【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面層、化粧板および化粧板の製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来から内装材料として、メラミン樹脂化粧板、ポリエステル樹脂化粧板、塩化ビニル樹脂化粧シート等の化粧板が使用されている。これらの中でもメラミン樹脂化粧板は、表面硬度が高く、耐汚染性に優れる等の良好な表面性能を有している点、および化粧紙に豊富な色柄が選択でき意匠性にも優れている点等により化粧板として広く使用されている（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
しかし、メラミン樹脂化粧板は、比較的反りが大きく、寸法安定性に劣るといった問題点を有していた。
【０００４】
また、近年、収納、洗面流し、キッチン等の扉や家具、さらに車両用途等の内装デザインの指向変化から、大きい曲率で曲面加工可能な化粧板が要求されている。これに対して、メラミン樹脂化粧板は、上述した表面特性を有するために、曲面加工を行うのは比較的困難な化粧板であった。
【０００５】
【特許文献】
特開平２−１２３１３９号公報
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、寸法安定性に優れ、曲面加工を容易に実施できる化粧板を提供することである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記（１）〜（１３）に記載の本発明により達成される。
（１）化粧板の表面を構成する表面層であって、前記表面層は、伸縮性を有する基材と第１の樹脂組成物とで構成される第１層と、伸縮性を有する基材と第２の樹脂組成物とで構成される第２層と、前記第１層と第２層との間に設けられる化粧紙層とを有することを特徴とする表面層。
（２）前記表面層の引張り伸び率は、０．４％〜４％である第（１）に記載の表面層。
（３）前記表面層の厚さは、１０〜６００μｍである第（１）または（２）に記載の表面層。
（４）前記第１層を構成する伸縮性を有する基材の含有率は、前記第１層全体の３〜３０重量％である第（１）ないし（３）のいずれかに記載の表面層。
（５）前記第２層を構成する伸縮性を有する基材の含有率は、前記第２層全体の３〜３０重量％である第（１）ないし（４）のいずれかに記載の表面層。
（６）前記伸縮性を有する基材の坪量は、１０〜９０ｇ／ｍ２である第（１）ないし（５）のいずれかに記載の表面層。
（７）前記伸縮性を有する基材は、クレープ紙である第（１）ないし（６）のいずれかに記載の表面層。
（８）前記クレープ紙のクレープ率は、２〜４０％である第（７）に記載の表面層。
（９）第（１）ないし（８）のいずれかに記載の表面層と、その片面に設けられたコア層とが積層されたことを特徴とする化粧板。
（１０）前記コア層は、フェノール樹脂含浸紙で構成される層である第（９）に記載の化粧板。
（１１）第（１）ないし（８）のいずれかに記載の表面層と、コア層とを重ねて、加熱、加圧することを特徴とする化粧板の製造方法。
（１２）第（１）ないし（８）のいずれかに記載の表面層と、コア層とを重ね、加熱、加圧して得られる化粧板の製造方法であって、加熱、加圧前の前の化粧紙は、硬化性樹脂が未含浸であることを特徴とする化粧板の製造方法。
（１３）第（１）ないし（８）のいずれかに記載の表面層と、コア層とを重ね、加熱、加圧して得られる化粧板の製造方法であって、加熱、加圧前の化粧紙は、硬化性樹脂が未含浸の状態であり、加熱、加圧により硬化性樹脂が化粧紙に含浸することを特徴とする化粧板の製造方法。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の表面層、化粧板および化粧板の製造方法について詳細に説明する。
本発明の表面層は、化粧板の表面を構成する表面層であって、前記表面層は、伸縮性を有する基材と第１の樹脂組成物とで構成される第１層と、伸縮性を有する基材と第２の樹脂組成物とで構成される第２層と、前記第１層と第２層との間に設けられる化粧紙層とを有することを特徴とするものである。
また、本発明の化粧板は、上述の表面層と、その片面に設けられたコア層とが積層されたことを特徴とするものである。
また、本発明の化粧板の製造方法は、上述の表面層と、コア層とを重ねて、加熱、加圧することを特徴とするものである。
【０００９】
本発明の表面層および化粧板について、好適な実施の形態に基づいて説明する。
図１は、本発明の化粧板の一例を模式的に示す断面図である。
化粧板１は、伸縮性を有する基材と第１の樹脂組成物とで構成される第１層２１と、伸縮性を有する基材と第２の樹脂組成物とで構成される第２層２３と、第１層２１と第２層２３との間に設けられる化粧紙層２２とを有する表面層２と、表面層２の片面（図１下側）に設けられたコア層３とで構成される。
表面層２は、第１層２１と、化粧紙層２２と、第２層２３とがこの順で構成されている。
【００１０】
コア層３は、パーチカルボード、ファイバーボード、合板等の基板に化粧板を接着する時の接着性を付与する機能、基材の凹凸が化粧板の表面に現れないようにする機能、化粧板の強度および寸法安定性を保持する機能等を有している。
第１層２１は、化粧板の表面に傷等が生じるのを保護する機能を有している。また、化粧板の曲げ加工性を向上する機能も有している。
化粧紙層２２は、化粧紙の選択によって化粧板に種々の意匠性を付与する機能を有している。
第２層２３は、コア層３を遮蔽する機能およびコア層３との接着性を向上する機能とを有している。また、化粧板の曲げ加工性を向上する機能も有している。
なお、コア層３の下側には、図示されないがバック層を設けても構わない。
【００１１】
コア層３は、例えば樹脂を繊維基材に含浸して得られる。
前記樹脂としては、例えばフェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の硬化性樹脂、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの中でもフェノール樹脂が好ましい。これにより、合板等の基材との接着性を向上することができる。
【００１２】
前記繊維基材としては、例えばクラフト紙等の紙基材、ガラス繊維等の無機繊維基材、ポリエステル、アラミド繊維等の化学合成繊維基材が挙げられる。これらの中でも紙基材が好ましい。これにより、化粧板の耐熱性を向上することができる。更に、化粧板の低コスト化を図ることができる。
【００１３】
