光重合開始剤は、可視光あるいは紫外線光の照射で励起されて重合を開始する化合物であり、例えば、ベンジル、カンファ−キノン、α−ナフチル、p,p’−ジメトキシベンジル、ペンタジオン、1,4−フェナントレンキノン、ナフトキノン、トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドなどのα−ジケトン化合物類またはリン原子含有化合物などが例示される。
これらの化合物は単独で使用されてもよく、あるいは、2種類以上を混合して使用されても差し支えない。
【0029】
重合開始剤として光重合型開始剤を使用する場合に、重合性を向上させる目的で、光重合促進剤と組み合わせて使用することは好ましいことである。
かかる光重合促進剤としては、前述したようなレドックス系重合開始剤で用いられる還元性化合物(例えば、アミン化合物、芳香族スルフィン酸またはその塩類、バルビツール酸誘導体など)が使用される。
これらの化合物を光重合促進剤として使用する際には、単独で使用してもよく、あるいは、2種類以上を混合して使用しても差し支えない。
【0030】
これら化合物の中でも光重合促進剤として、p−N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−N,N−ジメチルアミノ安息香酸メチル、p−N,N−ジメチルアミノ安息香酸2−n−ブトキシエチル、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートなどは、好ましい化合物である。
【0031】
光重合開始剤と光重合促進剤を併用する組み合わせの中でも、例えば、光重合開始剤として、カンファーキノンまたはトリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドを使用し、光重合促進剤として、p−N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルまたはp−N,N−ジメチルアミノ安息香酸2−n−ブトキシエチルを使用する組み合わせは、さらに好ましい。
【0032】
これらの重合開始剤の使用量は、特に限定するものではないが、通常、重合性化合物100質量部に対して、0.001〜10質量部であり、好ましくは0.001〜5質量部であり、より好ましくは、0.005〜2質量部である。
【0033】
本発明の歯科用組成物に必須構成成分として含まれる充填材は、機械的強度の確保、光透過性の向上、X線造影性の付与、重合収縮の低減などの目的で添加される。本発明に使用される充填材としては、特に限定するものではなく、通常、公知の無機質または有機質充填材が使用される。
【0034】
かかる無機充填材として、例えば、周期律第I、II、III、IV族、遷移金属またはこれらの酸化物、塩化物、亜硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸、あるいは、これらの混合物が挙げられる。より具体的には、例えば、二酸化ケイ素、ランタンガラス、バリウムガラス、ストロンチウムガラスなどのガラス粉末;石英粉末;硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、バリウム塩、ガラスビーズ、ガラス繊維、フッ化バリウム、鉛塩、タルクを含有するガラスフィラー;シリカゲル、コロイダルシリカ、ジルコニウム酸化物、スズ酸化物、炭素繊維、その他セラミックス粉末などが挙げられる。また無機充填材の中でも、カチオン溶出性の充填材として、例えば、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウムなどの水酸化物; 酸化亜鉛、ケイ酸塩ガラス、フルオロアルミノシリケートガラス等の酸化物などの無機化合物が挙げられる。
【0035】
有機充填材として、例えば、ポリメチルメタアクリレート、ポリエチルメタアクリレート、ポリメチルメタアクリレート−ポリエチルメタアクリレート共重合体、架橋型ポリメチルメタアクリレート、架橋型ポリエチルメタアクリレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体等が挙げられる。これらは、単独で使用されてもよく、または、二種類以上を併用してもよい。
【0036】
これらのほかに本発明に使用される充填材として、前記無機質充填材に重合性化合物を添加してペースト状にした後、重合された後で粉砕して得られる有機−無機複合充填材が挙げられ、好適に使用される。
これらの充填材の中でも、無機質充填材は好ましく、前述したような各種ガラスを微粉砕して得られるガラス粉末は、より好ましい。
【0037】
本発明において使用される充填材は、一般に、臨床治療においては充填物の存在がX線写真で明瞭に確認できることが重要であるため、X線造影性を有することが好ましい。ガラス粉末にX線造影性を付与するためには、ガラス構成元素として、通常バリウム、ストロンチウム、ジルコニウム、ビスマス、タングステン、ゲルマニウム、モリブデン、ランタニド等のX線造影性を有する元素(重金属元素)が添加される。
【0038】
充填材の粒径、形状に、特に制限はなく、充填材の平均粒子径は、通常、0.01〜100μmであり、好ましくは、0.01〜50μmであり、より好ましくは、0.01〜10μmであり、さらに好ましくは、0.1〜3μmである。また、充填材の屈折率は1.53〜1.67であり、より好ましくは、1.54〜1.65である。
【0039】
本発明で使用される充填材としては、重合性化合物の硬化物(レジンマトリックス)の屈折率との屈折率の差が0.05以下である充填材が好ましく、該屈折率の差が0.02以下である充填材がより好ましい。
【0040】
本発明の歯科用材料または歯科用組成物において含まれる充填材の含有量は、重合性単量体100質量部に対して、通常、5〜2000質量部であり、好ましくは、100〜1000質量部であり、より好ましくは、100〜700質量部である。
【0041】
本発明の歯科用材料または歯科用組成物は、必須構成成分の一つである重合性化合物として、式(1)で表されるメタアクリル酸エステル化合物を含有する他に、本発明の所望の効果を損なわない程度で、式(1)で表されるメタアクリル酸エステル化合物以外の他の重合性化合物を含有してもよい。
かかる重合性化合物としては、特に限定されるものではなく、歯科用材料分野で使用されている各種公知の重合性化合物(重合性モノマーまたは重合性オリゴマーなど)が使用される。
【0042】
式(1)で表されるアクリル酸エステル化合物以外の他の重合性化合物として、重合性、硬化性などを考慮すると、好ましくは、(メタ)アクリル酸エステル化合物または(メタ)アクリル酸アミド化合物である。
低毒性で重合が速やかに達成され、加水分解を受けにくく、製造が比較的容易である(メタ)アクリル酸エステル化合物は、より好ましい化合物である。
【0043】
かかる(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、例えば、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート化合物;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−または3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、1,2−または1,3−ジヒドロキシプロピルモノ(メタ)アクリレート、エリスリトールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート化合物;
ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート化合物;
エチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート等の(ポリ)グリコールモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート;
パーフルオロオクチル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸フルオロアルキルエステル化合物;
γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリ(トリメチルシロキシ)シラン等の(メタ)アクリロキシアルキル基を有するシラン化合物;
β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、β−メタクリロイルオキシエチルマレエート等のカルボン酸含有(メタ)アクリレート化合物;
3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのハロゲン含有(メタ)アクリレート、ならびに、テトラフルフリル(メタ)アクリレート等の複素環を有する(メタ)アクリレート化合物;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、へキシレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロープロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のアルカンポリオールのポリ(メタ)アクリレート化合物;
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルカンポリオールポリ(メタ)アクリレート化合物;
