JP2004295628A - インフラストラクチャに対する工事支援システム - Google Patents

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泰司 森田
Yoshiaki Miyanaga
佳明 宮永
Masami Odagaki
正美 小田垣
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Abstract

【課題】特定のインフラストラクチャに対する工事を円滑に実行させることのできるインフラストラクチャに対する工事支援システムを提供する。
【解決手段】工事支援システムが、特定のインフラストラクチャの属性情報を記憶するインフラストラクチャ情報データベース内の工事対象部位に関する属性情報と工事計画に関する情報関連付け、インフラストラクチャ情報データベースへの書き込みを支援する工事計画支援部1と、工事申請先が要求する形式の工事申請情報の作成を支援する工事申請支援部2と、工事計画の完了報告に関する情報を受け付け、インフラストラクチャ情報データベース内の工事対象部位に関する属性情報と関連付けて、完了報告に関する情報のインフラストラクチャ情報データベースへの書き込みを支援する工事報告支援部3とを備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は道路、各種配管、電線、電話線などのインフラストラクチャに対する工事を行う際の工事支援システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ある会社において様々な業務を遂行する場合、多数の社員がそれらの業務に係わることとなるのだが、その際には多数の社員間での情報の共有をできるか否かが、業務の遂行を円滑に進めることができるか否かにかかってくる。このような問題に鑑みて、多くの情報を総合的に一元管理する情報管理システムが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
具体的には、特許文献1に記載のシステムでは、CADデータ、電子文書、写真、電子カメラデータなどの最新情報をデータベースにて総合的に一元管理することが記載されている。そして、特許文献1に記載のシステムでは、データベースにアクセスすることで最新の資料(電子データ)の参照をスピーディーに行うことができるために作業効率が向上するという効果が得られることが記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−334203号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、データベースにおいて管理されている情報を特定の用途に使用する場合には、特許文献1に記載のような単に情報を管理するだけのシステムでは不十分である。例えば、データベースにおいて管理されている情報を特定の用途に用いるためには、データベースにおいて管理されている膨大な量の情報の中からどの情報を抽出すればよいのか、抽出した情報を使用して作成した新たな情報を、後から他の者に使用させるためにはどのようにデータベースに記憶させればよいのか、といった支援を行う必要がある。
【0006】
例えば、地中に埋設されているガス配管の工事などを行う場合、工事計画の起案業務の用途や、行政に対する工事申請業務の用途や、工事施工後の報告業務の用途などのために、データベースにおいて管理されている多数の情報の中から所望の情報を抽出し、情報を改変又は新たに追加するなどした後で、後から他の物が使用可能なようにデータベースに記憶させることが必要である。
【0007】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、特定のインフラストラクチャに対する工事を円滑に実行させることのできるインフラストラクチャに対する工事支援システムを提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明に係るインフラストラクチャに対する工事支援システムの特徴構成は、特定のインフラストラクチャの工事対象部位における工事計画に関する情報を受け付け、前記特定のインフラストラクチャの属性情報を記憶するインフラストラクチャ情報データベース内の前記工事対象部位に関する属性情報と関連付けて、前記工事計画に関する情報の前記インフラストラクチャ情報データベースへの書き込みを支援する工事計画支援部と、前記インフラストラクチャ情報データベースから抽出された前記工事計画の申請届出先に対して申請するべき情報と操作者による入力情報とを合わせて、前記工事申請先が要求する形式の工事申請情報の作成を支援する工事申請支援部と、前記工事申請情報が許可された後に実施される前記工事対象部位における前記工事計画の完了報告に関する情報を受け付け、前記インフラストラクチャ情報データベース内の前記工事対象部位に関する属性情報と関連付けて、前記前記完了報告に関する情報の前記インフラストラクチャ情報データベースへの書き込みを支援する工事報告支援部とを備える点にある。