繊維基材に樹脂を含浸する方法としては、例えば繊維基材に硬化性樹脂のワニスを含浸させる方法、繊維基材に硬化性樹脂の粉末を塗布する方法等が挙げられる。これらの中でも繊維基材に硬化性樹脂のワニスを含浸する方法が好ましい。これにより、繊維基材中に硬化性樹脂を均一に含浸することができる。
【００１４】
また、コア層３は、上述の硬化性樹脂を繊維基材に含浸して得られるもののみではなく、アルミニウム、鉄等の金属板と前記繊維基材に硬化性樹脂を含浸して得られるものとの複合物をも用いることができる。
【００１５】
コア層３の厚さは、特に限定されないが、１００〜１４００μｍが好ましく、特に２００〜８００μｍが好ましい。厚さが前記下限値未満であると化粧板の割れや欠けが発生して使用が困難となる場合があり、前記上限値を越えると化粧板の曲面加工性を向上する効果が低下する場合がある。
【００１６】
コア層３の硬化性樹脂の含有量は、特に限定されないが、コア層３全体の重量に対して１０〜５０重量％が好ましく、特に２０〜４０重量％が好ましい。含有量が前記下限値未満であると化粧板全体の成形性が低下するため表面外観が低下する場合があり、前記上限値を越えると化粧板の曲面加工性を向上する効果が低下する場合がある。
【００１７】
表面層２は、化粧紙層２２の両面に、伸縮性を有する基材と硬化性樹脂とで構成される第１層２１および第２層２３とが積層されたものである。これにより、表面層の引張り特性を向上することができる。
従来、化粧板の曲面加工性を向上させるためには、コア層と表面層間にフィルムや熱可塑性樹脂を挿入する技術が主に用いられてきた。これに対して、本発明は、上述の構成を有する表面層を用いることにより、表面層の引張り特性を改善し、それによって化粧板の曲面加工性を向上したものである。
【００１８】
第１層２１は、化粧板に耐傷付き性および耐汚染性を付与する。第２層２３は、コア層３を遮蔽する機能およびコア層３と化粧紙層２２との接着性を向上する機能を有する。
第１層２１および第２層２３を構成する伸縮性を有する基材としては、例えば不織布、クレープ紙等が挙げられる。これらの中でもクレープ紙が好ましい。これにより、表面層の引張り特性を向上することができる。前記クレープ紙とは、例えば湿紙をプレスロールまたはヤンキードライヤーなどの上で、巻取りスピード差とドクターを用いてしわを付けた紙等をいう。第１層２１および第２層２３では、異なる基材を用いてもよいが、同じ基材を用いることが生産性の点で好ましい。
【００１９】
前記伸縮性を有する基材としてクレープ紙を用いる場合、そのクレープ率は、特に限定されないが、２〜４０％が好ましく、特に１５〜３５％が好ましい。クレープ率が前記下限値未満であると化粧板の曲面加工性を向上する効果が低下する場合があり、前記上限値を越えると第１層２１等を形成することが困難となる場合がある。前記クレープ率は、例えば１００ｍｍ×１００ｍｍの試験片を常温で水に浮かべて、３分後の長さの変化を測定して求める方法で評価することができる。
第１層２１および第２層２３を構成するクレープ紙のクレープ率は、異なっていても構わないが、同じであることが好ましい。それにより、製品の安定性に優れることができる。
【００２０】
また、クレープ加工は、縦、横とも行った方が良いが、縦方向のみの加工の場合は、縦方向の引張り強度を、横方向の引張り強度よりも高くすることが好ましい。クレープ紙の縦方向の引張り強度を高くする方法としては、例えば繊維の配向性を変化させる方法が挙げられる。
縦方向と横方向との引張り強度の比率は、特に限定されないが、縦：横で２：１〜１０：１が好ましく、特に２：１〜６：１が好ましい。引張り強度が前記下限値未満であると横の曲げ加工性を向上する効果が低下する場合があり、前記上限値を越えると横方向で紙や含浸紙が切れる場合がある。
前記引張り強度は、例えばＪＩＳ Ｐ８１１３の方法で評価することができる。
【００２１】
前記クレープ紙の湿潤後の伸び率は、特に限定されないが、それぞれ２〜５０％が好ましく、特に５〜４０％が好ましい。湿潤後の伸び率が前記下限値未満であると化粧板の曲面加工性を向上する効果が低下する場合があり、前記上限値を越えるクレープ紙を作ることが困難な場合がある。
前記湿潤後の伸び率は、例えばＪＩＳ Ｓ３１０４の方法で評価することができる。
【００２２】
また、前記クレープ紙の湿潤後の伸びる量は、乾燥破断時の伸びる量よりも少なければ特に限定されないが、樹脂含浸時にクレープ紙の伸びる量よりよりも大きいことが好ましい。これにより、化粧板の曲面加工性を特に向上することができる。すなわち、樹脂含浸時にクレープ紙の伸び量が最大となってしまうと、化粧板を曲面加工する際にクレープ紙が伸びる余地が無くなり、その結果として化粧板の曲面加工性が低下する場合がある。
【００２３】
前記伸縮性を有する基材（特にクレープ紙）の坪量は、特に限定されないが、１０〜９０ｇ／ｍ２が好ましく、特に１５〜４０ｇ／ｍ２が好ましい。秤量が前記下限値未満であると基材の湿潤強度が低く硬化性樹脂を含浸するのが困難となる場合があり、前記上限値を越えると厚さが増すことにより曲面加工性が低下する。
【００２４】
前記伸縮性を有する基材の含有量は、特に限定されないが、第１層２１全体の３〜３０重量％が好ましく、特に５〜２５重量％が好ましい。含有量が前記下限値未満であると硬化性樹脂を含浸させることは困難であり、前記上限値を越えると化粧板の曲面加工を向上する効果が低下する場合がある。
【００２５】
また、前記伸縮性を有する基材の含有量は、特に限定されないが、第２層２３全体の３〜３０重量％が好ましく、特に５〜２５重量％が好ましい。含有量が前記下限値未満であると硬化性樹脂を含浸させることは困難であり、前記上限値を越えると化粧板の曲面加工を向上する効果が低下する場合がある。
【００２６】
前記硬化性樹脂としては、例えばメラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂等が挙げられる。これらの中でもメラミン樹脂が好ましい。これにより、化粧板の耐傷付き性を特に向上することができる。
【００２７】
前記硬化性樹脂の含有量は、特に限定されないが、第１層２１および第２層２３の全重量に対してそれぞれ４０〜９０重量％が好ましく、特にそれぞれ５０〜８５重量％が好ましい。含有量が前記下限値未満であると表面層２とコア層３との接着性が低下する場合があり、前記上限値を越えると化粧板１の曲面加工性を向上する効果が低下する場合がある。
【００２８】
第１層２１および第２層２３を形成する方法としては、例えば伸縮性を有する基材に硬化性樹脂のワニスを含浸させる方法、伸縮性を有する基材に硬化性樹脂の粉末を塗布する方法等が挙げられる。これらの中でも伸縮性を有する基材に硬化性樹脂のワニスを含浸する方法が好ましい。これにより、伸縮性を有する基材内部までに硬化性樹脂が均一に含浸して表面層の透明性を向上することができる。