あるいは、下記式(化4)で表わされる脂肪族、脂環族または芳香族の(メタ)アクリレート化合物;
【0044】
【化4】
【0045】
(ただし、上記式において、R11は水素原子またはメチル基を示し、mおよびnは0または正の整数を示し、R12は二価の有機連結基である。)
下記式(化5)で表される脂環族または芳香族エポキシジ(メタ)アクリレート;
【0046】
【化5】
【0047】
(上記式において、R13は水素原子またはメチル基を示し、nは0または正の数を示し、R14は二価の有機連結基である)
さらに、下記式(化6)で表される分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物;
【0048】
【化6】
【0049】
(上記式において、R15は水素原子またはメチル基を表し、R16は、二価の有機連結基を表す)
などの単官能もしくは多官能(メタ)アクリル酸エステル化合物が例示される。
【0050】
上記式(b)または(c)における、二価の有機連結基R12またはR14はそれぞれ、−(CH2)2−、−(CH2)4−、−(CH2)6−、あるいは
【0051】
【化7】
【0052】
のいずれかを表す。
また前式(d)における、二価の有機連結基R16は、
−(CH2)2−、−(CH2)4−、−(CH2)6−、あるいは
【0053】
【化8】
【0054】
のいずれかを表す。
上記重合性化合物の例示中、メチルメタクリレート、エチルメタアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルメタクリレート、テトラエチレングリコールモノメチルエーテルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレートまたは下記式のいずれか(化9〜化11)で表される化合物は、さらに好ましい。
【0055】
【化9】
【0056】
(上記式において、R17は水素原子またはメチル基を表し、m+nは平均2.6である)
【0057】
【化10】
【0058】
(上記式において、R17は水素原子またはメチル基を表す)
【0059】
【化11】
【0060】
(上記式において、R17は水素原子またはメチル基を表す)
さらに本発明の歯科用材料または歯科用組成物は、上記の公知の重合性化合物の他に、歯質などへの接着性を付与させることを目的に添加する酸性基含有モノマーなどを含有してもよい。
【0061】
かかる酸性基含有の重合性モノマーとしては、1分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有するモノマーとしては、モノカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸およびテトラカルボン酸またはこれらの誘導体を挙げることができる。
【0062】
例えば(メタ)アクリル酸、マレイン酸、p−ビニル安息香酸、11−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸(MAC−10)、1,4−ジ(メタ)アクリロイルオキシエチルピロメリット酸、6−(メタ)アクリロイルオキシエチルナフタレン−1,2,6−トリカルボン酸、4−(メタ)アクリロイルオキシメチルトリメリット酸およびその無水物、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸およびその無水物、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルトリメリット酸およびその無水物、4−[2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ]ブチルトリメリット酸およびその無水物、2,3−ビス(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)プロピル(メタ)アクリレート、N−o−ジ(メタ)アクリロイルオキシチロシン、o−(メタ)アクリロイルオキシチロシン、N−(メタ)アクリロイルオキシチロシン、N−(メタ)アクリロイルオキシフェニルアラニン、N−(メタ)アクリロイル−p−アミノ安息香酸、N−(メタ)アクリロイル−o−アミノ安息香酸、N−(メタ)アクリロイル5−アミノサリチル酸、N−(メタ)アクリロイル4−アミノサリチル酸、2または3または4−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとピロメリット酸二無水物の付加生成物(PMDM)、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと無水マレイン酸または3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)または3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の付加反応物、2−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロパン、N−フェニルグリシンまたはN−トリルグリシンとグリシジル(メタ)アクリレートとの付加物、4−[(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)アミノ]フタル酸、3または4−[N−メチル−N−(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)アミノ]フタル酸などを挙げることができる。
【0063】
また、1分子中に少なくとも1個のリン酸基を有するモノマーとしては、例えば2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシドホスフェート、2および3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシドホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルアシドホスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルアシドホスフェート、8−(メタ)アクリロイルオキシオクチルアシドホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルアシドホスフェート、12−(メタ)アクリロイルオキシドデシルアシドホスフェート、ビス{2−(メタ)アクリロイルオキシエチル}アシドホスフェート、ビス{2または3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル}アシドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルアシドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルp−メトキシフェニルアシドホスフェートなどを挙げることができる。これらの化合物におけるリン酸基は、チオリン酸基に置き換えることができる。
【0064】
また、1分子中に少なくとも1個のスルホン酸基を有するモノマーとして、例えば2−スルホエチル(メタ)アクリレート、2−スルホ−1−プロピル(メタ)アクリレートまたは1−スルホ−2−プロピル(メタ)アクリレート、1−スルホ−2−ブチル(メタ)アクリレート、または3−スルホ−2−ブチル(メタ)アクリレート、3−ブロモ−2−スルホ−2−プロピル(メタ)アクリレート、3−メトキシ−1−スルホ−2−プロピル(メタ)アクリレート、1,1−ジメチル−2−スルホエチル(メタ)アクリルアミドなどを挙げることができる。
【0065】
また、酸性基を含有する重合性化合物としては、11−メタクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸、4−メタクリロイルオキシエチルトリメリット酸無水物、N−メタクリロイル5−アミノサリチル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルアシドホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルアシドホスフェート、2−メチル−2−(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸等が特に好ましく用いられる。
【0066】
このような酸性基含有モノマーは、本発明の歯科用組成物中の重合性化合物100質量部に対して、通常は0.01〜100質量部の範囲で使用され、好ましくは、0.1〜50質量部、より好ましくは、0.5〜20質量部、さらに好ましくは、1〜10質量部の範囲内の量で使用される。
【0067】
本発明の歯科用組成物においては、式(1)で表されるメタアクリル酸エステル化合物と前記の公知の重合性化合物との混合物を重合、硬化させて得られる硬化体の屈折率と、充填材の屈折率との差が、通常、0.05以下になるよう調製して使用し、好ましくは、該屈折率差が0〜0.02の範囲内であり、より好ましくは、0〜0.02の範囲である。
【0068】
式(1)で表されるメタアクリル酸エステル化合物および式(1)で表されるメタアクリル酸エステル化合物以外の他の重合性化合物から調製される重合性化合物全体の粘度としては、特に制限するものではないが、通常、100〜1000000cps(mPa・s)であり、好ましくは、100〜1000000cps(mPa・s)であり、より好ましくは、1000〜100000cps(mPa・s)である。
