JP2004298218A - 棚装置、および棚装置を備えた冷蔵庫 - Google Patents
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Abstract
【課題】前後および上下移動可能な棚機構を簡単にして棚有効容積を大きくし、コストの低減をはかるとともに、重量を軽くしてより使いやすくした棚装置、および棚装置を備えた冷蔵庫を提供する。
【解決手段】室内上下方向に複数段の棚空間を設けた収納室2と、棚空間の少なくとも一段部の収納部側壁に固着した固定レール6と、この固定レールの前部に連結部材11を介在して位置し収納室側壁に軸支した前後のリンク軸8,9によって前方下方に回動可能に設けられた可動レール7と、レール上に摺動可能に保持された棚容器5とからなり、棚容器の前方摺動により可動レールと固定レールとの連結を解除するとともに棚容器を可動レールに係合して可動レールの回動を許容し、棚容器を水平に保持して上下移動可能にしたことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】室内上下方向に複数段の棚空間を設けた収納室2と、棚空間の少なくとも一段部の収納部側壁に固着した固定レール6と、この固定レールの前部に連結部材11を介在して位置し収納室側壁に軸支した前後のリンク軸8,9によって前方下方に回動可能に設けられた可動レール7と、レール上に摺動可能に保持された棚容器5とからなり、棚容器の前方摺動により可動レールと固定レールとの連結を解除するとともに棚容器を可動レールに係合して可動レールの回動を許容し、棚容器を水平に保持して上下移動可能にしたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は棚装置に係り、冷蔵庫の貯蔵室に設けた食品載置棚や容器、食器棚、あるいは台所や倉庫など収納棚において、特に前後および上下位置を変更できる棚装置、および棚装置を設けた冷蔵庫に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば冷蔵庫や台所収納棚は、食生活の多様化とともに収納量も大形化傾向にあり、特に家庭用冷蔵庫においては、収納内容積が400リットルを越えるクラスが主流になっており、冷蔵庫本体の外形高さ寸法は180cm程度になるとともに、幅寸法や奥行き寸法も大きくなる傾向にある。
【0003】
これに伴って、冷蔵室や野菜室など各貯蔵室の収納容積も拡大しているが、各貯蔵室の配置としては、図8に示すように、本体(51)の上部に最も使用頻度が多く貯蔵物収納容積の大きい冷蔵室(53)を設置し、その下部に野菜室(54)や冷凍室(55)を設置している。前記冷蔵室(53)は、その前面開口部に一側を枢支した扉(52)により前記開口を開閉自在に閉塞しており、室内には収納空間を上下複数段に区分する載置棚(56)を設置している。また、野菜室(54)と冷凍室(55)は、収納物の出し入れ操作の利便性から扉の貯蔵室側に容器を取り付けた引出し式としている。
【0004】
しかしながら、前述したごとく、冷蔵庫本体の高さが180cm程度となり、冷蔵室(53)が本体上部に配置されているため、冷蔵室における最上段棚(57)の底面位置は床面から約160cmの高さとなり、奥行き寸法も深いことから、身長の低い人にとって、最上段の棚(57)への食品の収納や取出し作業は困難となることが多いばかりでなく収納状態の確認もしにくいものであり、特にその棚奥部については非常に使い難いスペースとなっていた。
【0005】
これに対して、本発明の出願人が特願2002−214431として出願したものであって、図9に示すように、冷蔵室(53)の上段両側壁に固定レール(58)を配置し、この固定レール(58)内を水平方向に摺動する可動レール(59)に回動自在に前後アーム(60)を軸支して両側のアーム(60)間を連結する棚受け(69)に棚容器(57)を載置し、前記可動レール(59)で棚容器(57)を前方移動するとともにアーム(60)の回動で棚容器(57)を水平状態を保持したまま上下移動可能とすることによって、使用者の手が届きやすく使い勝手を良好にした棚装置が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記構成の棚容器は、使い勝手が良好となる利点を有する反面、部品構成が棚本体やレール以外に棚を保持移動するための複雑な機構と多くの構成部品を備えているため、コストが高くなるとともに棚移動機構によって棚の収納容積が減少し、さらに移動機構を含む棚自体が重くなることから使用者にとって使いづらく、また重量に対する不安感を生じる問題があった。