【００２９】
表面層２の引張り伸び率は、特に限定されないが、０．４〜４．０％が好ましく、特に０．６〜３．０％が好ましい。引張り伸び率が前記下限値未満であると化粧板の曲面加工性を向上する効果が低下する場合があり、前記上限値を越えると寸法安定性が低下する場合がある。前記引張り伸び率は、例えばＪＩＳ Ｋ６９０２に準じて測定することができる。なお、引張り伸び率を測定する場合、第１層２１、第２層２３を予め形成し、化粧紙層２２を第１層２１と第２層２３との間に介挿し、加熱加圧して表面層２のみを製造して得られたサンプルを使用することができる。
【００３０】
また、表面層２の厚さは、特に限定されないが、１０〜６００μｍが好ましく、特に５０〜４００μｍが好ましい。厚さが前記下限値未満であると表面層を構成する樹脂量が相対的に少なくなるため耐熱性が低下する場合があり、前記上限値を越えると化粧板の曲面加工性を向上する効果が低下する場合がある。
【００３１】
また、表面層２の厚さと、コア層３との厚さの比は、特に限定されないが、１：１〜１：１０が好ましく、特に１：１〜１：６が好ましい。厚さの比が前記範囲内であると、化粧板の曲面加工性を特に向上することができる。
【００３２】
第１層２１の厚さは、特に限定されないが、１０〜５００μｍが好ましく、特に２０〜３００μｍが好ましい。厚さが前記下限値未満であると化粧板の成形性が低下する場合があり、前記上限値を超えると化粧板の曲面加工性を向上する効果が低下する場合がある。
【００３３】
第２層２３の厚さは、特に限定されないが、１０〜５００μｍが好ましく、特に２０〜３００μｍが好ましい。厚さが前記下限値未満であると化粧板の成形性が低下する場合があり、前記上限値を超えると化粧板の曲面加工性を向上する効果が低下する場合がある。
【００３４】
化粧紙層２２を構成する化粧紙は、化粧紙の選択によって化粧板に種々の意匠性を付与する機能を有している。
前記化粧紙としては、例えば予め硬化性樹脂で含浸された化粧紙または未含浸の化粧紙が挙げられる。これらの中でも硬化性樹脂が未含浸の化粧紙を用いることが好ましい。化粧紙としては、具体的にチタン紙、リンター紙、クラフト紙、晒紙、未晒紙等が挙げられる。
【００３５】
前記化粧紙の坪量は、特に限定されないが、１０〜３００ｇ／ｍ２が好ましく、特に３０〜２５０ｇ／ｍ２が好ましい。坪量が前記下限値未満であると化粧紙の強度が低下するため作業性が低下する場合があり、前記上限値を越えると耐熱性が低下する場合がある。
【００３６】
前記化粧紙の厚さは、特に限定されないが、８〜２５０μｍが好ましくと、特に２５〜２１０μｍが好ましい。厚さが前記下限値未満であると化粧紙によるコア層３の色を遮蔽性する効果が低下する場合があり、前記上限値を超えると化粧板の曲面加工性を向上する効果が低下する場合がある。
【００３７】
次に、本発明の化粧板の製造方法について説明する。
図２は、本発明の化粧板の製造方法を模式的に示したものである。
本発明の化粧板の製造方法は、図２に示されるように化粧紙層２２の両面にクレープ紙２１１に硬化性樹脂２１２を含浸して得られる第１層２１およびクレープ紙２３１に硬化性樹脂２３２を含浸して得られる第２層２３が設けられた表面層２と、コア層３とを重ねて加熱、加圧することを特徴とするものである。
【００３８】
前記加熱する温度は、特に限定されないが、１１０〜１６０℃が好ましく、特に１２０〜１５０℃が好ましい。加熱温度が前記範囲内であると、特に化粧板の曲面加工性が良好、かつ表面硬度を向上することができる。
前記加圧する圧力は、特に限定されないが、１０〜１２０（ｋｇ／ｃｍ２が好ましく、特に６０〜１１０（ｋｇ／ｃｍ２）が好ましい。加圧圧力が前記範囲内であると、特に化粧板の外観を向上することができる。
【００３９】
なお、上記記載の化粧板の製造方法では、第１層２１、化粧紙層２２、第２層２３の順に、コア層３とを同時に重ねて、加熱、加圧することにより、化粧板を得たが、本発明はこれに限定されない。例えば、予め第１層２１と、化粧紙層２２、第２層２３とを重ねて、加熱、加圧して得られた表面層２と、コア層３とを重ねて、加熱、加圧することにより化粧板を得ることもできる。
【００４０】
本発明の化粧板の製造方法では、特に限定されないが、加熱、加圧前の前記化粧紙は、実質的に硬化性樹脂が未含浸であるものを用いることが好ましい。これにより、化粧板の曲面加工性を特に向上することができる。また、化粧紙に予め硬化性樹脂を含浸する必要がないので作業工数を低減することができる。更には、作業工数を低減できることにより、化粧板の製造コストも低減することができる。
【００４１】
図３は、実質的に硬化性樹脂が未含浸である化粧紙２２１を用いて化粧板を製造して得られる化粧板の模式図である。
図３に示すように、実質的に硬化性樹脂が未含浸である化粧紙２２１を、第１層２１と、第２層２３とで挟み、コア層３とを加熱、加圧成形すると、第１層２１を構成する硬化性樹脂２１２および第２層２３を構成する硬化性樹脂２３２の一部が化粧紙に含浸されることになる。
【００４２】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例により、詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
（実施例１）
▲１▼第１層および第２層の製造
メラミンに対するホルムアルデヒドのモル比を１．４に配合し、反応温度９５℃、水混和度１２ｃｃ／５ｃｃとなるまで反応させてメラミン樹脂ワニスを得た。
次に、伸縮性を有する基材として原紙坪率２０ｇ／ｍ２、クレープ率２３％、湿潤後の伸び率２５％であるクレープ紙（ハビックス（株）製）に上記メラミン樹脂ワニスを含浸乾燥し、重量１００ｇ／ｍ２、揮発分を９％に調製した厚さ３０μｍの第１層および第２層を得た。なお、第１層および第２層中のクレープ紙の含有率は、それぞれ２３％であった。
【００４３】
▲２▼コア層を形成するフェノール樹脂含浸紙の製造
フェノールに対するホルムアルデヒドのモル比を１．５にして、９５℃、２１０分間反応してフェノール樹脂ワニスを得た。このワニスを坪量１８０ｇ／ｍ２クラフト紙に含浸乾燥し、重量２８０ｇ／ｍ２、揮発分を５〜７％に調製して厚さ２００μｍのフェノール樹脂含浸紙を得た。
【００４４】
▲３▼化粧板の製造
上述の第１層および第２層で、化粧紙として樹脂が未含浸である印刷原紙（凸版印刷社製 ＰＰＰ−２００４２、坪量８０ｇ／ｍ２）を挟み、コア層として上述のフェノール樹脂含浸紙を３枚重ねて、１６０℃、１００ｋｇ／ｃｍ２で、６０分間、加熱加圧成形して厚さ０．８ｍｍのメラミン樹脂化粧板を得た。なお、表面層の厚さは、１４０μｍであった。