【0069】
本発明の歯科用組成物中における必須構成成分である重合性化合物の含有量は、歯科用組成物の総重量中、5〜50重量%の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは、10〜30重量%の範囲内である。
【0070】
本発明の歯科用組成物は、必須構成成分として式(1)で表されるメタアクリル酸エステル化合物などの重合性化合物、充填材、ならびに、重合開始剤を含有しているが、所望の効果を損なわない限りにおいて、公知の各種添加剤を含有していてもよい。かかる添加剤として、例えば、顔料、染料、安定剤、ポリマー粉末、紫外線吸収剤、重合禁止剤、酸化防止剤、溶媒(例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、ジクロロメタン、メタノール、エタノール、酢酸エチル、水など)、増粘剤(例えば、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールなど)、殺菌剤、消毒剤、安定化剤、保存剤等が挙げられる。
【0071】
本発明の歯科用組成物の製造方法として、特に制限されるものではなく、従来から公知の方法により好適に実施される。すなわち、例えば、歯科修復用のコンポジットレジンの場合では、重合性化合物として式(1)で表される(メタ)アクリル酸エステル化合物、重合開始剤、充填材、さらに所望に応じて式(1)で表される(メタ)アクリル酸エステル化合物以外の他の重合性化合物を、所定量秤り取り、これらを混合、混錬してペースト状の組成物を調製する方法などが挙げられる。
【0072】
重合性化合物を使用する際に不溶物または異物を除去するために、重合前に濾過などの操作によって精製することは好ましい。また、硬化物中での気泡の生成を防止する目的で、該組成物を減圧下で充分に脱気、脱泡することは好ましい。
【0073】
本発明の歯科用組成物の使用法として、例えば、歯科修復用のコンポジットレジンでは、上記の方法で製造されたペースト状の組成物を、直接患者の窩洞内に充填して歯科治療に用いられる照射光を照射することにより硬化される方法、成形されるべき歯冠がインレーやクラウンの場合には、患者の口腔内印象から作成された窩洞歯、支台歯の模型上に、上記ワンペースト状の組成物を、歯冠形態を再現するように築盛した後、同様に活性光線を照射することにより硬化する方法が例示される。
【0074】
本発明の歯科用組成物の重合、硬化は、紫外線または可視光線などの活性光線の照射により、好適に実施される。
活性光線の光源として、例えば、蛍光灯、各種水銀灯、キセノンランプ、タングステンランプ、ハロゲンランプまたは太陽光などが使用される。
活性光線の照射時間は、活性光線の波長、強度、充填時の歯科用組成物の形状などにも影響されるので、特に限定するものではないが、通常、1秒〜5分である。
【0075】
重合、硬化の際の温度は、通常0〜100℃、好ましくは5〜60℃の範囲である。重合、硬化は、歯科治療面での都合および患者への影響、負担など考慮して、常温付近(20〜40℃)で、なるべく短時間で完了するのが好ましく、特に1〜30分間で終了させるように、組成を調整してもよい。
【0076】
また例えば、人工歯(硬質メタアクリル系)の製造方法としては、特に制限されるものではなく、従来から公知の方法により好適に実施される。すなわち式(1)で表されるメタアクリル酸エステル化合物、式(1)で表されるメタアクリル酸エステル化合物以外の他の重合性化合物、重合開始剤および充填材を所定量秤り取り、必要に応じて、着色剤、顔料などを添加して、均一になるまで混錬してペースト状の組成物を調製する。次いで、該組成物を人工歯金型に挿入して加圧成形する。すなわち、例えば、該組成物を金型内で加圧したまま、金型を加熱することにより重合成形させる。重合触媒としては、前述したような熱重合開始剤が好適に用いられる。重合終了後、該金型より成形物を取り出して本発明に係る人工歯が得られる。
【0077】
【実施例】
以下に、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
◇コンポジットレジンの調製および物性評価
以下の実施例でコンポジットレジンの調製の際に、使用する重合性化合物および無機充填材は以下の通りである。
[無機充填材]
・ガラス粉末
下記の方法により、無機充填材として使用されるガラス粉末を調製した。すなわち、二酸化珪素50重量%、酸化バリウム30重量%、酸化硼素10重量%、酸化アルミニウム10重量%を含有するガラス(屈折率1.55、平均粒径1μm)を常法により、3重量%の〔3−(メタクリロイルオキシ)プロピル〕トリメトキシシランで処理して得られた。
・微粒子シリカ(R−812)
平均粒子径0.007μmのコロイダルシリカをジメチルジクロルシラン処理して、疎水化して得られた[粒径0.01μm以上の粒子の割合が約10%:日本アエロジル(株)製]。
[公知の重合性化合物]
各実施例および比較例において使用した式(1)で表されるメタアクリル酸エステル化合物以外の公知の重合性化合物は、以下の通りである。
Bis−GMA: 2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン
Bis−MPEPP: 2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン
[コンポジットレジンの物性評価方法]
・硬化方法
各実施例および比較例で調製した歯科用組成物(コンポジットレジン)は、所定の形状のモールドに填入した上で、可視光線照射器(Kulzer社製、Translux CL)を用いて、60秒間可視光線を照射して硬化させた。
・屈折率
アッベ屈折計[アタゴ(株)製:型式1T]を用いて、20℃における屈折率を測定した。
・曲げ強さ
ISO−4049(1988)の7.8(曲げ強さ)に準じて試験を行った。曲げ強さは、島津製作所(株)製オートグラフ AGS−2000Gを用いて、クロスヘッドスピード1mm/min.で測定した。
・光線透過率(透明性)
横10mm×縦25mmの長方形の穴があいた厚さ1mmのテフロン(登録商標)製モールドにコンポジットレジンを充填し、両面をポリエステルフィルムおよびガラス板で挟み可視光線照射器(Kulzer社製、Translux CL)を用いて、一カ所につき60秒間、可視光線を照射して硬化させた。可視光の照射方法に関しては、ISO4049(1988)の7.8.2.2に記述の方法などと同様にして、サンプル全体に均等、かつ、充分に光が照射できるようにした。重合、硬化したサンプルについて紫外可視分光光度計[島津製作所(株)製UV−160A]を用いて、480nmでの光線透過率を測定した。
【0078】
【実施例1】[ 式(1)で表されるメタアクリレートを用いるコンポジットレジンの調製]
N−(3−イソプロペニル−α,α’−ジメチルベンジル)−2−メタクリロイルオキシエチルカーバメート60質量部、ならびに、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン(Bis−GMA)40質量部の混合物(液体としての屈折率1.53)に、カンファーキノン 0.5質量部とN,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル 0.5質量部とを溶解した。この混合物に ガラス粉末(G−1) 350質量部および微粒子シリカ(R−812)20質量部を混合して均一なペーストとして歯科用組成物を得た。
この歯科用組成物の硬化体の屈折率は1.55であった。
この歯科用組成物の硬化体の光線透過率、曲げ強さは良好であった。
【0079】
【実施例2】[ 式(1)で表されるメタアクリレートを用いるコンポジットレジンの調製]
実施例1において、N−(3−イソプロペニル−α,α’−ジメチルベンジル)−2−メタクリロイルオキシエチルカーバメート60質量部、ならびに、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン(Bis−GMA)40質量部の混合物を使用する代わりに、N−(3−イソプロペニル−α,α’−ジメチルベンジル)−2−メタクリロイルオキシエチルカーバメート50質量部、ならびに、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン(Bis−MPEPP)50質量部の混合物(液体としての屈折率1.53)を使用する以外は、実施例1に記載の方法と同様にして行ない、歯科用組成物を得た。
この歯科用組成物の硬化体の屈折率は1.55であった。
この歯科用組成物の硬化体の光線透過率、曲げ強さは良好であった。
【0080】
上記実施例などに代表される本発明の式(1)で表される(メタ)アクリル酸エステル化合物を含有してなる歯科用組成物は、当該組成物、歯科材料に要求されている透明性を有し審美的に優れている。また曲げ強さ、耐衝撃性などの機械的強度を有しており、かつ、耐変色性、耐着色性に優れている。
【0081】
【発明の効果】
本発明の式(1)で表されるメタアクリル酸エステル化合物を含有してなる歯科用材料または歯科用組成物により、審美性、耐摩耗性、耐衝撃性、耐変色性、耐着色性に優れた人工歯、歯冠用材料、歯科用充填材料を提供することが可能となった。[0001]
[Industrial applications]
The present invention relates to dental materials and dental compositions.