【0009】
上記特徴構成により、工事計画支援部の支援を受ける工事計画者と、工事申請支援部の支援を受ける行政に対する工事申請者と、工事報告支援部の支援を受ける工事報告者とが別々の人物であっても、インフラストラクチャ情報データベースに記憶されている情報を用いて、それぞれの業務が円滑に遂行されることを確保することができる。例えば、工事計画者はインフラストラクチャ情報データベースに記憶されているインフラストラクチャの属性情報を使用して、工事計画に関する情報を作成することができ、工事報告者は工事計画者によってインフラストラクチャ情報データベースに記憶された工事計画に関する情報を使用して、行政などの申請届出先に対して申請するべき工事申請情報を作成することができ、工事報告者はインフラストラクチャ情報データベースに記憶されている情報の一部を変更させることで、インフラストラクチャ情報データベースに記憶されている情報を最新の情報にさせることができる。
【0010】
上記課題を解決するための本発明に係るインフラストラクチャに対する工事支援システムの別の特徴構成は、前記特定のインフラストラクチャに対する前記工事計画を実施した場合に影響を及ぼす他のインフラストラクチャの管理者に対して前記工事計画に関する情報の一部又は全部を提示して、前記工事計画の実施について協議するための協議情報の作成を支援する協議支援部を更に備える点にある。
【0011】
上記特徴構成により、協議支援部の支援を受ける協議者は、インフラストラクチャ情報データベースに記憶されている工事計画に関する情報を用いた協議情報の作成の支援を受けて、他のインフラストラクチャの管理者に対して上記工事計画の概要を伝達しておき、工事計画を実行した場合に上記他のインフラストラクチャに対して発生し得る問題点を把握しておくことができるので、工事計画を実行した場合に上記他のインフラストラクチャに対して悪影響を及ぼすことを未然に防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明に係る工事支援システムに関して説明する。
インフラストラクチャに対する工事を行う場合、まず工事計画を起案することが必要になる。その後、起案された工事計画を用いて、行政などに対する工事申請が行われる。行政から工事申請に対して認可が下りれば、実際に工事が実施される。工事完了後はその報告(工事完了後のインフラストラクチャの状態などを記した地図など)がインフラストラクチャを管理する事業者に対して行われる。
【0013】
以上のように、インフラストラクチャに対する工事を行う場合の工程として、工事計画を行う工程と、工事申請を行う工程と、工事が完了したことの工事報告を行う工程とが必要となる。工事計画を起案する工程では、広い地域に設置されているインフラストラクチャのどこを工事対象部位とするのかといった情報や、その工事対象部位にどのような工事を実施するのかといった情報が確定される。上述のような工事計画に関する情報はコンピュータによって、インフラストラクチャの属性情報を記憶するインフラストラクチャ情報データベース4に記憶される。次に工事申請を行う工程では、インフラストラクチャに対する工事を実施するにあたって行政などの申請届出先に対して申請するべき情報を指定の申請書の形式で作成する。申請届出先に対して申請するべき情報はインフラストラクチャ情報データベース4から抽出して作成され、申請に必要な情報が不足している場合には工事申請者に対して更なる情報の入力を要求する。次に工事報告を行う工程では、工事を行ったことによるインフラストラクチャの属性情報の変更点についての報告が行われ、インフラストラクチャ情報データベース4に記憶される。
【0014】