【００４５】
▲４▼表面層の伸び率の評価
なお、表面層の引張り伸び率を測定するために、表面層のみを化粧板を製造するのと同様の条件で加熱加圧成形を行い、表面層のみを作成した。
得られた表面層の引張り伸び率を測定した結果、引張伸び率が常温時で縦方向（伸縮性基材の長手方向）０．７％、１２５℃加熱時で縦方向１．２％であった。
【００４６】
（実施例２）
伸縮性を有する基材として以下のものを用いた以外は、実施例１と同様にした。
クレープ紙として、原紙坪率２０ｇ／ｍ２、クレープ率９．５％、湿潤後の伸び率１２％であるクレープ紙（ハビックス（株）製）を用いた。
表面層の引張り伸び率は、常温時で縦方向０．４％、１２５℃加熱時で縦方向０．５％であった。
【００４７】
（実施例３）
伸縮性を有する基材として以下のものを用いた以外は、実施例１と同様にした。
クレープ紙として、原紙坪率２０ｇ／ｍ２、クレープ率３５．０％、湿潤後の伸び率４７％であるクレープ紙（ハビックス（株）製）を用いた。
表面層の引張り伸び率は、常温時で縦方向３．２％、１２５℃加熱時で縦方向３．４％であった。
【００４８】
（実施例４）
伸縮性を有する基材として以下のものを用いた以外は、実施例１と同様にした。
クレープ紙として、原紙坪量５０ｇ／ｍ２、クレープ率２５％、湿潤後の伸び率４０％であるクレープ紙（ハビックス（株）製）を用いた。
表面層の引張り伸び率は、常温時で縦方向２．０％、１２５℃加熱時で縦方向２．５％であった。
【００４９】
（実施例５）
伸縮性を有する基材として以下のものを用いた以外は、実施例１と同様にした。
クレープ紙として、原紙坪量１３ｇ／ｍ２、クレープ率２５％、湿潤後の伸び率４０％であるクレープ紙（ハビックス（株）製）を用いた。
表面層の引張り伸び率は、常温時で縦方向１．０％、１２５℃加熱時で縦方向１．６％であった。
【００５０】
（実施例６）
化粧紙として以下のものを用いた以外は、実施例１と同様にした。
化粧紙として、メラミン樹脂を含浸した樹脂含浸化粧紙（凸版印刷社製 ＰＰＰ−２００４２、坪量８０ｇ／ｍ２）を用いた。
表面層の引張り伸び率は、常温時で縦方向０．４％、１２５℃加熱時で縦方向０．５％であった。
【００５１】
（実施例７）
伸縮性を有する基材として、以下のものを用いた以外は実施例１と同様にした。
伸縮性を有する基材として原紙坪率２０ｇ／ｍ２、クレープ率１．０％、湿潤後の伸び率１．５％であるクレープ紙（ハビックス社製）を用いた。
表面層の引張り伸び率は、常温時で縦方向０．２％、１２５℃加熱時で縦方向０．３％であった。
【００５２】
（比較例１）
伸縮性を有する基材を用いずに、以下のオーバーレイ紙を用いた以外は、実施例１と同様にした。
クレープ紙の代わりに、原紙坪量２０ｇ／ｍ２、湿潤後の伸び率１％以下であるオーバーレイ紙（興人社製、Ｏ−２２）を用いた。
表面層の引張り伸び率は、常温時で縦方向０．１５％、１２５℃加熱時で縦方向０．２％であった。
【００５３】
各実施例および比較例で得られた化粧板について、以下の評価を行った。得られた結果を表１に示す。
▲１▼曲面加工性
化粧板の曲面加工性の評価は、１３２℃加熱時について、クラックや割れが何Ｒまで発生しないかを評価した。
【００５４】
▲２▼寸法変化率
寸法変化率は、ＪＩＳ Ｋ ６９０２に準じて行った。
【００５５】
▲３▼煮沸耐熱性
煮沸耐熱性の評価は、ＪＩＳ Ｋ ６９０２に準じて行い、煮沸前後の吸水による重量変化率を求めた。また、化粧板の外観を、１００℃の水で煮沸２時間処理後の変色、フクレの有無で評価した。各符号は、以下の通りである。
○：外観の変化無し
△：外観の変色有り
×：フクレが発生
【００５６】
▲４▼生産性
実施例６で得られた化粧板の生産性を基準（１００）として、他の実施例等の生産性と比較した。
【００５７】
【表１】
【００５８】
表から明らかなように、実施例１〜７は、寸法変化率が小さく、曲面加工性に優れていた。
また、実施例１〜７は、煮沸処理後の重量変化が小さく、煮沸処理後の外観にも優れていた。
また、実施例１〜５および７は、生産性にも優れていた。
【００５９】
【発明の効果】
本発明によれば、化粧板の寸法安定性に優れ、曲面加工性が向上した化粧板を提供できる表面層およびそれを用いた化粧板を得ることができる。
また、実質的に硬化性樹脂が未含浸である化粧紙を用いた場合、特に化粧板の曲面加工性を向上することができる。
また、実質的に硬化性樹脂が未含浸である化粧紙を用いた場合、特に生産性に優れる化粧板の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の化粧板の一例を模式的に示す断面図である。
【図２】本発明の化粧板の製造方法の工程を示す模式図である。
【図３】本発明の化粧板の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
１ 化粧板
２ 表面層
２１ 第１層
２２ 化粧紙層
２３ 第２層
２１１ 伸縮性を有する基材
２１２ 硬化性樹脂
２３１ 伸縮性を有する基材
２３２ 硬化性樹脂
３ コア層[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a surface layer, a decorative board, and a method for producing a decorative board.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, decorative boards such as decorative melamine resin boards, polyester resin decorative boards, and vinyl chloride resin decorative sheets have been used as interior materials. Among these, the melamine resin decorative board has a high surface hardness, has good surface performance such as excellent stain resistance, and has a variety of colors and patterns on decorative paper and is excellent in design. It is widely used as a decorative board due to its points (for example, see Patent Document 1).