[0002]
[Prior art]
A composite resin for filling and repairing artificial teeth and crown materials to replace teeth or crown parts lost by caries (cavities) of natural teeth, and defective teeth caused by caries (cavities) Materials mainly composed of organic materials obtained by using polymerizable compounds having radical polymerizability as adhesives and bonding materials used when attaching artificial crowns to natural teeth, bonding materials, and artificial crowns , Dental compositions have been put to practical use.
[0003]
For example, a dental material called a composite resin composed of a resin matrix mainly composed of a radical polymerizable compound such as a (meth) acrylate compound and a filler is a photopolymerization initiator added to the composite resin. Has good operability such that it can be cured by light irradiation for a short time due to the action of, and has aesthetic properties. Therefore, it has recently replaced metal materials (for example, amalgam etc.) that have been conventionally used. Widely used.
[0004]
As the filler used in the composite resin, inorganic compounds such as finely ground powdered silica and glass are mainly used, and have an effect of improving various physical properties such as mechanical strength. Since the treatment state is often confirmed by X-ray photography, such fillers as barium, zirconium, strontium and the like having X-ray contrast properties are used so that X-ray imaging is possible during dental treatment. A powder obtained by crushing glass containing a heavy metal element (crushed glass powder) is used.
[0005]
On the other hand, examples of the radical polymerizable compound used for the composite resin include, for example, an epoxy methacrylate compound (hereinafter, Bis-GMA) derived from 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane (commonly called bisphenol A). Bifunctional or polyfunctional methacrylate compounds have been proposed (for example, Patent Documents 1 and 2) and have been put to practical use. However, if the refractive index of the cured resin does not match the refractive index of the inorganic filler, the transparency of the dental material or dental composition is impaired. Therefore, the refractive index is reduced by using several (meth) acrylate compounds in combination. They were adjusted to match. It has a refractive index compatibility with such a filler and can realize transparency and aesthetics, and is excellent in polymerizability (in particular, photocurability), and is required for a dental material or a dental composition. There is a strong demand for the development of dental materials having better physical properties such as mechanical strength, wear resistance, coloring resistance, and stain resistance.
[0006]
As artificial teeth, porcelain teeth, resin teeth mainly composed of polymethyl methacrylate, and hard resin teeth composed of a polyfunctional (meth) acrylate compound and an inorganic filler have been put to practical use. Ceramic teeth are artificial teeth made of ceramics that have been used for a long time and have no harm to the living body and are excellent in aesthetics, abrasion resistance, discoloration resistance, and coloring resistance. It is expensive compared to teeth, has poor elasticity and is inferior in impact resistance due to brittleness, and has the drawbacks of easily causing cracking and breaking.
[0007]
As resin teeth, those made of (meth) acrylate-based polymers or copolymers including methyl methacrylate (MMA) have been developed and put into practical use. Although they are relatively inexpensive and have good aesthetics and impact resistance, they have low abrasion resistance, and therefore have drawbacks for long-term stable use.
[0008]
A hard resin tooth is obtained by kneading and dispersing an inorganic filler in a polyfunctional methacrylate monomer and / or oligomer to polymerize and cure the resin, and is an organic-inorganic composite material using the resin as a matrix. is there. Although it has improved mechanical strength such as abrasion resistance, which is a drawback of resin teeth, it has problems in coloring and discoloration resistance such as discoloration and discoloration after long-term use. are doing. As described above, conventional dental materials and dental compositions have advantages and disadvantages and are properly used depending on the situation, leaving a problem to be improved in terms of aesthetics or practical physical properties as described above. At present, there is a demand for the development of dental materials that solve such problems.
[0009]
[Patent Document 1]
U.S. Pat. No. 3,066,112
[Patent Document 2]
JP 2000-119223 A
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
The object of the present invention is to solve the above-mentioned problems in dental materials or dental compositions, and in particular, artificial teeth and teeth having excellent aesthetics, abrasion resistance, impact resistance, discoloration resistance, and coloring resistance. To provide a crown material and a dental filling material.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies in order to solve the above problems, and as a result, have reached the present invention. That is, the present invention
(1) A dental material containing at least one methacrylate compound represented by the formula (1) or a (co) polymer of the compound.
[0012]
Embedded image
[0013]
(Where R 1 Represents a hydrogen atom or a methyl group)
{Circle around (2)} In a dental composition containing (A) a polymerizable compound, (B) a polymerization initiator and (C) a filler as essential constituents, the polymerizable compound is represented by the above formula (1). (1) The dental composition according to (1), which is at least one acrylate compound.
(3) Composite resin comprising the dental composition
{Circle around (4)} A bonding material comprising the dental composition
(5) Resin for crown made of the dental composition
(6) An artificial tooth comprising the dental composition.
[0014]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the dental material and the dental composition of the present invention will be specifically described.
The dental material of the present invention is characterized by containing at least one methacrylate compound represented by the above formula (1) as a component of an organic material constituting the dental material.
The dental material of the present invention encompasses all organic dental materials widely used in dental treatment, including the following dental composition,
For example, dental crowning materials such as resin for crowns and artificial teeth, dental filling materials such as composite resins, root canal filling materials and bonding materials, dental adhesives and bonding materials such as resin cement and orthodontic adhesives , Fischer sealant, coating material, crown bridge inlay resin, abutment building material, denture base resin, denture base repair resin, and the like.
[0015]
More specifically, the dental composition of the present invention is a composition comprising (A) a polymerizable compound, (B) a polymerization initiator, and (C) a filler as essential components. It is characterized by containing a methacrylate compound represented by the formula (1) as a compound.
[0016]
The dental composition of the present invention contains, in addition to a polymerizable compound as an essential component, a polymerization initiator and a filler, and includes a polymerizable composition before polymerization and curing. And a cured product obtained by polymerizing and curing the polymerizable composition.
Hereinafter, the methacrylate compound represented by Formula (1) (Formula 3) according to the present invention will be described.
[0017]
Embedded image
[0018]
In the formula (1), R 1 Represents a hydrogen atom or a methyl group.
The methacrylate compound represented by the formula (1) according to the present invention is a known compound described in Japanese Patent Publication No. 6-60419 or the like, and is suitably produced by the method described in the publication. .
[0019]
In the dental material or the dental composition containing the methacrylate compound represented by the formula (1) of the present invention, the compound represented by the formula (1) may be used alone, or A plurality of compounds represented by the formula (1) different from each other may be used in combination.
[0020]
In the present invention, the methacrylate compound represented by the formula (1) is not particularly limited with respect to its state, but may contain other components or additives at the time of preparation for use in a dental material or a dental composition. From the viewpoint of operability such as easy dissolution of the agent, the liquid is preferably liquid at around room temperature (25 ° C.).
[0021]
The polymerization initiator used in the dental material or the dental composition of the present invention is not particularly limited, and various known polymerization initiators (for example, a thermal polymerization initiator, a room temperature polymerization initiator, or a photopolymerization initiator) Initiators) are preferably used.
[0022]
Examples of the thermal polymerization initiator include organic peroxides and diazo compounds. As an organic peroxide in these thermal polymerization initiators, for example,
Diacyl peroxides such as diacetyl peroxide, diisobutyl peroxide, didecanoyl peroxide, benzoyl peroxide, and succinic acid peroxide;
Peroxydicarbonates such as diisopropylperoxydicarbonate, di-2-ethylhexylperoxydicarbonate and diallylperoxydicarbonate; tert-butylperoxyisobutyrate, tert-butylneodecanate, cumeneperoxyneodeca Peroxyesters such as acetylcyclohexylsulfonyl peroxide; and the like.