図1に例示するのは工事支援システムの機能ブロック図であり、工事計画を起案する工事計画者の支援を行う工事計画支援部1と、工事申請先に対する工事申請を行う工事申請者の支援を行う工事申請支援部2と、工事の完了を報告する工事報告者の支援を行う工事報告支援部3とを備えて構成されている。更に、工事計画支援部1と工事申請支援部2と工事報告支援部3との間でインフラストラクチャの属性情報のやり取りを行うことができるインフラストラクチャ情報データベース4がそれぞれと通信ネットワーク5を介して接続されている。
【0015】
工事計画支援部1、工事申請支援部2、及び工事報告支援部3は、CPU(Central Processing Unit)を中心とした演算処理部と、演算処理部において実行される各種プログラムや、演算処理過程又は演算処理前後の情報を記憶するメモリ、ハードディスクドライブ、外部記憶装置などの記憶媒体で構成される記憶部と、キーボードや通信ネットワーク5に接続される通信ポートなどの情報入出力手段と、処理結果や処理過程を表示する表示部といった装置を備えて構成される1台または複数台のコンピュータ(情報処理装置)によって実現可能である。
【0016】
インフラストラクチャ情報データベース4は、広い地域に敷設されている道路、上下水道配管、ガス配管、送電線、電話線、光ファイバなどの通信線などに関するインフラストラクチャ情報を画像情報や文字情報で記憶しており、座標を特定されればその座標位置にあるインフラストラクチャの属性情報(例えば、配管の内径や材料)を検索して呼び出して、工事計画支援部1、工事申請支援部2、及び工事報告支援部3を実現するコンピュータ端末の表示画面上に提示させることができる。
【0017】
工事計画支援部1の支援を受けてガス配管に関する工事計画の作成を行う工事計画者は、工事計画支援部1を実現するコンピュータ端末を利用して、ガス配管(インフラストラクチャの一例)の工事対象部位を含む画像をインフラストラクチャ情報データベース4から読み出して、図2に例示するようなコンピュータ端末の表示画面上に表示させる。工事対象部位を含むガス配管図を選択的に画面表示させるためには、工事対象部位の住所や緯度経度などを工事計画者が入力し、その入力情報を受けた工事計画支援部1がインフラストラクチャ情報DB4にアクセスして、該当するガス配管図を抽出することで行われる。その後、工事計画者が表示画面上の工事対象部位をマウスなどを使用して選択入力して工事路線を決定した場合、工事計画支援部1は図3に例示するような工事計画に関する情報の入力支援画面を表示画面上に表示させる。
【0018】
図3に示す入力支援画面の提示を受けた工事計画者は、工事計画に関する情報をキーボードなどの入力手段を用いて入力し、入力が完了すれば「送信」ボタンを選択入力することで、インフラストラクチャ情報データベース4側へ情報の送信が行われる。工事計画者によって入力された工事計画に関する情報は、上記工事対象部位に関する属性情報と関連付けてインフラストラクチャ情報データベース4に記憶される。その結果、次にインフラストラクチャ情報データベース4にアクセスして、上記工事対象部位を含む画像を読み出した場合には、図4に例示するような工事計画に関する情報のラベル(ここでは、「No.88−880781」)が併せて表示された画像が提供される。
【0019】
次に、工事申請支援部2の支援を受けて工事申請を行う工事申請者は、工事申請支援部2を実現するコンピュータ端末を利用して、上記工事計画を実施するための工事申請を行う。まず、上記工事計画者から工事申請の依頼を電子メールなどで受けた工事申請者(又は工事計画者自身が工事申請者であっても構わない)は、コンピュータ端末を利用してインフラストラクチャ情報データベース4にアクセスし、依頼された工事対象部位に関する属性情報及びそれに関連付けられている工事計画に関する情報を読み出して、表示画面上に表示させる。その表示画面は図4に例示した画面と同様であり、工事計画に関する情報のラベル(ここでは、「No.88−880781」)が工事対象部位に併せて表示されている。
【0020】