[0003]
However, the melamine resin decorative board has a problem that the warp is relatively large and the dimensional stability is poor.
[0004]
Further, in recent years, there has been a demand for a decorative board capable of processing a curved surface with a large curvature due to a change in orientation of a door, furniture such as a kitchen, etc., and interior design such as a vehicle application. On the other hand, a melamine resin decorative board has the above-mentioned surface characteristics, and thus it is relatively difficult to perform a curved surface processing.
[0005]
[Patent Document]
JP-A-2-123139
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a decorative board which has excellent dimensional stability and can easily perform curved surface processing.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
Such an object is achieved by the present invention described in the following (1) to (13).
(1) A surface layer constituting a surface of a decorative board, wherein the surface layer is composed of a first layer composed of a stretchable base material and a first resin composition, and a stretchable base material. A surface layer comprising: a second layer composed of a first resin composition and a second resin composition; and a decorative paper layer provided between the first layer and the second layer.
(2) The surface layer according to (1), wherein the surface layer has a tensile elongation of 0.4% to 4%.
(3) The surface layer according to (1) or (2), wherein the thickness of the surface layer is 10 to 600 μm.
(4) The surface layer according to any one of (1) to (3), wherein the content of the stretchable base material constituting the first layer is 3 to 30% by weight of the entire first layer. .
(5) The surface layer according to any one of (1) to (4), wherein the content of the stretchable base material constituting the second layer is 3 to 30% by weight of the entire second layer. .
(6) The surface layer according to any of (1) to (5), wherein the basis weight of the stretchable base material is 10 to 90 g / m 2 .
(7) The surface layer according to any one of (1) to (6), wherein the substrate having elasticity is crepe paper.
(8) The surface layer according to (7), wherein the crepe ratio of the crepe paper is 2 to 40%.
(9) A decorative plate comprising the surface layer according to any one of (1) to (8) and a core layer provided on one surface thereof.
(10) The decorative plate according to (9), wherein the core layer is a layer composed of phenol resin-impregnated paper.
(11) A method for manufacturing a decorative board, comprising superposing the surface layer according to any one of (1) to (8) and a core layer, and heating and applying pressure.
(12) A method for producing a decorative board obtained by superposing the surface layer according to any one of (1) to (8) and a core layer, heating and pressing, and before heating and pressing. The decorative paper according to the above, wherein the curable resin is not impregnated.
(13) A method for producing a decorative board obtained by superposing the surface layer according to any one of (1) to (8) and a core layer, heating and pressing, and applying the decorative material before heating and pressing. A method for producing a decorative board, wherein the paper is not impregnated with the curable resin, and the curable resin is impregnated into the decorative paper by heating and pressing.
[0008]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the surface layer, the decorative board and the method for producing the decorative board of the present invention will be described in detail.
The surface layer of the present invention is a surface layer constituting the surface of the decorative board, wherein the surface layer comprises: a first layer composed of a stretchable base material and a first resin composition; And a decorative paper layer provided between the first layer and the second layer.
The decorative board of the present invention is characterized in that the above-mentioned surface layer and a core layer provided on one side thereof are laminated.
Further, the method for producing a decorative board according to the present invention is characterized in that the above-described surface layer and the core layer are overlapped, and heated and pressed.
[0009]
The surface layer and the decorative board of the present invention will be described based on preferred embodiments.
FIG. 1 is a cross-sectional view schematically showing one example of the decorative board of the present invention.
The decorative board 1 has a first layer 21 composed of a stretchable base material and a first resin composition, and a second layer composed of a stretchable base material and a second resin composition. 23, a surface layer 2 having a decorative paper layer 22 provided between the first layer 21 and the second layer 23, and a core layer 3 provided on one surface (the lower side in FIG. 1) of the surface layer 2. Be composed.
The surface layer 2 includes a first layer 21, a decorative paper layer 22, and a second layer 23 in this order.
[0010]
The core layer 3 has a function of providing adhesion when a decorative board is bonded to a substrate such as a vertical board, a fiber board, or a plywood; a function of preventing irregularities of a base material from appearing on the surface of the decorative board; Has the function of maintaining the strength and dimensional stability of the
The first layer 21 has a function of protecting the surface of the decorative plate from being damaged. It also has a function of improving the bending workability of the decorative board.
The decorative paper layer 22 has a function of giving various decorative properties to the decorative board by selecting decorative paper.
The second layer 23 has a function of shielding the core layer 3 and a function of improving adhesion to the core layer 3. It also has a function of improving the bending workability of the decorative board.
Although not shown, a back layer may be provided below the core layer 3.
[0011]
The core layer 3 is obtained, for example, by impregnating a fiber base material with a resin.
Examples of the resin include a curable resin such as a phenol resin, a melamine resin, a polyester resin, and a diallyl phthalate resin, and a thermoplastic resin such as an acrylic resin. Of these, phenolic resins are preferred. Thereby, the adhesiveness with a base material such as plywood can be improved.
[0012]
Examples of the fiber base include paper base such as kraft paper, inorganic fiber base such as glass fiber, and synthetic fiber base such as polyester and aramid fiber. Among these, a paper substrate is preferable. Thereby, the heat resistance of a decorative board can be improved. Further, the cost of the decorative board can be reduced.
[0013]
Examples of the method of impregnating the fiber base material with the resin include a method of impregnating the fiber base material with a varnish of a curable resin, a method of applying a curable resin powder to the fiber base material, and the like. Among these, a method of impregnating a fiber base material with a varnish of a curable resin is preferable. Thereby, the curable resin can be uniformly impregnated in the fiber base material.
[0014]
The core layer 3 is not only obtained by impregnating the above-mentioned curable resin into a fiber base material, but also obtained by impregnating a metal plate such as aluminum or iron and the above-mentioned fiber base material with the curable resin. Can also be used.