【0007】
本発明は上記点を考慮してなされたもので、前後および上下移動可能な棚機構を簡単にして棚有効容積を大きくし、コストの低減をはかるとともに、重量を軽くしてより使いやすくした棚装置、および棚装置を備えた冷蔵庫を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の棚装置は、室内上下方向に複数段の棚空間を設けた収納室と、前記棚空間の少なくとも一段部の収納部側壁に固着した固定レールと、この固定レールの前部に連結部材を介在して位置し収納室側壁に軸支した前後のリンク軸によって前方下方に回動可能に設けられた可動レールと、この可動レールと固定レール上に摺動可能に保持された棚容器とからなり、棚容器の所定量前方への摺動により可動レールと固定レールとの連結を解除するとともに棚容器を可動レールに係合して可動レールの回動を許容し、可動レールと棚容器とを水平状態を保持して上下移動可能にしたことを特徴とするものである。
【0009】
この発明によれば、簡単な操作で棚装置の前後および上下移動ができ、最上段部位置にある棚容器であっても食品の収納や取り出しの使い勝手が良好な棚容器装置を得られるとともに、棚移動機構を簡単にすることで棚の有効収納容積を大きくでき、また、重量を軽くすることができるので、より使いやすくなって使用者の不安感を取り除き、且つ、コストの低減をはかることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の一実施形態について説明する。図1は、断熱キャビネットからなる冷蔵庫本体(1)の最上部に配設した冷蔵室(2)の室内を示す縦断面図、図2はその斜視図であり、この冷蔵室(2)やその下方に配置した図示しない野菜室や冷凍室ほかの貯蔵室は、外箱の内側に断熱材を介して設けた内箱(3)により形成されている。
【0011】
冷蔵室(2)は、従来と同様に、その背面に設けた図示しない冷却器で生成した冷気をファンからダクトを経由し、冷気吐出口によって室内に導入し冷却する構成であり、室内は載置棚(4)によって複数の収納部に区分し、冷蔵食品の貯蔵空間を形成している。
【0012】
(5)は、冷蔵室(3)内の最上部に全幅に亙って設置した樹脂成型品からなる棚容器であり、周壁を設けて容器状に形成するとともに前壁の高さは低くして上下に大きく開口させている。背壁は立ち上がり壁をやや低くして、背面に設けたファンからの冷気を冷気吐出口から容器内に導入し易くしている。
【0013】
棚容器(5)は、図3に左側の断面を示すように、側壁の前後に亙って外方に受けリブ(5a)を突出させ、この受けリブ(5a)を内箱(3)の両側壁に対向して突設した固定レール(6)、およびこの固定レール(6)の前部にその上部摺動面を同一にして固定レール(6)より長い受け面(7a)を有して配置した可動レール(7)上に載置することで摺動可能に保持されている。
【0014】
可動レール(7)は、前後2カ所に支承部(7b)(7c)を設けており、その下方に軸支部(8a)(9a)を設けたリンク前軸(8)および後軸(9)により前方下方に回動可能に保持されている。前記軸支部(8a)(9a)は、内箱(3)の壁面に補強板(15)により強固に固定されている。
【0015】
内箱両側壁のリンク後軸(9)は保持棒(10)で一体に連結されており、この構成により、可動レール(7)は冷蔵室(3)内における両側壁からの間隔を保持して、載置した棚容器(5)の水平状態を維持したまま上下に回動することができる。
【0016】
可動レール(7)の後端に形成した下方への凹部(7d)には、詳細を図4に示すように、ほぼへ字状をなし中央部を前記凹部(7d)壁に軸支(11a)した棚ストッパ(11)を配設している。棚ストッパ(11)の軸支部(11a)にはコイルバネ(12)を配しており、固定レール(6)側の先端に形成した係止爪(11b)を常時上方に回動するようにバネ力を付勢している。
【0017】
固定レール(6)の前端には前記棚ストッパの係止爪(11b)が係合する係止凹部(6b)が設けられており、棚容器(5)と可動レール(7)が、図1に示すように、冷蔵室(3)内の所定位置にあるときは、図4の状態にあり、前記係止爪(11b)が係止凹部(6b)に嵌合して固定レール(6)と可動レール(7)とを連結し、可動レール(7)の前方への移動を阻止している。