その後、工事申請者が図4に例示した画面の工事対象部位や工事計画に関する情報のラベルをダブルクリックするなどして選択した場合、行政などの工事申請先に対して申請するべき情報がインフラストラクチャ情報データベース4から工事申請支援部2によって抽出されて図5に例示するような工事申請情報が記載された画面が表示される。尚、インフラストラクチャ情報データベース4に記憶されている情報が、工事申請を行うために不足している場合には、図5に例示した工事申請情報の画面上で工事申請者に対して更なる情報入力を要求することもできる。更なる情報入力の要求を受けた工事申請者は、行政などの工事申請先に対して工事申請を行うために必要な情報をキーボードなどの入力手段を用いて入力し、入力が完了すれば「送信」ボタンを選択入力することで、作成された工事申請情報がインフラストラクチャ情報データベース4側へ送信される。工事申請情報に含まれる工事申請者によって入力された情報は、上記工事対象部位に関する属性情報と関連付けてインフラストラクチャ情報データベース4に記憶される。また、作成された工事申請情報は印刷された書面形式で、又は電子データ形式で行政などの工事申請先に対して送られ、行政などの工事申請先において審査される。その後、申請が認可された場合には工事の施工が可能となる。
【0021】
工事施工者による工事計画の実施後、工事報告支援部3の支援を受けて工事報告を行う工事報告者は、工事報告支援部3を実現するコンピュータ端末を利用して、実施された工事計画に関する完了報告を行う。まず、工事施工者から工事の完了を知らされた工事報告者(又は工事の施工者自身が工事報告者であっても構わない)は、コンピュータ端末を利用してインフラストラクチャ情報データベース4にアクセスし、完了報告に関する情報を図6に例示するような画面上で入力し、インフラストラクチャ情報データベース4に記憶されている工事対象部位に関する属性情報と関連付けて記憶させる。完了報告に関する情報には、工事後の工事対象部位のCAD出来型図や工事現場を写した写真データなども含まれる。図7に例示するのはCAD出来型図の表示画面であり、図8に例示するのは写真データの表示画面例である。
【0022】
以上のように本発明に係る工事支援システムでは、工事計画者、工事申請者、工事報告者が互いに別人であっても、インフラストラクチャ情報データベース4に記憶されている工事対象部位の属性情報とその部位に対する工事計画に関する情報とを共有して読み出し/書き込みを行うことができるので、それぞれで図面を作成したり、必要な情報を入力したりする手間が不要となる。その結果、工事計画の遂行が円滑になり、また情報伝達ミスなどが発生する可能性を減らすことができる。
【0023】
上述の実施形態で説明した他にも工事支援システムに様々な機能を付加することで、工事支援システムを充実させることができる。例えば、測量設計支援部6、発注支援部7、協議支援部8、検収支援部9などの機能を追加されることがある。
【0024】
図9に例示するのは本発明に係る工事支援システムの別の機能ブロック図であり、図1に例示した工事計画を起案する工事計画者の支援を行う工事計画支援部1と、工事申請先に対する工事申請を行う工事申請者の支援を行う工事申請支援部2と、工事の完了を報告する工事報告者の支援を行う工事報告支援部3とに加えて、工事計画を実施するための測量設計を行う測量設計者の支援を行う測量設計支援部6と、工事施工者への発注を行う発注実施者の支援を行う発注支援部7と、工事計画を実施するにあたって他のインフラストラクチャ管理者との間で協議を行う協議実施者の支援を行う協議支援部8と、工事報告の検収を行う検収実施者の支援を行う検収支援部9とを備えて構成されている。また、図1で例示した工事支援システムと同様に、工事計画支援部1、工事申請支援部2、工事報告支援部3、測量設計支援部6、発注支援部7、協議支援部8、及び検収支援部9の間でインフラストラクチャの属性情報のやり取りを行うことができるインフラストラクチャ情報データベース4がそれぞれと通信ネットワーク5を介して接続されている。
【0025】
また、工事計画支援部1、工事申請支援部2、工事報告支援部3、測量設計支援部6、発注支援部7、協議支援部8、及び検収支援部9は、CPU(Central Processing Unit)を中心とした演算処理部と、演算処理部において実行される各種プログラムや、演算処理過程又は演算処理前後の情報を記憶するメモリ、ハードディスクドライブ、外部記憶装置などの記憶媒体で構成される記憶部と、キーボードや通信ネットワーク5に接続される通信ポートなどの情報入出力手段と、処理結果や処理過程を表示する表示部といった装置を備えて構成される1台または複数台のコンピュータ(情報処理装置)によって実現可能である。
【0026】
インフラストラクチャ情報データベース4は、広い地域に敷設されている道路、上下水道配管、ガス配管、送電線、電話線、光ファイバなどの通信線などに関するインフラストラクチャ情報を画像情報や文字情報で記憶しており、座標を特定されればその座標位置にあるインフラストラクチャの属性情報(例えば、配管の内径や材料や)を検索して呼び出して、工事計画支援部1、工事申請支援部2、工事報告支援部3、測量設計支援部6、発注支援部7、協議支援部8、及び検収支援部9を実現するコンピュータ端末の表示画面上に提示させることができる。