[0015]
The thickness of the core layer 3 is not particularly limited, but is preferably 100 to 1400 μm, and particularly preferably 200 to 800 μm. When the thickness is less than the lower limit, cracking or chipping of the decorative board may occur, making it difficult to use.When the thickness exceeds the upper limit, the effect of improving the curved surface workability of the decorative board may be reduced. is there.
[0016]
The content of the curable resin in the core layer 3 is not particularly limited, but is preferably from 10 to 50% by weight, and particularly preferably from 20 to 40% by weight, based on the total weight of the core layer 3. If the content is less than the lower limit, the surface appearance may be reduced because the moldability of the entire decorative board is reduced, and if the content exceeds the upper limit, the effect of improving the curved surface workability of the decorative board may be reduced. is there.
[0017]
The surface layer 2 is obtained by laminating a first layer 21 and a second layer 23 each composed of a stretchable base material and a curable resin on both surfaces of a decorative paper layer 22. Thereby, the tensile properties of the surface layer can be improved.
Conventionally, a technique of inserting a film or a thermoplastic resin between a core layer and a surface layer has been mainly used in order to improve the workability of the curved surface of the decorative board. On the other hand, the present invention improves the tensile properties of the surface layer by using the surface layer having the above-described configuration, thereby improving the curved surface workability of the decorative board.
[0018]
The first layer 21 imparts scratch resistance and stain resistance to the decorative board. The second layer 23 has a function of shielding the core layer 3 and a function of improving the adhesion between the core layer 3 and the decorative paper layer 22.
Examples of the stretchable base material constituting the first layer 21 and the second layer 23 include a nonwoven fabric and crepe paper. Among these, crepe paper is preferred. Thereby, the tensile properties of the surface layer can be improved. The crepe paper refers to, for example, paper obtained by wrinkling wet paper on a press roll or a Yankee dryer using a difference in winding speed and a doctor. Although different base materials may be used for the first layer 21 and the second layer 23, it is preferable to use the same base material in terms of productivity.
[0019]
When crepe paper is used as the stretchable substrate, the crepe ratio is not particularly limited, but is preferably 2 to 40%, and particularly preferably 15 to 35%. If the crepe ratio is less than the lower limit, the effect of improving the curved surface workability of the decorative board may decrease, and if it exceeds the upper limit, it may be difficult to form the first layer 21 and the like. The crepe rate can be evaluated, for example, by floating a test piece of 100 mm × 100 mm in water at room temperature and measuring a change in length after 3 minutes to obtain the crepe rate.
The crepe ratios of the crepe papers constituting the first layer 21 and the second layer 23 may be different, but are preferably the same. Thereby, the stability of the product can be improved.
[0020]
Although it is better to perform creping both vertically and horizontally, in the case of processing only in the vertical direction, it is preferable that the tensile strength in the vertical direction is higher than the tensile strength in the horizontal direction. As a method of increasing the tensile strength in the longitudinal direction of the crepe paper, for example, a method of changing the orientation of the fiber is exemplified.
The ratio of the tensile strength in the vertical direction to the tensile strength in the horizontal direction is not particularly limited, but is preferably 2: 1 to 10: 1 in the length: width direction, and particularly preferably 2: 1 to 6: 1. If the tensile strength is less than the lower limit, the effect of improving the lateral bending workability may decrease, and if the tensile strength exceeds the upper limit, paper or impregnated paper may be cut in the horizontal direction.
The tensile strength can be evaluated, for example, by the method of JIS P8113.
[0021]
The elongation percentage of the crepe paper after wetting is not particularly limited, but is preferably 2 to 50%, particularly preferably 5 to 40%. If the elongation after wetting is less than the lower limit, the effect of improving the curved surface workability of the decorative board may decrease, and it may be difficult to produce crepe paper exceeding the upper limit.
The elongation percentage after wetting can be evaluated, for example, by the method of JIS S3104.
[0022]
The amount of elongation of the crepe paper after wetting is not particularly limited as long as it is less than the amount of elongation at the time of dry breaking, but is preferably larger than the amount of elongation of the crepe paper during resin impregnation. Thereby, the curved surface workability of the decorative board can be particularly improved. That is, if the amount of elongation of the crepe paper is maximized during the resin impregnation, there is no room for the crepe paper to elongate when the decorative board is curved, and as a result, the curved workability of the decorative board may be reduced.
[0023]
The basis weight of the base material having the elastic (particularly crepe paper) is not particularly limited, but is preferably 10~90g / m 2, especially 15 to 40 g / m 2 is preferred. If the weighing is less than the lower limit, the wet strength of the base material may be low and it may be difficult to impregnate the curable resin. If the weighing exceeds the upper limit, the workability of the curved surface may decrease due to an increase in thickness.
[0024]
The content of the stretchable base material is not particularly limited, but is preferably 3 to 30% by weight of the entire first layer 21, and particularly preferably 5 to 25% by weight. If the content is less than the lower limit, it is difficult to impregnate the curable resin, and if the content exceeds the upper limit, the effect of improving the curved surface processing of the decorative board may be reduced.
[0025]
The content of the stretchable base material is not particularly limited, but is preferably 3 to 30% by weight, and particularly preferably 5 to 25% by weight of the entire second layer 23. If the content is less than the lower limit, it is difficult to impregnate the curable resin, and if the content exceeds the upper limit, the effect of improving the curved surface processing of the decorative board may be reduced.
[0026]
Examples of the curable resin include a melamine resin, a phenol resin, a polyester resin, and a diallyl phthalate resin. Of these, melamine resins are preferred. Thereby, the scratch resistance of the decorative plate can be particularly improved.
[0027]
The content of the curable resin is not particularly limited, but is preferably 40 to 90% by weight, and particularly preferably 50 to 85% by weight, based on the total weight of the first layer 21 and the second layer 23. If the content is less than the lower limit, the adhesiveness between the surface layer 2 and the core layer 3 may decrease, and if the content exceeds the upper limit, the effect of improving the curved workability of the decorative board 1 may decrease. is there.
[0028]
As a method of forming the first layer 21 and the second layer 23, for example, a method of impregnating a varnish of a curable resin into a stretchable base material, and a method of applying a curable resin powder to a stretchable base material And the like. Among these, a method of impregnating a varnish of a curable resin into a stretchable substrate is preferable. Thereby, the curable resin is evenly impregnated into the inside of the stretchable base material, so that the transparency of the surface layer can be improved.