【0018】
このとき、棚ストッパの係止爪(11b)側の片は、前記固定レールの係止凹部(6b)内に埋没している。その下面は固定レール(6)や可動レール(7の)下面と同一面となるようにしており、棚ストッパの軸支部(11a)から前方の片(11c)は、係止爪側の片とは逆に、可動レールの凹部(7d)から下方に突出するように構成されている。
【0019】
冷蔵室内にある棚容器(5)は、通常この固定レール(6)と可動レール(7)との同一面に形成された受け面(6a)(7a)上に受けリブ(5a)を載置して前後に摺動自在に保持されているものであるが、前記受けリブ(5a)の後端に対応する下方には、固定レール(6)を挟むように外方への突片(5b)を一体に形成している。
【0020】
したがって、図5に示すように、棚容器(5)の前方への摺動により容器の後端が固定レール(6)から外れる近傍では、突片(5b)も前方へ移動して前記棚ストッパの前方片(11c)と係合することになり、当接により前方片(11c)を回動して可動レールの凹部(7d)に埋没させるとともに、逆に、係止爪(11b)が下方への回動で固定レールの係止凹部(6b)から離脱する。この係止ロックの解除により可動レール(7)と固定レール(6)との連結が解除され、可動レール(7)の前方への回動が許容される。
【0021】
前記棚容器の受けリブ(5a)の前方位置には、わずかの間隔を設けて前面に傾斜ガイド面を有する棚固定リブ(5c)を突設しており、さらにその前方に位置する可動レール(7)の前端上部には、後端に傾斜ガイド面を有する係合片(13a)を形成した係合アーム(13)をコイルバネ(14)を配して軸支しており、係合片(13a)を常時下方に回動付勢している。
【0022】
図6に示すように、前記棚固定リブ(5c)は、前記棚容器(5)の前方移動により、突片(5b)が棚ストッパ(11)に当接し回動させる位置で係合アームの係合片(13a)に当接し、双方の傾斜ガイドの係合によって係合片(13a)を回動させこれを乗り越えて棚固定リブ(5c)と係合するように構成している。
【0023】
この係合により、棚容器(5)は、前後への移動を制限されて可動レール(7)上に保持固定され、リンク軸(8)(9)による回動の際は、可動レール(7)とともに水平状態を保持したまま前方下方へ移動する。
【0024】
以下、上記構成の動作について説明する。冷蔵室(2)の最上段にある棚容器(5)を下方に移動すべく、図1の状態から固定レール(6)および可動レール(7)上を前方へ摺動させ、棚容器(5)の後端が固定レール(6)から外れる位置に至った際には、図6に示す状態となり、棚容器の突片(5b)の当接によって、棚ストッパ(11)を回動させて固定レール(6)と可動レール(7)の連結が解除される。
【0025】
同時に棚容器(5)の前上方においては、棚固定リブ(5c)が係合アーム(13)に当接し、コイルバネ(14)の付勢力に抗して係合片(13a)を傾斜ガイド面に沿って押し上げてさらに前方へ移動し、係合片(13a)を乗り越えた後に係合片(13a)を棚固定リブ(5c)に係止させて棚容器(5)と可動レール(7)とを係合する。
【0026】
この状態で棚容器(5)を前方へ引き下ろせば、可動レール(7)は、リンク前軸(8)および後軸(9)の各軸支部(8a)(9a)を支点にして容器の水平状態を保持したまま回動し、図7に示すように、下部載置棚(4)の前方まで下降移動して停止するものであり、使用者は、棚一段分低い状態で食品など収納物を出し入れすることができ、格段に使い勝手が向上する。
【0027】
棚容器(5)を元の場所に戻す際は、棚容器(5)を図6に示す位置まで持ち上げた後、係合アーム(13)の前端を押し下げて係合片(13a)と棚固定リブ(5c)の係合を解除し、棚容器(5)を後方に押し込めばよく、摺動によって棚容器下部の突片(5b)が可動レール(7)から固定レール(6)部へ移動すれば、棚ストッパ(11)の前方片(11c)に対する押さえが外れてコイルバネ(12)により係止爪(11b)が固定レールの係止凹部(6b)に嵌合し、可動レール(7)と固定レール(6)とは連結固定されて図1の状態に戻る。
【0028】