[0023]
Examples of the diazo compound include 2,2′-azobisisobutyronitrile, 4,4′-azobis (4-cyanovaleric acid), and 2,2′-azobis (4-methoxy-2,4-dimethoxyvaleronitrile) ), 2,2′-azobis (2-cyclopropylpropionitrile) and the like.
[0024]
Compounds having a decomposition half-life at 80 ° C. of 10 hours or less are preferred from the viewpoint that polymerization can be performed in a short time, and among the above compounds, benzoyl peroxide and 2,2′-azobisisobutyronitrile are More preferred compounds.
[0025]
Examples of the room temperature polymerization initiator include, for example, a so-called redox polymerization initiator that initiates polymerization at room temperature by acting in combination with a thermal polymerization initiator and a reducing compound, and a trialkyl boron derivative that can be polymerized alone. Is a typical specific example. The redox polymerization initiator is not particularly limited, and a known thermal polymerization initiator and a known reducing compound are used.
[0026]
As the reducing compound used as the redox polymerization initiator, for example,
N, N-dimethylaniline, pN, N-dihydroxyethylaniline, N, N-dibenzylaniline, N, N-dimethyl-p-toluidine, N, N-diethyl-p-toluidine, N, N-dihydroxy -P-toluidine, N, N-dimethyl-p-tert-butylaniline, N, N-dimethylanisidine, N, N-diethyl-p-chloroaniline,
p-N, N-dimethylaminobenzoic acid, p-N, N-dimethylaminobenzoic acid methyl, p-N, N-diethylaminobenzoic acid methyl, pN, N-diethylaminobenzoic acid, p-N, N- Ethyl dimethylaminobenzoate, ethyl pN, N-diethylaminobenzoate, 2-n-butoxyethyl pN, N-dimethylaminobenzoate, 2-n-butoxyethyl pN, N-diethylaminobenzoate,
pN, N-dimethylaminobenzaldehyde, pN, N-dimethylaminobenzonitrile, pN, N-diethylaminobenzonitrile, p-dimethylaminophenethyl alcohol,
N, N-dimethylaminoethyl methacrylate, triethylamine, tributylamine, tripropylamine, N-ethylethanolamine,
Amine compounds such as N-phenylglycine, N-tolylglycine, N- (3-methacryloyloxy-2-hydroxypropyl) phenylglycine;
Aromatic sulfinic acids such as benzenesulfinic acid, o-toluenesulfinic acid, p-toluenesulfinic acid, ethylbenzenesulfinic acid, decylbenzenesulfinic acid, dodecylbenzenesulfinic acid and chlorobenzenesulfinic acid, and salts thereof;
Barbituric acid derivatives such as 5-butylaminobarbituric acid, 1-benzyl-5-phenylbarbituric acid;
Sulfurous acid, bisulfite, metasulfite, metabisulfite, pyrosulfite, thiosulfate, dithionite, hyposulfite, hydrosulfite and salts thereof (for example, sodium salt, potassium salt, sodium hydrogen salt, hydrogen potassium salt, etc.) ); And the like.
[0027]
In addition, as the above-mentioned single room temperature polymerization initiator, for example, tripropyl boron, triisopropyl boron, tri-n-butyl boron, tri-n-amyl boron, triisoamyl boron, tri-sec-amyl boron, Examples thereof include partially alkylated trialkylboron oxides.
[0028]
The photopolymerization initiator is a compound that is excited by irradiation with visible light or ultraviolet light to start polymerization, and includes, for example, benzyl, camphor-quinone, α-naphthyl, p, p′-dimethoxybenzyl, pentadione, 1,4 Α-diketone compounds such as phenanthrenequinone, naphthoquinone, and trimethylbenzoyldiphenylphosphine oxide; and phosphorus atom-containing compounds.
These compounds may be used alone or in combination of two or more.
[0029]
When a photopolymerization initiator is used as the polymerization initiator, it is preferable to use it in combination with a photopolymerization accelerator for the purpose of improving the polymerizability.
As such a photopolymerization accelerator, a reducing compound (for example, an amine compound, an aromatic sulfinic acid or a salt thereof, a barbituric acid derivative, etc.) used in the above-described redox polymerization initiator is used.
When these compounds are used as a photopolymerization accelerator, they may be used alone or as a mixture of two or more.
[0030]
Among these compounds, as a photopolymerization promoter, ethyl pN, N-dimethylaminobenzoate, methyl pN, N-dimethylaminobenzoate, 2-n-butoxyethyl pN, N-dimethylaminobenzoate , N, N-dimethylaminoethyl methacrylate and the like are preferred compounds.
[0031]
Among combinations in which a photopolymerization initiator and a photopolymerization accelerator are used in combination, for example, camphorquinone or trimethylbenzoyldiphenylphosphine oxide is used as a photopolymerization initiator, and p-N, N-dimethyl is used as a photopolymerization accelerator. Combinations using ethyl aminobenzoate or 2-n-butoxyethyl pN, N-dimethylaminobenzoate are more preferred.
[0032]
The amount of these polymerization initiators is not particularly limited, but is usually 0.001 to 10 parts by mass, preferably 0.001 to 5 parts by mass, based on 100 parts by mass of the polymerizable compound. And more preferably 0.005 to 2 parts by mass.
[0033]
The filler contained as an essential component in the dental composition of the present invention is added for the purpose of securing mechanical strength, improving light transmittance, imparting X-ray contrast, reducing polymerization shrinkage, and the like. The filler used in the present invention is not particularly limited, and generally, a known inorganic or organic filler is used.
[0034]
Examples of such an inorganic filler include, for example, Group I, II, III, and IV of the Periodic Rule, transition metals and their oxides, chlorides, sulfites, carbonates, phosphates, silicic acids, and mixtures thereof. No. More specifically, for example, glass powder such as silicon dioxide, lanthanum glass, barium glass, strontium glass; quartz powder; barium sulfate, aluminum oxide, titanium oxide, barium salt, glass beads, glass fiber, barium fluoride, lead Glass filler containing salt and talc; silica gel, colloidal silica, zirconium oxide, tin oxide, carbon fiber, and other ceramic powders. Among the inorganic fillers, cation-eluting fillers include, for example, hydroxides such as calcium hydroxide and strontium hydroxide; and inorganic compounds such as oxides such as zinc oxide, silicate glass and fluoroaluminosilicate glass. Is mentioned.
[0035]
As the organic filler, for example, polymethyl methacrylate, polyethyl methacrylate, polymethyl methacrylate-polyethyl methacrylate copolymer, cross-linked polymethyl methacrylate, cross-linked polyethyl methacrylate, ethylene-vinyl acetate copolymer Coalition, styrene-butadiene copolymer, acrylonitrile-styrene copolymer, acrylonitrile-styrene-butadiene copolymer and the like. These may be used alone or in combination of two or more.
[0036]
In addition to these, as the filler used in the present invention, an organic-inorganic composite filler obtained by adding a polymerizable compound to the inorganic filler to form a paste and then pulverizing after polymerization is obtained. And are preferably used.
Among these fillers, inorganic fillers are preferable, and glass powder obtained by pulverizing various kinds of glass as described above is more preferable.