[0029]
The tensile elongation of the surface layer 2 is not particularly limited, but is preferably 0.4 to 4.0%, and particularly preferably 0.6 to 3.0%. If the tensile elongation is less than the lower limit, the effect of improving the curved surface workability of the decorative board may decrease, and if it exceeds the upper limit, the dimensional stability may decrease. The tensile elongation can be measured, for example, according to JIS K6902. When measuring the tensile elongation, the first layer 21 and the second layer 23 are formed in advance, the decorative paper layer 22 is interposed between the first layer 21 and the second layer 23, and the surface is pressed by heating and pressing. A sample obtained by manufacturing only the layer 2 can be used.
[0030]
The thickness of the surface layer 2 is not particularly limited, but is preferably from 10 to 600 μm, particularly preferably from 50 to 400 μm. When the thickness is less than the lower limit, the amount of resin constituting the surface layer becomes relatively small, so that the heat resistance may be reduced.When the thickness exceeds the upper limit, the effect of improving the curved surface workability of the decorative board is obtained. May decrease.
[0031]
The ratio of the thickness of the surface layer 2 to the thickness of the core layer 3 is not particularly limited, but is preferably 1: 1 to 1:10, and particularly preferably 1: 1 to 1: 6. When the thickness ratio is within the above range, the curved surface workability of the decorative board can be particularly improved.
[0032]
The thickness of the first layer 21 is not particularly limited, but is preferably from 10 to 500 μm, particularly preferably from 20 to 300 μm. If the thickness is less than the lower limit, the formability of the decorative board may decrease, and if the thickness exceeds the upper limit, the effect of improving the curved workability of the decorative board may decrease.
[0033]
The thickness of the second layer 23 is not particularly limited, but is preferably 10 to 500 μm, and particularly preferably 20 to 300 μm. If the thickness is less than the lower limit, the formability of the decorative board may decrease, and if the thickness exceeds the upper limit, the effect of improving the curved workability of the decorative board may decrease.
[0034]
The decorative paper constituting the decorative paper layer 22 has a function of imparting various decorative properties to the decorative board by selecting the decorative paper.
Examples of the decorative paper include decorative paper previously impregnated with a curable resin or unimpregnated decorative paper. Among these, it is preferable to use decorative paper in which the curable resin is not impregnated. Specific examples of the decorative paper include titanium paper, linter paper, kraft paper, bleached paper, unbleached paper, and the like.
[0035]
The decorative paper having a basis weight is not particularly limited, but is preferably 10 to 300 g / m 2, especially 30 to 250 g / m 2 is preferred. When the grammage is less than the lower limit, the strength of the decorative paper is reduced, so that the workability may be reduced. When the grammage is more than the upper limit, the heat resistance may be reduced.
[0036]
The thickness of the decorative paper is not particularly limited, but is preferably from 8 to 250 μm, and particularly preferably from 25 to 210 μm. When the thickness is less than the lower limit, the effect of shielding the color of the core layer 3 by the decorative paper may be reduced, and when the thickness exceeds the upper limit, the effect of improving the curved surface workability of the decorative plate is reduced. There is.
[0037]
Next, a method for producing a decorative board of the present invention will be described.
FIG. 2 schematically shows a method of manufacturing a decorative board according to the present invention.
As shown in FIG. 2, the method for manufacturing a decorative board according to the present invention includes the steps of impregnating the first layer 21 and the crepe paper 231 obtained by impregnating the crepe paper 211 with the curable resin 212 on both surfaces of the decorative paper layer 22. The core layer 3 is superposed on the surface layer 2 provided with the second layer 23 obtained by impregnation with H.232, and heated and pressed.
[0038]
The heating temperature is not particularly limited, but is preferably 110 to 160 ° C, particularly preferably 120 to 150 ° C. When the heating temperature is within the above-mentioned range, the curved surface workability of the decorative plate is particularly good, and the surface hardness can be improved.
The pressure applied is not particularly limited, from 10 to 120 (preferably kg / cm 2, especially 60~110 (kg / cm 2) is preferred. Applied pressure is within the range, in particular veneer The appearance can be improved.
[0039]
In the decorative board manufacturing method described above, the decorative board was obtained by simultaneously superimposing the core layer 3 in the order of the first layer 21, the decorative paper layer 22, and the second layer 23, and applying heat and pressure. However, the present invention is not limited to this. For example, the first layer 21, the decorative paper layer 22, and the second layer 23 are stacked in advance, and the surface layer 2 obtained by heating and pressing is stacked on the core layer 3, and heated and pressed. You can also get decorative panels.
[0040]
In the method for manufacturing a decorative board of the present invention, although not particularly limited, it is preferable to use a decorative paper which is substantially not impregnated with a curable resin before heating and pressing. Thereby, the curved surface workability of the decorative board can be particularly improved. Further, since it is not necessary to impregnate the decorative paper with the curable resin in advance, the number of work steps can be reduced. Furthermore, since the number of working steps can be reduced, the manufacturing cost of the decorative board can be reduced.
[0041]
FIG. 3 is a schematic diagram of a decorative board obtained by manufacturing a decorative board using decorative paper 221 substantially not impregnated with a curable resin.
As shown in FIG. 3, the decorative paper 221 substantially not impregnated with the curable resin is sandwiched between the first layer 21 and the second layer 23, and the core layer 3 is heated and pressure-formed. A part of the curable resin 212 constituting the first layer 21 and a part of the curable resin 232 constituting the second layer 23 are impregnated in the decorative paper.
[0042]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in detail with reference to Examples and Comparative Examples, but the present invention is not limited thereto.
(Example 1)
{Circle around (1)} Preparation of First and Second Layers The molar ratio of formaldehyde to melamine was blended to 1.4 and reacted until the reaction temperature reached 95 ° C. and the water miscibility became 12 cc / 5 cc to obtain a melamine resin varnish.
Next, the melamine resin varnish is impregnated and dried on a crepe paper (manufactured by Havix Corporation) having a base paper basis weight of 20 g / m 2 , a crepe ratio of 23%, and an elongation after wetting of 25% as a stretchable base material. A first layer and a second layer having a thickness of 30 μm and a weight of 100 g / m 2 and a volatile content of 9% were obtained. The content of the crepe paper in the first and second layers was 23%, respectively.