なお、上記実施例において、棚容器は、冷蔵室内の全幅に亙って設けるだけでなく、冷蔵室内を幅方向に亙って仕切板で区分し、それぞれの空間に対して上記棚装置を取り付けるようにしてもよい。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、簡単な操作で棚装置の前後および上下移動ができ、最上段部位置にある棚容器であっても食品の収納や取り出しの使い勝手が良好な棚容器装置を得られるとともに、棚移動機構を簡単にすることで棚有効収納容積を大きくでき、また、重量を軽くすることができるので、より使いやすくなって使用者の不安感を取り除き、且つ、コストの低減をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の冷蔵室上部を示す側断面図である。
【図2】図1の棚移動機構を示す斜視図である。
【図3】図1の棚移動機構の左側の正面からの断面図である。
【図4】図1のおけるレールの連結状態を示す拡大側面図である。
【図5】図4と同一部分の連結解除状態を示す側面図である。
【図6】図1から棚容器を前方に摺動させた状態を示す側断面図である。
【図7】図6から棚容器を下方移動させた状態を示す側断面図である。
【図8】一般の冷蔵庫を示す縦断面図である。
【図9】従来の上下移動棚を示す冷蔵庫開扉状態の斜視図である。
【符号の説明】
1…冷蔵庫本体 2…冷蔵室 3…内箱
4…載置棚 5…棚容器 5a…受けリブ
5b…突片 5c…棚固定リブ 6…固定レール
7…可動レール 6a、7a…受け面 6b…係止凹部
7b、7c…支承部 7d…凹部 8…リンク前軸
9…リンク後軸 8a、9a…軸支部 10…保持棒
11…棚ストッパ 11a…軸支部 11b…係止爪
11c…前方片 12、14…コイルバネ 13…係合アーム
13a…係合片 15…補強板
【発明の属する技術分野】
本発明は棚装置に係り、冷蔵庫の貯蔵室に設けた食品載置棚や容器、食器棚、あるいは台所や倉庫など収納棚において、特に前後および上下位置を変更できる棚装置、および棚装置を設けた冷蔵庫に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば冷蔵庫や台所収納棚は、食生活の多様化とともに収納量も大形化傾向にあり、特に家庭用冷蔵庫においては、収納内容積が400リットルを越えるクラスが主流になっており、冷蔵庫本体の外形高さ寸法は180cm程度になるとともに、幅寸法や奥行き寸法も大きくなる傾向にある。
【0003】
これに伴って、冷蔵室や野菜室など各貯蔵室の収納容積も拡大しているが、各貯蔵室の配置としては、図8に示すように、本体(51)の上部に最も使用頻度が多く貯蔵物収納容積の大きい冷蔵室(53)を設置し、その下部に野菜室(54)や冷凍室(55)を設置している。前記冷蔵室(53)は、その前面開口部に一側を枢支した扉(52)により前記開口を開閉自在に閉塞しており、室内には収納空間を上下複数段に区分する載置棚(56)を設置している。また、野菜室(54)と冷凍室(55)は、収納物の出し入れ操作の利便性から扉の貯蔵室側に容器を取り付けた引出し式としている。
【0004】
しかしながら、前述したごとく、冷蔵庫本体の高さが180cm程度となり、冷蔵室(53)が本体上部に配置されているため、冷蔵室における最上段棚(57)の底面位置は床面から約160cmの高さとなり、奥行き寸法も深いことから、身長の低い人にとって、最上段の棚(57)への食品の収納や取出し作業は困難となることが多いばかりでなく収納状態の確認もしにくいものであり、特にその棚奥部については非常に使い難いスペースとなっていた。
【0005】
これに対して、本発明の出願人が特願2002−214431として出願したものであって、図9に示すように、冷蔵室(53)の上段両側壁に固定レール(58)を配置し、この固定レール(58)内を水平方向に摺動する可動レール(59)に回動自在に前後アーム(60)を軸支して両側のアーム(60)間を連結する棚受け(69)に棚容器(57)を載置し、前記可動レール(59)で棚容器(57)を前方移動するとともにアーム(60)の回動で棚容器(57)を水平状態を保持したまま上下移動可能とすることによって、使用者の手が届きやすく使い勝手を良好にした棚装置が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記構成の棚容器は、使い勝手が良好となる利点を有する反面、部品構成が棚本体やレール以外に棚を保持移動するための複雑な機構と多くの構成部品を備えているため、コストが高くなるとともに棚移動機構によって棚の収納容積が減少し、さらに移動機構を含む棚自体が重くなることから使用者にとって使いづらく、また重量に対する不安感を生じる問題があった。
【0007】