[0037]
In general, it is important for the filler used in the present invention to have X-ray contrast since it is important in clinical treatment that the presence of the filler can be clearly confirmed with an X-ray photograph. In order to impart X-ray contrast to glass powder, an element having X-ray contrast (heavy metal element) such as barium, strontium, zirconium, bismuth, tungsten, germanium, molybdenum or lanthanide is usually added as a glass constituent element. Is done.
[0038]
The particle size and shape of the filler are not particularly limited, and the average particle size of the filler is generally 0.01 to 100 μm, preferably 0.01 to 50 μm, more preferably 0.01 to 50 μm. 10 to 10 μm, and more preferably 0.1 to 3 μm. Further, the refractive index of the filler is from 1.53 to 1.67, more preferably from 1.54 to 1.65.
[0039]
As the filler used in the present invention, a filler having a difference in refractive index from the refractive index of a cured product of a polymerizable compound (resin matrix) of 0.05 or less is preferable. Fillers that are 02 or less are more preferred.
[0040]
The content of the filler contained in the dental material or the dental composition of the present invention is usually 5 to 2000 parts by mass, preferably 100 to 1000 parts by mass, based on 100 parts by mass of the polymerizable monomer. Parts, more preferably 100 to 700 parts by mass.
[0041]
The dental material or the dental composition of the present invention contains a methacrylate compound represented by the formula (1) as a polymerizable compound, which is one of the essential components, as well as a desired compound of the present invention. To the extent that the effect is not impaired, a polymerizable compound other than the methacrylate compound represented by the formula (1) may be contained.
Such a polymerizable compound is not particularly limited, and various known polymerizable compounds (such as a polymerizable monomer or a polymerizable oligomer) used in the field of dental materials are used.
[0042]
As a polymerizable compound other than the acrylate compound represented by the formula (1), in consideration of polymerizability, curability, and the like, preferably a (meth) acrylate compound or a (meth) acrylamide compound is used. is there.
(Meth) acrylic acid ester compounds, which have low toxicity, are quickly polymerized, are less susceptible to hydrolysis, and are relatively easy to produce, are more preferred compounds.
[0043]
Such (meth) acrylic acid ester compounds include, for example,
Methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, butyl (meth) acrylate, hexyl (meth) acrylate, 2-ethylhexyl (meth) acrylate, dodecyl (meth) acrylate, lauryl (meth) acrylate, cyclohexyl (meth) acrylate, Alkyl (meth) acrylate compounds such as benzyl (meth) acrylate, isobornyl (meth) acrylate, and adamantyl (meth) acrylate;
2-hydroxyethyl (meth) acrylate, 2- or 3-hydroxypropyl (meth) acrylate, 4-hydroxybutyl (meth) acrylate, 5-hydroxypentyl (meth) acrylate, 6-hydroxyhexyl (meth) acrylate, 1, Hydroxyalkyl (meth) acrylate compounds such as 2- or 1,3-dihydroxypropyl mono (meth) acrylate and erythritol mono (meth) acrylate;
Polyethylene glycol mono (meth) acrylate compounds such as diethylene glycol mono (meth) acrylate, triethylene glycol mono (meth) acrylate, polyethylene glycol mono (meth) acrylate, and polypropylene glycol mono (meth) acrylate;
Ethylene glycol monomethyl ether (meth) acrylate, ethylene glycol monoethyl ether (meth) acrylate, diethylene glycol monomethyl ether (meth) acrylate, triethylene glycol monomethyl ether (meth) acrylate, polyethylene glycol monomethyl ether (meth) acrylate, polypropylene glycol monoalkyl (Poly) glycol monoalkyl ether (meth) acrylates such as ether (meth) acrylate;
Fluoroalkyl (meth) acrylate compounds such as perfluorooctyl (meth) acrylate and hexafluorobutyl (meth) acrylate;
silane compounds having a (meth) acryloxyalkyl group such as γ- (meth) acryloxypropyltrimethoxysilane and γ- (meth) acryloxypropyltri (trimethylsiloxy) silane;
carboxylic acid-containing (meth) acrylate compounds such as β-methacryloyloxyethyl hydrogen phthalate, β-methacryloyloxyethyl hydrogen succinate, β-methacryloyloxyethyl maleate;
Halogen-containing (meth) acrylates such as 3-chloro-2-hydroxypropyl methacrylate, and (meth) acrylate compounds having a heterocyclic ring such as tetrafurfuryl (meth) acrylate;
Ethylene glycol di (meth) acrylate, propylene glycol di (meth) acrylate, butylene glycol di (meth) acrylate, neopentyl glycol di (meth) acrylate, hexylene glycol di (meth) acrylate, trimethylopropane tri (meth) acrylate Poly (meth) acrylate compounds of alkane polyols such as pentaerythritol tetra (meth) acrylate;
Diethylene glycol di (meth) acrylate, triethylene glycol di (meth) acrylate, polyethylene glycol di (meth) acrylate, dipropylene glycol di (meth) acrylate, polypropylene glycol di (meth) acrylate, dibutylene glycol di (meth) acrylate, Polyoxyalkane polyol poly (meth) acrylate compounds such as dipentaerythritol hexa (meth) acrylate;
Alternatively, an aliphatic, alicyclic or aromatic (meth) acrylate compound represented by the following formula (Formula 4);
[0044]
Embedded image
[0045]
(However, in the above formula, R 11 Represents a hydrogen atom or a methyl group; m and n each represent 0 or a positive integer; 12 Is a divalent organic linking group. )
An alicyclic or aromatic epoxy di (meth) acrylate represented by the following formula (Formula 5);
[0046]
Embedded image
[0047]
(In the above formula, R Thirteen Represents a hydrogen atom or a methyl group; n represents 0 or a positive number; 14 Is a divalent organic linking group)
A (meth) acrylate compound having a urethane bond in the molecule represented by the following formula (Formula 6);
[0048]
Embedded image
[0049]
(In the above formula, R Fifteen Represents a hydrogen atom or a methyl group; 16 Represents a divalent organic linking group)
And monofunctional or polyfunctional (meth) acrylic acid ester compounds.
[0050]
In the above formula (b) or (c), the divalent organic linking group R 12 Or R 14 Is-(CH 2 ) 2 -,-(CH 2 ) 4 -,-(CH 2 ) 6 -Or
[0051]
Embedded image
[0052]
Represents any of
In the formula (d), the divalent organic linking group R 16 Is
− (CH 2 ) 2 -,-(CH 2 ) 4 -,-(CH 2 ) 6 -Or
[0053]
Embedded image
[0054]
Represents any of
Among the examples of the polymerizable compound, methyl methacrylate, ethyl methacrylate, 2-hydroxyethyl methacrylate, diethylene glycol monomethyl ether methacrylate, tetraethylene glycol monomethyl ether methacrylate, ethylene glycol dimethacrylate, triethylene glycol dimethacrylate, or any of the following formulas ( Compounds represented by Chemical formulas 9 to 11) are more preferable.
[0055]
Embedded image
[0056]
(In the above formula, R 17 Represents a hydrogen atom or a methyl group, and m + n is 2.6 on average)
[0057]
Embedded image
[0058]
(In the above formula, R 17 Represents a hydrogen atom or a methyl group)
[0059]
Embedded image
[0060]
(In the above formula, R 17 Represents a hydrogen atom or a methyl group)
Further, the dental material or the dental composition of the present invention contains, in addition to the above-mentioned known polymerizable compound, an acidic group-containing monomer and the like added for the purpose of imparting adhesiveness to teeth and the like. Is also good.