[0043]
{Circle around (2)} Preparation of phenolic resin-impregnated paper forming a core layer A phenolic resin varnish was obtained by reacting at 95 ° C. for 210 minutes with the molar ratio of formaldehyde to phenol being 1.5. This varnish was impregnated and dried in kraft paper having a basis weight of 180 g / m 2 to obtain a phenol resin impregnated paper having a weight of 280 g / m 2 and a volatile content of 5 to 7%, and a thickness of 200 μm.
[0044]
{Circle around (3)} Production of decorative board The first and second layers described above sandwich a printing base paper (PPP-20042, manufactured by Toppan Printing Co., Ltd., basis weight 80 g / m 2 ) which is not impregnated with a resin as decorative paper, and a core layer. The above phenolic resin-impregnated paper was laminated three times and heated and pressed at 160 ° C. and 100 kg / cm 2 for 60 minutes to obtain a melamine resin decorative board having a thickness of 0.8 mm. The thickness of the surface layer was 140 μm.
[0045]
(4) Evaluation of the elongation of the surface layer In order to measure the tensile elongation of the surface layer, only the surface layer is subjected to heat and pressure molding under the same conditions as those for producing a decorative board, and only the surface layer is subjected to heat and pressure molding. Created.
As a result of measuring the tensile elongation of the obtained surface layer, the tensile elongation at room temperature was 0.7% in the longitudinal direction (longitudinal direction of the stretchable base material) and 1.2% in the longitudinal direction when heated at 125 ° C. Was.
[0046]
(Example 2)
Example 1 was repeated except that the following material was used as the base material having elasticity.
As crepe paper, crepe paper (manufactured by Havix Corporation) having a base paper basis weight of 20 g / m 2 , a crepe ratio of 9.5%, and an elongation after wetting of 12% was used.
The tensile elongation of the surface layer was 0.4% in the vertical direction at room temperature and 0.5% in the vertical direction at 125 ° C.
[0047]
(Example 3)
Example 1 was repeated except that the following material was used as the base material having elasticity.
As the crepe paper, crepe paper (manufactured by Havix Corporation) having a basis weight of 20 g / m 2 , a crepe ratio of 35.0%, and an elongation of 47% after wetting was used.
The tensile elongation of the surface layer was 3.2% in the vertical direction at room temperature, and 3.4% in the vertical direction at 125 ° C.
[0048]
(Example 4)
Example 1 was repeated except that the following material was used as the base material having elasticity.
As the crepe paper, crepe paper (manufactured by Havix Corporation) having a basis weight of 50 g / m 2 , a crepe ratio of 25%, and an elongation after wetting of 40% was used.
The tensile elongation of the surface layer was 2.0% in the vertical direction at room temperature and 2.5% in the vertical direction at 125 ° C.
[0049]
(Example 5)
Example 1 was repeated except that the following material was used as the base material having elasticity.
As the crepe paper, crepe paper (manufactured by Havix Corporation) having a basis weight of 13 g / m 2 , a crepe ratio of 25%, and an elongation after wetting of 40% was used.
The tensile elongation of the surface layer was 1.0% in the vertical direction at room temperature, and 1.6% in the vertical direction at 125 ° C.
[0050]
(Example 6)
Example 1 was repeated except that the following decorative paper was used.
As the decorative paper, a resin-impregnated decorative paper impregnated with a melamine resin (PPP-20042 manufactured by Toppan Printing Co., Ltd., basis weight 80 g / m 2 ) was used.
The tensile elongation of the surface layer was 0.4% in the vertical direction at room temperature and 0.5% in the vertical direction at 125 ° C.
[0051]
(Example 7)
The procedure was the same as in Example 1 except that the following was used as the base material having elasticity.
A crepe paper (manufactured by Havix Corporation) having a base paper basis rate of 20 g / m 2 , a crepe rate of 1.0%, and an elongation rate after wetting of 1.5% was used as a stretchable base material.
The tensile elongation of the surface layer was 0.2% in the vertical direction at room temperature and 0.3% in the vertical direction at 125 ° C.
[0052]
(Comparative Example 1)
Example 1 was repeated except that the following overlay paper was used without using an elastic base material.
Instead of crepe paper, an overlay paper (O-22, manufactured by Kojin Co., Ltd.) having a base paper basis weight of 20 g / m 2 and an elongation percentage after wetting of 1% or less was used.
The tensile elongation of the surface layer was 0.15% in the vertical direction at room temperature and 0.2% in the vertical direction at 125 ° C.
[0053]
The following evaluation was performed about the decorative board obtained by each Example and the comparative example. Table 1 shows the obtained results.
{Circle around (1)} Curved surface workability The curved surface workability of the decorative board was evaluated at a heating temperature of 132 ° C. to what extent cracks and cracks did not occur.
[0054]
(2) Dimensional change rate The dimensional change rate was measured in accordance with JIS K6902.
[0055]
(3) Boiling heat resistance The boiling heat resistance was evaluated in accordance with JIS K 6902, and the rate of weight change due to water absorption before and after boiling was determined. The appearance of the decorative board was evaluated by discoloration after boiling for 2 hours in water at 100 ° C. and the presence or absence of blisters. Each code is as follows.
：: No change in appearance △: Discoloration of appearance X: Swelling occurred
{Circle around (4)} Productivity The productivity of the decorative board obtained in Example 6 was set as a reference (100) and compared with the productivity of the other examples.
[0057]
[Table 1]
[0058]
As is clear from the table, Examples 1 to 7 had a small dimensional change rate and were excellent in curved surface workability.
In Examples 1 to 7, the change in weight after the boiling treatment was small, and the appearance after the boiling treatment was excellent.
Examples 1 to 5 and 7 were also excellent in productivity.
[0059]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, the surface layer which is excellent in the dimensional stability of a decorative board and which can provide the decorative board which improved the curved surface processability and the decorative board using the same can be obtained.
In addition, when a decorative paper substantially not impregnated with a curable resin is used, the curved surface workability of the decorative plate can be particularly improved.
In addition, when a decorative paper which is substantially not impregnated with a curable resin is used, it is possible to provide a method for manufacturing a decorative plate which is particularly excellent in productivity.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view schematically showing one example of a decorative board of the present invention.
FIG. 2 is a schematic view showing steps of a method for producing a decorative board according to the present invention.
FIG. 3 is a schematic view showing an example of the decorative board of the present invention.
[Explanation of symbols]
REFERENCE SIGNS LIST 1 decorative board 2 surface layer 21 first layer 22 decorative paper layer 23 second layer 211 elastic base material 212 curable resin 231 elastic base material 232 curable resin 3 core layer