本発明は上記点を考慮してなされたもので、前後および上下移動可能な棚機構を簡単にして棚有効容積を大きくし、コストの低減をはかるとともに、重量を軽くしてより使いやすくした棚装置、および棚装置を備えた冷蔵庫を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の棚装置は、室内上下方向に複数段の棚空間を設けた収納室と、前記棚空間の少なくとも一段部の収納部側壁に固着した固定レールと、この固定レールの前部に連結部材を介在して位置し収納室側壁に軸支した前後のリンク軸によって前方下方に回動可能に設けられた可動レールと、この可動レールと固定レール上に摺動可能に保持された棚容器とからなり、棚容器の所定量前方への摺動により可動レールと固定レールとの連結を解除するとともに棚容器を可動レールに係合して可動レールの回動を許容し、可動レールと棚容器とを水平状態を保持して上下移動可能にしたことを特徴とするものである。
【0009】
この発明によれば、簡単な操作で棚装置の前後および上下移動ができ、最上段部位置にある棚容器であっても食品の収納や取り出しの使い勝手が良好な棚容器装置を得られるとともに、棚移動機構を簡単にすることで棚の有効収納容積を大きくでき、また、重量を軽くすることができるので、より使いやすくなって使用者の不安感を取り除き、且つ、コストの低減をはかることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の一実施形態について説明する。図1は、断熱キャビネットからなる冷蔵庫本体(1)の最上部に配設した冷蔵室(2)の室内を示す縦断面図、図2はその斜視図であり、この冷蔵室(2)やその下方に配置した図示しない野菜室や冷凍室ほかの貯蔵室は、外箱の内側に断熱材を介して設けた内箱(3)により形成されている。
【0011】
冷蔵室(2)は、従来と同様に、その背面に設けた図示しない冷却器で生成した冷気をファンからダクトを経由し、冷気吐出口によって室内に導入し冷却する構成であり、室内は載置棚(4)によって複数の収納部に区分し、冷蔵食品の貯蔵空間を形成している。
【0012】
(5)は、冷蔵室(3)内の最上部に全幅に亙って設置した樹脂成型品からなる棚容器であり、周壁を設けて容器状に形成するとともに前壁の高さは低くして上下に大きく開口させている。背壁は立ち上がり壁をやや低くして、背面に設けたファンからの冷気を冷気吐出口から容器内に導入し易くしている。
【0013】
棚容器(5)は、図3に左側の断面を示すように、側壁の前後に亙って外方に受けリブ(5a)を突出させ、この受けリブ(5a)を内箱(3)の両側壁に対向して突設した固定レール(6)、およびこの固定レール(6)の前部にその上部摺動面を同一にして固定レール(6)より長い受け面(7a)を有して配置した可動レール(7)上に載置することで摺動可能に保持されている。
【0014】
可動レール(7)は、前後2カ所に支承部(7b)(7c)を設けており、その下方に軸支部(8a)(9a)を設けたリンク前軸(8)および後軸(9)により前方下方に回動可能に保持されている。前記軸支部(8a)(9a)は、内箱(3)の壁面に補強板(15)により強固に固定されている。
【0015】
内箱両側壁のリンク後軸(9)は保持棒(10)で一体に連結されており、この構成により、可動レール(7)は冷蔵室(3)内における両側壁からの間隔を保持して、載置した棚容器(5)の水平状態を維持したまま上下に回動することができる。
【0016】
可動レール(7)の後端に形成した下方への凹部(7d)には、詳細を図4に示すように、ほぼへ字状をなし中央部を前記凹部(7d)壁に軸支(11a)した棚ストッパ(11)を配設している。棚ストッパ(11)の軸支部(11a)にはコイルバネ(12)を配しており、固定レール(6)側の先端に形成した係止爪(11b)を常時上方に回動するようにバネ力を付勢している。
【0017】
固定レール(6)の前端には前記棚ストッパの係止爪(11b)が係合する係止凹部(6b)が設けられており、棚容器(5)と可動レール(7)が、図1に示すように、冷蔵室(3)内の所定位置にあるときは、図4の状態にあり、前記係止爪(11b)が係止凹部(6b)に嵌合して固定レール(6)と可動レール(7)とを連結し、可動レール(7)の前方への移動を阻止している。
【0018】
このとき、棚ストッパの係止爪(11b)側の片は、前記固定レールの係止凹部(6b)内に埋没している。その下面は固定レール(6)や可動レール(7の)下面と同一面となるようにしており、棚ストッパの軸支部(11a)から前方の片(11c)は、係止爪側の片とは逆に、可動レールの凹部(7d)から下方に突出するように構成されている。