[0061]
Examples of such an acidic group-containing polymerizable monomer include monomers having at least one carboxyl group in one molecule, such as a monocarboxylic acid, a dicarboxylic acid, a tricarboxylic acid, and a tetracarboxylic acid, and derivatives thereof.
[0062]
For example, (meth) acrylic acid, maleic acid, p-vinylbenzoic acid, 11- (meth) acryloyloxy-1,1-undecanedicarboxylic acid (MAC-10), 1,4-di (meth) acryloyloxyethylpyromellit Acid, 6- (meth) acryloyloxyethylnaphthalene-1,2,6-tricarboxylic acid, 4- (meth) acryloyloxymethyltrimellitic acid and its anhydride, 4- (meth) acryloyloxyethyltrimellitic acid and its Anhydride, 4- (meth) acryloyloxybutyl trimellitic acid and its anhydride, 4- [2-hydroxy-3- (meth) acryloyloxy] butyl trimellitic acid and its anhydride, 2,3-bis (3 , 4-Dicarboxybenzoyloxy) propyl (meth) acrylate, No-di (meth) ) Acryloyloxytyrosine, o- (meth) acryloyloxytyrosine, N- (meth) acryloyloxytyrosine, N- (meth) acryloyloxyphenylalanine, N- (meth) acryloyl-p-aminobenzoic acid, N- (meth) Acryloyl-o-aminobenzoic acid, N- (meth) acryloyl 5-aminosalicylic acid, N- (meth) acryloyl 4-aminosalicylic acid, 2 or 3 or 4- (meth) acryloyloxybenzoic acid, 2-hydroxyethyl (meth) ) Addition product of acrylate and pyromellitic dianhydride (PMDM), 2-hydroxyethyl (meth) acrylate and maleic anhydride or 3,3 ′, 4,4′-benzophenonetetracarboxylic dianhydride (BTDA) Or 3,3 ', 4,4'-biphenyltetracarboxylic Addition reaction product of dianhydride, 2- (3,4-dicarboxybenzoyloxy) 1,3-di (meth) acryloyloxypropane, addition of N-phenylglycine or N-tolylglycine with glycidyl (meth) acrylate , 4-[(2-hydroxy-3- (meth) acryloyloxypropyl) amino] phthalic acid, 3 or 4- [N-methyl-N- (2-hydroxy-3- (meth) acryloyloxypropyl) amino ] Phthalic acid and the like.
[0063]
Examples of the monomer having at least one phosphate group in one molecule include 2- (meth) acryloyloxyethyl acid phosphate, 2 and 3- (meth) acryloyloxypropyl acid phosphate, and 4- (meth) acryloyl Oxybutyl acid phosphate, 6- (meth) acryloyloxyhexyl acid phosphate, 8- (meth) acryloyloxyoctyl acid phosphate, 10- (meth) acryloyloxydecyl acid phosphate, 12- (meth) acryloyl oxide decyl acid phosphate, bis {2- (meth) acryloyloxyethyl} acid phosphate, bis {2 or 3- (meth) acryloyloxypropyl} acid phosphate, 2- (meth) acryloyloxyethylphenyl Shidohosufeto, etc. can be mentioned 2- (meth) acryloyloxyethyl p- methoxyphenyl acid phosphate. The phosphate group in these compounds can be replaced by a thiophosphate group.
[0064]
Further, as a monomer having at least one sulfonic acid group in one molecule, for example, 2-sulfoethyl (meth) acrylate, 2-sulfo-1-propyl (meth) acrylate or 1-sulfo-2-propyl (meth) acrylate , 1-sulfo-2-butyl (meth) acrylate, or 3-sulfo-2-butyl (meth) acrylate, 3-bromo-2-sulfo-2-propyl (meth) acrylate, 3-methoxy-1-sulfo- Examples thereof include 2-propyl (meth) acrylate and 1,1-dimethyl-2-sulfoethyl (meth) acrylamide.
[0065]
Examples of the polymerizable compound having an acidic group include 11-methacryloyloxy-1,1-undecanedicarboxylic acid, 4-methacryloyloxyethyl trimellitic anhydride, N-methacryloyl 5-aminosalicylic acid, and 2- (meth) yl. Acryloyloxyethyl phenyl acid phosphate, 10- (meth) acryloyloxydecyl acid phosphate, 2-methyl-2- (meth) acrylamidopropanesulfonic acid and the like are particularly preferably used.
[0066]
Such an acidic group-containing monomer is used in an amount of usually from 0.01 to 100 parts by mass, preferably from 0.1 to 100 parts by mass, based on 100 parts by mass of the polymerizable compound in the dental composition of the present invention. It is used in an amount of 50 parts by mass, more preferably 0.5 to 20 parts by mass, still more preferably 1 to 10 parts by mass.
[0067]
In the dental composition of the present invention, the refractive index of a cured product obtained by polymerizing and curing a mixture of the methacrylate compound represented by the formula (1) and the known polymerizable compound, The material is usually prepared and used so that the difference with the refractive index of the material is 0.05 or less, preferably the refractive index difference is in the range of 0 to 0.02, more preferably 0 to 0. .02.
[0068]
The viscosity of the entire polymerizable compound prepared from the methacrylate compound represented by the formula (1) and another polymerizable compound other than the methacrylate compound represented by the formula (1) is particularly limited. Although it is not a thing, it is usually 100 to 1,000,000 cps (mPa · s), preferably 100 to 1,000,000 cps (mPa · s), and more preferably 1000 to 100000 cps (mPa · s).
[0069]
The content of the polymerizable compound which is an essential component in the dental composition of the present invention is preferably in the range of 5 to 50% by weight, more preferably 10 to 50% by weight, based on the total weight of the dental composition. -30% by weight.
[0070]
The dental composition of the present invention contains, as essential components, a polymerizable compound such as a methacrylate compound represented by the formula (1), a filler, and a polymerization initiator. May be contained as long as the above-mentioned is not impaired. Such additives include, for example, pigments, dyes, stabilizers, polymer powders, ultraviolet absorbers, polymerization inhibitors, antioxidants, solvents (eg, hexane, heptane, octane, toluene, dichloromethane, methanol, ethanol, ethyl acetate, Water, a thickener (eg, polyvinylpyrrolidone, carboxymethylcellulose, polyvinyl alcohol, etc.), a bactericide, a disinfectant, a stabilizer, a preservative, and the like.
[0071]
The method for producing the dental composition of the present invention is not particularly limited, and is suitably carried out by a conventionally known method. That is, for example, in the case of a composite resin for dental restoration, a (meth) acrylate compound represented by the formula (1) as a polymerizable compound, a polymerization initiator, a filler, and, if desired, a compound represented by the formula (1) And a method in which a predetermined amount of a polymerizable compound other than the (meth) acrylate compound represented by the formula is weighed, and these are mixed and kneaded to prepare a paste-like composition.
[0072]
In order to remove insolubles or foreign substances when using the polymerizable compound, it is preferable to purify the polymerizable compound by an operation such as filtration before polymerization. It is preferable that the composition is sufficiently degassed and defoamed under reduced pressure for the purpose of preventing generation of bubbles in the cured product.