【0027】
以下には、工事計画支援部1、工事申請支援部2、工事報告支援部3、測量設計支援部6、発注支援部7、協議支援部8、及び検収支援部9の機能について図9〜図13を参照して説明する。但し、工事計画支援部1、工事申請支援部2、及び工事報告支援部3の機能は図1と同様であるので説明を省略する。尚、工事計画支援部1、工事申請支援部2、工事報告支援部3、測量設計支援部6、発注支援部7、協議支援部8、及び検収支援部9はそれぞれ1台のコンピュータ端末によって実現され、そのコンピュータの使用者(工事計画者、工事申請者、工事報告者、測量設計者、発注実施者、協議実施者、検収実施者)によって、ガス配管に関する工事計画、測量設計、発注、協議、工事申請、工事報告、及び検収が行われるものとする。
【0028】
工事計画に関する情報が工事計画支援部1の支援を受けて作成され、インフラストラクチャ情報DB4に記憶された後、電子メールなどによって測量設計者は測量設計を行うように指示される。測量設計支援部6の支援を受けて測量設計を行う測量設計者は、測量設計支援部6を実現するコンピュータ端末を利用して、工事計画者によって入力された工事計画に関する情報をインフラストラクチャ情報データベース4から抽出して、測量設計図面の仕様を入力する。その入力画面の例を図10に例示する。入力された測量設計に関する情報は、インフラストラクチャ情報データベース4の上記工事対象部位の属性情報と関連付けて記憶される。実際に測量を行う場合、測量設計者は、インフラストラクチャ情報データベース4に記憶されている測量設計に関する情報と、工事対象部位の地形図を切り出してCADへインポートし、そのCAD図面と現地での簡易調査によって、CAD図面の微修正を実施する。尚、簡易測量ができない場合には、現地において平板測量を実施し、紙に書いた地形図を設計CAD上でラスタ・ベクトル変換して、インフラストラクチャ情報データベースに記憶する。図11に例示するのは、設計CAD図面であり、この図面に従って工事が行われる。
【0029】
次に、発注支援部7によって、工事の発注作業の支援が行われる。まず、工事の発注を行うためには、工事に必要な経費を確定する必要がある。本発明に係る工事支援システムでは、インフラストラクチャ情報データベース4に記憶されている工事計画の設計CAD図面から経費に関する情報が抽出されて、工事計画全体での費用が導出される。例えば、工事に必要な材料(ガス配管など)、労務量、土砂量などの情報が抽出されて、それぞれの単価情報が乗算されて総費用が導出される。その後、工事を発注するために必要な情報がインフラストラクチャ情報データベース4から抽出されて、図12に例示するような発注情報が作成される。
【0030】
次に、測量設計及び発注が行われた後、電子メールなどによって協議実施者は他のインフラストラクチャ管理者との間で協議を行うように指示され、実際の工事を施工する際に発生し得る問題点の検証が、協議支援部8の支援によって行われる。例えば、工事対象とする地中に埋設されているガス配管に隣接して水道管や通信線や電力送電線が敷設されている場合があり、ガス配管と、水道管、通信線及び電力送電線などの位置関係によってはガス配管のみの工事だけでは済まない可能性がある。また、ガス配管のみの工事を行えば良い場合であっても、水道管、通信線及び電力送電線などの敷設状況に注意を払って、ガス配管に対する工事を行う必要があることもある。更には、埋設されたガス配管を取り替えるために、インフラストラクチャの一つであるアスファルト舗装を掘り返すという副次的な補助工事が発生することもある。
【0031】
このような場合、ガス配管を取り替える工事を行う前に、水道管の管理者、通信線の管理者、電力送電線の管理者、アスファルト舗装の管理者などに対して工事計画を伝達して、他のインフラストラクチャの工事計画と日程が重なることが無いかどうかや、工事日程が重なるか又は近接する場合にはその調整が可能であるかどうかや、工事を行う際に他のインフラストラクチャを損傷しないための注意点などの協議事項のすりあわせを行う。
【0032】