【0019】
冷蔵室内にある棚容器(5)は、通常この固定レール(6)と可動レール(7)との同一面に形成された受け面(6a)(7a)上に受けリブ(5a)を載置して前後に摺動自在に保持されているものであるが、前記受けリブ(5a)の後端に対応する下方には、固定レール(6)を挟むように外方への突片(5b)を一体に形成している。
【0020】
したがって、図5に示すように、棚容器(5)の前方への摺動により容器の後端が固定レール(6)から外れる近傍では、突片(5b)も前方へ移動して前記棚ストッパの前方片(11c)と係合することになり、当接により前方片(11c)を回動して可動レールの凹部(7d)に埋没させるとともに、逆に、係止爪(11b)が下方への回動で固定レールの係止凹部(6b)から離脱する。この係止ロックの解除により可動レール(7)と固定レール(6)との連結が解除され、可動レール(7)の前方への回動が許容される。
【0021】
前記棚容器の受けリブ(5a)の前方位置には、わずかの間隔を設けて前面に傾斜ガイド面を有する棚固定リブ(5c)を突設しており、さらにその前方に位置する可動レール(7)の前端上部には、後端に傾斜ガイド面を有する係合片(13a)を形成した係合アーム(13)をコイルバネ(14)を配して軸支しており、係合片(13a)を常時下方に回動付勢している。
【0022】
図6に示すように、前記棚固定リブ(5c)は、前記棚容器(5)の前方移動により、突片(5b)が棚ストッパ(11)に当接し回動させる位置で係合アームの係合片(13a)に当接し、双方の傾斜ガイドの係合によって係合片(13a)を回動させこれを乗り越えて棚固定リブ(5c)と係合するように構成している。
【0023】
この係合により、棚容器(5)は、前後への移動を制限されて可動レール(7)上に保持固定され、リンク軸(8)(9)による回動の際は、可動レール(7)とともに水平状態を保持したまま前方下方へ移動する。
【0024】
以下、上記構成の動作について説明する。冷蔵室(2)の最上段にある棚容器(5)を下方に移動すべく、図1の状態から固定レール(6)および可動レール(7)上を前方へ摺動させ、棚容器(5)の後端が固定レール(6)から外れる位置に至った際には、図6に示す状態となり、棚容器の突片(5b)の当接によって、棚ストッパ(11)を回動させて固定レール(6)と可動レール(7)の連結が解除される。
【0025】
同時に棚容器(5)の前上方においては、棚固定リブ(5c)が係合アーム(13)に当接し、コイルバネ(14)の付勢力に抗して係合片(13a)を傾斜ガイド面に沿って押し上げてさらに前方へ移動し、係合片(13a)を乗り越えた後に係合片(13a)を棚固定リブ(5c)に係止させて棚容器(5)と可動レール(7)とを係合する。
【0026】
この状態で棚容器(5)を前方へ引き下ろせば、可動レール(7)は、リンク前軸(8)および後軸(9)の各軸支部(8a)(9a)を支点にして容器の水平状態を保持したまま回動し、図7に示すように、下部載置棚(4)の前方まで下降移動して停止するものであり、使用者は、棚一段分低い状態で食品など収納物を出し入れすることができ、格段に使い勝手が向上する。
【0027】
棚容器(5)を元の場所に戻す際は、棚容器(5)を図6に示す位置まで持ち上げた後、係合アーム(13)の前端を押し下げて係合片(13a)と棚固定リブ(5c)の係合を解除し、棚容器(5)を後方に押し込めばよく、摺動によって棚容器下部の突片(5b)が可動レール(7)から固定レール(6)部へ移動すれば、棚ストッパ(11)の前方片(11c)に対する押さえが外れてコイルバネ(12)により係止爪(11b)が固定レールの係止凹部(6b)に嵌合し、可動レール(7)と固定レール(6)とは連結固定されて図1の状態に戻る。
【0028】
なお、上記実施例において、棚容器は、冷蔵室内の全幅に亙って設けるだけでなく、冷蔵室内を幅方向に亙って仕切板で区分し、それぞれの空間に対して上記棚装置を取り付けるようにしてもよい。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、簡単な操作で棚装置の前後および上下移動ができ、最上段部位置にある棚容器であっても食品の収納や取り出しの使い勝手が良好な棚容器装置を得られるとともに、棚移動機構を簡単にすることで棚有効収納容積を大きくでき、また、重量を軽くすることができるので、より使いやすくなって使用者の不安感を取り除き、且つ、コストの低減をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の冷蔵室上部を示す側断面図である。