[0073]
As a method of using the dental composition of the present invention, for example, in a composite resin for dental restoration, the paste-like composition produced by the above-described method is directly filled into the cavity of a patient and used for dental treatment. The method of curing by irradiating irradiation light, when the crown to be molded is an inlay or crown, the above-mentioned one paste is placed on a model of a cavity tooth or an abutment tooth created from an intraoral impression of a patient. After embedding the composition in the shape of a crown so as to reproduce the shape of the crown, a method of curing the composition by irradiating it with actinic rays in the same manner is exemplified.
[0074]
The polymerization and hardening of the dental composition of the present invention are suitably carried out by irradiation with actinic rays such as ultraviolet rays or visible rays.
As the light source of the actinic ray, for example, a fluorescent lamp, various mercury lamps, a xenon lamp, a tungsten lamp, a halogen lamp, sunlight, or the like is used.
The irradiation time of the actinic ray is not particularly limited since it is affected by the wavelength and intensity of the actinic ray, the shape of the dental composition at the time of filling, and is usually 1 second to 5 minutes.
[0075]
The temperature at the time of polymerization and curing is usually in the range of 0 to 100 ° C, preferably 5 to 60 ° C. The polymerization and hardening are preferably completed at around room temperature (20 to 40 ° C.) in as short a time as possible, particularly in 1 to 30 minutes, taking into account the convenience of dental treatment, the influence on the patient and the burden. The composition may be adjusted so as to allow the composition to be adjusted.
[0076]
Further, for example, a method for producing an artificial tooth (hard methacrylic) is not particularly limited, and is preferably performed by a conventionally known method. That is, a predetermined amount of a methacrylate compound represented by the formula (1), a polymerizable compound other than the methacrylate ester compound represented by the formula (1), a polymerization initiator, and a filler are weighed and measured. According to the above, a colorant, a pigment and the like are added, and the mixture is kneaded until it becomes uniform to prepare a paste-like composition. Next, the composition is inserted into an artificial tooth mold and pressed. That is, for example, the composition is polymerized by heating the mold while pressurizing the composition in the mold. As the polymerization catalyst, the above-mentioned thermal polymerization initiator is suitably used. After completion of the polymerization, the molded product is taken out from the mold to obtain the artificial tooth according to the present invention.
[0077]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail, but the present invention is not limited to these examples.
調製 Preparation and physical property evaluation of composite resin
In the following examples, the polymerizable compound and the inorganic filler used in preparing the composite resin are as follows.
[Inorganic filler]
・ Glass powder
Glass powder used as an inorganic filler was prepared by the following method. That is, a glass containing 50% by weight of silicon dioxide, 30% by weight of barium oxide, 10% by weight of boron oxide, and 10% by weight of aluminum oxide (refractive index: 1.55, average particle size: 1 μm) was added in an amount of 3% by weight by a conventional method. It was obtained by treating with [3- (methacryloyloxy) propyl] trimethoxysilane.
-Fine particle silica (R-812)
Colloidal silica having an average particle diameter of 0.007 μm was treated with dimethyldichlorosilane to make it hydrophobic, and thus obtained [the ratio of particles having a particle diameter of 0.01 μm or more is about 10%: manufactured by Nippon Aerosil Co., Ltd.].
[Known polymerizable compound]
Known polymerizable compounds other than the methacrylate compound represented by the formula (1) used in each of the examples and comparative examples are as follows.
Bis-GMA: 2,2-bis [4- (2-hydroxy-3-methacryloyloxypropoxy) phenyl] propane
Bis-MPEPP: 2,2-bis (4-methacryloyloxypolyethoxyphenyl) propane
[Method of evaluating physical properties of composite resin]
・ Curing method
The dental composition (composite resin) prepared in each of Examples and Comparative Examples was charged into a mold having a predetermined shape, and then visible using a visible light irradiator (Translux CL, manufactured by Kulzer) for 60 seconds. It was cured by irradiation with light.
・ Refractive index
The refractive index at 20 ° C. was measured using an Abbe refractometer [manufactured by Atago Co., Ltd .: Model 1T].
・ Bending strength
The test was performed according to 7.8 (flexural strength) of ISO-4049 (1988). The bending strength was measured at a crosshead speed of 1 mm / min. Using an Autograph AGS-2000G manufactured by Shimadzu Corporation. Was measured.
・ Light transmittance (transparency)
A 1 mm thick Teflon (registered trademark) mold having a rectangular hole with a width of 10 mm and a length of 25 mm is filled with a composite resin, and both sides are sandwiched between a polyester film and a glass plate. And cured by irradiating visible light for 60 seconds per location. The method of irradiating the visible light was the same as that described in 7.8.2.2 of ISO 4049 (1988), etc., so that the entire sample could be uniformly and sufficiently irradiated with light. The light transmittance at 480 nm of the polymerized and cured sample was measured using an ultraviolet-visible spectrophotometer [UV-160A manufactured by Shimadzu Corporation].
[0078]
Example 1 [Preparation of composite resin using methacrylate represented by formula (1)]
60 parts by mass of N- (3-isopropenyl-α, α'-dimethylbenzyl) -2-methacryloyloxyethyl carbamate and 2,2-bis [4- (2-hydroxy-3-methacryloyloxypropoxy) phenyl] 0.5 parts by mass of camphorquinone and 0.5 parts by mass of N, N-dimethylaminobenzoic acid ethyl ester were dissolved in a mixture (refractive index 1.53 as a liquid) of 40 parts by mass of propane (Bis-GMA). . To this mixture, 350 parts by mass of glass powder (G-1) and 20 parts by mass of fine particle silica (R-812) were mixed to obtain a dental composition as a uniform paste.
The refractive index of the cured product of this dental composition was 1.55.
The light transmittance and bending strength of the cured product of this dental composition were good.
[0079]
Example 2 [Preparation of composite resin using methacrylate represented by formula (1)]
In Example 1, 60 parts by mass of N- (3-isopropenyl-α, α′-dimethylbenzyl) -2-methacryloyloxyethyl carbamate and 2,2-bis [4- (2-hydroxy-3-methacryloyl) Instead of using a mixture of 40 parts by weight of oxypropoxy) phenyl] propane (Bis-GMA), 50 parts by weight of N- (3-isopropenyl-α, α′-dimethylbenzyl) -2-methacryloyloxyethylcarbamate, and Example 2 except that a mixture of 50 parts by mass of 2,2-bis (4-methacryloyloxypolyethoxyphenyl) propane (Bis-MPEPP) (refractive index 1.53 as a liquid) was used. The same procedure was performed to obtain a dental composition.
The refractive index of the cured product of this dental composition was 1.55.
The light transmittance and bending strength of the cured product of this dental composition were good.
[0080]
The dental composition containing the (meth) acrylic acid ester compound represented by the formula (1) of the present invention represented by the above examples and the like is characterized by the transparency required for the composition and the dental material. Excellent aesthetic. Further, it has mechanical strength such as bending strength and impact resistance, and is excellent in discoloration resistance and coloring resistance.
[0081]
【The invention's effect】
The dental material or the dental composition containing the methacrylic acid ester compound represented by the formula (1) of the present invention has improved aesthetics, abrasion resistance, impact resistance, discoloration resistance, and coloring resistance. It has become possible to provide excellent artificial teeth, crown materials, and dental filling materials.