従って、協議支援部8の支援を受けて他のインフラストラクチャ管理者と協議を行う協議実施者は、図13に例示するような協議情報をインフラストラクチャ情報DB4に記憶されている工事計画に関する情報の中から抽出し、この協議情報を他のインフラストラクチャ管理者に提示して、自身の工事計画に問題があるかどうかの問い合わせを行う。図13に例示する協議情報を受け取った他のインフラストラクチャ管理者は、「問題なし」や「西側に水道管があるため、注意が必要」などの回答を行って、工事計画の実施にあたっての注意喚起を行う。
【0033】
上述のように特定のインフラストラクチャに対する工事を行うための協議結果が各社回答として得られることで、協議実施者は、目的とする工事計画を実施するに当たっての注意点を知ることができると共に、他のインフラストラクチャの管理者が実施する工事と日程が重なることを前もって避けることができる。その結果、上述のような協議が行われることで、工事計画の施工日程、施工手順を確定させることができる。その結果、図11に例示したように測量設計支援部6の支援を受けて作成された設計CAD図面に従った工事計画の実施が行われることとなる。
【0034】
また、工事施工者によって工事計画が実施され、工事報告者によって工事報告が行われた後、検収支援部9の支援を受けて工事の検収を行う検収実施者は、工事報告者によってインフラストラクチャ情報DB4に記憶された工事報告に関する情報の検収を行う。この検収支援部9では、インフラストラクチャ情報DB4に記憶された工事報告に関する情報を読み出して、工事支援システムの表示画面上にそれらの情報を表示して検収実施者に対して提示することで、一連の工事が滞りなく行われ、その工事の実施に関する情報がインフラストラクチャ情報DB4に正しく入力されているか否かの判定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る工事支援システムの機能ブロック図である。
【図2】工事支援システムを実現するコンピュータの表示画面例である。
【図3】工事支援システムを実現するコンピュータの表示画面例である。
【図4】工事支援システムを実現するコンピュータの表示画面例である。
【図5】工事支援システムを実現するコンピュータの表示画面例である。
【図6】工事支援システムを実現するコンピュータの表示画面例である。
【図7】工事支援システムを実現するコンピュータの表示画面例である。
【図8】工事支援システムを実現するコンピュータの表示画面例である。
【図9】本発明に係る工事支援システムの別の機能ブロック図である。
【図10】工事支援システムを実現するコンピュータの表示画面例である。
【図11】工事支援システムを実現するコンピュータの表示画面例である。
【図12】工事支援システムを実現するコンピュータの表示画面例である。
【図13】工事支援システムを実現するコンピュータの表示画面例である。
【符号の説明】
1 工事計画支援部
2 工事申請支援部
3 工事報告支援部
4 インフラストラクチャ情報データベース(DB)
5 通信ネットワーク
6 測量設計支援部
7 発注支援部
8 協議支援部
9 検収支援部

Claims (2)

  1. 特定のインフラストラクチャの工事対象部位における工事計画に関する情報を受け付け、前記特定のインフラストラクチャの属性情報を記憶するインフラストラクチャ情報データベース内の前記工事対象部位に関する属性情報と関連付けて、前記工事計画に関する情報の前記インフラストラクチャ情報データベースへの書き込みを支援する工事計画支援部と、
    前記工事計画の申請届出先に対して申請するべき情報を前記インフラストラクチャ情報データベースから抽出して、前記工事申請先が要求する形式の工事申請情報の作成を支援する工事申請支援部と、
    前記工事申請情報が許可された後に実施される前記工事対象部位における前記工事計画の完了報告に関する情報を受け付け、前記インフラストラクチャ情報データベース内の前記工事対象部位に関する属性情報と関連付けて、前記完了報告に関する情報の前記インフラストラクチャ情報データベースへの書き込みを支援する工事報告支援部とを備えるインフラストラクチャに対する工事支援システム。
  2. 前記特定のインフラストラクチャに対する前記工事計画を実施した場合に影響を及ぼす他のインフラストラクチャの管理者に対して前記工事計画に関する情報の一部又は全部を提示して、前記工事計画の実施について協議するための協議情報の作成を支援する協議支援部を更に備える請求項1に記載のインフラストラクチャに対する工事支援システム。
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