【図2】図1の棚移動機構を示す斜視図である。
【図3】図1の棚移動機構の左側の正面からの断面図である。
【図4】図1のおけるレールの連結状態を示す拡大側面図である。
【図5】図4と同一部分の連結解除状態を示す側面図である。
【図6】図1から棚容器を前方に摺動させた状態を示す側断面図である。
【図7】図6から棚容器を下方移動させた状態を示す側断面図である。
【図8】一般の冷蔵庫を示す縦断面図である。
【図9】従来の上下移動棚を示す冷蔵庫開扉状態の斜視図である。
【符号の説明】
1…冷蔵庫本体 2…冷蔵室 3…内箱
4…載置棚 5…棚容器 5a…受けリブ
5b…突片 5c…棚固定リブ 6…固定レール
7…可動レール 6a、7a…受け面 6b…係止凹部
7b、7c…支承部 7d…凹部 8…リンク前軸
9…リンク後軸 8a、9a…軸支部 10…保持棒
11…棚ストッパ 11a…軸支部 11b…係止爪
11c…前方片 12、14…コイルバネ 13…係合アーム
13a…係合片 15…補強板
Claims (5)
- 室内上下方向に複数段の棚空間を設けた収納室と、前記棚空間の少なくとも一段部の収納部側壁に固着した固定レールと、この固定レールの前部に連結部材を介在して位置し収納室側壁に軸支した前後のリンク軸によって前方下方に回動可能に設けられた可動レールと、この可動レールと固定レール上に摺動可能に保持された棚容器とからなり、棚容器の所定量前方への摺動により可動レールと固定レールとの連結を解除するとともに棚容器を可動レールに係合して可動レールの回動を許容し、可動レールと棚容器とを水平状態を保持して上下移動可能にしたことを特徴とする棚装置。
- 可動レールの後端に固定レール側の前端と係合する係止爪を形成した棚ストッパを設け、レール上の棚容器の所定量前方への摺動によって棚ストッパを回動し、前記係止爪と固定レールとの係合を解除することを特徴とする請求項1記載の棚装置。
- 棚ストッパをほぼへ字状にして前端を可動レール面から突出させ、レール部を摺動する棚容器を前記突出部に当接させることで棚ストッパを回動させて固定レールとの係合を解除することを特徴とする請求項2記載の棚装置。
- 可動レールの前端に棚容器の前部と係合する係合片を形成した係合アームを設け、レール上の棚容器の所定量前方への摺動によって係合アームを回動し、前記係合片と棚容器とを係合させて棚容器を可動レールに保持することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の棚装置。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の棚装置を貯蔵室の最上段の棚空間に配置したことを特徴とする冷蔵庫。
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JP2003091290A JP2004298218A (ja) | 2003-03-28 | 2003-03-28 | 棚装置、および棚装置を備えた冷蔵庫 |
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ID=33404699
Family Applications (1)
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WO2021066334A1 (en) * | 2019-09-30 | 2021-04-08 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Pull down refrigerator shelf and refrigerator with the same |
US11578909B2 (en) * | 2020-05-26 | 2023-02-14 | Whirlpool Corporation | Shelf assembly for an appliance |
-
2003
- 2003-03-28 JP JP2003091290A patent/JP2004298218A/ja active Pending
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